説明

引き抜き成形による拡張自在な棚システム

【課題】大きな荷重を支持することが可能で、最小数の工程で容易に調節および再構成ができる、軽量な棚システムを提供する。
【解決手段】棚システム10は、補強繊維入りの樹脂の引き抜き成形による複数の垂直柱12および水平梁14を含んでいる。水平梁14が、各々の垂直柱12に配置される二分割カラー50と梁エンドピースによって垂直柱12へ接続される。二分割カラー50の各半分体が、梁へと荷重が加わったときに、二分割カラーの各半分体を垂直柱12の周囲によりきつく締め付ける力が二分割カラー50に加わるよう、くさび形の設計を有している。梁14を、棚システム10の任意の横方向に延長することができるように、垂直柱12の片側または両側に接続することができる。さらに、棚システム10を、くさび状の角コネクタによって直交方向または他の角度方向にも延長することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚および棚システムの分野に関し、とくには補強繊維を樹脂を通って引っ張り、次いでおそらくは別途の予備成形システムに通し、加熱されたダイへと引き込んで樹脂を重合させる、一定の断面を有する複合材料の引き抜き成形または連続製造プロセスによって製造される棚ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな種類の材料で構成された実用または商用の棚ユニットまたは棚システムが、この技術分野において長期にわたって使用されている。一般的に用いられている材料のいくつかは、木材、金属、プラスチック、またはプラスチック複合材料である。これらの従来技術の棚システムの多くは、特定の所定の高さに固定されても、あるいはクランプ、バックル、またはスライド/固定の取り付け具などの調節式の接続手段によって一連の利用可能な高さのうちの1つへと調節可能であってもよい複数の棚を有している。一部の棚システムは、さらに引き出しまたはキャビネットも備えている。
【0003】
従来技術の設計の多くは、それらのそれぞれの利点を有しているが、従来技術に見られるいくつかの限界が明らかになっている。それらの限界のうちの第1の最も重要な限界は、棚システムによって支持することができる荷重の棚システムそのものの重量に対する比である。例えば、コンクリートまたは補強された鋼が導入された棚システムは、比較的大きな荷重を支持することができるが、棚システムへと加えられる重量ゆえに、システム全体を任意の特定のユーザの個々のニーズに合わせて再構成または調節することが、面倒かつ困難になる。他方で、棚システムが軽すぎる場合、支持することができる荷重が厳しく制限され、棚システムの使用の範囲が限られる可能性がある。
【0004】
さらに、ユーザによって決定される高さへと調節することができる棚を有する棚システムにおいては、棚をそれぞれの支持柱へと接続するための手段が、過度に複雑または不便になる可能性がある。複雑すぎる調節式の接続手段は、より機能不良を生じやすく、棚システムにさらなる不要な重量を加える可能性もある。同様に、不便な結合手段は、使用が難しくなる可能性があり、あるいは作業に少なくとも2名の者を必要とする可能性がある。
【0005】
大きな荷重の分布を支持するために充分に丈夫でありながら、依然として棚および棚システムの全体をユーザにとって最小数の工程で容易に調節および再構成することができるように充分に軽量である棚システムが、必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本出願は、実質的に矩形な形状の角の位置に配置される複数の垂直柱と、これら複数の垂直柱の間に配置される複数の水平梁とを含んでいる商用または実用の棚システムを開示する。梁は、平行なペアにて垂直柱へと接続される。複数の水平梁は、複数の垂直柱へと、複数の梁と複数の柱との間に配置される二分割カラーによって接続される。二分割カラーは、2つの半分体を備えており、その各々が、少なくとも1つの実質的に蟻継ぎ状の雄部分を有している。棚システムの垂直柱および水平梁は、例えばグラスファイバーロービングの供給物を用意するステップと、前記グラスファイバーロービングからの繊維を樹脂含浸装置を通って案内するステップと、前記繊維を前記樹脂含浸装置からの樹脂で飽和させるステップと、前記飽和した繊維を形成ダイを通って引っ張るステップと、前記繊維を所定の形状へと形成して、引き抜きによる部品を形成するステップと、前記形成された引き抜きによる梁または柱を所定の長さへと切断するステップと、によって定められる引き抜き成形プロセスによって製作される。
【0007】
棚システムの複数の水平梁の各々が、梁エンドピースを備えており、梁エンドピースが、二分割カラーの各々の半分体に配置または規定された雄部分を受け入れて捕まえるように寸法および形状付けられた少なくとも2つの実質的に蟻継ぎ状の雌の開口を有している。
【0008】
複数の梁エンドピースおよび二分割カラーが、各々の二分割カラーの各々の半分体がお互いに向かって押されて、該当の複数の垂直柱の周囲に締め付けられるように、複数の水平梁に加わる荷重を分布させるための手段を備えている。二分割カラーの各々は、二分割カラーの各々の半分体に配置されたタブを垂直柱の縁に定められた切り欠きに挿入することによって、該当の複数の垂直柱へと接続される。
【0009】
他の実施の形態においては、棚システムが、水平梁の平行ペアの各々をまたいで配置される複数の棚板をさらに備えている。平行な梁のペアが、棚を形成すべく梁に棚板を載せつつ、それぞれの端部において複数の垂直柱へと接続される。
【0010】
さらに別の実施の形態においては、棚システムが、少なくとも2つの上部柱コネクタおよび少なくとも2つの下部柱コネクタを、複数の水平梁の向きに対して直角な向きで、複数の垂直柱の間に接続してさらに備えている。2つの上部柱コネクタおよび2つの下部柱コネクタは、複数の垂直柱と2つの上部柱コネクタまたは2つの下部柱コネクタとの間に挿入される複数のくさび手段によって、複数の垂直柱の間に接続される。棚システムの2つの上部柱コネクタ、2つの下部柱コネクタ、および複数のくさびが、2つの上部柱コネクタまたは2つの下部柱コネクタに下向きの力が加わるときに、この下向きの力を複数の垂直柱の中心に向かって案内するように寸法および形状付けられている。
【0011】
別の実施の形態においては、棚システムが、主モジュールを含んでおり、主モジュール自身は、実質的に矩形な形状の角の位置に配置される少なくとも4本の引き抜き成形による垂直な主柱を備えている。さらに主モジュールは、それぞれの端部において主柱へと接続される少なくとも1対の引き抜き成形による平行かつ水平な主梁と、少なくとも2つの主梁の上に配置される少なくとも1枚の棚板と、を備えている。棚システムは、主モジュールへと接続される少なくとも1つの二次モジュールをさらに備えている。二次モジュールは、少なくとも2本の引き抜き成形による垂直柱と、一端においてこの二次モジュールの少なくとも2本の垂直柱に接続され、他端において主モジュールへと接続される少なくとも1対の引き抜き成形による平行かつ水平な梁と、この二次モジュールの1対の平行な梁に配置される少なくとも1枚の棚板と、を備えている。
【0012】
この実施の形態の主モジュールへと接続される二次モジュールは、主モジュールと同じ長手軸に沿って接続される。二次モジュールの1対の引き抜き成形による平行な梁が、主モジュールの4本の引き抜き成形による垂直な主柱のうちの少なくとも2本へと接続される。さらに、二次モジュールの1対の引き抜き成形による平行な梁を、二次モジュールの1対の引き抜き成形による平行な梁の各々の端部に接続される梁エンドピースを含む手段によって、主モジュールの4本の引き抜き成形による垂直な主柱のうちの少なくとも2つへと接続することができる。各々の梁エンドピースが、1対の雌の開口を備えており、二分割カラーが、4本の垂直な主柱のうちの2本へと着脱可能に接続される。二分割カラーは、2つの半分体を備えており、各々の半分体に、少なくとも1つの雄部分が配置されている。
【0013】
別の実施の形態においては、棚システムが、主モジュールと同じ長手軸に沿って主モジュールへと直列につなぎ合わせられる複数の二次モジュールを含んでいる。複数の二次モジュールの各々の1対の引き抜き成形による平行な梁が、この二次モジュールの前に直列に接続された二次モジュールの2本の引き抜き成形による垂直柱へと接続される。
【0014】
別の実施の形態においては、棚システムの主モジュールへと接続される二次モジュールが、主モジュールの長手軸に対して直角に接続される。二次モジュールの1対の引き抜き成形による平行な梁が、主モジュールの引き抜き成形による水平な主梁のうちの少なくとも1つへと、二次モジュールの梁へと接続される梁エンドピースおよび主モジュールの梁へと組み合わせられる少なくとも2つの角コネクタによって接続される。各々の梁エンドピースが、1対の雌の開口を備えており、2つの角コネクタが、各々の角コネクタの外向きの面に配置された少なくとも2つの雄部分を備えている。
【0015】
さらに、複数の二次モジュールを、主モジュールの長手軸に対して直角に主モジュールへと直列につなぎ合わせることができる。複数の二次モジュールの各々の1対の引き抜き成形による平行な梁が、この二次モジュールの前に直列に接続される二次モジュールの2本の引き抜き成形による垂直柱へと接続される。
【0016】
さらに別の実施の形態においては、棚システムが、一つながりにて主モジュールへと接続される複数の二次モジュールをさらに含んでいる。二次モジュールの互いの接続の角度の向きは、最初に主モジュールへと直接接続される二次モジュールの角度の向きと異なっても、同じでもよい。例えば、モジュールを、真っ直ぐな一つながりを形成するように互いに接続することができ、あるいはモジュール間に設けられるモジュール間結合のための手段に応じて、任意の種類の所望の角度のある一つながりを形成するように互いに接続することができる。
【0017】
さらに本発明は、棚システムにおいて引き抜き成形による水平梁を引き抜き成形による垂直柱へと接続する方法であって、二分割カラーの2つの半分体を引き抜き成形による垂直柱に定められた対応する切り欠き対へと挿入するステップと、引き抜き成形による水平梁の端部に接続された梁エンドピースを二分割カラーの2つの半分体へと下方に滑らせるステップと、二分割カラーを梁エンドピースに捕まえるステップと、を含んでいる方法を提供する。
【0018】
一実施の形態においては、梁エンドピースを二分割カラーの2つの半分体へと下方に滑らせるステップが、二分割カラーの各々の半分体に配置された雄部分を、梁エンドピースに定められた対応する1対の雌の開口へと挿入するステップと、梁エンドピースの雌の開口を二分割カラーの雄部分の周囲で下方へと、両方の雄部分が完全に雌の開口によって包まれるまで滑らせるステップと、を含んでいる。
【0019】
二分割カラーを梁エンドピースに捕まえるステップにおいて、雄部分および雌の開口が、梁エンドピースと二分割カラーとの間の横方向または水平方向の動きが防止されるよう、実質的に蟻継ぎ状である。
【0020】
最後に、この方法は、引き抜き成形による水平梁に荷重が加わるときに、引き抜き成形による水平梁と引き抜き成形による垂直柱との間の接続の強度を増加させるステップをさらに含んでいる。引き抜き成形による水平梁に荷重が加わるときに引き抜き成形による水平梁と引き抜き成形による垂直柱との間の接続の強度を高めるステップは、梁エンドピースに定められた1対の雌の開口と二分割カラーに配置された1対の雄部分とからなる手段によって荷重を引き抜き成形による垂直柱へと向けるステップと、引き抜き成形による水平梁に加わる荷重の大きさに応じて、二分割カラーの各々の半分体をお互いに向かって締め付けて、引き抜き成形による垂直柱の周囲によりきつく締め付けるステップと、を含んでいる。
【0021】
別の実施の形態においては、本発明が、引き抜きプロセスによって製造された複数の垂直柱および水平梁を含む棚システムとして説明される。水平梁が、各々の垂直柱に配置される二分割カラーによって垂直柱へと接続される。各々の水平梁が、二分割カラーの各々の半分体へと接続されるように構成されたエンドピースを備えている。二分割カラーの各半分体が、梁へと荷重が加わったときに、カラーの各半分体を垂直柱の周囲によりきつく締め付ける力がカラーに加わるよう、くさび形の設計を有している。梁を、棚システムを横方向にユーザの所望のとおりに延長することができるように、垂直柱の片側または両側に接続することができる。棚システムを、くさび状の角コネクタによって直交方向に延長することも可能である。
【0022】
装置および方法を、文法的な流動性のために、機能的な説明によって表現し、あるいは表現するが、特許請求の範囲を、明示的に米国特許法第112条に従って作成されない限りは、決して「手段(means)」または「ステップ(step)」の限定事項の構成によって限定されると解釈してはならず、均等論のもとで特許請求の範囲によってもたらされる定義の意味および均等物の全範囲が認められるべきであり、特許請求の範囲が明示的に米国特許法第112条に従って作成されている場合には、米国特許法第112条の規定によるすべての法的な均等物が認められるべきであることを、当然ながら理解すべきである。次に、添付の図面に目を向けることによって、本発明をさらに目に見えるようにすることができる。添付の図面において、同様の構成要素は同様の番号によって指し示されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】棚システムの主要な実施の形態の斜視図である。
【図2】棚システムの水平梁を切断した斜視図である。
【図3】図2に見られる水平梁の断面図である。
【図4】図3の端部とは反対の端部から見た水平梁の断面図である。
【図5A】棚システムの垂直柱を切断した斜視図である。
【図5B】図5Aに見られる垂直柱の断面図である。
【図5C】図5Aに見られる垂直柱を切断した側面図である。
【図6】棚システムの二分割カラーの左半分体の斜視図である。
【図7A】図6に見られる二分割カラーの左半分体の正面図である。
【図7B】図6に見られる二分割カラーの左半分体の底面図である。
【図8】棚システムの二分割カラーの右半分体の斜視図である。
【図9A】図8に見られる二分割カラーの右半分体の正面図である。
【図9B】図8に見られる二分割カラーの右半分体の底面図である。
【図10】棚システムを切断した斜視図であり、複数の垂直柱のうちの1つへと接続される二分割カラーを示している(図10A)。図10Aにおいて着目した二分割カラーと垂直柱との間の接続の拡大図である(図10B)。
【図11】棚システムの梁エンドピースの上方からの斜視図である。
【図12】図11に示した梁エンドピースの底面図である。
【図13】図11に示した梁エンドピースの下方からの斜視図である。
【図14】棚システムを切断した斜視図であり、二分割カラーへと接続された梁エンドピースを示している(図14A)。図14Aにおいて着目した梁エンドピースと二分割カラーとの間の接続の拡大図である(図14B)。
【図15】棚システムの棚板の斜視図である。
【図16】図15に示した棚板の側面図である。
【図17】棚システムのくさび部品の斜視図である。
【図18】図17に示したくさび部品の側面図である。
【図19】棚システムを切断した斜視図であり、複数の垂直柱のうちの1つへと接続されたくさび部品を示している(図19A)。図19Aにおいて着目したくさび部品と垂直柱との間の接続の拡大図である(図19B)。
【図20】棚システムの上部柱コネクタの斜視図である。
【図21】棚システムの上部柱コネクタの側面図である。
【図22】下部柱コネクタおよびその向き(下部柱コネクタの組み合わせ相手の垂直柱の向きに対する向き)の斜視図である。
【図23】図21に示した上部柱コネクタの下方からの斜視図である。
【図24】複数の垂直柱のうちの1本、およびこの垂直柱に組み合わせることができる種々の構成部品の分解図である。
【図25】棚システムの角コネクタの斜視図である。
【図26】図25に示した角コネクタの側面図である。
【図27】図25に示した角コネクタの上面図である。
【図28】二次梁を主梁に接続するために使用される角コネクタおよび他の関連部品の分解図である。
【図29】二次モジュールが主モジュールに対して直角に接続されている棚システムの別の実施の形態の斜視図である。
【図30】図17に示したくさび部品の反対側の斜視図である。
【図31】梁エンドピースと二分割カラーとの間の接続の部分的な分解図であり、梁エンドピースに荷重が加わるときに二分割カラーによって分配される力の向きを含んでいる。
【図32】垂直柱に接続されたときの水平梁、および水平梁に荷重が加わるときに二分割カラーによって垂直梁へと分配される力の向きの側面図である。
【図33】下部柱コネクタおよびその向き(図22に示した下部柱コネクタの組み合わせ相手の垂直柱の向きに対する向き)の下方から見た斜視図である。
【図34】棚システムの水平出しボルトの斜視図である。
【図35】棚システムのフットインサートの左半分体の斜視図である。
【図36】図35に示したフットインサートの左半分体の底面図である。
【図37】棚システムのフットインサートの右半分体の斜視図である。
【図38】図37に示したフットインサートの右半分体の底面図である。
【図39】二次モジュールが主モジュールに対して直角に接続されている図29に示した棚システムの別の実施の形態のさらなる斜視図であり、二次モジュールの複数の棚板は取り除かれている。
【図40】横方向に延長された図1に示した棚システムの別の実施の形態の斜視図である。
【図41】直交方向および横方向に延長された図1に示した棚システムの別の実施の形態の斜視図である。
【図42】図41に示した棚システムのさらなる斜視図であり、主モジュールに対して直角に接続された二次モジュールの棚板が取り除かれている。
【図43】棚システムの垂直柱および水平梁が引き抜き成形のプロセスを使用してどのように製造されるかを示しているブロック図である。
【図44】棚システムの垂直柱および水平梁を製造するために使用される引き抜きアセンブリラインの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明および本発明のさまざまな実施形態を、以下の好ましい実施形態(特許請求の範囲に定められる本発明の説明のための例として提示される)の詳細な説明を参照することによって、すぐによりよく理解できるであろう。当然ながら、特許請求の範囲によって定められるとおりの本発明が、後述される例示の実施の形態よりも広くてよいことを、理解すべきである。
【0025】
本発明の第1の実施形態が図1に示されており、図1においては、棚システムの全体が参照番号10によって示されている。棚システムは、実質的に矩形のパターンに配置された複数の主垂直柱12を備えている。1本の主垂直柱12は、矩形の各々の角にそれぞれ配置されている。図1には4本の主垂直柱12が示されているが、本発明の本来の技術的思想および技術的範囲から離れることなく、任意の数の垂直柱を、正方形、円形、半円形、などといった任意の数の形状にて使用することができる。
【0026】
複数の主垂直柱12の間に、複数の主水平梁14が、横方向に配置されている。図1に示した実施形態においては、主水平梁14が、2本の主水平梁14からなる平行なグループへとペアにされ、各々の主梁14のそれぞれの端部において主垂直柱12に接続されている。このようにして、主梁14の各ペアが、棚22の支持構造を形成している。やはり、本発明の本来の技術的思想および技術的範囲から離れることなく、図1に示されているよりも少数の棚22を使用することができ、あるいはさらなる棚22を使用することができる。主梁14の各ペアをまたいで、複数の棚板20が配置されている。棚板は、主梁14をまたいで位置し、重力によってその場に保持されている。棚板20は、取り外し可能であり、図1に示されているように主梁14の横方向の全長にわたって配置されても、あるいはユーザの個々の選択に応じて、主梁14に沿った任意の位置に配置されてもよい。
【0027】
棚システム10の両端かつ主垂直柱12の下端の付近において、下部柱コネクタ16が、主垂直柱12の間に配置されている。同様に、棚システム10の両端かつ主垂直柱12の上端の付近において、上部柱コネクタ18が、主垂直柱12の間に配置されている。
【0028】
主水平梁14は、図2〜4を参照することによって、よりよく理解することができる。各々の主梁14は、実質的に、図3および4の断面に見られるような中空かつ角形の2連I字梁の構成に形作られている。2連I字梁の構成は、上面24と、図3に示されているとおりの下面26と、2つの側壁28とを備えており、これらの間に空洞30が、梁14の全長にわたって定められている。さらに、各々の梁14は、上面24に隣接した下向きリップ32と、下面26に隣接した延長部34とを、全長にわたって備えている。好ましくは、リップ32は、棚システム10の「外方向」または「外側」に面しており、すなわち棚板20に接触する梁14の反対側に面しており、あるいは棚板20から遠ざかる方に面している。例えば、主梁14の各ペアについて、「右」梁14および対応する「左」梁14が存在する。図1において視認することができる「右」梁14においては、リップ32および延長部34が、図3の断面図に見られるように、梁14の右側に面している。同様に、図1においては視認することができない「左」梁においては、リップ32および延長部34が、図4の断面図に見られるように、梁14の左側に面している。「左」梁14は、単純に面24に垂直な軸を中心にして180°回転させた「右」梁14である。
【0029】
図5A〜5Cを参照することによって、主垂直柱12を、よりよく理解することができる。各々の主垂直柱12は、実質的に、図5Bの断面に見られるような中空かつ角形の2連I字梁の構成に形作られている。主柱12の2連I字梁の構成は、内面36と、外面38と、真っ直ぐな表面40と、畝状の表面42と、これらの間で画定された空洞44とを備えている。真っ直ぐな表面40は、内面36と外面38との間で実質的に平坦であり、長手方向の溝40aを備えていてもよい。一方、畝状の表面42は、主柱12の長手方向の全長にわたる中央の畝46を備えている。好ましくは、畝状の表面42は、主梁14のリップ32と同様に、棚システム10から外方向に面している。さらに、内面36および外面38の側縁には、図5Aおよび5Cにおいて最もよく見られるように、複数の矩形の切り欠き48が定められている。切り欠き48は、内面36および外面38の縁に沿って、図5Aおよび5Cに見られるように主柱12の長手方向の長さに沿って規則的な間隔で定められているが、当然ながら、本発明の本来の技術的思想および技術的範囲から離れることなく、柱12に沿ってさまざまな間隔で定められ図示されているよりも少数または多数の切り欠き48を使用できることを、理解すべきである。
【0030】
棚システム10の構造をさらに説明する前に、システム10の構成要素のうちの特定のいくつかを製造する引抜き成形のプロセスを、最初に検討する。主水平梁14および主垂直柱12の両者が、プラスチックまたはプラスチック複合材料で構成され、図43のブロック図および図44の引き抜きアセンブリラインの側面図に示されている公知の引き抜き成形プロセス170によって製造される。
【0031】
引抜き成形のプロセス170は、一般に、グラスファイバー、マット補強材、または他の適切な繊維材料(カーボン、アラミド、またはこれらの混合物、など)からなる複数の連続ストランドを、ラックまたはクリールに配置された複数のロービング172から、複数のローラ174または他の適切な案内システムによって引き出すステップを含んでいる。グラスファイバーのストランドが、案内システムによってマットなどの他の材料と一緒にされ、樹脂含浸装置176において樹脂槽に配置され、あるいは他の方法によって、粗紡ストランドを一体に結合させる熱硬化性樹脂および他の物質(充てん材、触媒、または顔料など)で含浸され、すなわち「浸され」る。樹脂は、ロービング172によって供給されるグラスファイバー材料またはマットの種類に応じて、液状または粉末状であってよく、1つ以上の熱硬化性または熱可塑性樹脂の混合物を含むことができる。所望であれば、図44に示されているように、随意による直列のワインダー184によって、さまざまな種類のフィラメントワインディングを、樹脂で含浸されたストランドへと追加することができる。フィラメントワインディングを追加することで、引き抜き成形による部品の2軸強度が向上する。次いで、樹脂で含浸されたストランドが、一式のロービングプラー180によって、一式のプレフォーマー186(グラスファイバーロービングに初期の大まかな形状を与え、余分な樹脂を押し出し、所定の表面仕上げをもたらすための表面のベールを追加する)を通って機械的に引かれ、加熱された鋼製の硬化ダイ178(グラスファイバーを恒久的な所定の形状へと成形する)を通って連続的に引かれる。次いで、引かれ、加熱され、あるいは硬化させられた後で、ソウ182が、引き抜き成形された部品を所望の長さまたは複数の長さへと切断する。
【0032】
本発明の例示の実施の形態においては、水平梁14および垂直柱12が、70%〜80%のガラスおよび20%〜30%の樹脂の混合物で構成される。ロービング172から供給されるグラスファイバーは、2025 Fiver glassの連続フィラメントである。グラスファイバーが樹脂含浸装置176に進入するとき、50%のBAYDUR PUL2500(Polymeric Diphenyimethane Diisocyanate (pMDI))、47.32%のBAYDURE PUL2500 (Polyol System)、2.07%の離型剤 (AXEL INT−1948MCH)、および.25%の着色剤 (REBUS Code 70165)を含む樹脂が、グラスファイバーへと含浸させられる。各々の部品が適切に硬化させられ、成形され、切断された後で、得られた製品は、きわめて丈夫で長持ちするが、依然として運搬またはその他の取り扱いが容易であるために充分に軽量である棚システム10の構造要素である。しかしながら、本発明の本来の技術的思想および技術的範囲から離れることなく、他の同様の種類の繊維、グラスファイバー、または樹脂を、本明細書において挙げられる割合とは異なる割合で使用できることを、当然ながら理解すべきである。現時点において公知であり、あるいは後に考案される任意の引き抜き成形の製剤を、構成要素を形成するために使用することができる。
【0033】
次に、図6〜9および11〜13を参照し、システム10の構造を再び検討する。主水平梁14は、図6〜9にさらに詳しく示されている複数の着脱式の二分割カラー50と、図11〜13にさらに詳しく示されている対応する複数の梁エンドピース74とによって、主垂直柱12へと接続される。
【0034】
二分割カラー50は、図6〜7Bに示されている左半分体52と、図8〜9Bに示されている右半分体54とを備えている。左半分体52および右半分体54の各々が、ベース62と、柱コネクタ部64とを備えている。さらに、左半分体52および右半分体54の各々は、ベース62上に柱コネクタ64に隣接して配置された雄部分56を備えている。各々の雄部分56は、蟻継ぎ状であり、すなわち雄部分56が、ベース62に近い下部において上部よりも幅広い。二分割カラー50の右半分体54および左半分体52の両者は、射出成形されたプラスチックで構成されている。
【0035】
ここで、図6〜7Bの二分割カラー50の左半分体52に目を向けると、左半分体52が、図6の表示に見られるように、柱コネクタ部64の右縁に沿って実質的に半円形の雌の切り欠き58を備えていることを、見て取ることができる。柱コネクタ部64の左縁は、背後にぐるりと曲げられ、左フック60を形成し、溝72を画定している。左フック60および溝72は、左半分体52の背面に、左半分体52の長手方向の全長にわたって配置されている。左フック60と柱コネクタ部64との間の溝72には、図7Bに最もよく見られるように、実質的に正方形のタブ70が配置されている。タブ70は、実質的に矩形であり、図6の斜視図では視認することができないが、柱コネクタ部64の上部の付近の溝72の上部にのみ配置されている。
【0036】
ここで、図8〜9Bの二分割カラー50の右半分体54に目を向けると、右半分体54が、柱コネクタ部64の左縁に沿って実質的に半円形の雄の歯66を備えていることを、見て取ることができる。柱コネクタ部64の右縁は、図8の表示に見られるようにそれ自身へとぐるりと曲げられ、右フック68および溝72を形成している。右フック68および溝72は、右半分体54の背面に、右半分体54の長手方向の全長にわたって配置されている。右フック68と柱コネクタ部64との間の溝72には、図9Bに最もよく見られるように、実質的に正方形のタブ70が配置されている。タブ70は、実質的に矩形であり、図8の斜視図では視認することができないが、柱コネクタ部64の上部の付近の溝72の上部にのみ配置されている。
【0037】
図11に目を向けると、複数の梁エンドピース74の各々は、本体部76およびヘッド部78を備えており、好ましくは射出成形されたプラスチックから製造されている。複数の梁エンドピース74の各々が、最初に本体部76を主梁14の空洞30へと挿入することによって、主梁14のそれぞれの端部に接続される。次に、ねじ(図示されていない)が、図12および13に見られるように本体部76の底部に位置するねじ穴82へと挿入され、梁エンドピース74を動かぬように固定する。ねじに加えて、ボルト、ピン、接着剤、またはクランプなどといった他の接続手段も、本発明の本来の技術的思想および技術的範囲から離れることなく、使用することが可能である。
【0038】
梁エンドピース74のヘッド部78は、ヘッド部78の一方の側縁を包み込む湾曲した縁80をさらに備えている。ヘッド部78のどちらの側縁が湾曲した縁80を備えるのかは、主梁14のどちらの端部に梁エンドピース74が接続されるのかに依存して決まる。しかしながら、湾曲した縁80は、常に棚システム10の「外側」に位置する。例えば、図14Aおよび14Bに示されている梁エンドピース74においては、湾曲した縁80が、ヘッド部78の右側縁に位置し、換言すると、棚板20から遠ざかる棚システム10の「外側」に位置する。したがって、図14Aに示した主梁14の反対側の端部に位置する梁エンドピース74においては、湾曲した縁80がヘッド部78の左側縁に位置することを、理解すべきである。同じ構成が、棚システム10に存在するすべての棚22の各々の主梁14のすべての梁エンドピース74に当てはまる。
【0039】
さらに、各々のヘッド部78は、図12および13に最もよく見られるように、ヘッド部78の末端面に定められた少なくとも2つの雌の開口84を備えている。雌の開口84の各々は、長さおよび深さの両方において、実質的に蟻継ぎ状である、例えば、図12において、雌の開口84の各々が、深さにおいて蟻継ぎ状であり、すなわちヘッド部78において深く定められるにつれてサイズが幅広くなることを、見て取ることができる。さらに、図13に見て取ることができるとおり、雌の開口84の各々は、長さにおいて蟻継ぎ状であり、すなわちヘッド部78の上部における特定の幅から出発して、ヘッド部78の底部に向かってさらにヘッド部78の中へと垂直に定められるにつれてサイズが幅広くなっている。
【0040】
挿入図10Bの拡大図に示されているように、主梁14を主柱12へと接続するために、ユーザは、最初に二分割カラー50の左半分体52および右半分体54を手に取り、各々の半分体52、54を、柱12のどちら側に取り付けを行いたいかに応じて、柱12の内面36または外面38の両垂直縁の周囲に、半分体52、54の該当する左フック60および右フック68の各々が柱12の縁にしっかりと係合するように配置する。次いでユーザは、二分割カラー50の各々の半分体52、54を、自身が棚22を位置させたいと望む高さに対応する1対の切り欠き48まで、主柱12において上下にスライドさせることができる。二分割カラー50が所望の切り欠き48のペアへと動かされるとき、各々の半分体52、54の溝72に配置されたタブ70を、切り欠き48へと滑り込ませることができる。この時点で、右半分体54に配置された雄の歯66も、左半分体52に定められた雌の切り欠き58へと滑り込み、接続プロセスにおいて二分割カラー50の2つの半分体52、54が適切に整列するように保証する。切り欠き48およびタブ70の両方が実質的に矩形の形状であるため、ひとたびタブ70が切り欠き48に位置すると、柱12に沿ったさらなる垂直移動は防止される。図10Aおよび10Bに見られるように二分割カラー50を所望の位置にしっかりと固定した状態で、端部に梁エンドピース74が接続されてなる梁14が、最初に図12に示されているとおりの梁エンドピース74のヘッド部78の雌の開口84を、二分割カラー50の左半分体52および右半分体54の各々に配置された雄部分56へと下方に滑らせることによって、二分割カラー50へと滑らされる。雌の開口84が雄部分56へと滑り下ろされるとき、図11に示したとおりの梁エンドピース74の湾曲した縁80も、図14Aおよび挿入図14Bの拡大図に見られるように、二分割カラー50の周囲を滑り下り、すなわち右半分体54の右フック68の周囲を滑り下りる。
【0041】
梁エンドピース74の雌の開口84およびカラーの半分体52、54の雄部分56の両方が実質的に蟻継ぎ状の形状であるがために、雌の開口84が雄部分56の周囲をさらに下方へと滑り下りるにつれて、図31のベクトル110によって示されるように、より大きな力が生み出され、それぞれの半分体52、54から主柱12の中心へと向けられることを、指摘しておくことが重要である。ベクトル106によって表わされる力または荷重が梁14に加わるとき、2つの半分体52、54は、ベクトル108によって表わされる1対の力によって、半分体52、54の接続先である主柱12の内面36または外面38の周囲によりしっかりと押し合わせられる。さらには、雌の開口84および雄部分56が、長さおよび幅の両方において蟻継ぎ状であるため、ベクトル110によって表わされるもう1対の力が、カラーの半分体52、54の各々を主柱12へと押し付ける。
【0042】
このようにして、締め付けの力108および内向きの力110の両方が、対応する等しい反力一式を生じさせ、二分割カラー50、梁14、および柱12を固定された安定な位置に保つ。例えば、図32に見られるように、荷重のベクトル106が梁14に加わるとき、荷重のベクトル106の力に対応する上述の内向きの力のベクトル110が、二分割カラー50を柱12へと押し付ける。次いで、柱12が、荷重のベクトル106によって生じる内向きの力のベクトル110の方向と反対の方向にカラー50を押す反力のベクトル112によって応答し、梁14と柱12との間の静的な平衡を維持する。上述の力の分布の仕組みを可能にする蟻継ぎ状の部品、ならびに引き抜きによって製造された梁14および柱12の強度が、梁14、したがって棚システム10に、大きな荷重が加わることを可能にする。
【0043】
図14Aおよび14Bに見られるように、ひとたび梁エンドピース74のヘッド部78が二分割カラー50のベース62へと雄部分56の周囲を完全に滑り下りると、カラー50を主柱12にしっかりと締め付ける最大の力が生成され、したがってさらなる接続手段が不要になる。次いで、上述と同じ接続プロセスが、梁14の反対側の端部について繰り返され、梁14が、図1に見られるように棚システム10の各側において横向きに2つの主柱12の間に堅固に固定される。
【0044】
梁14を柱12から取り外し、あるいは切り離すために、ユーザは、梁14および梁エンドピース74を押し上げる。そのようにするとき、梁エンドピース74のヘッド部78が、カラー50を垂直上方に移動する。雌の開口84が雄部分56を垂直上方に滑り、その際に、二分割カラー50によって主柱12へと加えられている締め付けの力が減少する。ひとたび雌の開口84が雄部分56から離れると、ユーザは、半分体52、54の一方または両方を主柱12から取り除くことができ、所望であれば梁14を新たな位置に配置し直すために、半分体52、54を切り欠き48の新たなペアへと挿入し、上述のプロセスを繰り返すことができる。
【0045】
上部柱コネクタ18が、図20、21、および23にさらに詳しく示されている。各々の上部コネクタ18は、両端に上部キャップ92が配置された真っ直ぐな矩形のコネクタ片90を備えている。各々の上部キャップ92は、図21に見られるとおり実質的にくさび形であり、すなわち上部キャップ92の上部の幅が、上部キャップ92の下部の幅よりも小さい。真っ直ぐなコネクタ片90および上部キャップ92の両者は、中空であり、図23に見られるように下面において開いている。各々の上部キャップ92は、図5Bにおいてすでに見た各々の主柱12ならびに図17に示したくさび96の対応する2連I字梁の断面形状に適合するように寸法および形状付けられた2連I字梁の形状の開口94を備えている。
【0046】
くさび96は、図17、18、および30に見られるように、長さおよび幅の両方において実質的に先細りである。換言すると、くさび96は、図17および18の両方の図に見られるように、最下部100よりも最上部98においてより短く、より細い。くさび96の側縁は、両側に曲面102が形成されるように内側へと充分に湾曲している。図30に見られるように、各々の曲面102の裏側には、くさびタブ104が配置されている。くさびタブ104は、矩形であり、上述した二分割カラー50のタブ70と実質的に同様である。くさび96は、好ましくは射出成形されたプラスチックで構成される。
【0047】
上部柱コネクタ18を棚システム10へと接続するために、1対のくさび96が、図19Aおよび図19Bの拡大挿入図に見られるように、主柱12の内面36および外面38に、各々の面に1つずつ配置される。各々のくさび96に配置された1対のくさびタブ104が、図19Bに見られるように、主柱12に定められた最も上方の1対の切り欠き48へと挿入される。次いで、くさび96をその場に保持しつつ、上部柱コネクタ18が、くさび96および主柱12の上へと滑り下ろされる。各々の上部キャップ92の開口94が、くさび96および主柱12へと滑り下ろされるにつれて、くさび96および主柱12の2連I字梁の断面を完全に収容する。上部キャップ92および対応するくさび96の先細りまたはくさび形の形状ゆえに、上部キャップ92が滑り下りるにつれて、両方のくさび96に大きな力が生み出され、くさび96を主柱12へと押す。結果として、正味の作用は、上述の二分割カラー50の2つの半分体52、54において利用された力と同様の締め付けの結合力であり、上部コネクタ18が所定の位置へとさらに押し込まれるにつれて、ますます大きくなる柱12の中心に向かう力が生み出される。このようにして、この内向きの力が、くさび96および上部コネクタ18の両者を所定の位置に堅固に固定された状態に保つ対応する等しい外向きの反力を生じさせる。このプロセスを、上部コネクタ18の他方の上部キャップ92について繰り返すことができ、あるいは両方の上部キャップ92を、2つの主柱12の間で同時に配置してもよい。次いで、もう1つの上部コネクタ18が、棚システム10の反対側の側端に配置され、図1および図19Aに見られるとおりの矩形の剛体フレームが形成される。
【0048】
同様のプロセスが、図22および33に示されるように、棚システム10への下部柱コネクタ16の適用についても存在する。上部柱コネクタ18と同様に、下部柱コネクタ16は、両端に下部キャップ116が配置された真っ直ぐなコネクタ114を備えている。各々の下部キャップ116は、自身の体積を貫通して定められた実質的に2連I字梁の形状の開口118を備えている。しかしながら、相当する上部キャップ92と異なり、開口118は、図22および33においてそれぞれ見られるように、下部キャップ116の上面および下面の両方に定められている。下部柱コネクタ16を接続するために、各々の下部キャップ116が、ベクトル120によって表わされている方向に主柱12へと滑らされる。下部キャップ116は、ユーザによって決定されるとおりの所望の高さに位置するまで、主柱12を上方へと滑らされる。ひとたび適切な高さに位置すると、上述のような1対のくさび96が、くさびタブ104が主柱の選択された1対の切り欠き48に進入するまで、下部キャップ116と主柱12との間に滑り込まされる。下部キャップ116および対応するくさび96の先細りまたはくさび形の形状ゆえに、くさび96が上方へと滑らされるにつれて、両方のくさび96に大きな力が生み出され、くさび96を主柱12へと押す。結果として、正味の作用は、上述の二分割カラー50の2つの半分体52、54に存在する力と同様の締め付けの結合力であり、下部コネクタ16が所定の位置へとさらに押し込まれるにつれて、ますます大きくなる柱12の中心に向かう力が生み出される。このようにして、この内向きの力が、くさび96および下部コネクタ18の両者を所定の位置に堅固に固定された状態に保つ対応する等しい外向きの反力を生じさせる。このプロセスを、下部コネクタ16の他方の下部キャップ116について繰り返すことができ、あるいは両方の下部キャップ116を、2つの主柱12の間で同時に配置してもよい。次いで、もう1つの下部コネクタ16が、棚システム10の反対側の側端に配置され、図1および図19Aに見られるとおりの完成した剛な平行六面体が形成される。
【0049】
棚システム10の一実施の形態においては、システム10が、図35〜38に示されている二分割フットインサート124および図34に示されている水平出しボルト122によって水平な足場を維持するための手段を備えている。水平出しボルト122は、この技術分野において見られる多くのボルトと同様であり、図34に見られるように末端部に雄ねじ144を備えている。二分割フットインサート124は、2つの半分体で構成されており、すなわち図35および36に見られる半分体「A」130と、図37および38に見られる半分体「B」132とで構成されている。各々の半分体130、132は、本体部134および一端に配置されたベース部136を備えている。ベース部136には、半円形のベース開口138が定められている。ベース開口138によってベース部136から始まる半円形が、各々の半分体130、132の長手方向の長さを貫いて延び、半円柱形の半内腔140を形成している。内腔140の末端部において、内表面に雌ねじ142が定められている。各々の二分割フットインサート124は、好ましくは射出成形によるプラスチックで構成される。
【0050】
二分割フットインサート124の各々の半分体130、132は、互いの鏡像である。すなわち、半分体「A」130および半分体「B」132が、図24に見られるように下面を互いに面するようにして合わせられるときに、完結した部品を構成し、半円柱形の半内腔140が水平出しボルト122を配置することができる完全な円柱形の内腔になる。
【0051】
二分割フットインサート124を棚システム10へと接続するために、フットインサート124の各々の半分体130、132が、各々の主柱12の空洞44へと滑り込まされる。各々の半分体130、132は、各々の半分体130、132の半内腔140に定められた各々の対応する雌ねじ142が互いに面するようにして、主柱12へと挿入される。ひとたび適切に配置されると、水平出しボルト122が、今や完全な円形となったフットインサート124のベース開口138に挿入される。ボルト122が、対をなした半内腔140を通って雌ねじ142に出会うまで押し込まれる。次いで、ボルト122が、ボルト122の末端部の雄ねじ144がフットインサート124の対をなした半内腔140に定められた雌ねじ142と螺合するように、回転させられる。雄ねじ144と雌ねじ142とが螺合することで、ボルト122を、ボルト122を相応に回転させることによって、フットインサート124において遠方方向および手前方向に自由に動かすことができる。同じフットインサート124の設置のプロセスが、棚システム10に存在するすべての柱12について繰り返される。
【0052】
システム10の水平出しボルト122のうちの1つ以上を回転させることによって、システム10の全高を、ユーザの所望に応じて、ボルト122のうちの開口138から突き出したままである長さに応じて調節することができる。あるいは、フットインサート124およびボルト122が設置された1本の柱12が、地面または床の平らでない部分に位置する場合に、その特定のボルト122を、システム10に存在する残りの柱12と同じ高さとなるように調節することができる。このようにして、フットインサート124および水平出しボルト122が、全体としての梁14および棚22が水平であり、あるいは所望の傾きへと調節され、したがって大量の荷重の支持に最もよく適することを保証するうえで、助けとなるように使用される。
【0053】
棚システム10の形成に関して、上述の構成部品およびそれらの全体としての配置の概要が、図24の分解図に示されている。水平出しボルト122および二分割フットインサート124を有する主柱12の底部から出発する。二分割フットインサート124が、柱12の底部へと挿入される鏡像である2つの半分体130、132を備えており、次いで水平出しボルト122が、フットインサート124へと挿入される。フットインサート124の上方に、下部柱コネクタ16が、対応するくさび96とともに位置している。柱12に沿って次には、棚板20を支持する複数の梁14が位置しており、梁14は、梁エンドピース76および二分割カラー50の2つの半分体52、54によって柱12へと接続されている。図24においては、2つの梁14が柱12に接続されるものとして示されているが、本発明の本来の技術的思想および技術的範囲から離れることなく、より少数またはより多数の梁14を柱12へと接続することが可能である。複数の梁14の後に、柱12へと接続される最後の構成部品は、上部柱コネクタ18および対応するくさび96である。当然ながら、実質的に同様の構成が、棚システム10に存在する各々の柱12に存在し、図24に示した構成が、あくまでも例示のための構成にすぎないことを、理解すべきである。
【0054】
図1に見られるとおりの棚システム10の構成は、棚システム10の「主モジュール」の例である。すなわち、主モジュールは、実質的に矩形の構成に配置された少なくとも4本の主柱12を、主柱12の間に横向きに接続された少なくとも1対の平行な梁14とともに含まなければならない。さらに、棚システム10の主モジュールは、主柱12の間に直角に接続された少なくとも2つの上部柱コネクタ18および少なくとも2つの下部柱コネクタ16を備えなければならない。定義の目的のために、本明細書において「主モジュール」と言うときは常に、上述の基本的な構成であると理解されなければならない。上述のように、主モジュールは、一般に、この定義の基本的な意味を変更することなく、図1に示したよりも少数または多数の棚板20または棚22を含むことができる。
【0055】
他の実施の形態においては、棚システム10を、ユーザの要求に応じて無限にいずれかの横方向に拡張することができる。例えば、図1に示した棚システム10の実施の形態において、別の複数の二次水平梁126を平行に、主柱12の主梁14とは反対側の面に接続することができる。換言すると、主梁14が平行に、主柱12の内面36へと接続される場合には、図40に見られるように、二次梁126を平行に、同じ主柱12の外面38へと接続することができる(あるいは、この反対でもよい)。ユーザは、二次梁126のペアを任意の数だけ主柱12へと接続することができ、決して存在する主梁14と同数の二次梁126を主柱12へと接続することに制約されない。また、ユーザは、主梁14の位置にかかわらずに、主柱12に沿った任意の高さに二次梁126を接続することができる。
【0056】
二次梁126の反対側の端部には、図40に見られるように、少なくとももう1組の垂直柱、すなわち二次柱128が接続される。二次梁126は、上述した二分割カラー50および梁エンドピース76という同じ手段によって、主柱12および二次柱128へと接続される。
【0057】
図40に見られるこの構成、すなわち少なくとも2本の柱が少なくとも1対の平行な梁へと接続され、次いでこれらの梁が別のモジュールの少なくとも2本の柱へと接続される構成が、「二次モジュール」を構成する。次いで、この二次モジュールに、任意の数の追加の二次モジュールを直列に接続することができ、1対の平行な梁が、その前に接続された先行の二次モジュールの柱へと接続される。このやり方で、すなわち任意の数の二次モジュールを直列に接続できることで、棚システム10が、1つ以上の横方向にユーザが望む限りまで拡張および延長可能になる。定義の目的のために、本明細書において「二次モジュール」と言うときは常に、上述の基本的な構成であると理解されなければならない。上述のように、二次モジュールは、一般的に、この定義の基本的な意味を変更することなく、図40に示したよりも少数または多数の棚板20または平行な二次梁126のペアを含むことができる。さらには、主モジュールに対する二次モジュールの正確な向きが、図40に示した向きとは異なってもよいことを、指摘しておかなければならない。例えば、二次モジュールを、図示のように主モジュールと同じ長手軸に沿って主モジュールへと接続することができる。しかしながら、適切な継ぎ手またはコネクタを使用することによって、二次モジュールの長手軸が主モジュールの長手軸に対して0〜179°のどこかに向くように、主モジュールへと接続することも可能であり、そのいくつかの実施の形態が後述される。
【0058】
さらに別の実施の形態においては、棚システム10を、主モジュールの長手軸または先行の二次モジュールに対して垂直な方向に拡張または延長することが可能である。棚システム10は、この実施の形態を、図25〜27に示した角コネクタ146を使用することによって実現する。角コネクタ146は、好ましくは射出成形によるプラスチックで構成され、本体148および本体148に配置されたフェース150を備えている。フェース150は、その表面に定められた1対の蟻継ぎ状の雄部分152を備えている。1対の雄部分152は、二分割カラー50の各々の半分体52、54に配置された雄部分56と同一であり、すなわち図26および27に最もよく見られるように、幅および長さの両寸法において実質的に蟻継ぎ状に形作られている。本体148のフェース150の面とは反対側の面に、図26において最もよく見ることができる上側リップ154および下側リップ156が配置されている。上側リップ154は、図25に見られるように、実質的に角コネクタ146の全幅にわたるフックを形成するように形作られている。下側リップ156は、下側リップ156のそれぞれの側縁に配置された外側畝158および内側畝160を備えている。
【0059】
角コネクタ146を棚システム10へと接続するために、下側リップ156の外側畝158が、棚システム10の任意の梁14の長さに沿ったユーザの所望する任意の地点において、梁14の下面26の下方に配置される。次いで、図4に示されている梁14の延長部34が、外側畝158と下側リップ156の主たる部位との間に定められる空間に挿入される。同時に、上側リップ154が、やはり図4に示されている梁14のリップ32と対応する側壁28との間に定められる空間に挿入される。次いで、角コネクタ146が、内側畝160が下面26の反対側の縁すなわち「内」縁の周囲にはまるまで、梁14を中心にして回転させられる。今や、梁14の下面26の幅全体が、角コネクタ146の下側リップ156に収容され、上側リップ154も、梁14のリップ32の内側にぴったりとはまり込んでいる。
【0060】
角コネクタ146を梁14へと堅固に接続した状態で、角コネクタ146のフェース150が、「外方向」または棚システム10の「外側」に露出されており、すなわち図28に見られるように、棚板20を備えている梁14の反対側に露出されている。次いで、端部に梁エンドピース76が接続されてなる直角梁または垂直梁162を、梁エンドピース76および二分割カラー50に関して上述した同じプロセスによって、角コネクタ146および角コネクタ146に配置された雄のリップ156へと接続することができる。直角梁162は、棚システム10へと接続されたとき、元の主梁14の方向に対して垂直または直角な方向にある。次いで、垂直梁162の反対側の端部を、図29および39に見られるように、上述した梁エンドピース76および二分割カラー50という同じ手段によって、補助垂直柱164へと接続することができる。次いで、このプロセスを、図39に最もよく見られるように平行な垂直梁162のペアまたは複数のペアを形成するために、並行して繰り返すことができる。次いで、複数の棚板20を、平行な垂直梁162のペアの上へと配置して、完成した垂直棚166を形成することができる。補助柱164の各ペアも、垂直棚166の構造的な完全性を維持するために、上述のような下部柱コネクタ16および上部柱コネクタ18を備えている。
【0061】
したがって、図29および39に見られる構成、すなわち少なくとも2本の補助柱164が少なくとも1対の平行な垂直梁162へと接続され、次いでこれらの垂直梁162が少なくとも1つの主梁14へと接続される構成も、「二次モジュール」を構成する。上述のように、主モジュールに対して垂直に接続された二次モジュールに、任意の数の追加の二次モジュールを直列に接続することができ、1対の平行な梁が、その前に接続された先行の二次モジュールの柱へと接続される。このやり方で、すなわち任意の数の二次モジュールを直列に接続できることで、棚システム10が、1つ以上の垂直方向にユーザが望む限りまで拡張可能および延長可能になる。上述のように、二次モジュールは、一般的に、この定義の基本的な意味を変更することなく、図29および39に示したよりも少数または多数の棚板20または平行な垂直梁162のペアを含むことができる。
【0062】
図29においては、4つの直角な棚166(主柱12の間に配置された対応する主モジュールの各々の棚22につき1つずつ)が、主梁14と1対の補助柱164との間に接続されているが、この例は、あくまでも例示を目的とするにすぎない。当然ながら、図示されているよりも小数または多数の直角な棚166を棚システム10へと接続することができ、直角な棚166を、主梁14へと、図29に見られるような主梁14の一番端の一方だけでなく、主梁14の長さに沿った任意の地点に接続できることを、理解すべきである。
【0063】
さらに別の実施の形態においては、棚システム10を、横方向および直角方向に、ユーザが望む限りにおいて拡張および延長することができる。例えば、図41および42に見られるように、棚システム10を、複数の二次梁126および柱128ならびに垂直梁162の両方を備えるように構成することができる。図41および42には見られないさらなる補助柱164も、棚システム10の構成に備えることができる。換言すると、ただ1つの主モジュールが、この主モジュールへと接続される複数の二次モジュールを有することができ、各々の二次モジュールが、互いに異なる向きで主モジュールへと接続される。したがって、当然ながら、図41および42に示されている構成が、決してこの構成への限定を意味するものではなく、図示されていない任意の数の構成も、本発明の本来の技術的思想および技術的範囲から離れることなく使用することが可能である。この実施の形態の目的は、ユーザに臨機応変なやり方で拡張可能な棚システム10を提供することにあり、すなわちユーザの現時点の必要性および条件に応じて思いのままに複数の方向に延ばすことができる棚システム10を提供することにある。たとえ直角コネクタの組み合わせだけを使用しても、多数の複雑かつ任意に構成された剛であって大きな荷重に耐える棚システム10を、ユーザによって容易に作ることが可能である。
【0064】
したがって、当然ながら、直角コネクタ146に関して上述した同じやり方で、他の接続角度を提供することができるコネクタを、本発明の技術的思想および技術的範囲から離れることなく、本発明の上記例示の実施の形態の教示に従って設けることができることを、理解すべきである。例えば、本発明の教示によれば、コネクタ146について示したものと類似のコネクタを、フェース150がリップ154および156ならびに畝158および160に対して適切な相対角度の向きにある斜めコネクタを成形することによって、30°、45°、60°、または他の角度での棚の接続を可能にするために用意できることが、明らかである。そのような場合には、適切な形状の棚板20および適切に寸法付けられた長さの梁14も、各々の角度に対応して用意されると考えられる。さらに、コネクタ146が、一方、すなわちフェース150と、他方、すなわちリップ154および156ならびに畝158および160との間に、任意の角度を可能にする縦ヒンジを備えてもよい。そのような場合、梁14も、その長さを棚システム10のユーザまたは設置者によって選択される角度に応じて任意に調節できるよう、伸縮自在であると考えられ、棚板20が、所望の形状へと容易に切断できるように構成されると考えられる。
【0065】
当業者であれば、本発明の技術的思想および技術的範囲から離れることなく、多数の変形および変更を行うことができるであろう。したがって、上記例示の実施の形態が、あくまでも例示の目的で説明されており、以下の発明およびそのさまざまな実施の形態によって定められるとおりの本発明を限定するものとして解釈してはならないことを、理解しなければならない。
【0066】
したがって、上記例示の実施の形態が、あくまでも例示の目的で説明されており、以下の特許請求の範囲によって定められるとおりの本発明を限定するものとして解釈してはならないことを、理解しなければならない。例えば、或る請求項の構成要素が特定の組み合わせにて後述されたとしても、本発明が、上記に開示されたより少数の構成要素、より多数の構成要素、または別の構成要素からなる他の組み合わせを、たとえそのような組み合わせが当初は請求項に記載されていなくても包含することを、当然ながら理解しなければならない。さらに、2つの構成要素が請求項に記載の組み合わせにて組み合わせられるという教示は、その2つの構成要素が互いに組み合わせられず、単独で使用でき、あるいは他の組み合わせにて組み合わせることができる請求項に記載の組み合わせも許すものとして理解されるべきである。本発明の上記開示の任意の構成要素の除去は、当然ながら、本発明の技術的範囲に包含されるように意図されている。
【0067】
本発明および本発明の種々の実施の形態を説明するために本明細書において使用される用語は、それらの一般的に定義される意味に理解されるだけでなく、一般的に定義される意味の範囲を超える構造、材料、または行為を本明細書における特別な定義によって含むものと理解されるべきである。したがって、或る構成要素を、本明細書の文脈において、2つ以上の意味を含むものと理解できる場合には、請求項におけるその構成要素の使用を、本明細書および用語そのものによって裏付けされた考えられるすべての意味を包含するものとして理解しなければならない。
【0068】
したがって、以下の特許請求の範囲の用語または構成要素の定義は、本明細書において、文字どおりに記載された構成要素の組み合わせだけでなく、実質的に同じ機能を実質的に同じやり方で実行して実質的に同じ結果を得るすべての均等な構造、材料、または行為を含むように定義される。したがって、この意味において、2つ以上の構成要素による均等な置換を、後述の特許請求の範囲の構成要素のうちの任意の1つについて行うことができ、あるいはただ1つの構成要素が、請求項中の2つ以上の構成要素を置き換えることができると考えられる。たとえいくつかの構成要素が特定の組み合わせにて機能するものとして上述され、請求項に当初はそのように記載されたとしても、請求項に記載の組み合わせからの1つ以上の構成要素を、場合によっては該当の組み合わせから削除でき、請求項に記載の組み合わせを、部分的な組み合わせまたは部分的な組み合わせの変種へと向けることができることを、当然ながら理解すべきである。
【0069】
請求項に記載の主題からのすでに公知であり、あるいは後に考え出される変化であって、当業者の目で見て実質的でない変化は、当然ながら、均等によって特許請求の範囲の技術的範囲に包含されると考えられる。したがって、当業者にとってすでに公知であり、あるいは後に知られることになる自明な置き換えは、上記定義の構成要素の技術的範囲に包含されると規定される。
【0070】
したがって、特許請求の範囲は、具体的に例示および上述された内容、概念的に均等である内容、置き換えが自明である内容、および本発明の本質的な考え方を本質的に取り入れている内容を含むように理解されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き抜き成形によって形成された複数の垂直柱と、
引き抜き成形によって形成され、前記複数の垂直柱の間に配置されて前記垂直柱へと接続される複数の水平梁と、
射出成形された複数の二分割カラーと、を備えており、
前記複数の二分割カラーのうちの1つが、前記複数の梁のうちの各々の梁の各端部を、前記複数の柱のうちの対応する1つの柱へと接続する棚システム。
【請求項2】
前記引き抜き成形によって形成される垂直柱および水平梁は、
グラスファイバーロービングの供給物を準備するステップと、
前記グラスファイバーロービングからの繊維を樹脂含浸装置を通して案内するステップと、
前記樹脂含浸装置からの樹脂を前記繊維に染み込ませるステップと、
成形ダイを通して、前記染み込まされた繊維を引っ張るステップと、
前記繊維を所定の形状へと形成して、引き抜きによる部品を形成するステップと、
前記形成された引き抜き部品を所定の長さに切断するステップと、を含む方法によって形成される、請求項1に記載の棚システム。
【請求項3】
前記二分割カラーが、2つの半分体で構成されており、該半分体の各々に少なくとも1つの雄部分が配置されており、前記複数の水平梁の各々が、対応する射出成形による複数の梁エンドピースをそれぞれ備えており、少なくとも2つの実質的に蟻継ぎ状の雌の開口が各梁エンドピースに画定されており、前記雌の開口の各々が、前記少なくとも1つの雄部分を受け入れて捕まえるように寸法および形状付けられている、請求項1に記載の棚システム。
【請求項4】
前記複数の梁エンドピースおよび二分割カラーが、各々の二分割カラーの各々の半分体がお互いに向かって押されて、当該二分割カラーの組み合わせ先である前記複数の垂直柱のうちの対応する垂直柱の周囲に締め付けられるように、前記複数の水平梁に加わる荷重を分布させるための手段を備えている、請求項3に記載の棚システム。
【請求項5】
前記複数の梁が平行ペアにて構成されており、水平梁の各々の平行ペアをまたいで配置される複数の棚板をさらに備え、該棚板が配置されてなる平行梁のペアが各々の端部において前記複数の垂直柱へと接続されて棚が形成される、請求項1に記載の棚システム。
【請求項6】
前記複数の水平梁の向きに対して直角または斜めの向きで、前記複数の垂直柱の間に接続された少なくとも2つの上部柱コネクタおよび少なくとも2つの下部柱コネクタをさらに備えている、請求項1に記載の棚システム。
【請求項7】
前記少なくとも2つの上部柱コネクタおよび少なくとも2つの下部柱コネクタが、前記複数の垂直柱と該少なくとも2つの上部柱コネクタおよび/または少なくとも2つの下部柱コネクタとの間に挿入される複数のくさび手段によって、前記複数の垂直柱の間に接続される、請求項6に記載の棚システム。
【請求項8】
前記少なくとも2つの上部柱コネクタ、前記少なくとも2つの下部柱コネクタ、および前記複数のくさびが、前記少なくとも2つの上部柱コネクタまたは前記少なくとも2つの下部柱コネクタに下向きの力が加わるときに、該下向きの力を前記複数の垂直柱の中心に向かって案内するための手段を共同で構成する、請求項7に記載の棚システム。
【請求項9】
主モジュールと、
前記主モジュールへと接続される少なくとも1つの二次モジュールと、を備え、
前記主モジュールは、
角位置に配置され、実質的に矩形の断面形状を有している少なくとも4本の引き抜き成形による垂直な主柱と、
それぞれの端部において前記主柱へと接続される少なくとも1対の引き抜き成形による平行かつ水平な主梁と、
前記少なくとも2つの主梁の上に配置される少なくとも1枚の棚板と、を有しており、
前記少なくとも1つの二次モジュールは、
少なくとも2本の引き抜き成形による垂直柱と、
一端において当該二次モジュールの前記少なくとも2本の垂直柱に接続され、他端において前記主モジュールへと接続される少なくとも1対の引き抜き成形による平行かつ水平な梁と、
当該二次モジュールの前記少なくとも1対の平行な梁に配置される少なくとも1枚の棚板と、を有する、棚システム。
【請求項10】
前記主モジュールへと接続される前記少なくとも1つの二次モジュールは、当該少なくとも1つの二次モジュールの長手軸が前記主モジュールと同じ長手軸に沿うように前記主モジュールへと接続され、前記二次モジュールの前記少なくとも1対の引き抜き成形による平行な梁が、前記主モジュールの前記4本の引き抜き成形による垂直な主柱のうちの少なくとも2本へと接続される、請求項9に記載の棚システム。
【請求項11】
前記二次モジュールの前記少なくとも1対の平行な梁の各々の端部へと接続される梁エンドピースと、前記4本の垂直な主柱のうちの少なくとも2本へと着脱可能に接続される二分割カラーと、を備える手段によって、前記主モジュールの前記4本の引き抜き成形による垂直な主柱のうちの少なくとも2本へと接続される前記二次モジュールの前記少なくとも1対の引き抜き成形による平行な梁が、前記4本の垂直な主柱のうちの少なくとも2本へと接続され、
前記梁エンドピースの各々に、1対の雌の開口が画定されており、前記二分割カラーが、少なくとも1つの雄部分がそれぞれに配置されている2つの半分体を備えており、各々の半分体に配置された前記雄部分が、前記梁エンドピースのうちの該当の1つに定められた前記1対の雌の開口のうちの一方に結合する、請求項10に記載の棚システム。
【請求項12】
前記主モジュールが、長手軸を有しており、複数の二次モジュールが、各々の二次モジュールの長手軸が前記主モジュールの長手軸にほぼ平行になるように、前記主モジュールへと直列につなぎ合わせられ、前記複数の二次モジュールの各々の前記少なくとも1対の引き抜き成形による平行な梁が、当該二次モジュールの前に直列に接続された二次モジュールの前記少なくとも2本の引き抜き成形による垂直柱へと接続される請求項10に記載の棚システム。
【請求項13】
前記主モジュールが、長手軸を有しており、前記主モジュールへと接続される前記少なくとも1つの二次モジュールが、前記主モジュールの長手軸に対して直角または斜めに接続され、該二次モジュールの前記少なくとも1対の引き抜き成形による平行な梁が、前記主モジュールの少なくとも1つの引き抜き成形による水平な主梁へと接続される請求項9に記載の棚システム。
【請求項14】
前記二次モジュールの前記少なくとも1対の平行な梁の各々の端部へと接続される梁エンドピースと、前記水平な主梁のうちの前記少なくとも1つへと着脱可能に接続される少なくとも2つの角コネクタと、を備える手段によって、前記主モジュールの前記引き抜き成形による水平な主梁のうちの少なくとも1つへと接続される前記二次モジュールの前記少なくとも1対の引き抜き成形による平行な梁が、前記水平な主梁のうちの前記少なくとも1つへと接続され、前記梁エンドピースの各々に、1対の雌の開口が定められており、各々の角コネクタが、該角コネクタの外向きの面に配置された少なくとも2つの雄部分を備えており、該少なくとも2つの雄部分が、前記梁エンドピースの前記1対の雌の開口へと接続される、請求項13に記載の棚システム。
【請求項15】
複数の二次モジュールの各々が、少なくとも1対の引き抜き成形による平行かつ水平な梁を備えており、前記複数の二次モジュールのうちの1つが、前記主モジュールへと該主モジュールの長手軸に対して直角または斜めに接続され、前記複数の二次モジュールの各々の前記少なくとも1対の引き抜き成形による平行な梁が、当該二次モジュールの前に直列に接続された二次モジュールの前記少なくとも2本の引き抜き成形による垂直柱へと接続されることで、互いに接続されて前記主モジュールへと接続された一続きの複数の二次モジュールが形成される請求項13に記載の棚システム。
【請求項16】
前記主モジュールへと接続される一つながりを形成する複数の二次モジュールであって、該複数の二次モジュールのうちの1つが前記主モジュールへと、該主モジュールに対して平行または所定の角度の向きにある角度の向きで接続される複数の二次モジュールと、
前記一つながりのうちの各々の二次モジュールを前記一つながりのうちの先行する二次モジュールへと、該先行する二次モジュールに対して平行または所定の角度の向きにある角度の向きで接続するための手段と、
をさらに備えている請求項9に記載の棚システム。
【請求項17】
棚システムにおいて引き抜き成形による水平梁を引き抜き成形による垂直柱へと接続する方法であって、
二分割カラーの2つの半分体を前記引き抜き成形による垂直柱に画定された対応する一対の切り欠きへと挿入するステップと、
前記引き抜き成形による水平梁の端部に接続された梁エンドピースを下方へと滑らせ、前記二分割カラーの前記2つの半分体に係合させるステップと、
前記梁エンドピースを前記二分割カラーに捕まえるステップと、を含んでいる方法。
【請求項18】
前記梁エンドピースを下方へと滑らせ、前記二分割カラーの前記2つの半分体に係合させるステップは、
前記二分割カラーの各々の半分体に配置された雄部分を、前記梁エンドピースに画定された対応する1対の雌の開口へと挿入するステップと、
前記梁エンドピースの前記雌の開口を前記二分割カラーの前記雄部分の周囲で下方へと、両方の雄部分が少なくとも部分的に前記雌の開口によって包まれるまで滑らせるステップと、を含んでいる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記梁エンドピースを前記二分割カラーに捕まえるステップが、前記雄部分および前記雌の開口を押し合わせるステップを含んでおり、前記雄部分および雌の開口が、前記梁エンドピースと前記二分割カラーとの間の水平方向または垂直方向の動きが防止されるよう、実質的に水平方向および垂直方向において蟻継ぎ状である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記引き抜き成形による水平梁に荷重が加わるとき、前記引き抜き成形による水平梁と前記引き抜き成形による垂直柱との間の接続の強度が自動的に増加するステップをさらに含んでいる、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記引き抜き成形による水平梁に荷重が加わるときの前記引き抜き成形による水平梁と前記引き抜き成形による垂直柱との間の接続の強度の自動的に増加するステップは、
前記梁エンドピースに定められた1対の雌の開口と前記二分割カラーに配置された1対の雄部分とからなる手段によって前記荷重を前記引き抜き成形による垂直柱へと向けるステップと、
前記引き抜き成形による水平梁に加わる前記荷重の大きさに応じて、前記二分割カラーの各々の半分体をお互いに向かって締め付けて、前記引き抜き成形による垂直柱の周囲によりきつく締め付けるステップと、を含んでいる、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
グラスファイバーロービングの供給物を用意するステップが、70%〜80%がガラスであるグラスファイバーロービングの供給物を用意するステップをさらに含んでいる請求項2に記載の棚システム。
【請求項23】
前記樹脂含浸装置からの樹脂を前記繊維に染み込ませるステップが、前記繊維を少なくとも2つの異なる種類の樹脂、離型剤、および着色剤で飽和させるステップをさらに含んでいる請求項2に記載の棚システム。
【請求項24】
前記複数の水平梁および垂直柱が、20%〜30%の樹脂を含んでいる請求項2に記載の棚システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2011−224370(P2011−224370A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−91341(P2011−91341)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(502250330)キャンブロ マニファクチュアリング カンパニー (1)
【Fターム(参考)】