説明

情報提示装置、情報提示プログラム及び情報提示方法等

【課題】 運転者が視認している事物を特定することにより、注意喚起情報等を提示し、あるいは、経路案内情報を再度提示し、運転者に確実に経路案内を行なうことを可能にする情報提示装置および当該情報の提示制御に用いられる情報提示プログラム等を提供することを目的とする。
【解決手段】 車両を運転する運転者に対して経路誘導を行なうための経路案内情報を出力するためのスピーカ17と、前記運転者の視線を検出して運転者が視認した事物を特定するための視認位置特定部12と、前記運転者が視認した事物が、前記出力された経路案内情報に関連する事物であるかを判定するシステム制御部18と、前記判定に基づいて、再度経路案内情報もしくは前記経路案内情報に関する注意喚起情報等を提示するスピーカ17とを有する情報提示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、情報提示装置、情報提示プログラム及び情報提示方法等の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両などに搭載された液晶表示パネルなどのディスプレイ上に地図を表示させ、さらに音声による経路案内にて、車両等の移動体の移動を誘導するナビゲーション装置が広く一般化している。
【0003】
一方、運転者は車両を運転しながら、上記ナビゲーション装置のディスプレイを見たり、あるいは、安全走行のためバックミラーやサイドミラーを見たりと、車両内外の周囲の状況を常時確認している。また、車内の機器に対する視線の移動を検知する技術も開示されている(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開2001−194161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ナビゲーション装置によって、画面表示又は音声による経路案内がされた場合において、運転者が当該経路案内を見過ごしたり、聞き取ることが出来なかった場合等、運転者が画面表示又は音声による経路案内を適格に認識していない場合もあった。
【0005】
そこで、本願は上記課題を解決すべくなされたものであり、運転者が視認している事物を特定することにより、関連情報等を提示し運転者に確実に経路案内を行なうことを可能にする情報提示装置、情報提示プログラム及び情報提示方法等を提供することを目的の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、移動体を運転する運転者に対して経路誘導を行なうための経路案内情報を提示するための経路案内情報提示手段と、前記運転者の視線を検出して運転者が視認した事物を特定するための視認位置特定手段と、前記運転者が視認した事物が、前記提示された経路案内情報に関連する事物であるかを判定する判定手段と、前記判定に基づいて、前記経路案内情報に関する関連情報を提示する関連情報提示手段とを有することを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、移動体に搭載される経路誘導装置であって、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の情報提示装置を備えることを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、コンピュータを、移動体を運転する運転者に対して経路誘導を行なうための経路案内情報を提示し、前記運転者の視線を検出して運転者が視認した事物を特定し、前記運転者が視認した事物が、前記提示された経路案内情報に関連する事物であるかを判定し、前記判定に基づいて、前記経路案内情報に関する関連情報を提示するよう機能させることを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の情報提示プログラムが、前記コンピュータにより読取可能に記録されていることを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、移動体を運転する運転者に対して経路誘導を行なうための経路案内情報を提示するための経路案内情報提示工程と、前記運転者の視線を検出して運転者が視認した事物を特定するための視認位置特定工程と、前記運転者が視認した事物が、前記提示された経路案内情報に関連する事物であるかを判定する判定工程と、前記判定に基づいて、前記経路案内情報に関する関連情報を提示する関連情報提示工程とを有することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本願の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本願に係る情報提示装置を、移動体としての車両に搭載された、経路誘導装置としての車載用のナビゲーション装置1に適用した場合の実施形態である。
【0012】
[ナビゲーション装置の構成および機能]
始めに、図1を参照して、本実施形態にかかるナビゲーション装置1の構成および機能を説明する。図1は、本実施形態におけるナビゲーション装置1の概要構成を示すブロック図である。
【0013】
本実施形態のナビゲーション装置1は、図1に示すように、GPS(Global Positioning System)に属する複数の人工衛星からの電波を、アンテナATを介してGPSデータとして受信するGPS受信部2と、GPSデータおよび走行データに基づいて自車位置を算出する自車位置算出部3と、VICS(Vehicle Information Communication System)データを受信するVICSデータ受信部4と、地図データなどのデータが予め記録されている地図データベース5Aを有する記憶部5からデータを読み出す地図データ読出部6と、ユーザが各設定を行なうとともにシステムに命令を入力する際に用いられる操作入力部7と、車両に設置されて車両外部を撮影するカメラ8Aと、当該撮影した画像をナビゲーション装置1内に取り込む外部画像取得部8と、車両の車速を検出する車速検出部9Aと、車両が進行している進行方向を検出するジャイロセンサ部9Bと、運転者の瞳孔の状態を検出することにより運転者の視線を検出する視線検出部10と、レーザレーダなどにより構成され、車両と、車両外部の事物との距離を測定し距離情報を取得する距離測定部11と、運転者の視線位置を検出する視認位置特定部12と、地図データ等を表示する表示部13と、バッファメモリ14を用いて表示部13を制御する表示制御部15と、経路誘導などの音声を生成する音声処理回路部16と、当該生成された音声を出力するスピーカ17と、システム全体を制御するシステム制御部18とを含んで構成されており、各構成部分は、バス19を介して相互に接続されている。
【0014】
GPS受信部2は、GPSに属する複数の人工衛星からの電波を、アンテナATを介して受信するとともに、この受信した電波に基づいて移動体の現在位置の擬似座標値を計算してGPSデータとして自車位置算出部3に出力されるように構成されている。
【0015】
自車位置算出部3は、システム制御部18と共に、移動体位置情報取得手段として機能し、車速検出部9A及びGPS受信部2とシステム制御部18との間で処理を行なうようになっており、入力されたGPSデータと車速等の走行データに基づいて車両位置を算出して当該車両位置を車両位置データとしてシステム制御部18に出力するように構成されている。なお、この車両位置データは、システム制御部18において後述する地図データと照合されてマップマッチング処理等が実行されるようになっている。
【0016】
VICSデータ受信部4は、FM多重放送などの電波を受信することによって、VICSデータを取得するようになっており、取得したVICSデータをシステム制御部18に出力するように構成されている。
【0017】
なお、VICSとは、道路交通情報通信システムのことを示し、VICSデータとは、交通規制情報や渋滞情報等の道路交通情報をいう。
【0018】
記憶部5は、道路地図等の地図データ等を記憶する地図データベース5Aを有して構成される。この地図データとは、ナビゲーション動作に必要な地図データであって、運転者によって車両の現在位置から目的地までの経路が設定された場合に、車両の経路誘導開始前に車両の現在位置、設定された目的地までの経路に基づいて、記憶部5の地図データベース5Aから該当する地図データが取得されて表示部13に出力されるよう構成されている。
【0019】
操作入力部7は、入力ボタン及び数字キー等の多数のキーを含んで構成されており、特に、車両走行情報の表示命令、車両が到達すべき目的地の入力および設定などの運転者の命令を入力するために用いられるよう構成されている。
【0020】
外部画像取得部8は、カメラ8Aと共に外部画像取得手段として機能し、車両に設置され車両進行方向、つまり、車両前方を撮影するカメラ8Aを備えて構成され、当該カメラにて撮影された画像を外部画像情報としてナビゲーション装置1内に取り込むよう構成されている。
【0021】
車速検出部9Aは、例えば車両の走行速度等の走行データを検出するようになっており、検出した走行データを自車位置算出部3に出力するようになっている。具体的には、車速検出部9Aは、車両の走行速度を検出し、その検出した速度をパルス又は電圧の形態を有する速度データに変換して自車位置算出部3に出力されるように構成されている。
【0022】
ジャイロセンサ部9Bは、例えば車両の方位角、即ち車両が進行している進行方向等を検出し、検出した方位角をパルス又は電圧の形態を有する方位角データに変換して自車位置算出部3に出力するように構成されている。
【0023】
視線検出部10は、前記視認位置特定部12と共に視線位置特定手段として機能し、運転者の瞳孔の状態を検出し、運転者が視認する箇所を示す視認情報を検出して視認位置特定部12に出力するよう構成される。
【0024】
距離測定部11は、距離取得手段として機能し、レーザレーダ等により構成され、車両外部の物と車両との距離を測定し距離情報を取得して視認位置特定部12に出力するよう構成される。
【0025】
視認位置特定部12は、前記視線検出部10と共に視線位置特定手段として機能し、上記視線検出部10により検出された視認情報と、上記距離測定部11により取得した距離情報と、上記地図データベース5Aより取得された地図データと、上記外部画像取得部8によって取得した外部画像情報と、後述する音声データに基づく音声による経路案内情報Rと、に基づいて、運転者が視認した事物を特定するためのものである。
【0026】
より具体的には、外部画像情報を解析して、車両外部の事物を特定すると共に、視線情報に基づいて、外部画像情報上における運転者が視認している方向にある事物を特定し、当該方向に対して距離測定部11に設けたレーザレーダを発振させることにより、当該事物との距離を測定し、当該測定された距離と、外部画像情報の解析結果と、地図データベース5Aより取得した地図データとを照合して、運転者が視認した事物を特定する。
【0027】
表示部13は、表示制御部15及びシステム制御部18と共に経路案内情報提示手段として機能し、例えば、液晶表示、CRTによって構成され、表示制御部15の制御にしたがって記憶部5から取得した地図データを種々の態様として表示するとともに、これに重畳して車両位置や後述する経路誘導に関する情報(経路案内情報)としての経路案内情報Rを表示するよう構成されている。
【0028】
また、表示部13は、表示制御部15及びシステム制御部18と共に関連情報提示手段として機能し、後に詳述する経路案内動作において、経路案内情報を運転者が正しく認識していないと判定した場合には、経路案内情報に関連する関連情報を表示するよう構成されている。なお、関連情報とは、例えば経路案内情報Rそのものであってもよく、この場合には、経路案内情報Rを再案内することになる。
【0029】
表示制御部15には、システム制御部18を介して入力された地図データが入力されるようになっており、表示制御部15は、このシステム制御部18の指示に基づいて表示部13に表示すべき表示用地図データを生成し、バッファメモリ14に一時的に保存しつつ、所定のタイミングでバッファメモリ14から表示する地図データを読み出して表示部13に表示出力するよう構成されている。
【0030】
また、表示制御部15は、表示部13およびシステム制御部18と共に経路案内情報提示手段及び関連情報提示手段として機能し、システム制御部18の指示に基づいて経路案内情報を表示部13に表示させたり、或いは経路案内情報を運転者が正しく認識していないと判定した場合には、経路案内情報に関連する関連情報を表示部13に表示するよう構成されている。
【0031】
音声処理回路部16は、音声出力手段として機能すると共に、スピーカ17およびシステム制御部18と共に経路案内情報提示手段及び関連情報提示手段として機能し、システム制御部18の指示に基づいて音声信号を生成し、生成した音声信号を、スピーカ17を介して拡声するようになっており、例えば、次の交差点における車両の進行方向や、走行案内上運転者に直接告知すべき通行止め情報等を含む経路誘導に関する情報(経路案内情報)としての経路案内情報Rとしての音声信号をスピーカ17に出力するよう構成されている。
【0032】
また、音声処理回路部16は、スピーカ17およびシステム制御部18と共に関連情報提示手段として機能し、後に詳述する経路案内動作において、経路案内情報を運転者が正しく認識していないと判定した場合には、経路案内情報に関連する関連情報を表示するよう構成されている。
【0033】
システム制御部18は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM(Random Access Memory)、情報提示プログラム等を含む各種制御プログラムやデータ等を記憶するROM(Read Only Memory)及び発振回路等を備えて構成されており、図示しない操作部からの操作信号に基づいて、当該操作信号に含まれている操作情報に対応する動作を実現すべく上記各構成部材を制御するための制御情報を生成し、バス19を介して当該制御情報を該当する構成部材に出力して当該各構成部材の動作を統轄制御する。
【0034】
より具体的には、GPS受信ポート、キー入力ポート、表示部13制御ポート等の各種入出力ポートを含み、ナビゲーション処理のための全般的な機能を総括的に制御するようになっている。
【0035】
また、システム制御部18は、自車位置算出部3と共に移動体位置情報取得手段として機能し、ナビゲーション動作を行なう際に、自車位置算出部3から出力された車両位置データと地図データに基づいてマップマッチングなどの補正処理を行なうとともに、表示部13において車両の現在位置を含む周辺地域を示す地図上に経路案内情報が表示されるよう制御し、音声処理回路部16から当該走行経路情報等が音声として出力されるよう制御するようになっている。
【0036】
また、システム制御部18は、地図データ取得手段として機能し、運転者が操作入力部7を操作することにより目的地が入力され、経路が設定された場合に、経路誘導開始前に、設定された経路および設定された転送条件に基づいて地図データベース5Aに記憶されている地図データを取得して経路情報として表示部13に出力することができるよう構成されている。
【0037】
さらに、システム制御部18は、表示部13、表示制御部15、音声処理回路部16及びスピーカ17と共に経路案内情報提示手段及び関連情報提示手段として機能し、経路誘導に伴い、地図データベース5Aに格納されている地図データ等の管理を行なうようになっており、ナビゲーション動作中に、表示すべき地図データを取得して表示制御部15を介して経路案内情報Rを表示部13に出力すると共に、対応する経路案内情報Rとしての音声信号をスピーカ17に出力したり、画像を表示部13に表示するよう構成されている。また、後に詳述する経路案内処理に基づいて、スピーカ17より出力した経路案内情報Rや表示部13に表示した経路案内情報Rに関連する関連情報をスピーカ17を介して出力したり、或いは表示部13によって表示させたりする。関連情報とは、例えば経路案内情報Rそのものであってもよく、この場合には、経路案内情報Rを再案内することになる。
【0038】
さらに、システム制御部18は、判定手段及び視認回数比較手段及び視認時間比較手段として機能し、視認位置特定部12によって、運転者が視認した事物は、直前の経路案内情報Rの内容と関連のある事物であるか否かが特定されると、その視認の回数をカウントし、あるいは、視認時間を計測して関連情報を提示するか否かを判断する。
【0039】
[第1の経路案内動作]
次に、本実施形態にかかる経路案内動作の具体的手法について図1乃至図3を参照して説明する。
【0040】
図2は、ナビゲーション装置1における第1の経路案内処理を示すフローチャートである。なお、当該ナビゲーション装置1は既に起動されているものとし、既に操作入力部7から運転手によって設定された経路に対応する地図データが地図データベース5Aより取得されて表示部13に表示されているものとする。
【0041】
そして、以下に詳述する第1の経路案内動作は、システム制御部18の制御に基づいて、上記経路案内情報(音声又は画像情報)Rがスピーカ17を介して音声出力されたことにより、及び/又は、表示部13に経路案内情報Rが表示されたことをきっかけとして処理が開始される。なお、音声出力による経路案内情報Rは、例えば「まもなく右折です。右に車線変更してください。」という音声をスピーカ17より音声出力し、他方、表示部13による画像表示による経路案内情報Rは、例えば、曲がるべき交差点の近くになると進行方向の道路が色分けされて拡大表示されたり、あるいは交差点の名称を表示したりする。
【0042】
まず、上記経路案内情報Rがスピーカ17及び/又は表示部13を介して運転手に案内されると、GPS受信部2によって取得されたGPSデータと、車速検出部9Aによって取得された車速等の走行データに基づいて、車両が当該経路案内処理が開始されるきっかけとなった経路案内情報Rの対象範囲内に存在するか否かをシステム制御部18が判定する(ステップS1)。
【0043】
ステップS1において、車両が当該経路案内処理が開始されるきっかけとなった経路案内情報Rの対象範囲内に存在しない場合には(ステップS1:No)、処理を終了する。なお、上記対象範囲とは、経路案内処理が開始されるきっかけとなった経路案内情報(音声又は画像情報)Rがされた地点から、所定距離範囲内をいう。
【0044】
そして、当該経路案内処理が開始されるきっかけとなった経路案内情報Rの対象範囲内に車両が存在する場合には(ステップS1:Yes)、運転者が視認した事物を特定するための視認解析を当該視認解析の時間を測定しながら行なうために、視認解析時間の測定を開始する(ステップS2)。なお、時間の測定は、ナビゲーション装置1に内蔵した日付時計に基づいて測定するよう構成される。
【0045】
そして、視線検出部10によって検出された視認情報と、距離測定部11によって取得した距離情報と、地図データベース5Aにより取得した地図データと、外部画像取得部8によって取得された外部画像情報と、当該経路案内処理が開始されるきっかけとなった経路案内情報Rとに基づいて、運転者が視認した事物を視認位置特定部12によって特定する(ステップS3)。
【0046】
そして、ステップS3において視認した事物の視認回数をカウントする(ステップS4)。より具体的には、後の処理において、視認した事物の視認回数を比較するために、視認した事物毎に、視認回数をカウントしてシステム制御部18のバッファメモリの視認回数記憶領域に保存する。つまり、ステップS3によって、視認した事物が特定されると、ステップS4において当該視認した事物の視認回数が1加算されることになる。
【0047】
次に、視認解析時間が予め定められた第1の所定時間に達したか否かを判定する(ステップS5)。即ち、予め定められた第1の所定時間が5秒である場合には、5秒間の間で運転者が視認した事物を特定し(ステップS3)、視認回数をカウント(ステップS4)したことになる。
【0048】
そしてステップS5の判定の結果、第1の所定時間に達していないと判定した場合には(ステップS5:No)、第1の所定時間に達するまでステップS3及びステップS4の処理を繰り返し行ない、第1の所定時間に達したと判定した場合には(ステップS5:Yes)、ステップS4においてカウントした視認回数の比較を行なう(ステップS6)。
【0049】
より具体的には、運転者が、経路案内情報Rの内容と全く関連性の無い事物を視認した回数と、経路案内情報Rの内容と関連性のある事物を新した回数とを比較する。
【0050】
ここで、運転手の視認した事物と経路案内情報に関連する事物について図を用いて説明する。図3は、経路案内処理が開始されるきっかけとなった経路案内情報Rに基づいて表示部13に表示された地図データの表示例であり、上記第1の所定時間内に、当該地図上において運転者が視認した事物(ステップS3の処理によって特定された事物)としての信号機を夫々X1、X2、X3、X4で示す。
【0051】
図中、矢印は、経路案内処理が開始されるきっかけとなった経路案内情報Rによって「300m先、右折です。」との音声案内がされた場合における経路を示す。
【0052】
第1の所定時間の間に運転者が視認した事物として、1つ先の信号機X1と、2つ先の信号機X2と、1つ手前の信号機X3と、経路案内情報Rに関連する事物としての信号機X4が特定(ステップS3)された場合には、夫々について視認した回数がカウントされることになる(ステップS4)。
【0053】
すなわち、ステップS6の視認回数の比較の処理においては、1つ先の信号機X1を視認した回数N(X1)、2つ先の信号機X2を視認した回数N(X2)、1つ手前の信号機X3を視認した回数N(X3)の合計回数と、経路案内情報Rに関連する信号機X4を視認した回数N(X4)とで、視認回数を比較する(ステップS6)。
【0054】
そして、ステップS6による判定の結果、1つ先の信号機X1を視認した回数N(X1)、2つ先の信号機X2を視認した回数N(X2)、1つ手前の信号機X3を視認した回数N(X3)の合計回数が、経路案内情報Rに関連する信号機X4を視認した回数N(X4)以上である場合には(ステップS6:N(X1)+N(X2)+N(X3)≧N(X4))、経路案内情報Rを運転者が正しく理解していないと判断し、システム制御部18の制御に基づいて、再度経路案内情報Rとしての音声信号をスピーカ17に出力し、及び/又は経路案内情報Rとしての画像信号を表示部13に出力して運転手に再案内を行なう(ステップS7)。
【0055】
例えば、「300m先右折です。」との経路誘導情報Rがされた場合や、あるいは表示部13にて300m先で右折すべき交差点の拡大図が表示されたにもかかわらず、運転者が遠く500m先の信号機や店舗ばかりを見ている場合や、左ばかりを視認しているような場合、あるいは予め定められた第1の所定時間における運転手の視認位置が定まらず、キョロキョロしている場合等には、再度、経路案内情報Rとしての音声信号をスピーカ17に出力し、及び/又は経路案内情報Rとしての画像情報を表示部13に出力して運転手に再案内を行なうことにより、経路案内情報Rを運転者に確実に認識させることが可能になる。
【0056】
他方、1つ先の信号機X1を視認した回数N(X1)、2つ先の信号機X2を視認した回数N(X2)、1つ手前の信号機X3を視認した回数N(X3)の合計回数が、経路案内情報Rに関連する信号機X4を視認した回数N(X4)より小さい場合には(ステップS6:N(X4)>N(X1)+N(X2)+N(X3))、経路案内情報Rを運転者が正しく理解したと判断できるので、再案内を行なうことなく、処理を終了する。
【0057】
なお、運転者の過去の視認の特徴と、経路案内情報Rとの関連を示す視認特徴情報を蓄積記憶する視認特徴情報記憶手段を設けてもよい。この場合には、当該視認特徴記憶手段に記憶された運転者の視認特徴情報に応じてステップS6における視認回数の比較による判定を調整してもよい。
【0058】
より具体的には、ステップS6において、1つ先の信号機X1を視認した回数N(X1)、2つ先の信号機X2を視認した回数N(X2)、1つ手前の信号機X3を視認した回数N(X3)の合計回数が、経路案内情報Rに関連する信号機X4を視認した回数N(X4)以上であると判定された場合であっても(N(X1)+N(X2)+N(X3)≧N(X4)、例えば、経路案内情報Rに関連する信号機X4を視認した回数N(X4)と、1つ先の信号機X1を視認した回数N(X1)、2つ先の信号機X2を視認した回数N(X2)、1つ手前の信号機X3を視認した回数N(X3)の合計回数との差が5以下(あるいは他の所定回数以下)である場合には、これまで確実に経路案内情報Rで案内された経路を走行していた実績があるというような場合には、再案内をしないよう構成すればよい。
【0059】
[第2の経路案内動作]
次に、上述したナビゲーション装置1を用いた第2の経路案内動作の手法について説明する。なお、ナビゲーション装置1における構成及び機能は上述した実施の形態における構成及び機能と同様である。なお、上述した第1の経路案内処理においては、視認した事物毎の視認回数を比較することにより、経路案内情報Rを再案内するか否かを判定したが、以下に述べる第2の経路案内動作の手法においては、視認した事物毎の視認時間を比較することにより経路案内情報Rを再案内するか否かを判定する。
【0060】
図4は、ナビゲーション装置1における第2の経路案内処理を示すフローチャートである。なお、当該ナビゲーション装置1は既に起動されているものとし、既に操作入力部7から運転手によって設定された経路に対応する地図データが地図データベース5Aより取得されて表示部13に表示されているものとする。
【0061】
そして、以下に説明する経路案内動作は、上述した経路案内動作と同様に、システム制御部18の制御に基づいて、上記経路案内情報(音声又は画像情報)Rがスピーカ17を介して音声出力されたことにより、及び/又は、表示部13に経路案内情報Rが表示されたことをきっかけとして処理が開始される。
【0062】
まず、上記経路案内情報Rがスピーカ17及び/又は表示部13を介して運転手に案内されると、車両が経路案内情報Rの対象範囲内に存在するか否かをシステム制御部18が判定する(ステップS11)。
【0063】
ステップS11において、車両が当該経路案内処理が開始されるきっかけとなった経路案内情報Rの対象範囲内に存在しない場合には(ステップS11:No)、処理を終了し、経路案内情報Rの対象範囲内に車両が存在する場合には(ステップS11:Yes)、運転者が視認した事物を特定するための視認解析を当該視認解析の時間を測定しながら行なうために、視認解析時間の測定を開始する(ステップS12)。
【0064】
そして、運転者が視認した事物を視認位置特定部12によって特定する(ステップS13)。
【0065】
なお、ここまでの処理、すなわちステップS11乃至ステップS13までの処理は図2を用いて詳述した第1の経路案内動作におけるステップS1乃至ステップS3の処理と同様である。
【0066】
そして、視認した事物毎の視認時間を測定して積算する(ステップS14)。より具体的には、後の処理において、視認した事物の視認合計時間を比較するために、視認した事物毎に、視認時間を積算してシステム制御部18のバッファメモリの視認合計時間記憶領域に保存する。つまり、ステップS13によって、視認した事物が特定されると、ステップS14において当該視認した事物を視認した時間が視認合計時間として積算されることになる。
【0067】
次に、視認解析時間が予め定められた第1の所定時間に達したか否かを判定する(ステップS15)。そして、ステップS15の判定の結果、第1の所定時間に達していないと判定した場合には(ステップS15:No)、第1の所定時間に達するまでステップS13及びステップS14の処理を繰り返し行ない、第1の所定時間に達したと判定した場合には(ステップS15:Yes)、ステップS14において測定(積算)した視認合計時間の比較を行なう(ステップS16)。より具体的には、運転者が、第1の所定時間内に経路案内情報Rの内容と全く関連性の無い事物を視認した合計時間と、経路案内情報Rの内容と関連性のある事物を視認した合計時間とを比較する。
【0068】
図3を用いて説明すると、1つ先の信号機X1を視認した合計時間T(X1)、2つ先の信号機X2を視認した合計時間T(X2)、1つ手前の信号機X3を視認した合計時間T(X3)の総合計時間と、経路案内情報Rに関連する信号機X4を視認した合計時間T(X4)とで比較する(ステップS16)。
【0069】
そして、ステップS16による判定の結果、1つ先の信号機X1を視認した合計時間T(X1)、2つ先の信号機X2を視認した合計時間T(X2)、1つ手前の信号機X3を視認した合計時間T(X3)の合計時間が、経路案内情報Rに関連する信号機X4を視認した合計時間T(X4)以上である場合には(ステップS16:T(X1)+T(X2)+T(X3)≧T(X4))、経路案内情報Rを運転者が正しく理解していないと判断し、システム制御部18の制御に基づいて、再度経路案内情報Rとしての音声信号をスピーカ17に出力し、及び/又は経路案内情報Rとしての画像信号を表示部13に出力して運転手に再案内を行なう(ステップS17)。
【0070】
他方、1つ先の信号機X1を視認した合計時間T(X1)、2つ先の信号機X2を視認した合計時間T(X2)、1つ手前の信号機X3を視認した合計時間T(X3)の合計時間が、経路案内情報Rに関連する信号機X4を視認した合計時間T(X4)より小さい場合には(ステップS16:T(X4)>T(X1)+T(X2)+T(X3))、経路案内情報Rを運転者が正しく理解したと判断できるので、再案内を行なうことなく、処理を終了する。
【0071】
上述した経路案内動作において、運転者の過去の視認の特徴と、経路案内情報Rとの関連を示す視認特徴情報を蓄積記憶する視認特徴情報記憶手段を設けた場合には、当該視認特徴記憶手段に記憶された運転者の視認特徴情報に応じてステップS16における視認合計時間の比較による再案内の判定を調整してもよい。
【0072】
より具体的には、ステップS16において、1つ先の信号機X1を視認した合計時間T(X1)、2つ先の信号機X2を視認した合計時間T(X2)、1つ手前の信号機X3を視認した合計時間T(X3)の合計時間が、経路案内情報Rに関連する信号機X4を視認した合計時間T(X4)以上であると判定された場合であっても(T(X1)+T(X2)+T(X3)≧T(X4)、例えば、経路案内情報Rに関連する信号機X4を視認した合計時間T(X4)と、1つ先の信号機X1を視認した合計時間T(X1)、2つ先の信号機X2を視認した合計時間T(X2)、1つ手前の信号機X3を視認した合計時間T(X3)の合計時間との差が3秒以下(あるいは他の所定時間以下)である場合には、これまで確実に経路案内情報Rで案内された経路を走行していた実績があるというような場合には、再案内をしないよう構成すればよい。
【0073】
[第3の経路案内動作]
次に、上述したナビゲーション装置1を用いた第3の経路案内動作の手法について説明する。なお、ナビゲーション装置1における構成及び機能は上述した実施の形態における構成及び機能と同様である。なお、上述した第1及び第2の経路案内処理においては、視認した事物毎の視認回数や、視認合計時間を比較することにより、経路案内情報Rを再案内するか否かを判定したが、以下に述べる第3の経路案内動作の手法においては、経路案内情報に関連する事物を所定の視認認定時間以上視認したか否かに基づいて経路案内情報Rを再案内するか否かを判定する。
【0074】
図5は、ナビゲーション装置1における第3の経路案内処理を示すフローチャートである。なお、当該ナビゲーション装置1は既に起動されているものとし、既に操作入力部7から運転手によって設定された経路に対応する地図データが地図データベース5Aより取得されて表示部13に表示されているものとする。
【0075】
そして、以下に詳述する経路案内動作は、上述した第1及び第2の経路案内動作と同様に、システム制御部18の制御に基づいて、上記経路案内情報(音声又は画像情報)Rがスピーカ17を介して音声出力されたことにより、及び/又は、表示部13に経路案内情報Rが表示されたことをきっかけとして処理が開始される。
【0076】
まず、上記経路案内情報Rがスピーカ17及び/又は表示部13を介して運転手に案内されると、車両が経路案内情報Rの対象範囲内に存在するか否かをシステム制御部18が判定する(ステップS21)。
【0077】
ステップS21において、車両が当該経路案内処理が開始されるきっかけとなった経路案内情報Rの対象範囲内に存在しない場合には(ステップS21:No)、処理を終了し、経路案内情報Rの対象範囲内に車両が存在する場合には(ステップS21:Yes)、運転者が視認した事物を特定するための視認解析を当該視認解析の時間を測定しながら行なうために、視認解析時間の測定を開始する(ステップS22)。
【0078】
そして、運転者が視認した事物を視認位置特定部12によって特定する(ステップS23)。
【0079】
なお、ここまでの処理、すなわちステップS11乃至ステップS13までの処理は図2を用いて詳述した第1の経路案内動作におけるステップS1乃至ステップS3の処理と同様である。
【0080】
そして、視認した事物毎の視認時間を測定して積算する(ステップS24)。具体的には、経路案内情報Rに関連する事物を視認した時間を積算してシステム制御部18のバッファメモリの視認合計時間記憶領域に保存する。つまり、ステップS23によって、視認した事物が特定されると、ステップS24において当該視認した事物が経路案内情報Rに関連する事物である場合の視認時間が視認合計時間として積算されることになる。
【0081】
次に、視認解析時間が予め定められた第1の所定時間に達したか否かを判定する(ステップS25)。そして、ステップS25の判定の結果、第1の所定時間に達していないと判定した場合には(ステップS25:No)、第1の所定時間に達するまでステップS23及びステップS24の処理を繰り返し行ない、第1の所定時間に達したと判定した場合には(ステップS25:Yes)、経路案内情報に関連する事物を、第2の所定時間としての視認認定時間以上視認したか否かを判定する(ステップS26)。
【0082】
図3を用いて説明すると、第1の所定時間の間に、運転者が上記経路案内情報Rに関連する事物を第2の所定時間としての視認認定時間以上視認したか否かをシステム制御部18が判定する。例えば、視認認定時間が2秒である場合に、当該経路案内情報Rによって「300m先、右折です。」との経路案内がされた場合や、300m先の交差点が表示部13によって拡大表示された場合に、運転者が右折すべき交差点の信号機や店舗等を2秒以上視認した場合には、経路案内情報Rを運転者が適切に理解したと判断できる。
【0083】
従って、運転者が上記経路案内情報Rに関連する事物を視認認定時間以上視認した場合には(ステップS26:Yes)、再案内を行なうことなく処理を終了し、運転者が上記経路案内情報Rに関連する事物を視認認定時間以上視認していない場合には(ステップS26:No)、経路案内情報Rを運転者が正しく理解していないと判断し、システム制御部18の制御に基づいて、再度経路案内情報Rとしての音声信号をスピーカ17に出力し、及び/又は経路案内情報Rとしての画像信号を表示部13に出力して運転手に再案内を行なう(ステップS27)。
【0084】
上述した経路案内動作において、運転者の過去の視認の特徴と、経路案内情報Rとの関連を示す視認特徴情報を蓄積記憶する視認特徴情報記憶手段を設けた場合には、当該視認特徴記憶手段に記憶された運転者の視認特徴情報に応じて上記システム制御部18を所定時間調整手段として機能させ、当該視認特徴記憶手段に記憶された運転者の視認特徴情報に応じて上記視認認定時間を調整する。
【0085】
より具体的には、運転者は経路案内情報Rに関連する事物を上記視認認定時間以上視認していなくても、視認特徴記憶部に記憶された視認特徴によれば、極僅かの時間視認していれば、これまで確実に経路案内情報Rで案内された経路を走行していた実績があるというような場合には、上記視認認定時間を短縮するよう調整すればよい。
【0086】
上述した第1乃至第3の経路案内動作において、ステップS7、S17、S27における再案内とは、関連情報の一例にすぎず、経路案内情報Rに関する情報(関連情報)であればよい。例えば、「視認している場所が間違っています。」など、運転者に注意を促す注意喚起情報を生成して、音声信号として出力したり、あるいは表示部13に表示された画像中、曲がるべき交差点等を点滅させるなどして構成してもよい。
【0087】
また、経路案内処理が開始される前の経路案内情報Rの音声出力より、大きいボリュームでスピーカ17から出力されるよう構成してもよく、あるいは、”ピー”等という注意を呼びかける音を最初にスピーカ17から出力させた後に、続いて経路案内情報Rに基づく音声信号が出力されるよう構成してもよい。
【0088】
また、ステップS6、S16、S26において、経路案内情報Rに関連する事物や、運転者が視認した事物として信号を用いたが、これには限られず、当該経路案内情報Rが右折/左折の指示の場合等は、右折すべき箇所の交差点における店舗等であってもよい。
【0089】
さらに、ステップS3、S13、S23において、運転者が視認した事物が、ナビゲーション装置1の表示部13の表示用画面であることが特定された場合には、ステップS4乃至ステップS6(ステップS14乃至ステップS16、あるいはステップS24乃至ステップS26)の処理を行わずステップS7(ステップS17或いはステップS27)の処理に移行して再案内を行なうよう構成してもよい。経路案内情報Rで経路を案内したにもかかわらず、なおナビゲーション装置1の表示画面を視認したということは、運転者が経路案内情報Rの経路案内を理解していない場合があるからである。
【0090】
上述した実施の形態によれば、運転者が視認した事物を特定し、当該視認した事物が、経路案内情報によって経路案内された情報に関連する事物であるか否かを判定することにより、運転者が経路案内情報を正しく理解していない場合には、再案内することにより、経路案内をより確実に運転者に認識させることが可能になる。また、所定の第1の所定時間内に運転者が視認した事物を特定することにより、運転者の視線が定まらない場合であっても、確実に運転者が当該経路案内情報を正しく理解したか否かを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本実施形態におけるナビゲーション装置1の概要構成を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置1における第1の経路案内処理を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態における表示部13に表示された地図データの表示例である。
【図4】ナビゲーション装置1における第2の経路案内処理を示すフローチャートである。
【図5】ナビゲーション装置1における第3の経路案内処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
1…ナビゲーション装置
2…GPS受信部
3…自車位置算出部
4…VICSデータ受信部
5…記憶部
5A…地図データベース
6…地図データ読出部
7…操作入力部
8…外部画像取得部
8A…カメラ
9A…車速検出部
9B…ジャイロセンサ部
10…視線検出部
11…距離測定部
12…視認位置特定部
13…表示部
14…バッファメモリ
15…表示制御部
16…音声処理回路部
17…スピーカ
18…システム制御部
19…バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を運転する運転者に対して経路誘導を行なうための経路案内情報を提示するための経路案内情報提示手段と、
前記運転者の視線を検出して運転者が視認した事物を特定するための視認位置特定手段と、
前記運転者が視認した事物が、前記提示された経路案内情報に関連する事物であるかを判定する判定手段と、
前記判定に基づいて、前記経路案内情報に関する関連情報を提示する関連情報提示手段と
を有することを特徴とする情報提示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提示装置において、
第1の所定時間内に、前記運転者が前記経路案内情報に関連しない事物を視認した回数と、前記経路案内情報に関連する事物を視認した回数とを比較する視認回数比較手段を有し、
前記関連情報提示手段は、前記運転者が前記経路案内情報に関連しない事物を視認した回数が、前記経路案内情報に関連する事物を視認した回数以上である場合には、前記関連情報を提示することを特徴とする情報提示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報提示装置において、
第1の所定時間内に、前記運転者が前記経路案内情報に関連しない事物を視認した合計時間と、前記経路案内情報に関連する事物を視認した合計時間とを比較する視認時間比較手段を有し、
前記関連情報提示手段は、前記運転者が前記経路案内情報に関連しない事物を視認した合計時間が、前記経路案内情報に関連する事物を視認した合計時間以上である場合には、前記関連情報を提示することを特徴とする情報提示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報提示装置において、
前記運転者が前記経路案内情報に関連する事物を第2の所定時間以上視認したかを判定する視認時間判定手段を有し、
前記関連情報提示手段は、
前記視認時間判定手段によって前記運転者が前記経路案内情報に関連する事物を前記第2の所定時間以上視認したと判定された場合には前記関連情報を提示せず、
前記運転者が前記経路案内情報に関連する事物を前記第2の所定時間以上視認していないと判定された場合には、前記関連情報を提示することを特徴とする情報提示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報提示装置において、
前記運転者の視認の特徴と、前記経路案内情報との関連を示す視認特徴情報を蓄積記憶する視認特徴情報記憶手段と、
前記視認特徴情報に基づいて、前記第2の所定時間を調整する所定時間調整手段
を有することを特徴とする情報提示装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の情報提示装置において、
前記運転者の指示に基づいて選択された地図データを取得する地図データ取得手段と、
前記移動体の位置を特定して移動体位置情報を取得する移動体位置情報取得手段と、
前記移動体外部の状況を撮影して外部画像を取得する外部画像取得手段と、
前記移動体と移動体外部の事物との距離を測定して取得する距離取得手段と、
を有し、
前記視認位置特定手段は、前記外部画像取得手段及び距離取得手段による取得に基づいて前記運転者の視線を検出すると共に、前記地図データ取得手段と前記移動体位置情報取得手段による取得に基づいて、前記運転者が視認した事物を特定することを特徴とする情報提示装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の情報提示装置において、
前記経路案内情報提示手段は、前記運転者に対して前記経路案内情報を音声によって経路案内を行なう音声出力手段であって、
前記関連情報提示手段は、前記経路案内を行なう際には、前回の経路案内の際よりも、音声出力量を大とすることを特徴とする情報提示装置。
【請求項8】
移動体に搭載される経路誘導装置であって、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の情報提示装置を備えることを特徴とする経路誘導装置。
【請求項9】
コンピュータを、
移動体を運転する運転者に対して経路誘導を行なうための経路案内情報を提示し、
前記運転者の視線を検出して運転者が視認した事物を特定し、
前記運転者が視認した事物が、前記提示された経路案内情報に関連する事物であるかを判定し、
前記判定に基づいて、前記経路案内情報に関する関連情報を提示するよう機能させることを特徴とする情報提示プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の情報提示プログラムが、前記コンピュータにより読取可能に記録されていることを特徴とする情報記録媒体。
【請求項11】
移動体を運転する運転者に対して経路誘導を行なうための経路案内情報を提示するための経路案内情報提示工程と、
前記運転者の視線を検出して運転者が視認した事物を特定するための視認位置特定工程と、
前記運転者が視認した事物が、前記提示された経路案内情報に関連する事物であるかを判定する判定工程と、
前記判定に基づいて、前記経路案内情報に関する関連情報を提示する関連情報提示工程と
を有することを特徴とする情報提示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−225282(P2007−225282A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−106836(P2004−106836)
【出願日】平成16年3月31日(2004.3.31)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】