説明

携帯情報端末、情報処理方法、及び、情報処理プログラム

【課題】 メモリに記憶された例えば音楽ファイル等を再生する際の消費電力を低減し、バッテリの持ち時間を長くすることを可能にする。
【解決手段】
携帯電話端末は、外部メモリ17の未使用領域を予約領域ERとして確保する。予約領域ERは、音楽ファイル領域EA内の圧縮音楽ファイルAe1〜Ae3の中から優先順に選択された圧縮音楽ファイルをデコードした後の音楽ファイルAd3,Ad1が保存される領域となる。また予約領域ERは、例えば静止画ファイル領域ES等に新たなデータ等が記録される場合、その一部が開放される。さらに圧縮音楽ファイルのデコードとそのデコード後音楽ファイルの予約領域ERへの記録は、外部電力が供給されている時に行われる。そして、バッテリ電力のみが供給されている時、圧縮音楽ファイルのデコード再生が指示された場合には、予約領域ERのデコード後音楽ファイルを読み出して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話端末等の携帯情報端末とその携帯情報端末による情報処理方法、及び、情報処理プログラムに関し、特に圧縮音声ファイル等のようなエンコードされたデータを再生可能な携帯情報端末、情報処理方法、及び、情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、例えばいわゆるMP3(MPEG Audio Layer-3)フォーマットで圧縮エンコードされた音楽ファイルを再生するMP3プレーヤなどの携帯型音楽再生機器や、同様の音楽再生機能を有する携帯電話端末などが広く普及していいる。これらの携帯型音楽再生機器等の携帯情報端末では、音楽データを記録する記録媒体として、容量に限度のあるメモリが用いられていることが多い。したがって、これらの携帯情報端末においては、そのメモリに記録可能な音楽データの時間を最適化する目的で、上記MP3やAAC(Advanced Audio Coder)などの音声圧縮用エンコードフォーマットにより音楽データを圧縮(エンコード)するのが一般的となされている。そして、当該携帯情報端末は、上記メモリに記録されている上記圧縮された音楽データをデコードしてPCM(Pulse Code Modulation)データフォーマットに逐次変換することにより、音楽再生を行う。以下、音声圧縮用エンコードフォーマットにより圧縮された音楽ファイル(音楽データ)を、圧縮音楽ファイル(圧縮音楽データ)と表記する。
【0003】
なお、特開2000−299718号の公開特許公報(特許文献1)には、音楽再生機能を有する携帯電話装置が提案されている。この公報記載の携帯電話装置は、アンテナで受信して復調し通話音声信号を出力する電話制御手段と、圧縮音楽データを格納する記憶手段と、その格納されたデータを読み出し伸長して音楽信号として再生するデータ復元手段とを有し、通話音声信号と音楽信号のどちらかを選択して出力するようになされている。
【0004】
また、特開2001−308980号の公開特許公報(特許文献2)には、外部電源としてのバッテリを内蔵したアダプタが携帯電話装置に接続された状態で圧縮音楽データの復号再生を行う時、当該アダプタ内の外部電源を利用することで、音楽再生のために携帯電話装置内部のバッテリが消耗するのを防止可能とした携帯電話装置が開示されている。
【0005】
さらに、例えば特開2008−199108号の公開特許公報(特許文献3)には、音楽再生のための再生モードとして第1,第2の二つの再生モードを有し、第2の再生モード開始条件を満たした時に、予め記憶されているオーディオデータを第2の再生モードで再生することで、音楽再生時における省電力化を図るようになされた携帯電話機が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2000−299718号公報(図1)
【特許文献2】特開2001−308980号公報(図1)
【特許文献3】特開2008−199108号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、音楽再生機能を備えた携帯電話端末等の携帯情報端末では、メモリに記録されている圧縮音楽ファイルを、デコードしてPCMデータフォーマットに逐次変換することにより音楽再生が行われている。
【0008】
ところで、圧縮等のエンコードが施された音楽ファイルをデコードする処理は、演算量が多く且つ複雑な演算が必要となされているため、多くの電力が消費されることになる。したがって、バッテリからの電力により動作する携帯情報端末の場合、音楽再生が行われると、バッテリが消耗し、その結果としてバッテリの持ち時間が短くなってしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、メモリに記憶された例えば音楽ファイル等を再生する際の消費電力を低減し、バッテリの持ち時間を長くすることを可能にする携帯情報端末、情報処理方法、及び、情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、バッテリ部と、外部電源に接続可能となされた接続部を介して外部電力が供給される外部電力供給部と、少なくともデータが記録されるデータ記録部と、第一データに対して所定処理を施して第二データへ変換するデータ処理部とを有する携帯情報端末に適用される。それらに加え、本発明は、予約領域確保部と、予約領域判定部と、予約領域保存制御部と、データ出力制御部とを有する。予約領域確保部は、データ記録部の未使用領域を、データ記録部に記録された一以上の第一データが所定処理された後の第二データを保存するためで且つ当該データ記録部に新たな別のデータが記録される時には自動的に開放される予約領域として、確保する。予約領域判定部は、データ記録部の予約領域が、少なくとも一つの第一データが所定処理された後のデータ量以上の大きさを有しているか判定する。予約領域保存制御部は、外部電力が供給されている時に、予約領域判定部にて予約領域が上記データ量以上の大きさを有していると判定されたならば、データ記録部に記録されている少なくとも一つの第一データをデータ処理部にて所定処理させ、当該所定処理後の第二データを予約領域へ保存させる。そして、データ出力制御部は、バッテリ部からのみ電力が供給されている時に、データ記録部に記録された第一データへの所定処理及び当該所定処理後の第二データの出力が指示され、当該指示された第一データが、予約領域に保存されている第二データに対応した第一データである場合には、その予約領域の第二データを読み出す。これにより、本発明は上述の課題を解決する。
【0011】
すなわち、本発明によれば、データ記録部に未使用領域がある場合、その未使用領域を予約領域として確保し、外部電力が供給されている時に、第一データに所定処理を施して変換した第二データをその予約領域へ保存しておく。そして、バッテリ部からの電力のみが供給されている時には、出来うる限り予約領域に保存された第二データを読み出すようにする。これにより、バッテリ部の電力を用いて第一データが所定処理される状態になり難くしている。
【発明の効果】
【0012】
本発明においては、データ記録部の未使用領域を予約領域とし、外部電力供給時には、第一データを所定処理して得た第二データを予約領域へ保存し、バッテリ部からの電力による動作時には、予約領域の第二データを読み出すことにより、メモリに記憶された例えば音楽ファイル等を再生する際の消費電力を低減可能としてる。そして、本発明においては、音楽ファイル等の再生時の消費電力を低減することで、バッテリの持ち時間を長くすることを可能としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0014】
なお、本実施形態では、本発明の一例として、携帯電話端末を挙げているが、勿論、ここで説明する内容はあくまで一例であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。
【0015】
[携帯電話端末の概略構成]
図1には、本実施形態の携帯電話端末の概略構成を示す。
【0016】
図1において、通信アンテナ12は、例えば内蔵アンテナであり、音声通話や、電子メール等のパケット通信のための信号電波の送受信を行う。通信回路11は、送受信信号の周波数変換、変調と復調等を行う。
【0017】
スピーカ20は、携帯電話端末に設けられている受話用のスピーカや、リンガ(着信音)、アラーム音、再生音楽、再生動画像の音声等の出力用スピーカであり、制御部10から供給された音声データをデジタル/アナログ変換し、その変換後の音声信号を音響波に変換して空気中に出力する。
【0018】
マイクロホン21は、送話用及び外部音声集音用のマイクロホンであり、音響波を音声信号に変換し、その音声信号をアナログ/デジタル変換して制御部10へ送る。
【0019】
表示部13は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(ElectroLuminescent)ディスプレイ等の表示デバイスと、そのディスプレイの表示駆動回路とを含み、制御部10から供給された画像信号により、上記ディスプレイ上に例えば電子メール等の各種文字やメッセージを表示したり、静止画像や動画像等の表示を行う。
【0020】
操作部14は、本実施形態の携帯電話端末の図示しない筐体上に設けられているテンキーや発話キー、終話/電源キー等の各キーや十字キー,ジョグダイヤル等の各操作子と、それら操作子が操作された時の操作信号を発生する操作信号発生器とからなる。
【0021】
内部メモリ部15は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)を含む。ROMは、NAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)のような書き換え可能な記憶媒体を含み、例えば、OS(Operating System)のプログラムや制御部10が各部を制御するための制御プログラム、本発明の情報処理プログラム、各種のアプリケーションプログラムの他、各種の初期設定値、フォントデータ、各辞書データ、機種名情報や端末識別情報などをも記憶する。RAMは、制御部10が各種のデータ処理を行う際の作業領域として、随時データを格納する。
【0022】
外部メモリ17は、例えばいわゆるSD(Secure Digital)メモリカードのような着脱可能で且つ書き換え可能なフラッシュメモリカード等からなる。当該外部メモリ17には、本発明の第一データの一例である圧縮エンコードされた音楽ファイル、同じく本発明の第一データの一例である圧縮エンコードされた動画像ファイル、同様に圧縮エンコードされた静止画像ファイルが記録される。なお、外部メモリ17には、ユーザデータファイルやその他各種データも記録可能である。
【0023】
図2には、上記外部メモリ17の記憶領域の一使用例を示す。
【0024】
この図2の例では、外部メモリ17の記憶領域が、圧縮エンコードされた音楽ファイルが保存された音楽ファイル領域EAと、圧縮エンコードされた静止画像ファイルが保存された静止画ファイル領域ESと、圧縮エンコードされた動画像ファイルが保存された動画ファイル領域EMと、未使用領域ERとに分けられている場合を挙げている。なお、図2の例において、音楽ファイル領域EAには、上記圧縮エンコードされた音楽ファイルとして、圧縮音楽ファイルAe1,Ae2,Ae3が保存されている場合を挙げている。
【0025】
なお、本実施形態では、外部メモリ17の一例として、着脱可能なSDメモリカード等を想定しているが、当該外部メモリ17は、例えばHDD(ハードディスクドライブ)等であってもよい。また、外部メモリ17は、必ずしも設けられていなくてもよく、その場合、上記外部メモリ17に保存されるデータは内部メモリ部15に保存されていてもよい。すなわちこの場合、上記音楽ファイル領域EA、静止画ファイル領域ES、動画ファイル領域EM、未使用領域(予約領域)ERは、内部メモリ部15内に設けられることになる。
【0026】
外部メモリ制御部16は、制御部10による制御の基で、上記外部メモリ17の記憶領域の管理と、当該外部メモリ17に対するデータの書き込み/読み出しを行う。
【0027】
バッテリ23は、本実施形態の携帯電話端末の各部へ電力を供給するための二次電池である。
【0028】
充電端子24は、本発明にかかる接続部に相当し、本実施形態の携帯電話端末が充電台に置かれたときに、当該充電台の電力供給端子に電気的に接続される端子である。
【0029】
充電制御部22は、本発明の外部電力供給部としての機能を有し、バッテリ23の電圧を監視しつつ、上記充電端子24から供給された電力を当該バッテリ23へ充電するように制御する。また、充電制御部22は、上記バッテリ23の充電中であっても、携帯電話端末本体側で電力が必要になる場合には、上記充電端子24を通じて供給されている電力を、携帯電話端末本体側へも供給可能となされている。
【0030】
なお、本実施形態では、充電端子24を介して外部充電電源が供給される例を挙げているが、例えば導電性を有する線状導体が渦巻き状に形成された平面コイルを介し、無接点にて充電電力の伝送が行われる構成であってもよい。この場合、本発明にかかる接続部は上記平面コイルとなる。
【0031】
制御部10は、CPU(中央処理ユニット)からなり、通信回路11における通信の制御など、携帯電話端末における基本的な各種信号処理や各部の制御等を行う。また、本発明実施形態の場合、制御部10は、本発明にかかる第一データの一例である圧縮された音楽ファイルを、本発明にかかる所定処理として例えばデコードする処理、及び、そのための各種制御も行う。同様に、制御部10は、本発明にかかる第一データの一例としての圧縮動画像ファイルや静止画像ファイルを、所定処理としてデコードする処理、及びそのための各種制御をも行う。勿論、制御部10は、エンコードされていない音楽ファイルや画像ファイル等のデータを、エンコードにより圧縮することも可能となされている。また、制御部10は、内部メモリ部15に蓄積されている各種の制御プログラムやアプリケーションプログラムの実行及びそれに付随する各種データ処理等を行う。さらに、本実施形態において、制御部10は、外部メモリ制御部16を制御することにより、上記外部メモリ17へのデータの書き込み/読み出し等を行わせる。また、詳細については後述するが、本実施形態によれば、制御部10は、本発明の情報処理プログラムを実行することで、本発明にかかる予約領域確保部や予約領域判定部、予約領域保存制御部、データ出力制御部等の機能を実行する。すなわち、本発明の情報処理プログラムを実行している時の制御部10は、外部電力供給時には所定の優先順で圧縮音楽ファイルをデコードして未使用領域へ保存する処理や、バッテリ電力供給時には上記未使用領域に保存されている上記デコード後の音楽ファイルのPCMデータをデジタル/アナログ変換させる処理等を行う。
【0032】
その他、図1には図示を省略しているが、本実施形態の携帯電話端末は、写真画像の撮影のためのディジタルカメラ部、キー照明や着信ライト用などのLED(発光ダイオード)とその駆動部、いわゆるブルートゥース方式(Bluetooth:登録商標)やUWB(Ultra Wide Band)方式、無線LAN(Local Area Network)などによる近距離無線通信を行うための近距離無線通信部、非接触ICカード機能とリーダライタ機能とを備えた非接触通信処理部、GPS(Global Positioning System)通信部、ディジタル放送の受信チューナ部とAVコーデック部、タイマ(時計部)など、一般的な携帯電話端末に設けられる各構成要素についても備えている。
【0033】
[外部電力供給時の圧縮音楽ファイルのデコード処理と予約領域への保存処理]
上述した本発明実施形態の携帯電話端末において、上記制御部10は、上記充電端子24から外部電力が供給されている時に、外部メモリ17の未使用領域が充分残っている場合には、当該未使用領域を予約領域として確保する予約領域確保部として機能する。
【0034】
また、本発明実施形態において、上記制御部10は、上記充電端子24から外部電力が供給されている時に、充分な容量の予約領域が確保されている場合には、上記外部メモリ17内の圧縮音楽ファイルをデコードし、そのデコード後の音楽ファイルを、上記予約領域に保存する予約領域保存制御部の機能を備えている。なお、この場合の上記圧縮音楽ファイルのデコード処理、及び当該デコード後音楽ファイルの上記予約領域への保存処理は、例えばユーザから音楽ファイルの再生指示入力が有るか否かにかかわらず行われる。また、上記外部電力供給時に当該予約領域保存制御部の機能を実行するかどうかについては、例えばメニュー設定等により、予めユーザが設定可能となされている。
【0035】
すなわち、制御部10は、外部電力が供給されている時、上記外部メモリ17の音楽ファイル領域EA内に保存されている圧縮音楽ファイルの中から、予め決められた所定の優先順位に応じて圧縮音楽ファイルを選択してデコードし、そのデコード後の音楽ファイルを予約領域ERへ保存する。
【0036】
ここで、本実施形態において、上記所定の優先順位は、例えば以下の第1〜第4の何れかの優先順位付け設定により決められる。
【0037】
第1の優先順位付け設定は、ユーザにより予め選択された圧縮音楽ファイルの順にデコードして予約領域ERへ保存する設定である。
【0038】
第2の優先順位付け設定は、音楽ファイル領域EAに圧縮音楽ファイルが追加(新規に保存)された日時の例えば新しい順にデコードして予約領域ERへ保存する設定である。
【0039】
第3の優先順位付け設定は、過去にデコードされて再生された各圧縮音楽ファイルの再生頻度の例えば多い順にデコードして予約領域ERへ保存する設定である。
【0040】
第4の優先順位付け設定は、予めシャッフル再生のプレイリストが作成されているような場合に、そのシャッフル再生プレイリストの順にデコードして予約領域ERへ保存する設定である。
【0041】
そして、これら第1〜第4の優先順位付け設定の何れかに決められている場合、制御部10は、当該決定されている優先順位付け設定による優先順に、上記音楽ファイル領域EAから圧縮音楽ファイルを選択してデコードし、そのデコード後の音楽ファイルを予約領域ERに保存する。なお、これら第1〜第4の優先順位付け設定の何れを用いるかについては、例えばメニュー設定等により予めユーザが設定可能となされている。
【0042】
図3には、図2に示した外部メモリ17の使用例において、外部電力が供給されている時に、音楽ファイル領域EAから所定の優先順位に応じて圧縮音楽ファイルが選択されてデコードされ、そのデコード後の音楽ファイルが予約領域ERへ保存された状態を示している。
【0043】
すなわち、この図3の例において、音楽ファイル領域EAに記録されている圧縮音楽ファイルAe1,Ae2,Ae3のうち、所定の優先順位として例えば圧縮音楽ファイルAe3,Ae1,Ae2の順番に決められているとした場合、制御部10は、先ず、優先順位が一番高い圧縮音楽ファイルAe3を選択する。そして、制御部10は、当該一番目に選択された圧縮音楽ファイルAe3をデコードし、そのデコード後の音楽ファイルAd3を予約領域ERへ保存する。次に、制御部10は、優先順位が二番目に高い圧縮音楽ファイルAe1を選択してデコードし、そのデコード後の音楽ファイルAd1を予約領域ERへ保存する。次に、制御部10は、優先順位が三番目の圧縮音楽ファイルAe2を選択することになる。但し、この時、予約領域ERには、デコード後の音楽ファイルを保存するだけの空き領域が残っていないため、制御部10は、当該三番目の圧縮音楽ファイルAe2については、デコードしても予約領域ERには保存しないか、若しくは、デコード自体を行わない。
【0044】
また、本実施形態において、制御部10は、この図3の例のように、デコード後の音楽ファイルを予約領域ERに保存できるか否かについて、つまり、予約領域ERの残容量が、少なくとも一つの圧縮音楽ファイルをデコードした後のデータ量以上の大きさを有しているかを判定する予約領域判定部としても機能する。
【0045】
ここで、予約領域ERに上記デコード後の音楽ファイルを保存できるか否かの判定は、一例として、当該予約領域ERに次に保存すべき一つの圧縮音楽ファイルを実際にデコードした時のデータ量と、その時点での予約領域ERの残容量とを比較することにより実現できる。つまりこの場合、制御部10は、その時点における予約領域ERの残容量が、上記圧縮音楽ファイルを実際にデコードした時のデータ量以上であるか否かを判断することで、上記デコード後音楽ファイルを保存可能か判定する。
【0046】
また他の例として、上記デコード後の音楽ファイルを予約領域ERに保存できるか否かの判定は、例えばその時点での予約領域ERの残容量と、予め決められた閾値容量とを比較することでも実現可能である。つまりこの場合、制御部10は、その時点における予約領域ERの残容量が、上記閾値容量以上残っているか否かを判断することで、上記デコード後音楽ファイルを保存可能か判定する。この時の上記閾値容量としては、例えば、一つの圧縮音楽ファイルをデコードした時に想定される最大データ量を基に設定された容量、つまり、少なくとも上記最大データ量より大きい閾値容量に設定することができる。
【0047】
なお、本実施形態では、優先順位付けがなされた圧縮音楽ファイルのみをデコードして予約領域ERへ保存する例を挙げたが、例えば、予約領域ERの残容量が、全ての圧縮音楽ファイルのデコード後の音楽ファイルを全て保存できるだけの容量である場合には、それら全ての圧縮音楽ファイルをデコードして予約領域ERへ保存するようにしてもよい。
【0048】
[予約領域の自動開放処理]
上述のようにして予約領域ERにデコード後音楽ファイルが保存された場合において、例えば静止画像ファイルや動画像ファイル等の他のデータを新たに外部メモリ17に記録することになった時、制御部10は、上記予約領域ERの一部を自動的に開放する予約領域確保部として機能する。そして、本実施形態の携帯電話端末は、当該開放された領域を、静止画ファイル領域ESや動画ファイル領域EMに加えることで、それら新たな静止画像ファイルや動画像ファイル等の他のデータを記録する。
【0049】
ここで、本実施形態において、上記予約領域ERの一部開放の際には、当該予約領域ERに保存されているデコード後音楽ファイルのうち、前述の優先順位の低い順にファイルを削除することにより、上記他のデータを記録するのに必要な空き領域を確保する。
【0050】
図4には、図3に示した外部メモリ17の使用例において、例えば静止画像ファイルを新たに静止画ファイル領域ESに記録したために、予約領域ER内のデコード後音楽ファイルAd3,Ad1のうち、優先順位の低いデコード後音楽ファイルAd1が削除された後の様子を示している。
【0051】
すなわち、この図4の例では、新たに静止画像ファイルが記録されることで、静止画ファイル領域ESが図3の例に比べて増加し、一方、予約領域ERではデコード後音楽ファイルAd1が削除されたことで、デコード後音楽ファイルAd3のみが残った様子を示している。
【0052】
なお、図4の例では、静止画像ファイルが新規に記録される例を挙げたが、勿論、例えば動画像ファイルが新規に記録されたり、それら以外のユーザデータ等が新規に記録されることで空き領域を確保する必要性が出てきたときにも、上述同様に予約領域の一部を開放するようになされる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態によれば、予約領域ERに保存されているデコード後音楽ファイルは、ユーザが直接操作等する必要のないデータとなされており、また、予約領域ERは、必要に応じて自動的に開放されるようになされている。このため、予約領域ERは、ユーザからは見掛け上、空き領域(未使用領域)として見えることになり、したがってユーザは、予約領域ERにデコード後音楽ファイルが保存されているかどうかを特に気にする必要がなく、静止画像ファイル等の他のデータを気兼ねなく保存させることができる。
【0054】
[バッテリからの電力供給時の音楽ファイル再生処理]
上述のようにして予約領域ERにデコード後音楽ファイルが保存され、その後、充電台から外されたことで外部電力の供給が無くなった状態、つまりバッテリ23からの電力のみで動作している状態において、例えば音楽ファイルの再生がなされる時、本実施形態の携帯電話端末は、以下に述べるように動作する。
【0055】
すなわち、本実施形態において、上記バッテリ23からの電力のみで動作している場合、制御部10は、再生すべき音楽ファイルが、上記予約領域ERに保存されているデコード後音楽ファイルに対応した音楽ファイルである時、そのデコード後音楽ファイルを予約領域ERからそのまま読み出すデータ出力制御部として機能する。なお、当該予約領域ERから読み出されたデコード後音楽ファイルのデータは、デジタル/アナログ変換され、スピーカ20から出力される。
【0056】
一方、バッテリ23からの電力のみにより動作している場合において、制御部10は、これから再生すべき音楽ファイルが上記予約領域ER内に保存されていない時には、当該再生すべき音楽ファイルに対応した圧縮音楽ファイルを前記音楽ファイル領域EAから読み出してデコードする。そして、制御部10は、そのデコード後の音楽ファイルのデータをデジタル/アナログ変換させ、スピーカ20から出力させる。
【0057】
このように、本実施形態によれば、バッテリ電力のみで動作している場合に、再生すべき音楽ファイルが予約領域ER内に保存されている時には、そのデコード後音楽ファイルを予約領域ERから読み出してデジタル/アナログ変換させることのみが行われる。
【0058】
このため、本実施形態によれば、例えば圧縮音楽ファイルをデコードする際の大きな電力消費を削減でき、その結果、バッテリ23の電力使用量が減り、当該バッテリ23の持ち時間、及び音楽再生時間を長くすることが可能となる。特に、音楽再生のみを行っている場合には、圧縮音楽ファイルのデコード処理のために必要な消費電流が大きな割合を占めるため、本実施形態の携帯電話端末によれば、音楽再生時間を飛躍的に延ばすことが可能となる。なお、予約領域ERに音楽ファイルを保存する際のデコード処理は、外部から電力が供給されている時にはその外部電力を用いて行われるため、バッテリ23の電力が消費されることはない。
【0059】
[外部電力供給時の圧縮音楽ファイルデコード処理と予約領域保存処理のフローチャート]
図5には、本発明実施形態において、外部電力が供給されている時に音楽ファイル領域EA内の圧縮音楽ファイルをデコードして予約領域ERに保存する際の処理の流れを示す。なお、この図5に示すフローチャートは、本実施形態の携帯電話端末の制御部10が、本発明の情報処理プログラムを実行することにより行われる処理を示している。
【0060】
この図5のフローチャートにおいて、制御部10は、充電端子24が外部電源に接続されてバッテリ23の充電が行われていることを、充電制御部22からの情報により確認すると、ステップS1の処理として、外部メモリ制御部16を通じて、外部メモリ17の空き領域(未使用領域ER)を予約領域ERとして確保する。
【0061】
次に、制御部10は、ステップS2の処理として、前述した第1〜第4の優先順位付け設定の何れを使用するか、また、当該使用する優先順位付け設定により前記音楽ファイル領域EA内の圧縮音楽ファイルがどのような優先順位に設定されているかを見て、各圧縮音楽ファイルに優先順位を付ける。
【0062】
次に、制御部10は、ステップS3の処理として、外部メモリ制御部16を通じて、上記ステップS1にて確保した予約領域ERに、新たにデコード後音楽ファイルを保存できるだけの余裕が有るか否か判定する。そして、制御部10は、当該ステップS3の判定処理において、予約領域ERに余裕があると判定した場合にはステップS4へ処理を進め、一方、予約領域ERに余裕がないと判定した場合にはこの図5のフローチャートの処理を終了する。
【0063】
上記ステップS3にて予約領域ERに余裕があると判定されてステップS4の処理に進むと、制御部10は、音楽ファイル領域EA内の圧縮音楽ファイルの中で優先順位の高い音楽ファイルをデコードし、そのデコード後の音楽ファイルを予約領域ERに保存する。なお、この時のステップS4の処理時において、それ以前に行われたステップS4での処理により既に音楽ファイルのデコード及び予約領域ERへの保存が行われている場合、制御部10は、その次に優先順位の高い音楽ファイルのデコードと予約領域ERへの保存処理を行う。
【0064】
次に、制御部10は、ステップS5の処理として、充電制御部22を通じ、外部電源供給が継続しているか否か判断する。そして、制御部10は、外部電源供給が継続している時にはステップS6へ処理を進め、一方、外部電源供給が途絶えたと判断した場合にはこの図5のフローチャートの処理を終了する。
【0065】
上記ステップS5にて外部電源供給が継続していると判定されてステップS6の処理に進むと、制御部10は、外部メモリ制御部16を通じ、音楽ファイル領域EA内に保存されている圧縮音楽ファイルのうちで優先順位が設定されている全ての圧縮音楽ファイルについて、ステップS4でのデコード処理がなされたか否か判定する。そして、制御部10は、優先順位付けされた圧縮音楽ファイルのなかで未だデコードされていない圧縮音楽ファイルが存在する場合には、ステップS3へ処理を戻す。一方、優先順位が設定されている全ての圧縮音楽ファイルをデコードしたと判定した場合、制御部10は、この図5のフローチャートの処理を終了する。
【0066】
なお、制御部10は、当該ステップS5の処理において、優先順位付けの有無にかかわらずに、音楽ファイル領域EA内に保存されている全ての圧縮音楽ファイルについて、ステップS4でのデコード処理がなされたか否か判定してもよい。この場合、制御部10は、音楽ファイル領域EA内の全圧縮音楽ファイルのなかで未だデコードされていない圧縮音楽ファイルが存在する場合には、ステップS3へ処理を戻し、一方、全ての圧縮音楽ファイルをデコードしたと判定した場合には処理を終了する。
【0067】
[バッテリ電力供給時の音楽ファイル再生処理のフローチャート]
図6には、本発明実施形態の携帯電話端末において、バッテリ23から電力が供給されている時に音楽再生が開始された場合の処理の流れを示す。なお、この図6に示すフローチャートは、本実施形態の携帯電話端末の制御部10が、本発明の情報処理プログラムを実行することにより行われる処理を示している。
【0068】
この図6のフローチャートにおいて、制御部10は、例えばユーザから音楽再生開始の指示が入力され、それに応じて音楽再生を開始する際には、先ず、ステップS11の処理として、再生すべき音楽ファイルを決定する。ここで、あくまで一例であるが、再生すべき音楽ファイルは、例えば音楽ジャンル,アーティスト,ユーザ設定等によりグループ分けられた各音楽ファイルや、例えば曲名順,登録順などにより並べられた各音楽ファイル、シャッフル再生によりランダムに選ばれる各音楽ファイルの中で、制御部10がこれから再生すべきであるとして選択した音楽ファイルである。なお、ユーザにより手動で選択された音楽ファイルであってもよい。
【0069】
次に、制御部10は、ステップS12の処理として、上記ステップS11にて決定された音楽ファイルに対応したデコード後音楽ファイルが、上記予約領域ER内に保存されているか否かを、外部メモリ制御部16を通じて判定する。そして、制御部10は、予約領域ER内に上記デコード後音楽ファイルが保存されていると判定した場合にはステップS13へ処理を進め、一方、保存されていないと判定した場合にはステップS14へ処理を進める。
【0070】
ステップS13の処理に進んだ場合、制御部10は、上記予約領域ER内に保存されているデコード後音楽ファイルを読み出し、その音楽ファイルのデータをデジタル/アナログ変換させてスピーカ20から出力させる。
【0071】
一方、ステップS14の処理に進んだ場合、制御部10は、上記ステップS11にて決定された音楽ファイルに対応した圧縮音楽ファイルを、外部メモリ制御部16を通じて、外部メモリ17の音楽ファイル領域ERから読み出してデコードする。そして、制御部10は、そのデコード後の音楽ファイルのデータをデジタル/アナログ変換させてスピーカ20から出力させる。
【0072】
その後、制御部10は、ステップS15の処理として、ステップS11で再生すべきと決定された全ての音楽ファイルの再生が終了したか否か判定し、終了していない時にはステップS11へ処理を戻し、終了した場合にはこの図6のフローチャートの処理を終了する。
【0073】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態においては、外部電源供給時に圧縮音楽ファイルをデコードしてメモリの予約領域ER(未使用領域)に保存しておき、バッテリ駆動時に当該予約領域ERのデコード後音楽ファイルをそのまま再生することにより、バッテリ23の消耗を抑え、バッテリ23の持ち時間を長くすることができ、また、一回の充電で音楽再生が可能となる時間を延ばすことが可能となっている。
【0074】
また、本実施形態において、予約領域ERに保存されたデコード後音楽ファイルを再生する場合、制御部10はデコード処理をリアルタイムに行う必要がなく、そのため、デコード処理のために制御部10に掛かる処理負担を軽減でき、端末全体のパフォーマンス(性能)を向上させることができる。
【0075】
また、本実施形態においては、デコード後音楽ファイルが保存される予約領域ERは、別途他のデータを保存する必要があるときに自動的に開放され、当該他のデータを保存可能となされているため、デコード後音楽ファイルによりメモリが圧迫されることはなく、ユーザは予約領域ERを未使用領域として使用することができる。
【0076】
また、本実施形態において、メモリの予約領域ERに保存されるデコード後音楽ファイルは、所定の優先順位付けがなされたファイルとなっているため、後の音楽再生時に使用される可能性が高く、したがって、外部電源供給時の圧縮音楽ファイルのデコード処理の無駄が少なく、予約領域ERの効率的な使用が可能となる。
【0077】
なお、上述した実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した各実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0078】
上述した実施形態では、音楽ファイルの再生を例に挙げて説明したが、本発明は、例えば圧縮動画像ファイルや圧縮静止画像ファイルについても適用可能である。すなわち、本実施形態の携帯電話端末は、外部電源が供給されている時に、圧縮動画像ファイルや圧縮静止画像ファイルをデコードして予約領域に保存しておく。これにより、その後、動画像ファイルや静止画像ファイルの再生が必要になった時に、予約領域内のデコード後動画像ファイルやデコード後静止画像ファイルを再生すれば、それらデコード処理に要する消費電力分を削減することができる。また、これら圧縮動画像ファイルや圧縮静止画像ファイルをデコードして予約領域に保存する際にも前述のような優先順位に応じたデコード及び保存が可能である。この場合の優先順位についても、前述同様の優先順位付け設定に応じた処理を行うことができる。
【0079】
また、上述の実施形態では、外部メモリ17の未使用領域ERを予約領域ERとして使用したが、例えば内部メモリ部15にも未使用領域がある場合には、当該内部メモリ部15の未使用領域を予約領域として使用することも可能である。この場合、外部メモリ17と内部メモリ部15の両未使用領域をそれぞれ別の予約領域としてそれらを適宜使用したり、或いは両未使用領域を一つの予約領域として纏めて使用することも可能である。また、外部メモリ17と内部メモリ部15の両未使用領域をそれぞれ別の予約領域として使用するような場合、それら予約領域に優先順を設定し、優先順の高い予約領域から使用するようなことも可能である。
【0080】
また、本発明は、第一データである元々の高圧縮率の音楽ファイルを、所定処理として低圧縮率の音楽ファイルに再エンコードし、その低圧縮率の音楽ファイルを第二データとして前記予約領域に保存する例にも適用可能である。この例の場合、制御部10は、上記低圧縮率の音楽ファイルを読み出した場合、その低圧縮率の音楽ファイルをデコードすることになる。
【0081】
すなわちこの場合の携帯電話端末は、元々の高圧縮率の音楽ファイルをデコードするよりも、低圧縮率の音楽ファイルをデコードする方が消費電力が少ないような場合に、予約領域の容量と音楽再生時のバッテリ消費量との兼ね合いを最適化でき、より多くの音楽ファイルを予約領域内に保存しつつバッテリ消費をなるべく抑えるようなことが可能となる。
【0082】
より具体的に説明すると、一般的に、予約領域に保存可能なデコード後音楽ファイルの数と、同じ予約領域に保存可能な低圧縮率の再エンコード後音楽ファイルの数とを比較した場合、後者の方が、より多くの音楽ファイルを保存領域に保存できると考えられる。すなわちこの例の場合、前述のようにデコード後音楽ファイルを予約領域に保存する場合よりも音楽再生時の消費電力は多くなるが、当該予約領域により多くの音楽ファイルを保存することができるため、予約領域の効率利用とバッテリ消費効率の両方を最適化することが可能となる。
【0083】
勿論、予約領域の効率利用とバッテリ消費量を考慮して、予約領域内に、前述のデコード後音楽ファイルと上記低圧縮率再エンコード後音楽ファイルの両者を混在させて保存するようなことも可能である。
【0084】
その他、本実施形態の携帯電話端末は、音楽再生の際にデコードしたデータを、予約領域に保存するようにしてもよい。
【0085】
さらに、本発明は携帯電話端末に限定されず、エンコードされたファイルをデコードして再生する各種の機器に適用可能である。
【0086】
また、本実施形態では、圧縮のエンコードと伸張のデコードを例に挙げたが、本発明はそれに限らず、他のエンコード・デコードにも適用可能である。さらに、本発明は、エンコード・デコードに限らず、第一データに対して電力消費を伴う所定処理を施して第二データに変換するような全ての処理に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明実施形態の携帯電話端末の概略構成を示すブロック図である。
【図2】外部メモリの記憶領域の一使用例であり、未使用領域に何も保存されていない状態を示す図である。
【図3】外部メモリの記憶領域の一使用例であり、未使用領域が予約領域として使用され、その予約領域にデコード後音楽ファイルが保存されている状態を示す図である。
【図4】外部メモリの記憶領域の一使用例であり、例えば静止画ファイル領域に新たに静止画像ファイルが保存されたことで、予約領域の一部が開放された状態を示す図である。
【図5】外部電力供給時の圧縮音楽ファイルデコード処理とそのデコード後音楽ファイルの予約領域への保存処理を示すフローチャートである。
【図6】バッテリ電力供給時の音楽ファイル再生処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
10 制御部、11 通信回路、12 通信用のアンテナ、13 表示部、14 操作部、15 内部メモリ部、16 外部メモリ制御部、17 外部メモリ、20 スピーカ、21 マイクロホン、22 充電制御部、23 バッテリ、24 充電端子、EA 音楽ファイル領域、ES 静止画ファイル領域、EM 動画ファイル領域、ER 予約領域)(未使用領域)、Ae1〜Ae3 圧縮音楽ファイル、Ad3,Ad1 デコード後音楽ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を供給するバッテリ部と、
外部電源に接続可能となされた接続部を介して外部電力が供給される外部電力供給部と、
第一データに対して所定処理を施して第二データへ変換するデータ処理部と、
少なくともデータが記録されるデータ記録部と、
上記データ記録部の未使用領域を、上記データ記録部に記録された一以上の第一データが所定処理された後の第二データを保存するためで且つ当該データ記録部に新たな別のデータが記録される時には自動的に開放される予約領域として、確保する予約領域確保部と、
上記データ記録部の上記予約領域が、少なくとも一つの第一データが所定処理された後のデータ量以上の大きさを有しているか判定する予約領域判定部と、
上記外部電力供給部を通じて外部電力が供給されている時に、上記予約領域判定部にて上記予約領域が上記データ量以上の大きさを有していると判定されたならば、上記データ記録部に記録されている少なくとも一つの第一データを上記データ処理部にて所定処理させ、当該所定処理後の第二データを上記予約領域へ保存する予約領域保存制御部と、
上記バッテリ部からのみ電力が供給されている時に、上記データ記録部に記録された第一データへの所定処理及び当該所定処理後の第二データの出力が指示され、当該指示された第一データが、上記予約領域に保存されている上記第二データに対応した第一データである場合には、上記予約領域の当該第二データを読み出すデータ出力制御部と、
を有する携帯情報端末。
【請求項2】
上記データ記録部に複数の第一データが記録されている場合、上記予約領域保存制御部は、所定の優先順位の高い順に、上記データ記録部の第一データを上記データ処理部にて順次所定処理させ、それら各所定処理後の第二データを上記予約領域へ保存する請求項1記載の携帯情報端末。
【請求項3】
上記予約領域に上記第二データが複数保存されている場合、上記予約領域確保部は、上記データ記録部に新たな別のデータが記録される時、所定の優先順位の低い順に、上記予約領域に保存されている上記第二データを削除して、当該予約領域の一部を開放する請求項1記載の携帯情報端末。
【請求項4】
上記所定の優先順位は、ユーザにより予め選択された優先順位と、上記データ記録部に上記第一データが記録された日時に応じた優先順位と、上記データ記録部の第一データが過去に所定処理された処理頻度に応じた優先順位と、予め作成されたシャッフルリスト順に応じた優先順位の何れかである請求項2又は請求項3記載の携帯情報端末。
【請求項5】
上記第一データはエンコードデータであり、
上記所定処理は上記エンコードデータをデコードする処理であり、
上記第二データは上記デコード処理後のデータである請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の携帯情報端末。
【請求項6】
少なくともデータが記録されるデータ記録部の未使用領域を、当該データ記録部に記録された一以上の第一データが所定処理された後の第二データを保存するためで且つ当該データ記録部に新たな別のデータが記録される時には自動的に開放される予約領域として、予約領域確保部が確保するステップと、
上記データ記録部の上記予約領域が、少なくとも一つの第一データが所定処理された後のデータ量以上の大きさを有しているかを、予約領域判定部が判定するステップと、
外部電源に接続可能となされた接続部を介して外部電力が供給される外部電力供給部から当該外部電力が供給されている時に、上記予約領域判定部にて上記予約領域が上記データ量以上の大きさを有していると判定されたならば、予約領域保存制御部が、上記データ記録部に記録されている少なくとも一つの第一データをデータ処理部にて所定処理させ、当該所定処理後の第二データを上記予約領域へ保存するステップと、
バッテリ部からのみ電力が供給されている時に、上記データ記録部に記録された第一データへの所定処理及び当該所定処理後の第二データの出力が指示され、当該指示された第一データが、上記予約領域に保存されている上記第二データに対応した第一データである場合、データ出力制御部が、上記予約領域の当該第二データを読み出して出力するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項7】
第一データに対して所定処理を施して第二データへ変換するデータ処理部と、
少なくともデータが記録されるデータ記録部の未使用領域を、上記データ記録部に記録された一以上の第一データが所定処理された後の第二データを保存するためで且つ当該データ記録部に新たな別のデータが記録される時には自動的に開放される予約領域として、確保する予約領域確保部と、
上記データ記録部の上記予約領域が、少なくとも一つの第一データが所定処理された後のデータ量以上の大きさを有しているか判定する予約領域判定部と、
外部電源に接続可能となされた接続部を介して外部電力が供給される外部電力供給部から当該外部電力が供給された時に、上記予約領域判定部にて上記予約領域が上記データ量以上の大きさを有していると判定されたならば、上記データ記録部に記録されている少なくとも一つの第一データを上記データ処理部にて所定処理させ、当該所定処理後の第二データを上記予約領域へ保存する予約領域保存制御部と、
バッテリ部からのみ電力が供給されている時に、上記データ記録部に記録された第一データへの所定処理及び当該所定処理後の第二データの出力が指示され、当該指示された第一データが、上記予約領域に保存されている上記第二データに対応した第一データである場合には、上記予約領域の当該第二データを読み出すデータ出力制御部として、
携帯情報端末の内部コンピュータを機能させる情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−91752(P2010−91752A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−261177(P2008−261177)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】