説明

宅内ネットワーク内におけるプロキシモバイルIPv6のサポート

宅内ネットワークと、セルラ通信システムのパケットコアネットワークを含む広域ネットワークとの間にゲートウェイを提供するための装置。この装置は、宅内ネットワークにアタッチされたユーザ機器と前記広域ネットワークとの間でIPパケットのルーティングを行うためのIPルータを備える。前記パケットコアネットワークに対するユーザ機器のアタッチメントを検出するために検出器が採用されているのに対して、トンネル確立ユニットは、前記検出器による前記パケットコアネットワークに対するユーザ機器のアタッチメントの検出が行われると、このユニット自体と前記パケットコアネットワークのブロードバンドネットワークゲートウェイとの間にIPパケットトンネルを確立するように構成される。その後、前記IPルータは、上記アタッチ済みユーザ機器へ及び該ユーザ機器から、前記IPトンネルを介してIPパケットのルーティングを行うように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宅内ネットワークにおいてプロキシモバイルIPv6をサポートする方法及び装置に関し、特に、宅内ゲートウェイの背後にいるプロキシモバイルIPv6クライアントに対してこのようなサポートを提供する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
「固定移動融合(Fixed Mobile Convergence)」(FMC)として知られている技術を提供するために固定通信ネットワーク及び移動通信ネットワークを融合する必要性が出現している。IPベースの技術を導入するようにネットワークを進化させる処理は、固定ネットワーク及び移動ネットワークに対して共通であり、このことにより融合がさらに簡単になっている。FMCを利用すれば、移動ネットワーク及び固定ネットワークの通信事業者は、自分のネットワークリソースをさらに効率良く利用して、彼らの資本及び営業経費の双方の低減が可能となる。例えば、ユーザが自分の住居内でマルチメディア電話(MMTel)のようなIPベースのアプリケーションを実行中のとき、固定アクセスネットワークのブロードバンド接続を利用した方が、セルラ電話ネットワークの場合よりもさらに効率が良くなる。
【0003】
ユーザのモビリティはFMCネットワークの設計時における重要な考慮事項である。特に、モバイル加入者のホームネットワーク(すなわち加入者の住居内のLANではなく、加入者が加入している加入先ネットワーク)は、(例えばホームネットワークが加入者への音声通話のルート指定をすることができるようにするためには)加入者の現在のロケーションを常時認知することが重要となる。いわゆるプロキシモバイルIPv6(PMIPv6)は、モビリティに対するネットワークベースの解決方法を提供して、例えばエア・インタフェースを介したモビリティ・シグナリングの回避やロケーションプライバシのためのサポートといったように、モバイル通信事業者に利益をもたらしている。3GPP進化型パケットコア(EPC)において、PMIPv6は、ネットワークエンティティ間におけるいくつかのインタフェース(S2及びS5インタフェースなど)用モビリティプロトコルとして選択されている。
【0004】
宅内ネットワークはFMCの成功を導く鍵となるものである。なぜなら、宅内ネットワークは普通のユーザ用として最も一般に使用されている固定ネットワークアクセスであるからである。宅内ネットワークを通じてモバイル電話機(以下、本願では「3GPPユーザ機器(UE)」という用語を用いる)をEPCに接続する必要がある。宅内ネットワーク(ローカルエリアネットワーク)と広域ネットワークとの間での接続性、従って、EPCとの接続性は、いわゆる「宅内ゲートウェイ」(RGW)により可能になる。この「宅内ゲートウェイ」は、比較的低コストのネットワーキングデバイスである。挑戦すべき課題として、宅内ネットワークにアタッチされた3GPP UEのためにネットワークベースのIPモビリティ管理を提供するという課題がある。
【0005】
宅内ネットワークを通じて3GPP UEをEPCに「接続する」ための種々の代替メカニズムが存在する。例えば、3GPP UEはEPC内部に在るePDGへのIPSecトンネルを確立することも可能である。この場合、ePDGは、3GPP UEのためにIPモビリティサポートを提供するモバイルアクセスゲートウェイ(MAG)として機能する。この一方で、非トンネル化メカニズムの一例として、ネットワークベースの態様で3GPP UEのためにIPモビリティを提供するプロキシMIPv6(PMIPv6)MAGの機能性を実現するブロードバンドネットワークゲートウェイ(BNG)が関与するメカニズムがある。
【0006】
図1はFMCネットワークシナリオの概観を示す概略図である。図示のように、3GPP UEはWLANインタフェースに関して3GPP UEに割り当てられたEPC IPアドレスを有している。ここで、EPCアドレスはEPC通信事業者が所有しているIPアドレスプールから導き出されるという点に留意されたい。その一方で、非3GPP端末のためのIPアドレス割当てはRGWにより実行されると共に、プライベートIPアドレス(RN IPアドレス)が割り当てられる。RGWは、非3GPP UEから送信されるか、あるいは、非3GPP UEへ送信されるIPフローのためにNAT/NAPTを実行する。
【0007】
非トンネル化シナリオにおいて、PMIPv6は宅内ネットワークにアタッチされた3GPP UEのためにIPモビリティ管理を提供するように要求される。PMIPv6の仕様[IETF draft−ietf−netlmm−proxymip6−18, 2008−03−30; IETF draft−ietf−netlmm−mn−ar−if−03, 2008−02−13]によれば、AR(MAG)とMN間のインタフェース用リンクモデルはポイント・ツー・ポイント・リンクと想定されている。この想定の意図は以下の問題点を解決することである。
●IPv6近隣探索 − リンクが複数のPMIPv6クライアントにより共有されている場合、リンク上のノードが近隣広告メッセージを聞くことが可能であると共に、その結果、近隣キャッシュエントリが作成されることになる。このキャッシュエントリの作成は、ピアのうちのいずれかがハンドオーバを行って、異なるリンクへ移動したとき、2つの通信ピア間において通信の瞬断を引き起こす場合がある。
●IPv6自動構成 − MNが自己のIPアドレス(ホームアドレス)をステートレスの態様で設定できるようにするためには、AR(MAG)は、マルチキャストアドレス(IPv6の全てのノードリンク−ローカルマルチキャストIPアドレス(ff02::1))へルータ広告メッセージを送信する必要がある。しかし、この送信はPMIPv6ネットワークモデルでは厄介な問題を引き起こすこととなる。なぜなら、異なるプレフィックスが個々のMNに割り当てられているからである。
【0008】
PMIPv6の仕様ではポイント・ツー・ポイント・リンクモデルが要件とされていて、宅内ネットワークの場合この要件に該当してはいないが、MN(3GPP UE)は、MNのそれぞれのIPユニキャストアドレス(ホームアドレス)へ及び該IPユニキャストアドレスからIPパケットの送受信を行うことができると考えられている。また、ステートフルのアドレス設定(DHCPなど)のための何らかのメカニズムが配備されている場合には、IPv6の自動設定に関する問題を回避できるという点にも留意されたい。IPv6近隣探索に関する問題は未解決のまま残ってはいるが、この問題は決定的に重要な問題とは考えられていない。なぜなら、近隣キャッシュエントリは、適切なタイマが時間切れになると削除されることになっているからである。
【0009】
上述したように、一般に、3GPP UEのためのIPユニキャストルーティングに関する問題が非トンネル化シナリオにおいて生じることはない。しかし、IPマルチキャストルーティングに関する問題が存在する。また、プライベートIPプレフィックス/アドレスが3GPP UEに割り当てられている場合、IPユニキャストルーティングにおいても難点が生じることになるという点にも留意すべきである。
【0010】
IPマルチキャストルーティングの結果として生じる問題についてさらに考慮すると、この問題は、どのIPセッションの下で、所定のダウンストリーム/アップストリームIPパケットを処理すべきであるかをBNG及びRGWが決定できないということに起因して生じる問題である。ダウンストリームのIPルーティングの一例を挙げると、特定のPMIPv6クライアント(3GPP UE)のために実際に意図されるIPマルチキャストアドレス(例えばff02::1など)へ向けてBNG(MAG)がダウンストリームIPパケットを送信するものと仮定する。BNGがメッセージの送信者であるので、BNGはPMIPv6クライアントに関連付けられたIPセッションを認知することになる。従って、パケットは問題なくRGWへ配信される。しかし、IPパケットをどのノードへ配信すべきかを決定するための情報をRGWは全く有していない。IPヘッダの中に含まれている宛先IPアドレスはマルチキャストIPアドレスであるという点に留意されたい。アップストリームでのIPパケット処理についても、全く同じ問題がBNG側において生じる。
【0011】
IPユニキャストルーティングに関する問題は、「プライベート」IPプレフィックス/アドレスが3GPP UEに割り当てられている場合に生じる。例えば、異なる移動通信ネットワークプロバイダ(MNP)から得られる2つの3GPP UE(MN1とMN2)が同じ宅内ネットワークと接続されていると仮定する。移動通信ネットワークプロバイダの双方がプライベートIPアドレス/プレフィックスを自分の3GPP UEに別々に割り当てた場合、同じIPアドレス/プレフィックスが3GPP UEに割り当てられるという可能性が生じることになる。これが当てはまる場合、上述のIPマルチキャストパケットの処理時に、BNG及びRGWは(上述したような)全く同じ問題に直面することになる。図2は、複数の3GPP UEが宅内ネットワークにアタッチされるネットワーク構成を概略的に示す図であり、ここでは各UEにはプライベートEPCアドレスが割り当てられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した問題点を解決することが本発明の目的である。この目的は、RGWとBNGとの間においてIPパケットトンネルを確立することにより、かつ、このトンネルの中を通って、宅内ネットワークとセルラ通信ネットワークのパケットコアネットワークとの間においてパケットのルーティングを行うことにより、少なくとも部分的に達成される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の側面によれば、宅内ネットワークと、セルラ通信システムのパケットコアネットワークを含む広域ネットワークとの間にゲートウェイを提供するための装置が提供される。この装置は、上記宅内ネットワークにアタッチされたユーザ機器と前記広域ネットワークとの間でIPパケットのルーティングを行うためのIPルータを備える。前記パケットコアネットワークに対するユーザ機器のアタッチメントを検出するために検出器が採用されているのに対して、トンネル確立ユニットは、前記検出器による前記パケットコアネットワークに対するユーザ機器のアタッチメントが検出されると、このユニット自体と前記パケットコアネットワークのブロードバンドネットワークゲートウェイとの間にIPパケットトンネルを確立するように構成される。その後、前記IPルータは、上記アタッチ済みユーザ機器へ及び該ユーザ機器から、前記IPトンネルを介してIPパケットのルーティングを行うように構成される。
【0014】
上記装置は、前記ブロードバンドネットワークゲートウェイから前記パケットコアネットワークのホームプレフィックスを受信するための受信機と、前記ホームプレフィックスを含むルータ広告メッセージを上記アタッチ済みユーザ機器へ送信するための送信機とを備えることができる。この送信機は、ソースリンクアドレスとして上記装置の媒体アクセス制御アドレスを前記ルータ広告メッセージ内に含むように構成されることができるのに対して、上記受信機は、前記ブロードバンドネットワークゲートウェイから前記アタッチ済みユーザ機器へと送信される動的ホスト制御プロトコル・オファー・メッセージからホームプレフィックスを取り出すように構成される。
【0015】
前記トンネル確立ユニットは、汎用ルーティングカプセル化と、IPSecと、IP−in−IPとのうちの1つを用いてトンネルを確立するように構成されてもよい。前記トンネル確立ユニットは、前記パケットコアネットワークに対する前記ユーザ機器のアタッチメントの最中に、当該ユーザ機器と前記ブロードバンドネットワークゲートウェイとの間で交換される動的ホスト制御プロトコル・メッセージを用いて前記トンネルを確立するように構成されてもよい。
【0016】
前記検出器は、前記ブロードバンドネットワークゲートウェイから前記アタッチ済みユーザ機器へと送信される動的ホスト制御プロトコル・オファー・メッセージを傍受すること、及び、当該メッセージの中に認証承認が含まれていることを観察することによって、アタッチメントを検出するように構成されてもよい。認証承認は、拡張認証プロトコルの成功メッセージであってもよい。
【0017】
前記検出器は、アタッチ済みユーザ機器の前記パケットコアネットワークからのデタッチメントを検出するように構成されてもよい。前記トンネル確立ユニットは、このようなデタッチメントの検出時に、前記確立されたトンネルをティアダウンする(取り壊す)ように構成される。上記装置は、前記ユーザ機器のデタッチメントの検出時に、当該デタッチされたユーザ機器のIPアドレスをターゲットIPアドレスとして含むと共に、上記装置自体の媒体アクセス制御アドレスをリンク層アドレスとして含む近隣広告メッセージを送信するように構成される送信機を備えてもよい。
【0018】
本発明の実施形態において、前記検出器は、前記アタッチ済みユーザ機器によって前記ブロードバンドネットワークゲートウェイへと送信される動的ホスト制御プロトコル・リリース・メッセージ(解除メッセージ)を傍受することと、前記ブロードバンドネットワークゲートウェイによって前記アタッチ済みユーザ機器へと送信される動的ホスト制御プロトコルNACKメッセージを傍受することとのうちの一方によって、前記アタッチ済みユーザ機器のデタッチメントを検出するように構成される。
【0019】
本発明の第2の側面によれば、セルラ通信システムのパケットコアネットワークと広域ネットワークとの間でブロードバンドネットワークゲートウェイ機能を提供するための装置が提供される。この装置は、宅内ネットワークにアタッチされたユーザ機器と前記パケットコアネットワークとの間においてIPパケットのルーティングを行うIPルータを備え、該宅内ネットワークは、宅内ゲートウェイを介して広域ネットワークと結合される。トンネル確立ユニットが提供され、かつ、該トンネル確立ユニットは、前記パケットコアネットワークに対するユーザ機器のアタッチメントの際に、該ユニット自体と前記宅内ゲートウェイとの間にIPパケットトンネルを確立するように構成される。その後、前記IPルータは、前記アタッチ済みユーザ機器へ及び該ユーザ機器から前記IPパケットトンネルを介してIPパケットのルーティングを行う。
【0020】
上記装置は、動的ホスト制御プロトコル・オファー・メッセージ内に含まれているホームプレフィックスを、前記宅内ゲートウェイを介して前記ユーザ機器へ送信するための送信機を備えてもよい。前記トンネル確立ユニットは、汎用ルーティングカプセル化と、IPSecと、IP−in−IPとのうちの1つを用いてトンネルを確立するように構成されてもよい。
【0021】
或る実施形態によれば、前記トンネル確立ユニットは、前記パケットコアネットワークに対する前記ユーザ機器のアタッチメントの最中にユーザ機器と前記装置との間で交換される動的ホスト制御プロトコル・メッセージを用いて前記トンネルを確立するように構成されてもよい。
【0022】
本発明の第3の側面によれば、宅内ゲートウェイを備えた宅内ネットワーク内のユーザ機器と、セルラ通信システムのパケットコアネットワークとの間においてIPパケットのルーティングを処理する方法が提供され、前記宅内ゲートウェイは前記宅内ネットワークを広域ネットワーク及びブロードバンドネットワークゲートウェイに結合し、当該ブロードバンドネットワークゲートウェイは、当該広域ネットワークを前記パケットコアネットワークに結合する。本方法は、前記ユーザ機器による前記パケットコアネットワークに対するアタッチメントを検出するステップと、このような検出時に、前記宅内ゲートウェイと前記ブロードバンドネットワークゲートウェイとの間でパケットトンネルを確立するステップとを有する。その後、前記ユーザ機器と前記パケットコアネットワークとの間で前記トンネルを介してパケットのルーティングが行われる。
【0023】
本方法は、動的ホスト制御プロトコル−認証プロトコルを用いて前記ユーザ機器を前記パケットコアネットワークにアタッチさせるステップを有してもよい。この場合、前記アタッチメントを検出する前記ステップは、前記ブロードバンドネットワークゲートウェイから前記アタッチ済みユーザ機器へと送信される動的ホスト制御プロトコル・オファー・メッセージを傍受するステップと、当該メッセージ内に認証承認が含まれていることを観察するステップとを含んでもよい。次いで、前記宅内ゲートウェイと前記ブロードバンドネットワークゲートウェイとの間においてパケットトンネルを確立する前記ステップは、動的ホスト制御プロトコル・メッセージの中で伝達される情報を利用する。
【0024】
前記パケットコアネットワークのホームプレフィックスが、前記宅内ゲートウェイを介して前記ブロードバンドネットワークゲートウェイから前記ユーザ機器へと送信される動的ホスト制御プロトコル・メッセージ内に含まれてもよい。この場合、本方法は、動的ホスト制御プロトコル・メッセージから前記ホームプレフィックスを抽出するステップと、前記宅内ゲートウェイから前記ユーザ機器へと送信されるルータ広告メッセージ内に該プレフィックスを含めるステップとを有する。
【0025】
上記に列挙した検出ステップは前記宅内ゲートウェイにより実行されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】宅内ネットワークを含むFMCネットワークシナリオの概観を示す概略図である。
【図2】複数の3GPP UEが宅内ネットワークにアタッチされているネットワーク構成例を示す概略図である。
【図3】RGW−BNG L3トンネルを具現化するFMCネットワーク構成を提示する概観図である。
【図4】図3のFMCネットワークアーキテクチャにおける3GPP UEのためのアタッチ手順を示す。
【図5】3GPP UEのためのアタッチ手順をさらに詳細に示す。
【図6】図3のFMCネットワークアーキテクチャにおける3GPP UEのためのデタッチ手順を詳細に示す。
【図7】3GPP UEがアクセス技術を跨ぐハンドオーバ(垂直ハンドオーバ)を実行する際に、クライアント開始型のケースに対応するデタッチ手順を示す。
【図8】ネットワーク開始型の態様における3GPP UEのためのデタッチ手順を示す。
【図9】宅内ゲートウェイ機能を実装する装置を示す概略図である。
【図10】ブロードバンドネットワークゲートウェイ機能を実装する装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
宅内ネットワークの文脈において、3GPPユーザ機器(UE)のモビリティの効率的な管理を行うための要件について図1及び図2を参照しながら上述した。以下の説明におけるネットワークシナリオは或る一定の条件を仮定するものである:
●3GPP UEは、自装置の側のためには何らのトンネルも確立しない。すなわち、このネットワークシナリオはUEの見地からみて非トンネル化されたシナリオである。
●ブロードバンドネットワークゲートウェイ(BNG)はPMIPv6モバイルアクセスゲートウェイ(MAG)機能をサポートする。このサポートは、モバイル通信事業者と固定通信事業者間において業務契約が存在することを意味する。
●宅内ゲートウェイ(RGW)はL3デバイス(IPルータ)である。
●無線LAN(WLAN)は宅内ネットワーク内において使用される。
●3GPP UEはロングタームエボリューション(LTE)インタフェースとWLANインタフェースの双方を備えている。上記WLANインタフェースはローカルなIP接続とグローバルなIP接続の双方のために使用される。
【0028】
RGW内に追加機能を実装し、それによって、RGWが、宅内ネットワークにアタッチされた所定の3GPP UEのために、MAG(すなわち、BNG)のプロキシとして機能できるようにすることが本願において提案されている。上記RGWは、上述のIPルーティング問題を処理するために、個々の3GPP UE用トンネルを確立する能力を有している。特に、RGWは、3GPP UEが宅内ネットワークに正常にアタッチされたことをRGWが検出したとき、RGW自身とBNGとの間にトンネルを確立する。3GPP UEが宅内ネットワークから出て、異なるMAGにアタッチしたことをRGWが検出したとき、RGWが上記トンネルをティアダウンできる(取り壊せる)ようにする処理手順が定義される。
【0029】
図3は、上記提案された解決方法が適用されたネットワーク構成の概観を提示する図である。本例では、宅内ネットワークのインターネットアクセスがDSLにより行われると共に、宅内ネットワーク内のLAN接続が無線LAN(IEEE802.11)によって提供されるものと仮定する。図3に図示のように、複数の3GPP UE及び複数の非3GPP UEが宅内ネットワーク内に共存している。非3GPP UEは、パーソナルコンピュータ及び家庭用電気製品(マルチメディアTV、ビデオカメラ等)のようなデバイスであってもよい。宅内ネットワーク内のリンクは共有リンクであるという点に留意されたい。進化型パケットコア(EPC)ネットワーク(図1を参照のこと)内において、PDN−GWは、EPCがホームネットワークである加入者に代って、ローカルモビリティアンカ(LMA)機能を実装する。宅内ネットワークの外側に位置するネットワークは宅内ネットワークの視点からみるとWANであると考えることができ、このWANにはEPCネットワークが含まれる。言うまでもなく、EPCから外側へ目を向けると、このWANにはEPCの外部に存在する複数のネットワークが含まれる。
【0030】
図3にも図示のように、RGWは、「MAGプロキシ」と呼ばれる新たな機能性を有し、この機能性によってRGWは、宅内ネットワークにアタッチされたPMIPv6クライアント(すなわち、3GPP UE)とインタフェースで接続する。従って、上記RGWは3GPP UEの視点から見るとMAGであるように見えることになる。すなわち、上記RGWは3GPP UEのための第1のホップルータであると考えられ、従って、3GPP UEに割り当てられたホームプレフィックスを運ぶルータ広告(RA)メッセージ(図3の黄色の矢印)はRGWにより送信される。上記プレフィックスの情報オプションには、3GPP UEのホームプレフィックスに関するデータ、すなわち、IPv6プレフィックス、有効存続期間、推奨存続期間、フラグ(オンリンクフラグ(L−flag)及び自動構成フラグ(A−flag))が含まれる。ソースリンクアドレスオプションはRGWのMACアドレスを含む。MAGプロキシの主な機能は以下の通りである:
1)3GPP UEのアタッチメント及びデタッチメントの検出
2)L3トンネルの管理
3)MAGのプロキシとして働く機能
LMAと双方向トンネルを確立するような他のMAG機能は、MAG(BNG)によって実行され続ける。
【0031】
図4には、3GPP UEのためのアタッチ手順が示されており、丸囲み数字によりステップ番号が示されている。図示のように、3GPP UEがEPCのAAAサーバ(図示せず)により成功裏に認証された後、RGWは3GPP UEのアタッチメントを何らかの手段によって検出する(この処理のさらなる詳細については以下に示す)。次いで、上記RGW及びBNGは、3GPP UEのユーザトラフィックの転送を行うためのL3トンネルを確立するためのネゴシエーションを行う。このネゴシエーション中に、RGWは、3GPP UEのホームプレフィックスに関する情報を受信して、MAG(BNG)のプロキシとしてRGWが機能できるようにする。すなわち、上記RGWは3GPP UE用の第1のホップルータになり、次いで、ホームプレフィックスを広告するルータ広告(RA)メッセージを3GPP UEへ送信する。
【0032】
RGWが3GPP UEのアタッチメントを検出できるようにするには以下の2つの方法がある:
●UEとRGW間におけるL2のアップリンク又はダウンリンクの検出による方法
●UEとBNG間で実行される、認証と許可の少なくともいずれかのメッセージ交換の監視による方法
第1の方法では、RGWは、リンク層情報に基づいて3GPP UEのアタッチメントを検出する。このアプローチは、MACアドレスのような3GPP UEの情報のスタティックな構成を必要とする。第2の方法では、RGWは認証メッセージ又は許可メッセージ交換を「監視する」ことにより3GPP UEのアタッチメントを検出する。上記認証は3GPP UEとEPC内のAAAサーバとの間で行われるという点に留意されたい。
【0033】
図5は3GPP UEのためのアタッチメント手順を示す。本例では、3GPP UEの認証はDHCP認証(以後「DHCP−auth」と呼ぶ)によって実行されることが仮定されている。アタッチメントの検出は、以下のステップから明白となるような認証手順と連携して実行されるという点に留意されたい:
1.上記認証手順はDHCPディスカバリメッセージを送信する3GPP UEにより開始される。
2.上記RGWはDHCPリレーエージェントとして機能すると共に、DHCPディスカバリメッセージを転送する。上記RGWは、DHCP/DHCPv6オプションとしてフォーマットされた汎用ルーティングカプセル化(GRE)キーオプションを挿入する。上記GREキーを使用して、所定のGREトンネルに属しているアップストリームIPパケットを特定する。
3.3GPP UEがAAAサーバによって成功裏に認証されるとすぐに、BNG上で実行中のDHCPサーバは、GREキーオプションを挿入してDHCPオファー・メッセージを3GPP UEへ送信する。
4.上記RGWは、DHCPオファー・メッセージからGREキーを抽出し、次いで、このメッセージを3GPP UEへ転送する。DHCPオファー・メッセージには、認証の正常な完了を示すEAP成功メッセージも含まれるという点に留意されたい。
5.上記RGWは3GPP UEのために以下の情報を含む状態(ステート)をつくりだす:
●3GPP UEのEPC IPアドレス
●3GPP UEのMACアドレス
●アップストリーム及びダウンストリームのIPパケット処理用のGREキー
L3トンネル(GREトンネル)がRGWとBNGとの間で確立される。
【0034】
図6は3GPP UEためのデタッチメント手順を示す図である。上記BNGがLMA(すなわちEPC内のPDN−GW)からPMIPv6失効メッセージを受信するとき、BNGは3GPP UE用のL3トンネルをティアダウンする(取り壊す)ために信号をRGWへ送信する。3GPP UEのデタッチメントを検出する3つの可能なメカニズムは以下のとおりである:
1.3GPP UEのL2リンクダウンの検出による場合
2.DHCPサーバ(BNG)又はDHCPクライアント(3GPP UE)からのDHCPメッセージの受信による場合
3.RGWとBNGとの間における帯域外シグナリングによる場合
【0035】
第1の方法では、RGWはリンク層情報に基づいて3GPP UEのデタッチメントを検出する。このアプローチは、3GPP UEのMACアドレスのような3GPP UEの情報のスタティックな構成を必要とする。第2の方法では、RGWはDHCPメッセージに基づいて3GPP UEのデタッチメントを検出する。DHCPサーバ(BNG)からDHCPクライアントへのDHCP−NACKメッセージが受信されると、RGWは3GPP UEがリンクからデタッチされた旨を検出する。別の可能性として、DHCPリリース・メッセージがDHCPクライアント(3GPP UE)から受信された場合に、3GP PUEがリンクからデタッチされることになる旨が上記RGWにより検出される可能性が挙げられる。前者のケースはネットワーク開始型のケースであり、後者のケースはクライアント開始型のケースである。第3の方法では、RGW及びBNGは帯域外シグナリングメカニズムの何らかの形式を用いることによって互いに信号の交信を行う。
【0036】
上記クライアント開始型のケースは、例えば無線LANからLTEへハンドオーバを行うような垂直ハンドオーバを3GPP UEが実行する場合に可能である。そのような場合、図7に図示のように、3GPP UEはDHCPリリース・メッセージをDHCPサーバ(BNG)へ送信してもよい。この場合、RGWはDHCPリリース・メッセージを監視すると共に、GREキーオプションをメッセージ内へ挿入する。
【0037】
図8は、ネットワーク開始型の態様での3GPP UEのためのデタッチメント手順を示す。図示のように、LMA(PDN−GW)は、プロキシバインド登録を新たなMAGから受信した後、PMIPv6失効メッセージを古いMAG(BNG)へ送信する。次いで、古いMAG(BNG)は、RGWへ向けてDHCP−NACKメッセージを送信してGREトンネルのティアダウン(取り壊し)を要求する。
【0038】
上記の説明から理解されるように、RGWとBNGはL3トンネルを確立して、異なるPMIPv6クライアント(複数の3GPP UE)のIPフローの識別を図る。RGW又はBNGが3GPP UEのダウンストリーム又はアップストリームのIPフローを転送するとき、上記トンネルは重要な役割を果たす。RGW又はBNGが、a)マルチキャストアドレス、又は、b)IPプライベートアドレスのいずれかのアドレスに宛先が指定されたIPパケットを処理する場合、特に上記トンネルは有用なものとなる。上記L3トンネルは所定の3GPP UEのための一種の「専用チャネル」と考えることができる。このことは、上記トンネルが3GPP UEから送信されるか、3GPP UEへ送信されるトラフィックの転送用として専ら使用されることを意味する。IPユニキャストトラフィックとIPマルチキャストトラフィックの双方がL3トンネルの中を通って転送されるという点に留意されたい。
【0039】
L3トンネルの形態は変動し得るものであり、かつ、トンネリング方式が或る一定の要件を満たす限り、任意のトンネリング方式を利用することが可能である。この一定の要件として、1)上記トンネルのエンドポイント(すなわち、BNGとRGW)は、IPパケットのカプセル化を解除した場合に、IPフローの識別が可能でなければならない、2)上記トンネルはIPアドレスのような希少なリソースを消費してはならない、という要件が挙げられる。利用可能なトンネリング技術には以下の技術が含まれる(但しこれらのみに限定されるわけではない)。
●GRE(D.Farinacci、T.Li,S.Hanks、D.Meyer、P.Traina、「汎用ルーティングカプセル化(GRE)」RFC2784、2000年3月)。GREは上で提示した解決方法である。
●IPSec(R.Atkinson、「インターネットプロトコルのためのセキュリティ・アーキテクチャ」RFC1825、1995年8月)
●IP-in-IP(W.Simpson、「IP−in−IPトンネリング」RFC1853、1995年10月)
【0040】
GREトンネルを用いる場合、個々のトンネルの識別のためにGREキーが使用可能である。IPSecトンネルを用いる場合、個々のトンネルの識別のためにSPIが使用可能である。IP−in−IPトンネルを用いる場合、外側のIPヘッダ内に追加情報(例えば、フローラベル)が必要とされ、その結果、個々のIPトンネルの識別が可能になる。一般にIPアドレスは希少なリソースであるため、外側のヘッダ内に在るIPアドレスペア(すなわちトンネルのエンドポイントのIPアドレス)によって個々のIPトンネルの識別を行うことは望ましくないという点に留意されたい。
【0041】
プロキシMAGとしてのRGWの役割についてはすでに説明した。この役割には、実際のMAG(BNG)に代ってRGWがRAメッセージを3GPP UEへ送信することが含まれる。BNG(DHCPサーバ)とRGW(DHCPリレーエージェント)との間で所定の3GPP UEのホームプレフィックスが担持できるようにするために、DHCPに対する拡張が提案される。特に、「PMIPv6ホームプレフィックスオプション」と呼ばれる新たなDHCPオプションが定義され、このオプションはDHCPオファー・メッセージの中で運ばれる。
【0042】
複数の3GPP UEが所定の宅内ネットワークにアタッチされている場合、RGWは異なる3GPP UEのうちの各々のUE用の異なるIPv6プレフィックスを運ぶルータ広告メッセージを送信することが可能であることは理解されよう。通常のケースでは、RGWは、宅内ネットワーク内のノードにより用いられるIPv6プレフィックスを運ぶルータ広告メッセージをL3マルチキャストアドレス(ff02::1)へ向けて送信することになる。無関係のIPv6プレフィックスの配信を防止するために、MAGプロキシ(RGW)はL2宛先アドレスを慎重に指定することが望ましい。下記の表1は、RGWが宅内ネットワーク内へ送信可能な様々なRAメッセージのタイプを要約するものである。通常のケースでは、タイプ−1(「1.非3GPP UE用RA」)のRAメッセージが送信される。任意の3GPP UEの場合、タイプ−2(「2.3GPP UE用RA」)のRAメッセージが送信される。
【0043】
3GPP UEが発信元である一方的に送られてくる近隣広告によって作成される近隣キャッシュエントリが通信障害を引き起こす場合があることがすでに知られている(J.Laganier、S.Narayanan、P.McCann、「プロキシMIPv6モビリティアクセスゲートウェイと移動ノードとの間におけるインタフェース」、IETF draft−ietf−netlmm−mn−ar−if−03、2008-02-13)。例えば、3GPP UEが宅内ネットワークから出た後であっても宅内ネットワーク内のいくつかのデバイスが所定の3GPP UE用の近隣キャッシュエントリを保持していれば、上記デバイスはこの宅内ネットワークから出た3GPP UEに対してパケットを直接送信するように試みることができる。この問題を軽減するために、(MAGプロキシとして機能する)RGWは、3GPP UEのデタッチメントを検出した際に、一方的な近隣広告(NA)メッセージを送信する(D.Thaler、M.Talwar、C.Patel、「近隣探索プロキシ」、IETF rfc4389、2006−04を参照のこと)。上記NAメッセージには、ターゲットIPアドレスとして3GPP UEのIPアドレス(ホームアドレス)が含まれると共に、リンク層アドレスとしてRGWのMACアドレスが含まれるという点に留意されたい。MAGプロキシのこの動きは、Thalerにより定義されたプロキシ近隣探索のコンセプトと一致するものである。また、RGWは、プロキシARPメッセージの送信を行うことにより3GPP UEのIPv4ホームアドレスのためにプロキシアドレス解決プロトコル(ARP)を実行することができる(S.Carl−Mitchell、J.S.Quartermanによる「透過サブネットゲートウェイを実現するためのARPの利用」、IETF rfc1027、1987年10月)。
【0044】
図9は宅内ゲートウェイ(RGW)機能を提供する装置1を示す概略図である。上記装置は、宅内ネットワークにアタッチされたユーザ機器(UE)とWANとの間でIPパケットのルーティングを行うためのIPパケットルータ2を備える。検出器3がUEによるセルラ通信システムのパケットコアネットワークへのアタッチメントを検出し、次いで、RGWと、パケットコアネットワークのブロードバンドネットワークゲートウェイとの間においてIPパケットトンネルを確立するように構成されたトンネル確立ユニット4へこの検出を伝える。IPルータ2は、上記アタッチ済みユーザ機器へ及び該ユーザ機器から、前記IPトンネルを介してIPパケットのルーティングを行うように構成される。また、上記装置は、パケットコアネットワークのホームプレフィックスをBNGから受信する受信機5と、ルータ広告メッセージ内の上記ホームプレフィックスをUEへ送信する送信機6とを備える。
【0045】
図10はブロードバンドネットワークゲートウェイ(BNG)機能を提供するように構成された装置7を示す概略図である。装置7は宅内ネットワークにアタッチされたユーザ機器と、セルラ通信システムのパケットコアネットワークとの間でIPパケットのルーティングを行うIPルータ8を備える。装置7は、ユーザ機器が前記パケットコアネットワークにアタッチされた際に、BNGと、宅内ネットワークの宅内ゲートウェイとの間でIPパケットトンネルを確立するように構成されたトンネル確立ユニット9をさらに備える。IPルータ8は、上記アタッチ済みユーザ機器へ及び該ユーザ機器から、前記IPパケットトンネルを介してIPパケットのルーティングを行うように構成される。また、上記装置は、前記宅内ゲートウェイを介して、動的ホスト制御プロトコル・オファー・メッセージ内に含まれているホームプレフィックスをユーザ機器へ送信する送信機10も備える。
【0046】
上述したメカニズムによって、(PMIPv6クライアントである)3GPP UEは、プライベートIPアドレスを用いたIPマルチキャストルーティングとIPユニキャストルーティングとを含めて、IPサービスの利点を最大にすることが可能となる。上記メカニズムは、必ずしも3GPP UEに対する何らかの新たな要件を生み出す必要はなく、従って、3GPP技術仕様に定義された標準的な3GPP UEは、上述のRGWに接続することが可能である。
【0047】
本発明の範囲から逸脱することなく以上説明した実施形態に対して種々の変更を加えることが可能であることは、当業者に理解されるであろう。
【0048】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅内ネットワークと、セルラ通信システムのパケットコアネットワークを含む広域ネットワークと、の間にゲートウェイを提供するための装置であって、
前記宅内ネットワークにアタッチしているユーザ機器と前記広域ネットワークとの間でIPパケットをルーティングするIPルータと、
前記パケットコアネットワークに対する前記ユーザ機器のアタッチメントを検出する検出器と、
前記パケットコアネットワークに対するユーザ機器のアタッチメントが前記検出器によって検出されると、自ユニットと前記パケットコアネットワークのブロードバンドネットワークゲートウェイとの間にパケットトンネルを確立するトンネル確立ユニットと、
を備え、
前記IPルータは、前記パケットトンネル経由で、前記アタッチしているユーザ機器へ、かつ当該ユーザ機器から、IPパケットをルーティングするように構成される
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記パケットコアネットワークのホームプレフィックスを前記ブロードバンドネットワークゲートウェイから受信する受信機と、
前記ホームプレフィックスを含むルータ広告メッセージを前記アタッチしているユーザ機器へ送信する送信機と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記送信機は、前記ルータ広告メッセージ中に、ソースリンクアドレスとして前記装置の媒体アクセス制御アドレスを含めるように構成される
ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記受信機は、前記ブロードバンドネットワークゲートウェイから前記アタッチされたユーザ機器へと送信される動的ホスト制御プロトコル・オファー・メッセージから、ホームプレフィックスを抽出するように構成される
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記トンネル確立ユニットは、レイヤ3トンネルを確立するように構成される
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記トンネル確立ユニットは、
・汎用ルーティングカプセル化と、
・IPSecと、
・IP−in−IPと、
のうちの1つを用いて前記トンネルを確立するように構成される
ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記トンネル確立ユニットは、前記パケットコアネットワークに対する前記ユーザ機器のアタッチメントの間に前記ユーザ機器と前記ブロードバンドネットワークゲートウェイとの間で交換される動的ホスト制御プロトコル・メッセージを用いて、前記トンネルを確立するように構成される
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記検出器は、前記ブロードバンドネットワークゲートウェイから前記アタッチされたユーザ機器へと送信される動的ホスト制御プロトコル・オファー・メッセージを傍受し、当該メッセージ中に認証承認が含まれていることを観察することにより、アタッチメントを検出する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記認証承認は、拡張認証プロトコルの成功メッセージである
ことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記検出器は、アタッチされたユーザ機器による前記パケットコアネットワークからのデタッチメントを検出するように構成され、
前記トンネル確立ユニットは、当該デタッチメントが検出されると、前記確立したトンネルを取り壊すように構成される
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記ユーザ機器のデタッチメントが検出されると、ターゲットIPアドレスとして当該デタッチされたユーザ機器のIPアドレスを含むと共にリンク層アドレスとして前記装置自身の媒体アクセス制御アドレスを含む近隣広告メッセージを送信するように構成された送信機を更に備える
ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記検出器は、
・前記アタッチされたユーザ機器によって前記ブロードバンドネットワークゲートウェイへと送信される動的ホスト制御プロトコル・リリース・メッセージを傍受することと、
・前記ブロードバンドネットワークゲートウェイによって前記アタッチされたユーザ機器へと送信される動的ホスト制御プロトコルNACKメッセージを傍受することと、
のうちの一方によって、前記アタッチされたユーザ機器のデタッチメントを検出するように構成される
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
セルラ通信システムのパケットコアネットワークと広域ネットワークとの間にブロードバンドネットワークゲートウェイ機能を提供するための装置であって、
宅内ゲートウェイ経由で前記広域ネットワークに結合されている宅内ネットワークにアタッチされたユーザ機器と、前記パケットコアネットワークと、の間でIPパケットをルーティングするIPルータと、
前記パケットコアネットワークに前記ユーザ機器がアタッチされると、自ユニットと前記宅内ゲートウェイとの間にパケットトンネルを確立するトンネル確立ユニットと、
を備え、
前記IPルータは、前記パケットトンネル経由で、前記アタッチしているユーザ機器へ、かつ当該ユーザ機器から、IPパケットをルーティングするように構成される
ことを特徴とする装置。
【請求項14】
動的ホスト制御プロトコル・オファー・メッセージの中に含まれるホームプレフィックスを、前記宅内ゲートウェイ経由で前記ユーザ機器へ送信する送信機を更に備える
ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記トンネル確立ユニットは、レイヤ3トンネルを確立するように構成される
ことを特徴とする請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記トンネル確立ユニットは、
・汎用ルーティングカプセル化と、
・IPSecと、
・IP−in−IPと、
のうちの1つを用いて前記トンネルを確立するように構成される
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記トンネル確立ユニットは、前記パケットコアネットワークに対する前記ユーザ機器のアタッチメントの間に前記ユーザ機器と前記装置との間で交換される動的ホスト制御プロトコル・メッセージを用いて、前記トンネルを確立するように構成される
ことを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
宅内ゲートウェイを含む宅内ネットワーク中のユーザ機器と、セルラ通信システムのパケットコアネットワークと、の間でのIPパケットのルーティングを処理する方法であって、前記宅内ゲートウェイは、前記宅内ネットワークを、広域ネットワークと、当該広域ネットワークを前記パケットコアネットワークに結合させるブロードバンドネットワークゲートウェイと、に結合させ、前記方法は、
前記宅内ゲートウェイにおいて、前記パケットコアネットワークに対する前記ユーザ機器のアタッチメントを検出するステップと、
当該検出が行われると、前記宅内ゲートウェイと前記ブロードバンドネットワークゲートウェイとの間にパケットトンネルを確立するステップと、
引き続いて前記パケットトンネル経由で前記ユーザ機器と前記パケットコアネットワークとの間でパケットをルーティングするステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項19】
動的ホスト制御プロトコル−認証プロトコルを用いて前記パケットコアネットワークに対して前記ユーザ機器をアタッチさせるステップを更に備える
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記アタッチメントを検出するステップは、
前記ブロードバンドネットワークゲートウェイから前記アタッチされたユーザ機器へと送信される動的ホスト制御プロトコル・オファー・メッセージを傍受するステップと、
当該メッセージ中に認証承認が含まれていることを観察するステップと、
を含む
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記宅内ゲートウェイと前記ブロードバンドネットワークゲートウェイとの間にパケットトンネルを確立する前記ステップは、動的ホスト制御プロトコル・メッセージ中で伝達される情報を利用するステップを含む
ことを特徴とする請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記宅内ゲートウェイ経由で前記ブロードバンドネットワークゲートウェイから前記ユーザ機器へと送信される動的ホスト制御プロトコル・メッセージの中に、前記パケットコアネットワークのホームプレフィックスを含めるステップを更に備える
ことを特徴とする請求項19乃至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記動的ホスト制御プロトコル・メッセージから前記ホームプレフィックスを抽出するステップと、
前記宅内ゲートウェイから前記ユーザ機器へと送信されるルータ広告メッセージの中に当該プレフィックスを含めるステップと、
を更に備えることを特徴とする請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−515479(P2012−515479A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545637(P2011−545637)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050456
【国際公開番号】WO2010/081554
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】