説明

屋根・壁・鋼構造物・床・基礎・地面・地盤の施工構造及び施工方法。

【課題】屋根又は壁は、波形スレート葺き、又は金属製の折板、瓦葺き等により施工されるが、長期間の経年変化による取付部や破損部等からの雨漏り、美観の低下、又は断熱強化のために定期的補修を必要とした。
【解決手段】工場、倉庫、体育館等の屋根又は壁の素地には、速乾性を有する断熱発泡層を吹付、その表面に高強度の樹脂製の伸延性を有する補強防水層を吹付、前記補強防水層の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる表面層を塗布又は吹付た。一方、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出事故を防止する必要のある分野においてその機器の床、基礎、地面、地盤等の素地には、速乾性を有する断熱発泡層を吹付、その表面に高強度の樹脂製の伸延性を有する補強防水層を吹付、前記補強防水層の表面に不燃性等の表面層、及び/又は防護シート層を配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物、又は鋼構造物等の施工構造及び施工方法に関する。
又、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出事故を防止する必要のある分野において、その機器の床、基礎、地面、地盤に関する、極めて高い安全性を発揮する施工構造及び施工方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
(1)建築物等の分野においては、
従来より、工場、倉庫、体育館等の屋根又は壁は、波形スレート葺き、又は金属製の折板、瓦葺き、コンクリート、モルタル葺き等により施工されてきたが、長期間の経年変化により、強度低下や破損が発生したり、取付部や破損部等からの雨漏りの発生、美観の低下、又は断熱強化のための定期的補修を必要としてきた。
【0003】
特に、スレート葺き屋根の場合は、その強度低下が著しく、その補修施工のため作業者が、その上に乗ると、劣化したスレートが割れて墜落災害が頻繁に発生し、その災害防止が、厚生労働省、国土交通省をはじめとし叫ばれ、未だに建設業での労働災害の重要課題となっている。
又、従来のスレート構造は、発癌性のあるアスベストが含有されており、補修時にそのダストが周辺や作業者に飛散し、又廃材の処理の困難性等に対し環境問題として大きく取り上げられている。加えて近年地球温暖化防止のため、これらの旧構造の断熱性能を改善し、冷暖房の省エネルギーを図るための補修も大きく必要となってきている。
【0004】
これらの問題を解消しようとする従来例も、提案されているが、いずれも、補修時、又は補修後の強度を重視したものが無く、前述の墜落防止災害を予防できるものとなっていなかった。
加えて、防水性に関しても、表面のトップコート層に、経年変化によりクラックが発生すると、断熱発泡層の微細な開孔に雨水が浸入し、凍結等により割れや変質が発生し、断熱発泡層を破壊するものとなっていた。
その一例として「特開平7−166655」号があるが、前述の如く、素地の強度劣化による墜落防止は着目されておらず、従って作業者が、乗ったときの補強強度については、確保されていないため、強度劣化による墜落災害防止対策は全くその目的に無く、現実上問題の解決となっていなかった。
更に、表面のトップコート層は、塗装膜の層であるため、十分な膜厚を有することは困難であるため、これに対し、紫外線等の太陽光線や、雨、雪等による劣化、経年変化が必ず発生し、トップコート層にクラックが発生する。そうなるとそのクラックより断熱発泡層の微細な開孔に雨水が浸入し、凍結等により割れや変質が発生し、断熱発泡層を破壊し、返って断熱発泡層が吸水し、安全性を妨げる可能性があり、それらの解決策とはなっておらずその改善が強く望まれていた。
【0005】
(2)又、鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面塗装の寿命が短く、その塗替えに長時間と多額の施工費用が掛かり、長寿命の施工構造が望まれていた。
【0006】
(3)又、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物質の漏出を防止する必要のある分野において、機器設置場所及び周辺の床、又は基礎、又は地盤、又は地面等の素地の保護対策が、重要視されている。
その一例として変電所、発電所等の変圧器が、最近頻発した新潟・中越地震等において、転倒、破損し、内部に封入されているトランス油が漏出するという事故が、各地で発生した。
【0007】
通常、変圧器の周りには、防油ピット、防油堤がコンクリート構造物で構築されているが、次のような問題点を有している。
▲1▼防油ピット、防油堤のコンクリート構造物が、経年変化でひび割れや目地の劣化を、起こすので、定期的な事前調査により、それらの欠陥部を発見し、修復する必要がある。
▲2▼しかし強大な地震が発生した時は、変圧器が転倒、破損し、内部に封入されているトランス油が漏出するという事故が、各地で発生した。
▲3▼トランス油には、人体に悪影響を及ぼすPCB等が含有されており、万一、地盤に流出し、地下水に浸透すると、取返しのつかない大公害事故となり、近隣住民の健康障害を引き起こす大惨事となる。
▲4▼通常、防油ピット、防油堤の溝には、バラスト石が、入れられているので、クラック等の欠陥を、直ちに目視することができない。
▲5▼しかるに、新潟・中越地震等において、トランスの転倒が発生し、想定外の大事故となったがその適切な対策が、創出されてなかった。
【0008】
従来例としても[特許文献2]の「特開平7−86044号」に示されるような、雨水と、トランスの経時変化によるトランス油の混入水の排水管を切換えるという発明があったが、単にトランス油の漏出に対しては、ピット内で自然乾燥するだけのものであった。
床板や、地盤が破壊されクラックができて、そこよりトランス油が漏れて浸透するという事故の想定がなく、無防備の状態となっていたのである。
工場、製薬工場の危険物質の漏出に関しても同様であった。
【0009】
【特許文献1】 特開平7−166655号公報
【特許文献2】 特開平7−86044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、これらの問題点を現実的に排除する極めて実用的な施工構造、及び施工方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
スレート、コンクリート、防水シート、木質材等の非金属材、又は金属製の建物の屋根又は壁の素地に対し、
該素地の表面に、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物の主剤を用いた樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層を吹付等により設け、
前記断熱発泡層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物の主剤を用いた高強度樹脂製の補強防水層を吹付等により設け、
前記補強防水層の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層を、塗布又は吹付等により設けたことを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造を提供する。
【0012】
スレート、コンクリート、防水シート、木質材等の非金属材、又は金属製の建物の屋根又は壁の素地に対し、
該素地の表面に、プライマー層を塗装又は吹付により形成し、該プライマー層の表面に、ポリウレタン系樹脂、又は、フェノール系樹脂、又はそれらの混合物の主剤を用いた樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層を吹付等により設け、前記断熱発泡層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層を吹付等により設け、
前記補強防水層の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層を、塗布又は吹付により設けたことを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造を提供する。
【0013】
スレート、コンクリート、防水シート、木質材等の非金属材、又は金属製の建物の屋根又は壁の素地に対し、
該素地の表面に、プライマー層を塗装又は吹付により形成し、
該プライマー層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層を吹付等により設け、
前記補強防水層の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層を、塗布又は吹付等により設け、断熱発泡層を設けることなく構成したことを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造を提供する。
【0014】
スレート、コンクリート、防水シート、木質材等の非金属材、又は金属製の建物の屋根又は壁の素地に対し
該素地の取付のためのボルト等の取付具、及び/又は、素地の端部側面、及び/又は、断熱発泡層の端部側面、及び/又は、不連続部を、前記断熱発泡層、及び/又は、前記補強防水層で巻き込み、シームレス構造としたことを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造を提供する。
【0015】
スレート、コンクリート、防水シート、木質材等の非金属材、又は金属製の建物の屋根又は壁の素地に対し
隣接する素地との重ね部の跳ね上がった端部を押え具により押え、その上層に前記断熱発泡層、及び/又は、前記補強防水層を施工したことを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造を提供する。
【0016】
請求項1、又は2、又は3、又は4、又は5記載の屋根、及び/又は、壁の施工構造であって、
前記断熱発泡層は、最小厚さ2.0mm以上〜最大厚さ100mm以下で吹付等により設け、
前記補強防水層は引張強度、最小1.0N/mm〜最大50.0N/mm以下の速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層、又は表面補強防水層を、最小厚さ0.5mm以上〜最大10mm以下で吹付等により設けたことを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造を提供する。
【0017】
請求項1、又は2、又は3、又は4、又は5、又は6記載の屋根、及び/又は、壁の施工構造であって、
前記断熱発泡層は、独立気孔系のポリウレタン系樹脂、又は、フェノール系樹脂、又はそれらの混合物の主剤を用いた樹脂製発泡材であることを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造を提供する。
【0018】
請求項1、又は2、又は3、又は4、又は5、又は6、又は7記載の屋根、及び/又は、壁の施工構造であって、前記断熱発泡層は、ノンフロン発泡剤である二酸化炭素発泡剤を使用したことを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造を提供する。
【0019】
請求項1、又は2、又は3、又は4、又は5、又は6、又は7、又は8記載の屋根、及び/又は、壁の施工構造であって、
前記断熱発泡層、及び/又は、前記補強防水層の材料に、ガラス繊維、又は、カーボン繊維、又は短寸のステンレス、あるいはチタン等の金属繊維等の補強繊維を混入することにより、繊維強化型樹脂(FRP)とすることを特徴とする屋根、及び/又は、壁の構造を提供する。
【0020】
請求項1、又は2、又は3、又は4、又は5、又は6、又は7、又は8、又は9記載の屋根、及び/又は、壁の構造であって、
前記補強防水層の材料に、耐紫外線等の耐太陽光性を付与する材料、及び/又は、耐火性、耐飛び火性、又は遮熱性等を有する材料を付与した表面補強防水層を設けることにより、表面層を省略し、直接、表面補強防水層を最上面とすることを特徴とする屋根、及び/又は、壁の構造を提供する。
【0021】
スレート、コンクリート、防水シート、木質材等の非金属材、又は金属製の建物の屋根又は壁の素地に対し、
請求項1、又は2、又は3、又は4、又は5、又は6、又は7、又は8、又は9、又は10記載の施工構造を用いたことを特徴とする屋根、及び/又は壁の施工方法を提供する。
【0022】
鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造であって、
該鋼構造物の素地に対し、表面除去層をケレンにより除いた素地表面に、ポリウレタン系樹脂、又は、フェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の主剤を用いた樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層を吹付等により設け、
前記断熱発泡層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層を吹付等により設け、
前記補強防水層の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層を、塗布又は吹付により設けたことを特徴とする鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造を提供する。
【0023】
鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造であって、
前記断熱発泡層は、ノンフロン発泡剤である二酸化炭素発泡剤を使用したことを特徴とする鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造を提供する。
【0024】
鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造であって、
該鋼構造物の素地に対し、表面除去層をケレンにより除いた素地表面に、プライマー層を塗装、又は吹付けにより形成し、
該プライマー層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層を吹付等により設け、
前記補強防水層の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層を、塗布又は吹付により設けたことを特徴とする鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造を提供する。
【0025】
鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造であって、
該鋼構造物の素地に対し、表面除去層をケレンにより除いた素地表面に、プライマー層を塗装、又は吹付けにより形成し、
該プライマー層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の前記補強防水層の材料に、耐紫外線等の耐太陽光性を付与する材料、及び/又は、耐火性、耐飛び火性、又は遮熱性等を有する材料を付与した表面補強防水層を設けることにより、表面層を省略し、直接、表面補強防水層を最上面とすることを特徴とする鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造を提供する。
【0026】
請求項12、又は13、又は14、又は15記載の鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造であって、
前記断熱発泡層の材料、及び/又は、前記補強防水層の材料、及び/又は、前記表面補強防水層の材料にガラス繊維、又は、カーボン繊維、又は短寸のステンレス、あるいはチタン等の金属繊維等の補強繊維を混入することにより、繊維強化型樹脂(FRP)とすることを特徴とする鋼構造物の表面施工構造を提供する。
【0027】
鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物であって、請求項12、又は13、又は14、又は15、又は16記載の施工構造を用いたことを特徴とする鋼構造物の表面施工方法を提供する。
【0028】
変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物質の漏出を防止する必要のある分野において、
機器設置場所及び周辺の床、又は基礎、又は地盤、又は地面等の素地の上面に、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の主剤を用いた樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層を設け、
前記断熱発泡層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層を設け、
前記補強防水層の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、難燃性、耐火性、又は耐飛び火性、又はトランス油等に対する耐腐食性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層を、塗布又は吹付けることにより変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出を防止することを特徴とする施工構造を提供する。
【0029】
変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物質の漏出を防止する必要のある分野において、
機器設置場所及び周辺の床、又は基礎、又は地盤、又は地面等の素地の上面に、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の主剤を用いた樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層を設け、
前記断熱発泡層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層を設け、
前記補強防水層の上面に、耐衝撃性、クッション性、不燃性、耐火性、トランス油等に対する耐腐食性を有する防護シート層を設けることにより、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出を防止することを特徴とする施工構造を提供する。
【0030】
変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物質の漏出を防止する必要のある分野において、
機器設置場所及び周辺の床、又は基礎、又は地盤、又は地面等の素地の上面に、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の主剤を用いた樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層を設け、
前記断熱発泡層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又それらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層を設け、
前記補強防水層の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、難燃性、耐火性、又は耐飛び火性、又はトランス油等に対する耐腐食性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層を、塗布又は吹付により設け、
前記表面層の上面に、耐衝撃性、クッション性、不燃性、耐火性、耐腐食性を有する防護シート層を設けることにより、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出を防止することを特徴とする施工構造を提供する。
【0031】
請求項18、又は19、又は20記載の施工構造であって、前記補強防水層の材料に、耐紫外線等の耐太陽光性を付与する材料、及び/又は、耐火性、耐飛び火性、又は遮熱性等を有する材料を付与した表面補強防水層を設けることにより、表面層を省略し、直接、表面補強防水層を最上面とすることにより、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出を防止することを特徴とする施工構造を提供する。
【0032】
請求項18、又は19、又は20、又は21記載の施工構造であって、
前記断熱発泡層は、最小厚さ2.0mm以上〜最大厚さ300mm以下で吹付、及び/又は前記補強防水層は引張強度、最小1.0N/mm〜最大50.0N/mm以下の速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層、又は表面補強防水層を最小厚さ0.5mm以上〜最大20mm以下で吹付けることにより、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出を防止することを特徴とする施工構造を提供する。
【0033】
請求項18、又は19、又は20、又は21、又は22記載の施工構造であって、
前記断熱発泡層は、ノンフロン発泡剤である二酸化炭素発泡剤を使用したことにより、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出を防止することを特徴とする施工構造を提供する。
【0034】
請求項18、又は19、又は20、又は21、又は22、又は23記載の施工構造であって、
前記断熱発泡層の材料、及び/又は、前記補強防水層の材料、及び/又は、前記表面 補強防水層の材料にガラス繊維、又は、カーボン繊維、又は短寸のステンレス、あるい はチタン等の金属繊維等の補強繊維を混入することにより、繊維強化型樹脂(FRP) とすることにより、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏 出を防止することを特徴とする施工構造を提供する。
【0035】
変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物質の漏出を防止する必要のある分野において、
請求項18、又は19、又は20、又は21、又は22、又は23、又は24記載の施工構造を用いたことを特徴とする変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出を防止する施工方法を提供する。
【発明の効果】
【0036】
(1)屋根、壁等の建築物の分野に関しては
1.断熱発泡層3及び補強防水層4は、熱伝導率が非常に小さいため、極めて高い断熱性を発揮でき、省エネルギー効果による地球温暖化防止と、又結露防止効果を発揮する。
2.断熱発泡層3及び/又は補強防水層4は、厚みが十分取れるため、防水性が高いこと、更に防音性が高いという利点を有する。
3.断熱発泡層3及び/又は補強防水層4は、素地1に対して、吹付によりシームレスで被覆することができるため、発ガン性物質であるアスベストを飛散より封じ込めることができ、更にアスベストの廃材を発生しないので、環境上極めて効果を発揮できる。
4.断熱発泡層3及び/又は補強防水層4は、吹付施工であるため、膜厚は自由に調節できるため、素地の取付用のボルト等の取付具を、巻き込んで施工したり、素地1の端部側面、又は不連続部をカバーし、シームレスで施工することができる。
5.素地1の取付具7は、長期間の腐食により、錆が発生しているが、本発明の構造、工法により、酸素を遮断することにより、錆や腐食の進行を防止することができるのである。
6.断熱発泡層3及び/又は補強防水層4は、素地1に破損された開口部1aがある場合も、布、合成樹脂のシート等の補修材9を被せて、シームレスに塞ぐことが可能である。
7.素地1が、スレート50の場合は、経時変化により重ね部52の端部が変形し、上部に跳ね上がってくる場合があり、重ね部52を押え具54により押えると、重ね部52が密着し、吹付け量が少量となり、良好な吹付け施工が可能となる。
8.断熱発泡層3及び/又は補強防水層4は、瞬間硬化型であるため施工時間が短く、極めて能率的に作業を行うことができる。
9.断熱発泡層3は、ポリウレタン系樹脂に代えて、フェノール系樹脂、又はそれらの混合物の主剤とすることで耐燃焼性、低発煙性を付与することができる。
10.断熱発泡層3及び/又は補強防水層4は、クッション性を有するため、台風や強風による飛来物が、屋根を直撃しても衝撃を吸収することができ破損を防止することができる。
11.断熱発泡層3及び/又は補強防水層4は、臭いの発生や、環境を配慮し、トルエン、キシレン等の有機溶剤を不使用とすることができる。
12.ノンフロン発泡剤を使用した断熱発泡層3を採用することにより、オゾン層破壊、地球温暖化の防止、資源の再利用による地球環境問題を発生させない施工構造、及び/又は施工方法とすることができる。
13.補強防水層4は、高強度であり、前述の補修施工時のスレートの破損による墜落災害を防止する効果を発揮することができる。
14.補強防水層4は、速乾性であり、作業者が、吹付けて2.0〜15秒には、その上に乗ることができる強度を発生するため、極めて安全性の高い工法であり、スレート屋根の踏抜き災害をほとんど防止できると言える画期的な特長を発揮することができる。
15.補強防水層4は、伸延性を有しており、スレート等である素地1が割れても補強防水層4は破損することなく追従することができる。
16.補強防水層4により、保証寿命を従来の通常10年から20年と向上することができる。
17.断熱発泡層3及び/又は補強防水層4に補強繊維を混入することにより更に強度を高めることが出来る。
18.補強防水層4に、アクリル系、又は2成分系のポリウレタン系樹脂等で耐紫外線等の耐太陽光性を有する材料、及び/又は耐火性、又は耐飛び火性を有する材料を所定の割合で、混入させた表面補強防水層を設けることにより、その耐久性能により表面層5を省略し、施工時間の大幅な短縮と、コスト削減効果を発揮できる。
19.表面層5は、火の粉等の飛火に対し対抗する飛び火性能を有している。従って建築基準法第22条区域内の建築物の屋根に対し火災の発生を防ぐ構造とすることができる。
20.表面層5は、前記補強防水層4、及び断熱発泡層3を、紫外線等の太陽光線からの劣化を防止することができ、長期間の変質防止効果を発揮することができる。
21.表面層5は、遮熱塗料により、太陽光を反射し、断熱効果を発揮することもできる。
22.断熱発泡層3、補強防水層4、及び表面層5は、その構成により、耐候性もきわめて高く通常−50℃の低温でも弾性を失うことなく、又、110℃の高温でも弾性力を維持できる。
【0037】
(2)鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の施工構造の分野においても、
1.断熱発泡層23及び/又は補強防水層24は、厚みが十分取れるため、防水性、耐腐食性が高いという利点を有する。
2.断熱発泡層23及び/又は補強防水層24は、吹付施工であるため、膜厚は自由に調節できるため、鋼構造物の断続部においても、巻き込んで施工したり、不連続部をカバーし、シームレスで施工することができる。
3.断熱発泡層23及び/又は補強防水層24は、瞬間硬化型であるため施工時間が短く、極めて能率的に作業を行うことができる。
4.断熱発泡層23は、ポリウレタン系樹脂の代りに、フェノール系樹脂、又はそれらの混合物の主剤を用いることで耐燃焼性、低発煙性を付与することができる。
5.断熱発泡層23及び/又は補強防水層24は、クッション性を有するため、台風や強風による飛来物が、直撃しても衝撃を吸収し、塗膜が破れない。
6.断熱発泡層23及び/又は補強防水層24は、接着性が良いので、プライマー層を設けることなく、吹付け施工できる。
7.断熱発泡層23及び/又は補強防水層24は、臭いの発生や、環境を配慮し、トルエン、キシレン等の有機溶剤を不使用とすることができる。
8.ノンフロン発泡剤を使用した断熱発泡層3を採用することにより、オゾン層破壊、地球温暖化の防止、資源の再利用による地球環境問題を発生させない施工構造、及び/又は施工方法とすることができる。
9.補強防水層24は、速乾性であり、作業者が、吹付て2.0〜15秒には、その上に乗ることができるため、作業時間を大幅に短縮することができ、広い面積の施工にきわめて適している。
10.断熱発泡層23及び/又は補強防水層24に補強繊維を混入することにより繊維強化型樹脂(FRP)として、更に強度を高めることが出来る。
11.補強防水層24に、耐火性、又は耐飛び火性を有する材料を所定の割合で、混入させた表面補強防水層を設けることにより、その耐久性能により表面層33を省略し、施工時間の大幅な短縮と、コスト削減効果を発揮できる。
12.断熱発泡層23、補強防水層24、及び表面層25は、その構成により、耐候性もきわめて高く通常−50℃の低温でも弾性を失うことなく、又、110℃の高温でも弾性力を維持できる。
【0038】
(3)変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物質の漏出を防止する必要のある分野においても、
1.断熱発泡層41及び/又は補強防水層42は、厚みが十分取れるため、漏出防止性が高いという利点を有する。特に、地震時等において伸延展性が優れるため、コンクリートにクラック38が発生しても、切れ目が発生せず、トランス油等、放射性物質等の危険物質が、地下に漏出する危険性がない。
2.断熱発泡層41及び/又は補強防水層42は、吹付施工であるため、膜厚は自由に調節できるため、地面とコンクリート面との断続部においても、巻き込んで施工したり、不連続部をカバーし、シームレスで施工することができる。
3.断熱発泡層41及び/又は補強防水層42は、素地であるコンクリート、地面に対し直接吹付けができ、湿潤状態でも施工可能であり、下地調整が不要で、ひび割れ等に対しコーキング作業が不要であり、プライマー層を設ける必要がないため、極めて能率的、かつ安価である。
4.断熱発泡層41及び/又は補強防水層42は、瞬間硬化型であるため施工時間が短く、極めて能率的に作業を行うことができる。
5.断熱発泡層41は、ポリウレタン系樹脂の代りに、フェノール系樹脂、又はそれらの混合物の主剤とすることで耐燃焼性、低発煙性を付与することができる。
6.断熱発泡層41及び/又は補強防水層42は、クッション性を有するため、台風や強風による飛来物が、直撃しても衝撃を吸収することができ破損を防止することができる。
7.断熱発泡層41は、地面35よりの水蒸気を通過発散できる通気性を有しているため、膨れ現象等を起こすことがない。
8.断熱発泡層41及び/又は補強防水層42は、臭いの発生や、環境を配慮し、トルエン、キシレン等の有機溶剤を不使用とすることができる。
9.ノンフロン発泡剤を使用した断熱発泡層3を採用することにより、オゾン層破壊、地球温暖化の防止、資源の再利用による地球環境問題を発生させない施工構造、及び/又は施工方法とすることができる。
10.補強防水層42は、速乾性であり、作業者が、吹付けて2.0〜15秒には、その上に乗ることができるため、作業時間を大幅に短縮することができ、広い面積の施工にきわめて適している。
11.補強防水層42により、保証寿命を向上することができる。
12.断熱発泡層41及び/又は補強防水層42に補強繊維45を混入することにより繊維強化型樹脂(FRP)として、更に強度を高めることが出来る。
13.補強防水層42に、耐火性、又は耐飛び火性を有する材料を所定の割合で、混入させた表面補強防水層を設けることにより、その耐久性能により表面層43を省略し、施工時間の大幅な短縮と、コスト削減効果を発揮できる。
14.断熱発泡層41、補強防水層42、及び表面層43は、その構成により、耐候性もきわめて高く通常−50℃の低温でも弾性を失うことなく、又、110℃の高温でも弾性力を維持できる。
15.特に、耐衝撃性、クッション性、不燃性、耐火性、耐腐食性を有する防護シート層44を設けることにより、トランス油31の漏出時も、遮断できるので、人体に悪影響を及ぼすPCB等が地盤に流出し、地下水に浸透するという近隣住民の健康障害を引き起こす大惨事を防止することができる。
16.同様に、原子力発電所の放射性物質含有の排水、排出物に関しても同様である。
17.化学工場、製薬工場等の危険物質に関しても同様である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による実施例1の施工方法、施工構造の斜視図である。
【図2】図1の素地の波形と直角方向の断面図である。
【図3】補強防水層4の実験データの一例である。
【図4】素地1の取付具7を巻き込んだ補修方法、構造を示す断面図である。
【図5】ボルト保護キャップ8を巻き込んだ補修方法、構造を示す断面図である。
【図6】素地1の破損された開口部1aの補修方法、構造を示す断面図である。
【図7】素地1の端部側面1bを巻き込んだ補修方法、構造を示す断面図である。
【図8】本発明による実施例2の施工方法、施工構造の斜視図である。
【図9】図8の素地の波形と直角方向の断面図である。
【図10】素地1の端部側面1bを巻き込んだ補修方法、構造を示す断面図である。
【図11】本発明による実施例3の施工方法、施工構造の斜視図である。
【図12】図11の素地の波形と直角方向の断面図である。
【図13】本発明による実施例4の拡大模式図である。
【図14】本発明による実施例5の施工方法、施工構造の斜視図である。
【図15】図14の素地の波形と直角方向の断面図である。
【図16】実施例6の断面詳細図である。
【図17】実施例7の断面詳細図である。
【図18】実施例8の断面詳細図である。
【図19】実施例9の拡大模式図である。
【図20】実施例10の変圧器の全体配置を示す概略断面図である。
【図21】図20の部分拡大断面図である。
【図22】実施例11の部分拡大断面図である。
【図23】実施例12の部分拡大断面図である。
【図24】実施例13の部分拡大断面図である。
【図25】本発明による実施例14の拡大模式図である。
【図26】従来例の変圧器の全体配置を示す概略断面図である。
【図27】フェノール系樹脂の構成を示す反応機構図である。
【図28】フェノール系樹脂の一般物性データである。
【図29】燃焼速度、比減光面積、平均発熱速度を示すデータである。
【図30】バーナーによる燃焼性と発煙性を示す実験状況である。
【図31】発泡剤の環境特性を示す1例の比較表である。
【図32】重ね部52が変形した状態を示す断面図である。
【図33】重ね部52を押え具54で押えた状態を示す断面図である。
【図34】重ね部52に断熱発泡層3、又は補強防水層4等を施工した断面図である。
【図35】重ね部52の端部を押えた状態の施工構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明は、前述した如く、建築物等の分野においては、
屋根及び/又は壁の補修作業に係る問題点を解決する補修施工構造及び施工方法を提供するものである。
又、鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造及び表面施工方法を提供するものである。
又、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出事故を防止する必要のある分野において、その機器の床、基礎、地盤の破損を防止する極めて高い安全性を発揮する画期的施工構造及び施工方法を提供するものである。
なお、本発明の前記ならびに、そのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。以下図面に基づいて詳細を説明する。
【実施例1】
【0041】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
建築物等の分野においては、
図1は、施工工程順の施工後の構造を示す斜視図であり、図2は、素地の波形と直角方向の断面図である。
全体の概略工程、及び構造を説明すると、スレート、コンクリート、防水シート、木質材等の非金属材、又は金属製の建物の屋根又は壁の素地1は、その支持梁2に対し固定されている。
前記素地1に対し、その表面に、ポリウレタン系樹脂及び/又はフェノール系樹脂等の樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層3を吹付ける。
【0042】
次に前記断熱発泡層3の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、ポリウレアー等の高強度樹脂製の補強防水層4を吹付ける。
【0043】
次に、前記補強防水層4の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層5を、塗布又は吹付ける。
【0044】
次に、夫々の工程及び構造の詳細について述べる。
断熱発泡層3は、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の樹脂製発泡材で構成された材料である。
通常、主剤としてポリオール、ポリプレングリコール(PPG)を主成分とする樹脂を用いる。
又はフェノール系樹脂、又はノボラック系熱可塑性樹脂を主成分としたフェノール系樹脂の主剤、又はそれらの混合物を主剤として用いる。
それらの前記主剤に対し、イソシアネート等の架橋剤を、混合比、略1:1で、混合して発泡させ、充填材、添加剤等を加えて、専用の最適な特殊ノズルの吹付機により、吹付施工する。
特にフェノール系樹脂系の主剤を用いると、耐燃焼性や、耐発煙性を高めることができる。
又、本発明の効果を高めるため、断熱発泡層3は、請求項7に記載の如く、独立気孔系の気孔とすることにより、水分の浸入の防止と断熱性を高めることができる。
【0045】
断熱発泡層3は、密度は20〜70kg/mであり、圧縮強度は、3〜5kgf/cmであり、吹付後、10〜60秒で、強度を発揮し、ある程度の補強効果を有している。
又、熱伝導率は、0.015〜0.025W/mKと非常に小さいため、極めて高い断熱性を発揮できる。
断熱発泡層3の厚さは、最小2.0mm〜最大100mmくらいが望ましい。
これは、2.0mm以下では、防水性と断熱性能が不十分で効果が発揮できないためである。又、100mm以上となると、重量が重くなり、素地1に過度の荷重を掛けるためと、施工コストが高くなるためである。
更に望ましくは、7mm〜50mmである。
【0046】
以上のように厚みが十分取れるため、断熱性が高いこと、防水性が高いこと、更に防音性が高いという利点を有するのである。
又、素地1に対して、吹付によりシームレスで被覆することができるため、発ガン物質であるアスベストを飛散より封じ込めることができ、更にアスベストの廃材を発生しないので、環境上極めて効果を発揮できる。前記補強防水層4も同様である。
【0047】
又、吹付施工であるため、膜厚は自由に調節できるため、例えば図4、図5に示すように、素地の取付用のボルト等の取付具を、巻き込んで施工したり、図7、図10のように素地1の端部側面及び/又は断熱発泡層3の端部側面をカバーしたり、図6に示すように、繋ぎ部等の不連続部をシームレスでカバーすることができる。前記補強防水層4も同様である。
【0048】
又、断熱発泡層3は、クッション性を有するため、台風や強風による飛来物が、屋根を直撃しても衝撃を吸収することができ破損を防止することができる。前記補強防水層4も同様である。
又瞬間硬化型であるため施工時間が短く、能率的に作業を行うことができる。
【0049】
又、臭いの発生や、環境を配慮し、トルエン、キシレン等の有機溶剤無添加とすること ができる。
【0050】
又、断熱発泡層3は、従来、発泡剤として使用されていたフロンHCFC141bは、オゾン層破壊物質であるため、モントリオール議定書に基づく規制により2003年末に生産が禁止されたため、その代替品として現在、代替フロンHFCが用いられている。
しかるに、代替フロンHFCは、オゾン層を破壊しないものの、京都議定書では、地球温暖化効果ガスに分類されている。
【0051】
この欠点を除くために、本発明構造においては、ノンフロン発泡剤である、イソシアネートと水の反応により発生する二酸化炭素ガスにより発泡させる「二酸化炭素発泡剤」を試験し、施工実験を繰り返した。
二酸化炭素発泡剤は、施工性、接着性が悪いといった難点を有している。
更に、環境庁が定めたグリーン購入法による再生資源を使用することが、環境問題を解決する上で、求められている。
しかるに、多くの施工実験の結果、施工性、接着性が良く、難燃材料であり、更に、グリーン購入法による再生資源を使用したポリオール成分によるノンフロン発泡剤の最適な成分、施工方法を発見し、ノンフロン発泡剤による断熱発泡層3を開発、施工することができた。
【0052】
図31は、発泡剤の環境特性を示す1例である。
これによると、二酸化炭素発泡剤は、オゾン破壊係数(ODP)が0であり、加えて地球温暖化係数(GWP)が最低の1となっている。
従って、今後の地球にとって最重要の環境問題を引き起こすことのない画期的な、施工構造、施工方法を開発することが出来たのである。
【0053】
次に、補強防水層4について説明すると、この層が、本発明の特徴を最も発揮する層である。
材質は、その一例として、通常主剤としてポリオール、ポリプレングリコール(PPG)を主成分とするポリウレタン系樹脂を用いる。
その主剤に対し、イソシアネート等の架橋剤を、混合比、略1:1で、混合して、充填材、添加剤等を加えて、専用の最適な特殊ノズルの吹付機により、吹付施工する。
【0054】
図3に、補強防水層4の実験データの一例であるJIS A−6021「建築用塗装皮膜防水剤」に準ずる物性測定の結果を示す。
本データに示される破断時引張性状では、引張強さは、規格値2.3N/mmに対し本発明構造の補強防水層4は、18.0N/mmの大幅な強度を有している。又破断時の伸び率では、規格値450%以上に対し、480%となっている。
劣化処理を行った後の引張性状に関しても、規格値に対し全て適合しており、劣化しにくいことを表している。
但し、本発明での補強防水層4は、このデータの範囲を含むものであり、このデータに限定されるものではない。
従って、本発明での補強防水層4の引張強度は、最小1.0N/mm〜最大50.0N/mm以下の高強度としている。
これは1.0N/mm以下では、補強効果が不十分であるからである。又、最大50.0N/mmとしたのは、強度的に作業者の荷重に対しそれ以上は必要なく、コストもかかるためである。
【0055】
又、本発明での補強防水層4は、最小厚さ0.5mm以上〜最大10mm以下で吹付けることにより、高強度と共に、高い防水性を発揮できる。
補強防水層4は、速乾性であり、高強度で、かつ伸延性がある材質となっている。従って、作業者が吹付けて2.0〜15秒には、その上に乗ることができ、極めて安全性の高い工法であり、前述の補修施工時のスレートの破損による踏抜き災害を全て防止できる、画期的な特長を発揮することができる。
補強防水層4は、伸延性を有しており、図3に示す如く破断時の伸び率は、480%となっており、スレート等である素地1が割れても補強防水層4は破損することなく追従することができる。
【0056】
但し、本発明での補強防水層4は、このデータの範囲を含むものであり、このデータに限定されるものではない。
従って、本発明での補強防水層4の伸び率は最小400%〜最大800%の伸びを発揮できる。
これは、断熱発泡層3では、破損を防止することが困難である弱点を補強する大きな特長を発揮するものである。この点も引例特許文献の構造にない大きな性能の差を発揮する点である。
【0057】
又、熱伝導率も0.015〜0.025W/mKと非常に小さいため、極めて高い断熱性を発揮できる。そのため、省エネルギー効果により、冷暖房費の削減が可能となり、地球温暖化防止に寄与することができる。
又、高い断熱性は、冬季における素地1の内側表面温度を高めることにより、結露防止効果も発揮することができる。
【0058】
次に、防水性能は、補強防水層4を設けないときは、その寿命保証値は、通常10年間としているが、補強防水層4の防水性向上により、寿命保証値を20年とすることができる。
このことは、前述の従来例の如く、長期の使用により表面層に紫外線等の太陽光線や、雨、雪等による劣化、経年変化が起こりクラックが発生する。そうなるとそのクラックより断熱発泡層の微細な開孔に雨水が浸入し、凍結等により割れや変質が発生し、断熱発泡層を破壊するが、その表層側の補強防水層4により、これらを防止することにより達成されるのである。
【0059】
補強防水層4の厚さは、最小0.5mm〜最大10mmくらいが望ましい。
これは、0.5mm以下では、補強強度と防水性と断熱性能が不十分であるためである。
又、10mm以上となると、強度は十分であり、返って吹付施工時間が長くなり、能率を阻害することと、施工コストが高くなるためである。
更に望ましくは、1.0mm〜5.0mmである。
【0060】
前述の補強防水層4は、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等を使用することができる。
ポリウレアー系樹脂は、引張り強度が強く、その半面伸び率が低くなる。
たとえば、引張り強度の比較試験では、ポリウレタン系樹脂が14MPaであったのに対し、ポリウレアー系樹脂では24MPaであった。又、伸び率は、ポリウレタン系樹脂が350%であったのに対しポリウレアー系樹脂では200%であった。これらの選択は、施工場所の必要条件により適合して選択することができる。
【0061】
又、耐燃焼性や、耐発煙性を高めるため、ポリウレタン系樹脂、ポリウレアー系樹脂の主剤に換えて、フェノール系樹脂、又はノボラック系熱可塑性樹脂を主成分としたフェノール系樹脂の主剤、又はそれらの混合物を主剤として用いることもできる。
【0062】
次に、前記補強防水層4の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層5を、塗布又は吹付ける。
表面層5は、火の粉等の飛火に対し対抗する飛び火性能を有している。従って建築基準法第22条区域内の建築物の屋根に対し火災の発生を防止する構造とすることができるのである。
又、耐紫外線等の耐太陽光性を有する材料を塗装又は吹付により塗布する。
その効果により、前記補強防水層4、及び断熱発泡層3は、紫外線等からの劣化を防止することができ、長期間の変質防止効果を発揮することができるのである。
又遮熱塗料により、太陽光を反射し、断熱効果を発揮することもできる。
表面層5は、ローラーや刷毛による塗装や、エアレス吹付機等により塗装することができる。
【0063】
表面層5の厚さは、最小20ミクロン〜最大1.0mmくらいが望ましい。
これは、20ミクロン以下では、耐紫外線等の耐太陽光性、耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性が、不十分となるためである。
又、1.0mm以上となると、補強防水層4等の熱膨張により割れが、発生し、施工時間が過大となり、施工コストが高くなるためである。
更に望ましくは、20ミクロン〜60ミクロンである。
本発明の施工方法、施工構造の断熱発泡層3、補強防水層4、及び表面層5は、その構成により、耐候性もきわめて高く通常−50℃の低温でも弾性を失うことなく、又、110℃の高温でも弾性力を維持できる。
【0064】
図4、又、図5は、前述の如く素地の取付用のボルト等の取付具7を、巻き込んで施工することが、シームレスで、行うことができることを示した断面図である。図5は、ボルト保護キャップ8が設けられているときの補修状態を示す。
又、図6は、素地1であるスレートに破損された開口部1a等の不連続部が、有る場合の補修工法を示すものである。開口部1aに対し、布、合成樹脂のシート等の補修材9を被せ、その上から断熱発泡層3を吹付ることにより開口部1aをシームレスに塞ぐことが可能である。不連続部は、この他、素地1の繋ぎ部や、角処理部等も同様である。
【0065】
次に、図7、図10のように素地1の端部側面1bを、断熱発泡層3と、補強防水層4で防水したり、断熱発泡層3の端部側面3bを、カバーすることにより、補強防水層4で防水を行うことができる。これらは、局部的な一例であるが、このように、通常なら漏水の発生しやすいその他の前記不連続部もシームレスに保護することができる。
図4、又、図5の取付具7は、長期間の腐食により、錆が発生しているが、本発明の工法により、それらをカバーするため酸素を遮断することにより、錆や腐食の進行を防止することができるのである。
【0066】
次に、図32に示すように素地1が、スレート50の場合は、新設時は、隣接する素地51であるスレート等に対し、通常1〜2山の重ね部52を設けて施工される。
しかるに、経時変化により図32のように、重ね部52の端部が変形し、上部に跳ね上がってくる場合があり、その場合の施工構造、施工方法について述べる。
このように端部が、開いていると、断熱発泡層3、又は補強防水層4を施工しようとしても、開口部53より、材料が侵入し、吹付け量が多大になり、施工が困難となる場合がある。
【0067】
この場合は、図33に示すように、重ね部52のスレート50の上方から、通常「ビス」と呼ばれる先端きり付ネジ、又はボルトナット等の押え具54を工具によりねじ込み、重ね部52を先端きり付ネジ、又はボルトナット等の押え具54により押えると、重ね部52が密着し、良好な吹付け施工が可能となるのである。
その次に、図34に示すように断熱発泡層3、又は補強防水層4等をその上方に施工し、シームレスで、欠陥の無い構造とすることが出来る。
図35は、先端きり付ネジ、又はボルトナット等の押え具54により重ね部52の跳ね上がった端部を押えた状態の施工構造の斜視図である。
この場合、スレート以外の素地に対しても同様である。
【実施例2】
【0068】
以下、本発明の実施例2は、スレート、コンクリート、防水シート、木質材等の非金属材、又は金属製の建物の屋根又は壁の素地に対し、
その表面に、プライマー層6を塗装又は吹付により形成し、該プライマー層6の表面に、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の樹脂製発泡材で構成された速乾性の断熱発泡層3を吹付ることにより、断熱発泡層3の素地1に対する密着度を向上させたものである。
図8は、施工工程順の施工後の構造を示す斜視図であり、図9は、素地の波形と直角方向の断面図である。図10は、実施例2での素地1の端部側面1bを、断熱発泡層3と、補強防水層4で防水したり、断熱発泡層3の端部側面3bを、カバーする補修方法を示す断面図である。
【0069】
このプライマー層6は、必須のものではないが、通常、屋根の素地1の表面には、藻、カビ、ゴミ、レイタンス等が付着しておることが多く、付着の著しい所はそれらを洗浄で除いても良いが、全体的には、プライマー層6を設けることにより、断熱発泡層3の密着度を向上させることができる。材料は、水性又は油性プライマー等、もしくは、それらの混合物が選択される。このプライマー層6により、前述のアスベスト封止効果を更に高めることもできる。
【実施例3】
【0070】
本発明の実施例3は、断熱発泡層3を無くし、素地1の表面に、プライマー層6を塗装又は吹付により形成し、その表面に、直接補強防水層4を、吹付により施工し、更に、その表面に、表面層5を施工する方法及び構造である。
図11は、施工工程順の施工後の構造を示す斜視図であり、図12は、素地の波形と直角方向の断面図である。
このように構成すると、断熱発泡層3がないため施工厚さが大幅に削減でき、重量の軽減、施工時間の大幅な短縮により、大幅なコスト削減を図ることができる。
【実施例4】
【0071】
本実施例は、図13に構造の拡大模式図を示すごとく、断熱発泡層3及び/又は、補強防水層4の材料に、ガラス繊維、又は、カーボン繊維、又は短寸のステンレスや、チタン等の金属繊維等の補強繊維10を混入することにより繊維強化型樹脂(FRP)としたものである。
断熱発泡層3及び/又は、補強防水層4の材料は、一般に繊維強化型樹脂(FRP)として多用されている軟質ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂等の材料を用いても良い。
補強繊維10の線径、長さ等は、その材料にあわせて最適な物を選定使用し、補強効果を調節することができる。例えば、ガラス繊維又はカーボン繊維の例で示すと、素線の線径は、3〜20ミクロン(μm)であり、それを単独で混入したり、又は撚りあわせて相対直径0.5〜2.0ミリ(mm)の繊維束として混入する。素線、又は繊維束の長さは、1〜30ミリ(mm)とすることにより、断熱発泡層3及び/又は、補強防水層4の材料に、混入することが容易であり、大幅な補強効果を与えることが出来る。
これらの補強繊維10の補強効果により断熱発泡層3及び/又は、補強防水層4は、更に高強度を発揮できることにより、施工厚さが削減でき、重量の軽減、施工時間の大幅な短縮が図られ樹脂材料の使用料を減らすコスト削減効果を得ることができる。
【実施例5】
【0072】
本実施例は、補強防水層4の材料に、表面層5の耐紫外線等の耐太陽光性を有する材料、及び/又は、耐火性、又は耐飛び火性を有する材料を所定の割合で、混入させることにより、その耐久性能により表面層5を省略し、直接、表面補強防水層11を、最上面とする施工方法、及び構造である。
例えば、アクリル系、又は2成分系のポリウレタン系樹脂等を混入させることにより、耐紫外線等の耐太陽光性を強化することが出来る。表面補強防水層11の材料の実施例としては、例えば旭硝子ポリウレタン建材株式会社(登録商標)製の製品名「サラセーヌT」(登録商標)等を混入した材料が用いられる。
【0073】
又、表面補強防水層11の耐火性・耐飛び火性に対しては、通常7号珪砂と呼称される粒径が0.2〜0.3ミリ(mm)φの珪砂を混入することにより付与することが出来る。
又、耐燃焼性や、耐発煙性を高めるため、ポリウレタン系樹脂、ポリウレアー系樹脂の主剤に換えて、フェノール系樹脂、又はノボラック系熱可塑性樹脂を主成分としたフェノール系樹脂の主剤、又はそれらの混合物を主剤として用いることもできる。
そして、これらの耐久性能により表面層5を省略し、直接、表面補強防水層11を最上面とすることができるのである。
この実施例では、表面層5の工程と材料を削減することが出来るので、施工時間の大幅な短縮による能率化と、更に表面層5の樹脂材料の使用量を減らすコスト削減効果がある。
【実施例6】
【0074】
本実施例6は、 鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の施工構造であって、
図16に、本実施例の断面詳細図を示す。
鋼構造物の素地20に対し、表面除去層21をケレンにより除いた素地表面22に、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層23を吹付等により設け、
前記断熱発泡層23の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層24を吹付等により設ける。
【0075】
又、耐燃焼性や、耐発煙性を高めるため、ポリウレタン系樹脂、ポリウレアー系樹脂の主剤に換えて、フェノール系樹脂、又はノボラック系熱可塑性樹脂を主成分としたフェノール系樹脂の主剤、又はそれらの混合物を主剤として用いることもできる。
前記補強防水層24の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層25を、塗布又は吹付により設けた施工構造である。
【0076】
鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面には、従来、さび止め塗料が塗られ、その上に水性、又は油性の塗装膜が塗られて、鋼構造物の腐食を防止し、又美観の確保をしている。
しかるに、これ等の塗装膜は、通常0.1mmから5mmの膜厚であり、長年の使用により、劣化し、5から10年くらいの頻度で再塗装をしなければならず、再塗装は、特に大型の鋼構造物に対しては、足場の仮設、撤去、再塗装工事と大幅な時間と費用が掛かり、長寿命の塗装構造が望まれてきた。
本実施例は、これらの弱点を無くし、長寿命の施工構造及び/又は鋼構造物の施工方法を提供するものである。
【0077】
図16に従って説明すると、鋼構造物の素地20の表面は、酸化膜等の表面除去層21があるため、それを除くため、通常ケレンと呼ばれる表面除去層21を除く作業を行って素地表面22の上に、実施例1から実施例5に前述した性状、機能を有する断熱発泡層、補強防水層、表面層等を施工するものである。夫々の性状、機能の詳細の説明は省略し、本実施例に特記すべき説明を追記するものである。
ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層23は、鋼の素地表面22への付着性が高いため、長期の使用においても剥離することがなく、又万一剥離しても、その上層にある補強防水層24が強度を有するため、一体化し素地表面22の露出を防ぐことが出来るのである。
従って従来では、考えられない長寿命が達成できるのである。
【0078】
断熱発泡層23は、密度は20〜70kg/mであり、圧縮強度は、3〜5kgf/cmであり、吹付後、10〜60秒で、強度を発揮し、ある程度の補強効果を有している。
又、熱伝導率は、0.015〜0.025W/mKと非常に小さいため、極めて高い断熱性を発揮できる。
断熱発泡層3の厚さは、最小0.5mm〜最大100mmくらいが望ましい。
これは、0.5mm以下では、防水性が不十分で効果が発揮できないためである。又、100mm以上となると、重量が重くなり、素地1に過度の荷重を掛けるためと、施工コストが高くなるためである。
更に望ましくは、0.7mm〜50mmである。
【0079】
又、断熱発泡層41は、クッション性を有するため、台風や強風による飛来物が、直撃しても衝撃を吸収することができ破損を防止することができる。前記補強防水層42も同様である。
又瞬間硬化型であるため施工時間が短く、能率的に作業を行うことができる。
又、臭いの発生や、環境を配慮し、トルエン、キシレン等の有機溶剤無添加とすること ができる。
【0080】
又、前述の如く、ノンフロン発泡剤であるイソシアネートと水の反応により発生する二 酸化炭素ガスにより発泡させる「二酸化炭素発泡剤」を使用した断熱発泡層3を採用す ることにより、地球環境問題を発生させない施工構造、及び/又は施工方法とすること ができる。
【実施例7】
【0081】
本実施例7は、鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の施工構造であって、
図17に、本実施例の断面詳細図を示す。
鋼構造物の素地20に対し、表面除去層21をケレンにより除いた素地表面22に、プライマー層26を塗装、又は吹付けにより形成する。
該プライマー層26の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層24を吹付、塗装等により設ける。
ポリウレアー系樹脂は、引張強度が強く、その半面伸び率が低くなる。
たとえば、引張強度の比較試験では、ポリウレタン系樹脂系が14MPAであったのに対し、ポリウレアー系では24MPaであった。又、伸び率は、ポリウレタン系樹脂が350%であったのに対しポリウレアー系樹脂では200%であった。
【0082】
又、耐燃焼性や、耐発煙性を高めるため、ポリウレタン系樹脂、ポリウレアー系樹脂の主剤に換えて、フェノール系樹脂、又はノボラック系熱可塑性樹脂を主成分としたフェノール系樹脂の主剤、又はそれらの混合物を主剤として用いることもできる。
これらの選択は、施工場所の必要条件により適合して選択することができる。
前記補強防水層の表面には、耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層25を、塗布又は吹付により構成したことを特徴とする鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の施工構造及び/又は鋼構造物の設置施工方法を提供するものである。
この実施例7は、プライマー層26により素地表面22に対する付着性を高め、その上層に補強防水層24を吹付、塗装等により設け、更にその上層に、耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層25を、塗布又は吹付により構成することにより、簡略な構造で更に長寿命を達成できる構造を提供するものである。
【実施例8】
【0083】
本実施例8は、鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の施工構造であって、
図18に、本実施例の断面詳細図を示す。
鋼構造物の素地に対し、表面除去層21をケレンにより除いた素地表面22に、プライマー層26を塗装、又は吹付けにより形成し、該プライマー層26の表面に、前記補強防水層24の材料に、耐紫外線等の耐太陽光性を付与する材料を混入させ、及び/又は、耐火性、耐飛び火性を有する珪砂等の材料を混入させた表面補強防水層27を設けることにより、表面層を省略し、直接、表面補強防水層27を最上面とすることを特徴とする鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の施工構造及び/又は鋼構造物の設置施工方法を提供するものである。
このように構成することにより、工事は、プライマー層26と表面補強防水層27の2層の工事で完了するため、大幅な施工時間と、施工コストを削減することができるのである。
【実施例9】
【0084】
本実施例9は、前記実施例6、7、8に記載の鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の施工構造であって、
図19に、本実施例の断面詳細模式図を示す。
前記断熱発泡層23及び/又は、前記補強防水層24の材料、及び/又は、前記表面補強防水層27の材料にガラス繊維、又は、カーボン繊維、又は短寸のステンレス、あるいはチタン等の金属繊維等の補強繊維28を混入することにより、繊維強化型樹脂(FRP)とすることを特徴とする鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の施工構造及び/又は鋼構造物の設置施工方法を提供するものである。
このように構成することにより、更なる長寿命が達成でき、大幅な施工時間と、施工コストを削減することができるのである。
【実施例10】
【0085】
本実施例10は、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出事故を防止する必要のある分野において、その機器の周辺の床、基礎、地盤の破損を防止する極めて高い安全性を発揮する画期的な施工構造及び施工方法を提供するものである。説明の一例として変電所、発電所、原子力発電所等の変圧器30に関し、詳説するものである。但し、危険物漏出事故を防止する必要のある分野において、変圧器以外に関しても適用できることを、含むものである。
【0086】
図26は、従来例の変圧器の全体配置を示す概略断面図である。変圧器30の機器内部には、トランス油31が、封入されており、絶縁性能を確保している。
変圧器30の基礎32の周囲には、防油ピット33が、設けられており、その外周には、防油堤34が設置され、トランス油31や汚染水が、外部の地面35に漏出しないよう構成されている。なお防油ピット33内には、配線樋も設置されるが、配線樋の表面にも同様の設置構造を設けることができるが、煩雑を避けるため図示しない。
防油ピット33の内部には、通常、バラスト石36が入れられている。
防油ピット33の底面には、コンクリート板37等が置かれ、基礎32、及び防油堤34との目地等をシール材により塞いでいる。このような構成では、防油ピット33の内部、防油堤34の内面を直接目視確認ができないため、定期的にバラスト石36を排出し、損傷部を確認する必要があった。
しかし強大な地震が発生した時は、変圧器30が転倒、破損し、内部に封入されているトランス油31が漏出し、防油ピット33の底面や防油堤34の内面に、クラック38が発生すると、そのクラック38よりトランス油31が、漏出する事故が発生したが、それを防止する適切な処置が創出されてなかった。
【0087】
トランス油等には、人体に悪影響を及ぼすPCB等が含有されており、万一、地盤に流出し、地下水に浸透すると、取返しのつかない大公害事故となり、近隣住民の健康障害を引き起こす大惨事となる。
【0088】
通常、防油ピット、防油堤の溝には、バラスト石36が、入れられているので、クラック38等の欠陥を、目視することができないので漏出を、即座に発見、対処することができなかった。
本発明は、これらの欠点を排除し、大型地震や台風等の災害に耐える画期的な保護構造保護方法を提供するものである。
【0089】
図20は、実施例10の変圧器の全体配置を示す概略断面図である。図21は、図20の部分拡大断面図を示す。
本実施例の全体の概略工程、及び構造を説明すると、
防油ピット33と、防油堤34で構成されるピット内表面39には、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層41を吹付ける。
【0090】
次に前記断熱発泡層41の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層42を吹付ける。
次に、前記補強防水層42の表面に不燃性、耐火性、トランス油等により腐食されない耐腐食性を有する1層又は複数層の表面層43を、塗布又は吹付る。
【0091】
次に、夫々の工程及び構造の詳細について述べる。
断熱発泡層41は、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の樹脂製発泡材で構成された材料であって、通常、主剤としてポリオール、ポリプレングリコール(PPG)を主成分とする樹脂を用いる。
又はフェノール系樹脂、又はノボラック系熱可塑性樹脂を主成分としたフェノール系樹脂の主剤、又はそれらの混合物を主剤として用いる。
その主剤に対し、イソシアネート等の架橋剤を、混合比、略1:1で、混合して発泡させ、充填材、添加剤等を加えて、専用の最適な特殊ノズルの吹付機により、吹付施工する。
特にフェノール系樹脂の主剤を用いると、耐燃焼性や、耐発煙性を高めることができる。
特に、本発明の更なる利点として、通常、地面35には、水分が浸透しており、その水分が地上方向に、水蒸気となって蒸発してくるが、前記断熱発泡層41は、地面よりの水蒸気を通過発散できる通気性を有することができるので、地面35の表面に吹付けても、膨れ現象等の問題を起こすことがないという優れた特性を有するものである。
【0092】
断熱発泡層41は、密度は20〜70kg/mであり、圧縮強度は、3〜5kgf/cmであり、吹付後、10〜60秒で、強度を発揮し、ある程度の補強効果を有している。
又、熱伝導率は、0.015〜0.025W/mKと非常に小さいため、極めて高い断熱性を発揮できる。
断熱発泡層41の厚さは、最小2.0mm〜最大300mmくらいが望ましい。
これは、2.0mm以下では、防水性と断熱性能が不十分で効果が発揮できないためである。又、300mm以上となると、重量が重くなり、施工コストが高くなるためである。
更に望ましくは、10mm〜200mmである。
【0093】
以上のように厚みが十分取れるため、防水性を有しながら、水蒸気等の通気性を有し、断熱性が高いという利点を有するのである。
又、ピット内表面39に対して、吹付によりシームレスで被覆することができるため、ピット内表面39の不連続部に目止め等の内面処理を行う必要がないので、短時間に能率良く施工することができる。前記補強防水層42も同様である。
又、吹付施工であるため、膜厚は自由に調節できるため、例えば図20〜図23に示すようなクラック38が、存在しても不連続部をシームレスでカバーすることができる。前記補強防水層42も同様である。
【0094】
又、断熱発泡層41は、クッション性を有するため、台風や強風による飛来物が、直撃しても衝撃を吸収することができ破損を防止することができる。前記補強防水層42も同様である。
又瞬間硬化型であるため施工時間が短く、能率的に作業を行うことができる。
又、臭いの発生や、環境を配慮し、トルエン、キシレン等の有機溶剤無添加とすること ができる。
【0095】
又、前述の如く、ノンフロン発泡剤であるイソシアネートと水の反応により発生する二酸化炭素ガスにより発泡させる「二酸化炭素発泡剤」を使用した断熱発泡層3を採用することにより、地球環境問題を発生させない施工構造、及び/又は施工方法とすることができる。
【0096】
次に、補強防水層42について説明すると、この層が、本発明の特徴を効果的に発揮する層である。
材質は、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の樹脂製発泡材で構成された材料である。
通常、主剤としてポリオール、ポリプレングリコール(PPG)を主成分とする樹脂を用いる。
又はフェノール系樹脂、又はノボラック系熱可塑性樹脂を主成分としたフェノール系樹脂の主剤、又はそれらの混合物を主剤として用いることもできる。
その主剤に対し、イソシアネート等の架橋剤を、混合比、略1:1で、混合して発泡させ、充填材、添加剤等を加えて、専用の最適な特殊ノズルの吹付機により、吹付施工する。
特にフェノール系樹脂の主剤を用いると、耐燃焼性や、耐発煙性を高めることができる。
【0097】
又は、前述の補強防水層42は、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等を使用することができる。
ポリウレアー系樹脂は、引張り強度が強く、その半面伸び率が低くなる。
たとえば、引張り強度の比較試験では、ポリウレタン系樹脂系が14MPAであったのに対し、ポリウレアー系では24MPaであった。又、伸び率は、ポリウレタン系樹脂が350%であったのに対しポリウレアー系樹脂では200%であった。
断熱発泡層41は、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の樹脂製発泡材で構成された材料である。
通常、主剤としてポリオール、ポリプレングリコール(PPG)を主成分とする樹脂を用いる。
又はフェノール系樹脂、又はノボラック系熱可塑性樹脂を主成分としたフェノール系樹脂の主剤、又はそれらの混合物を主剤として用いる。
その主剤に対し、イソシアネート等の架橋剤を、混合比、略1:1で、混合して発泡させ、充填材、添加剤等を加えて、専用の最適な特殊ノズルの吹付機により、吹付施工する。
特にフェノール系樹脂の主剤を用いると、耐燃焼性や、耐発煙性を高めることができる。
これらの選択は、施工場所の必要条件により適合して選択することができる。
【0098】
図3に、ポリウレタン系樹脂の補強防水層42の実験データの一例であるJIS A−6021「建築用塗装皮膜防水剤」に準ずる物性測定の結果を示す。
本データに示される破断時引張性状では、引張強さは、規格値2.3N/mmに対し本発明構造の補強防水層42は、18.0N/mmの大幅な強度を有している。又破断時の伸び率では、規格値450%以上に対し、480%となっている。
劣化処理を行った後の引張性状に関しても、規格値に対し全て適合しており、劣化しにくいことを表している。
但し、本発明での補強防水層42は、このデータの範囲を含むものであり、このデータに限定されるものではない。
【0099】
従って、本発明での補強防水層42の引張強度は、最小1.0N/mm〜最大50.0N/mm以下の高強度としている。
これは1.0N/mm以下では、補強効果が不十分であるからである。又、最大50.0N/mmとしたのは、強度的に作業者の荷重に対しそれ以上は必要なく、コストもかかるためである。
又、本発明での補強防水層42は、最小厚さ0.5mm以上〜最大20mm以下で吹付ることにより、高強度と共に、高い防水性を発揮できる。
【0100】
補強防水層42は、速乾性であり、高強度で、かつ伸延性がある材質となっている。従って、作業者が吹付て2.0〜15秒には、その上に乗ることができ、踏抜き破損を防止できるため極めて能率的な安全性の高い工法である。
補強防水層42は、伸延性を有しており、図3に示す如く破断時の伸び率は、480%となっており、コンクリート製である防油ピット33、防油堤34、コンクリート板37に、クラック38が発生しても、補強防水層42は破損することなく追従することができる。
但し、本発明での補強防水層42は、このデータの範囲を含むものであり、このデータに限定されるものではない。
従って、本発明での補強防水層42の伸び率は最小400%〜最大800%の伸びを発揮できる。
これは、断熱発泡層41の強度を補強する大きな特長を発揮するものである。
【0101】
又、熱伝導率も0.015〜0.025W/mKと非常に小さいため、極めて高い断熱性を発揮できる。又、高い断熱性は、冬季におけるピット内表面39の凍結によるクラック38の発生を防止することができる。
補強防水層42を設けないときは、長期の使用により表面層43に劣化、経年変化が起こりクラックが発生した場合、そのクラックより断熱発泡層31の微細な開孔に雨水が浸入し、凍結等により割れや変質が発生し、断熱発泡層41を破壊するが、その表層側の補強防水層42により、これらを防止することにより達成されるのである。
補強防水層42の厚さは、最小0.5mm〜最大20mmくらいが望ましい。
これは、0.5mm以下では、補強強度と防水性と断熱性能が不十分であるためである。
又、20mm以上となると、強度は十分であり、返って吹付施工時間が長くなり、能率を阻害することと、施工コストが高くなるためである。
更に望ましくは、1.0mm〜10.0mmである。
【0102】
次に、前記補強防水層42の表面に耐紫外線等の耐太陽光性を有する材料、及び/又は不燃性、耐火性、トランス油等により腐食されない耐腐食性を有する1層又は複数層の表面層43を、塗布又は吹付ける。
表面層43は、火の粉等の飛火に対し対抗する飛び火性能を有している。従って建築基準法第22条区域内の建築物の屋根に対し火災の発生を防ぐ構造とすることができるのである。
表面層43は、ローラーや刷毛による塗装や、エアレス吹付機等により塗装することができる。
【0103】
表面層43の厚さは、最小20ミクロン〜最大3.0mmくらいが望ましい。
これは、20ミクロン以下では、耐太陽光性、不燃性、耐火性、又は耐飛び火性、又は腐食性が、不十分となるためである。
又、3.0mm以上となると、施工時間が過大となり、施工コストが高くなるためである。
更に望ましくは、20ミクロン〜2mmである。
本発明の施工方法、施工構造の断熱発泡層41、補強防水層42、表面層43及び表面補強防水層46は、その構成により、耐候性もきわめて高く通常−50℃の低温でも弾性を失うことなく、又、110℃の高温でも弾性力を維持できる。
【0104】
又、開口部をシームレスに塞ぐことが可能であり、ピット内表面39の不連続部の他、繋ぎ部や、角処理部等も同様である。
【0105】
次に、図20、図21のように、断熱発泡層41の端部側面を、カバーすることにより、補強防水層42で防水を行うことができる。
【実施例11】
【0106】
図22は、実施例11の部分拡大断面図を示す。
本実施例の全体の概略工程、及び構造を説明すると、防油ピット33と、防油堤34で構成されるピット内表面39には、ポリウレタン系樹脂等の樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層41を吹付る。
【0107】
次に前記断熱発泡層41の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、ポリウレアー系樹脂等の高強度樹脂製の補強防水層42を吹付る。
【0108】
次に、前記補強防水層42の表面に、バラスト石36を、ダンプトラック等で、落下充填した時に、その衝撃に耐えるクッション性を有し、不燃性、耐火性、耐腐食性を有する防護シート層44を設けることにより、更に耐衝撃性、不燃性、耐火性、トランス油等により腐食されない耐腐食性を強化した施工構造、施工方法である。
【0109】
次に、夫々の工程及び構造の詳細について述べる。
断熱発泡層41及び前記補強防水層42は、前述のごとく同様の特徴と性能を有している。
【0110】
次に、防護シート層44は、前記補強防水層42の表面に敷設され、バラスト石36を、ダンプトラック等で、落下充填した時に、その衝撃に耐えるクッション性を有し、不燃性、耐火性、トランス油により腐食されない耐腐食性を有するシートである。材質の例としては、合成樹脂製、ゴム製、ガラス繊維等のセラミック製のシート、マット、防水布等が適用される。
又、火の粉等の飛火に対し対抗する飛び火性能を有している。従って建築基準法第22条区域内の建築物の屋根に対し火災の発生を防止する構造とすることができるのである。
又、更に、紫外線等の耐太陽光性を有する材料を混入することにより、紫外線等からの劣化を防止することができる。
【0111】
防護シート層44の厚さは、最小0.2ミリ〜最大20.0mmくらいが望ましい。
これは、0.2ミリ以下では、クッション性、不燃性、耐火性、又は耐飛び火性、又は耐腐食性が、不十分となるためである。
又、20.0mm以上となると、取扱いがし難くなり施工時間が過大となり、施工コストが高くなるためである。
本発明の施工方法、施工構造の断熱発泡層41、補強防水層42、及び防護シート層44は、その構成により、耐候性もきわめて高く通常−50℃の低温でも弾性を失うことなく、又、110℃の高温でも弾性力を維持できる。
【0112】
又、開口部をシームレスに塞ぐことが可能であり、ピット内表面39の不連続部の他、繋ぎ部や、角処理部等も同様である。
【0113】
次に、図22のように、断熱発泡層41の端部側面を、カバーすることにより、補強防水層42で防水を行うことができる。
【実施例12】
【0114】
図23は、実施例12の部分拡大断面図を示す。
本実施例の全体の概略工程、及び構造を説明すると、防油ピット33と、防油堤34で構成されるピット内表面39には、ポリウレタン系樹脂、又は、フェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層41を吹付ける。
【0115】
次に前記断熱発泡層41の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層42を吹付る。
【0116】
次に、前記補強防水層42の表面に不燃性、耐火性、トランス油等により腐食されない耐腐食性を有する1層又は複数層の表面層43を、塗布又は吹付ける。
【0117】
次に、前記表面層43の表面にバラスト石36を、ダンプトラック等で、落下充填した時に、その衝撃に耐えるクッション性を有し、不燃性、耐火性、耐腐食性を有する防護シート層44を設けることにより、更に耐衝撃性、不燃性、耐火性、トランス油等により腐食されない耐腐食性を強化した施工構造、施工方法である。
【0118】
この実施例は、前記補強防水層42と防護シート層44の間に、表面層43を、設けたものであり、このように構成することにより、補強防水層42及び断熱発泡層41が更に保護され安全性を向上することができる。
【実施例13】
【0119】
図24に、本実施例の部分拡大断面図を示す。
本実施例の全体の概略工程、及び構造を説明すると、防油ピット33と、防油堤34で構成されるピット内表面39には、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物の樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層41を吹付ける。
該断熱発泡層41の表面に、前記補強防水層42の材料に、耐紫外線等の耐太陽光性を付与する材料を混入させ、及び/又は、耐火性、耐飛び火性を有する珪砂等の材料を混入させた表面補強防水層46を設けることにより、表面層を省略する構成となっている。
表面補強防水層46上層に、バラスト石36を、ダンプトラック等で、落下充填した時に、その衝撃に耐えるクッション性を有し、不燃性、耐火性、耐腐食性を有する防護シート層44を設けることにより、更に耐衝撃性、不燃性、耐火性、トランス油等により腐食されない耐腐食性を強化した施工構造及び/又は施工方法を提供するものである。
このように構成することにより、工事は、前記断熱発泡層41と表面補強防水層46と、防護シート層44の3層の工事で完了するため、大幅な施工時間と、施工コストを削減することができるのである。
【実施例14】
【0120】
この実施例は、図25に拡大模式図を示す如く、前記断熱発泡層41及び/又は、前記補強防水層42、及び/又は、前記表面補強防水層46の材料に、ガラス繊維、又は、カーボン繊維、又は短寸のステンレス、あるいはチタン等の金属繊維等の補強繊維45を混入することにより、繊維強化型樹脂(FRP)とすることを特徴とする設置構造、施工方法を提供するものである。
断熱発泡層41及び/又は、補強防水層42の材料は、一般に繊維強化型樹脂(FRP)として多用されている軟質ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂等の材料を用いても良い。
【0121】
又、実施例1〜14においては、通常の断熱発泡層3、23、41は、ポリウレタン系樹脂等の樹脂製発泡材で構成された材料であって、主剤としてポリオール、ポリプレングリコール(PPG)を主成分とする樹脂を用いる。
又はフェノール系樹脂、又はノボラック系熱可塑性樹脂を主成分としたフェノール系樹脂の主剤、又はそれらの混合物を主剤として用いる。
それらの主剤に対し、イソシアネート等の架橋剤を、混合比、略1:1で、混合して発泡させ、充填材、添加剤等を加えて、専用の最適な特殊ノズルの吹付機により、吹付施工する。
特にフェノール系樹脂の主剤を用いると、耐燃焼性や、耐発煙性を高めることができる。
これらの選択は、施工場所の必要条件により適合して選択することができる。
【0122】
ここに、実施例1〜実施例14に適用される可燃性が高くフェノール系樹脂の構成を詳説すると、図27に示す反応機構となっている。
次に図28に示す一般物性データでは、JIS A1321に定める燃焼性2級に対しては、ポリウレタン系断熱発泡層は、耐燃焼性が不足しているため、該当しないのに対し、フェノール系樹脂の主剤を用いた断熱発泡層は、前記燃焼性2級に合格することができるのである。熱伝導率、圧縮強度、接着強度、吸水性に関しては、いずれも同一の値となっており、その特徴は、同様に発揮できるのである。
【0123】
図29は、燃焼速度と、発煙性を示す比減光面積と、平均発熱速度の変化を示す図である。
Aの線が、ポリウレタン系断熱発泡層の値を示し、Bの線が、フェノール系樹脂断熱発泡層の値を示す。
燃焼速度は、Aのポリウレタン系樹脂がBのフェノール系樹脂に対し、大幅に高いことが解る。比減光面積では、Aのポリウレタン系樹脂がBのフェノール系樹脂に対し、発煙性が大幅に高いことが解る。
平均発熱速度においても、Aのポリウレタン系樹脂がBのフェノール系樹脂に対し、大幅に高いことが解る。特にポリウレタン系樹脂の場合は、可燃性が高く33.5秒後に試験体が焼失してしまっている。
【0124】
図30に示すのはバーナーによる燃焼試験における燃焼状況である。
図30のF−aは、フェノール系樹脂の断熱発泡層の着火後5秒後の状態で、F−bは、フェノール系樹脂の断熱発泡層の着火後20秒後の状態で、F−cは、フェノール系樹脂の断熱発泡層の着火後40秒後の状態である。
次に、P−aは、ポリウレタン系樹脂の断熱発泡層の着火後5秒後の状態で、P−bは、ポリウレタン系樹脂の断熱発泡層の着火後20秒後の状態で、F−cは、ポリウレタン系樹脂の断熱発泡層の着火後40秒後の状態である。
このバーナーによる燃焼試験でも、フェノール系樹脂の断熱発泡層は、火炎が発生しなかったのに対し、ポリウレタン系樹脂の断熱発泡層では、P−aに示す5秒後から着火し、P−bの20秒後では、発煙はさらに増加し、P−cの40秒後には、非常に大量の発煙が、発生していることが分かる。
従って、フェノール系樹脂の断熱発泡層は、耐燃焼性、耐発煙性が高いため、火災防止の安全性が高く、適用範囲が大幅に広がり、極めて実用的な施工構造、施工方法を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明の活用例としては、以上説明したように、建築物、又は鋼構造物に対しては、極めて多くの特徴を有する補修構造及び補修方法を提供することにより、コストダウン及び施工時間の短縮化、長寿命化による新技術の新たな需要増大により産業の活性化に寄与すると共に、労働災害の現象、アスベストの環境問題、地球温暖化を防止する省エネ対策と、現在の抱えている諸問題の解決を図る大幅な効果を発揮するものである。
又、変電所、発電所、原子力発電所のトランス油等の漏出時も、完全に遮断できるので、人体に悪影響を及ぼすPCB等が地盤に流出し、地下水に浸透するという近隣住民の健康障害を引き起こす大惨事を防止することができる。
同様に、原子力発電所の放射性物質含有の排水、排出物に関しても同様である。
化学工場、製薬工場等の危険物質に関しても同様である。
従って、現在の世界の産業が抱える環境対策に貢献し、新しい経済効果を発揮するものである。
【符号の説明】
【0126】
1 素地
1a 開口部
1b 端部側面
2 梁
3、23、41 断熱発泡層
3b 端部側面
4、24、42 補強防水層
5、25、43 表面層
6、26 プライマー層
7 取付具
8 ボルト保護キャップ
9 補修材
10、28、45 補強繊維
11、27、46 表面補強防水層
20 鋼構造物の素地
21 表面除去層
22 素地表面
30 変圧器
31 トランス油
32 基礎
33 防油ピット
34 防油堤
35 地面
36 バラスト石
37 コンクリート板
38 クラック
39 ピット内表面
44 防護シート層
50 スレート
51 隣接する素地
52 重ね部
53 開口部
54 押え具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スレート、コンクリート、防水シート、木質材等の非金属材、又は金属製の建物の屋根又は壁の素地に対し、
該素地の表面に、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物の主剤を用いた樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層を吹付等により設け、
前記断熱発泡層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物の主剤を用いた高強度樹脂製の補強防水層を吹付等により設け、
前記補強防水層の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層を、塗布又は吹付等により設けたことを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造。
【請求項2】
スレート、コンクリート、防水シート、木質材等の非金属材、又は金属製の建物の屋根又は壁の素地に対し、
該素地の表面に、プライマー層を塗装又は吹付により形成し、該プライマー層の表面に、ポリウレタン系樹脂、又は、フェノール系樹脂、又はそれらの混合物の主剤を用いた樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層を吹付等により設け、前記断熱発泡層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層を吹付等により設け、
前記補強防水層の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層を、塗布又は吹付により設けたことを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造。
【請求項3】
スレート、コンクリート、防水シート、木質材等の非金属材、又は金属製の建物の屋根又は壁の素地に対し、
該素地の表面に、プライマー層を塗装又は吹付により形成し、
該プライマー層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層を吹付等により設け、
前記補強防水層の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層を、塗布又は吹付等により設け、断熱発泡層を設けることなく構成したことを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造。
【請求項4】
スレート、コンクリート、防水シート、木質材等の非金属材、又は金属製の建物の屋根又は壁の素地に対し
該素地の取付のためのボルト等の取付具、及び/又は、素地の端部側面、及び/又は、断熱発泡層の端部側面、及び/又は、不連続部を、前記断熱発泡層、及び/又は、前記補強防水層で巻き込み、シームレス構造としたことを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造。
【請求項5】
スレート、コンクリート、防水シート、木質材等の非金属材、又は金属製の建物の屋根又は壁の素地に対し
隣接する素地との重ね部の跳ね上がった端部を押え具により押え、その上層に前記断熱発泡層、及び/又は、前記補強防水層を施工したことを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造。
【請求項6】
請求項1、又は2、又は3、又は4、又は5記載の屋根、及び/又は、壁の施工構造であって、
前記断熱発泡層は、最小厚さ2.0mm以上〜最大厚さ100mm以下で吹付等により設け、
前記補強防水層は引張強度、最小1.0N/mm〜最大50.0N/mm以下の速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層、又は表面補強防水層を、最小厚さ0.5mm以上〜最大10mm以下で吹付等により設けたことを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造。
【請求項7】
請求項1、又は2、又は3、又は4、又は5、又は6記載の屋根、及び/又は、壁の施工構造であって、
前記断熱発泡層は、独立気孔系のポリウレタン系樹脂、又は、フェノール系樹脂、又はそれらの混合物の主剤を用いた樹脂製発泡材であることを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造。
【請求項8】
請求項1、又は2、又は3、又は4、又は5、又は6、又は7記載の屋根、及び/又は、壁の施工構造であって、前記断熱発泡層は、ノンフロン発泡剤である二酸化炭素発泡剤を使用したことを特徴とする屋根、及び/又は、壁の施工構造。
【請求項9】
請求項1、又は2、又は3、又は4、又は5、又は6、又は7、又は8記載の屋根、及び/又は、壁の施工構造であって、
前記断熱発泡層、及び/又は、前記補強防水層の材料に、ガラス繊維、又は、カーボン繊維、又は短寸のステンレス、あるいはチタン等の金属繊維等の補強繊維を混入することにより、繊維強化型樹脂(FRP)とすることを特徴とする屋根、及び/又は、壁の構造。
【請求項10】
請求項1、又は2、又は3、又は4、又は5、又は6、又は7、又は8、又は9記載の屋根、及び/又は、壁の構造であって、
前記補強防水層の材料に、耐紫外線等の耐太陽光性を付与する材料、及び/又は、耐火性、耐飛び火性、又は遮熱性等を有する材料を付与した表面補強防水層を設けることにより、表面層を省略し、直接、表面補強防水層を最上面とすることを特徴とする屋根、及び/又は、壁の構造。
【請求項11】
スレート、コンクリート、防水シート、木質材等の非金属材、又は金属製の建物の屋根又は壁の素地に対し、
請求項1、又は2、又は3、又は4、又は5、又は6、又は7、又は8、又は9、又は10記載の施工構造を用いたことを特徴とする屋根、及び/又は壁の施工方法。
【請求項12】
鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造であって、
該鋼構造物の素地に対し、表面除去層をケレンにより除いた素地表面に、ポリウレタン系樹脂、又は、フェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の主剤を用いた樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層を吹付等により設け、
前記断熱発泡層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層を吹付等により設け、
前記補強防水層の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層を、塗布又は吹付により設けたことを特徴とする鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造。
【請求項13】
鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造であって、
前記断熱発泡層は、ノンフロン発泡剤である二酸化炭素発泡剤を使用したことを特徴とする鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造。
【請求項14】
鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造であって、
該鋼構造物の素地に対し、表面除去層をケレンにより除いた素地表面に、プライマー層を塗装、又は吹付けにより形成し、
該プライマー層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層を吹付等により設け、
前記補強防水層の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、又は耐火性、又は耐飛び火性、又は遮熱性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層を、塗布又は吹付により設けたことを特徴とする鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造。
【請求項15】
鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造であって、
該鋼構造物の素地に対し、表面除去層をケレンにより除いた素地表面に、プライマー層を塗装、又は吹付けにより形成し、
該プライマー層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の前記補強防水層の材料に、耐紫外線等の耐太陽光性を付与する材料、及び/又は、耐火性、耐飛び火性、又は遮熱性等を有する材料を付与した表面補強防水層を設けることにより、表面層を省略し、直接、表面補強防水層を最上面とすることを特徴とする鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造。
【請求項16】
請求項12、又は13、又は14、又は15記載の鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物の表面施工構造であって、
前記断熱発泡層の材料、及び/又は、前記補強防水層の材料、及び/又は、前記表面補強防水層の材料にガラス繊維、又は、カーボン繊維、又は短寸のステンレス、あるいはチタン等の金属繊維等の補強繊維を混入することにより、繊維強化型樹脂(FRP)とすることを特徴とする鋼構造物の表面施工構造。
【請求項17】
鉄骨、鉄塔、橋梁、タンク等の鋼構造物であって、請求項12、又は13、又は14、又は15、又は16記載の施工構造を用いたことを特徴とする鋼構造物の表面施工方法。
【請求項18】
変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物質の漏出を防止する必要のある分野において、
機器設置場所及び周辺の床、又は基礎、又は地盤、又は地面等の素地の上面に、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の主剤を用いた樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層を設け、
前記断熱発泡層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層を設け、
前記補強防水層の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、難燃性、耐火性、又は耐飛び火性、又はトランス油等に対する耐腐食性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層を、塗布又は吹付けることにより変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出を防止することを特徴とする施工構造。
【請求項19】
変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物質の漏出を防止する必要のある分野において、
機器設置場所及び周辺の床、又は基礎、又は地盤、又は地面等の素地の上面に、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の主剤を用いた樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層を設け、
前記断熱発泡層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層を設け、
前記補強防水層の上面に、耐衝撃性、クッション性、不燃性、耐火性、トランス油等に対する耐腐食性を有する防護シート層を設けることにより、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出を防止することを特徴とする施工構造。
【請求項20】
変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物質の漏出を防止する必要のある分野において、
機器設置場所及び周辺の床、又は基礎、又は地盤、又は地面等の素地の上面に、ポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はそれらの混合物等の主剤を用いた樹脂製発泡材で構成された断熱発泡層を設け、
前記断熱発泡層の表面に、速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又それらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層を設け、
前記補強防水層の表面に耐紫外線等の耐太陽光性、難燃性、耐火性、又は耐飛び火性、又はトランス油等に対する耐腐食性等のいずれか、又はそれらの組合せによる1層又は複数層の表面層を、塗布又は吹付により設け、
前記表面層の上面に、耐衝撃性、クッション性、不燃性、耐火性、耐腐食性を有する防護シート層を設けることにより、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出を防止することを特徴とする施工構造。
【請求項21】
請求項18、又は19、又は20記載の施工構造であって、前記補強防水層の材料に、耐紫外線等の耐太陽光性を付与する材料、及び/又は、耐火性、耐飛び火性、又は遮熱性等を有する材料を付与した表面補強防水層を設けることにより、表面層を省略し、直接、表面補強防水層を最上面とすることにより、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出を防止することを特徴とする施工構造。
【請求項22】
請求項18、又は19、又は20、又は21記載の施工構造であって、
前記断熱発泡層は、最小厚さ2.0mm以上〜最大厚さ300mm以下で吹付、及び/又は前記補強防水層は引張強度、最小1.0N/mm〜最大50.0N/mm以下の速乾性と伸延性を有するポリウレタン系樹脂、又はフェノール系樹脂、又はポリウレアー系樹脂、又はそれらの混合物等の高強度樹脂製の補強防水層、又は表面補強防水層を最小厚さ0.5mm以上〜最大20mm以下で吹付けることにより、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出を防止することを特徴とする施工構造。
【請求項23】
請求項18、又は19、又は20、又は21、又は22記載の施工構造であって、
前記断熱発泡層は、ノンフロン発泡剤である二酸化炭素発泡剤を使用したことにより、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出を防止することを特徴とする施工構造。
【請求項24】
請求項18、又は19、又は20、又は21、又は22、又は23記載の施工構造であって、
前記断熱発泡層の材料、及び/又は、前記補強防水層の材料、及び/又は、前記表面補強防水層の材料にガラス繊維、又は、カーボン繊維、又は短寸のステンレス、あるいはチタン等の金属繊維等の補強繊維を混入することにより、繊維強化型樹脂(FRP)とすることにより、変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出を防止することを特徴とする施工構造。
【請求項25】
変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物質の漏出を防止する必要のある分野において、
請求項18、又は19、又は20、又は21、又は22、又は23、又は24記載の施工構造を用いたことを特徴とする変電所、発電所、原子力発電所、化学工場、製薬工場等の危険物漏出を防止する施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2010−168878(P2010−168878A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33190(P2009−33190)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(506430026)株式会社トヨコー (6)
【Fターム(参考)】