説明

携帯通信機および携帯通信機用のプログラム

【課題】タクシーの利用客が、タクシーが適正な道路を走行しない場合に対処することができるようにする。
【解決手段】電子決済機能を有する携帯電話機は、ユーザが乗客としてタクシーに乗車した後に、その乗車位置から目的地までの適切な標準ルートについての予想利用料金の情報を取得し、また、タクシーがユーザの乗車位置から目的地まで実際に辿った実ルートの利用料金の情報を取得し(ステップ315)、標準ルートの予想利用料金に対して当該実ルート利用料金が基準額以上高い場合に(ステップ340)、電子決済機能によるタクシーの利用料金の支払いを禁止する(ステップ360)と共に、ユーザに警告を行う(ステップ370)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信機および携帯通信機用のプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タクシーが乗客を乗せて走行する場合に、タクシーに備えられたナビゲーション装置が、目的地までの最適なルートを算出し、タクシーの実際の走行ルートがこの最適ルートから著しく外れた場合、その走行ルート等の情報をタクシー会社に送信する技術が、記載されている。タクシー会社は、この送信された情報を利用して、タクシーのドライバーの評価を行うことができる。
【特許文献1】特開2005−222481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記の技術は、タクシー会社側で使用するタクシー会社側のための技術である。したがって、この技術を用いたとしても、タクシーの利用客は、タクシーが適正な道路を走行しない場合に対処することができない。
【0004】
本発明は上記点に鑑み、タクシーの利用客が、タクシーが適正な道路を走行しない場合に対処することができるような技術を提供するすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、ユーザ(2)に携帯される携帯通信機についてのものである。この携帯通信機は、ユーザ(2)が乗客としてタクシー(3)に乗車した後に、その乗車位置から目的地までの適切な第1のルートについての予想利用料金の情報を取得し、また、タクシー(3)が乗車位置から目的地まで実際に辿ったルートの利用料金の情報を取得し、当該第1のルートの予想利用料金に対して当該実ルート利用料金が基準額以上高い場合に、ユーザ(2)に警告を行う。
【0006】
このようになっていることで、タクシー(3)のドライバーが故意に利用料金が高くなるようなルートを走行した場合や、ドライバーが道を間違って利用料金が高くなるようなルートを走行してしまった場合には、ユーザ(2)が警告を受ける。したがって、利用料金の不正請求に対してチェック機能が働き、タクシー(3)の利用客としてのユーザ(3)は、タクシー(3)が適正な道路を走行しない場合に、抗議したり料金支払いを拒んだりする等、何らかの対処を行うことができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、ユーザ(2)に携帯され、電子決済機能を有する携帯通信機についてのものである。この携帯通信機は、ユーザ(2)が乗客としてタクシー(3)に乗車した後に、その乗車位置から目的地までの適切な第1のルートについての予想利用料金の情報を取得し、また、タクシー(3)が乗車位置から目的地まで実際に辿ったルートの利用料金(以下、実ルート利用料金という)の情報を取得し、当該第1のルートの予想利用料金に対して実ルート利用料金が基準額以上高い場合に、電子決済機能によるタクシー(3)の利用料金の支払いを禁止する。
【0008】
このようになっていることで、タクシー(3)のドライバーが故意に利用料金が高くなるようなルートを走行した場合や、ドライバーが道を間違って利用料金が高くなるようなルートを走行してしまった場合には、自動的に電子決済機能による支払いが禁止される。したがって、電子決済機能によって不当に高い料金支払いをしてしまう可能性が低下し、ひいては、電子決済機能の使用に対するユーザ(3)の安心感が増す。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、ユーザ(2)に携帯される携帯通信機についてのものである。この携帯通信機は、ユーザ(2)が乗客としてタクシー(3)に乗車した後に、その乗車位置から目的地までの適切な第1のルートを繰り返し取得し、また、タクシー(3)が実際に走行した位置を取得し、取得されたタクシー(3)の当該位置が第1のルートを離脱したことに基づいて、その離脱位置から目的地までの適切な第2のルートの特徴(例えば、当該第2のルートをタクシー(3)で通過した場合の利用料金、当該第2のルートを通った場合の目的地への到着時間、第2のルートそのもの)を取得する。
【0010】
さらに携帯通信機は、第1のルートのうち離脱位置以降の部分と、第2のルートとについて、それらの特徴を比較し、その比較の結果、当該特徴の違いが基準を超えた場合に、ユーザ(2)に警告を行う。
【0011】
このようになっていることで、目的地に到着する前の走行中においても、タクシー(3)が第1のルートから離脱した場合には、離脱後の目的地までの予想ルート(すなわち、第2のルート)の特徴を利用して、タクシー(3)が第1のルートを離脱したことに対する妥当性の評価、およびその評価結果に基づく警告を行うことができる。
【0012】
したがって、タクシー(3)のドライバーが故意に利用料金が高くなるようなルートを走行しようとしている場合や、ドライバーが道を間違って利用料金が高くなるようなルートを選びつつある場合には、ユーザ(2)が警告を受けるので、料金の不正請求の可能性に対して前もってチェック機能が働く。したがって、タクシー(3)の利用客としてのユーザ(3)は、タクシー(3)が適正な道路を走行しないまま目的地に到着してしまう事態を前もって察知し、いち速く対策を講じることができる。
【0013】
また、請求項4に記載のように、携帯通信機は、繰り返し前記タクシー(3)の現在位置から目的地までの適切なルートを取得するようになっていてもよい。その場合、携帯通信機は、自らが最後に取得したルートをタクシー(3)が離脱したことに基づいて、適切なルートとして新たなルートを取得するようになっていてもよい。
【0014】
さらにこの場合、携帯通信機は、適切なルートとして新たなルートを取得する度に、新たなルートとルートAとについて、それらの特徴を比較してもよい。ここで、ルートAとは、新たなルートの1回前に適切なルートとして取得したルートのうち、新たなルートが分岐した地点以降の部分をいう。
【0015】
このように、無線通信機は、タクシー(3)が適切なルートを離脱する度に、新たにその離脱位置からの適切なルートを算出し、新たなルートと1回前のルートとの特徴の違いに基づいて、新たなルートの妥当性を評価する。したがって、ドライバーが何度も不適切なルートを辿ろうとした場合においても、ユーザ(2)はそれを逐一察知して対処することができる。
【0016】
また、請求項5〜7に記載のように、請求項1〜3に記載の発明は、携帯通信機用のプログラムとしても捉えることができる。
【0017】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る通信システムの構成を概略的に示す。この通信システムにおいては、携帯電話機(携帯通信機の一例に相当する)1を携帯するユーザ2が、目的地に辿り着くためにタクシー3に乗り込む。そして携帯電話機1は、センターサーバ4およびタクシー3内のナビゲーション装置31、電子決済端末32と無線通信することで、タクシー利用料金の支払い、および、タクシー3の走行ルートの妥当性の評価等を行う。
【0019】
この通信システムは、ユーザ2が備える携帯電話機1、タクシー3に搭載されるナビゲーション装置31および電子決済端末32、ならびに、携帯電話機1およびナビゲーション装置31と無線等を介して通信可能なセンターサーバ4を含んでいる。
【0020】
ナビゲーション装置31は、地図データを備え、タクシー3の現在位置から設定された目的地までの最適なルート(例えば、最も短いルート、最も移動時間が短くなるルート等)を地図データを用いて算出し、タクシー3が算出したルートに沿って走行するよう、地図画像表示および音声出力によって、ドライバに案内を行う周知の装置である。
【0021】
なお、ナビゲーション装置31は、タクシー3の現在位置を特定する機能を実現する装置として、GPS受信機、ジャイロセンサ、加速度センサ、地磁気センサ等を有し、これらの装置に基づいて、衛星航法による現在位置特定および推測航法による現在位置特定を、相補的に行う。
【0022】
本実施形態におていは、ナビゲーション装置31は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信の方式を用いてタクシー3内の無線通信機(例えば携帯電話機1)と通信する機能を有している。そして、その通信において、携帯電話機1から目的地の情報を受信し、また、携帯電話機1に対してタクシー3の現在位置を繰り返し(例えば定期的に10秒毎に)送信する。
【0023】
また、ナビゲーション装置31は、広域無線通信用いて、広域無線通信の基地局を介し、センターサーバ4と無線通信する機能を有している。そして、その通信において、センターサーバ4から目的地の情報を受信することができる。
【0024】
電子決済端末32は、Felica(登録商標)等の周知の電子決済方式による金銭支払いを受け付けるための装置である。
【0025】
センターサーバ4は、有線ネットワーク(例えばインターネット)、無線通信の基地局等を介して携帯電話機1、ナビゲーション装置31と通信する機能を有している。センターサーバ4としては、例えば通信機能を有するワークステーションまたはパーソナルコンピュータを用いることができる。
【0026】
またセンターサーバ4は、地図データを備え、指定された出発地点から指定された目的地点までの最適なルートを地図データを用いて算出する機能を有している。またセンターサーバ4は、算出したルートを出発地点から現在走行し始めた場合に目的地に到達する予想時刻(すなわち予想到着時刻)を算出する機能を有している。なお、予想到着時刻の算出には、そのルート上の走行速度の推移の情報が必要となるが、その情報としては、例えば、固定の走行速度(例えば時刻30キロメートル)で走行するとの仮定を用いてもよいし、道路毎に当該道路の制限速度(地図データに含まれている)で走行するとの仮定を用いてもよい。
【0027】
またセンターサーバ4は、走行距離、走行速度の推移等の情報からタクシーの利用料金を算出するための算出式の情報を有している。センターサーバ4は、この情報を利用して、算出したルートに対する走行距離、走行速度の推移等を特定し、その特定結果に基づいて、出発地点からスタートして当該ルートを走行して目的地に到着した場合のタクシーの予想利用料金を算出する。
【0028】
図2に、携帯電話機1のハードウェア構成を示す。携帯電話機1は、GPS受信機10、HMI部11、近距離通信部12、電話通信制御部13、電子決済制御部14、およびナビゲーション制御部15を有している。GPS受信機10は、GPS衛星からの信号に基づいて携帯電話機1の現在位置を特定する周知の装置である。
【0029】
HMI部11は、携帯電話機1のユーザインターフェースに関わる部分であり、マイク11a、スピーカ11b、操作部11c、およびディスプレイ11dを含んでおり、マイク11a、操作部11cを介して入力された情報を必要に応じて電話通信制御部13、電子決済制御部14、およびナビゲーション制御部15に出力し、また、電話通信制御部13、電子決済制御部14、およびナビゲーション制御部15からの制御に応じて、スピーカ11bに音声を出力させ、ディスプレイ11dに画像を表示させる。
【0030】
近距離通信部12は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信の方式による通信を実現するための機能(例えば、変調、復調、増幅、周波数変換等)を実現する回路である。ナビゲーション制御部15は、この近距離通信部12を介してタクシー3中のナビゲーション装置31と無線通信することができる。
【0031】
電話通信制御部13は、電話通信を実現するための回路であり、広域無線通信方式を用いて他の携帯電話機1との通話回線を開き、マイク11aから受けたユーザ2の音声信号を通話先に送信し、通話先から受けた音声信号をスピーカ11bに出力させる。
【0032】
また電話通信制御部13は、広域無線通信を介してセンターサーバ4とデータ通信を行うための機能を実現する。この電話通信制御部13を介してナビゲーション制御部15はセンターサーバ4と通信することができる。
【0033】
電子決済制御部14は、Felica(登録商標)等の周知の電子決済方式による金銭支払いを行うための回路であり、電子決済端末32に(例えば10cm以内に)近づけられた際には、電子決済端末32と近距離無線通信を行って認証情報、決済情報等をやりとりし、電子決済端末32から請求を受けた金額の電子的な支払い処理を行う。なお、電子決済制御部14は、初期状態においては、この支払い処理を行うことができるが、ナビゲーション制御部15から、支払い禁止の指令を受けると、この支払い処理を行わないようになる。ただし、ナビゲーション制御部15から、支払い許可の指令を受けると、再度この支払い処理を行うことができるようになる。
【0034】
ナビゲーション制御部15は、ナビゲーション処理等を行うための、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を有する装置である。フラッシュメモリには、地図データ、ナビゲーション制御部15のCPUが実行するための各種プログラム等が記録されている。なお、フラッシュメモリ中の地図データには、電車やバス等の交通機関の路線、駅、時刻表等のデータも含まれている。
【0035】
ナビゲーション処理においてナビゲーション制御部15は、操作部11cを介して目的地および使用する交通手段(電車、バス等)の入力を受け付け、GPS受信機10を用いて特定した現在位置から当該目的地への当該交通手段および歩行による最適ルートを算出する。この場合の最適ルート中、歩行するべきルートとしては、車両が通れないようなルートを採用してもよい。さらにナビゲーション処理においてナビゲーション制御部15は、携帯電話機1の現在位置を中心とする地図、およびその地図中のルートをディスプレイ11dに表示させることで、ユーザ2がルートに沿った移動を行うように案内を行う。
【0036】
ここで、ユーザ2が、ある目的地に電車を利用して行く旨の入力を操作部11cに対して行い、ナビゲーション制御部15が、まず電車を利用し、降車駅から目的地までは徒歩で移動するようなルートを算出し、案内を開始したとする。そして、ユーザ2がこのルートに従って降車駅に降りたとき、ユーザ2がタクシー乗り場等でタクシー3に乗車したとする。
【0037】
以下、携帯電話機1を携帯するユーザ2がこのようにタクシー3に乗車して以降の作動について説明する。携帯電話機1がタクシー3内に入った後、ナビゲーション装置31と携帯電話機1のナビゲーション制御部15とがBluetooth等の近距離通信方式によって通信を開始することで互いを認識する。ナビゲーション制御部15は、ナビゲーション装置31の存在を認識すると、まず図3に示すプログラム100の実行を開始し、ナビゲーション装置31に対して現在の目的地を送信する(ステップ105)。なお、この送信の際、ディスプレイ11dに送信可否の問い合わせメッセージを表示し、操作部11cに対して送信可の操作が為された場合に限り、目的地を送信するようになっていてもよい。
【0038】
ナビゲーション制御部15から送信された目的地の情報を受信したナビゲーション装置31は、目的地設定用の画面をタクシー3中のディスプレイ(図示せず)に表示し、タクシー3のドライバーがナビゲーション装置31の操作装置(図示せず)を用いて目的地決定操作を実行するの待ち、当該操作があると、タクシー3の現在位置から目的地までの最適ルートを算出する。
【0039】
ナビゲーション装置31に目的地を送信した後ナビゲーション制御部15は、現在位置(すなわち搭乗位置)から当該目的地までの最適ルートを算出する(ステップ110)。なお、ここで算出する最適ルートは、タクシー3の最適ルートなので、車両が通れないような道路は最適ルートの候補から除外する。以下、ここで算出した最適ルートを標準ルート(第1のルートの一例に相当する)という。
【0040】
さらにナビゲーション制御部15は、現時点でタクシー3が現在位置から出発して標準ルートを通って目的地に到着する予想時刻(すなわち予想到着時刻)を算出する(ステップ120)。予想到着時刻の算出方法は、センターサーバ4における予想到着時刻の算出方法と同じである。
【0041】
さらにナビゲーション制御部15は、タクシー3が現在位置から出発して標準ルートを通って目的地に到着した場合のタクシー3の予想利用料金を算出する(ステップ130)。予想利用料金の算出方法は、センターサーバ4における予想利用料金の算出方法と同じである。この際、予想利用料金の算出式の取得方法は、ナビゲーション制御部15のフラッシュメモリにあらかじめ記録されている算出式を読み出す方法てもよいし、センターサーバ4に算出式の要求を送信して、その要求に応じてセンターサーバ4が送信した算出式を受信する方法でもよい。予想利用料金の情報を算出すると、ディスプレイ11dにその予想利用料金の額を表示し、その後プログラム100の実行を終了する。
【0042】
なお、ナビゲーション制御部15は、現在位置から当該目的地までの最適なルート(すなわち標準ルート)、当該標準ルートについての予想到着時刻、および当該標準ルートについての予想利用料金の情報を、センターサーバ4から取得するようになっていてもよい。
【0043】
具体的には、携帯電話機1のナビゲーション制御部15は、現在位置および目的地の情報を、電話通信制御部13を介してセンターサーバ4に送信してもよい。その場合センターサーバ4は、その現在位置および目的地に基づいて最適な標準ルートを算出し、タクシー3が現在位置から出発して標準ルートを通って目的地に到着した場合のタクシー3の予想利用料を算出し、タクシー3が現在位置から出発して標準ルートを通って目的地に到着した場合のタクシー3の予想利用料金を算出し、それら算出結果を携帯電話機1に送信する。ナビゲーション制御部15は、電話通信制御部13を介してその算出結果を受信することで、標準ルート、予想到着時刻、および予想利用料金の情報を取得する。
【0044】
計算能力がナビゲーション制御部15に比べてセンターサーバ4の方が高い場合、および、センターサーバ4の地図データの方が携帯電話機1の地図データに比べてより新しい道路状況を反映している場合等には、センターサーバ4に標準ルート、予想到着時刻、および予想利用料金の算出をさせることが有益である。一方携帯電話機1とセンターサーバ4との間の通信料の低減という観点からは、ナビゲーション制御部15が標準ルート、予想到着時刻、および予想利用料金を算出した方が有利である。
【0045】
ドライバーがタクシー3を移動させ始めると、ナビゲーション装置31は算出した最適ルートに対する案内を開始する。
【0046】
携帯電話機1のナビゲーション制御部15は、プログラム100の実行終了後、続いて図4に示すプログラム200の実行を開始し、まず携帯電話機1の現在位置の情報の取得(ステップ210)、および当該現在位置の現ルートとの比較(ステップ220)を、当該現在位置が現ルートを離脱したと判定するまで(ステップ230)繰り返し実行する。
【0047】
ここで、携帯電話機1の現在位置の情報は、GPS受信機10からの信号に基づいて特定する。また、現ルートとは、プログラム200の実行開始以降、後述するステップ240における再ルート計算が行われていない段階では、標準ルートと同じであるが、ステップ240における再ルート計算が1回以上実行された後は、最後の再ルート計算の結果のルートである。また、ステップ230の現ルートを離脱したか否かの判定は、周知のマップマッチング技術により、特定した現在位置が現ルートとは異なる道路にマッチしたか否かで判定するようになっていてもよい。
【0048】
現ルートを離脱したと判定した後は、現在位置から目的地までの最適なルートを再計算する。すなわちリルートを実行する(ステップ240)。この再計算結果のルートが、新たな現ルートとなる。なお以下では、新たな現ルートの1つ前に現ルートであったルートを、前ルートという。
【0049】
さらにステップ240では、図3のプログラム100のステップ120、130で標準ルートに対して行ったのと同様に、新たな現ルートについても、現時点で当該現ルートの始点(すなわち、前ルートと現ルートとの分岐点)から当該現ルートをタクシー3が通った場合の目的地への予想到着時刻、および、前ルートを離脱した地点(すなわち、前ルートと現ルートとの分岐点)から目的地までの現ルートの区間をタクシー3が通った場合の、当該区間の予想利用料金を算出する。なお、ナビゲーション制御部15は、ステップ240で算出した現ルートの予想利用料金および予想到着時刻を、ディスプレイ11dに表示してもよい。
【0050】
続いて、ステップ240で算出した現ルートの予想利用料金と、前ルートの利用料金(すなわち、上述の分岐点から目的地までの前ルートの区間をタクシー3が通った場合の当該区間の予想利用料金)との比較を行う。そして、現ルートの利用料金が前ルートの利用料金よりも基準額X円以上高いか否かの判定を行う(ステップ250)。ここで、基準額X円は、固定額(例えば1000円)であってもよいし、標準ルートについての予想利用金額が高くなるほど高くなる値(例えば、標準ルートについての予想利用金額の3割)であってもよいし、現ルートについての予想利用金額が高くなるほど高くなる値(例えば、現ルートについての予想利用金額の3割)であってもよい。基準額X円以上高くないと判定した場合は、再度ステップ210を実行する。
【0051】
基準額X円以上高いと判定した場合は、ステップ240で算出した現ルートによる予想到着時刻と、前ルートによる予想到着時刻(1回前のステップ240またはステップ120で算出している)とを比較し、現ルートによる予想到着時刻が前ルートによる予想到着時刻よりも基準時間Y分以上早いか否かを判定する(ステップ260)。
【0052】
ここで、基準時間Y分は、固定時間(例えば5分)であってもよいし、現ルートの総距離が長くなるほど高くなる額であってもよい。基準時間Y円以上早いと判定した場合は、再度ステップ210を実行する。
【0053】
基準時間Y円以上早くないと判定した場合は、続いてディスプレイ11dに警告画面を表示させる(ステップ270)。表示内容は、例えば、不当なルートにタクシー3が入った旨を示す文字表示であってもよい。このとき、携帯電話機1が振動する機能を有している場合は、その振動する機能を実行してもよい。
【0054】
このように、携帯電話機1は、まず、ユーザ2が乗客としてタクシー3に乗車した後に、その乗車位置から目的地までの適切な標準ルートを取得し(図3のステップ110参照)、その後タクシー3が走行している間、タクシー3が実際に走行した位置を繰り返し取得し(図4のステップ210参照)、取得したタクシー3の当該位置が標準ルートを離脱したことに基づいて、その離脱位置から目的地までの適切なルート(すなわち現ルート)、当該ルートの特徴(具体的には、利用料金および到着時間)を算出する(ステップ240参照)。
【0055】
さらに携帯電話機1は、標準ルートのうち離脱位置(すなわち新たな現ルートと標準ルートとの分岐点)以降の部分と、現ルートについて、それらの特徴を比較し、その比較の結果、当該特徴の違いが基準を超えた場合(すなわち、基準のボーダーラインを超えてユーザ2にとって金銭的、時間的に不利になった場合)に、ユーザ(2)に警告を行う。
【0056】
ここでいう基準は、具体的には、「現ルートの方が、利用料金が基準額X円以上高くないか、または、現ルートの方が、到着時刻がY分以上早くなっている」という基準である。このような基準は、利用料金がある程度以上高くなっていれば、新たなルートは基本的に不当であるが、その場合であっても、新たなルートの方がある程度以上早く目的地に到着するなら、不当であるとは言えないという観点に基づくものである。
【0057】
このようになっていることで、目的地に到着する前の走行中においても、タクシー3が標準ルートから離脱した場合には、離脱後の目的地までの予想ルート(すなわち、現ルート)の特徴を利用して、タクシー3が標準ルートを離脱したことに対する妥当性の評価、およびその評価結果に基づく警告を行うことができる。
【0058】
したがって、タクシー3のドライバーが故意に利用料金が高くなるようなルートを走行しようとしている場合や、ドライバーが道を間違って利用料金が高くなるようなルートを選びつつある場合には、ユーザ2が警告を受けるので、料金の不正請求の可能性に対して前もってチェック機能が働く。したがって、タクシー3の利用客としてのユーザ3は、タクシー3が適正な道路を走行しないまま目的地に到着してしまう事態を前もって察知し、いち速く何らかの対策を講じることができる。
【0059】
また、携帯電話機1は、繰り返しタクシー3の現在位置から目的地までの適切なルートを取得するようになっている(ステップ240参照)。具体的には、自らが最後に取得したルート(すなわち現ルート)をタクシー3が離脱したことに基づいて、適切なルートとして新たな現ルートを取得するようになっている。
【0060】
さらにこの場合、携帯電話機1は、新たな現ルートを取得する度に、当該現ルートと前ルートの部分A(ルートAに相当する)とについて、それらの特徴を比較してもよい。ここで部分Aとは、前ルートのうち、現ルートが分岐した地点以降の部分をいう。
【0061】
このように、携帯電話機1は、タクシー3が現ルートを離脱する度に、新たにその離脱位置からの適切なルートを算出し、新たな現ルートと前ルートとの特徴の違いに基づいて、新たな現ルートの妥当性を評価する。したがって、ドライバーが何度も不適切なルートを辿ろうとした場合においても、ユーザ2はそれを逐一察知して何らかの対処をすることができる。
【0062】
またナビゲーション制御部15は、プログラム200の実行の開始と共に、タクシー3が目的地に到着した場合のために、図5に示すプログラム300の実行を開始し、GPS受信機10からの信号に基づいて取得した現在位置に基づいて、タクシー3が目的地に到着するか否かを、到着するまで判定し続け(ステップ310)、到着すると続いて実ルート利用料金の予想額を算出する。実ルート利用料金とは、タクシー3への搭乗位置から目的地までタクシー3が実際に走行したルート(すなわち実ルート)についてのタクシー3の利用料金である。当該利用料金の予想額は、当該実ルートの走行距離および走行速度の推移に基づいて、上述のタクシー3の利用料金の算出式を利用して算出することができる。
【0063】
なお、実ルート利用料金の予想額のナビゲーション制御部15による取得方法としては、ナビゲーション制御部15が実ルートの情報をセンターサーバ4に送信し、センターサーバ4が受信した実ルートに基づいて利用料金を算出して携帯電話機1に送信し、ナビゲーション制御部15がそれを受信するという方法を採用してもよい。
【0064】
続いて、実ルート利用料金の予想額と、図2のステップ130で取得した標準ルートの予想利用料金とを比較し(ステップ320)、それら比較結果(例えば、両方の料金および両料金の差額)をディスプレイ11に表示させる(ステップ330)。
【0065】
さらにナビゲーション制御部15は、これら比較した2つの料金の差額(具体的には、実ルート利用料金の予想額から予想利用料金を差し引いた額)が基準額Z円以上であるか否かを判定する(ステップ340)。
【0066】
ここで、基準額Z円は、図4のステップ250で用いた基準額X円よりも高い額である。基準額Z円は、固定額(例えば2000円)であってもよいし、実ルートの総距離が高くなるほど高くなる額であってもよい。基準額Z円以上高くないと判定した場合は、電子決済制御部14に対して料金支払いを許可する指令を出力し(ステップ350)、プログラム300の実行を終了する。
【0067】
この料金支払い許可の指令を受けた電子決済制御部14は、携帯電話機1が電子決済端末32に十分近づけられた際に、電子決済端末32からのタクシー3の利用料金の請求に応じて支払い処理を行う。
【0068】
ステップ340で基準額Z円以上高いと判定した場合は、電子決済制御部14に対して料金支払いを許可する指令を出力する(ステップ360)。この料金支払い禁止の指令を受けた電子決済制御部14は、携帯電話機1が電子決済端末32に十分近づけられた際に、電子決済端末32からのタクシー3の利用料金の請求を受けても、その要求に応じない。
【0069】
さらにナビゲーション制御部15は、ディスプレイ11dに、タクシー3の走行経路が不当であって旨の警告情報を表示させる(ステップ370)。この場合、対応情報として、タクシー3が属するタクシー会社の苦情センターの電話番号を表示するようになっていてもよい。当該電話番号の情報については、あらかじめナビゲーション装置31の記憶媒体に記録されており、ナビゲーション装置31による当該情報の送信を受信することで当該情報の取得を実現してもよい。またこのとき、ユーザ2が操作部11cに対して電話開始の旨の操作をした場合に、電話通信制御部13は、当該電話番号へ電話をかける(すなわち通話要求を送信する)ようになっていてもよい。
【0070】
続いてナビゲーション制御部15は、ディスプレイ11dに支払い禁止を解除するか否かの問い合わせメッセージを表示し、支払い禁止を解除する旨のユーザ操作が操作部11cに行われるまで待つ(ステップ380)。そして、当該操作があると、続いて電子決済制御部14に対して料金支払いを許可する指令を出力し(ステップ350)、その後プログラム300の実行を終了する。
【0071】
このように、携帯電話機1は、タクシー3がユーザ2の乗車位置から目的地まで実際に辿った実ルートの利用料金の情報を取得し(ステップ315参照)、標準ルートの予想利用料金に対して当該実ルート利用料金が基準額以上高い場合に、電子決済機能によるタクシー3の利用料金の支払いを一時的に禁止する(ステップ360参照)と共に、ユーザ2に警告を行う(ステップ370参照)。そして、この支払い禁止は、ユーザ2の携帯電話機1に対する操作によって解除される(ステップ380参照)。
【0072】
このように電子決済による支払い機能を禁止することで、タクシー3のドライバーが故意に料金が高くなるようなルートを走行した場合や、ドライバーが道を間違って料金が高くなるようなルートを走行してしまった場合には、自動的に電子決済機能による支払いが禁止される。したがって、電子決済機能によって不当に高い料金支払いをしてしまう可能性が低下し、ひいては、電子決済機能の使用に対するユーザ3の安心感が増す。
【0073】
そして、この支払い禁止は、ユーザ2の携帯電話機1に対する操作によって解除されるので、ユーザ2は、この禁止が必ずしも適切でないと自ら判断した場合には、速やかに支払いを済ませることができる。
【0074】
また、このような警告を行うことで、タクシー3のドライバーが故意に料金が高くなるようなルートを走行した場合や、ドライバーが道を間違って料金が高くなるようなルートを走行してしまった場合には、ユーザ2が警告を受ける。したがって、料金の不正請求に対してチェック機能が働き、タクシー3の利用客としてのユーザ3は、タクシー3が適正な道路を走行しない場合に、抗議したり料金支払いを拒んだりする等、何らかの対処を行うことができる。
【0075】
またナビゲーション制御部15は、プログラム300の実行終了時等の適切なタイミングで、タクシー3の実経路、携帯電話機1の識別情報、タクシー3の識別情報、現在日時等の情報をセンターサーバ4に送信し、センターサーバ4は、受信した実経路をフラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等の不揮発性の記憶媒体に記録するようになっていてもよい。
【0076】
なおこのとき、ナビゲーション制御部15は、タクシー3の識別情報を、ナビゲーション装置31から受信するようになっていてもよいし、操作部11cに対するユーザの入力に基づいて特定するようになっていてもよい。
【0077】
このように、実ルート等の情報をセンターサーバ4にアップロードして記録させておくことで、記録された情報が、後日タクシー会社に提示する証拠となる。この証拠によって、タクシー会社側は言い逃れをすることができなくなる。このため、ユーザ2に対してごまかしが効かなくなり、ユーザ2は安心してタクシーを利用することができるようになる。
【0078】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0079】
例えば、上記実施形態において、ナビゲーション制御部15は、タクシー3内において、ナビゲーション装置31に現在位置情報を要求することで、ナビゲーション装置31から現在位置の情報を取得するようになっていてもよい。ナビゲーション装置31は推測航法によっても現在位置を特定することができるので、上記のような方法による現在位置の取得方法は、GPS受信機10においてGPS衛星からの信号の受信状態が悪い場合に特に有益である。
【0080】
また、携帯電話機1は、図4のステップ240で適切なルートとして新たな現ルートを取得する度に、ステップ250および260で、現ルートと前ルートとについて、それらの特徴を比較するようになっている。しかし、このようなものに限らず、適切なルートとして新たな現ルートを取得する度に、現ルートと標準ルートとについて、それらの特徴を比較するようになっていてもよい。
【0081】
あるいは、標準ルートの取得時に、標準ルートを複数種類算出しておき、適切なルートとして新たな現ルートを取得する度に、現ルートと1つの標準ルートとについて、それらの特徴を比較するようになっていてもよい。ここで、現ルートと比較する1つの標準ルートは、あらかじめ取得された複数の標準ルートのうち、最も現ルートとコースのずれの総量が少ないものを用いてもよい。
【0082】
また、ナビゲーション制御部15は、図4のステップ240における再ルート計算、予想到着時刻計算、予想利用料金計算においては、図3のステップ110〜130の場合と同じく、ナビゲーション制御部15ではなく、センターサーバ4にそれら再ルート、予想到着時刻、予想利用料金の計算を行わせ、その計算結果の情報をセンターサーバ4から受信するようになっていてもよい。
【0083】
また、ナビゲーション装置31は、ユーザ2がタクシー3に搭乗した後に携帯電話機1が取得した目的地までの最適ルートを、携帯電話機1から受信し、その受信したルートに従ってドライバーに対する案内を行うようになっていてもよい。
【0084】
また、図3のステップ105において、携帯電話機1は、直接ナビゲーション装置31に対して目的地を送信しているが、携帯電話機1は、センターサーバ4に目的地を送信し、センターサーバ4がナビゲーション装置31に当該目的地を転送するようになっていてもよい。すなわち、携帯電話機1は、センターサーバ4を介してナビゲーション装置31に目的地を送信するようになっていてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、ナビゲーション制御部15がステップ315で算出するのは、実ルート料金の予想額である。しかし、ナビゲーション制御部15は、ステップ315では、実際に電子決済端末32から請求された額を、実ルート料金として特定してもよい。ただしこの場合、ステップ315の段階で、携帯電話機1が電子決済端末32に十分近づけられている必要がある。
【0086】
実ルート料金の正確さという観点からは、後者の方が有利である。しかし、電子決済端末32が、相手が支払いに応じる状態になければ請求額を通知しないようになっている場合には、前者の方法(すなわち、実経路料金を予想する方法)がより有効である。
【0087】
また、上記の実施形態において、ナビゲーション制御部15がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【0088】
また、上記実施形態においては、携帯通信機の一例として携帯電話機1が用いられているが、携帯通信機としては、ナビゲーション装置31と通信可能なPDA等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの構成を示す概略図である。
【図2】携帯電話機1の構成を示すブロック図である。
【図3】ナビゲーション制御部15が実行するプログラム100のフローチャートである。
【図4】ナビゲーション制御部15が実行するプログラム200のフローチャートである。
【図5】ナビゲーション制御部15が実行するプログラム300のフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
1 携帯電話機
2 ユーザ
3 タクシー
4 センターサーバ
31 ナビゲーション装置
32 電子決済端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ(2)に携帯される携帯通信機であって、
前記ユーザ(2)が乗客としてタクシー(3)に乗車した後に、その乗車位置から目的地までの適切な第1のルートについての予想利用料金の情報を取得する予想利用料金取得手段(130)と、
前記タクシー(3)が前記乗車位置から前記目的地まで実際に辿ったルートの利用料金(以下、実ルート利用料金という)の情報を取得する実ルート利用料金取得手段(315)と、
前記第1のルートの前記予想利用料金に対して前記実ルート利用料金が基準額以上高い場合に、前記ユーザ(2)に警告を行う警告手段(380)と、を備えた携帯通信機。
【請求項2】
ユーザ(2)に携帯され、電子決済機能を有する携帯通信機であって、
前記ユーザ(2)が乗客としてタクシー(3)に乗車した後に、その乗車位置から目的地までの適切な第1のルートについての予想利用料金の情報を取得する予想利用料金取得手段(130)と、
前記タクシー(3)が前記乗車位置から前記目的地まで実際に辿ったルートの利用料金(以下、実ルート利用料金という)の情報を取得する実ルート利用料金取得手段(315)と、
前記第1のルートの前記予想利用料金に対して前記実ルート利用料金が基準額以上高い場合に、前記電子決済機能による前記タクシー(3)の利用料金の支払いを禁止する禁止手段(360)と、を備えた携帯通信機。
【請求項3】
ユーザ(2)に携帯される携帯通信機であって、
前記ユーザ(2)が乗客としてタクシー(3)に乗車した後に、その乗車位置から目的地までの適切な第1のルートを取得する第1ルート取得手段(110)と、
前記タクシー(3)が実際に走行した位置を繰り返し取得する位置取得手段(210)と、
取得された前記タクシー(3)の前記位置が前記第1のルートを離脱したことに基づいて、その離脱位置から目的地までの適切な第2のルートの特徴を取得する新ルート取得手段(240)と、
前記第1のルートのうち前記離脱位置以降の部分と、前記第2のルートとについて、それらの特徴を比較する比較手段(250、260)と、
前記比較手段(250、260)の比較の結果、前記特徴の違いが基準を超えた場合に、前記ユーザ(2)に警告を行う警告手段(270)と、を備えた携帯通信機。
【請求項4】
前記新ルート取得手段(240)は、繰り返し前記タクシー(3)の現在位置から前記目的地までの適切なルートを取得し、
前記新ルート取得手段(240)は、自らが最後に取得したルートを前記タクシー(3)が離脱したことに基づいて、前記適切なルートとして新たなルートを取得し、
前記比較手段(250、260)は、前記新ルート取得手段(240)が前記適切なルートとして新たなルートを取得する度に、前記新たなルートとルートAとについて、それらの特徴を比較し、
前記ルートAは、前記新たなルートの1回前に前記新ルート取得手段(240)が前記適切なルートとして取得したルートのうち、前記新たなルートが分岐した地点以降の部分であることを特徴とする請求項3に記載の携帯通信機。
【請求項5】
ユーザ(2)に携帯される携帯通信機に用いるプログラムであって、
前記ユーザ(2)が乗客としてタクシー(3)に乗車した後に、その乗車位置から目的地までの適切な第1のルートについての予想利用料金の情報を取得する予想利用料金取得手段(130)、
前記タクシー(3)が前記乗車位置から前記目的地まで実際に辿ったルートの利用料金(以下、実ルート利用料金という)の情報を取得する実ルート利用料金取得手段(315)、および
前記第1のルートの前記予想利用料金に対して前記実ルート利用料金が基準額以上高い場合に、前記ユーザ(2)に警告を行う警告手段(370)として、コンピュータを機能させるプログラム。
【請求項6】
ユーザ(2)に携帯され、電子決済機能を有する携帯通信機に用いるプログラムであって、
前記ユーザ(2)が乗客としてタクシー(3)に乗車した後に、その乗車位置から目的地までの適切な第1のルートについての予想利用料金の情報を取得する予想利用料金取得手段(130)、
前記タクシー(3)が前記乗車位置から前記目的地まで実際に辿ったルートの利用料金(以下、実ルート利用料金という)の情報を取得する実ルート利用料金取得手段(315)、および
前記第1のルートの前記予想利用料金に対して前記実ルート利用料金が基準額以上高い場合に、前記電子決済機能による前記タクシー(3)の利用料金の支払いを禁止する禁止手段(360)として、コンピュータを機能させるプログラム。
【請求項7】
ユーザ(2)に携帯される携帯通信機に用いるプログラムであって、
前記ユーザ(2)が乗客としてタクシー(3)に乗車した後に、その乗車位置から目的地までの第1のルートを取得する第1ルート取得手段(110)、
前記タクシー(3)が実際に走行した位置を繰り返し取得する位置取得手段(210)、
取得された前記タクシー(3)の前記位置が前記第1のルートを離脱したことに基づいて、その離脱位置から目的地までの適切な第2のルートの特徴を取得する新ルート取得手段(240)、
前記第1のルートのうち前記離脱位置以降の部分と、前記第2のルートとについて、それらの特徴を比較する比較手段(250、260)、および
前記比較手段(250、260)の比較の結果、前記特徴の違いが基準を超えた場合に、前記ユーザ(2)に警告を行う警告手段(270)として、コンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−198418(P2009−198418A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42500(P2008−42500)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】