説明

操作装置、画像表示システム、地図表示制御装置、および地図表示制御装置用のプログラム

【課題】ある視点位置と視線方向で見下ろしたときに見える形態で、絵の画像を表示するときに、その視点位置と視線方向を、ユーザによる1つの操作に基づいて決めることができるようにする。
【解決手段】画像表示システムが、ユーザによる1つの操作を受けることで、当該1つの操作に基づく第1の信号と、当該1つの操作に基づく第2の信号とを出力する操作装置と、操作装置が出力した第1の信号および第2の信号に基づいて、絵を見下ろすときの視点位置と視線方向と特定する特定装置と、描画制御装置が特定した視点位置と視線方向でその絵を見下ろしたときに見える形態で、その絵の画像を表示する画像表示装置と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置、画像表示システム、地図表示制御装置、および地図表示制御装置用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の操作装置は、グリップ部本体を掴んで傾斜させると共に、グリップ部本体の上部にある小さいレバーを親指で傾斜させることで、1つの操作装置を用いて2つ以上の入力を行うことができるようになっている。
【0003】
また、特許文献2に記載の地図表示装置は、地図の鳥瞰図表示を行うとき、地図を見る視点の高さ、視点の見下ろし角度、支点からの見開き角度等を設定することができるようになっている。
【特許文献1】特開2003−99139号公報
【特許文献2】特開2002−267481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のような操作装置では、当該操作装置のグリップ部を握るユーザの手による1つ操作では、単一種類の入力しか行えず、親指を付加的に動かすことで、初めて2種類目の入力が実現する。本発明は上記点に鑑み、操作装置を握るユーザの手による1つの操作によって複数の入力が可能となるような技術を提供することを第1の目的とする。
【0005】
また、従来は操作装置のグリップ部を支える支点の近傍にグリップ部の傾斜を検出する装置が取り付けられていたので、グリップ部のスリム化が困難であった。本発明は上記点に鑑み、支点の近傍以外でグリップ部の傾斜を検出できるような操作装置を提供することを第2の目的とする。
【0006】
また、従来は操作装置のグリップ部の傾斜の中心を遠い位置に設けるためには、操作装置自体の大きさを大きくする必要があった。本発明は上記点に鑑み、操作装置の大きさを抑えつつ、グリップ部の傾斜の中心を遠い位置に設けることができるようにすることを第3の目的とする。
【0007】
また、特許文献2に記載の地図表示装置では、視点の高さや見下ろし角度等を設定するために煩雑な操作が必要であった。本発明は上記点に鑑み、地図を表示するときの視点位置および視線方向をより簡易に調節できる技術を提供することを第4の目的とする。
【0008】
また、従来よりもバラエティ豊かな地図表示を行うことができる技術を提供することを第5の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、
第1の目的を達成するための請求項1に記載の操作装置は、ユーザが握ることができるグリップ部(20、70)と、グリップ部(20、70)を第1の端部(31a、91b)で支持する第1支持部(30、91〜95)と、第1支持部(30、91〜95)の第2の端部(50、93a)を支持する第2支持部(60、96)と、を備えている。そして、グリップ部(20、70)は、第1支持部(30、91〜95)の第1の端部(31a、91b)を支点として傾くように動くことが可能となっており、第1支持部(30、91〜95)は、第2の端部(50、93a)を支点として傾くように動くことが可能となっている。
【0010】
このようになっているので、ユーザがグリップ部を握って操作装置に力を加えると、その力はグリップ部のみならず、グリップ部から第1の端部を通じて第1支持部に伝達される。この力によって、グリップ部は第1の端部を支点として第1支持部に対して傾くことができ、また、第1支持部は、第2の端部を支点として第2支持部に対して傾くことができる。またユーザは、握った手でグリップ部を押す力と、握った手でグリップ部をひねる力とを加えることで、グリップ部に対して与える第1の端部の周りのモーメントと第2の端部の周りのモーメントとを独立に調整することができる。したがって、ユーザは、グリップ部を握ってその握った手からグリップ部に力を加えるだけでも、第1支持部に対するグリップ部の傾き(以下、第1の傾きという)、および、第2支持部に対する第1支持部の傾き(以下、第2の傾きという)をそれぞれ同時に調節することができる。したがって、操作装置を握るユーザの手による1つの操作によって複数の入力が可能となる。なお、物体の表面の一部なら、どの部分であっても端部たり得る。
【0011】
また、操作装置は、請求項2に記載のように、第1の傾きを第1初期傾きに戻す方向に力を及ぼす第1抵抗部(26、35a、35c、84)と、第2の傾きを第2初期傾きに戻す方向に力を及ぼす第2抵抗部(62、94)と、を備え、さらに、第1抵抗部(26、35a、35c、84)が及ぼす力と第2抵抗部(62、94)が及ぼす力は、グリップ部の一点のみが押されたときに、第2の傾きと第2初期傾きとの差が、第1の傾きと弟1初期傾きとの差より大きくなるように調節されていてもよい。このようになっていることで、第2の傾きを主に調節するために必要なひねり力が少なくなるので、第2の傾きの調節がより容易になる。
【0012】
また、請求項3に記載のように、操作装置は、第1の傾きを第1初期傾きに戻す方向に力を及ぼす第1抵抗部(26、35a、35c、84)と、第2の傾きを第2初期傾きに戻す方向に力を及ぼす第2抵抗部(62、94)と、を備えると共に、弟1初期傾きと第2初期傾きの方向を同じでないようにしてもよい。このようになっているので、操作装置の占有するスペースの高さを抑えることができる。
【0013】
さらに、請求項4に記載のように、弟1初期傾きの方向と第2初期傾きの方向との角度差は90度以上であってもよい。このようになっているので、操作装置の占有するスペースの高さをさらに抑えることができる。
【0014】
また、請求項5に記載のように、グリップ部(20)は、第1の端部(31a)から第2の端部(50)に近づく方向に、第1支持部(30)を囲むように続いていてもよい。このようになっているので、操作装置の占有するスペースの高さを抑えることができ、かつ、第1の傾きおよび第2の傾きを調整するためにグリップ部を掴む方法として、多様な方法を用いることができる。
【0015】
また、請求項6に記載のように、第1支持部(30)は、グリップ部(20)の異なる位置に接触する複数の棒(33a〜33d)と、第1支持部(30)に対する前記グリップ部(20)の傾きの変化によって生じる複数の棒(33a〜33d)の位置のずれを検出するずれ検出部(47、48、49)と、を有していてもよい。このように、今までにない新規な方法で第1の傾きを検出することができる。そして、ずれ検出部を第1の端部から離れた位置に設けることもでき、その場合は、グリップ部のスリム化が容易になる。
【0016】
また、請求項7に記載のように、第2支持部(60)は、第1支持部(30)の第2の端部(50)に接触すると共に第2の端部(50)を支持する回転体(66)を有し、さらに、第2の端部(50)は、回転体(66)に対して凹形状となる曲面の一部で当該回転体(66)に支持され、当該曲面の曲率半径は、当該回転体(66)の半径よりも長いようになっていてもよい。
【0017】
このように、回転体に接する第2の端部の曲面の大きさを大きくすることで、回転体のサイズにかかわらず、第1支持部の傾きの中心点の位置を第2の端部から大きく離し、それによってグリップ部の操作量に対する第2の傾き変化量を小さくすることができる。換言すれば、傾きの操作量に対する感度を低くしつつ、かつ操作装置における第2の端部以下のサイズを低減することが可能となる。
【0018】
なお、この曲面の形状は球面形状であってもよいし、球面以外の形状(例えば双曲面形状、回転楕円体形状、放物面形状)であってもよい。この曲面が球面でない場合の曲率半径は、当該球面の平均半径であればよい。また同様に、回転体も、球であってもよいし、球以外の回転体(例えば回転楕円体)であってもよい。この場合、回転体の半径は曲率半径、当該回転体の平均半径であればよい。
【0019】
また、本発明の第2の目的を達成するための請求項8に記載の操作装置は、ユーザが握ることができるグリップ部(20)と、グリップ部(20)を端部(31a)で支持する支持部(30)と、を備えている。そして、グリップ部(20)は、支持部(30)の端部(31a)を支点として傾くように動くことが可能となっており、支持部(30)は、グリップ部(20)の異なる位置に接触する複数の棒(33a〜33d)と、第1支持部(30)に対するグリップ部(20)の傾きの変化によって生じる複数の棒(33a〜33d)の位置のずれを検出するずれ検出部(47、48、49)と、を備えている。このように、今までにない新規な方法で第1の傾きを検出することができる。そして、ずれ検出部を第1の端部から離れた位置に設けることもでき、その場合は、グリップ部のスリム化が容易になる。
【0020】
また、本発明の第3の目的を達成するための請求項9に記載の操作装置は、ユーザが握ることができるグリップ部(20、30)と、前記グリップ部(20、30)の端部(50)を支持する支持部(60)と、を備えている。そして、グリップ部(20、30)は、支持部(60)の前記端部(50)を支点として傾くように動くことが可能となっており、支持部(60)は、グリップ部(20、30)の端部(50)に接触すると共に当該端部(50)を支持する回転体(66)を有し、当該端部(50)は、当該回転体(66)に対して凹形状となる曲面の一部で当該回転体に支持され、当該曲面の曲率半径は、当該回転体(66)の半径よりも長くなっている。
【0021】
このように、回転体に接するグリップ部の端部の曲面の大きさを大きくすることで、回転体のサイズにかかわらず、グリップ部の傾きの中心点の位置を端部から大きく離し、それによってグリップ部の操作量に対する、グリップ部の支持部に対する傾きの変化量を小さくすることができる。換言すれば、傾きの操作量に対する感度を低くしつつ、かつ操作装置における端部以下のサイズを低減することが可能となる。
【0022】
また、本発明の第4の目的を達成するための請求項10に記載の画像表示システムは、ユーザによる1つの操作を受けることで、当該1つの操作に基づく第1の信号と、当該1つの操作に基づく第2の信号とを出力する操作装置(13c、13c‘)と、操作装置(13c、13c‘)が出力した第1の信号および第2の信号に基づいて、絵を見下ろすときの視点位置と視線方向とを特定する特定装置(19)と、特定装置(19)が特定した視点位置と視線方向でその絵を見下ろしたときに見える形態で、その絵の画像を表示する画像表示装置(12)と、を備えている。
【0023】
このように、ある視点位置と視線方向で見下ろしたときに見える形態で、絵の画像を表示するときに、その視点位置と視線方向を、ユーザによる1つの操作に基づいて決めることができる。従って、視点位置と視線方向を調節するためのユーザの操作の利便性が向上する。
【0024】
また、請求項11に記載のように、操作装置(13c、13c‘)は、ユーザによる操作に基づく第3の信号を出力し、特定装置(19)は、操作装置(13c、13c‘)が出力した第1の信号、第2の信号、および第3の信号に基づいて、絵を見下ろすときの視点位置、視線方向、および表示縮尺を特定し、画像表示装置(12)は、特定装置(19)が特定した視点位置および視線方向で絵を見下ろしたときに見える形態で、その絵の画像を、特定装置(19)が特定した表示縮尺で、表示する。このようになっていれば、視点位置と視線方向に加え、表示縮尺も、当該操作装置を用いて調節することができる。したがってユーザの利便性がさらに向上する。
【0025】
また、本発明の第5の目的を達成するための請求項12に記載の発明は、地図表示制御装置が、地図を上方から見下ろすときの方向のうち、前方以外の方向を特定する特定手段(110)と、特定手段(110)が特定した見下ろし方向で地図を見下ろしたときに見える形態で、当該地図を画像表示装置に表示させる描画制御手段(150)と、を備えたことを特徴とする。
【0026】
このようになっているので、地図前方以外の方向を見下ろしたときの地図を表示することができるので、従来よりもバラエティ豊かな地図表示を行うことができ、ひいては、ユーザによる地図の視認性が向上する。
【0027】
また、請求項13のように、請求項12に記載の発明をプログラムとして捉えることもできる。
【0028】
なお、上記特許請求の範囲における括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の例示的構成要素等との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成を示す。
【0030】
図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成を示す。この車両用ナビゲーション装置1は、位置検出器11、画像表示装置12、操作部13、音声出力装置14、RAM16、ROM17、データ記憶部18、および制御回路19を有している。
【0031】
位置検出器11は、周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置や向きを特定するための情報を制御回路19に出力する。画像表示装置12は、制御回路19から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。表示映像としては、例えば現在地を中心とする地図等がある。音声出力装置14は、制御回路19から受けた音声データに基づく音声信号を音として出力する。
【0032】
操作部13は、画像表示装置12の表示画面に重ねられたタッチパネル13a、表示画面の周囲等に取り付けられたメカニカルスイッチ13b、および、2関節スティック型入力装置13c等の、ユーザの操作を受け付けてその操作に基づく信号を制御回路19に出力する装置を有している。2関節スティック型入力装置13cの構成については後述する。
【0033】
データ記憶部18は、DVD、CD、HDD等の不揮発性の記憶媒体およびそれら記憶媒体に対してデータの読み出し(および可能ならば書き込み)を行う装置から成り、制御回路19が実行するプログラム、経路案内用の地図データ等を記憶している。
【0034】
地図データは、道路を示すリンク、交差点を示すノード、施設等の、地上における地理的2次元位置(例えば緯度、経度)の情報を有している。さらに地図データは、リンクおよびノードの間の接続関係を示す情報を有している。
【0035】
制御回路(コンピュータに相当する)19は、ROM17およびデータ記憶部18から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM16、ROM17、およびデータ記憶部18から情報を読み出し、RAM16およびデータ記憶部18に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、画像表示装置12、操作部13、および音声出力装置14と信号の授受を行う。
【0036】
制御回路19がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、例えば、現在位置特定処理、誘導経路算出処理、経路案内処理、および地図表示制御処理がある。現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基づいて車両の現在位置や向きを特定する処理である。誘導経路算出処理は、操作部13からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を算出する処理である。経路案内処理は、誘導経路に沿って、右折、左折などの案内を画像や音声で行う処理である。
【0037】
地図表示制御処理は、各種車両の状況や操作部13に対するユーザの操作に応じて、データ記憶部18から読み出した地図データに各種処理を施した結果の地図画像を、画像表示装置12に表示させる処理である。地図表示制御処理の詳細については後述する。
【0038】
ここで、2関節スティック型入力装置13cの構成および作動について詳述する。図2に、2関節スティック型入力装置13cの全体斜視図を示す。タッチパネル13aは、ユーザが握って操作するためのグリップ部20、グリップ部20の下からグリップ部20を支える移動部30、および、移動部30の下から移動部30を支える基部60を有している。また、グリップ部20は移動部30に対して360°の全方位に傾くことができるようになっており、移動部30は基部60に対して360°の全方位に傾くことができるようになっている。
【0039】
図3に、この2関節スティック型入力装置13cの垂直断面図を示す。グリップ部20は、ダイヤル部21、グリップ部本体22、ボタン23、伝達部24、検出回路25、および弾性膜26を有している。
【0040】
ダイヤル部21は、下部から上部に向けて肉厚となった円筒形状を有している。このダイヤル部21の下端部には、グリップ部本体22がはめ込まれており、ダイヤル部21は、円筒形状の中心軸を回転軸として回転することで、このグリップ部本体22に対して摺動することができるようになっている。
【0041】
ボタン23は、ダイヤル部21の上端部の窪みにはめ込まれている。さらにボタン23の中央下部において、伝達部24がボタン23に接している。この伝達部24は、ボタン23が押下されると、ボタンと共に下方に下がり、ボタン23の押下が終了すると、下から押されてボタン23と共に上方に上がるようになっている。さらに伝達部24は、ダイヤル部21と噛み合うことによりダイヤル部21と共に回転するようになっている。
【0042】
検出回路25は、伝達部24の回転および上下方向の移動を検出し、その回転と移動とを示す信号を、図示しない信号線を介して制御回路19に出力する。このようになっていることで、制御回路19は、ダイヤル部21の回転およびボタン23の押下を検出することができる。
【0043】
グリップ部本体22は、底部のない円錐面の上部(以下、くびれ部という)22aを肉厚にし、さらに上端部を平らにしたような形状を有している。このくびれ部22aの底面は移動部30の上端部と接触している。この上端部からの力により、グリップ部20が支えられている。また、グリップ部20は、くびれ部22aの底面と移動部30の上端部との接触部分を視点として、移動部30に対して傾くことができるようになっている。
【0044】
グリップ部本体22の下部(以下、スカート部という)22bは、移動部30の上部を取り囲んで下に膨らむスカートのような形状を有しており、その下端部付近の内側円周において、弾性膜26の外縁部と噛み合っている。弾性膜26は、中心部が切り取られた円盤形状を有する弾性体から成る。
【0045】
図4に、図3の移動部30付近を拡大して示す。移動部30は、軸部31、第1柱貫通部32、4本の柱状部33、第2柱貫通部34、4本のばね35、4つのばね押さえ部36、4つの柱止め部36、移動底面38、組み付け部材41〜46、第1回転部47、第2回転部48、第1ロータリーエンコーダ(図示せず)、および第2ロータリーエンコーダ49を有している。
【0046】
軸部31は、くびれ部22aの直下にあってくびれ部22aを支持する軸状の部材であり、支点部31aおよび軸本体31bを有している。支点部31aは、軸部31の上端部にあり、くびれ部22aの底面の窪みにはめ込まれている。そして、くびれ部22aは、この支点部31aに対して摺動することで、支点部31aを支点としてどの方向にも傾くことができる。支点部31aの下に続く軸本体31bは、その一部が第1柱貫通部32の中央上端部にねじ込まれている。これによって、軸部31は第1柱貫通部32に対して固定される。
【0047】
図5に、図4のA−A断面図を示す。図5に示す通り、第1柱貫通部32は、その中央部から等距離にある四隅に穴形成部32a〜dを有している。なお、この穴形成部32a〜dの口径は、第1柱貫通部32の上端から下端近くまでほぼ一定であるが、第1柱貫通部32の最下端部においてわずかに大きくなっている。4本の柱状部33a〜dは、この穴形成部32a〜dによってできる4つの穴のそれぞれを、上下移動自在に貫通している。これら柱状部33a〜dのそれぞれは、図4に柱状部33a、33cを例にとって示すように、上はその先細った上端部においてスカート部22bの底面の四隅の1つに突き当たり、下は第2柱貫通部34、組み付け部材43、第1回転部47、第2回転部48を貫通して移動部30の下端部近くまで棒状に伸び、自らの下端部において組み付け部材46に上下移動自在にはめ込まれている。
【0048】
また、柱状部33a〜dの中段部の外周には、図4のばね押さえ部36a、cに例示されるように、フランジ形状のばね押さえ部36が固定されている。また、柱状部33a〜dの、ばね押さえ部36より上にある外周には、図4の柱止め部37a、37cに例示されるように、フランジ形状の弾性のある柱止め部37が固定されている。
【0049】
第2柱貫通部34は、第1柱貫通部32の直下に取り付けられ、第1柱貫通部32の穴形成部32a〜dと重なる位置に、柱状部33a〜dが貫通する4つの貫通穴が開けられている。この貫通穴の径は、第1柱貫通部32の穴形成部32a〜dに比べて大きくなっている。また、これら4つの貫通穴のそれぞれの内部においては、図4のばね35a、cに例示するように、ばね35が柱状部33a〜dの1つを取り巻くように取り付けられている。これら4つのばね35のそれぞれは、それらが取り巻いている柱状部33のばね押さえ部36によって上から押さえられ、さらに、その下端は、第2柱貫通部34の直下に固定されている組み付け部材43の上面に押さえられている。
【0050】
また、第2柱貫通部34の中段付近の外周には、弾性膜26の内周が固定されている。また、第2柱貫通部34の下端付近の外周には、円形ドーム形状を有した可動ドーム38が固定されている。
【0051】
この可動ドーム38は、第2柱貫通部34に固定された組み付け部材43、可動ドーム38の下面と組み付け部材43とを固定させる組み付け部材41、42を介して、第2柱貫通部34に対して固定されている。また、この可動ドーム38には、グリップ部20が移動部30に対して傾いていないときにスカート部22bの端部と位置が重なる、円形の突起部38aが設けられている。
【0052】
また、組み付け部材44、45は、組み付け部材43に固定されて下に伸び、組み付け部材46は、組み付け部材44および組み付け部材45の下端に固定されている。この組み付け部材46の底部には、移動部30の下端部に相当する球面皿50が、その窪んだ曲面を下に向けた状態で固定されている。この窪んだ曲面の形状は、球面の一部に概ね一致する。そしてこの曲面の曲率半径は、球面皿50から2関節スティック型入力装置13cの底部までの距離よりも数倍以上長い。この球面皿50の球面部分が、基部60の上端部に接触して支えられることにより、移動部30は基部60に対して360°の全方位に傾くように動くことができる。
【0053】
組み付け部材43と組み付け部材44の間には、柱状部33a〜dの上下の移動量を検出するための機構(以下、ずれ検出機構という)が、組み付け部材44、45等に固定されている。このずれ検出機構の一部の拡大斜視図を図6に示し、図4および図6を参照してこのずれ検出機構について説明する。このずれ検出機構は、第1回転部47、第2回転部48、図示しない第1ロータリーエンコーダおよび第2ロータリーエンコーダ49を有する。
【0054】
棒状の第1回転部47は、柱状部33aおよび柱状部33cの間の上下方向の相対的な変位を検出するための、水平な棒形状を有する部材である。第1回転部47の本体部分には、柱状部33a、33cを上下に貫通させるための穴が2つ開けられている。これらの穴の口径は、第1回転部47の長手方向を軸に第1回転部47が所定の限界角度(例えば15°)内で回転するときにそれら柱状部33a、33cが邪魔にならないような大きさとなっている。また、第1回転部47は、その本体から本体に垂直かつほぼ水平に伸びる係合部47a、47cを有する。これら径合部47a、47cには、それぞれ柱状部33a、33cを上下に貫通させる溝が設けられている。これら溝の部分には、水平方向に穴が開けられており、その穴に、柱状部33a、33cに設けられた突起部がはまり込むようになっている。また、第1回転部47の本体の太くなっている側の端部には、図示しない第1ロータリーエンコーダが取り付けられている。この第1ロータリーエンコーダは、第1回転部47の回転量を検出し、検出した回転量を示す信号を制御回路19に出力する。
【0055】
第1回転部47の下方に設けられた棒状の第2回転部48は、柱状部33bおよび柱状部33dの間の上下方向の相対的な変位を検出するための、水平な棒形状を有する部材である。第2回転部48の本体部分には、柱状部33b、33dを上下に貫通させるための穴が2つ開けられている。これらの穴の口径は、第2回転部48の長手方向を軸に第2回転部48が所定の限界角度内で回転するときにそれら柱状部33b、33dが邪魔にならないような大きさとなっている。また、第2回転部48は、その本体から本体に垂直かつほぼ水平に伸びる2つの係合部(1つは係合部48d、もう1つは図示せず)を有する。これら径合部48b、48dには、それぞれ柱状部33b、33dを上下に貫通させる溝が設けられている。これら溝の部分には、水平方向に穴が開けられており、その穴に、柱状部33b、33dに設けられた突起部がはまり込むようになっている。また、第2回転部48の本体の太くなっている側の端部には、第2ロータリーエンコーダ49取り付けられている。この第2ロータリーエンコーダ49は、第2回転部48の回転量を検出し、検出した回転量を示す信号を制御回路19に出力する。
【0056】
また、図3に示すように、基部60は、ケーシング61、クッション62、土台64、ボール受け部65、ボール66、および回転検出部67を有している。ケーシング61は、車室内の例えばドライバー席のすぐ横に固定され、2関節スティック型入力装置13cの底面、側面下部、および可動ドーム38直上の一部を覆うようになっている。クッション62は、蛇腹状の弾性を有する樹脂製の管であり、その下端部の全周がケーシング61内部の底板の上に固定されている。また、クッション62の上端部の全周は、可動ドーム38の下端の全周に固定されている。
【0057】
土台64は、ケーシング61の底板の中央部の上に固定されている。土台64の上にはボール受け部65が固定されている。ボール受け部65の上端の窪みには、球形のボール66が回転自在にはめ込まれている。回転検出部67は、周知の機構によって回転検出部67の回転量および回転方向を検出し、その検出した回転量および回転方向を示す信号を制御回路19に出力する。なお、ボール66は、移動部30の球面皿50の曲面の一部に接することで、移動部30が360°全方位に傾くことができるように支持している。
【0058】
このように、2関節スティック型入力装置13cは、ユーザが握ることができるグリップ部20と、グリップ部20を支点部31aで支持する移動部30と、移動部30の球面皿50を支持する基部60と、を備えている。そして、グリップ部20は、支点部31aを支点として傾くように動くことが可能となっており、移動部30は球面皿50を支点として傾くように動くことが可能となっている。
【0059】
このようになっているので、ユーザがグリップ部20を握って2関節スティック型入力装置13c´に力を加えると、その力はグリップ部20のみならず、グリップ部20から支点部31a等を通じて移動部30に伝達される。この力によって、グリップ部20は支点部31aを支点として移動部30に対して傾くことができ、また、移動部30は、球面皿50を支点として基部60に対して傾くことができる。
【0060】
グリップ部20、移動部30が傾いていない状態、すなわち初期状態におけるグリップ部20、移動部30、および基部60の配置を、図7に概略的に示す。この図に示すように、初期状態においては、基部60が水平に置かれている場合、グリップ部20は(スカート部22bを基準にすれば)鉛直下方向を向いており、移動部30は、鉛直上方を向いている。このときのグリップ部20の移動部30に対する傾きを第1初期傾きとし、このときの移動部30の基部60に対する傾きを第2初期傾きとする。ユーザが2関節スティック型入力装置13cに手を触れていない状態においては、2関節スティック型入力装置13cはこの初期状態にある。
【0061】
このように、弟1初期傾きと第2初期傾きの方向が同じでなく、90度以上離れ、かつ逆方向を向いている。このようになっているので、2関節スティック型入力装置13cの支点部31aより上の部分が占有するスペースの高さを抑えることができる。
【0062】
以下、2関節スティック型入力装置13cが初期状態から変化した場合における2関節スティック型入力装置13cの作動について説明する。
【0063】
(A)移動部30に対するグリップ部20の傾きに対する抵抗力:
移動部30に対するグリップ部20の傾き(以下、第1傾きという)が、図2に示すように、第1初期傾き以外の状態になった場合、弾性膜26の変形およびばね35の変形に起因して、第1傾きを第1初期傾きに戻そうとする抵抗力が発生する。
【0064】
具体的には、図2に示すように、グリップ部20が移動部30に対して傾くと、スカート部22bの一部が移動部30の上部に接近し、弾性膜26の当該一部に近い部分が折れ曲がる。すると、この折れ曲がりを元に戻す復元力が、弾性膜26に発生する。この復元力が、グリップ部20の移動部30に対する傾きを解消する方向への弾性抵抗力となる。
【0065】
また、図4に示すように、グリップ部20が移動部30に対して第1初期傾きから傾くと、柱状部33a〜dのうち1つまたは2つ(図4においては柱状部33c)が、ばね35のうち対応するもの(図4においてはばね35c)に下から押されて上昇し、その上昇した柱状部33の、対角側にある柱状部(図4においては柱状部33a)が、スカート部22bの底部に押されて、ばね35のうち対応するもの(図4においてはばね35a)を圧縮しながら下降する。このとき、圧縮された方のばね35から柱状部33にかかる力の方が、圧縮されたばね35の対角側のばね35から柱状部33にかかる力よりも大きくなる。したがって、このばね力の差が、グリップ部20の移動部30に対する傾きを解消する方向への抵抗力となる。このような復元力により、ユーザが手を離すと、第1傾きは第1初期傾きに戻る。
【0066】
このように、移動部30は、グリップ部20の異なる位置に接触する複数の柱状部33a〜dと、その柱状部33a〜dの相対的な上下位置変化に応じて、その位置変化を元に戻すような力を柱状部33a〜dに加える弾性部材を有する。
【0067】
(B)移動部30に対するグリップ部20の傾きの検出:
また、上述のように、対角関係にある柱状部33(図4においては柱状部33aと柱状部33c)同士に上下のずれが発生すると、第1回転部47および第2回転部48の係合部47a、47c、48d等と柱状部33の突起の引っかかりによって、第1回転部47および第2回転部48の両方またはいずれかが回転する。そして、これら第1回転部47、第2回転部48の回転を、それぞれ第1ロータリーエンコーダおよび第2ロータリーエンコーダ49が検出して制御回路19に出力する。この出力が第1の信号の一例に相当する。
【0068】
このように、移動部30は、グリップ部20の異なる位置に接触する複数の柱状部33a〜dと、移動部30に対するグリップ部20の傾きの変化によって生じる柱状部33a〜dの位置のずれを検出するずれ検出機構(ずなわち、第1回転部47、第2回転部48、第1、第2ロータリーエンコーダ49)を有する。このようにすることで、ずれ検出機構を支点部31aから離れた位置に設けることもでき、ひいては、グリップ部20の形状のスリム化が容易になる。
【0069】
(C)基部60に対する移動部30の傾きに対する抵抗力:
基部60に対する移動部30の傾き(以下、第2傾きという)が、図2に示すように、第2初期傾き以外の状態になった場合、クッション62の変形に起因して、第2傾きを第2初期傾きに戻そうとする抵抗力が発生する。
【0070】
具体的には、図2に示すように、移動部30が基部60に対して傾くと、可動ドーム38の端部の一部がケーシング61に接近し、クッション62の当該一部に近い部分およびその周辺が縮み、クッション62の当該一部に最も遠い部分およびその周辺が延びる。すると、この伸び縮みを元に戻す復元力が、クッション62に発生する。この復元力が、移動部30の基部60に対する傾きを解消する方向への弾性抵抗力となる。また、グリップ部20は、可動ドーム38の位置を安定化させる作用も有する。
【0071】
(D)基部60に対する移動部30の傾きの検出:
また、図2に示すように、第2初期傾き以外の状態になる場合、球面皿50の底部の曲面のうち、ボール66に接触する部分が変化する。球面皿50の底部の曲面とボール66の間の摩擦力により、この接触部分の変化の方向に、当該変化に対応する量だけ、ボール66が回転する。その回転の方向および回転量を回転検出部67が検出して、検出結果を示す信号を制御回路19に出力する。この信号が第2の信号の一例に相当する。
【0072】
なお、第2傾きの変化に応じて球面皿50がボール66に支えられる位置が変化する場合、移動部30全体の傾きの中心は、球面皿50から、球面皿50の曲面の曲率半径だけ離れた位置になる。なお、傾きの中心とは、移動部30の傾きがどのようなものであっても、その傾きの方向に伸ばした直線が必ず通る位置(またはほぼ必ず通る領域)をいう。上述した通り、球面皿50の曲面の曲率半径は、ボール66の曲率半径よりも大きく、さらに、ボール66から基部60の底面までの距離よりも数倍以上大きい。したがって、移動部30の傾きの中心は、ボール66の大きさに規制されず、2関節スティック型入力装置13cの長さにも規制されず、2関節スティック型入力装置13cの外部の位置(図7における点Xに相当する)となる。従って、中心点が近い場合に比べ、移動部30の位置が大きく変化しても、移動部30の基部60に対する傾きの変化はあまり変化しない。
【0073】
このように、回転体としてのボール66に接する移動部30の端部の曲面の大きさを大きくすることで、ボール66のサイズや2関節スティック型入力装置13cのサイズにかかわらず、移動部30の傾きの中心点の位置を球面皿50の位置から大きく離し、それによって移動部30の移動量(後述するようにグリップ部20の操作量に対応する)に対する、移動部30の支持部に対する傾きの変化量を小さくすることができる。換言すれば、傾きの操作量に対する感度を低くしつつ、かつ操作装置における端部以下のサイズを低減することが可能となる。
【0074】
(E)ユーザ操作に対する2関節スティック型入力装置13cの反応:
次に、2関節スティック型入力装置13cに対するユーザの操作について説明する。ユーザは、グリップ部20を握り、その握った手(例えば掌)でグリップ部20に力を加えることで、第1傾きおよび第2傾きを調節する。ユーザがダイヤル部21およびグリップ部本体22の1点を押した場合、その1点がどの位置であっても、第2傾きの変化に比べ、第1傾きの変化はほとんどないように、ばね35、弾性膜26、およびクッション62の反発力が調整されている。
【0075】
具体的には、ばね35または弾性膜26の反発力を強くすることで、支点部31aを支点とする動きを硬くする。したがって、ユーザは、第2傾きだけを調節したい場合、グリップ部20を握った手で、肘や肩を使って自然にまっすぐにグリップ部20を押したり引いたりすればよい。このようになっていることで、第2傾きを主に調節するために必要なひねり力が少なくなるので、第2傾きの調節が容易になる。
【0076】
また、第1傾きだけを調整したい場合、手首に力を入れて、ひねるようにグリップ部20を操作すればよい。また、第1傾きと第2傾きを同時に調節したい場合は、自然なまっすぐの力とひねる力とを適宜組み合わせてグリップ部20を操作すればよい。
【0077】
このように、ユーザは、握った手でグリップ部20を押す力と、握った手でグリップ部20をひねる力とを加えることで、グリップ部20に対して与える支点部31aの周りのモーメントと球面皿50の周りのモーメントとを同時かつ独立に調整することができる。したがって、ユーザは、グリップ部20を握ってその握った手からグリップ部に力を加えるだけでも、移動部30に対するグリップ部20の傾き、および、基部60に対する移動部30の傾きをそれぞれ調節することができる。したがって、2関節スティック型入力装置13cを握るユーザの手(例えば掌)による1アクションの操作によって複数の入力が可能となる。
【0078】
また、このようになっていることで、第2の傾きを主に調節するために必要なひねり力が少なくなるので、第2の傾きの調節がより容易になる。
【0079】
なお、グリップ部20の第1初期傾きに対する第1傾きの角度が限界角度(例えば15度)となると、柱状部33a〜dのうち、最も上に移動している柱状部33に固定された柱止め部37が、第2柱貫通部34の穴よりも小さい第1柱貫通部32の穴形成部32に入り込み、その抵抗力によって、それ以上のグリップ部20の移動は強く制限される。
【0080】
また、移動部30の第2傾きに対する第1傾きの角度が限界角度(例えば20°)となると、突起部38aがケーシング61の上端部に当たり、その抵抗力によって、それ以上の移動部30の移動は強く制限される。
(F)地図表示との連動
続いて、2関節スティック型入力装置13cに対する操作と、制御回路19による地図表示制御処理とが連動する作動について説明する。この際、ユーザは、図8に示すように、球面形状の可動ドーム38を地球に見立て、グリップ部20を支える支点部31aを人の目に見立て、スカート部22bをその目の視野角に見立て、また、ダイヤル部21をレンズに見立てて、2関節スティック型入力装置13cを操作する。これは、後述するように、グリップ部20の移動部30に対する第1傾きが、画像表示装置12に表示される俯瞰地図における視線方向に反映され、移動部30に対する基部60の第2傾きが視点位置に反映され、ダイヤル部21の回転量が表示される地図の表示縮尺に反映されるからである。
【0081】
この地図表示制御処理を実行するために、制御回路19は、図9に示すプログラム100を繰り返し実行する。そして制御回路19は、プログラム100の各回の実行において、まずステップ110でアングル情報を取得し、続いてステップ120でスクロール情報を取得し、続いてステップ130でズーム情報を取得する。
【0082】
アングル情報は、第1傾きの第1初期傾きに対する角度(以下、第1相対傾き角という)および方位(以下、第1相対方位という)を示す情報である。制御回路19は、このアングル情報を、2関節スティック型入力装置13cの第1、第2ロータリーエンコーダから出力された信号に基づいて特定する。スクロール情報は、第2傾きの第2初期傾きに対する角度(以下、第2相対傾き角という)および方位(以下、第2相対方位という)を示す情報である。制御回路19は、このスクロール情報を、2関節スティック型入力装置13cの回転検出部67から出力された信号に基づいて特定する。ズーム情報は、ダイヤル部21の回転向きおよび回転量を示す情報である。制御回路19は、このズーム情報を、検出回路25から出力された信号に基づいて特定する。
【0083】
続いてステップ140で、これら取得したアングル情報、スクロール情報、およびズーム情報に基づいて地図データに対する変換処理を施し、さらにステップ150で、その変換処理の結果得た画像についての描画処理を行うことで、画像表示装置12に当該画像を表示させる。
【0084】
図10に、この変換処理を概念的に示す。変換処理は、データ記憶部18中の地図データに記述された各リンク、ノード、施設の地理的2次元配置をそのまま表現する地図250を、上空の仮想カメラ251で撮影したときの画像を算出する処理である。その仮想カメラ251の直下の地図上の位置(図10におけるx−y座標に相当する。以下、2次元撮影位置という。)、そのカメラの撮影方向252、および、そのカメラのズーム度が決まれば、撮影画像253中のリンク、ノード、施設等の配置がどのようになるかが一意に決まる。
【0085】
ここで、2次元撮影位置は、スクロール情報に基づいて決まる。具体的には、前回のプログラム100の実行時にステップ140で特定した2次元撮影位置に対し、今回のステップ120で特定したスクロール情報に基づいて決まる移動方向および移動量を適用した結果を、新たな2次元位置とする。移動量は、第2相対傾き角が大きくなるほど大きな値となる。また、移動方向は、第1相対方位と同じ方向である。例えば、第1相対方位がユーザから見て前向きならば移動方向は前方であり、第1相対方位がユーザから見て右向きならば移動方向は右であり、第1相対方位がユーザから見て手前向きならば移動方向は後方である。
【0086】
なお、地図250上のどちらが前方であるかについては、例えば、位置検出器11によって特定した車両の向きに相当する地図250上の方向を前方としてもよい。あるいは、ユーザの操作部13に対する所定の操作に基づいて、前方を特定するようになっていてもよい。
【0087】
また、撮影方向252は、アングル情報に基づいて決まる。具体的には、90度から第1相対傾き角を減算した結果の値を、仮想カメラ251の俯角とし、第1相対方位を、仮想カメラ251の前後左右向きと同じにする。例えば、第1相対方位がユーザから見てスカート部22bを前向きに動かす方向ならば仮想カメラ251は前方向きであり、第1相対方位がユーザから見てスカート部22bを左前向きに動かす方向ならば仮想カメラ251は左前方向きであり、第1相対方位がユーザから見てスカート部22bを手前向きに動かす方向ならば仮想カメラ251は後方向きである。また、ズーム度は、ズーム情報に基づいて決まる。
【0088】
例えば、図11のように、第1傾きは第1初期傾きのままにしながら、第2傾きのみを前方に増大させた場合を考える。この場合のユーザの操作意図は、図12に示すように、上空の目を、その視線は直下に向けたまま、地球表面に沿って前方に移動させることに対応する。このとき、制御回路19がプログラム100を繰り返し実行することで、画像表示装置12は、第2相対傾き角に応じたスクロール速度で、地図を後方にスクロールさせる。
【0089】
また例えば、図13のように、第2傾きは第2初期傾きのままにしながら、第1傾きのみを手前に向けた場合を考える。この場合の操作意図は、図14に示すように、上空の目をその位置は変えずに、視線だけ後方に向けることに対応する。このとき、制御回路19がプログラム100を実行することで、画像表示装置12は、第1相対傾き角に基づいた俯角で、後方の鳥瞰図を表示する。
【0090】
また例えば、図15のように、第1傾きおよび第2傾きを共に手前に向けた場合を考える。この場合の操作意図は、図16に示すように、上空の目を、地球表面に沿って後方に移動させると共に、視線を後方に向けることに対応する。このとき、制御回路19がプログラム100を繰り返し実行することで、画像表示装置12は、第1相対傾き角に基づいた俯角による後方の鳥瞰図を、第2相対傾き角に応じたスクロール速度で前方にスクロールさせる。
【0091】
ここで、図17〜図25に、種々の第1相対傾き方位に応じた画像表示装置12の地図表示例を示す。図17の表示は初期状態における地図画像の表示である。図18の表示は、前方の鳥瞰図である。図19の表示は、右方の鳥瞰図である。図20の表示は、左方の鳥瞰図である。図21の表示は、後方の鳥瞰図である。図22の表示は、右前方の鳥瞰図である。図23の表示は、左前方の鳥瞰図である。図24の表示は、右後方の鳥瞰図である。図25の表示は、左後方の鳥瞰図である。このように、地図前方以外の方向を見下ろしたときの地図を表示することができるので、従来よりもバラエティ豊かな地図表示を行うことができ、ひいては、ユーザによる地図の視認性が向上する。
【0092】
以上のように、画像表示システムの一例としての車両用ナビゲーション装置1は、ユーザによる1アクションの操作を受けることで、当該操作に基づく複数の信号を出力する2関節スティック型入力装置13cと、地図を見下ろすときの視点位置、視線方向、ズーム度を特定する制御回路19と、制御回路19が特定した視点位置と視線方向でその地図を見下ろしたときに見える形態で、その地図の画像を表示する画像表示装置12と、を備えている。
【0093】
このように、ある視点位置と視線方向で見下ろしたときに見える形態で、地図の画像を表示するときに、その視点位置と視線方向を、ユーザによる1アクションの操作に基づいて決めることができる。また、その表示する画像のズーム度を、当該2関節スティック型入力装置13cに対するユーザの操作に基づいて決めることができる。従って、視点位置、視線方向、およびズーム度を調節するためのユーザの操作の利便性が向上する。
【0094】
また、2関節スティック型入力装置13cは、グリップ部20が、支点部31aの上部に伸びるダイヤル部21およびくびれ部22aと、支点部31aから下に、移動部30の上部を取り囲むように伸びるスカート部22bを有している。このようになっているので、操作装置の占有するスペースの高さを抑えることができ、かつ、第1傾きおよび第2傾きを調整するためにグリップ部20を持って操作する方法として、多様な方法を用いることができる。図26に、ユーザの好みや操作目的に応じた様々なグリップ部20の持ち方を示す。またこの図26からもわかるように、第1傾きを第1初期傾き以外の状態にすると、突起部38aが見える。この可動ドーム38に対するスカート部22bの下端部のずれによって、ユーザは、現在の第1相対傾き角および第1相対方位を視認することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態が第1実施形態と異なるのは、本実施形態の車両用ナビゲーション装置1が、図2に示した2関節スティック型入力装置13cに代えて、図27に斜視図で示す2関節スティック型入力装置13c´を有することである。
【0095】
この2関節スティック型入力装置13c´は、図27に示す通り、ユーザが握って操作するためのグリップ部70、およびグリップ部70の下にある基部90を有する。図28に、この2関節スティック型入力装置13c´の垂直断面図を示す。この図に示す通り、グリップ部70は、上部ケーシング71、検出部75、伝達部77、上下スイッチ78、胴部ケーシング80、検出部81固定部82、第1軸部83、第1ばね84等を有している。また、基部90は、グリップ受け部91、基部ケーシング92、第2軸部93、第2ばね94、クッション部95、土台部96等を有している。
【0096】
上部ケーシング71は、底部が上に窪んだ円柱形状を有し、グリップ部70の上部の側面および上面を覆う。上部ケーシング71の下には、上から順に検出部75、伝達部77、上下スイッチ78、伝達部79、および検出部81が設けられている。上下スイッチ78は、円盤状の本体と、上部ケーシング71の外周よりも外側に突出するフランジ部とを有する。このフランジ部がユーザによって下に押されると、それに伴って本体および伝達部79が下降し、検出部81が伝達部79を介してその下降を検出し、その検出を示す信号を制御回路19に出力する。また、このフランジ部がユーザによって上に押されると、それに伴って本体および伝達部77が上昇し、検出部75が伝達部77を介してその上昇を検出し、その検出を示す信号を制御回路19に出力する。これら出力される信号に基づいて、制御回路19は、上下スイッチ78に対するユーザの押し上げ操作および押し下げ操作の有無を検出することができる。
【0097】
検出部81の直下には、円柱状の固定部82が設けられている。また、固定部82の底部の中心には、棒状の第1軸部83が垂直に接触している。第1軸部83は、その下部において、円形の第1ボール部83aを有している。第1軸部83の第1ボール部83aの上の部分には、第1ばね84が巻き付けられている。なお、伝達部79、胴部ケーシング80、検出部81、固定部82、第1軸部83、第1ばね84は、胴部ケーシング80によってその側部が覆われている。
【0098】
また、以上のような構成のグリップ部70の下には、グリップ部70を支えるグリップ受け部91が取り付けられている。このグリップ受け部91は、図28に示すように、上に膨らんだ中空の円盤の上部に穴を開けたような形状を有している。そして、第1軸部83はこの穴を通ってグリップ受け部91の内部にまで伸びており、第1ボール部83aは、グリップ受け部91の内部に配置される。
【0099】
また、このグリップ受け部91は、開けられた穴の周囲に平坦なばね受け部91aを有する。このばね受け部91aは、第1ばね84の下端部が当るようになっている。また、グリップ受け部91は、その内部に、第1ボール部83aを支えるボール受け部91bを有している。
【0100】
また、第2軸部93の底部中央には、棒状の第2軸部93が底部に垂直に固定されている。第1ばね84は、その下部において、円形の第2ボール部93aを有している。第2軸部93の第2ボール部93aの上の部分には、第2ばね94が巻き付けられている。また、第2ばね94の底部には、リング状のクッション部95が取り付けられている。
【0101】
第2軸部93の下には、部材91〜95を支える土台部96が取り付けられている。なお、グリップ受け部91の下部、第2軸部93、第2ばね94、クッション部95、および土台部96は、上部に穴が開いた基部ケーシング92の内部に納まっている。
【0102】
ここで、部材91〜96を支える土台部96の構造について説明する。図29は、土台部96の詳細構造を示す組立図である。この図に示すように、土台部96は、ばね支え部200、第1回転部201、第1振り子部202、第1歯車203、第1伝達部204、第2回転部205、第2振り子部206、第2歯車207、第2伝達部208、および土台固定部209を有している。なお、第2ボール部93aは、その球形の本体から直下に続く短い円柱形の首部93bと、その首部93bの直下に続く長板部93cとを有している。
【0103】
ばね支え部200は、図示しない部材を介して基部ケーシング92に固定されており、クッション部95、第2ばね94等を支えるようになっている。第1回転部201は、中央に穴が開いたハンモックのような形状を有する樹脂製の穴空き部201aおよび穴空き部201aの両端に同軸に取り付けられた2つの軸部201b、201cを有している。第1振り子部202は、軸部201bの軸に固定されることで、軸部201bの回転と共に回転し、外周部に歯が設けられている。第1歯車203は、第1振り子部202の歯と噛み合うことで、第1振り子部202の回転に応じて回転する。第1伝達部204は、第1歯車203に同軸に固定され、第1歯車203の回転と同期して回転する。
【0104】
第2回転部205は、第1回転部と同形状の穴空き部205aおよび穴空き部205aの両端に同軸に取り付けられた2つの軸部205b、205cを有している。第2振り子部206は、軸部201cの軸に固定されることで、軸部201cの回転と共に回転し、外周部に歯が設けられている。第2歯車207は、第2振り子部206の歯と噛み合うことで、第2振り子部206の回転に応じて回転する。第2伝達部208は、第2歯車207に同軸に固定され、第2歯車207の回転と同期して回転する。
【0105】
土台部96の組み付け時には、第1回転部201の直下に、第1回転部201とは直交する方向に、第2回転部205を配置する。そして、長板部93cが穴空き部205aの穴の部分に位置するように、かつ、首部93bが穴空き部201aの穴の部分に位置するように、第2ボール部93aの下端部を第1回転部201および第2回転部205にはめ込む。そして、軸部201b、201c、205b、205cを、基部ケーシング92に固定された円筒形の土台固定部209の上端に設けられた溝にはめ込む。
【0106】
このように組みつけられた土台部96によって、第2軸部93がある方向に傾くと、その傾きの方向に応じて首部93b、長板部93cが移動する。この首部93b、長板部93cに押されて、第1回転部201および第2回転部205がそれぞれの軸部を軸として回転する。すると、この回転に応じて第1振り子部202および第2振り子部206が回転し、さらに第1歯車203および第2歯車207が回転し、さらに第1伝達部204および第2伝達部208が回転する。そして、図示しないロータリーエンコーダが、第1伝達部204および第2伝達部208の回転量を検出し、その検出した回転量を示す信号を制御回路19に出力する。
【0107】
このような構造により、部材91〜95は、土台部96に支えられることで、第2ボール部93aを支点として360°の全方位に傾くように動くことができる。そして、その傾きの量および方位を示す信号(第1の信号の一例に相当する)を制御回路19に出力することができる。
【0108】
また、図28に示した第1ボール部83aおよびボール受け部91bも、それぞれ第2ボール部93aおよび土台部96と同様の構造を有している。したがって、グリップ部70は、ボール受け部91bに支えられることで、ボール受け部91bを支点として360°の全方位に傾くように動くことがでる。そして、その傾きの量および方位を示す信号(第2の信号の一例に相当する)を制御回路19に出力することができる。
【0109】
このように、2関節スティック型入力装置13c´は、ユーザが握ることができるグリップ部70と、グリップ部70をボール受け部91bで支持する部材91〜95と、部材91〜95の第2ボール部93aを支持する土台部96と、を備えている。そして、グリップ部70は、ボール受け部91bを支点として傾くように動くことが可能となっており、部材91〜95は、第2ボール部93aを支点として傾くように動くことが可能となっている。
【0110】
このようになっているので、ユーザがグリップ部70を握って2関節スティック型入力装置13c´に力を加えると、その力はグリップ部70のみならず、グリップ部70からボール受け部91bを通じて部材91〜95に伝達される。この力によって、グリップ部70はボール受け部91bを支点として部材91〜95に対して傾くことができ、また、部材91〜95は、第2ボール部93aを支点として土台部96に対して傾くことができる。
【0111】
またユーザは、握った手でグリップ部70を押す力と、握った手でグリップ部をひねる力とを加えることで、グリップ部70に対して与えるボール受け部91bの周りのモーメントと第2ボール部93aの周りのモーメントとを独立に調整することができる。したがって、ユーザは、グリップ部70を握ってその握った手からグリップ部70に力を加えるだけでも、部材91〜95に対するグリップ部70の傾き(すなわち第1傾き)、および、土台部96に対する部材91〜95の傾き(すなわち第2傾き)をそれぞれ調節することができる。したがって、2関節スティック型入力装置13c´を握るユーザの手(例えば掌)による1アクションの操作によって複数の入力が可能となる。
【0112】
また、グリップ部70がボール受け部91bに対して傾くと、第1ばね84の底部において、ばね受け部91aから押される力が強くなる部分と弱くなる部分とが生じる。この力により、グリップ部70は、第1傾きを第1初期傾き(すなわち、図28に示すような初期状態におけるグリップ部70の傾き)に戻す方向の力を受けることになる。
【0113】
また、第2軸部93が土台部96に対して傾くと、クッション部95の底部において、ばね支え部200から押される力が強くなる部分と弱くなる部分とが生じる。この力により、第2軸部93は、第2傾きを第2初期傾き(すなわち、図28に示すような初期状態における第2軸部93傾き)に戻す方向の力を受けることになる。
【0114】
また、ユーザがグリップ部70の1点を押した場合、その1点がどの位置であっても、第2傾きの変化に比べ、第1傾きの変化はほとんどないように、第1ばね84、第2ばね94の反発力が調整されている。例えば、第1ばね84のばね係数を第2ばね94のばね係数の1.5倍とすることで、ボール受け部91bを支点とする動きを硬くしてもよい。したがって、ユーザは、第2傾きだけを調節したい場合、グリップ部70を握った手で、肘や肩を使って自然まっすぐにグリップ部70を押したり引いたりすればよい。このようになっていることで、第2傾きを主に調節するために必要なひねり力が少なくなるので、第2傾きの調節が容易になる。
【0115】
また、本実施形態の制御回路19は、プログラム100の実行において、ステップ110では、アングル情報を、2関節スティック型入力装置13c´からの信号のうち、第2傾きの量および方位を示す信号に基づいて取得する。また制御回路19は、ステップ120では、スクロール情報を、第1傾きの量および方位を示す信号に基づいて取得する。また制御回路19は、ステップ130では、ズーム情報を、検出部75および検出部81からの信号に基づいて取得する。
【0116】
したがって、本実施形態においては、図30に示すように、グリップ部70を(部材91〜95に対して)ボール受け部91bに対応する関節Yを支点として傾けることで、視点の移動、すなわち画像表示装置12における地図画像のスクロールが実現する。また、図31に示すように、部材91〜95を(土台部96に対して)第2ボール部93aに対応する関節Zを支点として傾けることで、視線方向の調整、すなわち画像表示装置12における地図画像向きおよび傾きの調整が実現する。また、図32に示すように、グリップ部70を関節Yを支点として傾けると共に、部材91〜95を関節Zを支点として傾けることで、スクロールおよび視線方向の調整が同時に実現する。さらにこのとき、上下スイッチ78を上に(または下に)押し続けると、画像表示装置12が表示させる地図の拡大率が上昇(または下降)する。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0117】
例えば、第1実施形態において、ダイヤル部21、くびれ部22aおよびその上の部分(ダイヤル部21、ボタン23等)は、必ずしもなくてもよい。すなわち、スカート部22bの部分だけでも、グリップ部70として機能する。
【0118】
また、本発明を実現する装置は、車両用ナビゲーション装置である必要はなく。画像表示する装置であれば適用可能である。
【0119】
また、グリップ部20やグリップ部70の特定の部分についてのみ、その部分中の1点をユーザが押したときに第2傾きの変化に比べ第1傾きがほとんど変化しないようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成図である。
【図2】2関節スティック型入力装置13cの斜視図である。
【図3】2関節スティック型入力装置13cの垂直断面図である。
【図4】図3の一部を拡大した図である。
【図5】図32のA−A断面図である。
【図6】グリップ部20の傾きを検出するずれ検出機構の拡大斜視図である。
【図7】初期状態における2関節スティック型入力装置13cを示す概略図である。
【図8】2関節スティック型入力装置13cを操作するときの意識を概念的に示す図である。
【図9】制御回路19が実行するプログラム100のフローチャートである。
【図10】プログラム100のステップ140における地図変換処理を概念的に示す図である。
【図11】2関節スティック型入力装置13cの操作例を示す図である。
【図12】図11の操作に対応するユーザの操作意図を概念的に示す図である。
【図13】2関節スティック型入力装置13cの操作例を示す図である。
【図14】図13の操作に対応するユーザの操作意図を概念的に示す図である。
【図15】2関節スティック型入力装置13cの操作例を示す図である。
【図16】図15の操作に対応するユーザの操作意図を概念的に示す図である。
【図17】視線方向が直下であるときの鳥瞰図を示す図である。
【図18】視線方向が前方であるときの鳥瞰図を示す図である。
【図19】視線方向が右方であるときの鳥瞰図を示す図である。
【図20】視線方向が左方であるときの鳥瞰図を示す図である。
【図21】視線方向が後方であるときの鳥瞰図を示す図である。
【図22】視線方向が右前方であるときの鳥瞰図を示す図である。
【図23】視線方向が左前方であるときの鳥瞰図を示す図である。
【図24】視線方向が右後方であるときの鳥瞰図を示す図である。
【図25】視線方向が左後方であるときの鳥瞰図を示す図である。
【図26】2関節スティック型入力装置13cの持ち方のバリエーションを示す図である。
【図27】本発明の第2実施形態に係る2関節スティック型入力装置13c´の斜視図である。
【図28】2関節スティック型入力装置13c´の垂直断面図である。
【図29】2関節スティック型入力装置13c´におけるボール受け部91bの詳細構造を示す組立図である。
【図30】2関節スティック型入力装置13c´の操作の一例を示す図である。
【図31】2関節スティック型入力装置13c´の操作の一例を示す図である。
【図32】2関節スティック型入力装置13c´の操作の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0121】
1…車両用ナビゲーション装置、11…位置検出器、12…画像表示装置、
13…操作部、13a…タッチパネル、13b…メカニカルスイッチ、
13c、13c’…2関節スティック型入力装置、14…音声出力装置、
16…RAM、17…ROM、18…データ記憶部、19…制御回路、
20…グリップ部、21…ダイヤル部、22…グリップ部本体、22a…くびれ部、
22b…スカート部、23…ボタン、24…伝達部、25…検出回路、26…弾性膜、
30…移動部、31…軸部、31a…支点部、31b…軸本体、32…第1柱貫通部、
32…穴形成部、33…柱状部、34…第2柱貫通部、35…ばね、
36…ばね押さえ部、37…柱止め部、38…可動ドーム、38…突起部38、
41〜46…組み付け部材、47…第1回転部、47a、47c、48d…係合部、
48…第2回転部、49…第2ロータリーエンコーダ、50…球面皿、60…基部、
61…ケーシング、62…クッション、64…土台、65…ボール受け部、
66…ボール、67…回転検出部、70…グリップ部、71…上部ケーシング、
75…検出部、77…伝達部、78…上下スイッチ、79…伝達部、
80…胴部ケーシング、81…検出部、82…固定部、83…第1軸部、
83a…第1ボール部、84…第1ばね、90…基部、91…グリップ受け部、
91a…ばね受け部、91b…ボール受け部、92…基部ケーシング、
93…第2軸部、93a…第2ボール部、93b…首部、93c…長板部、
94…第2ばね、95…クッション部、96…土台部、100…プログラム、
200…ばね支え部、201…第1回転部、201a、205a…穴空き部、
201b、201c、205a、205c…軸部、202…第1振り子部、
203…第1歯車、204…第1伝達部、205…第2回転部、
206…第2振り子部、207…第2歯車、208…第2伝達部、
209…土台固定部、250…地図、251…仮想カメラ、252…撮影方向、
253…撮影画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが握ることができるグリップ部(20、70)と、
前記グリップ部(20、70)を第1の端部(31a、91b)で支持する第1支持部(30、91〜95)と、
前記第1支持部(30、91〜95)の第2の端部(50、93a)を支持する第2支持部(60、96)と、を備え、
前記グリップ部(20、70)は、前記第1支持部(30、91〜95)の前記第1の端部(31a、91b)を支点として傾くように動くことが可能となっており、前記第1支持部(30、91〜95)は、前記第2の端部(50、93a)を支点として傾くように動くことが可能となっていることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記第1支持部(30、91〜95)に対する前記グリップ部(20、70)の傾き(以下、第1の傾きという)を第1初期傾きに戻す方向に力を及ぼす第1抵抗部(26、35a、35c、84)と、
前記第2支持部(60、96)に対する前記第1支持部(30、91〜95)の傾き(以下、第2の傾きという)を第2初期傾きに戻す方向に力を及ぼす第2抵抗部(62、94)と、を備え、
前記第1抵抗部(26、35a、35c、84)が及ぼす力と前記第2抵抗部(62、94)が及ぼす力は、前記グリップ部の一点のみが押されたときに、前記第2の傾きと前記第2初期傾きとの差が、前記第1の傾きと前記弟1初期傾きとの差より大きくなるように調節されていることを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記第1支持部(30、91〜95)に対する前記グリップ部(20、70)の傾き(以下、第1の傾きという)を第1初期傾きに戻す方向に力を及ぼす第1抵抗部(26、35a、35c、84)と、
前記第2支持部(60、96)に対する前記第1支持部(30、91〜95)の傾き(以下、第2の傾きという)を第2初期傾きに戻す方向に力を及ぼす第2抵抗部(62、94)と、を備え、
前記弟1初期傾きと前記第2初期傾きの方向は同じでないことを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項4】
前記弟1初期傾きの方向と前記第2初期傾きの方向との角度差は90度以上であることを特徴とする請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記グリップ部(20)は、前記第1の端部(31a)から前記第2の端部(50)に近づく方向に、前記第1支持部(30)を囲むように続いていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の操作装置。
【請求項6】
前記第1支持部(30)は、
前記グリップ部(20)の異なる位置に接触する複数の棒(33a〜33d)と、
前記第1支持部(30)に対する前記グリップ部(20)の傾きの変化によって生じる前記複数の棒(33a〜33d)の位置のずれを検出するずれ検出部(47、48、49)と、
を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の操作装置。
【請求項7】
前記第2支持部(60)は、前記第1支持部(30)の前記第2の端部(50)に接触すると共に前記第2の端部(50)を支持する回転体(66)を有し、
前記第2の端部(50)は、前記回転体(66)に対して凹形状となる曲面の一部で前記回転体(66)に支持され、前記曲面の曲率半径は、前記回転体(66)の半径よりも長いことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の操作装置。
【請求項8】
ユーザが握ることができるグリップ部(20)と、
前記グリップ部(20)を端部(31a)で支持する支持部(30)と、を備え、
前記グリップ部(20)は、前記支持部(30)の前記端部(31a)を支点として傾くように動くことが可能となっており、
前記支持部(30)は、前記グリップ部(20)の異なる位置に接触する複数の棒(33a〜33d)と、前記第1支持部(30)に対する前記グリップ部(20)の傾きの変化によって生じる前記複数の棒(33a〜33d)の位置のずれを検出するずれ検出部(47、48、49)と、を備えたことを特徴とする操作装置。
【請求項9】
ユーザが握ることができるグリップ部(20、30)と、
前記グリップ部(20、30)の端部(50)を支持する支持部(60)と、を備え、
前記グリップ部(20、30)は、前記支持部(60)の前記端部(50)を支点として傾くように動くことが可能となっており、
前記支持部(60)は、前記グリップ部(20、30)の前記端部(50)に接触すると共に前記端部(50)を支持する回転体(66)を有し、
前記端部(50)は、前記回転体(66)に対して凹形状となる曲面の一部で前記回転体に支持され、前記曲面の曲率半径は、前記回転体(66)の半径よりも長いことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の操作装置。
【請求項10】
ユーザによる1つの操作を受けることで、前記1つの操作に基づく第1の信号と、前記1つの操作に基づく第2の信号とを出力する操作装置(13c、13c‘)と、
前記操作装置(13c、13c‘)が出力した前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、絵を見下ろすときの視点位置と視線方向とを特定する特定装置(19)と、
前記特定装置(19)が特定した前記視点位置と前記視線方向で前記絵を見下ろしたときに見える形態で、前記絵の画像を表示する画像表示装置(12)と、を備えた画像表示システム。
【請求項11】
前記操作装置(13c、13c‘)は、ユーザによる操作に基づく第3の信号を出力し、
前記特定装置(19)は、前記操作装置(13c、13c‘)が出力した前記第1の信号、前記第2の信号、および前記第3の信号に基づいて、絵を見下ろすときの視点位置、視線方向、および表示縮尺を特定し、
前記画像表示装置(12)は、前記特定装置(19)が特定した前記視点位置および前記視線方向で前記絵を見下ろしたときに見える形態で、前記絵の画像を、前記特定装置(19)が特定した前記表示縮尺で、表示することを特徴とする請求項10に記載の画像表示システム。
【請求項12】
地図を上方から見下ろすときの方向のうち、前方以外の方向を特定する特定手段(110)と、
前記特定手段(110)が特定した見下ろし方向で前記地図を見下ろしたときに見える形態で、前記地図を画像表示装置に表示させる描画制御手段(150)と、を備えた地図表示制御装置。
【請求項13】
地図を上方から見下ろすときの方向のうち、前方以外の方向を特定する特定手段(110)、および、
前記特定手段(110)が特定した見下ろし方向で前記地図を見下ろしたときに見える形態で、前記地図を画像表示装置に表示させる描画制御手段(150)として、コンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2007−265278(P2007−265278A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−92366(P2006−92366)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】