説明

拘束層ダンパー

製造物上に拘束層ダンパーを設けるための方法が開示されている。 該方法は、第1の重合体材料の層(16A)を前記製品の基板(10)に形成し、前記第1の重合体材料を、硬化時に粘弾性を有する材料とする。 次に、硬化時に剛性を有する第2の重合体材料の層(16B)を、前記第1の重合体材料が、前記第2の重合体材料と前記製品の前記基板との間で拘束されるように、前記第1の重合体材料に形成する。 前記第1の重合体材料と前記第2の重合体材料との少なくとも1つを、前記製品の製造の際に、バルク状の流体材料源から流体状態で塗布する。 これら重合体材料は、室温を上回る温度へと加熱すること無く硬化するように選択されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に振動エネルギーを分散させるために用いられる拘束層ダンパー(constrained layer dampers)に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の製品及び装置において、好ましくない振動エネルギーが生じる。 例えば自動車においては、エンジン及び他の自動システムが、自動車本体を通じて自動車の車室内に至る振動エネルギーを生じる場合がある。 同様に、好ましくない振動エネルギーは、例えば家庭用品及び他の種類の移動車両において、2〜3挙げられる種々の他の状況を招来している。
【0003】
好ましくない振動エネルギーを低減するために、単層の振動ダンピングパネルを接着し、自動車のパネル、フロア及び同種の箇所(及び用品やその他の装置)に対して振動ダンピング材料を適用し、車室内の振動効果を低減することが知られている。 単層の振動ダンピングパネル及びコーティングは、比較的コスト効率が良く、確かに好ましくない振動エネルギーを低減する。 また、特定の環境において、好ましくない振動を最小化するために拘束層ダンパーを使用することも知られている。
【0004】
拘束層ダンパーは一般に、製品(例えば自動車、用品等)のパネル面に接着される重合体ダンピング材料層と、重合体ダンピング材料を拘束する剛性の高い外側上層とから成っており、重合体ダンピング材料を剛性の高い外側上層と製品パネル(「基板」)との間で効果的に「サンドイッチ」している("sandwiching")。 拘束層ダンパーは一般に、単層ダンパーよりも好ましくない振動を低減するのに、より効果的である。 しかしながら、拘束層ダンパーは一般に製造及び取り付けが単層ダンパーよりも高価である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、自動車の製造工程において、改良された拘束層ダンパー及びこの拘束層ダンパーを取り付ける改良されたモジュール式の方法の必要性に鑑みて為されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
改良された拘束層ダンパー及び自動製造工程において拘束層ダンパーを適用する方法に関する典型的な実施例について、以下に説明する。
【0007】
改良された拘束層ダンパーは、少なくとも2つの材料層を備えている。材料の「基層("base" layer)」は、粘弾性重合体材料(visco-elastic polymeric material)であって、振動低減効果を必要とする製品のパネル(基板)へ直接的に適用若しくは接着されるものである。 例えば自動車の場合、第1層は、金属製のフロアパネルに適用/接着されている。 重合体材料の第1層は、問題となっている基板に対して良好に接着するものが選択される。 この材料は、意図される作動温度範囲内で、材料の損失係数(material loss factor)によって定義されるダンピング性能を最大化するように設計されている。 この損失係数は位相角から計算され、変形可能な固体材料においては、位相角によって、応力から歪みを生じている。 この損失係数は、材料のガラス転位領域で最大となり、この領域では1.0を超える値をとる。 第1層の対応する剛性は、以下に詳述されている上層すなわち拘束層の剛性に対し、相対的に低い値とされる。 改良された拘束層ダンパーにおける第1層として使用可能な材料の例としては、アクリル系重合体、合成樹脂、エマルジョン、及び、アスファルトベースの材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。 適切な材料としては、ポリウレタン、スチレンブロック共重合体、ポリウレア(polyureas)、シラン末端化ポリウレタン(silane terminated polyurethanes)、改質シラン重合体、ポリイソブチレン、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)、天然ゴム、エポキシ樹脂、及び、所望の物理的特性を得られるように改質され得る他の重合体材料が挙げられる。 より具体的には、拘束層ダンパーにおける基層として採用できる市販材料には、(1)2成分のパラクサイドで養生処理された(peroxide-cured)改質PMMAであるSikafloor Pronto 18、(2)2成分のポリウレタンであるSikaTransfloor 352 VP、(3)2成分のポリウレタンであるSikafloor 325、(4)2成分のポリウレタンであるPU Read、及び、(5)スチレン・ブタジエン共重合体であるFM 100が挙げられ、これらは全て本出願人から市販されている。
【0008】
この改良された拘束層ダンパーは、基層である粘弾性重合体材料に適用される「外側層("outer" layer)」すなわち「上層("top" layer)」の材料を更に備えている。 材料の外側層も重合体材料であるが、この外側の重合体材料は、固体状態にあるときには高度の剛性を有している。 外側層は一般に、基層よりも10倍の剛性を有しており、材料のガラス転位領域で、1.0×109を超えるヤング率(E')を有するであろう。 材料の外側層は、材料のガラス転位領域及び対応する転位係数(roll-off in modulus)が、使用の際の作動温度範囲を上回るようにされている。 この材料は天然状態では均質であり、繊維若しくはフィラーを含有して剛性を高められる場合がある。 材料の外側層は、単一成分若しくは複数成分のシステムとして適用され得る。 改良された拘束層ダンパーにおける第2層として使用可能な材料の例としては、エポキシ樹脂、ポリウレア、アクリル系重合体、ポリウレタン、エポキシとポリウレタンとの合成物、ポリエステル、改質ポリエステル、及び、所望の物理的特性を得られるように改質され得る他の重合体材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。 より具体的には、拘束層ダンパーにおける上層として採用できる市販材料には、(1)2成分強化エポキシであるSikadur 32、(2)2成分の化学抵抗性を有するエポキシであるSikafloor 381、(3)2成分のエポキシであるSikaGard 62が挙げられる。
【0009】
それぞれの重合体材料は、互いに良好に接着するように選択されている。 好適には、それぞれの重合体材料は、加熱しなくても硬化するように選択されている。 具体的には、重合体材料は、室温へと冷却させる、乾燥させる、室温で化学反応を起こさせる、若しくは、室温を上回る温度へと加熱する必要の無い他の公知の硬化/養生手段によって硬化されるように選択されることが好ましい。 このようにして、独創的な拘束層ダンパーが、よりフレキシブルな態様で車両(及び他の製造物)に設けられ得る。 すなわち、車両(及び他の製造物)が、車両に対して高温が加えられる組立てラインに通常設けられている塗装現場を通過した後に、2層の拘束層ダンパーが適用される。 仮に拘束層ダンパーとして、硬化に加熱を必要とする材料を選択していたとすると、車両(及び他の製造物)が塗装現場に達する前に、拘束層ダンパーを車両に適用しなければならなかったであろう。 (硬化に加熱を必要としない)好適な重合体材料を使用すれば、車両が塗装現場を通過した後に、拘束層ダンパーを適用すれば良く、このことは、塗装現場の工程の一体性を維持するために望ましい場合がある。 更には、拘束層ダンパーとして使用される重合体材料が硬化を必要としないならば、異なる層を組立てラインの異なる場所で適用することができ、これにより、拘束層ダンパーの適用を、塗装現場との関係でどこにすべきかを考慮する必要が無くなる。
【0010】
本発明の他の実施例においては、改良された拘束層ダンパーは、2以上の材料層を備えていても良く、これら材料層は、第1層の粘弾性重合体材料と第2層の剛性の高い重合体材料とが交互に形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
改良された拘束層ダンパーは、自動製造工程における自動車のような製品の製造の際に動的に用いられるのに適合されている。 図1及び図2を参照すると、典型的な自動製造工程、この特定の実施例においては、自動車の自動製造工程が示されている。 図1及び図2は、組立てライン上で部分的に組み立てられた自動車を示している。 製造工程において図示している時点では、自動車はフロアパネル(基板)10が依然として露出された状態となっている。 自動車のフロアパネル10には振動ダンパーを設けることが望ましい。 図1は、流体材料を塗布するためのノズルを備えた塗布器ヘッド14aを有する第1の関節ロボットアーム12aを図示している。 また、典型的な自動化製造工程では、流体材料を塗布するためのノズルを備えた塗布器ヘッド14bを有する第2の関節ロボットアーム12bを備えている。 関節ロボットアーム12a,12bは、例えばコンピュータワークステーションのような(図示しない)制御装置によって電子的に制御されている。 関節ロボットアーム12a,12bは、ロボットアームが自動車のフロア10に対して選択的に位置決めされ、フロア上に流体材料を塗布するように制御されている。
【0012】
関節ロボットアーム12a上に配置された第1の塗布器ヘッド14aは、少なくとも1つの(図示しない)流体材料源に流体的に接続されている。 関節ロボットアーム12b上に配置された第1の塗布器ヘッド14bも、塗布器ヘッド14aが接続されている流体源とは異なる少なくとも1つの(図示しない)流体材料源に流体的に接続されている。 いくつかの実施例においては、それぞれの流体材料源は、流体材料のドラム缶若しくはコンテナである。 それぞれの流体源から、関節ロボットアーム上の対応する塗布器ヘッドへと所望の量の流体材料を送達するために、種々の公知の調量・流体供給部品及びシステムが使用され得る。
【0013】
上述したシステムは、自動車(または他の製造物)のフロア(または他の基板)上で改良された拘束層ダンパーを実装するのに使用され得る。 例えば、一の実施例においては、粘弾性重合体材料16aより成る第1層が、流体状態で、ロボットアーム12aの塗布器ヘッド14aから基板10上へと塗布される。 材料の第1層は、固化し、基板10へ接着可能となる。 次いで、図2に示されるように、材料16bから成る第2層が、流体状態で、ロボットアーム12bの塗布器ヘッド14bから粘弾性重合体材料16aより成る第1層上へと塗布される。 材料16bから成る第2層は、固化して剛性の高い層となることができ、基板10に対して中間の粘弾性重合体材料16aを「サンドイッチ」しており、これによって拘束層ダンパーを構成している。 図3は、拘束層ダンパーの断面図を示しており、粘弾性重合体材料16aは、車両の基板10と剛性のある重合体材料16bとの間で「サンドイッチ」されている。
【0014】
上述したように、硬化に加熱を要しない重合体材料が拘束層ダンパーの基層及び外層として選択され、そして、どこの工程で加熱されるかを考慮する必要無しに、組立て/製造工程のどこででも基層及び外層の適用が行われる。 例えば、自動車の場合では、拘束層ダンパーの層を塗装工程の後に適用することができ、特定の状況においては、塗装工程の一体性を維持するために好ましいものである。
【0015】
本発明の別な実施例においては、塗布器ヘッド14a,14bの各々は、拘束層ダンパーを構成する複数の異なるバージョンの材料から成る2つの層を塗布できるように構成されている。 例えば特定の粘弾性重合体材料が品質的には他の物より好ましいけれども、種々の粘弾性重合体材料が、開示された改良拘束層ダンパーに使用され得る。 多くの場合に、優れた品質を有する材料は、より高価である。 それゆえ、この実施例は例えば、拘束層ダンパーにおける第1材料層として使用され、基板10に適用される複数の粘弾性重合体材料を塗布できる第1塗布器ヘッド14aを備えている。 更に塗布器ヘッド14bを、拘束層ダンパーにおける外側層として使用される一以上の異なる剛性の高い重合体材料を塗布するように構成することができる。 このようにして、拘束層ダンパーの特定の構成は、自動車から自動車へとカスタマイズすることができる。 例えば車両Aについては、第1の粘弾性重合体材料を基板上に塗布器ヘッドから塗布し、次いで第1の剛性の高い重合体材料を粘弾性重合体材料上に塗布して、拘束層ダンパーを形成することができる。 そして同じ組立てライン上に存在することのできる車両Bについては、第2の粘弾性重合体材料を塗布器ヘッドから車両Bの基板上に塗布することができる。 次いで第2の剛性の高い重合体材料を第2の粘弾性重合体材料上に塗布して、拘束層ダンパーを形成することができる。 このようにして、自動車から自動車へと拘束層ダンパーを形成するために使用される特定の材料をカスタマイズすることが可能となる。 例えば、比較的低価格の車両と比較的高価格の車両とが同じ自動化組立てライン上で組み立てられるとき、高品質/コストの材料が比較的高価格の車両のための拘束層ダンパーを形成するために使用され、低品質/コストの材料が比較的低価格の車両のための拘束層ダンパーを形成するために使用される。 コンピュータワークステーションのような制御装置が、異なる車両に対して異なる材料が適用されるように制御している。
【0016】
別の実施例においては、2つの関節ロボットアーム12a,12bの機能を一以上のノズルを備えている単一の関節ロボットアームに結合し、基板10上に粘弾性重合体材料の第1層を塗布するように構成するだけでなく、一以上のノズルが、粘弾性重合体材料上に剛性の高い重合体材料の第2層を塗布するように構成することもできるであろう。
【0017】
従前の実施例のように、種々の塗布ノズルをアーム上に備えた関節ロボットアームは、コンピュータワークステーションのような制御装置によって電子的に制御されるであろう。
【0018】
また別の実施例においては、粘弾性重合体材料若しくは剛性の高い重合体材料を固体状態で適用し、他の材料を関節ロボットアームから流体状態で塗布することができる。 例えば、固体状の粘弾性重合体材料を、自動車の基板へ直接的に適用することができる。 粘弾性重合体材料の固体片を、熱、紫外線照射等を用いるような種々の公知の方法によって基板上に接着させることができる。 そして、粘弾性重合体材料の固体片が接着された後、剛性の高い重合体材料の外側層を、粘弾性重合体材料上にロボットアームの塗布ヘッドから流体状態で塗布することができる。 外側の重合体材料が固化され、同時に剛性を増し、基板と協働して粘弾性重合体材料を「サンドイッチ」する。 上記のように、追加的な2つの重合体材料の層を拘束層ダンパーに交互に追加することができる。 これに代えて、第1の粘弾性重合体材料を、関節ロボットアーム上の塗布ヘッドから自動車の基板上へ塗布し、第2の剛性の高い重合体材料を、固体片で粘弾性重合体材料上に塗布することができる。 より具体的には、粘弾性重合体材料の第1層を、流体状態でロボットアーム上の塗布ヘッドから基板へ塗布することができる。 流体材料は固化され、基板へ接着される。 次いで、剛性の高い重合体材料の固体片を、粘弾性重合体材料の第1層へ接着することができる。 この剛性の高い重合体材料の固体片は、ダンピングシステムのための専用の拘束層ダンパーであり、または、この機能性を、カーペットの裏当て、天井、若しくは、組立て工程における後の段階で追加される他の車室内装飾部品に組み込むことができる。 上記と同様にして、追加的なそれぞれの材料の層を交互に追加して適用し、多層の拘束層ダンパーを創り出すことができる。
【0019】
上述した利点に加えて、詳述したような改良された拘束層ダンパーを、適用の際に、特定の車両(若しくは製品)に応じて更にカスタマイズすることが可能となる。 例えば、交互に形成する層の数、粘弾性重合体材料及び剛性の高い重合体材料の厚さをカスタマイズすることができる。 更には、組立てラインで、いくつかの車両には単一層のダンパーを適用し、同じ組立てラインで、他のいくつかの車両には拘束層ダンパーを適用することもできる。
【0020】
好ましい実施例を開示してきたが、当業者であれば、本発明の教示の範囲内で適宜の改良を為し得るものであり、冒頭の特許請求の範囲が、本発明の真の技術的範囲及び内容を決定するために参酌されるべきである。 更には、代表的な実施例の方法及び構造は、本明細書には2〜3しか開示されていないものの、多様な実施形態に組み込み可能である。 当業者にとっては、本発明の精神を逸脱することなく他の実施例が存在することが明らかであろう。 従って、詳述された実施例は説明的なものに過ぎず、限定的に解釈されるべきものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】拘束層ダンパーを適用する典型的な自動製造工程であって、液状の第1の重合体材料を塗布している様子を示すものである。
【図2】拘束層ダンパーを適用する典型的な自動製造工程であって、液状の第2の重合体材料を塗布している様子を示すものである。
【図3】拘束層ダンパーの断面図であって、基板、第1の重合体材料層及び第2の重合体材料層を示すものである。
【符号の説明】
【0022】
10 フロアパネル(基板)
12a,12b 関節ロボットアーム
14a,14b 塗布器ヘッド
16a 粘弾性重合体材料(第1層)
16b 剛性のある重合体材料(第2層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造物上に拘束層ダンパーを設けるための方法であって、
第1の重合体材料の層を前記製品の基板に形成し、前記第1の重合体材料を、粘弾性を有する材料とするステップと、
第2の重合体材料の層を、前記第1の重合体材料が、前記第2の重合体材料と前記製品の前記基板との間で拘束されるように、前記第1の重合体材料に形成し、前記第2の重合体材料を硬化時に剛性を有する材料とするステップと、
前記第1の重合体材料と前記第2の重合体材料との少なくとも1つを、前記製品の製造の際に、バルク状の流体材料源から流体状態で塗布するステップと、
前記第1の重合体材料と前記第2の重合体材料とを、室温を上回る温度へと加熱すること無く硬化させるステップと、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記流体状の重合体材料を、関節ロボットアーム上に配置された塗布器ヘッドから塗布するステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の重合体材料と前記第2の重合体材料とを、前記製品の製造の際に、別々の流体源から流体状態で塗布するステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の重合体材料を第1の関節ロボットアーム上に配置された第1の塗布器ヘッドから塗布し、前記第2の重合体材料を第2の関節ロボットアーム上に配置された第2の塗布器ヘッドから塗布するステップを備えていることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の重合体材料及び前記第2の重合体材料の双方を、関節ロボットアーム上に配置された共通の塗布器ヘッドから塗布するステップを備えていることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
第1バージョンの前記第1の重合体材料を、第1の製造物の前記基板上に塗布するステップと、
第2バージョンの前記第1の重合体材料を、第2の製造物の前記基板上に塗布するステップと、
前記第1の重合体材料の前記第1バージョンと前記第2バージョンとを、相対的に異なる振動ダンピング特性を有するように設けるステップと、
を更に備えていることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記基板を、自動車のパネル部材とするステップを備えていることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記第1バージョンの前記流体状の重合体材料を、第1の製造物に対して塗布するステップと、
前記第2バージョンの前記流体状の重合体材料を、第2の製造物に対して塗布するステップと、
を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記流体状の重合体材料を前記第1の粘弾性重合体材料とし、前記第1バージョンの前記流体状の重合体材料と前記第2バージョンの前記流体状の重合体材料とを、相対的に異なる振動ダンピング特性を有するように設けるステップを備えていることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第1の厚さの前記流体状の材料を第1の製造物に対して適用するステップと、
第2の厚さの前記流体状の材料を第2の製造物に対して適用するステップと、
を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基板を、自動車のパネル部材とするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1層の材料を合成樹脂とするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1層の材料をエマルジョンとするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1層の材料をアスファルトベースの材料とするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1層の材料をポリウレタンとするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第1層の材料をスチレンブロック共重合体とするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1層の材料をポリウレアとするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第1層の材料をシラン末端化ポリウレタンとするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1層の材料を改質シラン重合体とするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記第1層の材料をポリイソブチレンとするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記第1層の材料をEPDMとするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記第1層の材料を天然ゴムとするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記第1層の材料をエポキシ樹脂とするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記第2層の材料をエポキシ樹脂とするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記第2層の材料をポリプロピレンとするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記第2層の材料をポリウレアとするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記第2層の材料をアクリル系重合体とするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記第2層の材料をポリウレタンとするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記第2層の材料をエポキシとポリウレタンとの合成物とするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記第2層の材料をポリエステルとするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記第2層の材料を改質ポリエステルとするステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項32】
製品の振動エネルギーをダンピングするための拘束層ダンパーであって、
硬化時に粘弾性を有し、前記製品の基板に適用される第1の重合体材料と、
硬化時に剛性を有する第2の重合体材料であって、前記第1の重合体材料が、前記第2の重合体材料と前記製品の前記基板との間で拘束されるように、前記第1の重合体材料に適用される第2の重合体材料とを備えており、
前記第1の重合体材料と前記第2の重合体材料との少なくとも1つは、前記製品の製造の際に塗布されるように適合された流体材料であり、
前記第1の重合体材料と前記第2の重合体材料とが、室温を上回る温度へと加熱すること無く硬化される、
ことを特徴とする拘束層ダンパー。
【請求項33】
組立てライン上で製造物に振動ダンパーを適用するための方法であって、
第1の重合体材料の層を、関節ロボットアームの塗布器ヘッドから流体状態で各製品の基板に塗布し、前記第1の重合体材料を硬化時に粘弾性を有する材料とするステップと、
特定の製品に対して、第2の重合体材料の層を、流体状態で前記第1の重合体材料に選択的に塗布し、前記第2の重合体材料を硬化時に剛性を有する材料とするステップと、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項34】
前記第1の重合体材料と前記第2の重合体材料とを、室温を上回る温度へと加熱すること無く硬化させるステップを備えていることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
組立てライン上で製造物に振動ダンパーを適用するための方法であって、
第1の重合体材料の層を、関節ロボットアームの塗布器ヘッドから流体状態で各製品の基板に塗布し、前記第1の重合体材料を硬化時に粘弾性を有する材料とするステップと、
各製品に対して、第2の重合体材料の層を、流体状態で前記第1の重合体材料に塗布し、前記第2の重合体材料を硬化時に剛性を有する材料とするステップと、
前記製品の性質に応じて、前記第1の重合体材料の厚さと前記第2の重合体材料の厚さとの少なくとも1つを調節するステップと、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項36】
組立てライン上で製造物に振動ダンパーを適用するための方法であって、
第1の重合体材料の層を、関節ロボットアームの塗布器ヘッドから流体状態で車両パネルに塗布し、前記第1の重合体材料を硬化時に粘弾性を有する材料とするステップと、
車室内装飾部品を前記車両パネルに取り付け、該車室内装飾部品に、固有的に前記第1の重合体材料に接着する一体的な剛性を有する裏当て材料を含有させるステップと、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項37】
前記車両パネルを車両のフロアとし、前記車室内装飾部品を車両のカーペットとするステップを備えていることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記車両パネルを車両のルーフとし、前記車室内装飾部品を車両の天井とするステップを備えていることを特徴とする請求項36に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−527082(P2006−527082A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516144(P2006−516144)
【出願日】平成16年6月11日(2004.6.11)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051088
【国際公開番号】WO2004/111487
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】