説明

操作システム

【課題】ユーザの操作を簡略化することができる操作システムを提供すること。
【解決手段】最下層の各々の機能操作画面において、機能の実行が指示された毎に、その機能実行のために利用された機能操作画面の利用頻度を記憶する。そして、各階層の操作メニュー画面において、一の項目を選択するための操作が所定時間以上継続された場合に、記憶された最下層の機能操作画面の利用頻度に基づいて、選択された項目を経て選択可能な最下層の機能操作画面の中で最も利用頻度が高い最下層の機能操作画面へと直接遷移するように表示画面の制御を行う。これにより、ユーザは、頻繁に利用する機能操作画面ほど、より上位階層の操作メニュー画面から、目的とする機能操作画面へと表示画面を直接遷移させることが可能になるので、ユーザの操作を効果的に簡略化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作メニューの表示が階層化された操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作メニューの表示が階層化された操作システムにおいて、ユーザの入力操作を容易にすることが可能な種々の提案がなされている。例えば、特許文献1に記載された操作システムにおいては、操作パネルと、操作パネルに配設された複数の操作スイッチからの入力操作を操作指令として受信し、その操作指令により作動される制御装置を備える。
【0003】
操作パネルは、記憶モードへの切替及びその解除を行うモード切替スイッチと、実行スイッチと、記憶部と、記憶モードに切替えられた状態で連続操作された操作スイッチの操作手順を記憶部に記憶し、記憶モードが解除された状態で実行スイッチが押し操作された場合に、記憶部に記憶された操作スイッチの操作手順に従って、それら操作スイッチに対応した操作指令を制御装置へシリアル送信する処理部とを備える。
【特許文献1】特開2002−2416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した操作システムにおいては、ユーザが、操作手順の記憶の要否を判断し、操作手順の記憶が必要であると判断した場合に、操作システムのモード切替スイッチにより記憶モードへの変更を行う必要がある。
【0005】
さらに、記憶部に記憶させた操作手順を、他の機能を実行させるための操作手順に変更することをユーザが望んだ場合には、再度記憶モードに切替えて、記憶させたい操作手順に応じた操作を行うことが必要になる。
【0006】
このように、従来の操作システムでは、操作手順の記憶のための操作や、操作手順の変更時には、再度、記憶のための操作を繰り返す必要があるなど、ユーザの操作負担が充分に軽減されているとはいえなかった。
【0007】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、従来の操作システムのような操作手順の記憶のための操作を不要としながら、ユーザによる操作を簡略化することが可能な操作システムを提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の操作システムは、
操作メニューの表示が階層化され、上位階層の操作メニュー画面において、ユーザが任意の項目の選択操作を行うと、その選択項目に対応する下位階層の操作メニュー画面に遷移し、各階層の操作メニュー画面において、順次、所望の項目の選択操作を繰り返すことにより、目的とする機能を実行させるための最下層の機能操作画面の表示を行う操作システムであって、
最下層の各々の機能操作画面の利用頻度を記憶する記憶手段と、
上位階層の操作メニュー画面が表示されているとき、ユーザの操作に基づいて、一つの項目の指定、及び最下層の機能操作画面への直接遷移指示を行う指示手段と、
指示手段による直接遷移指示がなされた場合、記憶手段に記憶された最下層の機能操作画面の利用頻度に基づいて、指示手段おいて指定された項目を経て選択可能な最下層の機能操作画面の中で最も利用頻度が高い最下層の機能操作画面を選択し、表示されている上位階層の操作メニュー画面から選択された機能操作画面へと表示画面を遷移させる表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の操作システムは、ユーザの嗜好やニーズなどによって、最下層の機能操作画面を通じてユーザが実行を指示する機能には偏りが生じ、機能実行のため、利用頻度が高い機能操作画面は、ユーザが繰返し利用する確率が高いことに着目した。
【0010】
このため、請求項1に記載の操作システムにおいては、記憶手段に最下層の各々の機能操作画面の利用頻度を記憶させておき、指示手段による直接遷移指示がなされた場合、その記憶された最下層の機能操作画面の利用頻度に基づいて、指示手段おいて指定された項目を経て選択可能な最下層の機能操作画面の中で最も利用頻度が高い最下層の機能操作画面を選択し、表示されている上位階層の操作メニュー画面から選択された機能操作画面へと表示画面を遷移させることとした。これにより、ユーザは、頻繁に利用する機能操作画面ほど、より上位階層の操作メニュー画面から、目的とする機能操作画面へと表示画面を直接遷移させることが可能になるので、ユーザの操作を簡略化するうえで非常に効果が大きい。
【0011】
請求項2に記載したように、記憶手段は、最下層の機能操作画面が表示され、かつその機能操作画面におけるユーザの操作によって機能の実行が指示された場合に、当該機能操作画面の利用頻度を更新することが好ましい。このようにすれば、記憶手段には、ユーザが実際に機能の実行を指示した場合に、その機能に対応する最下層の機能操作画面の利用頻度が記憶されるようになる。換言すれば、単に最下層の機能操作画面が表示されただけでは、利用頻度が更新されないので、記憶手段は、ユーザの各機能の利用状況に即した利用頻度を記憶することができる。
【0012】
請求項3に記載したように、指示手段における、一つの項目の指定及び直接遷移指示は、ユーザが所望の項目の選択操作を所定時間以上継続することによってなされることが好ましい。これにより、直接遷移指示などを行うための専用のスイッチを設けることを不要とできる。
【0013】
請求項4に記載したように、表示制御手段は、指示手段による直接遷移指示がなされた場合であっても、指定された項目を経て選択可能な最下層の機能操作画面に関して利用頻度の更新履歴がないときには、その指定された項目に対応する下位階層の操作メニュー画面に、表示画面を遷移させることが好ましい。指定された項目を経て選択可能な最下層の機能操作画面に関して利用頻度の更新履歴がない場合には、いずれの機能操作画面に遷移させるべきか判断できないためである。
【0014】
請求項5に記載したように、記憶手段は、最下層の各々の機能操作画面の利用頻度を更新したとき、その更新時の時間情報も記憶するものであって、表示制御手段は、指示手段による直接遷移指示がなされた場合に、指定された項目を経て選択可能な最下層の機能操作画面の中に、最も利用頻度が高い機能操作画面が複数あるときには、その複数の機能操作画面の内、最も新しく利用頻度が更新された機能操作画面を選択して、その機能操作画面へと表示画面を遷移させるようにしても良い。このように、最も利用頻度が高い機能操作画面が複数ある場合、更新時の時間情報に基づいて、最も新しく利用頻度が更新された機能操作画面を選択するようにすれば、ユーザの機能操作画面の利用状況が、時間の経過とともに変化した場合に、現時点において、よりユーザが選択する確率の高い機能操作画面を選択することができる。
【0015】
また、請求項6に記載したように、表示制御手段は、指示手段による直接遷移指示がなされた場合に、指定された項目を経て選択可能な最下層の機能操作画面の中に、最も利用頻度が高い機能操作画面が複数あるときには、その複数の機能操作画面のいずれかをユーザに選択させる画面を表示し、その画面において一の機能操作画面が選択されたとき、その機能操作画面へと表示画面を遷移させるようにしても良い。このようにすれば、ユーザが所望する機能操作画面を確実に表示することができる。
【0016】
請求項7に記載したように、表示制御手段は、記憶手段に記憶された最下層の各々の機能操作画面の利用頻度に基づいて、最大利用頻度の機能操作画面が変化したと判断したとき、最大利用頻度の機能操作画面が変化したことを示す情報を表示することが好ましい。これにより、ユーザは、直接遷移指示がなされるための操作を行ったとしたら、いずれの機能操作画面が表示されるかを事前に把握することができる。
【0017】
さらに、請求項8に記載したように、上位階層の操作メニュー画面において、ユーザ操作によって一の項目が指定されたとき、その項目を指定した状態で直接遷移指示がなされたときに、遷移する機能操作画面に関する情報を表示するようにしても良い。このようにすると、ユーザは、操作メニュー画面の各項目について、直接遷移指示がなされるための操作を行った場合に遷移する機能操作画面を把握することができる。
【0018】
請求項9に記載したように、記憶手段は、各階層の操作メニュー画面及び最下層の機能操作画面において入力された入力情報がある場合、その入力情報も記憶するものであり、指示手段による指示に基づいて、最下層の機能操作画面へと表示画面が遷移した場合、記憶手段に記憶された入力情報を機能操作画面に反映させる入力情報反映手段を備えることが好ましい。これにより、前回、実行した機能と同様の機能を、同様の入力情報に基づく条件で実行させる場合、その入力情報の入力操作も不要とすることができる。
【0019】
ただし、この場合、請求項10に記載するように、入力情報反映手段による入力情報を機能操作画面に反映させるか否かをユーザが選択可能であることが好ましい。ユーザは、前回と同様の機能を選択しながら、異なる条件で、その機能を実行させる場合もあるためである。記憶手段に記憶された入力情報を反映させるか否かをユーザが選択できるようにする具体例としては、予め、ユーザが反映モードと非反映モードとのいずれかを設定しておき、反映モードが設定されている場合には、機能操作画面に遷移すると同時に、入力情報を反映させるようにすることが考えられる。或いは、機能操作画面に遷移したとき、ユーザが入力情報の反映を指示できるスイッチなどを設けるようにしても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態における操作システムに関して、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、本発明の操作システムを自動車等の車両に搭載されるナビゲーション装置に適用した例について説明するが、本発明による操作システムの適用対象は、ナビゲーション装置のみに限定されるものではない。
【0021】
図1は、本実施形態におけるナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、ナビゲーション装置10は、中央演算装置5、自車位置検出装置1、車速検出装置2、自車方位検出装置3、記憶装置4、表示装置6、及び操作装置7などによって構成される。さらに、ナビゲーション装置10は、各種の情報を音声にて案内するための音声出力装置を備えていても良い。
【0022】
中央演算装置5は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインが備えられている。ROMには、ナビゲーション装置10において実行される各種の制御処理のためのプログラムが書き込まれており、このプログラムに従ってCPU等が所定の演算処理を実行する。
【0023】
自車位置検出装置1は、例えば、衛星からの電波に基づいて車両の位置を測定するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機、GPSアンテナ等によって構成される。この自車位置検出装置1は、電波航行により検出した車両の位置に関するデータを中央演算装置5へ定期的に送信する。
【0024】
車速検出装置2は、例えば、車両の速度に応じた速度で回転するロータとピックアップコイルなどから構成され、車両の走行速度を検出する。検出された車速データは、中央演算装置5に送信される。自車方位検出装置3は、いずれも周知の地磁気センサやジャイロスコープ等によって構成され、車両の進行方向を絶対方位や相対方位として検出する。検出された車両の方位データは、中央演算装置5に送信される。中央演算装置5は、これら車速検出装置2及び自車方位検出装置3による検出結果に基づいて、推測航行による車両位置を算出する。中央演算装置5は、自立航行による車両位置と電波航行による車両位置とに基づいて、最終的な車両位置及びその進行方向を求める。
【0025】
記憶装置4は、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、HDD等の記憶媒体を備えており、その記憶媒体には、地図の描画に用いられる描画データや、施設等の検索に用いられる施設データなどが記憶される。なお、施設データは、施設名称、施設のカテゴリ、住所、電話番号、郵便番号、及び施設の座標等の各種データによって構成される。さらに、この記憶装置4は、後述する、最下層の各機能操作画面の利用頻度を記憶する読み書き可能なメモリを有する。
【0026】
表示装置6は、例えば、液晶ディスプレイによって構成される。この表示装置6の画面には、ナビゲーション装置10の各種機能を実行するための操作メニュー画面の他、地図表示画面が表示される。地図表示画面においては、車両の現在位置とその進行方向を示す自車位置マークと、記憶装置4に記憶された描画データによって生成される車両の現在位置の周辺地図などが表示される。
【0027】
操作装置7は、例えば、表示装置6と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなパネルスイッチ等が用いられ、表示装置6の画面に表示される地図のスクロール操作、文字入力、メニュー項目の選択等の各種入力に使用される。
【0028】
ナビゲーション装置10は、名称、住所、電話番号などから目的地を検索する目的地検索機能、出発地(現在位置など)から検索された目的地までの最適なルートを探索し、この探索した探索ルートを画面に表示してり、進行方向を音声案内するなどして、目的地まで案内する、いわゆるルート案内機能、渋滞・工事等の交通情報を表示する交通情報提供機能、及び表示装置6の画面設定等の各種設定を行う各種設定機能等の各種機能を備えている。
【0029】
このような各種機能は、操作メニュー画面に従って表示項目の選択を行ったり、必要な情報の入力を行うことにより、ユーザが所望する任意の機能を任意の条件で実行可能となる。つまり、操作メニュー画面は、画面表示の見易さや操作性を考慮して階層化されている。このため、上位階層の操作メニュー画面において、ユーザが任意の項目の選択操作を行うと、画面表示は、その選択項目に対応する下位階層の操作メニュー画面に遷移する。各階層の操作メニュー画面において、順次、所望の項目の選択操作を繰り返すことにより、目的とする機能を実行させるための最下層の機能操作画面を表示させることができる。
【0030】
例えば、図2に、最上位のメニュー画面の一例を示す。本実施形態による操作システムは、車両用ナビゲーション装置に適用されているので、最上位のメニュー画面には車両用ナビゲーション装置において実行可能な各種機能の大分類項目が表示される。この図2のメニュー画面に表示される一のメニュー項目を選択すると、選択したメニュー項目に対応する下層のメニュー画面が表示される。このような選択を繰り返すことにより、最終的に、最下層の機能操作画面が表示される。この機能操作画面とは、ユーザが選択や入力によって指定した条件で、機能の実行を指示できる画面を意味し、機能の実行条件を指定するための選択や入力は、主にこの機能操作画面において行われる。ただし、その実行条件指定のための選択や入力の一部もしくは全部が、機能操作画面に遷移する以前の操作メニュー画面において行われても良い。
【0031】
例えば、図2に示すメニュー画面において、目的地検索項目を選択した場合、次階層のメニュー画面として、目的地の検索方法を示す複数の項目(名称、カテゴリ、住所、郵便番号、電話番号等)を含む画面が表示される。この項目の中で「名称」を選択すると、次に機能操作画面としての50音入力画面が表示され、50音キーを用いて所望の名称を入力することになる。この場合には、機能操作画面において、機能の実行条件を指定するための入力が行われる。
【0032】
一方、目的地の検索方法を示す複数の項目の中で、「住所」を選択すると、まず、都道府県の選択画面が表示される。その中で目的地としたいいずれかの都道府県を選択すると次に市町村、地区、番地などの選択画面が、上位階層の項目の選択によって順次表示される。そして、選択された住所に対応する地図の表示指示を行う指示スイッチが操作されて、地図が表示されると、その表示地図上で最終的な目的地を指示することになる。この場合、表示された地図上で最終的な目的地を指示・決定する画面が機能操作画面に対応し、住所の絞込み選択を行うメニュー画面においても、実行条件指定のための選択が行われることになる。
【0033】
上述したように、目的地検索機能などには、目的地の検索方法を示す複数の項目があり、かつ、各項目においても、目的地を絞りこむための条件の選択や入力が複数回行われるので、多くの階層のメニュー画面が用意されていることが多い。従来は、過去に検索した目的地と同じ目的地を検索する場合であっても、最上位の階層から最下層の機能操作画面にかけて、同じ選択・入力操作を繰り返し行う必要があり、ユーザの操作負担が大きかった。
【0034】
そこで、本実施形態のナビゲーション装置10では、最下層の各々の機能操作画面の利用頻度を記憶する。そして、各階層の操作メニュー画面において、一の項目を選択するための操作が所定時間以上継続された場合には、記憶された最下層の機能操作画面の利用頻度に基づいて、選択された項目を経て選択可能な最下層の機能操作画面の中で最も利用頻度が高い最下層の機能操作画面へと直接遷移するように表示画面の制御を行う。これにより、ユーザは、頻繁に利用する機能操作画面ほど、より上位階層の操作メニュー画面から、目的とする機能操作画面へと表示画面を直接遷移させることが可能になるので、ユーザの操作を効果的に簡略化することができる。
【0035】
以下、本実施形態のナビゲーション装置10におけるメニュー画面の表示処理について、図3のフローチャート及び図4の説明図を用いて説明する。
【0036】
メニュー画面の表示処理が開始されると、まず、ステップS100において、図2に例示したようなナビゲーション装置10における最上位階層のメニュー画面が表示される。続くステップS110では、このメニュー画面において、ユーザにより所望の項目が選択されたか否かを判定する。なお、項目の選択操作は、タッチスイッチによる場合には、所望の項目の表示位置にタッチすることによって行われ、表示画面の周囲などに設けられたパネルスイッチによる場合には、カーソルを所望の項目に合わせて決定スイッチを押下することなどによって行われる。
【0037】
ステップS110において、ユーザによって項目選択操作が行われたと判定されると、ステップS120の処理に進む。ステップS120では、ユーザによる項目選択操作が所定時間以上継続された長押し操作であるか否かを判定する。本実施形態では、所定時間以内の短押し操作は、単なる項目の選択操作として取り扱う一方、選択操作が所定時間以上継続された長押し操作である場合には、途中のメニュー画面の表示を省略して、直接、最下層の機能操作画面へと表示を遷移させる直接遷移指示のための操作として取り扱う。
【0038】
ステップS120にて、選択操作が長押し操作であると判定されると、ステップS130の処理に進み、選択操作された該当項目を経て選択可能である最下層の機能操作画面に対して利用頻度の更新履歴、すなわち利用履歴が記憶されているか否かを判定する。
【0039】
ここで、最下層の機能操作画面に対して、各機能操作画面の利用頻度の更新履歴を記憶する手法について、図4に基づいて説明する。図4は、複数の機能の大分類A,B,Cの中で、大分類Aに属する最下層の機能操作画面の利用頻度がどのように更新され、記憶されるかを図示したものである。
【0040】
図4には、大分類Aにおける最下層の機能操作画面の中で、A122機能操作画面による機能の実行が2回実施され、A222機能操作画面による機能の実行が3回実施されたときの、各機能操作画面の利用頻度が例示されている。
【0041】
なお、例えばA222機能操作画面による機能の実行は、まずA222機能操作画面が表示され、その後、そのA222機能操作画面において、機能の実行条件を指定するための選択や入力が行われ、さらに機能実行を指示する指示スイッチが操作が行われたときになされる。最下層のA222機能操作画面を表示するには、図4に示されているように、順番に、各階層における該当項目(第1階層:A、第2階層:A2、第3階層:A22、第4階層:A222)を短押し操作によって選択すれば良い。あるいは、A222機能操作画面により機能の実行を指示して、利用頻度がインクリメントされるように更新されると、その更新された利用頻度に基づいて、上位階層のメニュー画面からA222機能操作画面へと直接、表示を遷移させることも可能となる。
【0042】
本実施形態では、このように最下層の機能表示画面が表示され、その機能操作画面におけるユーザの操作によって機能の実行が指示された場合に、当該機能操作画面の利用頻度をインクリメントするように更新する。換言すれば、最下層の機能操作画面が表示されたが、ユーザが操作途中で、その機能操作画面による機能の実行を取り止めた場合には、利用頻度が更新されることはない。従って、ユーザの各機能の実際の利用状況に即した、各機能操作画面の利用頻度を記憶することができる。
【0043】
ステップS130の判定処理にて、選択操作された該当項目を経て選択可能である最下層の機能操作画面に対して利用履歴が記憶されていると判定されると、ステップS140の処理に進む。ステップS140では、途中のメニュー画面の表示を省略して、該当項目を経て選択可能である最下層の機能操作画面の中で、最も利用頻度が高い機能操作画面を選択して、その機能操作画面を直接表示させる。これにより、表示が省略されるメニュー画面におけるユーザの選択操作が不要となり、ユーザの操作負担を軽減することができる。
【0044】
例えば、図4に示す例において、第1階層の項目A、第2階層の項目A2、第3階層の項目A22のいずれかに対して、選択操作として長押し操作がなされると、記憶されている利用頻度に基づいて、表示画面が最下層のA222機能操作画面の表示へ直接遷移する。
また、第2階層の項目A1,第3階層の項目A12のいずれかに対して、選択操作として長押し操作がなされると、記憶されている利用頻度に基づいて、A122機能操作画面が直接表示される。
【0045】
これは、第1階層の項目A、第2階層の項目A2、第3階層の項目A22に関しては、それらの項目を経て選択可能な機能操作画面の中で、A222機能操作画面の利用頻度が最も高いからである。また、第2階層の項目A1,第3階層の項目A12に関しては、それらの項目を経て選択可能な機能操作画面の中で、A122機能操作画面の利用頻度が最も高いからである。
【0046】
利用頻度が高い機能操作画面は、ユーザが将来的にも頻繁に利用する可能性が高いといえる。本実施形態では、上述した説明から明らかなように、利用頻度が高い機能操作画面ほど、より上位の階層のメニュー画面から高利用頻度の機能操作画面へと表示を遷移させることができる。従って、ユーザが良く利用する機能操作画面ほど、より簡単な操作で、その機能操作画面を表示させることができるようになるのである。
【0047】
ステップS140の処理に続いて実行されるステップS150では、機能操作画面において、機能の実行条件を指定する情報の入力処理や、ユーザ指示に基づいて、機能の実行処理などを行う。
【0048】
一方、上述したステップS120において、選択操作の継続時間は所定時間未満であると判定されたり、ステップS130において、長押し操作された項目に関して、その項目を経て選択可能な機能操作画面に対して利用履歴がないと判定されたりした場合には、ステップS160の処理が実行される。ステップS160では、表示画面を、選択された項目に基づいて、次の下位階層の画面表示へ遷移させる。ある項目が長押し操作された場合であっても、その項目を経て選択可能な機能操作画面に対して利用履歴が記憶されていないときには、いずれの機能操作画面に遷移させるべきか判断できないためである。
【0049】
続くステップS170では、表示された画面が、最下層の機能操作画面であるか否かを判定する。このステップS170の判定処理において、最下層の機能操作画面ではないと判定されると、上述したステップS110からの処理を繰り返す。一方、表示画面が最下層の機能操作画面であると判定されると、ステップS180に進み、ステップS150の処理と同様に、機能操作画面において、機能の実行条件を指定する情報の入力処理や、ユーザ指示に基づいて、機能の実行処理などを行う。
【0050】
ステップS150やステップS180の処理の後には、ステップS190の処理が行われる。ステップS190では、機能操作画面を用いて、実際に機能が実行されたか否かを判定する。このステップS190の判定処理において、実際に機能が実行されたと判定されると、ステップS200に進んで、実行機能に対応する機能操作画面の利用頻度をインクリメントして、記憶内容を更新する。従って、機能操作画面における操作を途中で止めてしまった場合、利用頻度が誤って更新されることがない。
【0051】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の変形して実施することが可能である。
【0052】
例えば、図4には、各機能操作画面の利用頻度が異なる例を示したが、最も利用頻度が高い機能操作画面が複数存在することも考えられる。具体的には、図4に示す例において、A222機能操作画面の利用頻度が2である場合、A122機能操作画面の利用頻度と同一となる。このとき、第1階層において項目Aを長押し操作すると、その項目Aを経て、A122機能操作画面もA222機能操作画面も選択可能であるため、項目Aが長押し操作された場合に、いずれかの機能操作画面を表示画面にするかを決定するための構成を設けることが好ましい。
【0053】
この構成の一例について、以下に説明する。まず、中央演算装置5が、記憶装置4に記憶される各機能操作画面の利用頻度を更新する際に、その更新を行った時期を示す時間情報も併せて記憶させる。そして、メニュー画面から最下層の機能操作画面へと表示を遷移させる長押し操作が行われたとき、複数の機能操作画面の利用頻度が同一であった場合、中央演算装置5は、その複数の機能操作画面の内、最も新しく利用頻度が更新された機能操作画面を選択するように構成する。このようにすれば、ユーザの機能操作画面の利用状況が、時間の経過とともに変化した場合などであっても、現時点において、よりユーザが選択する確率の高い機能操作画面を選択することができる。
【0054】
また、同一の利用頻度を有する複数の機能操作画面から、1つの機能操作画面を選択するためのその他の構成として、以下に示すような構成を採用しても良い。すなわち、中央演算装置5は、同一の利用頻度を有する複数の機能操作画面がある場合には、その複数の機能操作画面の一覧を文字やアイコンによって表示する。この機能操作画面の一覧表示おいて、いずれかの機能操作画面をユーザに選択させる。このようにすれば、ユーザが所望する機能操作画面を確実に表示することができるようになる。
【0055】
また、中央演算装置5は、記憶装置4に記憶された最下層の各々の機能操作画面の利用頻度に基づいて、最大利用頻度の機能操作画面が変化したと判断したとき、最大利用頻度の機能操作画面が変化したことを示す情報を表示するようにしても良い。具体的には、最大利用頻度をもつ機能操作画面を示す情報を表示したり、利用頻度順に、一部の高利用頻度の機能操作画面、もしくは全ての機能操作画面を示す文字やアイコンを並べて表示しても良い。これにより、ユーザは、メニュー画面の各項目を長押し操作した場合に、いずれの機能操作画面が表示されるかを事前に把握することができる。
【0056】
さらに、メニュー画面において、ユーザが一の項目を指定したときに、その項目を長押し操作したとしたら、いずれの機能操作画面の表示へ遷移するかに関する情報を表示するようにしても良い。このようにすると、ユーザは、メニュー画面の各項目について、長押し操作した場合に遷移する機能操作画面を把握することができる。
【0057】
上述した実施形態では、現在の表示画面から、その途中のメニュー画面の表示を省略し、最下層の機能操作画面の表示へ直接遷移する指示操作として、項目の選択操作が所定時間以上継続する長押し操作を利用していた。このようにすれば、最下層の機能操作画面の表示へ直接遷移する指示操作を行うための専用のスイッチ等を設けることを不要とできる。しかしながら、その指示操作を行うための専用のスイッチを設けても良いことはもちろんである。この場合、ユーザは、表示された項目をカーソルなどで指定しつつ、その専用スイッチを操作して指示操作を与えることになる。
【0058】
さらに、上述した実施形態において、各階層の操作メニュー画面及び/又は最下層の機能操作画面において入力された入力情報がある場合、その入力情報も記憶するようにしても良い。入力情報を記憶するようにすれば、選択項目の長押し操作などによって、途中のメニュー画面の表示を省略し、直接、最下層の機能操作画面の表示へ遷移することが指示された場合に、記憶された入力情報を機能操作画面に反映させることができる。これにより、過去に実行した機能と同様の機能を、同様の入力情報に基づく条件で実行させる場合、その入力情報の入力操作も不要とすることができる。
【0059】
ただし、この場合、入力情報を機能操作画面に反映させるか否かをユーザが選択可能であることが好ましい。ユーザは、前回と同様の機能を選択しながら、異なる条件で、その機能を実行させる場合もあるためである。記憶された入力情報を反映させるか否かをユーザが選択できるようにするには、例えば、予めユーザが反映モードと非反映モードとのいずれかを選択しておくようにすれば良い。そして、ユーザが反映モードを選択しているときには、機能操作画面に遷移すると同時に、入力情報を反映させることができる。あるいは、機能操作画面に遷移したとき、ユーザが入力情報の反映を指示できるスイッチなどを設けるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係わる、ナビゲーション装置10の概略構成を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置10における最上位の階層に位置するメニュー画面の表示例を示したイメージ図である。
【図3】ナビゲーション装置10におけるメニュー画面の表示処理を示すフローチャートである。
【図4】ナビゲーション装置10におけるメニュー画面の表示処理を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0061】
1 自車位置検出装置
2 車速検出装置
3 自車方位検出装置
4 記憶装置
5 中央演算装置
6 表示装置
7 操作装置
10 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作メニューの表示が階層化され、上位階層の操作メニュー画面において、ユーザが任意の項目の選択操作を行うと、その選択項目に対応する下位階層の操作メニュー画面に遷移し、各階層の操作メニュー画面において、順次、所望の項目の選択操作を繰り返すことにより、目的とする機能を実行させるための最下層の機能操作画面の表示を行う操作システムであって、
前記最下層の各々の機能操作画面の利用頻度を記憶する記憶手段と、
前記上位階層の操作メニュー画面が表示されているとき、ユーザの操作に基づいて、一つの項目の指定、及び前記最下層の機能操作画面への直接遷移指示を行う指示手段と、
前記指示手段による直接遷移指示がなされた場合、前記記憶手段に記憶された最下層の機能操作画面の利用頻度に基づいて、前記指示手段おいて指定された項目を経て選択可能な最下層の機能操作画面の中で最も利用頻度が高い最下層の機能操作画面を選択し、表示されている上位階層の操作メニュー画面から選択された機能操作画面へと表示画面を遷移させる表示制御手段とを備えることを特徴とする操作システム。
【請求項2】
前記記憶手段は、最下層の機能操作画面が表示され、かつその機能操作画面におけるユーザの操作によって機能の実行が指示された場合に、当該機能操作画面の利用頻度を更新することを特徴とする請求項1に記載の操作システム。
【請求項3】
前記指示手段における、前記一つの項目の指定及び前記直接遷移指示は、ユーザが所望の項目の選択操作を所定時間以上継続することによってなされることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の操作システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記指示手段による直接遷移指示がなされた場合であっても、指定された項目を経て選択可能な最下層の機能操作画面に関して利用頻度の更新履歴がないときには、その指定された項目に対応する下位階層の操作メニュー画面に、表示画面を遷移させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の操作システム。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記最下層の各々の機能操作画面の利用頻度を更新したとき、その更新時の時間情報も記憶するものであって、
前記表示制御手段は、前記指示手段による直接遷移指示がなされた場合に、指定された項目を経て選択可能な最下層の機能操作画面の中に、最も利用頻度が高い機能操作画面が複数あるときには、その複数の機能操作画面の内、最も新しく利用頻度が更新された機能操作画面を選択して、その機能操作画面へと表示画面を遷移させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の操作システム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記指示手段による直接遷移指示がなされた場合に、指定された項目を経て選択可能な最下層の機能操作画面の中に、最も利用頻度が高い機能操作画面が複数あるときには、その複数の機能操作画面のいずれかをユーザに選択させる画面を表示し、その画面において一の機能操作画面が選択されたとき、その機能操作画面へと表示画面を遷移させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の操作システム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記最下層の各々の機能操作画面の利用頻度に基づいて、最大利用頻度の機能操作画面が変化したと判断したとき、最大利用頻度の機能操作画面が変化したことを示す情報を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の操作システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記上位階層の操作メニュー画面において、ユーザ操作によって一の項目が指定されたとき、その項目を指定した状態で直接遷移指示がなされたときに、遷移する機能操作画面に関する情報を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の操作システム。
【請求項9】
前記記憶手段は、各階層の操作メニュー画面及び最下層の機能操作画面において入力された入力情報がある場合、その入力情報も記憶するものであり、
前記指示手段による指示に基づいて、前記最下層の機能操作画面へと表示画面が遷移した場合、前記記憶手段に記憶された入力情報を前記機能操作画面に反映させる入力情報反映手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の操作システム。
【請求項10】
前記入力情報反映手段によって入力情報を前記機能操作画面に反映させるか否かをユーザが選択可能であることを特徴とする請求項9に記載の操作システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−65476(P2008−65476A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−240730(P2006−240730)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】