説明

振動型角速度センサ

【課題】駆動錘と検出錘とを有する振動子を2つ備えた振動型角速度センサにおいて、外部衝撃に対する各駆動錘の同調性および各検出錘の同調性を高める。
【解決手段】駆動錘150、250は、当該駆動錘150、250がそれぞれ対向する部分に開口部152、252をそれぞれ備えている。また、検出錘140、240は、駆動錘150、250の内側にそれぞれ配置されている。そして、駆動連成梁400は、第1振動子100の駆動錘150と第2振動子200の駆動錘250とを直接連結している。一方、検出連成梁500は、駆動錘150、250の開口部152、252を介して第1振動子100の検出錘140と第2振動子200の検出錘240とを直接連結している。これにより、外部からの衝撃に対する各駆動錘150、250の同調性および各検出錘140、240の同調性の両方を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動型角速度センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、物体の回転(角速度)を検出するセンサが、例えば特許文献1、2で提案されている。
【0003】
具体的に、特許文献1では、錘としてのコリオリ要素が検出錘としての検出要素の周囲に位置する部分構造体を2つ有する回転角度センサが提案されている。各コリオリ要素はスプリングにより直接連結され、コリオリ要素は駆動錘にそれぞれ連結されている。
【0004】
特許文献2では、駆動錘としての外側質量部が検出錘としての中央質量部の周囲に位置する構造を2つ有する角速度センサが提案されている。各外側質量部は外側支持梁により直接連結されている。
【0005】
これによると、センサが外部から衝撃を受けたとき、スプリングで直接連結されたコリオリ要素同士や外側支持梁で直接連結された外側質量部同士が当該衝撃の方向に同調して動くので、検出された角速度の成分から当該衝撃の成分を相殺して除去できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2005−514609号公報
【特許文献2】特開2004−163376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1、2では、駆動を担うコリオリ要素同士がスプリングにより直接連結されており、駆動を担う外側質量部は外側支持梁により直接連結されているが、検出要素同士や中央質量部同士は連結されていない。このため、衝撃に対する各コリオリ要素の同調性や各外側質量部の同調性は向上するが、各検出要素の同調性や各中央質量部の同調性が低下してしまう。このことについて、図11および図12を参照して説明する。
【0008】
図11は特許文献1に示された回転角度センサの構造モデル図である。この図に示されるように、検出要素700(ms)は固定部710に支持されていると共に、コリオリ要素720(ml)にそれぞれ連結されている。コリオリ要素720同士はスプリング730で直接連結されている。そして、コリオリ要素720は駆動錘740(md)を介して固定部710に支持されている。
【0009】
これによると、コリオリ要素720同士はスプリング730により直接連結されているので各コリオリ要素720の同調性は向上する。一方、検出要素700同士はコリオリ要素720およびスプリング730を介することによって間接的に繋がっている。このため、各検出要素700はコリオリ要素720やスプリング730の動きの影響を受けるので、各検出要素700の同調性が低下してしまう。
【0010】
また、図12は特許文献2に示された角速度センサの構造モデル図である。この図に示されるように、中央質量部800(ms)が外側質量部810(md1)に接続され、各外側質量部810(md1、md2)が外側支持梁820により接続されている。そして、外側支持梁820は固定部830に支持されている。
【0011】
これによると、各外側質量部810は外側支持梁820により直接連結されているので各外側質量部810の同調性は向上する。一方、各中央質量部800は外側質量部810および外側支持梁820を介することによって間接的に繋がっている。このため、各中央質量部800は外側質量部810や外側支持梁820の動きの影響を受けるので、各中央質量部800の同調性が低下してしまう。
【0012】
以上のように、センサに外部衝撃が印加された際、各検出要素700の同調性や各中央質量部800の同調性の低下により、検出された角速度の成分から当該衝撃の成分を相殺する効果が弱まってしまうという問題がある。
【0013】
本発明は上記点に鑑み、駆動錘と検出錘とを有する振動子を2つ備えた振動型角速度センサにおいて、外部衝撃に対する各駆動錘の同調性および各検出錘の同調性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、第1振動子(100)の駆動錘(150)と第2振動子(200)の駆動錘(250)とが駆動連成梁(400)により直接連結され、かつ、第1振動子(100)の検出錘(140)と第2振動子(200)の検出錘(240)とが検出連成梁(500)により直接連結されていることを特徴とする。
【0015】
これによると、各振動子(100、200)の駆動錘(150、250)が駆動連成梁(400)により一体化されると共に、各振動子(100、200)の検出錘(140、240)が検出連成梁(500)により一体化されているので、外部からの衝撃に対する各駆動錘(150、250)の同調性および各検出錘(140、240)の同調性の両方を高めることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明では、駆動連成梁(400)は、当該駆動連成梁(400)の一部が当該駆動連成梁(400)の延設方向に伸縮するばね部(600)を有し、検出連成梁(500)は、当該検出連成梁(500)の一部が折れ曲がった検出連成部(510)と、当該検出連成部(510)の一部に設けられると共に第1振動子(100)の検出錘(140)と第2振動子(200)の検出錘(240)とが検出連成梁(500)の延設方向および当該延設方向に対して直角の方向に移動するように伸縮するばね部(600)と、を有していることを特徴とする。
【0017】
これによると、駆動連成梁(400)により連結された第1振動子(100)の駆動錘(150)と第2振動子(200)の駆動錘(250)とが、駆動連成梁(400)の延設方向において互いに逆方向に移動できるようにすることができる。
【0018】
また、検出連成梁(500)により連結された第1振動子(100)の検出錘(140)と第2振動子(200)の検出錘(240)とが検出連成梁(500)の延設方向および当該延設方向に垂直な方向において互いに逆方向に移動できるようにすることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明では、検出連成部(510)は、検出連成梁(500)の一部が当該検出連成梁(500)の延設方向に対して直角に折り曲げられたコの字状になっており、検出連成梁(500)のばね部(600)は、コの字状の検出連成部(510)のうち、検出連成梁(500)の延設方向に平行な部分と、検出連成梁(500)の延設方向に直角の方向に平行な部分と、にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0020】
これによると、検出連成部(510)の一部が、検出連成梁(500)の延設方向に平行な方向と、検出連成梁(500)の延設方向に直角の方向とに、それぞれ伸縮するので、検出連成梁(500)により連結された第1振動子(100)の検出錘(140)と第2振動子(200)の検出錘(240)とが検出連成部(510)の延設方向および当該延設方向に直角の方向において互いに逆方向に移動できるようにすることができる。
【0021】
また、請求項4に記載の発明のように、ばね部(600)は、少なくとも、波状に折り返された形状、V字状、円弧状のうちのいずれかの形状とすることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明では、検出錘(140、240)のうち基板(10)の一面に垂直な側面(143、243)と、検出連成梁(500)のうち基板(10)の一面に垂直な側面(520)との接続部が面取りされていることを特徴とする。
【0023】
これによると、検出錘(140、240)に対する検出連成梁(500)の接続部が肉厚になるので、当該接続部に加わる応力を緩和することができる。
【0024】
請求項6に記載の発明では、検出連成梁(500)は、少なくとも2本備えられており、第1振動子(100)の検出錘(140)と第2振動子(200)の検出錘(240)とは、少なくとも2本の検出連成梁(500)により直接連結されていることを特徴とする。
【0025】
これによると、検出連成梁(500)が少なくとも2本備えられているので、各検出連成梁(500)が各検出錘(140、240)から受ける応力を分散することができる。また、検出連成梁(500)が少なくとも2本備えられているので、各検出錘(140、240)が基板(10)の一面に垂直な軸回りに回転しにくくなる。このため、各検出錘(140、240)から各検出連成梁(500)にかかる回転の応力を小さくすることができる。したがって、各検出連成梁(500)に直接接続された検出錘(140、240)や各検出連成梁(500)に間接的に接続された駆動錘(150、250)にかかる回転の応力を緩和することができる。
【0026】
請求項7に記載の発明では、駆動錘(150、250)は、それぞれ矩形枠状をなしており、駆動錘(150、250)のうち当該駆動錘(150、250)がそれぞれ対向する部分に開口部(152、252)をそれぞれ備え、検出錘(140、240)は、駆動錘(150、250)の内側にそれぞれ配置されており、検出連成梁(500)は、駆動錘(150、250)の開口部(152、252)を介して第1振動子(100)の検出錘(140)と第2振動子(200)の検出錘(240)とを直接連結していることを特徴とする。
【0027】
このように、検出錘(140、240)の外側に駆動錘(150、250)を配置した外部駆動内部検出の構造では、検出錘(140、240)が駆動錘(150、250)に囲まれるので、駆動錘(150、250)に開口部(152、252)を設けることにより、検出錘(140、240)同士を検出連成梁(500)により直接連結することができる。
【0028】
請求項8に記載の発明では、検出錘(140、240)は、それぞれ矩形枠状をなしており、検出錘(140、240)のうち当該検出錘(140、240)がそれぞれ対向する部分に開口部(142、242)をそれぞれ備え、駆動錘(150、250)は、検出錘(140、240)の内側にそれぞれ配置されており、駆動連成梁(400)は、検出錘(140、240)の開口部(142、242)を介して第1振動子(100)の駆動錘(150)と第2振動子(200)の駆動錘(250)とを直接連結していることを特徴とする。
【0029】
このように、駆動錘(150、250)の外側に検出錘(140、240)を配置した内部駆動外部検出の構造では、駆動錘(150、250)が検出錘(140、240)に囲まれるので、検出錘(140、240)に開口部(142、242)を設けることにより、駆動錘(150、250)同士を駆動連成梁(400)により直接連結することができる。
【0030】
請求項9に記載の発明では、駆動錘(150、250)は、それぞれ矩形枠状をなしており、検出錘(140、240)は、駆動錘(150、250)の内側にそれぞれ配置されていると共に、基板(10)の一面とは反対側の他面(11a)を基準として駆動錘(150、250)よりも高くなっており、検出連成梁(500)は、駆動錘(150、250)よりも上の階層に位置していると共に駆動錘(150、250)をまたぐことにより、第1振動子(100)の検出錘(140)と第2振動子(200)の検出錘(240)とを直接連結し、駆動連成梁(400)は、駆動錘(150、250)と同じ階層に位置していると共に、第1振動子(100)の駆動錘(150)と第2振動子(200)の駆動錘(250)とを直接連結していることを特徴とする。
【0031】
このように、検出錘(140、240)の外側に駆動錘(150、250)を配置した外部駆動内部検出の構造では、検出錘(140、240)が駆動錘(150、250)に囲まれるが、検出錘(140、240)が駆動錘(150、250)よりも高くなっていると共に検出連成梁(500)が駆動錘(150、250)よりも上の階層に配置されているので、検出錘(140、240)同士を検出連成梁(500)により直接連結することができる。
【0032】
また、駆動錘(150、250)は閉じた矩形枠状をなしているので、駆動錘(150、250)の剛性を高くすることができる。
【0033】
請求項10に記載の発明では、検出錘(140、240)は、それぞれ矩形枠状をなしており、駆動錘(150、250)は、検出錘(140、240)の内側にそれぞれ配置されていると共に、基板(10)の一面とは反対側の他面(11a)を基準として検出錘(140、240)よりも高くなっており、駆動連成梁(400)は、検出錘(140、240)よりも上の階層に位置していると共に検出錘(140、240)をまたぐことにより、第1振動子(100)の検出錘(140)と第2振動子(200)の検出錘(240)とを直接連結し、検出連成梁(500)は、検出錘(140、240)と同じ階層に位置していると共に、第1振動子(100)の検出錘(140)と第2振動子(200)の検出錘(240)とを直接連結していることを特徴とする。
【0034】
このように、駆動錘(150、250)の外側に検出錘(140、240)を配置した内部駆動外部検出の構造では、駆動錘(150、250)が検出錘(140、240)に囲まれるが、駆動錘(150、250)が検出錘(140、240)よりも高くなっていると共に駆動連成梁(400)が検出錘(140、240)よりも上の階層に配置されているので、駆動錘(150、250)同士を駆動連成梁(400)により直接連結することができる。
【0035】
また、検出錘(140、240)は閉じた矩形枠状をなしているので、検出錘(140、240)の剛性を高くすることができる。
【0036】
請求項11に記載の発明では、駆動錘(150、250)は、第1振動子(100)の検出錘(140)と第2振動子(200)の検出錘(240)とが互いに逆位相となるように駆動方向に検出錘(140、240)をそれぞれ駆動するようになっていることを特徴とする。
【0037】
これによると、各振動子(100、200)の各検出可動電極(141、241)は互いに逆位相で振動するので、これら各検出可動電極(141、241)は、基板(10)の一面に垂直な軸周りの角速度が加わるときにコリオリ力によって互いに逆方向に変位し、振動型角速度センサに衝撃が加わるときには慣性力によって互いに同じ衝撃の方向に変位する。これにより、各検出可動電極(141、241)の変位量の減算を行うことにより、当該変位量に含まれる衝撃の成分を相殺して除去することができる。
【0038】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施形態に係る振動型角速度センサの平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】応力緩和部の平面図である。
【図4】図1に示される振動型角速度センサの等価モデル図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る振動型角速度センサの平面図である。
【図6】図5に示される振動型角速度センサの等価モデル図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る振動型角速度センサの平面図である。
【図8】図7のB−B断面図である。
【図9】第5実施形態に係る検出連成梁と検出錘との接続部の斜視図である。
【図10】他の実施形態において、検出錘と駆動錘との間にリンク部を設けた構造のモデル図である。
【図11】課題を説明するための図であり、従来の回転角度センサの構造モデル図である。
【図12】課題を説明するための図であり、従来の角速度センサの構造モデル図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0041】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。以下で示される振動型角速度センサは、物理量として角速度を検出するためのセンサであり、例えば車両の角速度の検出に用いられるものである。もちろん、振動型角速度センサは車両用に限定されるものではない。
【0042】
図1は、本実施形態に係る振動型角速度センサの平面図である。図2は、図1のA−A断面図である。以下、図1および図2を参照して、振動型角速度センサについて説明する。
【0043】
振動型角速度センサは、図2に示されるように、板状の基板10の一面側に形成されている。基板10は、支持基板11と半導体層12とで犠牲層13を挟み込んだ構造をなしており、いわゆるSOI基板として構成されている。このような積層構造によると、半導体層12のうち犠牲層13側の面とは反対側の面が基板10の一面に相当する。
【0044】
なお、本実施形態では、半導体層12の一面の面方向のうちの任意の方向をx軸方向とし、このx軸方向に直角の方向をy軸方向とし、さらに半導体層12の一面に垂直な方向をz軸方向と定義する。
【0045】
支持基板11の材料は例えば単結晶シリコンであり、半導体層12の材料は例えばポリシリコンである。犠牲層13の材料は例えばSiOである。また、支持基板11の厚さは例えば450μm〜600μm、犠牲層13の厚さは例えば数μm、半導体層12の厚さは例えば25μmである。
【0046】
そして、半導体層12には、第1振動子100と第2振動子200との2つの振動子が形成されている。具体的には、半導体層12には、検出部110、210、駆動部120、220、および周辺部300がそれぞれ形成されている。このうち、検出部110と駆動部120とで第1振動子100が構成され、検出部210と駆動部220とで第2振動子200が構成されている。
【0047】
以下、各振動子100、200の構造について説明する。各振動子100、200の構造はまったく同じ構造になっているので、まとめて説明する。
【0048】
検出部110、210は、角速度に伴うコリオリ力を検出するためのものであり、検出固定電極130、230と、サーボ電極131、231と、矩形枠状の検出錘140、240とを備えている。
【0049】
検出固定電極130、230およびサーボ電極131、231は、犠牲層13を介して支持基板11に固定された電極である。また、検出固定電極130、230およびサーボ電極131、231は、検出錘140、240の内側に配置されている。検出固定電極130、230は静電容量を検出するための電極であり、サーボ電極131、231は静電容量を検出する際に検出錘140、240の動きを制御するための電極である。
【0050】
検出固定電極130、230およびサーボ電極131、231の上部には検出用パッド132、232およびサーボ用パッド133、233が形成されている。これら検出用パッド132、232およびサーボ用パッド133、233にワイヤ等が接続されることにより、検出固定電極130、230の電位を外部に取り出すことができると共に、サーボ電極131、231に外部からサーボ力に相当する電圧を印加できるようになっている。
【0051】
検出錘140、240は、振動型角速度センサに角速度が印加されたときにコリオリ力を受けて変位する錘として機能するものである。この検出錘140、240は、検出固定電極130、230に対向配置されると共に検出固定電極130、230に対して変位可能とされた検出可動電極141、241を備えている。
【0052】
検出可動電極141、241は、y軸方向に変位するように、検出錘140、240の内側に櫛歯状に延設されている。これにより、検出可動電極141、241と検出固定電極130、230とが櫛歯状に配置された櫛歯電極、すなわちコンデンサがそれぞれ構成されている。
【0053】
駆動部120、220は、検出可動電極141、241の移動方向(y軸方向)に対して直角の駆動方向(x軸方向)に検出部110、210を振動させるものであり、検出部110、210の周囲に配置されたものである。
【0054】
このような駆動部120、220は、矩形枠状の駆動錘150、250と、駆動固定電極160、260と、固定部170、270と、駆動梁171、271と、支持梁172、272とを備えている。
【0055】
駆動錘150、250は、支持梁172、272により支持基板11に対して検出部110、210を浮かせて支持すると共に、検出部110、210を駆動方向(x軸方向)に振動可能とするための錘として機能するものである。すなわち、駆動錘150、250は、x軸方向に駆動振動することにより、検出錘140、240をx軸方向に振動させる。
【0056】
また、駆動錘150、250は、検出錘140、240の周囲にそれぞれ位置している。言い換えると、矩形枠状の駆動錘150、250の内側に検出錘140、240が位置している。
【0057】
この駆動錘150、250は、検出可動電極141、241の移動方向に対して直角の駆動方向に検出部110、210を振動させる駆動可動電極151、251を備えている。この駆動可動電極151、251は、駆動錘150、250の外周部に櫛歯状に複数設けられている。本実施形態では、検出部110、210をx軸方向に振動させるべく、各駆動可動電極151、251はx軸に平行にそれぞれ設けられている。
【0058】
駆動固定電極160、260は、犠牲層13を介して支持基板11に固定された電極である。この駆動固定電極160、260は、駆動錘150、250の周囲に位置すると共に、駆動可動電極151、251に対向配置されている。各駆動固定電極160、260はx軸に平行にそれぞれ設けられている。なお、駆動固定電極160、260は、各振動子100、200で共通化されているものもある。
【0059】
固定部170、270は、犠牲層13を介して支持基板11に固定された部分である。本実施形態では、駆動錘150、250の周囲に4つの固定部170、270が設けられている。
【0060】
駆動梁171、271は、駆動錘150、250と固定部170、270とを連結するものであり、バネ性を有するものである。
【0061】
支持梁172、272は、駆動錘150、250と、当該駆動錘150、250の内側に配置された検出錘140、240とを連結するものであり、バネ性を有するものである。本実施形態では、4つの支持梁172、272により検出錘140、240と駆動錘150、250とが連結されている。
【0062】
これによると、固定部170、270、駆動梁171、271、および支持梁172、272により検出錘140、240および駆動錘150、250が一体的に連結されて支持されている。したがって、検出錘140、240および駆動錘150、250は、図2に示されるように、支持基板11の上に一定の間隔で浮遊した状態になっている。もちろん、検出錘140、240に形成された検出可動電極141、241や駆動錘150、250に形成された駆動可動電極151、251も支持基板11に対して一定の間隔で浮遊している。
【0063】
各固定部170、270のうちの1つは、各振動子100、200の間に引き伸ばされると共に、上部に固定部用パッド173、273が形成されている。この固定部用パッド173、273にワイヤ等が接続されることにより、外部から固定部170、270、駆動梁171、271、および駆動錘150、250を介して駆動可動電極151、251に所定の電圧を印加できるようになっている。
【0064】
同様に、駆動錘150、250の周囲に位置する駆動固定電極160、260も各振動子100、200の間に引き伸ばされると共に、上部に駆動用パッド161、261が形成されている。この駆動用パッド161、261にワイヤ等が接続されることにより、駆動固定電極160、260の電位を外部に取り出すことができるようになっている。なお、駆動固定電極160、260が各振動子100、200で共通化されたものについては、駆動用パッド161が設けられている。
【0065】
周辺部300は、各振動子100、200の周囲に配置されたものである。本実施形態では、第1振動子100および第2振動子200を2つまとめて一周して囲むように形成されている。また、周辺部300には、周辺部用パッド310が形成されている。そして、この周辺部用パッド310にワイヤ等が接続されることにより、周辺部300に所定の電圧を印加できるようになっている。
【0066】
以上が、各振動子100、200の構成である。各振動子100、200においては、第1振動子100の駆動錘150と第2振動子200の駆動錘250とが駆動連成梁400により直接連結され、かつ、第1振動子100の検出錘140と第2振動子200の検出錘240とが検出連成梁500により直接連結されている。以下、このような連結構造について説明する。
【0067】
上述のように、駆動錘150、250は、それぞれ矩形枠状をなしているが、図1に示されるように、駆動錘150、250のうち当該駆動錘150、250がそれぞれ対向する部分に開口部152、252をそれぞれ備えている。
【0068】
そして、開口部152の開口端の一方と開口部252の開口端の一方とが駆動連成梁400により連結されている。また、開口部152の開口端の他方と開口部252の開口端の他方とが駆動連成梁400により連結されている。このように、駆動錘150、250は2本の駆動連成梁400により直接連結されている。
【0069】
また、駆動錘150、250の内側にそれぞれ配置された検出錘140、240は、駆動錘150、250に開口部152、252が設けられたことにより、開口部152、252を介して対向している。これにより、検出連成梁500による検出錘140、240の連結が可能となっている。
【0070】
本実施形態では、検出錘140、240は、駆動錘150、250の開口部152、252を介して、2本の検出連成梁500により直接連結されている。このように、検出錘140、240の外側に駆動錘150、250を配置した外部駆動内部検出の構造では、検出錘140、240が駆動錘150、250に囲まれるので、駆動錘150、250に開口部152、252を設けることにより、検出錘140、240同士を検出連成梁500により直接連結することが可能となる。
【0071】
ここで、駆動連成梁400は駆動錘150、250の開口部152、252の開口端に接続され、検出連成梁500は、駆動錘150、250の開口部152、252の範囲内に位置している。このため、検出連成梁500は駆動連成梁400に挟まれた状態になっている。
【0072】
さらに、検出連成梁500は、図1に示されるように、当該検出連成梁500の一部が折れ曲がった検出連成部510を有している。この検出連成部510は、検出連成梁500の延設方向(x軸方向)とは異なる方向(本実施形態ではy軸方向)に延びる部分を有している。
【0073】
ここで、「検出連成梁500の延設方向」とは、検出連成梁500が延びる方向を指す。すなわち、検出連成梁500の延設方向は各振動子100、200が並んだ方向であり、検出連成梁500の長手方向である。なお、駆動連成梁400の延設方向についても同様に、駆動連成梁400の延設方向は各振動子100、200が並んだ方向であり、駆動連成梁400の長手方向である。
【0074】
そして、検出連成部510は、検出連成梁500の一部が当該検出連成梁500の延設方向に対して直角に折り曲げられたコの字状になっている。具体的には、検出連成部510は、駆動錘150、250の駆動方向(x軸方向)に平行な直線状の枝部と、コリオリ力を受ける検出錘140、240の移動方向(y軸方向)に平行な直線状の枝部とから構成されている。
【0075】
上述のように、半導体層12の厚さは例えば25μmなので、駆動連成梁400および検出連成梁500の厚さは例えば25μmである。また、駆動連成梁400および検出連成梁500の幅は、例えば5μmである。
【0076】
また、駆動連成梁400は、当該駆動連成梁400の一部が当該駆動連成梁400の延設方向に伸縮するばね部600を有している。同様に、検出連成梁500は、検出連成部510の一部に設けられると共に第1振動子100の検出錘140と第2振動子200の検出錘240とが検出連成梁500の延設方向および当該延設方向に対して直角の方向に移動するように伸縮するばね部600を有している。このばね部600は、駆動連成梁400や検出連成梁500(検出連成部510)の一部が波状に折り返された形状になっている。
【0077】
1本の駆動連成梁400には、1つのばね部600が設けられている。一方、1本の検出連成梁500には、検出連成部510のコの字状を構成する各枝部に1つずつばね部600が設けられている。すなわち、1本の検出連成梁500には3つのばね部600が設けられている。
【0078】
図3は、ばね部600の平面図である。この図に示されるように、ばね部600は全体的には波状の折り返し形状になっている。また、折り返し形状を構成する各直線部610は、2本の棒部620が平行に配置されて構成されている。このような直線部610が波状に繰り返し接続されたことによりばね部600が構成されている。
【0079】
ばね部600をこのような構造とすると、ばね部600を構成する直線部610すなわち棒部620の延設方向(長手方向)に当該棒部620が伸縮しないので、ばね部600は各直線部610が波状に折り返された折り返し方向に伸縮する。したがって、駆動連成梁400は、ばね部600により当該駆動連成梁400の延設方向(x軸方向)に伸縮する。
【0080】
一方、検出連成梁500では、検出連成部510の各枝部にばね部600がそれぞれ設けられているので、検出連成梁500は各枝部の延設方向(長手方向)にそれぞれ伸縮する。つまり、検出連成梁500は、x軸方向にもy軸方向にも伸縮可能になっている。以上が、本実施形態に係る振動型角速度センサの全体構成である。
【0081】
次に、上記振動型角速度センサの製造方法について説明する。まず、支持基板11の上に犠牲層13が形成され、この犠牲層13の上に半導体層12が形成された基板10を用意する。また、半導体層12の上にAl等の金属膜を形成し、フォトリソグラフィ・エッチング工程により金属膜に固定部用パッド173、273、駆動用パッド161、261、および周辺部用パッド310を形成する。
【0082】
続いて、フォトリソグラフィ・エッチング工程により半導体層12に検出部110、210、駆動部120、220、周辺部300、駆動連成梁400、および検出連成梁500のパターンを形成する。このとき、検出連成梁500に検出連成部510が設けられるように、また、駆動連成梁400および検出連成梁500(検出連成部510)にばね部600が設けられるように半導体層12をパターニングする。
【0083】
そして、半導体層12に形成されたパターンのうち、検出可動電極141、241、検出錘140、240、駆動可動電極151、251、駆動錘150、250、支持梁172、272、駆動梁171、271、駆動連成梁400、および検出連成梁500の下部の犠牲層13をHF(フッ化水素)の気相または液相のエッチング媒体で除去する。これにより、検出可動電極141、241、検出錘140、240、駆動可動電極151、251、駆動錘150、250、支持梁172、272、駆動梁171、271、駆動連成梁400、および検出連成梁500を支持基板11からリリースする。こうして、振動型角速度センサが完成する。
【0084】
なお、上記では1つの振動型角速度センサの製造方法について説明したが、実際には1枚のウェハに多数のセンサを形成し、最終的にウェハをダイシングカットすることにより、個々のセンサに分割する方法が採用される。
【0085】
上記のようにして製造された振動型角速度センサの角速度検出方法について説明する。振動型角速度センサでは、駆動部120、220による検出部110、210の駆動振動中に角速度が発生したとき、検出錘140、240および検出可動電極141、241に対して作用するコリオリ力によって検出固定電極130、230と検出可動電極141、241との間隔が変化するので、この電極間の容量変化量に基づいて角速度が検出される。
【0086】
具体的には、駆動固定電極160、260と駆動可動電極151、251との間に電位差を与えると駆動錘150、250はx軸方向に変位する。したがって、駆動固定電極160、260に駆動錘150、250を振動させたい周波数(通常は各振動子100、200の固有振動数)の交流電圧を加えるとその周波数で各駆動錘150、250は振動を始める。
【0087】
このとき、駆動錘150、250は、第1振動子100の検出錘140と第2振動子200の検出錘240とが互いに逆位相(位相差180°)となるように駆動方向(x軸方向)に検出錘140、240をそれぞれ駆動する。これにより、検出錘140、240が駆動錘150、250と同様にx軸方向に振動する。
【0088】
このように、検出錘140、240がx軸方向に振動しているときに、x軸およびy軸に垂直なz軸を中心とする角速度が印加された場合、y軸方向にコリオリ力が発生する。その力によって検出錘140、240は駆動錘150、250に対して相対的にy軸方向へ変位する。各検出錘140、240は互いに逆位相で振動するので、各検出可動電極141、241は基板10の一面に垂直なz軸周りの角速度が加わるときにコリオリ力によって互いに逆方向に変位することとなる。
【0089】
各検出錘140、240の変位量は、検出可動電極141、241と検出固定電極130、230との距離が変化することにより生じる容量の変化を検出することで測定する。すなわち、検出可動電極141、241と検出固定電極130、230との間の容量変化を検知し、この容量変化を抑えるように、サーボ電極131、231にサーボ力に相当する電圧を印加する。このサーボ力に相当する電圧から角速度を得る。
【0090】
上記のように、角速度を検出するセンサに対して外部から衝撃が加わると、各駆動錘150、250はペアで動き、各検出錘140、240はペアで動く。このことについて、図4を参照して説明する。
【0091】
図4は、図1に示される振動型角速度センサの等価モデル図である。この図に示されるように、第1振動子100の駆動錘150(md)と第2振動子200の駆動錘250(md)とが駆動連成梁400により直接連結されている。これにより、各振動子100、200の各駆動錘150、250は一体化されるので、外部から振動型角速度センサに大きな衝撃が加わったときには、各駆動錘150、250は同じ動きをする。つまり、駆動連成梁400により直接懸架された駆動錘150、250のうちの一方の動きに他方の動きが同調する。
【0092】
さらに、第1振動子100の検出錘140(ms)と第2振動子200の検出錘240(ms)とが検出連成梁500により直接連結されている。これにより、各振動子100、200の各検出錘140、240は一体化されるので、外部から振動型角速度センサに大きな衝撃が加わったときには、検出連成梁500により直接懸架された検出錘140、240のうちの一方の動きに他方の動きが同調する。
【0093】
このように、振動型角速度センサに衝撃が加わるときには慣性力によって駆動錘150、250同士および検出錘140、240同士が互いに同じ衝撃の方向に変位する。すなわち、外部からの衝撃により各振動子100、200が同じ動きをする。したがって、各検出可動電極141、241の変位量の減算、つまり各サーボ電極131、231に印加する電圧の減算を行うことにより、当該変位量に含まれる衝撃の成分を相殺して除去することができる。このため、衝撃によらない角速度の出力を安定して行うことができる。
【0094】
以上説明したように、本実施形態では、各駆動錘150、250を駆動連成梁400により直接懸架して一体化し、かつ、各検出錘140、240を検出連成梁500により直接懸架して一体化したことが特徴となっている。
【0095】
これによると、各駆動錘150、250がペアで動き、また、各検出錘140、240がペアで動くので、振動型角速度センサが外部から受けた衝撃に対する各駆動錘150、250の同調性および各検出錘140、240の同調性の両方を高めることができる。
【0096】
このため、振動型角速度センサが外部から衝撃を受けたとき、各振動子100、200の検出錘140、240同士および駆動錘150、250同士が当該衝撃の方向に一体となってそれぞれ移動するので、当該衝撃によって変位した第1振動子100の検出可動電極141の変位量と第2振動子200の検出可動電極241の変位量とを相殺することができる。つまり、各サーボ電極131、231に印加する電圧を相殺することができる。したがって、角速度から当該衝撃の成分を除去することができる。
【0097】
また、本実施形態では、検出連成梁500や駆動連成梁400にばね部600を設けたことが特徴となっている。これにより、駆動連成梁400の一部が伸縮するので、駆動連成梁400により連結された各振動子100、200の各駆動錘150、250が、駆動連成梁400の延設方向(x軸方向)において互いに逆方向に移動できるようにすることができる。また、検出連成梁500の一部が伸縮するので、検出連成梁500により連結された各振動子100、200の各検出錘140、240が検出連成梁500の延設方向(x軸方向)および当該延設方向に直角の方向(y軸方向)において互いに逆方向に移動できるようにすることができる。
【0098】
特に、検出連成梁500については、当該検出連成梁500に設けられた検出連成部510がコの字状になっているので、当該コの字を構成する各部にばね部600が設けられることにより、検出連成梁500がx軸方向およびy軸方向に伸縮することができる。したがって、各検出錘140、240を逆位相で駆動したときに、各検出錘140、240に作用するコリオリ力により各検出錘140、240がy軸方向において互いに逆方向に移動することができる。
【0099】
そして、本実施形態では、2本の検出連成梁500により各検出錘140、240を直接懸架しているので、各検出連成梁500が各検出錘140、240から受ける応力を各検出連成梁500に分散することができる。さらに、各検出錘140、240がz軸周りに回転しようとすると、各検出錘140、240から受ける回転の応力が2本の検出連成梁500に分散されるので、各検出連成梁500にかかる回転の応力を小さくすることができる。したがって、各検出錘140、240や各検出連成梁500に各検出錘140、240を介して間接的に接続された駆動錘150、250にかかる回転の応力を緩和することができる。
【0100】
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、検出固定電極130、230およびサーボ電極131、231が特許請求の範囲の検出固定電極に対応する。
【0101】
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記第1実施形態では、振動型角速度センサとして、検出錘140、240の外側に駆動錘150、250が位置する外部駆動内部検出の構造が示されているが、本実施形態では、内部駆動外部検出の構造になっていることが特徴となっている。
【0102】
図5は、本実施形態に係る振動型角速度センサの平面図である。なお、図5では、周辺部300や各電極の一部を省略してある。また、各振動子100、200の構造はまったく同じ構造になっているので、まとめて説明する。
【0103】
図5に示されるように、検出錘140、240はそれぞれ矩形枠状をなしており、検出錘140、240の外周部にx軸に平行な検出可動電極141、241を備えている。また、検出固定電極130、230およびサーボ電極131、231が検出錘140、240の周囲に配置されると共に、各検出可動電極141、241にそれぞれ対向配置されている。
【0104】
一方、駆動錘150、250は、矩形枠状の検出錘140、240の内側にそれぞれ配置されている。本実施形態では、駆動錘150、250はブロック状になっており、各駆動錘150、250の外周部にx軸に平行な駆動可動電極151、251が設けられている。また、駆動固定電極160、260が駆動錘150、250の周囲すなわち検出錘140、240と駆動錘150、250との間に配置されると共に、駆動可動電極151、251に対向配置されている。
【0105】
そして、支持梁172、272が検出錘140、240と駆動錘150、250との間に配置されると共に、検出錘140、240と駆動錘150、250とを連結している。また、固定部170、270が検出錘140、240と駆動錘150、250との間に配置されると共に、駆動梁171、271が固定部170、270と駆動錘150、250とを連結している。これにより、検出錘140、240および駆動錘150、250が、固定部170、270、駆動梁171、271、および支持梁172、272により、支持基板11の上に一定の間隔で浮遊した状態で支持されている。
【0106】
上記のような構造において、検出錘140、240のうち当該検出錘140、240がそれぞれ対向する部分に開口部142、242がそれぞれ備えられている。これにより、検出錘140、240の内側に配置された各駆動錘150、250が開口部142、242を介して対向している。そして、駆動連成梁400は、検出錘140、240の開口部142、242を介して第1振動子100の駆動錘150と第2振動子200の駆動錘250とを直接連結している。
【0107】
このように、駆動錘150、250の外側に検出錘140、240を配置した内部駆動外部検出の構造では、駆動錘150、250が検出錘140、240に囲まれるので、検出錘140、240に開口部142、242を設けることにより、駆動錘150、250同士を駆動連成梁400により直接連結することが可能となる。
【0108】
また、検出連成梁500は、第1振動子100の検出錘140と第2振動子200の検出錘240との間に配置されると共に、これら検出錘140、240を直接連結している。そして、各検出錘140、240が対向する部分のうち、開口部142の一方の開口端側と開口部242の一方の開口端側とが1本の検出連成梁500により直接連結され、開口部142の他方の開口端側と開口部242の他方の開口端側とが1本の検出連成梁500により直接連結されている。このため、駆動連成梁400は検出連成梁500に挟まれた状態になっている。
【0109】
本実施形態においても、検出連成梁500に検出連成部510が設けられていると共に、検出連成部510にばね部600が設けられている。また、駆動連成梁400にばね部600が設けられている。
【0110】
図6は、図5に示される振動型角速度センサの等価モデル図である。この図に示されるように、内部駆動外部検出の構造においても、第1実施形態と同様に、第1振動子100の駆動錘150(md)と第2振動子200の駆動錘250(md)とが駆動連成梁400により直接連結され、第1振動子100の検出錘140(ms)と第2振動子200の検出錘240(ms)とが検出連成梁500により直接連結されている。
【0111】
これにより、外部から振動型角速度センサに大きな衝撃が加わったときには、駆動連成梁400により直接懸架された駆動錘150、250のうちの一方の動きに他方の動きが同調し、検出連成梁500により直接懸架された検出錘140、240のうちの一方の動きに他方の動きが同調する。このように、外部からの衝撃により各振動子100、200が同じ動きをするので、各振動子100、200で得られた角速度から衝撃の成分を相殺して除去することができる。
【0112】
以上説明したように、駆動錘150、250の外側に検出錘140、240を配置した内部駆動外部検出の構造の場合、検出錘140、240に開口部142、242を設けることにより、駆動錘150、250同士を駆動連成梁400により直接連結することが可能となる。したがって、駆動錘150、250同士を駆動連成梁400により直接連結し、かつ、検出錘140、240同士を検出連成梁500により直接連結することができる。
【0113】
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記各実施形態では、検出錘140、240、駆動錘150、250、検出連成梁500、および駆動連成梁400は、それぞれ半導体層12に形成され、同じ階層に形成されたものであった。本実施形態では、検出連成梁500が、検出錘140、240、駆動錘150、250、および駆動連成梁400が配置された階層とは異なる階層に配置された多層構造になっていることが特徴となっている。
【0114】
図7は、本実施形態に係る振動型角速度センサの平面図である。また、図8は、図7のB−B断面図である。
【0115】
本実施形態では、基板10のうちの半導体層12が複数の層により構成された多層構造になっている。そして、この多層構造のうち最も犠牲層13側に位置する最下層に、検出部110、210、駆動部120、220、および周辺部300が形成されている。
【0116】
また、図7に示されるように、駆動錘150、250は、第1実施形態と同様にそれぞれ矩形枠状をなしている。本実施形態では、駆動錘150、250には開口部152、252が形成されていないので、各駆動錘150、250は閉じた構造になっている。図8に示されるように、各駆動錘150、250は、多層構造の半導体層12のうちの最下層に位置している。
【0117】
そして、駆動連成梁400は、駆動錘150、250と同じ階層、つまり多層構造のうちの最下層に位置していると共に、第1振動子100の駆動錘150と第2振動子200の駆動錘250とを直接連結している。
【0118】
一方、検出錘140、240は、駆動錘150、250の内側にそれぞれ配置されている。また、図8に示されるように、検出錘140、240は、基板10の一面とは反対側の他面11aを基準として駆動錘150、250よりも高くなっている。ここで、「基板10の一面とは反対側の他面11a」とは、支持基板11のうちの犠牲層13側の面とは反対側の面に相当する。
【0119】
すなわち、検出錘140、240は、多層構造の半導体層12のうちの最下層だけでなく、この最下層の上に位置する層と共に形成されている。このように、検出錘140、240は、多層構造の半導体層12のうちの複数の層で構成されたことにより、多層構造のうちの最下層に形成された駆動錘150、250よりも厚みがある。このため、基板10の他面11aを基準とすると、検出錘140、240は駆動錘150、250から突出した状態になっている。
【0120】
そして、検出連成梁500は、駆動錘150、250よりも上の階層に位置している。すなわち、検出連成梁500は、駆動錘150、250に接触しないように駆動錘150、250よりも上の階層に位置する層に形成されている。これにより、検出連成梁500が駆動錘150、250をまたぐ構造となり、検出連成梁500により第1振動子100の検出錘140と第2振動子200の検出錘240とが直接連結されている。
【0121】
以上説明したように、外部駆動内部検出の構造では、検出錘140、240が駆動錘150、250に囲まれるが、半導体層12が複数の層で構成された多層構造とすることで、検出連成梁500を駆動錘150、250や駆動連成梁400とは異なる階層に位置させることができる。すなわち、検出錘140、240を駆動錘150、250よりも高くすると共に検出連成梁500を駆動錘150、250よりも上の階層に配置しているので、駆動錘150、250に開口部152、252を設けなくても、検出錘140、240同士を検出連成梁500により直接連結することができる。
【0122】
また、駆動錘150、250に開口部152、252が不要となり、駆動錘150、250は閉じた矩形枠状となるので、駆動錘150、250の剛性を高くすることができる。
【0123】
(第4実施形態)
本実施形態では、第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。第3実施形態では、外部駆動内部検出の構造において、半導体層12を多層構造とすることにより、検出連成梁500を駆動錘150、250等よりも上部の階層に位置させていた。本実施形態では、内部駆動外部検出の構造において、半導体層12を多層構造としたことが特徴となっている。
【0124】
図示しないが、検出錘140、240はそれぞれ矩形枠状をなしており、開口部142、242は設けられていない。すなわち、本実施形態では、各検出錘140、240は閉じた構造になっている。そして、検出連成梁500は、駆動錘150、250と同じ階層、つまり多層構造である半導体層12のうちの最下層に位置していると共に、第1振動子100の検出錘140と第2振動子200の検出錘240とを直接連結している。
【0125】
一方、駆動錘150、250は、駆動錘150、250の内側にそれぞれ配置されている。また、駆動錘150、250は、多層構造の半導体層12のうちの複数の層で構成されたことにより、多層構造のうちの最下層に形成された検出錘140、240よりも厚みがある。このため、駆動錘150、250は、基板10の他面11aを基準として検出錘140、240よりも高くなっている。
【0126】
そして、駆動連成梁400は、検出錘140、240に接触しないように検出錘140、240よりも上の階層に位置している。これにより、駆動連成梁400が検出錘140、240をまたぐ構造となり、検出連成梁500により第1振動子100の駆動錘150と第2振動子200の駆動錘250とが直接連結されている。
【0127】
以上のように、内部駆動外部検出の構造の場合でも、駆動錘150、250を検出錘140、240よりも高く構成すると共に駆動連成梁400を検出錘140、240よりも上の階層に配置しているので、駆動錘150、250同士を駆動連成梁400により直接連結することができる。
【0128】
また、検出錘140、240に開口部142、242が不要となり、検出錘140、240は閉じた矩形枠状となるので、検出錘140、240の剛性を高くすることができる。
【0129】
(第5実施形態)
本実施形態では、第1〜第4実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図9は、本実施形態に係る検出連成梁500と検出錘140、240との接続部の斜視図である。
【0130】
図9に示されるように、検出錘140、240のうち基板10の一面に垂直な側面143、243と、検出連成梁500のうち基板10の一面に垂直な側面520との接続部が面取りされている。このため、検出錘140、240に対する検出連成梁500の接続部が肉厚になる。これにより、検出連成梁500と検出錘140、240との接続部の強度が向上し、検出錘140、240から検出連成梁500に応力が加わる際に、当該接続部に加わる応力を緩和することができる。
【0131】
なお、検出連成梁500と駆動錘150、250との接続部が、図9に示されるように面取りされていても良い。
【0132】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、基板10としてSOI基板を用いていたが、これは基板10の構成の一例を示したものであり、SOI基板でなくても良い。
【0133】
上記第1実施形態では、駆動錘150、250の開口部152、252の開口端に駆動連成梁400が接続されているが、このような駆動錘150、250に対する駆動連成梁400の接続位置は一例である。したがって、駆動連成梁400は駆動錘150、250の開口部152、252の開口端以外の部分に接続されていても良い。
【0134】
上記第2実施形態では、第1振動子100の検出錘140と第2振動子200の駆動錘250とに2本の検出連成梁500が接続されているが、このような検出錘140、240に対する検出連成梁500の接続位置は一例であり、他の接続位置でも良い。
【0135】
上記各実施形態では、ばね部600は、図3に示されるように、駆動連成梁400の一部や検出連成梁500(検出連成部510)の一部が波状に折り返された形状になっていたが、図3に示されたばね部600の構造は一例であり、他の構造でも良い。例えば、ばね部600は、駆動連成梁400の一部や検出連成梁500(検出連成部510)の一部がV字状や円弧状になっているものでも良い。また、ばね部600は、2本の平行な梁がその両端で連結された矩形枠状をなしており、2本の梁の長手方向と直交する方向に変位するバネ機能を有するものでも良い。ばね部600を配置するスペース等を考慮すると、ばね部600は、少なくとも、波状に折り返された形状、V字状、円弧状のうちのいずれかの形状であることが好ましい。さらに、各ばね部600がそれぞれ異なる形状のものでも良い。
【0136】
上記各実施形態では、1本の検出連成梁500に3つのばね部600が設けられ、1本の駆動連成梁400に1つのばね部600が設けられたものが示されているが、これらのばね部600の数は一例である。したがって、ばね部600は検出連成梁500や駆動連成梁400にいくつ設けられていても良い。
【0137】
上記各実施形態では、検出連成梁500に1つの検出連成部510が設けられていたが、検出連成部510は検出連成梁500に複数設けられていても良い。
【0138】
また、上記各実施形態では、検出連成梁500にコの字状の検出連成部510を設けたものが示されているが、検出連成部510の形状はコの字状に限らず、他の形状でも良い。例えば、V字状や台形状、ひし形状等でも良い。
【0139】
上記各実施形態では、駆動錘150、250は2本の検出連成梁500により直接連結されていたが、検出連成梁500の数は一例であり、1本でも3本以上でも良い。もちろん、各駆動錘150、250や各検出錘140、240の変位の対称性を良くするためには、各駆動連成梁400における各ばね部600の位置や各検出連成梁500における各ばね部600の位置が例えばx軸方向を基準に対称(つまり線対称)に配置されていることが好ましい。
【0140】
上記各実施形態では、検出錘140、240と駆動錘150、250とが支持梁172、272により直接連結された構造が示されているが、検出錘140、240と駆動錘150、250との間に別の錘が接続された構造でも良い。例えば、図10のモデル図に示されるように、検出錘140、240と駆動錘150、250と間に、別の錘としてリンク部180、280(ml)が配置され、各々が支持梁172、272により接続されている。このように、リンク部180、280を設けた構造としても、検出錘140、240同士を検出連成梁500により直接連結し、駆動錘150、250同士を駆動連成梁400により直接連結することができる。
【符号の説明】
【0141】
10 基板
100、200 振動子
110、210 検出部
120、220 駆動部
130、230 検出固定電極
131、231 サーボ電極
140、240 検出錘
141、241 検出可動電極
150、250 駆動錘
151、251 駆動可動電極
152、252 開口部
160、260 駆動固定電極
400 駆動連成梁
500 検出連成梁
510 検出連成部
600 ばね部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(10)の一面側に形成され、この基板(10)の一部に支持された検出固定電極(130、131、230、231)と、前記検出固定電極(130、131、230、231)に対向配置されると共に前記検出固定電極(130、131、230、231)に対して変位可能とされた検出可動電極(141、241)を備えた検出錘(140、240)と、を有する検出部(110、210)と、
前記基板(10)の一面側に形成され、前記検出可動電極(141、241)の移動方向に対して直角の駆動方向に前記検出部(110、210)を振動させる駆動可動電極(151、251)を備えた駆動錘(150、250)と、前記駆動可動電極(151、251)に対向配置された駆動固定電極(160、260)と、を有する駆動部(120、220)と、
をそれぞれ備えた第1振動子(100)および第2振動子(200)を含んでおり、
前記検出部(110、210)の駆動振動中に角速度が発生したとき、前記検出部(110、210)に対して作用するコリオリ力で変位する前記検出可動電極(141、241)と前記検出固定電極(130、131、230、231)との間隔の変化に伴う容量変化に基づいて前記角速度を検出するようにした振動型角速度センサであって、
前記第1振動子(100)の前記駆動錘(150)と前記第2振動子(200)の前記駆動錘(250)とが駆動連成梁(400)により直接連結され、かつ、前記第1振動子(100)の前記検出錘(140)と前記第2振動子(200)の前記検出錘(240)とが検出連成梁(500)により直接連結されていることを特徴とする振動型角速度センサ。
【請求項2】
前記駆動連成梁(400)は、当該駆動連成梁(400)の一部が当該駆動連成梁(400)の延設方向に伸縮するばね部(600)を有し、
前記検出連成梁(500)は、当該検出連成梁(500)の一部が折れ曲がった検出連成部(510)と、当該検出連成部(510)の一部に設けられると共に前記第1振動子(100)の前記検出錘(140)と前記第2振動子(200)の前記検出錘(240)とが前記検出連成梁(500)の延設方向および当該延設方向に対して直角の方向に移動するように伸縮するばね部(600)と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の振動型角速度センサ。
【請求項3】
前記検出連成部(510)は、前記検出連成梁(500)の一部が当該検出連成梁(500)の延設方向に対して直角に折り曲げられたコの字状になっており、
前記検出連成梁(500)のばね部(600)は、前記コの字状の検出連成部(510)のうち、前記検出連成梁(500)の延設方向に平行な部分と、前記検出連成梁(500)の延設方向に直角の方向に平行な部分と、にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項2に記載の振動型角速度センサ。
【請求項4】
前記ばね部(600)は、少なくとも、波状に折り返された形状、V字状、円弧状のうちのいずれかの形状であることを特徴とする請求項2または3に記載の振動型角速度センサ。
【請求項5】
前記検出錘(140、240)のうち前記基板(10)の一面に垂直な側面(143、243)と、前記検出連成梁(500)のうち前記基板(10)の一面に垂直な側面(520)との接続部が面取りされていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の振動型角速度センサ。
【請求項6】
前記検出連成梁(500)は、少なくとも2本備えられており、
前記第1振動子(100)の前記検出錘(140)と前記第2振動子(200)の前記検出錘(240)とは、前記少なくとも2本の検出連成梁(500)により直接連結されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の振動型角速度センサ。
【請求項7】
前記駆動錘(150、250)は、それぞれ矩形枠状をなしており、前記駆動錘(150、250)のうち当該駆動錘(150、250)がそれぞれ対向する部分に開口部(152、252)をそれぞれ備え、
前記検出錘(140、240)は、前記駆動錘(150、250)の内側にそれぞれ配置されており、
前記検出連成梁(500)は、前記駆動錘(150、250)の開口部(152、252)を介して前記第1振動子(100)の前記検出錘(140)と前記第2振動子(200)の前記検出錘(240)とを直接連結していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の振動型角速度センサ。
【請求項8】
前記検出錘(140、240)は、それぞれ矩形枠状をなしており、前記検出錘(140、240)のうち当該検出錘(140、240)がそれぞれ対向する部分に開口部(142、242)をそれぞれ備え、
前記駆動錘(150、250)は、前記検出錘(140、240)の内側にそれぞれ配置されており、
前記駆動連成梁(400)は、前記検出錘(140、240)の開口部(142、242)を介して前記第1振動子(100)の前記駆動錘(150)と前記第2振動子(200)の前記駆動錘(250)とを直接連結していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の振動型角速度センサ。
【請求項9】
前記駆動錘(150、250)は、それぞれ矩形枠状をなしており、
前記検出錘(140、240)は、前記駆動錘(150、250)の内側にそれぞれ配置されていると共に、前記基板(10)の一面とは反対側の他面(11a)を基準として前記駆動錘(150、250)よりも高くなっており、
前記検出連成梁(500)は、前記駆動錘(150、250)よりも上の階層に位置していると共に前記駆動錘(150、250)をまたぐことにより、前記第1振動子(100)の前記検出錘(140)と前記第2振動子(200)の前記検出錘(240)とを直接連結し、
前記駆動連成梁(400)は、前記駆動錘(150、250)と同じ階層に位置していると共に、前記第1振動子(100)の前記駆動錘(150)と前記第2振動子(200)の前記駆動錘(250)とを直接連結していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の振動型角速度センサ。
【請求項10】
前記検出錘(140、240)は、それぞれ矩形枠状をなしており、
前記駆動錘(150、250)は、前記検出錘(140、240)の内側にそれぞれ配置されていると共に、前記基板(10)の一面とは反対側の他面(11a)を基準として前記検出錘(140、240)よりも高くなっており、
前記駆動連成梁(400)は、前記検出錘(140、240)よりも上の階層に位置していると共に前記検出錘(140、240)をまたぐことにより、前記第1振動子(100)の前記検出錘(140)と前記第2振動子(200)の前記検出錘(240)とを直接連結し、
前記検出連成梁(500)は、前記検出錘(140、240)と同じ階層に位置していると共に、前記第1振動子(100)の前記検出錘(140)と前記第2振動子(200)の前記検出錘(240)とを直接連結していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の振動型角速度センサ。
【請求項11】
前記駆動錘(150、250)は、前記第1振動子(100)の前記検出錘(140)と前記第2振動子(200)の前記検出錘(240)とが互いに逆位相となるように前記駆動方向に前記検出錘(140、240)をそれぞれ駆動するようになっていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の振動型角速度センサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−53185(P2011−53185A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204751(P2009−204751)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】