説明

成形体の設置方法および成形体の設置装置

【課題】型を用いて複数の成形体を基材に一体的に設ける成形体の設置方法において、基板の正しい位置に成形体を設置する方法を提供する。
【解決手段】型を用いて複数の成形体W5を基材W3に一体的に設ける成形体W5の設置方法において、基材W3に成形体W5を設ける第1の成形体設置工程と、この第1の成形体設置工程で設けた成形体W5の位置ずれ量を、基材W3に予め設けられている成形体用基準マークW19を用いて測定する成形体位置ずれ量測定工程と、この成形体位置ずれ量測定工程で測定した位置ずれ量に応じて、基材W3に対する型の位置を補正し、基材W3に2回目以降の成形体W5を設ける第2の成形体設置工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形体の設置方法および成形体の設置装置に係り、たとえば、1枚の基板に型を用いて多数の成形体を設置するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金型を繰り返し使用して、基板の厚さ方向の一方の面に複数の成形体を設置する場合、基板設置体の所定の位置に基板を設置し、型設置体の所定の位置に金型を設置し、基板設置体に対して型設置体を繰り返し移動位置決めしている。
【0003】
詳しく説明すると、まず、型設置体に設置された金型(設置済み金型)が基板設置体に設置された基板(設置済み基板)から離れている状態で、設置済み基板の所定の位置に成形体を構成する未硬化の成形材料を供給する(未硬化材料供給工程)。
【0004】
続いて、設置済み基板と設置済み金型との間の距離が所定の僅かな距離になるまで、設置済み金型を設置済み基板側に移動し、設置済み金型のコア内に未硬化の成形材料を入れ、設置済み金型で設置済み基板を押圧しつつ成形材料を硬化する(材料硬化工程)。
【0005】
続いて、型設置体を移動して設置済み金型を硬化した成形材料(成形体)から離す(金型離型工程)。これにより、1つの成形体が設置済み基板の所定の位置に設置される。
【0006】
続いて、設置済み基板の面内方向で、基板設置体を移動位置決めする(位置決め工程)。
【0007】
続いて、上記未硬化材料供給工程、上記材料硬化工程、上記金型離型工程、上記位置決め工程をこの順に繰り返すことで、基板に複数の成形体を設置している。
【0008】
このようにして形成された成形品(基板に多数の成形体が設置されたもの)1は、たとえば、図13で示すように、金型M5(M7)を生成するためのマスター型として使用される。
【0009】
なお、上記従来の技術に関連する文献としてたとえば特許文献1を掲げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−279774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、上記従来の方式では、設置済み金型が型設置体の正しい位置に設置されており、また、設置済み基板が基板設置体の正しい位置に設置されていたとしても、たとえば、上記材料硬化工程における押圧(押圧力)で、設置済み基板に対する設置済み金型の位置が目標値からずれてしまうおそれがあり、基板の正しい位置に成形体を設置することができない場合があるという問題がある。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、型を用いて複数の成形体を基材に一体的に設ける成形体の設置方法および成形体の設置装置において、基板の正しい位置に成形体を設置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明は、型を用いて複数の成形体を基材に一体的に設ける成形体の設置方法において、前記基材に成形体を設ける第1の成形体設置工程と、前記第1の成形体設置工程で設けた成形体の位置ずれ量を、前記基材に予め設けられている成形体用基準マークを用いて測定する成形体位置ずれ量測定工程と、前記成形体位置ずれ量測定工程で測定した位置ずれ量に応じて、前記基材に対する前記型の位置を補正し、前記基材に2回目以降の成形体を設ける第2の成形体設置工程とを有する成形体の設置方法である。
【0014】
請求項2に記載の発明は、型を用いて複数の成形体を基材に一体的に設ける成形体の設置方法において、基材設置体に基材を設置する基材設置工程と、前記基材設置工程で設置された基材の位置を、前記基材に予め設けられている基材基準マークを用いてもとめる基材位置測定工程と、前記基材位置測定工程で求めた基材の位置に応じて、前記基材設置体に設置されている基材に対する前記型の位置決めをし、前記型を用いて前記基材に成形体を設ける第1の成形体設置工程と、前記第1の成形体設置工程で設けた成形体の位置ずれ量を、前記基材に予め設けられている成形体用基準マークを用いて測定する成形体位置ずれ量測定工程と、前記成形体位置ずれ量測定工程で測定した位置ずれ量に応じて、前記基材に対する前記型の位置を補正し、前記基材に2回目以降の成形体を設ける第2の成形体設置工程とを有する成形体の設置方法である。
【0015】
請求項3に記載の発明は、型を用いて複数の成形体を基材に一体的に設ける成形体の設置方法において、基材設置体の所定の位置に基材を設置する基材設置工程と、前記基材設置工程で設置された基材の位置ずれ量を、前記基材設置体に予め設けられている設置体基準マークと前記基材に予め設けられている基材基準マークとを用いて測定する基材位置ずれ量測定工程と、前記基材位置ずれ量測定工程で測定した基材の位置ずれ量に応じて、前記基材設置体に設置されている基材に対する前記型の位置を補正し、前記型を用いて前記基材に成形体を設ける第1の成形体設置工程と、前記第1の成形体設置工程で設けた成形体の位置ずれ量を、前記基材に予め設けられている成形体用基準マークを用いて測定する成形体位置ずれ量測定工程と、前記成形体位置ずれ量測定工程で測定した位置ずれ量に応じて、前記基材に対する前記型の位置を補正し、前記基材に2回目以降の成形体を設ける第2の成形体設置工程とを有する成形体の設置方法である。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の成形体の設置方法において、前記第2の成形体設置工程で前記基材に2回目以降の成形体を設ける場合、所定の数の成形体を前記基材に設ける毎に、前記成形体位置ずれ量測定工程で成形体の位置ずれ量を測定し、この測定した位置ずれ量に応じて、前記基材に対する前記型の位置を補正する成形体の設置方法である。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の成形体の設置方法において、前記基材は平板状に形成されており、前記成形体は前記基板の厚さ方向の一方の面に設けられ、前記基材の厚さ方向から見ると、前記成形体用基準マークと前記成形体とは、円形になっており、前記成形体位置ずれ量測定工程は、前記成形体の外周の一部を構成する円弧と、前記成形体用基準マークの一部を構成する円弧とを用いて、前記成形体の位置ずれ量を測定する工程である成形体の設置方法である。
【0018】
請求項6に記載の発明は、型を用いて、複数の成形体を基材に一体的に設ける成形体の設置装置において、前記型が設置される型設置体と、前記型設置体に対して相対的に移動位置決め自在であり、前記基材が設置される基材設置体と、前記基材設置体に設けられている基材を撮影するための撮影部と、前記基材に供給された未硬化の成形材料を硬化する硬化部と、未硬化の成形材料が供給された前記基材の部位に、前記型を相対的に接近させて位置決めし、前記硬化部で前記成形材料を硬化し、この成形材料の硬化後に前記型を前記基材から相対的に離して1つ目の成形体を基材に設け、前記1つ目の成形体を基材に設けた後、前記基材に予め設けられている成形体用基準マークと前記成形体とを前記撮影部で撮影し、この撮影結果に応じて、前記成形体の位置ずれ量をもとめ、このもとめた成形体の位置ずれ量に応じて、前記基材に対する前記型の位置を補正しつつ、未硬化の成形材料が供給された前記基材の部位に、前記型を相対的に接近させて位置決めをし、前記硬化部で前記成形材料を硬化し、この成形材料の硬化後に前記型を前記基材から相対的に離して、2つ目以降の成形体を基材に設置するように、前記基材設置体の相対的な移動、前記撮影部、前記硬化部を制御する制御装置とを有する成形体の設置装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、型を用いて複数の成形体を基材に一体的に設ける成形体の設置方法および成形体の設置装置において、基板の正しい位置に成形体を設置することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】基板に複数の成形体が一体的に設けられている成形品の概略構成を示す図であり、(b)は、(a)におけるI−I断面を示している。
【図2】本発明の実施形態に係る成形体設置装置の概略構成を示す図である。
【図3】図2におけるIII−III矢視図である。
【図4】成形体設置装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】成形体設置装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】基板設置体に対する基板の位置ずれを示す図である。
【図7】成形体設置装置の動作を示す図である。
【図8】基板に対する成形体の位置ずれを示す図である。
【図9】基板の成形体用基準マークとカメラ本体部の視野との関係を示す図である。
【図10】基板の成形体用基準マークとカメラ本体部の視野との関係を示す図である。
【図11】基板の成形体用基準マークとカメラ本体部の視野との関係を示す図である。
【図12】基板の成形体用基準マークとカメラ本体部の視野との関係を示す図である。
【図13】成形品をマスター型として金型を生成する工程を示す図である。
【図14】基板設置体に基板を設置する態様の変形例を示す図である。
【図15】基板設置体に基板を設置する態様の変形例を示す図である。
【図16】基板設置体に基板を設置したときの位置ずれ等を示す図であって、図6に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
まず、本発明の実施形態に係る成形体の設置装置(成形体設置装置)1によって製造される成形品W1について説明する。
【0022】
成形品W1は、図1に示すように、基材W3と成形体W5とを備えて構成されている。基材W3は、たとえば、円形な平板状に形成されている(以下、「基材」を「基板」という)。成形体W5は、たとえば、球冠状に形成されている。
【0023】
さらに説明すると、成形体W5は、円形な平板で形成されている基部W7と、球冠で形成されている先部W9とで構成されている。先部W9の円形な平面は、基部W7の厚さ方向の一方の面(円形な面)に接しており、基部W7の厚さ方向から見ると、基部W7の中心位置と先部W9の中心位置とがお互いに一致している。なお、先部W9の平面の直径は、基部W7の直径よりも小さくなっており、基部W7の厚さの値は、先部W9の高さの値に比べて小さくなっている。基部W7の直径は、基板W3の直径によりも十分に小さくなっており、基部W7の厚さは、基板W3の厚さよりも薄くなっている。
【0024】
基板W3は、たとえば、紫外線や可視光線が透過可能な石英ガラス等の材料で構成されている。成形体W5は、たとえば、硬化した紫外線硬化樹脂で構成されており、成形体W5の基部W7と先部W9とは一体成形されている。
【0025】
成形体W5は、基板W3の厚さ方向の一方の面(円形な平面)に設けられており、成形体W5の基部W7の厚さ方向の他方の面が、基板W3の厚さ方向の一方の面に面接触して貼り付いている。これにより、成形体W5が、基板W3に一体的に設けられている。
【0026】
成形体W5は、基板W3の厚さ方向の一方の面に複数(多数)設けられている。図1等では、1枚の基板W3に19個の成形体W5を描いてあるが、実際の成形品W1では、1枚の基板W3に数百個〜数千個の成形体W5が設けられている場合もある。各成形体W5は、お互いが所定の間隔をあけて設けられている。
【0027】
また、基板W3の厚さ方向の一方の面には、たとえば、薄膜(たとえばクロム等の金属で構成された遮光膜)W11が設けられている。薄膜W11には、円形の孔部W13が複数形成されている(成形体W5の個数と同じ数形成されている)。孔部W13には、薄膜W11が存在しておらず、たとえば基板W3の表面が露出している。また、孔部W13の直径は、成形体W5(基部W7)の直径よりも大きくなっており、各成形体W5のそれぞれが、各孔部W13のそれぞれに設けられている。基板W3や基部W7の厚さ方向から見ると、各孔部W13の中心位置のそれぞれと、各成形体W5の中心位置のそれぞれとがお互いに一致している。
【0028】
したがって、1つの円形の孔部W13に1つの成形体W5が設けられている状態では、薄膜W11が形成されていない孔部W13の中心側(内部側)の部分に、成形体W5が密着しており、薄膜W11が形成されていない孔部W13の周辺の部分(リング状の部分)W15では、基板W3が露出している。
【0029】
また、薄膜W11には、別の円形状の孔部W17が形成されている。この孔部W17は、基板W3の周辺部分に複数(たとえば2つ)設けられている。孔部W17のそれぞれの内側には、アイマーク(たとえば、「十」字状のアイマーク)W19が設けられている。なお、孔部W17には、成形体W5は設けられていない。
【0030】
上述した各孔部W13,W17やアイマーク(基材基準マーク)W19は、たとえば、薄膜W11を設けた後に、エッチング等することで形成されている。すなわち、基板W3の厚さ方向の一方の面の全面に真空蒸着やスパッタリング等でクロムの薄膜W11を形成した後、エンチングで各孔部W13,W17のところの薄膜W11を除去することで形成されている。
【0031】
次に、成形体設置装置1について説明する。なお、説明の便宜のために、水平な一方向をX軸方向とし、水平な他の一方向であってX軸方向に直交する方向をY軸方向とし、X軸方向とY軸方向とに直交する鉛直方向(上下方向)をZ軸方向とする。
【0032】
図2、図3で示す成形体設置装置1は、たとえば1つの型M1を繰り返し用いて、複数の成形体W5をたとえば1つずつ、1枚の基板W3に一体的に設ける装置である(複数の成形体W5を基板W3に一体的に設けることで成形品W1を成形する成形品W1の成形装置である)。
【0033】
成形体設置装置1は、型設置体3と基材設置体(基板設置体)5と撮影部(カメラ部)7と硬化部9と制御装置11とを備えている。
【0034】
型設置体3には、型M1が設置されるようになっている。基板設置体5には、基板W3が設置されるようになっている。また、基板設置体5は、型設置体3に対して相対的に移動位置決め自在になっている。
【0035】
撮影部7は、基板設置体5に設けられている基板W3を撮影することができるようになっている。硬化部9は、基板W3の所定の位置に供給された未硬化の成形材料(硬化して成形体W5になる液体状もしくは流動体状の紫外線硬化樹脂)を硬化するためのものである。
【0036】
制御装置11は、制御部13とメモリ15と画像処理部17とを備えており、予めメモリ15に格納されている動作プログラムに従って、制御部13の制御の下、基板設置体5の相対的な移動、撮影部7、硬化部9を制御し、成形体設置装置1に次に示す各動作A,B,Cをさせるようになっている。
【0037】
動作A;未硬化の紫外線硬化樹脂が供給された基板(基板設置体5に設置された基板;設置済み基板)W3の所定の部位(位置が予めわかっている部位)に、型(型設置体3に設置された型;設置済み型)M1を相対的に接近させて位置決めし、硬化部9で紫外線硬化樹脂を硬化し、この紫外線硬化樹脂の硬化後に型M1を基板W3から相対的に離して1つ目の成形体W5を基板W3に設ける。
【0038】
動作B;続いて、1つ目の成形体W5を設置済み基板W3に設けた後、設置済み基板W3に予め設けられている成形体用基準マーク(薄膜W11に形成されている孔部)W13と成形体W5とを撮影部7で撮影し、この撮影結果に応じて、画像処理部17で、基板W3(成形体W5が内側に設置された孔部W13)に対する成形体W5の位置ずれ量をもとめる。
【0039】
動作C;続いて、このもとめた成形体W5の位置ずれ量に応じて、設置済み基板W3に対する設置済み型M1の位置を相対的に補正しつつ(具体的には、設置済み基板W3の位置を補正しつつ)、未硬化の紫外線硬化樹脂が供給された基板W3の所定の部位(位置が予めわかっている部位)に、型M1を相対的に接近させて位置決めをし、硬化部9で紫外線硬化樹脂を硬化し、この紫外線硬化樹脂の硬化後に型M1を基板W3から相対的に離して2つ目以降の成形体W5を設置済み基板W3に設置する。なお、2つ目以降の成形体W5を設置済み基板W3に設置する場合には、上述した設置済み型M1の位置の補正、未硬化の紫外線硬化樹脂の供給、設置済み型M1の相対的な移動位置決め、紫外線硬化樹脂の硬化、設置済み型M1を設置済み基板W3から離すこと(離型)を、この順で繰り返す。
【0040】
なお、上記動作Aをする前に、次に示す動作Dをするようにしてもよい。
【0041】
動作D;基板設置体5の所定の位置に基板W3が設置された状態で、図6で示すように、基板設置体5に予め設けられている設置体基準マーク19と、基板W3に予め設けられている基材基準マーク(アイマーク)W19とを、撮影部7で撮影し、この撮影結果に応じて、基板設置体5に対する設置済み基板W3の位置ずれ量をもとめ、このもとめた基板W3の位置ずれ量に応じて設置済み型M1の位置を相対的に補正する(具体的には、設置済み基板W3の位置を補正する)。
【0042】
そして、動作Dで示す補正をしつつ、動作Aでの成形体W5の設置をするようにしてもよい。
【0043】
ここで、成形体設置装置1についてさらに詳しく説明する。成形体設置装置1は、たとえば、フレーム21と基板位置決め装置23と移動体25とを備えている。
【0044】
移動体25は、フレーム21の上方で図示しないリニアガイドベアリングを介してフレーム21に設けられている。そして、移動体25は、図示しないサーボモータ等のアクチュエータとボールネジとを介して、制御装置11の制御の下、フレーム21に対してZ軸方向で移動位置決め自在になっている。成形体設置装置1には、移動体25の位置を検出するための検出装置(図示しないリニアエンコーダ等)が設けられている。型設置体3は、移動体25の下側で、移動体25に一体的に設けられている。
【0045】
基板位置決め装置23は、フレーム21の下方でフレーム21に設けられている。また、基板位置決め装置23は、ベース体27とこのベース体27の上側に設けられているY軸テーブル29とこのY軸テーブル29の上側に設けられているX軸テーブル31とを備えて構成されている。
【0046】
ベース体27は、フレーム21に一体的に設けられている。Y軸テーブル29は、図示しないリニアガイドベアリングを介してベース体27に設けられている。そして、Y軸テーブル29は、図示しないサーボモータ等のアクチュエータとボールネジとを介して、制御装置11の制御の下、ベース体27に対してY軸方向で移動位置決め自在になっている。
【0047】
なお、図3では、Y軸テーブル29がストロークの中央に位置している状態を描いている。Y軸テーブル29は、図3で示す位置PY1と位置PY2との間で移動し位置決めされるようになっている。
【0048】
X軸テーブル31は、図示しないリニアガイドベアリングを介してY軸テーブル29に設けられている。そして、X軸テーブル31は、図示しないサーボモータ等のアクチュエータとボールネジとを介して、制御装置11の制御の下、Y軸テーブル29に対してX軸方向で移動位置決め自在になっている。
【0049】
なお、図2や図3では、X軸テーブル31がストロークの中央に位置している状態を描いている。X軸テーブル31は、位置PX1と位置PX2との間で移動し位置決めされるようになっている。
【0050】
また、X軸テーブル31の上面には、たとえば真空吸着によって基板W3が一体的に設置されるようになっており、X軸テーブル31は基板設置体5としての機能を発揮するようになっている。これにより、型設置体3が、基板設置体5に対して、X軸方向とY軸方向とZ軸方向で相対的に移動位置決めされるようになっている。
【0051】
なお、図示してはいないが、X軸テーブル31と基板設置体5とを別体にし、基板設置体5がX軸テーブル31に対して、θ軸まわりで回動位置決め自在になっていてもよい。θ軸は、Z軸方向に延びた軸であって基板設置体5の中心を通る軸である。
【0052】
すなわち、X軸テーブル31の上側に図示しないベアリングを介して基板設置体5を設け、X軸テーブル31に対して基板設置体5がθ軸まわりで回動するようにし、さらに、制御装置11の制御の下、図示しないサーボモータ等のアクチュエータにより、θ軸まわりで基板設置体5をX軸テーブル31に対して回動位置決め自在にしてもよい。
【0053】
図1や図3で示すように、基板W3が円形状に形成されている場合には、上述したようにX軸テーブル31と基板設置体5とを別体にし、X軸テーブル31に対して基板設置体5をθ軸まわりで回動位置決め自在にしてあるものとする。
【0054】
一方、図15で示すように、基板W3が矩形状等の形状に形成されている場合には、上述したようにX軸テーブル31と基板設置体5とを一体化してもよい。
【0055】
ここで、基板設置体5と基板設置体5への基板W3の設置について説明する。
【0056】
基板設置体5の平面状の上面には、円柱状の突き当てピン33(X軸方向突き当てピン33A、Y軸方向突き当てピン33B)が一体的に設けられている。
【0057】
X軸方向突き当てピン33Aは、基板設置体5の上面の所定の位置(X軸方向では一端部側、Y軸方向では中央部)に設けられており、高さ方向が基板設置体5の上面と直交して基板設置体5の上面から起立している。Y軸方向突き当てピン33Bは、基板設置体5の上面の所定の位置(Y軸方向では一端部側、X軸方向では中央部)に設けられており、高さ方向が基板設置体5の上面と直交して基板設置体5の上面から起立している。
【0058】
基板W3は、この外周が突き当てピン33に当接し、厚さ方向の一方の面(薄膜W11が設けられている面)が上面になり、厚さ方向の他方の面が下面になり、この下面が基板設置体5の上面に面接触して、基板設置体5に一体的に設置される。
【0059】
なお、図2では、基板設置体5に基板W3が設置された状態で、突当てピン33の突出高さの値が基板W3の厚さの値よりも大きくなっているが、突当てピン33の突出高さの値が基板W3の厚さの値よりも小さくなっていてもよいし、突当てピン33の突出高さの値と基板W3の厚さの値とがお互いに等しくなっていてもよい。
【0060】
突当てピン33の上面と側面とには、突き当てピン基準マーク35がたとえばレーザマーカによって形成されている。そして、基板設置体5に基板W3を設置するときに、図3で示すように、X軸方向突き当てピン33Aの突き当てピン基準マーク35に一方の基材基準マークW19を合わせ(直線状の突き当てピン基準マーク35の端部に「十」字状の基材基準マークW19の1つの端部を合わせ)、Y軸方向突き当てピン33Bの突き当てピン基準マーク35に他方の基材基準マークW19を合わせる(直線状の突き当てピン基準マーク35の端部に「十」字状の基材基準マークW19の1つの端部を合わせる)ことで、基板設置体5の所定の位置に基板W3を位置決めして設置することができるようになっている。
【0061】
なお、図14で示すように、基板W3の外周の少なくとも2箇所に、円弧状の切り欠きW23,W25を設け、これらの各切り欠きW23,W25を突当てピン33に接触させれば、突き当てピン基準マーク35を削除しても、基板設置体5の所定の位置に基板W3を位置決めして設置することができる。
【0062】
また、図15で示すように、基板W3が矩形状等の形状である場合には、突当てピン33を適宜設け、これらの突き当てピン33に基板W3を突き当てれば、突き当てピン基準マーク35を削除しても、基板設置体5の所定の位置に基板W3を位置決めして設置することができる。
【0063】
ここで型M1と型設置体3と移動体25とについてさらに詳しく説明する。
【0064】
型M1は、たとえば、紫外線や可視光線が透過可能な石英ガラス等の材料で、円柱状に形成されている。型M1の底面には、球冠状の凹部(コア)M3が形成されている。型M1の高さ方向から見ると、型M1の底面の直径は、コアM3の直径よりも小さくなっており、型M1の底面の中心位置とコアM3の中心位置とがお互いに一致している。
【0065】
型設置体3は、ロードセル37を介して移動体25に一体的に設けられている。詳しく説明すると、移動体25の下部には、ロードセル37が一体的に設けられており、ロードセル37の下部に型設置体3が一体的に設けられている。
【0066】
設置済み型M1は、図示しないボルト等の締結具を用いて、型設置体3の下部で型設置体3に一体的に設けられている。型M1が型設置体3に一体的に設けられている状態では、円柱状の型M1の高さ方向がZ軸方向になっており、型M1の上面が型設置体3の平面状の下面に面接触しており、型M1の底面が、基板設置体5に設置された基板W3の上面に対向している。
【0067】
型設置体3と移動体25との間にロードセル37を設けてあることで、移動体25が下降して設置済み型M1で設置済み基板W3を押圧する場合、この押圧力を測定することができるようになっている。
【0068】
なお、上述したように、Y軸テーブル29が位置PY1と位置PY2との間で移動位置決め自在であり、X軸テーブル31が位置PX1と位置PX2との間で移動位置決め自在であることで、平面視した場合(Z軸方向から見た場合)、設置済み基板W3の上面の任意の位置に、設置済み型M1で成形体W5を設置することができるようになっている。
【0069】
撮影部7は、カメラ本体39と、このカメラ本体39を移動位置決めするカメラ移動位置決め装置41とを備えて構成されている。
【0070】
カメラ本体39は、レンズ筒鏡とこのレンズ筒鏡に設けられてレンズと撮像素子とを備えて構成されている。カメラ移動位置決め装置41は、カメラ本体39をX軸方向とY軸方向とで(Z軸方向を含む場合もある)移動位置決めするための装置であり、図3で示すように、カメラ支持体43とカメラベース体45とを備えて構成されている。
【0071】
カメラベース体45は、基板位置決め装置23の外側で(ベース体27のY軸方向の一端部から離れて)、図示しないリニアガイドベアリングを介してフレーム21に支持されている。また、カメラベース体45は、図示しないサーボモータ等のアクチュエータとボールネジとを用いて、制御装置11の制御の下、フレーム21に対してX軸方向で移動位置決め自在になっている。
【0072】
カメラ支持体43は、細長い形状に形成されており、長手方向の一端部にカメラ本体39が一体的に設けられており、カメラ支持体43の長手方向がY軸方向になるようにして、カメラベース体45に支持されている。また、カメラ支持体43は、図示しないリニアガイドベアリングを介してカメラベース体45に支持されていおり、図示しないサーボモータ等のアクチュエータとボールネジとを用いて、制御装置11の制御の下、カメラベース体45に対してY軸方向で移動位置決め自在になっている。なお、カメラ支持体43とカメラ本体39とは、基板設置体5(設置済み基板W3)の上方で基板設置体5(設置済み基板W3)から離れている。
【0073】
このようにしてカメラ本体39が設けられていることで、カメラ本体39が、フレーム21に対してX軸方向とY軸方向とで移動位置決め自在になっている。
【0074】
そして、カメラ移動位置決め装置41でカメラ本体39を移動位置決めすることで、もしくは、カメラ移動位置決め装置41でカメラ本体39を移動位置決めすることに加えて、基板位置決め装置23で基板設置体5を移動位置決めすることで、カメラ本体39で基板設置体5(設置済み基板W3)の上面の任意の位置を撮影することができるようになっている。
【0075】
また、カメラ移動位置決め装置41でカメラ本体39を移動位置決めすることで、カメラ本体39等を、型設置体3や設置済み型M1等と干渉しない退避位置に位置させることができるようになっている。
【0076】
成形体設置装置1には、樹脂供給装置47が設けられている。樹脂供給装置47は、樹脂供給ノズル49を備えており、この樹脂供給ノズル49から未硬化の紫外線硬化樹脂を所定量吐出し、設置済み基板W3の上面に未硬化の紫外線硬化樹脂を供給することができるようになっている。
【0077】
樹脂供給ノズル49は、樹脂供給ノズル移動位置決め装置(図示せず)で支持されており、制御装置11の制御の下、供給位置PS2と退避位置PS1との間を移動するようになっている。なお、供給位置PS2と退避位置PS1とは、設置済み基板W3の上方の位置である。供給位置PS2は、基板設置体5に設置された基板W3の上面の所定の位置に未硬化の紫外線硬化樹脂を供給する位置であり、退避位置PS1は、樹脂供給ノズル49が、型設置体3やカメラ本体39等と干渉しない位置である。
【0078】
なお、樹脂供給ノズル49を樹脂供給ノズル移動位置決め装置で支持することなく、設置済み基板W3の上面の所定の位置に、手動で未硬化の紫外線硬化樹脂を所定量供給するようにしてもよい。
【0079】
硬化部9は、たとえば、上側の紫外線発生装置(図示せず)で構成されている。上側紫外線発生装置は、移動体25の上側に設けられており、下方に向かって紫外線を出射するようになっている。上側紫外線発生装置が出射した紫外線は、移動体25とロードセル37と型設置体3とに設けられた貫通孔(図示せず)と設置済み型M1とを通って、型M1の下部に存在している紫外線硬化樹脂を硬化するようになっている。
【0080】
なお、硬化部9を上述したように上側紫外線発生装置で構成することに代えてもしくは加えて、硬化部9を、下側の紫外線発生装置(図示せず)で構成してもよい。下側紫外線発生装置は、たとえば、ベース体27の下側に設けられており、上方に向かって紫外線を出射するようになっている。下側紫外線発生装置が出射した紫外線は、ベース体27とY軸テーブル29とX軸テーブル31とに設けられた貫通孔(図示せず)と設置済み基板W3とを通って、設置済み型M1の下部(基板W3の上面の所定の位置)に存在している紫外線硬化樹脂を硬化するようになっている。
【0081】
ここで、成形体設置装置1の動作について、図4、図5、図7等を参照しつつ説明する。
【0082】
まず、初期状態として、型設置工程で型M1が型設置体3の所定の位置に設置されており、設置済み型M1が上昇している。また、基板設置工程で基板設置体5の所定の位置に基板W3が設置されており、カメラ本体39が退避位置に位置しており、樹脂供給ノズル49が退避位置PS1に位置している。また、硬化部9は停止しており紫外線を出射していない(S1)。
【0083】
続いて、制御装置11の制御の下、カメラ本体39を所定の位置に移動位置決めする。そして、基板設置工程で設置された基板W3の位置ずれ量を、基板設置体5に予め設けられている設置体基準マーク(「十」字状のアイマーク)19と基板W3に予め設けられている基材基準マーク(「十」字状のアイマーク)W19とを用いて測定する(S3;基材位置ずれ量測定工程)。
【0084】
すなわち、カメラ本体39を所定の位置に移動して、基板設置体5のアイマーク(設置体基準マーク)19と基板W3のアイマークW19とを撮影し、設置済み基板W3の位置ずれ量(基板設置体5に対する位置ずれ量)を測定する。
【0085】
より具体的には、まず、カメラ本体39を適宜移動位置決めして、図6で示す領域CF1をカメラ本体39で撮影する。なお、領域CF1は、設置済み基板W3とカメラ本体39とをフレーム21に対して固定しておいて、カメラ本体39の1回の撮影で撮影される領域である。この撮影によって、X軸方向突き当てピン33Aのところにおける設置済み基板W3の位置ずれ量ΔX1,ΔY1を測定する。なお、ΔX1は、X軸方向における位置ずれ量であり、ΔY1は、Y軸方向における位置ずれ量である。また、ΔX1,ΔY1がともに「0」であるときには、X軸方向突き当てピン33Aのところにおける設置済み基板W3に位置ずれは無いものとする。
【0086】
同様にして、図6で示す領域CF2をカメラ本体39で撮影し、Y軸方向突き当てピン33Bのところにおける設置済み基板W3の位置ずれ量ΔX2,ΔY2を測定する。
【0087】
続いて、樹脂供給ノズル49を供給位置PS2に移動して、未硬化の紫外線硬化樹脂W21を基板W3の所定の位置に供給し(図7(a)参照)、樹脂供給ノズル49を退避位置PS1まで退避させる(S5;未硬化紫外線硬化樹脂供給工程)。
【0088】
たとえば、未硬化紫外線硬化樹脂供給工程では、設置済み基板W3をX軸方向やY軸方向で適宜移動して、図3や図6で示す孔部W13aの真上に、樹脂供給ノズル49移動して、孔部W13aの内側に未硬化の紫外線硬化樹脂W21を供給する。
【0089】
続いて、基板位置ずれ量測定工程で測定した基板W3の位置ずれ量に応じて、設置済み基板W3に対する設置済み型M1の位置を相対的に補正し(実際には、基板位置決め装置23で設置済み基板W3の位置を補正し)、設置済み基板W3を設置済み型M1の真下に位置させて(図7(b)参照)、設置済み型M1を用いて設置済み基板W3に1回目の成形体W5を設ける(S7,S9,S11,S13;第1の成形体設置工程)。すなわち、成形体W5の試し設置がなされる。
【0090】
第1の成形体設置工程について詳しく説明すると、第1の成形体設置工程では、まず、ステップS3で求めた位置ずれ量に応じて、基板設置体5をX軸方向やY軸方向で僅かに適宜移動して位置決めする(S7)。
【0091】
ここで、ステップS7の補正について具体例を掲げて説明する。
【0092】
Y軸テーブル29が存在している位置PY1をY軸テーブル29の原点位置とし、X軸テーブル31が存在している位置PX1をX軸テーブル31の原点位置とする。また、図2や図3に示す孔部W13aに1回目の成形体W5を設けるものとする。
【0093】
この条件において、図6で示す位置ずれ量(ステップS3で求めた位置ずれ量)のΔX1とΔY1とΔX2とΔY2とが総てゼロ(0.000mm)であった場合には、Y軸テーブル29を原点から図3の上側に150.000mm移動し、X軸テーブル31を原点から図3の左側に10.000mm移動すればよいものとする。
【0094】
一方、上記条件において、図6で示す位置ずれ量(ステップS3で求めた位置ずれ量)のΔX1が0.100mmであり、ΔY1が0.150mmであり、ΔX2が0.100mmであり、ΔY2が0.150mmであった場合には、Y軸テーブル29を原点から図3の上側に150.150(150.000+0.150)mm移動し、X軸テーブル31を原点から図3の左側に10.100(150.000+0.100)mm移動するのである。
【0095】
第1の成形体設置工程では、続いて、型設置体3(設置済み型M1)の下降を開始する(S9)。型設置体3が所定の位置まで下降したときに(図7(c)で示すように、設置済み型M1と設置済み基板W3との間の距離が、ごく小さな距離であるLD1になったときに)、型設置体3の下降を停止する(S11)。図7(c)で示す状態では、未硬化の紫外線硬化樹脂W21が、型M1のコアM3内に入り込んでいるとともに、型M1の下面と基板W3の上面との間(平板状の隙間)にも入り込んでいる。
【0096】
第1の成形体設置工程では、続いて、硬化部9から未硬化の紫外線硬化樹脂W21に紫外線を照射して、紫外線硬化樹脂を硬化して成形体W5を得る。この後に、型設置体3を上昇して、設置済み型M1を、基板W3や成形体W5から離す(離型する;S13、図7(d)参照)。
【0097】
続いて、第1の成形体設置工程で設けた1回目の成形体W5の位置ずれ量を、基板W3に予め設けられている成形体用基準マークW13aを用いて測定する(S15;成形体位置ずれ量測定工程;図7(e)参照)。
【0098】
ここで、第1の成形体設置工程で設けた1回目の成形体W5の位置ずれ量とは、基板W3に対する成形体W5位置ずれ量であり、さらに説明すると、基板W3に成形体W5を設置する場合、基板W3のどの位置に成形体W5を設置するのか目標位置(設計値)が存在するのであるが、この目標位置からの位置ずれ量である。
【0099】
ステップS15についてさらに詳しく説明する。
【0100】
ステップS15では、カメラ本体39を所定の位置(孔部W13aの真上)に移動して、設置済み基板W3(孔部W13a)と、この基板W3の孔部W13aの内側に存在している成形体W5とを撮影し、基板W3の薄膜W11(孔部W13a)に対する成形体W5の位置ずれ量を測定する。
【0101】
より具体的には、まず、カメラ本体39を適宜移動位置決めして、図8で示す領域CF3をカメラ本体39で撮影する。なお、領域CF3は、設置済み基板W3とカメラ本体39とをフレーム21に対して固定しておいて、カメラ本体39の1回の撮影で撮影される領域である。この撮影によって、孔部W13aに対する成形体W5の位置ずれ量ΔX3,ΔY3を測定する。なお、ΔX3は、X軸方向における位置ずれ量であり、ΔY3は、Y軸方向における位置ずれ量である。また、ΔX3,ΔY3がともにゼロ(0.000mm)であるときには、孔部W13aに対する成形体W5の位置ずれは無いものとする。
【0102】
続いて、成形体位置ずれ量測定工程で測定した位置ずれ量に応じて、設置済み基板W3に対する設置済み型M1の位置を相対的に補正し(実際には、設置済み基板W3の位置を補正し)、設置済み基板W3に2回目以降の成形体W5を設ける(S17、S19、S21、S23、S25;第2の成形体設置工程)。すなわち、成形体W5の本設置がなされる。
【0103】
第2の成形体設置工程について詳しく説明すると、第2の成形体設置工程では、まず、ステップS5の場合と同様にして、樹脂供給ノズル49を供給位置PS2に移動して、未硬化の紫外線硬化樹脂W21を基板W3の所定の位置に供給し、樹脂供給ノズル49を退避位置PS1まで退避させる(S17)。
【0104】
第2の成形体設置工程では、続いて、ステップS3とステップS15とで求めた位置ずれ量に応じて、基板設置体5(設置済み基板W3)をX軸方向やY軸方向で適宜移動して所定の位置に位置決めする(S19)。
【0105】
ここで、ステップS19について具体例を掲げて説明する。
【0106】
Y軸テーブル29やX軸テーブル31の原点は、上述した原点と同様とする。また、図2や図3に示す孔部W13a以外の孔部W13に1つずつ2回目以降の成形体W5を設けるものとする。たとえば、図3や図6に示す孔部W13bの2日目(2つ目)の成形体を設けるものとする。
【0107】
この条件において、図8で示す位置ずれ量(ステップS15で求めた位置ずれ量)のΔX1とΔY1とΔX2とΔY2とが総てゼロ(0.000mm)であった場合には、Y軸テーブル29を原点から図3の上側に140.150mm移動し、X軸テーブル31を原点から図3の左側に17.100mm移動すればよい。なお、上記「140.150mm」の値や上記「17・100mm」の値は、ステップS3で測定した位置ずれ量による補正がされている値である。
【0108】
一方、上記条件において、図8で示す位置ずれ量(ステップS15で求めた位置ずれ量)のΔX3が0.050mmであり、ΔY3が0.040mmであった場合には、Y軸テーブル29を原点から図3の上側に140.110(140.150−0.040)mm移動し、X軸テーブル31を原点から図3の左側に17.050(17.100−0.050)mm移動するのである。
【0109】
第2の成形体設置工程では、続いて、型設置体3(設置済み型M1)の下降を開始する(S21)。型設置体3が所定の位置まで下降し、ステップS11の場合と同様にして、設置済み型M1と設置済み基板W3との間の距離が、ごく小さな距離であるLD1になったときに、型設置体3の下降を停止する(S23)。
【0110】
第2の成形体設置工程では、続いて、ステップS13の場合と同様にして、硬化部9から未硬化の紫外線硬化樹脂W21に紫外線を照射して、紫外線硬化樹脂を硬化して成形体W5を得る。この後に、型設置体3を上昇して、設置済み型M1を、基板W3や成形体W5から離すS25)。これにより、1回目に成形した成形体W5と同様な成形体W5が、基板W3の設置される。
【0111】
続いて、基板W3に設置された成形体W5の個数が、完成数Nに達したか否かを判断し(S27)、達していないときには、ステップS17に戻る。なお、成形体W5の個数が完成数Nに達したか否かの判断は、たとえば、1枚の基板W3に2000個の成形体W5を設置し終えたときに、成形品W1が完成するとすると、成形体W5の個数が2000個に達したか否かでなされる。
【0112】
ステップS27で、成形体W5の個数が完成数Nに達したときには、1枚の基板W3への成形体W5の設置動作を終了し、基板W3を交換し、この交換した基板W3への成形体W5の設置を開始するか、もしくは、基板W3を基板設置体5から取り外し、動作の総てを終了する。
【0113】
ステップS27で、成形体W5の個数が完成数Nに達していないときには、ステップS17〜ステップS25で設置された成形体W5の個数が、現在に一番近いステップS15の動作から数えて所定の数M(ただし、所定数M<完成数N)に達したか否を判断する(S29)。
【0114】
そして、設置された成形体W5の個数が所定の数Mに達していない場合には、ステップS17に戻り、成形体W5の設置を継続する。設置された成形体W5の個数が所定の数Mに達した場合には、ステップS15に戻る。
【0115】
これにより、第2の成形体設置工程で設置済み基板W3に2回目以降の成形体W5を設ける場合、所定の数Mの成形体W5を基板W3に設ける毎に、成形体位置ずれ量測定工程で成形体W5の位置ずれ量を測定し、この測定した位置ずれ量に応じて、設置済み基板W3に対する設置済み型M1の位置を相対的に補正することになる。
【0116】
具体例を掲げて説明する。1つ目の成形体W5を設置した後、2つ目から20個目までの成形体W5の設置では、ステップS15の測定は行わない。すなわち、孔部W13とこの孔部W13の内側に設置された成形体W5との位置ずれの測定をすることなく、1つ目に設置された成形体W5の位置ずれ量に応じて基板設置体5の位置の補正をし、孔部W13に成形体W5を設置する。続いて、21個目の成形体W5設置した後、ステップS15の測定を行う。続いて、22個目から40目までの成形体W5の設置では、ステップS15の測定は行わないで、21個目に設置された成形体W5に位置ずれ量に応じて基板設置体5の位置の補正をし、孔部W13に成形体W5を設置する。同様にして、20個の成形体W5を設置する毎に1回、成形体W5の位置ずれ量を測定し、基板設置体5の位置を補正しつつ、成形体W5を基板W3に設置する。
【0117】
なお、1枚の基板W3に多数の成形体W5を設置する場合、はじめにうちは、ステップS29で示す個数Mを小さくしておいて、その後、ステップS15で測定した位置ずれ量の変化に応じて、上記個数Mの値を変更してもよい。
【0118】
たとえば、はじめのうちは、上記個数Mを20にしておき、その後、成形体W5の位置ずれ量が、ほぼ一定である場合には、上記20の値を維持し、成形体W5の位置ずれ量が増加している場合には、上記20の値を自動的に少なくし、成形体W5の位置ずれ量が減少している場合には、上記20の値を自動的に大きくしてもよい。
【0119】
ところで、既に理解されるように。基板W3の厚さ方向から見ると、成形体用基準マーク(孔部)W13と成形体W5とは、円形になっており、成形体W5が成形体用基準マークW13の内側に設けられている。そして、図8では、カメラ本体39が一度に、1つの孔部W13とこの孔部W13内に設けられた成形体W5の全体とを撮影できるようになっている。しかし、図9で示すように、カメラ本体39の視野CFが狭いことで、孔部W13や成形体W5をカメラ本体39が一度に撮影することができない場合がある。
【0120】
このように一度に撮影することができない場合、ステップS15で示す成形体位置ずれ量測定工程は、成形体W5の外周の一部を構成する円弧と、成形体用基準マーク孔部(成形体用基準マーク)W13の一部を構成する円弧とを用いて、成形体W5の位置ずれ量を測定するものとする。
【0121】
すなわち、ステップS15では、ステップS5〜S13,ステップS17〜S25の成形体設置工程で設置した成形体W5の外周(たとえば、先部W9の外周)の一部を構成する円弧から成形体W5の中心位置を求め、この成形体W5の外側に存在する孔部W13の一部を構成する円弧から孔部W13の中心位置をもとめ、この求めた孔部W13の中心位置に対する求めた成形体W5の中心位置の位置ずれ量を測定することで、成形体W5の位置ずれ量を測定するのである。
【0122】
図10を用いて具体的に説明する。なお、図10の参照符号CFは、カメラ本体39の視野を示す。
【0123】
まず、孔部W13aの外周の一部(円弧)をカメラ本体39で撮影し、画像処理部17で、上記撮影した円弧上の任意の3点(お互いが離れている3点)P11,P12,P13を定める。なお、3点P11,P12,P13のうちの点P11は、視野CFの一端部側に位置しており、点P13は、視野CFの他端部側に位置しており、点P12は、2点P11,P13のほぼ中央に位置していることが望ましい。
【0124】
続いて、点P11と点P12とをお互いに結ぶ線分L11と、点P12と点P13とをお互いに結ぶ線分L12とをもとめる。
【0125】
続いて、線分L11の垂直2等分線M11と、線分L12の垂直2等分線M12とを求め、垂直2等分線M11と垂直2等分線M12との交点O1を求めれば、このもとめた交点O1が、円形状の孔部W13aの中心(中心点)になる。
【0126】
なお、カメラ本体39で撮影する部位(孔部W13aの外周の部位)を変えて、孔部W13aの中心点を複数回求めてもよい。
【0127】
たとえば、図11で示すように、円形状の孔部W13aの中心に対して反対側に位置している孔部W13aの外周の一部(円弧)をカメラ本体39で撮影し、孔部W13aの中心O2を求めてもよい。なお、図11の参照符号CFは、カメラ本体39の視野を示す。
【0128】
すなわち、図10の場合と同様にして、上記撮影した円弧上の任意の3点P21,P22,P23を定め、点P21と点P22とをお互いに結ぶ線分L21と、点P22と点P23とをお互いに結ぶ線分L22とをもとめ、線分L21の垂直2等分線M21と、線分L22の垂直2等分線M22とを求め、垂直2等分線M21と垂直2等分線M22との交点O2を求めれば、このもとめた交点O2が、円形状の孔部W13aの中心(中心点)になる。
【0129】
なお、図10で示す撮影した後、図11で示す撮影をするときには、カメラ本体39を移動させることなくフレーム21に対して固定しておき、基板位置決め装置23を移動することが望ましい。
【0130】
また、孔部W13aの中心位置を複数回もとめた場合には、これらのもとめた中心位置の平均値を、孔部W13aの中心位置とする。
【0131】
さらに、図12で示すように、孔部W13aの外周の一部(円弧)をカメラ本体39で撮影し、この撮影した円弧上の任意の4点(お互いが離れている3点)PA1,PA2,PB1,PB2を定めて、孔部W13aの中心OAをもとめてもよい。
【0132】
点PA1は、カメラ本体39の視野CFの一端部側に位置しており、点PB2は、カメラ本体39の視野CFの他端部側に位置しており、点PA2は、点PB2側に位置しており、点PB1は、点PA1側に位置している。
【0133】
そして、図10の場合と同様にして、点PA1と点PA2とをお互いに結ぶ線分LA1と、点PB1と点PB2とをお互いに結ぶ線分LB1とをもとめ、線分LA1の垂直2等分線MA1と、線分LB1の垂直2等分線MB1とをもとめ、垂直2等分線MA1と垂直2等分線MB1との交点OAを求めれば、このもとめた交点OAが、円形状の孔部W13aの中心(中心点)になる。
【0134】
また、図10〜図12では示していない成形体(孔部W13aの内側に設置された円形状の成形体)W5の中心(たとえば先部W9の中心)も、孔部W13aの中心と同様にしてもとめるものとする。
【0135】
なお、未硬化の紫外線硬化樹脂W21の供給量が適量でないと、成形体W5(基部W7)の形状が円形ならないおそれがある。そこで、カメラ本体39で基部W7の中心位置を複数回求め、これらのもとめた中心位置のばらつきが所定の範囲より大きいときに、未硬化の紫外線硬化樹脂W21の供給量を適宜調整してもよい。
【0136】
成形体設置装置1によれば、1回目に設置した成形体W5の位置ずれ量に応じて、設置済み基板W3に対する設置済み型M1の位置を補正し、設置済み基板W3に2回目以降の成形体W5を設けるので、設置済み型M1の押圧力等によって型M1の位置ずれが発生する場合等においても、2回目以降に設置した成形体W5の基板W3に対する位置ずれ量をほぼ無くすことができる。すなわち、基板W3の正しい位置(目標位置)に成形体W5を設けることができる。
【0137】
また、成形体設置装置1によれば、設置済み基板W3の位置ずれ量(基板設置体5に対する位置ずれ量)を測定し、この測定した位置ずれ量に応じて、設置済み基板W3に対する設置済み型M1の位置を補正し、設置済み型M1を用いて設置済み基板W3に1つ目の成形体W5を設けているので、設置済み基板W3の位置(基板設置体5に対する位置)がずれていても、1つ目の成形体W5の位置ずれ量(基板W3に対する位置ずれ量)を極力少なくすることができる。
【0138】
また、成形体設置装置1によれば、設置済み基板W3に2回目以降の成形体W5を設ける場合、所定の数Mの成形体W5を設置済み基板W3に設ける毎に、基板W3に対する成形体W5の位置ずれ量を測定し、この測定した位置ずれ量に応じて、設置済み基板W3に対する設置済み型M1の位置を補正するので、基板W3に複数の成形体W5を繰り返し設けること等による経時変化で、成形体W5の位置ずれ(基板W3に対する位置ずれ)が生じたとしても、この位置ずれを補正することができる。
【0139】
また、成形体設置装置1によれば、成形体W5の外周の一部を構成する円弧と、成形体用基準マーク(孔部)W13の一部を構成する円弧とを用いて、成形体W5の位置ずれ量(基板W3に対する位置ずれ量)を測定するので、カメラ本体39の視野が狭くても、成形体W5の位置ずれ量を正確に測定することができる。
【0140】
すなわち、成形体W5の位置ずれ量の測定精度を高めるためには、高倍率のカメラ本体39を使用する(カメラ本体39の撮像素子の画素数が一定である場合には、焦点距離の長いレンズを備えているカメラ本体39を使用する)。これにより、カメラ本体39の視野CFの範囲が狭くなり(カメラ本体39の画角が小さくなり)、成形体用基準マーク(孔部)W13や成形体W5の全体を一度に撮影することができなくなることがある(図10等参照)。
【0141】
しかし、上述したように円弧を用いることで、成形体用基準マーク(孔部)W13の全体や成形体W5の全体がカメラ本体39の視野CFに入らなくても、成形体W5の位置ずれ量を正確に測定することができる。
【0142】
なお、上記説明では、基板W3のアイマークW19と基板設置体5の設置体基準マーク19とを用いて、基板設置体5に対する設置済み基板W3に位置ずれ量を測定しているが、基板W3の孔部W13と基板設置体5の設置体基準マーク19とを用いて、基板設置体5に対する設置済み基板W3に位置ずれ量を測定してもよい。
【0143】
また、基板W3の孔部W13と成形体W5とを用いて、基板W3に対する成形体W5の位置ずれ量を測定しているが、基板W3のアイマークW19と成形体W5とを用いて、基板W3に対する成形体W5の位置ずれ量を測定してもよい。
【0144】
さらに、上記説明では、成形体W5を紫外線硬化樹脂で構成しており、型M1と基板W3とを石英ガラスで構成している。そして、型M1、基板W3の少なくともいずれかを通して、紫外線硬化樹脂に紫外線(図示しない紫外線発生装置が発した紫外線)を照射し、紫外線硬化樹脂を硬化して成形体W5を設置している。しかし、型M1、基板W3のいずれか一方をニッケル等の金属で構成し他方を石英ガラスで構成し、石英ガラスで構成されたものを通して紫外線硬化樹脂に紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂を硬化して、成形体W5を設けてもよい。
【0145】
また、成形体W5が熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂やガラスで構成されている場合には、型M1と基板W3とを金属で構成してもよい。なお、成形体W5が熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂やガラスで構成されている場合には、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂やガラスを加熱するヒータや冷却するクーラで型M1や基板W3の温度が調整されるようになっている。
【0146】
基板W3の複数の成形体W5を設置することで得られた成形品W1は、たとえば、小さな凸レンズが集合しているレンズ集合体(製品もしくは半製品)として使用される。
【0147】
もしくは、成形品W1は、成形体W5とのこの成形体W5が設置されている基板W3の部分毎に切断され(基板W3が切断され)、製品もしくは半製品として使用される。
【0148】
もしくは、成形品W1は、図13で示すように、金型M5(M7)を製造するときのマスター型として使用される。
【0149】
すなわち、図13(a)で示すように、成形品W1の下面(成形体W5等の表面)に真空蒸着等によってシード層を設け、電鋳によって金型M5を生成する。この後、図13(b)で示すように、成形品W1を金型M5から分離する。この後、図13(b)で示す金型M5の上面を僅かな厚さだけ除去することで(基部W7の厚さ分除去することで)、図13(c)に示す金型M7を得る場合もある。
【0150】
このようにして得られた金型M5(M7)は、レンズ集合体をモールド成形するときの型として使用される。この金型M5(M7)において、図4に示すステップS15で測定した位置ずれ量が許容値よりも大きな場合には、図8で示す孔部W13aに設置された成形体W5に対応する部位は、コアとして使用しないものとする。
【0151】
また、ステップS3において、基板W3が金属等の光を透過しない材料で構成されている場合には、図16で示すように、基板設置体5の設置体基準マーク19を設置済み基板W3の外側に配置すればよい。すなわち、基板設置体5に基板W3を設置した状態を平面視すると、基板W3の外側であって基板W3の外周(アイマークW19が設けられている部位)の近くに、設置体基準マーク19を設けた構成であってもよい。
【0152】
なお、図16(a)は、位置ずれが無い状態で基板W3が基板設置体5に設置された状態を示している。この状態では、1つのアイマークW19と1つの設置体基準マーク19との間の距離がX4になっており、他の1つのアイマークW19と他の1つの設置体基準マーク19との間の距離がY4になっている。
【0153】
一方、図16(b)は、位置ずれが発生している状態で基板W3が基板設置体5に設置された状態を示している。この状態では、1つのアイマークW19と1つの設置体基準マーク19との間の位置ずれ量は、X軸方向でΔX4a(X4+ΔX4a−X4)になっており、Y軸方向でΔY4aになっている。また、他の1つのアイマークW19と他の1つの設置体基準マーク19との間の位置ずれ量は、X軸方向でΔX4bになっており、Y軸方向でΔY4b(Y4+ΔY4b−Y4)になっている。
【0154】
なお、上述した説明では、基材設置体5の所定の位置に設置した基材W3の位置ずれ量を、基材設置体5に予め設けられている設置体基準マーク19と基材W3に予め設けられている基材基準マークW19とを用いて測定しているが、この測定をすることなく、次に示すようにして基材W3に成形体W5を設けてもよい。
【0155】
まず、基材設置体5の所定の位置に基材W3を設置する(基材設置工程)。
【0156】
続いて、基材設置工程で設置された基材W3の位置を、基材W3に予め設けられている基材基準マークW19を用いてもとめる。すなわち、少なくとも2つの基材基準マークW19を撮影部7で撮影することで、X軸方向とY軸方向とにおける基材W3の設置位置(たとえば基材W3の中心位置)と、θ軸まわりにおける基材W3の設置角度とをもとめる。
【0157】
続いて、基材位置測定工程で求めた基材W3の位置に応じて、基材設置体5に設置されている基材W3に対する型M1の位置決めをし、この型M1を用いて基材W3の所定の位置に成形体W5を設ける(第1の成形体設置工程)。すなわち、第1の成形体設置工程では、基材位置測定工程でもとめた基材W3の中心位置や設置角度を基準にして、成形したい位置が予めわかっている場所(決められている場所)に成形体W5を設ける。
【0158】
続いて、第1の成形体設置工程で設けた成形体W5の位置ずれ量を、この成形体W5と基材W3に予め設けられている成形体用基準マークW19とを用いて(撮影部7で撮影することで)測定する(成形体位置ずれ量測定工程)。
【0159】
続いて、成形体位置ずれ量測定工程で測定した位置ずれ量に応じて、基材W3に対する型M1の位置を補正し、基材W3の所定の位置に2回目以降の成形体W5を設ける(第2の成形体設置工程)。この第2の成形体設置工程では、第1の成形体設置工程と同様にして、基材W3の中心位置や設置角度を基準にして、成形したい位置が予めわかっている場所に成形体W5を設置するのであるが、この場合に上記補正がなされる。
【0160】
このようにして成形体W5を設けることで、設置体基準マーク19や基材設置体5に対する基材W3の位置決め等が不要になり、成形体W5を設置する工程を簡素化することができる。
【0161】
また、上記説明では、成形体W5が平凸レンズ状に形成されているが、必ずしもこのような形状になっている必要は無く、平凹レンズ状等の他の形状になっていてもよい。
【符号の説明】
【0162】
1 成形体設置装置
3 型設置体
5 基板設置体
7 撮影部
9 硬化部
11 制御装置
19 設置体基準マーク(アイマーク)
M1 型
W3 基材(基板)
W5 成形体
W13 成形体用基準マーク(孔部)
W19 基材基準マーク(アイマーク)
W21 成形材料(紫外線硬化樹脂)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
型を用いて複数の成形体を基材に一体的に設ける成形体の設置方法において、
前記基材に成形体を設ける第1の成形体設置工程と、
前記第1の成形体設置工程で設けた成形体の位置ずれ量を、前記基材に予め設けられている成形体用基準マークを用いて測定する成形体位置ずれ量測定工程と、
前記成形体位置ずれ量測定工程で測定した位置ずれ量に応じて、前記基材に対する前記型の位置を補正し、前記基材に2回目以降の成形体を設ける第2の成形体設置工程と、
を有することを特徴とする成形体の設置方法。
【請求項2】
型を用いて複数の成形体を基材に一体的に設ける成形体の設置方法において、
基材設置体に基材を設置する基材設置工程と、
前記基材設置工程で設置された基材の位置を、前記基材に予め設けられている基材基準マークを用いてもとめる基材位置測定工程と、
前記基材位置測定工程で求めた基材の位置に応じて、前記基材設置体に設置されている基材に対する前記型の位置決めをし、前記型を用いて前記基材に成形体を設ける第1の成形体設置工程と、
前記第1の成形体設置工程で設けた成形体の位置ずれ量を、前記基材に予め設けられている成形体用基準マークを用いて測定する成形体位置ずれ量測定工程と、
前記成形体位置ずれ量測定工程で測定した位置ずれ量に応じて、前記基材に対する前記型の位置を補正し、前記基材に2回目以降の成形体を設ける第2の成形体設置工程と、
を有することを特徴とする成形体の設置方法。
【請求項3】
型を用いて複数の成形体を基材に一体的に設ける成形体の設置方法において、
基材設置体の所定の位置に基材を設置する基材設置工程と、
前記基材設置工程で設置された基材の位置ずれ量を、前記基材設置体に予め設けられている設置体基準マークと前記基材に予め設けられている基材基準マークとを用いて測定する基材位置ずれ量測定工程と、
前記基材位置ずれ量測定工程で測定した基材の位置ずれ量に応じて、前記基材設置体に設置されている基材に対する前記型の位置を補正し、前記型を用いて前記基材に成形体を設ける第1の成形体設置工程と、
前記第1の成形体設置工程で設けた成形体の位置ずれ量を、前記基材に予め設けられている成形体用基準マークを用いて測定する成形体位置ずれ量測定工程と、
前記成形体位置ずれ量測定工程で測定した位置ずれ量に応じて、前記基材に対する前記型の位置を補正し、前記基材に2回目以降の成形体を設ける第2の成形体設置工程と、
を有することを特徴とする成形体の設置方法。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の成形体の設置方法において、
前記第2の成形体設置工程で前記基材に2回目以降の成形体を設ける場合、所定の数の成形体を前記基材に設ける毎に、前記成形体位置ずれ量測定工程で成形体の位置ずれ量を測定し、この測定した位置ずれ量に応じて、前記基材に対する前記型の位置を補正することを特徴とする成形体の設置方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の成形体の設置方法において、
前記基材は平板状に形成されており、前記成形体は前記基板の厚さ方向の一方の面に設けられ、前記基材の厚さ方向から見ると、前記成形体用基準マークと前記成形体とは、円形になっており、
前記成形体位置ずれ量測定工程は、前記成形体の外周の一部を構成する円弧と、前記成形体用基準マークの一部を構成する円弧とを用いて、前記成形体の位置ずれ量を測定する工程であることを特徴とする成形体の設置方法。
【請求項6】
型を用いて、複数の成形体を基材に一体的に設ける成形体の設置装置において、
前記型が設置される型設置体と、
前記型設置体に対して相対的に移動位置決め自在であり、前記基材が設置される基材設置体と、
前記基材設置体に設けられている基材を撮影するための撮影部と、
前記基材に供給された未硬化の成形材料を硬化する硬化部と、
未硬化の成形材料が供給された前記基材の部位に、前記型を相対的に接近させて位置決めし、前記硬化部で前記成形材料を硬化し、この成形材料の硬化後に前記型を前記基材から相対的に離して1つ目の成形体を基材に設け、
前記1つ目の成形体を基材に設けた後、前記基材に予め設けられている成形体用基準マークと前記成形体とを前記撮影部で撮影し、この撮影結果に応じて、前記成形体の位置ずれ量をもとめ、
このもとめた成形体の位置ずれ量に応じて、前記基材に対する前記型の位置を補正しつつ、未硬化の成形材料が供給された前記基材の部位に、前記型を相対的に接近させて位置決めをし、前記硬化部で前記成形材料を硬化し、この成形材料の硬化後に前記型を前記基材から相対的に離して、2つ目以降の成形体を基材に設置するように、前記基材設置体の相対的な移動、前記撮影部、前記硬化部を制御する制御装置と、
を有することを特徴とする成形体の設置装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2012−232547(P2012−232547A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104165(P2011−104165)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【Fターム(参考)】