説明

新規なヘテロアリールカルボキシアミド誘導体

本発明は、式(I)(式中、(II)、m、X、Y、R、R、R及びRは、本明細書及び特許請求の範囲に定義されたとおりである)で示される新規なヘテロアリールカルボキシアミド誘導体、及び生理学的に許容しうるその塩に関する。これらの化合物は、CCR−2受容体、CCR−5受容体及び/又はCCR−3受容体のアンタゴニストであり、そして医薬として使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I):
【化1】


(式中、
【化2】


は、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロゲン、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロアリール又は場合により置換されているヘテロシクリルであるが、
但し、場合により置換されているフェニルは、置換基としてニトロを有さず;
は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルキル、シアノ又はハロゲンであり;
は、環原子6個の芳香族単環基であるフェニル又はヘテロアリールであり、ここで、環原子の1又は2個は、窒素原子であり、残りの環原子は、炭素原子であり、前記フェニル及び前記ヘテロアリールは、C1−8アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される置換基1、2又は3個で置換されており;
は、環炭素原子に結合している場合には、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC3−6アルケニル、ヒドロキシC3−6アルキニル、C1−6アルコキシC3−6アルケニル、C1−6アルコキシC3−6アルキニル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヘテロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているフェニル−C1−6アルキル、場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルキル、場合により置換されているヘテロシクリル−C1−6アルキル、ニトロ、カルボキシ、ホルミル、アシル、C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ−もしくはジ−C1−6アルキル置換アミノカルボニル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル又はC1−6アルキルスルホニル又はアミノ(該アミノは、C1−6アルキル、ヘテロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル及び場合により置換されているヘテロシクリルからなる群から独立して選択される置換基1又は2個で場合により置換されている)であり;
環窒素原子に結合している場合には、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC3−6アルケニル、ヒドロキシC3−6アルキニル、C1−6アルコキシC3−6アルケニル、C1−6アルコキシC3−6アルキニル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル又は場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、又は場合により置換されているヘテロシクリルC1−6アルキルであり;
mは、0、1、2、3又は4であり;
【化3】


は、環原子4〜8個の非芳香族単環基であるヘテロシクリルであり、ここで環原子1又は2個は、窒素原子であり、残りの環原子は、炭素原子であり;
は、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロC1−6アルキル又はヘテロアルキルであり;
、R10は、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルスルホニル、C3−7シクロアルキル、場合により置換されているフェニル−C1−6アルキル、場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルキル又は場合により置換されているヘテロシクリル−C1−6アルキルであり;
、R11は、独立して、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルカノイル又はヘテロアルキルであり;
は、水素、ヒドロキシ、メルカプト、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ハロC1−6アルコキシ、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているフェニルオキシ、場合により置換されているヘテロアリールオキシ、場合により置換されているフェニルチオ、場合により置換されているヘテロアリールチオ、場合により置換されているフェニル−C1−6アルコキシ、場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−カルボニル、カルボキシ又は−CONR1314であり;
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているフェニル−C1−6アルキル又は場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルキルであり;
12は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロアリール又は場合により置換されているヘテロシクリルであり;
13は、水素、C1−6アルキル、ヘテロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
14は、水素、C1−6アルキルもしくはヘテロアルキルであり;
或いはR13とR14は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換されているヘテロシクリル環を形成しているが;
但し、
【化4】


は、カルボニル基又はヘテロ原子に直接結合していない窒素原子を少なくとも1個含み、そして
【化5】


は、ヘテロ原子に直接結合している窒素原子を含まず;そして
[4−イソブチル−6−(2−イソプロピル−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−(3−イソプロピルピペラジン−1−イル)−メタノン及び(3−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−[4−イソブチル−6−(2−イソプロピル−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−メタノンは、除かれる)で示される新規なヘテロアリールカルボキシアミド誘導体、又はその互変異性体もしくはプロドラッグもしくは薬学的に許容しうる塩に関する。
【0002】
更に、本発明は、上記化合物の製造方法、そのような化合物を含む医薬調剤、医薬製剤を製造するためのこれらの化合物の使用に関する。
【0003】
式(I)で示される化合物は、CCR−2受容体(ケモカイン受容体2/単球走化性タンパク質1受容体)アンタゴニストであり、そしてCCR−5受容体(ケモカイン受容体5)及び/又はCCR−3受容体(ケモカイン受容体3)アンタゴニストでもある。ケモカインは、白血球の化学誘引物質として作用する小さな分泌型炎症誘発性サイトカインのファミリーである。それらは、炎症性シグナルに応答して、血管床から周辺組織への白血球の輸送を促進する。Caフラックス増加、cAMP産生の阻害、細胞骨格の再構成、インテグリン及び細胞運動性過程の活性化、並びに接着タンパク質の発現増加を含むシグナル経路を開始することにより、ケモカインが受容体(GPCR)へ結合すると、走化性が開始する。炎症誘発性ケモカインは、アテローム性硬化症及び炎症性要素を含む他の重要な疾患(関節リウマチ、喘息、多発性硬化症、移植片拒絶及び虚血再潅流障害など)の発症に関与し、ネフロパチー及び末梢血管疾患における特異的で顕著な効果を有すると考えられる。単球走化性タンパク質1は、単球上及び幾つかのTリンパ球上のCCR−2受容体を介して、これらの疾患における炎症過程を仲介する主な刺激性ケモカイン(stimulated chemokine)と考えられている。加えて、MCP−1/CCR−2は、代謝症候群を肥満及び糖尿病のより重症段階まで進行させることに関連しているとして議論の渦中にある。CCR−2は、宿主細胞へのウイルス侵入のための共受容体としての役割を有するCCR5と共にヘテロ二量体化することにより、HIV感染と、その結果、自己免疫疾患の経路にも関連づけられた。
【0004】
つまり、CCR−2は、末梢血管疾患の処置のため、より具体的には重症下肢虚血の患者を処置するための新規薬物のターゲットとなりうる。更に、この適応症のための新規CCR−2薬物開発での研究結果及び経験が、アテローム性硬化症を処置するための追跡的な開発(follow-up development)を促進することができた。野生型MCP−1及びCCR−2ノックアウトマウス、又はアポE欠損もしくはLDL−R欠損バックグランドの動物モデルから得られた情報が膨大に存在し、MCP−1/CCR−2経路が、単球/マクロファージ動員にとって、そして内膜過形成及びアテローム性硬化病変の形成及び安定化にとっても不可欠であることが示された。加えて、数多くの報告に、外傷後及び様々な炎症過程(血管床におけるものなど)のヒトにおいて、MCP−1/CCR−2経路が関与することが記載されている。
【0005】
本発明は、CCR−2受容体アンタゴニストであり、CCR−3及びCCR−5でも若干のアンタゴニスト活性を有する新規な式(I)で示される化合物を提供する。
【0006】
特定の式(I)で示される化合物は、1種を超える互変異性体形態で存在する可能性がある。本発明は、そのような互変異性体の全て及びそれらの混合物を包含する。
【0007】
他に断りがなければ、以下の定義は、本発明を記載するために用いられた様々な用語の意義及び範囲を例示及び定義するために示されている。
【0008】
用語「ヘテロ原子」は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を意味する。
【0009】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味し、塩素及びフッ素が好ましい。
【0010】
単独、又は他の基と一緒に用いられる用語「C1−6アルキル」は、炭素原子を1〜6個有する分枝鎖又は直鎖一価アルキル基を意味する。その用語は、更に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチルのような基を例とする。C1−4アルキル又はC1−3アルキルが、より好ましい。
【0011】
用語「ヒドロキシC1−6アルキル」は、ヒドロキシ基1個以上、好ましくは1個で置換されているC1−6アルキルを意味する。
【0012】
用語「ハロC1−6アルキル」は、同一又は異なるハロゲン原子1個以上で置換されているC1−6アルキルを意味する。例は、1−フルオロメチル、1−クロロメチル、1−ブロモメチル、1−ヨードメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、トリヨードメチル、1−フルオロエチル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、1−ヨードエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、2,2−ジクロロエチル、3−ブロモプロピル又は2,2,2−トリフルオロエチルである。より好ましい「ハロC1−6アルキル」は、クロロ−及びフルオロ−C1−6アルキルである。最も好ましい「ハロC1−6アルキル」は、トリフルオロメチルである。
【0013】
単独、又は他の基と一緒に用いられる用語「C1−6アルキレン」は、炭素原子1〜6個の分枝鎖又は直鎖飽和二価炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、テトラメチルエチレンを意味する。
【0014】
単独、又は他の基と一緒に用いられる用語「C3−7シクロアルキル」は、環炭素が3〜7個の飽和一価単環式炭化水素基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシルを意味する。
【0015】
単独、又は他の基と一緒に用いられる用語「C1−6アルコキシ」は、基R'−O−(ここで、R’は、C1−6アルキルである)を意味する。
【0016】
用語「C1−6アルコキシ−カルボニル」は、基Ra1−C(O)−(ここで、Ra1は、上記で定義されたC1−6アルコキシである)を指す。
【0017】
単独、又は他の基と一緒に用いられる用語「ハロC1−6アルコキシ」は、ハロゲン1個以上、好ましくは1〜3個で置換されているC1−6アルコキシを意味する。
【0018】
単独、又は他の基と一緒に用いられる用語「C2−6アルケニル」は、炭素−炭素二重結合を含み、炭素原子を2〜6個有する直鎖又は分枝鎖炭化水素残基を意味する。この用語は、更に、エテニル、2−プロペニルのような基を例とする。
【0019】
用語「ヒドロキシC3−6アルケニル」又は「C1−6アルコキシC3−6アルケニル」は、それぞれ、ヒドロキシ基又はC1−6アルコキシ基1個以上、好ましくは1又は2個で置換されているC3−6アルケニルを意味する。
【0020】
単独、又は他の基と一緒に用いられる用語「C2−6アルキニル」は、炭素−炭素三重結合を含み、炭素原子を2〜6個有する直鎖又は分枝鎖炭化水素残基を意味する。この用語は、更に、エチニル、2−プロピニルのような基を例とする。
【0021】
用語「ヒドロキシC3−6アルキニル」又は「C1−6アルコキシC3−6アルケニル」は、それぞれ、ヒドロキシ基又はC1−6アルコキシ基1個以上、好ましくは1又は2個で置換されているC3−6アルキニルを意味する。
【0022】
用語「アシル」又は「C1−6アルカノイル」は、R−C(O)−(ここで、Rは、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル又はC3−7シクロアルキルC1−6アルキルである)を意味する。
【0023】
用語「ヘテロアルキル」は、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルコキシ、ホルミル、アシル、カルボキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、カルバモイル、アミノ及びモノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノからなる群から独立して選択される置換基1個以上で置換されているC1−6アルキルを意味する。
【0024】
用語「ヘテロアルコキシ」は、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルコキシ、ホルミル、アシル、カルボキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、カルバモイル、アミノ及びモノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノからなる群から独立して選択される置換基1個以上で置換されているC1−6アルコキシを意味する。
【0025】
用語「ヘテロシクリル」は、環原子1〜3個がN、O及びS(O)から独立して選択されるヘテロ原子であり(ここで、nは、0〜2の整数である)、残りの環原子がCである、環原子4〜7個の非芳香族単環基を意味する。詳細には用語「ヘテロシクリル」としては、非限定的に、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジノ、N−メチルピペリジン−3−イル、ピペラジノ、N−メチルピロリジン−3−イル、3−ピロリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ−1−オキシド、チオモルホリノ−1,1−ジオキシド、4−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−2H−チオピラニル)、ピロリニル、イミダゾリニル、N−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル及びそれらの誘導体が挙げられる。最も好ましい「ヘテロシクリル」は、ピペラジニル、ピロリジニル又はピペリジニルである。
【0026】
用語「ヘテロアリール」は、N、O、及びSから独立して選択される環ヘテロ原子を1〜3個有し、残りの環原子がCである、環原子5又は6個の芳香族単環基を意味する。より具体的には用語「ヘテロアリール」としては、非限定的に、ピリジニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、ピリミジニル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ベンゾフラニル、テトラヒドロベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、キノリル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソキサゾリル、又はベンゾチエニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、及びその誘導体が挙げられる。最も好ましいヘテロアリールは、ピリジニル、ピリミジニル、トリアゾリル、ピラゾリル、ピラジニルである。
【0027】
用語「場合により置換されているC3−7シクロアルキル」は、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC3−6アルケニル、ヒドロキシC3−6アルキニル、C1−6アルコキシC3−6アルケニル、C1−6アルコキシC3−6アルキニル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヘテロアルコキシ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノ、カルボキシ、ホルミル、アシル、C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノカルボニル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル及びアシルアミノからなる群から独立して選択される置換基1〜3個で場合により置換されているC3−7シクロアルキルを意味する。
【0028】
用語「場合により置換されているC3−7シクロアルキル−C1−6アルキル」は、基R8ae−R8af−(ここで、R8ae及びR8afは、それぞれ、上記で定義された「場合により置換されているC3−7シクロアルキル」及び「C1−6アルキル」である)を意味する。
【0029】
用語「場合により置換されているフェニル」は、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC3−6アルケニル、ヒドロキシC3−6アルキニル、C1−6アルコキシC3−6アルケニル、C1−6アルコキシC3−6アルキニル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヘテロアルコキシ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノ、カルボキシ、ホルミル、アシル、C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノカルボニル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル及びアシルアミノからなる群から独立して選択される置換基1〜3個で場合により置換されているフェニルを意味する。
【0030】
用語「場合により置換されているフェニルオキシ」は、基R8a−O−(ここで、R8aは、上記で定義された「場合により置換されているフェニル」である)を意味する。
【0031】
用語「場合により置換されているフェニルチオ」は、基R8a’−S−(ここで、R8a’は、上記で定義された「場合により置換されているフェニル」である)を意味する。
【0032】
用語「場合により置換されているフェニル−C1−6アルコキシ」は、基R8aa−R8ab−(ここで、R8aa及びR8abは、それぞれ、上記で定義された「場合により置換されているフェニル」及び「C1−6アルコキシ」である)を意味する。
【0033】
用語「場合により置換されているフェニル−C1−6アルキル」は、基R8ac−R8ad−(ここで、R8ac及びR8adは、それぞれ、上記で定義された「場合により置換されているフェニル」及び「C1−6アルキル」である)を意味する。
【0034】
用語「場合により置換されているヘテロシクリル」は、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC3−6アルケニル、ヒドロキシC3−6アルキニル、C1−6アルコキシC3−6アルケニル、C1−6アルコキシC3−6アルキニル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヘテロアルコキシ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノ、カルボキシ、ホルミル、アシル、C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノカルボニル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル及びアシルアミノからなる群から独立して選択される置換基1〜3個で場合により置換されているヘテロシクリルを意味する。
【0035】
用語「場合により置換されているヘテロシクリル−C1−6アルキル」は、基R8be−R8bf−(ここで、R8be及びR8bfは、それぞれ、上記で定義された「場合により置換されているヘテロシクリル」及び「C1−6アルキル」である)を意味する。
【0036】
用語「場合により置換されているヘテロアリール」は、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC3−6アルケニル、ヒドロキシC3−6アルキニル、C1−6アルコキシC3−6アルケニル、C1−6アルコキシC3−6アルキニル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヘテロアルコキシ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノ、カルボキシ、ホルミル、アシル、C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノカルボニル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル及びアシルアミノからなる群から独立して選択される置換基1〜3個で場合により置換されているヘテロアリールを意味する。
【0037】
用語「場合により置換されているヘテロアリールオキシ」は、R8b−O−(ここで、R8bは、上記で定義された「場合により置換されているヘテロアリール」である)を意味する。
【0038】
用語「場合により置換されているヘテロアリールチオ」は、R8b’−S−(ここで、R8b’は、上記で定義された「場合により置換されているヘテロアリール」である)を意味する。
【0039】
用語「場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルコキシ」は、基R8ba−R8bb−(ここで、R8ba及びR8bbは、それぞれ、上記で定義された「場合により置換されているヘテロアリール」及び「C1−6アルコキシ」である)を意味する。
【0040】
用語「場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルキル」は、基R8bc−R8bd−(ここで、R8bc及びR8bdは、それぞれ、上記で定義された「場合により置換されているヘテロアリール」及び「C1−6アルキル」である)を意味する。
【0041】
単独、又は他の基と一緒に用いられる用語「C1−6アルキルスルホニル」、「C1−6アルキルスルフィニル」及び「C1−6アルキルチオ」は、それぞれ、C1−6アルキル−SO−、C1−6アルキル−SO−及びC1−6アルキル−S−を意味する。
【0042】
上記で定義されている化学基に関する好ましい基は、実施例に具体的に示されたものである。
【0043】
式(I)で示される化合物は、薬学的に許容しうる酸付加塩を形成することができる。そのような薬学的に許容しうる塩の例は、式(I)で示される化合物の、生理学的適合性のある鉱酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、亜硫酸又はリン酸)、又は有機酸(例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、コハク酸又はサリチル酸)との塩である。用語「薬学的に許容しうる塩」は、そのような塩を指す。
【0044】
「任意の」又は「場合により」は、続いて記載される事象又は状況が起こる必要がなく、その記述が、事象又は状況が起こる例と起こらない例とを含むことを意味する。例えば、「アルキル基で場合により置換されているアリール基」は、アルキルが存在する必要がなく、その記述が、アリール基がアルキル基で置換されている状況とアリール基がアルキル基で置換されていない状況とを含むことを意味する。
【0045】
「薬学的に許容しうる賦形剤」は、一般に安全で非毒性であり、生物学的にも他に関しても不適切でない医薬組成物を調製するのに有用な賦形剤を意味し、獣医学的使用に加え、ヒトの薬学的使用にも許容しうる賦形剤を包含する。本明細書及び特許請求の範囲で用いられる「薬学的に許容しうる賦形剤」は、そのような賦形剤1種又は2種以上の両方を包含する。
【0046】
同じ分子式を有するが、原子の結合の性質もしくは順序、又は空間における原子の配列が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれる。空間における原子の配列が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。互いに鏡像でない立体異性体は、「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いに重ね合わせることのできない鏡像である立体異性体は、「エナンチオマー」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する場合、例えば、炭素原子が4個の異なる基に結合していれば、一対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、不斉中心の絶対配置によって特徴づけることができ、Cahn、Ingold及びPrelogのR−及びS−順位則により、又は分子が偏光面を回転する方法で記載され、右旋性又は左旋性(即ち、それぞれ(+)又は(−)−異性体)と呼ばれる。キラル化合物は、単独のエナンチオマー又はその混合物のいずれかとして存在することができる。同じ割合のエナンチオマーを含む混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0047】
式(I)で示される化合物は、不斉中心を1個以上有することができる。他に断りがなければ、本明細書及び特許請求の範囲内の特定の化合物の説明又は命名は、個々のエナンチオマー及びその混合物、又はそのラセミ体など、並びに個々のエピマー及びその混合物を包含するものとする。立体化学の決定及び立体異性体の分離の方法は、当該技術分野で周知である("Advanced Organic Chemistry", 4th edition J. March, John Wiley and Sons, New York, 1992のChapter 4の考察を参照)。
【0048】
別の実施態様において、本発明は、式(I):
【化6】


(式中、
X−Yは、N=C(NR1011)、C(NR)=N、CR=N、C(O)−NR、N(O)=CR12、N(R)−C(O)、CR=N(O)又はN=Nであり;
は、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロゲン、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロアリール又は場合により置換されているヘテロシクリルであるが、
但し、場合により置換されているフェニルが、置換基としてニトロを有さないことを前提とし;
は、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルキル又はハロゲンであり;
は、環原子6個の芳香族単環基であるフェニル又はヘテロアリールであり、ここで、環原子の1又は2個は、窒素原子であり、残りの環原子は、炭素原子であり、前記フェニル及び前記ヘテロアリールは、C1−8アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される置換基1、2又は3個で置換されており;
は、環炭素原子に結合している場合には、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC3−6アルケニル、ヒドロキシC3−6アルキニル、C1−6アルコキシC3−6アルケニル、C1−6アルコキシC3−6アルキニル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヘテロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているフェニル−C1−6アルキル、場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルキル、場合により置換されているヘテロシクリル−C1−6アルキル、ニトロ、カルボキシ、ホルミル、アシル、C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ−もしくはジ−C1−6アルキル置換アミノカルボニル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル又はC1−6アルキルスルホニル又はアミノ(該アミノは、C1−6アルキル、ヘテロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル及び場合により置換されているヘテロシクリルからなる群から独立して選択される置換基1又は2個で場合により置換されている)であり;
環窒素原子に結合している場合には、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC3−6アルケニル、ヒドロキシC3−6アルキニル、C1−6アルコキシC3−6アルケニル、C1−6アルコキシC3−6アルキニル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル又は場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、又は場合により置換されているヘテロシクリルC1−6アルキルであり;
mは、0、1、2、3又は4であり;
【化7】


は、環原子4〜8個の非芳香族単環基であるヘテロシクリルであり、ここで環原子1又は2個は、窒素原子であり、残りの環原子は、炭素原子であり;
は、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロC1−6アルキル又はヘテロアルキルであり;
、R10は、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルスルホニル、C3−7シクロアルキル、場合により置換されているフェニル−C1−6アルキル、場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルキル又は場合により置換されているヘテロシクリル−C1−6アルキルであり;
、R11は、独立して、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルカノイル又はヘテロアルキルであり;
は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロゲン、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロアリール又は場合により置換されているヘテロシクリルであり;
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロC1−6アルキル又はヘテロアルキルであり;そして
12は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロアリール又は場合により置換されているヘテロシクリルである;
但し、
【化8】


が、カルボニル基又はヘテロ原子に直接結合していない窒素を少なくとも1個含み、そして
【化9】


が、ヘテロ原子に直接結合している窒素原子を含まず;そして
但し、[4−イソブチル−6−(2−イソプロピル−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−(3−イソプロピルピペラジン−1−イル)−メタノン及び(3−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−[4−イソブチル−6−(2−イソプロピル−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−メタノンが除かれる)で示される化合物、その互変異性体又はプロドラッグ又は薬学的に許容しうる塩を提供する。
【0049】
本発明の最も広い定義を上記したが、式(I)で示される特定の化合物が、好ましい。
【0050】
i)式(I)で示される化合物において、X−Yは、C(NR)=N、CR=N又はC(O)−NRであり、好ましくはX−Yは、C(NH)=N、CH=N、C(Cl)=N、C(O)−NH、C(ピリジニル)=N、C(トリアゾリル)=N、C(NH((CHOH))=N、C(NH−ピリミジニル)=N、C(CHOH)=N、C(ピラジニル)=N、C(C(O)NH(ピリジニル))=N又はC(O)−N(CH)であり、より好ましくはC(NH)=N、C(NH−ピリミジニル)=N、C(ピラジニル)=N、CH=N、C(トリアゾリル)=N、C(Cl)=N又はC(O)−NHであり、最も好ましくはX−Yは、C(NH)=N、C(NH−ピリミジニル)=N、C(ピラジニル)=N、C(トリアゾリル)=N又はC(O)−NHである。
【0051】
ii)式(I)で示される化合物において、X−Yが、N=C(NR1011)である場合には、R10及びR11は、好ましくは水素である。
【0052】
iii)式(I)で示される化合物において、X−Yが、C(NR)=Nである場合には、Rは、好ましくは水素、C1−6アルカノイル、場合により置換されているフェニル−C1−6アルキル又はC1−6アルキルスルホニルであり、そしてRは、水素、C1−6アルカノイル、アミノ−C1−6アルキル又はヒドロキシ−C1−6アルキルである。より好ましくはR及びRは、水素であるか、又はそれぞれ、水素及びヒドロキシエチルである。最も好ましくはR及びRは、水素である。
【0053】
iv)式(I)で示される化合物において、X−Yが、CR=Nである場合には、Rは、好ましくは水素、ハロゲン、メルカプト、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、シアノ、場合により置換されているピリジニル、場合により置換されているピリミジニル、場合により置換されているトリアゾリル、場合により置換されているピラゾリル、場合により置換されているピラジニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、カルボキシ又は−CONR1314(ここで、R13及びR14は、本明細書に定義されたとおりである)であり、より好ましくはRは、水素、ハロゲン又はC1−6アルコキシであり、そしてRは、最も好ましくは塩素、ピリジン−3−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、2−アミノ−ピリミジン−5−イル又はピラジン−2−イルである。
【0054】
v)式(I)で示される化合物において、X−Yが、N(R)−C(O)である場合には、Rは、好ましくはC1−6アルキルであり、そしてRは、より好ましくはメチルである。
【0055】
vi)式(I)で示される化合物において、X−Yが、NR=N(O)である場合には、Rは、好ましくは水素である。
【0056】
vii)式(I)で示される化合物において、
【化10】


は、好ましくはピリジン−1−イル又は[1,4]ジアゼパン−1−イルであり、より好ましくはピペリジン−1−イルである。
【0057】
viii)式(I)で示される化合物において、mは、好ましくは1である。
【0058】
ix)式(I)で示される化合物において、Rは、好ましくは場合により置換されているヘテロシクリル又はヘテロアルキルであり、より好ましくはRは、ヒドロキシC1−6アルキル、場合により置換されているピロリジン−1−イル又は場合により置換されているピペリジン−1−イルであり、さらにより好ましくはRは、ピペリジン−1−イル又はピロリジン−1−イルであり、前記ピペリジン−1−イル及びピロリジン−1−イルは、ヒドロキシルC1−6アルキル又はヒドロキシで場合により置換されている。Rは、特にピロリジン−1−イル、2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル又は4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イルである。
【0059】
x)式(I)で示される化合物において、Rは、ピロリジン−1−イル、2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル又は4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イルである。
【0060】
xi)式(I)で示される化合物において、
【化11】


は、好ましくは4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル、4−(2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル又は4−ヒドロキシ−[1,4’]ビピペリジニル−1’−イルである。
【0061】
xii)式(I)で示される化合物において、Rは、C1−6アルキル、ハロゲン又は場合により置換されているフェニルであり、好ましくはC1−6アルキル、特にメチルである。式(I)で示される化合物において、Rは、好ましくは水素又はハロゲン、特に水素である。
【0062】
xiii)式(I)で示される化合物において、Rは、好ましくはフェニル又はピリジルであり、前記フェニル及びピリジルは、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシからなる群から独立して選択される置換基1又は2個で場合により置換されている。Rは、より好ましくは3−トリフルオロメチルフェニルである。
【0063】
xiv)式(I)で示される化合物において、R13は、好ましくは水素、C1−6アルキル、ヘテロアルキル、ピリジニル、場合により置換されているピペリジニル、場合により置換されているピペラジニルであり、より好ましくはR13は、水素、メチル、ヒドロキシエチル、1−カルボン酸t−ブチルエステル−ピペリジン−4−イル、ピリジン−3−イル、1−カルボン酸t−ブチルエステル−ピペラジン−4−イル、ピペリジン−4−イル又はピペラジン−4−イルであり、最も好ましくはR13は、ピリジン−3−イルである。式(I)で示される化合物において、R14は、好ましくは水素である。
【0064】
xv)好ましい本発明の化合物は、
[3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[4−((S)−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−[3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−メタノン、
[6−ヒドロキシ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン;又はその互変異性体5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン、
[6−アミノ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[5−メチル−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−[2,3’]ビピリジニル−6−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン;又はその互変異性体5−クロロ−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン;
[3−メチル−6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[6−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[5−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−メチル−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[3−メチル−6−(1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[5−(2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−メチル−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[6−(2−アミノ−ピリミジン−5−イル)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[6−ヒドロキシメチル−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[3−メチル−6−ピラジン−2−イル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸ピリジン−3−イルアミド
1,5−ジメチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン
である、式(I)で示される化合物である。
【0065】
更なる実施態様において、本発明は、式(I):
【化12】


(式中、
【化13】


は、C1−6アルキル、ハロゲン又は場合により置換されているフェニルであるが、
但し、場合により置換されているフェニルが、置換基としてニトロを有さないことを前提とし;
は、水素又はハロゲンであり;
は、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ及びハロゲンからなる群から独立して選択される置換基1、2又は3個で置換されているフェニルであり;
は、環炭素原子に結合している場合には、場合により置換されているアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はアゼパニルであり、最も好ましくはピロリジニルであり;
mは、1であり;
【化14】


は、ピペリジニルであり;
は、C1−6アルキルであり;
、R10は、独立して、水素、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルスルホニル、又は場合により置換されているフェニル−C1−6アルキルであり;
、R11は、独立して、水素、C1−6アルカノイル又はヘテロアルキルであり;
は、水素、メルカプト、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、場合により置換されているピリジニル、場合により置換されているピリミジニル、場合により置換されているトリアゾリル、場合により置換されているピラゾリル、場合により置換されているピラジニル、C1−6アルコキシ−カルボニル、カルボキシ又は−CONR1314であり;
は、水素又はC1−6アルキルであり;
13は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシエチル、ピリジニル、場合により置換されているピペリジニル、場合により置換されているピペラジニルであり;
14は、水素であり;
又はR13とR14は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピペラジニルを形成している)で示される化合物、又はその互変異性体もしくはプロドラッグもしくは薬学的に許容しうる塩を提供する。
【0066】
一般的合成手順
式(I)で示される化合物は、当該技術分野で公知の方法、以下に示される方法、実施例に示される方法又は類似の方法により製造することができる。各反応工程での適切な反応条件は、当業者に公知である。出発原料は、市販されるか、又は公知であるか、又は以下に示される方法、もしくは実施例に記載される方法、もしくは当該技術分野で公知の方法により調製することができる。
【0067】
一般式(I)で示される化合物の合成を、スキーム1〜スキーム9に記載する。
【0068】
【化15】

【0069】
(スキーム1において、
【化16】


、R、R、R、R、R、R、R及びmは、上記のとおり定義されている。Rは、C1−6アルキルである。Rは、独立して水素もしくはC1−6アルキルであるか、又は両方のRが一緒になって、C1−6アルキレン基を形成している。Riiは、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロアルキル(前記ヘテロアルキルは、その後除去可能な保護官能基を場合により含む)、アリール、ヘテロアリール、場合により置換されているフェニル−C1−6アルキル又は場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルキルである。Riiiは、C1−6アルキルであり、そしてXは、ハロゲン又はトリフルオロメチルスルホニルオキシである)
【0070】
ハロピリジンエステル1は、市販されており、公知であるか、又は当該技術分野で公知の方法により調製することができる。Suzukiカップリング、つまり、溶媒(例えば、トルエン、ジオキサン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド)中、そして不活性雰囲気(例えば、アルゴン又は窒素)中、触媒(例えば、場合によりジクロロメタン錯体(1:1)の形態の、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム又はジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II))の存在下、及び塩基(例えば、リン酸カリウム、又は炭酸ナトリウムもしくはカリウム)の存在下、好ましくは室温〜約130℃の温度範囲で、アリール又はヘテロアリールボロン酸又はボロン酸エステル2との反応を適用して、ハロピリジンエステル1をアリールピリジンエステル3に変換することができる(工程a)。アリールピリジンエステル3を、好ましくはジクロロメタン中、室温で、メタクロロ過安息香酸で酸化するか、又はジクロロメタンもしくはアセトニトリル中、0℃〜室温で過酸化水素尿素付加化合物及びトリフルオロ酢酸無水物で酸化して、N−オキシド4を得る(工程b)。N−オキシド4を、好ましくは約50℃〜約100℃で、オキシ塩化リンで処理すると、R及び/又はRが水素であるならば、クロロピリジンエステル5及び/又は6が得られる(工程c)。クロロピリジンエステル5及び6をケン化して(例えば、室温〜約150℃の温度範囲で、溶媒(テトラヒドロフラン、エタノール又は2−エトキシ−エタノール及びそれらの混合物など)中で、水酸化リチウム又はカリウムで処理することにより)、酸7及び8を得ることができる(工程d)。その後、i)アリールピリジン酸7及び8を対応する酸塩化物に変換するか(好ましくはアリールピリジン酸7及び8を、塩化オキサリル及び触媒量のN,N−ジメチルホルムアミドと反応させ、場合により共溶媒としてジクロロメタンを用いて、及び、続いて蒸発させて、その酸塩化物を、溶媒(ジクロロメタン又はN,N−ジメチルホルムアミドなど)中、塩基(トリエチルアミンなど)の存在下、好ましくは0℃〜室温で、第二級アミン(III)と反応させることによる)、又はii)適切なアミドカップリング反応を行うことにより(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド中、好ましくは0℃〜室温で、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)、トリエチルアミンを用いて)、アリールピリジン酸7及び8を第二級アミン(III)とカップリングさせて、アリールピリジンアミド9及び10を得ることができる(工程e)。アリールクロロピリジンアミド9を、溶媒(トルエン、エタノールもしくは水、又はそれらの混合物など)中、不活性雰囲気(例えば、アルゴン又は窒素)中、パラジウム触媒(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba))又は酢酸パラジウム(II)(Pd(COOH))、ホスフィンリガンド(トリフェニルホスフィン、rac−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン(rac−BINAP))又は(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィンなど)及び塩基(例えば、CsCO又はKOtert−Bu)の存在下、好ましくは約50℃〜溶媒の還流温度の温度範囲で、第一級又は第二級アミンと反応させて、アリールアミノピリジンアミド11を調製することができる(工程f)。類似のアミノピリジンアミド11(R及び/又はRは、適切な保護官能基である;合成における保護基及びその使用に関しては、Protective Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd Edition, 1999, Wiley-Intersceinceを参照されたい)から調製されたアリールアミノピリジンアミド15(R、Rは、水素である)を、対応するモノ−もしくはビス−アルカノイルアミノ誘導体11に変換するか(例えば、溶媒(アセトンなど)中、塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下、好ましくは還流下で、酸無水物と反応させることによる)、又は対応するアルカンスルホニルアミノ誘導体11に変換することができる(溶媒(N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、塩基(例えば、トリエチルアミン)、触媒(例えば、4−(N,N−ジメチル)−アミノピリジン)の存在下、50℃前後の温度で、アルカンスルホニルクロリドと反応させ、続いてテトラヒドロフラン中、還流下で、テトラブチルアンモニウムフルオリド溶液で処理して、形成された可能性があるビス−スルホンアミドをモノ−スルホンアミド11に開裂することによる)(工程h)。アリールクロロ−ピリジンアミド9及び10を、溶媒としての対応するアルコール中、又はテトラヒドロフランなどの溶媒中で、好ましくは還流下、ナトリウム又はカリウムアルコラートと反応させて、アリールアルコキシ−ピリジンアミド12及び18を得る(工程g)。アリールメトキシ−ピリジンアミド12を、ジクロロメタン中、好ましくは0℃〜室温で、三臭化ホウ素で処理して、アリールヒドロキシ−ピリジンアミド16を得る(工程i)。ハロピリジンエステル1の変換に関して記載されたSuzuki反応を用いて、アリールクロロ−ピリジンアミド9及び10を、アリールピリジンアミド14へ変換することができる(工程a)。アリールクロロ−ピリジンアミド9を、溶媒(1−メチル−ピロリジン−2−オンなど)中、塩基(水素化ナトリウムなど)の存在下、好ましくは約100℃〜約170℃の範囲の高温で、酸性水素原子を含む芳香族複素環化合物(1H−[1,2,4]トリアゾール、1H−テトラゾール、ピリジン−2−オール、ピリジン−3−オール又はピリジン−4−オールなど)と反応させて、Rが、Nに結合したヘテロアリール又はOに結合したヘテロアリールオキシ部分である、アリールピリジンアミド14を得る(工程k)。アリールクロロ−ピリジンアミド9及び10を、溶媒(1−メチル−ピロリジン−2−オンなど)中、好ましくは約100℃〜約170℃の範囲の高温で、シアン化ナトリウム又はカリウムと反応させて、R又はRがCNである、アリールピリジンアミド14を得る(工程k)。アリールクロロ−ピリジンアミド9を、溶媒(N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、好ましくは還流下で、アジ化ナトリウムと反応させて、テトラゾロ−ピリジン19を得る(工程l)。アリールクロロ−ピリジンアミド9を、溶媒(N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、好ましくは約60℃〜還流の温度で、硫化アルキル又は硫化水素と反応させて、メルカプトピリジン20を得る(工程m)。
【0071】
【化17】

【0072】
(スキーム2において、
【化18】


、R、R、R、R、R及びmは、上記のとおり定義されている。Riiは、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているフェニル−C1−6アルキル又は場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルキル又はヘテロアルキルであり、前記ヘテロアルキルは、その後除去可能な保護官能基を場合により含む。Rは、フェニル−メチルである)
【0073】
アリールクロロ−ピリジン酸7を、例えばスキーム1の工程eに関して記載されたHATUを用いて、適切な保護ピペリジンとカップリングさせて、クロロ−ピリジン−ピペリジンアミド21を得る(工程a)。スキーム1の工程gに記載されたとおり、クロロ−ピリジン−ピペリジンアミド21を適切なアルコラートで処理して、アルコキシ−ピリジン−ピペリジンアミド22を得る(工程b)。次にRが保護基として適切な、場合により置換されているフェニル−メチル部分である、アルコキシ−ピリジン−ピペリジンアミド22を、そのような保護官能基を除去するための標準プロトコルにより、ヒドロキシ−ピリジン−ピペリジンアミド23に変換することができる(工程c)。ヒドロキシ−ピリジン−ピペリジンアミド23を、溶媒(アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−ピロリジン−2−オン又はテトラヒドロフランなど)中、塩基(炭酸セシウム又はカリウムなど)の存在下、室温〜溶媒の還流温度で、適切なハロゲン化アルキル又はアリールでアルキル化して、O−アルキル化又はアリール化ピリジン−ピペリジンアミド24とN−アルキル化又はアリール化ピリジン−ピペリジンアミド25との混合物を得る(工程d)。Protective Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd Edition, 1999, Wiley-Intersceinceに記載されたとおり、酸性条件下で、ピリジン−ピペリジンアミド24及び25中のアセタール保護官能基を除去して、ケトン26及び27を得る(工程e)。スキーム6の工程aに記載された条件下で、適切な第一級又は第二級アミンで還元アミノ化して、ケトン26及び27をアリール−アルコキシ−ピリジンアミド28及びアリール−ピリドン−アミド29に変換する(工程f)。
【0074】
【化19】

【0075】
(スキーム3において、
【化20】


、R、R、R、R、R10、R11及びmは、上記のとおり定義されている。Riiは、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているフェニル−C1−6アルキル又は場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルキル又はヘテロアルキルであり、前記ヘテロアルキルは、その後除去可能な保護官能基を場合により含む)
【0076】
ジクロロピリジンカルボン酸41をエステル化し(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド中、好ましくは室温で、ヨードメタン、炭酸カリウムを用いて)、その後、ジクロロメタン中、好ましくは0℃〜室温で、ナトリウムメトキシドと反応させて、6−クロロ−2−メトキシ−ニコチン酸メチルエステル42を得る(工程a、b)。スキーム1の工程aに関して記載されたSuzuki反応により、6−クロロ−2−メトキシ−ニコチン酸メチルエステル42をメトキシ−ビ−アリールエステル43に変換する(工程c)。スキーム1の工程eに記載されたものと同様の方法を用いて、次のケン化(溶媒(エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン又は2−エトキシ−エタノール及びそれらの混合物など)中、室温〜約150℃の温度範囲で、水酸化リチウム又はカリウムで処理する)及びアミン(III)とのカップリングにより、メトキシ−ピリジンアミド44を得る(工程d、e)。メトキシ−ピリジンアミド44をジクロロメタン中、好ましくは0℃〜室温で、三臭化ホウ素で処理して、ヒドロキシ−ピリジンアミド45を得る(工程f);メトキシ−ビ−アリールエステル43を同様に処理し、次に再エステル化して(例えば、還流下、メタノール、硫酸を用いて)、エステル48を得る(工程f、i)。ヒドロキシ−ピリジンアミド45を、トリフルオロメタンスルホナート46に変換することができる(トリフルオロメタンスルホン酸無水物及びN−エチルジイソプロピルアミンを、溶媒(ジクロロメタンなど)中、好ましくは−50℃〜室温の温度範囲で、工程g)。トリフルオロメタンスルホナート46を、スキーム1の工程fに記載された条件下で、第一級又は第二級アミンで処理して、アリールアミノ−ピリジン−アミド47を得る(工程h)。ヒドロキシ−ピリジンエステル48を、溶媒(アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランなど)中、塩基(炭酸セシウム又はカリウムなど)の存在下、適切なハロゲン化アルキルでアルキル化して、ピリドンエステル49及びアルコキシピリジンエステル50を得る(工程k)。スキーム1の工程eに記載されたものと同様の方法を用いて、エステル49のケン化(溶媒(エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン又は2−エトキシ−エタノール及びそれらの混合物など)中、室温〜約150℃の温度範囲で、水酸化リチウム又はカリウムで処理)及びアミン(III)とのカップリングにより、アリール−ピリジオンアミド51を得る(工程d、e)。トリフルオロメタンスルホナート46を、溶媒(N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温〜還流の温度範囲で、アジ化ナトリウムと反応させて、テトラゾロピリジン52を得る(工程l)。
【0077】
【化21】

【0078】
(スキーム4において、
【化22】


、R、R、R、R10、R11、R12及びmは、上記のとおり定義されている。Rは、C1−6アルキルである。Riは、独立して、水素もしくはC1−6アルキルであるか、又は両方のRiが、一緒になって、C1−6アルキレン基を形成している)
【0079】
アルキルジクロロピリジンカルボキシラート61(スキーム4)を、溶媒(テトラヒドロフランなど)中、好ましくは室温前後で、ナトリウムメチラートで処理すると、エステル官能基に対してオルト位の塩素原子が選択的置換を受ける[Hutchison, A.; Y., Jun; L., K.; Maynard, G.,; Chenard, B. L.,; liu, N.; Guo, Q.; Guo, Z.; Hrnciar, P. PCT国際特許出願(2004)WO2004043925A2 ](工程a)。スキーム1の工程aに関して記載されたSuzuki反応により、クロロ−メトキシ−ピリジンカルボキシラート62を、メトキシ−ビ−アリールエステル63に変換する(工程b)。メトキシ−ビ−アリールエステル63を、好ましくは80℃前後の温度で、オキシ塩化リン及びN,N−ジメチルホルムアミドで処理して、クロロ−ビ−アリールエステル64を得る[Hutchison, A.; Y., Jun; L., K.; Maynard, G.,; Chenard, B. L.,; liu, N.; Guo, Q.; Guo, Z.; Hrnciar, P. PCT国際特許出願(2004)WO2004043925A2 ](工程c)。クロロ−ビ−アリールエステル64が、ボロン酸又はボロン酸エステル65を用いてスキーム1の工程aに関して記載されたSuzuki反応を受けることにより、置換ビ−アリールエステル66が得られる(工程d)。ピリジンエステル66を、好ましくはジクロロメタン中、室温で、メタクロロ過安息香酸で酸化するか、又はジクロロメタンもしくはアセトニトリル中、0℃〜室温で、過酸化水素尿素付加化合物及びトリフルオロ酢酸無水物で酸化して、N−オキシドエステル67を得る(工程e)。N−オキシドエステル67aを、好ましくは約50℃〜約100℃で、オキシ塩化リンで処理して、クロロ−ピリジンエステル68を得る(工程f)。スキーム1の工程d及びeに関して記載されたとおり、N−オキシドエステル67又はクロロ−ピリジンエステル68をケン化して、アミン(III)とカップリングさせて(工程g、h)、N−オキシドアミド69又はクロロピリジンアミド70を得ることができる。クロロ−ピリジンアミド70を、スキーム1の工程fに記載された条件下で、第一級又は第二級アミンで処理して、アリールアミノ−ピリジン−アミド47を得る(工程i)。
【0080】
【化23】

【0081】
(スキーム5において、
【化24】


、R、R、R、R、及びmは、上記のとおり定義されており、Rは、C1−6アルキルであり、Xは、ハロゲン又はトリフルオロメチルスルホニルオキシである)
【0082】
ジアゾ−β−ケトエステル81は、公知であるか、又は当該技術分野で公知の方法により調製することができ、Guillaume, M.; Janousek, Z.; Viehe, H. G.; Wynants, C,; Declercq, J.-P.; Tinant, B. Journal of Fluorine Chemistry (1994), 69(3), 253-6を比較されたい。ジアゾ−β−ケトエステル81を、溶媒(エーテルなど)中、適切な(トリフェニル−ホスファニリデン)酢酸エステルと反応させるか、又は溶媒(アセトニロリルなど)中、塩基(トリエチルアミンなど)そして場合により塩化リチウムの存在下、好ましくは室温でトリアルキルホスホノアセタートと反応させて、ジアゾ付加体82を得る(工程a)。続いてエーテル中、室温前後でトリフェニルホスフィンで処理して、ジアゾ付加体82をピリダジンエステル83に変換する[Guillaume, M.; Janousek, Z.; Viehe, H. G. New trifluoromethylated pyridazines by reductive cyclization of vinyldiazomethanes bearing an carbonyl group. Synthesis(1995), (8), 920-2](工程b)。ピリダジンエステル83を、ジクロロメタン中、好ましくは0℃〜室温で、三臭化ホウ素で処理してエーテルを除去し、エステル官能基を加水分解し、続いて対応するアルコール中で硫酸又は塩酸を用いて再エステル化して、ヒドロキシ−ピリダジンエステル84を得る(工程c)。ヒドロキシ−ピリダジンエステル84を、好ましくは約50℃〜還流で、オキシ塩化リンと反応させて、対応するクロロ−ピリダジンエステル85に変換するか、又は溶媒(ジクロロメタンなど)中、好ましくは−50℃〜0℃の温度範囲で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物及びN−エチルジイソプロピルアミンもしくはトリエチルアミンで処理して、対応するトリフルオロメタンスルホニルオキシ−ピリダジンエステル85に変換することができる(工程d)。スキーム1の工程aに関して記載されたSuzuki反応により、クロロ−ピリダジンエステル85又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ−ピリダジンエステル85をアリールピリダジンエステル87に変換する(工程f)。あるいは、例えば、銀触媒でアルカンカルボン酸の酸化的脱カルボキシル化により発生させた、遊離アルキルラジカルを用いたアルキル化反応により、続いて異性体を分離することにより、クロロ−ピリダジンエステル85を、非置換のクロロ−ピリダジンエステル86から調製することができる(Volonterio, A.; Moisan, L.; Rebek, J., Jr. Organic Letters (2007), 9(19), 3733-3736に記載されたとおりである)(工程e)。スキーム1の工程d及びeに関して記載されたとおり、アリールピリダジンエステル87をケン化して、アミン(III)とカップリングさせて(工程g、h)、アリールピリダジンアミド89を得ることができる。
【0083】
【化25】

【0084】
(スキーム6において、
【化26】


、R、R、R、R及びmは、上記のとおり定義されている。
【化27】


は、環原子4〜8個の非芳香族単環基であるヘテロシクリルであり、ここで、環原子1個は窒素原子であり、残りの環原子は炭素原子であり、これらの炭素原子の1個は、窒素原子に直接結合していないカルボニル基を有する。
【化28】


は、環原子4〜8個の非芳香族単環基であるヘテロシクリルであり、ここで、環原子2個は窒素原子であり、残りの環原子は炭素原子である。Riv及びRは、独立して、水素、C1−6アルキル、ヘテロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキルもしくは場合により置換されているヘテロシクリルであるか、又は
【化29】


は、場合により置換されているヘテロシクリルである。
【化30】


は、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC3−6アルケニル、ヒドロキシC3−6アルキニル、C1−6アルコキシC3−6アルケニル、C1−6アルコキシC3−6アルキニル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、場合により置換されているフェニル−C1−6アルキル、場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルキル、場合により置換されているヘテロシクリル又は場合により置換されているヘテロシクリル−C1−6アルキルである)
【0085】
第二級アミン(III)(スキーム6)は、公知であり、当該技術分野で公知の方法又は実施例に記載された方法により調製することができ、あるいは例えば、ケトン101を第二級アミン102で還元アミノ化するか、又は第二級アミン104でケトン105を還元アミノ化して(例えば、溶媒(例えば、1,2−ジクロロ−エタン)中、酢酸及び潜在的に塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下、室温前後の温度で、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムもしくはボラン−ピリジン錯体を試薬として用いることにより)、調製することができる(工程a)。そのような還元アミノ化によりBoc−保護された付加体103又は106が得られ、続いて十分に確立された方法で(例えば、トリフルオロ酢酸及び更なる溶媒又はアルコール性塩化水素を用いて、又はトリフルオロ酢酸を用いて)、脱保護して第二級アミン(III)を得る(工程b)。その後、i)ビアリールカルボン酸(II)を対応する酸塩化物に変換するか(好ましくは、塩化オキサリル及び触媒量のN,N−ジメチルホルムアミド及び、場合により共溶媒としてジクロロメタンを用いて反応させ、続いて蒸発させて、その酸塩化物を、溶媒(ジクロロメタン又はN,N−ジメチルホルムアミドなど)中、塩基(トリエチルアミンなど)の存在下、好ましくは0℃〜室温で、第二級アミン(III)と反応させる)、又はii)適切なアミドカップリング反応を行うことにより(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド中、好ましくは0℃〜室温で、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)、トリエチルアミンを用いて)、ビアリールカルボン酸(II)を第二級アミン(III)とカップリングさせることができる(工程c)。これらのカップリング反応の際に、第二級アミン(III)中に潜在的に存在するOH−官能基を、適切な保護基により潜在的に保護し、カップリング反応の後、又は合成の後期段階で、それを除去することができる。
【0086】
【化31】

【0087】
(スキーム7において、
【化32】


、R、R、R、R及びmは、上記のとおり定義されている。Rは、C1−6アルキルである。Riiは、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているフェニル−C1−6アルキル又は場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルキル又はヘテロアルキルであり、前記ヘテロアルキルは、その後除去可能な保護官能基を場合により含む)
【0088】
N−オキシド111(スキーム1のN−オキシド4を比較)を、溶媒(酢酸エチルなど)中、塩基(コリジンなど)の存在下、約50℃〜溶媒の還流温度の温度範囲でトリフルオロ酢酸無水物で処理して、ピリドン112を得る(工程a)。ケン化により(例えば、テトラヒドロフラン中、水酸化ナトリウムを用いて)酸113を得るが(工程b)、それを様々なアミドカップリング反応により、好ましくはアセトニトリルとテトラヒドロフランとの混合溶媒中で、ジ−イミダゾール−1−イル−メタノンを酸活性化試薬として用いて、好ましくは室温前後で、第二級アミン(III)とカップリングさせてアミド114(化合物16の互変異性体)を得ることができる(工程c)。ヒドロキシ−ピリジン−ピペリジンアミド23(スキーム2)に関して記載されたとおり、ピリドン112をアルキル化して、N−アルキル化又はアリール化ピリジンエステル化合物115とO−アルキル化又はアリール化ピリジンエステル化合物116との混合物を得る(工程d)。アルキル化ピリジンエステル115及び116をケン化及びカップリングさせて、ピリジンアミド28及び29を得ることができる(工程b、c)。
【0089】
【化33】

【0090】
(スキーム8において、
【化34】


、R、R、R、R及びmは、上記のとおり定義されている。Rviiiは、場合により置換されているフェニルである)
【0091】
塩化物9とエチニル−トリメチル−シランとの薗頭反応により(例えば、トリエチルアミン中、125℃前後の温度で(密閉容器内で)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、ヨウ化銅(I)で処理して)、アセチレンピリジン121を得る(工程a)。穏やかな加水分解により(例えば、EtOH/THF(5:1)中、室温で炭酸カリウムを用いて)シリル基を除去し、アセチレンピリジン122を得る(工程b)。アセチレンピリジン122を、溶媒(DMF/HOなど)中、ヨウ化銅(I)及びアスコルビン酸ナトリウムの存在下、室温前後で、場合により置換されているベンジルアジドと反応させて、ベンジル−トリアゾロピリジン123を得る(工程c)。場合により置換されているベンジル基を除去して(例えば、好ましくは還流下で、トリフルオロ酢酸で処理することにより)、非保護のトリアゾロピリジン124を得る(工程d)。
【0092】
【化35】

【0093】
(スキーム9において、
【化36】


、R、R、R、R、R13、R14及びmは、上記のとおり定義されている)
【0094】
塩化物9をカルボニル化して(例えば、溶媒(MeOH/EtOAcなど)中、塩基(トリエチルアミンなど)の存在下で、約100℃〜150℃の温度範囲及び50〜100バールの一酸化炭素圧の下で、(1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム(II)ジクロリド(CHClとの1:1錯体)を触媒として用いることにより)、メトキシカルボニルピリジン131を得る(工程a)。メトキシカルボニルピリジン131を、カルボキシピリジン132にケン化することができる(例えば、溶媒(THF/MeOHなど)中で水酸化リチウムを用いることによる)(工程b)。カルボキシピリジン132を、標準的なアミド形成反応により(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド中、好ましくは0℃〜室温で、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)、トリエチルアミンを用いて)、対応するアミド133に変換することができる(工程c)。メチルエステルピリジン131を溶媒(EtOHなど)中、水素化ホウ素リチウムで還元して、ヒドロキシメチルピリジン134を得る(工程d)。
【0095】
スキーム1〜9に例示として記載された反応工程に加えて、場合により、更なる十分に確立された合成の構造的修飾を、記載された合成のいずれかの段階(例えば、保護基の導入及び除去)でいずれかの置換基に施すことができる。
【0096】
上記したとおり、式(I)で示される化合物は、CCR−2受容体アンタゴニストであり、CCR−3及びCCR−5でも若干のアンタゴニスト活性を有する。これらの化合物は、結果として、CCR−2刺激の遮断により、様々な白血球集団の遊走を防止する。それゆえそれらは、炎症性及び/又はアレルギー性疾患、例えば、末梢動脈塞栓性疾患、重症下肢虚血、脆弱性アテローム斑患者、不安定狭心症、うっ血性心不全、左心室肥大、虚血再潅流障害、発作、心筋症、動脈再狭窄、関節リウマチ、糖尿病性ネフロパチー、過敏性腸疾患、クローン病、多発性硬化症、神経因性疼痛、アテローム血栓症、及び/又は糖尿病/CLIにおける熱傷/潰瘍、並びに喘息の治療及び/又は予防に用いることができる。
【0097】
炎症疾患、詳細には、末梢動脈塞栓性疾患又はアテローム血栓の予防及び/又は治療が、好ましい適応症である。
【0098】
それゆえ本発明は、上記で定義された化合物及び薬学的に許容しうる賦形剤を含む医薬組成物にも関する。
【0099】
同様に本発明は、治療活性物質として、特に炎症性及び/又はアレルギー性疾患の治療及び/又は予防用の治療活性物質として、詳細には、末梢動脈塞栓性疾患、重症下肢虚血、脆弱性アテローム斑患者、不安定狭心症、うっ血性心不全、左心室肥大、虚血再潅流障害、発作、心筋症、動脈再狭窄、関節リウマチ、糖尿病性ネフロパチー、過敏性腸疾患、クローン病、多発性硬化症、神経因性疼痛、アテローム血栓症、糖尿病/CLIにおける熱傷/潰瘍、及びアレルギー、喘息の治療及び/又は予防用の治療活性物質として使用される上記で記載された化合物を包含する。
【0100】
本発明は、炎症性及び/又はアレルギー性疾患の治療的及び/又は予防的処置用の医薬、詳細には、末梢動脈塞栓性疾患、重症下肢虚血、脆弱性アテローム斑患者、不安定狭心症、うっ血性心不全、左心室肥大、虚血再潅流障害、発作、心筋症、動脈再狭窄、関節リウマチ、糖尿病性ネフロパチー、過敏性腸疾患、クローン病、多発性硬化症、神経因性疼痛、アテローム血栓症、糖尿病/CLIにおける熱傷/潰瘍、及び喘息の治療的及び/又は予防的処置用の医薬を製造するための、上記で記載された化合物の使用にも関する。そのような医薬は、上記で記載された化合物を含む。
【0101】
本発明は、式(I)で示される化合物を製造するための方法及び中間体、並びに中間体を製造する方法にも関する。
【0102】
本発明の化合物によるCCR−2受容体アンタゴニスト活性を、以下のアッセイにより実証することができる。
【0103】
受容体結合アッセイ
結合アッセイを、ヒトCCR2Bを安定に過剰発現するCHOK1−CCR2B−A5細胞(Euroscreen)の膜を用いて実施した。
【0104】
細胞を10mM Tris pH7.4、1mM EDTA、0.05mM ベンゾアミジン、6mg/Lロイペプチン中でホモジナイズし、細片を1000gで分離することにより、膜を調製した。その後、50mM Tris pH7.4、10mM MgCl、1mM EGTA、10%グリセロール、0.05mMベンゾアミジン、6mg/Lロイペプチン中、100000gで、膜を単離した。
【0105】
結合については、CCR2アンタゴニスト化合物を、50mM HEPES pH7.2、1mM CaCl、5mM MgCl、0.5%BSA、0.01%NaN中、様々な濃度で、100pM 125I−MCP−1(PerkinElmer、2200Ci/mmol)と共に、約5fMol CCR2膜へ添加して、室温で1時間インキュベートした。非特異的な対照では、57.7nM MCP−1(R&D Systems、又はRocheで調製)を添加した。膜をGF/B(ガラスファイバーフィルタ;PerkinElmer)プレートで回収し、0.3%ポリエチレンイミン、0.2%BSAで平衡にして風乾し、トップカウンタ(NXT Packard)でカウントすることにより、結合を測定した。特異的結合は、(全結合量−非特異的結合量)と定義され、典型的には全結合量の約90〜95%を示した。アンタゴニスト活性は、特異的結合の50%阻害(IC50)に必要な阻害剤濃度として示した。
【0106】
カルシウム動員アッセイ
ヒトケモカイン受容体2アイソフォームBを安定に過剰発現するCHOK1−CCR2B−A5細胞(Euroscreenより)を、5%FBS、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、400μg/ml G418及び5μg/mlピューロマイシンを補足したNutrient Hams F12培地で培養した。
【0107】
アッセイでは、細胞を384穴黒色透明平底ポリスチレンプレート(Costar)で37℃、5%COで一晩増殖させた。DMEM、20mM HEPES、2.5mM プロベネシド、0.1% BSA(DMEMアッセイ緩衝液)で洗浄した後、細胞に、同じDMEMアッセイ緩衝液中で4μM Fluo-4を、30℃で2時間負荷した。過剰な染色剤を除去して、細胞をDMEMアッセイ緩衝液で洗浄した。384穴化合物プレートを、様々な濃度の試験化合物を含む、又は含まないDMEMアッセイ緩衝液/0.5%DMSOで調製した。通常は、化合物をアゴニスト及びアンタゴニスト活性について試験した。
【0108】
試験化合物をアッセイプレートに添加して、アゴニスト活性を、FLIPR(488nm励起;510〜570nm発光;Molecular Devices)を用いて80秒間蛍光をモニタリングした。30℃で20〜30分間インキュベートした後、20nM MCP−1(R&D; Roche)を添加して、再度、蛍光を80秒間モニタリングした。細胞内カルシウムの増加を、(アゴニスト暴露後の最大蛍光量−暴露前の基底蛍光量)として報告した。アゴニスト活性を、特異的カルシウム増加量の50%に必要な阻害剤濃度として示した。
【0109】
一般式(I)で示される化合物は、CCR2に関し、Ca動員アッセイ又は受容体結合アッセイにおけるIC50値0.1nM〜10μM、好ましくは1nM〜1.5μMを示した。以下の表には、選択された幾つかの本発明の化合物に関するカルシウム動員アッセイでの測定値が示される。
【0110】
【表1】



【0111】
式(I)の化合物及び/又はそれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば、経腸、非経口又は局所投与の医薬製剤の形態で使用することができる。これらは、例えば、経口的に、例としては錠剤、コーティング剤、糖衣剤、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経腸的に、例としては坐剤の剤形で、非経口的に、例としては注射用液剤又は懸濁液又は輸液の剤形で、或いは局所的に、例としては軟膏剤、クリーム剤又は油剤の剤形で投与することができる。経口投与が好ましい。
【0112】
医薬製剤の製造は、記載された式(I)の化合物及び/又はそれらの薬学的に許容される塩を、場合により他の治療上価値のある物質と組み合わせて、適切な非毒性で不活性な治療上適合性のある固体又は液体担体材料、及び所望であれば通常の医薬佐剤と一緒にガレヌス製剤の投与形態にする、当業者に周知である方法により実施することができる。
【0113】
適切な担体材料は、無機担体材料のみならず、有機担体材料でもある。したがって、例えば、乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩を、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤の担体材料として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤に適切な担体材料は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、ならびに半固形及び液体ポリオールである(しかし活性物質の性質によっては、軟ゼラチンカプセル剤の場合には、担体を必要としないこともある)。液剤及びシロップ剤の製造に適切な担体材料は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖等である。注射剤に適切な担体材料は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール及び植物油である。坐剤に適切な担体材料は、例えば、天然油又は硬化油、ロウ、脂肪、及び半液体又は液体ポリオールである。局所用製剤に適切な担体材料は、グリセリド、半合成及び合成グリセリド、硬化油、液体ロウ、流動パラフィン、液体脂肪アルコール、ステロール、ポリエチレングリコール及びセルロース誘導体である。
【0114】
通常の安定剤、防腐剤、湿潤剤及び乳化剤、稠度向上剤、風味向上剤、浸透圧を変化させる塩、緩衝物質、可溶化剤、着色剤及びマスキング剤、ならびに酸化防止剤が医薬佐剤として考慮される。
【0115】
式(I)の化合物の用量は、制御されるべき疾患、患者の年齢及び個別の状態、ならびに投与形態に応じて広範囲に変更でき、当然それぞれの特定の症例における個別の要件に適合されるであろう。成人患者では、約1〜約1000mg、特に約1〜300mgの1日量が考慮される。疾患の重篤度及び正確な薬物動態学的プロフィールに応じて、化合物を、単回又は複数回の1日投与量、例えば、1〜3の投与単位で投与することができる。
【0116】
医薬製剤は、好都合には、式(I)の化合物を約1〜500mg、好ましくは1〜100mg含有する。
【0117】
下記の実施例は、本発明を更に詳細に説明するために役立つ。しかし、これらはその範囲をどのような方法でも制限することを意図しない。
【0118】
実施例
略語:
AcOH=酢酸、BOC=t−ブチルオキシカルボニル、BuLi=ブチルリチウム、CDI=1,1−カルボニルジイミダゾール、CHCl=ジクロロメタン、DCE=1,2−ジクロロエタン、DIBALH=水素化ジ−i−ブチルアルミニウム、DCC=N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、DMA=N,N−ジメチルアセトアミド、DMAP=4−ジメチルアミノピリジン、DMF=N,N−ジメチルホルムアミド、EDCI=N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩、EtOAc=酢酸エチル、EtOH=エタノール、EtO=ジエチルエーテル、EtN=トリエチルアミン、eq=当量、HATU=O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファート、HPLC=高速液体クロマトグラフィー、HOBT=1−ヒドロキシベンゾ−トリアゾール、Huenig’s base=iPrNEt=N−エチルジイソプロピルアミン、IPC=インプロセス制御、LAH=水素化アルミニウムリチウム、LDA=リチウムジイソプロピルアミド、LiBH=水素化ホウ素リチウム、MeOH=メタノール、NaI=ヨウ化ナトリウム、Red−Al=水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、RT=室温、TBDMSCl=t−ブチルジメチルシリルクロリド、TFA=トリフルオロ酢酸、THF=テトラヒドロフラン、quant=定量的
【0119】
概論
すべての反応を、アルゴン下で実施した。
【0120】
中間体1
3−メチル−1−オキシ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸
A) 3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
ジオキサン180ml中の5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル[Wu, G. G.; Wong, Y.-S.; Poirier, M. Organic Letters (1999), 1(5), 745-747]の脱気した溶液8.35g(36.3mmol)に、3−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸13.79g(72.6mmol)及び炭酸ナトリウム(HO 55mlに溶解した)11.54g(108.9mmol)を加えた。撹拌しながら、(1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム−(II)ジクロリド(CHClとの1:1錯体)1.33g(1.89mmol)を加えて、反応混合物を室温で4時間撹拌し、次に50℃に加熱した。90分後、室温に冷まして、粉砕した氷に注いで、EtOAcで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc 9:1→1:1)により精製して、標記化合物9.35g(87%)を明黄色の固体として得た。MS:296.1(MH)。
【0121】
B) 3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸
THF/MeOH(1:1)40ml中の3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル1.00g(3.4mmol)の溶液に、水酸化リチウム溶液(水中1モル)8.47ml(8.5mmol)を加えて、反応混合物を室温で撹拌した。20時間後、溶媒を蒸発させ、残留物を粉砕した氷に注いで、1N HClでpHを1−2に調整して、反応混合物をEtOAcで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をCHCl/ヘプタンから再結晶化により精製して、標記化合物0.94g(99%)を無色の固体として得た。MS:280.0(M−H)。
【0122】
C) 3−メチル−1−オキシ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸
CHCl 15ml中の3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸0.48g(1.7mmol)の溶液に、3−クロロ過安息香酸1.23g(5.2mmol)を加えて、反応混合物を3日間、室温で撹拌した。次に、濾過し、濾液を蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc 4:1→0:1)により精製して、標記化合物0.33g(66%)を明黄色の固体として得た。MS:296.3(M−H)。
【0123】
中間体2及び3
6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(中間体2)及び4−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(中間体3)
3−メチル−1−オキシ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル3.48g(11.2mmol)[中間体1Cの調製に記載された方法と同様に3−クロロ過安息香酸との反応により3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(中間体1A)から調製した]を、撹拌しながら室温でオキシ塩化リン20.4ml=34.25g(223.3mmol)に加えて、反応混合物を50℃に温めた。2時間後、室温に冷却して、粉砕した氷に注いだ。この溶液を固体炭酸ナトリウムで注意深く中和して、EtOAcで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/CHCl 1:1→0:1)により精製して、6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル2.52g(68%)を明黄色の油状物として;[MS:330.0(MH、1Cl)]及び4−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル1.10g(30%)を無色の固体として得た。MS:330.0(MH、1Cl)。
【0124】
中間体4
N−{5−メチル−6−[(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)カルボニル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン−2−イル}−N−(メチルスルホニル)メタンスルホンアミド
DMF 5.0ml中の[6−アミノ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例7)0.22g(0.5mmol)の溶液を、EtN 0.43ml=0.309g(3.1mmol)及びDMAP 0.006g(0.05mmol)で処理した。撹拌した溶液にメタンスルホニルクロリド0.08ml=0.12g(1.0mmol)を1滴ずつ加えて、その後、反応混合物を50℃に温めた。5時間後、粉砕した氷に注いで、EtOAcで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→4:1)により精製して、標記化合物0.13g(44%)を黄色の固体として得た。MS:589.1(MH)。
【0125】
中間体5
1,4−ジメチル−2−オキソ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸
A) 2,6−ジクロロ−4−メチル−ニコチン酸メチルエステル
DMF 100ml中の2,6−ジクロロ−4−メチル−ニコチン酸[Lamm, G. Ger. Offen. (1977), DE 2538950]8.05g(39.1mmol)の溶液に、炭酸カリウム8.10g(58.6mmol)を加えた。撹拌しながら、ヨードメタン12.16ml=27.7g(195.4mmol)を1滴ずつ加えて、反応混合物を6時間、室温で撹拌した。次に、粉砕した氷に注いで、EtOAcで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させて、標記化合物8.47g(99%)を明黄色の固体として得た。MS:219.0(M、2Cl)。
【0126】
B) 6−クロロ−2−メトキシ−4−メチル−ニコチン酸メチルエステル
CHCl 75ml中の2,6−ジクロロ−4−メチル−ニコチン酸メチルエステル6.50g(29.5mmol)の溶液に、0℃で、ナトリウムメトキシド溶液(MeOH中5.4モル)6.56ml(35.4mmol)を加えた。16時間後、反応混合物を室温に温め、再度、16時間、この温度で撹拌して、その後、粉砕した氷に注いだ;次に、2N酢酸でpHを4〜5に調整して、反応混合物をCHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc 1:0→98:2)により精製して、標記化合物5.79g(91%)を無色の固体として得た。MS:216.1(MH、1Cl)。
【0127】
C) 2−メトキシ−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ニコチン酸メチルエステル
DMF 250ml中の6−クロロ−2−メトキシ−4−メチル−ニコチン酸メチルエステル5.75g(26.7mmol)の溶液に、3−トリフルオロメチル−フェニル−ボロン酸10.13g(53.3mmol)、続けて三塩基性リン酸カリウム溶液(水中2M)50.0mlを加えた。最後に、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム1.54g(1.3mmol)を加えて、その後、反応混合物を80℃に温めた。5時間後、室温に冷却し、粉砕した氷に注いで、CHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc 1:0→9:1)により精製して、標記化合物8.54g(98%)を明黄色の油状物として得た。MS:326.1(MH)。
【0128】
D) 2−ヒドロキシ−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ニコチン酸及び4−メチル−2−オキソ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(互変異性体)
CHCl 10ml中の2−メトキシ−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ニコチン酸メチルエステル0.325g(1.0mmol)の溶液を0℃に冷却し、三臭化ホウ素溶液(CHCl中1モル)2.0ml(2.0mmol)を1滴ずつ加えて、その後、反応混合物を室温に温めた。2時間後、MeOH 1.0mlを加えて、90分後、反応混合物を蒸発させた。生成した粗中間体を、精製しないで次の工程で使用した。
【0129】
E) 2−ヒドロキシ−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ニコチン酸メチルエステル及び4−メチル−2−オキソ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル互変異性体
MeOH 15ml中の2−ヒドロキシ−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ニコチン酸/4−メチル−2−オキソ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸0.30g(1.0mmol)の溶液を、HSO(98%)0.06ml=0.01g(0.1mmol)で処理して、反応混合物を加熱して還流した。4時間後、室温に冷却し、粉砕した氷に注いで、CHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→9:1)により精製して、標記化合物0.24g(77%)をオフホワイトの固体として得た。MS:312.0(MH)。
【0130】
F) 1,4−ジメチル−2−オキソ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル
DMF 20ml中の2−ヒドロキシ−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ニコチン酸メチルエステル/4−メチル−2−オキソ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル0.62g(2.0mmol)の溶液を、炭酸セシウム0.78g(2.4mmol)、続けてヨードメタン0.62ml=1.41g(10.0mmol)で処理した。この混合物を70時間、室温で撹拌し、次に粉砕した氷に注いで、CHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc 4:1→0:1)により精製して、標記化合物0.21g(33%)を明黄色の固体として;[MS:326.1(MH)]及び2−メトキシ−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ニコチン酸メチルエステル0.42g(65%)を明黄色の油状物として得た。MS:326.1(MH)。
【0131】
G) 1,4−ジメチル−2−オキソ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸
THF/MeOH(1:1)4.0ml中の1,4−ジメチル−2−オキソ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル0.60g(1.8mmol)の溶液に、水酸化リチウム溶液(水中1モル)11.0ml(11.0mmol)を加えて、次に反応混合物を60℃に加熱した。7時間後、溶媒を蒸発させ、残留物を粉砕した氷に注ぎ、2N HClで酸性化して、CHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→95:5)により精製して、標記化合物0.53g(94%)を明黄色の固体として得た。MS:310.1(M−H)。
【0132】
中間体6
安息香酸(S)−1−ピペリジン−4−イル−ピロリジン−2−イルメチルエステル
A) 4−((S)−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
EtOH 100.0ml中の4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル10.0g(50.2mmol)及び(S)−(−)−ピロリジン−2−イル−メタノール6.00ml=6.15g(60.2mmol)の溶液を、1,2−ジクロロエタン100.0ml、続けてボラン−ピリジン錯体(8モル)7.53ml(60.2mmol)で処理した。次に、酢酸7.46ml=7.84g(130.5mmol)をこの溶液に加えた。室温で16時間撹拌後、反応混合物を粉砕した氷に注いだ;次に、炭酸ナトリウム溶液でpHを9〜10に調整して、混合物をEtOAcで2回抽出した;合わせた有機相を水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→9:1)により精製して、標記化合物10.4g(73%)を明黄色の油状物として得た。MS:285.1(MH)。
【0133】
B) 4−((S)−2−ベンゾイルオキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
4−((S)−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル3.35g(11.8mmol)を室温でTHF 55mlに溶解して、水素化ナトリウム(鉱油中55%)0.57g(13.0mmol)で処理した。ベンゾイルクロリド1.68ml=2.03g(14.1mmol)を1滴ずつ加えて、撹拌を2時間続けた。次に、反応混合物を粉砕した氷に注いで、EtOAcで3回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→95:5)により精製して、標記化合物2.80g(61%)を黄色の油状物として得た。MS:389.3(MH)。
【0134】
C) 安息香酸(S)−1−ピペリジン−4−イル−ピロリジン−2−イルメチルエステル
CHCl 80ml中の4−((S)−2−ベンゾイルオキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル2.78g(7.2mmol)の溶液に、TFA(水中90%)5.83mlを1滴ずつ加えた。16時間後、反応混合物を粉砕した氷に注いだ;次に、炭酸ナトリウム溶液でpHを9〜10に調整して、混合物をCHClで3回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー[CHCl(NHで飽和させた)/MeOH 1:0→9:1]により精製して、標記化合物1.96g(95%)を黄色の油状物として得た。MS:289.1(MH)。
【0135】
中間体7、8及び9
3−クロロ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(中間体7)、3,5−ビス−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(中間体8)及び5−クロロ−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(中間体9)
ジメトキシエタン400ml中の3,5−ジクロロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル[DMF中の3,5−ジクロロ−ピリジン−2−カルボン酸及びヨードメタン、炭酸カリウムから中間体5Aの調製に記載された手順と同様に調製した]10.48g(50.9mmol)の脱気した溶液に、3−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸14.49g(76.3mmol)及び炭酸セシウム49.73g(152.6mmol)を加えた。撹拌しながら、[(t−Bu)P(OH)]PdCl(POPd)0.77g(1.50mmol)を加えて、反応混合物を還流で7時間撹拌した。次に、室温に冷却し、粉砕した氷に注いで、EtOAcで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc 98:2→1:1)により精製して、3−クロロ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル3.22g(20%)を明黄色の油状物として;[MS:316.0(MH、1Cl)]及び3,5−ビス−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル2.80g(12.9%)を明黄色の固体として;[MS:426.1(MH)]及び5−クロロ−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル3.21g(20.0%)を明黄色の油状物として得た。[MS:316.0(MH、1Cl)]。
【0136】
中間体10
トリフルオロ−メタンスルホン酸4−メチル−3−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イルエステル
A) 2−メトキシ−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ニコチン酸
THF/MeOH(1:1)20ml中の2−メトキシ−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ニコチン酸メチルエステル(中間体5C)0.325g(1.00mmol)の溶液に、水酸化リチウム溶液(水中1モル)2.50ml(2.50mmol)を1滴ずつ加えて、次に反応混合物を加熱して還流した。8時間後、粉砕した氷に注いで、HCl/HO(1N)でpH3.0に酸性化して、次にEtOAcで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→4:1)により精製して、標記化合物0.24g(77%)を明黄色の固体として得た。MS:310.0(M−H)。
【0137】
B) [2−メトキシ−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
CHCl 5ml中の2−メトキシ−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ニコチン酸0.200g(0.64mmol)の懸濁液を、室温で、DMF1滴で処理した;次に、塩化オキサリル0.06ml=0.09g(0.71mmol)を25℃以下でこの溶液に1滴ずつ加えて、反応混合物を0.5時間撹拌した。高減圧下で蒸発により溶媒を除去した後、残留物を再度CHCl 10mlに溶解し、撹拌しながらEtN 0.36ml=0.26g(2.57mmol)、続けて4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン0.099g(0.64mmol)を加えた。反応混合物を室温で撹拌した。16時間後、粉砕した氷に注いで、CHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 98:2→4:1)により精製して、標記化合物0.278g(97%)を黄色の無定形固体として得た。MS:448.1(MH)。
【0138】
C) [2−ヒドロキシ−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン;4−メチル−3−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン(互変異性体)
CHCl 180ml中の[2−メトキシ−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン5.25g(11.7mmol)の溶液を、0℃に冷却して、三臭化ホウ素溶液(CHCl中1モル)23.5ml(23.5mmol)を1滴ずつ加えた。1時間、室温で撹拌後、反応混合物をNaHCO(水で飽和させた)の冷溶液に1滴ずつ加えて、次にMeClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 98:2→4:1)により精製して、標記化合物4.96g(98%)を明黄色の固体として得た。MS:434.3(MH)。
【0139】
D) トリフルオロ−メタンスルホン酸4−メチル−3−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イルエステル
N−エチルジイソプロピルアミン0.34ml=0.256g(2.0mmol)を、室温で、CHCl 10ml中の[2−ヒドロキシ−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン;4−メチル−3−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン(互変異性体)0.43g(1.0mmol)の溶液に加えた。撹拌しながら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物0.24ml=0.42g(1.50mmol)をこの懸濁液に1滴ずつ加えると、清澄な溶液になった。20時間後、反応混合物を粉砕した氷に注いで、CHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→9:1)により精製して、標記化合物0.21g(37%)を明褐色の無定形固体として得た。MS:566.4(MH)。
【0140】
中間体11
3,6−ジクロロ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
A) 3−クロロ−1−オキシ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
MeCN 50ml中の3−クロロ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(中間体7)1.997g(6.3mmol)の懸濁液を、室温で、過酸化尿素付加化合物1.25g(13.3mmol)で処理して、反応混合物を1時間撹拌した。次に、それを0℃に冷却して、トリフルオロ酢酸無水物(98%)1.79ml=2.71g(12.6mmol)を3℃以下で1滴ずつ加えた。次に、反応混合物を室温に温め、3時間撹拌し、粉砕した氷に注いで、CHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc 1:0→3:2)により精製して、標記化合物1.83g(87%)を無色の固体として得た。MS:332.0(MH、1Cl)。
【0141】
B) 3,6−ジクロロ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
中間体2及び3の調製に記載された手順と同様に、3−クロロ−1−オキシ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルを、オキシ塩化リンと50℃で反応させて、標記化合物(主要な異性体)を明黄色の固体として得た。MS:350.1(MH、2Cl);及び3,4−ジクロロ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(非主要な異性体)を無色の油状物として。MS:350.1(MH、2Cl)。
【0142】
中間体12
[3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−6−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)0.90g(1.99mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド0.042g(0.06mmol)及びヨウ化銅(I)0.021g(0.11mmol)を、トリエチルアミン2.0ml中に懸濁した。エチニルトリメチルシラン2.14ml=1.50g(15.0mmol)の添加後、反応容器を密閉し、125℃に加熱して、撹拌を4日間続けた。次に、反応混合物を粉砕した氷に注いで、CHClで3回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→9:1)により精製して、標記化合物0.693g(68%)を暗褐色の油状物として得た。MS:514.4(MH)。
【0143】
中間体13
[6−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
DMF 3.0ml中の[6−エチニル−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例24)0.30g(0.68mmol)及び1−アジドメチル−4−メトキシ−ベンゼン0.116g(0.71mmol)の溶液を、HO 1.0ml中のL−(+)−アスコルビン酸ナトリウム0.013g(0.066mmol)及びヨウ化銅(I)0.129g(0.68mmol)で処理して、反応物を室温で2時間撹拌した。次に、溶媒を高減圧下で蒸発により除去し、残留物をHO/NHOH(25%)で希釈して、CHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→95:5)により精製して、標記化合物0.363g(88%)を明褐色の油状物として得た。MS:605.4(MH)。
【0144】
中間体14
[6−(2−ベンジルオキシ−エチルアミノ)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
実施例6の調製に記載された手順と同様に、[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)を、トルエン中の2−ベンジルオキシ−エチルアミン、[rac]−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、酢酸パラジウム(II)及び炭酸セシウムと還流で反応させて、標記化合物を黄色の油状物として得た。MS:567.4(MH)。
【0145】
中間体15
6−ヒドロキシ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸;3−メチル−6−オキソ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,6−ジヒドロ−ピリジン−2−カルボン酸(互変異性体)
A) 3−メチル−1−オキシ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(中間体1A)260g(881mmol)を、20℃で、ジクロロメタン5lに溶解した。m−クロロ過安息香酸(mCPBA)325.6g(1321mmol)を40分かけて分割して加えた。黄色の混濁溶液を30分間、20〜22℃で撹拌し、5時間、30℃に加熱して(HPLCによりIPCを行い、変換が十分でない場合、さらにmCPBAを加えることができる)、その後室温で一晩撹拌した。反応混合物を半飽和NaCOで2回(6l及び4l)、次に5% NaCl水溶液4lで洗浄した。有機相をモルホリン150ml(1722mmol)で処理して、室温で45分間撹拌した(過酸化物試験陰性)。橙色の混濁溶液を水6lで2回洗浄し、NaSOで乾燥させて、濾過した。フィルターケーキをジクロロメタン1lで洗浄した。濾液を濃縮して、油状物を得た。2−メトキシ−2−メチル−プロパン1lを加えると結晶化が始まった。懸濁液を一晩、−10℃に冷却した。−10℃で10時間後、懸濁液を濾過して、冷2−メトキシ−2−メチル−プロパンで洗浄した。フィルターケーキを減圧下で乾燥させて(45℃/10mbar)、標記化合物222.7g(81%)を無色の結晶として得た。MS:312.0(MH)。
【0146】
B) 6−ヒドロキシ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル;3−メチル−6−オキソ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,6−ジヒドロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(互変異性体)
3−メチル−1−オキシ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル20g(64.25mmol)を、酢酸エチル400mlに溶解した。2,4,6−トリメチルピリジン13.8ml(103mmol)を加えて、溶液を60℃に加熱した。トリフルオロ酢酸無水物14.6ml(103mol)を1時間かけて加えた。さらに2時間反応後(HPLCによりIPC)、反応混合物を室温に冷却した。酢酸エチル16ml中のメタノール13.1ml(321mmol)の溶液を、ゆっくり加えると懸濁液が得られた。懸濁液を室温で1時間撹拌した。溶媒約200mlをロータリーエバポレーターで除去して、懸濁液を30分間、室温で撹拌した。結晶を濾過し、酢酸エチルで洗浄し、減圧下で乾燥させて(50℃/10mbar)、標記化合物18.04g(90%)を明黄色の粉末として得た。MS:312.0(MH)。
【0147】
C) 6−ヒドロキシ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸;3−メチル−6−オキソ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,6−ジヒドロ−ピリジン−2−カルボン酸(互変異性体)
6−ヒドロキシ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル/3−メチル−6−オキソ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,6−ジヒドロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(互変異性体)18g(57.8mmol)を、THF 144ml中に懸濁した。2M NaOH水溶液34.7ml(69.4mmol)を加えた。得られた溶液を40℃に加熱して、変換が完了するまでその温度で撹拌した(およそ7時間、HPLCによりIPC)。反応混合物を室温に冷却した。2M HCl水溶液34.7mlを加えると、懸濁液が得られた(pH2)。懸濁液を2時間、室温で撹拌して、濾過した。フィルターケーキを水で洗浄し、減圧下で乾燥させて(50℃/10mbar)、標記化合物16.29g(95%)を無色の結晶として得た。MS:296.0(M−H)。
【0148】
実施例1
[3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0149】
【化37】

【0150】
DMF 15ml中の3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸(中間体1B)0.42g(1.5mmol)の溶液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファート(HATU)0.60g(1.6mmol)及びEtN 0.62ml=0.45g(4.5mmol)を加えた;30分後、4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン0.24g(1.6mmol)を加えた。1時間後、反応混合物を、粉砕した氷に注いで、EtOAcで3回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 95:5→4:1)により精製して、標記化合物0.56g(89%)を明褐色の油状物として得た。MS:418.1(MH)。
【0151】
実施例2
[3−メチル−1−オキシ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0152】
【化38】

【0153】
実施例1に記載された手順と同様に、3−メチル−1−オキシ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸(中間体1)を、4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンと反応させて、標記化合物を明褐色の固体として得た。MS:434.3(MH)。
【0154】
実施例3
[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0155】
【化39】

【0156】
実施例1に記載された手順と同様に、6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸[中間体1Bに記載された手順と同様にけん化により6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(中間体2)から調製した]を、4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンと反応させて、標記化合物を明褐色の固体として得た。MS:452.1(MH、1Cl)。
【0157】
実施例4
[4−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0158】
【化40】

【0159】
実施例1に記載された手順と同様に、4−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸[中間体1Bに記載された手順と同様にけん化により4−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(中間体3)から調製した]を、4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンと反応させて、標記化合物を無色の固体として得た。MS:452.1(MH、1Cl)。
【0160】
実施例5
[4−((S)−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−[3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−メタノン
【0161】
【化41】

【0162】
実施例1及び中間体1Bに記載された手順と同様に、3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸(中間体1B)を、安息香酸(S)−1−ピペリジン−4−イル−ピロリジン−2−イルメチルエステル(中間体6)と反応させて、安息香酸(S)−1−{1−[3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−ピペリジン−4−イル}−ピロリジン−2−イルメチルエステルを得て、その後、けん化して、標記化合物を明褐色の固体として得た。MS:448.1(MH)。
【0163】
実施例6
[6−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0164】
【化42】

【0165】
トルエン30ml中の[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)1.25g(2.8mmol)、[rac]−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル0.069g(0.1mmol)酢酸パラジウム(II)0.025g(0.1mmol)及び4−メトキシ−ベンジルアミン0.40g(2.9mmol)の懸濁液を、室温で撹拌した;炭酸セシウム1.08g(3.3mmol)を加え、その後、反応混合物を加熱して還流した。18時間後、室温に冷却し、粉砕した氷に注いで、EtOAcで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→9:1)により精製して、標記化合物1.25g(82%)を明黄色の固体として得た。MS:553.3(MH)。
【0166】
実施例7
[6−アミノ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0167】
【化43】

【0168】
CHCl 75ml中の[6−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例6)1.48g(2.7mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸12.2ml=18.2g(160mmol)を加えて、その後、反応混合物を加熱して還流した。2時間後、粉砕した氷に注いで、炭酸ナトリウム溶液でpHを8〜9に調整して、CHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 98:2→3:1)により精製して、標記化合物1.04g(90%)を明黄色の泡状物として得た。MS:433.3(MH)。
【0169】
実施例8
[6−メトキシ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0170】
【化44】

【0171】
MeOH 10ml中の[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)0.55g(1.2mmol)の溶液を、ナトリウムメトキシド溶液(MeOH中5.4モル)2.25ml(12.2mmol)で処理して、反応混合物を加熱して、還流した。18時間後、粉砕した氷に注いで、CHCl/2−プロパノール(4:1)で3回抽出した;有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 98:2→4:1)により精製して、標記化合物0.41g(76%)を明黄色の油状物として得た。MS:448.3(MH)。
【0172】
実施例9
[6−ヒドロキシ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン;5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン(互変異性体)
【0173】
【化45】

【0174】
CHCl 10ml中の[6−メトキシ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例8)0.20g(0.4mmol)の溶液を0℃に冷却し、三臭化ホウ素の溶液(CHCl中1モル)0.89ml(0.9mmol)を1滴ずつ加えて、その後、反応混合物を室温に温めた。3時間後、MeOH 1.0mlを加えて、30分後、粉砕した氷に注ぎ、炭酸水素ナトリウムで中和して、CHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 98:2→3:1)により精製して、標記化合物0.077g(40%)をオフホワイトの固体として得た。MS:434.2(MH)。
【0175】
実施例10
N−アセチル−N−[5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アセトアミド
【0176】
【化46】

【0177】
実施例11
N−[5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アセトアミド
【0178】
【化47】

【0179】
アセトン5ml中の[6−アミノ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例7)0.22g(0.5mmol)の溶液を、EtN 0.35ml=0.26g(2.5mmol)、続けて無水酢酸0.19ml=0.21g(2.0mmol)で処理して、その後、反応混合物を加熱して、還流した。22時間後、粉砕した氷に注ぎ、炭酸ナトリウム溶液でpHを8〜9に調整して、EtOAcで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0〜3:2)により精製して、N−[5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アセトアミド0.12g(51%)を明黄色の固体として[MS:475.2(MH)]、及びN−アセチル−N−[5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アセトアミド0.098g(37%)を黄色の固体として得た。MS:517.2(MH)。
【0180】
実施例12
N−[5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−メタンスルホンアミド
【0181】
【化48】

【0182】
THF 2.0ml中のN−{5−メチル−6−[(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)カルボニル]−3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン−2−イル}−N−(メチルスルホニル)メタンスルホンアミド(中間体4)0.13g(0.2mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム溶液(THF中1M)0.2ml(0.2mmol)を加えて、その後、反応混合物を加熱して、還流した。4日後、溶媒を蒸発させ、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 98:2→4:1)により精製して、標記化合物0.069g(64%)を黄色の無定形固体として得た。MS:511.3(MH)。
【0183】
実施例13
1,4−ジメチル−3−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン
【0184】
【化49】

【0185】
CHCl 5ml中の1,4−ジメチル−2−オキソ−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸(中間体5)0.16g(0.5mmol)の溶液を、室温で、DMF2滴で処理した;次に、塩化オキサリル0.05ml=0.074g(0.6mmol)を加えて、反応混合物を30分間、室温で撹拌した。高減圧下により溶媒を蒸発除去した後、残留物をCHCl 10mlに再度溶解して、溶液を0℃に冷却した;次に、撹拌しながら、EtN 0.29ml=0.21g(2.1mmol)、続けて4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン0.081g(0.5mmol)を加えた。その後、反応混合物を室温に温めた。3時間後、粉砕した氷に注いで、CHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 98:2→95:5)により精製して、標記化合物0.20g(85%)を明黄色の固体として得た。MS:448.2(MH)。
【0186】
実施例14
[3−クロロ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0187】
【化50】

【0188】
実施例1に記載された手順と同様に、3−クロロ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸[中間体1Bに記載された手順と同様にけん化により3−クロロ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(中間体7)から調製した]を、4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンと反応させて、標記化合物を明黄色の油状物として得た。MS:438.2(MH、1Cl)。
【0189】
実施例15
[3,5−ビス−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0190】
【化51】

【0191】
実施例1に記載された手順と同様に、3,5−ビス−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸[中間体1Bに記載された手順と同様にけん化により3,5−ビス−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(中間体8)から調製した]を、4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンと反応させて、標記化合物を明黄色の油状物として得た。MS:548.3(MH)。
【0192】
実施例16
[5−メチル−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−[2,3’]ビピリジニル−6−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0193】
【化52】

【0194】
中間体5Cの調製に記載された手順と同様に、[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)を、ピリジン−3−イル−ボロン酸と反応させて、標記化合物を無色の油状物として得た。MS:495.3(MH)。
【0195】
実施例17
[3−メチル−6−ピリミジン−5−イル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0196】
【化53】

【0197】
中間体5Cの調製に記載された手順と同様に、[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)を、ピリミジン−5−イル−ボロン酸と反応させて、標記化合物をオフホワイトの無定形固体として得た。MS:496.2(MH)。
【0198】
実施例18
[2−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0199】
【化54】

【0200】
実施例6の調製に記載された手順と同様に、トリフルオロ−メタンスルホン酸4−メチル−3−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イルエステル(中間体10)を、[rac]−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、酢酸パラジウム(II)及び4−メトキシ−ベンジルアミンと反応させて、標記化合物を黄色の油状物として得た。MS:553.4(MH)。
【0201】
実施例19
[2−アミノ−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0202】
【化55】

【0203】
実施例7の調製に記載された手順と同様に、[2−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−4−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例18)を、トリフルオロ酢酸と反応させて、標記化合物を明黄色の固体として得た。MS:433.5(MH)。
【0204】
実施例20
[6−(3−クロロ−[1,2,4]トリアゾール−1−イル)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0205】
【化56】

【0206】
1−メチル−ピロリジン−2−オン1.0ml中の3−クロロ−1H−[1,2,4]トリアゾール0.17g(1.59mmol)のよく撹拌した溶液を、室温で、水素化ナトリウム0.058g(1.32mmol)(鉱油中55%)で処理した。30分後、[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)0.20g(0.44mmol)を加えて、反応混合物を150℃に加熱した。24時間後、粉砕した氷に注いで、EtOAcで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→95:5)により精製して、標記化合物0.11g(48%)を黄色の油状物として得た。MS:519.3(MH、1Cl)。
【0207】
実施例21
[3,6−ジクロロ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0208】
【化57】

【0209】
実施例1の調製に記載された手順と同様に、3,6−ジクロロ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸[中間体1Bに記載された手順と同様にけん化により3,6−ジクロロ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(中間体11)から調製した]を、4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンと反応させて、標記化合物を明黄色の無定形固体として得た。MS:472.1(MH、2Cl)。
【0210】
実施例22
[3−クロロ−6−メトキシ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0211】
【化58】

【0212】
実施例8の調製に記載された手順と同様に、[3,6−ジクロロ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例21)を、50℃で、メタノール中、ナトリウムメトキシドと反応させて、標記化合物を明黄色の油状物として得た。MS:468.3(MH、1Cl)。
【0213】
実施例23
[3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン;5−クロロ−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン(互変異性体)
【0214】
【化59】

【0215】
中間体10Cの調製に記載された手順と同様に、[3−クロロ−6−メトキシ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例22)を、室温で、CHCl中三臭化ホウ素と反応させて、標記化合物をオフホワイトの固体として得た。MS:454.3(MH、1Cl)。
【0216】
実施例24
[6−エチニル−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0217】
【化60】

【0218】
EtOH/THF(5:1)12ml中の[3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−6−トリメチルシラニルエチニル−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(中間体12)0.65g(1.27mmol)の溶液を、室温で、炭酸カリウム0.35g(2.53mmol)で処理した。4時間後、反応混合物を粉砕した氷に注ぎ、塩酸(2モル)でpHを3〜4に調整して、混合物をCHClで3回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→9:1)により精製して、標記化合物0.439g(79%)を褐色の固体として得た。MS:442.3(MH)。
【0219】
実施例25
[3−メチル−6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0220】
【化61】

【0221】
実施例20の調製に記載された手順と同様に、[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)を、還流で、1−メチル−ピロリジン−2−オン中、1H−[1,2,4]トリアゾール及び水素化ナトリウムと反応させて、標記化合物を無色の固体として得た。MS:485.3(MH)。
【0222】
実施例26
[6−(2−アミノ−エチルアミノ)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0223】
【化62】

【0224】
実施例6の調製に記載された手順と同様に、[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)を、還流で、トルエン中、エタン−1,2−ジアミン、[rac]−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、酢酸パラジウム(II)及び炭酸セシウムと反応させて、標記化合物を明黄色の固体として得た。MS:476.3(MH)。
【0225】
実施例27
[6−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0226】
【化63】

【0227】
MeOH 6.0ml中の[6−(2−ベンジルオキシ−エチルアミノ)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(中間体14)0.14g(0.25mmol)の溶液を、室温で、塩酸(MeOH中1.0モル)0.49ml(0.49mmol)、続けてPd−C(10%)0.026g(0.025mmol)で処理した。反応混合物を水素雰囲気で3時間激しく撹拌した。ディカライト(dicalite)を通して濾過後、溶媒を蒸発により除去し、次に残留物をHO/NaCOに溶解して、CHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→95:5)により精製して、標記化合物0.091g(77%)を黄色の無定形固体として得た。MS:477.3(MH
【0228】
実施例28
[5−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3−メチル−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0229】
【化64】

【0230】
中間体1Aの調製に記載された手順と同様に、(5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例1の調製に記載された手順と同様に、DMF中、5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル[Wu, G. G.; Wong, Y.-S.; Poirier, M. Organic Letters (1999), 1(5), 745-747]、4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン、EtN及びHATUから調製した)を、ジオキサン/水中、3,4−ジクロロフェニル−ボロン酸、(1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム−(II)ジクロリド(CHClとの1:1錯体)及び炭酸ナトリウムと反応させて、標記化合物をオフホワイトの無定形固体として得た。MS:418.1(MH、2Cl)。
【0231】
実施例29
[3−メチル−5−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0232】
【化65】

【0233】
中間体1Aの調製に記載された手順と同様に、(5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例28を参照)を、ジオキサン/水中、2−トリフルオロメチル−フェニル−ボロン酸、(1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム−(II)ジクロリド(CHClとの1:1錯体)及び炭酸ナトリウムと反応させて、標記化合物をオフホワイトの無定形固体として得た。MS:418.2(MH)。
【0234】
実施例30
[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−メチル−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0235】
【化66】

【0236】
中間体1Aの調製に記載された手順と同様に、(5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例28を参照)を、ジオキサン/水中、2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル−ボロン酸、(1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム−(II)ジクロリド(CHClとの1:1錯体)及び炭酸ナトリウムと反応させて、標記化合物を明褐色の無定形固体として得た。MS:452.2(MH、1Cl)。
【0237】
実施例31
[5−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−メチル−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0238】
【化67】

【0239】
中間体1Aの調製に記載された手順と同様に、(5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例28を参照)を、ジオキサン/水中、2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル−ボロン酸、(1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム−(II)ジクロリド(CHClとの1:1錯体)及び炭酸ナトリウムと反応させて、標記化合物を褐色の無定形固体として得た。MS:436.3(MH)。
【0240】
実施例32
[3−メチル−6−(1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0241】
【化68】

【0242】
トリフルオロ酢酸3.2ml中の[6−[1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル]−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(中間体13)0.30g(0.50mmol)を、還流で23時間撹拌した。次に、反応混合物を粉砕した氷に注ぎ、NaCO水溶液でpHを8〜9に調整して、混合物をCHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 98:2→4:1)により精製して、標記化合物0.19g(77%)をオフホワイトの固体として得た。MS:485.4(MH)。
【0243】
実施例33
[5−(2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−メチル−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0244】
【化69】

【0245】
中間体1Aの調製に記載された手順と同様に、(5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例28を参照)を、ジオキサン/水中、2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル−ボロン酸、(1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム−(II)ジクロリド(CHClとの1:1錯体)及び炭酸ナトリウムと反応させて、標記化合物を褐色の無定形固体として得た。MS:448.1(MH)。
【0246】
実施例34
[5−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−メチル−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0247】
【化70】

【0248】
中間体1Aの調製に記載された手順と同様に、(5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例28を参照)を、ジオキサン/水中、4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル−ボロン酸、(1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム−(II)ジクロリド(CHClとの1:1錯体)及び炭酸ナトリウムと反応させて、標記化合物を褐色の無定形固体として得た。MS:436.4(MH)。
【0249】
実施例35
[5−(4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−メチル−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0250】
【化71】

【0251】
中間体1Aの調製に記載された手順と同様に、(5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例28を参照)を、ジオキサン/水中、4−メトキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル−ボロン酸、(1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム−(II)ジクロリド(CHClとの1:1錯体)及び炭酸ナトリウムと反応させて、標記化合物を褐色の無定形固体として得た。MS:448.2(MH)。
【0252】
実施例36
[5−(2−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−メチル−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0253】
【化72】

【0254】
中間体1Aの調製に記載された手順と同様に、(5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例28を参照)を、ジオキサン/水中、2−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル−ボロン酸、(1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム−(II)ジクロリド(CHClとの1:1錯体)及び炭酸ナトリウムと反応させて、標記化合物を褐色の無定形固体として得た。MS:436.4(MH)。
【0255】
実施例37
[5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−メチル−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0256】
【化73】

【0257】
中間体1Aの調製に記載された手順と同様に、(5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例28を参照)を、ジオキサン/水中、3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル−ボロン酸、(1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム−(II)ジクロリド(CHClとの1:1錯体)及び炭酸ナトリウムと反応させて、標記化合物を褐色の無定形固体として得た。MS:436.4(MH)。
【0258】
実施例38
[6−ヒドロキシ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン;5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン(互変異性体)
【0259】
【化74】

【0260】
カップリング:6−ヒドロキシ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸/3−メチル−6−オキソ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,6−ジヒドロ−ピリジン−2−カルボン酸(互変異性体)(中間体15C)2.5g(8.4mmol)を、アセトニトリル37.5ml及びDMF 6.25mlの混合液中に懸濁した。カルボニルジイミダゾール(CDI)1.48g(8.8mmol)を加えた。懸濁液を室温で一晩撹拌した。4−(1−ピロリジニル)−ピペリジン1.43g(9.25mmol)を加えると黄色の懸濁液が得られ、それはすぐに無色の懸濁液へ変化した。室温で3時間後(HPLCによりIPC)、トリエチルアミン(4.2mmol)0.586mlを加えた。室温で2時間後、水25mlを加えた。アセトニトリルをロータリーエバポレーターで除去し、黄色の溶液を得て、その後無色の懸濁液に変化した。懸濁液を1時間、室温で、そして1時間、0℃で撹拌した。懸濁液を濾過した。フィルターケーキを冷水で洗浄し、減圧下で乾燥させて(50℃/10mbar)、粗標記化合物3.02gを無色の粉末として得た。
【0261】
蒸解:粗標記化合物15.78gを水158ml中に懸濁した。懸濁液を20分間、100℃に加熱して、ゆっくり一晩、室温に冷却した。さらに、懸濁液を1時間、0〜5℃に冷却して、濾過した。フィルターケーキを冷水で洗浄し、減圧下で乾燥させて(50℃/10mbar)、標記化合物13.76g(72%)を無色の粉末として得た。MS:434.4(MH)。
【0262】
実施例39
[6−(2−アミノ−ピリミジン−5−イル)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0263】
【化75】

【0264】
中間体1Aの調製に記載された手順と同様に、[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)を、80℃で、ジオキサン/水中、2−アミノピリミジン−5−イル−ボロン酸、(1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム−(II)ジクロリド(CHClとの1:1錯体)及び炭酸ナトリウムと反応させて、標記化合物を暗褐色の油状物として得た。MS:511.4(MH)。
【0265】
実施例40
[6’−アミノ−5−メチル−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−[2,3’]ビピリジニル−6−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0266】
【化76】

【0267】
中間体5Cの調製に記載された手順と同様に、[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)を、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン−2−イルアミンと反応させて、標記化合物をオフホワイトの固体として得た。MS:510.4(MH)。
【0268】
実施例41
[6’−ヒドロキシ−5−メチル−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−[2,3’]ビピリジニル−6−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0269】
【化77】

【0270】
中間体5Cの調製に記載された手順と同様に、[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)を、5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン−2−オールと反応させて、標記化合物を黄色の無定形固体として得た。MS:511.2(MH)。
【0271】
実施例42
5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニトリル
【0272】
【化78】

【0273】
実施例43
5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸アミド
【0274】
【化79】

【0275】
1−メチル−ピロリジン−2−オン5.0ml中の[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)0.30g(0.66mmol)及びシアン化ナトリウム0.098g(2.0mmol)のよく撹拌した懸濁液を、16時間、150℃で加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を粉砕した氷/NaCl溶液(HOで飽和させた)に注いでCHClで3回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0〜4:1)により精製して、5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニトリル0.086g(29%)を明黄色の固体として得た。MS:443.4(MH);及び5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸アミド0.045g(15%)を明黄色の固体として得た。MS:461.4(MH)。
【0276】
実施例44
[6−(2−メトキシ−ピリミジン−5−イル)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0277】
【化80】

【0278】
中間体5Cの調製に記載された手順と同様に、[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)を、2−メトキシピリミジン−5−イル−ボロン酸と反応させて、標記化合物を明褐色の無定形固体として得た。MS:526.2(MH)。
【0279】
実施例45
5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
【0280】
【化81】

【0281】
MeOH/EtOAc(1:1)180ml中の[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)7.00g(15.5mmol)の脱気した溶液に、(1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム−(II)ジクロリド(CHClとの1:1錯体)0.70g(0.86mmol)及びEtN 5.4ml=3.92g(38.7mmol)を加えた。この反応混合物をオートクレーブ中で、一酸化炭素雰囲気において、130℃/70barで30時間撹拌した。次に、それを蒸発させ、残留物をHO/EtOAcに溶解して、EtOAcで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→4:1)により精製して、標記化合物4.61g(63%)を明褐色の泡状物として得た。MS:476.2(MH)。
【0282】
実施例46
[6−ヒドロキシメチル−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0283】
【化82】

【0284】
EtOH 5.0ml中の5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例45)0.24g(0.51mmol)の溶液に、水素化ホウ素リチウム0.093g(4.27mmol)を3分割で加えた。反応混合物を室温で48時間撹拌し、次に粉砕した氷に注ぎ、塩酸(25%)でpHを2〜3に下げて、その後、混合物を固体NaHCOで中和した。次に、CHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→9:1)により精製して、標記化合物0.097g(43%)を明黄色の固体として得た。MS:448.1(MH)。
【0285】
実施例47
5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸
【0286】
【化83】

【0287】
THF/MeOH(1:1)10ml中の5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例45)0.315g(0.66mmol)の溶液に、水酸化リチウム(HO中1モル)1.32mlを加えて、反応混合物を室温で28時間撹拌した。次に、溶媒を蒸発させ、残留物をHO/CHClに溶解し、塩酸及び固体NaHCOを用いて中和して、次にCHCl/2−プロパノール(3:1)で4回抽出した;有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、標記化合物0.188g(62%)をオフホワイトの固体として得た。MS:462.3(MH)。
【0288】
実施例48
[3−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0289】
【化84】

【0290】
中間体5Cの調製に記載された手順と同様に、[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)を、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールと反応させて、標記化合物を無色の無定形固体として得た。MS:484.2(MH)。
【0291】
実施例49
[3−メチル−6−(1H−ピラゾール−3−イル)−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0292】
【化85】

【0293】
中間体1Aの調製に記載された手順と同様に、[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)を、120℃で、ジオキサン/水中、3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール、(1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム−(II)ジクロリド(CHClとの1:1錯体)及び炭酸ナトリウムと反応させて、標記化合物を無色の固体として得た。MS:484.2(MH)。
【0294】
実施例50
[3−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0295】
【化86】

【0296】
中間体5Cの調製に記載された手順と同様に、[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)を、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールと反応させて、標記化合物を無色の固体として得た。MS:498.2(MH)。
【0297】
実施例51
[3−メチル−6−ピラジン−2−イル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0298】
【化87】

【0299】
DMF 8.0ml中の[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)0.20g(0.44mmol)の脱気した溶液に、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム0.051g(0.044mmol)を加えて、反応混合物を20分間、室温で撹拌した。次に、2−トリブチルスタンナニル−ピラジン0.49g(1.32mmol)を加えて、反応物を100℃に加熱した。6時間後、室温に冷却し、粉砕した氷に注いで、EtOAcで3回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→9:1)により精製して、標記化合物0.11g(50%)を黄色の油状物として得た。MS:496.2(MH)。
【0300】
実施例52
[6−(2−ヒドロキシ−ピリミジン−5−イル)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0301】
【化88】

【0302】
中間体10Cの調製に記載された手順と同様に、[6−(2−メトキシ−ピリミジン−5−イル)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例44)を、ジクロロメタン中、三臭化ホウ素と反応させて、標記化合物を明黄色の固体として得た。MS:512.2(MH)。
【0303】
実施例53
[3−メチル−6−(2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0304】
【化89】

【0305】
中間体1Aの調製に記載された手順と同様に、[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)を、5−(5,5−ジメチル−[1,3,2]ジオキサボリナン−2−イル)−1−メチル−1H−ピラゾールと反応させて、標記化合物を暗褐色の油状物として得た。MS:498.2(MH)。
【0306】
実施例54
[6−(2,4−ジヒドロキシ−ピリミジン−5−イル)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0307】
【化90】

【0308】
1,2−ジメトキシエタン10ml中の[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)0.20g(0.44mmol)の脱気した溶液に、2,4−ジヒドロキシ−ピリミジン−5−ボロン酸0.138g(0.88mmol)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム0.051g(0.044mmol)及び2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル0.031g(0.088mmol)、続けて炭酸ナトリウム0.071g(0.67mmol)及びHO 3.4mlを加えた。最後に、反応混合物を80℃に温めた。48時間後、室温に冷却し、粉砕した氷に注いで、EtOAcで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 1:0→4:1)により精製して、標記化合物0.035g(15%)をオフホワイトの固体として得た。MS:528.2(MH)。
【0309】
実施例55
5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド
【0310】
【化91】

【0311】
実施例1の調製に記載された手順と同様に、5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸(実施例47)を、DMF中、エタノールアミン、EtN及びHATUと反応させて、標記化合物を明黄色の固体として得た。MS:505.2(MH)。
【0312】
実施例56
5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸ピリジン−3−イルアミド
【0313】
【化92】

【0314】
実施例1の調製に記載された手順と同様に、5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸(実施例47)を、DMF中、3−アミノピリジン、EtN及びHATUと反応させて、標記化合物を明黄色の固体として得た。MS:538.2(MH)。
【0315】
実施例57
4−{[5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−アミノ}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0316】
【化93】

【0317】
実施例1の調製に記載された手順と同様に、5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸(実施例47)を、DMF中、4−アミノ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、EtN及びHATUと反応させて、標記化合物を明黄色の固体として得た。MS:644.3(MH)。
【0318】
実施例58
5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルアミド
【0319】
【化94】

【0320】
実施例1の調製に記載された手順と同様に、5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸(実施例47)を、DMF中、メチルアミン(EtOH溶液)、EtN及びHATUと反応させて、標記化合物を明黄色の固体として得た。MS:475.2(MH)。
【0321】
実施例59
4−[5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0322】
【化95】

【0323】
実施例1の調製に記載された手順と同様に、5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸(実施例47)を、DMF中、ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、EtN及びHATUと反応させて、標記化合物を明黄色の固体として得た。MS:630.3(MH)。
【0324】
実施例60
5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸ピペリジン−4−イルアミド
【0325】
【化96】

【0326】
MeOH 10ml中の4−[5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(実施例59)0.20g(0.31mmol)の溶液を、ジオキサン中HCl(4モル)0.39ml(1.56mmol)で処理して、次に反応混合物を室温で撹拌した。18時間後、それを蒸発させ、粉砕した氷に注ぎ、炭酸ナトリウム溶液でpHを8〜9に調整して、次に混合物をCHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 95:5→4:1)により精製して、標記化合物0.127g(75%)を明黄色の固体として得た。MS:544.3(MH)。
【0327】
実施例61
[5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ピペラジン−1−イル−メタノン
【0328】
【化97】

【0329】
実施例60の調製に記載された手順と同様に、4−[5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボニル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(実施例59)を、メタノール中、HCl/ジオキサンと反応させて、標記化合物を明黄色の固体として得た。MS:530.2(MH)。
【0330】
実施例62
[3−メチル−6−(ピリジン−3−イルオキシ)−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0331】
【化98】

【0332】
実施例20の調製に記載された手順と同様に、[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)を、還流で、1−メチル−ピロリジン−2−オン中、ピリジン−3−オール及び水素化ナトリウムと反応させて、標記化合物を無色の油状物として得た。MS:511.4(MH)。
【0333】
実施例63
1,5−ジメチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン
【0334】
【化99】

【0335】
実施例13の調製に記載された手順と同様に、1,3−ジメチル−6−オキソ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,6−ジヒドロ−ピリジン−2−カルボン酸[i)中間体5Fの調製に記載された手順と同様に、6−ヒドロキシ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル;3−メチル−6−オキソ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,6−ジヒドロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(互変異性体、中間体15B)をDMF中、ヨウ化メチル、炭酸セシウムとの反応;ii)中間体5Gの調製に記載された手順と同様に、得られた1,3−ジメチル−6−オキソ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,6−ジヒドロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルをTHF/MeOH中、水酸化リチウムでけん化することにより調製した]を、CHCl中、塩化オキサリル/DMFと反応させて、続けて4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンで処理を行って、標記化合物を無色の固体として得た。MS:448.2(MH)。
【0336】
実施例64
[6−メルカプト−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン;[3−メチル−6−チオキソ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,6−ジヒドロ−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(互変異性体)
【0337】
【化100】

【0338】
[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)0.45g(1.0mmol)を、DMF10.0mlに溶解し、次に硫化水素カリウム0.18g(2.50mmol)を加えて、混合物を110℃に加熱した。2時間後、室温に冷却し、粉砕した氷に注ぎ、AcOH(HO中2モル)でpHを7〜8に調整して、混合物をCHClで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 98:2→95:5)により精製して、標記化合物0.198g(44%)をオフホワイトの固体として得た。MS:450.2(MH)。
【0339】
実施例65
[6−メチル−8−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−テトラゾロ[1,5−a]ピリジン−5−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0340】
【化101】

【0341】
DMF 2.0ml中の[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン(実施例3)0.20g(0.44mmol)の溶液を、アジ化ナトリウム0.099g(1.52mmol)で処理して、反応混合物を150℃に加熱した。48時間後、それを粉砕した氷に注いで、EtOAcで2回抽出した;有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH 98:2→4:1)により精製して、標記化合物0.095g(47%)を無色の油状物として得た。MS:459.4(MH)。
【0342】
実施例66
[6−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0343】
【化102】

【0344】
実施例27の調製に記載された手順と同様に、[6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン[i)中間体5Fの調製に記載された手順と同様に、6−ヒドロキシ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル;3−メチル−6−オキソ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1,6−ジヒドロ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(互変異性体、中間体15B)を、DMSO中、ベンジル−2−ブロモエチルエーテル、炭酸セシウム、ヨウ化カリウムとの反応;ii)中間体5Gの調製に記載された手順と同様に、得られた6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルをTHF/MeOH中、水酸化リチウムでけん化;iii)実施例13の調製に記載された手順と同様に、得られた6−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸を、CHCl中、塩化オキサリル/DMFとの反応、続けて4−ピロリジン−1−イル−ピペリジンと処理により調製した]を、MeOH/HCl中、水素、Pd−Cで処理して、標記化合物を無色の油状物として得た。MS:478.2(MH)。
【0345】
実施例67
[5−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−メチル−1−オキシ−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
【0346】
【化103】

【0347】
実施例1の調製に記載された手順と同様に、5−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−メチル−1−オキシ−ピリジン−2−カルボン酸[i)中間体1Aの調製に記載された手順と同様に、5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルを、ジオキサン/水中、2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル−ボロン酸、(1,1’−ビス−ジフェニルホスフィノ)−フェロセン)パラジウム−(II)ジクロリド(CHClとの1:1錯体)及び炭酸ナトリウムとの反応;ii)中間体1Cの調製に記載された手順と同様に、得られた5−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルを、ジクロロメタン中、3−クロロ過安息香酸との酸化;iii)中間体5Gの調製に記載された手順と同様に、得られた5−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−メチル−1−オキシ−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルを、THF/MeOH中、水酸化リチウムでけん化することにより調製した]を、DMF中、4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン、EtN及びHATUと反応させて、標記化合物を明黄色の無定形固体として得た。MS:452.2(MH)。
【0348】
実施例A
下記の成分を含有するフィルムコーティング錠は常法により製造することができる:
【0349】
【表2】

【0350】
活性成分を篩にかけ、微晶質セルロースと混合し、そして混合物をポリビニルピロリドンの水溶液で造粒する。顆粒をデンプングリコール酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムと混合し、圧縮して、それぞれ120又は350mgの核を得る。上記のフィルムコートの水性溶液/懸濁液を核に塗布する。
【0351】
実施例B
下記の成分を含有するカプセル剤を、常法により製造することができる:
【0352】
【表3】

【0353】
成分を篩にかけ、混合し、そしてサイズ2のカプセルに充填する。
【0354】
実施例C
注射液は下記の組成を有することができる:
【0355】
【表4】

【0356】
活性成分を、ポリエチレングリコール400と注射用水(一部)の混合物に溶解する。酢酸を加えることによりpHを5.0に調整する。水の残量を加えて、容量を1.0mlに調整する。溶液を濾過し、適切な過剰量を使用してバイアルに充填し、滅菌する。
【0357】
実施例D
下記の成分を含有する軟ゼラチンカプセル剤を常法により製造することができる:
【0358】
【表5】

【0359】
活性成分を、他の成分の加温溶融物に溶解し、そして混合物を適切な大きさの軟ゼラチンカプセルに充填する。充填された軟ゼラチンカプセル剤を、通常の手順に従って処理する。
【0360】
実施例E
下記の成分を含有するサッシェを常法により製造することができる:
【0361】
【表6】

【0362】
活性成分を、乳糖、微晶質セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムと混合し、そしてポリビニルピロリドンの水溶液の混合物で造粒する。顆粒をステアリン酸マグネシウム及び香味添加剤と混合し、そしてサッシェに充填する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化104】


[式中、
【化105】


は、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロゲン、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロアリール又は場合により置換されているヘテロシクリルであるが、
但し、場合により置換されているフェニルは、置換基としてニトロを有さず;
は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルキル、シアノ又はハロゲンであり;
は、環原子6個の芳香族単環基であるフェニル又はヘテロアリールであり、ここで、1又は2個の環原子は、窒素原子であり、残りの環原子は、炭素原子であり、前記フェニル及び前記ヘテロアリールは、C1−8アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される置換基1、2又は3個で置換されており;
は、環炭素原子に結合している場合には、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC3−6アルケニル、ヒドロキシC3−6アルキニル、C1−6アルコキシC3−6アルケニル、C1−6アルコキシC3−6アルキニル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヘテロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているフェニル−C1−6アルキル、場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルキル、場合により置換されているヘテロシクリル−C1−6アルキル、ニトロ、カルボキシ、ホルミル、アシル、C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ−もしくはジ−C1−6アルキル置換アミノカルボニル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル又はC1−6アルキルスルホニル又はアミノ(該アミノは、C1−6アルキル、ヘテロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル及び場合により置換されているヘテロシクリルからなる群から独立して選択される置換基1又は2個で場合により置換されている)であり;
環窒素原子に結合している場合には、独立して、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC3−6アルケニル、ヒドロキシC3−6アルキニル、C1−6アルコキシC3−6アルケニル、C1−6アルコキシC3−6アルキニル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル又は場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、又は場合により置換されているヘテロシクリルC1−6アルキルであり;
mは、0、1、2、3又は4であり;
【化106】


は、環原子4〜8個の非芳香族単環基であるヘテロシクリルであり、ここで1又は2個の環原子は、窒素原子であり、残りの環原子は、炭素原子であり;
は、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロC1−6アルキル又はヘテロアルキルであり;
、R10は、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルカノイル、C1−6アルキルスルホニル、C3−7シクロアルキル、場合により置換されているフェニル−C1−6アルキル、場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルキル又は場合により置換されているヘテロシクリル−C1−6アルキルであり;
、R11は、独立して、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルカノイル又はヘテロアルキルであり;
は、水素、ヒドロキシ、メルカプト、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ハロC1−6アルコキシ、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、ハロゲン、シアノ、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているフェニルオキシ、場合により置換されているヘテロアリールオキシ、場合により置換されているフェニルチオ、場合により置換されているヘテロアリールチオ、場合により置換されているフェニル−C1−6アルコキシ、場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシ−カルボニル、カルボキシ又は−CONR1314であり;
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているフェニル−C1−6アルキル又は場合により置換されているヘテロアリール−C1−6アルキルであり;
12は、水素、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキルC1−6アルキル、場合により置換されているフェニル、場合により置換されているヘテロアリール又は場合により置換されているヘテロシクリルであり;
13は、水素、C1−6アルキル、ヘテロアルキル、場合により置換されているC3−7シクロアルキル、場合により置換されているヘテロシクリル、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
14は、水素、C1−6アルキル又はヘテロアルキルであり;
或いはR13とR14は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換されているヘテロシクリル環を形成する]で示される化合物、又はその互変異性体もしくはプロドラッグもしくは薬学的に許容しうる塩;
但し、
【化107】


は、カルボニル基又はヘテロ原子に直接結合していない窒素原子を少なくとも1個含み;そして
【化108】


は、ヘテロ原子に直接結合している窒素原子を含まず;そして
但し、[4−イソブチル−6−(2−イソプロピル−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−(3−イソプロピルピペラジン−1−イル)−メタノン及び(3−ベンジル−ピペラジン−1−イル)−[4−イソブチル−6−(2−イソプロピル−フェニル)−ピリダジン−3−イル]−メタノンは、除かれる;
ここで、他に断りがなければ、
用語「ヘテロシクリル」は、環原子1〜3個がN、O及びS(O)から独立して選択されるヘテロ原子であり(ここで、nは、0〜2の整数である)、残りの環原子がCである、環原子4〜7個の非芳香族単環基を意味し;
用語「ヘテロアリール」は、N、O、及びSから独立して選択される環ヘテロ原子を1〜3個有し、残りの環原子がCである、環原子5又は6個の芳香族単環基を意味し;
用語「場合により置換されているC3−7シクロアルキル」は、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC3−6アルケニル、ヒドロキシC3−6アルキニル、C1−6アルコキシC3−6アルケニル、C1−6アルコキシC3−6アルキニル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヘテロアルコキシ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノ、カルボキシ、ホルミル、アシル、C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノカルボニル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル及びアシルアミノからなる群から独立して選択される置換基1〜3個で場合により置換されているC3−7シクロアルキルを意味し;
用語「場合により置換されているフェニル」は、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC3−6アルケニル、ヒドロキシC3−6アルキニル、C1−6アルコキシC3−6アルケニル、C1−6アルコキシC3−6アルキニル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヘテロアルコキシ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノ、カルボキシ、ホルミル、アシル、C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノカルボニル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル及びアシルアミノからなる群から独立して選択される置換基1〜3個で場合により置換されているフェニルを意味し;
用語「場合により置換されているヘテロシクリル」は、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC3−6アルケニル、ヒドロキシC3−6アルキニル、C1−6アルコキシC3−6アルケニル、C1−6アルコキシC3−6アルキニル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヘテロアルコキシ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノ、カルボキシ、ホルミル、アシル、C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノカルボニル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル及びアシルアミノからなる群から独立して選択される置換基1〜3個で場合により置換されているヘテロシクリルを意味し;
用語「場合により置換されているヘテロアリール」は、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ヘテロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシC3−6アルケニル、ヒドロキシC3−6アルキニル、C1−6アルコキシC3−6アルケニル、C1−6アルコキシC3−6アルキニル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヘテロアルコキシ、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−6アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノ、カルボキシ、ホルミル、アシル、C1−6アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノカルボニル、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル及びアシルアミノからなる群から独立して選択される置換基1〜3個で場合により置換されているヘテロアリールを意味し;
用語「ヘテロアルキル」は、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルコキシ、ホルミル、アシル、カルボキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、カルバモイル、アミノ及びモノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノからなる群から独立して選択される置換基1個以上で置換されているC1−6アルキルを意味し;
用語「ヘテロアルコキシ」は、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルコキシ、ホルミル、アシル、カルボキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、カルバモイル、アミノ及びモノ−又はジ−C1−6アルキル置換アミノからなる群から独立して選択される置換基1個以上で置換されているC1−6アルコキシを意味し;
用語「アシル」又は「C1−6アルカノイル」は、R−C(O)−(ここで、Rは、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C3−7シクロアルキル又はC3−7シクロアルキルC1−6アルキルである)を意味する。
【請求項2】
X−Yが、C(NR)=N、CR=N又はC(O)−NRである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
X−Yが、C(NH)=N、CH=N、C(Cl)=N、C(O)−NH、C(ピリジニル)=N、C(トリアゾリル)=N、C(NH((CHOH))=N、C(NH−ピリミジニル)=N、C(CHOH)=N、C(ピラジニル)=N、C(C(O)NH(ピリジニル))=N又はC(O)−N(CH)である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
X−Yが、C(NH)=N、C(NH−ピリミジニル)=N、C(ピラジニル)=N、C(トリアゾリル)=N又はC(O)−NHである、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
【化109】


が、ピペリジン−1−イル又は[1,4]ジアゼパン−1−イルである、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
【化110】


が、ピペリジン−1−イルである、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
mが、1である、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
が、場合により置換されているヘテロシクリル又はヘテロアルキルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
が、ヒドロキシC1−6アルキル、場合により置換されているピロリジン−1−イル又は場合により置換されているピペリジン−1−イルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
が、ピペリジン−1−イル又はピロリジン−1−イルであり、前記ピペリジン−1−イル及びピロリジン−1−イルが、ヒドロキシルC1−6アルキル又はヒドロキシで場合により置換されている、請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物。
【請求項11】
が、ピロリジン−1−イル、2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル又は4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イルである、請求項1〜10のいずれか1項記載の化合物。
【請求項12】
【化111】


が、4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル、4−(2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル又は4−ヒドロキシ−[1,4’]ビピペリジニル−1’−イルである、請求項1〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項13】
が、C1−6アルキル、ハロゲン又は場合により置換されているフェニルであり、そしてRが、水素又はハロゲンである、請求項1〜12のいずれか1項記載の化合物。
【請求項14】
が、C1−6アルキルであり、そしてRが、水素である、請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物。
【請求項15】
が、メチルであり、そしてRが、水素である、請求項1〜14のいずれか1項記載の化合物。
【請求項16】
が、フェニル又はピリジルであり、前記フェニル及びピリジルが、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシからなる群から独立して選択される置換基1又は2個で場合により置換されている、請求項1〜15のいずれか1項記載の化合物。
【請求項17】
が、3−トリフルオロメチルフェニルである、請求項1〜16のいずれか1項記載の化合物。
【請求項18】
13が、水素、C1−6アルキル、ヘテロアルキル、ピリジニル、場合により置換されているピペリジニル、場合により置換されているピペラジニルであり、そしてR14が、水素である、請求項1〜17のいずれか1項記載の化合物。
【請求項19】
13が、水素、メチル、ヒドロキシエチル、1−カルボン酸t−ブチルエステル−ピペリジン−4−イル、ピリジン−3−イル、1−カルボン酸t−ブチルエステル−ピペラジン−4−イル、ピペリジン−4−イル又はピペラジン−4−イルであり、そしてR14が、水素である、請求項1〜18のいずれか1項記載の化合物。
【請求項20】
化合物が、
[3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[6−クロロ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[4−((S)−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−[3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−メタノン、
[6−ヒドロキシ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン;又はその互変異性体5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン、或いは
[6−アミノ−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[5−メチル−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−[2,3’]ビピリジニル−6−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[3−クロロ−6−ヒドロキシ−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン;5−クロロ−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン;
[3−メチル−6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[6−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[5−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−メチル−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[3−メチル−6−(1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[5−(2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−3−メチル−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[6−(2−アミノ−ピリミジン−5−イル)−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[6−ヒドロキシメチル−3−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン、
[3−メチル−6−ピラジン−2−イル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−イル)−メタノン
5−メチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−カルボン酸ピリジン−3−イルアミド
1,5−ジメチル−6−(4−ピロリジン−1−イル−ピペリジン−1−カルボニル)−3−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピリジン−2−オン
である、請求項1記載の化合物。
【請求項21】
式(I):
【化112】


で示される化合物を製造する方法であって、
式(II):
【化113】


で示される化合物を、式(III):
【化114】


(式中、
【化115】


、m、R、R、R、R、X−Yは、請求項1に定義されたとおりである)で示される化合物と反応させる工程を含む方法。
【請求項22】
請求項1〜20のいずれか記載の化合物及び薬学的に許容しうる賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項23】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜20のいずれか記載の化合物。
【請求項24】
CCR−2受容体アンタゴニスト、CCR−3受容体アンタゴニスト又はCCR−5受容体アンタゴニストにより処置しうる疾患の治療及び/又は予防用の治療活性物質として使用するための、請求項1〜20のいずれか記載の化合物。
【請求項25】
CCR−2受容体アンタゴニスト、CCR−3受容体アンタゴニスト又はCCR−5受容体アンタゴニストにより処置しうる疾患の治療的及び/又は予防的処置用の医薬を製造するための、請求項1〜20のいずれか記載の化合物の使用。
【請求項26】
疾患が、末梢動脈塞栓性疾患、重症下肢虚血、脆弱性アテローム斑患者、不安定狭心症、うっ血性心不全、左心室肥大、虚血再潅流障害、発作、心筋症、動脈再狭窄、関節リウマチ、糖尿病性ネフロパチー、過敏性腸疾患、クローン病、多発性硬化症、神経因性疼痛、アテローム血栓症及び/もしくは糖尿病/CLIにおける熱傷/潰瘍、又は喘息である、請求項25記載の使用。
【請求項27】
本明細書の先に定義された、詳細には、新規な化合物、中間体、医薬、使用及び方法に関連する発明。

【公表番号】特表2011−524400(P2011−524400A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513986(P2011−513986)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/056994
【国際公開番号】WO2009/153182
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】