説明

情報提示装置および情報提示方法

【課題】運転者の運転負荷に応じて、情報を運転者に適切に提示できる情報提示装置を提供する。
【解決手段】自車両の車両状態及び/又は道路状況に基づいて、運転者の運転負荷を推定する推定手段と、推定した運転者の推定運転負荷に基づいて、運転者に提示する提示情報の提示時間の長さ、および運転者に提示する提示情報の提示時間の開始タイミングを含む前記提示情報の提示態様を決定する提示態様決定手段と、提示態様決定手段により決定された提示態様で、提示情報を運転者に対して提示する提示手段500と、を備える情報提示装置であって、提示態様決定手段は、提示情報を提示している際に、推定した運転者の推定運転負荷が所定値以上となった場合に、提示情報の運転者への提示時間の長さを延長するように提示情報の提示態様を変更することを特徴とする情報提示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提示装置および情報提示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行経路上における運転者の運転負荷を予め予測し、予測した運転者の運転負荷と、情報を提示するためにかかる時間とに基づいて、運転者に情報を提示するタイミングを決定する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−82940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、車線変更などにより突発的に運転者の運転負荷が高くなった場合、運転者が提示情報の内容を認識するために必要な時間を十分に確保できないため、運転者が提示された提示情報の内容を認識できない場合があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、運転者の運転負荷に応じて、情報を運転者に適切に提示できる情報提示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、運転者に提示する提示情報を運転者に提示している際に、運転者の運転負荷が所定値以上となった場合に、提示情報を運転者に提示するための提示時間の長さを延長することで、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、運転者の運転負荷が所定値以上となった場合に、提示時間の長さを延長することにより、運転者の運転負荷が高い場合であっても、運転者が提示情報の内容を認識するための提示時間を十分に確保することができるため、運転者に提示情報の内容を適切に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態に係る情報提示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る情報提示処理を示すフローチャートである。
【図3】運転者の運転負荷の推定方法の一例を示す図である。
【図4A】提示情報の種別がガソリン残量情報の場合に、ディスプレイの画面上に表示される提示情報の一例を示す図である。
【図4B】提示情報の種別がいわゆるエコ運転アドバイス情報の場合に、ディスプレイの画面上に表示される提示情報の一例を示す図である。
【図5】提示情報が操作ボタン情報を含まない場合における提示時間Tdの延長方法を説明する図である。
【図6】提示情報が操作ボタン情報を含む場合における提示時間Tdの延長方法を説明する図である。
【図7】第2実施形態に係る情報提示処理を示すフローチャートである。
【図8】運転者の運転負荷の予測方法の一例を示す図である。
【図9】提示情報の提示開始タイミングの遅延方法を説明するための図である。
【図10】第3実施形態に係る情報提示処理を示すフローチャートである。
【図11】ディスプレイの画面上に表示される情報提示履歴リストの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態においては、車両の運転者に対して提示情報を提示する情報提示システムを有する車両を例示して説明する。
【0010】
図1は、情報提示システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の情報提示システムは、情報提示ユニット100、車両コントローラ200、各種センサ300、ナビゲーション装置400、および情報提示装置500を備える。これらの各構成は、CAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行うことができる。
【0011】
車両コントローラ200は、各種センサ300から、車両の走行情報、および運転者による操作情報など各種車両情報を取得する。各種センサ300には、例えば、図1に示すように、車速センサ301や操舵角センサ302が含まれ、車両コントローラ200は、車速センサ301から車速、操舵角センサ302から操舵角などの各種車両情報を取得する。なお、取得した車両情報は、情報提示ユニット100に送信される。
【0012】
ナビゲーション装置400は、道路形状データなどを格納する地図データベース410と、携帯電話などと接続して外部データベースと通信する通信装置420と、地図データベース410および通信装置420から道路情報を取得する道路情報取得装置430とを有している。そして、ナビゲーション装置400は、地図データベース410を参照して、車両が走行すると予測される経路において運転負荷が高いと予測される道路形状の有無や、その道路形状の位置情報などの道路情報を取得する機能を有する。ここで、運転者の運転負荷が高いと予測される道路形状としては、例えば、カーブ、交差点、合流点、分岐点、または環状交差点(ランナバウト、もしくはRoundabout)などが挙げられる。
【0013】
また、ナビゲーション装置400は、通信装置420を介して、外部のテレマティクスデータベースと通信することで、車両が走行すると予測される経路上の気象情報を取得する機能を有す。さらに、ナビゲーション装置400は、GPS(Global Positioning System)モジュール(不図示)を有しており、GPSモジュールを介して、自車両の位置情報を検出する機能を有する。加えて、ナビゲーション装置400は、地図データベース410を参照して、目的地までの誘導経路を取得する機能を有する。
【0014】
情報提示ユニット100は、運転者の運転負荷に応じて、提示情報を運転者に提示するための情報提示処理を実行する制御装置10を備える。
【0015】
本実施形態の制御装置10は、情報提示処理を実行するためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)12と、このROM12に格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)11と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)13と、を備える。なお、動作回路としては、CPU(Central Processing Unit)11に代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
【0016】
制御装置10は、ROM12に格納されたプログラムをCPU11により実行することにより、車両情報取得機能、道路情報取得機能、運転負荷推定機能、運転負荷予測機能、情報種別選択機能、記憶機能、および提示態様決定機能の各機能を実現する。以下に、制御装置10が備える各機能について説明する。
【0017】
制御装置10の車両情報取得機能は、車両コントローラ200から、車両の走行情報や、運転者による操作情報など各種車両情報を取得する。
【0018】
制御装置10の道路情報取得機能は、ナビゲーション装置400の道路情報取得装置430から、車両が走行すると予測される経路における道路状況を道路情報として取得する。例えば、道路情報取得機能は、ナビゲーション装置400に備える地図データベース410を参照して、車両が走行すると予測される経路において運転負荷が高いと予測される道路形状の有無や、その道路形状の位置情報などの道路情報を取得する。また、道路情報取得機能は、車両が走行すると予測される経路上の気象情報、自車両の位置情報、および経路誘導情報などの道路情報を取得する。
【0019】
制御装置10の運転負荷推定機能は、車両情報取得機能により取得した車両情報に基づいて、運転者の運転負荷を推定する。なお、本実施形態において、運転負荷推定機能は、運転者の運転負荷を「高」、「中」、「低」の三段階の推定運転負荷レベルに分けて推定する。運転者の運転負荷の詳細な推定方法については後述する。
【0020】
制御装置10の運転負荷予測機能は、道路情報取得機能により取得した道路情報に基づいて、車両が走行する経路のうち自車両の位置から所定の地点までの経路上における運転者の運転負荷を予測する。なお、運転負荷予測機能は、運転者の運転負荷を「高」、「中」、「低」の三段階の予測運転負荷レベルに分けて予測する。運転者の運転負荷の詳細な予測方法については後述する。
【0021】
制御装置10の情報種別選択機能は、車両情報取得機能により取得された車両情報と、道路情報取得機能により取得された道路情報とに基づいて、ガソリン残量情報、いわゆるエコ運転(消費燃料の観点から効率の良い運転)アドバイス情報、または車両が半ドア状態で走行していることを示す半ドア走行警告などの提示情報の種別のうち、車両の状態および車両周辺の状況に応じて運転者に提示すべき提示情報の種別を選択する。例えば、車両情報取得機能により半ドア警報信号が取得された場合、提示情報選択機能は、半ドア走行警告を運転者に提示すべき提示情報の種別として選択する。さらに、情報種別選択機能は、運転者がナビゲーション装置400に備える操作パネル(不図示)など操作して選択した提示情報の種別を、運転者に提示する提示情報の種別として選択する。
【0022】
制御装置10の記憶機能は、提示情報を提示している際に、運転者の運転負荷が所定値以上である状態が所定時間Swl以上となった場合に、提示している提示情報を制御装置10のRAM13に記憶された提示履歴リストに追加する。また、記憶機能は、提示情報を提示履歴リストに追加する際に、この提示情報とともに、この提示情報の提示を開始した時刻およびこの提示情報を提示した位置情報を提示履歴リストに追加する。記憶機能により提示履歴リストに追加された提示情報は、運転者の操作などにより、ディスプレイ510の画面上に表示される。これにより、運転者は提示履歴リストに追加された提示情報を確認することができる。
【0023】
さらに、記憶機能は、提示履歴リストに追加された提示情報が運転者に有用な情報であるかを判断し、提示履歴リストに追加された提示情報が運転者に有用な情報ではない場合は、運転者がその提示情報が有用ではないことを把握できるように、提示履歴リストに追加された提示情報に、この提示情報に対応する現在の車両状態または現在の道路状況の情報を付加し、または、この提示情報を提示履歴リストから消去する。これにより、運転者は、提示履歴リストに追加された提示情報の中から、運転者にとって有用な提示情報を容易に把握することができる。
【0024】
制御装置10の提示態様決定機能は、運転負荷推定機能により推定された運転者の運転負荷と、情報種別選択機能により選択された提示情報の種別とに基づいて、提示情報を運転者に提示する提示態様(提示方法)を決定する。本実施形態において、提示態様決定機能は、運転者に提示情報を提示するための提示時間の長さ、および運転者に提示情報を提示するための提示時間の開始タイミングを決定することで提示情報の提示態様を決定する。提示態様の詳細な決定方法については後述する。
【0025】
なお、上述した各機能は、本実施形態においては、制御装置10により実現されるが、これに限定するものではなく、例えば、これら機能を、ナビゲーション装置400やメーターコントロール(不図示)などの装置に分散させてもよい。
【0026】
情報提示装置500は、制御機能10の提示態様決定機能により決定された提示情報の提示態様で、運転者に提示情報を提示する。情報提示装置500としては、ディスプレイ510や、スピーカ520などが挙げられる。ディスプレイ510は、例えば、ナビゲーション装置400やメーターパネル(不図示)内に設置されており、ディスプレイ510に備える画面上に提示情報をテキスト情報として表示することで、運転者に提示情報の内容を認識させることができる。さらに、ディスプレイ510は、運転者の操作により、提示履歴リストを運転者に提示することができ、これにより、運転者は提示履歴リストに追加された提示情報を確認することができる。また、スピーカ520は、例えば、ナビゲーション装置400に設置されており、ガイダンス音声として提示情報を出力することで、運転者に提示情報の内容を認識させることができる。
【0027】
次に、制御装置10による情報提示処理を、図2に示すフローチャートに沿って説明する。図2は、第1実施形態に係る情報提示処理を示すフローチャートである。この情報提示処理は、制御装置10により、一定時間間隔で実行される。なお、この情報提示処理を行うための各機能をナビゲーション装置400やメーターコントロールなどの装置に分散させている場合には、ナビゲーション装置400やメーターコントロールのメインプログラムにより、これら機能を実行するプログラムを一定時間間隔で呼び出すことで、この情報提示処理が一定時間間隔で実行される。
【0028】
ステップS101では、制御装置10の情報種別選択機能により、運転者に提示すべき提示情報の種別があるか否かが判断される。例えば、運転者がナビゲーション装置400に備える操作パネル(不図示)など操作して運転者に提示すべき提示情報の種別を選択した場合には、情報種別選択機能は、運転者に提示すべき提示情報の種別があると判断し、ステップS102に進む。また、運転者により提示情報の種別が選択されていない場合でも、情報種別選択機能は、車両情報取得機能により取得された車両情報と、道路情報取得機能により取得された道路情報とに基づいて、車両の状態および車両周辺の状況に応じて運転者に提示すべき提示情報の種別を選択する。例えば、車両情報取得機能により、車両コントローラ200から半ドア走行警告信号を取得した場合、情報種別選択機能は、半ドア走行警告を提示すべきと判断し、半ドア走行警告を提示すべき提示情報の種別として選択する。このように、情報提示選択機能により、運転者に提示すべき提示情報の種別が選択された場合も、運転者に提示すべき提示情報の種別があると判断され、ステップS102に進む。なお、情報種別選択機能により、提示すべき提示情報の種別はないと判断された場合は、この情報提示処理を終了する。また、運転者に提示すべき提示情報の種別が2以上ある場合は、例えば、予め提示情報の種別ごとに設定した優先度などに基づいて、いずれか一方の種別の提示情報を提示してもよいし、または、2以上の種別の提示情報を同時に提示してもよい。
【0029】
次に、ステップS102では、車両情報取得機能により、車両コントローラ200から車両情報が取得される。
【0030】
ステップS103では、道路情報取得機能により、ナビゲーション装置400から道路情報が取得される。なお、ステップS102および103は並行して行ってもよく、またステップS103を先に行ってもよい。
【0031】
ステップS104では、ステップS102において車両情報が取得されたか、またはステップS103において道路情報が取得されたか判断される。これらの情報が取得された場合はステップS105に進み、一方、これらの情報が取得されていない場合はステップS101に戻る。あるいは、例えば、運転者が渋滞情報の提示を選択した場合に、渋滞情報に関する車両情報・道路情報を取得できない場合、「渋滞はありません。」などの提示情報を提示するために、ステップS105に進む態様としてもよい。
【0032】
ステップS105では、提示態様決定機能により、標準提示時間Tsが提示時間Tdとして設定される。標準提示時間Tsとは、提示情報を運転者に提示するために予め決定される時間であり、提示情報の種別にかかわらず固有の時間としてもよいし、提示情報の種別ごとに決定される所定の時間としてもよいし、または提示情報の情報量に応じて算出される時間としてもよい。
【0033】
次に、ステップS106では、ステップS102で取得された車両情報や、ステップS103で取得された道路情報に基づいて、提示情報が取得され、情報提示装置500により、取得された提示情報の提示が開始される。なお、ステップS106において提示情報の提示を開始した後は、ステップS113で提示情報の提示が終了するまで提示情報は提示されることになる。
【0034】
ステップS107では、運転負荷推定機能により、ステップS102で取得された車両情報に基づいて、運転者の運転負荷が推定される。なお、本実施形態においては、運転負荷推定機能は、運転者の運転負荷を「高」、「中」、「低」の三段階の推定運転負荷レベルに分けて推定する。
【0035】
図3は、運転者の運転負荷の推定方法の一例を説明するための図である。図3に示すように、取得した車速および操舵角の絶対値との関係に基づいて、運転者の推定運転負荷レベルが推定される。具体的には、制御装置10は、図3の上図に示すような車速および操舵角の絶対値と、運転者の運転負荷との関係を格納したテーブルをROM12に備えている。ここで、図3の上図に示すように、車速および操舵角の絶対値と、推定される運転者の運転負荷とは以下の関係を有する。すなわち、車両の速度が速くなるほど、運転者の運転負荷は高くなると想定されるため、運転者の推定運転負荷レベルは高く推定される。また、操舵角の絶対値が大きくなるほど、運転者にかかる運転負荷は高くなると想定されるため、運転者の推定運転負荷レベルは高く推定される。さらに、車速と操舵角の絶対値が共に大きくなる場合も、どちらか一方のみが大きい場合と比べて、運転者にかかる運転負荷は高くなると想定されるため、推定運転負荷レベルは高く推定される。運転負荷推定機能は、このテーブルを参照して、取得した車速および操舵角の絶対値が、図3の上図のいずれの運転者の推定運転負荷レベルに該当するか判断することにより、運転者の推定運転負荷レベルを推定する。
【0036】
また、車両コントローラ200から方向指示器点灯信号を取得している場合は、車両は車線変更するものと予測されるため、運転者の運転負荷は高くなるものと想定される。そのため、図3の下図に示すように、運転者の推定運転負荷レベルを隔てる基準値(各推定運転負荷レベルの境界となる値)を通常時よりも低車速、小操舵角側に変更して、運転者の推定運転負荷レベルを推定してもよい。また、車両情報取得機能により取得されたワイパーの作動速度がHi(高速度)の場合は、雨天により視界や路面状況が悪化していると予測されるため、同様に、運転者の運転負荷が高くなるものと想定される。よって、この場合も、運転者の推定運転負荷レベルを判定する際の基準値を通常時よりも低車速、小操舵角側に変更して、運転者の推定運転負荷レベルを推定してもよい。さらに、オーディオ装置やエアコンが運転者により操作されている場合も、運転者の運転負荷は高くなると想定されるため、運転者の推定運転負荷レベルを判定する際の基準値を通常時よりも低車速、小操舵角側に変更して、運転者の推定運転負荷レベルを推定してもよい。
【0037】
次に、ステップS108では、情報種別選択機能により選択された種別の提示情報が操作ボタン情報を含むか判断される。図4Aは、提示情報の種別がガソリン残量情報の場合に、ディスプレイ510の画面上に表示される提示情報の一例を示す図であり、図4Bは、提示情報の種別がいわゆるエコ運転(消費燃料の観点から効率の良い運転)アドバイス情報の場合に、ディスプレイ510の画面上に表示される提示情報の一例を示す図である。ここで、操作ボタン情報とは提示情報に含まれる情報であり、ディスプレイ510の画面上に表示される操作ボタンのアイコンとして表示される。そして、ディスプレイ510の画面上に表示された操作ボタンを運転者が操作することで、提示情報に関連した情報が運転者に提示される。例えば、提示情報の種別がガソリン残量情報である場合、図4Aに示すように、ディスプレイ510の画面上には、車両周辺に存在するガソリンスタンドを検索するための操作ボタンが表示されている。そして、画面上に表示されている操作ボタンを運転者が操作することで、ナビゲーション装置400から取得した地図情報と自車両の位置情報とに基づいて、自車両の周辺に存在するガソリンスタンドが検索され、その検索結果がディスプレイ510の画面上に表示される。このように、操作ボタンにより提示される情報を獲得するためには、運転者が操作ボタンを操作する必要があり、操作ボタン情報を含む提示情報を獲得し、また操作ボタン情報を含む提示情報の内容を認識するためには多くの時間が必要とされる。
【0038】
一方、いわゆるエコ運転アドバイス情報は操作ボタン情報を含まない種別の提示情報であり、図4Bに示すように、ディスプレイ510の画面上には操作ボタンのアイコンが表示されない。そのため、運転者がエコ運転アドバイス情報を獲得し、エコ運転アドバイス情報の内容を認識するためには、操作ボタンを操作する必要が全くなく、操作ボタン情報を含む提示情報と比べて、少ない時間で、提示情報を獲得し、提示情報の内容を認識することができる。
【0039】
ステップS108で、提示情報が操作ボタン情報を含まないと判断された場合は、ステップS109に進み、一方、提示情報が操作ボタン情報を含むと判断された場合は、ステップS110に進む。
【0040】
ステップS109では、提示態様決定機能により、ステップS107で推定された運転者の推定運転負荷レベルが「高」であるか判断される。推定された運転者の推定運転負荷レベルが「高」の場合は、ステップS111に進み、一方、推定された運転者の推定運転負荷レベルが「低」または「中」の場合は、ステップS112に進む。
【0041】
また、ステップS108で、運転者に提示する提示情報が操作ボタン情報を含むと判断された場合は、ステップS110に進む。ステップS110では、提示態様決定機能により、ステップS107で推定された運転者の推定運転負荷レベルが「中」または「高」であるか判断される。推定された運転者の推定運転負荷レベルが「中」または「高」である場合は、ステップS111に進み、一方、推定された運転者の推定運転負荷レベルが「低」の場合は、ステップS112に進む。
【0042】
ステップS111では、制御装置10の提示態様決定機能により、運転者に提示情報を提示するための提示時間Tdの長さが下記の式(1)に基づいて延長される。
Td’ = Td + Δt ・・・(1)
ここで、Td’は、延長された後の提示時間Tdを示す。また、延長時間Δtは、運転負荷推定処理の1周期分の周期時間Δtである。ステップS106で提示情報の提示が開始された後は、ステップS113で提示情報の提示が終了するまで、ステップS107の運転者の運転負荷の推定処理が所定の周期時間Δtで繰り返し実行される。周期時間Δtは、この運転負荷推定処理の1周期分の時間である。また、ステップS107の運転負荷推定処理は所定の周期時間Δtで繰り返し実行されるため、運転者の推定運転負荷が所定値以上である間は、このステップ111の提示時間Tdの延長も周期時間Δtで繰り返し実行される。そのため、提示態様決定機能は、提示情報を運転者に提示するための提示時間Tdを周期時間Δtだけ延長することで、運転者の推定運転負荷が所定値以上である時間分だけ提示時間Tdを延長することができる。
【0043】
提示態様決定機能は、運転者の推定運転負荷レベルが所定値以上である場合に提示時間Tdを延長するが、操作ボタン情報を含む提示情報と、操作ボタン情報を含まない提示情報とで、提示時間Tdが延長される推定運転負荷レベルが異なる。すなわち、提示情報が操作ボタン情報を含まない場合は、推定運転負荷レベルが「高」の場合に提示時間Tdの長さが延長される。一方、提示情報が操作ボタン情報を含む場合は、推定運転負荷レベルが「中」または「高」の場合に提示時間Tdの長さが延長される。このように、提示時間の長さを延長する推定運転負荷レベルを、提示情報の内容に応じて変更するのは、以下の理由による。すなわち、例えば、図4Aに示すガソリン残量情報では、上述したように、車両周辺に存在するガソリンスタンドの情報を獲得するためには、ディスプレイ510の画面情報に表示されたガソリンスタンド検索ボタンを操作する必要があり、車両周囲のガソリンスタンド情報を含むガソリン残量情報を獲得し、認識するためは、操作ボタン情報を含まない図4Bに示すエコ運転アドバイス情報と比べて、多くの時間が必要とされる。そこで、提示情報が操作ボタン情報を含む場合は、運転者の推定運転負荷レベルが「高」の場合に加えて、運転者の推定運転負荷レベルが「中」の場合にも提示情報の提示時間Tdの長さを延長することで、運転者が操作ボタン情報を含む提示情報を獲得し、また操作ボタン情報を含む提示情報の内容を認識するために必要となる提示時間Tdを十分に確保することができる。その結果、操作ボタン情報を含む提示情報のように運転者が獲得し、認識するために多くの時間が必要とされる提示情報であっても、運転者に提示情報を獲得させ、また提示情報の内容を適切に認識させることができる。
【0044】
また、提示時間Tdを延長する延長時間は周期時間Δtに限らず、適宜変更してよい。例えば、提示情報が操作ボタン情報を含む場合に、推定した運転者の推定運転負荷レベルが「高」である場合は、下記式(2)に基づいて、提示時間Tdを延長してもよい。
Td’ = Td + Δt × KT ・・・(2)
ここで、KTは所定の係数である。運転者の運転負荷が高いほど、運転者は提示情報を認識することが困難になると想定される。そのため、例えば、操作ボタン情報を含む提示情報において、推定運転負荷レベルが「高」である場合は、推定運転負荷レベルが「中」である場合と比べて、提示時間Tdを延長する時間を周期時間Δtよりも大きい時間とすることで、運転者の運転負荷に応じた提示時間Tdの延長を行うことができる。このように、運転負荷に応じて、または提示情報の内容に応じて、延長時間を変更することで、運転者が提示情報を獲得し、また提示情報の内容を認識するために必要な時間を適切に確保することができる。
【0045】
ステップS109で運転者の運転負荷が「低」または「中」と推定された場合、ステップS110で運転者の運転負荷が「低」と推定された場合、またはステップS111で提示時間Tdが延長された場合は、ステップS112に進む。ステップS112では、提示情報の提示を開始してから提示時間Tdを経過したか判断される。提示時間Tdを経過したと判断された場合は、ステップS113に進み、提示情報の提示を終了する。一方、提示時間がまだ経過していないと判断された場合は、ステップS107に戻り、再度、運転者の運転負荷が推定される。このように、提示時間Tdが経過するまでは、提示情報は継続して提示されることになる。なお、ステップS113で提示情報の提示を終了することで、この情報提示処理が終了する。
【0046】
ここで、図5は、提示情報が操作ボタン情報を含まない場合における提示時間Tdの延長方法を説明するための図である。例えば、提示情報の種別がいわゆるエコ運転アドバイス情報の場合は、操作ボタンにより提示される情報を含まないため、操作ボタン情報を含む提示情報と比べて、運転者はエコ運転アドバイス情報の内容を短い時間で認識することができると想定される。また、提示情報の種別がいわゆるエコ運転アドバイス情報の場合、運転者は提示情報を獲得し、または提示情報の内容を認識するために操作ボタンを操作する必要がないため、運転者の推定運転負荷レベルが「中」であっても、運転者はエコ運転アドバイス情報の内容を認識することができると想定される。そのため、提示情報の種別がいわゆるエコ運転アドバイス情報の場合には、ステップS109で推定された運転者の推定運転負荷レベルが「高」である場合に限り、ステップS110において周期時間Δtずつ提示時間Tdが延長される。その結果、予め標準提示時間Tsに設定された提示時間Tdは、図5に示すように、エコ運転アドバイス情報を提示するために予め決定された標準提示時間Tsと、運転者の推定運転負荷レベルが「高」となった時間Thとの合計時間に延長されることになる。
【0047】
また、図6は、提示情報が操作ボタン情報を含む場合における提示時間Tdの延長方法を説明するための図である。例えば、提示情報の種別がガソリン残量情報の場合、運転者がガソリン残量情報に含まれる車両周辺に存在するガソリンスタンドの情報を獲得し、認識するためには、運転者はディスプレイ510の画面上に表示される操作ボタンを操作してガソリンスタンドの検索を実行する必要がある。そのため、エコ運転アドバイス情報のように操作ボタン情報を含まない提示情報と比べて、ガソリン残量情報を獲得し、ガソリン残量情報の内容を認識するためには多くの時間が必要となる。また、ガソリン残量情報の場合、運転者は提示情報を獲得し、または提示情報の内容を認識するために操作ボタンを操作する必要があるため、運転者の推定運転負荷レベルが「中」であっても、運転者はエコ運転アドバイス情報の内容を認識することが困難であると想定される。そこで、提示情報がガソリン残量情報のように操作ボタン情報を含む場合には、推定した運転者の推定運転負荷レベルが「高」である場合に加えて、推定した運転者の推定運転負荷レベルが「中」である場合にも、ステップS110において周期時間Δtずつ提示時間Tdが延長される。その結果、図6に示すように、標準提示時間Tsが予め設定された提示時間Tdは、ガソリン残量情報を提示するために予め決定された標準提示時間Tsと、運転者の推定運転負荷レベルが「高」または「中」となった時間Tmとの合計時間に延長される。
【0048】
以上のように、第1実施形態では、提示情報が提示されている際に、運転者の運転負荷が所定値以上となった場合、提示時間Tdとして予め設定された標準提示時間Tsに、運転負荷が所定値以上となった時間を追加することで、提示時間Tdを延長する。これにより、運転者の運転負荷が、例えば、車線変更などにより突発的に高くなることにより、提示時間Tdとして予め設定された標準提示時間Ts内に、運転者が提示情報を獲得し、および提示情報の内容を認識することができない場面においても、提示時間Tdを延長することで、運転者が提示情報を獲得し、提示情報の内容を認識するために必要な時間を確保することができる。その結果、運転者に提示情報を獲得させ、また提示情報の内容を適切に認識させることができる。特に、第1実施形態では、運転者の運転負荷が、提示情報を獲得し、また提示情報の内容を適切に認識できないと想定される運転負荷となった時間に応じて、提示時間Tdが延長される。そのため、延長された提示時間Tdは、運転者が提示情報を獲得し、また提示情報の内容を認識するために必要とされる時間として適切に設定されることになる。
【0049】
加えて、第1実施形態では、提示情報の内容に応じて、提示時間を延長するための推定運転負荷レベルが変更される。例えば、提示情報が操作ボタン情報を含まない場合には、運転者の推定運転負荷レベルが「高」となった時間Thに応じて提示情報Tdが延長される。それに対して、提示情報が操作ボタン情報を含む場合には、運転者の推定運転負荷レベルが「高」となった時間に加え、運転者の推定運転負荷レベルが「中」となった時間Tmに応じて提示情報の提示時間Tdが延長される。このように、情報を獲得するために操作が必要となる提示情報や、情報量の多い提示情報は、運転者が情報を獲得し、認識するために多くの時間が必要になると想定される。また、これら運転者が情報を獲得し、認識するために多くの時間が必要になる提示情報は、運転者の推定運転負荷レベルが「中」であっても、これらの提示情報を獲得し、またこれらの提示情報の内容を認識することが困難であると想定される。そのため、これら運転者が情報を獲得し、認識するために多くの時間が必要になる提示情報では、運転者が提示情報を獲得、認識することが容易な提示情報と比べて、提示情報の提示時間Tdを延長するための推定運転負荷レベルが低いレベルに設定される。これにより、例えば、操作ボタン情報を含む提示情報など運転者が提示情報を獲得、認識するために多くの時間を必要とされる提示情報であっても、運転者が提示情報を獲得、認識するために必要な時間を適切に確保することができ、その結果、運転者にこれら提示情報を適切に獲得させ、またこれら提示情報の内容を適切に認識させることができる。
【0050】
≪第2実施形態≫
続いて、第2実施形態に係る情報提示処理を、図7に示すフローチャートに従って説明する。図7は、第2実施形態に係る情報提示処理を示すフローチャートである。第2実施形態では、第1実施形態と同様に、図1に示す構成を備える車両において、以下に説明するとおり、操作ボタン情報を含む提示情報を提示する際に、運転者の予測運転負荷レベルが「中」または「高」となると予測される場合に、提示情報を提示するタイミングを遅延すること(ステップS206〜208)以外は第1実施形態と同様である。なお、この情報提示処理も、第1実施形態と同様に、制御装置10により、一定時間間隔で実行される。
【0051】
ステップS201〜ステップS204は、第1実施形態のステップS101〜104と同様に行われる。すなわち、情報種別選択機能により、運転者に提示すべき提示情報があるか否かが判断され(ステップS201)、提示すべき提示情報がない場合は、この情報提示処理を終了する。一方、運転者に提示すべき提示情報がある場合は、車両情報取得機能により車両コントローラ200から車両情報が取得され(ステップS202)、続いて、道路情報取得機能によりナビゲーション装置400から道路情報が取得される(ステップS203)。次に、車両情報・道路情報が取得されたか判断され(ステップS204)、車両情報・道路情報が取得されない場合はステップ201に戻り、一方、車両情報・道路情報が取得された場合はステップS205に進む。
【0052】
ステップS205では、運転負荷予測機能により、道路情報を用いて、車両が走行する経路のうち自車両の位置から所定の地点までの経路上における運転者の運転負荷が予測される。
【0053】
図8は、運転者の運転負荷の予測方法の一例を説明するための図である。本実施形態において、運転負荷予測機能は、運転者の運転負荷が高くなると予測される交差点、合流点、分岐点、または環状交差点などの道路形状の位置から自車両の位置までの距離と、運転負荷の予測基準となる基準距離Lとを比較し、運転者の運転負荷を予測する。具体的には、運転者の運転負荷が高くなると予測されるこれら道路形状の位置から自車両の位置までの距離が基準距離L以内である場合、運転負荷予測機能は、後述するように道路形状の種別に応じて、運転者の予測運転負荷レベルを「高」または「中」と予測する。一方、運転負荷が高くなると予測される道路形状の位置から自車両の位置までの距離が基準距離Lよりも大きい場合は、運転負荷予測機能は、運転者の予測運転負荷レベルは「低」と予測する。図8に示す場面例では、運転負荷予測機能は、ナビゲーション装置400から、車両が走行すると予測される経路上にある交差点の位置情報と、自車両の位置情報とを取得し、交差点の位置から自車両の位置までの距離が基準距離L以内であるかを判断する。図8に示すように、交差点の位置から自車両の位置までの距離が基準距離Lより小さいため、運転負荷予測機能は、運転者の予測運転負荷レベルは「高」または「中」と予測することになる。
【0054】
ここで、運転者の予測運転負荷が高くなると予測される道路形状の位置から自車両の位置までの距離が基準距離L以内の場合における、道路形状の種別ごとに予測される運転者の予測運転負荷レベルの一例を下記の表に示す。
【表1】

表1に示すように、例えば、道路形状の種別が合流点または環状交差点の場合、運転者はこれら地点において他の車両などに注意を払う必要があるため、これら地点における運転者の運転負荷は高くなると想定される。そのため、道路形状の種別が合流点または環状交差点の場合、運転者の予測運転負荷レベルは「高」と予測される。一方、道路形状の種別が分岐点の場合、道路形状の種別が合流点または環状交差点の場合と比べ、運転者の運転負荷は低くなると想定されるため、運転者の予測運転負荷レベルは「中」と予測される。また、道路形状の種別が交差点の場合には、さらにナビゲーション装置400による経路誘導があるか否かが判断され、経路誘導がない場合、または右左折の経路誘導がある場合には、運転者の運転負荷は高くなると想定されるため、運転者の予測運転負荷レベルは「高」と予測される。一方、道路形状の種別が交差点の場合に、直進の経路誘導がある場合は、運転者の予測運転負荷レベルは「中」と予測される。図8に示す例では、経路上の道路形状の種別が交差点であり、またナビゲーション装置400から経路誘導情報を取得していないため、運転者の予測運転負荷レベルは「高」と予測される。
【0055】
なお、基準距離Lは、任意に設定した距離としてもよいが、車速に応じた距離となるように、下記の式に基づいて算出してもよい。
L[m] = K × V[km/h]
ここで、Kは適宜設定される定数であり、Vは車速を示す。車両の速度が速いほど運転者の運転負荷は高くなるものと想定されるため、このように、車両の速度が速くなるほど、予測運転負荷レベルの判断基準となる基準距離Lを大きな値として算出することで、運転者の運転負荷を適切に予測することができる。
【0056】
加えて、運転負荷予測機能は、ナビゲーション装置400の通信装置420を介して、テレマティクスデータベースから、車両が走行すると予測される経路上の気象情報を取得し、取得した気象情報に基づいて運転者の運転負荷を予測してもよい。
【0057】
ステップS206では、提示態様決定機能により、提示情報が操作ボタン情報を含むか判断される。例えば、図4Aのガソリン残量情報のように、提示情報が操作ボタン情報を含む場合には、ステップS207に進み、一方、図4Bに示すエコ運転アドバイス情報のように、提示情報が操作ボタン情報を含まない場合は、ステップS209に進む。
【0058】
次に、ステップS207では、提示態様決定機能により、ステップS205で予測した運転者の予測運転負荷レベルが「中」または「高」であるか判断される。すなわち、ステップS207では、車両が走行する経路において、運転者の運転負荷が高くなると予測される場面が接近しているか判断される。運転者の予測運転負荷レベルが「中」または「高」と判断された場合は、運転者の運転負荷が高くなる場面が接近していると判断され、ステップS208に進む。一方、推定した運転者の予測運転負荷レベルが「低」と判断された場合は、運転者の運転負荷が高くなる場面は接近していないと判断され、ステップS209に進む。
【0059】
次に、ステップS208では、提示情報の提示を開始することなく、所定時間経過後にステップS205に戻ることで、提示情報の提示を開始するタイミングを遅延させる。
【0060】
ここで、図9は、提示情報の提示開始タイミングの遅延方法を説明するための図である。図9に示す場面例においては、提示態様決定機能により、予め提示情報を時刻Tから提示するように提示開始タイミングが決定されている。しかし、時刻Tにおいて運転者の予測運転負荷レベルを予測したところ、運転負荷の予測範囲である時刻Tから時刻Tまでに運転者の予測運転負荷レベルが「中」になる場面が予測される。そこで、提示態様決定機能は、予定していた提示開示時刻Tから提示情報を提示するのではなく、運転者の予測運転負荷レベルが「中」または「高」となる場面が予測されない時点から提示情報を提示できるように提示情報の提示開始タイミングを遅延する。例えば、時刻Tでの運転負荷の予測の後、時刻Tにおいて運転者の予測運転負荷レベルを予測すると、運転負荷の予測範囲である時刻Tから時刻Tまでにおいて運転負荷レベルが「中」または「高」となる場面が予測される。ここで、時刻Tにおいて予測された予測運転負荷レベルは「中」または「高」のため、提示情報の提示は開始されず、運転負荷の予測処理が続けられる。そして、時刻Tでの運転負荷の予測の後、時刻Tにおいて運転者の予測運転負荷レベルを予測すると、運転負荷の予測範囲である時刻Tから時刻Tまでにおいて運転者の予測運転負荷レベルが「中」または「高」となる場面が予測されない。そのため、提示態様決定機能は、提示開始タイミングを時刻Tに決定する。そして、情報提示装置500は、時刻Tから標準提示時間Tsだけ、すなわち時刻Tから時刻Tまでの間、提示情報の提示を行う。このように、図9に示す例では、提示情報の提示が予定された時刻Tの直後に運転者の推定運転負荷レベルが「中」または「高」になる場面が予測されたため、提示情報の提示を開始するタイミングを、提示開始予定時刻Tから、予測運転負荷レベルが「低」となる時刻Tまで遅延する。
【0061】
車両が走行する経路上において運転者の運転負荷が高くなる場面が接近していると判断された場合、提示情報を予め決定した提示開始タイミングで提示してしまうと、運転者が、運転負荷が低下してから提示情報を獲得し、また提示情報の内容を認識する場合に、運転者が提示情報を獲得し、また提示情報の内容を認識するために十分な時間を確保することができない場合がある。しかし、操作ボタン情報を含む提示情報を提示する際に、運転者の運転負荷が高くなる場面が接近していることが予測される場合は、提示情報の提示を開始するタイミングを運転者の運転負荷が低くなるまで遅延することで、運転者の運転負荷が低くなってから提示情報を提示時間Td、提示することができる。これにより、操作ボタン情報を含む提示情報のように運転者が提示情報を獲得し、また提示情報の内容を認識するために多くの時間が必要となる提示情報であっても、運転者の運転負荷が低くなってから提示情報を提示することで、運転者に提示情報を獲得させ、また提示情報の内容を適切に認識させることができる。
【0062】
図7のフローチャートに戻って、ステップS209以降の処理について説明する。ステップS209〜217では、第1実施形態のステップS105〜ステップS113と同様の処理が行われる。すなわち、ステップS209では、標準提示時間Tsが提示時間Tdとして設定される。次に、ステップS210では、情報提示装置500により提示情報の提示が開始される。そして、ステップS211では、図3に示すように、車両情報に基づいて運転負荷が推定される。続くステップS212では、提示情報が操作ボタン情報を含むか判断され、操作ボタン情報を含まない場合はステップS213に進み、一方、操作ボタン情報を含む場合はステップS214に進む。ステップS213では、ステップS211で推定した運転者の推定運転負荷レベルが「高」であるか判断され、推定運転負荷レベルが「高」の場合はステップS215に進み、提示時間Tdが周期時間Δtだけ延長される。一方、ステップS213で、推定運転負荷レベルが「中」または「低」と判断された場合はステップS216に進む。また、ステップS214では、ステップS211で推定した運転者の推定運転負荷レベルが「中」または「高」であるか判断され、推定運転負荷レベルが「中」または「高」である場合はステップS215に進み、提示時間Tdが周期時間Δtだけ延長される。一方、ステップS214で、推定運転負荷レベルが「低」と判断された場合はステップS216に進む。ステップS216では、提示情報を提示してから提示時間Tdが経過したか判断され、提示時間Tdを経過していない場合はステップS211に戻り、一方、提示時間Tdが経過した場合はステップS217に進む。ステップS217では、提示情報の提示を終了し、この提示情報処理も終了することになる。
【0063】
本来の提示情報の提示を開始する開始タイミングの直後に合流点、分岐点、交差点、または環状交差点などの運転者の運転負荷が高くなる場面が接近していると予測される場合には、操作ボタン情報を含む提示情報を、運転者が予め設定された提示時間Td内に獲得し、認識することは困難になると想定される。そこで、第2実施形態においては、操作ボタン情報を含む提示情報の提示を開始する開示タイミングの直後に、運転者の予測運転負荷が高くなる場面が接近していると予測される場合、提示情報の提示を開始する開始タイミングを、運転者の運転負荷が低くなる時点まで遅延させる。これにより、操作ボタン情報を含まない提示情報については、運転者は提示情報を早く取得することができ、一方、操作ボタン情報を含む提示情報については、運転者の運転負荷が高い場面を通過し、運転者の運転負荷が低くなった後で、運転者に提示情報を提示することで、運転者に提示情報を獲得させ、また提示情報の内容を適切に認識させることができる。
【0064】
なお、例えば、提示情報が次の交差点のすぐ先の渋滞箇所に関する渋滞情報の場合、次の交差点における運転者の運転負荷が所定値以上であるため、提示情報の提示を開始する開始タイミングを次の交差点を通過した後まで延長してしまうと、運転者は次の交差点のすぐ先の渋滞箇所に関する情報を、次の交差点を経過した後に取得することになり、この提示情報の提示価値が失われてしまう。このように、運転者の運転負荷が高い場面を過ぎるまでに提示する必要がある提示情報の場合は、運転者の運転負荷によらず提示情報の提示を開始することが好適である。
【0065】
≪第3実施形態≫
続いて、第3実施形態に係る情報提示処理を図10のフローチャートに沿って説明する。図10は、第3実施形態に係る提示情報処理のフローチャートである。第3実施形態では、第1実施形態と同様に、図1に示す構成を備える車両において、以下に説明するとおり、運転者の運転負荷が所定値以上である状態が所定時間Swl以上となった場合に、提示履歴リストにこの提示情報を追加するとともに、提示情報の提示を終了すること(ステップS312,313)以外は第1実施形態と同様である。なお、この情報提示処理も、第1実施形態と同様に、制御装置10により、一定時間間隔で実行される。
【0066】
ステップS301〜ステップS311は、第1実施形態のステップS101〜111と同様の処理が行われる。すなわち、情報種別選択機能により、運転者に提示すべき提示情報があるか否か判断され(ステップS301)、運転者に提示すべき提示情報がない場合は、この情報提示処理を終了する。一方、運転者に提示すべき提示情報がある場合は、車両情報取得機能により車両コントローラ200から車両情報が取得され(ステップS302)、道路情報取得機能によりナビゲーション装置400から道路情報が取得される(ステップS303)。そして、車両情報・道路情報が取得されたか判断され(ステップS304)、車両情報・道路情報が取得されない場合はステップ301に戻り、一方、車両情報・道路情報が取得された場合は、運転者に提示情報を提示するため予め決定された標準提示時間Tsが提示時間Tdとして設定され(ステップS305)、提示情報の提示が開始される(ステップS306)。
【0067】
続いて、運転負荷推定機能により、取得された道路情報および車両情報に基づいて、運転者の運転負荷が推定される(ステップS307)。なお、運転者の運転負荷は、図4に示すように、車両情報に基づいて推定すればよい。その後、提示態様決定機能により、提示情報が操作ボタン情報を含むか判断され(ステップS308)、提示情報が操作ボタン情報を含まない場合は、推定した運転者の推定運転負荷レベルが「高」であるか判断され(ステップS309)、一方、提示情報が操作ボタン情報を含む場合は推定した運転者の推定運転負荷レベルが「中」または「高」であるか判断される(ステップS310)。操作ボタン情報を含まない提示情報において推定した運転者の推定運転負荷レベルが「高」である場合、または、操作ボタン情報を含む提示情報において推定した運転者の推定運転負荷レベルが「中」または「高」である場合は、提示時間Tdが延長される(ステップS311)。
【0068】
なお、ステップS311においては、提示時間Tdが延長されるとともに、操作ボタン情報を含まない提示情報において運転者の推定運転負荷レベルが「高」である時間Th、または操作ボタン情報を含む提示情報において運転者の推定運転負荷レベルが「中」または「高」である時間Tmが、制御装置10のタイマ14によりカウントされる。
【0069】
次に、ステップS312では、提示態様決定機能により、操作ボタン情報を含まない提示情報において運転者の推定運転負荷レベルが「高」である時間Th、または操作ボタン情報を含む提示情報において運転者の推定運転負荷レベルが「中」または「高」である時間Tmが、所定時間Swl以上であるか判断される。時間ThまたはTmが所定時間Swl以上の場合は、ステップS313に進み、一方、時間ThまたはTmが所定時間Swl未満の場合はステップS314に進む。
【0070】
ステップS313では、制御装置10の記憶機能により、現在提示している提示情報が、この提示情報を提示した時刻およびこの提示情報を提示した位置情報とともに、制御装置10のRAM13の提示履歴リストに追加される。
【0071】
ここで、図11は、ディスプレイ510の画面上に表示される提示履歴リストの一例を示す図である。上述したように、運転者の推定運転負荷が所定値以上の状態である時間が所定時間Swl以上となった場合は、現在提示している提示情報が、この提示情報の提示を開始した時刻および提示情報の提示を開始した地図上の位置情報とともに、制御装置10のRAM13に備える提示履歴リストに追加される。これにより、運転者の操作などにより、図11に示すように、ディスプレイ510の画面上において、提示情報の種別名と、提示情報の提示を開始した時刻が表示され、また運転者がディスプレイ510の画面上の提示情報を選択することで、提示情報の提示を開始した地図上の位置が表示される。これにより、運転者は、運転者の運転負荷が低下した後で、例えば、運転者の運転負荷が高いときに確認できなかった提示情報を確認することができる。
【0072】
また、記憶機能は、提示履歴リストに追加した提示情報が運転者にとって有用な情報であるかを判断し、提示履歴リストに追加した提示情報が運転者にとって有用な情報ではないと判断した場合には、提示履歴リストに追加した提示情報に、この提示情報に対応する現在の車両の車両状態または道路状況を付加する。なお、提示履歴リストに追加された提示情報が有用な情報であるか否かの判断基準は、適宜設定され、例えば、車両が提示情報の対象となる場所を通過し、提示情報の対象となる時間が経過し、または提示情報の内容に対して運転者が所定の対処したことなどにより、提示履歴リストに追加された提示情報が示す車両状態や道路状況と、現在の車両状態や道路状況とが異なる場合に、提示履歴リストに追加された提示情報は有用な情報ではないと判断される。
【0073】
例えば、「ガソリン残量低下」との提示情報が提示履歴リストに追加された場合、図11の上図に示すように、ディスプレイ510の画面上に「ガソリン残量低下」との提示情報が表示される。その後、この「ガソリン残量低下」との提示情報に対して、運転者がガソリンを給油した場合、記憶機能は、提示情報が示す「ガソリン残量低下」との車両状態と、現在のガソリン残量の状態とは異なるものであり、運転者にとって有用な情報ではないと判断する。そこで、記憶機能は、提示履歴リストに記憶された提示情報「ガソリン残量低下」に現在の車両のガソリン残量の状態を示す「給油済」との情報を付加する。これにより、運転者は、図11の下図に示すように、ディスプレイ510の画面上において、提示履歴リストの提示情報「ガソリン残量低下」について「給油済」との情報を確認することができ、運転者は提示情報「ガソリン残量低下」が示すガソリン残量低下という状態が解消されたことを把握できる。
【0074】
また、他の例として、車両のウィンドウに噴射して使用するウォッシャー液の液量が低下したことを示す「ウォッシャー液残量低下」との提示情報が提示履歴リストに追加された場合、図11の上図に示すように、ディスプレイ510の画面上には「ウォッシャー液残量低下」との提示情報が表示される。その後、運転者がウォッシャー液を補充した場合、記憶機能は、提示情報が示す「ウォッシャー液残量低下」との状態は、現在のウォッシャー液残量の状態とは異なるものであり、運転者にとって有用な情報ではないと判断する。そこで、記憶機能は、提示履歴リストに記憶された提示情報「ウォッシャー液残量低下」に対してウォッシャー液が補充されたことを示す「補充済」との情報を付加する。これにより、運転者は、図11の下図に示すように、ディスプレイ510の画面上において、提示情報「ウォッシャー液残量低下」について「補充済」との情報を確認することができ、運転者は提示情報「ウォッシャー液残量低下」が示すウォッシャー液残量の低下という状態が解消されたことを把握できる。
【0075】
さらに他の例として、図11には図示してないが、車両周辺の道路で工事が行われていることを示す「工事開始」との提示情報が提示履歴リストに追加されると、運転者は、提示履歴リストの「工事開始」との提示情報を確認することで、工事が開始された時刻および工事が開始された場所を確認することができる。また、記憶機能は、この工事が終了した場合には、情報の対象となる時間を経過しており、この「工事開始」との提示情報は運転者にとって有用な情報ではないと判断する。そして、記憶機能は、この「工事開始」との提示情報に現在の工事状況を示す「工事終了」との情報を付加する。これにより、運転者は、提示履歴リストの「工事開始」との提示情報が示す工事が終了したことを把握することができる。
【0076】
また他の例として、車両が走行する経路上における渋滞情報を示す「この先渋滞」との提示情報が提示履歴リストに追加されると、運転者は、提示履歴リストの「この先渋滞」との提示情報を確認することで、渋滞が発生した時刻および渋滞が発生した箇所を確認することができる。また、この渋滞情報が示す渋滞箇所を車両が通過した場合、またはこの渋滞情報が示す渋滞箇所から車両が離れた場合に、記憶機能は、情報の対象となる場所を通過しており、この「この先渋滞」との提示情報は運転者にとって有用な情報ではないと判断する。そして、記憶機能は、「この先渋滞」との提示情報に現在の状況を示す「通過済」などの情報を付加する。これにより、運転者は、提示履歴リストの「この先渋滞」との提示情報が示す渋滞が解消したことを把握することができる。
【0077】
なお、記憶機能は、提示履歴リストに追加した提示情報が運転者にとって有用な情報ではないと判断した場合には、提示履歴リストに追加した提示情報を、提示履歴リストから削除してもよい。例えば、提示履歴リストに「ガソリン残量低下」との提示情報が追加された後に、運転者によりガソリンが給油された場合、提示履歴リストに追加した「ガソリン残量低下」との提示情報に「給油済」との情報を追加するのではなく、提示履歴リストから「ガソリン残量低下」との提示情報を削除してもよい。これにより、運転者は、提示履歴リストを参照することで、運転者にとって有用な情報のみを容易に把握することができる。
【0078】
ステップS313において提示履歴リストに提示情報を追加した後は、ステップS315に進み、提示情報の提示を終了する。すなわち、ステップS313において提示履歴リストに提示情報を追加した後は、提示時間Tdを経過する前であっても、提示情報の提示が終了される。
【0079】
また、操作ボタン情報を含まない提示情報において推定した運転者の運転負荷が「高」ではない場合、または操作ボタン情報を含む提示情報において推定した運転者の運転負荷が「中」または「高」ではない場合、さらに時間ThまたはTmが所定の時間Swl未満の場合はステップS314に進む。ステップS314では、提示情報を提示してから提示時間Tdを経過したか判断され、提示情報を提示してから提示時間Tdを経過していない場合は、ステップS307に戻り、一方、提示情報を提示してから提示時間Tdを経過した場合は、ステップS315に進み、提示情報の提示を終了して、この情報提示処理を終了する。
【0080】
提示情報を提示している際に、運転者の運転負荷が所定値よりも高い状態である時間が所定時間Swl以上となった場合には、提示情報をこのまま続けて提示しても、運転者が提示情報を獲得し、また提示情報の内容を認識することは困難であると想定される。そこで、第3実施形態では、提示情報を提示している際に、運転者の運転負荷が所定値よりも高い状態である時間が所定時間Swl以上となった場合には、提示されている提示情報を提示履歴リストに追加するとともに、提示されている提示情報の提示を終了する。これにより、運転者の運転負荷が高いため運転者が提示情報を獲得し、また提示情報の内容を認識することができない場合でも、運転者は提示履歴リストに追加された提示情報を、運転者の運転負荷が低くなってから確実に確認することができる。
【0081】
また、第3実施形態では、車両が提示情報の対象となる場所を通過し、提示情報の対象となる時間が経過し、または提示情報の内容に対して運転者が所定の対処したことなどにより、提示情報が提示する車両状態や道路状況と、現在の車両状態や道路状態とが異なる場合は、提示履歴リストに追加した提示情報が運転者にとって有用な情報ではないと判断し、提示履歴リストに追加した提示情報に、この提示情報に対応する現在の車両の車両状態または道路状況の情報を付加する。これにより、運転者は提示履歴リストに表示される提示情報が運転者にとって有用な情報であるか、あるいは不要な情報であるかを容易に把握できる。また、提示履歴リストに追加した提示情報が運転者にとって有用な情報ではないと判断した場合に、提示履歴リストに追加した提示情報を提示履歴リストから削除してもよい。この場合、運転者は、提示履歴リストを参照することで、運転者にとって有用な情報のみを把握することができる。
【0082】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0083】
すなわち、本発明は、上述した実施形態に限られず、また、上述した第1〜3実施形態を組合せて実施しても良い。
【0084】
また、本実施形態においては、運転者の運転負荷を「高」、「中」、「低」の三段階のレベルに分けて推定したが、例えば、「高」、「低」の二段階のレベルに分けて推定してもよいし、または「高」、「中」、「低」の三段階よりも多くのレベルに分けて推定してもよい。
【0085】
さらに、運転者の運転負荷を推定する際に、運転者の運転負荷を、車両情報などに基づいて数値として算出することで、運転者の運転負荷を推定してもよい。
【0086】
また、上述した実施形態では、図4に示すように車両情報を用いて運転者の運転負荷を推定しているが、運転者の運転負荷の推定方法はこれに限られず、例えば、図8に示すように道路情報を用いて運転者の運転負荷を推定してもよい。また、第2実施形態では、図8に示すように道路情報を用いて運転者の運転負荷を予測しているが、運転者の運転負荷の予測方法はこれに限られず、例えば、図4を示すように車両情報を用いて運転者の運転負荷を予測してもよいし、方向指示器点灯信号を取得することで車両が右左折または車線変更するものと想定して運転負荷が高くなると予測してもよい。
【0087】
なお、上述した実施形態の運転負荷推定機能は本発明の推定手段に、運転負荷予測機能は本発明の予測手段に、提示態様設定機能は本発明の提示態様設定手段に、記憶機能は本発明の記憶手段に、情報提示装置500は本発明の提示手段にそれぞれ相当する。
【符号の説明】
【0088】
100…情報提示ユニット
10…制御装置
200…車両コントローラ
300…各種センサ
301…車速センサ
302…操舵角センサ
400…ナビゲーション装置
500…情報提示装置
510…ディスプレイ
520…スピーカ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の車両状態及び/又は道路状況に基づいて、運転者の運転負荷を推定する推定手段と、
前記推定した運転者の推定運転負荷に基づいて、運転者に提示する提示情報の提示時間の長さ、および運転者に提示する提示情報の提示時間の開始タイミングを含む前記提示情報の提示態様を決定する提示態様決定手段と、
前記提示態様決定手段により決定された提示態様で、前記提示情報を運転者に対して提示する提示手段と、を備える情報提示装置であって、
前記提示態様決定手段は、前記提示情報を提示している際に、前記推定した運転者の推定運転負荷が所定値以上となった場合に、前記提示時間の長さを延長するように前記提示情報の提示態様を変更することを特徴とする情報提示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提示装置であって、
前記提示態様決定手段は、前記提示情報を提示している際に、前記運転者の推定運転負荷が所定値以上となった時間に応じて、前記提示時間の長さを延長するように前記提示情報の提示態様を変更することを特徴とする情報提示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報提示装置であって、
自車両の車両状態及び/又は道路状況に基づいて、車両が走行する経路上のうち所定地点までの経路における運転者の運転負荷を予測する予測手段をさらに有し、
前記提示態様決定手段は、前記提示情報を提示する際に、前記予測手段により予測された前記運転者の予測運転負荷が所定値以上になると判断した場合、提示時間の開始タイミングを遅延するように前記提示情報の提示態様を変更することを特徴とする情報提示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報提示装置であって、
前記提示時間の開始タイミングを遅延した際において、前記提示態様決定手段により前記運転者の予測運転負荷が所定値以上にならないと判断された場合に、前記提示手段は、前記提示情報の運転者への提示を開始することを特徴とする情報提示装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の情報提示装置であって、
前記提示態様決定手段は、前記提示情報の内容に応じて、前記所定値の大きさを変更することを特徴とする情報提示装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の情報提示装置であって、
運転者に提示した前記提示情報を記憶する記憶手段をさらに有し、
前記提示情報を提示している際に、前記運転者の推定運転負荷が所定値以上である状態が所定時間以上となった場合に、
前記記憶手段は前記提示情報を記憶し、
前記提示手段は前記提示情報の提示を終了することを特徴とする情報提示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報提示装置であって、
前記提示手段は、運転者の操作に基づいて、前記記憶手段により記憶された提示情報を提示することを特徴とする情報提示装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の情報提示装置であって、
前記記憶手段は、前記自車両の車両状態または前記道路状況に応じて、前記記憶された提示情報に、前記記憶された提示情報に対応する現在の車両状態または道路状況の情報を付加することを特徴とする情報提示装置。
【請求項9】
請求項6または7に記載の情報提示装置であって、
前記記憶手段は、前記自車両の車両状態または前記道路状況に基づいて、前記記憶された提示情報が運転者に有用な情報であるかを判断し、前記記憶された提示情報が運転者に有用な情報ではないと判断した場合に、前記記憶された提示情報を消去することを特徴とする情報提示装置。
【請求項10】
自車両の車両状態及び/又は道路状況に基づいて運転者の運転負荷を推定し、運転者に提示する提示情報を運転者に提示している際に、前記推定した運転者の運転負荷が所定値以上となった場合、前記提示情報の運転者への提示時間の長さを延長することを特徴とする情報提示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−237953(P2010−237953A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85134(P2009−85134)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】