説明

振動機械

【課題】振動体の共振の発生を抑制することができる振動機械を提供する。
【解決手段】コンベヤフレーム20に弾性的に支持された篩装置本体46等と、篩装置本体46等を加振する加振装置48と、加振装置48の油圧モータ73を含み油圧モータ73に作動油を供給する油圧駆動装置70と、加振装置48の起動を指示する起動スイッチ63a1,63a3とを備えた振動スクリーンにおいて、油圧モータ73の回転速度に関して油圧ポンプ72の回転速度Sを検出する検出器82と、篩装置本体46等の固有振動数より高い帯域で設定した下限振動数に基づく制御閾値S1よりも検出器82からの検出値が小さい場合、起動スイッチ63a1,63a3による加振装置48の起動指示を無効化する起動インターロック機能を有する制御装置76を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動スクリーンや振動フィーダ、或いは道路の締め固め機械等を含む振動機械に関する。
【背景技術】
【0002】
振動機械は、振動体を振動させることにより、対象物を篩い分ける、後段の機械に供給する、或いは地盤を占め固める等の機能を果たし、例えば振動スクリーンや振動フィーダ、道路の締め固め機械等が代表例である。例えば振動フィーダはジョークラッシャに被破砕物を供給するのにしばしば用いられるが、ジョークラッシャの負荷が大きくなった場合等に振動フィーダの振動を自動的に減速又は停止させるものがある(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−226446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このとき、一般に振動機械の定格振動数は振動体の固有振動数(共振点)よりも高い値に設定されるため、起動/停止時には振動体の実際の振動数が固有振動数を通過する。通常、振動機械が起動/停止する過程で振動体の振動数が固有振動数に一致するのは一瞬であり、共振が頻繁に起こるわけではない。
【0005】
しかしながら、例えばエンジン回転数が十分に上がっていない場合のように、振動体を加振する油圧モータに対して油圧ポンプから作動油を満足に供給できない場合には、定格振動数より低い帯域で振動体が振動する。運転中にあっても振動体にかかる負荷の上昇等によって振動体の振動数が定格振動数より低い帯域まで低下し得る。このようにして固有振動数近辺での運転が継続した場合、振動体が共振を起こす場合があり、共振が起これば振動体自体の振幅が過剰となるだけでなく、振動機械を搭載した機体全体の振動が過剰となり、機体の各部に必要以上の負荷がかかるほか、作業者の心理的負担も懸念される。
【0006】
上記従来技術ではジョークラッシャの負荷に応じて振動フィーダを自動制御しているが、振動フィーダの油圧モータに対して十分な流量の作動油を供給できる状態にあるか否かに関係なく振動フィーダが制御されるので、前述した共振に関する技術的課題が同様に内在している。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、振動体の共振の発生を抑制することができる振動機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、フレームと、このフレームに弾性的に支持された振動体と、この振動体を加振する加振装置と、この加振装置の油圧モータを含みこの油圧モータに作動油を供給する油圧駆動装置と、前記加振装置の起動を指示する起動スイッチとを備えた振動機械において、前記油圧駆動装置に設けられ、前記油圧モータの回転速度に関する状態量を検出する検出器と、前記振動体の固有振動数より高い帯域で設定した下限振動数に基づく制御閾値よりも前記検出器からの検出値が小さい場合、前記起動スイッチによる前記加振装置への起動指示を無効化する起動インターロック機能を有する制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記インターロック機能の解除を指示するインターロック解除手段をさらに備えており、このインターロック解除手段により前記インターロック機能が解除されている場合、前記制御装置は、前記検出器の検出値に関係なく前記起動スイッチの操作に応じて前記加振装置を駆動することを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、フレームと、このフレームに弾性的に支持された振動体と、この振動体を加振する加振装置と、この加振装置の油圧モータを含みこの油圧モータに作動油を供給する油圧駆動装置とを備えた振動機械において、前記油圧駆動装置に設けられ、前記油圧モータの回転速度に関する状態量を検出する検出器と、前記加振装置の駆動中、前記振動体の固有振動数より高い帯域で設定した下限振動数に基づく制御閾値よりも前記検出器からの検出値が小さくなった場合、前記加振装置を停止させる停止インターロック機能を有する制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0011】
第4の発明は、第3の発明において、前記検出器は、前記油圧モータへの作動油の供給流量を前記状態量として検出する流量計であることを特徴とする。
【0012】
第5の発明は、第1−第3の発明のいずれかにおいて、前記検出器は、前記油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプ、又はこの油圧ポンプを駆動する原動機の回転数を前記状態量として検出する回転数検出器であることを特徴とする。
【0013】
第6の発明は、第1−第3の発明のいずれかにおいて、前記検出器は、前記油圧モータに作動油を制御する制御弁、又は前記油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプのレギュレータへの制御信号を前記状態量として検出する信号検出器であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、振動体の共振の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る振動装置を搭載した自走式振動スクリーンの全体構成を表す側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る振動装置を搭載した自走式振動スクリーンの全体構成を表す拡大図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る振動装置に備えられた操作盤の盤面の外観図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る振動装置に備えられた油圧駆動装置の加振装置の動作に関する部分を簡略的に表した回路図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る振動装置に備えられた制御装置によるインターロック制御の手順を表すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る振動装置に備えられた油圧駆動装置の加振装置の動作に関する部分を簡略的に表した回路図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る振動装置に備えられた制御装置によるインターロック制御の手順を表すフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態に係る振動装置に備えられた油圧駆動装置の加振装置の動作に関する部分を簡略的に表した回路図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る振動装置に備えられた油圧駆動装置の加振装置の動作に関する部分を簡略的に表した回路図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る振動装置に備えられた油圧駆動装置の加振装置の動作に関する部分を簡略的に表した回路図である。
【図11】本発明の他の適用対象の例である自走式クラッシャの全体構成を表す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は本発明の第1実施形態に係る振動装置を搭載した自走式振動スクリーンの全体構成を表す側面図、図2は操作盤近傍の拡大図である。これら図1及び図2中の左右を自走式スクリーンの前後とする。
【0018】
図1及び図2に示した自走式振動スクリーンは、走行体1と、この走行体1上に設けた排出コンベヤ2と、排出コンベヤ2の上側に設けた篩装置(振動装置)3と、排出コンベヤ2の下側に設けたパワーパック4とを備えている。
【0019】
走行体1は、左右1対の走行手段10と、これら走行手段10の上部に設けた本体フレーム11とを備えている。走行手段10は、左右一対のトラックフレーム12と、これらトラックフレーム12の前後にそれぞれ設けた従動輪13及び駆動輪14と、出力軸を駆動輪14に連結した走行用油圧モータ15と、左右の従動輪13及び駆動輪14にそれぞれ掛け回した無限軌道履帯16とを備えている。本体フレーム11は、上下・左右・前後の各方向に延びる複数の鋼材で三次元的に組み上げられた枠状の部材であってトラックフレーム12の上部に設けられており、走行手段10の前方に突き出ないように前端部が走行手段10の前端部よりも後方に位置している。本体フレーム11の後端部は走行手段10の後端部よりもやや後方に位置している。本体フレーム11の後部には、排出コンベヤ2と篩装置3との間への木材干渉防止用のガード17が設けられている。
【0020】
排出コンベヤ2は、篩装置3で選別された所定粒度以下の選別物を搬送し機体前方に排出するものであり、前方に向かって斜めに立ち上がるように配置されている。この排出コンベヤ2は、コンベヤフレーム20と、コンベヤフレーム20の前端に回転自在に設けたヘッドプーリ21と、コンベヤフレーム20の後端に回転自在に設けたテールプーリ(図示せず)と、ヘッドプーリ21及びテールプーリに掛け回したコンベヤベルト23と、ヘッドプーリ21に連結した排出コンベヤ用油圧モータ24とを備えており、排出コンベヤ用油圧モータ24でヘッドプーリ21を駆動することによってヘッドプーリ21及びテールプーリ間でコンベヤベルト23を循環駆動させる。
【0021】
コンベヤフレーム20は、後端部が本体フレーム11上部の後端部に対して回動軸30を介して傾動可能に連結されていて、前後方向の中央部が支持部材31を介して本体フレーム11に支持されている。支持部材31は、筒状のケーシング32とこれに挿入されたロッド33からなり、ケーシング32の上端部がピン34を介してコンベヤフレーム20の前後中央部に設けたブラケット35に、ロッド33の下端部がピン36を介して本体フレーム11の前部に設けたブラケット37にそれぞれ回動可能に連結されている。この支持部材31のケーシング32とロッド33は油圧シリンダ38で連結されており、油圧シリンダ38の伸縮に伴ってロッド33がケーシング32に対して摺動し、その結果、回動軸30を支点に排出コンベヤ2が傾動する。このとき、作業者等が傾動する排出コンベヤ2の下に入って本体フレーム11との間に挟まれることのないように本体フレーム11上にはコンベヤフレーム20の左右に位置するように安全柵39が立てられている。
【0022】
篩装置3は、投入される被選別物を粒度に応じて選別するもので、コンベヤフレーム20後部の上部に弾性部材45を介して振動可能に支持された枠型の篩装置本体46(振動体)と、篩装置本体46の内側に固定された篩部材(図示せず)と、篩装置本体46を加振する加振装置48と、この加振装置48の油圧モータを含みこの油圧モータに作動油を供給する油圧駆動装置70(後の図3)とを備えており、加振装置48を駆動して篩装置本体46と篩部材を一体に揺さ振り、投入された被選別物のうち篩部材を通過する所定粒度以下の選別物を排出コンベヤ2上に導くとともに、それより粒度の大きなものを機体後方に排出する。
【0023】
本実施形態では弾性部材45としてラバースプリングを用いているが、コイルバネ等の他の弾性体でも良い。弾性部材45は篩装置本体46の左右両側においてそれぞれ前後に配置されており、篩装置本体46は計4箇所でコンベヤフレーム20に対して支持されている。また、篩装置3は走行手段10に対して全体的にやや重心を後方にずらして配置されており、内部の篩部材は排出コンベヤ2と同じく後方に向かって下方に傾斜した姿勢で配置されている。篩装置3は排出コンベヤ2のコンベヤフレーム20に支持されているため、排出コンベヤ2を傾動させることで被選別物の性状に応じて傾斜角度を変更し選別能力を調整することができる。
【0024】
パワーパック4は、エンジンや油圧ポンプ、コントロールバルブ等、機体各所に搭載した作動装置の動力源を内蔵しており、コンベヤフレーム20に垂設されたパワーパックフレーム50上に積載されて排出コンベヤ2の下側に配置されている。パワーパックフレーム50は、支持部材31を連結したブラケット34よりも前方位置でコンベヤフレーム20に垂設されており、パワーパック4は走行体1よりも前方に位置している。但し、パワーパック4の前後位置は、篩装置3や排出コンベヤ2等の他の搭載機器と合わせた機体重心が走行装置10の前後ほぼ中央位置に来るように制限される。したがって、油圧シリンダ38を縮めて排出コンベヤ2を寝かせていくと、パワーパック4は走行体1の上部に重なることなく走行体1の前方のスペースまで下降する。そのため排出コンベヤ2を水平姿勢近くまで寝かせることができ、輸送時には一般道路の輸送制限高さに納まる範囲にまで機体の全高を抑えることができる。
【0025】
なお、輸送制限高さまで余裕があってパワーパック4を走行体1の前方のスペースに下降させる必要がない場合には、パワーパック4を本体フレーム11上又はトラックフレーム12上に設置することもできる。
【0026】
また、パワーパック4の左側面には、排出コンベヤや篩装置2等の動作を指示するための操作盤51が設けられている。この操作盤51に隣接して前述した油圧シリンダ38の伸縮動作を指示する操作部52が設けられている。また、操作盤51や操作部52を操作する場合等に作業者が立つ足場として、パワーパック4にはステップ53が設けられている。
【0027】
また、排出コンベヤ2の下部には、コンベヤベルト23の戻り面から落下する選別物を受け止める飛散防止カバー55が設けられている。この飛散防止カバー55は少なくともパワーパック4の上方をカバーしており、下端部近傍が後方に向かって下方に折れ曲げられ、受け止めた選別物を目的の集積位置(例えば左右の走行手段10の間の地面)に積極的に導くようになっている。
【0028】
図3は前述した操作盤51の盤面の外観図である。
【0029】
図3に示すように、操作盤51には、表示入力部61、緊急停止スイッチ62、作動装置類の起動停止指示部63、メインスイッチ(キースイッチ)64、運転モード選択スイッチ65、警報ボタン66、照明ボタン67、エンジン回転数ダイヤル68、インターロック解除スイッチ69等が備えられている。
【0030】
表示入力部61は機体の稼動状況や各種データ、メッセージ、燃料残量、エンジン冷却水温度等を表示したり、各種の設定や入力をしたりするものである。緊急停止スイッチ62は、緊急時に機体の各作動装置を即時的に停止させるスイッチである。メインスイッチ64は、電気系統のON/OFFやエンジンの始動等を操作するスイッチである。運転モード選択スイッチ65は、走行操作を行う走行モード、破砕作業を行う作業モード、メンテナンスに設定するメンテナンスモードのいずれかを選択するスイッチである。警報ボタン66は警報音を鳴らす指示を指示するボタン、照明ボタン67は照明の光量設定や消灯の指示をするボタンである。エンジン回転数ダイヤル68は、エンジン回転数を調整するダイヤルである。
【0031】
起動停止指示部63には、篩装置3の正転方向起動・停止・逆転方向起動を各指示する正転ボタン63a1・停止ボタン63a2・逆転ボタン63a3、排出コンベヤ2の起動・停止を各指示する起動ボタン63b1・停止ボタン63b2が配置されている。
【0032】
インターロック解除スイッチ69は、第2実施形態で後述する起動インターロックの解除を指示するスイッチであり、ポジションをON又はOFFに切り換えることでインターロック機能を有効又は無効にする。
【0033】
図4は油圧駆動装置の加振装置48の動作に関する部分を簡略的に表した回路図である。
【0034】
図4に示した油圧駆動装置70は、操作盤51(前述)と、エンジン71と、エンジン71により駆動する油圧ポンプ72と、加振装置48の油圧モータ73と、油圧ポンプ72から油圧モータ73に供給される作動油の流量及び方向を制御する3位置切り換え型の電磁比例式の制御弁74と、作動油タンク75と、制御弁74を制御する制御装置76と、油圧モータ73の回転速度に関する状態量を検出する検出器77a,77bとを備えている。
【0035】
検出器77a,77bは、油圧モータ73に接続した作動油供給管路78a,78bに設けられた流量計であり、油圧モータ73の回転速度に関する状態量として油圧モータ73への作動油の供給流量を検出し、その検出値を制御装置76に出力する。
【0036】
制御弁74は、油圧ポンプ72の吐出ラインを作動油供給管路78aに繋げる位置(図中左側の位置)、吐出ラインを作動油供給管路78bに繋げる位置(図中右側の位置)、そして作動油供給管路78a,78bをともに遮断する中立位置(図中中央の位置)を持つ。但し、中立位置において油圧モータ73への作動油の供給側・排出側ともに遮断する構成に限らず、いずれか一方のみを遮断、或いは少なくとも一方を絞り、油圧モータ73に積極的に作動油を供給しない構成とする場合もある。
【0037】
制御装置76は、操作盤51からの操作信号や各種設定、検出器77a,77bからの検出信号等に応じて制御弁74を切り換え制御する機能の他、停止インターロック機能を備えている。停止インターロック機能の概要は次の通りである。
【0038】
まず、本実施形態では、連続運転時の加振装置48の振動数(油圧モータ73の回転数)は、篩装置本体46、篩部材、加振装置48等を含む一体に振動する構造体(以下「振動体」と記載する)の固有振動数よりも高い帯域の値が想定されていて、この想定範囲の下限値(以下「下限振動数」と記載する)に対応する油圧モータ73の作動油の供給流量を制御閾値S1として設定している。振動体の固有振動数は、振動体の重量やこれを弾性的に支持する弾性部材45の弾性係数等を基にして算出することができる。
【0039】
上記の停止インターロックとは、上の前提の下、加振装置48の駆動中、検出器77a,77bの検出値の変動をモニタし、検出器77a,77bからの検出値が制御閾値S1よりも小さくなった場合、加振装置48を停止させることをいう。具体的には、図5及び図7で後述する制御手順のステップ107の処理を言う。
【0040】
図5は制御装置76によるインターロック制御の手順を表すフローチャートである。この図5を用いて上記構成の振動スクリーンの動作を次に説明する。
【0041】
起動後、例えば油圧ショベル等の投入重機、若しくはリサイクル機械、ベルトコンベヤ等によって篩装置3に被選別物が投入されると、篩部材による選別粒度よりも小さいものは篩部材を通過して排出コンベヤ2の搬送面上に導かれ、排出コンベヤ2によって前方に搬送されて機体前方に排出される。一方、選別粒度より大きなものは篩部材上を下って機体後方に排出される。
【0042】
この運転中において、制御装置76は、検出器77a,77bからの検出値(状態量)Sを入力している(ステップ103)。また、制御装置76は停止指示の有無を判定しており(ステップ106)、停止ボタン63a2の操作があって篩装置3の停止指示があれば、制御装置76は制御弁74を閉じて油圧モータ73への作動油の供給を遮断し、加振装置48を停止させて篩装置3を停止状態に移行させ(ステップ108)、図5の手順を終了する。
【0043】
運転中、停止指示がないうちは、制御装置76は、検出器77a,77bからの検出値Sをモニタして制御閾値S1より低い値に低下していないかそうかを判定し(ステップ107)、検出値Sが制御閾値S1より高い値で推移している間は、操作盤51からの操作、設定に応じて篩装置3の運転を維持し、ステップ106に手順を戻す。しかし、篩装置3の負荷上昇等によって制御閾値S1より小さい値に低下した場合、停止インターロック機能が働き、制御装置76は制御弁74を閉じて油圧モータ73への作動油の供給を遮断し、加振装置48を停止させて篩装置3を停止状態に移行させ(ステップ108)、図5の手順を終了する。
【0044】
次に本実施形態の作用効果を説明する。
【0045】
本実施形態によれば、起動後、篩装置3の作業負荷の変動等によって油圧モータ73への供給流量Sが制御閾値S1を下回った場合には、篩装置3を自動的に停止させる(停止インターロック機能)ことにより、運転中の振動体の共振の発生も抑制することができる。
【0046】
よって、本実施形態によれば、振動体の固有振動数(共振点)を避けて篩装置3を安定に運転することができるので、振動体の振幅を適正範囲に止め、自走式振動スクリーンの機体全体の過剰な振動を抑制することができ、機体の各部への負荷を抑えることができるほか、機体の安定した挙動により作業者の心理的負担も軽減される。
【0047】
なお、本実施形態では、油圧モータ73の回転速度に関する状態量を検出する手段として油圧ポンプ72への供給流量を検出する構成としたが、これに限定されない。油圧モータ73の回転速度を直接検出する方法も考えられるし、第2実施形態以降で説明するような態様も考えられる。また、検出する状態量によっては、運転中のインターロックに限定されず、十分な流量を油圧モータ73に供給できそうにない状況下での篩装置3の起動を禁止する起動インターロック機能を持たせることができる場合もある。
【0048】
以下に、油圧モータ73の回転速度に関する状態量としてポンプ流量以外の値を検出する実施形態を幾つか例示する。
【0049】
図6は本発明の第2実施形態に係る振動装置に備えられた油圧駆動装置の加振装置48の動作に関する部分を簡略的に表した回路図である。第1実施形態と同様又は対応する部分には図4と同符号を付して説明を省略する。
【0050】
本実施形態では、油圧ポンプ72の駆動軸に検出器(回転数検出器)82を設け、油圧モータ73の回転速度に関する状態量として油圧ポンプ72の回転数を検出する。よって、本実施形態における制御閾値S1には、振動体の下限振動数に対応する油圧ポンプ72の回転数が設定される。
【0051】
本実施形態は、例えば減速機71と油圧ポンプ72との間に速度可変型の減速機81を設けて油圧ポンプ72の回転速度を可変にした場合に適している。
【0052】
また、本実施形態において、制御装置76は、操作盤51からの操作信号や各種設定、検出器82からの検出信号等に応じて制御弁74を切り換え制御する機能の他、起動インターロック機能と停止インターロック機能の2つのインターロック機能を備えている。停止インターロック機能は第1実施形態と同様である。
【0053】
起動インターロックとは、篩装置3を起動させるべく起動スイッチ(図3の正転ボタン63a1,63a3をいい、以下単に「起動スイッチ」と記載する場合がある)を操作した場合、その時点で検出器82からの検出値が制御閾値S1よりも小さければ、起動スイッチによる加振装置48の起動指示を無効化することをいう。具体的には、図7で後述する制御手順のステップ104の処理を言う。
【0054】
なお、本実施形態では起動インターロックと停止インターロックとで共通の制御閾値S1を用いるが、異なる制御閾値をそれぞれ設定しても良い。
【0055】
図7は本実施形態の制御装置76によるインターロック制御の手順を表すフローチャートである。この図5を用いて上記構成の振動スクリーンの動作を次に説明する。
【0056】
運転にあたっては、排出コンベヤ2用の起動ボタン63b1を操作して排出コンベヤ2を駆動させるとともに、篩装置3を起動させるべく「起動スイッチ」(起動ボタン63a1又は63a2)を操作する。この起動スイッチからの入力、すなわち動作指示があったら(ステップ101)、制御装置76は、手順を次に移して起動インターロックが有効か否かを判定する(ステップ102)。
【0057】
インターロック解除スイッチ69(図3参照)のポジションがONにあって起動インターロックが有効な場合、制御装置76は検出器82からの検出値(状態量)Sを入力し(ステップ103)、入力した検出値Sが制御閾値S1以上にあるかどうかを判定する(ステップ104)。その結果、その時点のポンプ回転数が不十分で検出値Sが制御閾値S1より小さければ起動インターロック機能が働き、制御装置76は動作指示に応じて加振装置48を駆動することなく手順をステップ101に戻す。
【0058】
逆に、ステップ104の判定時点において、ポンプ回転数が十分で検出値Sが制御閾値S1以上であれば、制御装置76は、動作指示に応じて制御弁74を開いて、油圧モータ73に作動油を供給し加振装置48を駆動して篩装置3を運転状態に移行させる(ステップ105)。篩装置3の連続運転中、例えば油圧ショベル等の投入重機、若しくはリサイクル機械、ベルトコンベヤ等によって篩装置3に被選別物が投入されると、篩部材による選別粒度よりも小さいものは篩部材を通過して排出コンベヤ2の搬送面上に導かれ、排出コンベヤ2によって前方に搬送されて機体前方に排出される。一方、選別粒度より大きなものは篩部材上を下って機体後方に排出される。
【0059】
この運転中において、制御装置76は停止指示の有無を判定しており(ステップ106)、停止ボタン63a2の操作があって篩装置3の停止指示があれば、制御装置76は制御弁74を閉じて油圧モータ73への作動油の供給を遮断し、加振装置48を停止させて篩装置3を停止状態に移行させ(ステップ108)、図5の手順を終了する。
【0060】
運転中、停止指示がないうちは、制御装置76は、検出器82からの検出値Sをモニタして制御閾値S1より低い値に低下していないかそうかを判定し(ステップ107)、検出値Sが制御閾値S1より高い値で推移している間は、操作盤51からの操作、設定に応じて篩装置3の運転を維持し、ステップ106に手順を戻す。しかし、篩装置3の負荷上昇等によって制御閾値S1より小さい値に低下した場合、停止インターロック機能が働き、制御装置76は制御弁74を閉じて油圧モータ73への作動油の供給を遮断し、加振装置48を停止させて篩装置3を停止状態に移行させ(ステップ108)、図5の手順を終了する。
【0061】
また、上記ステップ102において、インターロック解除スイッチ69のポジションがOFFにあって起動インターロックが無効になっている場合、制御装置76は、検出値82の検出値に関わらず、動作指示に応じて制御弁74を開いて加振装置48を駆動して篩装置3を起動させる(ステップ109)。但し、この場合の篩装置3の動作は、ステップ105の手順を経た継続運転と異なり、起動スイッチの操作の継続中に限定された動作である。すなわち、制御装置76は、起動スイッチからの操作信号の途切れを判定し(ステップ110)、起動スイッチからの操作信号が継続的に入力されている間は篩装置3の動作を継続させる一方で、操作者の手が離れて起動スイッチがニュートラルポジションに戻ることで操作信号が途切れた場合にはステップ108に手順を移し、篩装置3を停止させて図5の手順を終了する。
【0062】
制御装置76は以上の手順を繰り返し実行する。
【0063】
次に本実施形態の作用効果を説明する。
【0064】
本実施形態によれば、油圧ポンプ72の回転速度Sを制御閾値S1と比較し、ポンプ流量が不十分な状態にあってポンプ回転数Sが制御閾値S1に満たず、そのまま篩装置3を起動すれば下限振動数より低い帯域で振動し振動体が共振を起こす恐れがある場合には、篩装置3の起動指示を無効化して篩装置3の動作を禁止する(起動インターロック機能)。これにより起動時の振動体の共振の発生を抑制することができる。
【0065】
また運転中にあっても、篩装置3の作業負荷の変動等によって油圧ポンプ72の回転速度Sが制御閾値S1を下回った場合には、篩装置3を自動的に停止させる(停止インターロック機能)ことにより、運転中の振動体の共振の発生も抑制することができる。
【0066】
よって、本実施形態によれば、振動体の固有振動数(共振点)を避けて篩装置3を安定に運転することができるので、振動体の振幅を適正範囲に止め、自走式振動スクリーンの機体全体の過剰な振動を抑制することができ、機体の各部への負荷を抑えることができるほか、機体の安定した挙動により作業者の心理的負担も軽減される。
【0067】
また、インターロック解除スイッチ69を備え、検出器82の検出値とは無関係に篩装置3を強制駆動することができるので、メンテナンス、動作テスト等の場合のようにポンプ流量が不十分でもとりあえず篩装置3を動かしたいときにはインターロックを解除して篩装置3を動作させることができる。
【0068】
なお、上記では特に説明しなかったが、運転モード選択スイッチ65でメンテナンスモードを選択した場合にも、起動インターロック機能が解除される。よって、運転モード選択スイッチ65もインターロック解除スイッチとして機能し得る。図6ではインターロック解除スイッチ69のON/OFFで起動インターロック機能の有効/無効を判定処理する例を説明したが(手順S102)、運転モード選択スイッチ65がインターロック解除スイッチとして機能する場合、手順S102において運転モード選択スイッチ65がメンテナンスモードを選択しているか他のモードを選択しているかもインターロックの有効/無効の判定の基礎となる。また、インターロック解除スイッチ69のOFF、運転モード選択スイッチ65のメンテナンスモードの選択のいずれかの条件が満たされた場合も、起動インターロック機能は無効となる。
【0069】
図8は本発明の第3実施形態に係る振動装置に備えられた油圧駆動装置の加振装置48の動作に関する部分を簡略的に表した回路図である。既述した実施形態と同様又は対応する部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0070】
本実施形態では、原動機71の駆動軸に検出器(回転数検出器)83を設け、油圧モータ73の回転速度に関する状態量として原動機71の回転数を検出する。よって、本実施形態における制御閾値S1には、振動体の下限振動数に対応する原動機71の回転数が設定される。
【0071】
本実施形態の場合、例えば原動機71と油圧ポンプ72の出力軸を連結され、油圧ポンプ72の回転数がエンジン回転数に依存する場合に適しており、油圧モータ73に十分な流量を供給するのに不十分な状況下にある場合、すなわち検出器83の検出値Sが制御閾値S1に満たない場合には、第2実施形態と同様にして起動インターロックや停止インターロックが機能する。その際の制御装置76による制御手順は基本的に第2実施形態(図7のフローチャート)と同様とすることができる。
【0072】
その他の点については第2実施形態と同様であり、本実施形態のような構成としても振動体の共振の発生を抑制することができる。
【0073】
図9は本発明の第4実施形態に係る振動装置に備えられた油圧駆動装置の加振装置48の動作に関する部分を簡略的に表した回路図である。既述した実施形態と同様又は対応する部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0074】
本実施形態では、油圧モータ73の回転速度に関する状態量として制御弁74への制御信号を検出器85で検出する。よって、本実施形態における制御閾値S1には、振動体の下限振動数に対応する制御弁74への制御信号が設定される。本実施形態は、操作盤51によって篩装置3の駆動速度が変更可能、具体的には制御弁74の開度を操作盤51によって操作可能な場合に適している。
【0075】
本実施形態の検出対象である制御弁74への制御信号としては、操作盤51の操作に応じて制御装置76から制御弁74のソレノイド駆動部に出力される電流信号又はPWM(Plus Width Modulation)信号が含まれる。このように電気信号を検知する場合、信号ラインに電流計或いは電圧計を検出器85として設置することができる。また、場合によっては制御装置76において生成した制御指令値を検出値Sとして利用することも考えられ、この場合には制御装置76内で制御信号を演算・生成する機能部が検出器となり得る。さらには、指令そのものは電気信号であってもスプールの作動には油圧を用いるパイロット作動形電磁比例弁を制御弁74に用いる場合があり、この場合には、操作盤51に応じた制御装置76の指令の結果として制御弁74のパイロット駆動部(図示せず)に導かれるパイロット圧も、制御弁74への制御信号として検出対象とすることができる。この場合にはパイロット信号ラインに圧力計を設置する。
【0076】
本実施形態によっても、油圧モータ73に十分な流量を供給するのに不十分な状況下にある場合、すなわち検出器85の検出値Sが制御閾値S1に満たない場合には、第2実施形態と同様にして起動インターロックや停止インターロックが機能する。その際の制御装置76による制御手順は基本的に第2実施形態(図7のフローチャート)と同様とすることができる。
【0077】
その他の点については第2実施形態と同様であり、本実施形態のような構成としても振動体の共振の発生を抑制することができる。
【0078】
図10は本発明の第5実施形態に係る振動装置に備えられた油圧駆動装置の加振装置48の動作に関する部分を簡略的に表した回路図である。既述した実施形態と同様又は対応する部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0079】
本実施形態では、油圧ポンプ72の傾転を調整するレギュレータ86を設け、レギュレータ86によって油圧モータ73の傾転を制御することによってポンプ流量を調整することが可能な構成としてある。そして、油圧モータ73の回転速度に関する状態量としてレギュレータ86への制御信号を検出器87で検出する。本実施形態における制御閾値S1は、振動体の下限振動数に対応するレギュレータ86への制御信号である。
【0080】
レギュレータ86の作動はパイロットポンプ(図示せず)等からのパイロット圧によるが、このパイロット圧を制御する減圧弁(図示せず)が制御装置76から制御信号により制御される。本実施形態では減圧弁への電気信号(電流信号又はPWM信号)を検出器87で検出する構成を例示しているが、レギュレータ86を実際に作動させるパイロット圧を検出する構成とすることも考えられる。
【0081】
本実施形態においても、油圧モータ73に十分な流量を供給するのに不十分な状況下にある場合、すなわち検出器87の検出値Sが制御閾値S1に満たない場合には、第2実施形態と同様にして起動インターロックや停止インターロックが機能する。その際の制御装置76による制御手順は基本的に第2実施形態(図7のフローチャート)と同様とすることができる。
【0082】
その他の点については第2実施形態と同様であり、本実施形態のような構成としても振動体の共振の発生を抑制することができる。
【0083】
なお、以上においては振動スクリーンに本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、その他の振動装置にも本発明は適用可能である。他の適用対象の一例である振動フィーダを搭載したジョークラッシャを次に例示する。
【0084】
図11は本発明の他の適用対象の例である自走式クラッシャの全体構成を表す側面図である。こ図1中の左右を自走式クラッシャの後前とする。
【0085】
要部を簡単に説明すると、図11に示した自走式破砕機は、例えばビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊などの建設現場で発生する大小さまざまな建設廃材・産業廃棄物、若しくは岩石採掘現場や切羽で採掘される岩石・自然石等を被破砕物とするものであり、破砕装置(ジョークラッシャ)102へ被破砕物を搬送する振動フィーダ103をホッパ101の下方に備えている。
【0086】
ジョークラッシャ102は、ホッパ101及び振動フィーダ103よりも前方(図中右側)に位置するように本体フレーム104上に搭載されている。特に詳細は図示していないが、クラッシャ用油圧モータで発生した駆動力をベルトでフライホイールに伝達し、これを動歯(図示せず)の揺動運動に変換することによって、動歯を固定歯に対し前後に揺動させることによって振動フィーダ103から供給された被破砕物を所定の大きさに破砕する。
【0087】
振動フィーダ103は、いわゆるグリズリフィーダと称されるものであり、本体フレーム104の後側部分に搭載されていて、油圧駆動式の加振装置105によって振動体を加振して被破砕物を搬送する。この振動フィーダ103における振動体は、加振装置105自体の他、フィーダ本体、フィーダ本体の内部に固定した複数枚のプレートによって一体に構成されている。振動体が加振されると、振動によって被破砕物が順次ジョークラッシャ102に搬送されるとともに、プレート先端の鋸歯状の部分から被破砕物中の細粒分が振るい落とされ、シュート106を介し下方に落下する。
【0088】
落下した細粒分は排出コンベア107に導かれ、破砕装置102で破砕された破砕物とともに排出コンベヤ107によって機外に排出される。
【0089】
その他、走行体の構成等は図1及び図2に示した振動スクリーンと同じである。
【0090】
前述した第1−第5実施形態は本例における振動フィーダ103にも同様に適用可能であり、各実施形態で既に説明した通りの効果を奏することができる。
【0091】
なお、振動体の大小による慣性力の影響について特に説明していないが、振動体が大型化すれば慣性力も大きくなるため、作動油の供給を停止してからも慣性力の作用によって油圧モータが一定時間動作し、油圧モータの自吸によるポンプ効果が発生する場合がある。この際、油圧モータに接続した作動油供給管路をチェック弁付きの作動油排出管路で作動油タンクにバイパスさせる機構や、負圧になった管路に作動油を補填するメイクアップ機構等が並設される場合があるが、このような場合にも本発明は適用可能であり、各実施形態で説明したのと同様の効果を得ることができる。
【0092】
また、以上においては、自力走行可能な自走式振動スクリーンや自走式ジョークラッシャに本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、牽引走行式、可搬式、定置式等のものにも本発明は適用可能であり、これらに本発明を適用した場合も同様の効果を得ることができる。また、道路の締め固め機械等のその他の振動機械にも本発明は適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0093】
20 コンベヤフレーム(フレーム)
46 篩装置本体(振動体)
48 加振装置
63a1 正転スイッチ(起動スイッチ)
63a3 逆転スイッチ(起動スイッチ)
69 インターロック解除スイッチ(インターロック解除手段)
70 油圧駆動装置
71 原動機
72 油圧ポンプ
73 油圧モータ
74 制御弁
76 制御装置
77a,b 検出器(流量計)
82,83 検出器(回転数検出器)
85,87 検出器(信号検出器)
86 レギュレータ
S 検出値
S1 制御閾値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、このフレームに弾性的に支持された振動体と、この振動体を加振する加振装置と、この加振装置の油圧モータを含みこの油圧モータに作動油を供給する油圧駆動装置と、前記加振装置の起動を指示する起動スイッチとを備えた振動機械において、
前記油圧駆動装置に設けられ、前記油圧モータの回転速度に関する状態量を検出する検出器と、
前記振動体の固有振動数より高い帯域で設定した下限振動数に基づく制御閾値よりも前記検出器からの検出値が小さい場合、前記起動スイッチによる前記加振装置への起動指示を無効化する起動インターロック機能を有する制御装置と
を備えたことを特徴とする振動装置。
【請求項2】
前記インターロック機能の解除を指示するインターロック解除手段をさらに備えており、
このインターロック解除手段により前記インターロック機能が解除されている場合、前記制御装置は、前記検出器の検出値に関係なく前記起動スイッチの操作に応じて前記加振装置を駆動することを特徴とする請求項1に記載の振動装置。
【請求項3】
フレームと、このフレームに弾性的に支持された振動体と、この振動体を加振する加振装置と、この加振装置の油圧モータを含みこの油圧モータに作動油を供給する油圧駆動装置とを備えた振動機械において、
前記油圧駆動装置に設けられ、前記油圧モータの回転速度に関する状態量を検出する検出器と、
前記加振装置の駆動中、前記振動体の固有振動数より高い帯域で設定した下限振動数に基づく制御閾値よりも前記検出器からの検出値が小さくなった場合、前記加振装置を停止させる停止インターロック機能を有する制御装置と
を備えたことを特徴とする振動装置。
【請求項4】
前記検出器は、前記油圧モータへの作動油の供給流量を前記状態量として検出する流量計であることを特徴とする請求項3に記載の振動装置。
【請求項5】
前記検出器は、前記油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプ、又はこの油圧ポンプを駆動する原動機の回転数を前記状態量として検出する回転数検出器であることを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の振動装置。
【請求項6】
前記検出器は、前記油圧モータに作動油を制御する制御弁、又は前記油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプのレギュレータへの制御信号を前記状態量として検出する信号検出器であることを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の振動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−269286(P2010−269286A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125567(P2009−125567)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】