説明

成形機

【課題】特別な装備を備えることなく、固定側金型と可動側金型との芯出しを容易かつ高精度に行うことができる成形機を提供する。
【解決手段】表示・設定手段33の金型芯出しボタン57を2度押しすると、金型芯出しモードが起動し(ステップS1)、型開・型厚後退工程(ステップS2)、型閉・型厚前進工程(ステップS3)、型開・型厚前進工程(ステップS4)が順次実行される。これにより、所定の型締力が得られる位置にテールストック3が位置付けられる。次いで、型締(ステップS5)と、型開(ステップS6)とを、複数回繰り返し、固定側金型15と可動側金型16との芯出しを行う。しかる後に、再度型締を行い(ステップS7)、固定ダイプレート2に対して固定側金型15を強固に締結すると共に、可動ダイプレート5に対して可動側金型16を強固に締結して、金型15,16の芯出し作業を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機及びダイカストマシン等の成形機に係り、特に、成形機本体に搭載される固定側金型と可動側金型の芯出し手段に関する。
【背景技術】
【0002】
成形機本体に搭載される固定側金型及び可動側金型は、高品質の成形品を得るため及び金型同士の干渉を防止して金型の破壊を防止するため、成形作業を開始する以前に、高精度に芯出しする必要がある。従来、成形機における金型の芯出し手段としては、弾発部材を備えた仮クランプ装置に固定側金型及び可動側金型の一方を取り付け、これら各金型の対向面に形成された凸部と凹部をいんろうに嵌合して両金型の芯出しを行い、しかる後に、仮クランプ装置に取り付けられた金型を本クランプするものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、他の例としては、可動ダイプレートとこれに取り付けられる可動側金型との間に、可動側金型をその進退方向に垂直な面内におけるX−Y方向に位置調整可能なX−Y送り機構を設けるものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
なお、成形機には、回転テーブルに搭載した複数の可動側金型に対応して、複数の固定側金型を設けると共に、各可動側金型と固定側金型の対に対応する複数の射出ユニットを設けた所謂多色成形機がある(例えば、特許文献3参照。)。この多色成形機についても、各可動側金型と固定側金型の芯出しを行う必要がある。
【特許文献1】特開平5−245903号公報
【特許文献2】特開2008−246783号公報
【特許文献3】特開2008−55625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1,2に記載の固定側金型と可動側金型の芯出し手段は、成形品の製造に直接関与しない芯出し用の特別な装備を備えるので、成形機が高コスト化するという問題がある。また、かかる不都合は、複数の可動側金型と固定側金型の対を有する多色成形機では、特に顕著になる。
【0005】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特別な装備を備えることなく、固定側金型と可動側金型との芯出しを容易かつ高精度に行うことができる成形機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、この目的を達成するため、成形機を、型厚調整用モータを回転駆動することにより、固定ダイプレートに対するテールストックの設定位置調整を行う型厚調整機構と、型締用サーボモータを回転駆動することにより、前記固定ダイプレートに対する可動ダイプレートの前後進を行う型締装置と、金型取付ボルトにより前記固定ダイプレートに固定される固定側金型と、金型取付ボルトにより前記可動ダイプレートに固定される可動側金型と、前記型厚調整用モータ及び前記型締用サーボモータの駆動を制御するコントローラとを備え、前記固定側金型及び前記可動側金型の突き合わせ面には、芯出し突起と、これを嵌合する芯出し凹部とが対向に形成され、かつ、前記コントローラには、前記固定側金型と前記可動側金型の芯出し作業を実行する際の芯出し回数、芯出し型開量、型厚前進量、型厚後退量及び成形時における型締力が設定されており、前記コントローラは、金型芯出しモードが起動されたとき、前記型開量で前記可動ダイプレートを前後進するように前記型締用サーボモータの駆動を制御すると共に、前記型厚前進量及び前記型厚後退量で前記テールストックを前後進するように前記型厚調整用モータの駆動を制御して、前記成形時における型締力を発生可能な前記テールストックの設定位置を決定した後、前記芯出し回数だけ前記芯出し型開量で前記可動ダイプレートを前後進するように前記型締用サーボモータの駆動を繰り返すという構成にした。
【0007】
かかる構成によると、固定側金型と可動側金型の芯出し作業を、型厚調整用モータ及び型締用サーボモータの駆動を制御することのみによって実行するので、成形品の製造に直接関与しない芯出し用の特別な装備を備える必要がない。また、テールストックの設定位置を決定した後に、可動ダイプレートの前後進を複数回繰り返すことにより芯出し作業を実行するので、大重量物である固定側金型と可動側金型の芯出しを確実に行えると共に、芯出し突起及び芯出し凹部への過大な負荷を防止できる。
【0008】
本発明は第2に、前記構成の成形機において、前記芯出し型開量及び前記型厚後退量は、それらの和が、前記芯出し突起の高さよりも小さくなるように設定されるという構成にした。
【0009】
かかる構成によると、芯出し作業時において可動ダイプレートを最大限後退させた場合にも、芯出し突起と芯出し凹部との嵌合が維持されるので、固定側金型と可動側金型の芯出しを確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の成形機は、固定側金型と可動側金型の芯出し作業を実行するに際して、成形品の製造に直接関与しない芯出し用の特別な装備を備える必要がないので、芯出し機能を有する成形機を安価に提供できる。また、テールストックの設定位置を決定した後に、可動ダイプレートの前後進を複数回繰り返すことにより芯出し作業を実行するので、大重量物である固定側金型と可動側金型の芯出しを確実に行えると共に、芯出し突起及び芯出し凹部に過大な力が作用せず、芯出し作業を安全かつ確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
まず、本発明に係る成形機の第1実施形態を、図1乃至図4を用いて説明する。第1実施形態に係る成形機は、金型を1対のみ備えた所謂単色成形機であり、図1は第1実施形態に係る成形機の要部構成図、図2は金型の表面に形成される芯出し突起及び芯出し凹部の説明図、図3は表示装置に表示される芯出し作業時の画面構成を示す図、図4はコントローラによって実行される芯出し作業の手順を示すフロー図である。
【0012】
図1に示すように、本例の成形機は、所定の間隔を隔てて対向に固定された固定ダイプレート2及びテールストック3と、両端がこれら固定ダイプレート2及びテールストック3に固定された4本のタイバー4と、タイバー4に案内されて固定ダイプレート2とテールストック3との間で前後進する可動ダイプレート5と、テールストック3と可動ダイプレート5とを連結するトグルリンク機構6と、テールストック3に搭載された型締用サーボモータ7及び型厚調整用モータ8と、これらの各モータ7,8の回転量及び回転方向を検出する第1エンコーダ9及び第2エンコーダ10と、型締用サーボモータ7の回転運動を直進運動に変換してトグルリンク機構6に伝達するボールネジ機構11と、型締用サーボモータ7及び型厚調整用モータ8の駆動を制御するコントローラ13と、コントローラ13からの指令信号に応じた型締用サーボモータ7及び型厚調整用モータ8の駆動信号を出力するモータドライバ14と、固定ダイプレート2に搭載された固定側金型15と、可動ダイプレート5に搭載された可動側金型16とからなる型締装置を備えている。なお、成形機に搭載される射出装置については、本発明の要旨ではなく、かつ公知に属する事項であるので、説明を省略する。
【0013】
各タイバー4の一端は、固定ダイプレート2に固定されている。また、各タイバー4の他端にはねじがきられており、該ねじには型厚調整ナット20が螺合されている。この型厚調整ナット20は、テールストック3に対して回転可能かつ前後動不能に取り付けられており、型厚調整用モータ8により駆動される図示しない大きなギアに連結されている。したがって、型厚調整用モータ8を回転駆動することにより、図示しない大きなギアを介して型厚調整ナット20が回転駆動され、テールストック3を前後方向に移動することができる。
【0014】
トグルリンク機構6は、図1に示すように、一端側がテールストック3に回動可能にピン結合されたBリンク21と、一端側が可動ダイプレート5に回動可能にピン結合されると共に、他端側がBリンク21の他端側と相対的に回動するようにピン結合されたAリンク22と、ボールネジ機構11を介して型締用サーボモータ7の駆動力を受けるクロスヘッド23と、一端がクロスヘッド23に回動可能にピン結合されると共に、他端側がBリンク21の中間部と相対的に回動するようにピン結合されたCリンク24とからなる。なお、本例のトグルリンク機構6は、Aリンク22とBリンク21とCリンク24とを有する5点軸支構造のリンク機構となっているが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、他の形式のトグルリンク機構を備えることも勿論可能である。
【0015】
このトグルリンク機構6は、型締用サーボモータ7を駆動し、ボールネジ機構11を介してクロスヘッド23を固定ダイプレート2側に前進させると、図1に示すようにAリンク22とBリンク21とが一直線状に延びて可動ダイプレート5が固定ダイプレート2側に前進し、固定側金型15と可動側金型16とが型締めされる。これにより、固定側金型15と可動側金型16との間に所要の金型キャビティ25が形成されるので、図示しない射出装置による金型キャビティ25内への成形材料の射出が可能になる。また、この状態から、型締用サーボモータ7を駆動し、ボールネジ機構11を介してクロスヘッド23をテールストック3側に後退させると、Aリンク22とBリンク21とが折り畳まれて可動ダイプレート5がテールストック3側に後退し、固定側金型15と可動側金型16とが型開される。これにより、成形品の取り出しが可能になる。
【0016】
コントローラ13は、図1に示すように、第1エンコーダ9の出力信号s1及び第2エンコーダ10の出力信号s2を取り込んで、モータドライバ14にこれに応じた型締用サーボモータ7の指令信号s3及び型厚調整用モータ8の指令信号s4を出力するモータ制御回路31及びCPU32と、金型の芯出しに必要なパラメータを設定すると共に、設定されたパラメータを表示する表示・設定手段33と、金型の芯出しに必要なデータ及びプログラム等を記憶するROM及びRAMを含む記憶手段34とから構成されている。モータドライバ14は、コントローラ13から出力される指令信号s3,s4に応じた駆動信号s5,s6を、型締用サーボモータ7及び型厚調整用モータ8にそれぞれ出力する。
【0017】
固定側金型15及び可動側金型16の突き合わせ面(金型鏡面)には、図2に示すように、その四隅部に、芯出し突起41と、これを嵌合するための芯出し凹部42とが対向に形成されている。これらの各金型15,16は、成形機1上に搭載される以前において、芯出し凹部42内に芯出し突起41が嵌合された状態で組み合わされ、それぞれ固定ダイプレート2及び可動ダイプレート5に図示しない複数本の金型締結ボルトにて締結されている。また、これら各ダイプレート2,5及び各金型15,16の組立体は、図示しない型開止めプレートにより一体化されており、この型開止めプレートは、各ダイプレート2,5及び各金型15,16の組立体を成形機1上に搭載した後に取り外される。なお、図2の例では、固定側金型15に芯出し突起41が形成され、可動側金型16に芯出し凹部42が形成されているが、これとは逆に、固定側金型15に芯出し凹部42を形成し、可動側金型16に芯出し突起41を形成しても良い。また、固定側金型15と可動側金型16とに芯出し突起41と芯出し凹部42とを形成することもできる。
【0018】
表示・設定手段33を操作して、金型の芯出しを選択すると、表示・設定手段33には、図3に示す画面が表示される。この状態で、ユーザは表示・設定手段33を再度操作し、型締力設定欄51、芯出し型締力設定欄52、芯出し回数設定欄53、芯出し型開量設定欄54、型厚前進量設定欄55及び型厚後退量設定欄56に、それぞれ型締力A、芯出し型締力B、芯出し回数C、芯出し型開量D、型厚前進量E及び型厚後退量Fを設定する。しかる後に、ユーザが表示・設定手段33の金型芯出しボタン57を2度押しすると、図4に示す芯出しフローが実行される。
【0019】
以下、コントローラ13により実行される成形機の芯出しフローを、図4に基づいて説明する。成形機の芯出しフローを実行するに際しては、金型温度を所定温度まで昇温すると共に、金型締結ボルトを緩め、各ダイプレート2,5に対して各金型15,16がある程度面方向に移動できるように、締め付け力が調整される。
【0020】
ユーザが表示・設定手段33の金型芯出しボタン57を2度押しすると、金型芯出しモードが起動し(ステップS1)、型締用サーボモータ7を開方向に駆動して、芯出し型開量設定欄54に設定された芯出し型開量D(図3の例では、3mm)だけ可動側金型16を型開すると共に、型厚調整用モータ8を後退方向に駆動して、型厚後退量設定欄56に設定された型厚後退量F(図3の例では、3mm)だけテールストック3を後退する(ステップS2)。これにより、固定側金型15と可動側金型16の間に、全く型締力が作用しない状態となる。なお、芯出し型開量D及び型厚後退量Fの和は、芯出し突起41の高さHよりも小さく設定される。これにより、ステップS2の完了時においても、芯出し突起41が芯出し凹部42から脱落せず、本例の芯出し作業を円滑に行うことができる。
【0021】
次いで、型締用サーボモータ7を閉方向に駆動して、芯出し型開量設定欄54に設定された芯出し型開量Dだけ可動側金型16を型閉すると共に、型厚調整用モータ8を前進方向に駆動して、固定側金型15と可動側金型16がタッチする位置までテールストック3を前進する(ステップS3)。しかる後に、再度、型締用サーボモータ7を開方向に駆動して、芯出し型開量設定欄54に設定された芯出し型開量Dだけ可動側金型16を型開すると共に、型厚調整用モータ8を前進方向に駆動して、芯出し時の型締力が芯出し型締力設定欄52に設定された芯出し型締力B(図3の例では、10kN)となる位置までテールストック3を前進する(ステップS4)。これにより、次に行われる型締工程で、型締力設定欄51に設定された所定の型締力Aが得られる位置に、テールストック3が位置付けられる。テールストック3は、この位置において、成形機1に固定される。
【0022】
次いで、型締用サーボモータ7を閉方向に駆動することにより行われる型締(ステップS5)と、型締用サーボモータ7を開方向に駆動することにより行われる型開(ステップS6)とを、芯出し回数設定欄53に設定された芯出し回数Cだけ繰り返し、固定側金型15と可動側金型16との芯出しを行う。このように、テールストック3の設定位置を決定した後に、型締と型開とを複数回繰り返すと、大重量物である固定側金型15と可動側金型16とに無理な力が作用することが無いので、これらの芯出しを確実に行えると共に、芯出し突起41及び芯出し凹部42の破損を防止できる。
【0023】
型締と型開とを複数回繰り返した後は、型締用サーボモータ7を閉方向に駆動して型締を行い(ステップS7)、表示・設定手段33に「芯出し完了」のメッセージを表示する(ステップS8)。ユーザは、このメッセージを確認した後、固定ダイプレート2に対して固定側金型15を強固に締結すると共に、可動ダイプレート5に対して可動側金型16を強固に締結する。これにより、金型15,16の芯出し作業が終了する。
【0024】
本例の成形機は、固定側金型15と可動側金型16の芯出し作業を、型締用サーボモータ7及び型厚調整用モータ8の駆動を制御することのみによって実行するので、成形品の製造に直接関与しない芯出し用の特別な装備を備える必要がなく、芯出し機能を備えた成形機を安価に製造できる。
【0025】
次に、本発明に係る成形機の第2実施形態を、図5及び図6を用いて説明する。第2実施形態に係る成形機は、金型を複数対備えた所謂多色成形機であり、図5は第2実施形態に係る成形機に備えられる回転テーブルの正面図、図6はコントローラによって実行される芯出し作業の手順を示すフロー図である。
【0026】
多色成形機には、図5に示すように、可動ダイプレート5に回転テーブル61が回転可能に取り付けられ、この回転テーブル61には、複数個(図5の例では、2個)の可動側金型16a、16bが取り付けられている。回転テーブル61は、テーブル回転用サーボモータ62により、ベルト63を介して、所定角度(本例の場合には、180度)ごとに間欠的に回転される。また、図示しない固定ダイプレートには、可動側金型16a、16bと対向する位置に、これと同数の固定側金型が取り付けられる。
【0027】
多色成形機における各金型の芯出しは、図6に示すフローにて実行される。この図から明らかなように、多色成形機における各金型の芯出しは、回転テーブル61を第1の位置に設定した場合における芯出し作業をA面側、回転テーブル61を第2の位置に設定した場合における芯出し作業をB面側としたとき、A面側の芯出し作業が完了した後、回転テーブル61を所定角度回転して、B面側の芯出し作業を実行する。各面における芯出し作業の手順は、図4に示した単色成形機の場合と同じである。
【0028】
なお、前記実施形態においては、固定側金型15と可動側金型16の双方について、金型締結ボルトを緩めた状態で芯出し作業を実行したが、いずれか一方の金型を金型締結ボルトでダイプレートに強固に固定し、他方の金型の金型締結ボルトのみを緩めた状態で芯出し作業を実行することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1実施形態に係る成形機の要部構成図である。
【図2】金型の表面に形成される芯出し突起及び芯出し凹部の説明図である。
【図3】表示装置に表示される芯出し作業時の画面構成を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る成形機の芯出し作業の手順を示すフロー図である。
【図5】第2実施形態に係る成形機に備えられる回転テーブルの正面図である。
【図6】第2実施形態に係る成形機の芯出し作業の手順を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0030】
1 成形機
2 固定ダイプレート
3 テールストック
4 タイバー
5 可動ダイプレート
6 トグルリンク機構
7 型締用サーボモータ
8 型厚調整用モータ
9,10 エンコーダ
11,12 ボールネジ機構
13 コントローラ
14 モータドライバ
15 固定側金型
16 可動側金型
31 モータ制御回路
32 CPU
33 表示・設定手段
34 記憶手段
41 芯出し突起
42 芯出し凹部
51 型締力設定欄
52 芯出し型締力設定欄
53 芯出し回数設定欄
54 芯出し型開量設定欄
55 型厚前進量設定欄
56 型厚後退量設定欄
61 回転テーブル
62 テーブル回転用サーボモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
型厚調整用モータを回転駆動することにより、固定ダイプレートに対するテールストックの設定位置調整を行う型厚調整機構と、型締用サーボモータを回転駆動することにより、前記固定ダイプレートに対する可動ダイプレートの前後進を行う型締装置と、金型取付ボルトにより前記固定ダイプレートに固定される固定側金型と、金型取付ボルトにより前記可動ダイプレートに固定される可動側金型と、前記型厚調整用モータ及び前記型締用サーボモータの駆動を制御するコントローラとを備え、
前記固定側金型及び前記可動側金型の突き合わせ面には、芯出し突起と、これを嵌合する芯出し凹部とが対向に形成され、かつ、
前記コントローラには、前記固定側金型と前記可動側金型の芯出し作業を実行する際の芯出し回数、芯出し型開量、型厚前進量、型厚後退量及び成形時における型締力が設定されており、
前記コントローラは、金型芯出しモードが起動されたとき、前記型開量で前記可動ダイプレートを前後進するように前記型締用サーボモータの駆動を制御すると共に、前記型厚前進量及び前記型厚後退量で前記テールストックを前後進するように前記型厚調整用モータの駆動を制御して、前記成形時における型締力を発生可能な前記テールストックの設定位置を決定した後、前記芯出し回数だけ前記芯出し型開量で前記可動ダイプレートを前後進するように前記型締用サーボモータの駆動を繰り返すことを特徴とする成形機。
【請求項2】
前記芯出し型開量及び前記型厚後退量は、それらの和が、前記芯出し突起の高さよりも小さくなるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の成形機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−110962(P2010−110962A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284521(P2008−284521)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(000222587)東洋機械金属株式会社 (299)
【Fターム(参考)】