説明

携帯端末

【課題】携帯端末において、その使用が通常時及び非常時の何れであっても副バッテリの予備電力を使用できるようにし、かつ、そのときに必要とされる認証情報も漏洩する虞がないようにすること。
【解決手段】本携帯端末50では、主バッテリ52がローバッテリ状態になった場合に、電力供給制御デバイス82は、入力デバイス68からの認証情報入力を受付けることはもとより、無線通信デバイス66を介した他の端末からの認証情報入力を受付ける。入力デバイス68及び他の端末からの認証情報入力を認証すると、電力供給制御デバイス82は、その内部のスイッチSWをオンして副バッテリ54の使用を可能な状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等の携帯端末に関し、特に蓄電量が時間経過に伴って減少し充電により復帰する電力供給源が内蔵された携帯端末に係る。
【背景技術】
【0002】
周知のように、携帯電話は、小型化及び薄型化に伴って持運びが一層便利になっているため、携帯端末の象徴的な存在として広く社会に認知されている。それゆえ、多くの人が集中する、例えば、映画館、劇場等の公共施設及び電車、バス等の公共交通機関等での携帯電話の使用は、もはや不可避状態となっている。
【0003】
近時、携帯電話においては、上記の公共施設及び公共交通機関等での着信音による迷惑を回避するため、着信時に着信音を鳴らすことなく振動を発生させることによってその旨を報知する、いわゆるマナーモード設定機能を備えたものが一般的になっている。
【0004】
他方、携帯電話は、上記のように持運びに便利である反面、紛失の危険性も少なくはない。例えば、机の引出し、家具と家具との隙間、及び部屋の隅等に置忘れてしまうと、携帯電話を探し出すのに苦労する場合も多々ある。このような場合には、例えば、携帯電話の所有者本人の固定電話又は知人が所有する携帯電話等の他の端末から携帯電話に電話をかけ、着信音によってその場所を確認するのであるが、上記のマナーモードに設定されていると着信音が鳴らないため、紛失した携帯電話を探し出すのが非常に困難となってしまう。
【0005】
そこで、上記の紛失時にマナーモード設定状態にある携帯電話の発見を容易にするための技術が種々提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、紛失した携帯電話に他の電話から電話をかけ、そのときに当該他の電話から所定のキーワードを入力し、この入力キーワードが正しければ、当該紛失側携帯電話のマナーモードが解除され着信音が出力される旨が開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、他の端末からパスワードが記載されたメールを紛失した携帯電話に対して送信し、このメールに記載されたパスワードが当該紛失側携帯電話により認証されれば、マナーモードが解除され着信音が出力される旨が開示されている。
【0008】
上記特許文献1及び2に係る技術では、携帯電話を紛失した際に、バッテリの残量が無くなってしまうと当該携帯電話が機能しなくなり、結果的に紛失した携帯電話を探すことができなくなる。
【0009】
かかる事態に対処するため、例えば、特許文献3にて開示されている携帯電話に予備電池(予備バッテリ)を搭載し、サーバからの特殊電波により予備電源とGPS(Grobal Positioning System)回路とを作動させ、当該携帯電話の位置情報を当該サーバに送信し、それによって紛失した携帯電話を発見できるようにするシステムを利用することも考えられる。
【0010】
【特許文献1】特開2004−282651号公報
【特許文献2】特開2004−328245号公報
【特許文献3】特開2005−86647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、将来的には、上記の携帯電話に搭載した予備電池を、紛失時における携帯電話の位置情報の取得のみに使用するのではなく、通常時にも使用したいとの要求が出てくるものと想定される。
【0012】
しかしながら、上記特許文献3に係る技術では、上記予備電池は紛失時専用の電力供給源にすぎないため、この要求には対応できない。
【0013】
加えて、上記特許文献3に係る技術では、サーバから予備電池を使用する旨を示す信号を送信している(換言すると、携帯電話側ではサーバからの予備電池使用指示信号を受けて予備電池を使用状態にしている)にすぎないゆえ、電話会社のサービスの1つとして実現されるものであって、(1)利用者(携帯電話を紛失した者)自身による電話会社への連絡、(2)電話会社による上記連絡した利用者が携帯電話を使用する正当な権限を有している者か否かを示す契約情報等との照合、及び(3)上記照合の結果として正規契約者と判断されることを条件とした、電話会社からの信号の発信等の手続きが必要となる。
【0014】
このように、人と人とのやり取りが必要であるがゆえに、利用者側から見ると非常に手間がかかり、更には正規の利用者か否かの照合が確実に行なわれない可能性がある。したがって、他人の嫌がらせで勝手に紛失したものとして電話会社に連絡する場合等を想定すると、本人照合の際、個人情報が漏洩し得る。例えば、上記のサーバから提供されるサービスを受けるためには、予備電池を利用する上での認証コードを基本的には声を発して告知することになり、その際に当該認証コードが漏洩する危険性がある。
【0015】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、通常時及び非常時の何れの使用であっても電力供給源の予備的な残余電力を使用できるようにし、かつ、そのときに必要とされる認証情報の漏洩を防止し得る携帯端末の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明は、少なくとも、無線通信デバイス、及び当該無線通信デバイスで受信した信号に応じて出力形態が制御される出力デバイスを備えたデバイス群を含む携帯端末であって、この携帯端末は、蓄電量が時間経過に伴って減少し充電によって復帰する電力供給源であって、デバイス群に対して電力供給可能な電力供給源と、電力供給源の蓄電状態を検出するための蓄電状態検出手段と、利用者に電力供給源からの電力供給を制御する権限があるか否かを認証するための認証情報を記憶するための認証情報記憶手段と、認証情報記憶手段により記憶されている認証情報に基づいて認証情報入力を認証するか否かを決定するための認証手段と、蓄電状態検出手段によって電力供給源の蓄電状態が特定の状態になったことが検出された場合に、認証手段による認証情報入力の認証結果に基づいて、当該電力供給源の予備的な残余電力をデバイス群へ供給可能な状態とするか否かを決定する処理を実行する電力供給制御手段と、をさらに含む。
【0017】
上記構成において、本携帯端末の使用時には、電力供給源の蓄電状態は常に検出される。この電力供給源の蓄電状態が特定の状態になったことが検出された場合には、認証情報入力の認証確認が行なわれる。この認証情報入力の認証結果に基づいて、電力供給源の予備的な残余電力をデバイス群へ供給可能な状態とするか否かが決定される。このように、携帯端末を利用する際に電力供給源の予備的な残余電力を使いたいときには、認証情報の入力(即ち、当該端末の持主本人による認証情報入力による解除)が必要となることから、例えば、営業先に出張してその結果を会社に報告する等で1回の通信(通話又はメール送信)が必要となる場合であっても、電力供給源の蓄電量が少なくなっていることを意識せずに携帯端末を利用できる。
【0018】
ある態様では、電力供給源は、主バッテリ及び副バッテリを含み、蓄電状態検出手段は、主バッテリの電圧を検出し、特定の状態は、主バッテリの電圧がローバッテリ値まで低下した第1の蓄電状態であり、電力供給制御手段は、蓄電状態検出手段によって主バッテリが第1の蓄電状態になったことが検出された場合に、認証手段による認証情報入力の認証がなされることを条件として、デバイス群に対する副バッテリからの電力供給を可能な状態とする処理を実行するための手段を含む。
【0019】
この場合、本携帯端末の使用時には、主バッテリの電圧は常に検出される。この主バッテリの電圧がローバッテリ値まで低下し、当該主バッテリの蓄電状態が第1の蓄電状態になったことが検出された場合には、認証情報入力の認証がなされときに限り、デバイス群に対する副バッテリからの電力供給が可能な状態となる。
【0020】
他の態様では、電力供給源は、単一のバッテリから構成され、蓄電状態検出手段は、単一のバッテリの電圧を検出し、特定の状態は、単一のバッテリの電圧がローバッテリ値よりも高いしきい値まで低下した第2の蓄電状態であり、電力供給制御手段は、蓄電状態検出手段によって単一のバッテリが第2の蓄電状態になったことが検出された場合に、認証手段により認証情報入力の認証がなされると、当該単一のバッテリからのデバイス群への電力供給を継続する一方、認証手段による認証情報入力の認証がなされないと、当該単一のバッテリからのデバイス群への電力供給を遮断する処理を実行するための手段を含む。
【0021】
この場合、本携帯端末の使用時には、単一のバッテリの電圧は常に検出される。この単一のバッテリの電圧がローバッテリ値よりも高いしきい値まで低下し、当該単一のバッテリの蓄電状態が第2の蓄電状態になったことが検出された場合に、認証情報入力の認証がなされたときには、単一のバッテリからのデバイス群への電力供給が継続される。一方、認証情報入力の認証がなされなかったときには、単一のバッテリからのデバイス群への電力供給が遮断される。
【0022】
また、認証手段は、無線通信デバイスを介して他の端末から入力された認証情報を受取り、当該他の端末からの認証情報入力の認証又は非認証の判定をなす処理を実行するための手段を含む。
【0023】
上記構成において、他の端末から入力された認証情報は、無線通信デバイスを介して受取られ、当該他の端末からの認証情報入力の認証又は非認証の判定がなされる。このように、他の端末(外部)からの認証情報の入力を可能とすることで、例えば、「部屋の中で本携帯端末を紛失したが、何処にあるか分らない」又は「昨日、本携帯端末を多く使用したが、持って出るのを忘れたので電力供給源の蓄電量が気になって仕方がない」等の非常時でも、外部から電力供給源の予備的な残余電力の使用を促すことができる。したがって、上記のような非常時においても、電話会社(電話事業者)のサービスに頼らずに対応可能になる。その結果、認証情報が漏洩することはない。
【0024】
さらに、デバイス群は、認証情報を入力するための入力デバイスをさらに備え、認証手段は、入力デバイスによって入力された認証情報を受取り、当該入力デバイスからの認証情報入力の認証又は非認証の判定をなす処理を実行するための手段をさらに含む。
【0025】
上記構成において、入力デバイスによって認証情報が入力された場合には、当該入力デバイスからの認証情報入力の認証又は非認証の判定がなされる。このように、本携帯端末上での認証情報入力を可能とすることで、例えば、「通常使用時に電力供給源の蓄電量が低減したが、充電器を所持していないので充電できない」等のような場合でも、当該携帯端末の入力デバイスの操作による認証情報入力を契機に電力供給源の予備的な残余電力の使用が可能となるので、上記のような場合でも対応可能になる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、携帯端末の使用が通常時及び非常時の何れの使用であっても電力供給源の予備的な残余電力を使用できるようになり、かつ、そのときに必要とされる認証情報も漏洩する虞がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明及び本明細書に添付の図面では、同一の機能部品には同一の参照符号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。したがって、それらについて詳細な説明は繰返さないことにする。
【0028】
[第1の実施の形態]
<携帯端末50のハードウェア構成>
図1は本発明の第1の実施の形態に係る携帯端末50の構成を示すブロック図である。
【0029】
図1を参照して、第1の実施の形態に係る携帯端末50は、携帯電話であって、主バッテリ52と、副バッテリ54と、これら主バッテリ52及び副バッテリ54のうちの何れか一方又は双方から電力供給を受けて動作する通信制御ブロック56、電力供給制御ブロック58及び非常用着信音記憶ブロック60とを含む。
【0030】
主バッテリ52及び副バッテリ54の両者は、蓄電量が時間経過に伴って減少し充電によって復帰する電池である。主バッテリ52は、その内部にローバッテリ検出部52Aを備えている。このローバッテリ検出部52Aは、主バッテリ52の電圧の変化を監視し、当該主バッテリ52の電圧値がローバッテリ値になったことを検出するためのものである。他方、副バッテリ54は、本携帯端末50の予備電池として機能するバッテリである。
【0031】
通信制御ブロック56は、主バッテリ52及び副バッテリ54の両者の第1の電力供給負荷であって、通信制御デバイス62、通信関連情報記憶デバイス64、無線通信デバイス66、入力デバイス68、タイマ70、スピーカ72、発光デバイス74、表示デバイス76、バイブレータ78及びマイク80を含む。
【0032】
通信制御デバイス62は、本携帯端末50の通信に関する制御中枢を司るマイクロコンピュータであって、特に図示しないが、CPU(Central Proccessing Unit)、ROM(Read−only Memory)及びRAM(Ramdom Access Memory)等を備えている。本携帯端末50では、通信制御デバイス62内のROMに他の端末との間での通信制御に関するプログラムが格納されている。
【0033】
通信関連情報記憶デバイス64は、不揮発性を有するメモリであって、通信制御デバイス62のワーキングメモリとして機能する。それゆえ、この通信関連情報記憶デバイス64には、通信制御デバイス62によってデータの読出し及び書込みが随時に行なわれる、各種端末状態記憶領域64A及び着信音データ記憶領域64B等の種々の記憶領域が形成されている。特に、各種端末状態記憶領域64Aには、マナーモード設定状態及びドライブモード設定状態等の本携帯端末50の各種の稼動設定状態を示すデータが格納されている。着信音データ記憶領域64Bには、携帯電話製造会社側で予め用意されたオリジナル着信音データ、及びダウンロードにより取得されたダウンロード着信音データ等の種々の着信音データが格納されている。
【0034】
無線通信デバイス66は、図外の他の端末との間で通信を行なう際に作動されるものであって、アンテナ、RF(Radio Frenquency)部、変調部及び復調部(何れも図示せず)等を備えている。無線通信デバイス66に関係する制御データは、通信制御デバイス62から出力される。他方、無線通信デバイス66により受信されたデータは、通信制御デバイス62に入力される。
【0035】
ここで、本実施の形態においては、上記他の端末としては、固定電話及び携帯電話はもとより、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ及びPDA(Personal Digital Assistans)等の通話通信機能を有していない情報端末も含まれる。
【0036】
入力デバイス68は、各種の入力キー、各種の入力ボタン及びこれらのコントローラ(何れも図示せず)等を備えている。各種の入力キーとしては、電話番号、メールアドレス等のアクセスコード及び文字入力等のデータを入力する際に使用されるテンキー、及びその中央部に確定ボタンを有する十字キー等を例示することができる。他方、各種の入力ボタンとしては、通話を開始する際に使用される通話開始ボタン、通話を切断する際に使用される切断ボタン、通信モードとして通話を選択する際に操作される通話ボタン、及び通信モードとしてメール通信を選択する際に操作されるメールボタンなどを例示することができる。入力デバイス68によって入力されたデータは、通信制御デバイス62に入力される。
【0037】
タイマ70は、現在時刻及び通話時間等を計測するものであって、このタイマ70からの計時データは、通信制御デバイス62に出力される。
【0038】
スピーカ72は、着信音(非常用着信音を含む)及び通話相手先の音声等を出力するものであって、このスピーカ72に関係する制御データは、通信制御デバイス62から出力される。
【0039】
発光デバイス74は、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子(図示せず)を含み、この発光デバイス74に関係する制御データは、通信制御デバイス62から出力される。
【0040】
表示デバイス76は、ディスプレイ及びディスプレイコントローラ(何れも図示せず)等を備えている。この表示デバイス76に関係する制御データは、通信制御デバイス62から出力される。なお、上記十字キーを操作すると、カーソルは表示デバイス76のディスプレイ上で上下左右に移動する。
【0041】
バイブレータ78は、主として、本携帯端末50がマナーモード設定状態とされている場合に、他の端末からの着信時に本携帯端末本体に振動を与えてその旨を報知するためのものであって、このバイブレータ78に関係する制御データは、通信制御デバイス62から出力される。
【0042】
マイク80は、他の端末との間で通話を行なう際に音声を入力するためのものであって、このマイク80からの音声データは、通信制御デバイス62に入力される。
【0043】
電力供給制御ブロック58は、主バッテリ52及び副バッテリ54の両者の第2の電力供給負荷であって、電力供給制御デバイス82を含む。
【0044】
電力供給制御デバイス82は、本携帯端末50の電力供給に関する制御中枢を司るマイクロコンピュータであって、スイッチSWに加えて、CPU、ROM及びRAM(何れも図示せず)等を備えている。この電力供給制御デバイス82内のRAMには、認証情報記憶領域84が形成されており、この認証情報記憶領域84は、パスワード記憶部84A及び解除専用端末ID記憶部84Bを備えている。パスワード記憶部84Aには、副バッテリ54を使用可能な状態とする際、及び本携帯端末50を紛失した状態を解除する際に、利用者がこれらの権限を有しているか否かを認証するためのパスワードが格納される。他方、解除専用端末ID記憶部84Bには、利用者が上記の認証を解除するために指定した他の端末を一意に識別するための識別情報として当該認証解除専用端末固有のID(Identification Number)が格納される。認証解除専用端末として、固定電話及び携帯電話といった通話通信機能を有する端末が指定された場合には、その電話番号が認証解除専用端末IDとされる。他方、認証解除専用端末として、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ及びPDA等の通話通信機能を有さない端末が指定された場合には、そのプロダクトID及びユーザーID等の電話番号と異なるIDが認証解除専用端末IDとされる。また、本携帯端末50では、電力供給制御デバイス82内のROMに主バッテリ52及び副バッテリ54の両者からの電力供給制御に関するプログラムが格納されている。
【0045】
上記電力供給制御デバイス82にも、上記の主バッテリ52内のローバッテリ検出部52Aからのローバッテリ検出データ、無線通信デバイス66からの受信データ、入力デバイス68からの入力データ、及びタイマ70からの計時データが入力される。他方、上記電力供給制御デバイス82からは、スピーカ72、発光デバイス74及び表示デバイス76の各々に対して制御データが出力される。
【0046】
非常用着信音記憶ブロック60は、主バッテリ52及び副バッテリ54の両者の第3の電力供給負荷であって、非常用着信音記憶デバイス86を含んでいる。
【0047】
非常用着信音記憶デバイス86は、EEPROM(Electrical Erasable Programmable ROM)等の不揮発性フラッシュメモリから成り、この非常用着信音記憶デバイス86には、本携帯端末50を紛失した際にその位置を知らせる特定の音としての非常用着信音が格納されている。
【0048】
本実施の形態では、電力供給ラインとしては、主バッテリ52から通信制御ブロック56、電力供給制御ブロック58及び非常用着信音記憶ブロック60の三者に向かって延びる主電力供給ラインLMと、副バッテリ54から延び、かつ上記の電力供給制御デバイス82内のスイッチSWを介して当該電力供給制御デバイス82内で主電力供給ラインLMに接続する副電力供給ラインLSとの2系統がある。主バッテリ52の電力は、主電力供給ラインLMを介して、通信制御ブロック56、電力供給制御ブロック58及び非常用着信音記憶ブロック60にそれぞれ供給される。これに対して、副バッテリ54の電力は、上記スイッチSWが常開スイッチであるがゆえに、当該スイッチSWがオンされない限り、通信制御ブロック56及び非常用着信音記憶ブロック60の両者には供給されることはない。すなわち、スイッチSWがオンされると、副バッテリ54の電力は、副電力供給ラインLS及び主電力供給ラインLMを経由して、通信制御ブロック56及び非常用着信音記憶ブロック60にそれぞれ供給される。
【0049】
<携帯端末50のソフトウェア構成>
本携帯端末50においては、通常時及び非常時の何れの使用においても、主バッテリ52がローバッテリ状態になった場合に、認証情報入力の認証がなされることを条件として、通信制御ブロック56及び非常用着信音記憶ブロック60の両者に対する副バッテリ54からの電力供給を可能な状態とするようにプログラミングされている。このプログラムは、既に述べたように、電力供給制御デバイス82内のROMに記憶されており、以下に説明する本携帯端末50の特徴的な機能を実現する。これらの機能は、上記の実質的にコンピュータから成る電力供給制御デバイス82が上記プログラムに含まれている種々の手順に従って処理を実行することによって実現される。
【0050】
認証情報としての上記のパスワード及び認証解除専用端末IDは、例えば、本携帯端末50の初期設定時等に入力されて上記の電力供給制御デバイス82内のRAMに形成された認証情報記憶領域84のパスワード記憶部84A及び解除専用端末ID記憶部84Bにそれぞれ格納されている。
【0051】
また、主バッテリ52の電圧は、本携帯端末50の電源がオンされることを契機として、当該主バッテリ52内のローバッテリ検出部52Aにより監視され、このローバッテリ検出部52Aが主バッテリ52の電圧値がローバッテリ値まで低下したことを検出すると、そのローバッテリ検出データは電力供給制御デバイス82に与えられる。
【0052】
図2〜図4は携帯端末50の機能を実現するプログラムに係るメインルーチンの制御の流れを示すフローチャートである。なお、本携帯端末50は、主バッテリ52及び副バッテリ54が装着され、かつ電源が投入されたときに励起する。このとき、電力供給制御デバイス82内のスイッチSWはオフ状態で、副バッテリ54が未使用状態に初期設定されている。
【0053】
図2を参照して、まず、本携帯端末50の電力供給制御デバイス82は、主バッテリ52がローバッテリ状態か否かを判別する(ステップS100)。主バッテリ52の電圧値がローバッテリ値まで低下し、その旨を示す検出データが当該主バッテリ52内のローバッテリ検出部52Aから入力された場合には、電力供給制御デバイス82は、主バッテリ52がローバッテリ状態になったと判断して、その旨を通知すると共に、表示デバイス76のディスプレイ上にパスワード入力誘導画面を表示させる(ステップS102及びS104)。上記ローバッテリ状態の通知態様としては、発光デバイス74を赤色、緑色、青色若しくは七色等の発光状態又は点滅状態とする態様、バイブレータ78により振動を発生させる態様、及びスピーカ72から警告音を出力する態様、並びにこれらを複合させた態様等が挙げられる。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS106及びS108に移す。
【0054】
他方、主バッテリ52が上記のローバッテリ状態でないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、第1の紛失状態解除処理に備える(ステップS110)。この第1の紛失状態解除処理については、後で詳しく説明する。
【0055】
ステップS106及びS108に移行すると、電力供給制御デバイス82は、所定時間が経過するまでに入力デバイス68のキー操作によってパスワードが入力されるのを待つ。所定時間が経過するまでにパスワードが入力された場合には、電力供給制御デバイス82は、このパスワード入力が当該電力供給制御デバイス82内のパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードと一致するか否かを判別する(ステップS114)。両者のパスワードが一致したときには、電力供給制御デバイス82は、上記のパスワード入力を認証して、当該電力供給制御デバイス82内のスイッチSWをオンする(ステップS116)。これにより、副バッテリ54から延びる副電力供給ラインLSと主バッテリ52から延びる主電力供給ラインLMとが通電し、副バッテリ54から通信制御ブロック56及び非常用着信音記憶ブロック60の両者に対する電力供給が可能な状態となる。その後、電力供給制御デバイス82は、第2の紛失状態解除処理に備える(ステップS118)。この第2の紛失解除処理については、後で詳しく説明する。他方、所定時間が経過するまでにパスワード入力がない場合、又はパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、他の端末からのアクセスを待つ(ステップS112)。無線通信デバイス66から受信データが入力された場合には、電力供給制御デバイス82は、他の端末からのアクセスがあったと判断し、制御をステップS120(図3参照)に移す。
【0056】
図3を参照して、他の端末からのアクセスがあってステップS120に移行すると、電力供給制御デバイス82は、アクセスのあった他の端末が認証解除専用端末(以下、単に「解除専用端末」という)であるか否かを判別する。この判別は、他の端末からのアクセス信号に重畳された当該アクセス端末固有の端末IDと上記の電力供給制御デバイス82内の解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている認証解除専用端末ID(以下、単に「解除専用端末ID」という)とを比較し、両者が一致するか否かによって達成される。解除専用端末IDが一致して、上記アクセス端末としての他の端末が解除専用端末であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS130(図4参照)に移す。他方、端末IDが一致せずに、上記アクセス端末としての他の端末が解除専用端末でないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS122及びS124に移す。
【0057】
ステップS122及びS124に移行すると、電力供給制御デバイス82は、他の端末からの着信態様を判別する。着信態様が通話着信であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS112(図2参照)に戻す。このとき、上記スイッチSWのオフ状態が維持されるゆえ、副バッテリ54の使用は不可能な状態となっている。他方、着信態様がメール受信であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、受信メールがパスワード記載のメールか否かを判別する(ステップS126)。パスワード付きメールである場合には、電力供給制御デバイス82は、当該メールに記載されたパスワードが自身のパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードと一致するか否かを判別する(ステップS128)。このとき、両者が一致すると、電力供給制御デバイス82は、メールでのパスワード入力を認証して、制御をステップS116(図2参照)に移し、このステップS116において、その内部のスイッチSWをオンする。これによって、副バッテリ54が使用可能な状態となる。これに対し、上記の受信メールが通常のメールである場合、又は上記のメールによるパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS112(図2参照)に戻す。したがって、上記スイッチSWはオフされたままで、副バッテリ54の使用することができない状態が続くことになる。
【0058】
図4を参照して、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であってステップS130に移行すると、電力供給制御デバイス82は、当該解除専用端末である他の端末が通話通信機能(以下、単に「通話機能」という)を有するか否かを判別する。この判別は、上記の電力供給制御デバイス82内の解除専用端末ID記憶部84Bに解除専用端末固有の端末IDとして電話番号が登録されているか否かにより達成される。すなわち、解除専用端末IDとして上記の電話番号が登録されていると、解除専用端末が固定電話又は携帯電話であって通話機能を有していることになる一方、解除専用端末として上記の電話番号と異なるIDが登録されていると、解除専用端末がデスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ又はPDA等であって通話機能を有していないことになる。解除専用端末が通話機能を有していない場合には、電力供給制御デバイス82は、自身の解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとり(ステップS144)、その後、制御をステップS116(図2参照)に移し、このステップS116において、スイッチSWをオンする。その結果、副バッテリ54が使用可能状態となる。他方、解除専用端末が通話機能を有している場合には、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であるか否かを判別する(ステップS132)。このとき、着信態様が通話着信でないと、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS124〜S128(図2参照)に戻す。これらステップS124〜S128において、電力供給制御デバイス82は、上記のメールでのパスワード入力が認証されることを条件として、上記スイッチSWをオンとして副バッテリ54の使用を可能とする(図2に示すステップS116)。この条件を満たさない場合には、上記スイッチSWのオフ状態が維持されるので、副バッテリ54の使用はできない。これに対し、着信態様が通話着信であると、電力供給制御デバイス82は、所定時間が経過するまでに本携帯端末50がオフフック状態に遷移するか否かを判別する(ステップS134及びS146)。この制御は、利用者の通話操作により、通信制御デバイス62側で通話可能状態となる場合を想定した制御である。所定時間が経過するまでに本携帯端末50がオフフック状態に遷移した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS112(図2参照)に戻す。この場合も、上記スイッチSWはオンされないので、副バッテリ54の使用は不可能である。逆に、所定時間が経過しても本携帯端末50がオフフック状態に遷移しない場合には、電力供給制御デバイス82は、オフフック処理を行ない、それによって上記解除専用端末との通話接続を図り(ステップS136)、その後、制御をステップS138及びS140に移す。
【0059】
ステップS138及びS140に移行すると、電力供給制御デバイス82は、所定時間が経過するまでに上記の通話機能を有する解除専用端末側からパスワードが入力されるのを待つ。この解除専用端末側からのパスワード入力態様としては、例えば、当該解除専用端末側でパスワードを音声にて入力する態様、及び当該解除専用端末側でパスワードをダイヤル操作(キー操作及びボタン操作を含む概念である)にて入力する態様等を挙げることができる。所定時間が経過するまでに解除専用端末側からのパスワード入力がない場合には、電力供給制御デバイス82は、オンフック処理を行ない、それによって当該解除専用端末との通話を切断する(ステップS142)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS112(図2参照)に戻すので、副バッテリ54を使用することはできない。他方、所定時間が経過するまでに解除専用端末からのパスワード入力があった場合には、電力供給制御デバイス82は、オンフック処理を行ない、それによって当該解除専用端末との通話を切断する(ステップS148)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS128(図3参照)に移し、このステップS128において、上記解除専用端末から入力されたパスワードがパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードと一致するか否かを判別する。このとき、両者が一致すると、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末からのパスワード入力を認証して、制御をステップS116(図2参照)に移し、このステップS116において、スイッチSWをオンして副バッテリ54を使用可能状態とする。これに対し、解除専用端末からのパスワード入力がない場合、又は解除専用端末からのパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS100(図2参照)に戻すので、上記スイッチSWはオフされたままで、副バッテリ54の使用することができない状態が続く。
【0060】
(第1の紛失状態解除処理)
図5及び図6は携帯端末50の機能を実現するプログラムの第1のサブルーチンである第1の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。なお、これらの図に示したサブルーチンは、通常使用時において上記のスイッチSWのオフ状態が維持され副バッテリ54の使用が不可能になっている場合の本携帯端末50の紛失状態を解除するためのものである。
【0061】
図5を参照して、第1の紛失状態解除処理では、まず、本携帯端末50の電力供給制御デバイス82は、他の端末からのアクセスがあることを条件として(ステップS200においてYES)、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であるか否かを判別する(ステップS202)。それ以外の場合(ステップS200においてNO)には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS100(図2参照)に戻して主バッテリ52の状態を判別する。
【0062】
ステップS202において、電力供給制御デバイス82は、他の端末からのアクセス信号に重畳された当該アクセス端末固有の端末IDと自身の解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとを比較することによって、この判別を実行する。解除専用端末IDが一致して、上記アクセス端末としての他の端末が解除専用端末であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS216(図6参照)に移す。他方、解除専用端末IDが一致せずに、上記アクセス端末としての他の端末が解除専用端末でないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS204〜S208に移す。
【0063】
ステップS204〜S208に移行すると、電力供給制御デバイス82は、他の端末からの着信態様がメール受信であると判別し、かつ、その受信メールが上記のパスワード付きメールである場合に限って、当該メールに記載されたパスワードがパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードと一致するか否かを判別する(ステップS210)。このとき、両者が一致すると、電力供給制御デバイス82は、メールでのパスワード入力を認証して、その内部のスイッチSWをオンすることによって副バッテリ54を使用可能状態とする(ステップS212)。これは、本携帯端末50を紛失している間に主バッテリ52がローバッテリ状態となっている場合に備えるための制御である。それゆえ、上記ステップS204〜S212における一連の処理は、本携帯端末50の紛失時に主バッテリ52の蓄電量が少なくなっているときに有効となる。その後、電力供給制御デバイス82は、非常用着信音記憶デバイス86に記憶されている非常用着信音を読出し、この読出した非常用着信音をスピーカ72から出力させる(ステップS214)。このとき、本携帯端末50がマナーモード設定状態にある場合には、マナーモード設定状態を解除した後に上記非常用着信音を出力する、又はマナーモード設定状態とは無関係に上記非常用着信音を強制的に出力しても構わない。なお、着信態様が通話着信である場合、受信メールが通常メールである場合、及び上記のメールによるパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS100(図2参照)に戻す。すなわち、このような場合には、上記スイッチSWのオフ状態は維持されたままであり、副バッテリ54を使用することはできない。
【0064】
図6を参照して、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であってステップS216に移行すると、電力供給制御デバイス82は、当該解除専用端末である他の端末が通話機能を有するか否かを判別する。具体的には、電力供給制御デバイス82は、自身の解除専用端末ID記憶部84Bに解除専用端末固有の端末IDとして電話番号及び電話番号と異なるIDのうち何れが登録されているかを確認することによって、この判別を実行する。すなわち、上述したように、解除専用端末IDとして上記の電話番号が登録されていると、解除専用端末が固定電話又は携帯電話であって通話機能を有していることになる一方、解除専用端末IDとして上記の電話番号と異なるIDが登録されていると、解除専用端末がデスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ又はPDA等であって通話機能を有していないことになる。
【0065】
解除専用端末が通話機能を有していない場合には、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとる(ステップS230)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS212及びS214(図5参照)に移し、これらステップS212及びS214において、その内部のスイッチSWをオンして副バッテリ54を使用可能状態とすると共に、上記の非常用着信音をスピーカ72から出力させる。
【0066】
他方、解除専用端末が通話機能を有している場合には、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後において所定時間が経過するまでに当該解除専用端末側からパスワード入力があったときに限って、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう(ステップS218〜S228並びにS232及びS234)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS210(図5参照)に移す。このステップS210において、電力供給制御デバイス82は、上記解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、制御を図5に示すステップS212及びS214に移し、これらステップS212及びS214において、スイッチSWをオンして副バッテリ54を使用可能状態とすると共に、上記の非常用着信音をスピーカ72から出力させる。これに対し、着信態様が通話着信でないときには、電力供給制御デバイス82は、制御を上記のステップS206〜S214に移す。なお、この一連の制御に関しての説明は繰返さない。また、通話着信後において所定時間が経過するまでにオフフック状態に遷移した場合、及びステップS222でオフフックした後において所定時間が経過するまでに上記の解除専用端末側からのパスワード入力がない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS100(図2参照)に戻す。この状態においては、上記スイッチSWのオフ状態は維持されたままであり、副バッテリ54を使用することはできない。
【0067】
(第2の紛失状態解除処理)
図7及び図8は携帯端末50の機能を実現するプログラムの第2のサブルーチンである第2の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。なお、これらの図に示したサブルーチンは、通常使用時において上記のスイッチSWがオンされ副バッテリ54の使用が可能になっている場合の本携帯端末50の紛失状態を解除するためのものである。
【0068】
図7を参照して、第2の紛失状態解除処理では、まず、本携帯端末50の電力供給制御デバイス82は、他の端末からのアクセスを待つ(ステップS300)。この間に、他の端末からのアクセスがあると、電力供給制御デバイス82は、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であるか否かを判別する(ステップS302)。なお、この判別メカニズムについては、上記の第1の紛失状態解除処理におけるステップS202による判別メカニズムと同様であるので、その説明は繰返さない。上記他の端末が解除専用端末であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS314(図8参照)に移す。他方、上記他の端末が解除専用端末でないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS304〜S308に移す。
【0069】
ステップS304〜S308に移行すると、電力供給制御デバイス82は、他の端末からの着信態様がメール受信であると判別し、かつ、その受信メールが上記のパスワード付きメールである場合に限って、当該メールに記載されたパスワードが自身のパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードと一致するか否かを判別する(ステップS310)。このとき、両者が一致すると、電力供給制御デバイス82は、メールでのパスワード入力を認証して、非常用着信音記憶デバイス86に記憶されている非常用着信音を読出し、この読出した非常用着信音をスピーカ72から出力させる(ステップS312)。なお、着信態様が通話着信である場合、受信メールが通常メールである場合、及び上記のメールによるパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS300に戻すので、上記の非常用着信音は出力されない。
【0070】
図8を参照して、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であってステップS314に移行すると、電力供給制御デバイス82は、当該解除専用端末である他の端末が通話機能を有するか否かを判別する。なお、この判別メカニズムについては、上記の第1の紛失状態解除処理におけるステップS216による判別メカニズムと同様である。
【0071】
上記の解除専用端末が通話機能を有していないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、自身の解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとり(ステップS328)、その後、制御をステップS312(図7参照)に移す。このステップS312において、上記の非常用着信音をスピーカ72から出力させる。
【0072】
上記の解除専用端末が通話機能を有していると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後において所定時間が経過するまでに当該解除専用端末側からパスワード入力があったときに限って、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう(ステップS316〜S326並びにS330及びS332)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS310及びS312(図7参照)に移し、これらステップS310及びS312において、上記解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、非常用着信音をスピーカ72から出力させる。これに対し、着信態様が通話着信でない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御を上記のステップS306〜S312に移す。なお、この一連の制御に関しての説明は繰返さない。また、通話着信後において所定時間が経過するまでにオフフック状態に遷移した場合、及びステップS320でオフフックした後において所定時間が経過するまでに上記の解除専用端末側からのパスワード入力がない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS300に戻す。よって、上記の非常用着信音は出力されない。
【0073】
<動作>
本実施の形態では、携帯端末50は以下のように動作する。
【0074】
(本携帯端末50の通常使用時の動作)
主バッテリ52の電圧値がローバッテリ値まで低下し、その旨を示す検出データが当該主バッテリ52内のローバッテリ検出部52Aから入力された場合には、電力供給制御デバイス82は、主バッテリ52がローバッテリ状態になったと判断して、その旨を通知すると共に、表示デバイス76のディスプレイ上にパスワード入力誘導画面を表示させる。他方、主バッテリ52が上記のローバッテリ状態になるまでの間は、電力供給制御デバイス82は、第1の紛失状態解除処理に備える。
【0075】
上記のローバッテリ通知及びパスワード入力誘導画面表示がなされると、電力供給制御デバイス82は、所定時間が経過するまでに入力デバイス68の操作によってパスワードが入力されるのを待つ。所定時間が経過するまでにパスワードが入力された場合には、電力供給制御デバイス82は、この入力されたパスワードとパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードとを照合する。この照合の結果、両者のパスワードが一致したときには、電力供給制御デバイス82は、上記のパスワード入力を認証し、その内部のスイッチSWをオンする。これにより、副バッテリ54から通信制御ブロック56及び非常用着信音記憶ブロック60の両者に対する電力供給が可能な状態となる。その後、電力供給制御デバイス82は、第2の紛失状態解除処理に備える。他方、入力デバイス68によるパスワード入力の認証がなされない場合(当該パスワード入力がない場合も含む)には、電力供給制御デバイス82は、上記スイッチSWのオフ状態を継続して副バッテリ54の使用が不可能な状態を維持する。
【0076】
上記のパスワード入力の認証がなされない場合は、電力供給制御デバイス82は、他の端末からのアクセスを待つ。無線通信デバイス66から受信データが入力された場合には、電力供給制御デバイス82は、他の端末からアクセスがあったと判断し、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であるか否かを判別する。
【0077】
上記他の端末が解除専用端末でなく、着信態様がメール受信であり、受信メールがパスワード付きメールであれば、電力供給制御デバイス82は、当該メールに記載されたパスワードと自身のパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードとを照合する。この照合の結果、両者が一致したときには、電力供給制御デバイス82は、メールでのパスワード入力を認証し、スイッチSWをオンする。これによって、副バッテリ54が使用可能な状態となる。これに対し、受信メールが通常のメールである場合、又は上記メールによるパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、上記スイッチSWのオフ状態を継続して副バッテリ54の使用不可能状態を維持する。
【0078】
他方、上記他の端末が解除専用端末であり、通話機能を有していない場合には、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとった後、その内部のスイッチSWをオンする。その結果、副バッテリ54が使用可能状態となる。これに対し、解除専用端末が通話機能を有している場合には、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であり、所定時間が経過するまでに当該通話機能を有する解除専用端末側からパスワードが入力されたときには、オンフック処理を行ない、それによって当該解除専用端末との通話を切断する。その後、解除専用端末から入力されたパスワードとパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードとが一致した場合には、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末からのパスワード入力を認証し、スイッチSWをオンすることによって副バッテリ54を使用可能状態とする。これに対し、解除専用端末からのパスワード入力の認証がなされない場合(当該パスワード入力がない場合も含む)等には、電力供給制御デバイス82は、上記スイッチSWのオフ状態を継続して副バッテリ54の使用不可能状態を維持する。
【0079】
(本携帯端末50の第1の紛失状態解除時の動作)
上記の第1の紛失状態解除処理とは、通常使用時において上記のスイッチSWのオフ状態が維持され副バッテリ54の使用が不可能になっている場合の本携帯端末50の紛失状態を解除するための処理である。
【0080】
この第1の紛失状態解除処理では、電力供給制御デバイス82は、他の端末からのアクセスがあり、このアクセスのあった他の端末が解除専用端末でなく、他の端末からの着信態様がメール受信であり、かつ、その受信メールが上記のパスワード付きメールであるときに限って、当該メールによるパスワード入力に対する認証又は非認証の判断を行なう。このとき、メールでのパスワード入力を認証すると、電力供給制御デバイス82は、スイッチSWをオンすることによって副バッテリ54を使用可能状態とする。これは、上述したように、本携帯端末50を紛失している間に主バッテリ52がローバッテリ状態となっている場合に備えるための制御である。その後、電力供給制御デバイス82は、非常用着信音記憶デバイス86に記憶されている非常用着信音を読出し、この読出した非常用着信音をスピーカ72から出力させる。これに対し、着信態様が通話着信である場合、受信メールが通常メールである場合、及び上記のメールによるパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、上記スイッチSWのオフ状態を維持したまま、副バッテリ54を使用することができない状態を続ける。
【0081】
他方、上記他の端末が解除専用端末であり、通話機能を有していないと、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとった後、スイッチSWをオンして副バッテリ54を使用可能状態とすると共に、非常用着信音をスピーカ72から出力させる。これに対し、解除専用端末が通話機能を有していると、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後において所定時間が経過するまでに当該解除専用端末側からパスワード入力があったときに限って、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう。その後、電力供給制御デバイス82は、上記解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、スイッチSWをオンして副バッテリ54を使用可能状態とすると共に、上記の非常用着信音をスピーカ72から出力させる。なお、通話着信後において解除専用端末側からのパスワード入力の認証がなされない場合(当該パスワード入力がない場合も含む)には、電力供給制御デバイス82は、上記スイッチSWのオフ状態を維持して副バッテリ54を使用することができない状態とすると共に、上記の非常用着信音を出力させない。
【0082】
(本携帯端末50の第2の紛失状態解除時の動作)
上記の第2の紛失状態解除処理は、通常使用時において上記のスイッチSWがオンされ副バッテリ54の使用が可能になっている場合の本携帯端末50の紛失状態を解除する処理である。
【0083】
この第2の紛失状態解除処理では、電力供給制御デバイス82は、他の端末からのアクセスがあり、この他の端末が解除専用端末でなく、着信態様がメール受信であり、かつ、その受信メールが上記のパスワード付きメールであるときに限って、当該メールによるパスワード入力に対する認証判断を行なう。このとき、メールでのパスワード入力を認証すると、電力供給制御デバイス82は、非常用着信音記憶デバイス86に記憶されている非常用着信音を読出し、この読出した非常用着信音をスピーカ72から出力させる。
【0084】
他方、上記アクセス端末としての他の端末が解除専用端末であり、通話機能を有していないと、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとった後、非常用着信音をスピーカ72から出力させる。これに対し、解除専用端末が通話機能を有していると、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後において所定時間が経過するまでに当該解除専用端末側からパスワード入力があったときに限って、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう。その後、電力供給制御デバイス82は、上記解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、上記の非常用着信音をスピーカ72から出力させる。なお、解除専用端末側からのパスワード入力の認証がなされない場合(当該パスワード入力がない場合も含む)等には、電力供給制御デバイス82は、非常用着信音を出力させない。
【0085】
<作用・効果>
本携帯端末50の使用時には、主バッテリ52の蓄電状態は常に検出される。この主バッテリ52の蓄電状態がローバッテリ状態になったことが検出された場合には、認証情報入力の認証確認が行なわれ、この認証情報入力の認証結果に基づいて、副バッテリ54の電力を通信制御ブロック56及び非常用着信音記憶ブロック60の両者へ供給可能な状態とするか否かが決定される。このように、携帯端末50を利用する際に副バッテリ54の電力を使いたいときには、認証情報の入力(即ち、当該端末の持主本人による認証情報入力による解除)が必要となることから、例えば、営業先に出張してその結果を会社に報告する等で1回の通信(通話又はメール送信)が必要となる場合であっても、主バッテリ52の蓄電量が少なくなっていることを意識せずに携帯端末50を利用できる。
【0086】
他の端末から入力された認証情報は、無線通信デバイス66を介して受取られ、当該他の端末からの認証情報入力の認証又は非認証の判断がなされる。このように、他の端末(外部)からの認証情報の入力を可能とすることで、例えば、「部屋の中で本携帯端末50を紛失したが、何処にあるか分らない」又は「昨日、本携帯端末50を多く使用したが、持って出るのを忘れたので主バッテリ52の蓄電量が気になって仕方がない」等の非常時でも、外部から副バッテリ54の電力の使用を促すことができる。よって、上記のような非常時においても、電話会社(電話事業者)のサービスに頼らずに対応可能になる。その結果、認証情報が漏洩することはない。
【0087】
入力デバイス68の操作によって認証情報が入力された場合にも、当該入力デバイス68からの認証情報入力の認証又は非認証の判断がなされる。このように、本携帯端末50上での認証情報入力を可能とすることで、例えば、「通常使用時に主バッテリ52の蓄電量が低減したが、充電器を所持していないので充電できない」等のような場合でも、当該携帯端末50の入力デバイス68の操作による認証情報入力を契機に副バッテリ54の電力の使用が可能となるので、上記のような場合でも対応可能になる。
【0088】
したがって、本実施の形態によると、携帯端末50の使用が通常時及び非常時の何れの使用であっても副バッテリ54の予備電力を使用できるようなり、かつ、そのときに必要とされる認証情報も漏洩する虞がない。
【0089】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態の特徴は、認証情報入力の認証がなされた場合に、電力供給制御デバイス82内部の第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2が同時にオンし、それによって副バッテリ54からの通信制御ブロック56及び非常用着信音記憶ブロック60の両者に対する電力供給が可能な状態となる点にあり、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0090】
<携帯端末100のハードウェア構成>
図9は本発明の第2の実施の形態の携帯端末100の構成を示すブロック図である。
【0091】
図9を参照して、本実施の形態に係る携帯端末100では、副バッテリ54から延びる副電力供給ラインLSは、電力供給制御デバイス82内において、上記電力供給制御デバイス82の内部に備えられた第1のスイッチSW1を介して上記の主電力供給ラインLMに接続されている。また、上記の主電力供給ラインLMのうち非常用着信音記憶ブロック60に向かって分岐する分岐ライン部LM1は、電力供給制御デバイス82内において、上記電力供給制御デバイス82の内部に備えられた第2のスイッチSW2を介して上記の主電力供給ラインLMの幹線ライン部LM2に接続されている。
【0092】
第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2は、共に常開スイッチである。それゆえ、主バッテリ52の電力は、第2のスイッチSW2がオンされない限り、非常用着信音記憶ブロック60には供給されない。他方、副バッテリ54の電力は、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2が共にオンされない限り、通信制御ブロック56及び非常用着信音記憶ブロック60の両者には供給されない。
【0093】
<携帯端末100のソフトウェア構成>
本携帯端末50においては、通常時及び非常時の何れの使用においても、主バッテリ52がローバッテリ状態になった場合に、認証情報入力の認証がなされることを条件として、上記のスイッチSW1,SW2を同時にオンし、それによって通信制御ブロック56及び非常用着信音記憶ブロック60の両者に対する副バッテリ54からの電力供給を可能な状態とするようにプログラミングされている。このプログラムは、第1の実施の形態と同様に、電力供給制御デバイス82内のROMに記憶されており、以下に説明する本携帯端末100の特徴的な機能を実現する。これらの機能は、上記の実質的にコンピュータから成る電力供給制御デバイス82が上記プログラムに含まれている種々の手順に従って処理を実行することによって実現される。
【0094】
図10〜図12は携帯端末100の機能を実現するプログラムに係るメインルーチンの制御の流れを示すフローチャートである。なお、本携帯端末100は、第1の実施の形態と同様に、主バッテリ52及び副バッテリ54が装着され、かつ電源が投入されたときに励起するが、このときには、上記の電力供給制御デバイス82内のスイッチSW1,SW2は共にオフ状態で、副バッテリ54が未使用状態に初期設定されている。
【0095】
図10を参照して、まず、本携帯端末100の電力供給制御デバイス82は、主バッテリ52がローバッテリ状態か否かを判別する(ステップS400)。主バッテリ52の電圧値がローバッテリ値まで低下し、その旨を示す検出データが当該主バッテリ52内のローバッテリ検出部52Aから入力された場合には、電力供給制御デバイス82は、主バッテリ52がローバッテリ状態になったと判断して、その旨を通知すると共に、表示デバイス76のディスプレイ上にパスワード入力誘導画面を表示させる(ステップS402及びS404)。上記ローバッテリ状態の通知態様は、第1の実施の形態と同様にして行なわれる。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS406及びS408に移す。他方、主バッテリ52が上記のローバッテリ状態でないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、第1の紛失状態解除処理に備える(ステップS410)。この第1の紛失状態解除処理については後述する。
【0096】
ステップS406及びS408に移行すると、電力供給制御デバイス82は、所定時間が経過するまでに入力デバイス68のキー操作によってパスワードが入力されるのを待つ。所定時間が経過するまでにパスワードが入力された場合には、電力供給制御デバイス82は、このパスワード入力が当該電力供給制御デバイス82内のパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードと一致するか否かを判別する(ステップS414)。両者のパスワードが一致した場合には、電力供給制御デバイス82は、上記のパスワード入力を認証して、その内部の第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンする(ステップS416)。これにより、副バッテリ54から延びる副電力供給ラインLSと主バッテリ52から延びる主電力供給ラインLMとが通電する。また、主電力供給ラインLMの幹線ライン部LM2と幹線ライン部LM2から非常用着信音記憶ブロック60に向かって分岐する分岐ライン部LM1も通電する。それによって、副バッテリ54から通信制御ブロック56及び非常用着信音記憶ブロック60の両者に対する電力供給が可能な状態となる。その後、電力供給制御デバイス82は、第2の紛失状態解除処理に備える(ステップS418)。この第2の紛失解除処理については後述する。他方、所定時間が経過するまでにパスワード入力がない場合、又はパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、他の端末からのアクセスを待つ(ステップS412)。他の端末からのアクセスがあると、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS420(図11参照)に移す。
【0097】
図11を参照して、他の端末からのアクセスがあってステップS420に移行すると、電力供給制御デバイス82は、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であるか否かを判別する。この判別メカニズムは、第1の実施の形態と同様である。上記他の端末が解除専用端末であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS430(図12参照)に移す。上記他の端末が解除専用端末でないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS422及びS424に移す。
【0098】
ステップS422及びS424に移行すると、電力供給制御デバイス82は、他の端末からの着信態様を判別する。着信態様が通話着信であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS412(図10参照)に戻す。このとき、上記スイッチSW1,SW2のオフ状態が共に維持されるゆえ、副バッテリ54の使用は不可能な状態である。他方、着信態様がメール受信であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、受信メールがパスワード記載のメールか否かを判別する(ステップS426)。パスワード付きのメールであると、電力供給制御デバイス82は、当該メールに記載されたパスワードが自身のパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードと一致するか否かを判別する(ステップS428)。このとき、両者が一致すると、電力供給制御デバイス82は、メールでのパスワード入力を認証して、制御をステップS416(図10参照)に移し、このステップS416において、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンする。これによって、副バッテリ54が使用可能な状態となる。これに対し、上記の受信メールが通常のメールである場合、又は上記のメールによるパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS412(図10参照)に戻す。これにより、上記スイッチSW1,SW2は共にオフされたままで、副バッテリ54の使用することができない状態が続くことになる。
【0099】
図12を参照して、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であってステップS430に移行すると、電力供給制御デバイス82は、当該解除専用端末である他の端末が通話機能を有するか否かを判別する。この判別メカニズムは、第1の実施の形態と同様である。解除専用端末が通話機能を有していないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、自身の解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとり(ステップS444)、その後、制御をステップS416(図10参照)に移し、このステップS416において、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンする。その結果、副バッテリ54が使用可能状態となる。他方、解除専用端末が通話機能を有していると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であるか否かを判別する(ステップS432)。このとき、着信態様が通話着信でないと、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS424〜S428(図11参照)に戻す。これらステップS424〜S428において、電力供給制御デバイス82は、上記のメールでのパスワード入力が認証されることを条件として、上記スイッチSW1,SW2をともにオンして副バッテリ54を使用できるようにする(図10に示すステップS416)。この条件を満たさない場合は、副バッテリ54を使用することはできない。これに対し、着信態様が通話着信であると、電力供給制御デバイス82は、所定時間が経過するまでに本携帯端末100がオフフック状態に遷移するか否かを判別する(ステップS432及びS446)。所定時間が経過するまでに本携帯端末100がオフフック状態に遷移した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS412(図10参照)に戻す。この場合も、上記スイッチSW1,SW2は共にオンされないので、副バッテリ54の使用は不可能である。逆に、所定時間が経過しても本携帯端末100がオフフック状態に遷移しない場合には、電力供給制御デバイス82は、オフフック処理を行ない、それによって上記解除専用端末との通話接続を図り(ステップS436)、その後、制御をステップS438及びS440に移す。
【0100】
ステップS438及びS440に移行すると、電力供給制御デバイス82は、所定時間が経過するまでに上記の通話機能を有する解除専用端末側からパスワードが入力されるのを待つ。この解除専用端末側からのパスワード入力態様は、第1の実施の形態と同様である。所定時間が経過するまでに解除専用端末側からのパスワード入力がない場合には、電力供給制御デバイス82は、オンフック処理を行ない、それによって当該解除専用端末との通話を切断する(ステップS442)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS412(図10参照)に戻す。このときも、スイッチSW1,SW2のオフ状態は共に維持されるゆえ、副バッテリ54は使用できない状態にある。他方、所定時間が経過するまでに解除専用端末からのパスワード入力があった場合には、電力供給制御デバイス82は、オンフック処理を行ない、それによって当該解除専用端末との通話を切断する(ステップS448)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS428(図11参照)に移し、このステップS428において、上記解除専用端末から入力されたパスワードが自身のパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードと一致するか否かを判別する。両者が一致すると、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末からのパスワード入力を認証して、制御をステップS416(図10参照)に移す。このステップS416において、電力供給制御デバイス82は、その内部の第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンし、副バッテリ54を使用可能状態とする。これに対し、解除専用端末からのパスワード入力がない場合、又は解除専用端末からのパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS412(図10参照)に戻す。上記スイッチSW1,SW2はオフされたままで、副バッテリ54の使用することができない状態が続く。
【0101】
(第1の紛失状態解除処理)
図13及び図14は携帯端末100の機能を実現するプログラムの第1のサブルーチンである第1の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。なお、これらの図に示したサブルーチンは、通常使用時において上記のスイッチSW1,SW2のオフ状態が共に維持され副バッテリ54の使用が不可能になっている場合の本携帯端末100の紛失状態を解除するためのものである。
【0102】
図13を参照して、第1の紛失状態解除処理では、まず、本携帯端末100の電力供給制御デバイス82は、他の端末からのアクセスがあることを条件として(ステップS500においてYES)、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であるか否かを判別する(ステップS502)。この判別メカニズムは、第1の実施の形態と同様である。それ以外の場合(ステップS500においてNO)には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS400(図10参照)に戻す。
【0103】
ステップS502において、上記他の端末が解除専用端末であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS516(図14参照)に移す。他方、上記他の端末が解除専用端末でないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS504〜S508に移す。
【0104】
ステップS504〜S508に移行すると、電力供給制御デバイス82は、他の端末からの着信態様がメール受信であると判別し、かつ、その受信メールが上記のパスワード付きメールである場合に限って、当該メールに記載されたパスワードが自身のパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードと一致するか否かを判別する(ステップS510)。このとき、両者が一致すると、電力供給制御デバイス82は、メールでのパスワード入力を認証して、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンすることによって副バッテリ54を使用可能状態とする(ステップS512)。これは、本携帯端末100を紛失している間に主バッテリ52がローバッテリ状態となっている場合に備えるための制御である。それゆえに、上記ステップS504〜S512における一連の処理は、本携帯端末100の紛失時に主バッテリ52の蓄電量が少なくなっているときに有効となる。その後、電力供給制御デバイス82は、非常用着信音記憶デバイス86に記憶されている非常用着信音を読出し、この読出した非常用着信音をスピーカ72から出力させる(ステップS514)。この非常用着信音の出力態様は、第1の実施の形態と同様である。なお、着信態様が通話着信である場合、受信メールが通常メールである場合、及び上記のメールによるパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS400(図10参照)に戻す。上記スイッチSW1,SW2のオフ状態は共に維持されたままであり、副バッテリ54を使用することはできない。
【0105】
図14を参照して、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であってステップS516に移行すると、電力供給制御デバイス82は、当該解除専用端末である他の端末が通話機能を有するか否かを判別する。この判別メカニズムは、第1の実施の形態と同様である。
【0106】
上記解除専用端末が通話機能を有していないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、自身の解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとる(ステップS530)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS512及びS514(図13参照)に移す。これらステップS512及びS514において、電力供給制御デバイス82は、その内部の第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンして副バッテリ54を使用可能状態とすると共に、上記の非常用着信音をスピーカ72から出力させる。
【0107】
上記解除専用端末が通話機能を有していると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後において所定時間が経過するまでに当該解除専用端末側からパスワード入力があったときに限って、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう(ステップS518〜S528並びにS532及びS534)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS510(図13参照)に移す。このステップS510において、電力供給制御デバイス82は、上記解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、制御を図13に示すステップS512及びS514に移し、これらステップS512及びS514において、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンして副バッテリ54を使用可能状態とすると共に、上記の非常用着信音をスピーカ72から出力させる。これに対し、着信態様が通話着信でないときには、電力供給制御デバイス82は、制御を上記のステップS506〜S514に移す。なお、この一連の制御に関しての説明は繰返さない。また、通話着信後において所定時間が経過するまでにオフフック状態に遷移した場合、及びステップS522でオフフックした後において所定時間が経過するまでに上記の解除専用端末側からのパスワード入力がない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS400(図10参照)に戻すゆえ、上記スイッチSW1,SW2のオフ状態は維持されたままであり、副バッテリ54を使用することはできない。
【0108】
(第2の紛失状態解除処理)
図15及び図16は携帯端末100の機能を実現するプログラムの第2のサブルーチンである第2の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。なお、これらの図に示したサブルーチンは、通常使用時において上記のスイッチSW1,SW2が共にオンされ副バッテリ54の使用が可能になっている場合の本携帯端末100の紛失状態を解除するためのものである。
【0109】
図15を参照して、第2の紛失状態解除処理では、まず、本携帯端末100の電力供給制御デバイス82は、他の端末からのアクセスを待つ(ステップS600)。この間に、他の端末からのアクセスがあると、電力供給制御デバイス82は、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であるか否かを判別する(ステップS602)。なお、この判別メカニズムについては、上記の第1の紛失状態解除処理におけるステップS502による判別メカニズムと同様である。上記アクセス端末としての他の端末が解除専用端末であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS614(図16参照)に移す。他方、上記アクセス端末として他の端末が解除専用端末でないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS604〜S608に移す。
【0110】
ステップS604〜S608に移行すると、電力供給制御デバイス82は、他の端末からの着信態様がメール受信であると判別し、かつ、その受信メールが上記のパスワード付きメールである場合に限って、当該メールに記載されたパスワードが自身のパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードと一致するか否かを判別する(ステップS610)。このとき、両者が一致すると、電力供給制御デバイス82は、メールでのパスワード入力を認証して、非常用着信音記憶デバイス86に記憶されている非常用着信音を読出し、この読出した非常用着信音をスピーカ72から出力させる(ステップS612)。なお、着信態様が通話着信である場合、受信メールが通常メールである場合、及び上記のメールによるパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS600に戻す。つまり、上記の非常用着信音は出力されない。
【0111】
図16を参照して、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であってステップS614に移行すると、電力供給制御デバイス82は、当該解除専用端末が通話機能を有するか否かを判別する。この判別メカニズムについては、上記の第1の紛失状態解除処理におけるステップS516による判別メカニズムと同様である。
【0112】
上記解除専用端末が通話機能を有していないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、自身の解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとり(ステップS628)、その後、制御をステップS612(図15参照)に移し、このステップS612において、上記の非常用着信音をスピーカ72から出力させる。
【0113】
他方、上記解除専用端末が通話機能を有している場合には、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後において所定時間が経過するまでに当該解除専用端末側からパスワード入力があったときに限って、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう(ステップS616〜S626並びにS630及びS632)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS610及びS612(図15参照)に移し、これらステップS610及びS612において、上記解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、非常用着信音をスピーカ72から出力させる。これに対し、着信態様が通話着信でないときには、電力供給制御デバイス82は、制御を上記のステップS606〜S612に移す。なお、この一連の制御に関しての説明は繰返さない。また、通話着信後において所定時間が経過するまでにオフフック状態に遷移した場合、及びステップS620でオフフックした後において所定時間が経過するまでに上記の解除専用端末側からのパスワード入力がない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS600(図15参照)に戻すので、非常用着信音は出力されない。
【0114】
<動作>
本実施の形態では、携帯端末100は以下のように動作する。
【0115】
(本携帯端末100の通常使用時の動作)
主バッテリ52の電圧値がローバッテリ値まで低下し、その旨を示す検出データが当該主バッテリ52内のローバッテリ検出部52Aから入力された場合には、電力供給制御デバイス82は、主バッテリ52がローバッテリ状態になったと判断して、その旨を通知する。併せて、表示デバイス76のディスプレイ上にパスワード入力誘導画面を表示させる。他方、主バッテリ52が上記のローバッテリ状態になるまでの間は、電力供給制御デバイス82は、第1の紛失状態解除処理に備える。
【0116】
ローバッテリ通知及びパスワード入力誘導画面表示がなされ、所定時間が経過するまでに入力デバイス68のキー操作によってパスワードが入力され、このパスワード入力が認証されたときには、電力供給制御デバイス82は、その内部の第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンする。これにより、副バッテリ54から通信制御ブロック56及び非常用着信音記憶ブロック60の両者に対する電力供給が可能な状態となる。その後、電力供給制御デバイス82は、第2の紛失状態解除処理に備える。他方、入力デバイス68によるパスワード入力の認証がなされない場合(当該パスワード入力がない場合も含む)には、電力供給制御デバイス82は、両スイッチSW1,SW2のオフ状態を継続して副バッテリ54の使用不可能状態を維持する。
【0117】
上記のパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、他の端末からのアクセスを待つ。他の端末からアクセスがあり、その端末が解除専用端末でなく、着信態様がメール受信であると、電力供給制御デバイス82は、受信メールがパスワード記載のメールか否かを判別する。受信メールがパスワード付きメールであり、当該メールでのパスワード入力が認証されると、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンする。これによって、副バッテリ54が使用可能な状態となる。これに対し、受信メールが通常のメールである場合、又は上記メールによるパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、スイッチSW1,SW2のオフ状態を継続して副バッテリ54の使用不可能状態を維持する。
【0118】
上記他の端末が解除専用端末であり、通話機能を有していないときには、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとった後、その内部の第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンする。その結果、副バッテリ54が使用可能状態となる。これに対し、解除専用端末が通話機能を有しており、着信態様が通話着信であり、所定時間が経過するまでに当該解除専用端末側からパスワードが入力されると、電力供給制御デバイス82は、オンフック処理を行ない、それによって当該解除専用端末との通話を切断する。その後、解除専用端末からのパスワード入力を認証したときには、電力供給制御デバイス82は、その内部の第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンし、副バッテリ54を使用可能状態とする。解除専用端末からのパスワード入力の認証がなされない場合(当該パスワード入力がない場合も含む)等には、電力供給制御デバイス82は、上記両スイッチSW1,SW2のオフ状態を継続して副バッテリ54の使用不可能状態を維持する。
【0119】
(本携帯端末100の第1の紛失状態解除時の動作)
上記の第1の紛失状態解除処理とは、通常使用時において上記のスイッチSW1,SW2のオフ状態が共に維持され副バッテリ54の使用が不可能になっている場合の本携帯端末100の紛失状態を解除するための処理である。
【0120】
この第1の紛失状態解除処理では、他の端末からのアクセスがあり、その端末が解除専用端末でなく、着信態様がメール受信であり、かつ、その受信メールが上記パスワード付きメールであるときに限って、電力供給制御デバイス82は、当該メールに記載されたパスワードに対する認証判断を行なう。このとき、メールでのパスワード入力を認証すると、電力供給制御デバイス82は、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンすることによって副バッテリ54を使用可能状態とする。これは、上述したように、本携帯端末100を紛失している間に主バッテリ52がローバッテリ状態となっている場合に備えるための制御である。その後、電力供給制御デバイス82は、非常用着信音をスピーカ72から出力させる。これに対し、着信態様が通話着信である場合、受信メールが通常メールである場合、及び上記のメールによるパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、両スイッチSW1,SW2のオフ状態を維持したまま、副バッテリ54を使用することができない状態を続ける。
【0121】
他方、上記他の端末が解除専用端末であり、通話機能を有していないと、電力供給制御デバイス82は、自身の解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとった後、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンして副バッテリ54を使用可能状態とすると共に、非常用着信音をスピーカ72から出力させる。これに対し、解除専用端末が通話機能を有していると、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後において所定時間が経過するまでに当該解除専用端末側からパスワード入力があったときに限って、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう。その後、電力供給制御デバイス82は、上記解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンして副バッテリ54を使用可能状態とすると共に、上記の非常用着信音をスピーカ72から出力させる。なお、通話着信後において解除専用端末側からのパスワード入力の認証がなされない場合(当該パスワード入力がない場合も含む)には、電力供給制御デバイス82は、上記両スイッチSW1,SW2のオフ状態を維持して副バッテリ54を使用することができない状態とすると共に、非常用着信音を出力させない。
【0122】
(本携帯端末100の第2の紛失状態解除時の動作)
上記の第2の紛失状態解除処理は、通常使用時において上記のスイッチSW1,SW2が共にオンされ副バッテリ54の使用が可能になっている場合の本携帯端末100の紛失状態を解除する処理である。
【0123】
この第2の紛失状態解除処理では、他の端末からのアクセスがあり、その端末が解除専用端末でなく、着信態様がメール受信であり、かつ、その受信メールが上記のパスワード付きメールであるときに限って、電力供給制御デバイス82は、当該メールに記載されたパスワードに対する認証判断を行なう。このとき、メールでのパスワード入力を認証すると、電力供給制御デバイス82は、非常用着信音をスピーカ72から出力させる。
【0124】
他方、上記他の端末が解除専用端末であり、通話機能を有していないと、電力供給制御デバイス82は、自身の解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとった後、非常用着信音をスピーカ72から出力させる。これに対し、解除専用端末が通話機能を有していると、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後の所定時間内に当該解除専用端末側からパスワード入力があったときに限って、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう。その後、電力供給制御デバイス82は、上記解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、上記の非常用着信音をスピーカ72から出力させる。なお、上記の解除専用端末側からのパスワード入力の認証がなされない場合(当該パスワード入力がない場合も含む)等には、電力供給制御デバイス82は、上記の非常用着信音を出力させない。
【0125】
<作用・効果>
以上の説明から明らかな通り、本実施の形態によると、第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0126】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、第2の実施の形態とソフトウェア上の構成のみが相違する。具体的には、本携帯端末100の通常使用時において、主バッテリ52がローバッテリ状態となった場合に、認証情報入力の認証がなされることを条件として、電力供給制御デバイス82内の第1のスイッチSW1のみをオンし、副バッテリ54の使用を可能な状態とする点で第2の実施の形態と相違しており、その他の構成は第2の実施の形態と同様である。
【0127】
<本携帯端末100のソフトウェア構成>
図17〜図19は本発明の第3の実施の形態に係る携帯端末100の機能を実現するプログラムに係るメインルーチンの制御の流れを示すフローチャートである。なお、本携帯端末100では、主バッテリ52及び副バッテリ54が装着され、かつ電源が投入されたときに励起するが、このときには、第2の実施の形態と同様に、上記の電力供給制御デバイス82内のスイッチSW1,SW2は共にオフ状態で、副バッテリ54が未使用状態に初期設定されている。
【0128】
図17を参照して、主バッテリ52の電圧値がローバッテリ値まで低下し、その旨を示す検出データが当該主バッテリ52内のローバッテリ検出部52Aから入力された場合(ステップS700においてYES)には、本携帯端末100の電力供給制御デバイス82は、主バッテリ52がローバッテリ状態になったと判断して、その旨を通知すると共に上記のパスワード入力誘導画面を表示させる(ステップS702及びS704)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS706及びS708に移す。他方、主バッテリ52が上記のローバッテリ状態になるまでの間(ステップS700においてNO)は、電力供給制御デバイス82は、第1の紛失状態解除処理に備える(ステップS710)。この第1の紛失状態解除処理については後述する。
【0129】
ステップS706及びS708に移行すると、電力供給制御デバイス82は、所定時間が経過するまでに入力デバイス68のキー操作によってパスワードが入力されるのを待つ。所定時間が経過するまでにパスワードが入力された場合には、電力供給制御デバイス82は、このパスワード入力に対する認証又は非認証の判断を行なう(ステップS714)。パスワード入力を認証したときには、電力供給制御デバイス82は、その内部の第1のスイッチSW1をオンする(ステップS716)。これにより、副バッテリ54から通信制御ブロック56に対する電力供給が可能な状態となる。その後、電力供給制御デバイス82は、第2の紛失状態解除処理に備える(ステップS718)。この第2の紛失解除処理については後述する。他方、所定時間が経過するまでにパスワード入力がない場合、又はパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、他の端末からのアクセスを待つ(ステップS712)。他の端末からのアクセスがあると、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS720(図18参照)に移す。
【0130】
図18を参照して、他の端末からのアクセスがあってステップS720に移行すると、電力供給制御デバイス82は、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であるか否かを判別する。上記他の端末が解除専用端末であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS730(図19参照)に移す。他方、上記他の端末が解除専用端末でないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS722及びS724に移す。
【0131】
ステップS722及びS724に移行すると、電力供給制御デバイス82は、他の端末からの着信態様を判別する。着信態様が通話着信であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS712(図17参照)に戻す。他方、着信態様がメール受信であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、受信メールがパスワード記載のメールであるときには、当該メールに記載されたパスワードに対する認証又は非認証の判断を行なう(ステップS726及びS728)。このとき、メールでのパスワード入力を認証すると、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS716(図17参照)に移し、このステップS716において、第1のスイッチSW1をオンする。これによって、副バッテリ54が使用可能な状態となる。それ以外の場合(ステップS724〜S728において共にNO)の場合には、制御はステップS712(図17参照)に戻される。
【0132】
図19を参照して、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であってステップS730に移行すると、電力供給制御デバイス82は、当該解除専用端末が通話機能を有するか否かを判別する。解除専用端末が通話機能を有していないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、自身の解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとる(ステップS744)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS716(図17参照)に移し、このステップS716において、第1のスイッチSW1をオンする。その結果、副バッテリ54が使用可能状態となる。他方、解除専用端末が通話機能を有していると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であるか否かを判別する(ステップS732)。着信態様が通話着信でないと、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS724〜S728に戻す。これらステップS724〜S728において、電力供給制御デバイス82は、上記のメールでのパスワード入力が認証されることを条件として、上記スイッチSW1をオンして副バッテリ54を使用可能とする。この条件を満たさない場合には、副バッテリ54の使用は不可能である。これに対し、着信態様が通話着信であると、電力供給制御デバイス82は、所定時間が経過するまでに本携帯端末100がオフフック状態に遷移するか否かを判別する(ステップS732及びS746)。所定時間が経過するまでに本携帯端末100がオフフック状態に遷移した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS712(図17参照)に戻す。所定時間が経過しても本携帯端末100がオフフック状態に遷移しない場合には、電力供給制御デバイス82は、オフフック処理を行なって上記解除専用端末との通話接続を図り(ステップS736)、その後、制御をステップS738及びS740に移す。
【0133】
ステップS738及びS740に移行すると、電力供給制御デバイス82は、所定時間が経過するまでに上記の通話機能を有する解除専用端末側からパスワードが入力されるか否かを判別する。所定時間が経過するまでに解除専用端末側からのパスワード入力がない場合には、電力供給制御デバイス82は、オンフック処理を行なって当該解除専用端末との通話を切断する(ステップS742)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS712(図17参照)に戻す。他方、所定時間が経過するまでに解除専用端末からのパスワード入力があった場合には、電力供給制御デバイス82は、オンフック処理を行なって当該解除専用端末との通話を切断する(ステップS748)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS728(図18参照)に移し、このステップS728において、上記解除専用端末から入力されたパスワードに対する認証又は非認証の判断を行なう。解除専用端末からのパスワード入力を認証すると、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS716(図17参照)に移し、このステップS716において、第1のスイッチSW1をオンして副バッテリ54を使用可能状態とする。
【0134】
(第1の紛失状態解除処理)
図20及び図21は携帯端末100の機能を実現するプログラムの第1のサブルーチンである第1の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。なお、これらの図に示したサブルーチンは、通常使用時において上記のスイッチSW1,SW2のオフ状態が共に維持され副バッテリ54の使用が不可能になっている場合の本携帯端末100の紛失状態を解除するためのものである。
【0135】
図20を参照して、第1の紛失状態解除処理では、他の端末からのアクセスがあることを条件として(ステップS800においてYES)、本携帯端末100の電力供給制御デバイス82は、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であるか否かを判別する(ステップS802)。そうでない場合(ステップS800においてNO)には、制御はステップS700(図17参照)に戻される。
【0136】
ステップS802において、上記他の端末が解除専用端末であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS816(図21参照)に移す。他方、上記他の端末が解除専用端末でないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS804〜S808に移す。
【0137】
ステップS804〜S808に移行すると、電力供給制御デバイス82は、他の端末からの着信態様がメール受信であると判別し、かつ、その受信メールが上記のパスワード付きメールである場合に限って、当該メールに記載されたパスワードに対する認証判断を行なう(ステップS810)。このとき、メールでのパスワード入力を認証すると、電力供給制御デバイス82は、その内部の第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンする(ステップS812)。その結果、副バッテリ54からの通信制御ブロック56及び非常用着信音記憶ブロック60の両者に対する電力供給が可能な状態になる。これは、本携帯端末100を紛失している間に主バッテリ52がローバッテリ状態となっている場合に備えるための制御であるゆえに、上記ステップS804〜S812における一連の処理は、本携帯端末100の紛失時に主バッテリ52の蓄電量が少なくなっているときに有効となる。その後、電力供給制御デバイス82は、非常用着信音を出力させる(ステップS814)。
【0138】
図21を参照して、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であってステップS816に移行すると、電力供給制御デバイス82は、当該解除専用端末が通話機能を有するか否かを判別する。
【0139】
解除専用端末が通話機能を有していないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、この解除専用端末のIDと解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとる(ステップS830)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS812及びS814(図20参照)に移し、これらステップS812及びS814において、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンして副バッテリ54を使用可能状態とすると共に、非常用着信音を出力させる。
【0140】
他方、解除専用端末が通話機能を有していると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後において所定時間が経過するまでに当該解除専用端末側からパスワード入力があったときに限って、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう(ステップS818〜S828並びにS832及びS834)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS810(図20参照)に移す。このステップS810において、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、制御を図20に示すステップS812及びS814に移し、これらステップS812及びS814において、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンして副バッテリ54を使用可能状態とすると共に、非常用着信音を出力させる。
【0141】
(第2の紛失状態解除処理)
図22及び図23は携帯端末100の機能を実現するプログラムの第2のサブルーチンである第2の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。なお、これらの図に示したサブルーチンは、通常使用時において上記の第1のスイッチSW1のみがオンされ副バッテリ54からの通信制御ブロック56に対する電力供給のみが可能になっている場合の本携帯端末100の紛失状態を解除するためのものである。
【0142】
図22を参照して、第2の紛失状態解除処理では、他の端末からのアクセスがあると(ステップS900においてYES)、電力供給制御デバイス82は、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であるか否かを判別する(ステップS902)。上記他の端末が解除専用端末であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS916(図23参照)に移す。他方、上記他の端末が解除専用端末でないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS904〜S908に移す。
【0143】
ステップS904〜S908に移行すると、電力供給制御デバイス82は、他の端末からの着信態様がメール受信であると判別し、かつ、その受信メールが上記のパスワード付きメールである場合に限って、当該メールに記載されたパスワードに対する認証判断を行なう(ステップS910)。このとき、メールでのパスワード入力を認証すると、電力供給制御デバイス82は、その内部の第2のスイッチSW2をオンして非常用着信音を出力させる(ステップS912及びS914)。
【0144】
図23を参照して、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であってステップS916に移行すると、電力供給制御デバイス82は、当該解除専用端末が通話機能を有するか否かを判別する。
【0145】
解除専用端末が通話機能を有していないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとり(ステップS930)、その後、制御をステップS912(図22参照)に移す。このステップS912において、電力供給制御デバイス82は、その内部の第2のスイッチSW2をオンして上記の非常用着信音を出力させる。
【0146】
他方、解除専用端末が通話機能を有していると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後において所定時間が経過するまでに当該解除専用端末側からパスワード入力があったときに限って、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう(ステップS918〜S928並びにS932及びS934)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS910及びS912(図22参照)に移し、これらステップS910及びS912において、上記解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、第2のスイッチSW2をオンして非常用着信音を出力させる。
【0147】
<動作>
本実施の形態では、携帯端末100は以下のように動作する。
【0148】
(本携帯端末100の通常使用時の動作)
主バッテリ52がローバッテリ状態になった場合には、電力供給制御デバイス82は、その旨を通知すると共にパスワード入力誘導画面を表示させる。他方、主バッテリ52が上記のローバッテリ状態になっていない場合には、電力供給制御デバイス82は、第1の紛失状態解除処理に備える。
【0149】
上記のローバッテリ通知及びパスワード入力誘導画面表示がなされると、電力供給制御デバイス82は、所定時間が経過するまでに入力デバイス68のキー操作によってパスワードが入力されるのを待つ。所定時間が経過するまでにパスワードが入力された場合には、電力供給制御デバイス82は、このパスワード入力の認証がなされることを条件として、その内部の第1のスイッチSW1をオンする。これにより、副バッテリ54から通信制御ブロック56に対する電力供給が可能な状態となる。その後、電力供給制御デバイス82は、第2の紛失状態解除処理に備える。
【0150】
上記のパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、他の端末からアクセスがあったと判断し、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であるか否かを判別する。
【0151】
上記他の端末が解除専用端末でなく、着信態様がメール受信であり、受信メールがパスワード付きメールであれば、電力供給制御デバイス82は、当該メールに記載されたパスワードに対する認証判断を行なう。メールでのパスワード入力を認証すると、電力供給制御デバイス82は、その内部の第1のスイッチSW1をオンする。これによって、副バッテリ54が使用可能な状態となる。
【0152】
上記他の端末が解除専用端末であり、通話機能を有していないと、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとった後、第1のスイッチSW1をオンする。その結果、副バッテリ54が使用可能状態となる。解除専用端末が通話機能を有しており、着信態様が通話着信であり、所定時間が経過するまでに当該通話機能を有する解除専用端末側からパスワードが入力されると、電力供給制御デバイス82は、オンフック処理を行なうことによって当該解除専用端末との通話を切断する。その後、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末から入力されたパスワードに対する認証判断を行ない、その結果、解除専用端末からのパスワード入力を認証すると、その内部の第1のスイッチSWをオンして副バッテリ54を使用可能状態とする。
【0153】
(本携帯端末100の第1の紛失状態解除時の動作)
上記の第1の紛失状態解除処理とは、通常使用時においてスイッチSW1,SW2のオフ状態が共に維持され副バッテリ54の使用が不可能になっている場合の本携帯端末100の紛失状態を解除するための処理である。
【0154】
この第1の紛失状態解除処理では、他の端末からのアクセスがあると、電力供給制御デバイス82は、アクセスのあった他の端末が解除専用端末でなく、着信態様がメール受信であり、かつ、その受信メールが上記のパスワード付きメールである場合に限って、当該メールに記載されたパスワードに対する認証判断を行なう。メールでのパスワード入力を認証すると、電力供給制御デバイス82は、その内部の第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンする。それゆえ、副バッテリ54からの通信制御ブロック56及び非常用着信音記憶ブロック60に対する電力供給が可能な状態となる。これは、上述したように、本携帯端末100を紛失している間に主バッテリ52がローバッテリ状態となっている場合に備えるための制御である。その後、電力供給制御デバイス82は、非常用着信音を出力させる。
【0155】
上記アクセス端末としての他の端末が解除専用端末であり、通話機能を有しておらず、解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認がとれた場合には、電力供給制御デバイス82は、その内部の第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンして副バッテリ54を使用可能状態とすると共に、非常用着信音を出力させる。解除専用端末が通話機能を有しており、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後において所定時間が経過するまでに当該解除専用端末側からパスワード入力があった場合に限って、電力供給制御デバイス82は、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう。その後、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を同時にオンし、それによって副バッテリ54を使用可能状態とすると共に上記の非常用着信音を出力させる。
【0156】
(本携帯端末100の第2の紛失状態解除時の動作)
上記の第2の紛失状態解除処理は、通常使用時において上記の第1のスイッチSW1のみがオンされ副バッテリ54からの通信制御ブロック56に対する電力供給のみが可能になっている場合の本携帯端末100の紛失状態を解除する処理である。
【0157】
この第2の紛失状態解除処理では、他の端末からのアクセスがあると、電力供給制御デバイス82は、アクセスのあった他の端末が解除専用端末でなく、着信態様がメール受信であり、かつ、その受信メールが上記のパスワード付きメールである場合に限って、当該メールに記載されたパスワードに対する認証判断を行なう。メールでのパスワード入力を認証すると、電力供給制御デバイス82は、その内部の第2のスイッチSW2をオンして非常用着信音を出力させる。
【0158】
他方、上記他の端末が解除専用端末であり、通話機能を有していないと、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとった後、第2のスイッチSW2をオンして非常用着信音を出力させる。これに対し、解除専用端末が通話機能を有しており、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後の所定時間内に当該解除専用端末側からパスワード入力があった場合に限って、電力供給制御デバイス82は、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう。その後、電力供給制御デバイス82は、上記解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、第2のスイッチSW2をオンして上記の非常用着信音を出力させる。
【0159】
<作用・効果>
以上の説明から明らかな通り、本実施の形態によると、第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏することに加えて、本携帯端末100の通常使用時において、主バッテリ52がローバッテリ状態になった場合に、認証情報入力の認証がなされると第1のスイッチSW1のみがオンされ副バッテリ54からの通信制御ブロック56に対する電力供給のみが可能な状態となるので、副バッテリ54の蓄電量の消耗を抑制することができる。
【0160】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態の特徴は、(1)電力供給源が単一のバッテリ90から構成されている点、及び(2)バッテリ90の電圧値が、例えば、満充電時に対して30%の残量時の電圧値よりも高い、しきい値まで低下した場合に、認証情報入力の認証がなされると当該バッテリ90の予備的な残余電力の使用を可能な状態とする一方、認証情報入力の認証がなされないと当該バッテリ90による電力供給が遮断される点にあり、その他の構成は第1の実施の形態とほぼ同様である。
【0161】
<本携帯端末200のハードウェア構成>
図24は本発明の第4の実施の形態に係る携帯端末200の構成を示すブロック図である。
【0162】
図24を参照して、第4の実施の形態に係る携帯端末200では、バッテリ90内にはバッテリ残量ウォッチ部90Aが備えられている。このバッテリ残量ウォッチ部90Aは、本携帯端末200の使用中にバッテリ90の電圧の変化を常時監視するのではなく、バッテリ90の消費電力を算出して累積し、バッテリ残量を計算するように構成されているのが好しく、そのウォッチングデータは、電力供給制御デバイス82に入力される。もちろん、バッテリ残量ウォッチ部90Aは、本携帯端末200の使用中にバッテリ90の電圧の変化を常時監視するようになっていても構わない。
【0163】
電力供給制御デバイス82は、その内部に第1の入力スイッチSW10及び第2のスイッチSW20を備えている。特に、この電力供給制御デバイス82のRAMには、パスワード記憶部84A及び解除専用端末ID記憶部84Bから構成される認証情報記憶領域84に加えて、電力供給遮断しきい値記憶領域92が形成されている。この電力供給遮断しきい値記憶領域92には、バッテリ90からの電力供給を遮断するか否かのパラメータとなる上記のしきい値が格納される。
【0164】
本実施の形態では、電力供給ラインとしては、バッテリ90から電力供給制御ブロック58を通過して通信制御ブロック56に向かって延びる第1の電力供給ラインL1と、バッテリ90と電力供給制御ブロック58との間で第1の電力供給ラインL1から分岐し、かつ電力供給制御ブロック58に向かって延びる第2の電力供給ラインL2と、バッテリ90と電力供給制御ブロック58との間で分岐し、かつ電力供給制御ブロック58を通過して非常用着信音記憶ブロック60に向かって延びる第3の電力供給ラインL3との3系統がある。特に、第1の電力供給ラインL1は、常閉スイッチである上記の第1のスイッチSW10を介して通信制御ブロック56に接続されている。それゆえ、バッテリ90からの電力は、電力供給制御デバイス82内の第1のスイッチSW10がオフされない限り、通信制御ブロック56に供給される。他方、第3の電力供給ラインL3は、常開スイッチである上記の第2のスイッチSW20を介して非常用着信音記憶ブロック60に接続されている。それゆえ、バッテリ90からの電力は、電力供給制御デバイス82内の第2のスイッチSW20がオンされない限り、非常用着信音記憶ブロック60に供給されることはない。
【0165】
(本携帯端末200のソフトウェア構成>
本携帯端末200においては、上述したように、バッテリ90の電圧値が上記のしきい値まで低下した場合に、認証情報入力の認証がなされると当該バッテリ90の予備的な残余電力の使用を可能な状態とする一方、認証情報入力の認証がなされないと当該バッテリ90による電力供給が遮断されるようにプログラミングされている。このプログラムは、第1の実施の形態と同様に、電力供給制御デバイス82内のROMに記憶されており、以下に説明する本携帯端末50の特徴的な機能を実現する。これらの機能は、上記の実質的にコンピュータから成る電力供給制御デバイス82が上記プログラムに含まれている種々の手順に従って処理を実行することによって実現される。
【0166】
認証情報としてのパスワード及び認証解除専用端末専用IDは、例えば、本携帯端末200の初期設定時等に入力されて電力供給制御デバイス82内のRAMに形成されたパスワード記憶部84A及び解除専用端末ID記憶部84Bにそれぞれ格納されている。特に、上記バッテリ90のしきい値電圧は、例えば、本携帯端末200の出荷前に携帯端末製造会社側で設定されて電力供給遮断しきい値記憶領域92に格納されている。
【0167】
また、バッテリ90の残量は、本携帯端末200の電源がオンされることを契機として、当該バッテリ90内のバッテリ残量ウォッチ部90Aにより監視され、このバッテリ残量ウォッチ部90Aからのウォッチングデータは電力供給制御デバイス82にリアルタイムで与えられる。
【0168】
図25は携帯端末200の機能を実現するプログラムに係るメインルーチンの制御の流れを示すフローチャートである。なお、本携帯端末200では、バッテリ90が装着され、かつ電源が投入されたときに励起する。このとき、第1のスイッチSW10はオン状態で第2のスイッチSW2は共にオフ状態であり、非常用着信音記憶ブロック60にはバッテリ90から電力供給ができない状態に初期設定されている。
【0169】
図25を参照して、まず、本携帯端末200の電力供給制御デバイス82は、バッテリ90の電圧値が、例えば、満充電時に対して30%の残量時の電圧値よりも高い上記のしきい値以上であるか否かを判別する(ステップS1000)。この判別は、バッテリ90内のバッテリ残量ウォッチ部90Aからのウォッチングデータと電力供給制御デバイス82内の電力供給遮断しきい値記憶領域92に記憶されている上記のしきい値とを比較することによって達成される。この比較の結果、バッテリ90の電圧値が上記しきい値以上であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、第1の紛失状態解除処理に備える(ステップS1012)。この第1の紛失状態解除処理については、後で詳しく説明する。他方、バッテリ90の電圧値が上記しきい値まで低下したことを判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、この状態をローバッテリ状態とみなして、その旨の通知を行なうと共に、表示デバイス76のディスプレイ上にパスワード入力誘導画面を表示させる(ステップS1002及びS1004)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS1006及びS1008に移す。
【0170】
ステップS1006及びS1008に移行すると、電力供給制御デバイス82は、所定時間が経過するまでに入力デバイス68のキー操作によってパスワードが入力されるのを待つ。所定時間が経過するまでにパスワードが入力された場合には、電力供給制御デバイス82は、このパスワード入力が当該電力供給制御デバイス82内のパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードと一致するか否かを判別する(ステップS1016)。両者のパスワードが一致したときには、電力供給制御デバイス82は、パスワード入力を認証して、第1のスイッチSW10のオン状態を継続させる(ステップS1018)。これにより、バッテリ90からの通信制御ブロック56に対する電力供給は継続される。換言すると、バッテリ90の予備的な残余電力の使用を可能とする。他方、所定時間が経過するまでにパスワード入力がない場合、又はパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、上記スイッチSW10をオフし、それによってバッテリ90からの通信制御ブロック56に対する電力供給を遮断する。それゆえ、通信制御ブロック56内の通信制御デバイス62は非稼動状態となる。その後、電力供給制御デバイス82は、第2の紛失状態解除処理に備える(ステップS1020)。この第2の紛失状態解除処理については、後で詳しく説明すれる。
【0171】
(第1の紛失状態解除処理)
図26及び図27は携帯端末200の機能を実現するプログラムのサブルーチンである第1の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。なお、これらの図に示したサブルーチンは、通常使用時において上記のバッテリ90の残量が上記のしきい値以上であって、かつ上記の第1のスイッチSW10のみがオンされバッテリ90からの通信制御ブロック56に対する電力供給のみが可能になっている場合の本携帯端末200の紛失状態を解除するためのものである。
【0172】
図26を参照して、第1の紛失状態解除処理では、他の端末からのアクセスがあるときに限って(ステップS2000においてYES)、本携帯端末200の電力供給制御デバイス82は、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であるか否かを判別する(ステップS2002)。上記他の端末が解除専用端末であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS2016(図27参照)に移す。上記他の端末が解除専用端末でないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS2004〜S2008に移す。
【0173】
ステップS2004〜S2008に移行すると、電力供給制御デバイス82は、他の端末からの着信態様がメール受信であると判別し、かつ、その受信メールが上記のパスワード付きメールである場合に限って、当該メールに記載されたパスワードが自身のパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードと一致するか否かを判別する(ステップS2010)。両者が一致した場合には、電力供給制御デバイス82は、メールでのパスワード入力を認証して、第2のスイッチSW20をオンする(ステップS2012)。その結果、バッテリ90からの非常用着信音記憶ブロック60に対する電力供給も可能な状態になる。その後、電力供給制御デバイス82は、非常用着信音記憶デバイス86に記憶されている非常用着信音を読出し、この読出した非常用着信音をスピーカ72から出力させる(ステップS2014)。なお、着信態様が通話着信である場合、受信メールが通常メールである場合、及び上記のメールによるパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS1000に戻す。
【0174】
図27を参照して、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であってステップS2016に移行すると、電力供給制御デバイス82は、当該解除専用端末が通話機能を有するか否かを判別する。
【0175】
解除専用端末が通話機能を有していないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとる(ステップS2030)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS2012及びS2014(図26参照)に移し、これらステップS2012及びS2014において、第2のスイッチSW20をオンして非常用着信音をスピーカ72から出力させる。
【0176】
他方、解除専用端末が通話機能を有していると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後において所定時間が経過するまでに当該解除専用端末側からパスワード入力があったときに限って、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう(ステップS2018〜S2028並びにS2032及びS2034)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS2010(図25参照)に移す。このステップS2010において、電力供給制御デバイス82は、上記解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、制御を図26に示すステップS2012及びS2014に移し、これらステップS2012及びS2014において、第2のスイッチSW20をオンして非常用着信音をスピーカ72から出力させる。これに対し、着信態様が通話着信でないときには、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS2006〜S2014に移す。また、通話着信後において所定時間が経過するまでにオフフック状態に遷移した場合、及びステップS2022でオフフックした後において所定時間が経過するまでに解除専用端末側からのパスワード入力がない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS1000(図25参照)に戻す。
【0177】
(第2の紛失状態解除処理)
図28及び図29は携帯端末200の機能を実現するプログラムのサブルーチンである第2の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。なお、これらの図に示したサブルーチンは、通常使用時において上記のバッテリ90の残量が上記のしきい値以下であって、かつ上記の第1のスイッチSW10のみがオンされバッテリ90からの通信制御ブロック56に対する電力供給のみが可能になっている場合の本携帯端末200の紛失状態を解除するためのものである。
【0178】
図28を参照して、第2の紛失状態解除処理では、他の端末からのアクセスがあるときに限って(ステップS3000においてYES)、本携帯端末200の電力供給制御デバイス82は、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であるか否かを判別する(ステップS3002)。上記他の端末が解除専用端末であると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS3016(図29参照)に移す。上記他の端末が解除専用端末でないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS3004〜S3008に移す。
【0179】
ステップS3004〜S008に移行すると、電力供給制御デバイス82は、他の端末からの着信態様がメール受信であると判別し、かつ、その受信メールが上記のパスワード付きメールである場合に限って、当該メールに記載されたパスワードが自身のパスワード記憶部84Aに記憶されているパスワードと一致するか否かを判別する(ステップS3010)。両者が一致した場合には、電力供給制御デバイス82は、メールでのパスワード入力を認証して、第2のスイッチSW20をオンする(ステップS3012)。その結果、バッテリ90からの非常用着信音記憶ブロック60に対する電力供給も可能な状態になる。その後、電力供給制御デバイス82は、非常用着信音記憶デバイス86に記憶されている非常用着信音を読出し、この読出した非常用着信音をスピーカ72から出力させる(ステップS3014)。なお、着信態様が通話着信である場合、受信メールが通常メールである場合、及び上記のメールによるパスワード入力の認証がなされない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS3000に戻す。
【0180】
図29を参照して、アクセスのあった他の端末が解除専用端末であってステップS3016に移行すると、電力供給制御デバイス82は、当該解除専用端末が通話機能を有するか否かを判別する。
【0181】
解除専用端末が通話機能を有していないと判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとる(ステップS3030)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS3012及びS3014(図28参照)に移し、これらステップS3012及びS3014において、第2のスイッチSW20をオンして非常用着信音をスピーカ72から出力させる。
【0182】
他方、解除専用端末が通話機能を有していると判別した場合には、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後において所定時間が経過するまでに当該解除専用端末側からパスワード入力があったときに限って、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう(ステップS3018〜S3028並びにS3032及びS3034)。その後、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS3010(図28参照)に移す。このステップS3010において、電力供給制御デバイス82は、上記解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、制御を図28に示すステップS3012及びS3014に移し、これらステップS3012及びS3014において、第2のスイッチSW20をオンして非常用着信音をスピーカ72から出力させる。これに対し、着信態様が通話着信でないときには、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS3006〜S3014に移す。また、通話着信後において所定時間が経過するまでにオフフック状態に遷移した場合、及びステップS3032でオフフックした後において所定時間が経過するまでに解除専用端末側からのパスワード入力がない場合には、電力供給制御デバイス82は、制御をステップS3000(図28参照)に戻す。
【0183】
<動作>
本実施の形態では、携帯端末200は以下のように動作する。
【0184】
(本携帯端末200の通常使用時の動作)
本携帯端末200では、バッテリ90内のバッテリ残量ウォッチ部90Aからのウォッチングデータが電力供給制御デバイス82に常時入力される。この入力されたバッテリ90のウォッチングデータは、電力供給制御デバイス82内の電力供給遮断しきい値記憶領域92に記憶されている上記のしきい値と比較される。この比較の結果、バッテリ90の電圧値が上記しきい値以上であると、電力供給制御デバイス82は、第1の紛失状態解除処理に備える。他方、バッテリ90が上記しきい値まで低下すると、電力供給制御デバイス82は、この状態をローバッテリ状態とみなして、ローバッテリ状態通知を行なうと共に、表示デバイス76のディスプレイ上にパスワード入力誘導画面を表示させる。
【0185】
ローバッテリ状態通知及びパスワード入力誘導画面表示がなされると、所定時間が経過するまでに入力デバイス68の操作によってパスワードが入力され、このパスワード入力が認証されると、電力供給制御デバイス82は、その内部の第1のスイッチSW10のオンを維持する。これにより、バッテリ90から通信制御ブロック56に対する電力供給は継続される。これに対し、入力デバイス68によるパスワード入力の認証がなされないと、電力供給制御デバイス82は、その内部の第1のスイッチSW10をオフする。これにより、バッテリ90からの通信制御ブロック56に対する電力供給が遮断される。この通信制御ブロック56には、通信制御デバイス62が含まれている。
【0186】
(本携帯端末200の第1の紛失状態解除時の動作)
第1の紛失状態解除処理とは、通常使用時においてバッテリ90の残量がしきい値以上で第1のスイッチSW10のみがオンされバッテリ90からの通信制御ブロック56に対する電力供給のみが可能になっている場合の本携帯端末200の紛失状態を解除するためのものである。
【0187】
この第1の紛失状態解除処理では、他の端末からのアクセスがあり、上記他の端末が解除専用端末でなく、着信態様がメール受信であり、かつ、その受信メールが上記のパスワード付きメールである場合に限って、電力供給制御デバイス82は、当該メールに記載されたパスワードに対する認証判断を行なう。このとき、メールでのパスワード入力を認証すると、電力供給制御デバイス82は、その内部の第2のスイッチSW20をオンする。これにより、非常用着信音が出力される。
【0188】
他方、上記他の端末が解除専用端末であり、通話機能を有していないと、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとった後、第2のスイッチSW20をオンして非常用着信音を出力させる。これに対し、解除専用端末が通話機能を有していると、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後において所定時間が経過するまでに当該解除専用端末側からパスワード入力があった場合に限って、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう。その後、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、第2のスイッチSW20をオンすることによって非常用着信音を出力させる。
【0189】
(本携帯端末200の第2の紛失状態解除時の動作)
第2の紛失状態解除処理とは、通常使用時においてバッテリ90の残量がしきい値以下で第1のスイッチSW10のみがオンされバッテリ90からの通信制御ブロック56に対する電力供給のみが可能になっている場合の本携帯端末200の紛失状態を解除するためのものである。
【0190】
この第2の紛失状態解除処理では、他の端末からのアクセスがあり、上記他の端末が解除専用端末でなく、着信態様がメール受信であり、かつ、その受信メールが上記のパスワード付きメールである場合に限って、電力供給制御デバイス82は、当該メールに記載されたパスワードに対する認証判断を行なう。このとき、メールでのパスワード入力を認証すると、電力供給制御デバイス82は、その内部の第2のスイッチSW20をオンする。これにより、非常用着信音が出力される。
【0191】
他方、上記他の端末が解除専用端末であり、通話機能を有していないと、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末ID記憶部84Bに記憶されている解除専用端末IDとの確認をとった後、第2のスイッチSW20をオンして非常用着信音を出力させる。これに対し、解除専用端末が通話機能を有していると、電力供給制御デバイス82は、着信態様が通話着信であり、かつ通話着信後の所定時間内に当該解除専用端末側からパスワード入力があった場合に限って、オンフック処理(解除専用端末との通話切断)を行なう。その後、電力供給制御デバイス82は、解除専用端末からのパスワード入力が認証されることを条件として、第2のスイッチSW20をオンすることによって非常用着信音を出力させる。
【0192】
<作用・効果>
以上の説明から明らかな通り、本実施の形態によると、電力供給源として単一のバッテリ90のみしか備えられていないとしても、携帯端末200の使用が通常時及び非常時の何れの使用であっても当該バッテリ90の予備的な残余電力を使用できるようなり、かつ、そのときに必要とされる認証情報も漏洩する虞がない。
【0193】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態においては、認証情報の1つとして、パスワードを用いた例について記載した。しかし、本発明は、このような構成に限定されない。例えば、パスワードに代わる認証情報として、指紋データ、手のひらデータ、眼の網膜データ及び声紋データ等の生体認証データ等を用いる構成としても、本発明の目的は十分に達成し得る。また、上記実施の形態では、通話機能を有さない解除専用端末として、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ及びPDA等が適用可能な構成について記載した。しかし、本発明は、このような構成にも限定されない。例えば、通話機能を有さない解除専用端末として、リモートコントローラ等の赤外線等の光通信が可能な本携帯端末専用の遠隔操作装置を利用しても構わない。この場合、無線通信デバイスとして、例えば、IrDA(Infrared Data Association)規格等を利用した赤外線通信デバイス等の光通信デバイスを増設等することが好ましい。その他、本明細書に添付の特許請求の範囲内での種々の設計変更及び修正を加え得ることは勿論である。
【0194】
すなわち、本明細書で開示した実施の形態は単に例示であって、本発明が上述した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、本明細書の記載内容を参酌した上で、別紙の特許請求の範囲における請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0195】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図2】同携帯端末の機能を実現するプログラムに係るメインルーチンの制御の流れを示すフローチャートである。
【図3】同携帯端末の機能を実現するプログラムに係るメインルーチンの制御の流れを示すフローチャートであって、図2の続きを示す。
【図4】同携帯端末の機能を実現するプログラムに係るメインルーチンの制御の流れを示すフローチャートであって、図3の続きを示す。
【図5】同携帯端末の機能を実現するプログラムの第1のサブルーチンである第1の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】同携帯端末の機能を実現するプログラムの第1のサブルーチンである第1の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートであって、図5の続きを示す。
【図7】同携帯端末の機能を実現するプログラムの第2のサブルーチンである第2の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】同携帯端末の機能を実現するプログラムの第2のサブルーチンである第2の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートであって、図7の続きを示す。
【図9】本発明の第2の実施の形態の携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図10】同携帯端末の機能を実現するプログラムに係るメインルーチンの制御の流れを示すフローチャートである。
【図11】同携帯端末の機能を実現するプログラムに係るメインルーチンの制御の流れを示すフローチャートであって、図10の続きを示す。
【図12】同携帯端末の機能を実現するプログラムに係るメインルーチンの制御の流れを示すフローチャートであって、図11の続きを示す。
【図13】同携帯端末の機能を実現するプログラムの第1のサブルーチンである第1の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである
【図14】同携帯端末の機能を実現するプログラムの第1のサブルーチンである第1の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートであって、図13の続きを示す
【図15】同携帯端末の機能を実現するプログラムの第2のサブルーチンである第2の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。
【図16】同携帯端末の機能を実現するプログラムの第2のサブルーチンである第2の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートであって、図15の続きを示す。
【図17】本発明の第3の実施の形態に係る携帯端末の機能を実現するプログラムに係るメインルーチンの制御の流れを示すフローチャートである。
【図18】同携帯端末の機能を実現するプログラムに係るメインルーチンの制御の流れを示すフローチャートであって、図17の続きを示す。
【図19】同携帯端末の機能を実現するプログラムに係るメインルーチンの制御の流れを示すフローチャートであって、図18の続きを示す。
【図20】同携帯端末の機能を実現するプログラムの第1のサブルーチンである第1の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。
【図21】同携帯端末の機能を実現するプログラムの第1のサブルーチンである第1の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートであって、図20の続きを示す。
【図22】同携帯端末の機能を実現するプログラムの第2のサブルーチンである第2の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。
【図23】同携帯端末の機能を実現するプログラムの第2のサブルーチンである第2の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートであって、図22の続きを示す。
【図24】本発明の第4の実施の形態に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図25】同携帯端末の機能を実現するプログラムに係るメインルーチンの制御の流れを示すフローチャートである。
【図26】同携帯端末の機能を実現するプログラムに係る第1のサブルーチンである第1の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。
【図27】同携帯端末の機能を実現するプログラムに係る第1のサブルーチンである第1の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートであって、図26の続きを示す。
【図28】同携帯端末の機能を実現するプログラムの第2のサブルーチンである第2の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートである。
【図29】同携帯端末の機能を実現するプログラムの第2のサブルーチンである第2の紛失状態解除処理に関する制御の流れを示すフローチャートであって、図28の続きを示す。
【符号の説明】
【0196】
50,100,200 携帯端末(携帯電話)
52,54,90 バッテリ
52A ローバッテリ検出部
56 通信制御ブロック
58 電力供給制御ブロック
60 非常用着信音記憶ブロック
62 通信制御デバイス
64 通信関連情報記憶デバイス
66 無線通信デバイス
68 入力デバイス
70 タイマ
72 スピーカ
74 発光デバイス
76 表示デバイス
78 バイブレータ
80 マイク
82 電力供給制御デバイス
84 認証情報記憶領域
84A パスワード記憶部
84B 解除専用端末ID記憶部
86 非常用着信音記憶デバイス
90A バッテリ残量ウォッチ部
92 電力供給遮断しきい値記憶領域
SW,SW1,SW2,SW10,SW20 スイッチ
LM,LS,L1,L2,L3 電力供給ライン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、無線通信デバイス、及び当該無線通信デバイスで受信した信号に応じて出力形態が制御される出力デバイスを備えたデバイス群を含む携帯端末であって、
前記携帯端末は、
蓄電量が時間経過に伴って減少し充電によって復帰する電力供給源であって、前記デバイス群に対して電力供給可能な電力供給源と、
該電力供給源の蓄電状態を検出するための蓄電状態検出手段と、
利用者に前記電力供給源からの電力供給を制御する権限があるか否かを認証するための認証情報を記憶するための認証情報記憶手段と、
該認証情報記憶手段により記憶されている認証情報に基づいて認証情報入力を認証するか否かを決定するための認証手段と、
前記蓄電状態検出手段によって前記電力供給源の蓄電状態が特定の状態になったことが検出された場合に、前記認証手段による前記認証情報入力の認証結果に基づいて、当該電力供給源の予備的な残余電力を前記デバイス群へ供給可能な状態とするか否かを決定する処理を実行する電力供給制御手段と、
をさらに含むことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記電力供給源は、主バッテリ及び副バッテリを含み、
前記蓄電状態検出手段は、前記主バッテリの電圧を検出し、
前記特定の状態は、前記主バッテリの電圧がローバッテリ値まで低下した第1の蓄電状態であり、
前記電力供給制御手段は、
前記蓄電状態検出手段によって前記主バッテリが前記第1の蓄電状態になったことが検出された場合に、前記認証手段による前記認証情報入力の認証がなされることを条件として、前記デバイス群に対する前記副バッテリからの電力供給を可能な状態とする処理を実行するための手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記電力供給源は、単一のバッテリから構成され、
前記蓄電状態検出手段は、前記単一のバッテリの電圧を検出し、
前記特定の状態は、前記単一のバッテリの電圧がローバッテリ値よりも高いしきい値まで低下した第2の蓄電状態であり、
前記電力供給制御手段は、
前記蓄電状態検出手段によって前記単一のバッテリが前記第2の蓄電状態になったことが検出された場合に、前記認証手段により前記認証情報入力の認証がなされると、当該単一のバッテリからの前記デバイス群への電力供給を継続する一方、前記認証手段による前記認証情報入力の認証がなされないと、当該単一のバッテリからの前記デバイス群への電力供給を遮断する処理を実行するための手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記認証手段は、前記無線通信デバイスを介して他の端末から入力された認証情報を受取り、当該他の端末からの認証情報入力の認証又は非認証の判定をなす処理を実行するための手段を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−33420(P2009−33420A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−194542(P2007−194542)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】