説明

射出成形機

【課題】タイミングベルトが破断する前にその状態を未然に検出する。
【解決手段】射出成形機に型開閉を行う型開閉用サーボモータ12の回転数を型開閉のエンコーダパルス数xとして検出するモータ用エンコーダ13、型開きストロークSを型開きストロークパルス数yとして検出するロータリエンコーダ18、タイミングベルト10の異常を検出する異常検出手段20を備える。型開閉のエンコーダパルス数xと型開きストロークパルス数yとを比較し正比例関係にあるとき、異常検出手段20はタイミングベルト10の状態を正常であると判別する一方で、型開閉のエンコーダパルス数xと型開きストロークパルス数yとの比例関係から算出される定数aが所定の許容範囲値から外れた際には、タイミングベルト10に異常があったとして判別されるので、タイミングベルト10が切断される前にその状態を把握することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型の型開閉を行って成形体を成形する射出成形機に関し、特に、型開閉等を行うために駆動力を伝達するタイミングベルトに不具合が生じた際、タイミングベルトが破断する前にタイミングベルトの状態が正常であるか否かを検出することができる射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から周知のように合成樹脂製などからなる成形体を成形するには射出成形機が用いられている。こうした一般的な射出成形機においては、モータ等の駆動源からの駆動力を型開閉等を行うための駆動伝達機構へと伝達するに際し、駆動力伝達手段としてタイミングベルトやプーリが多用されている。
【0003】
特許文献1には、射出成形機に構成される略円板状のテーブルの外周面に、駆動力伝達手段としてのタイミングベルトを巻き掛け、駆動プーリを回転駆動することによりタイミングベルトを介して前記略円板状のテーブルを駆動する縦型射出成形機が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−290195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記背景技術等における射出成形機に構成されているタイミングベルトは、長期に亘り射出成形機を稼動し続けたりすると、その表面が磨耗したり或いは過大な駆動トルクが長期に亘りタイミングベルトへと伝達されることに伴って、タイミングベルトは破損してしまったり、それが原因で射出成形機が誤作動を引き起こし故障する懸念がある。
【0006】
本発明は上記課題を解決するものであり、タイミングベルト等の駆動伝達手段に不具合が生じた際、この駆動伝達手段が破断してしまう前に未然にその状態を検出することができる射出成形機に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る射出成形機は、型開閉を行う駆動伝達機構に対し駆動力を伝達する駆動力伝達手段を備えた射出成形機であって、型開閉を行う型開閉用サーボモータの回転数を型開閉のエンコーダパルス数として検出するモータ用エンコーダと、型閉から型開までの型開きストロークを型開きストロークパルス数として検出するロータリエンコーダとを備え、前記型開閉のエンコーダパルス数と前記型開きストロークパルス数とが比例関係にあるときは正常であると判別する一方で、前記エンコーダパルス数と前記型開きストロークパルス数との比例関係から算出される定数が所定の閾値から外れた際、前記駆動力伝達手段に異常があったと判別する異常検出手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る射出成形機は、請求項1記載の射出成形機において、前記異常検出手段で前記駆動力伝達手段に異常があったと判別された際、前記異常検出手段から出力される異常検出信号に基づき前記射出成形機の稼動を停止させる駆動停止手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る射出成形機は、請求項2記載の射出成形機において、前記異常検出手段から異常検出信号が出力された際、前記駆動力伝達手段に異常があったことを知らせる警告手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る射出成形機は、請求項3記載の射出成形機において、前記警告手段は、前記駆動力伝達手段に異常があったことを画面上に文字や図形で表示する表示装置であることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る射出成形機は、請求項3記載の射出成形機において、前記警告手段は、前記駆動力伝達手段に異常があったことを音声で報知する音声出力手段であることを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る射出成形機は、請求項1〜5の何れか1項において、前記射出成形機は鉛直方向に金型の型開閉を行う縦型射出成形機であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る射出成形機の発明によれば、型開閉を行う駆動伝達機構に対し駆動力を伝達する駆動力伝達手段を備えた射出成形機であって、型開閉を行う型開閉用サーボモータの回転数を型開閉のエンコーダパルス数として検出するモータ用エンコーダと、型閉から型開までの型開きストロークを型開きストロークパルス数として検出するロータリエンコーダとを備え、前記型開閉のエンコーダパルス数と前記型開きストロークパルス数とが比例関係にあるときは正常であると判別する一方で、前記エンコーダパルス数と前記型開きストロークパルス数との比例関係から算出される定数が所定の閾値から外れた際、前記駆動力伝達手段に異常があったと判別する異常検出手段を備えたものであり、タイミングベルト等の駆動力伝達手段を介して駆動伝達機構を動作させているとき、型開閉用サーボモータの回転数と型開きストロークパルス数との関係は比例関係を有するが、駆動力伝達手段としてのタイミングベルト等が磨耗や磨耗に伴う歯飛びなど起こすと、エンコーダパルス数と型開きストロークパルス数との比例関係はなくなる。そして、比例関係がなくなったことにより、異常検出手段は駆動力伝達手段に異常があったことを検出するので、駆動力伝達手段たるタイミングベルトが破断してしまう前に、正常なものへと交換することが可能となり、さらに、タイミングベルトが破断して飛散したりすることを未然に防止することが可能になるので安全性に優れる。
【0014】
請求項2に係る射出成形機の発明によれば、請求項1において、前記異常検出手段で前記駆動力伝達手段に異常があったと判別された際、前記異常検出手段から出力される異常検出信号に基づき前記射出成形機の稼動を停止させる駆動停止手段を備えたので、駆動力伝達手段たるタイミングベルトが磨耗等により切断されるより前に、射出成形機の稼動を緊急停止することが可能なので、タイミングベルトの切断に伴い射出成形機が異常動作を起こし故障してしまったりすることが回避でき、また、タイミングベルトが破断して飛散したりすることを未然に回避することができるので安全性に優れる。
【0015】
請求項3に係る射出成形機の発明によれば、請求項2において、前記異常検出手段から異常検出信号が出力された際、前記駆動力伝達手段に異常があったことを知らせる警告手段を備えているので、射出成形機の操作等を行っているオペレータは駆動力伝達手段たるタイミングベルト等に異常があったことをタイミングベルトが破断する前に把握することができる。
【0016】
請求項4に係る射出成形機の発明によれば、請求項3において、前記警告手段は、前記駆動力伝達手段に異常があったことを画面上に文字や図形で表示する表示装置である。これにより、駆動力伝達手段に異常があったことを表示装置の画面に文字や図形で警告として表示されることから、オペレータは駆動力伝達手段に異常が発生したことを一瞥して把握することができる。
【0017】
請求項5に係る射出成形機の発明によれば、請求項3において、前記警告手段は、前記駆動力伝達手段に異常があったことを音声で報知する音声出力手段なので、駆動力伝達手段に異常が発生したことを聞き知ることができる。
【0018】
請求項6に係る射出成形機は、請求項1〜5の何れか1項において、前記射出成形機は縦型射出成形機であり、鉛直方向に金型の型開閉を行う縦型射出成形機であっても前述した効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1〜図4により以下に説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反しない範囲で、実施例において説明した以外の構成のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
【0020】
図1及び図2は縦型射出成形機の型締めユニットを示す正面図であり、図1は型閉じした状態を示し、図2は型開きした状態を示したものである。本発明の縦型射出成形機は大別すると、前記型締めユニット1と射出ユニット(図示せず)から構成される。
【0021】
型締めユニット1は、図1及び図2に示すように固定金型2が固定された固定ダイプレート3、固定金型2の上方に設けられると共にタイバー4と共に鉛直方向に移動される可動金型5の固定された移動ダイプレート6、伸縮されることにより、移動ダイプレート6の下側に設けた可動金型5を、移動ダイプレート6を介してタイバー4の長手方向に沿って昇降させ、固定金型2に対し型開閉を行うトグルリンク機構7、トグルリンク機構7に構成されるクロスヘッド8に駆動力を伝達するボールネジユニット9、ボールネジユニット9に動力を伝達する第1のタイミングベルト10及びプーリ11、ボールネジユニット9等を介してトグルリンク機構7を作動させ型開閉を行う駆動源としての型開閉用サーボモータ12、型開閉用サーボモータ12の回転数を「型開閉のエンコーダパルス数(x)」として検出するモータ用エンコーダ13、固定金型2のキャビティに張り付いた成形体を第2のタイミングベルト15やプーリ16aを介してイジェクトピン19を突き出し排出させる駆動源たるイジェクト用サーボモータ16、トグルリンク機構7の下方に設けられたテールストック17、テールストック17に取り付けられ、型閉から型開までの型開きストロークSを、クロスヘッド8のストロークS1に基づき「型開きストロークパルス数(y)」として検出するロータリエンコーダ18等を備える。なお、移動ダイプレート6とテールストック17とに架設されている円柱状のタイバー4は、機台(図示せず)に固定された固定ダイプレート6に挿通され、移動ダイプレート6及びテールストック17はタイバー4と共に鉛直方向に昇降可能に設けられている。また、テールストック17は、トグルリンク機構7により固定ダイプレート6と連結されており、型開閉用サーボモータ12の駆動に伴うトグルリンク機構7の伸縮によりテールストック17が昇降されると、これにより、テールストック17とタイバー4で連結されている移動ダイプレート6が昇降され、型開閉が行われる。
【0022】
また、型締めユニット1を構成する縦型射出成形機には、「型開閉のエンコーダパルス数(x)」と「型開きストロークパルス数(y)」から後述する定数aを演算することで第1のタイミングベルト10の異常を検出する異常検出手段20、異常検出手段20から出力される異常検出信号に基づき縦型射出成形機の稼動を緊急停止させる駆動停止手段21、及び第1のタイミングベルト10に異常があったことを知らせる警告手段たる音声出力手段22及び表示装置23を備える。
【0023】
ここで、本発明の要部である縦型射出成形機の型締めユニットの動作について説明する。図1に示す、トグルリンク機構7が縦方向に伸び型閉された状態において、図示しない射出ユニットの射出ノズルから溶融樹脂が固定金型2と可動金型5とにより形成されたキャビティに射出されると、その射出された溶融樹脂がキャビティに充填される。
【0024】
次に、型開閉用サーボモータ12が回転駆動されることにより、プーリ11及び第1のタイミングベルト10を介してボールネジユニット9に駆動力が伝達され、このボールネジユニット9に構成されるボールネジ軸9bが回転駆動されると、ボールネジ軸9bと螺合され且つテールストック17に装着されているボールネジユニット9のボールネジナット9aが上昇され、これに伴いトグルリンク機構7が折り曲げられ縮められることでテールストック17が上昇される。そして、これと連動して移動ダイプレート6及びタイバー4が上昇されることで固定金型2に対する可動金型5の型開きが行われる(図2に示した状態)。
【0025】
続いて、イジェクト用サーボモータ16が駆動され、第2のタイミングベルト15、プーリ16a等を介してイジェクトピン19が前進されると、固定金型2に張り付いている成形体が排出される。そして、こうした一連動作を1サイクルとして繰り返し行われることで、成形体が次々に製造される。
【0026】
ここで、型締めユニット1が繰り返し動作されることにより、型開閉用サーボモータ12の「型開閉のエンコーダパルス数(x)」と「型開きストロークパルス数(y)」とに基づいて、第1のタイミングベルト10の異常を検出する動作の一例について、図3及び図4により以下に説明する。
【0027】
先ず、縦型射出成形機の稼動に伴い型締めユニット1が継続的に駆動されると、クロスヘッド8のストロークSに基づき、ロータリエンコーダ18は「型開きストロークパルス数(y)」を検出する。それと並行して、モータ用エンコーダ13は型開閉用サーボモータ12の回転数を「型開閉のエンコーダパルス数(x)」として検出する。これら「型開きストロークパルス数(y)」と「型開閉のエンコーダパルス数(x)」との関係は、図3及び図4に示すように、縦軸に「型開きストロークパルス数(y)」、横軸に「型開閉のエンコーダパルス数(x)」としてグラフに表すと、型締めユニット1の正常な稼動時においては、「型開きストロークパルス数(y)」と「型開閉のエンコーダパルス数(x)」は正比例の関係を有するので直線状のグラフとなる。その一方で、第1のタイミングベルト10が破断や磨耗、或いはいわゆる歯飛び等異常が発生した場合においては、図4に示すように、グラフが「異常発生ポイント」にて折れ曲がるように表示され直線状ではなくなり、「型開閉のエンコーダパルス数(x)」と「型開きストロークパルス数(y)」との正比例関係は、定数aが所定の閾値を外れるので許容範囲外となる。そこで、図3に示した第1のタイミングベルト10が正常なときの直線状のグラフは、「異常発生ポイントz」で変化し直線状ではなくなる(図4に示した状態)。なお、前記定数aが所定の閾値以外の値へと変化した際には、その変化に基づき、異常検出手段20は第1のタイミングベルト10に異常があったものと判別し、異常検出手段20から出力される異常検出信号に基づき、駆動停止手段21が縦型射出成形機に供給される電源をオフなどして、縦型射出成形機の稼動を緊急停止させる。また、異常検出手段20から出力される異常検出信号は、警告手段たる、表示装置23及び音声出力手段22にも同時に出力され、表示装置23の画面には第1のタイミングベルト10に異常があったことが文字や図形で警告として表示され、且つ、音声出力手段22からは第1のタイミングベルト10に異常が発生したことが音声で出力される。
【0028】
以上のように本発明係る縦型射出成形機は、型開閉を行う型開閉用サーボモータ12の回転数を「型開閉のエンコーダパルス数(x)」として検出するモータ用エンコーダ13と、型閉から型開までの「型開きストロークS」を「型開きストロークパルス数(y)」として検出するロータリエンコーダ18とを備え、ロータリエンコーダ18の「型開閉のエンコーダパルス数(x)」とモータ用エンコーダの「型開きストロークパルス数(y)」とが正比例関係にあるときは、異常検出手段20が駆動力伝達手段たる第1のタイミングベルト10の状態を正常であると判別する一方で、「型開閉のエンコーダパルス数(x)」と「型開きストロークパルス数(y)」との正比例関係から算出される定数a(0を除く)が所定の閾値から外れた際、第1のタイミングベルト10に異常があったと判別する異常検出手段20を備えたものである。これにより、第1のタイミングベルト10等の駆動力伝達手段を介し、型開閉のために用いられる駆動伝達機構たるトグルリンク機構7を動作させている状態のとき、型開閉用サーボモータの回転数に基づく「型開閉のエンコーダパルス数(x)」と「型開きストロークパルス数(y)」との関係は、前記定数aが所定の閾値の範囲内であるため比例関係を有することになるが、第1のタイミングベルト10等が磨耗や磨耗に伴う歯飛びなど起こすと、「型開閉のエンコーダパルス数(x)」と「型開きストロークパルス数(y)」との比例関係は、定数aが所定の閾値を外れ許容範囲外となり、その値に基づき、異常検出手段20が第1のタイミングベルト10に異常があったことを検出(判別)するので、駆動力伝達手段たる第1のタイミングベルト10が破断してしまう前に、この第1のタイミングベルト10を正常なものへと交換することが可能となり、さらに、このタイミングベルト10が切断され飛散したりすることを未然に防止することが可能になるので安全性に優れる。
【0029】
さらに、異常検出手段20で第1のタイミングベルト10に異常があったと判別された際、縦型射出成形機には、異常検出手段20から出力される異常検出信号に基づき射出成形機の稼動を停止させる駆動停止手段21を備えているので、駆動力伝達手段たる第1のタイミングベルト10が磨耗等により切断されるより前に、縦型射出成形機の稼動を緊急停止することができる。これにより、第1のタイミングベルト10の切断に伴い縦型射出成形機が異常動作を起こし故障してしまったりすることを回避することがでるので安全性に優れる。
【0030】
また、異常検出手段20から異常検出信号が出力された際、駆動力伝達手段たる第1のタイミングベルト10に異常があったことを知らせる警告手段として表示装置23が縦型射出成形機に備えられているので、オペレータは、文字や図形で第1のタイミングベルト10に異常があった旨が表示されたその画面を一瞥するだけで、第1のタイミングベルト10に異常が発生したことを速やかに把握することができる。
【0031】
また、警告手段としては、前記表示装置23のほか、音声で報知するスピーカー等を構成する音声出力手段22も備えているので、オペレータは第1のタイミングベルト10に異常が発生したことが音声出力手段22により出力されることで第1のタイミングベルト10の状態を聞き知ることができる。
【0032】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施例では、型開閉を行うための駆動力を伝達する第1のタイミングベルト10についての異常を検出するものであるが、特にそれに限定するものではなく、駆動力を伝達する手段であれば、それ以外の用途のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一例の縦型射出成形機の型開きした状態を示す要部の正面図である。
【図2】同上、縦型射出成形機の型閉じした状態を示す要部の正面図である。
【図3】同上、縦型射出成形機の正常な稼動時における、「型開きストロークパルス数」と「型開閉のエンコーダパルス数」との関係を示すグラフである。
【図4】同上、縦型射出成形機の正常な稼動時において第1のタイミングベルトに異常が発生した状態を示すグラフである。
【符号の説明】
【0034】
7 トグルリンク機構(駆動伝達機構)
10 タイミングベルト(駆動力伝達手段)
12 型開閉用サーボモータ
13 モータ用エンコーダ
18 ロータリエンコーダ
20 異常検出手段
22 音声出力手段
23 表示装置(警告手段
a 定数
x 型開閉のエンコーダパルス数
y 型開きストロークパルス数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
型開閉を行う駆動伝達機構に対し駆動力を伝達する駆動力伝達手段を備えた射出成形機であって、
型開閉を行う型開閉用サーボモータの回転数を型開閉のエンコーダパルス数として検出するモータ用エンコーダと、
型閉から型開までの型開きストロークを型開きストロークパルス数として検出するロータリエンコーダとを備え、
前記型開閉のエンコーダパルス数と前記型開きストロークパルス数とが比例関係にあるときは正常であると判別する一方で、前記エンコーダパルス数と前記型開きストロークパルス数との比例関係から算出される定数が所定の閾値から外れた際、前記駆動力伝達手段に異常があったと判別する異常検出手段を備えたことを特徴とする射出成形機。
【請求項2】
前記異常検出手段で前記駆動力伝達手段に異常があったと判別された際、前記異常検出手段から出力される異常検出信号に基づき前記射出成形機の稼動を停止させる駆動停止手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の射出成形機。
【請求項3】
前記異常検出手段から異常検出信号が出力された際、前記駆動力伝達手段に異常があったことを知らせる警告手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の射出成形機。
【請求項4】
前記警告手段は、前記駆動力伝達手段に異常があったことを画面上に文字や図形で表示する表示装置であることを特徴とする請求項3に記載の射出成形機。
【請求項5】
前記警告手段は、前記駆動力伝達手段に異常があったことを音声で報知する音声出力手段であることを特徴とする請求項3に記載の射出成形機。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項において、前記射出成形機は鉛直方向に金型の型開閉を行う縦型射出成形機であることを特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−241425(P2009−241425A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−91164(P2008−91164)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000222587)東洋機械金属株式会社 (299)
【Fターム(参考)】