説明

情報処理装置及び情報処理システム

【課題】セキュリティを保持しつつ、委譲元携帯端末が保持する出力権限を委譲先携帯端末に委譲可能な情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理装置と委譲元携帯端末と委譲先携帯端末とを含む情報処理システムにおいて、出力権限を委譲すべく権限情報を委譲先携帯端末へ送信する委譲元送信部を委譲元携帯端末側に設け、委譲元携帯端末から権限情報を受信する委譲先受信部と、受信した権限情報を記憶する委譲先記憶部と、権限情報を情報処理装置へ送信する委譲先送信部とを委譲先携帯端末側に設け、委譲先携帯端末から権限情報を受信する装置受信部と、受信した権限情報に基づいて出力制限を解除する解除部と、データに基づき出力を行う出力部とを情報処理装置側に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型記憶媒体から認証情報を読み取ってデータの出力を行う情報処理装置及び情報処理システムに関し、特に、携帯端末から認証情報を読み取る情報処理装置及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のユーザにより共有使用される画像形成システムが、オフィス環境等に広く普及している。画像形成システムは、プリンタやプリンタ部及びスキャナ部を備える複合機等の画像形成装置と、ネットワークを介して該画像形成装置に接続するホストコンピュータとを含んで構成され、ホストコンピュータから送信された画像データに基づいて、画像形成装置が印刷物の出力を行う。
【0003】
このような画像形成装置は、多数のユーザに共有使用されるため、例えば機密情報を含む機密文書の印刷時に、出力された印刷物が他人の目に触れて、或いは意図的に他人に持ち去られて、機密情報が漏洩する危険性がある。
【0004】
このような機密漏洩を回避すべく、従来、画像形成装置における印刷物の出力に先立ち、利用者が印刷権限を持つユーザ本人であるか否かを認証判断する認証印刷の技術が実用化されている。例えば、下記特許文献1に開示された技術では、ホストコンピュータは、画像データとしての印字データにパスワードを付加して、情報処理装置としてのプリントサーバーへ送信する。プリントサーバーは、パスワード付きの印字データを受信すると、該印字データをパスワードと共に記憶しておく。その後、プリントサーバーにおいて、キーボードを介してパスワードが入力されると、プリントサーバーは、入力されたパスワードと印字データに付加されたパスワードとが一致するか否かを判断する。そして、一致すると判断した場合にのみ、プリントサーバーは、パスワードを入力した利用者が印刷権限を持つユーザ本人であると判断し、印字データをプリンタへ送出して、印字処理を実行させる。
【0005】
ところで、オフィスから遠く離れた事業所での会議に、印刷した機密文書を持参して参加する予定の参加予定者が、移動中における機密文書の紛失を回避すべく、上記した認証印刷の方法を利用することがある。この場合、該参加予定者は、オフィスのホストコンピュータから事業所に設置された画像形成装置へ、機密文書の画像データを予め送信して記憶させておく。そして、事業所に到着した後、該画像形成装置において印刷権限を行使して、機密文書の印刷を実行させる。
【特許文献1】特開平08−083153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した参加予定者がオフィスから事業所への移動中に、例えば事故や渋滞、電車遅延等に遭遇して、会議に間に合わなくなってしまう、或いは出席できなくなってしまうと、印刷権限を持たない他の会議参加者は、事業所内の画像形成装置に機密文書の画像データが記憶されているにもかかわらず、印刷を実行させることができず、機密文書を入手できないという問題があった。
【0007】
したがって、セキュリティを保持しつつ、ユーザが持つ印刷権限を他のユーザに委譲可能な情報処理装置及び情報処理システムが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
【0009】
〈構成1〉
本発明に係る情報処理装置は、出力制限が課せられたデータを上位装置から受信して記憶し、出力制限の解除権限を示す権限情報を保持する委譲元携帯端末から、権限情報の委譲先携帯端末への委譲済を示す委譲済情報を受信する第1受信部と、受信した委譲済情報を記憶する装置記憶部と、委譲先携帯端末から、権限情報と該委譲先携帯端末の端末識別情報とを受信する第2受信部と、受信した端末識別情報と委譲済情報とに基づいて、受信した権限情報が有効であるか否かを判断する判断部と、有効であると判断されると、出力制限を解除する解除部と、データに基づき出力を行う出力部とを備えることを特徴とする。
【0010】
〈構成2〉
本発明に係る情報処理システムは、出力制限が課せられたデータを上位装置から受信して記憶する情報処理装置と、出力制限の解除権限を示す権限情報を保持する委譲元携帯端末と、該委譲元携帯端末と通信可能な委譲先携帯端末とを含み、委譲元携帯端末は、解除権限を委譲すべく権限情報を委譲先携帯端末へ送信する委譲元送信部を備え、委譲先携帯端末は、委譲元携帯端末から権限情報を受信する委譲先受信部と、受信した権限情報を記憶する委譲先記憶部と、権限情報を情報処理装置へ送信する委譲先送信部とを備え、情報処理装置は、委譲先携帯端末から権限情報を受信する装置受信部と、受信した権限情報に基づいて、出力制限を解除する解除部と、データに基づき出力を行う出力部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の情報処理システムによれば、解除権限を有する委譲元携帯端末から委譲先携帯端末へ、権限情報を送信することにより解除権限を委譲可能となるので、利便性が向上される。また、本発明の情報処理装置によれば、データの出力に先立ち、委譲先携帯端末から権限情報が受信され、該権限情報の有効性が判断されるので、機密漏洩が防止され、セキュリティが保持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を、図を用いて詳細に説明する。ここでは、本発明を、ホストPCから印刷ジョブを受信して印刷処理を行うプリンタと、該プリンタ及び2つの携帯電話機を含むプリンタシステムとに適用し、一方の携帯電話機に保持される印刷権限を他方の携帯電話機に委譲して印刷処理を行う場合を例に、説明を行う。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の実施例1に係るプリンタシステムの構成を示すブロック図である。
本実施例のプリンタシステム10は、図1に示されるように、ホストPC11と、プリンタ12と、委譲元携帯電話機13と、委譲先携帯電話機14とを含んで構成される。
このプリンタシステム10を利用して、ユーザの印刷権限の有無を判断して印刷を行う認証印刷処理を実行できる。
【0014】
ホストPC11は、本実施例ではパーソナルコンピュータからなり、インターネット15を介してプリンタ12と通信可能な上位装置として、図1に示されるように、入力部19、アプリケーション部20、プリンタドライバ部21、ジョブID生成部22、USBインタフェース部23、ネットワークインタフェース部24を備えている。
【0015】
入力部19は、例えばキーボードからなり、プリンタ12において印刷時認証を行う認証印刷を要求するための認証印刷要求を入力する。入力された認証印刷要求は、アプリケーション部20に送られる。
【0016】
アプリケーション部20は、例えば原稿の作成や閲覧、編集等を行うための処理部であり、入力部19からの認証印刷要求の入力を受けて、認証印刷のための原稿データを、認証印刷要求と共にプリンタドライバ部21へ送る。
【0017】
プリンタドライバ部21は、印刷ジョブを生成する処理部であり、アプリケーション部20から認証印刷要求及び原稿データを受け取ると、印刷ジョブを識別するためのジョブIDの生成要求と、プリンタ12における印刷時認証のための固有ID(後述)の取得要求とを、ジョブID生成部22へ送る。そして、ジョブID生成部22からジョブID及び固有IDを受け取ると、アプリケーション部20から受け取った原稿データをプリンタ言語に変換して印刷データを生成し、該印刷データにジョブID及び固有IDを付与して、印刷ジョブを生成する。プリンタドライバ部21は、生成した印刷ジョブをネットワークインタフェース部24へ送る。
【0018】
ジョブID生成部22は、プリンタドライバ部21からジョブIDの生成要求及び固有IDの取得要求を受け取ると、USBインタフェース部23へ固有IDの取得要求を転送する。そして、USBインタフェース部23から固有IDを受け取ると、ジョブIDを生成して、ジョブID及び固有IDをプリンタドライバ部21へ送ると共に、ジョブIDをUSBインタフェース部23へ送る。
【0019】
ジョブID生成部22により生成されるジョブIDは、印刷ジョブ毎に付与される16バイトの識別情報である。本実施例では、他のホストPCと区別するために、ホストPC11のMAC(Media Access Control)アドレスが、ジョブIDの先頭12桁に与えられる。また、ジョブIDの残り4桁には、ジョブID生成部22が発行した発行番号が与えられる。例えば、ホストPC11のMACアドレスが「001a2b3c4d5e」であり、発行番号が「1234」であれば、ジョブID生成部22は、ジョブID「001a2b3c4d5e1234」を生成する。
【0020】
USBインタフェース部23には、ICカードリーダライタ16がUSB接続される。
【0021】
ICカードリーダライタ16は、近接したIC(Integrated Circuit)カードを検知して、該ICカードとの間で、無線通信によりデータの送受信を行う機能を有し、本実施例では、委譲元携帯電話機13のICカード部33から固有IDを受信して、USBインタフェース部23へ送り、USBインタフェース部23からジョブIDを受け取って、委譲元携帯電話機13のICカード部33へ送信する。
【0022】
USBインタフェース部23は、ICカードリーダライタ16から受け取った固有IDを、ジョブID生成部22へ送る。また、ジョブID生成部22から受け取ったジョブIDを、ICカードリーダライタ16を介して委譲元携帯電話機13のICカード部33へ送信する。
【0023】
ネットワークインタフェース部24は、プリンタドライバ部21から受け取った印刷ジョブを、インターネット15を介してプリンタ12へ送信する。
【0024】
プリンタ12は、情報処理装置として、図1に示されるように、ネットワークインタフェース部25、USBインタフェース部26、ジョブ管理部27、プリンタ記憶部28、判断部29及び印刷部30を備えている。
【0025】
ネットワークインタフェース部25は、インターネット15を介してホストPC11から印刷ジョブを受信し、ジョブ管理部27に送る。
【0026】
USBインタフェース部26には、ICカードリーダライタ17がUSB接続される。
【0027】
ICカードリーダライタ17は、ICカードとの無線通信機能を有し、本実施例では、装置受信部として、委譲先携帯電話機14のICカード部47から固有ID、ジョブID及び委譲元IDを受信して、USBインタフェース部26へ送る。また、装置送信部として、USBインタフェース部26から後述する削除指示を受け取って、委譲先携帯電話機14のICカード部47へ送信する。
【0028】
USBインタフェース部26は、ICカードリーダライタ17から受け取った固有ID、ジョブID及び委譲元IDを、ジョブ管理部27へ送る。また、USBインタフェース部26は、ジョブ管理部27から受け取った削除指示を、ICカードリーダライタ17を介して委譲先携帯電話機14のICカード部47へ送信する。
【0029】
ジョブ管理部27は、印刷ジョブの管理機能を有し、ネットワークインタフェース部25から受け取った印刷ジョブに対して、受付番号を発行すると共に、該印刷ジョブから固有ID、ジョブID及び印刷データを抽出する。そして、ジョブ管理部27は、抽出した固有IDを登録IDとして、発行した受付番号と、登録ID、ジョブID及び印刷データとを、プリンタ記憶部28に送って記憶させる。
【0030】
プリンタ記憶部28は、装置記憶部としての機能を有し、印刷データ記憶部31及びリスト記憶部32を有する。
【0031】
印刷データ記憶部31は、ジョブ管理部27から受け取った受付番号及び印刷データを、対応させて記憶する記憶部である。
【0032】
図2は、印刷データ記憶部の構成を示す説明図である。
印刷データ記憶部31には、図2に示されるように、受付番号に対応して印刷データが記憶されている。
【0033】
図2において、印刷データ記憶部31には、例えば受付番号「00000001」に対応して印刷データ「印刷データ1」が記憶されている。
【0034】
リスト記憶部32は、ジョブ管理部27から受け取った受付番号、登録ID及びジョブIDを、対応させて記憶する記憶部である。
【0035】
図3は、実施例1におけるリスト記憶部の構成を示す説明図である。
リスト記憶部32には、図3に示されるように、受付番号に対応して、登録ID及びジョブIDが記憶されている。
【0036】
図3において、リスト記憶部32には、例えば受付番号「00000001」に対応して、登録ID「0123456789abcdef」及びジョブID「001a2b3c4d5e1234」が記憶されている。
【0037】
また、ジョブ管理部27は、USBインタフェース部26から固有ID、ジョブID及び委譲元IDを受け取ると、これらを記憶すると共に、ジョブID及び委譲元IDを判断部29に送る。そして、ジョブ管理部27は、判断部29から印刷権限有り及び受付番号を通知されると、解除部として、印刷部30に印刷指示及び受付番号を送る。また、判断部29から印刷権限無しを通知されると、ジョブ管理部27は、図示されない表示部に、印刷不可を通知するメッセージを表示させる。
【0038】
更に、ジョブ管理部27は、印刷部30から印刷完了及び受付番号を通知されると、委譲先携帯電話機14に対するジョブID及び委譲元IDの削除指示を生成し、USBインタフェース部26に送る。
【0039】
判断部29は、ジョブ管理部27を介して、委譲先携帯電話機14からジョブID及び委譲元IDを受け取ると、委譲先携帯電話機14の印刷権限の有無を判断する。即ち、判断部29は、ジョブ管理部27から受け取ったジョブIDに基づき、リスト記憶部32を検索し、対応して記憶されている登録IDを読み出す。そして、判断部29は、読み出した登録IDと、ジョブ管理部27から受け取った委譲元IDとを比較して、一致するか否かを判断する。一致すると判断すると、判断部29は、委譲先携帯電話機14が印刷権限を有すると判断すると共に、リスト記憶部32から対応する受付番号を読み出して、判断結果及び受付番号をジョブ管理部27に通知する。また、一致しないと判断すると、判断部29は、委譲先携帯電話機14が印刷権限を持たないと判断し、該判断結果をジョブ管理部27に通知する。
【0040】
印刷部30は、出力部として、ジョブ管理部27から印刷指示及び受付番号を受け取ると、該受付番号に対応して印刷データ記憶部31に記憶されている印刷データを読み出して、記録媒体への印刷を行う。
【0041】
委譲元携帯電話機13は、ICカード機能を有する携帯電話機からなり、図1に示されるように、ICカード部33、表示入力部34、画面記憶部35、メール生成部36及びネットワークインタフェース部37を備えている。
【0042】
ICカード部33は、委譲元携帯電話機13におけるICカード機能部分であり、図1に示されるように、ICカード通信部38、委譲元記憶部39及び削除部40を備えている。
【0043】
ICカード通信部38は、ICカードリーダライタ16との無線通信機能を有し、ICカードリーダライタ16から非接触により電源供給を受けて、委譲元記憶部39から固有IDを読み取り、ICカードリーダライタ16へ送信する。また、ICカード通信部38は、ICカードリーダライタ16からジョブIDを受信して、委譲元記憶部39に書き込む。
【0044】
委譲元記憶部39は、1ブロック16バイトのブロック単位でデータを記憶するICチップからなり、図1に示されるように、固有ID記憶部41、ジョブID記憶部42及び委譲元ID記憶部43からなる3ブロックを有する。
【0045】
固有ID記憶部41は、読み取り可且つ書き込み不可ブロックからなり、委譲元携帯電話機13のICカード部33に付与された端末識別情報としての固有IDを記憶するための記憶部である。本実施例では、固有ID記憶部41に記憶される委譲元携帯電話機13の固有IDは、「0123456789abcdef」であるものとする。
【0046】
各携帯電話機のICカード部に付与された固有IDは、本実施例では、該携帯電話機の印刷権限を示す権限情報として、印刷時認証に使用される。ここで、固有IDとは、ICカード毎に割り当てられる16バイトの固有識別情報であり、上記したように、書き換え及び削除不可能となっている。
【0047】
ジョブID記憶部42は、読み取り及び書き込み可ブロックからなり、ホストPC11に接続されたICカードリーダライタ16からICカード通信部38により受信されたジョブIDを記憶するための記憶部である。
【0048】
委譲元ID記憶部43は、読み取り及び書き込み可ブロックからなり、他の携帯電話機から印刷権限を委譲された場合に、委譲元の携帯電話機の固有IDを委譲元IDとして記憶するための記憶部である。本実施例では、委譲元携帯電話機13の委譲元ID記憶部43には、委譲元IDは記憶されていない。
【0049】
削除部40は、委譲元記憶部39のブロック内にデータ「00000000000000000000」を書き込むことで全てのデータを削除する機能を有し、メール生成部36から削除指示を受けて、委譲元記憶部39のジョブID記憶部42からジョブIDを削除する。
【0050】
表示入力部34は、例えば液晶ディスプレイ及び入力ボタンからなり、画面記憶部35に記憶されている各画面を表示する機能や、ジョブID記憶部42にジョブIDが記憶されている印刷ジョブの印刷権限を他の携帯電話機に委譲すべく権限委譲要求を入力する機能を有する。図4に、表示入力部34に表示される委譲先設定画面の一例を示す。
【0051】
図4は、委譲先設定画面の一例を示す説明図である。
委譲先設定画面54は、図4に示されるように、印刷権限の委譲先として委譲先携帯電話機14を指定すべく、該委譲先携帯電話機14の電子メールアドレスを委譲先メールアドレスとして入力するためのアドレス入力領域55と、委譲先携帯電話機14にプリンタ12の位置情報を通知すべく、プリンタ位置情報を入力するための位置入力領域56とを有する。また、委譲先設定画面54には、印刷権限を委譲すべく電子メールの送信を選択するための「送信」ボタン57が表示されている。
【0052】
この委譲先設定画面54(図4)において、「送信」ボタン57が選択されると、表示入力部34は、権限委譲要求と共に、アドレス入力領域55に入力された委譲先メールアドレス「bbb@yyy.ne.jp」と、位置入力領域56に入力されたプリンタ位置情報「Aビル8階東側」とを入力して、メール生成部36へ送る。
【0053】
画面記憶部35は、表示入力部34に表示するための各画面の画面情報を記憶する記憶部である。
【0054】
メール生成部36は、表示入力部34から権限委譲要求、委譲先メールアドレス及びプリンタ位置情報が入力されると、委譲先携帯電話機14に印刷権限を委譲すべくメールデータを生成する機能を有する。メール生成部36により生成されるメールデータには、委譲元携帯電話機13の電子メールアドレス、即ち委譲元メールアドレスと、表示入力部34から受け取ったプリンタ位置情報とを通知すべく委譲元通知画面(後述)が含まれると共に、印刷権限を委譲する印刷ジョブのジョブIDと、権限情報としての委譲元携帯電話機13の固有IDとが含まれる。生成されたメールデータは、入力された委譲先メールアドレスと共に、ネットワークインタフェース部37へ送られる。なお、本実施例では、委譲元携帯電話機13の電子メールアドレス、即ち委譲元メールアドレスは、「aaa@xxx.ne.jp」であるとする。
【0055】
ネットワークインタフェース部37は、委譲元送信部として、基地局18を介して委譲先携帯電話機14との間で電子メールによる通信を行う機能を有する。ネットワークインタフェース部37は、メール生成部36からメールデータ及び委譲先メールアドレスを受け取ると、委譲先メールアドレスに基づいて、該メールデータを電子メールにより送信する。
【0056】
委譲先携帯電話機14は、ICカード機能を有する携帯電話機からなり、図1に示されるように、ネットワークインタフェース部44、表示入力部45、分析取得部46及びICカード部47を備えている。
【0057】
ネットワークインタフェース部44は、委譲先受信部として、基地局18を介して委譲元携帯電話機13との間で電子メールによる通信を行う機能を有する。ネットワークインタフェース部44は、委譲元携帯電話機13からの電子メールを受信して、該電子メールのメールデータを表示入力部45へ送る。なお、本実施例では、委譲先携帯電話機14の電子メールアドレス、即ち委譲先メールアドレスは、「bbb@yyy.ne.jp」であるとする。
【0058】
表示入力部45は、例えば液晶ディスプレイ及び入力ボタンからなり、ネットワークインタフェース部44から受け取ったメールデータに基づいて、委譲元携帯電話機13からの印刷権限の委譲を通知するための委譲元通知画面を表示する機能や、該メールデータからのジョブID及び委譲元IDの取得要求を入力する機能を有する。入力された取得要求は、メールデータと共に分析取得部46へ送られる。図5に、表示入力部45に表示される委譲元通知画面の一例を示す。
【0059】
図5は、委譲元通知画面の一例を示す説明図である。
委譲元通知画面58は、図5に示されるように、印刷権限が委譲されたことを通知すべく、該印刷権限の委譲元の電子メールアドレス、即ち委譲元メールアドレス「aaa@xxx.ne.jp」と、プリンタ位置情報「Aビル8階東側」とを表示する。また、委譲元通知画面58には、「OK」ボタン59が表示されている。
【0060】
この委譲元通知画面58(図5)において、「OK」ボタン59が選択されると、表示入力部45は、取得要求を入力して、メールデータと共に分析取得部46へ送る。
【0061】
分析取得部46は、表示入力部45から取得要求及びメールデータを受け取ると、該メールデータを分析して、ジョブIDを取得すると共に、委譲元携帯電話機13の固有IDを委譲元IDとして取得する。取得されたジョブID及び委譲元IDは、ICカード部47へ送られて、後述する委譲先記憶部49に記憶される。
【0062】
ICカード部47は、委譲先携帯電話機14におけるICカード機能部分であり、図1に示されるように、ICカード通信部48、委譲先記憶部49及び削除部50を備えている。
【0063】
ICカード通信部48は、ICカードリーダライタ17との無線通信機能を有し、ICカードリーダライタ17から非接触により電源供給を受けて、委譲先記憶部49から固有ID、ジョブID及び委譲元IDを読み取り、ICカードリーダライタ17へ送信する。また、ICカード通信部48は、ICカードリーダライタ17から受信した削除指示を、削除部50へ送る。更に、ICカード通信部48は、削除部50から削除完了の通知を受けると、ICカードリーダライタ17を介してプリンタ12へ削除完了を通知する。
【0064】
委譲先記憶部49は、1ブロック16バイトのブロック単位でデータを記憶するICチップからなり、図1に示されるように、固有ID記憶部51、ジョブID記憶部52及び委譲元ID記憶部53を有する。
【0065】
固有ID記憶部51は、読み取り可且つ書き込み不可ブロックからなり、委譲先携帯電話機14のICカード部47に付与された端末識別情報としての固有IDを記憶するための記憶部である。本実施例では、固有ID記憶部51に記憶される委譲先携帯電話機14の固有IDは、「0123456789098765」であるものとする。
【0066】
ジョブID記憶部52は、読み取り及び書き込み可ブロックからなり、分析取得部46により取得して送られたジョブIDを記憶する。
【0067】
委譲元ID記憶部53は、読み取り及び書き込み可ブロックからなり、分析取得部46により取得して送られた委譲元IDを記憶する。
【0068】
削除部50は、委譲先記憶部49のブロック内にデータ「00000000000000000000」を書き込むことで記憶されているデータを削除する機能を有し、ICカード通信部48から削除指示を受けると、委譲先記憶部49のジョブID記憶部52からジョブIDを、そして委譲元ID記憶部53から委譲元IDを、それぞれ削除する。削除部50は、削除が完了すると、削除完了をICカード通信部48に通知する。
【0069】
次に、本実施例のプリンタシステム10の動作について、説明する。
まず、ホストPC11において、印刷ジョブが生成され、プリンタ12へ送信される場合の処理の流れについて、図6に示すフローチャートに沿って説明する。
図6は、ホストPCにおける印刷ジョブ生成送信動作を示すフローチャートである。
【0070】
ホストPC11において、入力部19が認証印刷要求をアプリケーション部20に入力する(ステップS101)と、アプリケーション部20は、該認証印刷要求と共に原稿データをプリンタドライバ部21へ送る。
【0071】
プリンタドライバ部21は、アプリケーション部20から認証印刷要求及び原稿データを受け取ると、ジョブIDの生成要求及び固有IDの取得要求を、ジョブID生成部22へ送る。ジョブID生成部22は、受け取った取得要求を、USBインタフェース部23へ転送する。
【0072】
USBインタフェース部23は、固有IDの取得要求を受け取ると、ICカードリーダライタ16をスタンバイ状態とする。そして、委譲元携帯電話機13が近接すると、ICカードリーダライタ16は、該委譲元携帯電話機13のICカード部33を検知する(ステップS102)。
【0073】
続いて、ICカードリーダライタ16は、検知したICカード部33のICカード通信部38との間で通信を行う。委譲元携帯電話機13において、ICカード通信部38は、委譲元記憶部39の固有ID記憶部41から固有ID「0123456789abcdef」を読み取って、ICカードリーダライタ16へ送信する。そして、ICカードリーダライタ16が、委譲元携帯電話機13の固有IDを受信して取得する(ステップS103)。取得された固有IDは、USBインタフェース部23を介してジョブID生成部22へ送られる。
【0074】
ジョブID生成部22は、委譲元携帯電話機13の固有IDを受け取ると、プリンタドライバ部21から受け取った生成要求に基づいて、ジョブIDを生成する(ステップS104)。ジョブID生成部22は、ホストPCのMACアドレスを含むジョブID「001a2b3c4d5e1234」を生成すると、USBインタフェース部23を介してICカードリーダライタ16へ、該ジョブIDを送る。そして、ICカードリーダライタ16が、ジョブIDを委譲元携帯電話機13へ送信する(ステップS104)。
【0075】
委譲元携帯電話機13において、ICカード通信部38がICカードリーダライタ16からジョブID「001a2b3c4d5e1234」を受信すると、該ジョブIDは委譲元記憶部39のジョブID記憶部42に書き込んで記憶される。
【0076】
続いて、ジョブID生成部22は、生成したジョブIDと取得した固有IDとを、プリンタドライバ部21へ送る。プリンタドライバ部21は、ジョブID及び固有IDを受け取ると、原稿データをプリンタ言語に変換して印刷データを生成し、該印刷データにジョブID及び固有IDを付与して、印刷ジョブを生成する(ステップS105)。生成された印刷ジョブは、ネットワークインタフェース部24へ送られる。
【0077】
ネットワークインタフェース部24は、印刷ジョブを受け取ると、インターネット15を介して、該印刷ジョブをプリンタ12へ送信する(ステップS106)。これにより、ホストPC11における印刷ジョブ生成送信処理が終了する。
【0078】
プリンタ12において、ネットワークインタフェース部25がホストPC11から印刷ジョブを受信すると、該印刷ジョブはジョブ管理部27へ送られる。そして、ジョブ管理部27が、該印刷ジョブに対して受付番号を発行すると共に、印刷ジョブからジョブID、固有ID及び印刷データを抽出する。そして、ジョブ管理部27は、抽出した固有IDを登録IDとして、受付番号、登録ID、ジョブID及び印刷データを、プリンタ記憶部28に送る。例えば、ジョブ管理部27は、受付番号「00000001」を発行して、登録ID「0123456789abcdef」、ジョブID「001a2b3c4d5e1234」及び印刷データ「印刷データ1」と共に、プリンタ記憶部28に送る。
【0079】
プリンタ記憶部28は、受付番号、登録ID、ジョブID及び印刷データを受け取ると、印刷データ記憶部31に印刷データを受付番号に対応して記憶させ、リスト記憶部32に登録ID及びジョブIDを受付番号に対応して記憶させる。印刷データ記憶部31には、図2に示されるように、受付番号「00000001」に対応して印刷データ「印刷データ1」が記憶され、リスト記憶部32には、図3に示されるように、受付番号「00000001」に対応して登録ID「0123456789abcdef」及びジョブID「001a2b3c4d5e1234」が記憶される。これにより、プリンタ12における印刷ジョブ受信記憶処理が終了する。
【0080】
上記のように、ホストPC11において、印刷ジョブのジョブIDが生成されると共に、委譲元携帯電話機13の固有IDが取得され、ジョブID及び固有IDを含む印刷ジョブが生成してプリンタ12へ送信される。委譲元携帯電話機13には、印刷時認証のためのジョブIDが、ホストPC11から受信して記憶される。
【0081】
次に、委譲元携帯電話機13から委譲先携帯電話機14へ印刷権限が委譲される場合の処理の流れについて、図7に示すフローチャートに沿って説明する。
図7は、本発明に係るプリンタシステムの実施例1における印刷権限委譲動作を示すフローチャートである。
【0082】
委譲元携帯電話機13において、ユーザが表示入力部34を操作して、印刷権限を委譲すべく入力を行うと、表示入力部34は、画面記憶部35から画面情報を読み出して、委譲先設定画面54(図4)を表示する(ステップS201)。
【0083】
委譲先設定画面54(図4)において、ユーザが表示入力部34を操作して、印刷権限の委譲先を指定すべくアドレス入力領域55に委譲先携帯電話機14の電子メールアドレス「bbb@yyy.ne.jp」を入力すると共に、委譲先携帯電話機14のユーザに通知すべくプリンタ位置情報「Aビル8階東側」を位置入力領域56に入力する。その後、「送信」ボタン57が選択されると、表示入力部34は、権限委譲要求と、委譲先メールアドレス「bbb@yyy.ne.jp」及びプリンタ位置情報「Aビル8階東側」とを入力する(ステップS202)。入力された権限委譲要求、委譲先メールアドレス及びプリンタ位置情報は、メール生成部36へ送られる。
【0084】
メール生成部36は、権限委譲要求、委譲先メールアドレス及びプリンタ位置情報を受け取ると、委譲先携帯電話機14に印刷権限を委譲すべくメールデータを生成する。メール生成部36は、委譲元記憶部39の固有ID記憶部41から固有ID「0123456789abcdef」を、ジョブID記憶部42からジョブID「001a2b3c4d5e1234」を、それぞれ読み出す。そして、メール生成部36は、読み出した固有IDを委譲元IDとして、委譲元ID及びジョブIDと、プリンタ位置情報とを含むメールデータを生成する(ステップS203)。生成されたメールデータは、委譲先メールアドレスと共にネットワークインタフェース部37へ送られる。
【0085】
ネットワークインタフェース部37は、メールデータ及び委譲先メールアドレスを受け取ると、委譲先メールアドレスに基づいて、メールデータを電子メールにより送信する(ステップS204)。
【0086】
委譲先携帯電話機14において、ネットワークインタフェース部44が、委譲元携帯電話機13からの電子メールを受信すると、表示入力部45が、委譲元メールアドレス「aaa@xxx.ne.jp」及びプリンタ位置情報「Aビル8階東側」を含む委譲元通知画面58(図5)を表示する(ステップS205)。
【0087】
委譲元通知画面58(図5)において、「OK」ボタン59が選択されると、表示入力部45は、ジョブID及び委譲元IDの取得要求を入力して、該取得要求及びメールデータを分析取得部46へ送る。そして、分析取得部46が、取得要求に基づいてメールデータを分析し、ジョブID及び委譲元IDを取得する(ステップS206)。ジョブID及び委譲元IDは、ICカード部47の委譲先記憶部49に送られて、ジョブID記憶部52及び委譲元ID記憶部53に、それぞれ記憶される(ステップS206)。
【0088】
委譲元携帯電話機13において、ネットワークインタフェース部37は、電子メールを送信した(ステップS204)後、ICカード部33の削除部40に、ジョブIDの削除指示を送る。削除部40は、この削除指示を受けて、委譲元記憶部39のジョブID記憶部42からジョブID「001a2b3c4d5e1234」を削除する(ステップS207)。これにより、印刷権限の委譲処理が終了する。
【0089】
上記のように、委譲元携帯電話機13から委譲先携帯電話機14へ印刷権限が委譲される。
【0090】
次に、プリンタ12において、認証処理を行って印刷処理を行う認証印刷処理の流れについて、図8及び図9に示すフローチャートに沿って説明する。
図8は、本発明に係るプリンタシステムの実施例1における認証印刷動作を示すフローチャート(その1)であり、図9は、本発明に係るプリンタシステムの実施例1における認証印刷動作を示すフローチャート(その2)である。
【0091】
まず、委譲元携帯電話機13が印刷権限を委譲することなく、プリンタ12において認証印刷を実行させる場合の処理の流れについて、図8に沿って説明する。
【0092】
委譲元携帯電話機13のユーザは、委譲元携帯電話機13を所持してプリンタ12の設置場所に出向き、プリンタ12に接続されたICカードリーダライタ17に委譲元携帯電話機13をかざす。
【0093】
ICカードリーダライタ17は、委譲元携帯電話機13のICカード部33を検知する(ステップS301)と、検知したICカード部33のICカード通信部38との間で通信を行う。
【0094】
委譲元携帯電話機13において、ICカード部33のICカード通信部38は、委譲元記憶部39の各ブロックから記憶されている各データを読み取って、ICカードリーダライタ17へ送信する。ここで、委譲元記憶部39の委譲元ID記憶部43には委譲元IDが記憶されていない(ステップS302)ので、ICカード通信部38は、固有ID記憶部41から固有ID「0123456789abcdef」を、ジョブID記憶部42からジョブID「001a2b3c4d5e1234」を、それぞれ読み取って、ICカードリーダライタ17へ送信する。そして、ICカードリーダライタ17が、固有ID及びジョブIDを受信して取得する(ステップS303)。取得された固有ID及びジョブIDは、USBインタフェース部26を介してジョブ管理部27へ送られる。
【0095】
ジョブ管理部27は、USBインタフェース部26から固有ID及びジョブIDを受け取ると、委譲元携帯電話機13の印刷権限の有無を判断すべく、該固有ID及びジョブIDを判断部29へ送る。判断部29は、受け取ったジョブID「001a2b3c4d5e1234」に基づきリスト記憶部32(図3)を検索し、対応して記憶されている登録ID「0123456789abcdef」を読み出す(ステップS304)。そして、判断部29は、読み出した登録IDとジョブ管理部27から受け取った固有ID「0123456789abcdef」とを比較する(ステップS304)。
【0096】
登録IDと固有IDとが一致する場合(ステップS305)、判断部29は、委譲元携帯電話機13を印刷権限有りと判断する(ステップS306)。
【0097】
印刷権限有りと判断する(ステップS306)と、判断部29は、登録ID「0123456789abcdef」及びジョブID「001a2b3c4d5e1234」に対応する受付番号「00000001」を、リスト記憶部32(図3)から読み出して、判断結果と受付番号とをジョブ管理部27に通知する。
【0098】
ジョブ管理部27は、印刷権限有りと通知されると、受付番号「00000001」の印刷ジョブに対する印刷制限を解除すべく、印刷部30に印刷指示及び受付番号「00000001」を送る。印刷部30は、この印刷指示を受けて、印刷データ記憶部31(図2)から受付番号「00000001」に対応する印刷データ「印刷データ1」を読み出して、該印刷データに基づいて、記録媒体への印刷を行う(ステップS307)。印刷が完了すると、印刷部30は、印刷完了と受付番号「00000001」とをジョブ管理部27に通知する。
【0099】
ジョブ管理部27は、印刷完了及び受付番号を通知されると、該受付番号に対応してプリンタ記憶部28に記憶されている各データを削除する。即ち、印刷データ記憶部31(図2)から受付番号「00000001」及び印刷データ「印刷データ1」が削除され、リスト記憶部32(図3)から受付番号「00000001」、登録ID「0123456789abcdef」及びジョブID「001a2b3c4d5e1234」が、削除される(ステップS308)。
【0100】
続いて、ジョブ管理部27は、委譲元携帯電話機13に対するジョブIDの削除指示を生成して、該削除指示をUSBインタフェース部26に送る。そして、ICカードリーダライタ17が、委譲元携帯電話機13へ削除指示を送信する(ステップS309)。
【0101】
委譲元携帯電話機13において、ICカード部33のICカード通信部38がICカードリーダライタ17から削除指示を受信すると、ICカード通信部38は、該削除指示を削除部40へ送る。そして、削除部40が、委譲元記憶部39のジョブID記憶部42に、データ「0000000000000000」を上書きして、記憶されているジョブID「001a2b3c4d5e1234」を削除する(ステップS310)。これにより、プリンタシステム10における認証印刷処理が完了する。
【0102】
上記のように、携帯電話機から取得した固有IDに基づいて印刷時認証が実行される。
【0103】
なお、ステップS305において、登録IDと固有IDとが一致しない場合、判断部29は、委譲元携帯電話機13を印刷権限無しと判断し(ステップS311)、該判断結果をジョブ管理部27に通知する。ジョブ管理部27は、この判断結果を受けて、図示されない表示部に印刷不可を通知するメッセージを表示させる(ステップS312)。これにより、プリンタシステム10における認証印刷処理が完了する。
【0104】
次に、委譲元携帯電話機13から印刷権限を委譲された委譲先携帯電話機14が、プリンタ12に認証印刷を実行させる場合の処理の流れについて、図8及び図9に沿って説明する。
【0105】
委譲先携帯電話機14のユーザは、委譲先携帯電話機14を所持してプリンタ12の設置場所に出向き、プリンタ12に接続されたICカードリーダライタ17に委譲先携帯電話機14をかざす。
【0106】
ICカードリーダライタ17が、委譲先携帯電話機14のICカード部47を検知する(ステップS301)と、ICカードリーダライタ17は、ICカード部47のICカード通信部48との間で通信を行う。
【0107】
委譲先携帯電話機14において、委譲先記憶部49の委譲元ID記憶部53には委譲元IDが記憶されている(ステップS302)ので、ICカード通信部48は、固有ID記憶部51から固有ID「0123456789098765」を、ジョブID記憶部52からジョブID「001a2b3c4d5e1234」を、そして委譲元ID記憶部53から委譲元ID「0123456789abcdef」を、それぞれ読み取って、ICカードリーダライタ17へ送信する。そして、ICカードリーダライタ17が、固有ID、ジョブID及び委譲元IDを受信して取得する(ステップS313)。取得された固有ID、ジョブID及び委譲元IDは、USBインタフェース部26を介してジョブ管理部27へ送られる。
【0108】
ジョブ管理部27は、USBインタフェース部26から固有ID、ジョブID及び委譲元IDを受け取ると、委譲先携帯電話機14の印刷権限の有無を判断すべく、ジョブID及び委譲元IDを判断部29へ送る。判断部29は、受け取ったジョブID「001a2b3c4d5e1234」に基づきリスト記憶部32(図3)を検索し、対応して記憶されている登録ID「0123456789abcdef」を読み出して、該登録IDとジョブ管理部27から受け取った委譲元ID「0123456789abcdef」とを比較する(ステップS314)。
【0109】
登録IDと委譲元IDとが一致する場合(ステップS315)、判断部29は、委譲先携帯電話機14を印刷権限有りと判断する(ステップS316)。
【0110】
印刷権限有りと判断する(ステップS316)と、判断部29は、登録ID「0123456789abcdef」及びジョブID「001a2b3c4d5e1234」に対応する受付番号「00000001」を、リスト記憶部32(図3)から読み出して、判断結果と受付番号とをジョブ管理部27に通知する。
【0111】
ジョブ管理部27は、印刷権限有りの通知を受けて、受付番号「00000001」の印刷ジョブに対する印刷制限を解除すべく、印刷部30に印刷指示及び受付番号「00000001」を送る。印刷部30は、この印刷指示及び受付番号を受けて、印刷データ記憶部31(図2)から対応する印刷データ「印刷データ1」を読み出して、記録媒体への印刷を行う(ステップS317)。印刷が完了すると、印刷部30は、印刷完了と受付番号「00000001」とをジョブ管理部27に通知する。
【0112】
ジョブ管理部27は、印刷完了及び受付番号の通知を受けて、プリンタ記憶部28から該受付番号に対応する各データを削除する(ステップS318)。即ち、印刷データ記憶部31(図2)から受付番号「00000001」及び印刷データ「印刷データ1」が削除され、リスト記憶部32(図3)から受付番号「00000001」、登録ID「0123456789abcdef」及びジョブID「001a2b3c4d5e1234」が、削除される(ステップS318)。
【0113】
続いて、ジョブ管理部27は、委譲先携帯電話機14に対するジョブID及び委譲元IDの削除指示を生成して、該削除指示をUSBインタフェース部26に送る。そして、ICカードリーダライタ17が、委譲先携帯電話機14へ削除指示を送信する(ステップS319)。
【0114】
委譲先携帯電話機14において、ICカード部47のICカード通信部48がICカードリーダライタ17から削除指示を受信すると、ICカード通信部48は、該削除指示を削除部50へ送る。そして、削除部50が、委譲先記憶部49のジョブID記憶部52及び委譲元ID記憶部53に、それぞれデータ「0000000000000000」を上書きして、記憶されているジョブID「001a2b3c4d5e1234」及び委譲元ID「0123456789abcdef」を削除する(ステップS320)。これにより、プリンタシステム10における認証印刷処理が完了する。
【0115】
上記のように、印刷権限を委譲された携帯電話機から、権限情報としての委譲元IDを取得して、印刷時認証が実行される。
【0116】
なお、ステップS315において、登録IDと委譲元IDとが一致しない場合、判断部29は、委譲先携帯電話機14を印刷権限無しと判断し(ステップS321)、該判断結果をジョブ管理部27に通知する。ジョブ管理部27は、この判断結果を受けて、図示されない表示部に印刷不可を通知するメッセージを表示させる(ステップS322)。これにより、プリンタシステム10における認証印刷処理が完了する。
【0117】
また、認証印刷実行後、委譲先携帯電話機14に委譲された委譲元携帯電話機13の印刷権限、即ち委譲元IDを確実に削除すべく、削除完了を委譲先携帯電話機14からプリンタ12へ通知してもよい。この場合、プリンタ12は、所定時間が経過しても削除完了が通知されない場合、委譲先携帯電話機14を用いた認証印刷を不可とすべく、ステップS313において取得した委譲先携帯電話機14の固有ID「0123456789098765」を記憶しておくことが考えられる。
【0118】
以上のように、本実施例では、ICカード機能付きの携帯電話機の電子メール機能を利用して、他のICカード機能付き携帯電話機へ、固有IDと印刷ジョブのジョブIDとを送信することにより、送信元の携帯電話機が保持する印刷権限を送信先の携帯電話機へ委譲できる。したがって、印刷権限を保持する携帯電話機のユーザが、ホストコンピュータから遠く離れたプリンタへ印刷ジョブを送信させた後、プリンタの設置場所まで行けなくなった場合も、ホストコンピュータを利用せずとも、他のユーザへ印刷権限を委譲可能となるので、利便性が向上される。また、印刷データを他のホストコンピュータへ送信せずとも、印刷権限のみを委譲して、プリンタにおける認証印刷の実行が可能となるので、セキュリティが保持される。
【実施例2】
【0119】
図10は、本発明の実施例2に係るプリンタシステムの構成を示すブロック図である。
本実施例のプリンタシステム60は、委譲元携帯電話機62を基地局65及びインターネット64を介してプリンタ61と通信可能とする構成が、実施例1とは異なる。
なお、本実施例において、実施例1と同様な構成については同一の符号で示し、これらについての詳しい説明を省略する。
【0120】
プリンタシステム60は、図10に示されるように、ホストPC11と、プリンタ61と、委譲元携帯電話機62と、委譲先携帯電話機63とを含んで構成される。
【0121】
プリンタ61は、情報処理装置として、図10に示されるように、ネットワークインタフェース部66、USBインタフェース部26、ジョブ管理部67、プリンタ記憶部68、判断部69及び印刷部30を備えている。
【0122】
ネットワークインタフェース部66は、インターネット64を介してホストPC11から印刷ジョブを受信し、ジョブ管理部67に送る。また、ネットワークインタフェース部66は、第1受信部として、インターネット64及び基地局65を介して委譲元携帯電話機62から委譲済情報としての電子メールを受信し、ジョブ管理部67に送る。
【0123】
ジョブ管理部67は、印刷ジョブの管理機能を有し、ネットワークインタフェース部66から受け取った印刷ジョブに対して、受付番号を発行すると共に、該印刷ジョブから固有ID、ジョブID及び印刷データを抽出する。そして、ジョブ管理部67は、抽出した固有IDを登録IDとして、発行した受付番号と、登録ID、ジョブID及び印刷データとを、プリンタ記憶部68に送って記憶させる。
【0124】
また、ジョブ管理部67は、ネットワークインタフェース部66から受け取ったメールデータを分析して、委譲元ID、ジョブID及び委譲先IDを取得する分析取得機能を有する。ジョブ管理部67は、取得した委譲元ID及びジョブIDを判断部69に送る。そして、判断部69から委譲元IDが登録IDと一致するとの判断結果及び受付番号を通知されると、該受付番号と電子メールから取得した委譲先IDとをプリンタ記憶部68に送る。
【0125】
プリンタ記憶部68は、装置記憶部として、印刷データ記憶部31及びリスト記憶部70を有する。
【0126】
リスト記憶部70は、ジョブ管理部67から受け取った受付番号、登録ID及びジョブIDを、対応させて記憶する。また、リスト記憶部70は、更にジョブ管理部67から受け取った受付番号及び委譲先IDを、対応させて記憶する。
【0127】
図11は、実施例2におけるリスト記憶部の構成を示す説明図である。
リスト記憶部70には、図11に示されるように、受付番号に対応して、登録ID及びジョブIDが記憶されている。また、リスト記憶部70には、更に委譲先ID項目が設けられ、ジョブ管理部67からジョブID及び委譲先IDを受け取ると、受け取ったジョブIDに対応する委譲先ID項目に、受け取った委譲先IDが記憶される。
【0128】
図11において、リスト記憶部70には、例えば受付番号「00000001」に対応して、登録ID「0123456789abcdef」及びジョブID「001a2b3c4d5e1234」と、更に委譲先ID「0123456789098765」とが記憶されている。一方、受付番号「00000002」に対応する登録ID「0123456789abcedf」及びジョブID「001a2b3c4d5e1235」は記憶されているが、委譲先IDは記憶されていない。即ち、受付番号「00000001」に対応する印刷ジョブの印刷権限は、委譲元携帯電話機62から委譲先携帯電話機63に委譲済であるが、受付番号「00000002」に対応する印刷ジョブの印刷権限は、委譲されていない。
【0129】
判断部69は、ジョブ管理部67を介して、委譲先携帯電話機63から固有ID、ジョブID及び委譲元IDを受け取ると、委譲先携帯電話機63の印刷権限の有無を判断する。即ち、判断部69は、ジョブ管理部67から受け取ったジョブIDに基づき、リスト記憶部70を検索し、対応して記憶されている登録ID及び委譲先IDを読み出す。そして、判断部69は、読み出した登録IDと受け取った委譲元IDとを、また、読み出した委譲先IDと受け取った固有IDとを、それぞれ比較して、一致するか否かを判断する。何れも一致すると判断すると、判断部69は、委譲先携帯電話機63が印刷権限を有すると判断すると共に、リスト記憶部70から対応する受付番号を読み出して、判断結果及び受付番号をジョブ管理部67に通知する。何れかが一致しないと判断すると、判断部69は、委譲先携帯電話機63が印刷権限を持たないと判断し、該判断結果をジョブ管理部67に通知する。
【0130】
また、判断部69は、ジョブ管理部67から委譲元ID及びジョブIDを受け取ると、受け取ったジョブIDに基づきリスト記憶部70を検索し、対応して記憶されている登録IDを読み出す。そして、判断部69は、読み出した登録IDと受け取った委譲元IDとを比較して、一致するか否かを判断する。一致すると判断すると、判断部69は、リスト記憶部70から対応する受付番号を読み出して、判断結果及び受付番号をジョブ管理部67に通知する。一致しないと判断すると、判断部69は、該判断結果をジョブ管理部67に通知する。
【0131】
委譲元携帯電話機62は、ICカード機能を有する携帯電話機からなり、図10に示されるように、ICカード部33、表示入力部34、画面記憶部35、メール生成部71、ネットワークインタフェース部72及び分析取得部73を備えている。
【0132】
メール生成部71は、表示入力部34から権限委譲要求、委譲先メールアドレス及びプリンタ位置情報が入力されると、委譲先携帯電話機63に印刷権限を委譲すべくメールデータを生成する。生成されたメールデータは、入力された委譲先メールアドレスと共に、ネットワークインタフェース部72へ送られる。なお、本実施例では、委譲元携帯電話機62の電子メールアドレス、即ち委譲元メールアドレスは、「aaa@xxx.ne.jp」であるとする。
【0133】
また、メール生成部71は、分析取得部73から委譲先IDを受け取ると、プリンタ61に印刷権限の委譲済を通知すべくメールデータを生成する。メール生成部71により生成されるメールデータには、委譲元携帯電話機62の固有IDが委譲元IDとして、また、委譲先携帯電話機63の固有IDが委譲先IDとして、それぞれ含まれると共に、印刷権限を委譲済の印刷ジョブのジョブIDが含まれる。生成されたメールデータは、予め記憶されているプリンタ61の電子メールアドレス、即ちプリンタメールアドレスと共に、ネットワークインタフェース部72へ送られる。
【0134】
ネットワークインタフェース部72は、委譲元送信部として、基地局65を介して委譲先携帯電話機63との間で電子メールによる通信を行う機能を有する。ネットワークインタフェース部72は、メール生成部71からメールデータ及び委譲先メールアドレスを受け取ると、委譲先メールアドレスに基づいて、該メールデータを電子メールにより送信する。また、ネットワークインタフェース部72は、基地局65を介して委譲先携帯電話機63から電子メールを受け取ると、該電子メールのメールデータを分析取得部73へ送る。
【0135】
更に、ネットワークインタフェース部72は、基地局65及びインターネット64を介して、プリンタ61との間で電子メールによる通信を行う機能を有する。ネットワークインタフェース部72は、メール生成部71からメールデータ及びプリンタメールアドレスを受け取ると、プリンタメールアドレスに基づいて、該メールデータを電子メールにより送信する。
【0136】
分析取得部73は、ネットワークインタフェース部72からメールデータを受け取ると、該メールデータを分析して、委譲先携帯電話機63の固有IDを委譲先IDとして取得する。取得された委譲先IDは、メール生成部71へ送られる。
【0137】
委譲先携帯電話機63は、ICカード機能を有する携帯電話機からなり、図10に示されるように、ネットワークインタフェース部74、表示入力部45、分析取得部75、メール生成部76及びICカード部47を備えている。
【0138】
ネットワークインタフェース部74は、委譲先受信部として、基地局65を介して委譲元携帯電話機62との間で電子メールによる通信を行う機能を有する。ネットワークインタフェース部74は、委譲元携帯電話機62からの電子メールを受信して、該電子メールのメールデータを表示入力部45へ送る。なお、本実施例では、委譲先携帯電話機63の電子メールアドレス、即ち委譲先メールアドレスは、「bbb@yyy.ne.jp」であるとする。
【0139】
また、ネットワークインタフェース部74は、メール生成部76からメールデータ及び委譲元メールアドレスを受け取って、委譲元メールアドレスに基づいて、該メールデータを電子メールにより送信する。
【0140】
分析取得部75は、表示入力部45から取得要求及びメールデータを受け取って、該メールデータの分析を行い、メールデータから委譲元メールアドレス、ジョブID及び委譲元IDを取得する。そして、分析取得部75は、取得したジョブID及び委譲元IDをICカード部47へ送って、委譲先記憶部49に記憶させると共に、取得した委譲元メールアドレスとメールデータの生成要求とをメール生成部76へ送る。
【0141】
メール生成部76は、分析取得部75から生成要求及び委譲元メールアドレスを受け取ると、ICカード部47の委譲先記憶部49から、固有ID記憶部51に記憶されている委譲先携帯電話機63の固有ID「0123456789098765」を読み取る。そして、この固有IDを委譲先IDとして、該委譲先IDを含むメールデータを生成する。生成されたメールデータは、受け取った委譲元メールアドレスと共に、ネットワークインタフェース部74へ送られる。
【0142】
次に、本実施例のプリンタシステム60の動作について、説明する。
ホストPC11において、印刷ジョブが生成され、プリンタ61へ送信される場合の処理の流れは、実施例1(図6)と同様なので、説明を省略する。
ここでは、まず、委譲元携帯電話機62から委譲先携帯電話機63へ印刷権限が委譲される場合の処理の流れについて、図12及び図13に示すフローチャートに沿って説明する。
図12は、本発明に係るプリンタシステムの実施例2における印刷権限委譲動作を示すフローチャート(その1)であり、図13は、本発明に係るプリンタシステムの実施例2における印刷権限委譲動作を示すフローチャート(その2)である。
【0143】
委譲元携帯電話機62において、表示入力部34が委譲先設定画面54(図4)を表示した(ステップS201)後、委譲元携帯電話機62のユーザが、表示入力部34を操作して、委譲先設定画面54のアドレス入力領域55に委譲先メールアドレス「bbb@yyy.ne.jp」を入力すると共に、位置入力領域56にプリンタ位置情報「Aビル8階東側」を入力し、「送信」ボタン57を選択すると、表示入力部34は、権限委譲要求、委譲先メールアドレス及びプリンタ位置情報を入力する(ステップS202)。入力された権限委譲要求、委譲先メールアドレス及びプリンタ位置情報は、メール生成部71へ送られる。
【0144】
メール生成部71は、権限委譲要求、委譲先メールアドレス及びプリンタ位置情報を受け取ると、委譲元記憶部39の固有ID記憶部41から固有ID「01234576789abcdef」を、ジョブID記憶部42からジョブID「001a2b3c4d5e1234」を、それぞれ読み出して、読み出した固有IDを委譲元IDとして、委譲元ID及びジョブIDと、プリンタ位置情報とを含むメールデータを生成する(ステップS203)。生成されたメールデータは、委譲先メールアドレスと共にネットワークインタフェース部72へ送られる。
【0145】
ネットワークインタフェ−ス部72は、メールデータ及び委譲先メールアドレスを受け取ると、該委譲先メールアドレスに基づいて、メールデータを電子メールにより送信する(ステップS401)。
【0146】
委譲先携帯電話機63において、ネットワークインタフェース部74が委譲元携帯電話機62からの電子メールを受信すると、表示入力部45が委譲元メールアドレス「aaa@xxx.ne.jp」及びプリンタ位置情報「Aビル8階東側」を含む委譲元通知画面(図5)を表示する(ステップS205)。
【0147】
この委譲元通知画面58(図5)において、「OK」ボタン59が選択されると、表示入力部45は、取得要求を入力して、メールデータと共に分析取得部75へ送る。そして、分析取得部75が、取得要求に基づいてメールデータを分析し、委譲元メールアドレス、ジョブID及び委譲元IDを取得する(ステップS402)。取得されたジョブID及び委譲元IDは、ICカード部47の委譲先記憶部49に送られて、ジョブID記憶部52及び委譲元ID記憶部53に、それぞれ記憶される(ステップS402)。また、取得された委譲元メールアドレスは、メールデータの生成要求と共に、分析取得部75からメール生成部76へ送られる。
【0148】
メール生成部76は、生成要求及び委譲元メールアドレスを受け取ると、委譲先記憶部49の固有ID記憶部51から固有ID「0123456789098765」を読み取って、該固有IDを委譲先IDとして、委譲先IDを含むメールデータを生成する(ステップS403)。生成されたメールデータは、委譲元メールアドレスと共にネットワークインタフェース部74へ送られる。
【0149】
ネットワークインタフェース部74は、メールデータ及び委譲元メールアドレスを受け取ると、該委譲元メールアドレスに基づいて、メールデータを電子メールにより送信する(ステップS404)。
【0150】
委譲元携帯電話機62において、ネットワークインタフェース部72が、委譲先携帯電話機63からの電子メールを受信する(ステップS405)と、該電子メールのメールデータは分析取得部73へ送られる。そして、分析取得部73が、該メールデータを分析して、委譲先IDを取得し、メール生成部71へ送る(ステップS405)。
【0151】
メール生成部71は、委譲先IDを受け取ると、プリンタ61に印刷権限の委譲済を通知すべく、委譲済情報としての委譲先IDを含むメールデータを生成する(ステップS406)。メール生成部71は、委譲元携帯電話機62の固有ID「0123456789abcdef」を委譲元IDとして、該委譲元IDと、ジョブID「001a2b3c4d5e1234」及び委譲先ID「0123456789098765」とを含むメールデータを生成する(ステップS406)。生成されたメールデータは、プリンタメールアドレスと共にネットワークインタフェース部72へ送られる。
【0152】
ネットワークインタフェース部72は、メールデータ及びプリンタメールアドレスを受け取ると、プリンタメールアドレスに基づいて、メールデータを電子メールにより送信する(ステップS407)。
【0153】
プリンタ61において、ネットワークインタフェース部66が、委譲元携帯電話機62からの電子メールを受信する(ステップS408)と、該電子メールのメールデータはジョブ管理部67へ送られる。そして、ジョブ管理部67が、該メールデータを分析して、委譲元ID「0123456789abcdef」、ジョブID「001a2b3c4d5e1234」及び委譲先ID「0123456789098765」を取得する(ステップS408)。ジョブ管理部67は、取得した委譲元ID及びジョブIDを、判断部69へ送る。
【0154】
判断部69は、ジョブ管理部67から委譲元ID及びジョブIDを受け取ると、該ジョブID「001a2b3c4d5e1234」に基づきリスト記憶部70(図11)を検索し、対応して記憶されている登録ID「0123456789abcdef」を読み出して、該登録IDと委譲元ID「0123456789abcdef」とを比較する(ステップS409)。
【0155】
判断部69は、この比較結果に基づいて、登録IDと委譲元IDとが一致するか否かを判断する(ステップS410)。一致すると判断する(ステップS410)と、判断部69は、登録ID「0123456789abcdef」及びジョブID「001a2b3c4d5e1234」に対応する受付番号「00000001」を、リスト記憶部70(図11)から読み出して、判断結果及び受付番号をジョブ管理部67に通知する。
【0156】
一致すると通知されると、ジョブ管理部67は、受付番号「00000001」及び委譲先ID「0123456789098765」をプリンタ記憶部68に送る。そして、リスト記憶部70(図11)において、受付番号「00000001」に対応する委譲先ID項目に、委譲先ID「0123456789098765」が記憶される(ステップS411)。
【0157】
続いて、ジョブ管理部67は、ネットワークインタフェース部66を介して、委譲先IDの登録済を委譲元携帯電話機62に通知する(ステップS412)。
【0158】
委譲元携帯電話機62において、ネットワークインタフェース部72は、プリンタ61から委譲先IDの登録済の通知を受けると、ICカード部33の削除部40にジョブIDの削除指示を送る。そして、削除部40が、委譲元記憶部39のジョブID記憶部42からジョブID「001a2b3c4d5e1234」を削除する(ステップS207)。これにより、プリンタシステム60における印刷権限の委譲処理が完了する。
【0159】
上記のように、委譲元携帯電話機62から委譲先携帯電話機63へ印刷権限が委譲された後、プリンタ61へ委譲済が通知される。
【0160】
なお、ステップS410において、登録IDと委譲元IDとが一致しないと判断した場合、判断部69は、該判断結果をジョブ管理部67に通知する。ジョブ管理部67は、この判断結果を受けると、ネットワークインタフェース部66を介して、印刷権限の委譲不可を委譲元携帯電話機62に通知する(ステップS413)これにより、プリンタシステム60における印刷権限の委譲処理が終了する。
【0161】
次に、プリンタ61において、認証処理を行って印刷処理を行う認証印刷処理の流れについて、図14及び図15に示すフローチャートに沿って説明する。
図14は、本発明に係るプリンタシステムの実施例2における認証印刷動作を示すフローチャート(その1)であり、図15は、本発明に係るプリンタシステムの実施例2における認証印刷動作を示すフローチャート(その2)である。
【0162】
委譲元携帯電話機62が印刷権限を委譲することなく認証印刷を実行させる場合の処理の流れは、実施例1と同様なので説明を省略する。
ここでは、委譲元携帯電話機62から印刷権限を委譲された委譲先携帯電話機63が、プリンタ61に認証印刷を実行させる場合の処理の流れについて、図14及び図15に沿って説明する。
【0163】
委譲先携帯電話機63のユーザが、委譲先携帯電話機63を所持してプリンタ61の設置場所に出向き、プリンタ61に接続されたICカードリーダライタ17に委譲先携帯電話機63をかざすと、ICカードリーダライタ17が、委譲先携帯電話機63のICカード部47を検知し(ステップS301)、ICカード通信部48との間で通信を開始する。
【0164】
委譲先携帯電話機63において、委譲先記憶部49の委譲元ID記憶部53には、委譲元IDが記憶されている(ステップS302)ので、ICカード通信部48は、固有ID記憶部51から固有ID「0123456789098765」を、ジョブID記憶部52からジョブID「001a2b3c4d5e1234」を、そして委譲元ID記憶部53から委譲元ID「0123456789abcdef」を、それぞれ読み取って、ICカードリーダライタ17へ送信する。そして、ICカードリーダライタ17が、固有ID、ジョブID及び委譲元IDを受信して取得する(ステップS313)。取得された固有ID、ジョブID及び委譲元IDは、USBインタフェース部26を介してジョブ管理部67へ送られる。
【0165】
ジョブ管理部67は、USBインタフェース部26から固有ID、ジョブID及び委譲元IDを受け取ると、委譲先携帯電話機63の印刷権限の有無を判断すべく、固有ID、ジョブID及び委譲元IDを判断部69へ送る。
【0166】
判断部69は、受け取ったジョブID「001a2b3c4d5e1234」に基づきリスト記憶部70(図11)を検索し、まず、対応して記憶されている登録ID「0123456789abcdef」を読み出して、該登録IDとジョブ管理部67から受け取った委譲元ID「0123456789abcdef」とを比較する(ステップS314)。
【0167】
登録IDと委譲元IDとが一致する場合(ステップS315)、判断部69は、次に、ジョブID「001a2b3c4d5e1234」に対応する委譲先ID「0123456789098765」をリスト記憶部70(図11)から読み出して、該委譲先IDとジョブ管理部67から受け取った固有ID「0123456789098765」とを比較する(ステップS501)。
【0168】
委譲先IDと固有IDとが一致する場合(ステップS502)、判断部69は、委譲先携帯電話機63を印刷権限有りと判断する(ステップS503)。
【0169】
そして、判断部69は、ジョブID「001a2b3c4d5e1234」に対応する受付番号「00000001」を、リスト記憶部70(図11)から読み出して、判断結果と受付番号とをジョブ管理部67に通知する。
【0170】
ジョブ管理部67は、印刷権限有りの通知を受けて、受付番号「00000001」の印刷ジョブに対する印刷制限を解除すべく、印刷部30に印刷指示及び受付番号「00000001」を送る。印刷部30は、この印刷指示及び受付番号を受けて、印刷データ記憶部31(図2)から対応する印刷データ「印刷データ1」を読み出して、記録媒体への印刷を行う(ステップS317)。印刷が完了すると、印刷部30は、印刷完了と受付番号「00000001」とをジョブ管理部67に通知する。
【0171】
ジョブ管理部67は、印刷完了及び受付番号の通知を受けて、プリンタ記憶部68から該受付番号に対応する各データを削除する(ステップS504)。即ち、印刷データ記憶部31(図2)から受付番号「00000001」及び印刷データ「印刷データ1」が削除され、リスト記憶部70(図11)から受付番号「00000001」、登録ID「0123456789abcdef」、ジョブID「001a2b3c4d5e1234」及び委譲先ID「0123456789098765」が、削除される(ステップS504)。
【0172】
続いて、ジョブ管理部67は、委譲先携帯電話機63に対するジョブID及び委譲元IDの削除指示を生成して、該削除指示をUSBインタフェース部26に送る。そして、ICカードリーダライタ17が、委譲先携帯電話機63へ削除指示を送信する(ステップS319)。
【0173】
委譲先携帯電話機63において、ICカード部47のICカード通信部48がICカードリーダライタ17から削除指示を受信すると、ICカード通信部48は、該削除指示を削除部50へ送る。そして、削除部50が、委譲先記憶部49のジョブID記憶部52及び委譲元ID記憶部53に、それぞれデータ「0000000000000000」を上書きして、記憶されているジョブID「001a2b3c4d5e1234」及び委譲元ID「0123456789abcdef」を削除する(ステップS320)。これにより、プリンタシステム60における認証印刷処理が完了する。
【0174】
上記のように、プリンタにおいて、印刷権限を委譲された携帯電話機から固有IDが取得され、委譲済情報として記憶されている委譲先IDと該固有IDとに基づいて、印刷時認証が実行される。
【0175】
なお、ステップS315において、登録IDと委譲元IDとが一致しない場合、或いはステップS502において、委譲先IDと固有IDとが一致しない場合、判断部69は、委譲先携帯電話機63を印刷権限無しと判断し(ステップS505)、該判断結果をジョブ管理部67に通知する。ジョブ管理部67は、この判断結果を受けて、図示されない表示部に印刷不可を通知するメッセージを表示させる(ステップS322)。これにより、プリンタシステム60における認証印刷処理が完了する。
【0176】
以上のように、本実施例では、印刷権限の委譲時に、委譲元携帯電話機からプリンタへ、印刷権限の委譲済が通知されて、委譲先電話機の固有IDが委譲済情報としてプリンタに記憶される。したがって、プリンタは、ジョブID及び委譲元IDを偽造した他の携帯電話機による認証印刷の実行を防止可能となるので、セキュリティの強化が実現される。
【0177】
なお、本実施例では、印刷権限の委譲時に、委譲先携帯電話機63の委譲先記憶部49に、委譲元携帯電話機62の固有IDが委譲元IDとして、ジョブIDと共に記憶されるが、委譲元IDを記憶せず、ジョブIDのみを記憶する構成をとることも可能である。その場合、プリンタ61に接続されるICカードリーダライタ17は、検知したICカード部47から、固有ID及びジョブIDを読み出して、プリンタ61に送る。そして、プリンタ61は、リスト記憶部70における委譲先IDの記憶の有無に基づいて、印刷権限が委譲済であるか否かを判断したうえで、委譲済である場合、リスト記憶部70から委譲先IDを読み出して、該委譲先IDとICカードリーダライタ17から受け取った固有IDとを比較することにより、印刷権限の有無を判断する。これにより、認証印刷の実行後、委譲先携帯電話機63から委譲元携帯電話機62の固有IDが削除されず、悪用されてしまうのを防止可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0178】
上記実施例では、本発明の情報処理装置をプリンタに適用した場合について説明したが、本発明の情報処理装置はこの例に限定されるものではない。例えば、ファクシミリや複写機、カラープリンタ等の画像形成装置全般に適用可能であると共に、画像形成装置と通信可能であり、認証処理の結果に基づいて該画像形成装置へデータを出力するサーバにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明の実施例1に係るプリンタシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】印刷データ記憶部の構成を示す説明図である。
【図3】実施例1におけるリスト記憶部の構成を示す説明図である。
【図4】委譲先設定画面の一例を示す説明図である。
【図5】委譲元通知画面の一例を示す説明図である。
【図6】ホストPCにおける印刷ジョブ生成送信動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係るプリンタシステムの実施例1における印刷権限委譲動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係るプリンタシステムの実施例1における認証印刷動作を示すフローチャート(その1)である。
【図9】本発明に係るプリンタシステムの実施例1における認証印刷動作を示すフローチャート(その2)である。
【図10】本発明の実施例2に係るプリンタシステムの構成を示すブロック図である。
【図11】実施例2におけるリスト記憶部の構成を示す説明図である。
【図12】本発明に係るプリンタシステムの実施例2における印刷権限委譲動作を示すフローチャート(その1)である。
【図13】本発明に係るプリンタシステムの実施例2における印刷権限委譲動作を示すフローチャート(その2)である。
【図14】本発明に係るプリンタシステムの実施例2における認証印刷動作を示すフローチャート(その1)である。
【図15】本発明に係るプリンタシステムの実施例2における認証印刷動作を示すフローチャート(その2)である。
【符号の説明】
【0180】
10 プリンタシステム
11 ホストPC
12 プリンタ
13 委譲元携帯電話機
14 委譲先携帯電話機
16、17 ICカードリーダライタ
27 ジョブ管理部
28 プリンタ記憶部
29 判断部
33 ICカード部
36 メール生成部
39 委譲元記憶部
46 分析取得部
47 ICカード部
49 委譲先記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力制限が課せられたデータを上位装置から受信して記憶する情報処理装置であって、
前記出力制限の解除権限を示す権限情報を保持する委譲元携帯端末から、前記権限情報の委譲先携帯端末への委譲済を示す委譲済情報を受信する第1受信部と、
受信した前記委譲済情報を記憶する装置記憶部と、
前記委譲先携帯端末から、権限情報と該委譲先携帯端末の端末識別情報とを受信する第2受信部と、
受信した前記端末識別情報と前記委譲済情報とに基づいて、受信した前記権限情報が有効であるか否かを判断する判断部と、
有効であると判断されると、前記出力制限を解除する解除部と、
前記データに基づき出力を行う出力部とを備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記委譲済情報は、権限情報の委譲先を示す委譲先識別情報からなり、
前記判断部は、前記第1受信部により受信された前記委譲先識別情報と前記第2受信部により受信された前記端末識別情報とが一致するか否かに基づいて前記判断を行う
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
権限情報の削除指示を前記委譲先携帯端末へ送信する送信部と、前記委譲先携帯端末から前記権限情報の削除済を通知されると、前記装置記憶部から前記委譲済情報を削除する削除部とを更に備えることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1受信部は、無線ネットワークを介して前記委譲済情報を受信する無線通信部からなることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記無線通信部は、電子メールにより前記委譲済情報を受信することを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2受信部は、IC(Integrated Circuit)チップを有する非接触型ICカード機能付きの前記委譲先携帯端末から、無線通信により前記権限情報及び前記端末識別情報を受信するICカードリーダからなることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記送信部は、ICチップを有する非接触型ICカード機能付きの前記委譲先携帯端末へ、無線通信により前記削除指示を送信するICカードライタからなることを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は、前記上位装置から画像データを受信する画像形成装置からなり、前記出力部は、受信した前記画像データに基づき画像形成処理を行うことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記情報処理装置は、画像形成装置に接続するサーバからなり、前記出力部は、前記上位装置から受信した画像データを前記画像形成装置へ送出することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項10】
出力制限が課せられたデータを上位装置から受信して記憶する情報処理装置と、前記出力制限の解除権限を示す権限情報を保持する委譲元携帯端末と、該委譲元携帯端末と通信可能な委譲先携帯端末とを含む情報処理システムであって、
前記委譲元携帯端末は、
前記解除権限を委譲すべく前記権限情報を前記委譲先携帯端末へ送信する委譲元送信部を備え、
前記委譲先携帯端末は、
前記委譲元携帯端末から前記権限情報を受信する委譲先受信部と、
受信した前記権限情報を記憶する委譲先記憶部と、
前記権限情報を前記情報処理装置へ送信する委譲先送信部とを備え、
前記情報処理装置は、
前記委譲先携帯端末から前記権限情報を受信する装置受信部と、
受信した前記権限情報に基づいて、前記出力制限を解除する解除部と、
前記データに基づき出力を行う出力部とを備える
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項11】
前記情報処理装置は、
権限情報の削除指示を前記委譲先携帯端末へ送信する装置送信部を更に備え、
前記委譲先携帯端末は、
前記情報処理装置から前記削除指示を受信すると、前記委譲先記憶部から権限情報を削除する削除部を更に備える
ことを特徴とする請求項10記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記権限情報は、前記委譲元携帯端末の端末識別情報を含むことを特徴とする請求項10記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記委譲元携帯端末は、ICチップを有する非接触型ICカード機能付きの携帯端末からなり、前記端末識別情報は、前記ICチップの固有識別情報からなることを特徴とする請求項12記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記委譲元送信部は、無線ネットワークを介して前記権限情報を前記委譲先携帯端末へ送信することを特徴とする請求項10記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記委譲元送信部は、電子メールにより前記権限情報の前記委譲先携帯端末への送信を行うことを特徴とする請求項14記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記委譲先携帯端末は、ICチップを有する非接触型ICカード機能付きの携帯端末からなり、
前記委譲先送信部は、無線通信により前記権限情報を前記情報処理装置へ送信するICカードライタからなることを特徴とする請求項10記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記委譲先携帯端末は、ICチップを有する非接触型ICカード機能付きの携帯端末からなり、
前記装置受信部は、無線通信により前記権限情報を前記委譲先携帯端末から受信するICカードリーダからなることを特徴とする請求項10記載の情報処理システム。
【請求項18】
前記委譲先携帯端末は、ICチップを有する非接触型ICカード機能付きの携帯端末からなり、
前記装置送信部は、無線通信により前記削除指示を前記委譲先携帯端末へ送信するICカードライタからなることを特徴とする請求項11記載の情報処理システム。
【請求項19】
前記委譲元送信部は、更に前記委譲先携帯端末への前記解除権限の委譲済を示す委譲済情報を前記情報処理装置へ送信し、
前記委譲先送信部は、前記権限情報の送信に伴い、更に前記委譲先携帯端末の端末識別情報を前記情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置は、
前記委譲元携帯端末から受信した前記委譲済情報を記憶する装置記憶部と、
前記委譲先携帯端末から受信した前記端末識別情報と、前記委譲済情報とに基づいて、前記装置受信部により受信した前記権限情報が有効であるか否かを判断する判断部と、
有効であると判断されると、前記解除部を制御して前記解除を実行させる実行制御部とを更に備える
ことを特徴とする請求項10記載の情報処理システム。
【請求項20】
前記委譲済情報は、権限情報の委譲先を示す委譲先識別情報からなり、
前記判断部は、前記委譲先識別情報と前記端末識別情報とが一致するか否かに基づいて前記判断を行う
ことを特徴とする請求項19記載の情報処理システム。
【請求項21】
前記情報処理装置は、
権限情報の削除指示を前記委譲先携帯端末へ送信する装置送信部を更に備え、
前記委譲先携帯端末は、
前記情報処理装置から前記削除指示を受信すると、前記委譲先記憶部から権限情報を削除する削除部と、
前記権限情報の削除済を前記情報処理装置へ通知する通知部とを更に備え、
前記情報処理装置は、前記委譲先携帯端末から前記削除済を通知されると、前記装置記憶部から前記委譲済情報を削除する
ことを特徴とする請求項19記載の情報処理システム。
【請求項22】
前記委譲元携帯端末は、ICチップを有する非接触型ICカード機能付きの携帯端末からなり、前記権限情報は、前記ICチップの固有識別情報からなり、前記委譲先携帯端末は、ICチップを有する非接触型ICカード機能付きの携帯端末からなり、前記端末識別情報は、前記ICチップの固有識別情報からなることを特徴とする請求項19記載の情報処理システム。
【請求項23】
前記情報処理装置は、前記上位装置から画像データを受信する画像形成装置からなり、前記出力部は、受信した前記画像データに基づき画像形成処理を行うことを特徴とする請求項10記載の情報処理装置。
【請求項24】
前記情報処理装置は、画像形成装置に接続するサーバからなり、前記出力部は、前記上位装置から受信した画像データを前記画像形成装置へ送出することを特徴とする請求項10記載の情報処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2009−53953(P2009−53953A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220316(P2007−220316)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】