説明

情報処理装置および方法、並びにプログラム

【課題】タイプ1コンテンツとタイプ2コンテンツを混合したサービスを提供することができるようにする。
【解決手段】 タイプ1は、通常の放送が番組単位で受信機に蓄積されるようにし、視聴者が所定のライセンスを利用して好きなタイミングで視聴することができるように配信され、タイプ2は、蓄積専用の放送が番組単位で受信機に蓄積されるようにし、視聴者が所定のライセンスを利用して、好きなタイミングで視聴することができるように配信される。これらのコンテンツを、図10に示すように蓄積されるようにすることで、通常のTV番組を蓄積したタイプ1コンテンツ(TYPE1_Stream_1)、およびそのタイプ1コンテンツを視聴者の操作によってシーン単位で再生させるタイプ2コンテンツ(ファイルBML,JPEG,PNG)により、TV番組のダイジェスト再生などのTV番組のノンリニア視聴を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特にサーバ型放送において、複数の形態のコンテンツ配信に対応可能な限定再生を行うことができるようにする情報処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
放送技術の発展に伴って、コンテンツ配信の形態が各種開発されており、例えば、指定されたコンテンツ(あるいはコンテンツ群)のみを有料で1回のみ視聴できるようなサービスも存在する。このサービスは、コンテンツ毎に配信されたライセンスに基づいて再生を制御することにより、実現される(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−116856号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来においては、異なる方法で再生されるコンテンツを一体的に提供することは提案されていない。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、異なる方法で再生されるコンテンツを一体的に提供することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置は、複数のコンテンツを利用する権利の存在を示しワーク鍵を含むメインライセンスを放送から取得する第1の取得手段と、メインライセンス、及び1個のコンテンツを利用する権利の存在を示しコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を含む個別ライセンスを通信から取得する第2の取得手段と、メインライセンス及び個別ライセンスを永続的に記憶する第1の記憶手段と、第1の記憶手段により記憶されたメインライセンス及び個別ライセンスから、指定された1つのライセンスを読み出す読み出し手段と、第1の記憶手段により記憶されたライセンスに関する情報を出力する出力手段と、読み出し手段により読み出された個別ライセンスに含まれるコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報をより高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第2の記憶手段と、コンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を含む情報が対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号化されたサブライセンスを入力し、第1の記憶手段により記憶された対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号復号し、サブライセンスに含まれるコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第3の記憶手段と、コンテンツ利用開始時に、第2の記憶手段または第3の記憶手段により一時記憶されたコンテンツの利用条件情報を判定し、コンテンツの利用条件情報を満足する場合にのみ、第2の記憶手段または第3の記憶手段により一時記憶されたコンテンツ鍵を供給する供給手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
供給手段は、コンテンツが部分毎のスクランブル鍵で暗号化されている場合には、部分毎のスクランブル鍵がコンテンツ鍵で暗号化された情報を入力し、第2の記憶手段または第3の記憶手段により記憶されたコンテンツ鍵Kcによって暗号復号し、その結果得られた部分毎のスクランブル鍵Ksを供給することができる。
【0008】
第1の取得手段または第2の取得手段は、第1の記憶手段が個別ライセンス又はメインライセンスを記憶できない場合、これを一時記憶し、読み出し手段は、指定されたライセンスが、第1の取得手段または第2の取得手段により一時記憶された個別ライセンス又はメインライセンスである場合に、これを第1の取得手段または第2の取得手段から読み出すことができる。
【0009】
コンテンツが別のコンテンツを参照して同時再生する場合に、第2の記憶手段および第3の記憶手段は、それぞれ、参照元のコンテンツに対応するライセンスおよび参照先のコンテンツに対応するライセンスに関して、これらに含まれるコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報をより高速に読み出し可能な形態に展開して一時記憶し、供給手段は、第2の記憶手段または第3の記憶手段に記憶された2つのライセンスに関して、コンテンツ利用時にライセンスの指定に応じて、対応する第2の記憶手段または第3の記憶手段に記憶されたライセンスの利用条件情報を用いてコンテンツの利用判定を行い、条件を満足する場合にのみコンテンツ鍵を供給することができる。
【0010】
本発明の情報処理方法は、複数のコンテンツを利用する権利の存在を示しワーク鍵を含むメインライセンスを放送から取得する第1の取得ステップと、メインライセンス、及び1個のコンテンツを利用する権利の存在を示しコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を含む個別ライセンスを通信から取得する第2の取得ステップと、メインライセンス及び個別ライセンスを永続的に記憶する第1の記憶ステップと、第1の記憶ステップの処理で記憶されたメインライセンス及び個別ライセンスから、指定された1つのライセンスを読み出す読み出しステップと、第1の記憶ステップの処理で記憶されたライセンスに関する情報を出力する出力ステップと、読み出しステップの処理で読み出された個別ライセンスに含まれるコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報をより高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第2の記憶ステップと、コンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を含む情報が対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号化されたサブライセンスを入力し、第1の記憶ステップの処理で記憶された対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号復号し、サブライセンスに含まれるコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第3の記憶ステップと、コンテンツ利用開始時に、第2の記憶ステップまたは第3の記憶ステップの処理で一時記憶されたコンテンツの利用条件情報を判定し、コンテンツの利用条件情報を満足する場合にのみ、第2の記憶ステップまたは第3の記憶ステップの処理で一時記憶されたコンテンツ鍵を供給する供給ステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明のプログラムは、複数のコンテンツを利用する権利の存在を示しワーク鍵を含むメインライセンスを放送から取得する第1の取得ステップと、メインライセンス、及び1個のコンテンツを利用する権利の存在を示しコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を含む個別ライセンスを通信から取得する第2の取得ステップと、メインライセンス及び個別ライセンスを永続的に記憶する第1の記憶ステップと、第1の記憶ステップの処理で記憶されたメインライセンス及び個別ライセンスから、指定された1つのライセンスを読み出す読み出しステップと、第1の記憶ステップの処理で記憶されたライセンスに関する情報を出力する出力ステップと、読み出しステップの処理で読み出された個別ライセンスに含まれるコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報をより高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第2の記憶ステップと、コンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を含む情報が対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号化されたサブライセンスを入力し、第1の記憶ステップの処理で記憶された対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号復号し、サブライセンスに含まれるコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第3の記憶ステップと、コンテンツ利用開始時に、第2の記憶ステップまたは第3の記憶ステップの処理で一時記憶されたコンテンツの利用条件情報を判定し、コンテンツの利用条件情報を満足する場合にのみ、第2の記憶ステップまたは第3の記憶ステップの処理で一時記憶されたコンテンツ鍵を供給する供給ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、異なる方法で再生されるコンテンツを一体的に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0014】
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
【0015】
請求項1に記載の情報処理装置(例えば、図2のサーバ型CASモジュール33)は、
複数のコンテンツを利用する権利の存在を示しワーク鍵(例えば、図5のサーバ型ワーク鍵Kws)を含むメインライセンス(例えば、図5のメインライセンス)を放送から取得する第1の取得手段(例えば、図9のライセンス管理部55)と、
メインライセンス、及び1個のコンテンツを利用する権利の存在を示しコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を含む個別ライセンス(例えば、図6の個別ライセンス)を通信から取得する第2の取得手段(例えば、図9のライセンスサーバI/F51、ライセンス管理部55)と、
メインライセンス及び個別ライセンスを永続的に記憶する第1の記憶手段(例えば、図9のライセンスストア部56)と、
第1の記憶手段により記憶されたメインライセンス及び個別ライセンスから、指定された1つのライセンスを読み出す読み出し手段(例えば、図9のライセンス管理部55)と、
第1の記憶手段により記憶されたライセンスに関する情報を出力する出力手段(例えば、ライセンス管理部55)と、
読み出し手段により読み出された個別ライセンスに含まれるコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報をより高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第2の記憶手段(例えば、図9のライセンス管理部55、カレントライセンスキャッシュ部60)(例えば、図6のサーバ型CASモジュール33)と、
コンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を含む情報が対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号化されたサブライセンス(例えば、図5のACI)を入力し、第1の記憶手段により記憶された対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号復号し(例えば、図9のサブライセンス復号部59)、サブライセンスに含まれるコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第3の記憶手段(例えば、図9のライセンス管理部55、カレントライセンスキャッシュ部60)(例えば、図5のサーバ型CASモジュール33)と、
コンテンツ利用開始時に、第2の記憶手段または第3の記憶手段により一時記憶されたコンテンツの利用条件情報を判定し、コンテンツの利用条件情報を満足する場合にのみ、第2の記憶手段または第3の記憶手段により一時記憶されたコンテンツ鍵を供給する供給手段(例えば、図9の利用条件判定部61、レンダラI/F65)(例えば、図5および図6のサーバ型CASモジュール33)と
を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の情報処理装置は、
供給手段は、コンテンツが部分毎のスクランブル鍵で暗号化されている場合には(例えば、図3または図4のコンテンツ)、部分毎のスクランブル鍵がコンテンツ鍵で暗号化された情報(例えば、図3または図4のECM-Kc)を入力し、第2の記憶手段または第3の記憶手段により記憶されたコンテンツ鍵Kcによって暗号復号し、その結果得られた部分毎のスクランブル鍵Ksを供給する(例えば、図9のECM-Kc復号部62、Ksキャッシュ部63、レンダラI/F65)(例えば、図3および図4のサーバ型CASモジュール33)
ことを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の情報処理装置は、
第1の取得手段または第2の取得手段(例えば、図9のライセンス管理部55)は、第1の記憶手段が個別ライセンス又はメインライセンスを記憶できない場合、これを一時記憶し、
読み出し手段は、指定されたライセンスが、第1の取得手段または第2の取得手段により一時記憶された個別ライセンス又はメインライセンスである場合に、これを第1の取得手段または第2の取得手段から読み出す
ことを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の情報処理装置は、
コンテンツ(例えば、タイプ1コンテンツ)が別のコンテンツ(例えば、タイプ2コンテンツ)を参照して同時再生する場合に、第2の記憶手段および第3の記憶手段は、それぞれ、参照元のコンテンツ(例えば、タイプ2コンテンツ)に対応するライセンスおよび参照先のコンテンツ(例えば、タイプ1コンテンツ)に対応するライセンスに関して、これらに含まれるコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報をより高速に読み出し可能な形態に展開して一時記憶し、
供給手段は、第2の記憶手段または第3の記憶手段に記憶された2つのライセンスに関して、コンテンツ利用時にライセンスの指定に応じて、対応する第2の記憶手段または第3の記憶手段に記憶されたライセンスの利用条件情報を用いてコンテンツの利用判定を行い、条件を満足する場合にのみコンテンツ鍵を供給する
ことを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の情報処理方法および請求項6に記載のプログラムは、
複数のコンテンツを利用する権利の存在を示しワーク鍵を含むメインライセンスを放送から取得する第1の取得ステップ(例えば、図8の「ライセンス取得処理」)と、
メインライセンス、及び1個のコンテンツを利用する権利の存在を示しコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を含む個別ライセンスを通信から取得する第2の取得ステップ(例えば、図8の「ライセンス取得処理」)と、
メインライセンス及び個別ライセンスを永続的に記憶する第1の記憶ステップ(例えば、図8の「ライセンス保持/管理処理」)と、
第1の記憶ステップの処理で記憶されたメインライセンス及び個別ライセンスから、指定された1つのライセンスを読み出す読み出しステップと、
第1の記憶ステップにより記憶されたライセンスに関する情報を出力する出力ステップと、
読み出しステップにより読み出された個別ライセンスに含まれるコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報をより高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第2の記憶ステップ(例えば、図8の「ライセンス保持/管理処理」)と、
コンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を含む情報が対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号化されたサブライセンスを入力し、第1の記憶ステップの処理で記憶された対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号復号し、サブライセンスに含まれるコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第3の記憶ステップ(例えば、「図8のライセンス設定処理」)と、
コンテンツ利用開始時に、第2の記憶ステップまたは第3の記憶ステップの処理で一時記憶されたコンテンツの利用条件情報を判定し、コンテンツの利用条件情報を満足する場合にのみ、第2の記憶ステップまたは第3の記憶ステップにより一時記憶されたコンテンツ鍵を供給する供給ステップ(例えば、「ライセンス利用処理」)と
を含むことを特徴とする。
【0020】
(1)サーバ型放送
通常の放送は、放送波によって映像信号や音声信号等が継続的に伝送され、これを受信機で継続的に受信し即時に再生することが前提となっている。すなわち視聴者は、番組が放送されている時刻にその番組を視聴することになる。これに対して、サーバ型放送では、視聴者は視聴したい番組(コンテンツ)を自分の視聴したい時刻に視聴することができる。
【0021】
サーバ型放送の運用形態として、通常の放送が、番組単位でコンテンツとして受信機の蓄積メディアに蓄積されるようにし、視聴者が、別途配信される所定のライセンスを利用して、好きなタイミングで蓄積メディアに蓄積されたそのコンテンツを視聴することができるようにする形態がある。これにより例えば録画を禁止して所定の条件で有料視聴させる等のサービスを提供することができる。この運用形態で配信されるコンテンツ(通常のTV放送を蓄積利用するコンテンツ)をタイプ1コンテンツと称する。
【0022】
サーバ型放送の他の運用形態として、通常の放送ではなく、放送局側が、蓄積専用のコンテンツを放送し、その放送が番組単位でコンテンツとして受信機の蓄積メディアに蓄積されるようにし、視聴者が、別途配信される所定のライセンスを利用して、好きなタイミングで蓄積メディアに蓄積されたそのコンテンツを視聴することができるようにする形態がある。この運用形態で配信されるコンテンツ(蓄積専用サービスの専用コンテンツ)をタイプ2コンテンツと称する。
【0023】
なおこの運用形態の発展形として、蓄積メディアへ蓄積するコンテンツを放送からだけでなく通信経由でダウンロードする形態もある。また、視聴者が、視聴したいタイミングで通信ネットワーク上のサーバに要求して、視聴したいコンテンツをいわゆるストリーミングという伝送方式で、受信し直接再生できるようにする形態もある。
【0024】
すなわち本発明は、例えばタイプ1コンテンツ配信とタイプ2コンテンツ配信を混合して提供する場合など、様々なコンテンツの配信形態を一体化して提供する場合の限定再生技術に関するものである。
【0025】
なおタイプ1コンテンツとタイプ2コンテンツを混合した形態で提供することによって、例えば、通常のTV番組を蓄積したタイプ1コンテンツ、およびそのタイプ1コンテンツを視聴者の操作によってシーン単位で再生させるBML(Broadcast Markup Language)ファイルやメタデータファイルを含むタイプ2コンテンツにより、TV番組のダイジェスト再生などのTV番組のノンリニア視聴を実現することができる。
【0026】
(2)サーバ型放送システム
図1は、本発明を適用したサーバ型放送システムの構成例を示している。
【0027】
放送局1は、タイプ1コンテンツおよびタイプ2コンテンツを制作し、必要な暗号をかけて、規定された伝送方式で放送波として送出する。
【0028】
また放送局1は、各受信機2個別にライセンスを伝送する為に、Kms管理サーバ13で生成された、受信機2個別のサーバ型マスタ鍵Kmsでライセンスを暗号化したEMM(Entitlement Management Message)(加入者毎の個別情報)を送出する。
【0029】
受信機2−1、受信機2−2、および受信機2−3(以下、個々に区別する必要がない場合、単に、受信機2と称する。他の場合においても同様である)は、それぞれ蓄積メディア31−1、31−2、31−3を具備したサーバ型放送対応受信機である。この例の場合、受信機2−1および2−2は、同じ家庭に属し、受信機2−3は、他の家庭に属している。
【0030】
受信機2−1および2−2は、ホームネットワーク4を介してネットワーク接続されており、これによりコンテンツの相互利用が可能である。
【0031】
各家庭の受信機2は、ゲートウェー5または6を介してブロードバンドネットワーク8に接続されており、ブロードバンドネットワーク8上のコンテンツサーバ9乃至ドメイン管理サーバ12と必要に応じて通信を行うことができる。
【0032】
コンテンツサーバ9は、受信機2に対して、ブロードバンドネットワーク8を介してコンテンツを供給する(放送とは別にコンテンツを供給する)。このコンテンツの供給方法としては、各受信機2の蓄積メディア31に一旦ダウンロードさせる方法と、ストリーミングにより直接再生させる方法がある。
【0033】
ライセンスサーバ10は、受信機2が必要な時点でライセンスを通信経路で取得する必要がある場合(そのような運用がなされている場合)に、ライセンスを受信機2に供給する。
【0034】
ショップ/決済サーバ11は、視聴者が受信機2からBML等でコンテンツを購入する為のナビゲーションを行うWebサーバとしての機能、および課金や決済を行う機能を有している。
【0035】
ドメイン管理サーバ12は、ドメインの運用を適正に行うためにどの受信機2がどのドメインに属すかという情報を管理する。サーバ型放送では、基本的に各家庭のドメインが管理され、コンテンツを利用する為の上記ライセンスは、ドメインに対して付与されるようになされている。よって、例えば受信機2−1および2−2は、共通のライセンスでコンテンツ利用が可能であるが、受信機2−3は、別のドメインとなるので、受信機2−1および2−2とは別のライセンスが必要となる。
【0036】
ドメイン管理サーバ12は、ドメイン鍵を生成、管理して、各受信機2でドメイン制御が適正に行われるように、放送または直接通信によりドメイン鍵を取得する。
【0037】
Kms管理サーバ13は、受信機2個別に埋め込まれているサーバ型マスタ鍵Kmsを管理する。サーバ型マスタ鍵Kmsは、サーバ型放送システム全体のセキュリティの要として、必要に応じてライセンス等の暗号化に用いられたり、ライセンスサーバ10と受信機2間でライセンス伝送を行う場合のセキュリティのベースとして用いられる。
【0038】
(3)サーバ型放送対応受信機
図2は、受信機2の構成例を示している。この受信機2は、通常のデジタル放送受信機能も有している。
【0039】
通常の放送が受信された場合、中間周波数の放送波入力21からチューナー22で選局対象のチャンネルを含むデータストリーム(TS)が抽出される。有料放送等でスクランブルがかかっているときには、デスクランブラ23で、B-CASカード24で視聴可能と判断されて出力されたスクランブル鍵でスクランブルが復号されて、デマルチプレクサ25に入力される。デマルチプレクサ25において選局対象のチャンネルを構成する映像、音声、およびデータ放送信号等の信号がフィルタリングされて、映像信号は映像デコーダ26、音声信号は音声デコーダ27、そしてデータ放送信号はBMLブラウザ28にそれぞれ入力されて復号される。そして最終的に映像出力29、音声出力30となって視聴者に提示される。
【0040】
一方サーバ型放送が受信された場合、通常の放送が受信されたときと同様に、放送波入力21からチューナー22で、サービス対象のストリームが抽出されるが、デスクランブラ23ではデスクランブルが行われずにストリームはデマルチプレクサ25にそのまま入力される。
【0041】
デマルチプレクサ25ではこのとき、コンテンツとして蓄積すべきデータが抽出され、抽出されたコンテンツは、ストリームに含まれる蓄積制御情報に基づき、蓄積メディア31にコンテンツのファイル群として蓄積される。
【0042】
サーバ型放送が受信された場合はまた、コンテンツの再生に先立ち、ライセンスが放送或いは通信によってサーバ型CASモジュール33に入力され、ライセンスが利用可能な状態に設定されるようになされている。ライセンスの形態としては、1階層ライセンスと2階層ライセンスがある。
【0043】
1階層ライセンスの場合は、通信で伝送され、通信入出力34から通信インターフェース35を介してサーバ型CASモジュール33に入力される。
【0044】
2階層ライセンスは、メインライセンスとサブライセンスから構成されている。視聴者の利用権利を示すメインライセンスは、放送で伝送する運用と通信で伝送する運用の両方が想定される。
【0045】
放送で伝送される場合、メインライセンスは、コンテンツの伝送とは独立したEMMパケットとして放送ストリーム内に埋め込まれて放送波入力21よりチューナー22を経てデマルチプレクサ25で抽出され、サーバ型CASモジュール33に入力される。
【0046】
また通信で伝送される場合は、1階層ライセンスと同様に通信入出力34から通信インターフェース35を経てサーバ型CASモジュール33に入力される。
【0047】
サブライセンスは、コンテンツの一部として伝送されるので前述のフローで蓄積メディア31に蓄積されるが、コンテンツを再生する前にサーバ型CASモジュール33に入力される。
【0048】
1階層ライセンスでは、ライセンスが入力された後、2階層ライセンスでは、メインライセンスとサブライセンスの両方が入力された後、コンテンツを再生する前にサーバ型CASクライアントにおいて、ライセンスを利用可能な状態としライセンスに含まれる利用条件が判定され、利用可能であれば、ライセンスに含まれるコンテンツ鍵がサーバ型CASモジュール33から出力されて暗号復号器32に設定される。これにより蓄積メディア31から読み出されたコンテンツの暗号を暗号復号器32が復号することができるので、コンテンツを再生することができるようになる。
【0049】
コンテンツは、映像および音声を含むストリーム形態のものとBML文書ファイルやJPEG(Joint Photographic Coding Experts)ファイル等のファイル形態のものが想定されるが、前者の場合は、暗号復号器32からストリームがデマルチプレクサ25に供給され、そこで映像と音声に分離され、映像は、映像デコーダ26で、音声は、音声デコーダ27でそれぞれ復号されて映像出力29、音声出力30として視聴者に提示される。
【0050】
また後者の場合は、暗号復号器32からファイルがBMLブラウザ28に供給され、そこでマルチメディア再生され、最終的に映像と共に映像出力29として提示される。
【0051】
なおコンテンツの再生処理を行うデマルチプレクサ25乃至BMLブラウザ28、および暗号復号器32を、以下において、適宜、レンダラ36と称する。
【0052】
(4)タイプ1コンテンツにおける限定再生処理
サーバ型放送で想定されているコンテンツと運用のバリエーション毎に、本発明において実現する限定再生処理について説明する。
【0053】
はじめにタイプ1コンテンツにおける限定再生処理について説明する。タイプ1コンテンツは、通常の放送番組がコンテンツとして蓄積された後、限定された再生制御が行われるものである。サービスモデルとしては2通り想定される。
【0054】
1つは、無料放送であるが著作権保護を考慮してスクランブルされた番組において、録画とは別に、セグメントメタデータを利用したダイジェスト再生等の高度な利用を許容する為にタイプ1コンテンツとして蓄積させるサービスモデルである。もう1つはPP(pay per view)のようなプレミアム番組において、録画は禁止であるが、コンテンツとして蓄積させて、有料で1回のみのような限定した再生を許可するようなサービスモデルである。
【0055】
前者の無料番組の場合は、図3に示す2階層ライセンスモデルで実現可能である。この場合の限定再生処理を説明する。図3中の番号は、この限定再生処理の順番に対応している。
【0056】
はじめに、図3の番号1に対応する処理として、高度な利用を希望する契約を行った視聴者等、ある範囲でのタイプ1コンテンツのフラットティアの利用契約者に対して、その範囲に対応するサーバ型ワーク鍵Kwsと契約全般に関わる利用条件GroupRMPIを含むメインライセンスが、視聴者の利用する受信機2のサーバ型CASモジュール33固有のサーバ型マスタ鍵Kmsで暗号化され、EMMとして放送局1から放送で一定期間送出される。視聴者は、これを受信するように受信機2を操作し、これによりメインライセンスはサーバ型CASモジュール33に入力され、サーバ型マスタ鍵Kmsで暗号が解かれて保持される。
【0057】
次に、番号2に対応する処理として、放送局1から、サーバ型対応でない通常受信機でも受信再生可能な通常のTV番組のストリームに、図3に示すように、番組毎のコンテンツとしてのコンテンツ鍵Kcとその利用時の条件EachRMPIをサーバ型ワーク鍵Kwsで暗号化したKc配布用ECMと、数秒毎に更新される番組のAV信号パケットのスクランブル鍵Ksi(i=1,2,・,n,n+1,・・)を上記コンテンツ鍵Kcで暗号化したECM-Kcの2種類のパケットが追加され、放送される。なおKc配布用ECMは、サブライセンスとして機能する情報である。受信機2では、スクランブルされたままの1番組分のストリームが、ファイルという形態のコンテンツとして蓄積メディア31に蓄積される。
【0058】
次に、番号3に対応する処理として、受信機2の蓄積メディア31に蓄積されたコンテンツの再生起動があった時点で、サブライセンスであるKc配布用ECMが抽出され、サーバ型CASモジュール33に入力され、サーバ型CASモジュール33でそこに保持されていたメインライセンス(番号1に対応する処理)に含まれるサーバ型ワーク鍵Kwsで暗号が解かれ、サブライセンスのコンテンツ鍵Kc、およびメインライセンスとサブライセンスのマージしたRMPIがサーバ型CASモジュール33内で利用可能な状態に設定される。
【0059】
次に、番号4に対応する処理として、コンテンツの再生開始時にレンダラ36よりサーバ型CASモジュール33に再生開始許可要求が行われ、コンテンツのストリームで最初に現れたECM-Kcがサーバ型CASモジュール33に入力される。その時点でサーバ型CASモジュール33でRMPIの利用条件判定が行われ、利用可能であればECM-KcがKcで暗号が解かれ、スクランブル鍵Ksがレンダラ36に出力される。
【0060】
レンダラ36は、スクランブル鍵Ksで、蓄積メディア31からのAVストリームのパケットのスクランブルを解き、再生を行う。以後、ECM-Kcの更新毎にECM-Kcがサーバ型CASモジュール33に入力されてRMPIの利用判定が行われ、利用可能であればスクランブル鍵Ksがレンダラ36に出力され、レンダラ36はこれでAVストリームのスクランブルを解いて再生する(再生が継続される)。
【0061】
タイプ1コンテンツの後者のサービスモデル(PPVのようなプレミアム番組において、録画は禁止であるが、コンテンツとして蓄積させて、有料で1回のみのような限定した再生を許可するようなサービスモデル)の場合は、図4に示す1階層ライセンスモデルで実現可能である。この場合の限定再生処理を説明する。図4中の番号は、この限定再生処理の順番に対応している。
【0062】
はじめに、図4の番号1に対応する処理として、サーバ型対応でない通常受信機でも受信再生可能なPPVのTV番組のストリームに、図4に示すように、数秒毎に更新される番組のAV信号パケットのスクランブル鍵Ksを後述の個別ライセンスに含まれるコンテンツ鍵Kcで暗号化したECM-Kcが追加され、放送局1から放送される。受信機2では、スクランブルされたままの1番組分のストリームがファイルという形態のコンテンツとして蓄積メディア31に蓄積される。
【0063】
次に、番号2に対応する処理として、視聴者は、蓄積メディア31に蓄積されたプレミアム番組のコンテンツを視聴する為に、ショップ/決済サーバ11(図1)と通信を行って、購入操作を行う。これによりショップ/決済サーバ11で決済が行われ、その結果としてライセンスサーバ10に、該当する視聴者の受信機2向けにこのコンテンツに対応する個別ライセンスが生成される。受信機2のサーバ型CASモジュール33は、ライセンスサーバ10と相互認証に基づくセキュア通信によって、生成された個別ライセンスを取得し保持する。
【0064】
次に、番号3に対応する処理として、受信機2の蓄積メディア31に蓄積されたコンテンツの再生起動をかけた時点で、サーバ型CASモジュール33内に保持された個別ライセンスがサーバ型マスタ鍵Kmsで暗号が解かれて、コンテンツ鍵KcとRMPIが利用可能な状態に設定される。
【0065】
次に、番号4に対応する処理として、コンテンツの再生開始時にレンダラ36よりサーバ型CASモジュール33に再生開始許可要求が行われ、さらにコンテンツのストリームで最初に現れたECM-Kcがサーバ型CASモジュール33に入力される。その時点でサーバ型CASモジュール33でRMPIの利用条件判定が行われ、利用可能であればECM-Kcがコンテンツ鍵Kcで暗号が解かれ、スクランブル鍵Ksがレンダラ36に出力される。
【0066】
レンダラ36は、スクランブル鍵Ksで、蓄積メディア31からのAVストリームのパケットのスクランブルを解き、再生を行う。以後、ECM-Kcの更新毎にECM-Kcがサーバ型CASモジュール33に入力されてRMPIの利用判定が行われ、利用可能であればスクランブル鍵Ksがレンダラ36に出力され、レンダラ36はこれでAVストリームのスクランブルを解いて再生する(再生が継続される)。
【0067】
(5)タイプ2コンテンツにおける限定再生方式
次にタイプ2コンテンツにおける限定再生方式について説明する。タイプ2コンテンツは、1つの番組のファイル群として構成され、これが受信時に即時視聴ができない蓄積専用サービスとして放送伝送され、受信機2でコンテンツとして受信蓄積された後、限定された再生制御の下で再生される。よって放送による伝送は再生時間とは異なる時間をかけて送出されることが想定される。
【0068】
タイプ2コンテンツのサービスモデルとしては、番組をコンテンツとして受信機2の蓄積メディア31に蓄積させておいて、有料でオンデマンド視聴をさせるという形態が想定されるが、視聴者への課金方法について月極め契約に基づく定額課金(フラットティア課金)と、コンテンツ個別に課金する方法(ペイパーユース課金)の2種類の運用があり、その課金方法によって限定再生方式が異なる。
【0069】
前者のフラットティア課金運用では、図5に示す2階層ライセンスモデルが適していると考えられる。この場合の限定再生処理を説明する。図5中の番号は、この限定再生処理の順番に対応している。
【0070】
はじめに、図5の番号1に対応する処理として、視聴者は、月極めで、複数のコンテンツが視聴可能なタイプ2コンテンツのオンデマンドサービスを契約する。契約はショップ/決済サーバ11(図1)と受信機2との通信によりオンラインで行うケースも、視聴者が電話などで契約するオフラインのケースも想定されるが、タイプ2コンテンツのフラットティアの利用契約に対して、その範囲に対応するサーバ型ワーク鍵Kwsと契約全般に関わる利用条件GroupRMPIを含むメインライセンスが、視聴者の利用する受信機2のサーバ型CASモジュール33固有のサーバ型マスタ鍵Kmsで暗号化されてEMMとして、放送局1から放送で一定期間送出される。視聴者は、これを受信するように受信機2を操作し、これによりメインライセンスがサーバ型CASモジュール33に入力され、サーバ型マスタ鍵Kmsで暗号が解かれて保持される。
【0071】
次に、番号2に対応する処理として、事業者は、蓄積型サービスで特定の時間帯に放送するコンテンツを、受信機2に蓄積させるファイル群として制作する。例えば映画等の映像コンテンツの場合は、2時間分の映像信号と音声信号をMPEG2-TSフォーマットで多重化したデータをコンテンツ鍵Kcで暗号化したものがファイルとして生成される。マルチメディアコンテンツの場合は、それぞれコンテンツ鍵Kcで暗号化された複数のファイルが構成されることが想定される。
【0072】
このコンテンツ本体のファイル群の他に、コンテンツ鍵Kcとこのコンテンツの利用条件EachRMPIを含む情報がフラットティア契約に対応するサーバ型ワーク鍵Kwsで暗号化されたサブライセンスファイル(以下、適宜、ACIと称する)も生成される。
【0073】
放送局1から、これらの全てのファイルが、ファイルを放送伝送するのに適したデータカルーセル方式で放送ストリームとして放送される。受信機2では、受信された蓄積型サービスから、これらのファイルが抽出されて、蓄積メディア31上に蓄積される。この時、データカルーセル上に含まれる情報に基づき、蓄積メディア31上に指定されたディレクトリ構成でファイル群が生成されるように蓄積制御が行われる。
【0074】
次に、番号3に対応する処理として、受信機2の蓄積メディア31に蓄積されたコンテンツの再生起動があった時点で、サブライセンス(ACI)ファイルがサーバ型CASモジュール33に入力され、サーバ型CASモジュール33でそこに保持されていたメインライセンスに含まれるサーバ型ワーク鍵Kwsでサブライセンスの暗号が解かれ、ACIのコンテンツ鍵Kcと、メインライセンス及びサブライセンスのマージしたRMPIが、サーバ型CASモジュール33内で利用可能な状態に設定される。
【0075】
次に、番号4に対応する処理として、コンテンツ再生開始時にレンダラ36よりサーバ型CASモジュール33に再生開始許可要求が行われ、その時点でサーバ型CASモジュール33内でRMPIによる利用条件判定が行われ、利用可能であれば、コンテンツ鍵Kcがレンダラ36に転送される。レンダラ36はこれを暗号復号器32(図2)にセットし、コンテンツ本体のファイルを読み出して、暗号を復号することによりコンテンツ再生を行う。
【0076】
タイプ2コンテンツにおけるペイパーユース課金の場合は、図6に示す1階層ライセンスモデルで実現できる。この場合の限定再生処理を説明する。図6中の番号は、この限定再生処理の順番に対応している。
【0077】
はじめに、図6の番号1に対応して、事業者は、蓄積型サービスで特定の時間帯に放送するコンテンツを、受信機2に蓄積させるファイル群として制作する。例えば映画等の映像コンテンツの場合は、2時間分の映像信号と音声信号をMPEG2-TSフォーマットで多重化したデータをコンテンツ鍵Kcで暗号化したものがファイルとして生成される。マルチメディアコンテンツの場合はそれぞれコンテンツ鍵Kcで暗号化された複数のファイルが生成されることが想定される。これらファイルがデータカルーセル方式で放送ストリームとして放送される。受信機2は、受信した蓄積型サービスから、これらのファイルを抽出して、蓄積メディア31上に蓄積する。この時、データカルーセル上に含まれる情報に基づき、蓄積メディア31上に指定されたディレクトリ構成でファイル群が生成されるように蓄積制御が行われる。
【0078】
次に、番号2に対応する処理として、視聴者は、蓄積メディア31に蓄積されたコンテンツを視聴する為に、ショップ/決済サーバ11と通信を行って、購入操作を行う。これによりショップ/決済サーバ11で決済が行われ、その結果としてライセンスサーバ10に、該当する視聴者の受信機2向けにこのコンテンツに対応する個別ライセンスが生成される。受信機2のサーバ型CASモジュール33は、ライセンスサーバ10と相互認証に基づくセキュア通信によって、生成された個別ライセンスを取得し保持する。
【0079】
次に、番号3に対応する処理として、蓄積メディア31に蓄積されたコンテンツの再生起動をかけた時点で、サーバ型CASモジュール33内に保持されている個別ライセンスの暗号がサーバ型マスタ鍵Kmsで解かれて、コンテンツ鍵KcとRMPIが利用可能な状態に設定される。
【0080】
次に、番号4に対応する処理として、コンテンツ再生時に、レンダラ36よりサーバ型CASモジュール33に再生開始許可要求が行われ、その時点でサーバ型CASモジュール33内でRMPIによる利用条件判定が行われ、利用可能であれば、コンテンツ鍵Kcがレンダラ36に転送される。レンダラ36は、これを暗号復号器32にセットし、コンテンツ本体のファイルを読み出して、暗号を復号することによりコンテンツ再生を行う。
【0081】
(6)統合サーバ型CASシステムと統合サーバ型CASモジュール
ここまで述べてきた様々なコンテンツの限定再生処理を1つのサーバ型モジュールで実現した統合サーバ型CASシステムを図7に示す。
【0082】
四角枠の番号1と番号4の経路は、それぞれ従来からの放送の限定受信のためのECMとEMMであり、これらは、配信経路としてもこれ以外のサーバ型CAS関連のデータとは独立しており受信機2内においてもサーバ型CASモジュール33と独立したB-CASカード24で処理される。
【0083】
ドメイン鍵Kdの配信に関してはコンテンツの種別に関わりなく配信される。ドメイン鍵Kdが放送で配信される場合には番号6の経路でEMM(Kd)として伝送され、放送局1側で記号E6において鍵Kmsで暗号化され、受信機2側ではサーバ型CASモジュール33で記号D6において鍵Kmsで復号されドメイン鍵Kdとして保持される。ドメイン鍵Kdが通信で配信される場合には、ドメイン鍵Kdは番号9の経路でライセンスサーバ10とサーバ型CASクライアントの双方の鍵Kmsを元にしたセキュア通信路において転送されサーバ型CASモジュール33においてドメイン鍵Kdとして保持される。
【0084】
2階層ライセンスのメインライセンスの配信においては、タイプ1コンテンツおよびタイプ2コンテンツ等のコンテンツの種別の区別なく扱える。放送においては番号5の経路でEMM(Kws)として伝送され、放送局1側では記号E5において鍵Kmsで暗号化され、受信機2側ではサーバ型CASモジュール33で記号D5において鍵Kmsで復号されメインライセンスとして保持される。通信でメインライセンスを配信する場合は、番号8の経路でライセンスサーバ10とサーバ型CASクライアントの双方の鍵Kmsを元にしたセキュア通信路において転送されサーバ型CASモジュール33においてメインライセンスとして保持される。
【0085】
また1階層ライセンスの個別ライセンスの配信においても、コンテンツの種別の区別なく扱える。番号7の経路でライセンスサーバ10とサーバ型CASクライアントの双方の鍵Kmsを元にしたセキュア通信路において転送されサーバ型CASモジュール33において個別ライセンスとして保持される。コンテンツを再生する時点で指定された個別ライセンスが利用ライセンスとして利用可能な状態に設定される。
【0086】
サブライセンスは、図中では番号3の経路となり、事業者システム側ではコンテンツ鍵Kcを含む情報が記号E3において鍵Kwsで暗号化されるという処理においては共通であるが、タイプ1コンテンツにおいてはKc配布用ECM、それ以外のコンテンツにおいてはACIファイルとして放送、或いは通信経路で伝送されるので経路は様々であるが、受信機2で取得した後は以下の通り共通処理となる。
【0087】
サブライセンスをサーバ型CASモジュール33に入力すると記号E7においてドメイン鍵Kdで暗号化されて出力され、ここからは図中で番号3'の経路となり、一旦コンテンツと共に蓄積メディア31に蓄積される。再生時にまたサーバ型CASモジュール33に入力されると、記号D7でドメイン鍵Kdが復号され、さらに記号D3でメインライセンスの鍵Kwsで復号され、含まれるコンテンツ鍵KcとRMPIが利用ライセンスとして利用可能な状態に設定される。
【0088】
タイプ1コンテンツ特有のデータとして、ECM-Kcは頻繁に更新されるスクランブル鍵Ksを記号E2において鍵Kcで暗号化されたデータとしてタイプ1コンテンツ内のパケットとして伝送される。これを受信機2内ではそのままタイプ1コンテンツの一部として蓄積メディア31に蓄積された後、再生時にサーバ型CASモジュール33に入力されて、利用ライセンスのRMPIに基づく利用判定で利用可能となれば、記号D2において鍵Kcで復号されて鍵Ksが出力されてデスクランブラ23にセットされる。
【0089】
タイプ2コンテンツおよびダウンロードコンテンツ等の場合には、再生開始時にサーバ型CASモジュール内の利用ライセンスの利用判定が行われて、利用可能であればコンテンツ鍵Kcが出力されて、コンテンツの暗号復号が行われる。
(7)混合型サービスの限定再生処理
以上においては、タイプ1コンテンツおよびタイプ2コンテンツ毎に限定再生処理を説明したが、タイプ1コンテンツとタイプ2コンテンツを混合して提供する場合の限定再生処理を、図8を参照して説明する。この限定再生処理は、受信機2で実行されるレジデントアプリケーション40によって、各部が制御されて実行される。
【0090】
取得対象である、2階層ライセンスのメインライセンス(図3または図5)および1階層ライセンス(図4または図6)の個別ライセンスが、放送または通信のいずれかの経路で伝送されてサーバ型CASモジュール33に入力される(「ライセンス取得処理」)。
【0091】
なおライセンスの取得は、サービス申し込み時(コンテンツ購入時)あるいはコンテンツ再生時に行われるものとする。
【0092】
取得されたメインライセンスおよび個別ライセンスは、サーバ型CASモジュール33内の永続記憶機能において保持される。永続記憶機能の記憶容量の許す限り複数のライセンスを保持することが可能であるが、これらの管理の為に、レジデントアプリケーション40からの要求によるライセンスの情報出力や削除などが適宜実行される(「ライセンス保持/管理処理」)。
【0093】
次に特定のコンテンツの再生の開始直前にレジデントアプリケーション40からの指示で指定されたライセンスが利用可能状態にされる(「ライセンス設定処理」)。
【0094】
2階層ライセンスの場合は、同時にコンテンツと共に蓄積されているサブライセンス(図3または図5)がサーバ型CASモジュール33に入力されることにより、サブライセンスと対応するメインライセンスがマージされて、対象コンテンツに対するコンテンツ鍵KcとRMPIの情報で構成される利用可能状態ライセンスとなる。
【0095】
1階層ライセンスの場合は、対応する個別ライセンスがそのまま読み出されて利用可能状態ライセンスとなる(図4または図6)。
【0096】
利用可能状態となったライセンスは、別のライセンスを次に設定するまでは電源をOFFしない限り利用可能状態が保たれる。つまり他のコンテンツを起動するまでは同じ利用条件の下での特定コンテンツの利用制御が行われることとなる。
【0097】
コンテンツの再生開始時にレンダラ36からの再生許可要求によって、以下に示す「ライセンス利用処理」が行われる。
【0098】
まずその時点で利用可能状態となっているライセンスに関して、サーバ型CASモジュール33内で判定可能なRMPI項目に対して利用条件判定が行われる。判定結果が利用不可の場合は、再生不許可となりコンテンツ鍵Kc等の情報は、レンダラ36に転送されずレンダラ36での再生は不可能となる。
【0099】
上記判定結果が利用可の場合には、タイプ1コンテンツとタイプ2コンテンツで以下のように異なる処理が行われる。
【0100】
タイプ2コンテンツの場合には、利用可能状態ライセンスのRMPI項目のうち、レンダラ36および外部出力I/F41での利用制御対象となるものをまとめたレンダラ利用条件とコンテンツ鍵Kcがレンダラ36に転送される。それによりレンダラ36でのコンテンツ再生が可能となる。
【0101】
タイプ1コンテンツの場合には、この時点ではレンダラ利用条件のみがレンダラ36に転送される。タイプ1コンテンツ再生開始後、コンテンツ(TS)に含まれるECM‐Kcパケット更新毎にECM‐Kcがサーバ型CASモジュール33に入力され(図3)、その度にその時点での利用条件判定が行される。そこで判定結果が利用不可の場合にはECM‐Kcに含まれるスクランブル鍵Ksは転送されず、レンダラ36での再生継続が不可となる。また判定結果が利用可の場合にはECM‐Kcがコンテンツ鍵Kcで暗号復号されてこれに含まれるスクランブル鍵Ksがレンダラ36に転送される。これによりレンダラ36での再生が可能となる。
【0102】
上述した「ライセンス取得処理」、「ライセンス保持/管理処理」、「ライセンス設定処理」、および「ライセンス利用処理」(以下、個々に区別する必要がない場合、これらをまとめてライセンス処理と称する)は、サーバ型CASモジュール33内で閉じてセキュアに行われる。
【0103】
コンテンツ再生時に、上記の通りサーバ型CASモジュール33からライセンスに基づく利用条件判定の結果としての再生許可が得られたレンダラ36では、コンテンツ鍵Kcまたはスクランブル鍵Ksを得て、暗号またはスクランブルが解かれる(「デスクランブル処理」、「暗号復号処理」)。
【0104】
タイプ2コンテンツの場合、コンテンツ鍵Kcがレンダラ36に、レンダラ利用条件がレンダラ36と外部出力I/F41に供給される。
【0105】
レンダラ36では、暗号が解かれたデータの再生が、外部出力I/F41では、レンダラ36で再生されたデータの出力が、レンダラ利用条件に基づいて制御される。
【0106】
タイプ2コンテンツの場合、再生開始時にコンテンツ鍵Kcが得られると、受信機2の作りによっては無期限に同じコンテンツの再生を継続することができるが、例えばレンダラ条件を再生期限とすれば、再生中にライセンスの有効期限を経過した場合に再生を中断することができる。なおレンダラ利用条件としては、再生期限の他、トリックプレイ制限、外部出力制限とすることができる。
【0107】
なお上述した限定再生処理は、タイプ1コンテンツ、タイプ2コンテンツの放送コンテンツのみならずダウンロード、ストリーミング等の配信形態の通信コンテンツに関しても同様に利用することができる。
【0108】
(8)サーバ型CASモジュールの構成
図8を参照して説明したライセンス処理を実行するサーバ型CASモジュール33の機能構成例を、図9に示す。
【0109】
ライセンスサーバI/F51は、ライセンスサーバ10やドメイン管理サーバ12とのセキュア通信路を確立し、本セキュア通信路において、ライセンス取得、ドメイン情報取得のメッセージを伝送し、ライセンス(メインライセンス、個別ライセンス)、ドメイン情報を取得する。
【0110】
レジデントアプリケーションI/F部52は、レジデントアプリケーション40からのコマンドを解析して各機能ブロックに処理を指示したり、上記コマンドのレスポンスを各ブロックからの応答を元に生成してレジデントアプリケーション40に対して応答する。
【0111】
EMM復号部53は、レジデントアプリケーション40から注入されたEMMをマスタ鍵Kmsで暗号復号する。EMM復号部53はまた、EMMからメインライセンスやドメイン情報を抽出する。
【0112】
Kms記憶部54は、サーバ型マスタ鍵(埋め込み鍵)Kmsを保持している。
【0113】
ライセンス管理部55は、ライセンス取得時にライセンスを受け取ってライセンスストア部56に保持させる。
【0114】
ライセンス管理部55は、ライセンス削除要求に対して対象となるライセンスをライセンスストア部56から削除したり、期限の切れたライセンスを一括削除する。
【0115】
ライセンス管理部55は、ライセンスストア部56に空き領域が不足している場合に、取得したライセンスを一時保持する。
【0116】
ライセンス管理部55は、ライセンスの有無を確認したり、ライセンス情報取得要求に対してライセンスの内容の一部をライセンス情報に再構成して出力する。
【0117】
ライセンス管理部55は、個別ライセンスに関してライセンス設定を行い利用可能状態とする(図4および図6)。
【0118】
ライセンスストア部56は、取得したメインライセンスおよび個別ライセンスを永続保持する。
【0119】
ドメイン情報保持部57は、ドメインIDとドメイン鍵Kdのペアの情報を複数(プライベートドメインと複数の事業者ドメイン分)保持する。
【0120】
サブライセンスローカライズ部58は、サブライセンスをドメイン鍵Kdで暗号化したり、ドメイン鍵Kdで暗号化されたサブライセンスを復号する。
【0121】
サブライセンス復号部59は、サブライセンスに対応するメインライセンスを取得し、サブライセンスを、取得したメインライセンスのワーク鍵Kwsで暗号復号する。サブライセンス復号部59は、サブライセンスとメインライセンスのRMPIのマージを行ってコンテンツ鍵Kcと共にライセンス設定を行って利用可能状態とする(図3および図5)。
【0122】
カレントライセンスキャッシュ部60は、利用可能状態ライセンスをコンテンツ鍵Kcおよびコンテンツ鍵KcとRMPIとして展開して一時的に保持する。カレントライセンスキャッシュ部60は、タイプ2コンテンツ用とタイプ1コンテンツ用の2つ分の利用可能状態ライセンスを保持する。
【0123】
利用条件判定部61は、カレントライセンスキャッシュ部60のRMPIからその時点での利用条件判定を行う。利用条件判定部61は、タイプ1コンテンツの利用判定で、RMPIにメタデータ制作者指定が存在する場合には、メタデータ制作者IDキャッシュ64の情報を元に判定する。
【0124】
ECM-Kc復号部62は、ECM-Kcが入力された時にカレントライセンスキャッシュ部60のコンテンツ鍵KcでECM-Kcの暗号復号を行い、中身のスクランブル鍵KsをKsキャッシュ部63に出力する。
【0125】
Ksキャッシュ部63は、タイプ1コンテンツの場合にスクランブル鍵Ksを一時的に保持する。
【0126】
メタデータ制作者IDキャッシュ部64は、メタデータ制作者IDを一時的に保持する。
【0127】
レンダラI/F部65は、レンダラ36から受けた再生開始要求に対して、タイプ2コンテンツの場合には利用条件判定部61にカレントライセンスキャッシュ部60のRMPI判定を指示し判定が利用可の場合にはカレントライセンスキャッシュ部60から対応するコンテンツ鍵Kcを引き出してレンダラ36に転送する。
【0128】
レンダラI/F部65は、レンダラ36から受けたスクランブル鍵Ks転送要求に対して、その時点で利用条件判定部61にカレントライセンスキャッシュ部60のRMPI判定を指示し判定が利用可ならKsキャッシュ部63にあるスクランブル鍵Ksを取得してレンダラ36に転送する。
【0129】
(9)サーバ型CASモジュール33の機能仕様
次に、図8を参照して説明した各処理を行う場合のサーバ型CASモジュール33の各部の動作を説明する。
【0130】
「ライセンス取得処理」
ライセンスサーバI/F51は、取得対象であるメインライセンスおよび個別ライセンスを取得する。取得経路として、メインライセンスは放送と通信の2通りが利用可能である。また個別ライセンスは通信のみ利用可能である。
【0131】
放送で取得された場合は、EMM復号部53は、受信機2で受信しサーバ型CASモジュール33に入力されたEMMを、マスタ鍵Kmsで暗号復号してメインライセンスを抽出する。
【0132】
ライセンスサーバI/F51は、通信で取得する場合には、レジデントアプリケーション40からのライセンス取得要求により指定されたライセンスサーバ10と相互認証に基づくSACを張り、指定されたライセンスIDとドメインIDに対応した個別ライセンス、またはメインライセンスを取得する。
【0133】
「ライセンス保持/管理処理」
ライセンス管理部55は、取得されたメインライセンスおよび個別ライセンスを、ライセンスストア部56に保持する。ライセンスストア部56は、運用上充分な数のライセンスが保持できるだけの記憶容量を備えている。
【0134】
なおライセンス管理部55は、「ライセンス保持/管理処理」として下記の処理を行う。
【0135】
『ライセンス情報出力処理』
ライセンス管理部55は、レジデントアプリケーション40の指示により指定された特定のライセンスに対応するライセンスのヘッダ、RMPI等の情報をライセンス情報として再構成して出力する。
【0136】
『ライセンスIDリスト出力処理』
ライセンス管理部55は、レジデントアプリケーション40の指示より保持する全ライセンスのライセンスIDリストを出力する。
【0137】
『ライセンス保持容量管理処理』
ライセンス管理部55は、ライセンスストア部56のライセンス保持領域の空き容量を管理し、レジデントアプリケーション40からの要求により出力する。
【0138】
『ライセンス削除処理』
ライセンス管理部55は、以下の3つの場合においてライセンスを削除する。
・レジデントアプリケーション40より指定された特定のライセンスを削除する。
・レジデントアプリケーション40からのトリガーにより、その時点で有効期限の切れたライセンスを全て削除する。
・利用回数制限有りのライセンスを利用した時にそのライセンスを削除する。
【0139】
『ライセンス一時記憶処理』
ライセンス管理部55は、ライセンスストア部56に、取得したライセンスを永続保持するのに充分な空き容量がない場合に、通信で取得したライセンスに限り、一時記憶領域にキャッシュすることを可能とする。ライセンスを設定する場合には、ライセンスストア部56で永続保持されたライセンスと同等に設定するライセンスの対象となる。通信で取得するライセンスは、利用権利を有する間は、再生時にいつでもライセンスサーバ10から取得可能であるので、この機能によりライセンスストア部56の空き容量不足でコンテンツの再生が不可となるケースを少なくすることができる。
【0140】
「ライセンス設定処理」
ライセンス管理部55は、特定のコンテンツの再生に際して、対応するライセンスに含まれるコンテンツ鍵KcとRMPIをカレントライセンスキャッシュ部60に展開して利用可能な状態とする。
【0141】
1階層ライセンスの場合には、指定された個別ライセンスを読み出して含まれるコンテンツ鍵KcとRMPIが利用可能な状態に設定される。2階層ライセンスの場合には、レジデントアプリケーション40から入力される蓄積用サブライセンスがまずドメイン鍵Kdで暗号復号される(サブライセンスローカライズ部58)。さらに対応するメインライセンスが読み出されて、これに含まれるワーク鍵Kwsで暗号復号されて(サブライセンス復号部59)、サブライセンスに含まれるコンテンツ鍵Kcと、メインライセンス及びサブライセンスの条件統合したRMPIが利用可能状態に設定される(カレントライセンスキャッシュ部60)。
【0142】
いまの場合、後述するように、コンテンツが別のコンテンツを参照して、同時再生されるので、参照元のコンテンツ用のライセンス(一次利用ライセンス)と参照先のコンテンツ用のライセンス(二次利用ライセンス)の2つ利用可能状態ライセンスが設定される。
【0143】
利用可能状態となったライセンスは、カレントライセンスキャッシュ部60の、上記2つのライセンスキャッシュ領域毎に、別のライセンスが次に設定されるまでは電源をOFFしない限り利用可能状態が保たれ、その間、同じ利用条件の下でコンテンツの利用制御が行われる。
【0144】
「ライセンス利用処理」
利用条件判定部61は、RMPIを用いた利用判定により対象となるコンテンツの利用許可を行う。
【0145】
タイプ2コンテンツにおけるライセンス利用は、基本的にコンテンツを構成する個々のリソース再生の開始毎に行われる。レンダラ36からの再生許可要求により、指定された一次または二次の利用可能状態ライセンスに関して利用条件判定が行われ、利用可と判定された場合に、指定されたリソースに対応するコンテンツ鍵Kcと共にレンダラ利用条件が転送される。
【0146】
タイプ1コンテンツにおけるライセンス利用は、2段階に分かれる。まず対象となるストリームリソースの再生開始時に、レンダラ36から再生許可要求により指定された一次/二次の利用可能状態ライセンスに関して利用条件判定が行われ、利用可と判定された場合に、レンダラ利用条件のみが転送される。次にストリームリソースに含まれるECM‐Kcが更新周期毎に入力されると、その時点で利用条件判定が行われ、利用可と判定された場合にのみコンテンツ鍵KcでECM-Kcの暗号復号が行われ、その結果得られたスクランブル鍵Ksが転送される。
【0147】
(10)タイプ2コンテンツとタイプ1コンテンツの混合型サービス
タイプ2コンテンツとタイプ1コンテンツを混合して提供する場合のコンテンツのデータ構造を、図10を参照して説明する。このサービスによって、通常のTV番組を蓄積したタイプ1コンテンツ、およびそのタイプ1コンテンツを視聴者の操作によってシーン単位で再生させるBMLファイルやメタデータファイルを含むタイプ2コンテンツにより、TV番組のダイジェスト再生などのTV番組のノンリニア視聴を実現することができる。
【0148】
なおこのサービスにおいて、タイプ1コンテンツとタイプ2コンテンツは同時に伝送されることもあるが、別の時間に異なる経路で伝送されることも想定されている。
【0149】
混合型サービスを構成するタイプ1コンテンツとタイプ2コンテンツは、例えば図10に示すディレクトリ構造で、蓄積メディア31上に蓄積される。
【0150】
タイプ2コンテンツは、ルートディレクトリ「TYPE2_Contents_1」の下に、構成されるファイルが全て配置されている。ルートディレクトリ「TYPE2_Contents_1」の直下にはディレクトリ「0000」乃至ディレクトリ「0003」が配置され、それぞれコンテンツにおける機能分担毎にまとめられている。
【0151】
ディレクトリ「0000」の下には、いくつかの制御ファイルが配置されている。これらは限定再生の暗号化対象ではない。
【0152】
起動文書(ERI)は、このコンテンツを再生する場合に最初に読み出されるファイルで、ライセンスへの参照情報と最初に再生すべきファイル名等が記述されている。ACIは、このコンテンツのサブライセンスを含むファイルである。
【0153】
ディレクトリ「0001」の下には、BMLファイルBML_1と、これから即時に読み出されるJPEGやPNG等のモノメディアファイル(ファイルJPEG_1乃至JPEG_nおよびPNG_1乃至PNG_n)がそれぞれ配置される。これらは同じコンテンツ鍵Kc1で暗号化されている。
【0154】
ディレクトリ「0002」の下には、上記BML文書から参照されるタイプ2コンテンツのストリームファイルTYPE2_Stream_1が1つあり、BML文書の画面上における視聴者の操作によって、このストリームファイルが再生される。これは単独でコンテンツ鍵Kc2で暗号化されている。
【0155】
ディレクトリ「0003」の下には、上記BML文書から視聴者操作により、タイプ1コンテンツのストリームファイルをシーン単位に再生(セグメント再生)するのに用いるシーン毎の時間位置情報などを記述したセグメントメタデータファイルSegmentMeta_1乃至SegmentMeta_nが配置されている。ここで用いる複数のセグメントメタデータファイルSegmentMetaはコンテンツ鍵Kc3で暗号化されておりタイプ2コンテンツの1部となっている。
【0156】
このタイプ2コンテンツは、対応するライセンスの形態としては2階層ライセンスを想定とし、メインライセンスは再生開始時に通信で取得され、サブライセンスは上記ACIとして蓄積されるものとする。
【0157】
タイプ1コンテンツについてはルートディレクトリ「TYPE1_Contents_1」の下にTV番組を記録したストリームファイルTYPE1_Stream_1が配置されている。タイプ1コンテンツも2階層ライセンスとし、メインライセンスは既に取得済みとする。サブライセンスは、Kc配布用ECMを受信時に分離してサブライセンスファイルSublicenseとしてストリームファイルと一緒に蓄積されている。
【0158】
次に上述したタイプ1コンテンツとタイプ2コンテンツとが混合した混合型サービスを利用する場合の受信機2の動作を、図11のフローチャートを参照して説明する。尚、図11において、縦方向の矢印は時間経過を示し、横方向の矢印は各エンティティ間の情報のやり取りを示している。
【0159】
ライセンスサーバ10以外は受信機2内のエンティティである。ストリームレンダラ36Aは、ストリームファイルを復号再生するレンダラ36の部分(例えば、暗号復号器32、デマルチプレクサ25乃至音声デコーダ27)で構成され、マルチメディアレンダラ36Bは、BMLファイルやモノメディアファイルを復号再生するレンダラ36の部分(例えば、暗号復号器32およびBMLブラウザ28)で構成されている。
【0160】
視聴者操作によりタイプ2コンテンツの再生起動がかかると、ステップS1において、レジデントアプリケーション40は、蓄積メディア31から起動文書ERIを読み出し、ステップS2において、これに含まれるライセンス情報を基にサーバ型CASモジュール33にメインライセンスの取得要求を行う。
【0161】
ステップS3において、サーバ型CASモジュール33は、ライセンスサーバ10からメインライセンスを取得し保持する。
【0162】
ステップS4において、レジデントアプリケーション40は、さらに起動文書ERIの情報より蓄積メディア31からACIファイルを読み出し、ステップS5において、これに含まれるサブライセンスをサーバ型CASモジュール33に入力してライセンス設定要求を行う。
【0163】
サーバ型CASモジュール33は、タイプ2コンテンツのメインライセンスでサブライセンスの暗号を解いて一次利用可能状態ライセンスとしてコンテンツ鍵Kc1乃至鍵Kc3とRMPIをカレントライセンスキャッシュ部60に展開する(例えば、図5の番号3に対応する処理)(図8の「ライセンス設定処理」)。
【0164】
ステップS6において、レジデントアプリケーション40は、起動文書ERIより最初に再生すべきファイルBML_1の再生をマルチメディアレンダラ36Bに指示する。ステップS7において、マルチメディアレンダラ36Bは、サーバ型CASモジュール33に再生開始要求を行う。
【0165】
サーバ型CASモジュール33は、その時点での一次利用可能状態ライセンスに関して利用条件判定を行い利用可であれば、コンテンツ鍵Kc1とレンダラ利用条件をマルチメディアレンダラ36Bに返す(例えば、図5の番号4に対応する処理)(図8の「ライセンス利用処理」)。
【0166】
ステップS8において、マルチメディアレンダラ36Bは、ファイルBML_1文書を読み出して、ステップS9において、コンテンツ鍵Kc1で暗号復号を行い、表示を開始する。その過程でファイルJPEG、ファイルPNG等のリソースが参照される。これらはファイルBML_1と同じコンテンツ鍵Kc1で暗号化されているので、リソース毎にサーバ型CASモジュール33にアクセスせず、読み出す毎に暗号復号が行われ、BMLに従った表示が行われる。
【0167】
これまでの処理により、例えば、図12に示すように、後述するようにしてタイプ1コンテンツが表示される表示部Wや、その表示を説明する所定の情報(「動物図鑑」、ボタンB1,B2,B3,B11,B12)が、受信機2の図示せぬ表示部に表示される。
【0168】
視聴者が、リモコンキー操作により、タイプ2コンテンツの映像を表示させるように指示すると、ステップS10において、マルチメディアレンダラ36Bは、ストリームレンダラ36Aに再生指示を行う。
【0169】
ステップS11において、ストリームレンダラ36Aは、サーバ型CASモジュール33に再生開始要求を行う。サーバ型CASモジュール33は、その時点での一次利用可能状態ライセンスに関して利用条件判定を行い利用可であれば、コンテンツ鍵Kc2とレンダラ利用条件をストリームレンダラ36Aに返す。
【0170】
ステップS12において、ストリームレンダラ36Aは、ファイルTYPE2_Stream_1を読み出し、コンテンツ鍵Kc2で暗号復号し、映像再生を行う。
【0171】
次にまた視聴者が、リモコンキー操作により、タイプ1コンテンツの映像の一部のセグメント再生を指示すると(図12の例ではボタンB1が操作されると)、ステップS13において、マルチメディアレンダラ36Bは、ファイルBML文書中のセグメント再生関数を呼び出し、セグメントメタデータSegmentMeta_1乃至SegmentMeta_nを参照するので、その読み出し前にサーバ型CASモジュール33に再生開始要求を行う。
【0172】
サーバ型CASモジュール33は、その時点での一次利用可能状態ライセンスに関して利用条件判定を行い利用可であれば、コンテンツ鍵Kc3とレンダラ利用条件をマルチメディアレンダラ36Bに返す。
【0173】
ステップS14において、マルチメディアレンダラ36B(図示せぬセグメント再生関数実行部)は、セグメントメタデータSegmentMeta_1を読み出し、コンテンツ鍵Kc3で暗号復号を行い、さらにデジタル署名により改竄検出及び署名検証を行う。これが問題なければ、ステップS15において、署名に含まれるメタデータ制作者IDをサーバ型CASモジュール33に入力する。またセグメント再生関数で指定されたセグメントに対応する開始と終了相対時刻も抽出される。
【0174】
マルチメディアレンダラ36B(図示せぬセグメント再生関数実行部)は、ここでタイプ1コンテンツの起動シーケンスを開始する。まずステップS16において、マルチメディアレンダラ36Bは、タイプ1コンテンツに付随して蓄積されているサブライセンスファイルSubLicenseを読み出し、ステップS17において、これを入力してサーバ型CASモジュール33にライセンス設定要求を行う。
【0175】
サーバ型CASモジュール33は、タイプ1コンテンツのメインライセンスでサブライセンスの暗号を解いて二次利用可能状態ライセンスとしてコンテンツ鍵KcとRMPIをカレントライセンスキャッシュ部60に展開する(例えば、図3の番号3に対応する処理)(図8の「ライセンス設定処理」)。この時点で、カレントライセンスキャッシュ部60には、1次利用可能状態ライセンス(タイプ2コンテンツのライセンス)と、2次利用可能状態ライセンス(タイプ1コンテンツのライセンス)の両方が展開されている。
【0176】
ステップS18において、マルチメディアレンダラ36B(セグメント再生関数実行部)は、ストリームレンダラ36AにファイルTYPE1_Stream_1リソースの再生を指示する。ステップS19において、ストリームレンダラ36Aは、サーバ型CASモジュール33に再生開始要求を行う。
【0177】
サーバ型CASモジュール33は、その時点での二次利用可能状態ライセンスに関して利用条件判定を行い利用可であれば、レンダラ利用条件をストリームレンダラ36Aに返す。
【0178】
ステップS20において、ストリームレンダラ36Aは、蓄積メディア31上のファイルTYPE1_Stream_1にアクセスしセグメントメタデータから抽出された開始相対時刻や終了相対時刻に対応するバイト位置からストリームを読み出す。
【0179】
ステップS21において、レジデントアプリケーション40は、このストリーム中よりECM-Kc(の更新)を検出し、ステップS22において、これをサーバ型CASモジュール33に入力する。
【0180】
サーバ型CASモジュール33は、ECM-Kcをコンテンツ鍵Kcで復号してスクランブル鍵Ksを取り出す。
【0181】
ステップS23において、ストリームレンダラ36Aは、スクランブル鍵Ksを要求する。サーバ型CASモジュール33は、その時点での二次利用可能状態ライセンスに関して利用条件判定を行い利用可であれば、スクランブル鍵Ksをストリームレンダラ36Aに返す(図3の番号4に対応する処理)(図8の「ライセンス利用処理」)。これにより、ステップS24で、ストリームTYPE1_Stream_1がスクランブル鍵Ksでデスクランブルされ、再生される(図12の例では、表示部Wに「馬」の映像が表示される)。
【0182】
ステップS22乃至ステップS24を繰り返すことにより再生が続いてセグメントの終了相対時刻でタイプ1コンテンツ再生が終了される。この間もタイプ2コンテンツとしてのBML文書の実行は継続している。
【0183】
このようにしてタイプ1コンテンツとタイプ2コンテンツとが混合した混合型サービスを利用することができる。
【0184】
また例えば、混合するタイプ1コンテンツとタイプ2コンテンツを、階層的に記憶するようにしたので、ライセンスの形態やライセンスの伝送経路のバリエーションが増大しても、サーバ型CASモジュール33を簡単に構成することができ、装置のコスト高を抑制することができる。
【0185】
またライセンスストア部56の空き容量が不足してライセンスを記憶することができない場合、ライセンス管理部55が一時的に記憶するようにしたので、大容量のライセンスストア部56を用意する必要がなくなるので、装置のコスト高を抑制することができる。
【0186】
上述した一連の処理は、専用のハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。
【0187】
なお、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0188】
【図1】本発明を適用したサーバ型放送システムの構成例を示す図である。
【図2】図1の受信機2の構成例を示すブロック図である。
【図3】限定再生処理を説明する図である。
【図4】他の限定再生処理を説明する図である。
【図5】他の限定再生処理を説明する図である。
【図6】他の限定再生処理を説明する図である。
【図7】本発明を適用した総合サーバ型CASシステムのデータ経路を示す図である。
【図8】本発明に係るライセンス処理とコンテンツ再生処理を説明する図である。
【図9】図2のサーバ型CASモジュール33の機能的構成例を示すブロック図である。
【図10】混合型サービスのコンテンツのデータ構造を示す図である。
【図11】混合型サービスを利用する場合の受信機2の動作を説明するフローチャートである。
【図12】混合型サービスの表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0189】
1 放送局, 2 受信機, 9 コンテンツサーバ, 10 ライセンスサーバ,
11 ショップ/決済サーバ, 12 ドメイン管理サーバ, 31 蓄積メディア,
33 サーバ型CASモジュール, 36 レンダラ, 40 レジデントアプリケーション, 51 ライセンスサーバI/F, 52 レジデントアプリケーションI/F, 53 EMM復号部, 54 Kms保持部, 55 ライセンス管理部, 56 ライセンスストア部, 57 ドメイン情報保持部, 58 サブライセンスローカライズ部, 59 サブライセンス復号部, 60 カレントライセンスキャッシュ部, 61 利用条件判定部, 62 ECM-Kc復号部, 63 Ksキャッシュ部, 64 メタ製作者IDキャッシュ部, 65 レンダラI/F, 66 レンダラ利用条件生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄積メディアに蓄積された、放送または通信により配信されたコンテンツの、コンテンツ鍵を利用した再生処理を、この利用権利および利用条件に基づいて制御する情報処理装置において、
複数のコンテンツを利用する権利の存在を示しワーク鍵を含むメインライセンスを放送から取得する第1の取得手段と、
前記メインライセンス、及び1個のコンテンツを利用する権利の存在を示しコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を含む個別ライセンスを通信から取得する第2の取得手段と、
前記メインライセンス及び前記個別ライセンスを永続的に記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段により記憶された前記メインライセンス及び個別ライセンスから、指定された1つのライセンスを読み出す読み出し手段と、
前記第1の記憶手段により記憶された前記ライセンスに関する情報を出力する出力手段と、
前記読み出し手段により読み出された前記個別ライセンスに含まれる前記コンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報をより高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第2の記憶手段と、
前記コンテンツ鍵と前記コンテンツの利用条件情報を含む情報が対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号化されたサブライセンスを入力し、前記第1の記憶手段により記憶された対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号復号し、前記サブライセンスに含まれる前記コンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第3の記憶手段と、
コンテンツ利用開始時に、前記第2の記憶手段または前記第3の記憶手段により一時記憶された前記コンテンツの利用条件情報を判定し、前記コンテンツの利用条件情報を満足する場合にのみ、前記第2の記憶手段または前記第3の記憶手段により一時記憶された前記コンテンツ鍵を供給する供給手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記供給手段は、前記コンテンツが部分毎のスクランブル鍵で暗号化されている場合には、部分毎の前記スクランブル鍵が前記コンテンツ鍵で暗号化された情報を入力し、前記第2の記憶手段または前記第3の記憶手段により記憶された前記コンテンツ鍵Kcによって暗号復号し、その結果得られた部分毎の前記スクランブル鍵Ksを供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の取得手段または前記第2の取得手段は、前記第1の記憶手段が前記個別ライセンス又はメインライセンスを記憶できない場合、これを一時記憶し、
前記読み出し手段は、指定されたライセンスが、前記第1の取得手段または前記第2の取得手段により一時記憶された前記個別ライセンス又はメインライセンスである場合に、これを前記第1の取得手段または前記第2の取得手段から読み出す
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記コンテンツが別のコンテンツを参照して同時再生する場合に、前記第2の記憶手段および前記第3の記憶手段は、それぞれ、参照元のコンテンツに対応するライセンスおよび参照先のコンテンツに対応するライセンスに関して、これらに含まれるコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報をより高速に読み出し可能な形態に展開して一時記憶し、
前記供給手段は、前記第2の記憶手段または第3の記憶手段に記憶された2つのライセンスに関して、コンテンツ利用時にライセンスの指定に応じて、対応する前記第2の記憶手段または第3の記憶手段に記憶された前記ライセンスの利用条件情報を用いてコンテンツの利用判定を行い、条件を満足する場合にのみ前記コンテンツ鍵を供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
蓄積メディアに蓄積された、放送または通信により配信されたコンテンツの、コンテンツ鍵を利用した再生処理を、この利用権利および利用条件に基づいて制御する情報処理方法において、
複数のコンテンツを利用する権利の存在を示しワーク鍵を含むメインライセンスを放送から取得する第1の取得ステップと、
前記メインライセンス、及び1個のコンテンツを利用する権利の存在を示しコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を含む個別ライセンスを通信から取得する第2の取得ステップと、
前記メインライセンス及び前記個別ライセンスを永続的に記憶する第1の記憶ステップと、
前記第1の記憶ステップの処理で記憶された前記メインライセンス及び個別ライセンスから、指定された1つのライセンスを読み出す読み出しステップと、
前記第1の記憶ステップの処理で記憶された前記ライセンスに関する情報を出力する出力ステップと、
前記読み出しステップの処理で読み出された前記個別ライセンスに含まれる前記コンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報をより高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第2の記憶ステップと、
前記コンテンツ鍵と前記コンテンツの利用条件情報を含む情報が対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号化されたサブライセンスを入力し、前記第1の記憶ステップの処理で記憶された対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号復号し、前記サブライセンスに含まれる前記コンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第3の記憶ステップと、
コンテンツ利用開始時に、前記第2の記憶ステップまたは前記第3の記憶ステップの処理で一時記憶された前記コンテンツの利用条件情報を判定し、前記コンテンツの利用条件情報を満足する場合にのみ、前記第2の記憶ステップまたは前記第3の記憶ステップの処理で一時記憶された前記コンテンツ鍵を供給する供給ステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
蓄積メディアに蓄積された、放送または通信により配信されたコンテンツの、コンテンツ鍵を利用した再生処理を、この利用権利および利用条件に基づいて制御する情報処理装置を制御するプロセッサに実行させるプログラムにおいて、
複数のコンテンツを利用する権利の存在を示しワーク鍵を含むメインライセンスを放送から取得する第1の取得ステップと、
前記メインライセンス、及び1個のコンテンツを利用する権利の存在を示しコンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を含む個別ライセンスを通信から取得する第2の取得ステップと、
前記メインライセンス及び前記個別ライセンスを永続的に記憶する第1の記憶ステップと、
前記第1の記憶ステップの処理で記憶された前記メインライセンス及び個別ライセンスから、指定された1つのライセンスを読み出す読み出しステップと、
前記第1の記憶ステップの処理で記憶された前記ライセンスに関する情報を出力する出力ステップと、
前記読み出しステップの処理で読み出された前記個別ライセンスに含まれる前記コンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報をより高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第2の記憶ステップと、
前記コンテンツ鍵と前記コンテンツの利用条件情報を含む情報が対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号化されたサブライセンスを入力し、前記第1の記憶ステップの処理で記憶された対応するメインライセンスのワーク鍵で暗号復号し、前記サブライセンスに含まれる前記コンテンツ鍵とコンテンツの利用条件情報を高速に読み出し可能な形態に展開し一時記憶する第3の記憶ステップと、
コンテンツ利用開始時に、前記第2の記憶ステップまたは前記第3の記憶ステップの処理で一時記憶された前記コンテンツの利用条件情報を判定し、前記コンテンツの利用条件情報を満足する場合にのみ、前記第2の記憶ステップまたは前記第3の記憶ステップの処理で一時記憶された前記コンテンツ鍵を供給する供給ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−5929(P2007−5929A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−181052(P2005−181052)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】