説明

情報通信端末装置

【課題】 携帯性に優れ、低消費電力で動画像をも扱うことができ、かつ取り扱いも簡単なものとする。
【解決手段】 外ケース1,2が連結部5で回動可能に連結されている。外ケース1の内ケース10には、その一部に小型の透明なシースルー液晶表示部10が設けられており、このシースルー液晶表示部10からは外ケース1,内ケース3を通して向う側を見ることができる。外ケース2の内ケース4には、そのほぼ全面にわたってカラー液晶表示部11が設けられている。外ケース1,2を閉じた状態としたときには、シースルー液晶表示部10全体がカラー液晶表示部11の一部と重なり、そこに表示される情報をシースルー液晶表示部10を通して見ることができる。また、連結部5には、ケース1,2とは独立に回転可能に収納体8が設けられ、これにカメラレンズ9を有するビデオカメラが収納されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオカメラを備えた情報通信端末装置に係り、特に、携帯に便利で複数の機能を備えた情報通信端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯型の個人用としての情報通信端末装置として、近年、携行先で送受話が可能な携帯電話機が急速に普及しつつある。これは、電話機を小型にして携帯が便利なようにし、相手方との間で音声を無線により通信できるようにしたものであって、テレビ電話システムのように、画像データを送受信可能な機能は有するものではない。
【0003】また、他の携帯型の情報通信端末装置として、携帯端末(PDA)が知られており、これは画像データの送受信機能を持つものがあり、画像データの送受信を可能としている。また、現在の携帯端末は、携帯電話機と接続して用いることを前提としているものが主流であって、携帯端末を携帯電話機とともに携行することにより、当然のことながら送受話が可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した従来の携帯端末は、以下のような問題、即ち、出先でのデータ収集,処理,送受信を行なうことを主目的としており、テレビ電話システムのようにビデオカメラを具備し、このビデオカメラの出力画像を送受信したりするものでない、上記のように、携帯電話機と連携させて画像通信と電話機としての機能を持たせることもできるが、対話している相手方の顔を確認することができない、現状の携帯通信端末は携帯電話機に較べて嵩張り、携帯電話機のようにポケッタブルサイズのものではないので、携行に不便である、携帯端末と携帯電話機とを接続して用いる構成の場合には、携帯端末と携帯電話機とを持ち運ばなければならないので、一層、携行には不便である、といった問題があった。
【0005】そこで、本出願人は、かかる問題を解消するために、連結部でもって互いに回転可能に取り付けられた上ケースとしたケースの夫々に液晶表示部を設けて、これら液晶表示部に画像情報とタッチパネルとが表示されるようにし、また、この連結部内にビデオカメラを収納し、かつこのビデオカメラをこれらケースとは独立に回転可能としてビデオカメラの向きを自由に変えることができるようにした情報通信端末装置を提供した(特願平9ー226800号)。
【0006】しかし、かかる情報通信端末装置は、大型の液晶表示部を2個も用いているため、消費電力が比較的大きなものとなる。このような装置は、携帯用としてバッテリを電源としていることから、消費電力を極力小さくできるようにすることが望ましい。また、携帯中に着信があっても、それを確認するためには、この端末装置を取り出してケースを開き、液晶表示部で表示される内容を見るという作業が必要であるが、このような作業を必要とせず、一目で確認できるようになれば、さらに便利である。
【0007】本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的は、携帯性に優れ、消費電力の低減とより簡便さを実現可能とした多機能性の情報通信端末装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、第1,第2のケースが同一ヒンジ部に回動可能に取り付けられて連結され、第1のケースに小型のシースルー液晶表示部が、第2のケースに大型のカラー液晶表示部が夫々設けられ、第1,第2のケースの内面が互いに合わさった閉じた状態では、シースルー液晶表示部の全体がカラー液晶表示部の一部と重なり合い、シースルー液晶表示部を通してカラー液晶表示部の一部を見ることができるように、第1,第2のケースでのシースルー液晶表示部と該カラー液晶表示部との配置関係が設定されている構成とするものである。
【0009】かかる構成により、第1,第2のケースを重ねた閉じた状態にあるときでも、シースルー液晶表示部で表示される情報を外部から見ることができるし、また、このシースルー液晶表示部を通して内部のカラー液晶表示部で表示される情報をも見ることができる。従って、ケースを開いて表示情報を確認するという作業は必要でなくなる。また、シースルー液晶表示部としては、小型の液晶を用いるものであるから、そこでの表示には格別大きな電力を要するものではない。
【0010】また、本発明は、上記連結部には、上記第1,第2のケースとは独立に回転可能にビデオカメラを設け、ビデオカメラの向きを自由に変えることができる構成とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は本発明による情報通信端末装置の一実施形態を示す構成図であって、同図(a)は背面図、同図(b)は左側面図、同図(c)は正面図、同図(d)は右側面図であり、同図(c)の正面図は同図(d)を矢印A方向からみたもの、同図(a)の背面図は同図(d)を矢印B方向からみたものである。また、これらの図面において、1,2は外ケース、3,4は内ケース、5は連結部、6は回転軸支持部、7は回転軸、8は収納体、9はカメラレンズ、10はシースルー液晶表示部、11はカラー液晶表示部、12a,12b,13a,13b,14a,14bは操作キー、15はスピーカ、16はマイクロホン、17は電源スイッチ、18はバッテリ収納部である。
【0012】同図(a)〜(d)において、外ケース1に設けられた回転軸7と外ケース2に設けられた回転軸支持部6とによってヒンジが構成されており、同図(d)で矢印Cで示すように、外ケース1,2がノートのように閉じたり、開いたりすることができるようにしている。また、この回転軸支持部6には、さらに、回転軸7とは反対側に収納体8が回転可能に取り付けられており、この収納体8内に、薄型のビデオカメラやビデオカメラの出力を処理する回路を搭載した回路基板などが収納され、また、その一部に孔が設けられて、そこにカメラレンズ9が取り付けられている。従って、収納体8から外部に突出するような部品はない。
【0013】また、外ケース1には内ケース3が、外ケース2には内ケース4が夫々取り付けられている。そして、外ケース1側には、この外ケース1と内ケース3とを貫通する小面積の開口部にシースルー液晶表示部10が嵌め込まれており、外ケース2側では、その内ケース4に大面積のカラー表示部11が取り付けられている。このシースルー液晶表示部10は透明な液晶を用いたものであり、従って、このシースルー液晶部10を通して、図1(a)で示す背面側から反対側が、また、図1(c)で示す正面側から反対側が夫々見えることになる。
【0014】内ケース3の表面の、例えば、シースルー液晶表示部10の下側には、操作キー12a,13a,14aが設けられており、これら夫々と同様の機能を有する操作キー12b,13b,14bが、図1(a)に示すように、外ケース1の表面のシースルー液晶表示部10の上側に設けられている。これは、外ケース1,2を閉じた状態としたとき、操作キー12a,13a,14aと同様の操作ができるようにするためであり、図2に示すように、外ケース1,2を閉じた状態としたときには、操作キー12a,13a,14aに対応する操作キー12b,13b,14bがシースルー表示部10に対し、図1(c)に示すシースルー表示部10に対する操作キー12a,13a,14aと同様の関係で配置されることになる。
【0015】なお、操作キー12a,13a,14aは、その操作機能を示すために、シースルー表示部10の各操作キーの近傍に機能表示を行なうようにしている。これにより、これら各操作キーを多様の用途の操作キーとすることができる。
【0016】さらに、図1(c)に示すように、内ケース3のシースルー液晶表示部10の上部には、スピーカ15(あるいは、イヤホンジャックでもよい)が設けられ、内ケース4のカラー液晶表示部11の下部にマイクロホン16が設けられている。また、回転軸7には、電源スイッチ17が設けられ、外ケース2にバッテリ収納部18が設けられてバッテリが収納されている。
【0017】なお、図示しないが、伸縮可能にアンテナも設けられており、このアンテナにより、外部との通信が可能となっている。
【0018】カラー液晶表示部11は、連結部5に収納されているビデオカメラの撮像画面などの情報や画像や内ケース4内に設けられているメモリに格納されている静止画像や動画像を表示したり、文章等の文字などの情報を表示するためのものであり、また、シースルー液晶表示部10は、バッテリの充電状態やこの端末装置がメールの着信(受信)状態にあるか否かなどのこの端末装置の現状を表わす文字列やマークを表示するためのものであり、簡単な文章もこれで表示させるようにすることもできる。
【0019】ここで、カラー液晶表示部11としては、高精細度のものを使用し、高品質のカラー表示画像が得られるようにしている。かかるカラー液晶表示部11で画像表示する場合、内ケース4に内蔵されるCPUがフレームメモリなどを用いてその表示制御を行ない、このフレームメモリの記憶内容が液晶で表示されるものであるが、動画の表示の場合、あるいは文字列や文章の表示であっても、スクロールなどの表示内容を変化させる場合、CPUは表示内容を変化させる毎にこのフレームメモリの記憶内容を書き替える動作を行なう。このフレームメモリでの書き替えは、このフレームメモリが大容量のものであるため、非常に大きな電力を要するものであり、従って、動画などの内容が変化する表示をカラー液晶表示部11で行なう場合、消費電力が大きくなる。このことは、電源としてバッテリを用いる場合には、好ましいことではない。
【0020】このような問題を解消するために、この実施形態では、安価で低消費電力のシースルー液晶表示部10を設け、端末装置の現状や短かい文章などをこのシースルー液晶表示部10で表示するようにする。ここでは、例えば、電源スイッチ17をオン操作することにより、端末装置を電源オン状態にすると、シースルー液晶表示部10には、バッテリの状態を示す文字列もしくはマークが表示されており、着信があると、それを示す情報がバッテリの状態を示す情報に代えて表示されるものとする。
【0021】このシースルー液晶表示部10は、小型で表示する情報量も少なく、文字などを黒一色で表示するものであり、このために、この表示に使用するメモリも小容量のものとすることができ、消費電力も非常に少なくて済む。また、端末装置の現状を表わす情報は、その表示面積が小さくて済むものであり、「着信」が頻繁にあって、それを表わす情報を頻繁にメモリで書き替えてシースルー液晶表示部10で表示させても、そのための消費電力は格別大きなものではない。また、バッテリの状況を表わす情報にしても、バッテリの残留充電電圧が異常に低くなったときにその情報内容が変化するだけであり、殆ど静止画情報して表示されるものである。このために、このシースルー液晶表示10の表示のための電力はさらに小さなものとなる。
【0022】回転軸7は回転軸指示部6に対して回転可能に取り付けられているが、さらに、この回転軸7に対してその中心軸Dを中心に回転可能に収納体8が取り付けられており、この収納体8を、例えば、指先などによって、この回転軸7に対して回転させることにより、この収納体8に収納されているビデオカメラの向き(カメラレンズ9の向き)を回転軸7の中心軸Dの周り360度にわたって変えることができる。
【0023】図2はかかる実施形態のケース1,2を閉じた状態を示す図である。
【0024】このように閉じた状態では、シースルー液晶表示部10はその全体がカラー液晶表示部11(図1(c))の一部と重なる。このように、シースルー液晶表示部10が外ケース1側に位置付けて設けられている。従って、シースルー液晶表示部10を介して内部のカラー液晶表示部11の一部を見ることができる。
【0025】このようにケース1,2を閉じた状態でメールを受信する場合、上記のように、シースルー液晶表示部10にその着信を知らせる情報(例えば、送り元の番号や簡単なメール内容など)が表示されるが、これとともに、画像が送られてくるような場合、シースルー液晶表示部10を通して見えるように、かかる画像を内部のカラー液晶表示部11(図1(c))で表示させるようにすることができる。
【0026】図2(a)は簡単なメール内容「Taro's Birthday」をシースルー液晶表示部10で表示し、写真の画像をカラー液晶表示部11で表示するものであり、このような画像は文字で表わされるメール内容と重ならないようにした方が好ましい。また、図2(b)は簡単なメール内容「Msg from Taro pm20:10」をシースルー液晶表示部10で表示し、メールのマークをカラー液晶表示部11で表示するものであり、このような画像の場合には、メール内容と重なっても画像の認識は容易である。
【0027】このようにケース1,2を閉じた状態でも、収納体8を指先などで回転操作することにより、これに収納されているビデオカメラ、従って、カメラレンズ9の向きを自由に変えることができる。
【0028】なお、ケース1,2を閉じた状態でシースルー液晶表示10の表示情報を見る場合、図2に示す方向から見るものとすると、図1(a)から明らかなように、ケース1,2が開いている場合、外ケース1の外側から見たシースルー液晶表示部10での表示情報の向きは、上下反転したものとなっている。従って、ケース1,2を開いた状態から閉じた状態に変更したときには、シースルー液晶表示部10での表示情報の向きを自動的に上下反転させるようにする。
【0029】この実施形態は、上記のような使用形態(機能)のほかに、カメラや携帯電話,スマートフォンなどの使用形態に変更可能である。かかる使用形態の変更手段が図1における操作キー14a,14bであり、これらがメニューキーとして機能する。
【0030】この実施形態では、1つの態様として、電源スイッチ17がオンされると、携帯電話としての使用形態が自動的に設定されるものとする。図3(a)はこの携帯電話としての使用形態の電話発信モードを示すものであって、前出図面に対応する部分には同一符号をつけている。
【0031】図3(a)において、このモードでは、カラー液晶表示部11にテンキーなどの電話機の操作部がタッチキーとして表示される。これらテンキーを順次タッチして相手方の電話番号を入力すると、シースルー液晶表示部10では、入力した相手方の電話番号「090123456789」や入力した電話番号に対する相手方の氏名「特許タロウ」,現在の時刻や通話時間などが表示され、入力情報を確認することができる。ここで、正しく電話番号が入力されたことが確認されてカラー液晶表示部11で表示される「発信」キーをタッチすると、相手側の呼出しが行なわれる。
【0032】なお、操作キー12aはコールキーとしても機能し、既に登録されている電話番号を呼び出すときに使用する。
【0033】ここで、操作キー13aはモードキーとして機能し、その操作毎に「テレビ電話モード」か「通常電話モード」を選択できる。相手側からの応答があって後、相手方がテレビ電話である場合には、自動的に図3(b)に示すテレビ電話モードに移行するが、相手側がテレビ電話でない場合には、図3(a)に示すモードが保持されて通話が可能となる。この通話は、マイクロホン16とスピーカ15とを介して行なわれる。カラー液晶表示部11で表示される「終了」キーをタッチすると、通話は終了する。
【0034】また、モードキー13aを操作してテレビ電話モードに移行した場合には、図3(b)に示すように、カラー液晶表示部11に相手方の画像が表示される。また、ビデオカメラの撮影画像も表示されており、このビデオカメラ、従って、カメラレンズ9を自分の方に向けることにより、自分の画像がこのカラー液晶表示部11に表示されるとともに、相手側にも送られる。
【0035】このテレビ電話モードの状態において、カラー液晶表示部11に表示される「終了」のタッチキーをタッチすると、図3(a)に示す電話発信モードに戻り、通話が終了する。また、カラー液晶表示部11に表示される「表示切替」のタッチキーをタッチすると、そのタッチ毎に「相手側+自分画の画像表示」→「相手側の画像表示」→「自分側の画像表示」→「相手側+自分画の画像表示」→……の順に表示が切り替わる。なお、このテレビ電話モードでのシースルー液晶表示部10の表示は、図3(a)に示す電話発信モードの場合と同様である。
【0036】なお、図3(a)に示す電話発信状態で相手側側の着信があると、図1,図2で説明した表示が行なわれることになる。
【0037】ここで、操作キー14aはメニューキーとして機能し、操作毎に「カメラ」→「スマートフォン」→「電話発信」→「カメラ」→……の順に使用形態が移行する。
【0038】図3(a)に示す携帯電話の電話発信モードでメニューキー14aを操作すると、カメラとしての使用形態に移行する。なお、通話中には、使用形態の移行はできないものとし、従って、図3(b)に示すテレビ電話モードでメニューキー14aを操作しても、そのままテレビ電話モードが継続する。
【0039】図4は使用形態をカメラとした場合の使用方法を示す図であって、19は手、20は被写体であり、図1に対応する部分には同一符号をつけている。
【0040】同図において、この使用形態の場合には、外ケース1,2を所定の角度に開いた状態で片手19で持ち、連結部5に設けられているビデオカメラ(図示せず)を被写体に向けて撮像する。この場合、シースルー液晶表示部10には情報が表示されず、この透明なシースルー液晶表示部10を通して被写体20を見ることができる。ビデオカメラで撮像される被写体画像はカラー液晶表示部11に表示される。
【0041】図5は使用形態が「カメラ」である場合の各モードを示す図である。
【0042】図5(a)は図4で示したように使用される撮影モードを示すものである。この場合には、シースルー液晶表示部10はカメラのファインダとして機能させることができ、そこに撮像範囲の目安を表わすスコープ表示21を行なわせることができる。
【0043】この撮影モードが設定されている場合、図6(a)に示すように、連結部5にラッチ機構22を設け、該ケース1,2が所定の角度、例えば、160゜の状態でラッチするようにし、この状態で撮像するようにする。また、図6(a)に示すように、シースルー液晶表示部10を通して被写体側が見える範囲を、例えば、シースルー液晶表示部10の中心を通る水平面に対して上下、例えば、15゜の範囲、及び、図6(b)に示すように、シースルー液晶表示部10の中心を通る垂直面に対して左右、例えば、15゜の範囲とし、眼23がこの範囲から外れてシースルー液晶表示部10から被写体側を見ても見えなくなってしまうように、シースルー液晶表示部10の表面に視野制限するフィルタ(例えば、電子フィルタやシートタイプのフィルタ)を設けることができる。このように視野制限することにより、常にシースルー液晶表示部10から被写体20側を見る状態がほぼ一定となり、シースルー液晶表示部10がファインダとして機能してカラー液晶表示部11の表示画像とシースルー液晶表示部10から望まれる範囲とがほぼ一致することになる。
【0044】図5(a)において、この場合の操作キー12aは記録キーとして機能する。この記録キー12aを操作すると、このときの撮像フレームがメモリに記憶される。従って、記録キー12aを操作する毎に順次1フレームの画像がメモリに記憶される。この場合のメモリは大容量のものが必要である。そこで、この実施形態は大容量のメモリを備えたサーバと無線によって接続されており、記録キー12aが操作されると、そのときの1フレームの画像がサーバに送信され、メモリの所定のアドレスに記憶されるようにすることもできる。この場合、この画像とともに、この画像の番号や記録の年月日情報なども同時に記憶される(図5(a)において、この画像番号はカラー液晶表示部11に、例えば、「No.0005」というように表示されている)。
【0045】操作キー13aはカメラのモードを切り替えるモードキーとして機能し、操作毎に「確認/検索モード」→「設定モード」→「撮影モード」→「確認/検索モード」→……の順にモードが移行する。図5(a)に示す撮像モードでこのモードキー13aを操作すると、図5(b)に示す確認/検索モードに移行する。この確認/検索モードは上記のように記録された画像を確認したり、検索したりするためのものであって、図5(a)から切り換わると、まず、図示するように、これまで記憶された画像の一覧表示(サムネール一覧表示)が行なわれる。この場合、指定する画像が網掛けなどで表示され、同時に表示される「▲」のタッチキーや「▼」のタッチキーをタッチすることにより、指定画像を変更することができる。また、全ての画像をこの一覧表示で表示できない場合には、かかる「▲」のタッチキーや「▼」のタッチキーをタッチし続けて網掛け部分を一覧表示の上端部あるいは下端部に押し付けるようにすることにより、一覧表示のスクロールを行なわせることができる。
【0046】なお、シースルー液晶表示部10では、このとき指定されている画像の番号や記録年月日などの情報が表示される。また、このモードでは、操作キー12aが表示切替キーとして機能している。
【0047】以上のように、網掛けによって所望の画像を指定し、この表示切替キー12aを操作すると、カラー液晶表示部11で表示されている一覧での上記指定画像のみがこの一覧表示がなされた領域全体に表示される。かかる画像表示で表示切替キー12aを操作すると、図示する元の一覧表示に切り替わる。また、この一覧表示でカラー液晶表示部11に表示される「削除」のタッチキーを操作すると、一覧表示での指定画像が消去される。従って、不要となった記憶画像を除くことができる。
【0048】このようにして、記憶画像の確認と所望画像の検索を行なうことができるが、かかる確認/検索モードでモードキー13aを操作すると、図5(c)に示す設定モードに移行する。この設定モードは、カメラの撮影条件などを設定するためのものであって、カラー液晶表示部11には、その設定条件が一覧で表示され、選択された条件が網掛けで表わされるとともに、確認/検索モードの場合と同様、「▲」のタッチキーや「▼」のタッチキーを用いて選択条件の変更や一覧表示のスクロールを行なうことができる。
【0049】また、シースルー液晶表示部10では、選択された設定条件の内容やそれに対する付加情報が表示される。図示の状態では、画質を「標準」と設定したものであり、これとともに、メモリに記憶可能な画像数を表わす「あと15枚撮れます」という付加情報が表示されている。
【0050】かかる設定モードでモードキー13aを操作すると、図5(a)に示す撮影モードに移行する。従って、撮像する前に、モードキー13aを操作することによって図5(c)に示す設定モードとし、ここで所定の撮影条件を設定した後、モードキー13aを操作することによって図5(a)に示す撮影モードとすることにより、所望の撮影条件で撮影をすることができるし、また、図5(c)に示す設定モードとすることにより、記憶できる画像枚数を確認することもできる。さらにまた、確認/検索モードを設定し、「▲」のタッチキーや「▼」のタッチキーと「削除」のタッチキーとを用いることにより、不要な記憶画像を削除することができ、画像を記憶した後の編集も可能である。
【0051】図5に示すカメラの使用形態でメニューキー14aを操作すると、図7及び図8に示すスマートフォンの使用形態に移行する。このときには、まず、図7(a)に示すメール作成モードに移行する。このメール作成モードでは、カラー液晶表示部11に文字キーなどタッチキーからなるのメール作成のための操作部が表示され、文字キーをタッチ操作することにより、メール内容を作成することができる。この作成に際し、かなや英数,記号などの選択もできる。この作成されるメール内容はシースルー液晶表示部10で表示され、これによってその内容を確認することができる。
【0052】ここで、操作キー12aはメモリーキーとして機能と、所望のメール内容が完成すると、このメモリーキー12aを操作することにより、メモリに記憶される。また、このメール内容をサーバのこの端末装置に指定されるメモリ領域に記憶することもできる。このメモリ領域は他の端末装置でアクセス可能であり、これによって他の端末装置の操作者にこのメールを送ることができる。
【0053】図7(a)に示すメール作成モードでモードキー13aを操作すると、図7(b)に示すメール受信モードに移行する。これは、他の端末装置によって、上記のように、サーバのこの端末装置に指定されるメモリ領域に格納されたメールを読み取るものであって、この読み取りはスピーカ15を介して音声によって行なわれるとともに、カラー液晶表示部11にそのメールの内容が表示される。このメールの読み上げ中では、カラー液晶表示部11に表示される「▼」のタッチキーや「▲」のタッチキーを用いて読み上げスピードを低めたり、高めたりする調整や、「横向き三角印/2本の縦バー印」,「2つの右向き三角印」,「2つの左向き三角印」のタッチキーを用いて読み上げを一時停止したり、読み上げ位置を戻したり、先送りしたりすることができる。
【0054】サーバに記憶されている受信メールの読み上げが全て終了すると、再び同じメールの読み上げを繰り返す。また、このメール受信モードでモードキー13aを操作すると、図7(c)に示すスケジュール管理モードに移行する。このモードは自己のスケジュールを作成するものであって、作成したスケジュールの内容はカラー液晶表示部11に表示される。この場合、操作キー12aは更新キーとして機能し、この更新キー12aを操作することにより、既に作成されているスケジュールの一部を更新することができ、また、カラー液晶表示部11に表示される「新規」のタッチキーをタッチ操作することにより、新たなスケジュールを追加することができる。このように更新されるスケジュールや新規追加のスケジュールはサーバのこの端末装置に対して指定されているメモリ領域に送られ、このメモリ領域をアクセス可能な端末装置の操作者に知らせることができる。
【0055】このスケジュール管理モードでモードキー13aを操作すると、図8(a),(b)に示す情報取得モードに移行する。このモードは加入しているサービス会社などから、例えば、インターネットなどを介して所望の情報を取得できるようにするものであって、このモードに移行すると、まず、図8(a)に示すように、カラー液晶表示部11に情報ジャンルの一覧表示がなされる。この一覧表示では、選択される情報が網掛けで表示されており、カラー液晶表示部11で表示されるスクロールのタッチキーを操作することにより、図5(b)で説明したような所望の情報の選択と一覧表示のスクロールを行なうことができる。
【0056】ここで、操作キー12aはアクセスキーとして機能し、例えば、図示するように、「2.交通情報」の項を選択すると、シースルー液晶表示部10には、この交通情報のサービス会社名が表示されるが、アクセス先キー12aを操作することにより、サービス会社を選択することができる。ここで、カラー液晶表示部11で表示される「発信」キーをタッチすることにより、サービス会社にアクセスでき、これにより、図8(b)に示すように、このアクセスしたサービス会社が提供する交通情報がカラー液晶表示部11で表示される。
【0057】図8(a),(b)に示す情報取得モードでモードキー13aを操作すると、図8(c)に示すナビゲーションモードに移行する。このモードは、GPSなどからナビゲーション情報の提供を受け、カラー液晶表示部11にナビゲーション画面を表示するものである。この場合、例えば、「お勧め」,「近さ」,「NEW」などの種類に応じたナビゲーション情報を選択することができる。また、シースルー液晶表示部10では、現在位置での方位を示す方位コンパスやカラー液晶表示部11で表示される地図上での上記種類に応じた店舗や施設までの所要時間などの情報が表示される。
【0058】図8に示す各モードでメニューキー14aを操作すると、図3(a)に示す携帯電話の電話発信モードに戻る。
【0059】以上、本発明の実施形態について説明したが、以上の使用形態のみに限らず、他の使用形態も採り得るようにしてもよいし、また、モードキー13aの操作によるモードの種類及び設定順序や、メニューキー14aの操作による使用形態の種類及び設定順序は、前記の順序にのみ限定されるものではない。
【0060】また、前記実施形態では、ビデオカメラを外ケース1,2の連結部5に設けたが、これに限るものではなく、例えば、図1において、外ケース1側の連結部5とは反対側の端部など、他の場所に設けるようにしてもよい。但し、この場合でも、ビデオカメラの向きは充分な角度範囲にわたって変えられるようにし、かつ外ケース1,2を閉じることができるようにすることはいうまでもない。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、一方のケース側には、画像情報の表示が可能な大型の消費電力が大きいカラー液晶表示部を設けるが、他方のケース側に小型の消費電力が小さいシースルー液晶表示部を設けているので、このシースルー液晶表示部で表示できる情報はこのシースルー液晶表示部で表示して、カラー液晶表示部を使用する必要がなく、消費電力の低減が図れるし、また、これらケースを重ねて閉じた状態としたときには、シースルー液晶表示部を通して内部のカラー液晶表示部を見ることができるので、ケースを閉じた状態でも、シースルー液晶表示部に表示される情報は勿論のこと、カラー液晶表示部で表示される情報を見ることができる。
【0062】また、本発明によると、向きを自由に変えることができるビデオカメラを備えているので、上記ケースが開いた状態にあるか、閉じた状態にあるかにかかわらず、任意の方向の被写体をカメラで撮影することができるし、また、この撮影の際、上記シースルー液晶表示部をビデオのファインダとして使用することができ、撮影に際しての使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による情報通信端末装置の一実施形態の開いた状態を示す図である。
【図2】図1に示した実施形態の閉じた状態を示す図である。
【図3】図1に示した実施形態の携帯電話としての使用形態のモードを示す図である。
【図4】図1に示した実施形態のカメラとしての使用状態を示す図である。
【図5】図1に示した実施形態のカメラとしての各モードを示す図である。
【図6】図5(a)に示したモードでのシースルー液晶表示部のファインダとしての機能を説明する図である。
【図7】図1に示した実施形態のスマートフォンとしての使用形態の各モードを示す図である。
【図8】図1に示した実施形態のスマートフォンとしての使用形態の他のモードを示す図である。
【符号の説明】
1,2 外ケース
3,4 内ケース
5 連結部
6 回転軸支持部
7 回転軸
8 収納体
9 カメラレンズ
10 シースルー液晶表示部
11 カラー液晶表示部
12a,12b,13a,13b,14a,14b 操作キー
15 スピーカ
16 マイクロホン
17 電源スイッチ
18 バッテリ収納部
21 スコープ表示
22 ラッチ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1,第2のケースが同一ヒンジ部に回動可能に取り付けられて連結され、該第1のケースに小型のシースルー液晶表示部が、該第2のケースに大型のカラー液晶表示部が夫々設けられ、該第1,第2のケースの内面が互いに合わさった閉じた状態では、該シースルー液晶表示部の全体が該カラー液晶表示部の一部と重なり合い、該シースルー液晶表示部を通して該カラー液晶表示部の一部を見ることができるように、該第1,第2のケースでの該シースルー液晶表示部と該カラー液晶表示部との配置関係が設定されていることを特徴とする情報通信端末装置。
【請求項2】 請求項1において、ビデオカメラを有し、該ビデオカメラの向きを前後に変更可能にする向き変更手段を設けたことを特徴とする情報通信端末装置。
【請求項3】 請求項2において、前記ビデオカメラは前記ヒンジ部に取り付けられ、前記向き変更手段は、前記カメラの向きを前記ヒンジ部の中心軸の周りで前記第1,第2のケースとは独立に回転可能とする手段であることを特徴とする情報通信端末装置。
【請求項4】 請求項2または3において、前記第1,第2のケースの間を所定の角度にラッチする手段を設け、前記シースルー液晶表示部でスコープ表示を行なうことにより、前記シースルー液晶表示部をカメラのファインダとして使用可能としたことを特徴とする情報通信端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2000−253113(P2000−253113A)
【公開日】平成12年9月14日(2000.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−51122
【出願日】平成11年2月26日(1999.2.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】