説明

導電性構造体を有する可撓性キャリア

合成樹脂製の基材層(12)と、前記基材層の少なくとも一つの側面に導電性塗料が沈着された、少なくとも一つの導電性構造体(20)とを有する、可撓性キャリア(10)である。前記少なくとも一つの導電性構造体(20)は、基材層(12)と、少なくとも一つの合成樹脂製の上張り層(14)との間に配置される。選択的に形成可能な更に他の複数の導電性構造体(22)は、それぞれ、選択的に形成可能な更に他の上張り層の間に配置される。基材層(12)は上張り層(14)に一体化され、選択的に形成された前記更に他の導電性構造体(22)は、それぞれ、隣接する上張り層に一体化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製の基材層と、この基材層の少なくとも一つの側面に、導電性インクを使用して印刷された、少なくとも一つの導電性構造体とを備えた、可撓性担体に関し、更に、本発明は、この導電性構造体を前述の基材層に連続的に印刷するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント配線回路やプリント配線回路基板を生産するに際しては、導電性インクを使用して、非導電性の合成樹脂板にスイッチシステムや電気回路を、陽画として、直接印刷することにより、プリント用インクが絶縁された電線の機能を果たすようにする方法が知られている。従来の導電性インクのうち、所謂、「シルバーペイント(Silberlacke)」は、スクリーン印刷を使用してプリント配線回路基板にプリントされる。このため、スクリーン印刷用のインクには、所望の導電性が得られるまで、微細な銀粉が混入される。
【0003】
また、互いに重ね合わされた複数のフィルムで構成された複数の層からなる種々のセンサーが知られている。これらのセンサーは、スクリーン印刷法を用いて、例えば、ポリエステルフィルムで構成された基材に、導電性の抵抗材料から成る抵抗体を沈着させることにより構成される。この基材フィルムから間隔をおいて、例えば、ポリオキシメチレンで構成された弾力性のある上張りフィルムが配置され、この上張りフィルムは、対極として、同様に導電性材料を被覆され、かつ、複数のスペーサーによって前述の抵抗材料から小さな間隔を保持される。
【0004】
EP−B−0 129 785は、薬剤用容器としての役割を果たすフィルム型の包装を開示し、この包装のフィルムには、信号発生器と電気的な接触を行うために、導電性回路が沈着されている。このような構成は、患者による薬剤消費量の確認に役立つ。
【特許文献1】EP−B−0 129 785
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、簡単で安価な方法で生産可能な、この明細書の最初の部分で述べた種類の可撓性担体を提供することにある。
本発明の他の目的は、風化作用に対して耐性を有する平坦なストリップ状の可撓性担体を創作することにある。
本発明の更に他の目的は、導電性の撚り線と電磁遮蔽とのいずれか一方又は双方を備えた従来の電気ケーブルの種々の利点を備えた、平坦なストリップ状のケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した本発明の種々の目的は、少なくとも一つの導電性構造体が、基材層と、少なくとも一つの合成樹脂製の上張り層との間に設けられ、更にまた選択的に形成可能なその余の導電性構造体が、更に他の選択的に形成された上張り層の対の間に配置され、前記基材層が、少なくとも一つの上張り層に連結され、前記選択的に形成された上張り層は、隣接する上張り層に連結されることによって達成される。
【0007】
本発明による可撓性担体層の好ましい実施形態では、前述の少なくとも一つの上張り層が少なくとも一つの更に他の導電性構造体を示し、この導電性構造体は、導電性インクによって、前述の少なくとも一つの上張り層に印刷され、電気絶縁性中間層が前述の各導電性構造体の間に配置される。
【0008】
特に有用な実施形態では、前述の少なくとも一つの更に他の導電性構造体を有する前述の少なくとも一つの上張り層が、少なくとも一回折り重ねられた、導電性構造体を有する基材層によって形成される。
【0009】
その他の好ましい実施形態は、前述の可撓性担体層が巻回されることにある。
【0010】
可撓性構造体の平坦なストリップ形ケーブルとしての有用な形態では、前述の複数の導電性構造体が、既知の電線の撚り合わせのように、何回も交差した複数の導電体であり、これによって電界及び磁界の発生を低減をさせることができる。
【0011】
基材層と、前述の少なくとも一つの上張り層とは、又は、更なる複数の上張り層がある場合には、少なくとも、基材層から最も遠くに移動された上張り層とは、それぞれ、水蒸気の浸透を防止するための遮断層となる。
【0012】
原則として、水蒸気を遮断するために適当なすべての遮断層は、この目的のために使用することができる。特に好ましい遮断層には、アルミニウム、Al2O3又はSiOxという物質のうちの少なくとも一つの物質で構成された遮断層があり、ここで、0.9<x<2であり、特に1.2<x<1.8である。
【0013】
水蒸気に対して不浸透性で、かつ、電磁遮蔽特性を示す、特に堅牢な可撓性物質は、アルミニウム箔の形態の遮断層であり、このアルミニウム箔の形態の遮断層は、基材層と、少なくとも一つの上張り層とに、又は、更に他の複数の上張り層がある場合には、少なくとも、基材層から最も離れた位置の上張り層とに接合される。この結果、原則として、このアルミニウム箔は多層積層体(ラミネート)の内部に配置可能である。しかしながら、このアルミニウム箔は基材層の外面と基材層から最も離れた上張り層とに配置されることが好ましい。
【0014】
原則として、前述の可撓性担体の製造に際し、遮蔽層として使用されるアルミニウム箔は基体又は担体としても使用することが可能であり、押し出しコーティングの結果、この基体又は担体には、前述の基材層又は上張り層がラッカー被膜として積層される。ラッカー層の場合には、二重ラッカーコーティングが好ましい。
【0015】
複数の遮断層は、前述の基材層及び上張り層の内部又は外面に真空蒸着によって形成された複数の層の形態で形成することも可能である。
【0016】
合成樹脂製の可撓性の基材層に、導電性インクによって、導電性構造体を連続的に印刷するには、グラビア印刷によってプリントすることが好ましい。特に深くエッチングされ又は彫られた印刷シリンダを使用すれば、良好な導電特性を備えた構造体を一回の印刷工程のみで製造することができる。導電性を更に増加させるために、前述の構造体を数回にわたって印刷することができる。これにより、印刷された各構造体の縁部は、その下にある構造体に関して、幾分か内方に後退させられ、前述の構造体に電気絶縁性コーティングを沈着させるときに、前述の基材層又は上張り層と前述の導電性の印刷用インクとの間に滑らかな移行を得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の方法を使用して安価に生産可能な導電性構造体を備えた、この水密性の可撓性担体には、ストリップ状ケーブルを使用する高周波電力分配装置から、床下暖房装置用の加熱マットまで、幅広い応用範囲が開かれている。
【0018】
本発明の更に他の利点、特徴及び詳細は、以下に例示された実施例に関する記述と図面を参照することによって明らかにされる。
【実施例1】
【0019】
図1に示すように、可撓性担体10の第一の実施形態は、基材層12と、基材層12の一方の側面に接着された、例えば、アルミニウム箔の形態を有する、遮蔽層16と、基材層12の他方の側面に支持された、例えば、導電性インクによって構成された複数の導電性ストリップの形態を有する、印刷された導電性構造体20とを有する。基材層12の印刷された面は、例えば、ポリウレタンを主材とする接着剤等の耐久性のある接着剤の形態を備えた中間層13を介して、例えば、ポリエチレンで構成された上張り層14に結合されている。上張り層14は、前述の接着剤とは反対側の面を、アルミニウム箔の形態を備えた遮断層16に同様に結合されている。外面に配置されたこれらのアルミニウム箔は、水蒸気が基材層12及び上張り層14に浸透して、中間層13に浸透し、ついには印刷された構造体20に到達することを防止する。これと同時に、これらの外部に配置されたアルミニウム箔は、内部に配置された導電体構造20のための電磁シールドを提供する。
【実施例2】
【0020】
図2に示すように、可撓性担体10の第二の実施形態は、例えば、ポリエチレンで構成された基材層12を示し、基材層12の一方の側面は、例えば、アルミニウム箔の形態の遮断層16に結合されている。基材層12の、遮断層16に結合されていない側面に印刷されているのは、導電性インクで構成された複数の導電性ストリップの形態を備えた導電性構造体20である。基材層12の、導電性構造体20を支持する側面には、例えば、ポリエチレン等の合成樹脂で構成された電気絶縁性の中間層18が形成されている。
【0021】
例えば、ポリエチレンで構成された上張り層14には、遮断層16として作用するアルミニウム箔が設けられているが、上張り層14には、更に、基材層12と同様な方法で、導電性構造体22が設けられている。例えば、ポリオレフィンを主材とする電気絶縁性の接着剤で構成された中間層18が、基材層12上の導電性構造体20と、上張り層14上の導電性構造体22との間に設けられている。このような対称形の基板10は、基材層12を対称線に沿って180°折り曲げて重ね合わせ、これにより、内部に導電性構造体22を有し、かつ、外部にアルミニウム箔16を有する、上張り層14を、内部に導電性構造体20を有し、かつ、外部に遮断層16としてのアルミニウム箔を有する、基材層12から生成するという、簡単な方法で製造することができる。
【0022】
ポリエチレンとポリプロピレンに加えて、ポリエステルは、基材層12と上張り層16の材料として、特に適している。
【実施例3】
【0023】
複数の交差導電体ストリップを備えた平坦なストリップ形態のケーブル36を製造するための、図3に示された方法では、基材層12として使用される合成樹脂フィルムには、最初に、遮断層16が形成され、次に、この合成樹脂フィルムに印刷された導電性インクによって第1の導電性ストリップ20aが形成され、次に、この合成樹脂フィルムは絶縁性ラッカー層18によって被覆される。同様の方法で、上張り層14として使用される第2の合成樹脂フィルムには、遮断層16と、この合成樹脂フィルムに印刷された第2の導電性ストリップ20bとが形成される。双方ともストリップ形態の材料26、28は、材料片26、28の長手方向に連続的に互いに交差するように、二つの導電性ストリップ20a、20bが互いに向き合うようにして共に搬送される。このようにして共に搬送されたフィルム片26、28は熱シール設備24を通過し、材料片26、28の両端縁で長手方向に延びる密封継ぎ目が形成されて互いに密封される。
【0024】
基材層12と上張り層14に押し出し接合されるアルミニウム箔は、好ましくは、遮断層16として使用される。遮断層16を支持する基材層12と第1の導電性構造体20とを、遮断層16を支持する上張り層14と第2の導電性構造体22とに対して行う熱シールは、材料片26、28の間に熱シールされて配置可能な、例えば、別個の合成樹脂フィルムを介して、行うことができる。
【実施例4】
【0025】
図4乃至7は、平坦なストリップ形態のケーブルの連続的な製造方法の他の実施形態を示す。図4に示すように、先ず、遮断層16が形成された基材層12を有する材料片30が製造され、この材料片に二つの導電性ストリップ20a、20bが印刷される。これらの二つの導電性ストリップ20a、20bは、例えば、同一寸法の湾曲した波形の複数の線を成し、これらの線は、折り曲げ軸fの両側に配置され、折り曲げ軸fから同一距離に位置して、互いに平行に延在している。次に、材料片30に印刷された導電性ストリップ20a、20bは、熱シール可能で、電気絶縁性の、例えば、ポリオレフィンを主材とするコーティングによって被覆される。このように被覆され、導電性ストリップ20a、20bが印刷された材料片30は、次に、図5に示すように軸fの周りに折り曲げられ、その結果、図7に示すように、二つの導電性ストリップ20a、20bが互いに重なり合い、互いに繰り返し交差する、規則的な二重の波状曲線を形成する。このように折り重ねられた状態で、材料片30は、図3に示された熱シール設備24を通過し、折り重ねられた材料片30の両端縁が共に連続的にシールされて、折り畳まれた材料30の両端縁に密封継ぎ目32、34が形成される。
【実施例5】
【0026】
図8は、複数の導電性ストリップ20a、20bを有する平坦なストリップ形態のケーブルの製造方法を示し、これらの導電性ストリップ20a、20bは、図4乃至7に示した方法の原理に基づいて、互いに他の導電性ストリップの上方に配置され、繰り返し交差する。先ず、遮断層16が形成された基材層12を有する材料片30が製造され、この材料片に、複数の導電性ストリップ20a、20bが二つ一組になって印刷される。二つ一組になって印刷されたこれらの導電性ストリップ20a、20bは、図4の実施例に示したように、例えば、同一寸法の湾曲した波形の複数の線を成し、これらの線は、折り曲げ線fの両側で、折り曲げ線fから同じ距離をおいて、互いに平行に配置されている。次に、材料片30の表面に印刷された導電性ストリップ20a、20bは、熱シール可能で、電気絶縁性を有する、例えば、ポリオレフィンを主材とするコーティングによって被覆される。このように印刷され被覆された材料片30は、図8に示すように、全ての導電性ストリップ20a、20bの組が互いに重なり合い、繰り返し交差して、規則的な二重の波模様を形成するまで、複数の折り曲げ線fの周りに千鳥状に折り曲げられる。材料片30は、このように複数回にわたって折り曲げられた状態で、図3に示した熱シール設備24を通過し、これによって、折り曲げられた材料片30の複数の端縁は互いに連続的にシールされ、これらの折り曲げ線の領域に複数の密封継ぎ目が形成される。
【実施例6】
【0027】
繰り返して十字交差する導電性ストリップ20a、20bを、複数回にわたって重ね合わせることにより、電磁界の乱れを減少させる代わりに、例えば、平坦なストリップ形態のケーブルを図9に示すように巻回させることによって、複数回にわたって重ね合わせることもできる。
【実施例7】
【0028】
図10に示す実施例では、複数回にわたって交差した導電性ストリップ20a、20bを有する平坦なストリップ形態のケーブル36は、複数の単体銅線40と合成樹脂製シース44とを有する通常の2ストランド電力ケーブル38に連結されている。この通常の2ストランドケーブル38は、極めて大きな電流を流すことを意図しているので、平坦なストリップ形態のケーブル36の二つの導電性ストリップ20a、20bは、例えば、バスシステム(Bussystem)における制御電流を操作するために使用することができる。
【実施例8】
【0029】
この導電性を増加させるためには、それ自身が多数回にわたって交差する導電性ストリップを図11に示すように印刷することが必要であろう。導電性ストリップ20aを電気絶縁性コーティングによって確実に被覆するためには、各導電性ストリップ20nの幅を、その前に沈着されて下方に横たわる導電性ストリップ20n-1の幅よりも若干量だけ小さくする。その結果、段階的に変化したストリップ状の縁部46が形成され、十分に平滑化された断面形を有する均質なコーティングを得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
前述した複数の実施例では、複数の平坦なストリップ状ケーブルは、二つの導電性ストリップ20a、20bのみを有しているが、本発明は、これらの実施例に示した二つの導電性ストリップに限定されない。これらの実施例の代わりに、複数の電力搬送用導電性ストリップを備えた複数の平坦なストリップ状ケーブルを使用するができるのみでなく、本発明の応用分野によって、異なる直径や異なる材料を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】印刷された導電性構造体を有する可撓性担体の第一の実施形態の断面図である。
【図2】印刷された導電性構造体を有する可撓性担体の第二の実施形態の断面図である。
【図3】複数の導電性ストリップを混交させた平坦なストリップ形態のケーブルを、連続的に生産する方法の第1の工程を示す図である。
【図4】複数の導電性ストリップを交差させた平坦なストリップ形態のケーブルを、連続的に生産する方法の第2の工程を示す図である。
【図5】複数の導電性ストリップを交差させた平坦なストリップ形態のケーブルを、連続的に生産する方法の第2の工程を示す図である。
【図6】複数の導電性ストリップを交差させた平坦なストリップ形態のケーブルを、連続的に生産する方法の第2の工程を示す図である。
【図7】平坦なストリップ形態のケーブルを図6のI-Iに沿って切断したときの断面図である。
【図8】複数の導電性ストリップを混交させた平坦なストリップ形態のケーブルを連続的に生産する方法の第3の工程を示す図である。
【図9】複数の平坦なストリップ形態のケーブルを巻いた状態の斜視図である。
【図10】二本のストランドを備えた電気ケーブルの断面図であって、この電気ケーブルに複数の平坦なストリップ形態のケーブルが配置されている状態を示す図である。
【図11】重なり合うように印刷された多数の導電体ストリップを有する平坦なストリップ形態のケーブルの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製の基材層(12)と、少なくとも一つの導電性構造体(20)とを有し、前記導電性構造体(20)は、導電性インクによって、前記基材層(12)の一方の面に印刷されている、可撓性担体において、
前記少なくとも一つの導電性構造体(20)が、前記基材層(12)と、少なくとも一つの合成樹脂製の上張り層(14)との間に配置され、更にまた選択的に形成可能な導電性構造体(22)の各々が、更に他の選択的に形成された二つの上張り層の間に配置され、前記基材層(12)は、前記少なくとも一つの上張り層(14)に一体化され、前記基材層(12)は、前記選択的に形成された複数の上張り層の各々に、隣り合う上張り層によって連結されていることを特徴とする、可撓性担体。
【請求項2】
請求項1に記載の可撓性担体において、前記少なくとも一つの上張り層(14)は、前記少なくとも一つの上張り層(14)に導電性インクによって印刷された少なくとも一つの他の導電性構造体(22)を示し、前記各導電性構造体(20、22)の間には、合成樹脂製の電気絶縁性中間層(18)が設けられていることを特徴とする、前記可撓性担体。
【請求項3】
請求項2に記載の可撓性担体において、前記少なくとも一つの他の導電性構造体(22)を有する前記少なくとも一つの上張り層(14)は、前記導電性構造体(20)を有する前記基材層(12)を少なくとも一回折り重ねることにより形成されていることを特徴とする、前記可撓性担体。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の可撓性担体において、前記可撓性担体は巻かれていることを特徴とする、前記可撓性担体。
【請求項5】
請求項2乃至4のうちのいずれか一項に記載の可撓性担体において、前記導電性構造体(20、22)は、互いに何回も交差した複数の導電性ストリップであることを特徴とする、前記可撓性担体。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の可撓性担体において、前記少なくとも一つの導電性構造体(20)は、一の構造体部品の上に他の構造体部品を重ねて印刷した複数の構造体部品(20n、20n-1)を有し、各構造体部品(20n)は、各構造体部品(20n)の下に印刷されて位置する構造体(20n-1)の縁部から後退して段差を形成していることを特徴とする、前記可撓性担体。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の可撓性担体において、前記基材層(12)と、前記少なくとも一つの上張り層(14)とに、また、更に他の複数の上張り層がある場合には、少なくとも前記基材層(12)から最も離れた位置にある上張り層とに、それぞれ、水蒸気の浸透を防止する遮断層(16)が設けられていることを特徴とする、前記可撓性担体。
【請求項8】
請求項7に記載の可撓性担体において、前記遮断層(16)は、アルミニウム、Al2O3、又は、SiOxからなる材料のうちの少なくとも一つからなる層であり、ここで、0.9<x<2であり、特に、1.2<x<1.8であることを特徴とする、前記可撓性担体。
【請求項9】
請求項8に記載の可撓性担体において、前記遮断層(16)は、前記基材層と、前記少なくとも一つの上張り層(14)とに、また、更に他の複数の上張り層がある場合には、少なくとも、前記基材層(12)から最も離れた位置にある上張り層とに接合された、アルミニウム箔であり、前記アルミニウム箔は前記導電性構造体(20)から電気的に分離されていることを特徴とする、前記可撓性担体。
【請求項10】
請求項9に記載の可撓性担体において、前記アルミニウム箔は、前記基材層(12)の外面と、前記基材層(12)から最も離れた位置にある前記上張り層(14)の外面とに配置されていることを特徴とする、前記可撓性担体。
【請求項11】
請求項8に記載の可撓性担体において、前記遮断層(16)は、前記基材層(12)と前記上張り層(14)の内部又は外面に真空蒸着された層の形態で設けられていることを特徴とする、前記可撓性担体。
【請求項12】
合成樹脂製の可撓性担体(10)に、導電性インクによって、導電性構造体(20、22)を連続的に印刷するための方法において、前記基板(10)は、グラビア印刷法、凹版又は輪転グラビア印刷法を使用して印刷されることを特徴とする、前記方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、前記導電性構造体(20、22)は、その導電性を高めるために、その表面に何回も重ねて印刷されることを特徴とする、前記方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、印刷された各構造体(20n)の端縁を、前記各構造体の下に印刷された構造体(20n-1)の端縁よりも内側に後退させて形成し、これにより、段差が形成されることを特徴とする、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−518222(P2007−518222A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546010(P2006−546010)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014390
【国際公開番号】WO2006/048041
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(504313044)アルカン テヒノロギー ウント メーニッジメント リミテッド (24)
【氏名又は名称原語表記】ALCAN TECHNOLOGY & MANAGEMENT LTD.
【住所又は居所原語表記】Badische Bahnhofstrasse 16, CH−8212 Neuhausen am Rheinfall, Switzerland
【Fターム(参考)】