説明

携帯情報端末装置

【課題】 秘匿性の高い画面表示を行うアプリケーションの起動ごとに視野角を狭小化させるための操作入力を必要としない携帯情報端末装置を提供する。
【解決手段】 画面表示を行うアプリケーションプログラムを記憶するアプリケーションプログラム記憶部42と、アプリケーションプログラムに対応付けて起動時にユーザの認証を行わせるアプリケーションプログラムをPIMロック対象として指定する認証指定情報を記憶する認証指定情報記憶部45と、PIMロック対象として指定されたアプリケーションプログラムの起動時にユーザの認証を行うユーザ認証部44と、ユーザ認証部44によるユーザの認証結果に基づいてアプリケーションプログラムを実行するプログラム実行部43と、認証指定情報に基づいてユーザの認証に成功したアプリケーションプログラムの実行中には狭視野モードとする視野角制御部46により構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末装置に係り、さらに詳しくは、各種情報が表示される表示画面の視野角を制御して覗き見を抑制させる携帯電話機などの携帯情報端末装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通話以外にも電子メールの送受信やウェブサイトの閲覧、スケジュールの管理などの様々な機能を備えた携帯電話機が普及している。この種の携帯電話機では、ユーザの個人情報を画面上に表示させることが少なくないことから、ユーザが表示画面を閲覧する際の秘匿性を向上させる必要がある。
【0003】
そこで、表示画面の視野角を必要に応じて狭小化する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。特許文献1に記載の携帯端末装置は、情報を表示する表示装置と、表示装置の表示面に設けられる視野角制御用の液晶パネルを備え、液晶パネルにおける液晶の配向方向を変化させることによって表示面の視野角を狭小化させている。具体的には、ユーザによる操作入力や、動作させるアプリケーションの種類に基づいて視野角の狭小化が行われる。
【0004】
特許文献2には、ユーザを認証するためのデータを入力する際に、その入力画面の視野角を狭小化する情報処理装置が記載されている。また、特許文献3には、撮像手段によって撮影された画像を表示する際、その表示画面の視野角を広げ、画像を表示する以外は、表示画面の視野角を狭める携帯端末が記載されている。
【特許文献1】特開2004−62094号公報
【特許文献2】特開2001−344050号公報
【特許文献3】特開2004−233527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した様な従来の携帯情報端末装置では、表示画面の視野角を狭小化させる際に、視野角の狭小化を指示するための操作入力が必要であったり、視野角を狭小化させるアプリケーションを予め指定しておかなければならず、操作性が良くないという問題があった。また、認証データの入力画面以外の表示画面や、撮影画像の表示画面を閲覧する際の秘匿性を向上させるものではなかった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、表示画面の視野角を必要に応じて狭小化させる際の操作性を向上させた携帯情報端末装置を提供することを目的としている。特に、秘匿性の高い画面表示を行うアプリケーションプログラムの起動ごとに視野角を狭小化させるための操作入力を必要としない携帯情報端末装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による携帯情報端末装置は、画面表示を行うアプリケーションプログラムを記憶するアプリケーションプログラム記憶手段と、上記アプリケーションプログラムの起動時にユーザの認証を行うユーザ認証手段と、上記ユーザ認証手段によるユーザの認証結果に基づいて上記アプリケーションプログラムを実行するプログラム実行手段と、表示画面を狭視野角で閲覧させる狭視野モード及び広視野角で閲覧させる広視野モードの切り替えを行い、ユーザの認証に成功した上記アプリケーションプログラムの実行中には狭視野モードとする視野角制御手段とを備えて構成される。
【0008】
この携帯情報端末装置では、画面表示を行うアプリケーションプログラムの起動時にユーザの認証が行われ、その認証結果に基づいてアプリケーションプログラムが実行される。その際、ユーザの認証に成功したアプリケーションプログラムの実行中には狭視野モードとされる。この様な構成により、起動時にユーザの認証が必要なアプリケーションプログラムに連動させて視野角が自動的に狭小化されるので、秘匿性の高い画面表示を行うアプリケーションプログラムの起動ごとに視野角を狭小化させるための操作入力を必要とせず、表示画面の視野角を狭小化させる際の操作性を向上することができる。一般に、秘匿性の高い画面表示を行うアプリケーションプログラムの起動時には、安全性を向上させるという観点から、ユーザの認証を行うことが望ましい。この様なアプリケーションプログラムの起動に合わせて視野角を狭小化することによって、さらに安全性を向上させることができる。
【0009】
本発明による携帯情報端末装置は、上記構成に加え、上記視野角制御手段が、上記アプリケーションプログラムの立ち上げに基づいて狭視野モードに切り替え、当該アプリケーションプログラムの終了に基づいて広視野モードに切り替えるように構成される。この様な構成によれば、アプリケーションプログラムの終了後には、狭視野モードから広視野モードに自動的に切り替えられるので、必要に応じて視野角を狭小化した際の視野角の戻し忘れを防止することができる。
【0010】
特に、上記アプリケーションプログラムに対応付けて起動時にユーザの認証を行うか否かを指定する認証指定情報を記憶する認証指定情報記憶手段を備え、上記認証指定情報によりユーザの認証を行うアプリケーションプログラムとして複数のアプリケーションプログラムが指定された場合、当該各アプリケーションプログラムについて実行中には狭視野モードとなるように構成される。この様な構成によれば、複数のアプリケーションプログラムについてユーザ認証及び視野角制御の対象をまとめて指定することができるので、視野角を狭小化させるアプリケーションプログラムを指定する際の操作性をさらに向上させることができる。
【0011】
また、本発明による携帯情報端末装置は、上記構成に加え、上記アプリケーションプログラムに対応付けて起動時にユーザの認証を行うか否かを指定する認証指定情報を記憶する認証指定情報記憶手段を備え、上記ユーザ認証手段が、上記認証指定情報に基づいてユーザの認証を行い、上記視野角制御手段が、上記認証指定情報に基づいて狭視野モードに切り替えるように構成される。この様な構成によれば、ユーザの認証を行うか否かを指定する認証指定情報に基づいて視野角の狭小化が行われるので、認証指定情報をユーザ認証と視野角制御とで共用して視野角を狭小化させるアプリケーションプログラムを指定することができる。従って、表示画面の視野角を狭小化させる際に、視野角の狭小化のためだけにアプリケーションプログラムを予め指定する必要がなく、利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明による携帯情報端末装置によれば、起動時にユーザの認証が必要なアプリケーションプログラムに連動させて視野角が自動的に狭小化されるので、秘匿性の高い画面表示を行うアプリケーションプログラムの起動ごとに視野角を狭小化させるための操作入力を必要とせず、表示画面の視野角を狭小化させる際の操作性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1(a)及び(b)は、本発明の実施の形態による携帯情報端末装置の一例を示した外観図であり、携帯情報端末装置の一例として携帯電話機1が示されている。この携帯電話機1は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機であり、表示筐体100及び操作筐体200がヒンジ部300を介して連結され、表示筐体100及び操作筐体200の一面を対向させて折り畳むことができる。図1(a)には、両筐体を展開させた端末状態の様子が示され、図1(b)には、折り畳んだ端末状態の様子が示されている。
【0014】
表示筐体100は、折り畳み時に内側となる筐体面にメインディスプレイ101、受話用レシーバ103及び認証用カメラ105が配置され、外側となる筐体面にサブディスプレイ102及びカメラ104が配置されている。操作筐体200は、折り畳み時に内側となる筐体面に各種の操作キー201、送話用マイクロフォン202及び指紋センサー203が配置されている。
【0015】
この様な折り畳み式携帯電話機1は、コンパクトに折り畳んだ状態で携帯することができ、両筐体を展開させれば、メインディスプレイ101の表示を見ながら操作キー201を押下操作することができる。つまり、主な情報表示はメインディスプレイ101を用いて行われ、主な操作入力は操作キー201を用いて行われる。
【0016】
メインディスプレイ101は、縦長の矩形形状からなる表示画面を有し、この表示画面内に個人情報を含む様々な情報が表示される。この様な表示が第三者によって覗き見られるのを防止するために、メインディスプレイ101は、左右方向の視野角を可変制御することができる。
【0017】
具体的には、表示画面を広い視野角で閲覧させる動作状態としての広視野モードと、表示画面を狭い視野角で閲覧させる動作状態としての狭視野モードとを起動時にユーザの認証が必要なアプリケーションプログラムに連動させて自動的に切り替えることができる。一般に、携帯電話機のメインディスプレイは、テレビ受像装置や据え置き型の情報端末装置に比べて表示面積が小さく、また、手に持って使用するために、ユーザの目と表示画面との位置関係が概ね一定であることから、視野角制御に適している。また、携帯電話機は、メインディスプレイをある程度立てた状態で使用されることから、左右方向の視野角を狭小化させれば、覗き見を効果的に防止することができる。
【0018】
認証用カメラ105は、ユーザ認証の際に端末操作者の顔を撮影する撮像手段であり、撮影画像は、ユーザ認証時におけるメインディスプレイ101の表示画面上に表示される。また、指紋センサー203は、ユーザ認証の際に端末操作者の指紋を読み取る読み取り手段であり、矩形状のタッチパネルを有する。
【0019】
なお、本実施の形態では、メインディスプレイ101について視野角制御を行う場合の例について説明するが、サブディスプレイ102についても、同様の視野角制御を適用することができるのはいうまでもない。また、本実施の形態では、左右方向の視野角を可変制御する場合の例について説明するが、同様にして、上下方向の視野角を可変制御することもできる。
【0020】
図2は、図1の携帯電話機の要部における構成例を示した断面図であり、A−A線で切断したメインディスプレイ101の様子が示されている。このメインディスプレイ101は、視野角制御用液晶パネル2及び表示装置5によって構成される。表示装置5の表示画面上には、視野角制御用液晶パネル2の表示透過面が配置されており、視野角制御用液晶パネル2が表示透過面の視野角を切り替えることによって、メインディスプレイ101の視野角が切り替えられる。
【0021】
表示装置5は、表示用液晶パネル3及びバックライト4からなる周知の表示装置である。表示用液晶パネル3は、2枚の絶縁性透明基板(例えば、ガラス基板)32a及び32b間に液晶34が封入されている。また、各基板32a及び32bの外面には、偏光板31a及び31bがそれぞれ配置され、内面には、透明電極(例えば、ITO電極)33a及び33bがそれぞれ配置されている。例えば、一般的なTFT方式の表示装置であれば、前面側の電極33aとして共通電極が形成され、背面側の電極33bとして多数の画素電極が形成されている。
【0022】
バックライト4は、透過型の表示用液晶パネル3に対し、背面側から光を供給する光源である。表示用液晶パネル3は、各画素電極の電位を制御し、バックライト4からの入射光を透過させるか否かを画素ごとにコントロールして文字や画像を表示している。つまり、上記画素電極の配置されている基板32b上の領域が表示エリアとなり、この表示エリア内の位置に応じて光の透過率を異ならせることによって、文字や図形からなる情報が表示される。
【0023】
一方、視野角制御用液晶パネル2は、光の進行方向に応じて透過率を異ならせることによって、視野角の可変制御を実現している。なお、表示装置5からの光を透過させる領域、つまり、表示装置5の表示エリアに対応した視野角制御用液晶パネル2上の領域を表示透過面と呼ぶことにする。
【0024】
この視野角制御用液晶パネル2は、2枚の絶縁性透明基板(例えば、ガラス基板)22a及び22b間に液晶24が封入され、前面側の基板22aの外面には、偏光板21が配置されている。また、各基板22a及び22bの内面には、透明電極(例えば、ITO電極)23a及び23bがそれぞれ配置されている。つまり、表示用液晶パネル3の偏光板31aを加えれば、表示用液晶パネル3と同様の構成となる。
【0025】
偏光板21及び31aは、互いに透過軸が一致するように配置されており、表示用液晶パネル3からの入射光は、液晶24において偏光面(偏向面ともいう)が変化しなければ、視野角制御用液晶パネル2を透過することができる。液晶24では、透過光の光軸が正面方向となす角度に応じて、当該透過光の偏光面が回転するために、所定の視野角よりも外側に向けて液晶24中を斜めに進む入射光は、偏光板21において遮断される。
【0026】
視野角制御用液晶パネル2は、各透明電極23a及び23bの電位を制御し、液晶24の配向方向をコントロールすることによって表示画面の左右方向に関する視野角を変化させている。
【0027】
図3(a)及び(b)は、図1の携帯電話機による動作例を示した図であり、図3(a)には、広視野モードにおいて視野角内の視点からメインディスプレイを見た場合のイメージが示され、図3(b)には、狭視野モードにおいて視野角外の視点からメインディスプレイを見た場合のイメージが示されている。
【0028】
広視野モード(広視野角)の場合、視野角内の視点からメインディスプレイを見れば、当然のことではあるが、画面表示を良好に視認することができる。同様に、狭視野モードの場合であっても、視野角内の視点からメインディスプレイを見れば画面表示を良好に視認することができる。
【0029】
一方、狭視野モード(狭視野角)の場合に、広視野モードであれば視野角内となるが、狭視野モード時には視野角外となる視点からメインディスプレイを見れば、図中の(b)に示した通り、本来の画面表示はコントラストが低下し、表示内容の識別が困難になっている。
【0030】
本実施の形態では、メインディスプレイの覗き見を防止するために、起動時にユーザの認証が必要なアプリケーションプログラムに連動させて、広視野モードから狭視野モードに自動的に切り替えられる。具体的には、起動の際にユーザ認証を行い、認証に成功した場合にのみ起動が許可させるアプリケーションプログラムがユーザによって予め指定される。ユーザ認証の際に認証に失敗すると、当該アプリケーションプログラムは起動されず、認証前の状態に復帰する。ここでは、この様に起動が制限されたアプリケーションプログラムをPIM(Personal Information Manager)ロック対象アプリケーションと呼び、その他のアプリケーションプログラム(非PIMロック対象アプリケーションという)と区別することにする。この様なPIMロック対象アプリケーションがユーザ認証後に立ち上がると、表示画面の視野角が狭小化され、狭視野モードとなる。
【0031】
図4は、図1の携帯電話機における動作例を示した状態遷移図であり、待受け画面の表示状態B1、PIMロック対象アプリケーションの起動状態B2及び非PIMロックアプリケーションの起動状態B3間の遷移の様子が示されている。
【0032】
待受け時や非PIMロック対象アプリケーションの実行中には、広視野モードとなり、表示画面の視野角が広げられるので、ある程度斜め方向からでも表示画面を閲覧することができる。一方、ユーザ認証を経てPIMロック対象アプリケーションが立ち上がると、このアプリケーション立ち上げに基づいて表示画面の視野角が狭小化され、狭視野モードとなる。PIMロック対象アプリケーションの実行中は、狭視野モードが保持され、当該アプリケーションプログラムが終了し、或いは、非PIMロック対象アプリケーションに切り替えられると、PIMロック対象アプリケーションの終了に基づいて広視野モードに切り替えられる。
【0033】
図5は、図1の携帯電話機の内部構成の一例を示したブロック図である。この携帯電話機は、操作入力部41、アプリケーションプログラム記憶部42、プログラム実行部43、ユーザ認証部44、認証指定情報記憶部45及び視野角制御部46により構成される。操作入力部41は、操作キーの操作に基づいて、入力信号を生成する動作を行っている。
【0034】
アプリケーションプログラム記憶部42は、画面表示を行うアプリケーションプログラムなど、各種機能を実現する複数の異なるアプリケーションプログラムを記憶する記憶手段である。このアプリケーションプログラム記憶部42には、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータも格納されている。
【0035】
プログラム実行部43は、操作入力部41からの入力信号に基づいて、アプリケーションプログラムを立ち上げ、実行する動作を行っている。アプリケーションプログラムの立ち上げは、ユーザ認証部44からの指示に基づいて行われる。
【0036】
ユーザ認証部44は、アプリケーションプログラムの起動時にユーザ認証を行っている。具体的には、認証指定情報記憶部45内に格納される認証指定情報が参照され、認証指定情報においてPIMロック対象アプリケーションとして指定されたアプリケーションプログラムの起動時には、ユーザ認証が行われる。認証指定情報は、アプリケーションプログラムに対応付けて、起動時にユーザ認証を行うか否かを指定するPIMロック対象アプリケーション識別テーブルである。この認証指定情報は、ユーザによる操作入力に基づいて予め定められる。
【0037】
PIMロック対象アプリケーションの場合、ユーザ認証が行われ、ユーザ認証の結果、認証に成功すれば、ロックは解除され、当該アプリケーションプログラムが立ち上げられる。PIMロック対象アプリケーションとして指定されていない非PIMロック対象アプリケーションの場合には、ユーザ認証を行うことなく立ち上げられる。
【0038】
ここで、ユーザを認証するための具体的な方法として、暗証番号などのパスワードを入力させる方法や、顔の撮影画像に基づいて認証させる方法、読み取った指紋に基づいて認証させる方法などが考えられる。パスワード(識別コード)を入力させる方法では、端末に予め登録させておいたパスワードと、認証時に新たに入力されたパスワードとが照合され、一致するか否かが判別される。顔の撮影画像による認証方法では、認証用カメラを用いて予め撮影登録させておいた画像データと、認証時に新たに撮影された画像データとが照合され、一致するか否かが判別される。指紋による認証方法では、指紋センサーを用いて予め読取登録させておいた指紋データと、認証時に新たに読み取られた指紋データとが照合され、一致するか否かが判別される。本実施の形態では、これらの認証方法が選択可能となっており、いずれか1つの認証方法がユーザ操作に基づいて予め指定される。
【0039】
視野角制御部46は、アプリケーションプログラムの実行時に表示画面の視野角を狭小化する制御を行っている。具体的には、PIMロック対象アプリケーションの実行中は、狭視野モードとし、当該PIMロック対象アプリケーションの終了後には、広視野モードとされる。この様な視野角制御は、認証指定情報に基づいて行われる。
【0040】
図6は、図1の携帯電話機における動作例を示した図であり、PIMロック対象選択画面50の様子が示されている。PIMロック対象選択画面50は、PIMロック対象アプリケーションを選択指定するための入力画面であり、所定の認証プロセスを経た後、メインディスプレイ上に表示される。
【0041】
このPIMロック対象選択画面50は、ピクト表示領域51、タイトル表示領域、アプリケーション表示領域及びガイドキー表示領域からなる。ピクト表示領域51には、電波の受信感度や電池残量、現在時刻などが絵文字(ピクトグラム)で表示される。
【0042】
アプリケーション表示領域には、PIMロック対象アプリケーションとして選択可能なアプリケーション名が表示される。この例では、「インターネット」、「javaアプリ」、「カメラ」、「メロディープレーヤー」、「メール」及び「電話帳」がアプリケーション名として一覧表示されている。
【0043】
ガイドキー表示領域には、「次へ」キー53aや「全て解除」キー53b、「完了」キー53c、「全て選択」キー53d及び「決定」キー54が配置されている。
【0044】
アプリケーション「インターネット」は、インターネットなどの通信ネットワーク上のウェブサーバーにアクセスし、ウェブサーバーを介して提供される様々なコンテンツを画面表示させるブラウザである。
【0045】
また、「javaアプリ」は、ウェブサーバーを介して提供されるjava(商標又は登録商標)アプリケーションであり、アニメーションなどの動画像を表示させることができる。「カメラ」は、カメラを動作させ、撮影画像を画面表示させるアプリケーションであり、撮影に関するデータ処理が行われる。
【0046】
「メロディープレーヤー」は、音声データを再生するアプリケーションであり、様々な音楽ソースを再生することができる。「メール」は、電子メールに関するデータ処理を行うアプリケーションであり、メール作成画面や送受信メールの閲覧画面を表示させる。「電話帳」は、予め登録された電話番号や名前、住所などの個人情報を一覧表示させるアプリケーションである。
【0047】
この他、「データフォルダ」、「発着信履歴」、「スケジュール」、「メモ帳」、「電卓」、「家計簿」、「ファイルビューア」、「電子書籍ビューア」などのアプリケーションを選択することができる。これらのアプリケーションは、「次へ」キー53aを操作することによって表示させることができる。なお、「データフォルダ」は、静止画データや動画データが格納されたデータフォルダを指定して画像データを表示させるアプリケーションである。
【0048】
各アプリケーション名の前には、チェックボックス52がそれぞれ配置されている。所望のアプリケーションを選択し、決定キー54を操作すると、当該チェックボックス52がオンされ、PIMロック対象アプリケーションとして指定される。
【0049】
この例では、「全て選択」キー53dを操作することによって、選択可能なアプリケーションの全てを一括して選択指定することができる。また、「全て解除」キー53bを操作することによって、選択されているアプリケーションの全てを一括して指定解除することができる。所望のアプリケーションの選択後、「完了」キー53cを操作すれば、このPIMロック対象アプリケーションの選択処理は終了し、元の画面に復帰する。
【0050】
この様にして、PIMロック対象アプリケーションとして選択指定されたロック対象アプリケーション識別情報が認証指定情報として認証指定情報記憶部内に格納される。
【0051】
図7(a)〜(c)は、図1の携帯電話機における動作例を示した図であり、PIMロック対象アプリケーションの起動時に表示されるユーザ認証画面60a〜60cの様子が示されている。図7(a)には、パスワードによって認証させる場合のユーザ認証画面60aが示され、図7(b)には、顔の撮影画像によって認証させる場合のユーザ認証画面60bが示されている。また、図7(c)には、指紋によって認証させる場合のユーザ認証画面60cが示されている。
【0052】
PIMロック対象として指定されているアプリケーションを起動させるためには、ユーザ認証を行う必要がある。パスワードによって認証させる場合は、パスワードの入力画面がユーザ認証画面60aとして表示され、画面内の入力ボックス61にパスワードを入力して決定キー62を操作すれば、入力データの照合が行われる。
【0053】
また、顔の撮影画像によって認証させる場合には、撮影画像を画面内の表示エリア63に表示するファインダー画面がユーザ認証画面60bとして出力される。この場合、ファインダー画面を見ながら表示される顔の位置を調整すれば、自動的に照合が行われる。
【0054】
また、指紋によって認証させる場合には、認証方法をグラフィカルに表示する照会画面がユーザ認証画面60cとして表示される。この様なユーザ認証画面60a〜60cの表示状態において、ユーザの認証に成功すれば、PIMロック対象アプリケーションが立ち上げられ、当該アプリケーションの立ち上げに連動させて表示画面の視野角が狭小化される。なお、認証に失敗すれば、認証前の画面に復帰する。
【0055】
図8のステップS101〜S110は、図1の携帯電話機における動作例を示したフローチャートである。まず、プログラム実行部43は、ユーザによる操作入力に基づいてアプリケーションプログラムの起動が指示されると、ユーザ認証部44にユーザ認証が必要であるか否かを問い合わせる(ステップS101)。
【0056】
次に、ユーザ認証部44は、プログラム実行部43からの問い合わせに基づいて認証指定情報を参照し、ユーザによって起動が指示されたアプリケーションプログラムがPIMロック対象であるか否かを判別する(ステップS102,S103)。このとき、上記アプリケーションプログラムがPIMロック対象であれば、ユーザ認証を行い、また、PIMロック対象でなければ、直ちにプログラム起動を許可する。
【0057】
ユーザ認証部44は、ユーザ認証の際、認証に成功すれば、当該アプリケーションプログラムの起動を許可する(ステップS104,S105)。一方、認証に失敗すれば、エラーが出力され、このアプリケーションプログラムの起動処理は終了する(ステップS110)。
【0058】
プログラム実行部43は、プログラム起動が許可されると、許可されたアプリケーションプログラムを立ち上げ、当該アプリケーションプログラムを実行させる(ステップS106)。このとき、視野角制御部46は、立ち上げられたアプリケーションプログラムに応じて視野角制御を行う(ステップS107)。すなわち、上記アプリケーションプログラムがPIMロック対象アプリケーションであれば、狭視野モードに切り替え、PIMロック対象アプリケーションでなければ、広視野モードに切り替える。
【0059】
次に、視野角制御部46は、実行中のアプリケーションプログラムが終了すると、当該アプリケーションプログラムに応じて視野角制御を行う(ステップS108,S109)。すなわち、プログラム実行中が狭視野モードであれば、広視野モードに切り替え、プログラム実行中が広視野モードであれば、その広視野モードが保持される。
【0060】
本実施の形態によれば、PIMロック対象アプリケーションに連動させて視野角が自動的に狭小化されるので、秘匿性の高い画面表示を行うアプリケーションプログラムの起動ごとに視野角を狭小化させるための操作入力を必要とせず、表示画面の視野角を狭小化させる際の操作性を向上することができる。また、PIMロック対象アプリケーションの終了後には、狭視野モードから広視野モードに自動的に切り替えられるので、必要に応じて視野角を狭小化した際の視野角の戻し忘れを防止することができる。
【0061】
さらに、PIMロック対象を指定する認証指定情報に基づいて視野角の狭小化が行われるので、認証指定情報をユーザ認証と視野角制御とで共用して視野角を狭小化させるアプリケーションプログラムを指定することができる。従って、表示画面の視野角を狭小化させる際に、視野角の狭小化のためだけにアプリケーションプログラムを予め指定する必要がなく、利便性を向上させることができる。特に、複数のアプリケーションプログラムについてユーザ認証及び視野角制御の対象をPIMロック対象としてまとめて指定することができるので、視野角を狭小化させるアプリケーションプログラムを指定する際の操作性をさらに向上させることができる。
【0062】
なお、本実施の形態では、狭視野モードへの切り替えがPIMロック対象アプリケーションの立ち上げに基づいて行われる場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、PIMロック対象アプリケーションが立ち上がるよりも前に狭視野モードに切り替えるようなものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態による携帯情報端末装置の一例を示した外観図であり、携帯情報端末装置の一例として携帯電話機1が示されている。
【図2】図1の携帯電話機の要部における構成例を示した断面図であり、A−A線で切断したメインディスプレイ101の様子が示されている。
【図3】図1の携帯電話機による動作例を示した図である。
【図4】図1の携帯電話機における動作例を示した状態遷移図である。
【図5】図1の携帯電話機の内部構成の一例を示したブロック図である。
【図6】図1の携帯電話機における動作例を示した図であり、PIMロック対象選択画面50の様子が示されている。
【図7】図1の携帯電話機における動作例を示した図であり、ユーザ認証画面60a〜60cの様子が示されている。
【図8】図1の携帯電話機における動作例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1 携帯電話機
2 視野角制御用液晶パネル
3 表示用液晶パネル
4 バックライト
5 表示装置
21,31a,31b 偏光板
22a,22b,32a,32b 絶縁性透明基板
23a,23b,33a,33b 透明電極
24,34 液晶
41 操作入力部
42 アプリケーションプログラム記憶部
43 プログラム実行部
44 ユーザ認証部
45 認証指定情報記憶部
46 視野角制御部
100 表示筐体
101 メインディスプレイ
102 サブディスプレイ
103 受話用レシーバ
104 カメラ
105 認証用カメラ
200 操作筐体
201 操作キー
202 送話用マイクロフォン
203 指紋センサー
300 ヒンジ部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面表示を行うアプリケーションプログラムを記憶するアプリケーションプログラム記憶手段と、
上記アプリケーションプログラムの起動時にユーザの認証を行うユーザ認証手段と、
上記ユーザ認証手段によるユーザの認証結果に基づいて上記アプリケーションプログラムを実行するプログラム実行手段と、
表示画面を狭視野角で閲覧させる狭視野モード及び広視野角で閲覧させる広視野モードの切り替えを行い、ユーザの認証に成功した上記アプリケーションプログラムの実行中には狭視野モードとする視野角制御手段とを備えたことを特徴とする携帯情報端末装置。
【請求項2】
上記視野角制御手段は、上記アプリケーションプログラムの立ち上げに基づいて狭視野モードに切り替え、当該アプリケーションプログラムの終了に基づいて広視野モードに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末装置。
【請求項3】
上記アプリケーションプログラムに対応付けて起動時にユーザの認証を行うか否かを指定する認証指定情報を記憶する認証指定情報記憶手段を備え、
上記認証指定情報によりユーザの認証を行うアプリケーションプログラムとして複数のアプリケーションプログラムが指定された場合、当該各アプリケーションプログラムについて実行中には狭視野モードとなることを特徴とする請求項2に記載の携帯情報端末装置。
【請求項4】
上記アプリケーションプログラムに対応付けて起動時にユーザの認証を行うか否かを指定する認証指定情報を記憶する認証指定情報記憶手段を備え、
上記ユーザ認証手段は、上記認証指定情報に基づいてユーザの認証を行い、
上記視野角制御手段は、上記認証指定情報に基づいて狭視野モードに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−318239(P2006−318239A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−140700(P2005−140700)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】