説明

情報共有システムおよび情報共有方法

【課題】
特定の装置から提供された情報のみを共有することで高い安全性を確保して情報共有できるようにした情報共有システムおよびゲートウェイ装置および情報共有方法を提供する。
【解決手段】
IP電話機同士の通話サービスにより音声セションが確立された状態で、情報提供先ネットワークのゲートウェイ装置21から情報提供元ネットワークのクライアントPC13のIPアドレスを要求し、IPアドレスの開示許可が通知されると、プリントサーバ24とプリンタ23のIPアドレスを前記クライアントPC13に通知し、そのクライアントPC13のIPアドレスをプリントサーバ24に登録する。クライアントPC13では、通知されたプリントサーバ24のIPアドレスを宛て先として印刷データを送信し、受信したプリントサーバ24がその印刷データの送信元のIPアドレスが登録されたIPアドレスであるか判断することで印刷出力を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互ネットワーク間で情報共有を行う情報共有システムおよびゲートウェイ装置および方法に関し、特に、特定の相手先からのデジタル情報のみを受けることによって安全性の高い情報共有を行えるようにした情報共有システムおよびゲートウェイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子文書などの情報を複数のユーザで共有する場合、その共有するユーザが共通的にアクセスできる装置、例えば、文書管理サーバなどを設けることにより情報共有を行うことができる。また、不特定多数の人に情報を提供する場合には、Webコンテンツを提供するWebサーバなどを立ち上げることで第三者への情報提供を行うことができる。
【0003】
その中でも、特定のユーザ間で情報を共有する場合には、単純に電子メール機能やP2P(Peer to Peer)機能などを用いてその情報を送信することで共有することが一般的である。
【0004】
情報提供を受けた被情報提供者(利用者)は、その提供内容を参照することによって情報共有することができるが、その提供された情報の内容の問い合わせを情報提供者に対して行う場合、例えば、電話、ファクシミリ、電子メール、掲示板などの方法を用いて問い合わせることができる。この場合、情報提供を行った提供者からみると、ある特定の情報を提供している場合には、その情報に対する問い合わせであることが容易に判断が付くが、しかし、さまざまな情報の提供を行っている場合には、その問い合わせ対象となる情報を特定するまでに時間を要することになる。
【0005】
また、その問い合わせに対して情報提供者は、必要に応じて更なる情報をその問い合わせを行ってきたユーザに提供する場合がある。このような場合において、即座に情報提供を行うには、その問い合わせを常時監視する必要があるほか、その提供する情報を予め用意しておく必要がある。
【0006】
情報を提供する技術の一例として、情報提供元と提供先とが遠距離にあり、提供先に設置されたプリンタに対してその情報を出力する印刷サービスを提供できるようにした従来技術が特許文献1に開示されている。
【0007】
この特許文献1に開示された従来技術においては、IPP(Internet Printing Protocol)でファイアウォールを越えられないプリントサーバに対してIPPで通信できるプロキシ装置を設け、そのプロキシ装置にプリントサーバのサーバサイトを開設することでプリントサーバをインターネット上で公開されたIPPサーバと見なし、印刷サービス要求、レスポンスをやり取りできるようにしている。
【0008】
このような技術を用いることにより、情報提供元と提供先とで必要な情報が容易に共有することができるようになるが、近年急速に発展した技術を悪用した脅威(リスク)が発生していることも事実であり、これらの脅威からその共有するデジタル情報を保護する必要がある。
【0009】
その脅威の中に、DoS(Denial of Service)攻撃や送信元IPアドレス偽装などが存在し、これらの脅威によって必要としない情報が無制限に送り付けられてしまう可能性がある。
【特許文献1】特開2003−58459
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に示された従来技術においては、プロキシ装置を設けることでファイアウォールを越えて通信できるようにしているが、情報提供先のプリンタの詳細情報を予め知っておく必要があり、不特定多数の提供先との情報共有を行うことができないという問題がある。
【0011】
また、この従来技術では、プロキシ装置を新たに設ける必要があるためそのシステムの構築に多くの時間と多額のコストを要することとなる。
【0012】
さらに、DoS(Denial of Service)攻撃や送信元IPアドレス偽装などの脅威に対して保全するための措置を予め講じる必要がある。
【0013】
そこで、本発明は、特定の装置から提供された情報のみを共有するようにして高い安全性を確保して情報共有できるようにした情報共有システムおよびゲートウェイ装置および情報共有方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、各地点に設けられた電話機同士による通話セションを確立し、当該通話セションが確立された地点のゲートウェイ装置同士がデジタル通信することによりデジタル情報を共有する情報共有システムにおいて、前記デジタル情報を管理した管理装置を有する地点の相手先に対して当該管理装置のネットワーク識別情報を要求する要求手段と、前記要求手段によって要求した相手先から前記管理装置のネットワーク識別情報を受信し、該ネットワーク識別情報を前記管理装置を有する相手先のゲートウェイ装置のネットワーク識別情報に関連付けて登録する登録手段と、前記要求手段によるネットワーク識別情報の要求を行った相手先の管理装置から前記デジタル情報の処理要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けた処理要求に含まれる要求元のネットワーク識別情報が前記登録手段で登録した前記管理装置のネットワーク識別情報と合致するか確認する確認手段とを具備し、前記確認手段によって登録されたネットワーク識別情報と合致することが確認できた場合に前記デジタル情報を各地点間で共有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項2の発明は、各地点に設けられた電話機同士による通話セションを確立し、当該通話セションが確立された地点のゲートウェイ装置同士がデジタル通信することにより相手先からデジタル情報を受け付け、前記デジタル情報を画像形成装置で画像形成することにより共有する情報共有システムにおいて、前記ゲートウェイ装置は、前記デジタル情報を管理した管理装置を有する地点の相手先に対して当該管理装置のネットワーク識別情報を要求する要求手段と、前記要求手段による要求によって相手先から受信した前記管理装置のネットワーク識別情報を相手先のゲートウェイ装置のネットワーク識別情報に関連付けて登録する登録手段と、前記要求手段によるネットワーク識別情報の要求を行った相手先の管理装置から前記デジタル情報の画像形成要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けた画像形成要求に含まれる要求元のネットワーク識別情報が前記登録手段で登録した前記管理装置のネットワーク識別情報と合致するか確認する確認手段と、前記確認手段によって登録されたネットワーク識別情報と合致することが確認できた場合に前記デジタル情報を前記画像形成装置に転送する転送手段とを具備し、前記画像形成装置は、前記転送手段によって転送されてきた前記デジタル情報の画像形成を行うことを特徴とする。
【0016】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記登録手段によって登録した前記管理装置のネットワーク識別情報を用いた前記確認手段による要求元の確認を有効および無効に設定する有効無効設定手段を更に具備し、前記確認手段は、前記受付手段で受け付けた前記処理要求のネットワーク識別情報が前記設定手段によって有効と設定されている場合に前記登録手段で登録されたネットワーク識別情報と合致するか確認することを特徴とする。
【0017】
また、請求項4の発明は、請求項1または2の発明において、前記登録手段によって登録した前記管理装置のネットワーク識別情報を前記通話セションの切断とともに消去する消去手段を更に具備することを特徴とする。
【0018】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記電話機を用いた通話セションの切断によって、前記登録手段で登録した前記管理装置のネットワーク識別情報を前記設定手段によって無効と設定することを特徴とする。
【0019】
また、請求項6の発明は、請求項1の発明において、各地点に設けられた電話機同士による通話セションを確立し、当該通話セションが確立された地点のゲートウェイ装置同士がデジタル通信することによりデジタル情報を共有する情報共有方法において、前記デジタル情報を管理した管理装置を有する地点の相手先に対して当該管理装置のネットワーク識別情報を前記ゲートウェイ装置で要求手段によって要求し、前記要求手段によって要求した相手先から前記管理装置のネットワーク識別情報を受信し、該ネットワーク識別情報を前記管理装置を有する相手先のゲートウェイ装置のネットワーク識別情報に関連付けて登録手段で登録し、前記要求手段によるネットワーク識別情報の要求を行った相手先の管理装置から前記デジタル情報の処理要求を受付手段で受け付け、前記受付手段によって受け付けた処理要求に含まれる要求元のネットワーク識別情報が前記登録手段で登録した前記管理装置のネットワーク識別情報と合致するか確認手段で確認し、前記確認手段によって登録されたネットワーク識別情報と合致することが確認できた場合に前記デジタル情報を各地点間で共有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、IP電話機同士による音声セションが確立されたネットワークのノード間で、デジタル情報を管理したクライアントPCのIPアドレス及び当該デジタル情報を印刷出力するプリンタ及びプリントサーバのIPアドレスを共有する。その後、プリンタサーバで受信した印刷データに示された要求元IPアドレスが先に共有したクライアントPCのIPアドレスと同一である場合にそのデジタル情報をプリンタから印刷出力するように構成したので、通話状態にある相手先のネットワークからの情報のみを印刷出力することができるようになり、第三者からの不正な情報を印刷出力することがなくなるため、高い安全性を確保した情報共有が可能となるという効果を奏する。
【0021】
また、音声セションとともにデータセションを確立し、当該データセションによるデータ通信を行うように構成したので、情報共有にかかる手間を要することなく簡単に必要な情報を相互間で共有することができるようになるという効果をも奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係わる情報共有システムおよびゲートウェイ装置および情報共有方法の一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は、本発明に係わる情報共有システムおよびゲートウェイ装置および情報共有方法を適用して構成したシステム構成図である。
【0024】
図1において、この情報共有システムは、通信回線を用いた音声通信、映像やチャットなどのブロードバンド通信に代表される通信サービスの利用により、所定のデジタル情報をその通信サービスの通信相手と相互に共有するシステムであって、その通信サービスによる通信相手からのみ情報提供を受けるようにすることで高い安全性を確保した情報共有を実現するシステムである。
【0025】
さらに、その通信サービスの通信相手との切断により、当該通信相手との情報共有も行えないようにすることでより高い安全性を確保した情報共有システムを提供する。
【0026】
このときの音声通信として、例えばVoIP(Voice over Internet Protocol)技術を用いたIP電話があり、また、ブロードバンド通信としてネットワークカメラを用いたリアルタイム動画配信やビデオチャットなどがある。
【0027】
このような通信サービスを用いて通信状態にある相手と情報共有を行う。
【0028】
なお、以下では通信サービスとして「IP電話」を用いた場合の例を説明する。
【0029】
この情報共有システムは、IP電話で呼を受け付けてデジタル情報を提供する情報提供元ネットワーク10、情報提供元ネットワーク10へとIP電話を用いて呼を発信することでデジタル情報の提供を受ける情報提供先ネットワーク20から構成され、情報提供元ネットワーク10と接続された情報提供先ネットワーク20は1つ以上のネットワークセグメントから構成される。
【0030】
情報提供元ネットワーク10と情報提供先ネットワーク20は、通信回線によって接続されており、例えば、インターネット接続のほか、VPN(Virtual Private Network)や広域イーサネット(登録商標)サービスに代表される公衆回線や専用線を用いて接続する。もちろん、これらのWAN(Wide Area Network)接続だけでなくLANケーブルを用いた閉域ネットワーク内の接続であってもよい。この場合、情報提供元ネットワーク10と情報提供先ネットワーク20とが同一のネットワーク内(LAN内)にあることを示す。
【0031】
情報提供元ネットワーク10は、ゲートウェイ装置11、IP電話機12、クライアントPC13を具備して構成され、情報提供先ネットワーク20は、ゲートウェイ装置21、IP電話機22、プリンタ23、プリントサーバ24を具備して構成される。これらのネットワークを接続して構成するこの情報共有システムでは、情報提供元ネットワーク10に設置されたクライアントPC13の記憶領域で保存されたデジタル情報を情報提供先ネットワーク20に設置されたプリンタ23で印刷出力することによって相互間で情報共有する。
【0032】
また、各ネットワークに属するそれぞれの装置は、全てがLANケーブルによって接続されたノードであって相互通信が可能である。
【0033】
以下に、ネットワークを構成する各ノードに付いて説明する。
【0034】
まず、情報提供元ネットワーク10において、ゲートウェイ装置11は、ルータやレイヤー3スイッチによって構成され、ネットワークのエッジ部分に設置されて情報提供元ネットワーク10内部と外部ネットワークとのデータ通信をブリッジする機能を有する。
【0035】
また、このゲートウェイ装置11は、情報提供元ネットワーク10を構成するノードへの経路情報を保持し、受信したデータの宛て先情報(IPアドレスやポート番号、MACアドレスなど)を参照することによりその経路情報に基づいてデータを転送する。すなわち、図1に示す情報提供元ネットワーク10はIP電話機12、クライアントPC13の各ノードによって構成され、音声パケットなどをIP電話機12へ転送し、他のパケットをクライアントPC13へと転送する。
【0036】
また、このゲートウェイ装置11では、外部ネットワークからクライアントPC13のIPアドレス通知要求を受信し、この通知要求を受信することによりクライアントPC13のIPアドレスを開示することが適当であるかを確認する開示確認処理を行う。この開示確認処理では、IPアドレスの通知要求の送信元を識別することで適当な相手であるかを判断するとともに、本情報共有システムの利用が可能であるかを確認する。開示確認処理によって開示できる場合には通知要求元に対してIPアドレスの開示が可能である旨を示す「許可応答」を送信し、また反対に、開示できない場合には「拒否応答」を送信する。
【0037】
許可応答を送信した相手先ネットワークから共有するデジタル情報を処理する装置、例えば、プリンタ23やプリントサーバ24などの装置のIPアドレスを受信し、これと引き換えに経路情報として管理したクライアントPC13のIPアドレスを転送する。受信したプリンタ23やプリントサーバ24のIPアドレスは、相互ネットワーク間で共有するデジタル情報を管理したクライアントPC13へ転送する。
【0038】
IP電話機12は、音声をパケット化し、相手先のネットワーク(情報提供先ネットワーク20)のIP電話機22との音声セションを確立してその相手先と相互通信することで通話を行う。
【0039】
クライアントPC13は、相互ネットワーク間で共有するデジタル情報を管理し、データセションが確立された相手先ネットワークへ印刷要求する。この印刷要求の宛て先情報として指定するIPアドレスはデータセションの確立時に通知されたIPアドレスであって、また、送信元情報として指定するIPアドレスは予めクライアントPC13に設定されたIPアドレスである。
【0040】
次に、情報提供先ネットワーク20において、ゲートウェイ装置21は、情報提供元ネットワーク10のゲートウェイ装置11同様、ネットワークを構成するノードへの経路情報を保持し、その経路情報に基づいてデータを転送する。
【0041】
また、情報提供先ネットワーク20内部のIP電話機22からの音声パケットの受信して情報提供元ネットワーク10へとその音声パケットを転送することで呼出を行う。この呼出の間、プリントサーバ24に対して状態確認要求を転送することで動作状態を確認する。プリントサーバ24の動作状態が確認でき、呼出に相手先のIP電話機12が応答することで音声セションが確立されると、続いて、その音声セションが確立されたネットワークのゲートウェイ装置11に対してデジタル情報を管理したクライアントPC13のIPアドレスを要求する。
【0042】
この要求に対して、クライアントPC13のIPアドレスが開示可能である許可応答を受信した場合には、さらに動作確認を行ったプリントサーバ24とプリンタ23のIPアドレスを通知する。これにより受信したクライアントPC13のIPアドレスをプリントサーバ24へと転送する。
【0043】
これらの処理によって、IP電話機同士で音声セションを確立したネットワーク間でデータセションが確立され、デジタル情報の相互通知が可能となる。
【0044】
このデータセションが確立された状態で印刷要求を受信すると、その印刷要求の宛て先情報として示されたプリントサーバ24へと転送する。
【0045】
IP電話機22は、音声をパケット化し、呼を相手先のネットワークへと送信することで呼出を行い、呼出に対する応答を受信することで音声セションが確立する。ちなみに、ITU−T(国際電気通信連合)などで標準化されたH.323やMGCP(Media Gateway Control Protocol)、H.248、SIP(Session Initiation Protocol)などの呼制御プロトコルを用いることによってIP電話機同士の音声セションの確立を行う。
【0046】
プリンタ23は、デジタル情報を印刷出力することにより相互ネットワーク間で情報共有する画像形成装置の一例である。また、プリントサーバ24からの印刷要求に基づき印字媒体への印刷処理を行う。
【0047】
プリントサーバ24は、相手先の情報提供元ネットワーク10のクライアントPC13からの印刷要求を印刷制御する。その印刷要求に対する印刷を行うためのプリンタ23の動作確認を随時行う。また、ゲートウェイ装置21からの状態確認要求に基づいてプリンタ23の動作状態とともに正常動作である場合には状態確認応答をゲートウェイ装置21に対して応答する。
【0048】
さらに、ゲートウェイ装置(11、21)同士の通信により情報提供元ネットワーク10のクライアントPC13のIPアドレスを受信し、相手先のゲートウェイ装置11に対するIPアドレスとして登録して管理する。この管理状態の一例を図4で示す。
【0049】
そして、このプリントサーバ24が印刷要求を受信すると、その印刷要求の送信元IPアドレスに指定されたIPアドレスが管理したIPアドレスに登録されているかを確認する。登録されている場合には印刷要求を受け付けてプリンタ23に印刷出力を行う。
【0050】
このプリントサーバ24では、IP電話機同士の音声セションが解放されると同時に切断処理が行われて、登録したIPアドレスを消去する。なお、登録したIPアドレスを消去するのではなく、一時的に無効状態にしておき、再度音声セションが確立されたときに参照するような構成であってもよい。前者の場合のIPアドレスの登録状態を図4に示し、後者の場合のIPアドレスの登録状態を図10に示す。
【0051】
以上のような構成によって、プリントサーバ24に登録したIPアドレスを送信元IPアドレスとして印刷要求のみを印刷出力することができるようになる。
【0052】
これにより、音声セションの確立された状態にある相手先のネットワークの特定の装置からのみデータを受信することができるようになり、高い安全性を確保した情報共有が可能となる。
【0053】
図2は、図1に示した構成の変形例を示す図である。
【0054】
図1では、プリントサーバ24を設けて印刷制御を行っているが、図2では、プリントサーバ24を設けるのでなくプリンタ23が図1に示したプリントサーバ24の機能を持ち、印刷制御するように構成した図である。
【0055】
図3は、本願発明のプリントサーバの構成を示すブロック図である。
【0056】
図3に示すプリントサーバは、通信部301、制御部302、記憶部303、状態確認部304、アドレス制御部305、管理部306、出力制御部307、U/I308を具備して構成され、IP電話機による通話要求を行うネットワークであって共有するデジタル情報の提供を受ける情報提供先ネットワークに設置される。
【0057】
ゲートウェイ装置からプリンタの状態確認要求を通信インターフェースである通信部301で受けると、制御部302を介して状態確認部304で監視状態にあるプリンタの状態を応答する。この状態確認部304では、通信部301を介して接続状態にあるプリンタの動作状態を一定の間隔で監視し、プリンタに異常が発生した場合などはその旨をU/I308を用いて報知する。
【0058】
また、この通信部301で、情報提供元ネットワークのクライアントPCのIPアドレスを受け付けると、制御部302に通知し、制御部302でアドレス制御部305にそのIPアドレスの登録指示を行う。このアドレス制御部305では、制御部からのIPアドレス登録指示に基づき、受信した情報提供元ネットワークのゲートウェイ装置に関連付けてそのIPアドレスを管理部306に登録する。
【0059】
すなわち、管理部306では、ネットワークのゲートウェイ装置ごとに共有するデジタル情報を有したクライアントPCのIPアドレスを管理する。このときの管理したIPアドレスの管理状態を図4に示す。
【0060】
図4は、「(相手先の)ゲートウェイ装置IPアドレス」カラム(401)、「印刷許可IPアドレス」カラム(402)から構成されるアドレスリストを示しており、「(相手先の)ゲートウェイ装置IPアドレス」カラム(401)には、音声セションが確立されたネットワークのゲートウェイ装置のIPアドレスが示され、「印刷許可IPアドレス」カラム(402)には、印刷許可した装置のIPアドレスが示される。
【0061】
この「印刷許可IPアドレス」カラム(402)に登録されたIPアドレスの装置からの印刷データのみを印刷許可する。ちなみに、このアドレスリストは音声セションが切断されることにより自動的に消去する。
【0062】
これにより、特定の装置からの印刷要求のみをプリンタで印刷出力することができる。
【0063】
そして、図3の通信部301では、印刷要求を受け付けると、制御部302に印刷要求を受け付けたことを通知し、制御部302がその印刷要求に対する印刷データを記憶部303に記憶するとともにその旨をアドレス制御部305に通知する。このときのアドレス制御部305は、記憶部303に記憶された印刷要求に対する印刷データに指定された印刷要求元のIPアドレスを解析する。そして、解析したIPアドレスが通話状態にあるゲートウェイ装置に対するIPアドレスとして管理部306で管理されているか判断する。
【0064】
管理部306で印刷要求元のIPアドレスを管理している状態にあると判断したアドレス制御部305は、その旨を制御部302に通知する。さらにこの制御部302では、その印刷データの印刷要求を出力制御部307に行い、出力制御部307が印刷ジョブを通信部301を介してプリンタに転送する。
【0065】
プリンタに転送した印刷ジョブが当該プリンタで正常に印刷出力されたことを通信部301を介して制御部302で受信すると、その旨を示す印刷完了通知を制御部302で作成してクライアントPCに送信する。
【0066】
また、通信部301を介してゲートウェイ装置から切断情報が通知されると、制御部302がアドレス制御部305に対してその切断情報に含まれるゲートウェイ装置のIPアドレスをリスト上から消去する指示を行い、アドレス制御部305がその指示内容に基づいて管理部306で管理したIPアドレスを消去する。
【0067】
なお、U/I309は、表示ディスプレイやキーボード、ポインティングデバイス、タッチパネルなどのユーザインターフェースであって、さまざまな情報を表示するほか、このU/I309を用いてユーザが処理を指示することができる。
【0068】
このような構成により、プリントサーバでは、登録したIPアドレスと合致したIPアドレスを持つ印刷要求のみをプリンタで印刷出力することができる。
【0069】
図5は、本願発明の情報提供システムにおける処理全体の流れを示すシーケンス図である。
【0070】
図5において、情報提供先ネットワークのIP電話機を用いて情報提供元ネットワークのIP電話機を呼び出す(501)。この呼出により情報提供先ネットワークのゲートウェイ装置では、プリントサーバに対してプリンタの状態を確認する状態確認要求を送信し(502)、そのプリントサーバからプリンタの状態を示す状態確認応答を受信する(503)。プリントサーバでは、常時、プリンタの稼動状態を確認している状態にある。
【0071】
情報提供先ネットワークのゲートウェイ装置が同ネットワーク内のプリンタの状態確認が行えた状態で、IP電話機による呼出の応答が行われる(504)と、相互ネットワーク間で音声セションが確立された状態となる。
【0072】
音声セションが確立された状態で情報提供先ネットワークのゲートウェイ装置から情報提供元ネットワークに対して、デジタル情報を管理した装置(本実施例では「クライアントPC」を示す)のIPアドレスを要求する(505)。このIPアドレスの要求を受けた情報提供元ネットワークのゲートウェイ装置では、その要求に対して同ネットワークのクライアントPCのIPアドレスを開示してよいか確認する開示確認処理を行う(506)。
【0073】
この開示確認処理では、クライアントPCのIPアドレスの要求元を識別し、つまり、音声セションが確立されたネットワークのゲートウェイ装置から行われた要求であるか識別する。要求元がセションが確立されたネットワークのゲートウェイ装置であると確認できた場合などに、IPアドレスの通知を許可する応答(「許可応答」ともいう)を返信する(507)。
【0074】
それに対して、IPアドレスの要求元がセションが確立されたネットワークのゲートウェイ装置であると確認できない場合には、IPアドレスを通知することができない応答(「拒否応答」ともいう)を返信する(507)。この拒否応答を返信した場合には、情報共有におけるデータセションの確立を行う処理を停止する。
【0075】
この(505)から(507)の処理によって、本システムを用いた情報共有の処理が可能であるかを確認でき、許可応答を情報提供先ネットワークのゲートウェイ装置で受信した場合に可能であると確認できる。
【0076】
そして、許可応答を受信した情報提供先ネットワークのゲートウェイ装置では、続いて、同ネットワークに接続されたプリントサーバとプリンタのIPアドレスを情報提供元ネットワークのゲートウェイ装置に通知する(508)。この通知を受けた情報提供元ネットワークのゲートウェイ装置は、同ネットワーク内の共有するデジタル情報を管理したクライアントPCのIPアドレスを返信する(509)。また同時に、情報提供元ネットワークのゲートウェイ装置では、受信したプリントサーバとプリンタのIPアドレスをクライアントPCに通知する(510)。
【0077】
そして、情報提供元ネットワークのゲートウェイ装置から通知されたクライアントPCのIPアドレスを受けた情報提供先ネットワークのゲートウェイ装置は、プリントサーバにそのIPアドレスを通知する(512)。
【0078】
これにより、情報提供先ネットワークのプリントサーバと情報提供元ネットワークのクライアントPCとの間でデータセションが確立される。
【0079】
この状態で、情報提供先ネットワークのプリントサーバでは、通知されたIPアドレスを受信したネットワークのゲートウェイ装置のIPアドレスに対応付けて登録する(513)。この対応付けの例を図4に示す。
【0080】
受信したクライアントPCのIPアドレスが登録された状態で、印刷要求を受け付けると(514)、受け付けた印刷要求に対する印刷データに示された印刷要求元IPアドレスを確認するアドレス確認処理を行う(515)。このアドレス確認処理の詳細なフローを図7のフローチャートで示す。
【0081】
そして、印刷要求元IPアドレスが登録したIPアドレスと一致した場合にプリンタに対して印刷要求を行う(516)。
【0082】
印刷要求を受けたプリンタでは、印刷出力処理を行い、印刷原稿を出力する(517)。正常に印刷が完了すると、完了通知をプリントサーバに送信し(518)、プリントサーバは印刷要求元である情報提供元ネットワークのクライアントPCに対して印刷完了通知を送信する(519)。
【0083】
これにより、音声セションが確立された通話相手とのネットワーク間で情報共有が行われる。
【0084】
そして、情報提供元ネットワーク若しくは情報提供先ネットワークのIP電話機から通話の切断されると(図5では、情報提供元ネットワークのIP電話から切断が行われた例を示す)、情報提供先ネットワークのゲートウェイ装置では、同ネットワークのプリントサーバに対して切断情報を送信する(521)。切断情報を受信したプリントサーバでは、切断処理を行う。この切断処理の詳細なフローを図8のフローチャートで示す。
【0085】
ちなみに、情報提供元ネットワークのIP電話機から通話の切断されると、情報提供先ネットワークのゲートウェイ装置に切断要求が行われ(520)、この切断要求を受けたゲートウェイ装置が切断情報をプリントサーバに送信することとなる。
【0086】
以上に示すシーケンス図により、音声通話による音声セションが確立された相手とのみデータ通信を行うことができるようになる。
【0087】
図6は、本願発明の情報提供先ネットワークのゲートウェイ装置における処理を示すフローチャートである。
【0088】
図6において、情報提供先ネットワークのゲートウェイ装置では、IP電話機を用いた通話の発信を行う。そのIP電話機による通話に対して音声セションが確立された状態で、情報提供元ネットワークのゲートウェイ装置に対して共有するデジタル情報が管理された装置(クライアントPC)のIPアドレスを要求する(601)。
【0089】
IPアドレスの取得要求に対して、情報提供元ネットワークのゲートウェイ装置から許可応答が返信されたか判断する(602)。許可応答でなく拒否応答を受信した場合(602でNO)、つまり、情報提供元ネットワークでIPアドレスの通知を拒否した場合には、情報共有における処理を中止する。
【0090】
それに対して、許可応答を受信した場合(602でYES)には、音声セションが確立されたネットワークのゲートウェイ装置にプリンタとプリントサーバのIPアドレスを通知する(603)。これに対して、情報提供元ネットワークのゲートウェイ装置がクライアントPCのIPアドレスを送信して情報提供先ネットワークのゲートウェイ装置でそのIPアドレスを受信すると(604)、受信したIPアドレスをプリントサーバに転送する(605)。プリントサーバでは、受信した情報提供元ネットワークのゲートウェイ装置に対するクライアントPCのIPアドレスを登録する。
【0091】
そして、情報提供元ネットワークのゲートウェイ装置から印刷データを受信すると(606)、その印刷データをプリントサーバに転送する(607)。プリンタで印刷出力が完了した後にIP電話機による音声セションの切断が指示されると、ネットワーク間の音声セションを切断する処理を行い(608)、切断情報をプリントサーバに通知する(609)。
【0092】
このような処理によって、ゲートウェイ装置では、デジタル情報を保有するクライアントPCのIPアドレスを取得することができる。
【0093】
図7は、本願発明のプリントサーバにおける確認処理を示すフローチャートである。
【0094】
図7において、この確認処理は、ゲートウェイ装置から印刷データの印刷要求を受け付けると開始され、その印刷要求された印刷データを解析して印刷要求元のIPアドレスを特定する(701)。特定したIPアドレスを登録されたリスト上で確認する(702)。
【0095】
そのIPアドレスがリスト上に登録されているか判断し(703)、登録されている場合(703でYES)には、その印刷データを接続されたプリンタに転送する(704)。
【0096】
それに対して、特定した印刷要求元のIPアドレスがリスト上に登録されていない場合(703でNO)には、情報共有のための印刷処理を中止して(705)、印刷処理を中止した旨をプリントサーバ若しくはプリンタに表示する(706)。
【0097】
このような処理によって、リスト上に登録された印刷要求元からの印刷データのみを印刷出力することができる。
【0098】
図8は、本願発明のプリントサーバにおける切断処理を示すフローチャートである。
【0099】
図8において、この切断処理は、IP電話機による通話が切断されることによって行われる処理であって、情報提供先ネットワークのゲートウェイ装置から切断要求を受けると処理が開始され、その切断要求に含まれる切断情報を受信する(801)。
【0100】
受信した切断情報を展開してその切断情報における処理を可能とする(802)。その切断情報に基づき、指定されたゲートウェイ装置に対するIPアドレスのリストを消去する(803)。
【0101】
これにより、音声セションの解放と同時に当該セションの接続相手のIPアドレスを消去することができ、不要な印刷出力が行われることを防止することができる。
【実施例2】
【0102】
実施例1の変形例を図9〜図11の図面を用いて説明する。
【0103】
図9は、図5で示す本願発明の情報提供システムにおける処理全体の流れを示すシーケンス図の他の例を示したシーケンス図である。
【0104】
図5に示すシーケンス図では、情報提供元ネットワークから共有するデジタル情報を管理したクライアントPCのIPアドレスを受信して登録するような構成であるが、図9に示すシーケンス図では、一度受信して登録したIPアドレスを再利用することでアクセス回線の回線効率を向上させた流れを示している。
【0105】
なお、図9は図5に示したシーケンス図の変形例であるため異なる点を中心に説明する。
【0106】
IP電話機を用いた音声セションが確立された状態で、情報提供を受けるネットワーク(情報提供先ネットワーク)のゲートウェイ装置が情報提供を行うネットワーク(情報提供元ネットワーク)のゲートウェイ装置に対してデジタル情報を管理したクライアントPCのIPアドレスを要求する(505)。その要求に対して情報提供元ネットワークのゲートウェイ装置で開示確認処理が行われて(506)、その応答としてクライアントPCのIPアドレスを開示してもよいことを応答する許可応答若しくはIPアドレスの開示を拒否する拒否応答のいずれかを情報提供先ネットワークのゲートウェイ装置で受信する(507)。
【0107】
その情報提供先ネットワークのゲートウェイ装置では、許可応答を受信した場合に同ネットワークのプリントサーバに対してその許可応答を転送する(901)。許可応答を受信したプリントサーバでは、その許可応答を解析して送信元の情報提供元ネットワークのゲートウェイ装置のIPアドレスを特定する。そのIPアドレスが図10に示すような一覧に登録されているか確認する登録確認処理を行う(902)。この登録確認処理の詳細な処理の流れを図11のフローチャートに示す。
【0108】
ちなみに図9に示すシーケンス図では、登録確認処理によって情報提供元ネットワークのゲートウェイ装置のIPアドレスが一覧に登録されている場合の流れを示しているが、登録されていない場合には共有するデジタル情報を管理した情報提供元ネットワークのクライアントPCのIPアドレスを要求する処理が行われる(図示せず)。
【0109】
一覧に登録されている場合には、この時点で相互ネットワーク間でデータセションが確立され、データ通信が可能となる。
【0110】
これにより、情報提供元ネットワークのクライアントPCからの印刷要求を受け付けることができ、これ以降、図5のシーケンス図で示すような処理が行われて相互ネットワーク間で情報共有が可能となる。
【0111】
図10は、図4に示す印刷許可したIPアドレスの一覧を示すIPアドレスリストの変形例を示す図である。
【0112】
図10では、図4の相手先のゲートウェイ装置のIPアドレスに対する印刷許可IPアドレスの一覧に「状態」カラム(1001)を付与したIPアドレスリストであり、図4に示すIPアドレスリスト同様、情報提供先ネットワークのプリントサーバで管理される。
【0113】
この「状態」カラム(1001)は、音声セションとデータセションが確立されたネットワーク間において、「印刷許可IPアドレス」カラム(402)に登録されたIPアドレスを有効とするか無効とするかを設定したカラムであって、[active]と示されている場合には「印刷許可IPアドレス」カラム(402)のIPアドレスを有効とし、[Non_active]と示されている場合には同様に、「印刷許可IPアドレス」カラム(402)のIPアドレスを無効とする。
【0114】
図10において、「(相手先の)ゲートウェイ装置IPアドレス」カラム(401)の値が[ゲートウェイ装置のIPアドレス(1)]であるレコードの「状態」カラムには、[active]が設定されていた状態を示し、また、「(相手先の)ゲートウェイ装置IPアドレス」カラム(401)の値が[ゲートウェイ装置のIPアドレス(2)]であるレコードの「状態」カラムには、[Non_active]が設定された状態を示している。
【0115】
すなわち、ゲートウェイ装置のIPアドレス(1)に対する印刷許可IPアドレスとして示されたクライアントPCのIPアドレスが有効であることを示している。
【0116】
このゲートウェイ装置に対する印刷許可IPアドレスは、一定の時間が経過することにより消去するように構成してもよい。
【0117】
図11は、図9のシーケンス図で示した登録確認処理の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。
【0118】
図11に示す登録確認処理は、情報提供元ネットワークのゲートウェイ装置から許可応答が送信されてきた場合に情報提供先ネットワークのプリントサーバで実行されるフローであって、許可応答を受信すると、その許可応答を解析することにより送信元のゲートウェイ装置のIPアドレスを特定する(1101)。
【0119】
特定したゲートウェイ装置のIPアドレスに対する印刷許可IPアドレスの一覧が図10に示すようなIPアドレス一覧のテーブルに登録されているか確認(1102)し、登録済みであるか判断する(1103)。この判断処理では、解析したゲートウェイ装置のIPアドレスが図10に示す「(相手先の)ゲートウェイ装置のIPアドレス」のカラムに登録されているか判断する。
【0120】
この判断処理によって、登録済みであると判断した場合(1103でYES)には、そのゲートウェイ装置のIPアドレスに対する印刷許可IPアドレスの「状態」カラムを[active]へと更新する(1104)。すなわち、印刷許可IPアドレスを持つ装置からのデータ受信を可能とする。
【0121】
それに対して、解析したゲートウェイ装置のIPアドレスが登録済みでない場合(1103でNO)には、許可応答の送信元であるゲートウェイ装置に対して相互ネットワーク間で共有するデジタル情報を管理したクライアントPCのIPアドレスを要求する(1105)。その応答として、受信したクライアントPCのIPアドレスを図10に示すような一覧に登録し、その「状態」カラムを[active]へと更新する(1106)。これにより、登録したクライアントPCから送られてくるデジタル情報を受信することができるようになる。
【0122】
ちなみに、図9に示すシーケンスでは、上記のような登録確認処理のフローで許可応答の送信元であるゲートウェイ装置のIPアドレスが登録されている場合の流れを示している。
【0123】
なお、図10に示すような印刷許可IPアドレスの一覧は、一定の時間が経過することによってそのIPアドレスの情報を更新するように構成してもよいし、また、一定の時間が経過することによって一覧からIPアドレスを消去するように構成してもよい。これにより、最新のIPアドレスを保持することができるとともにアクセス効率の向上になる。
【0124】
以上の実施例2に示す処理では、実施例1の処理に比べて回線効率が向上し、より簡単に情報共有が可能となる。
【0125】
以上の実施例1または実施例2に示すような構成、処理によって、本発明の情報共有システムでは、音声通話による音声セションが確立された相手とのみデータ通信を行うことができ、さらに音声セションが確立された相手先ネットワークの特定の装置からの印刷要求のみを処理することができる。
【0126】
これによって、音声セションが確立された状態にあって、なおかつ特定の装置からの印刷要求を処理することができ、意図しない相手先からの不正な情報を受信することを防止できる。
【0127】
従って、本発明を適用することにより、高い安全性を確保したデータ通信による相互ネットワーク間での情報共有が可能になるという効果を期待できる。
【0128】
本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明は、相互ネットワーク間で情報共有を行う情報共有システムに適用可能であり、特に、音声セションが確立されたネットワークのクライアントPCからの印刷要求に対してのみ印刷出力を行うことで高い安全性を確保した状態で情報共有するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本願発明の情報提供システムにおけるネットワーク構成を示す図。
【図2】本願発明の情報提供システムにおけるネットワーク構成を示す他の図。
【図3】本願発明のプリントサーバの構成を示すブロック図。
【図4】本願発明のプリントサーバで管理するIPアドレスの一覧を示す図。
【図5】本願発明の情報提供システムにおける処理全体の流れを示すシーケンス図。
【図6】本願発明のゲートウェイ装置における処理を示すフローチャート。
【図7】本願発明のプリントサーバにおける確認処理を示すフローチャート。
【図8】本願発明のプリントサーバにおける切断処理を示すフローチャート。
【図9】図5で示す本願発明の情報提供システムにおける処理全体の流れを示すシーケンス図の他の例を示したシーケンス図。
【図10】図4に示す印刷許可したIPアドレスの一覧を示すIPアドレスリストの変形例を示す図。
【図11】図9のシーケンス図で示した登録確認処理の詳細な処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0131】
10 情報提供元ネットワーク
11 ゲートウェイ装置
12 IP電話機
13 クライアントPC
20 情報提供先ネットワーク
21 ゲートウェイ装置
22 IP電話機
23 プリントサーバ
24 プリンタ
301 通信部
302 制御部
303 記憶部
304 状態確認部
305 アドレス制御部
306 管理部
307 出力制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各地点に設けられた電話機同士による通話セションを確立し、当該通話セションが確立された地点のゲートウェイ装置同士がデジタル通信することによりデジタル情報を共有する情報共有システムにおいて、
前記デジタル情報を管理した管理装置を有する地点の相手先に対して当該管理装置のネットワーク識別情報を要求する要求手段と、
前記要求手段によって要求した相手先から前記管理装置のネットワーク識別情報を受信し、該ネットワーク識別情報を前記管理装置を有する相手先のゲートウェイ装置のネットワーク識別情報に関連付けて登録する登録手段と、
前記要求手段によるネットワーク識別情報の要求を行った相手先の管理装置から前記デジタル情報の処理要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けた処理要求に含まれる要求元のネットワーク識別情報が前記登録手段で登録した前記管理装置のネットワーク識別情報と合致するか確認する確認手段と
を具備し、
前記確認手段によって登録されたネットワーク識別情報と合致することが確認できた場合に前記デジタル情報を各地点間で共有する
ことを特徴とする情報共有システム。
【請求項2】
各地点に設けられた電話機同士によって通話セションを確立し、当該通話セションが確立された地点のゲートウェイ装置同士がデジタル通信することにより相手先からデジタル情報を受け付け、前記デジタル情報を画像形成装置で画像形成することにより共有する情報共有システムにおいて、
前記ゲートウェイ装置は、
前記デジタル情報を管理した管理装置を有する地点の相手先に対して当該管理装置のネットワーク識別情報を要求する要求手段と、
前記要求手段による要求によって相手先から受信した前記管理装置のネットワーク識別情報を相手先のゲートウェイ装置のネットワーク識別情報に関連付けて登録する登録手段と、
前記要求手段によるネットワーク識別情報の要求を行った相手先の管理装置から前記デジタル情報の画像形成要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けた画像形成要求に含まれる要求元のネットワーク識別情報が前記登録手段で登録した前記管理装置のネットワーク識別情報と合致するか確認する確認手段と、
前記確認手段によって登録されたネットワーク識別情報と合致することが確認できた場合に前記デジタル情報を前記画像形成装置に転送する転送手段と
を具備し、
前記画像形成装置は、
前記転送手段によって転送されてきた前記デジタル情報の画像形成を行う
ことを特徴とする情報共有システム。
【請求項3】
前記登録手段によって登録した前記管理装置のネットワーク識別情報を用いた前記確認手段による要求元の確認を有効および無効に設定する有効無効設定手段
を更に具備し、
前記確認手段は、
前記受付手段で受け付けた前記処理要求のネットワーク識別情報が前記設定手段によって有効と設定されている場合に前記登録手段で登録されたネットワーク識別情報と合致するか確認する
ことを特徴とする請求項1または2記載の情報共有システム。
【請求項4】
前記登録手段によって登録した前記管理装置のネットワーク識別情報を前記通話セションの切断とともに消去する消去手段
を更に具備することを特徴とする請求項1または2記載の情報共有システム。
【請求項5】
前記電話機を用いた通話セションの切断によって、前記登録手段で登録した前記管理装置のネットワーク識別情報を前記設定手段によって無効と設定する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報共有システム。
【請求項6】
各地点に設けられた電話機同士による通話セションを確立し、当該通話セションが確立された地点のゲートウェイ装置同士がデジタル通信することによりデジタル情報を共有する情報共有方法において、
前記デジタル情報を管理した管理装置を有する地点の相手先に対して当該管理装置のネットワーク識別情報を前記ゲートウェイ装置で要求手段によって要求し、
前記要求手段によって要求した相手先から前記管理装置のネットワーク識別情報を受信し、該ネットワーク識別情報を前記管理装置を有する相手先のゲートウェイ装置のネットワーク識別情報に関連付けて登録手段で登録し、
前記要求手段によるネットワーク識別情報の要求を行った相手先の管理装置から前記デジタル情報の処理要求を受付手段で受け付け、
前記受付手段によって受け付けた処理要求に含まれる要求元のネットワーク識別情報が前記登録手段で登録した前記管理装置のネットワーク識別情報と合致するか確認手段で確認し、
前記確認手段によって登録されたネットワーク識別情報と合致することが確認できた場合に前記デジタル情報を各地点間で共有する
ことを特徴とする情報共有方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−286821(P2007−286821A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−112145(P2006−112145)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】