説明

接着フィルム

【課題】 本発明の目的は、ボンディングワイヤーの前記端子付近の部位が接着剤層内を通過してなる半導体装置において、前記接着剤として、加熱圧着により軟化し、はみ出すことなくボンディングワイヤーの前記端子付近への埋め込み性を向上させた接着フィルムを提供することにある。
【解決手段】 本発明の接着フィルムは、ボンディングワイヤーの前記端子付近の部位が接着剤層内を通過してなる半導体装置に使用される接着フィルムであって、前記接着フィルムが、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤と硬化促進剤を含有していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着フィルムおよびこれを用いた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の高機能化等に対応して、半導体装置の高密度化、高集積化の要求が強まり、半導体パッケージの大容量高密度化が進んでいる。
【0003】
このような要求に対応するため、たとえば半導体素子の上に半導体素子を多段で積層することで、半導体パッケージの小型化、薄型化、大容量化を実現する方法が検討されている。こうしたパッケージでは、ビスマレイミド−トリアジン基板やポリイミド基板のような有機基板が使用されることもある(特許文献1)。
【0004】
通常、このような半導体パッケージは、半導体素子と基板を電気的に接続する方式としては、ボンディングワイヤーを用いて接続を行うワイヤーボンディング法が広く用いられている。
【0005】
半導体素子と基板との接続にワイヤーボンディング法を用いる場合には、半導体素子を積層する際に、既に基板上に搭載されている半導体素子のワイヤーボンディングされた部分を変形、切断することなく電気的な接続を保持することが必要である。
【0006】
そのため半導体素子を積層する場合は、すでに搭載されている半導体素子よりサイズの小さい半導体素子を積層させた構成、もしくは両者の半導体素子のサイズが同程度の場合には、積層される半導体素子の間にスペーサーを導入し、ワイヤーボンディングされた部分が、積層される半導体素子と重なることを防ぐ構成にする必要がある。(特許文献2)
【0007】
しかしすでに搭載されている半導体素子よりサイズの小さい半導体素子を積層させた構成では、同一サイズの半導体素子が積層できず、半導体装置上の構成の制約を受けてしまう。
【0008】
積層される半導体素子の間にスペーサーを導入する方法では、スペーサーを導入する工数を新たに要することと、さらに基板に搭載されている半導体素子に接続されているボンディングワイヤーと、その上に積層されている半導体素子との接触を防ぐため、十分な厚さを有するスペーサーを用いる必要があるため、半導体装置の薄型化には不向きであるという問題がある。
【0009】
このような課題を解消するため、同サイズの複数個の半導体素子を基板上に積層し、半導体素子相互間にこのボンディングワイヤー部分を封入するための接着剤層が介在していることを特徴とする半導体装置が開示されている。(特許文献3)
【0010】
ここで、用いられる接着剤には、半導体素子相互間を接合する機能と、ボンディングワイヤーの前記端子付近を埋め込む機能等とが要求される。しかし、この場合接着層にはペースト状の固着用接着剤が使用されているため、接着剤層のコントロールが困難であり、また積層の際に接着剤層のはみ出しが発生し、基板側のボンディング用の端子を塞ぐ問題があった。
【0011】
【特許文献1】特開2006−73982号公報
【特許文献2】特開2002−222913号公報
【特許文献3】特開2001−308262号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、ボンディングワイヤーの前記端子付近の部位が接着剤層内を通過してなる半導体装置において、前記接着剤として、加熱圧着により軟化し、半導体チップ外にはみ出すことなくボンディングワイヤーの前記端子付近への埋め込み性を向上させた接着フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的は、下記(1)〜(8)に記載の本発明により達成される。
(1)基板の一方の面側に、少なくとも第一半導体素子と接着層と第二半導体素子がこの順に積層してなり、前記第一半導体素子の機能面に形成された端子と基板とをボンディングワイヤーにて電気的に接続してなり、前記ボンディングワイヤーの前記端子付近の部位が、前記接着層内を通過してなる半導体装置の前記接着層として用いる接着フィルムであって、前記接着フィルムが、(A)(メタ)アクリル系樹脂と、(B)エポキシ樹脂と、(C)硬化剤と、(D)硬化促進剤とを、含む樹脂組成物で構成されていることを特徴とする接着フィルム。
(2)前記(B)エポキシ樹脂は、アラルキル構造を有するエポキシ樹脂を含むものである、(1)に記載の接着フィルム。
(3)前記アラルキル構造を有するエポキシ樹脂が、一般式(1)で表されるエポキシ樹脂である、(1)または(2)に記載の接着フィルム
【化1】

(式中のR1は炭素数1〜4のアルキル基、aは0〜3の整数でR2は炭素数1〜4のアルキル基、bは0〜4の整数で、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは平均値で1〜10の正数。)
(4)前記アラルキル構造を有するエポキシ樹脂を、前記(B)エポキシ樹脂全体に対して30〜80重量%を含むものである、(1)ないし(3)のいずれかに記載の接着フィルム。
(5)前記(C)硬化剤は、液状フェノール化合物を含むものである、(1)ないし(4)のいずれかに記載の接着フィルム。
(6)前記液状フェノール化合物を、前記(C)硬化剤全体に対して30〜80重量%を含むものである、(1)ないし(5)のいずれかに記載の接着フィルム。
(7)前記(D)硬化促進剤は、リン化合物を含むものである、(1)ないし(6)のいずれかに記載の接着フィルム。
(8)前記リン化合物が、テトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物であることを特徴とする(1)ないし(7)のいずれかに記載の接着フィルム。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、前記接合工程における加熱により接着フィルムが軟化し、半導体チップ外にはみ出しなく、ボンディングワイヤーの前記端子付近への埋め込み性を向上させた
接着フィルムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の接着フィルムについて説明する。
本発明の接着フィルムは、
(A)アクリル系樹脂、
(B)エポキシ樹脂、
(C)硬化剤、および
(D)硬化促進剤
を含む樹脂組成物で構成される。
【0016】
はじめに、接着フィルムを構成する樹脂組成物の各成分について説明する。なお、各成分は、一種類の化合物としてもよいし、複数の化合物を組み合わせて用いてもよい。
【0017】
本発明に係る(A)(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体との共重合体であって、(メタ)アクリル酸およびその誘導体を主なモノマーとする(メタ)アクリル系樹脂であることが好ましい。
【0018】
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステルが挙げられる。また、他の単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、アクリルアミド等が挙げられる。
【0019】
(A)(メタ)アクリル系樹脂は、ガラス転移温度が低いため、樹脂組成物中に配合することにより、初期密着性を向上することができる。ここで、初期密着性とは、接着フィルムを半導体素子に接着した際の密着性であり、特に半導体素子がウエハー状態である時のウエハー裏面への密着性を意味する。
【0020】
また、(A)(メタ)アクリル系樹脂は、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基等を持つ(メタ)アクリル酸エステル共重合体であることが好ましい。これにより、半導体素子の裏面、及び半導体素子上のコート材等の被着体への密着性をより向上することができる。こうした官能基を有する化合物として、具体的には、グリシジルエーテル基を有するグリシジル(メタ)クリレート、水酸基を有するヒドロキシ(メタ)クリレート、カルボキシル基を有するカルボキシ(メタ)クリレート、ニトリル基を有する(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
【0021】
これらの中でも、特に、カルボキシル基を有するモノマー単位を含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体を用いることが好ましい。これにより、接着フィルムの硬化がさらに促進されるため、より短時間でかつ強固に被着体へ接着させることができる。
【0022】
カルボキシル基を有するモノマー単位を含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体の含有量は、より短時間でかつ強固に被着体へ接着させる観点では、たとえば(A)(メタ)アクリル系樹脂全体の0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上である。また、カルボキシル基を有する化合物の含有量は、接着フィルムの保存性をより一層向上させる観点では、たとえば(A)(メタ)アクリル系樹脂全体の10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
【0023】
前記(A)(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量は、たとえば10万以上130万以下であり、15万以上100万以下とすることが好ましい。上記範囲とすることにより、接着フィルムの成膜性をさらに向上させることができるとともに接着時の流動性を確保
することが可能となる。また、(A)(メタ)アクリル系樹脂中にエポキシ基、水酸基、カルボキシル基等の熱硬化性の官能基を含んでいる場合にも、熱処理により樹脂が単独で硬化挙動を示すのをさらに確実に抑制できる。
【0024】
前記(A)(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することができ、測定条件例としては東ソー(株)製、高速GPC SC−8020装置でカラムはTSK−GEL GMHXL−L、温度40℃、溶媒テトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0025】
前記(A)(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、接着フィルムの粘着が強くなりすぎることを抑制して作業性をさらに向上させる観点では、たとえば0℃以上、好ましくは5℃以上である。また、(A)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、低温での接着性をさらに向上させる観点では、たとえば30℃以下、好ましくは20℃以下である。
【0026】
前記(A)(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度は、例えば、熱機械特性分析装置(セイコーインスツル(株)製、TMA/SS6100)を用いて、一定荷重(10mN)でー65℃から昇温速度5℃/分で温度を上昇させながら引っ張った際の変極点より測定することができる。
【0027】
前記(A)(メタ)アクリル系樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、(B)エポキシ樹脂と(C)硬化剤の配合量の合計よりも少ないことが好ましい。こうすることにより、接着フィルムを加熱処理した際のアウトガスの発生を効果的に抑制することができるため、被接着部材のアウトガスによる汚染の防止と接着フィルムと接着面との密着性を向上させることができる。
【0028】
本発明に係る(B)エポキシ樹脂は、エポキシ基を有するモノマー、オリゴマーおよびポリマーのいずれかをいう。
前記(B)エポキシ樹脂の具体例として、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;
ハイドロキノン型エポキシ樹脂;
ビフェニル型エポキシ樹脂;
スチルベン型エポキシ樹脂;
トリフェノールメタン型エポキシ樹脂;
トリアジン核含有エポキシ樹脂;
ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂;
ナフトール型エポキシ樹脂、および
フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0029】
これらの中でも、ノボラック型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂等が好ましく用いられる。アラルキル型エポキシ樹脂を用いることにより、半導体素子を熱圧着させる温度である100℃〜150℃付近で、接着フィルムの複素粘性率|*|の変化を一定に
抑えることができるため、一般的な熱圧着温度である100℃〜150℃の温度範囲で接着フィルムのフロー量の変動を抑制することができる。またノボラック型エポキシ樹脂を用いることにより、接着フィルムの硬化後のガラス転移温度を高めることができ、また、接着フィルムと接着面との密着性を向上させることができる。
【0030】
前記アラルキル型エポキシ樹脂の中でも、100℃〜150℃の温度範囲で接着フィルムのフロー量の変動をさらに抑制することができる一般式(1)で示されるアラルキル型エポキシ樹脂が特に好ましい。
【化2】

(式中のR1は炭素数1〜4のアルキル基、aは0〜3の整数でR2は炭素数1〜4のアルキル基、bは0〜4の整数で、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは平均値で1〜10の正数。)
【0031】
前記(B)エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、(A)(メタ)アクリル酸エステル共重合体100重量部に対して、100重量部以上1000重量部以下が好ましく、200重量部以上500重慮部以下が特に好ましい。上記範囲とすることで、さらに接着フィルム硬化後の低い線膨張係数と靭性を両立することができる。
【0032】
前記アラルキル型エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、前記(B)エポキシ樹脂全体に対して30〜80重量%が好ましく、特に40〜70重量%が好ましい。上記範囲とすることで、一般的な半導体素子を熱圧着させる温度である100℃〜150℃付近で、接着フィルムの複素粘性率|*|の変化を一定に抑えることができるため、接着フ
ィルムのフロー量の変動を抑制することが可能となり、さらに、硬化後の接着フィルムのガラス転移温度を高めることが可能となる。
【0033】
前記(B)エポキシ樹脂の軟化点は、前記(A)(メタ)アクリル系樹脂との相溶性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、40℃以上100℃以下が好ましく、50℃以上90℃以下が特に好ましい。上記範囲とすることで、接着フィルのタック性を低減することができるため、半導体装置組立工程での作業性を向上させることができる。さらに、接着フィルムの溶融粘度上昇に伴う熱圧着時の濡れ性低下を抑制することができるため、接着フィルムと接着面との密着性を向上することができる。
【0034】
また、前記(B)エポキシ樹脂として、軟化点の異なる複数のエポキシ樹脂を組み合わせて用いてもよい。これにより、接着フィルムのタック性を低減する効果と熱圧着時の濡れ性の低下を抑制する効果をより両立させやすくするという利点がある。たとえば、軟化点の異なる複数のエポキシ樹脂の組み合わせとしては、軟化点が40℃以上70℃未満のエポキシ樹脂と軟化点が70℃以上100℃以下のエポキシ樹脂の組み合わせ等が挙げられる。
【0035】
本発明に係る(C)硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであれば適宜選択して用いることができる。具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシレリレンジアミン、などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、などの芳香族ポリアミン、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジドなどを含むポリアミン化合物等のアミン系硬化剤、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、などの脂肪族酸無水物、無水トリトメット酸、無水ピロリメット酸ベンゾフェノンテトラカルボン酸、などの芳
香族酸無水物等の酸無水物系硬化剤、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル(フェニレン、ビフェニレン骨格を含む)樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリフェノールメタン樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ビス(モノまたはジt−ブチルフェノール)プロパン、メチレンビス(2−プロペニル)フェノール、プロピレンビス(2−プロペニル)フェノール、ビス[(2−プロペニルオ
キシ)フェニル]メタン、ビス[(2−プロペニルオキシ)フェニル]プロパン、4,4'−
(1−メチルエチリデン)ビス[2−−(2−プロペニル)フェノール]、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス[2−(1−フェニルエチル)フェノール]、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチルー6−ヒドロキシメチルフェノール]、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチル−6−(2−プロペニル)フェノール]、4,4'−(1−メチルテトラデシリデン)ビスフェノールなどのフェノール系硬化剤等が挙げられる。
【0036】
本発明で用いられる(C)硬化剤の含有量は、(B)エポキシ樹脂のエポキシ当量と(C)硬化剤の当量比を計算して求めることができる。(C)硬化剤がフェノール樹脂の場合、(B)エポキシ樹脂のエポキシ当量と(C)硬化剤の官能基の当量比は、0.5以上1.5以下が好ましく、特に0.7以上1.3以下が好ましい。上記範囲とすることで、接着フィルもの耐熱性と保存性を両立することができる。
【0037】
前記(C)硬化剤は、25℃において粘度が30Pa・s(30,000cps)以下の液状の硬化剤を用いることが好ましい。更に25℃において粘度が10Pa・s(10,000cps)以下の液状の硬化剤が好ましい。前記(C)硬化剤の25℃における粘度を前記規定値以下とすることで、接着フィルムの初期貼付性や半導体装置の信頼性が向上する。
【0038】
前記25℃において粘度が30Pa・s(30,000cps)以下の液状の硬化剤の含有量は、特に限定されないが、前記(C)硬化剤全体に対して30〜80重量%が好ましく、特に40〜70重量%が好ましい。上記範囲とすることで、接着フィルムの熱圧着時の濡れ性低下を抑制することができるため、接着フィルムと接着面との密着性を向上することができる、さらに、接着フィルのタック性を低減することができるため、作業性を向上することができる。
【0039】
前記25℃において粘度が30Pa・s(30,000cps)以下の液状の硬化剤としては、液状フェノール化合物が挙げられる。具体的には、ビス(モノまたはジt−ブチルフェノール)プロパン、メチレンビス(2−プロペニル)フェノール、プロピレンビス(2−プロペニル)フェノール、ビス[(2−プロペニルオキシ)フェニル]メタン、ビス[(2−プロペニルオキシ)フェニル]プロパン、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス[2−−(2−プロペニル)フェノール]、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス[2−
(1−フェニルエチル)フェノール]、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチルー6−ヒドロキシメチルフェノール]、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチル−6−(2−プロペニル)フェノール]、4,4'−(1−メチルテトラデシリデン)
ビスフェノールが挙げられる。これらの液状フェノール化合物粘度は核体数nやベンゼン環置換基の種類により制御することができる。
【0040】
前記液状フェノール化合物としては、アリルフェノールとホルムアルデヒドを重合したものが好ましく、式(2)で表される2−(2-プロぺニル)フェノールとホルムアルデヒ
ドの重縮合物が特に好ましい。
【化3】

(式中、p、q、rは1〜3の整数を表す。R1、R2、R3はアリル基を表す。)
【0041】
前記(C)硬化剤としては、前記液状フェノール化合物の他に固形フェノール樹脂を併用して添加することも可能である。固形とは、25℃常圧において固体状態であることを意味する。固形フェノール樹脂を併用することで、室温での半導体用接着フィルムのタック性を軽減し、作業性を向上させることができる。また、この固形フェノール樹脂は、上記の(B)エポキシ樹脂と硬化反応をして架橋構造を形成することができる少なくとも2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を指し、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル(フェニレン、ビフェニレン骨格を含む)樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリフェノールメタン樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂等が挙げられ、これらは単独で用いるだけでなく、複数用いてもよい。
【0042】
前記固形フェノール樹脂の含有量は、特に限定されないが、前記(B)エポキシ樹脂のエポキシ当量と、液状フェノール化合物および固形フェノール樹脂を併せた官能基当量の比が0.5以上1.5以下が好ましく、特に0.7以上1.3以下が好ましい。上記範囲とすることで、接着フィルムの耐熱性と保存性を両立することができる。
【0043】
本発明に係る(D)硬化促進剤は、(B)エポキシ樹脂と(C)硬化剤との硬化反応を促進させるものであれば適宜選択して用いることができる。具体的には、イミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン等のアミン系触媒、トリフェニルホスフィンやテトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物等のリン化合物が挙げられる。これらの中でも、接着フィルムの速硬化性と半導体素子上のアルミパッド腐食性を両立するリン化合物が好ましい。
【0044】
前記(D)硬化促進剤の含有量は、(B)エポキシ樹脂と(C)硬化剤の合計100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部が特に好ましい。上記範囲とすることで、接着フィルムの速硬化性および保存性、硬化後の物性のバランスを保つことが可能となる。
【0045】
前記リン化合物の中でも、接着フィルムの速硬化性、半導体素子のアルミパッドへの腐食性、さらには接着フィルムの保存性により優れる、テトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物が特に好ましい。
【0046】
前記テトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物は、単なる混合物ではなく、塩構造、超分子構造等の構造を有する化合物である。
【0047】
前記テトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物のテトラ置換ホスホニウムは、接着フィルムの硬化性と保存性のバランスから、アルキル基や芳香族化合物がリン原子に4つ配位している化合物が好ましい。
【0048】
前記テトラ置換ホスホニウムの置換基は、特に限定されるものではなく、置換基は互い
に同一であっても異なっていてもよく、置換又は無置換のアリール基やアルキル基を置換基を有するテトラ置換ホスホニウムイオンが、熱や加水分解に対して安定であり好ましい。具体的にテトラ置換ホスホニウムとしては、テトラフェニルホスホニウム、テトラトリルホスホニウム、テトラエチルフェニルホスホニウム、テトラメトキシフェニルホスホニウム、テトラナフチルホスホニウム、テトラベンジルホスホニウム、エチルトリフェニルホスホニウム、n−ブチルトリフェニルホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム、トリメチルフェニルホスホニウム、メチルジエチルフェニルホスホニウム、メチルジアリルフェニルホスホニウム、テトラ−n−ブチルホスホニウム等が例示でき、これらの中でもテトラフェニルホスホニウムが接着フィルムの速硬化性と保存性のバランスから好ましい。
【0049】
前記テトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物の多官能フェノール化合物とは、フェノール性の水酸基を有するもので少なくともその1つの水酸基の水素が外れてフェノキシド型の化合物となっているものであり、具体的には、
ヒドロキシベンゼン化合物、ビフェノール化合物、ビスフェノール化合物、ヒドロキシナフタレン化合物、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂等が挙げられる。
【0050】
前記多官能フェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン(通称テトラメチルビスフェノールF)、4,4’−スルホニルジフェノール及び、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン及びこれらの内ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタンの3種の混合物(例えば、本州化学工業(株)・製、ビスフェノールF−D)等のビスフェノール類、1,2−ベンゼンジオール、1,3−ベンゼンジオール、1,4−ベンゼンジオール等のジヒドロキシベンゼン類、1,2,4−ベンゼントリオール等のトリヒドロキシベンゼン類、1,6−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類の各種異性体、2,2’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール等のビフェノール類の各種異性体等の化合物が挙げられるが、速硬化性と保存性のバランスに優れる1,2−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−スルホニルジフェノールが好ましい。
【0051】
なお、本発明の接着フィルムを構成する樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分以外の成分を含んでいてもよい。
【0052】
本発明の接着フィルムを構成する樹脂組成物は、(E)カップリング剤を含んでいてもよい。これにより、接着フィルム中の樹脂成分と被接着部材との密着性および接着フィルム中の樹脂成分と充填材との界面の密着性をより一層向上させることができる。
【0053】
前記(E)カップリング剤としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系などが挙げられるが、これらの中でも接着フィルムの保存性と接着フィルムと接着面との密着性に優れる、シラン系カップリング剤が好ましい。
【0054】
前記シランカップリング剤としては、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N
−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0055】
前記(E)カップリング剤の配合量は、(A)アクリル酸エステル共重合体100重量部に対して、0.01重量部以上10重量部以下が好ましく、0.1重量部以上5重量部以下が特に好ましい。上記範囲とすることで、接着フィルムと接着面との密着性とアウトガスやボイドの抑制効果が両立する。
【0056】
また、接着フィルムを構成する樹脂組成物は、(F)無機充填材を含んでいてもよい。これにより接着フィルムの作業性の向上および硬化後の線膨張係数を低減する機能を付与することができる。
【0057】
前記(F)無機充填材としては、例えば銀、酸化チタン、シリカ、マイカ等を挙げることができるが、これらの中でもシリカが好ましい。シリカフィラーを用いることにより、接着フィルムの製造時の作業性をさらに向上させることができる。また、シリカフィラーの形状としては、破砕シリカと溶融シリカがあるが、溶融シリカが好ましい。
【0058】
(F)無機充填材の平均粒径は、特に限定されないが、0.01μm以上20μm以下が好ましく、0.1μm以上5μ以下が特に好ましい。上記範囲とすることで、接着フィルム内でフィラーの凝集を抑制し、外観を向上させることができ、さらに熱圧着時にチップを破壊することを抑制できる。
【0059】
(F)無機充填材の含有量は、特に限定されないが、(F)無機充填材を除いた樹脂成分100重量部に対して、1重量部以上200重量部以下が好ましく、5重量部以上100重量部以下が特に好ましい。上記範囲とすることで、硬化後の接着フィルムと被接着物との間の線膨張係数差が小さくなり、熱衝撃の際に発生する応力を低減させることができるため、被接着物の剥離をさらに確実に抑制することができる。さらに、硬化後の接着フィルムの弾性率が高くなりすぎるのを抑制することができるため、
接着フィルムと被接着物界面との密着性をさらに向上させることが可能となる。
【0060】
また、本発明の接着フィルムの厚さは、特に限定されないが、たとえば30μm以上100μm以下、好ましくは40μm以上80μm以下である。上記範囲とすることで、特に厚さ精度の制御をさらに容易に行うことができるようになり、既に基板上に搭載されている半導体素子のワイヤーボンディングされた部分を変形、切断することなく電気的な接続を保持することができる。
【0061】
次に、本発明の接着フィルムの製造方法について説明する。
本発明の接着フィルムは、例えば前記樹脂組成物をメチルエチルケトン、アセトン、トルエン、ジメチルホルムアルデヒド等の溶剤に溶解して、ワニス状態にした後、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーター等を用いて離型シートに塗工し、乾燥することにより溶剤を揮散させた後、離型シートを除去することによって得ることができる。
【0062】
次に、本発明の接着フィルムを用いた半導体装置の例を、図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、共通の構成要素には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0063】
図1は、本実施形態の半導体装置の構成を示す断面図である。
図1に示す半導体装置は、第1半導体素子11の平面視での面積と、第2半導体素子21の面積が略同一の場合について示したものである、図1に示すように、半導体装置100は、基板1の一方の面側(図1中の上側)に、接着層2、第1半導体素子11、接着フィルム1a、第2半導体素子21とがこの順に積層されている。第1半導体素子11の機能面に形成された端子101と、基板1とは、第1ボンディングワイヤー31にて電気的に接続されている、その際に、第1ボンディングワイヤー31の端子101付近の部位201は、第1ボンディングワイヤー31が接着フィルム1a内を通過している。接着フィルム1aは、前述したような(A)(メタ)アクリル系樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)硬化剤、および(D)硬化促進剤を含む樹脂組成物で構成されるものである。
【0064】
接着フィルム1aは、上述のような樹脂組成物で構成されているため、熱時フロー性に優れており、図1に示すように第1ボンディングワイヤー31の端子101付近の部位201は、第1ボンディングワイヤー31が接着フィルム1a内を通過しても、第1ボンディングワイヤー31の変形、切断がなく電気的な接続が可能となる。
また接着フィルム1aは線膨張係数が小さいため、加熱硬化時に第1ボンディングワイヤー31を損傷させることなく熱硬化させることができる。
【0065】
図1では、第1半導体素子11の平面視での面積と、第2半導体素子21の平面視での面積が略同一であるものについて説明したが、これに限定されず、第1半導体素子11の平面視での面積が、第2半導体素子21の平面視での面積よりも小さいもの、またその逆であっても構わない。
【0066】
また、基板1と第1半導体素子11との間の接着層2は、上述した接着フィルム1aを用いることもでき、また、接着層2はペースト状等の接着剤を用いてもよい。
また、図2に示すように、第1半導体素子11と、第2半導体素子21とは、封止材料401で封止されていることが好ましい。
【0067】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【実施例】
【0068】
以下、本発明を実施例および比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
(接着フィルム樹脂ワニスの調製)
(A)(メタ)アクリル系樹脂として、アクリル酸エステル共重合体(エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリロニトリル−アクリル酸−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、ナガセケムテックス社製、SG−708−6、Tg:6℃、重量平均分子量:800,000)100重量部;
(B)エポキシ樹脂としてEOCN−1020−80(オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量200g/eq、軟化点80℃、日本化薬社製)105重量部およびNC3000P(アラルキル型エポキシ樹脂、エポキシ当量272g/eq、軟化点58℃、日本化薬社製)157重量部;
(C)硬化剤として液状フェノール化合物MEH−8000H(水酸基当量141g/OH基、明和化成(株)製)82重量部と固形フェノール樹脂PR−HF−3(水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト社製)55重量部;
(D)硬化促進剤として式(3)で表されるテトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物0.8重量部;
【化4】

(E)カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業社製)0.5重量%;および
(F)無機充填材として球状シリカ(SE2050、平均粒径0.5μm、アドマテックス社製)56重量部をメチルエチルケトン(MEK)に溶解して、樹脂固形分41%の樹脂ワニスを得た。
【0069】
(基材フィルムI付き接着フィルムの製造)
上述の方法で得られた樹脂ワニスを、コンマコーターを用いて基材フィルム(I)であるポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製、品番MRX50、厚さ50μm)に塗布した後、100℃、5分間、さらに150℃、2分間乾燥して、厚さ60μmの接着フィルムを得た。
【0070】
(基材フィルム(II)付き粘着剤層の製造)
基材フィルム(II)として、ハイブラー60重量部、ポリプロピレン40重量部からなるクリアテックCT−H717(クラレ製)を、押し出し機で、厚み100μmのフィルムを形成し、表面をコロナ処理した。次に、アクリル酸2−エチルヘキシル50重量部とアクリル酸ブチル10重量部、酢酸ビニル37重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル3重量部とを共重合して得られた重量平均分子量500000の共重合体を剥離処理した厚さ38μmのポリエステルフィルムに乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、80℃で5分間乾燥し、粘着剤層を得た。その後粘着剤層を基材フィルム(II)のコロナ処理面にラミネートして基材フィルム(II)付き粘着剤層を得た。
【0071】
(ダイシングシート機能付き接着フィルムの製造)
上述の基材フィルム(I)付き接着フィルムに保護フィルムを貼り付け、基材フィルム(I)付き接着フィルムをハーフカットし、上述の基材フィルム(II)付き粘着剤層の粘着材面に貼り付け、保護フィルムを剥がすことにより、基材フィルム(II)、粘着剤層、基材フィルム(I)および接着フィルムがこの順に積層されてなるダイシングシート機能付き接着フィルムを得た。
【0072】
(半導体装置(図2)の製造)
以下の手順で、図2に示す半導体装置を製造した。図2に示した半導体装置の基本構成は図1を参照して前述した半導体装置と同様である。ただし、図2においては、図1における第2ボンディングワイヤー41、第2半導体素子の機能面に形成された端子301を有しない。
【0073】
半導体装置の基板としてソルダーレジスト(太陽インキ(株)製、AUS308)で被覆されたビスマレイミド・トリアジンを主剤とする有機基板(回路段差5〜10um)を用意した。なお模擬基板の片面のソルダーレジストが無塗布の部分に銅箔、ニッケルメッキおよび金メッキを順にパターン処理してワイヤーボンディング用の端子とし、模擬基板の反対面に設けたハンダボール搭載用エリアとビアホールで導通させた。
【0074】
上記基板上に10.5mmx10.5mm(厚み200um)の半導体素子をダイボンター(ASM社製、AD898)を用いて、銀ペースト(住友ベークライト(株)製、スミレジンエクセルCRM1525)にてマウントを行い100℃、60分間熱処理を行う
ことにより銀ペーストを硬化させ、第1半導体素子のマウントを行った。次にワイヤーボンディング装置(ASM社製、Eagle60)により第1半導体素子のダイパッド部と基板のワイヤーボンディング用の端子をワイヤーボンディングを行った。この時の第1半導体素子表面からのワイヤーの高さは約50umであった。
【0075】
さらに第2半導体素子が形成された8インチ200umウエハーに、前記ダイシングシート機能付き接着フィルムを40℃で貼り付け、ダイシングシート機能付き接着フィルム付きウエハーを得た。
【0076】
その後、このウエハーを、ダイシングソーを用いて、スピンドル回転数30,000rpm、切断速度50mm/secで10.5mm×10.5mm角の各半導体素子のサイズにダイシング(切断)した。次に、ダイシング機能付きダイアタッチフィルムの裏面から突上げし、基材フィルムおよび粘着層間で剥離し接着フィルム付き半導体素子を得た。
【0077】
上記接着フィルム付き第2半導体素子を、前記ワイヤーボンディングされた第1半導体素子上にダイボンター(ASM社製、AD898)を用いて、130℃、10N、2secの条件にて接着し、次いで130℃、60分間熱処理を行うことにより接着フィルムを半硬化させ、さらに封止樹脂EME−G790(住友ベークライト(株)製)で封止し、175℃で2時間熱処理を行い、封止樹脂および接着フィルムの硬化を行い、合計10個の半導体装置を得た。
【0078】
(実施例2)
(A)(メタ)アクリル系樹脂としてアクリル酸エステル共重合体(ブチルアクリレート−アクリロニトリル−エチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−80H、Tg:10℃、重量平均分子量:350,000)100重量部;
(B)エポキシ樹脂としてEOCN−1020−80(オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量200g/eq、軟化点80℃、日本化薬社製)105重量部およびNC3000P(アラルキル型エポキシ樹脂、エポキシ当量272g/eq、軟化点58℃、日本化薬社製)157重量部;
(C)硬化剤として液状フェノール化合物MEH−8000H(水酸基当量141g/OH基、明和化成(株)製)82重量部、固形フェノール樹脂PR−HF−3(水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト社製)55重量部;
(D)硬化促進剤として式3で表されるテトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物0.8重量部;
(E)カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業社製)0.5重量%;および
(F)無機充填材として球状シリカ(SE2050、平均粒径0.5μm、アドマテックス社製)56重量部を用いた。
実施例1の方法に準じて実験を行った。
【0079】
(実施例3)
(A)(メタ)アクリル系樹脂としてアクリル酸エステル共重合体(エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリロニトリル−アクリル酸−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、ナガセケムテックス社製、SG−708−6、Tg:6℃、重量平均分子量:800,000)100重量部;
(B)エポキシ樹脂としてEOCN−1020−80(オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、エポキシ当量200g/eq、軟化点80℃、日本化薬社製)246重量部;
(C)硬化剤として液状フェノール化合物MEH−8000H(水酸基当量141g/O
H基、明和化成(株)製)92重量部、固形フェノール樹脂PR−HF−3(水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト社製)61重量部;
(D)硬化促進剤として式3で表されるテトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物0.8重量部;
(E)カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業社製)0.5重量%;および
(F)無機充填材として球状シリカ(SE2050、平均粒径0.5μm、アドマテックス社製)56重量部を用いた。
実施例1の方法に準じて実験を行った。
【0080】
(実施例4)
(A)(メタ)アクリル系樹脂としてアクリル酸エステル共重合体(エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリロニトリル−アクリル酸−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、ナガセケムテックス社製、SG−708−6、Tg:6℃、重量平均分子量:800,000)100重量部;
(B)エポキシ樹脂としてNC3000P(アラルキル型エポキシ樹脂、エポキシ当量272g/eq、軟化点58℃、日本化薬社製)274重量部;
(C)硬化剤として液状フェノール化合物(MEH−8000H、水酸基当量141g/OH基、明和化成(株)製)75重量部、固形フェノール樹脂PR−HF−3(水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト社製)50重量部;
(D)硬化促進剤として式3で表されるテトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物0.8重量部;
(E)カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業社製)0.5重量%;および
(F)無機充填材として球状シリカ(SE2050、平均粒径0.5μm、アドマテックス社製)56重量部を用いた。
実施例1の方法に準じて実験を行った。
【0081】
(実施例5)
(A)(メタ)アクリル系樹脂としてアクリル酸エステル共重合体(エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリロニトリル−アクリル酸−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、ナガセケムテックス社製、SG−708−6、Tg:6℃、重量平均分子量:800,000)100重量部;
(B)エポキシ樹脂としてEOCN−1020−80(オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、エポキシ当量200g/eq、軟化点80℃、日本化薬社製)111重量部およびNC3000P(アラルキル型エポキシ樹脂、エポキシ当量272g/eq、軟化点58℃、日本化薬社製)166重量部;
(C)硬化剤として固形フェノール樹脂PR−HF−3(水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト社製)122重量部;
(D)硬化促進剤として式3で表されるテトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物0.8重量部;
(E)カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業社製)0.5重量%;および
(F)無機充填材として球状シリカ(SE2050、平均粒径0.5μm、アドマテックス社製)56重量部を用いた。
実施例1の方法に準じて実験を行った。
【0082】
(実施例6)
(A)(メタ)アクリル系樹脂としてアクリル酸エステル共重合体(エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリロニトリル−アクリル酸−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト共重合体、ナガセケムテックス社製、SG−708−6、Tg:6℃、重量平均分子量:800,000)100重量部;
(B)エポキシ樹脂としてEOCN−1020−80(オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、エポキシ当量200g/eq、軟化点80℃、日本化薬社製)100重量部およびNC3000P(アラルキル型エポキシ樹脂、エポキシ当量272g/eq、軟化点58℃、日本化薬社製)150重量部;
(C)硬化剤として液状フェノール化合物MEH−8000H(水酸基当量141g/OH基、明和化成(株)製)148重量部;
(D)硬化促進剤として式3で表されるテトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物0.8重量部;
(E)カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業社製)0.5重量%;および
(F)無機充填材として球状シリカ(SE2050、平均粒径0.5μm、アドマテックス社製)56重量部を用いた。
実施例1の方法に準じて実験を行った。
【0083】
(実施例7)
(A)(メタ)アクリル系樹脂としてアクリル酸エステル共重合体(エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリロニトリル−アクリル酸−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、ナガセケムテックス社製、SG−708−6、Tg:6℃、重量平均分子量:800,000)100重量部;
(B)エポキシ樹脂(EOCN−1020−80(オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、エポキシ当量200g/eq、軟化点80℃、日本化薬社製)105重量部およびNC3000P(アラルキル型エポキシ樹脂、エポキシ当量272g/eq、軟化点58℃、日本化薬社製)157重量部;
(C)硬化剤として液状フェノール化合物MEH−8000H(水酸基当量141g/OH基、明和化成(株)製)82重量部、固形フェノール樹脂PR−HF−3(水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト社製)55重量部;
(D)硬化促進剤としてイミダゾール化合物(2PHZ−PW、四国化成工業社製)0.8重量部;
カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業社製)0.5重量%;および
無機充填材として球状シリカ(SE2050、平均粒径0.5μm、アドマテックス社製)56重量部を用いた。
実施例1の方法に準じて実験を行った。
【0084】
(比較例1)
熱可塑性樹脂としてポリイミド樹脂(ジアミン成分として1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(三井化学(株)製)APB) 43.85g(0.15モル)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(平均分子量837)(扶桑化学(株)製 G9)125.55g(0.15モル)と、酸成分として4,4’−オキシジフタル酸二無水物(マナック(株)製 ODPA−M) 93.07g(0.30モル)とを合成して得られるポリイミド樹脂、Tg:70℃、重量平均分子量30,000)100重量部、
(B)エポキシ樹脂としてEOCN−1020−80(オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、エポキシ当量200g/eq、軟化点80℃、日本化薬社製)105重量部およびNC3000P(アラルキル型エポキシ樹脂、エポキシ当量272g/eq、軟化点58℃、日本化薬社製)157重量部;
(C)硬化剤として液状フェノール化合物(MEH−8000H、水酸基当量141g/OH基、明和化成(株)製)82重量部、固形フェノール樹脂PR−HF−3(水酸基当
量104g/OH基、住友ベークライト社製)55重量部;
(D)硬化促進剤としてイミダゾール化合物(2PHZ−PW、四国化成工業社製)0.8重量部;
(E)カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業社製)0.5重量%;および
(F)無機充填材として球状シリカ(SE2050、平均粒径0.5μm、アドマテックス社製)56重量部を用いた。
実施例1の方法に準じて実験を行った。
【0085】
(比較例2)
(A)(メタ)アクリル系樹脂としてアクリル酸エステル共重合体(エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリロニトリル−アクリル酸−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、ナガセケムテックス社製、SG−708−6、Tg:6℃、重量平均分子量:800,000)100重量部;
(E)カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業社製)0.5重量%;および
(F)無機充填材として球状シリカ(SE2050、平均粒径0.5μm、アドマテックス社製)56重量部を用いた。
実施例1の方法に準じて実験を行った。
【0086】
(比較例3)
(A)(メタ)アクリル系樹脂としてアクリル酸エステル共重合体(エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリロニトリル−アクリル酸−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、ナガセケムテックス社製、SG−708−6、Tg:6℃、重量平均分子量:800,000)100重量部;
(B)エポキシ樹脂としてEOCN−1020−80(オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、エポキシ当量200g/eq、軟化点80℃、日本化薬社製)105重量部およびNC3000P(アラルキル型エポキシ樹脂、エポキシ当量272g/eq、軟化点58℃、日本化薬社製)157重量部;
(C)硬化剤として液状フェノール化合物MEH−8000H(水酸基当量141g/OH基、明和化成(株)製)82重量部、固形フェノール樹脂PR−HF−3(水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト社製)55重量部;
(E)カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業社製)0.5重量%;および
(F)無機充填材として球状シリカ(SE2050、平均粒径0.5μm、アドマテックス社製)56重量部を用いた。
実施例1の方法に準じて実験を行った。
【0087】
各実施例および比較例で得られた接着フィルムについて、以下の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を表1に示す。
【0088】
1.低温貼り付け性
各実施例および比較例で得られた接着フィルムを、厚み550μmのウエハー裏面に温度40℃、圧力0.3MPa、ラミネート速度10mm/secで貼り付け、180°ピール強度を評価した。
180°ピール強度は、テンシロン(ORIENTEC(株)製RTC−1250A)を用い、剥離速度:50mm/min、剥離幅25mmにて180°方向に剥離させることにより測定した。
◎:ピール強度が、200N/m以上であった。
○:ピール強度が、100N/m以上、200N/m未満であった。
△:ピール強度が、50N/m以上、100N/m未満であった。
×:ピール強度が、50N/m未満であった。
【0089】
2.保存性
得られた接着フィルムの保存性は、加速試験として接着フィルムを50℃で1日間処理した後の硬化発熱量を測定し、初期硬化発熱量(mJ/mg)に対する保存処理後の硬化発熱量(mJ/mg)の百分率で評価した。単位は%。この値が100%に近いほど保存性が高いことを示す。
硬化発熱量の評価は、示差走査熱量計(DSC)(セイコーインスツル(株)製、DSC6200)を用い、測定範囲30〜300℃、昇温速度10℃/minにて測定した。
◎:硬化発熱量の比の百分率が、90%以上であった。
○:硬化発熱量の比の百分率が、70%以上〜90%未満であった。
△:硬化発熱量の比の百分率が、50%以上〜70%未満であった。
×:硬化発熱量の比の百分率が、50%未満であった。
【0090】
3.ワイヤー貫通性
実施例、比較例で製造した半導体装置において、第2半導体素子をマウント後の半導体装置の側面よりワイヤーが接着フィルム内を貫通しているか、SEMにより観察した。各符号は、以下の通りである。
◎:接着フィルム中へワイヤーが貫通している。
×:接着フィルムがワイヤーを変形させている。
またはワイヤーが接着フィルム内を貫通していない。
【0091】
4.接着フィルムのはみ出し
実施例、比較例で製造した半導体装置において、第2半導体素子をマウント後の半導体装置の側面より接着フィルムがはみ出していないか、SEMにより観察した。各符号は、以下の通りである。
◎:側面からのはみ出し長さが、20um未満であった。
○:側面からのはみ出し長さが、20um以上、50um未満であった。
△:側面からのはみ出し長さが、50um以上、100um未満であった。
×:側面からのはみ出し長さが、100um以上であった。
【0092】
5.吸湿処理後の接着性
各実施例および比較例で得られる樹脂封止前の半導体装置を85℃/60%RH/168時間吸湿処理をした後、第1半導体素子と第2半導体素子との260℃での剪断強度を評価した。
260℃での剪断強度は、樹脂封止前の半導体装置を85℃/60%RH/168時間吸湿処理をしたサンプルを260℃の熱盤上に、20秒間保持した後、第2半導体素子側より0.5mm/分の速度にてせん断応力をかけた時のせん断強度によって測定した。
◎:剪断強度が、2.0MPa以上
○:剪断強度が、1.0以上2.0MPa未満
△:剪断強度が、0.5以上0.1MPa未満
×:剪断強度が、0.5MPa未満
【0093】
6.耐クラック性
耐クラック性は、各実施例および比較例で得られた半導体装置を85℃/60%RH/168時間吸湿処理をした後、260℃のIRリフローを3回行い走査型超音波探傷機(SAT)で評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:発生したクラックが、10個中0個
○:発生したクラックが、10個中1個以上3個以下
△:発生したクラックが、10個中4個以上9個以下
×:発生したクラックが、10個中10個
【0094】
【表1】

【0095】
表1から明らかなように、実施例1〜7で得られる接着フィルムはワイヤー貫通性に優れていた。
また、実施例1〜6で得られる接着フィルムは、保存性にも優れていた。
また、実施例1〜5,7で得られる接着フィルムは、フィルムはみ出し性にも優れていた。
また、実施例1、2,4、6、7で得られる接着フィルムは、フィルムはみ出し性にも優れていた。
また、実施例1〜7で得られる半導体装置では、耐クラック性に優れていた。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1は、半導体装置の一例を示す模式的に示す模式図である。
【図2】図2は、実施例における半導体装置を模式的に示す模式図である。1a 接着フィルム1 基板2 接着層11 第1半導体素子21 第2半導体素子31 第1ボンディングワイヤー41 第2ボンディングワイヤー101 第1半導体素子の機能面に形成された端子201 第1ボンディングワイヤーの端子付近の部位301 第2半導体素子の機能面に形成された端子401 封止樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一方の面側に、少なくとも第一半導体素子と接着層と第二半導体素子がこの順に積層してなり、
前記第一半導体素子の機能面に形成された端子と基板とをボンディングワイヤーにて電気的に接続してなり、
前記ボンディングワイヤーの前記端子付近の部位が、前記接着層内を通過してなる半導体装置の前記接着層として用いる接着フィルムであって、
前記接着フィルムが、
(A)(メタ)アクリル系樹脂と、
(B)エポキシ樹脂と、
(C)硬化剤と、
(D)硬化促進剤とを、
含む樹脂組成物で構成されていることを特徴とする接着フィルム。
【請求項2】
前記(B)エポキシ樹脂は、アラルキル構造を有するエポキシ樹脂を含むものである、請求項1に記載の接着フィルム。
【請求項3】
前記アラルキル構造を有するエポキシ樹脂が、一般式(1)で表されるエポキシ樹脂である、請求項1または2に記載の接着フィルム
【化1】

(式中のR1は炭素数1〜4のアルキル基、aは0〜3の整数でR2は炭素数1〜4のアルキル基、bは0〜4の整数で、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは平均値で1〜10の正数。)
【請求項4】
前記アラルキル構造を有するエポキシ樹脂を、前記(B)エポキシ樹脂全体に対して30〜80重量%を含むものである、請求項1ないし3のいずれかに記載の接着フィルム。
【請求項5】
前記(C)硬化剤は、液状フェノール化合物を含むものである、請求項1ないし4のいずれかに記載の接着フィルム。
【請求項6】
前記液状フェノール化合物を、前記(C)硬化剤全体に対して30〜80重量%を含むものである、請求項1ないし5のいずれかに記載の接着フィルム。
【請求項7】
前記(D)硬化促進剤は、リン化合物を含むものである、請求項1ないし6のいずれかに記載の接着フィルム。
【請求項8】
前記リン化合物が、テトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との分子化合物であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の接着フィルム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−49253(P2009−49253A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−215408(P2007−215408)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】