説明

放射線硬化性積層プレート又はシート

本発明は基盤層少なくとも1つ、及び、50℃未満のガラス転移点を有し、そして、高い二重結合密度を有する放射線硬化性物質を含む最上層を含む、放射線硬化性の積層シート又はフィルムに関する。更に本発明は、前記シート又はフィルムの製造方法及びその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基盤層少なくとも1つ、及び、50℃未満のガラス転移点を有し、そして、高い二重結合密度を有する放射線硬化性物質を含む最上層を含む、放射線硬化性の積層シート又はフィルムに関する。
【0002】
出願は更に、放射線硬化性積層シート又はフィルムの製造方法及びシート又はフィルムを積層された成形部材の製造方法及びその使用に関する。
【0003】
発明の背景
欧州特許出願EP−A2819516及びEP−A2819520はコーティングされたフィルムを開示しており、コーティングはガラス転移点40℃未満であり、バインダーを例えばホスファゼン樹脂、ウレタン又はアクリレートとすることができる。硬化は2工程において実施しなければならない。基盤へのフィルムの接着結合の前に、部分的硬化を行い、最終硬化はその後にのみ行われる。
【0004】
欧州特許出願EP−A361351も同様にコーティングされたフィルムを開示している。ここでも又積層すべき成形部材へのフィルムの適用の前にフィルムの放射線硬化を行う。
【0005】
欧州特許出願EP−A2874027は、10:90〜90:10の比において、第1の成分がそのホモポリマーが20℃以上のガラス転移点を有する1官能性の放射線硬化性化合物であり、そして、第2の成分がジ(メタ)アクリレートである2成分を含む電子フラッシュ硬化性組成物を開示している。より高い官能性のアクリレートもまたこのような組成物と混合することができる。
【0006】
これ等による不都合な点は、1官能性(メタ)アクリレートはその低い分子量のために高い揮発性を有する場合が多く、これが(メタ)アクリレートの全体的毒性のために未硬化コーティング物質を健康に対して安全ではなくしている。更に又、交差結合密度は望ましいコーティング特性のためには望ましいものであるにも関わらず、1官能性(メタ)アクリレートは低い密度しか与えない。
【0007】
欧州特許出願EP−A2819546に記載されている通り、放射線硬化は複数の工程で行わなければならない場合が多いという事実は現在まで知られている放射線硬化性コーティングフィルムの場合には不都合である。コーティング過程よりも前にフィルムを完全に放射線硬化する場合は、フィルムは脆くなり、形状付与が困難となる場合が多く、これはフィルムのその後の加工にとって不都合である。
【0008】
国際特許出願WO00/63015はガラス転移点40℃及び0.2モル/100g以下の二重結合密度を有する最上層を有する積層シート又はフィルムを開示している。その低い耐擦傷性および低い光沢がこれ等の積層シートの不都合な点である。
【0009】
従って、容易に加工でき、成形部材との積層のための可能な限り簡単な方法により使用できる放射線硬化性積層シート又はフィルムが本発明の目的である。積層された成形部材は良好な機械的特性及び外的影響への良好な耐性を有さなければならず、そして特に、機械的作用に対して安定でなければならず、例えば向上した耐擦傷性を有し、高い弾性を有し、そしてさらに向上した光学的特性、例えば向上した光沢を有さなければならない。更に又、コーティング物質は進歩した接着性を有さなければならない。
【0010】
従って、成形部材との積層のための基盤層少なくとも1つ及び最上層を含む放射線硬化性の積層シート又はフィルムであって、最上層はガラス転移点50℃未満及びバインダーの2モル/kg超のエチレン性不飽和基のある含量及びバインダーの0.05モル/kg超の酸基のある含量を有するバインダーを含む放射線硬化性物質よりなる放射線硬化性の積層シート又はフィルムを発見し、これは以後フィルムと略称する。
【0011】
成形部材の積層のための方法及び積層された成形部材も発見した。
【0012】
フィルムは基盤層及び基盤層に直接、又は、別の中間層が存在する場合は間接的に基盤層に適用される最上層よりならなければならない。
【0013】
最上層
最上層は放射線硬化性である。従って使用する最上層はフリーラジカル又はイオン化法により硬化可能な基(硬化可能な基と略記する)を含む放射線硬化性物質である。フリーラジカル法により硬化可能な基が好ましい。
【0014】
放射線硬化性物質は好ましくは透明である。硬化終了後であっても、最上層は好ましくは透明であり、即ち、透明コーティングである。
【0015】
放射線硬化性物質の実質的な成分はバインダーであり、これが膜形成により最上層を形成する。
【0016】
放射線硬化性物質は好ましくは下記:
i)エチレン性不飽和基を有し、そして、2000g/モル超の平均分子質量Mnを有する重合体、
ii)i)とは異なり、そして、2000g/モル未満のモル質量を有するエチレン性不飽和低分子量化合物とのi)の混合物、
iii)エチレン性不飽和化合物との飽和熱可塑性重合体の混合物、
よりなる群から選択されるバインダー少なくとも1つを含む。
【0017】
i)について
適当な重合体は、例えば、エチレン性不飽和化合物の重合体であるが、2000g/モル超の分子質量を有するポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリエポキシド又はポリウレタンも同様である。
【0018】
例えば、ポリオール特にジオール、およびポリカルボン酸特にジカルボン酸を実質的に含む不飽和ポリエステル樹脂が適当であり、エステル化化合物の1つは、共重合可能なエチレン性不飽和基を含んでいる。例えばこれはマレイン酸、フマル酸又は無水マレイン酸である。
【0019】
特にフリーラジカル重合によって得られたエチレン性不飽和化合物の重合体が好ましい。
【0020】
フリーラジカル重合により得られた重合体は、特にアクリル化モノマー特にC1−C8−アルキル(メタ)アクリレート、好ましくはC1−C4−アルキル(メタ)アクリレート、特に好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートまたはn−ブチル(メタ)アクリレートを40重量%以上、好ましくは60重量%以上で構成される重合体である。
【0021】
エチレン性不飽和基として、重合体は例えばビニルエーテルおよび/または特に(メタ)アクリレート基を含んでいる。例えば、重合体中で(メタ)アクリル酸とエポキシド基の反応により(例えばコモノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレートの同時使用により)、これらは重合体と結合してよい。
【0022】
エポキシド(メタ)アクリレートはエポキシドと(メタ)アクリル酸を反応することにより得られる。適当なエポキシドは例えば、エポキシ化オレフィン、芳香族グリシジルエーテルまたは脂肪族グリシジルエーテル、好ましくは芳香族または脂肪族のグリシジルエーテルである。
【0023】
エポキシ化オレフィンは例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、ビニルオキシラン、スチレンオキシドまたはエピクロロヒドリン、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、ビニルオキシラン、スチレンオキシドまたはエピクロロヒドリン、特に好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはエピクロロヒドリン、そして非常に特に好ましくはエチレンオキシドおよびエピクロロヒドリンであってよい。
【0024】
芳香族グリシジルエーテルは、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、フェノール/ジシクロペンタジエンのアルキル化生成物、例えば2,5−ビス[(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]オクタヒドロ−4,7−メタノ−5H−インデン(CAS No.[13446−85−0])、トリス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]メタン異性体(CAS No.[66072−39−7])、フェノール系のエポキシノボラック(CAS No.[9003−35−4])およびクレゾール系のエポキシノボラック(CAS No.[37382−79−9])である。
【0025】
脂肪族グリシジルエーテルは、例えば、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロルプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリチルテトラグリシジルエーテル、1,1,2,2−テトラキス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エタン(CAS No.[27043−37−4])、ポリプロピレングリコール(α,ω−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ポリ(オキシプロピレン)(CAS No.[16096−30−3])および水素化されたビスフェノールA(2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]プロパン(CAS No.[13410−58−7])のジグリシジルエーテルである。
【0026】
エポキシド(メタ)アクリレートおよびエポキシドビニルエーテルは好ましくは2000〜20000の数平均分子量Mn、特に好ましくは2000〜10000g/モル、そして非常に特に好ましくは2000〜3000g/モルを有しており;(メタ)アクリレートおよびビニルエーテル基の含有量は、エポキシド(メタ)アクリレートまたはビニルエーテルエポキシド1000gあたり好ましくは1〜5、特に好ましくは2〜4のである(標準物質としてポリスチレン、溶離剤としてテトラヒドロフランを使用したゲル浸透クロマトグラフィーにより決定)。
【0027】
ポリウレタンもまた好ましい。これらもまた好ましくは、例えばイソシアネート基とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを反応させることによりポリウレタンと結合した(メタ)アクリレート基を不飽和基として含んでいる。
【0028】
このようなウレタン(メタ)アクリレートは例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートまたはヒドロキシアルキルビニルエーテル、そして適切であればジオール、ポリオール、ジアミン、ポリアミンまたはジチオールまたはポリチオールのような鎖伸長剤とポリイソシアネートを反応させることにより入手可能である。乳化剤を添加することなく水に分散可能なウレタン(メタ)アクリレートはさらにイオン性および/または非イオン性の親水性基を有しており、これらは、例えばヒドロキシカルボン酸のような成分によりウレタンに導入されている。
【0029】
バインダーとして使用されてよいポリウレタンは実質的に成分として以下を含んでいる。
(a)少なくとも1つの有機脂肪族、芳香族または環状脂肪族ジ−またはポリイソシアネート、
(b)イソシアネートに対し反応する少なくとも1つの基およびフリーラジカル重合能力のある少なくとも1つの不飽和基を有する少なくとも1つの化合物、
(c)適切であれば、イソシアネートに対し反応する少なくとも2つの基を有する少なくとも1つの化合物、
(d)イソシアネートに対し反応する少なくとも1つの基および少なくとも1つの酸基を有する少なくとも1つの化合物。
【0030】
例えば、少なくとも1.8、好ましくは1.8〜5、特に好ましくは2〜4のNCO機能を有する脂肪族、芳香族および環状脂肪族のジ−およびポリイソシアネートが成分(a)としては適当であり、イソシアヌレート、ビウレット、アロファネートおよびそのウレトジオンである。
【0031】
ジイソシアネートは4〜20の炭素原子を有するイソシアネートが好ましい。従来のジイソシアネートの例は、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(1,6−ジイソシアナトヘキサン)、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、リジンジソシアネート誘導体、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネートまたはテトラメチレンヘキサンジイソシアネートのような脂肪族ジイソシアネート、1,4−、1,3−または1,2−ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4’−または2,4’−ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンまたは2,4−または2,6−ジイソシアナト−1−メチルシクロヘキサンのような環状脂肪族ジイソシアネート、およびトルエン2,4−または2,6−ジイソシアネートおよびこれらの異性体混合物、m−またはp−キシリレンジイソシアネート、2,4’−または4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンおよびこれらの異性体混合物、フェニレン1,3−または1,4−ジイソシアネート、1−クロロフェニレン2,4−ジイソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、ビフェニレン4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルビフェニル、3−メチルジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトベンゼンまたは4’4−ジイソシアナトジフェニルエーテルのような芳香族ジイソシアネートである。
【0032】
上記ジイソシアネートの混合物もまた存在してよい。
【0033】
ヘキサンメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネートおよびジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタンは好ましい。
【0034】
適当なポリイソシアネートはイソシアヌレート基を有するポリイソシアネート、ビウレット基を有するウレトジオンジイソシアネートおよびポリイソシアネート、ウレタンまたはアロファネート基を有するポリイソシアネート、オキサジアジントリオン基を含むポリイソシアネート、直鎖または側鎖のC4−C20−アルキレンジイソシアネートのウレトニミン置換されたポリイソシアネート、総数6〜20の炭素原子を有する環状脂肪族ジイソシアネートまたは総数8〜20の炭素原子を有する芳香族ジイソシアネートまたはこれらの混合物である。
【0035】
好ましく使用してよいジ−またはポリイソシアネートはジ−およびポリイソシアネート(混合物)に基づいてイソシアネート基(NCO分子重量=42として計算)の10〜60重量%、好ましくは15〜60重量%、特に好ましくは20〜55重量%を含む。
【0036】
脂肪族または環状脂肪族ジ−およびポリイソシアネート、例えば上記脂肪族または環状脂肪族ジイソシアネートまたはこれらの混合物は好ましい。
【0037】
以下はさらに好ましい。
1)イソシアヌレートを有し、芳香族、脂肪族および/または環状脂肪族ジシオシアネートから得られたポリイソシアネート。ここで特に好ましくは相当する脂肪族および/または環状脂肪族イソシアナトイソシアヌレートおよび、特にヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネート系のものである。存在するイソシアヌレートは特にトリスイソシアナトアルキルまたはトリスイソシアナトシクロアルキルイソシアヌレートであり、これらはジイソシアネートの環状トリマーまたは1つ以上のイソシアヌレート環を有するこれらの高度な同族体の混合物である。イソシアナトイソシアヌレートは一般に10〜30重量%、特に15〜25重量%のNCO成分および3〜4.5も平均NCO機能を有する。
2)芳香族、脂肪族および/または環状脂肪族で結合したイソシアネート基を有し、好ましくは脂肪族および/または環状脂肪族で結合した基、特にヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートから誘導したものを有するウレトジオンジイソシオシアネート。ウレトジオンジイソシアネートはジイソシアネートの環状2量体生成物である。
【0038】
ウレトジオンジイソシアネートは単体成分として、または他のポリイソシアネート特に、1)に記載のものとの混合物として製法に使用してよい。
3)ビウレット基を有し、芳香族、環状脂肪族または脂肪族、好ましくは環状脂肪族または脂肪族でイソシアネート基と結合しているポリイソシアネート、特にトリス(6−イソシアナトヘキシル)ビウレットまたはこの高度な同族体とこれらの混合物。ビウレット基を有するこれらのポリイソシアネートは一般に18〜22重量%のNCO成分と3〜4.5の平均NCO機能を有している。
4)例えば、過剰量のヘキサメチレンジイソシアネート、または例えばトリメチロルプロパン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセロール、1,2−ジヒドロキシプロパンまたはこれらの混合物のようなポリヒドリックアルコールと一緒のイソホロンジイソシアネートの反応により得られることができる、ウレタンおよび/またはアロファネート基を有し、芳香族、脂肪族または環状脂肪族、好ましくは脂肪族または環状脂肪族と結合したイソシアネート基を有するポリイソシアネート。ウレタンおよび/またはアロファネート基を有するポリイソシアネートは一般に12〜20重量%のNCO成分および1.8〜3の平均NCO機能を有している。
5)オキサジアジントリオン基、好ましくはヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートから誘導したものを含むポリイソシアネート。オキサジアジントリオン基を含むこのようなポリイソシアネートはジイソシアネートおよび二酸化炭素から製造できる。
6)ウレトンイミン置換ポリイソシアネート
1)〜6)のポリイソシアネートは混合物として、また適宜ジイソシアネートとの混合物として使用してよい。
【0039】
成分(b)として適当な化合物はイソシアネートと反応する少なくとも1つの基およびフリーラジカル重合できる少なくとも1つの基を伴うものである。
【0040】
イソシアネートと反応する基は例えば、−OH、−SH、−NH2および−NHR1であってよく、ここでR1は水素または例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチルまたはt−ブチルのような1〜4の炭素原子アルキル基である。
【0041】
成分(b)は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、アクリルアミドグリコール酸またはメタクリルアミドグリコール酸のようなα,β−不飽和カルボン酸のモノエステル、またはジ−またはポリオールを有するビニルエステルであって、好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,1−ジメチル−1,2−エタンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,4−ブタンジオール、1,4−ジメチロルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、グリセロール、トリメチロルエタン、トリメチロルプロパン、トリメチロルブタン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロルプロパン、エリスリトール、ソルビトール、162〜2000の分子量を有するポリ−THF、134〜400の分子量を有するポリ−1,3−プロパンジオールまたは238〜458の分子量を有するポリエチレングリコールのような2〜20の炭素原子および少なくとも2つのヒドロキシ基を有している。さらに、(メタ)アクリル酸のエステルまたはアミドをアミノアルコール、例えば、2−アミノエタノール、2−(メチルアミノ)エタノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノールまたは2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−メルカプトエタノールまたは、エチレンジアミンまたはジエチレントリアミンのようなポリアミノアルカンまたはビニル酢酸とともに使用することは可能である。
【0042】
2〜10の平均OH機能を有する不飽和のポリエーテロールまたはポリエステロールまたはポリアクリレートポリオールはさらに適当である。
【0043】
アミノアルコールと一緒のエチレン性不飽和カルボン酸のアミドの例は、N−ヒドロキシメチルアルクリアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、5−ヒドロキシ−3−オキサペンチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチルクロトンアミドまたはN−ヒドロキシエチルマレイミドのようなN−ヒドロキシアルキルマレイミド、のようなN−ヒドロキシアルキルクロトンイミド、のようなヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドである。
【0044】
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−または3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセリルモノ−およびジ(メタ)アクリレート、トリメチロルプロパンモノ−およびジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリチルモノ−、ジ−およびトリ(メタ)アクリレート、および4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、4−アミノブチル(メタ)アクリレート、6−アミノヘキシル(メタ)アクリレート、2−チオエチル(メタ)アクリレート、2−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、2−アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、3−アミノプロピル−(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドまたは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドは好ましく使用される。2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−または3−ヒドロキシプロピルアクリレート、1,4−ブタンジオールモノアクリレートおよび3−(アクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクロリレートは特に好ましい。
【0045】
成分(c)として適当な化合物は、イソシアネートと反応する少なくとも2つの基、例えば、−OH、−SH、−NH2または−NHR2を有するものであり、ここでR2は互いに独立に水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチルであってよい。
【0046】
2〜20の炭素原子を有するヒドロカーボンジオール、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,1−ジメチルエタン−1,2−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピルイデン、テトラメチルシクロブタンジオール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオール、シクロオクタンジオール、ノルボルナンジオール、ピナンジオール、デカリンジオール等、アジピック酸またはシクロヘキサンジカルボン酸のような短鎖のジカルボン酸を有するこれらのエステル、これらのカルボネートのような好ましいジオールまたはポリオールがあり、ホスゲンとともにジオールと反応させることにより、あるいはジアルキルまたはジアリルカーボネート、またはメチレン−およびイソプロピルイデンビス(シクロヘキシルアミン)、ピペラジン、1,2−、1,3−または1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)等のような脂肪族ジアミン、ジチオール、または多官能性アルコール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン等の第2または第1アミノアルコール、またはチオエチレングリコールのようなチオアルコールとともにエステル転移反応することにより製造される。
【0047】
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、1,2−および1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,4−ブタンジオール、1,2−、1,3−および1,4−ジメチロルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、グリセロール、トリメチロルエタン、トリメチロルプロパン、トリメチロルブタン、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロルプロパン、エリスリトールおよびソルビトール、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノールまたは2−(2−アミノエトキシ)エタノール、ビスフェノールAまたはブタンエトリオールはさらに考えられる。
【0048】
2〜10の平均OH官能基を有する不飽和ポリエーテロールまたはポリエステロールまたはポリアクリレートポリオールおよび例えばポリエチレンイミンのようなポリアミン、または例えば遊離アミノ基を含むポリ−N−ビニルホルムアミドの重合体がさらに適当である。
【0049】
例えばビス−(4−ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピルイデン、テトラメチルシクロブタンジオール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオール、シクロオクタンジオールまたはノルボルナンジオールのような環状脂肪族ジオールは特にここで適当である。
【0050】
適当な成分(d)は、イソシアネートに反応する少なくとも1つの基、例えば−OH、−SH、−NH2または−NHR3を有する化合物であり、ここでR3は互いに独立に水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチルおよび少なくとも1つの酸基であってよい。
【0051】
イソシアネートに反応する基は、好ましくは−OH、−NH2および−NHR3、特に好ましくは−OHおよび−NH2、そして非常に特にこのましくは−OHである。
【0052】
好ましい化合物(d)はイソシアネートに反応する1〜6の基を有し、特に好ましくは1〜5、非常に特に好ましくは1〜3、特に1〜2、そして特には1である。
【0053】
酸基は、ここではカルボキシル基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、スルホ基およびスルフィン酸基として知られており、好ましくは、カルボキシル基、ホスホン酸基およびスルホ基、特に好ましくはカルボキシル基およびスルホ基、そして非常に特に好ましくはカルボキシル基である。
【0054】
好ましい化合物(d)は1〜6の酸基を有し、特に好ましくは1〜5、非常に特に好ましくは1〜3、特に1〜2、そして特には1である。
【0055】
酸基はまた適宜、その陰イオンの形態、例えばそのアルカリ金属、アルカリ土金属またはアンモニウム塩の形態で少なくとも部分的に存在できる。
【0056】
例えば、Li+、Na+、K+、Cs+、Mg2+、Ca2+またはBa2+は逆のイオンとして結合してよい。さらに、例えば、アンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ジイソプロピルエチルアンモニウム、ベンジルジメチルアンモニウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、ヒドロキシエチルジメチルアンモニウム、ヒドロキシエチルジエチルアンモニウム、モノプロパノールアンモニウム、ジプロパノールアンモニウム、トリプロパノールアンモニウム、ピペリジニウム、ピペラジニウム、N,N’−ジメチルピペラジニウム、モルホリニウム、ピペリジニウム、テトラメチル−アンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムおよびトリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムのようなアンモニアまたはアミン、特に第3級または第4級アンモニウムイオンから誘導されたアンモニウムイオンが逆のイオンとして結合してよい。
【0057】
陰イオンの形状で1つおよびそれ以上の異なる逆のイオンとともに存在する酸基の比率は存在する酸基に基づいて0〜100モル%、好ましくは0〜50モル%、特に好ましくは0〜25モル%、非常に特に好ましくは0〜15モル%、特に0〜10モル%、特には0モル%である。
【0058】
好ましい化合物(d)はヒドロキシ酢酸(グリコール酸)、2−または3−ヒドロキシ−プロピオン酸、3−または4−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシピバリン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、クエン酸、マロン酸、酒石酸、2,3−ジヒドロキシプロピオン酸(グリセリン酸)、ジメチロルプロピオン酸、ジメチロル酪酸、トリメチロル酢酸、ヒドロキシピバリン酸、サリチル酸、3−または4−ヒドロキシ安息香酸、2−、3−または4−ヒドロキシケイ皮酸、6−アミノカプロン酸、アミノ酢酸(グリシン)、2−アミノプロピオン酸(アラニン)、3−アミノプロピオン酸(β−アラニン)のようなアミノ酸、そしてさらに本質的なアミノ酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、N−[トリス(ヒドロキシメチル)−メチル]グリシン、イミノジ酢酸、グルコン酸、グルカリン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸または粘液酸(ガラクタル酸)のような糖酸、2−アミノエタン−スルホン酸(タウリン)、アミノメタンスルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸、3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸、N−[トリス−(ヒドロキシメチル)メチル]−2−アミノエタンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸、フェノール−4−スルホン酸、スルファニル酸(4−アミノベンゼンスルホン酸)またはメルカプト酢酸である。
【0059】
これらの中で好ましいのは、グリコール酸、2−または3−ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシピバリン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ジメチロルプロピオン酸、ジメチロル酪酸、トリメチロル酢酸、ヒドロキシピバリン酸、6−アミノカプロン酸、タウリン、アミノ酢酸(グリシン)、2−アミノプロピオン酸(アラニン)および3−アミノプロピオン酸(β−アラニン)である。
【0060】
グリコール酸、2−ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシピバリン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ジメチロルプロピオン酸、ジメチロル酪酸、ヒドロキシピバリン酸、6−アミノカプロン酸、アミノ酢酸(グリシン)、タウリンおよび2−アミノプロピオン酸(アラニン)は特に好ましい。
【0061】
グリコール酸、2−ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシピバリン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ジメチロルプロピオン酸、ジメチロル酪酸、ヒドロキシピバリン酸および6−アミノカプロン酸は非常に特に好ましい。
【0062】
グリコール酸、2−ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシピバリン酸、6−ヒドロキシカプロン酸およびジメチロルプロピオン酸は特に好ましい。
【0063】
ヒドロキシ酢酸(グリコール酸)は特別に好ましい。
【0064】
化合物(d)の量は本発明に従って確立されるので、得られたバインダーは、バインダーの0.05モル/kg以上の酸基成分(固体成分に基づいて)を有し、好ましくは0.08モル/kg以上、特に好ましくは0.1モル/kg以上、非常に特に好ましくは0.15モル/kg以上、特に0.18モル/kg以上、特には0.2モル/kg以上である。
【0065】
酸基の成分(固体成分に基づいて)は原則として15モル/kg以下、好ましくは10モル/kg以下、特に好ましくは8モル/kg以下、非常に特に好ましくは5モル/kg以下、特に3モル/kg以下、特には2モル/kg以下である。
【0066】
酸基の成分は例えばDIN EN ISO 3682に従い、バインダーの酸数によって決定されてよい。
【0067】
本発明に従って使用されてよいポリウレタンは化合物(a)、(b)および(c)および(d)を互いに反応させることにより得られる。
【0068】
(a)中の反応イソシアネート基3モルあたりの分子組成(a):(b):(c):(d)は原則として以下の通り。
(b)イソシアネートに反応する基の0.5〜3.0、好ましくは0.8〜2.5、特に好ましくは1.0〜2.2、そして特に1.4〜1.8モル、
(c)イソシアネートに反応する基の0〜2.0、好ましくは0.1〜1.8、特に好ましくは0.5〜1.5、そして特に0.8〜1.3モル、
(d)イソシアネートに反応する基の0.001〜1.5、好ましくは0.005〜1.0、特に好ましくは0.01〜0.8、そして特に0.1〜0.5モル、
水系でポリウレタンを使用する場合、実質的に好ましくは存在する全イソシアネート基は反応している。
【0069】
イソシアネート基を含む化合物およびイソシアネート基に反応する基を含む化合物からの付加物の構造は、原則として適宜高温で成分を所望の順序で混合することにより、影響を受ける。
【0070】
好ましくは、イソシアネート基に反応する基を含む化合物は、イソシアネート基を含む化合物に好ましくは多数の工程で添加される。
【0071】
特に好ましくは、イソシアネート基を含む化合物が最初に取られ、イソシアネートに反応する基を含む化合物が添加される。特に、イソシアネート基を含む化合物(a)が最初に取られ、次に(b)が添加される。適宜、さらに所望の成分が順に添加されてよい。
【0072】
原則として、反応は5〜100℃、好ましくは20〜90℃、特に好ましくは40〜80℃、特に60〜80℃の温度で実施される。
【0073】
操作法は好ましくは無水条件下で実施される。ここで、無水とは反応系の水分が5重量%以下、好ましくは3重量%以下、特に好ましくは1重量%以下であることを意味する。
【0074】
重合可能な二重結合の重合を抑制するために、酸素含有ガス、特に好ましくは空気または空気/窒素混合物の下で作業することが好ましい。
【0075】
空気または酸素または空気と使用条件下で不活性なガスの混合物は、好ましくは酸素含有ガスとして使用されてよい。窒素、ヘリウム、アルゴン、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、低級炭化水素またはこれらの混合物は不活性ガスとして使用してよい。
【0076】
酸素含有ガスの酸素成分は、例えば容量で0.1〜22%、好ましくは0.5〜20、特に好ましくは1〜15、非常に特に好ましくは2〜10、そして特に4〜10%であってよい。もちろん、高酸素成分もまた所望によって使用してよい。
【0077】
反応はまた、不活性溶媒、例えばアセトン、イソブチルメチルケトン、トルエン、キシレン、ブチルアセテートまたはエトキシエチルアセテートの存在下で実施してよい。しかしながら、反応は好ましくは溶媒の非存在下に実施される。
【0078】
ウレタン(メタ)アクリレートは好ましくは、数平均分子量Mn1000〜20000、特に1000〜10000、特に好ましくは1000〜4000g/モル(標準物質としてテトラヒドロフランおよびポリスチレンを使用するゲル浸透クロマトグラフィーにより決定)を有する。
【0079】
ウレタン(メタ)アクリレートはウレタン(メタ)アクリレート1000g当たりの(メタ)アクリレート基の好ましくは1〜5、特に好ましくは2〜4モルを含む。
【0080】
ウレタンビニルエーテルは、ウレタンビニルエーテルの1000g当たりビニルエーテル基の好ましくは1〜5、特に好ましくは2〜4モルを含む。
【0081】
本発明の好ましい実施形態において、ウレタン(メタ)アクリレートまたはウレタンビニルエーテル、好ましくはウレタンアクリレートは少なくとも1つの環状脂肪族シソシアネート、例えば、少なくとも1つのイソシアネート基が成分として環状脂肪族の特に好ましくはIPDIと結合している化合物を含んでいる。
【0082】
本発明のさらに好ましい実施形態において、使用された化合物はWO 00/39183、4ページ3行から10ページ19行までに記載されたものであり、ここで、この開示はこれにより、参照によって組み入れられる。特に好ましくは、成分としてアロファネート基を有する少なくとも1つの(環状)脂肪族のイソシアネートを有する化合物および少なくとも1つのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、非常に特に好ましくはWO 00/39183の24ページの表1の生成物No.1〜9である。
【0083】
他の適当な放射線硬化性化合物は平均で好ましくは1〜5、特に2〜4、特に好ましくは2〜3の(メタ)アクリレート基、非常に特に好ましくは2つの(メタ)アクリレート基を含むカーボネート(メタ)アクリレートである。
【0084】
カーボネート(メタ)アクリレートの数平均分子量Mnは好ましくは2000〜4000g/モル(標準物質としてポリスチレン、溶媒としてテトラヒドロフランを使用したゲル浸透クロマトグラフィーにより決定)である。
【0085】
カーボネート(メタ)アクリレートはポリヒドリック、好ましくは2価アルコール(ジオール、例えばヘキサンジオール)で炭素のエステルをエステル転移反応し、続いて(メタ)アクリル酸で遊離OH基のエステル反応する、または、例えばEP−A 92 269に記載のように(メタ)アクリル酸でエステル転移反応することにより簡単な方法で入手可能である。
【0086】
これらはまた、ホスゲン、尿素誘導体をポリヒドリック、例えば2価アルコールで反応させることにより入手可能である。
【0087】
同様な方法で、ビニルエーテルカーボネートもまた、ヒドロキシアルキルビニルエーテルをカルボニックエステルおよび適宜2価アルコールで反応させることにより入手可能である。
【0088】
上記ジ−またはポリオールおよびカルボニックエステルまたは代わりにヒドロキシル含有(メタ)アクリレートまたはビニルエステルのようなポリカーボネートポリオールの(メタ)アクリレートまたはビニルエステルもまた考えられる。
【0089】
適当なカルボニックエステルは例えば、エチレンまたは1,2−または1,3−プロピレンカルボネートまたは、ジメチル、ジエチルまたはジブチルカルボネートである。
【0090】
適当なヒドロキシル含有(メタ)アクリレートは、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−または3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリルモノ−およびジ(メタ)アクリレート、トリメチロルプロパンモノ−およびジ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリチルモノ−、ジ−およびトリ(メタ)アクリレートである。
【0091】
適当なヒドロキシル含有ビニルエーテルは、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルおよび4−ヒドロキシブチルビニルエーテルである。
【0092】
特に好ましいカーボネート(メタ)アクリレートは下記式:
【0093】
【化1】

[式中、RはHまたはCH3であり、XはC2−C18−アルキレン基及びnは1〜5、好ましくは1〜3の整数である]のものである。
【0094】
Rは好ましくはHおよびXは好ましくはC2−からC10−アルキレン、例えば、1,2−エチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレンまたは1,6−ヘキシレン、特に好ましくはC4−からC8−アルキレンである。非常に特に好ましくはXはC6−アルキレンである。
【0095】
これらは好ましくは脂肪族カルボネート(メタ)アクリレートである。
【0096】
i)のような重合体は、UV硬化前は、熱可塑的に処理可能である。
【0097】
ii)について
不飽和重合体i)はエチレン性不飽和の低分子量化合物との混合物として使用されてよい。
【0098】
本文章において、低分子量化合物とは2000g/モルより少ない数平均分子量(標準物質としてポリスチレンを使用するゲル浸透クロマトグラフィーにより決定)を有する化合物を意味すると理解される。
【0099】
これらは、例えば、2000g/モルより少ないモル質量を有するi)下に記載の化合物であってよく、例えば、340好ましくは500そして特に好ましくは750から2000g/モルより少ないモル質量を有するエポキシド(メタ)アクリレート、300好ましくは500そして特に好ましくは750から2000g/モルより少ないモル質量を有するウレタン(メタ)アクリレートまたは170、好ましくは250そして特に好ましくは500から2000g/モルより少ないモル質量を有するカーボネート(メタ)アクリレートである。
【0100】
さらに、適当なものは、例えば、フリーラジカル重合可能で僅か1つのエチレン性不飽和の、共重合可能な基を有する化合物である。
【0101】
例としては、C1−C20−アルキル(メタ)アクリレート、20までの炭素原子を有するビニル芳香族、20までの炭素原子を含むカルボン酸のビニルエステル、エチレン性不飽和ニトリル、1〜10の炭素原子を含むアルコールのビニルエステルおよび2〜20、好ましくは2〜8の炭素原子および1または2の二重結合を有する脂肪族炭化水素である。
【0102】
好ましいアルキル(メタ)アクリレートはメチルメタクリレート、メチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートのようなC1−C10−アルキルラジカルを有するものである。
【0103】
アルキル(メタ)アクリレートの混合物もまた特に適当である。
【0104】
1〜20の炭素原子を有するカルボン酸のビニルエステルは、例えば、ビニルラウレート、ビニルステアレート、ビニルプロピオネートおよびビニルアセテートである。
【0105】
適当なビニル芳香族化合物は、例えば、ビニルトルエン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレンおよび好ましいスチレンである。
【0106】
ニトリルの例は、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルである。
【0107】
適当なビニルエーテルは、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルヘキシルエーテルおよびビニルオクチルエーテルである。
【0108】
ブタジエン、イソプレンおよびエチレン、プロピレンおよびイソブチレンは2〜20、好ましくは2〜8の炭素原子および1つまたは2つのオレフィンの二重結合を有する非芳香族炭化水素として記載されてよい。
【0109】
フリーラジカル重合でき、多数のエチレン性不飽和基を有する化合物が好ましい。
【0110】
これらは、特に(メタ)アクリレート化合物、アクリレート化合物であり、例えば、アクリル酸の誘導体がそれぞれの場合好ましい。
【0111】
好ましい(メタ)アクリレート化合物は2〜20、好ましくは2〜10、非常に特に好ましくは2〜6の共重合できるエチレン性不飽和二重結合を含んでいる。
【0112】
(メタ)アクリルエステルおよび特に多官能性アルコールのアクリルエステル、特にこれ以上の官能基を含まないもしくは少なくともヒドロキシル基から離れたエーテル基を含むものは(メタ)アクリレート化合物として記述されてよい。このようなアルコールの例は、例えばエチレングリコール、ポリピレングリコールのような2官能性アルコール、および例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の高度の縮合を有するこれらの環員、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、又はプロポキシレートビスフェノール、エトキシレートシクロヘキサンジメタノールのようなアルコキシレートフェノール化合物、グリセロール、トリメチロルプロパン、トリメチロルエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、グリセロール、ジトリメチロルプロパン、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ジグリセロール、1,2−プロパンジオール、エチレングリコール、2,2−ジメチル−1,2−エタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ブタントリオール、ソルビトール、マンニトールおよび相当するアルコキシレート特にエトキシレートおよびプロポキシレートアルコールのような3官能性およびより多官能性のアルコールである。
【0113】
アルコキシル化生成物は上記アルコールをアルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、シソブチレンオキシドおよびビニルオキシランを任意の所望の順序または混合物として、好ましくはエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドおよび特に好ましくはエチレンオキシド、とともに反応させることにより、よく知られた方法で入手可能である。ヒドロキシ基当たりのアルコキシル化の度合いは好ましくは0〜10であり、例えばヒドロキシル1モルは好ましくはアルキレンオキシド10モルまでとともにアルコキシル化されてよい。
【0114】
ビニルエーテル基を含むポリエーテルアルコールは、例えばヒドロキシアルキルビニルエステルをアルキレンオキシドとともに反応させることにより相当する方法で得ることができる。
【0115】
(メタ)アクリル酸基を含むポリエーテルアルコールは、例えばポリエーテルアルコールとともに(メタ)アクリルエステルのエステル転移反応により、(メタ)アクリル酸とともにポリエーテルアルコールのエステル化により、あるいは(b)下に上述のようにヒドロキシル含有(メタ)アクリレートを使用することにより得ることができる。
【0116】
好ましいポリエーテルアルコールは、106〜2000、好ましくは106〜898、特に好ましくは238〜678のモル質量を有するポリエチレングリコールである。
【0117】
162〜2000のモル質量を有するポリ−THFおよび134〜1178のモル質量を有するポリ−1,3−プロパンジオールはさらにポリエーテルアルコールとして使用することができる。
【0118】
ポリエステル(メタ)アクリレートはさらに(メタ)アクリレート化合物として記述されてもよく、これらは、ポリエステロールの(メタ)アクリルエステルである。
【0119】
ポリエステルポリオールは例えば、Ullmanns Encyklopadie der technischen Chemie、4th Edition、Volume19、62〜65ページから知られている。2価アルコールを第二カルボン酸とともに反応させることにより得られたポリエステルポリオールが好ましく使用される。遊離ポリカルボン酸の代わりに、ポリエステルポリオールの製造のために相当するポリカルボン酸無水物または相当する低アルコールのポリカルボン酸エステルまたはこれらの混合物を使用することもまた可能である。ポリカルボン酸は脂肪族、環状脂肪族、アルアリファチック、芳香族、ヘテロ環状であってよく、そして適宜、例えばハロゲン原子により置換され、および/または不飽和であってよい。以下にこれらの例を記載されてよい。
【0120】
オキサル酸、マレイン酸、フマル酸、スクシン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸またはテトラヒドロフタル酸、スベリン酸、アゼライン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラクロロフタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、ジメリック脂肪酸、これらの異性体および水素化生成物および、無水物またはジアルキルエステルのようなエステル化可能な誘導体、例えばC1−C4−アルキルエステル、好ましくは上記酸のメチル、エチルまたはn−ブチルエステル。yは1〜20、好ましくは2〜20の偶数である一般化学式HOOC−(CH2y−COOHが好ましく、スクシン酸、アジピン酸、セバシン酸およびドデカンジカルボン酸が特に好ましい。
【0121】
ポリエステロールの製造のために適当なポリヒドリックアルコールは、1,2−プロパンジオール、エチレングリコール、2,2−ジメチル−1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,4−ジエチルオクタン−1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、162〜2000のモル質量を有するポリ−THF、134〜1178のモル質量を有するポリ−1,3−プロパンジオール、134〜898のモル質量を有するポリ−1,2−プロパンジオール、106〜458のモル質量を有するポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−、1,2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオール、トリメチリオルブタン、トリメチロルプロパン、トリメチロルエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、グリセロール、ジトリメチロルプロパン、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ジグリセロール、スレイトール、エリスリトール、アドニトール(リビトール)、アラビトール(リキシトール)、キシリトール、ズルシトール(ガラクチトール)、マルチトールまたはイソマルチトールである。
【0122】
xが1〜20の数字、好ましくは2〜20の偶数である一般化学式HO−(CH2X−OHのアルコールが好ましい。エチレングリコール、ブタン−1,4−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、オクタン−1,8−ジオールおよびドデカン−1,12−ジオールが好ましい。ネオペンチルグリコールはさらに好ましい。
【0123】
例えば、ホスゲンをポリエステルポリオールのための成分として記述された過剰量の低分子量アルコールとともに反応させることにより得ることができるように、ポリカーボネートジオールはさらに適当である。
【0124】
ラクトン系のポリエステルジオールはまた適当であり、これはラクトンのホモ−または共重合体であり、好ましくは適当な2官能性の重合開始剤分子と一緒のラクトンの付加物であり、付加物は末端のヒドロキシル基を有する。好ましいラクトンは一般式HO−(CH2Z−COOHの化合物からの誘導体であり、ここでzは1〜20の数字であり、メチレン単位のH原子はまた、C1−からC4−アルキルラジカルにより置換されてよい。例は、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、ガンマ−ブチロラクトンおよび/またはメチル−ε−カプロラクトン、4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸またはピバロラクトンおよびこれらの混合物である。適当な重合開始剤成分は、ポリエステルポリオールのための成分として例えば、上述の低分子量の2価アルコールである、ε−カプロラクトンの相当する重合体は特に好ましい。低ポリエステルジオールまたはポリエーテルジオールはまた、ラクトン重合体の製造のための重合開始剤として使用することができる。ラクトンの重合体の代わりに、ラクトンに相当するヒドロキシカルボン酸の相当する化学的に等価な縮重合体もまた使用することが可能である。
【0125】
ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えばEP279303に記載の通り、アクリル酸、ポリカルボン酸およびポリオールから多数の段階または1段階で製造されてよい。
【0126】
本発明の更に別の実施形態において、バインダー中において本発明により存在する酸基は化合物(d)に加えて、又は、化合物(d)の代替として、酸基少なくとも1個を担持するエチレン性不飽和低分子量化合物ii)を用いることによりバインダーに導入することができる。
【0127】
このような酸基少なくとも1個を担持するエチレン性不飽和低分子量化合物ii)の例はアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニチン酸、アリルスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホメチルアクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロキシプロピルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸、アリルホスホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸である。アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸及びビニルホスホン酸が好ましく、アクリル酸およびメタクリル酸が特に好ましく、そしてアクリル酸が極めて好ましい。
【0128】
このような酸基少なくとも1個を担持するエチレン性不飽和低分子量化合物ii)のバインダー中の比率は本発明により必要とされる酸基の含有量がバインダー中で得られるように設定する。
【0129】
iii)について
適当な飽和熱可塑性重合体は、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、耐衝撃性ポリメチルメタクリレート、ハイインパクトポリスチレン、ポリカーボネート及びポリウレタンである。
【0130】
放射線硬化性はエチレン性不飽和の放射線硬化性化合物の添加により確保される。これはi)及び/又はii)に記載した化合物の1つであってよい。
【0131】
バインダー(固形分に基づく、即ち、溶媒が存在しない場合)は原則として以下の粗製を有する。
i)少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも30重量%、特に好ましくは少なくとも50、極めて特に好ましくは少なくとも60、特に少なくとも75及びとりわけ少なくとも80重量%、そして100重量%以下、好ましくは98%以下、特に好ましくは95%以下、極めて特に好ましくは90以下、とりわけ85重量%以下、
ii)例えば70重量%以下、好ましくは50重量%以下、特に好ましくは25重量%以下、極めて特に好ましくは10以下、特に5重量%以下、そしてとりわけ0重量%、
iii)例えば50重量%以下、好ましくは25重量%以下、特に好ましくは10重量%以下、極めて特に好ましくは5重量%以下、そしてとりわけ0重量%、
であるが、ただし、合計は常に100重量%である。
【0132】
バインダーi)〜iii)の実質的な特徴はバインダーのガラス転移点(Tg)は50℃未満、好ましくは20℃未満、特に好ましくは10℃未満である。一般的に、Tgは−60℃より低値とはならない。(データは放射線硬化の前のバインダーに関する。)
バインダーのガラス転移点TgはASTM3418/82に従ってDSC法(示差操作熱量計)により測定する。
【0133】
本発明によれば硬化性、即ちエチレン性不飽和基の量はバインダー(固体)、即ち水又は他の溶媒非存在下の2モル/kg超、好ましくは2モル/kg超〜8モル/kg、特に好ましくは少なくとも2.1モル/kg〜6モル/kg、極めて特に好ましくは2.2〜6、とりわけ2.3〜5、特に2.5〜5モル/kg超である。
【0134】
バインダー(含有する溶媒を含む)は好ましくは25℃において0.02〜100Pa・sの粘度を有する(回転粘度計で測定)。
【0135】
本発明の好ましい実施形態においては本発明の放射線硬化性物質は硬化性の基1個のみを有する化合物10重量%以下、好ましくは7.5重量%以下、特に好ましくは5重量%以下、極めて特に好ましくは2.5重量%以下、特に1重量%以下、そしてとりわけ0重量%を含む。本発明の放射線硬化性物質において、硬化性の基2個以上を有する化合物の使用は上昇した交差結合密度をもたらし、これが耐擦傷性、硬度および/または薬品に対する耐性等について向上したコーティング特性をもたらす。
【0136】
放射線硬化性物質は別の成分も含んでよい。特に、光重合開始剤、レベリング剤および安定化剤を挙げることができる。屋外用、即ち日光に直接曝露されるコーティングのためには、物質は特にUV吸収剤及びフリーラジカルスカベンジャーを含む。
【0137】
例えばオクタン酸スズ、オクタン酸亜鉛、ラウリン酸ジブチルスズ又はジアザ[2.2.2]ビシクロオクタンを熱後硬化のための重合促進剤として使用できる。
【0138】
光重合開始剤は例えば当該分野で知られた光重合開始剤、例えば"Advances in Polymer Science", Volume 14,Springer Berlin 1974又はK.K.Dietliker, Chemistry and Technology of UV− and EB−Formulation for Coatings, Inks and Paints, Volume 3; Photoinitiators for Free−Radical and Cationic Polymerization, P.K.T.Oldring (Eds), SITA Technology Ltd, Londonに記載されているものであってよい。
【0139】
例えばEP−A7508、EP−A57474、DE−A19618720、EP−A495751又はEP−A615980に記載されているモノ又はビスアシルホスフィンオキシドが適しており、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(Lucirin(登録商標)TPO、BASFAG製)、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート(Lucirin(登録商標)TPOL、BASFAG製)、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(Irgacure(登録商標)819、Ciba Spezialitatenchemie製)、ベンゾフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、フェニルグリオキシル酸及びその誘導体又はこれ等の光重合開始剤の混合物が挙げられる。ベンゾフェノン、アセトフェノン、アセトナフトキノン、メチルエチルケトン、バレロフェノン、ヘキサノフェノン、α−フェニルブチロフェノン、p−モルホリノプロピオフェノン、ジベンゾスベロン、4−モルホリノベンゾフェノン、4−モルホリノデオキシベンゾイン、p−ジアセチルベンゼン、4−アミノベンゾフェノン、4’−メトキシアセトフェノン、β−メチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、アントラキノンカルボン酸エステル、ベンズアルデヒド、α−テトラロン、9−アセチルフェナントレン、2−アセチルフェナントレン、10−チオキサンテノン、3−アセチルフェナントレン、3−アセチルインドール、9−フルオレノン、1−インダノン、1,3,4−トリアセチルベンゼン、チオキサンテン−9−オン、キサンテン−9−オン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、クロロキサンテノン、ベンゾインテトラヒドロピラニルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、7−H−ベンゾインメチルエーテル、ベンズ[デ]アントラセン−7−オン、1−ナフタルデヒド、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン。4−クロロベンゾフェノン、ミヒラーケトン、1−アセトナフトン、2−アセトナフトン、1−ベンゾイルシクロヘキサン−1−オール、2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシアセトフェノン、アセトフェノンジメチルケタール、o−メトキシベンゾフェノン、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、ベンズ[a]アントラセン−7,12−ジオン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルケタール、例えばベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、アントラキノン、例えば2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン及び2,3−ブタンジオンも例示できる。
【0140】
DE−A19826712、DE−A19913353又はWO98/33761に記載されているもののようなフェニルグリオキサール酸エステル型の非黄化又は僅かに黄化する光重合開始剤もまた適している。
【0141】
UV吸収剤はUV照射を熱エネルギーに変換する。知られたUV吸収剤はヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ケイヒ酸エステル及びオキサラニリドである。
【0142】
フリーラジカルスカベンジャーは中間体として形成されたフリーラジカルに結合する。重要なフリーラジカルスカベンジャーはHALS(ヒンダードアミン光安定化剤)として知られている立体障害アミンである。
【0143】
屋外部分の用途のためには、UV吸収剤及びフリーラジカルスカベンジャーの総量は放射線硬化性化合物の100重量部に基づいて、好ましくは0.1〜5重量部、特に好ましくは0.5〜4重量部である。
【0144】
その他、放射線硬化性化合物に加えて、放射線硬化性物質はまた他の化学反応を介して硬化に寄与する化合物も含んでよい。例えばヒドロキシル又はアミノ基と交差結合するポリイソシアネートが適している。
【0145】
放射線硬化性物質は無水及び溶媒非含有の形態、溶液として、又は、分散体として、存在してよい。
【0146】
無水及び溶媒非含有の放射線硬化性物質又は水溶液又は水性懸濁液が好ましい。
【0147】
無水及び溶媒非含有の放射線硬化性物質が特に好ましい。
【0148】
放射線硬化性物質は熱可塑的方法により成型することができ、そして押し出すことができる。
【0149】
上記した放射線硬化性物質が最上層を形成する。層の厚み(乾燥及び硬化の後)は好ましくは10〜100μmである。
【0150】
基盤層
基盤層は基材として作用し、そして、全体的積層物の恒久的に高い強靭性を確保することを意図している。
【0151】
基盤層は好ましくは熱可塑性重合体、特にポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−ジエン−スチレン共重合体(A−EPDM)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル又はこれ等の混合物よりなる。
【0152】
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂又はポリウレタン、そのブロック又はグラフト共重合体およびそれらのブレンド物が更に例示される。
【0153】
ABS、AES、AMMA、ASA、EP、EPS、EVA、EVAL、HDPE、LDPE、MABS、MBS、MF、PA、PA6、PA66、PAN、PB、PBT、PBTP、PC、PE、PEC、PEEK、PEI、PEK、PEP、PES、PET、PETP、PF、PI、PIB、PMMA、POM、PP、PPS、PS、PSU、PUR、PVAC、PVAL、PVC、PVDC、PVP、SAN、SB、SMS、UF、UPプラスチック(略記法はDIN7728に従う)及び脂肪族ポリケトンが好ましく例示される。
【0154】
特に好ましい基盤は場合によりアイソタクティック、シンジオタクティック又はアタクティックであってよく、そして場合により無配向であるか又は1軸又は2軸延伸により配向性を有するものであってよいポリオレフィン類、例えば、PP(ポリプロピレン)、SAN(スチレン−アクリロニトリル共重合体)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PBT(ポリ(ブチレンテレフタレート))、PA(ポリアミド)、ASA(アクリロニトリル−スチレン−アクリレート共重合体)及びABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)及びこれ等のブレンド物、PP、SAN、ABS、ASA及びABS又はASAとPA又はPBTであり、或いは、PCのブレンド物が特に好ましい。
【0155】
ASA、特にDE19651350によるもの及びブレンド物ASA/PCが極めて特に好ましい。ポリメチルメタクリレート(PMMA)又は強靭化PMMAが同様に好ましい。
【0156】
層の厚みは好ましくは50μm〜5mmである。基盤層の背面に噴霧する場合は、100〜1000μm、特に100〜500μmが特に好ましい。
【0157】
基盤層の重合体は接着剤を含んでよい。充填剤または線維が特に適している。基盤層は着色してもよく、即ち、同時に色彩付与層として機能してもよい。
【0158】
その他の層
最上層及び基盤層に加えて、フィルムは更に別の層を含んでよい。
【0159】
例えば、色彩付与中間層、又は、例えばWO2004/009251に記載されているもののようなフィルムを強化するか、離型層として機能する熱可塑性物質の別の層(熱可塑性中間層)も適している。
【0160】
熱可塑性の中間層は基盤層に関して上記した重合体よりなるものであってよい。
【0161】
ポリメチルメタクリレート(PMMA)、好ましくは強靭化PMMAが特に好ましい。ポリウレタンもまた挙げられる。
【0162】
色彩付与層も同様にこれ等の重合体よりなることができる。それらは重合体層中に分散している染料又は含量を含む。
【0163】
好ましいフィルムは、例えば以下の層構造、空間的配置に相当するアルファベット配列を有する。
A)最上層
B)熱可塑性中間層(任意)
C)色彩付与中間層(任意)
D)基盤層
E)接着層(任意)
接着層は、フィルムを基盤に接着結合しようとする場合は、基盤層の背面(即ち積層相手の物体に面する側)に適用してよい。
【0164】
保護層、例えば意図しない硬化を防止する剥離可能なフィルムを透明な最上層に適用することができる。厚みは例えば、50〜100μmであってよい。保護層は例えばポリエチレン又はポリテレフタレートよりなるものであってよい。保護層は照射の前に除去することができる。
【0165】
しかしながら、照射はまた保護層を介して行うこともでき、そしてこの目的のためには保護層は照射の波長範囲において透明でなければならない。
【0166】
フィルムの総厚みは好ましくは50〜1000μmである。
【0167】
積層シート又はフィルムの製造
層B)〜D)を含む積層物は例えば層の全て又は一部の共押し出しにより製造できる。
【0168】
共押出しのためには、個々の成分を押出機内で流動性とし、上記した層の配列を有するフィルムが生じるように特殊な装置を用いることにより相互に接触させる。例えば成分をシートダイを通して共押出しすることができる。この方法はEP−A2−0225500に記載されている。本明細書に記載した方法の他に、アダプター共押出しも使用できる。
【0169】
積層物は従来の方法、例えば上記した共押出しにより、又は、例えば加熱可能なニップ内で層を積層することにより製造できる。第1に最上層を除く層の積層物をこの方法により製造し、そして次に最上層を従来の方法で適用することができる。
【0170】
放射線硬化性物質の押出し(共押出しを含む)においては、成分を混合することによる放射線硬化性物質の製造及び最上層の製造は、1操作において行うことができる。
【0171】
この目的のためには、熱可塑性成分、例えば不飽和重合体i)又は飽和重合体iii)(上記参照)をまず押出機内で溶融させる。必要な融点は該当する重合体により異なる。好ましくは溶融過程の後、別の成分、特に放射線硬化性低分子量成分ii)(上記参照)を計量投入することができる。溶融物として物質が存在する温度が低下するような可塑剤として化合物は機能する。放射線硬化性化合物の添加中の温度は特に、放射線硬化性化合物の熱硬化が起こる臨界温度よりも低値でなければならない。
【0172】
臨海温度は熱量分析、即ち上記したガラス転移点の測定に相当する温度上昇下における熱吸収の測定により容易に決定できる。
【0173】
次に放射線硬化性物質を既存の積層物上に最上層として直接、又は、共押出しの場合は積層物の層と共に押出す。押出しにより積層シート又はフィルムが直接得られる。
【0174】
放射線硬化性物質は好ましくは基盤層に対し、又は、積層物に対し、単純な態様において、例えば噴霧、篭手使用、ナイフコーティング、ブラシング、ローリング、ロールコーティング、注ぎ込み、積層等により適用し、そして適宜乾燥する。
【0175】
最上層はブロッキングに抵抗性であり、即ち、粘着性はなく、そして放射線交差結合性である。積層されたシート又はフィルムは熱可塑的方法により成型できる。所望により、積層シート又はフィルムの製造の直後に保護層(保護フィルム)を直接最上層の上に搭載できる。
【0176】
積層シート又はフィルムは高い光沢及び良好な機械的特性を有する。破断は殆ど観察されない。
【0177】
積層シート又はフィルムの伸長性は未伸長の状態に基づいて好ましくは少なくとも100%である(30μmの厚みにおいて140℃における)。
使用方法
フィルムは後の使用時まで部分的硬化を伴うことなく保存できる(EP−A2819516参照)。
【0178】
後の使用の前の接着又は性能特性の劣化は全く、又は殆ど観察されない。フィルムは好ましくは積層用材料として使用する。
【0179】
好ましくは、基盤の積層をまず行い、次に放射線による最上層の硬化を行う。
【0180】
積層は、基盤へのフィルムの接着結合により行うことができる。この目的のためにはフィルムを基盤層の背面に、好ましくは接着層Eと共に、置く。適当な基盤は木製、プラスチック製又は金属性である。
【0181】
積層はまたフィルムの背面への噴霧により行うこともできる。この目的のためにはフィルムは好ましくは深絞り成形金型中で深絞り成形され、そして基盤層の背面にプラスチック物質を噴霧する。プラスチック材料は例えば基板層の説明において上記した重合体、又は例えばポリウレタン、特にポリウレタン発泡体を含む。重合体は添加剤、特に例えば線維、例えばガラス繊維又は充填剤を含んでよい。
【0182】
最上層の放射線硬化は好ましくは深絞り成形過程の後、そして特に好ましくはフィルム背面噴霧の後に行う。
【0183】
放射線硬化は高エネルギーの光、例えばUV光又は電子線を用いて行う。放射線硬化は比較的高い温度で行うことができる。放射線硬化性バインダーのTgより高温が好ましい。
【0184】
本明細書においては、放射線硬化とは電磁気及び/又は微粒子の照射、好ましくはλ=200〜700nmの波長範囲のUV光、又は、150〜300keVの範囲の電子線照射、及び、特に好ましくは照射線量少なくとも80、好ましくは80〜3000mJ/cm2により生じる重合可能な化合物のフリーラジカル重合を意味する。
【0185】
放射線硬化のほかに、別の効果機序、例えば熱、水分、薬品及び/又は酸化による硬化を関与させてもよい。
【0186】
積層材料は極めて広範な種類の噴霧方法、例えば1成分又は2成分噴霧装置の使用を伴う空気圧、エアレス又は静電的な噴霧方法により、又は、噴霧、篭手使用、ナイフコーティング、ブラシング、ローリング、ロールコーティング、注ぎ込み、積層、背面噴霧又は共押出しにより、1回又は数回適用することができる。
【0187】
コーティングの厚みは原則として約3〜1000g/m2、好ましくは10〜200g/m2である。
【0188】
コーティングの乾燥及び硬化は一般的に標準的な温度条件下、即ちコーティングを加熱することなく行う。しかしながら、本発明の混合物はまた適用後に高温、例えば40〜250℃、好ましくは40〜150℃、特に40〜100℃で乾燥及び硬化されるコーティングの製造のために使用することもできる。これは基盤の熱安定性により限定される。
【0189】
更に、基盤のコーティングのための方法も開示され、これにおいては、適宜熱硬化性樹脂を添加してある本発明のコーティング物質又はそれを含むコーティング処方を基盤に適用し、乾燥し、次に電子線又はUV曝露を用いて酸素含有雰囲気下、又は好ましくは不活性ガス下に、適宜、乾燥温度までの温度において硬化させる。
【0190】
基盤のコーティングのための方法は又、本発明のコーティング又はコーティング処方の適用の後に、電子線又はUV光の照射を、酸素下、又は好ましくは不活性ガス下にまず実施することにより予備硬化を達成し、その後熱処理を160℃以下の温度、好ましくは60〜160℃で実施し、そして次に最終硬化を電子線又はUV光を用いて酸素下又は好ましくは不活性ガス下に実施するという方法において、行うこともできる。
【0191】
積層材料の複数の層を相互の上面に対して適用する場合は、乾燥及び/又は放射線硬化は、適宜、各々の積層過程の後に実施できる。
【0192】
放射線硬化のための適当な線源は、例えば、低圧水銀灯、高圧ランプ付の中圧水銀灯及び蛍光灯、パルスランプ、ハロゲン化金属ランプ、光重合開始剤を用いずに放射線硬化を行えるようにする電子フラッシュ装置、又はエキシマーランプである。放射線硬化は高エネルギー照射、すなわち、UV照射又は太陽光、好ましくはλ=200〜700nmの波長、特に好ましくはλ=200〜500nm、極めて好ましくはλ=250〜400nmの波長範囲の光の作用により、又は高エネルギーの電子線(電子線照射;150〜300keV)による照射により実施する。使用される照射線源は例えば、高圧水銀蒸気ランプ、レーザー、パルスランプ(フラッシュライト)、ハロゲンランプ又はエキシマーランプである。UV硬化の場合に交差結合に通常十分である照射線量は80〜3000mJ/cm2である。
【0193】
当然ながら、複数の照射線源、例えば2〜4つを硬化のために使用することができる。
【0194】
これ等は又異なる波長範囲について発光してよい。
【0195】
乾燥及び/又は熱処理は又、NIR照射による熱処理に追加して、又はその代替として実施することができ、本明細書においては、NIR照射とは760nm〜2.5μm、好ましくは900〜1500nmの波長範囲の電磁波照射である。
【0196】
照射は適宜、酸素の非存在下、例えば不活性ガス雰囲気下において実施できる。適当な不活性ガスは好ましくは窒素、希ガス、二酸化炭素又は燃焼性ガスである。更に又、照射は積層材料を透明の媒体で被覆することにより行うことができる。透明な媒体は例えばプラスチックフィルム、ガラス又は液体、例えば水である。DE−A119957900に記載されている態様において照射するのが特に好ましい。
【0197】
別の熱交差結合を起こす交差結合剤、例えばイソシアネートもまた含有される場合、熱交差結合は例えば放射線硬化と同時又はその後に、温度を150℃まで、好ましくは130℃まで上昇させることにより行うことができる。
用途及び利点
フィルムは鋳造物品を積層するために使用できる。何れかの所望の鋳造物質が適している。特に好ましくは、フィルムは極めて良好な表面特性、高い耐候性及び良好なUV耐性が重要である鋳造物品を積層するために使用される。得られる表面は更に極めて耐擦傷性が高く、良好な接着強度を有するため、擦傷による表面の破壊又は表面の脱剥離が信頼性高く防止できる。即ち建造物の外部で屋外使用するための鋳造物品は好ましい用途分野を構成する。特に、フィルムは自動車部品、例えばフェンダー、ドアトリム、バンパー、スポイラー、スカート並びに外ミラーの積層のための使用に適している。
【0198】
バインダーの接着は酸基の新しい存在により向上する。
【0199】
本明細書においては、ppm及びパーセントは特段の記載が無い限り、重量パーセント及び重量ppmを指す。
【0200】
以下の実施例は本発明を説明することを意図しておき、それをこれ等に限定するものではない。
【0201】
実施例
以下の化合物を使用した。
Basonat(登録商標)HI100、BASF製:ヘキサメチレンジイソシアネート系のポリイソシアネート(イソシアヌレート)、NCO含有量:21.5〜22.5%(DIN EN ISO 11909)
Basonat(登録商標)HB100、BASF製:ヘキサメチレンジイソシアネート系のポリイソシアネート(ビウレット)、NCO含有量:22〜23%(DIN EN ISO 11909)
Vestanat(登録商標)T1890、Degussa製:イソホロンジイソシアネート系のポリイソシアネート(イソシアヌレート)、NCO含有量:11.7〜12.3%(DIN EN ISO 11909)
Desmodur(登録商標)W、Bayer製:メチレンビスマス(4−イソシアナトシクロヘキサン)
ペンタリスチチルトリ−/テトラアクリレート(USCより市販されている製品、平均OH数=100〜111mgKOH/g)
WO00/39189の24ページ第1表に記載のヘキサメチレンジイソシアネートとヒドロキシエチルアクリレートより製造したアロファネート
Lupraphen(登録商標)VP9327:平均分子質量800g/モルを有するアジピン酸/シクロヘキサンジメタノール/イソフタル酸よりなるBASF AG製のポリエステロール
【0202】
実施例1
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピリデンを攪拌しながら60℃において2−ヒドロキシエチルアクリレート中に粗放に分散させた。イソシアネート、ハイドロキノンモノメチルエーテル、1,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール及びメチルエチルケトンをこの懸濁液に添加した。ラウリン酸ジブチルスズを添加した後、バッチが加温された。75℃の内部温度において、反応混合物のNCO値が実質的にそれ以上変化しなくなるまで攪拌を数時間行った。NCO値が0%になるまでグリコール酸、次いでメタノールを添加した。
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピリデン170.52g(OH33.7モル%)
2−ヒドロキシエチルアクリレート229.22g(OH49.4モル%)
Basonat(登録商標)HI100BASFAG製285.90g(NCO37.5モル%)
Basonat(登録商標)HB100BASFAG製297.17g(NCO37.5モル%)
DesmodurWBayer製131.00g(NCO25モル%)
ハイドロキノンモノメチルエーテル0.557g(固体を基にして0.05%)
1,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1.114g(固体を基にして0.1%)
メチルエチルケトン497.35g(固体の70%)
ジブチルジラウレート0.223g(固体を基にして0.02%)
グリコール酸15.53g(OH5.15モル%)
メタノール24.9g(OH11.7モル%)
未硬化バインダーの特性:
g=19.2℃、η=5.0Pa・s/RT(RT=23℃においてプレートアンドコーン粘度計を用いて測定)、二重結合密度=1.77モル/kg(100%)
酸数AN=12.13mgKOH/g(100%)
【0203】
実施例2
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピリデンを攪拌しながら60℃においてヒドロキシエチルアクリレート中に粗放に分散させた。イソシアネート、ペンタエリスリチルトリ/テトラアクリレート、ハイドロキノンモノメチルエーテル、1,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール及びメチルエチルケトンをこの懸濁液に添加した。ラウリン酸ジブチルスズを添加した後、バッチが加温された。75℃の内部温度において、反応混合物のNCO値が実質的にそれ以上変化しなくなるまで攪拌を数時間行った。NCO値が0%になるまでグリコール酸、次いでメタノールを添加した。
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピリデンOH33.7モル%
2−ヒドロキシエチルアクリレートOH24.7モル%
ペンタエリスリチルトリ/テトラアクリレート(平均OH数、100〜111mgKOH/g)OH24.7モル%
Basonat(登録商標)HI100BASFAG製NCO56.25モル%
アロファネート、HDIとHEAからWO00/39183に従って製造、NCO18.75モル%
DesmodurWBayer製NCO25モル%
ハイドロキノンモノメチルエーテル固体を基にして0.05%
1,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール固体を基にして0.1%
メチルエチルケトン固体の70%
ジブチルジラウレート固体を基にして0.02%
グリコール酸OH6.8モル%
メタノールOH10.1モル%
未硬化バインダーの特性:
g=2.5℃、η=2.0Pa・s/RT、二重結合密度=3.12モル/kg(100%)
酸数AN=11.41mgKOH/g(100%)
【0204】
実施例3
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピリデンを攪拌しながら60℃においてヒドロキシエチルアクリレート中に粗放に分散させた。イソシアネート、ペンタエリスリチルトリ/テトラアクリレート、ハイドロキノンモノメチルエーテル、1,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール及びメチルエチルケトンをこの懸濁液に添加した。ラウリン酸ジブチルスズを添加した後、バッチが加温された。75℃の内部温度において、反応混合物のNCO値が実質的にそれ以上変化しなくなるまで攪拌を数時間行った。NCO値が0%になるまでグリコール酸、次いでメタノールを添加した。
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピリデンOH33.7モル%
2−ヒドロキシエチルアクリレートOH24.5モル%
ペンタエリスリチルトリ/テトラアクリレートOH24.5モル%
アロファネート、HDIとHEAから製造、NCO55モル%
Vestana(登録商標)T1890Degussa製NCO45モル%
ハイドロキノンモノメチルエーテル固体を基にして0.05%
1,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール固体を基にして0.1%
メチルエチルケトン固体の70%
ジブチルジラウレート固体を基にして0.04%
グリコール酸OH12.7モル%
メタノールOH4.8モル%
未硬化バインダーの特性:
g=8.9℃、η=3.8Pa・s/RT、二重結合密度=4.25モル/kg(100%)
酸数AN=18.00mgKOH/g(100%)
【0205】
実施例4
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピリデンを攪拌しながら60℃においてヒドロキシエチルアクリレート中に粗放に分散させた。イソシアネート、ペンタエリスリチルトリ/テトラアクリレート、ハイドロキノンモノメチルエーテル、1,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール及びメチルエチルケトンをこの懸濁液に添加した。ラウリン酸ジブチルスズを添加した後、バッチが加温された。75℃の内部温度において、反応混合物のNCO値が実質的にそれ以上変化しなくなるまで攪拌を数時間行った。NCO値が0%になるまでグリコール酸、次いでメタノールを添加した。
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピリデン255.78g(OH33.7モル%)
2−ヒドロキシエチルアクリレート171.91g(OH24.7モル%)
ペンタエリスリチルトリ/テトラアクリレート749.15(OH24.7モル%)
Basonat(登録商標)HI100BASFAG製428.83g(NCO37.5モル%)
Basonat(登録商標)HB100BASFAG製445.78g(NCO37.5モル%)
Vestanat(登録商標)T1890Degussa製364.22g(NCO25モル%)
ハイドロキノンモノメチルエーテル1.21g(固体を基にして0.05%)
1,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール2.42g(固体を基にして0.1%)
メチルエチルケトン1035.29g(固体の70%)
ジブチルジラウレート0.966g(固体を基にして0.04%)
グリコール酸53.24g(OH11.66モル%)
メタノール25.00g(OH5.24モル%)
未硬化バインダーの特性:
g=18.2℃、η=32Pa・s/RT、二重結合密度=2.70モル/kg(100%)
酸数AN=18.60mgKOH/g(100%)
【0206】
実施例5
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピリデンを攪拌しながら60℃においてヒドロキシエチルアクリレート中に粗放に分散させた。イソシアネート、ペンタエリスリチルトリ/テトラアクリレート、ハイドロキノンモノメチルエーテル、1,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール及びメチルエチルケトンをこの懸濁液に添加した。ラウリン酸ジブチルスズを添加した後、バッチが加温された。75℃の内部温度において、反応混合物のNCO値が実質的にそれ以上変化しなくなるまで攪拌を数時間行った。NCO値が0%になるまでグリコール酸、次いでメタノールを添加した。
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピリデン152.89g(OH25.18モル%)
ヒドロキシエチルアクリレート136.97g(OH24.6モル%)
ペンタエリスリチルトリ/テトラアクリレート596.89(OH24.6モル%)
Lupraphen(登録商標)VP9327BASFAG製168.53g(OH8.32モル%)
Basonat(登録商標)HI100BASFAG製457.44g(NCO50モル%)
Vestanat(登録商標)T1890Degussa製582.72g(NCO50モル%)
ハイドロキノンモノメチルエーテル1.05g(固体を基にして0.05%)
1,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール2.10g(固体を基にして0.1%)
メチルエチルケトン1396.96g(固体の60%)
ジブチルジラウレート0.84g(固体を基にして0.04%)
グリコール酸45.63g(OH12.5モル%)
メタノール19.60g(OH4.8モル%)
未硬化バインダーの特性:
g=29.0℃、η=3.8Pa・s/RT、二重結合密度=2.48モル/kg(100%)
酸数AN=18.2mgKOH/g(100%)
【0207】
使用例
振動減衰(pendulum damping)、エリクセンカッピング及び耐擦傷性の性能特性の測定
振動減衰の測定はDIN53157と同様に実施した。この目的のためには、放射線硬化性組成物をガラスに対し400μmの湿潤膜厚で適用した。湿潤フィルムをまず室温で15分間風乾し、次に100℃で20分間乾燥した。このようにして得られたフィルムの硬化は2つのUVランプ(高圧水銀ランプM400U2H型及びM400U2HC型)を有するISTコーティング装置(M40 2×1−R−IR−SLC−So不活型)上、そして10m/分のコンベヤーベルト速度において、窒素雰囲気下(O2≦500ppm)において実施した。放射線量は約1900mJ/cm2であった。振動減衰はコーティングの硬度の尺度である。高値が高硬度を意味する。
【0208】
エリクセンカッピングの測定はDIN53156と同様に実施した。この目的のためには、本発明の該当する調製品を箱型のコーティングバーを用いて湿潤膜厚200μmとなるようにBONDERシート132に適用した。硬化のためには、光への曝露は上記の態様において実施した。その後金属シートの未コーティング面に金属ボールを押し付けることによりエリクセンカッピングを測定した。エリクセンカッピングは可撓性及び弾力性の尺度である。データはミリメートル(mm)で表示する。高値が高可撓性を意味する。
【0209】
耐擦傷性の測定はコンディションチャンバー中7日間保存後にScotch−Brite試験を用いて実施した。Scotch−Brite試験においては、3x3cmの炭化珪素修飾不織布(Scotch Brite SUFN,3M製)をシリンダーに固定して試験片とした。このシリンダーで不織布を250gの力でコーティングに押し付け、コーティング上を空気作用により運動させた。偏向距離は7cmである。10回及び50回の往復運動(DS)の後、入射角20°でDIN67530と同様にして応力の中央範囲において光沢(8倍測定)を測定する。%残存光沢値を初期光沢に対する負荷後の光沢の比から求める。50往復運動の後、洗浄用ナフサを浸積した軟質の布を用いて穏やかな拭取操作を行い、残存光沢を再度測定する。その後、残存光沢を測定することにより乾燥オーブン中で80℃2時間後に再流動を測定する。
【0210】
放射線硬化性物質の製造は実施例1〜3で得られたウレタンアクリレート100重量部を4重量部のCiba Spezialitatenchemie製Irgacure(登録商標)
184(市販の光重合開始剤)と十分混合することにより行った。
【0211】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基盤層少なくとも1つ及び最上層を含む放射線硬化性の積層シート又はフィルムを、成形部材の積層のために用いる使用であって、最上層は放射線硬化性物質よりなり、該物質はガラス転移点50℃未満及び2モル/kg(バインダー)より高いエチレン性不飽和基含量及び0.05モル/kg(バインダー)より高い酸基含量を有するバインダーを含むことを特徴とする使用。
【請求項2】
最上層が透明である、請求項1記載の放射線硬化性積層シート又はフィルムの使用。
【請求項3】
バインダーが、成分として脂環式イソシアネート少なくとも1つを含むウレタン(メタ)アクリレート少なくとも1つを含む、請求項1又は2記載の放射線硬化性積層シート又はフィルムの使用。
【請求項4】
バインダーが、成分としてイソホロンジイソシアネート又はヘキサメチレンジイソシアネートを含むウレタン(メタ)アクリレート少なくとも1つを含む、請求項1又は2記載の使用。
【請求項5】
バインダーが、成分としてイソシアネートに対して反応性の基少なくとも1つ及び酸基少なくとも1つを有する化合物(d)少なくとも1つを含むウレタン(メタ)アクリレート少なくとも1つを含む、請求項3又は4記載の使用。
【請求項6】
化合物(d)がグリコール酸、2−ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシピバル酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ヒドロキシピバル酸、6−アミノカプロン酸、アミノ酢酸(グリシン)、メルカプト酢酸、タウリン及び2−アミノプロピオン酸(アラニン)よりなる群から選択される、請求項5記載の使用。
【請求項7】
基盤層と最上層との間に色彩付与中間層も存在する、請求項1から6までの何れか1項に記載の放射線硬化性積層シート又はフィルムの使用。
【請求項8】
色彩付与中間層と最上層との間にポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−ジエン−スチレン共重合体(A−EPDM)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル又はこれ等の混合物の層もまた存在する、請求項1から7までの何れか1項に記載の放射線硬化性積層シート又はフィルムの使用。
【請求項9】
放射線硬化性物質が、2000g/モル超のモル質量を有するエチレン性不飽和基を有する重合体を、適宜、それとは異なり2000g/モル未満のモル質量を有するエチレン性不飽和の低分子量の成分との混合物として、及び/又は、飽和熱可塑性重合体のエチレン性不飽和成分との混合物を含む、請求項1から8までの何れか1項に記載の放射線硬化性積層シート又はフィルムの使用。
【請求項10】
基盤層が熱可塑性重合体、特にポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン重合体(ABS)、アクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(ASA)、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−ジエン−スチレン共重合体(A−EPDM)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル又はこれ等の混合物の層である、請求項1から9までの何れか1項に記載の放射線硬化性積層シート又はフィルムの使用。
【請求項11】
放射線硬化性物質が硬化性の基1個のみを有する化合物10重量%以下を含む、請求項1から10までの何れか1項に記載の使用。
【請求項12】
請求項1から11までの何れか1項に記載の放射線硬化性積層シート又はフィルムを成形部材に接着結合させ、そして次に最上層を放射線で硬化させる、積層された成形部材、特に自動車用部品の製造方法。
【請求項13】
請求項1から11までの何れか1項に記載の放射線硬化性積層シート又はフィルムを深絞り成形金型内で深絞り成形し、そして基盤層の背面にプラスチック材料を背面噴霧し、最上層の放射線硬化は深絞り成形過程の後、または、背面噴霧の後に実施する、プラスチックを含む積層された成形部材、特に自動車用部品の製造方法。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の方法により得られる積層された成形部材。
【請求項15】
基盤層少なくとも1つ及び最上層を含み、該最上層は放射線硬化性物質よりなり、該物質はガラス転移点50℃未満及び2モル/kg(バインダー)より高いエチレン性不飽和基含量及び0.05モル/kg(バインダー)より高い酸基含量を有するバインダーを含む放射線硬化性積層シート又はフィルムであって、前記基盤層と最上層との間に色彩付与中間層も存在することを特徴とする、放射線硬化性積層シート又はフィルム。
【請求項16】
色彩付与中間層と最上層との間にポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−ジエン−スチレン共重合体(A−EPDM)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル又はこれ等の混合物の層もまた存在する、請求項15記載の放射線硬化性積層シート又はフィルム。
【請求項17】
放射線硬化性物質が、2000g/モルより高いモル質量を有するエチレン性不飽和基を有する重合体を、適宜、それとは異なり2000g/モル未満のモル質量を有するエチレン性不飽和の低分子量の成分との混合物として、及び/又は、飽和熱可塑性重合体のエチレン性不飽和成分との混合物を含む、請求項15又は16記載の放射線硬化性積層シート又はフィルム。
【請求項18】
放射線硬化性物質が硬化性の基1個のみを有する化合物10重量%以下を含む、請求項15から17までの何れか1項に記載の放射線硬化性積層シート又はフィルム。
【請求項19】
バインダーが、成分として脂環式イソシアネート少なくとも1つを含むウレタン(メタ)アクリレート少なくとも1つを含む、請求項15から18までの何れか1項に記載の放射線硬化性積層シート又はフィルム。
【請求項20】
バインダーが、成分としてイソホロンジイソシアネート又はヘキサメチレンジイソシアネートを含むウレタン(メタ)アクリレート少なくとも1つを含む、請求項15から18までの何れか1項に記載の放射線硬化性積層シート又はフィルム。
【請求項21】
バインダーが、成分としてイソシアネートに対して反応性の基少なくとも1つ及び酸基少なくとも1つを有する化合物(d)少なくとも1つを含むウレタン(メタ)アクリレート少なくとも1つを含む、請求項19から20までの何れか1項に記載の放射線硬化性積層シート又はフィルム。

【公表番号】特表2008−500913(P2008−500913A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513798(P2007−513798)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005637
【国際公開番号】WO2005/118689
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】