説明

封入球式遊技機

【課題】遊技機の周囲の人が、遊技者の持球数の状況を容易に把握することのできる封入式遊技機を提供する。
【解決手段】封入球式遊技機100は、遊技者が保有する遊技に使用可能な遊技球の数を遊技価値情報として管理し、遊技価値情報を発光態様によって報知するための装飾発光部11(11a)と、遊技価値情報の増減に応じて装飾発光部の発光態様を制御する報知制御手段83と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発射位置に供給された遊技球を発射装置により遊技領域に向けて発射するとともに、該遊技領域を経た遊技球を回収し、再び発射位置に供給して遊技球を循環利用する封入球式遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ遊技機等の遊技機内に所定数の遊技球を封入し、発射位置から遊技領域に遊技球(封入球)を発射し、遊技領域を流下した遊技球を回収して再び発射位置に導いて遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機が知られている。
従来、封入球式遊技機においては、遊技者が貸出操作(貨幣の投入及び貸球ボタンの押下)を行うことに基づいて得た遊技媒体数と、遊技の実行により発生した賞球に基づいて得た遊技媒体数とを合わせて遊技者が保有する持球数として表示し、この持球数は遊技球の発射毎に減少し、遊技者が貸出操作を行うか賞球が発生する度に増加するものとされていた。
すなわち、実際の遊技球ではなく、数値としての持球数に基づいて遊技球の発射等の遊技の実行を制御するとともに、遊技球の発射や賞球の発生や貸出操作により遊技球の増減に代えて持球数が増減し、この持球数が表示されるようになっていた。
【0003】
しかし、貸出操作による遊技媒体数と賞球による遊技媒体数とを合わせて持球数として表示されてしまうことから、遊技者が賞球数と貸球数とを分けて確認することができず、状況によっては遊技者が賞球数を把握することが極めて困難であるという問題があった。なお、封入球式遊技機ではなく、遊技球を払い出し、払い出された遊技球を上皿や下皿もしくは球箱に貯留する通常のパチンコ遊技機においても、貸球と賞球とが一緒にされて貯留されるので、遊技者は賞球数を把握することが極めて困難であった。
【0004】
そこで、封入球式遊技機に、貸球数を表示する貸球表示部と、遊技における賞として払い出される賞球数を累計してクレジット数として表示するクレジット表示部とを備え、貸球数と賞球数とを分けて表示可能とすることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−156013号公報
【0006】
この従来の遊技機では、遊技球を発射させる毎に、貸球表示部に表示された貸球数か、クレジット表示部に表示されて賞球数に対応するクレジット数のどちらかが減算されて表示されることになる。例えば、遊技球を発射する毎に貸球数が減算されるものとすると、遊技球の発射により貸球数が減少することで、さらに貸球操作を行わない限り、貸球数は0になり遊技球が発射できなくなるが、クレジット数が1以上の場合に、クレジット数を減算し、クレジット数から減算された数値を貸球数に加算することで、貸球数を1以上として再び遊技球の発射を可能とするようになっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の封入球式遊技機における球数の管理は、完全にデータ上の数値として行われることになり、多数の遊技球を得て、これを遊技球箱に溜めることとそれを周囲の人に見られることとにより遊技者が得られる満足感や優越感といったものが、得難いという課題があった。
本発明は、この課題を解決するためになされたもので、遊技機の周囲の人が、遊技者の持球数の状況を容易に把握することのできる封入式遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、発射位置に供給された遊技球を発射装置により遊技領域に向けて発射するとともに、該遊技領域を経た遊技球を回収し、再び発射位置に供給して遊技球を循環利用する封入球式遊技機において、
遊技者が保有する遊技に使用可能な遊技球の数を遊技価値情報として管理し、
前記遊技価値情報を発光態様によって報知するための装飾発光部と、
前記遊技価値情報の増減に応じて前記装飾発光部の発光態様を制御する報知制御手段と、を備えたことを特徴としている。
ここで、「封入球式遊技機」とは、例えば、封入式のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機等の弾球遊技機のことである。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、装飾発光部の発光態様が変更されることにより、遊技価値情報である遊技者の持球数が増加或いは減少したことが遊技者やその周囲の人に対して報知される。これにより、遊技機の周囲の人は遊技者の持球数の状況を容易に把握することができる。そして、装飾発光部が持球数の増加を示す発光態様となった場合には、遊技球を払い出す通常の遊技機で多くの賞球が得られたときと同様に、遊技者は満足感や優越感を得ることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の封入球式遊技機において、
前記装飾発光部は、複数の発光部により構成され、
前記報知制御手段は、前記遊技価値情報の増減に対応して発光させる発光部の数を変化させることを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、発光する発光部の数が変更されることにより、遊技価値情報である遊技者の持球数が増加或いは減少したことが遊技者やその周囲の人に対してより明確に報知される。これにより、遊技機の周囲の人は遊技者の持球数の状況を更に容易に把握することができる。そして、発光する発光部の数が増えた場合には、遊技球を払い出す通常の遊技機で多くの賞球が得られたときと同様に、遊技者は満足感や優越感を得ることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の封入球式遊技機において、
前記報知制御手段は、前記遊技価値情報の増減に対応して前記装飾発光部の発光色を変化させることを特徴としている。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、装飾発光部の発光色が変更されることにより、遊技価値情報である遊技者の持球数が増加或いは減少したことが遊技者やその周囲の人に対してより明確に報知される。これにより、遊技機の周囲の人は遊技者の持球数の状況を更に容易に把握することができる。そして、装飾発光部の発光色が持球数の増加を示す色となった場合には、遊技球を払い出す通常の遊技機で多くの賞球が得られたときと同様に、遊技者は満足感や優越感を得ることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の封入球式遊技機において、
前記遊技価値情報には、
前記発射位置に供給可能な発射可能球数であるとともに、前記遊技領域への遊技球の発射に応じて減少する発射可能球数情報と、
遊技の実行により発生した賞球に応じて累積的に増加するとともに、前記発射可能球数情報への移動に応じて減少する賞球数情報と、が含まれ、
前記報知制御手段は、前記賞球数情報の増減に応じて前記装飾発光部の発光態様を制御することを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、賞球数情報の増減に応じて装飾発光部の発光態様が制御される。従って、賞球数が増加した場合、装飾発光部によって、当該賞球数が増加したことを遊技者やその周囲の人に報知することが可能となるので、周囲の人に対してより正確に出球のアピールを行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、装飾発光部の発光態様が変更されることにより、遊技価値情報である遊技者の持球数が増加或いは減少したことが遊技者やその周囲の人に対して報知される。これにより、遊技機の周囲の人は遊技者の持球数の状況を容易に把握することができる。そして、装飾発光部が持球数の増加を示す発光態様となった場合には、遊技球を払い出す通常の遊技機で多くの賞球が得られたときと同様に、遊技者は満足感や優越感を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態の遊技装置を構成する封入球式遊技機の斜視図である。
【図2】前記封入球式遊技機の背面図である。
【図3】前記封入球式遊技機の制御系を説明するためのブロック図である。
【図4】前記封入球式遊技機を含む遊技場システムを説明するためのブロック図である。
【図5】前記遊技場システムに含まれる球貸機を説明するためのブロック図である。
【図6】前記遊技場システムに含まれる精算機を説明するためのブロック図である。
【図7】前記遊技場システムに含まれるホールサーバを説明するためのブロック図である。
【図8】前記球貸機における遊技開始処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】前記球貸機における遊技開始処理の入金データ送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】前記球貸機における持球バックアップ処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】前記封入球式遊技機の第2枠制御装置における遊技開始処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】前記第2枠制御装置における遊技処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】前記第2枠制御装置における遊技終了処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】前記第2枠制御装置における遊技処理の変形例を説明するためのフローチャートである。
【図15】前記第2枠制御装置における遊技開始処理に基づくタッチパネル表示ユニットの表示を説明するための図である。
【図16】前記第2枠制御装置における遊技処理に基づくタッチパネル表示ユニットの表示を説明するための画面遷移図である。
【図17】前記第2枠制御装置における持球移動処理に基づくタッチパネル表示ユニットの表示を説明するための画面遷移図である。
【図18】前記第2枠制御装置における持球移動処理に基づくタッチパネル表示ユニットの表示を説明するための画面遷移図である。
【図19】前記第2枠制御装置における遊技終了処理に基づくタッチパネル表示ユニットの表示を説明するための画面遷移図である。
【図20】前記第2枠制御装置における遊技終了処理の変形例に基づくタッチパネル表示ユニットの表示を説明するための画面遷移図である。
【図21】前記第2枠制御装置における遊技処理の変形例に基づくタッチパネル表示ユニットの表示を説明するための画面遷移図である。
【図22】前記第2枠制御装置における持球移動処理の変形例に基づくタッチパネル表示ユニットの表示を説明するための画面遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施の形態においては、本発明の遊技装置の少なくとも一部である遊技機として封入球式遊技機を用いている。
この封入球式遊技機はパチンコ遊技機であって、例えば、遊技内容等は、従来のパチンコ遊技機と同様とすることが可能となっているとともに、外形等のサイズも同様となっており、パチンコ遊技店の現状の島設備に設置可能となっているが、島設備の球供給機構や球排出機構を用いることがないものとなっている。すなわち、封入球式遊技機は、予め封入された遊技球を用いる。また、封入球式遊技機は、例えば、球貸機等への現金の投入等により発生する遊技価値情報(例えば、金額情報)を入力し、遊技価値情報を遊技に使用可能な遊技球数(遊技媒体数)である持球数のデータに変換し、このデータに対応して封入された遊技球を遊技領域に発射可能とし、遊技球を発射すると発射された遊技球数に対応して持球数のデータを減算するようになっている。
【0019】
さらに、本発明では、持球数のデータ、すなわち、遊技者が保有する遊技価値量を示す遊技価値情報(データ)を、遊技者が保有する遊技価値量のうちの所定の上限量までの遊技価値量を示すとともに当該遊技価値量に基づいて前記遊技球の発射を可能とする発射可能球情報(発射可能球数のデータ)と遊技者が保有する遊技価値量のうちの球貸機等における貸出操作により得られた貸球数の累積値を示す貸球情報(貸球数のデータ)と、遊技者が保有する遊技価値量のうちの遊技の実行により発生した入賞により得られた賞球数の累積値を示す賞球情報(賞球数のデータ)とに分けて取り扱うものとなっている。
【0020】
従って、発射された遊技球が各種入賞口や変動入賞装置等の入賞具に入賞して賞球(遊技球)が発生した場合は、実際の遊技球を払い出すことなく、前記賞球情報に賞球数が加算されるようになっている。
また、発射可能球数のデータが0となると、遊技球の発射ができない状態となる。この状態で遊技価値情報としての貸球情報や賞球数を累積した賞球情報等の遊技媒体数に関するデータを発射可能球数のデータに変換すると、変換された遊技媒体数に対応して発射可能球数が増加し、再び遊技球の発射が可能となる。
【0021】
また、発射された遊技球は、遊技領域に至って一部は、入賞領域に入賞して遊技盤の裏面側に導かれてセーフ球として回収されるとともに、残りの入賞しなかった遊技球はアウト球として回収され、これら回収された遊技球が循環流路を通って再び発射可能な状態となるようになっており、遊技球は封入球式遊技機内で循環するようになっている。
すなわち、封入球式遊技機は、発射位置に供給した遊技球を発射装置が遊技領域に向けて発射するように制御するとともに、該遊技領域を経た遊技球を回収し、再び該発射位置に供給して遊技球を循環利用する用になっている。
【0022】
また、ファールとなった遊技球も循環流路に回収されるとともに、ファールとなった遊技球は遊技に係わることなく(入賞の機会を得ることなく)、回収されて再び発射可能とされるので、ファール球の発生に基づき、遊技価値情報の発射可能球数にファール球数が加算される。これは、封入球式でない通常の遊技機において、ファール球が再び発射位置に戻されて発射されることに対応している。
【0023】
図1及び図2に示すように、本実施形態の封入球式遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110と、該機枠110内に嵌め込まれるとともに、該機枠110に対し回動可能に矩形状の前面枠120が軸支されている。すなわち、前面枠120は、機枠110に対してドア状に開閉可能とされている。また、後述する遊技盤1等の各種部材が取り付けられた前面枠120の本体である前面枠本体130には、その中央部から上端部に至る略方形の開口部121(図2に図示)が設けられ、該開口部121に前面側が遊技領域とされた遊技盤1が嵌め込込まれている。また、前面枠本体130の開口部121に遊技盤1が嵌め込まれた状態で、遊技盤1の前面は、前面枠本体130の開口部121から露出された状態となっている。
【0024】
また、前面枠本体130には、該前面枠本体130に取り付けられた遊技盤1の前面の遊技領域(図示略)を視認可能な開口窓部144(図1に図示)を有し、この開口窓部144を覆う透明部材としての二重のガラス板を保持する透明部材保持枠としてのガラス枠140が設けられている。
前面枠本体130は、前面枠120の各部材の取付ベースとなるものであって、上述のように、矩形枠状の機枠110内にちょうど収まるように、概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部121が形成されている。また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部121、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部に渡る部分を覆って前記ガラス枠140が配置されており、遊技盤1の前面と前記ガラス枠140に嵌め込まれた後側のガラス板裏面との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレールに囲まれた部分が遊技球が発射されて流下する遊技領域とされている。
【0025】
また、ガラス枠140の一方の側部(左側部)は、前面枠本体130の一方の側部(左側部)に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、ガラス枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域の前側を開放可能となっている。
また、前面枠本体130及びガラス枠140はそれぞれ周知のパチンコ遊技機等の弾球遊技機と同様に鍵穴159にキーを差して回転させることで閉じた状態にロック可能となっている。また、ガラス枠140が開放されるとガラス枠開放検出スイッチ142(図3に図示)に検出されるようになっている。
【0026】
また、ガラス枠140の前面側には、遊技領域の視認を妨げない位置に、報知手段としての複数の外部アピール装飾ランプ11,…、サイドランプ12,12、スピーカ13,13、エラー表示器14,14(装飾ランプを兼ねる)等が設けられている。外部アピール装飾ランプ11,…は、ガラス枠140の上部に、主に獲得遊技球数が大量となった場合に、これを周囲に報知するためのものである。例えば、入球数(遊技者が遊技機に打ち込んだ球数)と出球数(遊技球の入賞により出てきた賞球数)との差である差球数や差球数に対応する持球数に基づき、例えば、持球数(差球数)が高くなった場合に、持球数に対応する数の外部アピール装飾ランプ11,…が点灯するようになっている。
なお、上述のように封入球式遊技機100では、賞球の払い出しは行われず、上述の出球数、入球数、差球数、持球数等は、実際の遊技球の個数ではなく、データ上の数値となる。すなわち、実際に使用される遊技球は、循環使用される限られた所定数(例えば、25個)しかなく、例えば、遊技領域に発射される遊技球を検知してカウントした発射球数、発射されたが戻ってしまった遊技球を検知してカウントしたファール球数、遊技領域に発射されて回収された遊技球を検知してカウントした回収球数、入賞した場合の賞球数、遊技店から借りた貸球数等の数値から上述の入球数、出球数、差球数、持球数が得られる。
【0027】
なお、ガラス枠140を開放して遊技球が外に出てしまう等のトラブルがない限り、発射球数=ファール球数+回収球数(回収球数がファール球数を含まない場合)となる。そして、入球数=回収球数=発射球数−ファール球数となり、出球数=入球数−貸球数(再プレイ球数)+持球数となり、持球数=貸球数(もしくは再プレイ球数)+出球数−入球数、入球数−出球数=差球数、持球数=貸球数(もしくは再プレイ球数)−差球数となる。なお、この例では、持球数がさらに発射可能球数と賞球数と貸球数とに分けられることになる。
以上のように封入球式遊技機100による遊技は、完全にデータ上の数値として行われることになり、遊技球をこぼしたり、遊技球を下皿や上皿に残したりすることによる誤差が生じることがなく、整数単位で確実に管理可能となる。しかし、多数の遊技球を得て、これを遊技球箱に溜めることとそれを周囲の人に見られることとにより遊技者が得られる満足感や優越感といったものが、持球数という数値の増加では得難い。そこで、外部アピール装飾ランプ11,…は、点灯や発光色の変更により、遊技機の周囲に対して持球数が多いことをアピールすることで遊技者が満足感や優越感を得られるように用いられる。
【0028】
なお、封入球式遊技機100においては、後述するように(総)持球数が発射可能球数、賞球数、貸球数に分けられて数値としてデジタル表示されるが、持球数が多くなった場合に持球数のデジタル表示に加えて外部アピール装飾ランプ11が上述のように持球数に対応して点灯したり、発光色を変更したりすることで、持球数が多いことを遊技者やその周囲の人に報知することができ、持球数が少なくなった場合に持球数のデジタル表示に加えて後述する仮想遊技表示手段となる仮想遊技球表示器154により持球数が少ないことを遊技者に報知することができる。
また、外部アピール装飾ランプ11の点灯や発光色の変更等の制御を持球数ではなく、持球数のうちの賞球数(賞球情報)に基づいて行うものとしても良い。賞球情報の賞球数には、貸球数が含まれないため、より正確に出球のアピールを行うことができる。また、賞球数は、遊技媒体数を発射可能球数に移動する場合にだけ減少し、さらに、後述のように貸球数から発射可能球数への移動の方が優先されることから、持球数のように遊技球の発射毎に減少するようなことがないので、例えば、賞球数が1000個となって外部アピール装飾ランプ11が点灯したような場合に、遊技球の発射と賞球の発生に基づいて増減して点灯と消灯を短い間隔で繰り返すようなことがない。
また、サイドランプ12,12及びエラー表示器14,14は、遊技状態に対応して点灯、点滅、発光色の変更等の演出を行う。また、エラー表示器14,14は、エラー発生時に通常と異なる発光を行うことによりエラー発生を報知する。
【0029】
前面枠本体130の遊技盤1が取り付けられる開口部の下側となる前面枠本体130の下部は、その前面側に後述の前面操作ユニット150が取り付けられるとともに、図2に示すように、その裏面側に後述の発射ユニット60等が取り付けられる取付盤131となっている。
取付盤131の前面側に取り付けられる前面操作ユニット150には、タッチパネル表示ユニット151、タッチセンサ152、発射スライドボリューム153、仮想遊技球表示器154、スピーカ155、及びこれらの部材を保持するとともに後述する発射装置61の操作用のポケット上の凹部158(空間)を形成する発射操作空間形成枠161が設けられている。
タッチパネル表示ユニット151は、表示装置としての液晶ディスプレイ(LCD)を有するもので、基本的な機能として、持球数(発射可能球数、賞球数、貸球数、総持球数)の情報、金額情報(後述の入金額情報、残額情報等)、貯球情報(景品と交換せずに遊技店側に貯蓄した遊技球数(景品交換可能な遊技球数)等)等の遊技情報を表示し、実際の遊技球の払い出しがなくても、いつでも、持球数(発射可能球数、賞球数、貸球数、総持球数)を確認できるようにするとともに、遊技者や遊技店の店員等に対してエラーの発生を含む各種情報を表示可能となっている。また、タッチパネル表示ユニット151は、タッチパネルとして、表示切替や、その他の表示内容に対応した入力操作を可能とするものである。なお、タッチパネル表示ユニット151は、封入球式遊技機100の左右方向に設定された回転軸回りに回転して傾きを調整できるようになっており、遊技者の体格等に対応して遊技者が見やすい角度に変更可能となっている。
【0030】
また、本発明の封入球式遊技機100においては、従来のパチンコ遊技機に設けられた遊技球の発射を操作するための回転操作式の操作ハンドルに代えて、タッチセンサ152及び発射スライドボリューム153を有する。
タッチセンサ152は、従来の操作ハンドルに設けられていたものであり、遊技者の手を接触させることにより、信号を発射制御装置63aに出力し、発射制御装置63aの制御の元に発射装置61を作動させて遊技球を発射させるものである。
【0031】
タッチセンサ152は、ガラス枠140の下側で前側に膨出した状態の発射操作空間形成枠161の左右側部で、膨出した部分に形成されたポケット状の凹部158の内面のうち、主に遊技機の前方側で後方を向いた部分に設けられている。また、ポケット状の凹部158の底面部分は、遊技者の手をおけるように凹部内より外側に延出した状態となっており、凹部に手を入れてタッチセンサ152に触れた状態で楽に手を凹部の底面におけるようになっている。すなわち、凹部の底面は、アームレスト158a(ハンドレスト)として機能する。また、タッチセンサ152は、封入球式遊技機100の下部の前面操作ユニット150の左右にそれぞれ設けられているので、右手でも左手でも遊技球の発射の操作が可能となっている。
【0032】
また、従来、発射勢の調整は、操作ハンドルを回転することにより行われていたが、この例の封入球式遊技機100では、上下にスライド移動可能な操作レバー156を備えた発射スライドボリューム153により発射勢を調整できるようになっており、上下に移動可能な発射スライドボリューム153の操作レバー156を上もしくは下に移動すると発射勢が強くなり、逆に移動すると発射勢が弱くなるようになっている。なお、操作レバー156は、任意の位置で止められるようになっており、手を離してもバネ等により発射勢を最低とする位置に戻ることがないので、一度、遊技者が発射勢を決めたら、操作レバー156から手を離して、タッチセンサ152に手を触れるだけで遊技球が発射可能となる。
【0033】
仮想遊技球表示器154は、遊技球を払い出すパチンコ遊技機における上皿に溜まった遊技球の減少や増加による流動等を仮想的に表現するものである。
すなわち、遊技球を順次発射した際や、遊技球が入賞した際に、タッチパネル表示ユニット151に表示される持球数の増減だけで、パチンコ遊技機の上皿に溜まった遊技球の発射による減少や、賞球の払い出しによる増加を実感しずらいので、仮想遊技球表示器154で、遊技球の移動を仮想的に再現することで、遊技者に対して遊技球の増減を実感しやすい状態とする。
【0034】
なお、仮想遊技球表示器154は、例えば、遊技球の増減を遊技球の移動で表現するものであり、実際の遊技球を循環移動させることにより表示しても良いし、ディスプレイとして画像により遊技球の移動を表示するものとしても良いし、擬似的にランプの点滅等で遊技球の移動を表現するものとしても良い。
【0035】
スピーカ155は、そのエンクロージャー157となる部分が、図2に示すように後から向かって左側(前から向かって右側)に延出した状態となっており、エンクロージャー157が、右のタッチセンサ152と前後に重なるようになっている。これにより、スピーカ155により発生する振動を右のタッチセンサ152に触れている遊技者の手に伝えて、遊技者が手で音に基づく振動を体感可能となっており、ボディソニックの一種となっている。
【0036】
前面枠本体130下部の取付盤131の裏面側には、図2に示すように、発射ユニット60が設けられるとともに、発射装置61を制御する発射制御装置63aとなる発射制御基板63(ボックス631内に配置)、発射装置61により遊技領域に発射された遊技球を回収して再び発射装置61に供給する封入球循環ユニット200(封入球循環装置)、封入球式遊技機100内の各装置に電力を供給する電源基板70(ボックス71a内に配置)、遊技盤1以外の前面枠120に備えられた装置の制御を行う第1枠制御基板81(ボックス81a内に配置)及び第2枠制御基板90(ボックス90a内に配置)が取り付けられている。これら第1枠制御基板81及び第2枠制御基板90が枠制御装置として機能し、遊技盤1に取り付けられた装置を除く、前面枠120の例えば、外部アピール装飾ランプ11,…、タッチパネル表示ユニット151、仮想遊技球表示器154、封入球循環ユニット200、外部とのデータの通信装置等を制御する枠制御装置となる。なお、第1枠制御基板81は、遊技制御基板20及び演出制御基板50からの制御に基づいて第2枠制御基板90及び発射制御基板63を制御するようになっている。
【0037】
また、遊技内容に係わる制御を統括的に行う遊技制御基板20(ボックス22内に配置)及びその制御下で遊技の演出に係わる制御を行う演出制御基板50(ボックス52内に配置)は、遊技盤1の裏面側に設けられている。従って、遊技内容の制御に関する制御装置は遊技盤1に設けられており、遊技盤1を交換することにより、遊技内容に係わらない装置をそのまま流用して遊技内容だけを変更することが可能である。なお、封入球式遊技機100の各種制御装置については後に説明する。
【0038】
図2に示すように、発射ユニット60は、取付盤131に取り付けられる取付プレート64と、取付プレート64に取り付けられる発射レール62と、発射レール62上の遊技球を打撃して遊技球を発射させる発射杵66等を備えた発射装置61とを備える。
発射装置61は、発射モータ(ステッピングモータ)68(図3に図示)と、この発射モータ68に接続されて回転駆動されることにより、遊技球を打撃して遊技球を発射する発射杵66と、発射杵66の回転角度を規制するストッパ部材67と、発射レール62上に後述するように封入球循環ユニット200から供給された遊技球を、発射レール62の下端部上の発射杵66により打撃可能な所定位置に停止させる球位置決め部材とを備える。
そして、発射レール62の後端部(傾斜下端部)上の球位置決め部材により遊技球が保持される位置が遊技球を遊技領域に発射する発射位置となる。
【0039】
また、図示しないがガラス枠140の後方側のガラス板の裏面と、遊技盤1の前面との間の遊技領域の下部を閉塞する底壁部が形成され、前面枠本体130の底壁部に遊技領域の下側から発射された遊技球が通過する発射球通過口が設けられている。なお、発射球通過口を通過した遊技球は、遊技盤1の内外二重にガイドレールが配置された誘導路から遊技領域に至る。
また、誘導路から遊技領域に至らずに戻ったファール球も発射球通過口を通過するようになっている。なお、発射レール62の先端面は、発射球通過口の直下より手前に配置され、発射球通過口に戻るファール球は、発射レール62上に戻らずに、発射レール62の前に流下し、後述する封入球循環ユニット200のファール球回収口上に至るようになっている。
【0040】
前記封入球循環ユニット200は、遊技領域に発射された遊技球(アウト球、セーフ球を含み、ファール球を除く)を回収する回収口と、回収口から発射装置61の遊技球の発射位置まで遊技球を導いて遊技球を循環使用する循環流路と、この循環流路の上流側の一部として、回収口から後述の待機流路まで遊技球を流下させる回収球流路と、この回収球流路を流下する遊技球を検出する回収球検出手段としての回収球センサ212(図3に図示:入球検出SW)と、循環流路の下流側の一部分であり、発射位置に送られる前の遊技球を待機させる待機流路と、待機流路に待機する遊技球の不足状態を検出する球不足状態検出手段としての球不足検出センサ264(図3に図示:球量検出SW)と、待機流路の下流側の端部に設けられ、発射装置61の発射レール62の下端部(遊技球の発射位置)に供給導出口を介して遊技球の発射のタイミングに応じて順次遊技球を一個宛送球する球送り装置とを備える。
【0041】
従って、封入球式遊技機100は、発射位置に供給した遊技球を発射装置61が遊技領域に向けて発射するように制御するとともに、該遊技領域を経た遊技球を回収し、再び該発射位置に供給して遊技球を循環利用するものである。
【0042】
また、封入球循環ユニット200は、発射装置61により上述の内側のガイドレール及び外側のガイドレールとの間に発射されたにも係わらず、再び発射装置61側に向かって戻ってしまったファール球(ガイドレール同士の間に至らなかった発射球も含む)を回収するファール球回収口と、回収されたファール球を検知するファール球センサ253(図3に図示:戻り球検出SW)と、ファール球回収口から回収されたファール球(遊技球)を待機流路(循環流路)に流下させるファール球流路とを備える。
【0043】
また、封入球循環ユニット200は、封入球循環ユニット200内に通常循環使用される遊技球以外に補給用の遊技球を貯留し、遊技中に循環する遊技球が減少したことを上述の球不足検出センサ264からの信号に基づいて検出した場合に、貯量した遊技球を待機流路に補給する球補充装置を備え、該球補充装置には、遊技球を貯留する貯留部を遊技球を貯留する状態と、遊技球を補給する状態との間で切り替える補充ソレノイド263(図3に図示:球量調節SOL)が設けられている。
【0044】
また、待機流路に待機する遊技球を発射装置61の発射位置に1個ずつ発送する球送り装置には、遊技球を発射位置に送るために球送り装置を駆動する球送りソレノイド244(図3に図示:球送りSOL)と、発射位置に送られる遊技球を検出する球送りセンサ246(図3に図示:発射球検出SW)とが設けられている。なお、球送りセンサ246は、発射される遊技球をその発射を邪魔することなく高い精度で検出することが困難なことから、発射球の検出に代えて使用されるようになっている。すなわち、この例の封入球式遊技機100においては、発射装置は球送り装置に連動して作動し、球送り装置により遊技球が発射位置に送られると遊技球が必ず発射される構成となっており、例えば、発射を停止する制御を行った場合に、発射位置に遊技球が残らないようになっている。従って、球送りセンサ246は、発射直前の遊技球を検出するものであるが、球送りセンサ246に遊技球が検出されることで、遊技球の発射を検出したと見なすようになっており、球送りセンサ246は発射球検出センサとして機能することになる。
【0045】
そして、以上のような封入球式遊技機100において、前面枠本体130の開口部121に嵌め込まれた遊技盤1の前面側の遊技領域において遊技が行われることになる。
すなわち、封入球式遊技機100は、遊技盤1のガイドレールで囲まれた遊技領域内に遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うものであり、該遊技領域には、図示しないが普図始動ゲート(図示略)、この普図始動ゲートを遊技球が通過して普図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を表示する普図始動記憶表示器(図示略)、普通図柄(普図)の変動表示ゲームを表示する普図変動表示器(図示略)、普通変動入賞装置、この普通変動入賞装置に遊技球が入賞して特図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を点灯表示する特図始動記憶表示器(図示略)、特別図柄(特図、識別情報)の変動表示ゲームの表示等を行う変動表示装置4(図3に図示、可変表示用表示ユニット)、特別変動入賞装置(図示略)、一般入賞口(図示略)、風車と呼ばれる打球方向変換部材(図示略)、多数の障害釘(図示省略)などが設けられている。
【0046】
なお、本発明の封入球式遊技機100の遊技盤1においては、遊技領域をその下端部まで流下しても入賞しなかった遊技球としてのアウト球を遊技領域の下端部において遊技盤1の裏面側に導くアウト穴が設けられておらず、その代わりに遊技盤1の前面で遊技領域を囲むガイドレールが、遊技領域の下端部で設けられていない構成、すなわち、ガイドレールの遊技領域の下側を囲む部分に、切欠部が設けられる構成となっており、入賞しなかった遊技球は、遊技盤1の下端部の中央部分で、遊技盤1の前面側の遊技領域からそのまま遊技領域の外側(下側)の前記封入球循環ユニット200の回収口に流下する構成となっている。
【0047】
前記普通変動入賞装置は左右一対の開閉部材とこの開閉部材を動作させる普電ソレノイド9a(図3に図示:普電SOL)とを具備し、この開閉部材は、常時は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示器の普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
この普通変動入賞装置は、特図の始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置の内部(入賞領域)に備えられた始動口センサ9b(図3に図示;始動口SW)により遊技球を検出することに基づき始動条件が成立し、特図の変動表示ゲームが開始されるようになっている。
【0048】
また、普図始動ゲート内には、該普図始動ゲートを通過した遊技球を検出するためのゲートセンサ6a(図3に図示:ゲートSW)が設けられている。
そして、遊技領域内に打ち込まれた遊技球が、普図始動ゲート内を通過すると、普図変動表示器において普図の変動表示ゲームが行われる。
ここで、普図変動表示器は、例えば、LEDなどによって構成され、普通図柄(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)の変動表示ゲームは、普図変動表示器の点灯状態を所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようになっている。
この普図の変動表示ゲームの結果、普図変動表示器における停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置の開閉部材が所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放される。これにより、普通変動入賞装置に遊技球が入賞しやすくなり、特図の変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0049】
また、特図の変動表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示画面を有している。この表示画面における表示内容は、表示制御手段としての機能を有する演出制御装置51(図3に図示;演出基板)により制御されるようになっている。
そして、遊技領域内に打ち込まれた遊技球が特図の始動口を兼ねる普通変動入賞装置へ進入して始動条件が成立することに基づき、表示画面にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特別図柄の変動表示ゲームを実行可能となっている。なお、特図の変動表示ゲームは、表示画面において、複数種類の識別情報を所定時間変動表示させることにより行う。
そして、この特図の変動表示ゲームの結果として、表示画面の表示態様が特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り)となる。
【0050】
ここで、特別変動入賞装置は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉によって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせるサイクル遊技が、所定回数(所定ラウンド数)を限度に行われる。なお、開閉扉は、大入賞口ソレノイド5d(図3に図示:大入賞口SOL)により駆動される。
また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するためのカウントセンサ5b(図3に図示;カウントSW)と、大入賞口に入った遊技球のうち継続入賞領域(V入賞領域)に流入した遊技球を検出するためのV入賞センサ5c(図3に図示;VSW)が配設されている。また、大入賞口には、大入賞口に入った遊技球の流下方向を切り替えて、継続入賞領域への遊技球の流入率を切り替える方向切替ソレノイド5a(図3に図示、方向切替SOL)を設けても良い。
なお、各一般入賞口の内部(入賞領域)には、該入賞口に入った遊技球を検出するための入賞口センサ8a(図3に図示;左入賞SW、右入賞SW)が配設されている。
【0051】
サイクル遊技とは、大入賞口が開いてから所定の時間が経過するか、大入賞口に所定数の遊技球が入賞するかの条件のうち、いずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定のラウンド回数繰り返して行う遊技の形態である。
次のラウンドに進むことができる条件としては、大入賞口が開放している間に、大入賞口に設けられた継続入賞領域に入賞して、V入賞センサ5cから遊技制御装置21に検出信号が入力されることが条件となっており、継続入賞領域に入賞しなかった場合は、所定のラウンド回数に達していなくてもそのラウンドで特別遊技状態が終了(パンク)する。
なお、所定のラウンド回数に達するまでは、無条件でラウンドを継続するものとし、上述の継続入賞領域、V入賞センサ5c、方向切替ソレノイド5a等を設けない構成としても良い。
【0052】
ここで、遊技領域内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口、普通変動入賞装置、特別変動入賞装置の大入賞口等の入賞口(入賞具)の何れかに流入して入賞が発生すると、該入賞した遊技球が各入賞口のセンサにより検出され、該検出に基づき、各入賞口に対応して設定された所定の賞球数が、上述の賞球情報の賞球数に加算される。
【0053】
従って、特別遊技状態中に上記のサイクル遊技を行うことにより、遊技者は高い遊技球数(特定の遊技価値)の獲得機会を得る。
すなわち、封入球式遊技機100はパチンコ遊技機として、特図変動表示ゲームの結果、予め定められた特別結果態様となった場合に(大当りとなった場合に)、遊技者に特定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生可能に構成されている。
【0054】
次に、以上のような封入球式遊技機100の制御系について図3の制御ブロック図を参照して説明する。
封入球式遊技機100の制御系としては、遊技の進行を制御する遊技制御装置21(主基板:遊技制御基板20)と、この遊技制御装置21の制御下で各種の演出に関する制御を行う演出制御装置51(演出基板:演出制御基板50)と、遊技制御装置21及び演出制御装置51の制御下で、仮想遊技球表示器154及び外部アピール装飾ランプ11(外部アピール装飾基板11a)、封入球循環ユニット200等の制御を行う第1枠制御装置83(第1制御基板:第1枠制御基板81)と、第1枠制御装置83の制御下で、持球数(遊技球数)の演算等を行うとともにタッチパネル表示ユニット151の制御と、外部との通信の制御等を行う第2枠制御装置91(第2制御基板:第2枠制御基板90)と、第1枠制御装置83の制御下で発射装置61の制御等を行う発射制御装置63a(発射制御基板63)とを備える。
【0055】
このうち遊技制御装置21は、CPU、RAM、ROM等を有するパチンコ遊技機において周知のものであり、特図や普図の変動表示ゲームに関連する各種乱数値なども生成している。各種乱数値には、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数値などが含まれ、この乱数値に基づいて遊技制御装置21は、特図や普図の変動表示ゲームの当たり、外れ等のゲームの結果を決定している。
【0056】
また、遊技制御装置21には、入出力インターフェースを介して各入賞口センサ8a(左入賞スイッチ、右入賞スイッチ)、ゲートセンサ6a(ゲートスイッチ)、始動口センサ9b(始動口スイッチ)、カウントセンサ5b(カウントスイッチ)、V入賞センサ5c(Vスイッチ)が接続され、これらセンサからの遊技球の検出信号が入力されるようになっている。そして、入賞口センサ8a、始動口センサ9b、カウントセンサ5b等の各種入賞口、入賞装置に設けられたセンサからの入力に基づき賞球が発生することになる。
遊技制御装置21は、各入賞領域に設けられたセンサの遊技球の検出信号に基づいて、各センサ毎にあらかじめ設定された数値(賞球数)を示す賞球に関する情報を発生して出力する。
封入球式遊技機100においては、封入球式以外のパチンコ遊技機において、賞球としての遊技球の払い出しを制御する排出制御装置に代えて、賞球に関する情報が遊技制御装置21から第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91に出力されるようになっており、第2枠制御装置91においては、賞球に関する情報に基づいて、賞球数(出球数)をカウントする処理が行われるとともに、後述するように入賞毎に発生した賞球数を賞球情報としての賞球数に加算(累積)する演算処理が行われるようになっている。
また、遊技制御装置21においては、ゲートセンサ6a、始動口センサ9b、V入賞センサ5cから入力される信号に基づいて、特図及び普図の変動表示ゲームの進行の制御が行われる。
【0057】
また、遊技制御装置21には、I/Oを介して普電ソレノイド9a、大入賞口ソレノイド5d、方向切替ソレノイド5aが接続されて制御されるようになっており、特図や普図の変動表示ゲームの結果に基づいて、特別変動入賞装置や普通変動入賞装置の開閉が制御される。なお、普電ソレノイドが普通変動入賞装置を開閉駆動するもので、大入賞口ソレノイドが特別変動入賞装置を開閉駆動するもので、方向切替ソレノイド5aが大入賞口内のV入賞センサ5cが配置された継続入賞領域とそれ以外の一般入賞領域とのうちのどちらか一方に遊技球を案内するように切り替えるものである。
また、遊技制御装置21は、I/Oを介して第1枠制御装置83及び演出制御装置51に接続され、第1枠制御装置83及び演出制御装置51に後述する各種データを遊技機情報として送信している。
【0058】
例えば、遊技制御装置21は、上述の賞球に関するデータとして、遊技球の入賞に基づく賞球がある場合に、賞球数を示す賞球数コマンドを遊技機情報の1つとして第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91に出力する。
【0059】
また、遊技制御装置21は、特図の始動入賞に基づく特図の変動表示ゲームの開始及び停止、大当り外れの判定等の制御に基づいて、特図の変動表示ゲームの開始(変動開始)及び停止(変動停止)、大当りとしての特別遊技状態後に大当りの当選確率が高められた確率変動状態を伴う特別遊技状態の開始(確変での大当り開始)、確率変動状態を伴わない特別遊技状態の開始(非確変での大当り開始)、その他変動表示ゲームの停止図柄や変動表示時間等を含む遊技の演出に関するデータを演出制御装置51に送信する。
【0060】
また、遊技制御装置21は、特図及び普図の始動入賞(始動口センサ9b及びゲートセンサ6aから入力される検出信号)に対応して上限値(例えば、4)の範囲内で特図及び普図の変動表示ゲームを始動する始動条件の成立の回数を特図及び普図の始動記憶数(保留数)としてカウントするようになっている。そして、遊技制御装置21は、特図もしくは普図の始動入賞が有る度に上限値の範囲内で特図もしくは普図の始動記憶数を1増加し、特図もしくは普図の変動表示ゲームを開始する度に特図もしくは普図の始動記憶数を1減少する制御を行っており、この始動記憶数に関するデータを、演出制御装置51に送信している。
【0061】
演出制御装置51は、CPU、ROM、RAM等を備えるとともに、ビデオ制御用の各種ICを備え、パチンコ遊技機において周知のものであり、遊技制御装置21における特図の変動表示ゲームの進行の制御に基づいて、変動表示装置4(表示ユニット)における特図の変動表示ゲームの表示制御や、それに伴う遊技盤1等に設けられたランプ、LEDを有する装飾基板45におけるランプ、LED等の発光による演出制御等を行う。
【0062】
また、演出制御装置51は、上述のように遊技制御装置21と接続されるとともに、I/Oを介して第1枠制御装置83と接続され、上述のように遊技制御装置21から送信された演出に関するデータを演出コマンドとし、始動記憶数に関するデータを保留コマンドとし、これら演出コマンド及び保留コマンドを第1枠制御装置83に送信する。
【0063】
第1枠制御装置83は、CPU84a、RAM84b、ROM84c等と、音データを記憶したROM84dや、音信号を生成する音LSI84e、音信号を増幅してスピーカに出力するアンプ84f、I/O85,…等により構成されている。
このうち、CPU84aは、制御部、演算部を備え、各種演算・制御を行うものであり、封入球循環ユニット200の制御や、外部アピール装飾ランプ11(外部アピール装飾基板11a)及び仮想遊技球表示器154におけるLED等の電気的発光源の点灯・消灯・発光色の変更等の制御を行う。 RAM84bは、各種フラグ、各種タイマ、各種カウンタ等の記憶領域を含むCPU84aの作業領域等を備えている。
ROM84cには、外部アピール装飾ランプ11及び仮想遊技球表示器154におけるLEDの点灯・消灯・発光色の変更等の制御を行うためのプログラムや、遊技球を循環使用する際の各種制御を行うためのプログラムや、音による演出のためのプログラム等が記憶されている。
【0064】
また、ROM84dには、演出用の音楽、効果音等の音データが記憶され、音LSI84eは、演出制御装置51の演出コマンドに従ってCPU84aで実行される音による演出のためのプログラムに基づいて、ROM84dから音データを読み出して音信号を生成する。そして、音LSI84eで生成された音信号は、アンプ84fで増幅されてスピーカ13,155に出力される。
【0065】
また、第1枠制御装置83は、I/O85,…を介して、外部アピール装飾ランプ11(外部アピール装飾基板11a)及び仮想遊技球表示器154に接続されている。そして、後述するように第2枠制御装置91で算出される持球数のデータに基づいて、第1枠制御装置83は、上述のように外部アピール装飾ランプ11,…の点灯、発光色の変更等を制御する。
【0066】
また、第1枠制御装置83は、I/O85,…を介して、封入球循環ユニット200(封入経路ユニット)の球送りセンサ246(発射球検出スイッチ)、ファール球センサ253(戻り球検出スイッチ)、回収球センサ212(入球検出スイッチ)、球不足検出センサ264(球量検出スイッチ)、補充ソレノイド263(球量調節ソレノイド)が接続されている。
また、第1枠制御装置83は、球不足検出センサ264から、封入球循環ユニット200内で待機する遊技球が不足していることを示す信号が入力した場合には、補充ソレノイド263を作動させ、遊技球を補充する処理を行う。
【0067】
また、第1枠制御装置83には、I/O85を介してガラス枠開放検出センサ142(ガラス枠開放検出スイッチ)が接続され、外部アピール装飾ランプ11等を用いてガラス枠140が開放していることを報知する処理を行う。
さらに、第1枠制御装置83は、上述のようにI/O85を介して遊技制御装置21、演出制御装置51に接続されると共に、第2枠制御装置91(第2制御基板)及び発射制御装置63a(発射制御基板)に接続される。
【0068】
そして、第1枠制御装置83は、第2枠制御装置91において発射可能球数及び賞球数の算出処理を行えるように、球送りセンサ246が遊技球が球送り位置に送られたのを検出した際に入力される検出信号と、ファール球センサ253がファール球(戻り球)を検出した際に入力される検出信号とを第2枠制御装置91に中継し、さらに、遊技制御装置21から入力される遊技球の賞球に関する賞球数コマンド(賞球数を示す)を第2枠制御装置91に中継する。
【0069】
また、第1枠制御装置83は、第2枠制御装置91で管理される発射可能球数が1以上の場合に発射球の発射を許可し、発射可能球数が0の場合に発射を禁止する制御信号を発射制御装置63aに出力する。
また、第1枠制御装置83と第2枠制御装置91とは、制御情報用のラインと、データ転送のためのシリアル通信用のラインとで接続されている。
シリアル通信用ラインは、第1枠制御装置83から第2枠制御装置91に上述の演出コマンド及び保留コマンドのデータに基づいて、特図の変動表示ゲームのスタート信号、非確変での大当り開始、終了信号、確変での大当り開始、終了信号、入球信号、出球(賞球)信号等を送信するためのものである。
また、第2枠制御装置91は、上述の信号を球貸機901、通信ボックス904を介してホールサーバ900に外部情報として送信可能であり、ホールサーバ900側で各封入球式遊技機100の変動表示ゲームの実行回数、非確変での大当り(特別遊技状態の発生)回数、確変での大当り(特別遊技状態の発生)回数、入球数、出球数、差球数等を管理可能としている。
さらに、第2枠制御装置91は、ホールサーバ900に球貸機901への貨幣の投入に基づく入金額データ(入金額情報、残額情報)と、発射可能球情報の発射可能球数、賞球情報の賞球数、貸球情報の貸球数とを送信し、ホールサーバ900側でこれらデータのバックアップと管理とを可能とするようになっている。
なお、球貸機901を介してホールサーバ900に送られるデータは、球貸機901でも記憶してデータをバックアップするようになっている。なお、球貸機901においては、停電時にもデータをバックアップ可能なようにバックアップ電源を備えている。
【0070】
第2枠制御装置91は、主にI/O制御(通信制御)用のCPU91a(CPU1)、ROM91b、RAM91c、I/O91d等からなる通信制御部と、タッチパネル表示ユニット151の制御用のCPU91e(CPU2)、ROM91f、RAM91g、VDP91h(Video Display Processor)、VDP91h用のROM91i、LCDコン
トローラ91j等からなるタッチパネル制御部を備えている。
そして、CPU91a等からなる通信制御部は、第1枠制御装置83から入力された外部情報となるデータをシリアル通信(RS232C)用のI/O91dから、後述するように球貸機901等を介してホールサーバ900に出力するための処理を行う。また、第2枠制御装置91の通信制御部は、CAN(control area network)用のI/O91dを介して、報知手段としての外部演出装置902に接続されている。なお、外部演出装置902は、例えば、上述の外部アピール装飾ランプ11と同様に外部に対応する封入球式遊技機100の持球数を複数のプレートを用いて表示するようになっているとともに、複数の外部演出装置902が連携して、封入球式遊技機100での大当たりの発生を演出するようになっている。
なお、外部演出装置902においても、外部アピール装飾ランプ11の場合と同様に持球数ではなく賞球情報の賞球数を複数のプレートを用いて表示するようにしても良く、外部アピール装飾ランプ11で賞球数を表示した場合と同様の効果を奏することができる。
【0071】
そして、第2枠制御装置91の通信制御部は、CANで接続された各遊技機毎の外部演出装置902に、持球数のデータ、大当たりの発生等のデータを出力する。
また、ブロック図には図示しないが、第2枠制御装置91には、LAN用のI/Oを介して、アプリケーションサーバ903に接続されており、アプリケーションサーバ903にも外部情報と同様のデータを送信するようになっている。なお、アプリケーションサーバ903は、例えば、タッチパネル表示ユニット151での各種表示データ等を第2枠制御装置91に送信可能となっている。
【0072】
また、第2枠制御装置91のCPU91aでは、後述するように持球数(発射可能球数、貸球数、賞球数)の管理を行っている。
上述のように、第2枠制御装置91には、球送りセンサ246、ファール球センサ253、回収球センサ212からの遊技球の検出信号が第1枠制御装置83を介して入力される。そして、CPU91aは、球送りセンサ246が遊技球が球送り位置に送られたのを検出した際(発射球を検出した際)に、遊技球が遊技領域に発射されたものとして、発射可能球数を1減算し、ファール球センサ253がファール球(戻り球)を検出した場合に発射可能球数を1加算することにより発射可能球数を算出する。なお、最終的に、球送りセンサ246の検出回数からファール球センサ253の検出回数を引いたものが、回収球センサ212の検出回数と等しくなり、これが入球数となる。
【0073】
また、CPU91aは、遊技制御装置21から第1枠制御装置83を介して賞球数コマンドが入力された際に、賞球情報の賞球数に賞球数コマンドが示す賞球数を加算する処理を行う。さらに、第2枠制御装置91は、タッチパネル表示ユニット151において、後述するように球貸操作が行われた場合には、タッチパネル表示ユニット151の操作に基づく第2枠制御装置91のタッチパネル制御部からのデータに基づいて球貸された貸球数を貸球情報の貸球数に加算(累積)する処理を行う。なお、この際に、球貸機901から投入された金額に対応する入金額データを示す残額情報から貸球数に変換された金額を減算する。
また、第2枠制御装置91は、タッチパネル表示ユニット151において、後述するように持球移動操作が行われた場合には、タッチパネル表示ユニット151の操作に基づく第2枠制御装置91のタッチパネル制御部からのデータに基づいて貸球数及び・又は賞球数から発射可能球数に遊技媒体数を移動する処理を行う。
これにより、第2枠制御装置91においては、入球数、出球数(賞球数)、差球数、持球数、発射可能球情報の発射可能球数、貸球情報の貸球数、賞球情報の賞球数を算出することが可能となる。
【0074】
また、第2枠制御装置91のCPU91e等からなるタッチパネル制御部は、タッチパネル表示ユニット151に接続され、タッチパネル表示ユニット151のタッチパネル15aからの入力信号を処理するとともに、タッチパネル表示ユニット151のLCD15bへの画像表示を制御する。
すなわち、LCD15bには、予め設定された複数の画面のうちの1つの画面が表示されるとともに、該表示画面にタッチパネル15a用のボタンが表示され、タッチパネル15aから前記ボタンの範囲内の座標位置が入力されると、予めボタンに対応して設定された処理を行うようになっている。なお、第2枠制御装置91における処理は、タッチパネル15aから入力された座標位置に基づいて、行う処理を決定するものであり、ボタンに対応した処理は、第1枠制御装置83や第2枠制御装置91で行われる。なお、LCD15bには、上述のボタン以外に、後述のように入金額データ、持球数、発射可能球数、賞球数、貸球数、入金額データ、変動表示ゲームの実行回数(スタート回数や所定期間内のスタート回数の平均値)、その他、例えば、非確変大当り回数、確変大当り回数等のデータ表示も行われる。
【0075】
すなわち、第2枠制御装置91のタッチパネル制御部は、ROM91iに格納された画像データ等を用いてVDPが各種ボタンが表示される設定画面の表示データを作成し、作成された表示データをLCDコントローラ91jを介してLCD15bに表示させる制御を行うとともに、同様に、第1枠制御装置83から送信されるデータに基づくデータがRAM91gに記憶され、RAM91gに記憶されたデータを表示するためのデータ表示の制御を行う。また、タッチパネル制御部は、表示されたボタンの1つに対応する位置がタッチパネル15aから入力された場合に、位置が入力されたボタンに対応する処理を開始するように第1枠制御装置83や第2枠制御装置91のCPU84a、91aに制御信号を出力する。
なお、ブロック図に示されるインバータ基板15fは、LCD15bのバックライトの冷陰極管に高周波数の交流電流を供給するものである。
【0076】
発射制御装置63aは、CPU63b、発射装置61のモータ68(発射モータ)のドライバ回路63c、I/O63dを備えており、I/O63dには、タッチセンサ152(発射操作部タッチセンサ)及び発射スライドボリューム153(スライドボリューム基板)、球送りソレノイド244が接続され、ドライバ回路63cには、モータ68が接続されている。
そして、発射制御装置63aのCPU63bは、図示しないROMに記憶されたプログラムに基づいて、後述するように第1枠制御装置83からの発射許可の制御信号を受信した状態で、発射スライドボリューム153の操作レバー156の操作に基づく信号レベルにより、発射装置61における遊技球の発射勢を制御するとともに、タッチセンサ152において、遊技者の手が検出された場合に、発射装置61のモータ68を制御して所定の時間間隔毎に遊技球を順次発射する制御を行う。また、発射制御装置63aは、発射装置61による遊技球の発射のタイミングに合わせて、球送りソレノイド244を作動させて、封入球循環ユニット200から発射装置61に遊技球を供給する制御を行う。
【0077】
また、発射制御装置63aは、上述のように第1枠制御装置83に接続されており、第1枠制御装置83は、発射可能球数が1以上の場合に、遊技球の発射位置への送りと、遊技球の発射を許可する制御信号を送信するようになっている。これにより、上述のように発射制御装置63aにおいて、発射可能球数が1以上の場合に、遊技者の発射操作により遊技球の発射が可能となる。
すなわち、第1枠制御装置83と、発射制御装置63aとが後述の発射可能球記憶手段としての第2枠制御装置に記憶された発射可能球情報に基づいて前記遊技球の発射を許容する発射制御手段として機能する。
【0078】
なお、発射制御装置63aとなる発射制御基板63においては、制御回路を汎用のCPU63bを用いずに専用のロジックデバイス(汎用性のあるプログラマブルロジックデバイスを用いても良い)により構成しても良く、CPUに代えてロジックデバイスを用いることでコストダウンを図ることができる。
【0079】
次に、図4を参照して、遊技場の管理システムについて説明する。
遊技場においては、例えば、複数列の島設備に、それぞれ複数の封入球式遊技機100が左右に並べて設置されるとともに、各封入球式遊技機100毎に隣接して、遊技機同士の間に配置されるサンド装置である球貸機901が封入球式遊技機100と1対1で配置される。また、島設備毎等の複数の球貸機901毎に通信ボックス904が配置され、通信ボックス904がホールサーバ900及びPOS装置905に接続されている。
【0080】
そして、封入球式遊技機100と球貸機901は、上述のようにシリアル通信可能にRS232Cで接続されている。そして、球貸機901は、シリアル通信可能にRS485で通信ボックス904に接続されている。また、通信ボックス904と、ホールサーバ900と、POS装置905と、精算機907とがLANにより接続されている。
そして、各封入球式遊技機100からは上述の外部情報が球貸機901に出力され、各球貸機901から外部情報等のデータが通信ボックス904に出力され、通信ボックス904は、LANにより接続されたホールサーバ900及びPOS装置905に外部情報等のデータを送信可能となっている。
【0081】
また、球貸機901(台間機)の制御装置は、図5に示すように、CPU911,RAM912,ROM913等を有する主制御部910と、球貸機901に備えられるモニタランプ914、表示ユニット915、紙幣識別機916、コインセレクタ917、ICカードリーダライタ918を主制御部910に接続するとともに、外部の封入球式遊技機100やホールサーバ900(通信ボックス904を介して)を主制御部910に接続する副制御部920とを備える。また、副制御部920には、球貸機901の上述の各装置に電力を供給する電源部919が備えられている。
【0082】
ここで、モニタランプ914は、主制御部910の制御により球貸機901の電源のON/OFF、ホールサーバ900との通信状態(オンライン/オフライン)及びエラーの発生等をランプの点灯状態と発光色で報知するものである。
表示ユニット915は、LCDで、主制御部910の制御の下に、遊技者への各種情報を報知する表示を行うと共に、異常時に異常を報知する表示を行う。遊技者に表示する情報としては、例えば、ガイダンス用の情報として、開店時間、閉店時間、定休日、会員の募集、イベント開催のお知らせ等と、金額情報の残高や、再プレイ可能な貯球数などの遊技に関する情報などである。
【0083】
紙幣識別機916は、球貸機901に投入された紙幣の券種を識別し、投入された紙幣を格納すると共に、識別された券種に対応する金額情報を主制御部910に出力する。コインセレクタ917は、球貸機901に投入された硬貨の種類を識別し、投入された硬貨を格納すると共に、識別された種類に対応する金額情報を主制御部910に出力する。
ICカードリーダライタ918は、記憶媒体としてのICカードのメモリ内のデータの読み書きを行うものであり、主制御部910の制御により、読出したデータを主制御部910に入力し、主制御部910から出力されるデータを書き込むものである。
【0084】
そして、主制御部910は、ICカードリーダライタ918にICカードが挿入されている状態で、例えば、紙幣、硬貨等が紙幣識別機916,コインセレクタ917に投入されると、上述のように金額情報を発生し、これを封入球式遊技機100に送信し、封入球式遊技機100で金額情報を遊技媒体数に変換して持球数に加算可能とする。この際に、記憶媒体としてのICカードに金額情報(入金額データ)を書き込む。なお、遊技媒体数に変換された金額は金額情報から減算され、残額としての金額情報がICカードに書き込まれる。なお、ICカードに金額情報を書き込まないものとしても良いし、書き込む場合にも、金額情報の発生時や更新時に書き込むのではなく、遊技終了時に確定した金額情報をICカードを排出する前に書き込むものとしても良い。また、ICカードに予め記憶されたカードID(識別情報)に基づいて金額情報は、通信ボックス904を介してホールサーバ900にも送信され、例えば、金額情報はホールサーバ900でも管理される。
【0085】
なお、封入球式遊技機100の第2枠制御装置91においては、球貸機901から入力される金額情報を累積記憶して入金額情報(カードが挿入されてから排出されるまでの総入金額)とし、入金額情報から貸球数に変換された金額を減算した遊技者が現在保有する金額を残額情報として管理しているので、球貸機901側で金額情報から貸球数に変換された金額を減算して管理しないものとしても良い。逆に、第2枠制御装置91で金額情報を管理せずに、球貸機901側で上述のように金額情報を管理するとともに、金額から返還された貸球数の情報を、球貸機901から第2枠制御装置91に送信し、これを受信した第2枠制御装置91が受信した貸球数を貸球情報の貸球数に加算して貸球情報を更新するものとしても良い。
なお、この実施形態の封入球式遊技機100においては、ICカードを封入球式遊技機100に対応する球貸機901のICカードリーダライタ918に挿入することで遊技開始可能となる。
【0086】
また、封入球式遊技機100での遊技終了時には、ICカードに持球数が景品交換用の景品交換球数として書き込まれ、かつ、この景品交換球数のデータは、ホールサーバ900やPOS装置905にも送信され、POS装置905において、景品交換の処理が可能となる。
また、球貸機901は、上述のように封入球式遊技機100からホールサーバ900に出力される外部情報の中継器としても機能し、球貸機901は、封入球式遊技機100から送信された外部情報を通信ボックス904を介してホールサーバ900に出力する。
また、球貸機901は、データのバックアップ装置としても機能し、封入球式遊技機100からホールサーバ900に送られるデータを所定記憶容量の範囲内で記憶するようになっているとともに停電時にもバックアップ電源により記憶内容が保持されるようになっている。
【0087】
POS装置905は、例えば、ICカードリーダライタ及びバーコードリーダを備え、後述するように記憶媒体であるICカードに記憶されたデータに対応してホールサーバ900に記憶された持球数のデータを抽出可能となっているとともに、景品に付けられたバーコードに対応して景品のデータ(景品を交換するのに必要な遊技媒体数を含む)を抽出可能となっている。そして、POS装置905は、持球数を景品交換した際に、後述のように持球数から変換される景品交換球数から景品に対応する遊技媒体数を減算して、景品交換による景品交換数の精算と、景品の管理等を行うものである。なお、POS装置905は、特定の基準となる景品を持球数に対応して払い出すようになっていても良い。
【0088】
図6に示す精算機907は、その正面に図示しない硬貨払出口、紙幣払出口、カード挿排口、ガイダンス表示用の表示部941及び設定入力用の操作部942を備え、さらに、硬貨払出口の奥に配置されて硬貨を払い出す硬貨払出機943、紙幣払出口の奥に配置されて紙幣を払い出す紙幣払出機944、カード挿排口の奥に配置されて会員カードの識別情報を読み取るICカードリーダライタ945を備える。また、精算機907は、外部とのデータ送受用に、ホールコンピュータ(ホールサーバとは別に設けられた上位サーバであり、ホールサーバ900とともに、LANに接続されてホールサーバと略同様のデータを管理するが、特に入金額データの精算を含む出入金の管理等に用いられる)とのインターフェース用リレー出力用基板であり、ホールコンピュータに精算のデータを送信するための外部出力基板946を備えるとともに、LAN用の通信回路を備え、LANによりホールサーバ900やPOS装置905に接続される。また、精算機907は、その上述の各装置を制御する主制御部950を備える。
また、主制御部950のインターフェースとして機能する副制御部954を備え、副制御部954には、精算機907の上述の各装置に電力を供給する電源部955が備えられている。
【0089】
主制御部950は、CPU951、RAM952、ROM953を備える。また主制御部950は、副制御部954を介して表示部941、操作部942、硬貨払出機943、紙幣払出機944、ICカードリーダライタ945、外部出力基板946やLAN用通信回路に接続され、これらの制御や、これらとの信号の送受等を副制御部954を介して行う。
硬貨払出機943及び紙幣払出機944は、主制御部950の制御の下に、主制御部950から出力される金額のデータに対応して硬貨もしくは紙幣を払い出す。外部出力基板946は、ICカードリーダライタ945で読み取られたカードID(識別情報)に関連づけて精算額等の金額情報をホールコンピュータに送信する。また、LAN用通信回路は、主制御部950を、LANを介してホールサーバ900に接続し、後述のようにカードIDや金額情報の送受信を行う。
【0090】
そして、精算機907においては、ROM953に記憶されたプログラムに基づいて処理を行う主制御部950(CPU951)の制御の下に、カード挿排口からICカードリーダライタ945にICカードが挿入されると、ICカードからカードIDを読み取り、主制御部950に出力し、主制御部950は、カードIDをRAM952に記憶すると共に、ホールサーバ900に送信する。ホールサーバ900では、受信したカードIDに対応する金額情報を検索して、入金額データの残高のデータを含む金額情報を精算機907の主制御部950に送信する。
【0091】
主制御部950では、金額情報が受信されると、表示部941に金額情報における入金額データの残額(残額情報)を表示すると共に、残額に対応して払い出す紙幣の種類と枚数及び硬貨の種類と枚数を算出し、紙幣払出機944及び硬貨払出機943を制御して残額となる紙幣、硬貨を払い出す。
また、主制御部950は、LANを介してホールサーバ900に精算が行われたことを示す情報を送信する。ホールサーバ900では、前記カードIDに対応する金額情報に精算金額のデータと精算済みであることを更新して記憶すると共に、入金額データの残高を精算により0とするように更新する。
また、精算機907の主制御部950は、外部出力基板946を介してホールコンピュータにカードIDに対応する金額情報の入金額データの残額が精算されたことを示す情報を送信する。
【0092】
また、管理装置をなすホールサーバ(管理サーバ)900は、図7に示すように、CPU981,RAM982,ROM983等を有する主制御部984を備え、モニタ985、キーボード986、マウス987、記憶装置988(例えば、ハードディスク)を主制御部984に接続する制御部989を備える。また、制御部989には精算機907の上述の各装置に電力を供給する電源部990が備えられている。
【0093】
そして、ホールサーバ900は、各遊技機に接続した球貸機901と通信ボックス904を介して通信可能に接続され、各遊技機の外部情報等に基づいて、各遊技機の入球データ、出球データ、差球データ、変動表示ゲームの実行回数、非確変の大当り回数、確変の大当り回数、発射可能球数、賞球数、貸球数等のデータが時系列に従って記憶装置988に記憶して管理できるようになっている。また、POS装置905において景品に交換された景品交換球数も含めて遊技場全体での遊技媒体数の変化を管理可能となっている。
また、本発明における遊技装置は、封入球式遊技機100単体であっても良いが、上述のように接続されたホールサーバ900等の遊技場システム内の封入球式遊技機100と接続された外部装置を含んでも良く、本発明における各種設定や出力を球貸機901やホールサーバ900で行うものとしても良く、封入球式遊技機100と球貸機901やホールサーバ900等の外部装置とを含めて本発明の遊技装置としても良い。
【0094】
また、上述のように各封入球式遊技機100は、第2枠制御装置91がCANを介して外部演出装置902の表示器902a及び音声出力装置902bに接続されている。表示器902aは、所定数の持球数に対応する複数のプレートを出没させることで持球数を表示したり、LEDやランプ等を用いて複数の外部演出装置902で連携して大当たりの発生を演出したりするものである。音声出力装置902bも音声による演出を行う。
【0095】
また、各封入球式遊技機100は、LANを介してアプリケーションサーバ903に接続され、アプリケーションサーバ903は、インターネットを介して例えば遊技機メーカーのパソコン906に接続されている。そして、タッチパネル表示ユニット151に変動表示装置4で表示されるプレミアムリーチの画面など遊技機に関する表示を可能とするために、各種表示データや、表示データを表示させるための表示制御プログラムをアプリケーションサーバ903にダウンロード可能となっている。アプリケーションサーバにダウンロードされたデータやプログラムは、上述のように各封入球式遊技機100に配信されることになる。
【0096】
次に、この実施形態における持球数を管理するための処理を説明する。
この実施例において、遊技者が保有する遊技価値量としての持球数を示す遊技価値情報は、遊技者が保有する遊技価値量のうちの所定の上限量までの遊技価値量を示すとともに当該遊技価値量に基づいて前記遊技球の発射を可能とする発射可能球情報としての発射可能球数と、遊技者が保有する遊技価値量のうちのタッチパネル表示ユニット151における球貸しボタンの押下(貸出操作)により発生する貸球数を累積した球貸情報としての貸球数と、遊技の実行に伴って発生する賞球数を累積した賞球情報としての賞球数とに分けて管理されることになり、発射可能球数と、貸球数と、賞球数とが例えば、第2枠制御装置91の発射可能球記憶手段、貸球記憶手段、賞球記憶手段としてのRAM91cに発射可能球情報、貸球情報、賞球情報として記憶され、後述の第2枠制御装置91における遊技開始処理、遊技処理、遊技終了処理により遊技の進行に基づいて更新記憶されていく。
【0097】
また、本発明の遊技装置としての封入球式遊技機100においては、遊技者が遊技する際に封入球式遊技機100に隣設する球貸機901のICカードリーダライタ918に予め発行されたICカード(会員に発行される会員カードもしくは非会員に発行されるゲストカード)に記録された識別情報(カードID)を読み取らせることが必要な設定となっている。
そこで、まず、球貸機901の主制御部910で行われる遊技開始処理を図8のフローチャートを参照して説明する。
【0098】
例えば、遊技が行われていない封入球式遊技機100に対応する球貸機901においては、ICカードの挿入を待機している状態になっており、ICカードリーダライタ918においてICカードの挿入が検知された場合に、ICカードのカードIDとしての識別情報を読み取るように制御し、読み取られたカードIDが入力される(ステップS1)。
入力されたカードIDは、通信ボックスを介して上位サーバとしての例えば、ホールサーバ900に送信される(ステップS2)。
ここで、ホールサーバ900においては、カード発行時にホールサーバ900の記憶装置988に登録されたカードIDと受信したカードIDとを照合して真偽(一致するか否か)を判定し、この照合結果をカードID真偽情報として球貸機901に送信する。
球貸機901は、カードIDを送信した後に、カードID真偽情報の受信を待機する状態となり、カードID真偽情報を受信した場合に(ステップS3)、カードID真偽情報に示される照合結果が真か否かを判定する(ステップS4)。
そして、照合結果が真でない場合、すなわち、カードIDが偽物であると判定された場合には、ICカードリーダライタ918を作動させてICカードを排出させ(ステップS5)、遊技ができない状態とする。
【0099】
また、照合結果が真の場合には、次に説明する入金データ送信処理を開始する(ステップS6)。
図9のフローチャートに示すように入金データ送信処理では、紙幣識別機916への紙幣投入(及びコインセレクタ917への硬貨投入)があるか否か判定する状態(ステップS7)、すなわち、紙幣識別機916(コインセレクタ917)からの貨幣(紙幣、硬貨)の投入を示す信号が入力するのを待機する状態となり、貨幣が投入されて金額が識別された場合に、識別された金額を示す入金額データを封入球式遊技機100の第2枠制御装置91に送信する(ステップS8)。
【0100】
そして、球貸機901においては、遊技開始処理における入金データ送信処理が終了すると遊技開始処理を終了し、遊技中に定期的に行われる持球バックアップ処理を行う。
図10のフローチャートに示す持球バックアップ処理においては、後述の封入球式遊技機100の第2枠制御装置91で行われる処理に基づいて、発射可能球情報、貸球情報、賞球情報の各遊技価値量(遊技球数)が変動するたびに封入球式遊技機から球貸機901に送信される発射可能球情報、貸球情報、賞球情報を受信したか否かを判定する(ステップS9)。
そして、受信した場合には、受信した発射可能球情報、貸球情報、賞球情報を球貸機901に設けられ、かつ、電源を電池等によりバックアップされたメモリ(例えば、RAM912)に更新記憶し、発射可能球情報、貸球情報、賞球情報をバックアップする(ステップS10)。
【0101】
次いで、受信した発射可能球情報、貸球情報、賞球情報を上位サーバとしてのホールサーバ900に送信する(ステップS11)。ホールサーバ900においては、受信した発射可能球情報、貸球情報、賞球情報を記憶装置988にカードID及び各遊技機(封入球式遊技機100)に付けられた遊技機を特定する情報(例えば、台番号)に対応づけて記憶する。
次に、遊技終了か否かを判定する(ステップS12)。また、ステップS9において、発射可能球情報、貸球情報、賞球情報のいずれも受信されていないと判定された場合には、これらデータのバックアップ及び送信を行わずにステップS12に移行して遊技終了か否かを判定する。
そして、遊技終了でない場合に、再びステップS9に戻ることにより、上述のように発射可能球情報、貸球情報、賞球情報が受信される度に、これらデータをバックアップ保存するとともに、ホールサーバ900に送信することを繰り返すことになる。
【0102】
なお、遊技終了は、後述のタッチパネル表示ユニット151に表示された遊技終了ボタンaがタッチされることにより決定されて、遊技終了操作が行われたことを示す終了情報が球貸機901を介してホールサーバ900に送信されることになり、この終了情報が球貸機901で受信された場合に、遊技終了と判定される。
そして、遊技終了と判定された場合に、ICカードリーダライタ918を作動させてICカードに記憶された情報を更新し、排出させる処理を行い、バックアップ処理を終了する(ステップS13)。
この持球バックアップ処理により、発射可能球情報、貸球情報、賞球情報は、封入球式遊技機100、球貸機901及びホールサーバ900の少なくとも3カ所(上位サーバがホールサーバ900以外にある場合に3カ所以上とすることも可能)で保存されるため、停電時等の電源遮断時にデータの消失を確実に防止できる。すなわち、停電時にさらに異常が発生し、いずれかでバックアップされたデータを消失しても、3カ所全てで、データが消失する可能性は極めて低く、遊技者が保有する遊技媒体数のデータを保護することができる。
【0103】
以上のことから、これら封入球式遊技機100(第2枠制御装置91のRAM91c)と、球貸機901のメモリ及びホールサーバ900の記憶装置988とが、遊技価値量の貸出操作に応じて発生する貸球数を示す情報に対応した遊技価値量を貸球情報として累積記憶する貸球記憶手段と、遊技の実行に基づいて発生した賞球数を示す情報に対応した遊技価値量を賞球情報として累積記憶する賞球記憶手段と、予め定めた上限値までの遊技価値量を示す発射可能球情報を記憶する発射可能球記憶手段として機能する。
なお、第2枠制御装置91のRAM91cだけを貸球記憶手段、賞球記憶手段、発射可能球記憶手段と見なすことも可能である。
【0104】
また、球貸機901においては、遊技開始処理後から遊技終了時まで、貨幣の投入を受ける状態となっており、貨幣が投入されて金額が識別されると、識別された入金額のデータを封入球式遊技機100の第2枠制御装置91に送信する処理が行われる。
また、後述するように、遊技開始時に貨幣が投入されて、入金額のデータを送信した後に、球貸機901側から予め設定された単位金額に対応する単位貸球数(例えば、250)を示す貸球データを第2枠制御装置91に送信する処理が行われる。
【0105】
一方、封入球式遊技機100においては、該遊技機100に対応する球貸機901からカードIDがホールサーバ900に送信され、ホールサーバ900で上述のカードIDの真偽を判定する処理で、カードIDが真となるまで、遊技ができない状態となっている。
そして、ホールサーバ900において、カードIDの真偽の判定が行われて真となった場合に、ホールサーバ900からのコマンドに基づいて遊技可能な状態となる。
【0106】
そして、封入球式遊技機100の表示手段としてのタッチパネル表示ユニット151においては、遊技可能状態となると、タッチパネル表示ユニット151に表示可能な画面モードのうちの図15等に示すような遊技画面モードとなり、第2枠制御装置91のRAM91cに、後述の処理により遊技者の操作や遊技の進行に伴って更新記憶される入金額情報、残額情報、貸球情報、賞球情報、発射可能球情報、総持球情報の現在値を表示するための入金額表示領域b、残額表示領域c、貸球表示領域d、賞球表示領域e、発射可能球表示領域f、総持球表示領域gを有する表示画面が表示される。
【0107】
すなわち、タッチパネル表示ユニット151は、前記貸球情報と前記賞球情報と前記発射可能球情報とがそれぞれ示す遊技価値量を表示する表示手段として機能する。また、タッチパネル表示ユニット151の表示制御は、第1枠制御装置83の制御下で第2枠制御装置91により行われており、第2枠制御装置91は、前記貸球情報と前記賞球情報と前記発射可能球情報が示す遊技価値量の更新に伴って、該更新された遊技価値量をそれぞれ前記表示手段に表示制御するための表示制御手段として機能する。
【0108】
なお、ここで、入金額情報は、球貸機901に投入された貨幣の金額を示すもので、ICカードが挿入されてから排出されるまでに投入された貨幣の金額の総計を示すものとなっている。従って、貨幣が投入されるたびに入金額情報に貨幣の金額が加算される。
残額情報は、入金額情報から後述の球貸しボタンの押下(タッチ)により遊技媒体数に変換される金額を減算したものであり、入金額情報に示される金額のうちの未使用分を示すものである。従って、球貸機901への貨幣の投入により投入された貨幣の金額が加算され、球貸しボタンの押下により変換された遊技媒体数に対応する金額が減算される。
総持球情報は、貸球情報、賞球情報、発射可能球情報が示すそれぞれの遊技媒体数(遊技球数)を合算した遊技者が保有する遊技媒体数を示すものである。
【0109】
また、各表示領域b,c,d,e,f,gの近傍には、それぞれ、各表示領域b,c,d,e,fに示されるデータを説明するための文字列が表示されるようになっており、入金額表示領域bの近傍には「入金額」が表示され、残額(残金)表示領域cの近傍には「残金」が表示され、貸球表示領域dの近傍には「貸球」が表示され、賞球表示領域eの近傍には「賞球」が表示され、発射可能球表示領域fの近傍には「発射可能球」が表示され、総持球表示領域gの近傍には「総持球」が表示される。
【0110】
また、タッチパネル表示ユニット151の遊技画面には、球貸しボタンh、持球移動ボタンi、前記遊技終了ボタンaが表示されている。球貸しボタンhは、遊技者が残額情報から所定の金額情報を減算して、減算された金額情報に対応する遊技媒体数を貸球情報に加算する操作(指示)を行うためのものである。なお、後述のように貸球情報、賞球情報、発射可能球情報の全てが示す遊技媒体数が後述の予め設定されたの遊技媒体数を下回るような場合に、球貸しボタンhを押下すると、貸球情報ではなく発射可能球情報に遊技媒体数が加算される。
持球移動ボタンiは、遊技者が貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に遊技媒体数(遊技価値量)を移動させる操作(指示)を行うためのものである。
遊技終了ボタンaは、遊技者が、遊技を終了して後述の精算に関する処理を行い、ICカードを排出させる操作(指示)を行うためのものである。
また、各ボタンは、タッチパネル表示ユニット151のLCD15aに表示されるとともに、タッチパネル15aによる入力処理を可能とするものである。
【0111】
そして、遊技可能状態において、第2枠制御装置91において遊技開始処理が行われる。なお、遊技開始処理は、発射可能球数が0で発射装置61による遊技球の発射が禁止された状態から発射可能球数が1以上となって発射装置61による遊技球の発射が許可されるまでの処理を示すもので、遊技球が発射可能となってからは後述の遊技処理が行われる。
また、封入球式遊技機100において、遊技者が保有する持球数としての貸球数、賞球数、発射可能球数を算出して記憶更新する処理は、遊技制御装置21から遊技球の発射、ファール球の発生、賞球に関する情報を第1枠制御装置83を介して受信した第2枠制御装置91が行い、球貸機901及びホールサーバ900等との通信及びタッチパネル表示ユニットの制御等も第1枠制御装置83の制御の基に第2枠制御装置91が行うことになる。
【0112】
以下の封入球式遊技機100側の制御の説明のおいては、主に第2枠制御装置91で行われる処理を説明するが、以下の説明において、遊技制御装置21からの入力が第1枠制御装置83を介して行われることや、各処理で第1枠制御装置83と第2枠制御装置91との間のデータの送受が行われていることを省略して説明する場合がある。また、第1枠制御装置83と第2枠制御装置91とを一つの枠制御装置として考え、以下の処理をこの枠制御装置が行っているものとしても良い。
【0113】
なお、後述するように持球数を景品と交換可能な景品交換球数に変換した場合に、ホールサーバ900には、カードIDに対応して景品交換球数を示す景品球情報として記憶されており、景品球情報を封入球式遊技機100の第2枠制御装置91に送信するようになっている。
また、景品交換球数に変換する前の持球数を別の封入球式遊技機100での遊技に使用可能な設定とすることも可能であり、例えば、封入球式遊技機100での遊技を終了する際に、後述のように持球数を景品交換球数に変換し、これをホールサーバ900に送信してカードIDに対応付けて記憶させるが、景品交換球数に変換せずに持球数としてホールサーバ900に送信し、ホールサーバ900がこの持球数(貸球数、賞球数、発射可能球数)をカードIDに対応づけて記憶しても良い。
また、景品交換球数を持球数に再変換して、遊技に使用することも可能である。
【0114】
そして、基本的に、遊技者はICカードを球貸機901に挿入した後に、上述のように球貸機901に遊技球を発射可能とする遊技媒体数を借り受けるために紙幣識別機916やコインセレクタ917に紙幣や硬貨を投入することになる。
そこで、遊技開始処理においては、上述のようにカードIDが正常と判定された後の処理として、図11のフローチャートに示すように、球貸機901から貨幣の投入及びその識別(金額の決定)に基づく入金額データを受信したか否かを判定する(ステップS21)。そして、入金額データを受信した場合にだけ、第2枠制御装置91は、受信した入金額データを入金額情報及び残額情報としてRAM91cに記憶するとともに(ステップS22)、第2枠制御装置91のタッチパネル表示ユニット制御側(CPU91e側)がタッチパネル表示ユニット151の遊技画面の入金額表示領域b及び残額表示領域cに入金額データ(入金額情報、残額情報)に対応する数値を表示する処理を行う。なお、遊技開始時の最初の入金額データから球貸しボタンhが押下されるまでは、残額情報から球貸しに対応する金額が減算されないので、入金額情報と残額情報とは同じとなる。
【0115】
また、球貸機901に挿入可能な貨幣を例えば、額面が500円以上とすることにより、入金額情報は500円単位の額となり、さらに、球貸しボタンhの押下による残額情報の遊技媒体数への変換の際の単位金額を500円(例えば、遊技球1個あたり4円として遊技媒体数125個分)とすることにより残額データも500円単位の額とすることができる。
なお、この例では、球貸しボタンhの1回の押下における単位金額を1000円とし、それに対応する単位遊技媒体数を250としている。なお、残額が500円の場合には、例外として、球貸しボタンhが押下された際に、残額の全額となる500円を貸球数(125)に変換する。
また、上述のように単位金額を500円として単位遊技媒体数を125としても良いが、本願発明では、金額のデータを遊技媒体数である貸球数(貸球情報)に変換する際に、球貸しボタンhを押下し、さらに持球移動ボタンiを押下して貸球数を発射可能球数(発射可能球情報)に移動(変換)する必要があり、この際の1回当たりの移動させる遊技媒体数を基本的に後述のように125(上限値)としているので、賞球があまり発生していない状態では、発射可能球数を増加させる際に、毎回のように球貸しボタンhを押下した後に続けて持球移動ボタンiを押す状態となる。そこで、残額情報から貸球情報への変換の1回当たりの単位貸球数に対して、貸球情報から発射可能球情報への遊技媒体数への移動する際の1回当たりの遊技媒体数(移動時の上限値)を少なくすることが好ましく、できれば、賞球が発生しなくても、1回の貸出操作に対応して貸球情報から発射可能球情報への遊技媒体数への移動を2回行えるように1/2以下とすることが好ましい。
【0116】
また、この例においては、遊技開始時に入金額のデータを貸球数に必ず変換する必要があることから、遊技者の手間を省くために、球貸しボタンhを押下しなくても、貨幣を球貸機に投入することにより、1回の球貸しボタンhの押下に対応する単位金額としての1000円に対応する単位貸球数として250が残額情報から貸球情報に変換されるようになっている。
そこで、遊技開始時には、球貸しボタンhの押下に基づく信号に代えて、球貸機901から球貸しデータが入力され、この球貸しデータの入力により、残額情報の残額から貸球情報の貸球数への遊技価値量の変換が行われるようになっている。
そこで、第2枠制御装置91では、貸球データを受信したか否かを判定する(ステップS23)。
【0117】
そして、貸球データを受信した場合にだけ、残額のうちの単位貸球数である250に対応する1000円が貸球に変換されたものとして、残額情報の現在値である例えば10000円から1000円が減算され、残額を9000とするとともにこれを残額情報として更新記憶する(ステップS24)。また、貸球データに対応して、貸球情報の現在の貸球数(例えば、0)に貸球データで示される単位貸球数250を加算し、貸球情報の貸球数を0より大きい250とする(ステップS25)。
【0118】
なお、遊技開始時に貨幣を球貸機に投入した際に、球貸しボタンhだけではなく持球移動ボタンiも操作せずに、さらに貸球数から発射可能球数に遊技球を変換するようにしても良い。すなわち、貨幣を投入した際に、残額情報から所定額を減算し、該所定額に対応する遊技媒体数を発射可能球数に加算するものとしても良いし、残額情報から所定額を減算し、該所定額に対応する遊技媒体数を貸球数に加算し、さらに、貸球数から所定数を減算するとともに、発射可能球数に所定数を加算しても良い。
また、入金額情報及び残額情報は、球貸機901で管理されるものとしても良く、遊技開始時に貨幣が投入された場合や、球貸しボタンhが押下されたことを示す信号が球貸機901に入力した場合に、貸球データを第2枠制御装置91に送信するものとし、第2枠制御装置91側では、球貸しデータの受信に基づいて、球貸しデータが示す遊技球数を貸球情報の貸球数に加算して更新記憶し、球貸機901側で残額情報の残額を減算する処理を行うものとしても良い。
【0119】
ここで、上述のように前の遊技により得られた持球数をそのまま使用可能とする場合や、前の遊技で得られた持球数を景品交換用の景品交換球数に変換した後に、景品交換球数を持球数に変換可能な場合には、例えば、ホールサーバ900側から前の遊技の持球数や景品交換数のデータが球貸機901を介して第2枠制御装置91に送信され、送信されたデータに示される持球数(景品交換球数は持球数に変換される)が例えば貸球情報の貸球数に加算されるものとしても良い。
【0120】
次に、以上の処理により貸球数が0より大きくなったか否かが判定され(ステップS26)、貸球数が0の場合は、ステップS21に戻る。すなわち、貸球数が0より大きくなるまで、上述の処理が繰り返し行われる。
【0121】
そして、以上の処理により、貸球数が0より大きくなった場合は、貸球数を発射可能球数に変換可能となり、次に、持球移動ボタンiが押下されたか否かを判定する(ステップS27)。持球移動ボタンiが押下されない場合は、持球移動ボタンiが押下されるのを待機する状態となる。
【0122】
そして、持球移動ボタンiが押下された場合には、貸球情報の貸球数及び/又は賞球情報の賞球数から発射可能球情報の発射可能球数に遊技球数を移動する処理を行う。ここで、後述するように貸球情報からの移動が優先されるが、遊技開始時には、賞球情報の賞球数が0となっているので、いずれにせよ、貸球情報から発射可能球情報に遊技球数が移動されることになる。また、後述するように貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に遊技媒体数を移動する際には、上限値(例えば、125)が決められており、後述するように移動時の上限値での移動が不可の場合を除いて、基本的に移動時の上限値となる遊技球数が移動させられる。
【0123】
遊技開始時は、特に問題がないので、貸球情報から発射可能球情報に上限値となる遊技球数として125が移動させられる。この際には、貸球情報の貸球数から移動させられる遊技球数として125が減算され(ステップS28)、発射可能球情報の発射可能球数に移動させられる遊技球数として125が加算される(ステップS29)。
ここでは、発射可能球数が0から125となり、発射可能球数が0より大きくなることで、遊技球の発射が可能な状態となり、第2枠制御装置91において遊技処理が開始される。
【0124】
そして、遊技処理においては、図12のフローチャートに示すように、発射可能球数が有る(1以上)か否かが判定される(ステップS31)。
そして、発射可能球数がある場合には、次に発射停止中か否かが判定される(ステップS32)。ここでの発射停止は、発射可能球数が0となることにより第1枠制御装置8
3からの制御により発射制御装置63aが遊技球の発射を禁止した場合のものである。この段階では、発射球可能球数が有りと判定されており、発射可能球数は0より大きくなっているが、その前の段階で、一旦発射可能球数が0となった後に1以上なることで発射停止状態となっている可能性がある。
そこで、発射停止となった後に貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報への遊技球数の移動が行われ、発射可能球数が0より大きくなった場合に、次ぎのステップで発射禁止を解除して発射を再開させるために上述のように発射停止状態か否かを判定する。
【0125】
従って、発射停止状態の場合には、ステップS31で遊技球数有りと判定されたこと、すなわち、発射可能球数が0より大きくなったことに基づいて、遊技球の禁止状態を解除して遊技球の発射の再開を可能とする(ステップS33)。なお、発射停止状態でない場合は、遊技球を発射可能な状態なので、そのまま発射可能な状態を保持する。
上述のように第1枠制御装置83及び発射制御装置63aが発射制御装置を制御しており、発射制御手段となるが、発射停止、発射開始は第2枠制御装置91で決定しており、第2枠制御装置91を発射制御手段と見なしても良い。
【0126】
次に、発射球が発生したか否か、すなわち、第1枠制御装置83から球送りセンサ246が発射球(もしくは発射直前の遊技球)を検出したことを示す信号が入力したか否かが判定される(ステップS34)。
そして、発射球が発生した場合にだけ、発射可能球情報の発射可能球数を1デクリメントして更新記憶するとともに更新された発射可能球数を表示する。すなわち、遊技球を発射するごとに発射可能球数を1減少させて表示する(ステップS35)。
【0127】
次に、ファール球が発生したか否か、すなわち、第1枠制御装置83からファール球センサ253がファール球を検出したことを示す信号が入力したか否かが判定される(ステップS36)。そして、ファール球が発生した場合にだけ、発射可能球数を1インクリメントとして更新記憶するとともに更新された発射可能球数を表示する。すなわち、ファール球が発生する毎に、発射可能球数を1増加させて表示する(ステップS37)。
ここで、発射可能球情報の発射可能球数には、上述の貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に移動される遊技媒体数の上限値より大きな上限値が設定されている。ここでは、発射可能球数の上限値が250とされており、発射可能球数はその上限値を超えないように制御される。
【0128】
従って、発射可能球数を増加させる場合には、上限値を超えないようにする必要があるが、基本的にファール球は、発射球が遊技領域に至らないことにより生ずるので、ファール球が発生する前に、発射球が発生して発射可能球数が減算されていることから、ファール球の発生により、発射可能球数が増加しても、発射可能球数が上限値を超えることはない。
以上のことから、第2枠制御装置91は、前記発射可能球記憶手段(第2枠制御装置91)に記憶される発射可能球情報が示す遊技価値量(発射可能球数)から発射された遊技球に対応する遊技価値量を減算し、かつ、前記発射可能球情報が示す遊技価値量に発射された後に遊技領域を経ずに回収されたファール球に対応した遊技価値量(ファール球数)を加算して更新記憶させる発射可能球演算手段として機能する。
【0129】
次に、賞球が発生したか否か、すなわち、遊技制御装置21側から各入賞口(始動口、変動入賞装置等も含む)のいずれかの入賞検出スイッチ(9b、8a、5b)で入賞し
た遊技球(入賞球)が検出されて、それに基づいて賞球数を示す賞球信号が入力したか否かが判定される(ステップS38)。そして、賞球が発生した場合にだけ、発した賞球の数(賞球数)を賞球情報の賞球数に加算し、賞球数を更新記憶するとともに、更新された賞球数を表示する(ステップS39)。なお、遊技球の1回の入賞に対応する賞球数は、入賞口毎に設定されており、複数種類ある。
【0130】
次に、球貸機901に貨幣が投入されたことに対応して球貸機901から入金額データを受信したか否かを判定する(ステップS40)。そして、入金額データを受信した場合にだけ、入金額データに示される金額を、入金額情報及び残額情報の金額に加算して更新記憶し、更新された金額をそれぞれ表示する(ステップS41)。
次に、タッチパネル表示ユニット151の球貸しボタンhが押下されたか否か、すなわち、タッチパネル15aから球貸しボタンhの押下を示す信号が入力したか否かを判定する(ステップS42)。そして、球貸しボタンhが押下された場合にだけ、残額情報の残額から上述の単位金額として1000円を減算して、残額を更新記憶するとともに、更新された残額を表示する(ステップS43)。
また、貸球情報の貸球数に単位貸球数として上記1000円に対応する250を加算して貸球数を更新記憶するとともに、更新された貸球数を表示する(ステップS44)。
【0131】
次に、タッチパネル表示ユニット151の持球移動ボタンiが押下されたか否か、すなわち、タッチパネル15aから持球移動ボタンiの押下を示す信号が入力したか否かを判定する(ステップS45)。そして、持球移動ボタンが押下された場合にだけ、貸球情報及び/または賞球情報から発射可能球数への遊技球数の移動を行う(ステップS46)。なお、具体的な移動方法は後述する。
次いで、遊技終了ボタンaが押下されたか否か、すなわち、タッチパネル15aから遊技終了ボタンaの押下を示す信号が入力されたか否かを判定し(ステップS47)、押下されたと判定された場合には遊技処理を終了して遊技終了処理を行う。
また、遊技終了ボタンが押下されない場合には、再びステップS31に戻り、遊技処理を繰り返し行う。
【0132】
一方ステップS31で、発射可能球数無しと判定された場合には、発射可能球数が0となったことにより既に遊技球の発射が停止されているか否かを判定する(ステップS48)。既に、遊技球の発射が停止されている場合には、後述の発射停止となった後に遊技再開されなかった場合(ステップS51で発射可能球無しと判定された場合)と同様に、ステップS40に進み、以後の処理で発射可能球数が0より大きくされるか、遊技終了処理が開始されるまで、発射停止状態で遊技処理が繰り返し行われることになる。
【0133】
また、未だ、発射停止中でない場合には、発射可能球数が0となったことに基づいて、遊技球の発射を停止する(ステップS49)。次に、所定時間、発射停止前に発射された遊技球に基づいて、賞球及びファール球の発生を待機する状態となり、ファール球が発生した場合には、発射可能球数を1インクリメントして、算出された発射可能球数を更新記憶するとともに更新された発射可能球数を表示し、賞球が発生した場合は、発生した賞球数を賞球情報の賞球数に加算し、算出された賞球数を更新記憶するとともに、更新された賞球数を表示する(ステップS50)。
【0134】
所定時間経過後、再び、発射球数の有無を判定し(ステップS51)、ファール球の発生により発射球数が1以上となった場合には、発射停止を解除して発射可能状態として(ステップS52)、ステップS31に戻り、遊技処理を続行する。
一方、発射可能球数が増加せず、発射可能球数が0のままの場合には、ステップS40に進み、発射停止状態のまま遊技処理を続行することになるが、持球移動ボタンiの押下に基づき、発射可能球数が1以上に増加した場合に、前述のステップS31で発射可能球数有りと判定され、かつ、ステップS32で発射停止状態と判定され、ステップS33において、発射停止状態が解除されて発射可能状態となる。
【0135】
次に、上述の持球移動処理について説明する。
なお、持球移動処理においては、貸球情報から発射可能球情報への遊技球数(遊技価値量)の移動が、賞球情報から発射可能球情報への遊技球の移動より優先して行われるようになっている。
そして、上述のように持球移動ボタンiが押下された場合(持球移動を開始する条件が成立した場合)には、第2枠制御装置91において、貸球情報の貸球数、賞球情報の賞球数、発射可能球情報の発射可能球数が読み出される。そして、発射可能球数がその上限値(250)となっているか否かが判定され、発射可能球数が上限値となっている場合には、貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球数への遊技球数(持球)の移動は行われず、持球移動処理が終了する。
【0136】
発射可能球数がその上限値となっていない場合には、発射可能球数とその上限値との差(以後、上限値の差と称する)が求められ、上限値の差と、遊技球数を移動する際の遊技球数の上限値(以後移動上限値(125)と称する)とを比較し、上限値の差が移動上限値以上か否かが判定される。
【0137】
そして、上限値の差が移動上限値以上の場合には、次に貸球数と移動上限値とが比較され、貸球数が移動上限値以上か否かが判定される。
そして、貸球数が移動上限値以上の場合には、貸球数から移動上限値となる遊技球数が発射可能球数に移動される。すなわち、貸球情報の貸球数から移動上限値となる遊技球数が減算されて貸球数が更新記憶されるとともに、更新記憶した貸球数が表示され、かつ、発射可能球情報の発射可能球数に移動上限値となる遊技球数が加算されて発射可能球数が更新記憶されるとともに、更新記憶された発射可能球数が表示される。
【0138】
また、貸球数が移動上限値より小さい場合には、次に、貸球数と賞球数との和が移動上限値以上か否かが判定される。そして、貸球数と賞球数との和が移動上限値以上の場合には、次に、貸球数が0より大きいか否かが判定され、貸球数が0より大きい場合には、貸球数と賞球数とを合わせて移動上限値となる遊技球数が発射可能球数に移動される。この際には、貸球情報の貸球数が当該貸球数だけ減算されることにより0とされて更新記憶されるとともに表示される。また、前記移動上限値から0とされる前の貸球数を減算した値を、賞球情報の賞球数から減算して更新記憶するとともに、更新された賞球数が表示される。また、発射可能球情報の発射可能球数に移動上限値となる遊技球数が加算されて発射可能球数が更新記憶されるとともに、更新記憶された発射可能球数が表示される。
一方、貸球数が移動上限値より小さく、貸球数と賞球数との和が移動上限値以上で、かつ、貸球数が0の場合には、賞球情報から発射可能球情報に移動上限値となる遊技球数が移動させられることになり、賞球情報の賞球数から移動上限値となる遊技球数を減算して更新記憶するとともに、更新された賞球数が表示される。また、発射可能球情報の発射可能球数に移動上限値となる遊技球数が加算されて発射可能球数が更新記憶されるとともに、更新記憶された発射可能球数が表示される。なお、貸球情報の貸球数は0のままとされる。
【0139】
次に、上限値の差が移動上限値以上で、貸球数が移動上限値より小さく、貸球数と賞球数との和も移動上限値より小さい場合には、貸球数と賞球数との和となる遊技球数を貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に移動する。なお、この際に貸球数が0の場合には、賞球数だけが移動され、賞球数が0の場合には、貸球数だけが移動され、貸球数も賞球数も0の場合には、移動する遊技球数が0となり、遊技球数の移動は行われない。
そして、遊技球数の移動が行われる場合には、貸球情報の貸球数が当該貸球数だけ減算されることにより0とされて更新記憶されるとともに表示される(元々貸球数が0の場合は0のままとされる)。また、賞球情報の賞球数が当該賞球数だけ減算されることにより0とされて更新記憶されるとともに表示される(元々賞球数が0の場合は0のままとされる)。さらに、発射可能球情報の発射可能球数に、0とされる前の貸球数と賞球数との和となる遊技球数が加算されて更新記憶されるとともに表示される。
【0140】
次に、上限値の差が移動上限値より小さい場合には、貸球情報の貸球数と上限値の差を比較し、貸球数が上限値の差以上か否かを判定する。そして、貸球数が上限値の差以上の場合には、貸球情報から発射可能球情報に上限値の差となる遊技球数を移動する。すなわち、貸球情報の貸球数から上限値の差となる遊技球数が減算されて貸球数が更新記憶されるとともに、更新記憶した貸球数が表示され、かつ、発射可能球情報の発射可能球数に上限値の差となる遊技球数が加算されて発射可能球数が更新記憶されるとともに、更新記憶された発射可能球数が表示される。この場合に発射可能球数は上限値となる。
【0141】
次に、上限値の差が移動上限値より小さく、貸球数が上限値の差より小さい場合には、上限値の差と、貸球情報の貸球数と賞球情報の賞球数との和とを比較し、貸球情報の貸球数と賞球情報の賞球数との和が上限値の差以上か否かが判定される。そして、貸球情報の貸球数と賞球情報の賞球数との和が上限値の差以上の場合には、次に貸球数が0より大きいか否かが判定される。そして、貸球数が0より大きい場合には、貸球数と賞球数とを合わせて上限値の差となる遊技球数が発射可能球数に移動される。
【0142】
この際には、貸球情報の貸球数が当該貸球数だけ減算されることにより0とされて更新記憶されるとともに表示される。また、前記上限値の差から0とされる前の貸球数を減算した値を、賞球情報の賞球数から減算して更新記憶するとともに、更新された賞球数が表示される。また、発射可能球情報の発射可能球数に上限値の差となる遊技球数が加算されて発射可能球数が更新記憶されるとともに、更新記憶された発射可能球数が表示される。この場合に発射可能球数は上限値となる。
【0143】
一方、貸球数が上限値の差より小さく、貸球数と賞球数との和が移動上限値以上で、かつ、貸球数が0の場合には、賞球情報から発射可能球情報に上限値の差となる遊技球数が移動させられることになる。すなわち、賞球情報の賞球数から上限値の差となる遊技球数を減算して更新記憶するとともに、更新された賞球数が表示される。また、発射可能球情報の発射可能球数に上限値の差となる遊技球数が加算されて発射可能球数が更新記憶されるとともに、更新記憶された発射可能球数が表示される。この場合に発射可能球数は上限値となる。なお、貸球情報の貸球数は0のままとされる。
【0144】
次に、上限値の差が移動上限値より小さく、貸球数が上限値の差より小さく、貸球数と賞球数との和も上限値の差より小さい場合には、貸球数と賞球数との和となる遊技球数を貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に移動する。なお、この際に貸球数が0の場合には、賞球数だけが移動され、賞球数が0の場合には、貸球数だけが移動され、貸球数も賞球数も0の場合には、移動する遊技球数が0となり、遊技球数の移動は行われない。
そして、遊技球数の移動が行われる場合には、貸球情報の貸球数が当該貸球数だけ減算されることにより0とされて更新記憶されるとともに表示される(元々貸球数が0の場合は0のままとされる)。また、賞球情報の賞球数が当該賞球数だけ減算されることにより0とされて更新記憶されるとともに表示される(元々賞球数が0の場合は0のままとされる)。さらに、発射可能球情報の発射可能球数に、0とされる前の貸球数と賞球数との和となる遊技球数が加算されて更新記憶されるとともに表示される。
【0145】
以上のことから、第2枠制御装置91は、前記発射可能球記憶手段に記憶される前記発射可能球情報が示す遊技価値量が上限値に満たない場合でかつ所定の条件が成立した場合に、前記貸球記憶手段に記憶される貸球情報または前記賞球記憶手段に記憶される賞球情報のうち前記貸球情報が示す遊技価値量から優先的に遊技価値量を減算するとともに、該減算した遊技価値量を前記発射可能球情報が示す遊技価値量に加算し、前記貸球情報が示す遊技価値量が無い場合は、前記賞球情報が示す遊技価値量から遊技価値量を減算するとともに、該減算した遊技価値量を前記発射可能球情報が示す遊技価値量に加算し、これら演算結果に基づいて発射可能球情報、貸球情報、賞球情報を更新記憶させることにより、貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に遊技価値量を移動させる遊技球情報移動手段として機能する。
【0146】
また、遊技球情報移動手段により貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に移動させる遊技価値量に上限値が設けられ、前記発射可能球記憶手段に記憶される発射可能球情報が示す遊技価値量の上限値を、前記遊技球情報移動手段により貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に移動させる遊技価値量の上限値よりも多くしている。
以上のような持球移動処理においては、持球移動ボタンiが押下される際に、発射可能球数が十分に小さく(上限値の差が移動上限値未満)、貸球数及び/または賞球数が十分に大きい(貸球数と賞球数とを合わせて移動上限値以上)となっていれば、貸球数及び/または賞球数から発射可能球数に移動される遊技球数は上限値で一定となり、遊技者が移動される遊技球数を把握しやすい。
【0147】
次に、上述のように遊技終了ボタンaが操作された場合の第2枠制御装置91における遊技終了処理を図13のフローチャートを参照して説明する。
上述のように遊技処理において、遊技終了ボタンaが操作されたと判定された場合に、遊技終了処理が開始され、まず、発射停止中か否かが判定される(ステップS61)。ここでの発射停止中は、発射可能な状態で、遊技者が発射操作をしていない場合を含まないもので、第1枠制御装置83の制御に基づいて発射制御装置63aが発射装置61(発射モータ68)による発射を禁止した状態か否かを判定するものである。
【0148】
そして、発射停止中でない場合には、第2枠制御装置91の発射停止中ではないとの判定に基づいて第1枠制御装置83が発射制御装置63aに発射停止(発射禁止)を指示する発射禁止コマンドを出力し、発射制御装置63aが発射装置61による発射を禁止する(ステップS62)。これにより、遊技者が発射操作しても遊技球が発射できない状態となるが、ここでは、後述するように遊技終了ボタンが二度押されない場合で、かつ、発射可能球数が0より大きい場合は、直ぐに発射可能となる。
そして、発射停止後、所定時間(遊技領域に発射された遊技球が回収されるのに十分な時間)だけ、ファール球と賞球の発生を監視し、ファール球や賞球の発生があった場合には、上述の遊技処理の場合と同様に、ファール球を発射可能球情報の発射可能球数に加算し、賞球数を賞球情報の賞球数に加算して、これらを更新記憶して表示する(ステップS63)。
【0149】
そして、所定時間経過後、発射可能球数が0より大きいか否かを判定し(ステップS64)、発射可能球数が0以下、すなわち、0の場合には、ステップS69に進む。
ステップS69では、現在の貸球情報の貸球数と、賞球情報の賞球数と、発射可能球情報の発射可能球数(ここでは0であるが、後述のように0でない場合もある)とを景品球に移動する。なお、この例では、所謂持球の台移動を可能とする場合を想定しており、遊技機での遊技終了時の発射可能球数、貸球数、賞球数をそのまま他の遊技機で使用可能とするようになっている。そして、遊技していた遊技機での発射可能球数、貸球数、賞球数は全て0とされるが、遊技終了時の総持球数を景品交換用の遊技媒体数である景品交換球数に一括して変換せずに、発射可能球数、貸球数、賞球数をそれぞれ分けた状態で景品球とし、この景品球のデータを景品球情報としてホールサーバ900に送信して記憶させる。すなわち、発射可能球情報、賞球情報、貸球情報が0とされ、景品球情報に発射可能球数、貸球数、賞球数が記憶される。従って、遊技終了時に排出される会員カードを他の遊技機の球貸機901に挿入すると、景品球情報の発射可能球数、貸球数、賞球数が、それぞれ発射可能球情報、貸球情報、賞球情報に再変換され、その前の最後に遊技した遊技機と同じ状態で発射可能球数、貸球数、賞球数が表示されることになる。
そして、遊技機での遊技を終了したことを示す遊技終了情報を球貸機901及び球貸機901を介してホールサーバ900に送信する(ステップS69)。
なお、ここでは、遊技終了時に発射可能球情報、貸球情報、賞球情報の和となる総持球数を景品交換球数に変換せずに、発射可能球数、貸球数、賞球数に分けた状態で景品球情報としてホールサーバ900に送信し、ホールサーバ900において、カードIDに対応づけて発射可能球数、貸球数、賞球数を分けた状態で景品球情報として記憶させているが、持球の台移動を認めないものとして、遊技終了時に発射可能球数、貸球数、賞球数の和となる遊技媒体数(総持球数)を景品交換球数に変換し、この景品交換球数を景品情報として記憶するものとしても良い。
【0150】
一方、発射可能球数が0より大きい場合は、遊技処理の終了時に遊技終了ボタンaが押下されてから(すなわち、遊技終了処理が開始されてから)所定時間(例えば、1秒から数秒程度)が経過するまで、再び、遊技終了ボタンaが押されるか否かを監視する(ステップS65)。
そして、所定時間内の二度目の遊技終了ボタンaの押下があったか否かを判定し(ステップS66)、押下が無かった場合には、遊技禁止状態を解除して遊技を再開する(ステップS67)。すなわち、発射制御装置63aによる発射装置61の作動制御を許可する。なお、ここでは、遊技終了処理中での遊技再開であり、発射可能球数が0となったところで、ステップS69の処理に移行することになり、発射可能球数が0となるまで遊技が許可される(ステップS68)。この際には、上述の遊技処理と同様の処理が行われる。
なお、この遊技再開時に、例えば、大当たりが発生するなどして、遊技球数が増加した場合には、遊技終了処理を中断して、前述の遊技処理に移行させることが好ましい。 例えば、賞球情報の賞球数が予め設定された所定値以上となった場合は、遊技処理に移行するものとしても良い。
【0151】
そして、発射可能球数が0となった場合に、上述のステップS69の処理が行われる。
一方、所定時間内に二度目の遊技終了ボタンの押下が行われた場合には、遊技を再開することなく、ステップS69の処理を行う。この場合には、発射可能球数が0より多くなっている。
【0152】
なお、ステップS69では、残額情報もホールサーバ900に送信され、カードIDに対応づけて記憶され、精算機907での残額情報の残額の精算を可能とする。
以上のような、遊技終了処理と平行して球貸機901においては、上述のようにICカードを排出する処理が行われる。そして、排出されたICカードを持った遊技者は、例えば、残額情報に残額がある場合に、精算機907のICカードリーダライタ945にICカードを挿入してカードIDを読み取らせることで貸球に使用されなかった残額情報の残額を精算して、残額に対応する貨幣を受け取ることができる。
また、景品球情報に景品球数(発射可能球数、賞球数、貸球数)が有る場合には、POS装置905で景品交換の処理が可能となる。
【0153】
ここで、第2枠制御装置91の遊技処理の変形例を図14のフローチャートを参照して説明する。この変形例は、上述の遊技処理において、発射可能球数が0となって、発射停止する際に、所定時間、発射停止前に発射された遊技球に基づいて、賞球及びファール球が発生するのを監視し、ファール球が発生した場合には、発射可能球数を1インクリメントし、賞球が発生した場合は、発生した賞球数を賞球情報の賞球数に加算するステップS50の処理を変更したものである。
なお、図14のフローチャートにおいて、上述の遊技処理の図12のフローチャートと同じ処理には、同じステップ番号を付してその説明を省略する。
すなわち、上述のステップS50の処理に対応する変形例のステップS50a〜S50eの処理を説明する。
【0154】
ここで処理は、発射可能球数が0と判定され、かつ、未だ発射停止状態となっていない状態で、発射停止とされた直後の処理であり、賞球が発生した場合に、発生した賞球数を賞球情報の賞球数に加算せずに、発射可能球数に加算するようにしたものである。
そして、発射停止された後に、上述のように所定時間ファール球の発生と賞球の発生を監視する際に、所定の監視時間が経過したか否かを判定し(ステップS50a)、未だ監視時間がある場合には、ファール球が発生したか否かを判定し(ステップS50b)、ファール球が発生した場合にだけ、発射可能球数を1インクリメントする(ステップS50c)。また、賞球が発生したか否かを判定し(ステップS50d)、賞球が発生した場合にだけ、発生した賞球数を、賞球情報の賞球数ではなく、発射可能球情報の発射可能球数に加算する(ステップS50e)。
【0155】
これらの処理を所定の監視時間が経過するまで繰り返し、ステップS50aで所定の監視時間が経過したと判定された場合に、上記例と同様に発射球数が0より大きいか否かが判定され、上述のようにファール球や賞球が発生して発射可能球数が増加している場合に遊技球の発射が許可され遊技再開となる。
以上のことから、前記発射制御手段(第1枠制御装置83、発射制御装置63a(及び第2枠制御装置91))は、発射可能球記憶手段(第2枠制御装置91)に記憶される遊技価値量が無くなった場合に、遊技球の発射を停止するように制御する。そして、第2枠制御装置91は、前記発射制御手段により遊技球の発射が停止されてから所定時間だけファール球の発生と賞球の発生を監視する停止時監視手段として機能し、前記停止時監視手段により賞球が発生したと判定された場合に、発生した賞球の数に対応する遊技価値量を賞球記憶手段(第2枠制御装置91)に累積記憶せずに発射可能球記憶手段(第2枠制御装置91)に記憶された発射可能球情報が示す遊技価値量に加算して発射可能球情報を更新記憶するようになっている。
【0156】
このような変形例によれば、遊技球の発射が停止された際に、停止前に発射された遊技球が入賞して賞球が発生すると、賞球数が賞球情報ではなく発射可能球情報の発射可能球数に加算されるので、発射停止された後に遊技者が特に操作しなくても遊技が再開される可能性が高くなる。
【0157】
すなわち、発射可能球数が0となって発射停止状態となった場合に、遊技を続行する場合は、遊技者が持球移動ボタンiを操作して、貸球情報、賞球情報から発射可能球情報に遊技球数を移行する必要があるが、上記例では、発射停止後に賞球が発生しても、発生した賞球数が賞球情報の賞球数に加算されてしまうため、発射可能球数が増えず、持球移動ボタンiを操作する必要があり、遊技者が煩わしい思いをする可能性がある。
【0158】
特に、遊技者が遊技を止めようとしており、発射停止前に持球移動ボタンiの操作により、賞球情報及び貸球情報の遊技球数の全てを発射球数情報の発射可能球数に変換した後に、発射球数が0となって発射停止状態となったところで、賞球が発生してしまうと、遊技者は再び持球移動ボタンiを操作して賞球数を発射可能球数に変換することを極めて煩わしく思う可能性があるが、上記変形例によれば、遊技者の煩わしさを防止することができる。
【0159】
なお、上記変形例では、発射停止後の所定の監視時間に、ファール球と賞球とが両方発生した場合に、発射可能球情報の発射可能球数に発生したファール球数と賞球数との両方が加算されることになるが、所定の監視時間ファール球の発生がなく、賞球だけが発生した場合に発生した賞球数を発射可能球数に加算するようにしても良い。この場合には、ファール球と賞球とが両方発生した場合には、ファール球だけ発射可能球数に加算され、発生した賞球数は、賞球情報の賞球数に加算されることになるが、ファール球の発生により発射可能球数が1以上となり、遊技球の発射は許可された状態となる。
【0160】
次に、上述の各処理を行った場合のタッチパネル表示ユニット151における表示例を説明する。
図15(A)に示すように、球貸機901にICカードを挿入した後に貨幣(例えば、1万円紙幣)を投入すると、上述の入金データ送信処理により、タッチパネル表示ユニット151の遊技画面モードにおける画面である遊技画面の入金額表示領域b及び残額表示領域cに入金額が表示される。
【0161】
この状態で、さらに、球貸機901から第2枠制御装置に貸球データが入力すると、球貸しボタンhをタッチすることなく、上述の第2枠制御装置91の遊技開始処理により、予め設定された所定単位量として250が貸球情報の貸球数に加算されて貸球数が250となり、この貸球数が貸球表示領域dに表示される。また、この段階では、遊技者が保有する遊技価値量(遊技球数)としては、貸球数の250だけなので、総持球表示領域gに250が表示される。
一方、250の遊技媒体数の貸出に対応する金額(遊技媒体数1を4円とした場合)である1000円が残額情報の残額から減算され、例えば、入金額情報と同じ10000円だった残額は9000円となり、これが残額表示領域cに表示される。なお、入金額表示領域bに表示される入金額は、遊技者が球貸機901に投入した金額の総額示すためのものであり、金額データを貸球数に変換しても減算されず、10000円のままとされる。
また、上述のように球貸機901から貨幣の投入に基づいて入金額データが入力された場合に、自動で残額情報の残額から貸球情報の貸球数に自動変換せずに、第2枠制御装置91において、球貸しボタンhがタッチされた信号が入力した場合に、所定単位量としての1000円分(250個)の遊技媒体数を貸球数に加算し、残額情報から1000円を減算するものとしても良い。
【0162】
この状態で、図15(B)に示すように、持球移動ボタンiを押すと、貸球数情報の貸球数250から遊技媒体移動時の上限値である125が減算され、発射可能球情報の発射可能球数に同じく前記上限値である125が加算され、これら算出結果が貸球表示領域dと発射可能球表示領域fとに表示される。
そして、発射可能球数が0より大きくなることで遊技球の発射が許可され、遊技者が発射操作を行うと遊技球が発射され、遊技球が発射される毎に発射可能球数が1デクリメントされるとともに、デクリメントされた発射可能球数が表示される。また、ファール球が発生すると、発射可能球数に1インクリメントされてて、算出された発射可能球数が表示される。
図16(A)においては、発射可能球数が125から減少して例えば115となっている。一方、例えば、賞球数が4個に設定された入賞口に遊技球が1個入賞し、賞球数4が発生し、これが賞球情報の賞球数に加算されて、賞球表示領域eに表示される。また、総持球数は、貸球数と賞球数と発射可能球数とを合算した数が表示される。
【0163】
ここで、さらに遊技を続行すると、遊技球の発射により、発射可能球数が減少し続け、例えば、図16(B)に示すように、発射可能球数が20となり、遊技球を発射し続けると、あと僅かな時間で発射可能球数が0となり、遊技球の発射が停止してしまうので、発射可能球数を補給する必要が生じる。そこで、遊技者が、持球移動ボタンiを押すと、上述の持球移動処理に基づいて、移動する遊技球数が決定されることになる。
なお、この例においては、例えば、発射可能球数が20以下となった場合に、発射可能球表示領域fに加えて、さらに「残り20個です」等のように、発射可能球数を別表示して、遊技者に発射可能球数がなくなりそうなことを示唆するようになっている。
【0164】
ここでは、発射可能球数の上限値(250)と現在の発射可能球数との差が、持球移動処理における移動される遊技球数の上限値125より大きく、さらに、貸球数が移動時の上限値125以上となっているので、貸球情報から遊技可能球情報に移動時の上限値となる125の遊技球数が移動させられることになり、貸球数から125が減算され、発射可能球数に125が加算され、図16(C)に示すように、算出された貸球数及び発射可能球数が表示される。なお、持球移動ボタンiを押下した際に、発射可能球数が10になっていたものとする。
【0165】
また、この際には、図16(C)に示すように、貸球表示領域dから発射可能球表示領域fに矢印を有する線(点線)が表示され、貸球数から発射可能球数に遊技球数が移動されたこを遊技者にわかりやすく示すようになっている。
そして、ここでは、移動時の上限値となる125個が貸球数から発射可能球数に移動して、例えば、貸球数が0となって発射可能球数が135となる。
【0166】
また、さらに遊技を続行することにより、発射可能球数が減少し、遊技者が持球移動ボタンiを押下すると、再び、遊技球数が発射可能球数に移動させられることになるが、ここで、図17(A)に示すように、貸球数が0で、賞球数が80となっているので、貸球数ではなく、賞球数が発射可能球数に移動させられることになる。また、ここで、発射可能球数が20となっているので、発射可能球数とその上限値との差が、移動時の上限値125より大きくなっているので、移動時の上限値を発射可能球数に加算しても発射可能球数がその上限値を超えないので、移動時の上限値まで遊技球数を移動可能となっている。
【0167】
しかし、貸球数(0)と賞球数(80)との和が移動時の上限値より少ない80しかないので、移動する遊技球数は、80とされ、図17(B)に示すように、賞球数から発射可能球数に80が移動させられる。この際には、賞球数から発射可能球数に遊技球数が移動されたことを示すように矢印を有する線(点線)が表示される。なお、持球移動ボタンiを押下した際に、発射可能球数が10になっていたものとする。
【0168】
図18(A)に示すように、発射可能球数が20と残り少なくなった際に、貸球数が移動時の上限値より少ない25個で、賞球数が有る場合には、貸球数と賞球数とを合わせて発射可能球数に移動されることになる。この場合に、優先される貸球数の全て(25)が発射可能球数に移動させられ、賞球数からは、前記移動時の上限値(125)から貸球数(25)を減算した100が発射可能球数に移動させられることになる。
なお、発射可能球数とその上限値との差が、移動時の上限値未満の状態で、持球移動ボタンiが操作されると、貸球数からの発射可能球数に移動される遊技球数が移動時の上限値(125)以下となり、図18(A)に示すように、貸球数に上限値単位の数値ではない端数が発生する。
【0169】
そして、遊技球数が移動されると、図18(B)に示すように、貸球数が0となり、賞球数が300から100減算されて200となり、発射可能球数は10に移動時の上限値となる125が加算されて135となる。なお、持球移動ボタンiを押下した際に、発射可能球数が減少して10になっていたものとする。
【0170】
次に、遊技終了時に発射停止状態となってから、発射停止状態となる前に発射された遊技球が入賞した場合の例を示す。
図19(A)に示す状態、例えば、遊技中に大当たりが二度発生し、多くの賞球数例えば3604が有り、貸球数が20で、発射可能球数が10の場合に、遊技終了ボタンaを1回押下すると、図19(B)に示すように、貸球情報の貸球数及び賞球情報の賞球数が景品球情報における貸球数及び賞球数に変換され、貸球情報の貸球数及び賞球情報の賞球数が0とされる。一方、発射可能球情報の発射可能球数は、景品球情報に変換されず、発射可能球数を用いて遊技可能な状態となる。
ここで、二度続けて遊技終了ボタンaを押下すると、発射可能球情報の発射可能球数も景品球情報の発射可能球数に変換され、遊技球を発射できない状態となり、球貸機901においてIDカードが排出されることになる。
【0171】
なお、この例においては、遊技終了ボタンaを押下した際に、タッチパネル表示ユニット151に景品情報の発射可能球数、貸球数、賞球数を表示するための景品球表示領域jが表示されることになる。この際に、景品球情報の表示は、景品球情報に変換された際の貸球数、賞球数、発射可能球数がそれぞれ表示されると共に、これらの総計としての景品球数(景品交換球数に変換可能な数値)が表示される。なお、上述のように景品球情報において、発射可能球数、貸球数、賞球数は景品交換球数に変換されていない状態となっており、再び、発射可能球情報、貸球情報、賞球情報に再変換して他の遊技機で使用できる状態となっている。
【0172】
なお、景品交換を行う場合は、景品球情報の貸球数、賞球数、発射可能球数が全て景品交換球数として扱われ、景品交換後に残数がある場合には、例えば、残数は貸球数、賞球数、発射可能球数としての属性がなくなり、景品交換球数として扱われる。
【0173】
一方、1回しか遊技終了ボタンaを押下しなかった場合には、発射可能球数が0となるか、再び、遊技終了ボタンaが押下されるまで、ICカードが排出されない。そして、図19(C)に示すように、遊技者が発射可能球数分の遊技球を発射した際に、遊技球が入賞した場合には、発生した賞球数が賞球情報の賞球数に加算される。ここでは、賞球数4が発生して表示されている そして、発射可能球数が0となると、遊技終了となり、遊技終了ボタンaを1回押下した後に発生した賞球情報の賞球数(4)が、図19(D)に示すように、景品球情報の賞球数に加算され、ICカードが球貸機901で排出される。
【0174】
なお、遊技終了ボタンaを所定時間内に1回しか押下されなかった場合に、図20に示すように、貸球情報の貸球数と賞球情報の賞球数とから後述の端球数を減算するとともに減算された数値を発射可能球数に加算してから、貸球情報の貸球数と賞球情報の賞球数を景品球情報の貸球数と賞球数に変換するものとしても良い。
【0175】
ここで、端球数とは、例えば、総持球数(貸球数、賞球数、発射可能球数)を景品交換する場合に、通常、基準となる遊技価値量単位で交換可能な景品(ここでは基準景品と称する)に交換する場合が多い。この場合に、基準となる遊技価値量は、予め設定された設定単位量となり、例えば、金額で500円単位となる。
そして、遊技媒体1つを4円とした場合に遊技媒体数125個に対応する。すなわち、設定単位量は、例えば、125となる。そして、基準景品は、例えば、125個の倍数と交換可能で、景品と交換可能な遊技媒体数が125の倍数の場合に、余りが生じることなく全数を基準景品と交換可能となる。なお、基準景品が、複数種類あっても良いが、設定単位量の倍数の遊技媒体数と交換可能となっている必要がある。そして、この設定単位量は、ホールサーバ900で設定されて景品交換単価情報として記憶され、ホールサーバ900から球貸機901及び第2枠制御装置91に送信されて球貸機901のメモリ及び第2枠制御装置91のRAM91c等に記憶される。なお、景品単価情報としての設定単位量を例えばディップスイッチ等により各封入球式遊技機100や球貸機901で設定可能としても良い。なお、交換時の遊技媒体1つの単価は、遊技店によって異なる場合があり、前記設定単位量を設定変更できるようになっている必要がある。
そして、上述の端球数は、景品交換可能な遊技球数を設定単位量で除算した場合の余りとなる。
【0176】
そして、上述のように遊技終了ボタンaが1回だけ押下され、貸球情報の貸球数と賞球情報の賞球数とを景品球情報の貸球数と賞球数とに変換する際に、貸球数と賞球数との和を上述の設定単位数で除算し、余りを算出する。図20(A)に示すように、ここでは、設定単位数を125とし、貸球数を50とし、賞球数を3624とすると、貸球数と賞球数の和が3674となり、これを設定単位数125で除算すると、余りが49となる。そこで、49を貸球数及び/又は賞球数から減算することになるが、ここでは賞球数から優先的に減算するものとする。なお、端球数が貸球数、賞球数から減算できれば、基本的にどちらか一方や、両方から減算するものとしても良い。
【0177】
そして、図20(B)に示すように賞球情報の賞球数3624から端球数49を除算して景品球情報の賞球数に変換すると、景品球情報における貸球数が50となり、賞球数が3575となり、トータルの景品球数が3625となる。この景品球数を125単位の基準景品と交換すると端球数が生じない。
【0178】
すなわち、遊技終了時に、貸球情報の貸球数と賞球情報の賞球数とを景品球情報に移行し、発射可能球数をそのまま遊技可能とする場合に、発射可能球数と、その上限値との差が上述の端球数以上の場合に、貸球数と賞球数との和を設定単位数で除算した余りである端球数を発射可能球数に移動することにより、景品球数に端球数が生じるの防止できる。
なお、景品には、基準景品より交換単価が低い端球景品があり、通常、端球数が生じた場合に端球景品と交換されることになるが、多種類の端球景品を在庫として用意するものとした場合に、在庫となる景品種類及び景品数の増加により遊技店における景品用コストが増加することになる。一方、従来、景品交換の際に端球数が発生する可能性は高く、多くの遊技者が端球景品を得ることになるが、景品用コスト削減のために端球景品の種類を少なくすると、遊技者の意に沿うような端球景品がなく、端球景品をもらっても遊技者が不満に思うことになる。現実的には、多くの遊技者の意向に沿うような端球景品を在庫として持つことは不可能であり、多くの遊技者は端球数の発生に不満を持つことになる。
【0179】
ここで、上述のように遊技終了時に端球数が発生しないようにすると、遊技者は、遊技を終了する際に、遊技終了ボタンaを1回だけ押下し、端球数を発射可能球数に移動して、遊技球を発射することで消化してしまうことができる。そして、遊技球を発射しおわった段階で景品交換を行うことで、必要ないと思われる端球景品を受け取らずに済むことになる。
なお、発射可能球数を端球数だけ増やすことにより、景品交換可能な遊技媒体数が減少することになるが、増加した発射可能球数に対応する遊技球を発射することで、発射された遊技球数分だけ遊技者は例えば大当たりの発生や賞球の発生の機会を得ることになり、遊技者が遊技媒体数が減ったことに対する不満を持つことはない。
逆に、遊技を終了しようと思った後に、端球数以上の遊技球数を発射してしまい、結果的に景品交換時に端数が生じることを防止できることになる。
【0180】
次に、上述の封入球式遊技機100の遊技において、変動表示ゲームの結果態様(停止表示態様)としての特別図柄の組み合わせ態様が、特別の組み合わせ態様となることで、特別遊技状態としての大当たりが発生した場合に、複数種類ある特別の組み合わせ態様のうちの特定となる特別の組み合わせ態様となった場合にだけ、特別遊技状態中に獲得した遊技媒体数に基づいて遊技を続行可能とし、特別の組み合わせ態様が特定のものでない場合に、特別遊技状態中に獲得した遊技媒体数を強制的に景品交換させるために景品交換球数に変換する処理(1回交換処理)を説明する。
【0181】
なお、変動表示ゲームにおける結果態様となる特別図柄の組み合わせ態様(停止図柄の組み合わせ)は、例えば、3つの数字の組合せである場合に、例えば、同じ数字が3つ揃って停止表示された場合を大当たりとなる特別の組み合わせ態様とし、さらに、奇数の数字が3つ揃った場合を特定でかつ特別の組み合わせ態様とするものとする。なお、特定でかつ特別の組み合わせ態様となった場合には、大当たり終了後いわゆる確率変動状態が発生するものとしても良い。
【0182】
なお、特定でかつ特別の組み合わせ態様は、上述の組み合わせ態様に限定されるものではなく、例えば、期間毎に特定でかつ特別の組み合わせ態様を変更するものとしても良い。なお、特定でかつ特別の組み合わせ態様は、機種毎に、遊技装置に対して上位サーバとなるホールサーバ900において設定されて記憶され、例えば、遊技機の設置時や営業終了時や営業開始時や電源投入(復帰)時等の特定の時期にホールサーバ900から第2枠制御装置91に送信されて記憶される。
【0183】
そして、1回交換処理においては、大当たり発生時(大当たり発生が確定(停止図柄が確定)してから大当たりが終了するまでの間)に、遊技制御装置21から特別の組み合わせ態様となる停止図柄の組み合わせを示す情報が第1枠制御装置83を介して第2枠制御装置91に送られ、第2枠制御装置91は、受信した大当たりの特別の組み合わせ態様と、予めホールサーバ900から送られた特定でかつ特別の組み合わせ態様と比較する。そして、これらが一致しない場合には、1回交換(大当たり終了後に貸球数、賞球数、発射可能球数を強制的に景品交換球数に変換)と判定する。
なお、ホールサーバ900で管理する特定でかつ特別の組み合わせ態様を1回交換を行わない組み合わせ態様ではなく、1回交換を行う組み合わせ態様とし、特定でかつ特別の組み合わせ態様と発生した大当たりの組み合わせ態様とが一致した場合に1回交換とするものとしても良い。
【0184】
次に、上述のような1回交換を行う場合の処理を、一つの例を用いて説明する。ここで、例えば、1回交換を行う必要がない特定でかつ特別の組み合わせ態様で、確率変動となる大当たりが発生し、大量の遊技価値として大量の遊技媒体数を獲得し、獲得した遊技媒体数(貸球数、賞球数、発射可能球数)が景品交換球数に変換されることなく、そのまま遊技を続行している状態の表示画面を図21(A)に示す。なお、図21に示される遊技画面においては、景品交換球数に変換が行われた場合に、景品交換球表示領域kが表示されるようになっており、景品交換球数を表示可能となっている。なお、この例では、1回交換の場合に、大当たり終了後、終了時の持球数を使って現在遊技している遊技機での遊技が認められず、持球の台移動も認められない。すなわち、この例において大当たり終了時には、他の遊技機で遊技可能な状態で景品球情報が記憶されることはなく、賞球数、貸球数、発射可能球数は景品交換用の景品交換球数に変換されて景品球情報として記憶される。
すなわち、景品交換球表示領域kでは、総景品交換球数を表示し、後述の1回交換の処理が終了した後に、景品交換数とされた貸球数、賞球数、発射可能球数を用いて遊技ができないようになっている。なお、景品交換球数を貸球数に再変換して遊技を可能とするものとしても良い。
この状態(図21(A))では、貸球数、賞球数、発射可能球数が景品交換球数に交換されなかったので景品交換球表示領域kが表示されず、例えば、貸球数が100、賞球数が1350、発射可能球数が150となっており、確率変動状態での遊技が行われている。
【0185】
この状態で、特定の組み合わせ態様ではない特別の組み合わせ態様で1回交換の大当たりが発生すると、第2枠制御装置91において、1回交換の処理として、大当たり発生時の賞球数、例えば、1350を景品交換球数に変換する。これにより、図21(B)に示すように、景品交換球数が1350とされ、賞球数が0とされる。なお、この1回交換の大当たりに基づいて遊技者が獲得した遊技媒体数(賞球数)は、賞球情報の賞球数に加算されることになる。
従って、一旦、上述のように賞球数を景品交換数に変換して0とすることで、大当たり中及び大当たり終了時の賞球表示領域eに表示される遊技球数が今回の大当たりにより獲得した遊技球数をほぼ示すことになり、遊技者が大当たりにより獲得した遊技球数を容易に認識できるようになる。
なお、1回交換の大当たり発生時に、この時点での賞球数を景品交換球数に変換せずに、1回交換の大当たり終了時(図21(E)に示される時点)に、この大当たり発生時の賞球情報の賞球数に大当たり中の賞球数が加算された状態で、一括して景品交換球数に変換するものとしても良い。
【0186】
この時点(図21(B))で発射可能球数(例えば、150)は、景品交換球数に変換されることがなく、発射可能球数を用いて大当たり中の遊技が続行可能となる。また、この時点の貸球数100や、大当たり中に増加する賞球数を持球移動ボタンiの押下により、発射可能球数に移動することで、遊技を続行することができる。
そして、図21(C)に示すように、大当たり中に大量の賞球が発生することで、賞球数は増加し、貸球数は、持球移動により0となる。
【0187】
そして、1回交換の大当たり終了時には、第1枠制御装置83及び発射制御装置63aの制御に基づき発射停止状態となり、図21(D)に示すように、現状の貸球数(基本的に0)、賞球数及び発射可能球数が表示された状態から、図21(E)に示すように、賞球数と発射可能球数が景品交換球数に変換されることになる。これにより、発射可能球数と賞球数とが共に0とされ、景品交換球数が、大当たり終了時(遊技球の発射が停止制御された際)の景品交換球数に発射可能球数と賞球数とを加算した値とされる。例えば、大当たり終了時に発射可能球数が20、賞球数が1800,景品交換数が1350だとすると、変換後の景品交換球数が3170となる。
【0188】
以上のような1回交換処理により、遊技者は、大当たり時に獲得した遊技媒体数が賞球数として表示され、大当たり終了後に表示された賞球数が景品交換球数に変換(加算)されて表示されるのを見ることができるので、データとして獲得した遊技媒体数が景品交換球数に強制的に変換されるものとしても、確定した景品交換球数に不審を抱くことがない。なお、1回交換の大当たり終了時に発射可能球数を景品交換球数に変換せずに、発射可能球数分だけの遊技を可能としても良い。
【0189】
また、大当たり終了後に、新たな入金や、球貸しボタンhをタッチして残額情報を貸球数に変換し、さらに、発射可能球数に変換することで、発射停止状態が解除されて、遊技球の発射が可能、すなわち、遊技再開となり、遊技者は、景品交換球数への持球数の変換後に遊技を続行することも可能である。また、大当たり終了時に遊技終了ボタンaをタッチして遊技を終了してICカードを排出しても良い。
また、本発明の実施形態においては、遊技終了時に景品交換球数を示す景品球情報や、残額情報は、球貸機901を介してホールサーバ900に送信されるとともに、遊技装置としての第2枠制御装置91、球貸機901、ホールサーバ900にそれぞれ記憶されることになるが、さらに、ICカードにも景品球情報が記憶されるようになっていても良い。
【0190】
次ぎ、図22を参照して、球貸しボタンhを押下した際に、貸球数、賞球数、発射可能球数が全て0の場合の変形例となる処理を説明する。この場合は、図22に示すように、球貸しボタンhを押下することにより単位量となる残額情報の残額が単位金額として1000円減額され、1000円分の遊技球数である250が貸球数に加算されるが、この際に貸球数が0なので、貸球数が250となるが、ここで、貸球数、賞球数、発射可能球数が0の場合には、貸球数に所定単位数が加算されると同時に、貸球数から発射可能球数に移動時の上限値(125)だけ移動する処理が自動で行われる。
従って、250とされる貸球数から125が減算されて貸球数が125とされ、算出結果が更新記憶されるとともに表示される。一方、0だった発射可能球数に125が加算され、算出結果が更新記憶されるとともに表示される。
このようにすることで、発射可能球数を増加させるために、球貸しボタンhを押下して、さらに持球移動ボタンiを押下しなければならないような場合に、球貸しボタンhの押下だけで、発射可能球数が増加することになり、遊技者の手間を軽減することができる。
【0191】
なお、球貸しボタンhを押下しただけで、残額情報から貸球数に遊技価値量を変換するとともに、さらに貸球数から発射可能球数に遊技球数を変換する条件は、上述の貸球数、賞球数、発射可能球数が全て0の場合に限られるものではない。
基本的には、球貸しボタンhを押下して、貸球情報における貸球数を増加したあとで、持球移動ボタンiを操作しないと、発射可能球数を十分に増加できない場合に、球貸しボタンhを押下しただけで、持球移動ボタンiを操作しなくても貸球数から発射可能球数に遊技球数を変換するようになっていることが好ましい。
【0192】
例えば、貸球情報が示す貸球数に賞球情報が示す賞球数を加算した結果を発射可能球情報が示す発射可能球数に加算しても、発射可能球数がその上限値(250)に満たない場合に、球貸しボタンhを押下しただけで、持球移動ボタンiを操作しなくても貸球数から発射可能球数に遊技球数を変換するようになっていることが好ましい。
この場合には、球貸しボタンhが押下された際に、残額情報から貸球数への変換が行われる前の貸球情報の貸球数と、現在の賞球情報の賞球数と、現在の発射可能球情報の発射可能球数とを合計した値が、発射可能球数の上限値より小さいか否かを判定し、上限値以上の場合には、上述の通常の球貸しボタンhの押下に基づく処理だけを行い、上限値より小さい場合には、さらに、上述の持球移動ボタンiを押下した場合の持球移動処理と同様の処理を行うようにすれば良い。
【0193】
また、貸球情報が示す貸球数に賞球情報が示す賞球数を加算した結果が、貸球数や賞球数を発射可能球数に移動する際の(持球移動時の)上限値(125)に満たない場合に、持球移動ボタンiを操作しなくても貸球数から発射可能球数に遊技球数を変換するようにしても良い。この場合も、球貸しボタンhが押下された際に、残額情報から貸球数への変換が行われる前の貸球情報の貸球数と、現在の賞球情報の賞球数とを合計した値が、持球移動時の上限値より小さいか否かを判定し、持球移動時の上限値以上の場合には、上述の通常の球貸しボタンhの押下に基づく処理だけを行い、持球移動時の上限値より小さい場合には、さらに、上述の持球移動ボタンiを押下した場合の持球移動処理と同様の処理を行うようにすれば良い。
【0194】
以上のことから、遊技装置は、遊技者が貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に遊技価値量を移動する操作を実行するための遊技球移動操作手段(タッチパネル表示ユニット151(持球移動ボタンi))を備え、前記遊技球移動操作手段の操作に基づく遊技球移動操作手段からの信号の入力が有った場合と、貸球情報が示す遊技価値量と賞球情報が示す遊技価値量とを加算した結果を発射可能球情報が示す遊技価値量に加算しても、発射可能球情報の遊技価値量の上限値に満たない状態で前記遊技価値量の貸出操作が行われた場合とのそれぞれの場合において前記遊技球情報移動手段(第2枠制御装置91)により遊技価値量を貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に移動させる所定の条件が成立したものとすることになる。
【0195】
なお、上記例では、貸球数と賞球数と発射可能球数との和である遊技者が保有する遊技媒体数の総数としての総持球数を表示するものとしたが、表示しないものとしても良い。
また、遊技媒体数に関連する情報(入金額、残額、貸球、賞球、発射可能球、総持球等)以外に、封入球式遊技機で行われる変動表示ゲームに関する情報も表示してよく、例えば、所定期間内の変動表示ゲームのスタート回数、大当たり回数、確率変動を伴う大当たり回数や、これらの数値の平均値等の統計処理した値等を表示しても良い。
【0196】
また、上述の処理の説明においては、貸球情報、賞球情報、発射可能球情報を第2枠制御装置91(遊技機側)で処理(制御及び管理)し、これら貸球情報、賞球情報、発射可能球情報等を球貸機901を介してホールサーバ900に送信し、球貸機901及びホールサーバ900でそれぞれ貸球情報、賞球情報、発射可能球情報を記憶してバックアップしているが、第2枠制御装置91では発射可能球情報だけもしくは発射可能球情報と賞球情報に関する処理を行い、この発射可能球情報もしくは発射可能球情報及び賞球情報を記憶・管理するものとし、貸球情報もしくは貸球情報及び賞球情報に関しては、球貸機901側で処理を行うとともに記憶・管理するものとしても良い。
なお、発射可能球情報もしくは発射可能球情報及び賞球情報は、球貸機901を介してホールサーバ900に送信され、貸球情報もしくは貸球情報及び賞球情報は球貸機901からホールサーバ900に送信され、これらのデータをホールサーバ900に保存することでこれらデータのバックアップを行うことができる。
【0197】
また、表示手段や各種操作手段となるタッチパネル表示ユニット151を球貸機901側に設けるものとして良い。なお、発射可能球情報や貸球情報や賞球情報を遊技機側で管理するものとし、表示手段や操作手段を球貸機側に設けるものとしても良いが、本発明の表示手段や制御手段を含めた主要構成部分を球貸機901側に全て設けても良い。
すなわち、本発明の遊技装置の構成の一部を球貸機901やホールサーバ900に設けても良く、この場合に、球貸機901やホールサーバ900(遊技場のホールサーバ900を含むシステムでも良い)と封入球式遊技機100とで遊技装置が構成されることになる。
【0198】
また、この例において、発射可能球数の表示は、基本的に遊技球発射毎に1づつ減少する表示となり、数値がかなり速い速度で変更されることになる。そこで、発射可能球数を表示する際に、例えば、遊技球が10個(所定数)発射される毎に表示を変更するようにしても良い。このようにすれば、発射可能球数の数値の変更速度が遅くなり、遊技者に見やすい状態となる。なお、発射可能球数が予め設定された下限値(例えば、20)等になった場合は、遊技者が発射可能球数を正確に把握できるように、発射可能球数が一つずつ変動する表示に切り替えることが好ましい。
【0199】
また、賞球情報の賞球数を示す表示を数値の表示だけではなく、例えば、賞球数が2000になった際に、2000個程度の遊技球を収容可能な球箱の図柄をタッチパネル表示ユニット151に表示するものとしても良い。また、賞球数が2000、4000、6000のように、上述の所定数ずつ増加した場合に、それに合わせて球箱の絵も増加させて表示するようにしても良い。
このようにすれば、遊技者は、大きな数値となることにより数値だけでは瞬時に把握しづらい賞球数を、通常の遊技機の球箱に貯留された遊技球に擬えて瞬時に把握可能となる。
【0200】
ところで、従来の封入球式遊技機においては、貸球数と賞球数とが別に表示されるが、貸球数が0となると賞球数(クレジット数)から遊技球数を移動して貸球数を増加させられるようになっていることから、貸出操作を行わなくても貸球数が増えることになるととともに、本来賞球数である数値が、貸球数として表示されることになる。このため、状況によっては、遊技者にとって却って解り難い表示となり、貸球数と賞球数とを分けて表示することの意味がなくなってしまい、十分な効果が得られない。
【0201】
また、遊技球が払い出されて貯留される普通のパチンコ遊技機では、例えば、大当たりにより多くの遊技球が払い出された場合に、上皿から遊技球がオーバーフローして下皿にも遊技球が貯留され、さらに遊技球が払い出される場合には、下皿から球箱に遊技球を移して遊技球を貯留することになる。
それ以後は、遊技球の発射毎に上皿の遊技球が減少するが、下皿や球箱に貯留された遊技球が減少することはなく、上皿の遊技球がなくなりそうな場合に、下皿や球箱から上皿に遊技球が移されて下皿や球箱の遊技球が減少することになる。
そして、現在、パチンコ遊技機の主流は、このような遊技球が払い出されて外部に貯留される遊技機であり、封入球式遊技機において、遊技者が所有する持球数が一つの数値として表示された場合に遊技者は違和感を抱くことになるが、上述のように持球数を貸球数と賞球数とに分けて表示しても、上述の上皿、下皿、球箱にそれぞれ貯留される遊技球の増減とあまり対応しておらず、遊技者の違和感は解消されない。
【0202】
そこで、このような問題を解決するため、発射位置に供給した遊技球を発射装置が遊技領域に向けて発射するように制御するとともに、該遊技領域を経た遊技球を回収し、再び該発射位置に供給して遊技球を循環利用する封入球式遊技機100を含む遊技装置において、遊技価値量の貸出操作に応じて発生する貸球数に対応した遊技価値量を示す情報を貸球情報として累積記憶する貸球記憶手段(第2枠制御装置91)と、遊技の実行に基づいて発生した賞球数に対応した遊技価値量を示す情報を賞球情報として累積記憶する賞球記憶手段(第2枠制御装置91)と、予め定めた上限値までの遊技価値量を示す発射可能球情報を記憶する発射可能球記憶手段(第2枠制御装置91)と、前記発射可能球記憶手段に記憶された発射可能球情報に基づいて前記遊技球の発射を許容する発射制御手段(第1枠制御装置83、発射制御手段63a)と、前記発射可能球記憶手段に記憶される発射可能球情報が示す遊技価値量から発射された遊技球に対応する遊技価値量を減算し、かつ、前記発射可能球情報が示す遊技価値量に発射された後に遊技領域を経ずに回収されたファール球に対応した遊技価値量を加算して更新記憶させる発射可能球演算手段(第2枠制御装置91)と、前記発射可能球記憶手段に記憶される前記発射可能球情報が示す遊技価値量が上限値に満たない場合でかつ所定の条件が成立した場合に、前記貸球記憶手段に記憶される貸球情報または前記賞球記憶手段に記憶される賞球情報のうち前記貸球情報が示す遊技価値量から優先的に遊技価値量を減算するとともに、該減算した遊技価値量を前記発射可能球情報が示す遊技価値量に加算し、前記貸球情報が示す遊技価値量が無い場合は、前記賞球情報が示す遊技価値量から遊技価値量を減算するとともに、該減算した遊技価値量を前記発射可能球情報が示す遊技価値量に加算し、これら演算結果に基づいて発射可能球情報、貸球情報、賞球情報を更新記憶させることにより、貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に遊技価値量を移動させる遊技球情報移動手段(第2枠制御装置91)と、前記貸球情報と前記賞球情報と前記発射可能球情報とがそれぞれ示す遊技価値量の現在値を表示するための貸球表示領域と賞球表示領域と発射可能表示領域とを有する表示手段(タッチパネル表示ユニット151)と、前記貸球情報と前記賞球情報と前記発射可能球情報が示す遊技価値量の更新に伴って、該更新された遊技価値量をそれぞれ前記表示手段に表示制御するための表示制御手段(第2枠制御装置91)と、前記賞球情報の示す遊技価値量が所定数を超えている場合にその旨を報知する報知手段(外部アピール装飾ランプ11又は外部演出装置902)と、を備え、前記表示手段は、前記遊技球情報移動手段により前記貸球情報から前記発射可能球情報に前記遊技価値量が移動した場合は、前記貸球表示領域から前記発射可能球領域に遊技球が移動されたことを表示し、前記遊技球情報移動手段により前記賞球情報から前記発射可能球情報に前記遊技価値量が移動した場合は、前記賞球表示領域から前記発射可能球領域に遊技球が移動されたことを表示するようにしてもよい。
【0203】
このようにすれば、遊技価値量の貸出操作に応じて発生する貸球数を示す情報に対応した遊技価値量を累積記憶した貸球情報と、遊技の実行に基づいて発生した賞球数を示す情報に対応した遊技価値量を累積記憶した賞球情報と、遊技球の発射を許容し、遊技球の発生の度に減少し、ファール球の発生で増加する遊技価値量を示す発射可能球情報とが別個に表示されることになる。すなわち、遊技者の保有する持球数が、貸球数に対応する貸球情報が示す遊技価値量と、賞球数に対応する賞球情報が示す遊技価値量と、遊技球の発射を可能とする発射可能球数(例えば、通常の遊技機における上皿に貯留された遊技球数)に対応する発射可能球情報が示す遊技価値量とに分けて、これら情報が示す遊技球数がそれぞれ対応する表示領域に表示されることになる。なお、遊技価値量は、例えば、遊技に使用可能な遊技球数を示す数値によって表される。
【0204】
また、所定条件の成立にともなって、貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に遊技価値量が移動されない限り、貸球情報及び賞球情報が示す遊技価値量が減少することはない。すなわち、遊技球の発射毎に貸球情報及び賞球情報が減少せず、貸球情報及び賞球情報が頻繁に減算されて減少するようなことがなく、遊技者が貸球情報及び賞球情報を確認しやすい状態となる。
また、遊技価値量の移動は、貸球情報及び賞球情報から発射可能球数情報にだけ行われるので、貸球情報と賞球情報との間で遊技価値量が移動した場合のように、貸球数と賞球数とが入れ替わるような状態となることがなく、遊技者が貸球数と賞球数とを確認する際に混乱するようなことがない。
【0205】
また、発射可能球数は、ファール球の発生時以外は、遊技球の発射毎に減少するだけなので、遊技中に遊技価値量を順次追加していく必要があるが、貸球情報に遊技価値量がある間は、優先して、貸球情報から遊技価値量を発射可能球数に移動し、貸球情報の遊技価値量が無くなった場合に、賞球情報から遊技価値量を発射可能球数に移動するので、遊技者が発射可能球数に遊技価値量を移動させるような場合に、貸球情報と賞球情報とのどちらから発射可能球情報に遊技価値量を移動するかを選択する必要がなく、遊技者を煩わすことがない。
【0206】
従って、遊技者は、貸出操作に対応する遊技球の増加を貸球情報に示される遊技価値量の増加で確認することができ、遊技球の入賞に対する賞球数を賞球情報に示される遊技価値量の増加で確認することができる。
特に、貸球情報から発射可能球情報への遊技球数の移動が優先されることから、賞球情報ができるだけ減少しないように制御されることになり、遊技者が賞球情報(賞球の付与に伴う賞球数の増加)を確認しやすくなる。
また、発射可能球数(発射可能球情報)は、遊技球の発射毎に減少し、貸球数(貸球情報)や賞球数(賞球情報)から遊技球数(遊技価値量)が移動されて増加することから、通常の遊技機において、上皿上に貯留された遊技球数が遊技球の発射に応じて減少し、下皿や球箱から遊技球が追加されるのに似ており、遊技者は、前記発射可能球数を上皿上に貯留された遊技球数に擬えることができる。すなわち、貸球数と賞球数とを累積記憶して表示することで、遊技球の貸出のために使用した金額や、間違いなく賞球が払い出されているかを正確に把握することができるし、貸球情報や賞球情報から遊技球数が移動され、遊技球の発射毎に減少する発射可能球数も表示するようにしたので、貸球数と賞球数との間で遊技球数のやりとりが行われることがなく、貸球数と賞球数との把握に混乱が生じるのを防止でき、かつ、発射可能球数を封入式遊技機以外の遊技球を貯留する通常の遊技機での上皿上の遊技球数に擬えることで、通常の遊技機で遊技するときと同じような感覚で遊技を行うことができる。
【0207】
また、発射可能球情報への遊技価値量の移動を、常に貸球情報を優先して行うようにしたので、貸球情報・賞球情報から発射可能球情報への遊技価値量の移動が整然と行われて、遊技者に理解しやすい状態とすることができる。
また、貸球情報から発射可能球情報に遊技球数が移動した場合は、貸球表示領域から発射可能球領域に遊技球が移動されたことを表示し、賞球情報から発射可能球情報に遊技球数が移動した場合は、賞球表示領域から発射可能球領域に遊技球が移動されたことを表示するようにしたので、遊技者にとってどちらから発射可能球に移動したかをわかりやすく知らせることが出来る。
また、賞球情報の示す遊技価値量には、貸球情報の示す遊技価値量が含まれないため、報知手段により賞球情報の示す遊技価値量が所定数を超えている場合にその旨を報知することで、より正確に出球のアピールを行うことができる。
【0208】
また、遊技球情報移動手段により貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に移動させる遊技価値量に上限値(移動時の上限値)を設けるようにしてもよい。
このようにすれば、遊技球に使用するために発射可能球数(発射可能球情報)に移動する遊技媒体数(遊技価値量、遊技球数)が明確になる。すなわち、基本的に上限値となる遊技価値量を貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に移動するように制御することが可能となり、遊技者が移動する遊技価値量を選択したりする煩わしさがなく、かつ、移動する遊技価値量が略一定となることで、遊技者が遊技価値量の移動を把握しやすい。
【0209】
また、前記発射可能球記憶手段に記憶される発射可能球情報が示す遊技価値量の上限値を、前記遊技球情報移動手段により貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に移動させる遊技価値量の上限値よりも多くするようにしてもよい。
このようにすれば、発射可能球数の現在遊技価値量とその上限値との差が移動時の遊技価値量より大きくなる可能性があり、貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に移動させる遊技価値量を移動の上限値とすることが可能となる。すなわち、発射可能球数の上限値と現在の発射可能球数の値との差が、移動時の上限値以上ならば、移動時の上限値分となる遊技価値量を移動させることができる。上述のように基本的に移動させる遊技価値量を移動時の上限値とするように操作することができる。しかし、移動時の上限値が発射可能球数の上限値以上だと、基本的に、移動される遊技価値量は、移動時の上限値以下となる可能性が高くなってしまう(移動時の上限値が発射可能球情報の上限値より大きいと、移動される遊技価値は、移動時の上限値よりかならず小さくなってしまう)。
【0210】
また、遊技者が貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に遊技価値量を移動する操作を実行するための遊技球移動操作手段(タッチパネル表示ユニット151)を備え、前記遊技球移動操作手段の操作に基づく遊技球移動操作手段からの信号の入力が有った場合と、貸球情報が示す遊技価値量に賞球情報が示す遊技価値量を加算した結果を発射可能球情報が示す遊技価値量に加算しても、発射可能球情報の遊技価値量の上限値に満たない状態で前記遊技価値量の貸出操作が行われた場合とのそれぞれの場合において前記遊技球情報移動手段(第2枠制御装置91)により遊技価値量を貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に移動させる所定の条件が成立したものとするようにしてもよい。
【0211】
このようにすれば、基本的に遊技者が遊技球移動操作手段を操作した場合に、貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に遊技価値量を移動することになる。
ここで、例えば、貸球情報及び賞球情報の遊技価値量が僅かしか無いか全く無い場合には、遊技を続行するために遊技者が貸出操作を行うことにより、貸球情報に累積される遊技価値量を増加させる必要がある。この場合に、遊技者は、貸出操作を行った後に遊技球移動操作手段を操作する遊技球移動操作を行うことになり、二度手間となり煩わしいと思う可能性がある。
しかし、貸球情報が示す遊技価値量に賞球情報が示す遊技価値量を加算した結果を発射可能球情報が示す遊技価値量に加算しても、発射可能球情報の遊技価値量の上限値に満たない状態で前記遊技価値量の貸出操作が行われた場合にも、貸球情報及び/又は賞球情報から発射可能球情報に遊技価値量を移動させる所定の条件が成立する。従って、貸出操作を行うと遊技球移動操作を行わなくても、貸球情報から発射可能球数に遊技価値量が発射可能球数に移動し、二度手間とならず、遊技者の煩わしさを解消することができる。
【0212】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0213】
11 外部アピール装飾ランプ(報知手段、装飾発光部)
61 発射装置
63a 発射制御装置(発射制御手段)
83 第1枠制御装置(発射制御手段)
91 第2枠制御装置(貸球記憶手段、賞球記憶手段、発射可能球記憶手段、発射可能球演算手段、遊技球情報移動手段、表示制御手段、停止時監視手段)
100 封入球式遊技機(遊技装置)
151 タッチパネル表示ユニット(表示手段、遊技球移動操作手段)
902 外部演出装置(報知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射位置に供給された遊技球を発射装置により遊技領域に向けて発射するとともに、該遊技領域を経た遊技球を回収し、再び発射位置に供給して遊技球を循環利用する封入球式遊技機において、
遊技者が保有する遊技に使用可能な遊技球の数を遊技価値情報として管理し、
前記遊技価値情報を発光態様によって報知するための装飾発光部と、
前記遊技価値情報の増減に応じて前記装飾発光部の発光態様を制御する報知制御手段と、を備えたことを特徴とする封入球式遊技機。
【請求項2】
前記装飾発光部は、複数の発光部により構成され、
前記報知制御手段は、前記遊技価値情報の増減に対応して発光させる発光部の数を変化させることを特徴とする請求項1に記載の封入球式遊技機。
【請求項3】
前記報知制御手段は、前記遊技価値情報の増減に対応して前記装飾発光部の発光色を変化させることを特徴とする請求項1に記載の封入球式遊技機。
【請求項4】
前記遊技価値情報には、
前記発射位置に供給可能な発射可能球数であるとともに、前記遊技領域への遊技球の発射に応じて減少する発射可能球数情報と、
遊技の実行により発生した賞球に応じて累積的に増加するとともに、前記発射可能球数情報への移動に応じて減少する賞球数情報と、が含まれ、
前記報知制御手段は、前記賞球数情報の増減に応じて前記装飾発光部の発光態様を制御することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の封入球式遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−17845(P2013−17845A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−237747(P2012−237747)
【出願日】平成24年10月29日(2012.10.29)
【分割の表示】特願2011−52276(P2011−52276)の分割
【原出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【出願人】(000127628)株式会社エース電研 (339)
【Fターム(参考)】