説明

新規なモノ−アシル化o−フェニレンジアミン誘導体

本発明の目的は、式 (A) の新規なモノ-アシル化o-フェニレンジアミン誘導体およびそれらの薬学上許容される塩、ならびにこれらの化合物を製造する方法、このような化合物を含有する医薬組成物および癌のような疾患を治療するための薬剤の製造におけるそれらの使用である:
式中、Arはチオフェン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、ピリジン-5,2-ジイル、ピリジン-2,6-ジイル、ピリジン-2,4-ジイルまたは1,4-フェニレンであり、R1およびR2は互いに独立して水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C3-12シクロアルキルであり、前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル基はヒドロキシ、ハロゲン、C3-12シクロアルキル、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシロキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-、または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよいか、あるいはR1は水素であり、そしてR2はヒドロキシル、アルコキシ、C2-12アルケニルオキシまたはフェノキシであり、前記フェノキシ基はメチル、メトキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、エテニルまたは-C(O)-O-CH3により置換されていてもよく、ただしR2がヒドロキシである場合、Arはチオフェン-2,5-ジイルではなく、そしてR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルであるか、あるいはR3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環はオキソで一置換されており、そして前記環はそれ以上の異種原子を含有することができる。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、新規なモノ-アシル化o-フェニレンジアミン誘導体およびそれらの薬学上許容される塩である。本発明は、また、式Iのこれらの化合物を製造する方法、このような化合物を含有する医薬組成物および癌のような疾患を治療するための薬剤の製造におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
癌は、心臓および心臓血管の疾患を超える、死亡の主要な原因の1つであり、癌を克服するために多数の研究が莫大な費用および時間を費やして実施されてきている。しかしながら、種々の治療法、例えば、外科手術、放射線治療および化学療法にかかわらず、改良された抗癌療法がなお非常に要求されている。これらの療法の中で、化学療法は癌治療のための主要な領域1つである。大部分の薬剤は、主としてDNAに影響を与えて細胞障害性を発現させ、次いで、その結果腫瘍細胞を障害することによって、それらの作用を発揮する。しかしながら、このような薬剤は選択性を欠如するので、腫瘍細胞と正常細胞とを十分に弁別せず、したがって、正常細胞において発現された悪い反応は療法におけるそれらの薬物の使用を制限してきている。現在まで、満足すべき薬物は発見されてきていず、こうして毒性が低く、許容可能性に優れ、治療効果が高い抗癌薬物は非常に望まれている。
【0003】
本発明による化合物は、ヒストンデアセチラーゼ (HDAC) のインヒビターであり、したがって抗増殖および分化誘導活性を示し、これにより腫瘍細胞の増殖を抑制し、アポトーシスを誘導し、そして浸潤を抑制する。
【0004】
転写調節は、細胞の分化、増殖、およびアポトーシスにおいて主要な事象である。1組の遺伝子の転写活性化は細胞の運命を決定し、この理由で、転写は種々の因子により緊密に調節される。このプロセスに関係するその調節機構の1つはDNAの三次構造の変更であり、これはターゲットDNAセグメントへの転写因子のアクセス可能性をモジューレートすることによって転写に影響を与える。ヌクレオソームの完全性は、コアヒストンのアシル化状態により調節される。低アセチル化状態において、ヌクレオソームは緊密に圧縮され、こうして転写に対して非許容性である。
【0005】
他方において、ヌクレオソームはコアヒストンのアセチル化により弛緩され、その結果転写に対して許容性である。ヒストンのアセチル化状態は、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ (HAT) およびヒストンデアセチラーゼ (HDAC) の活性の均衡により支配される。最近、HDACインヒビターは、結腸癌細胞、T細胞リンパ腫細胞、および赤白血病細胞を包含する癌細胞のいくつかの型において、増殖を阻止し、アポトーシスを誘導することが発見された。アポトーシスが癌進行のためのきわめて重要な因子であるとすると、HDACインヒビターは、アポトーシスの有効なインデューサーとして癌治療のための有望な薬物である (Koyama Y. 他、Blood 96 (2000) 1490-1495) 。
【0006】
本発明の組成物は、驚くべきことには、低い毒性、ならびにHDACの阻害によるアセチル化の増強により特徴づけられる、効力のある抗増殖および細胞分化活性を示す。
EP-A 0 847 992には、細胞分化インデューサーとしてモノアシル化o-フェニレンジアミン誘導体が記載されている。また、同一型の化合物はEP-A 0 242 851の主題である。これらの出願に記載されている化合物は、ほとんどもっぱら安息香酸の誘導体でモノアシル化されたo-フェニレン誘導体である。しかしながら、改良された性質、例えば、増加した許容可能性、低い毒性および低い副作用を有する化合物を提供することがなお要求されている。
【0007】
モノアシル化o-フェニレンジアミンは対応するベンズイミダゾールの製造のための前駆体として知られており、このような製造方法は、例えば、下記の文献に開示されている: DE-A 2 062 265; FR 2 167 954; Rastogi R. およびSharma S.、Indian J. Chem.、Sect. B、21B (5) (1982) 485-487; Moll R. 他、Z. Chem. 17 (1977) 133-134; およびHassan H. 他、Indian J. Chem. 39B (2000) 764-768。
【発明の開示】
【0008】
本発明の化合物は、抗増殖および分化誘導活性を有し、これにより腫瘍細胞の増殖を抑制し、アポトーシスを誘導し、そして浸潤を抑制するHDACインヒビターであることが発見された。したがって、これらの化合物は疾患、例えば、ヒトまたは動物における癌の治療に有効である。治療できる腫瘍の例は下記のものを包含するが、これらに限定されない: 結腸癌、乳癌腫 (進行した乳癌を包含する)、肺癌 (例えば、腺癌、そして非小細胞肺癌を包含する)、前立腺癌 (進行した疾患を包含する)、膵臓癌、リンパ系の造血性腫瘍 (例えば、急性リンパ性白血病、B細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫)、骨髄性白血病 (例えば、急性骨髄性白血病(AML))、甲状腺小胞癌、骨髄形成異常症候群 (MSD)、間葉由来の腫瘍、骨髄腫、奇形癌腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、皮膚の良性腫瘍 (例えば、角化棘細胞腫)、腎臓癌腫、卵巣癌腫、膀胱癌腫および表皮癌腫。
【0009】
本発明は、下記一般式Aの化合物およびそれらの薬学上許容される塩に関する:
【化1】

【0010】
式中、
Arはチオフェン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、ピリジン-5,2-ジイル、ピリジン-2,6-ジイル、ピリジン-2,4-ジイルまたは1,4-フェニレンであり、
R1およびR2は互いに独立して水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C3-12シクロアルキルであり、前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル基はヒドロキシ、ハロゲン、C3-12シクロアルキル、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよいか、あるいは
【0011】
R1は水素であり、そして
R2はヒドロキシル、アルコキシ、C2-12アルケニルオキシまたはフェノキシであり、前記フェノキシ基はメチル、メトキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、エテニルまたは-C(O)-O-CH3で置換されていてもよく、ただしR2がヒドロキシである場合、Arはチオフェン-2,5-ジイルではなく、そして
R3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルであるか、あるいは
R3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環はオキソで一置換されており、そして前記環はそれ以上の異種原子を含有することができる。
【0012】
下記一般式Iの化合物およびそれらの薬学上許容される塩は、特に好ましい:
【化2】

【0013】
式中、
Arはチオフェン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、ピリジン-5,2-ジイルまたは1,4-フェニレンであり、
R1およびR2は互いに独立して水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C3-12シクロアルキルであり、前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル基はヒドロキシ、ハロゲン、C3-12シクロアルキル、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、
R3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルであるか、あるいは
R3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環はオキソで一置換されており、そして前記環はそれ以上の異種原子を含有することができる。
【0014】
本発明は、また、式Aまたは式Iの化合物の薬学上許容される塩またはプロドラッグ、ならびに製剤を製造するためのこれらの化合物、薬学上許容される塩およびプロドラッグの使用に関する。
本発明において使用する一般的用語の下記の定義は、問題の用語が単独でまたは組み合わせでであるかどうかにかかわらず、適用される。
【0015】
用語 「C1-12アルキル」 は、1〜12個の炭素原子を含有する飽和直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、i-ブチル、2-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびその他を意味する。用語 「C1-6アルキル」 は、1〜6個の炭素原子を含有する飽和直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を意味する。アルキル基は、必要に応じてヒドロキシ、ハロゲン、C3-12シクロアルキル、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-または-NR3R4により1回〜多数回置換されることができる。
【0016】
置換アルキル基の例は次の通りである: 例えば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2-ジメチルアミノ-エチル、2-ジエチルアミノ-エチル、2-ジブチルアミノ-エチル、2-ジイソプロピルアミノ-エチル、2-メトキシ-エチル、2-エトキシエチル、2-プロポキシ-エチル、3-ジメチルアミノ-プロピル、3-ジエチルアミノ-プロピル、3-ジブチルアミノ-プロピル、3-ジイソプロピルアミノ-プロピル、3-メトキシ-プロピル、3-エトキシ-プロピル、3-プロポキシ-プロピル、2-アセチルアミノ-エチル、3-アセチルアミノ-プロイル、2-メトキシ-1-メチル-エチル (その(R)、(S) および (R,S) 型)、シクロプロピルメチル、3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチルプロピル、3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピルまたは2-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-エチル。
【0017】
用語 「アルコキシ」 は、アルキル基が上に定義し通りであり、そして酸素原子を介して結合した基を意味する。
用語 「アルキルスルファニル」 は、アルキル基が上に定義し通りであり、そして硫黄原子を介して結合した基を意味する。
用語 「アシルオキシ」 は、基アルキル-C(O)-O-を意味し、ここでアルキル基は上に定義し通りである。
用語 「アルコキシカルボニル」 は、基アルキル-O-C(O)- を意味し、ここでアルキル基は上に定義し通りである。
用語 「アシル」 は、アルキル-C(O)- を意味し、ここでアルキル基は上に定義し通りである。
【0018】
用語 「C2-12アルケニル」 は、2〜12個の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を有する不飽和アルキル基、好ましくはアリルまたはペンタジエニルを意味する。
用語 「C2-12アルキニル」 は、2〜12個の炭素原子および少なくとも1つの三重結合を有する不飽和アルキル基、例えばプロプ-2-イル、好ましくはプロパルギルを意味する。
用語 「C2-12アルケニルオキシ」 は、アルケニル残基が上に定義し通りであり、そして酸素原子を介して結合している基、好ましくはアリルオキシを意味する。
用語 「C3-12シクロアルキル」 は、本発明において使用するとき、3〜12個の炭素原子を有する飽和炭素環式環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを意味する。
【0019】
用語 「それらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環はオキソで一置換されており、そして前記環はそれ以上の異種原子を含有する」 は、ヘテロサイクル環、例えば、ピロリジノン-1-イルまたはピペリジノン-1-イルを意味する。
用語 「ハロゲン」 は、塩素、ヨウ素、フッ素および臭素を意味する。
用語 「薬学上許容される酸付加塩」 は、無機酸および有機酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸およびその他との塩を包含する。
【0020】
本発明の化合物は1つまたはいくつかのキラル中心を含有し、そしてラセミ体または光学的に活性な形態で存在することができる。既知の方法に従い、ラセミ体は鏡像異性体に分割することができる。好ましくは、結晶化により分離することができるジアスレオマーは、光学的に活性な酸、例えば、D-またはL-酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸またはショウノウスルホン酸との反応により、ラセミ体混合物から形成される。さらに、ラセミ混合物は、分析用、半調製用または調製用規模のクロマトグラフィーにより、適当な光学的に活性な静止相を適当な溶離液とともに使用して、鏡像異性体に分割することができる。適当な光学的に活性な静止相は下記のものを包含するが、これらに限定されない: シリカ (例えば、ChiraSper、Merck; Chiralpak OT/OP、Baker)、セルロースエステルまたはカルバメート (例えば、Chiracel OB/OY、Baker) またはその他 (例えば、Crownpak、DaicelまたはChiracel OJ-R、Baker) 。
【0021】
また、式Aまたは式Iの鏡像異性体、ジアスレオマーおよびラセミ体およびそれらの薬学上許容される塩は本発明の一部分である。
式Iまたは式Aの化合物の好ましいグループは、各記号が下記の意味を有する化合物である: R1は水素またはアルキルであり、そしてR2は水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、ここでR3およびR4は上に定義した通りである;
R1が水素であり、そしてR2がアルケニルまたはアルキニルである、式Iまたは式Aの化合物;
【0022】
R1が水素であり、そしてR2が非置換の直鎖状または分枝鎖状のC1-12アルキルであるか、あるいはアルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、またはC1-6アルキル-C(O) NH-により1回〜多数回置換されているアルキルである、化合物;
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルである、式Iまたは式Aの化合物; および
【0023】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよいアルキルであり、ここでR3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環はオキソで一置換されており、そして前記環はそれ以上の異種原子を含有することはできる、請求項1に記載の式Iまたは式Aの化合物。
【0024】
Arが下記式I-Aのチオフェン-2,5-ジイルである、式Iの化合物は好ましい:
【化3】

式中,
R1は水素またはC1-6アルキルであり、そして
R2は水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、ここでR3およびR4は上に定義した通りである。
【0025】
このような化合物の例は、次の通りである:
1-19 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(ブチル-メチルアミド)、
1-34 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ジエチルアミド、
1-36 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]5-(メチル-プロプ-2-イニル-アミド)、
1-37 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-(アリル-メチル-アミド) 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
1-38 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジメチルアミノエチル)-エチル-アミド]、
【0026】
1-39 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ジプロピルアミド、
1-40 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(メチル-ペンチル-アミド)、
1-41 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジエチルアミノエチル)-メチル-アミド]、
1-42 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[ビス-(2-メトキシエチル)-アミド、または
1-44 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-アミド5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]。
【0027】
さらに、R1が水素であり、そしてR2がアルケニルまたはアルキニルである、式Iまたは式Aの化合物は好ましい。
このような化合物は、例えば、次の通りである:
1-30 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-プロプ-2-イニルアミド、
1-32 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-アリルアミド5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]。
【0028】
さらに、R1が水素であり、そしてR2が非置換の直鎖状または分枝鎖状のC1-12アルキルであるか、あるいはアルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、またはC1-6アルキル-C(O) NH-により1回〜多数回置換されていてもよいアルキルである、式Iまたは式Aの化合物は好ましい。
【0029】
このような化合物の例は、次の通りである:
1-1 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-メチル-ブチル)-アミド]、
1-6 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-メチル-ヘキシル)-アミド]、
1-9 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-メトキシ-プロピル)-アミド]、
1-10 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アセチルアミノエチル)-アミド] 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
1-11 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-エチル-ヘキシル)-アミド]、
【0030】
1-13 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1,5-ジメチル-ヘキシル)-アミド]、
1-15 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-メトキシ-1-メチル-エチル)-アミド]、
1-20 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ペンチルアミド、
1-21 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ブチルアミド、
1-23 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-エトキシ-プロピル)-アミド]、
【0031】
1-24 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-sec-ブチルアミド、
1-25 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ヘプチルアミド、
1-26 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ノニルアミド、
1-27 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-オクチルアミド、
1-28 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-メチル-ヘプチル)-アミド]、
【0032】
1-29 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(イソブチルアミド)、
1-31 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-プロピルアミド、
1-35 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-メチル-ブチル)-アミド]。
【0033】
さらに、R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルである、式Iまたは式Aまたは式I-Aの化合物は好ましい。
【0034】
このような化合物の例は、次の通りである:
1-2 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(4-ジエチルアミノ-1-メチル-ブチル)-アミド]、
1-3 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジエチルアミノ-プロピル)-アミド]、
1-4 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジブチルアミノ-プロピル) ]-アミド]、
1-5 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジメチルアミノ-プロピル) ]-アミド]、
1-8 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジイソプロピルアミノエチル)-アミド]、
1-17 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチルプロピル) ]-アミド]、
1-18 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジメチルアミノエチル) ]-アミド]。
【0035】
さらに、R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環はオキソで一置換されており、そして前記環がそれ以上の異種原子を含有することができる、式Iまたは式Aまたは式I-Aの化合物は好ましい。
このような化合物の例は、次の通りである:
1-22 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-{[3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピル]-アミド}。
【0036】
さらに、R1が水素またはアルキルであり、そしてR2がシクロアルキルまたはシクロアルキル置換アルキルである、式Iまたは式Aまたは式I-Aの化合物は好ましい。このような化合物は、例えば、次の通りである:
1-7 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロヘプチルアミド、
1-12 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロオクチルアミド、
1-14 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロペンチルアミド、
1-33 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロブチルアミド、
1-43 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(シクロプロピルメチル-プロピル-アミド)、
1-16 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロプロピルメチル-アミド。
【0037】
さらに、Arが下記式I-Bのピリジン-2,5-ジイルである式Iまたは式Aの化合物は好ましい:
【化4】

【0038】
式中、
R1は水素またはアルキルであり、そして
R2は水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、ここでR3およびR4は上において定義した通りである。
【0039】
このような化合物の例は、次の通りである:
2-3 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-(ブチル-メチル-アミド)、
2-14 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-ジプロピルアミド、
2-16 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-(メチル-ペンチル-アミド)、
2-17 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-(アリル-メチル-アミド) 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
2-18 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[ビス-(2-メトキシ-エチル)-アミド]、
2-19 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2-ジエチルアミノエチル)-メチル-アミド]。
【0040】
さらに、R1が水素であり、そしてR2がアルケニルまたはアルキニルである、式Iまたは式Aまたは式I-Bの化合物好ましい。
このような化合物の例は、次の通りである:
2-4 ピリジン-2,5-ジカルボン2-アリルアミド5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]。
【0041】
さらに、R1が水素であり、そしてR2が非置換の直鎖状または分枝鎖状のC1-12アルキルであるか、あるいはヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、またはC1-6アルキル-C(O) NH-により1回〜多数回置換されているアルキルである、式Iまたは式Aまたは式I-Bの化合物好ましい。
【0042】
このような化合物の例は、次の通りである:
2-2 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-ヘキシルアミド、
2-7 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2-メトキシ-エチル)-アミド]、
2-8 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(3-ブトキシ-プロピル)-アミド]、
2-9 {[5-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-2-カルボニル]-アミノ}-酢酸メチルエステル、
2-10 3-{[5-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-2-カルボニル]-アミノ}-プロピオン酸tert-ブチルエステル、
【0043】
2-11 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-プロピル)-アミド]、
2-12 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-ブチル)-アミド]、
2-13 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(1,5-ジメチルヘキシル)-アミド]、
2-15 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(1-メチルヘキシル)-アミド]、
2-20 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アセチルアミノエチル)-アミド] 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]。
【0044】
さらに、R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルである、式Iまたは式Aまたは式I-Bの化合物好ましい。
このような化合物の例は、次の通りである:
2-1 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-アミド]、
2-6 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(3-ジブチルアミノ-プロピル)-アミド]。
【0045】
さらに、R1が水素であり、そしてR2がシクロアルキルである、式Iまたは式Aまたは式I-Bの化合物好ましい。
このような化合物の例は、次の通りである:
2-5 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-シクロオクチルアミド。
【0046】
さらに、Arが下記式I-Cのピリジン-5,2-ジイルである、化合物は好ましい。
【化5】

【0047】
式中、
R1は水素またはアルキルであり、そして
R2は水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、ここでR3およびR4は上において定義した通りである、式Iまたは式Aの化合物は好ましい。
【0048】
このような化合物の例は、次の通りである:
3-23 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(ブチル-メチル-アミド)、
3-24 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-(アリル-メチル-アミド) 2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
3-25 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(メチル-プロプ-2-イニル-アミド)、
3-26 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[ビス-(2-メトキシエチル)-アミド]、
3-27 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(メチル-ペンチル-アミド)、
3-29 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ジプロピルアミド、または
3-30 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジエチルアミノエチル)-メチル-アミド]。
【0049】
さらに、R1が水素であり、そしてR2がアルケニルまたはアルキニルである、式Iまたは式Aまたは式I-Cの化合物好ましい。
このような化合物の例は、次の通りである:
3-2 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-アリルアミド2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]。
【0050】
さらに、R1が水素であり、そしてR2が非置換アルキルであるか、あるいはヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、またはC1-6アルキル-C(O) NH-により1回〜多数回置換されているアルキルである、式Iまたは式Aまたは式I-Cの化合物好ましい。
【0051】
このような化合物の例は、次の通りである:
3-3 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ヘキシルアミド、
3-6 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アセチルアミノ-エチル)-アミド] 2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
3-7 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-プロピル)-アミド]、
3-8 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-ブチル)-アミド]、
3-9 3-{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-酪酸エチルエステル、
3-10 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ヒドロキシ-プロピル)-アミド]、
3-11 2-{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-3-メチル-酪酸メチルエステル、
3-12 3-{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-プロピオン酸エチルエステル、
3-13 {[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸メチルエステル、
3-14 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-メトキシ-エチル)-アミド]、
3-15 2-{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-4-メチルスルファニル-酪酸メチルエステル、
【0052】
3-16 3-{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-プロピオン酸tert-ブチルエステル、
3-17 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2,3-ジヒドロキシ-プロピル)-アミド]、
3-18 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ブトキシ-プロピル)-アミド]、
3-21 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-sec-ブチルアミド、
3-22 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1,5-ジメチルヘキシル)-アミド]、
3-31 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-メチルヘキシル)-アミド]。
【0053】
さらに、R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルである、式Iまたは式Aまたは式I-Cの化合物好ましい。
このような化合物の例は、次の通りである:
3-1 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-アミド]、
3-5 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド]、
3-19 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(4-ジエチルアミノ-1-メチル-ブチル)-アミド]、
3-20 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジブチルアミノ-プロピル)-アミド]。
【0054】
さらに、R1が水素またはアルキルであり、そしてR2がシクロアルキルである、式Iまたは式Aまたは式I-Cの化合物好ましい。
このような化合物の例は、次の通りである:
3-4 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロオクチルアミド、
3-28 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(シクロプロピルメチル-プロピル-アミド) 。
【0055】
さらに、Arが1,4-フェニレンである、式Iまたは式Aの化合物、すなわち、下記式I-Dの化合物は好ましい:
【化6】

式中、
R1は水素またはアルキルであり、そして
R2は水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、ここでR3およびR4は上において定義した通りである。
このような化合物の例は、次の通りである:
4-13 N-(2-アミノ-フェニル)-N’-ブチル-N’-メチル-テレフタルアミド。
【0056】
さらに、R1が水素であり、そしてR2がアルケニルまたはアルキニルである、式Iまたは式Aまたは式I-Dの化合物は好ましい。
このような化合物は、例えば、次の通りである:
4-11 N-アリル-N’-(2-アミノ-フェニル)-テレフタルアミド。
【0057】
さらに、R1が水素であり、そしてR2が非置換の直鎖状または分枝鎖状のアルキルであるか、あるいはアルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、またはC1-6アルキル-C(O) NH-により1回〜多数回置換されているアルキルである、式Iまたは式Aまたは式I-Dの化合物は好ましい。
このような化合物の例は、次の通りである:
4-5 N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(2-メトキシ-1-メチル-エチル)-テレフタルアミド、
4-7 N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(3-エトキシ-プロピル)-テレフタルアミド、
4-12 N-(2-アミノ-フェニル)-N’-ブチル-テレフタルアミド。
【0058】
さらに、R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルである、式Iまたは式Aたは式I-Dの化合物は好ましい。
このような化合物の例は、次の通りである:
4-1 N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-テレフタルアミド、
4-2 N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(3-ジブチルアミノ-プロピル)-テレフタルアミド、
4-3 N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(4-ジエチルアミノ-1-メチル-ブチル)-テレフタルアミド、
4-4 N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(3-ジエチルアミノ-プロピル)-テレフタルアミド、
4-8 N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(2-ジメチルアミノ-エチル)-テレフタルアミド、または
4-10 N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-テレフタルアミド。
【0059】
さらに、R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環はオキソで一置換されており、そして前記環がそれ以上の異種原子を含有することができる、式Iまたは式Aまたは式I-Dの化合物は好ましい。
このような化合物の例は、次の通りである:
4-9 N-(2-アミノ-フェニル)-N’-[3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピル]-テレフタルアミド。
【0060】
さらに、R1が水素、アルキルまたはアルケニルであり、そしてR2がシクロアルキルまたはシクロアルキル置換アルキルである、式Iまたは式Aまたは式I-Dの化合物は好ましい。
このような化合物は、例えば、次の通りである:
4-6 N-(2-アミノ-フェニル)-N’-シクロプロピルメチル-テレフタルアミド。
【0061】
本発明の他の態様は、下記式I-Eの化合物である:
【化7】

式中、
Arはチオフェン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、ピリジン-2,6-ジイル、ピリジン-2,4-ジイル、ピリジン-5,2-ジイルまたは1,4-フェニレンであり、そして
R2はヒドロキシル、アルコキシ、C2-12アルケニルオキシまたはフェノキシであり、ただしR2がヒドロキシである場合、Arはチオフェン-2,5-ジイルではない。
【0062】
このような化合物の例は、次の通りである:
5-1 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(メトキシ-アミド)、
5-2 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(エトキシ-アミド)、
5-3 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-(アリルオキシ-アミド) 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
5-4 チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(フェノキシ-アミド) 。
5-5 ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ヒドロキシアミド、
5-6 ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-ヒドロキシアミド、
5-7 ピリジン-2,6-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 6-ヒドロキシアミド、
5-8 ピリジン-2,4-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 4-ヒドロキシアミド。
【0063】
本発明のなお他の態様は、式Iまたは式Aの化合物である:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(tert-ブトキシ-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-(アリル-シクロペンチル-アミド) 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-(シクロプロピルメチル-プロピル-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-s-ブチルアミド、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ヒドロキシエチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-{[2-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-エチル]-アミド、
【0064】
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-シクロヘキシルメチル-2-ヒドロキシ-エチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(4-ヒドロキシ-ブチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-ヒドロキシメチル-2-メチル-ブチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(4-ヒドロキシ-シクロヘキシル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-({2-[ビス-(2-ヒドロキシ-エチル)-アミノ]-エチル}-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド]または
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジメチルアミノ-エチル)-エチル-アミド]。
【0065】
式Iまたは式Aの芳香族ジカルボン酸誘導体またはそれらの薬学上許容される塩は、化学的に関係する化合物の製造に適用できることが知られている任意の方法で製造することができる。このような方法は、式Iまたは式Aの芳香族ジカルボン酸誘導体またはそれらの薬学上許容される塩の製造に使用するとき、本発明のそれ以上の特徴として提供され、下記の代表的実施例により例示され、ここで、特記しない限り、Ar、R1およびR2は上に定義した意味を有する。出発物質は有機化学の標準的手順により得ることができる。このような出発物質の製造は添付実施例に記載されている。選択的に必要な出発物質は、有機化学者の通常の技量範囲内である例示する手順に類似する手順により得ることができる。
【0066】
(a) 式Iまたは式Aの化合物を製造する1つの好ましい方法は、式II
【化8】

【0067】
(式中Ar、R1およびR2は上に定義した通りである)
の化合物を、式III
【化9】

【0068】
(式中Yは水素または適当なアミノ保護基である)
の化合物と反応させることを含む。
【0069】
アミノ基の保護基はペプチド化学から知られており、このような保護基は、例えば、ベンジルオキシカルボニル (水素化または酢酸中の臭化水素酸による切り離し)、t-ブトキシカルボニル (強酸、例えば、純粋なまたはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸、またはジオキサン中のHClによる切り離し)、9-フルオロメトキシカルボニル (第二級アミン、例えば、ピペリジンによる切り離し) である。
【0070】
式A中のR2がOHである場合、このヒドロキシル基は後述するHNR1R2と化合物VまたはVIとの反応のために保護基を有することができる。ヒドロキシル基の保護基は、なかでも、水素化により切り離すことができるベンジルである。O-保護されたHNR1R2基のいくつか、例えば、O-ベンジルヒドロキシルアミンは商業的に入手可能である。
典型的には、この反応は2工程ワンポット手順を含む。第1工程において、不活性溶媒または希釈剤、例えば、ジクロロメタン、ジオキサン、またはテトラヒドロフラン中で、活性化剤の存在下に式IIのカルボキシレートを反応させることによって、この化合物を活性化させる。
【0071】
酸の適当な反応性誘導体は次の通りである: 例えば、ハロゲン化アシル、例えば、酸と無機酸塩化物、例えば、塩化チオニルまたはシュウ酸ジクロライドとの反応により生成した塩化アシル; 混合無水物、例えば、酸とクロロホルメート、例えば、イソブチルクロロホルメートとの反応により生成した無水物; 活性エステル、例えば、酸とフェノール、例えば、ペンタフルオロフェノールとの反応により生成したエステル; 酸とN-ヒドロキシベンゾチアゾールとの反応により生成した活性エステル; アシルアジド、例えば、酸とアジド、例えば、ジフェニルホスホリルアジドとの反応により生成したアジド; アシルシアン化物、例えば、酸とシアン化物、例えば、シアン化ジエチルホスホリルとの反応により生成したシアン化物; または酸とカーボジイミド、例えば、N-3-ジメチルアミノプロピル-N-エチルカーボジイミドまたはジシクロヘキシルカーボジイミドとの反応生成物; または酸とN,N’-カルボニルジイミダゾールとの反応生成物; または酸とウロニウム塩、例えば、O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートとの反応生成物; または酸とリンに基づく試薬、例えば、ビス-(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)-ホスホリルクロライドとの反応生成物。この反応は-30℃〜60℃、好都合には0℃以下において実施する。
【0072】
第2工程において、活性化された酸を含有する溶液に化合物IIIを添加する。Yが保護基である場合、それを最後に切り離して (上記方法を参照) 化合物Iを生成しなくてはならない。R2がヒドロキシル基である化合物を得るために、アミノおよびヒドロキシルの両方の保護基が分子の中に存在することがある。この場合において、ヒドロキシル保護基をアミノ保護基より前に前述の方法により切り離さなくてはならない。
【0073】
これらの方法は当業者によく知られている。原理的に、下記の文献に記載されているペプチド化学において使用されているようなすべてのアミドの合成方法がまた適用される: “Methoden der organishen Chemie (Houben-Weyl)” Band XV/1およびXV/2。非保護フェニレンジアミンのモノアシル化はEP 0974576に記載されている。
【0074】
(b) 式IIの化合物は式IVの化合物から加水分解により製造することができる:
【化10】

【0075】
式中R3はアルキルまたはアラルキル、好ましくはメチル、エチル、t-ブチル、ベンジルである。
【0076】
切り離しを実施する条件は、基R3の特質に依存する。R3がアルキル基、例えば、メチルまたはエチルであるとき、この反応は塩基、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムの存在下に、不活性溶媒またはMeOH、エタノール、ジオキサン、THF、水中で実施する。R3がt-ブチル基であるとき、この反応は酸の存在下に、例えば、不活性溶媒、例えば、ジエチルエーテルまたはジオキサン中の臭化水素酸、またはジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸の溶液中で実施する。R3がベンジル基であるとき、この反応は貴金属触媒、例えば、適当な担体、例えば、炭素上のパラジウムまたは白金の存在下に水素化により実施する。エステルの加水分解に使用される方法は、もちろん、残基R1およびR2の特質に依存する。
【0077】
(c) 式IVの化合物は、下記式Vの化合物から製造される:
【化11】

式中ArおよびR3は上に定義した意味を有する。
【0078】
典型的には、この反応は2工程ワンポット手順を含む。第1工程において、(a) に記載されている方法に従い、式Vのカルボキシレートを活性化させる。
第2工程において、式HNR1R2 (式中R1およびR2は上に定義した意味を有する) のアミンを溶液に、活性化に使用する温度において、添加し、そして温度を周囲温度にゆっくり調節する。適当なスカベンジャー塩基、例えば、トリエチルアミン、またはジイソプロピルエチルアミンを反応混合物に添加することができる。これらの方法は当業者によく知られている。原理的に、下記の文献に記載されているペプチド化学において使用されているようなすべてのアミドの合成方法がまた適用される: “Methoden der organishen Chemie (Houben-Weyl) ” Band XV/1およびXV/2。
【0079】
(d) 非常にわずかの式Vの化合物が文献に記載されている。例えば、テレフタル酸モノメチルエステルは、例えば、下記の文献に記載されている: Holba V. 他、Z. Physiol. Chem. 262 (1981) 445-448。また、それは商業的に入手可能である。ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-メチルエステルは、例えば、WO 93/21146に記載されている。チオフェン-2,5-ジカルボン酸モノメチルエステルは、例えば、米国特許第2,680,731号に記載されている。これらのモノエステルは通常ジエステルの選択的けん化により製造されるが、他の方法はその上有効であることがあり、そして当業者によく知られている。
【0080】
(e) 式Iまたは式Aの化合物を製造する他の方法は、式VI
【化12】

【0081】
(式中Arは上に定義した意味を有し、そしてYは (a) において定義した意味を有する)
の化合物と、式HNR1R2 (式中R1およびR2は上に定義した意味を有する) のアミンとの反応を含む。
典型的には、この反応は2工程ワンポット手順を含み、そして (a) に記載されている方法に従い実施される。
最後に、Yを前述の方法により切り離して、化合物Iを生成しなくてはならない。前述したように、アミノおよびヒドロキシルの両方の保護基が分子の中に存在する場合、ヒドロキシル保護基をアミノ保護基より前に切り離すべきである。
【0082】
(f) 式VIの化合物は、(b) に記載されているように、加水分解により式VIIの化合物から製造される:
【化13】

(式中R3およびYは上に定義した意味を有する)
【0083】
(g) 式VIIの化合物は、式V
【化14】

【0084】
(式中AおよびR3は上に定義した意味を有する)
の化合物および式III
【0085】
【化15】

【0086】
(式中Yは (a) に記載されているような適当な保護基である)
の化合物から製造される。
【0087】
典型的には、この反応は (a) に記載されている2工程ワンポット手順を含む。
式Iまたは式Aの化合物およびそれらの薬学上有効な付加塩は、有益な薬理学的性質を有する。それらは抗増殖および分化誘導活性を有し、これにより腫瘍細胞の増殖を抑制し、アポトーシスを誘導し、そして浸潤を抑制することが発見され、これらの化合物は疾患、例えば、ヒトまたは動物における癌の治療に有効である。
【0088】
本発明による化合物のHDACインヒビターとしての活性は、細胞のアセチル化アッセイにより証明される。このアッセイにおいて、PC3細胞におけるヒストンのアセチル化をモニターする。高いアセチル化は、化合物によるヒストンデアセチラーゼの阻害と相関する。細胞の生活能力を平行にモニターして、化合物の細胞障害性を推定する。
PC3細胞、すなわち、ヒト前立腺癌腫細胞系をRPMI 1640 (5% FCS、2 mM グルタミンおよびpen/strepを含む) 中で384ウェルのマイクロタイタープレートのウェル当たり1800細胞として播種する。
【0089】
37℃において48時間後、前もって希釈した化合物を1 μMの最終濃度に添加する。化合物をジメチルスルホキシド (DMSO) 中で前もって希釈して、0.5%/ウェルのDMSOの最終濃度にする。
24時間のインキュベーション後、細胞増殖試薬WST-1 (Roche Molecular Biochemicals) の添加により、細胞生活能力を決定する。さらに60分後、光学密度(OD) を測定する (450 nm/690 nm) 。
【0090】
測定後、細胞層をELISA反応のために調製する。培地を吸引し、細胞をエタノール中で-20℃において60分間固定する。PBS/ツイーンで洗浄した後、ブロッキング溶液 (PBS/5% FCS/ツイーン) を添加し、そして細胞層を再び洗浄する。アセチル化されたヒストンに対する抗体H3またはH4 (ウサギポリクローナルIgG、Upstate Biotechnologies) を1:200の希釈で37℃において60分間添加する。第2抗体として、ヤギ抗ウサギIgG (H+L) ヒトIgG吸着HRP複合体 (Dako) を使用する (希釈1:2000) 。細胞を3回洗浄し、ペルオキシダーゼ基質ABTSを37℃において30〜60分間反応させる。ODを405 nmにおいて測定する。
【0091】
ブランクのODを減じた後、アセチル化の百分率を計算する:
【数1】

【0092】
【表1】

【0093】
式Iまたは式Aの新規な化合物およびそれらの薬学上許容される塩は、薬剤として、すなわち、薬学上の製剤の形態で使用することができる。薬学上の製剤は液体または固体の形態で腸内にまたは非経口的に投与することができる。この関係において、すべての通常の投与形態、例えば、錠剤、カプセル剤、被覆錠剤、シロップ剤、溶液、懸濁液、坐剤およびその他が考えられる。通常の注射溶液中に存在する添加剤、例えば、安定剤、可溶化剤および緩衝剤を含有する水は注射媒質として使用するために好ましい。
【0094】
このような添加剤は、例えば、酒石酸塩およびクエン酸塩緩衝剤、錯化剤 (例えば、エチレンジアミン四酢酸およびその非毒性塩)、粘度調節用高分子量ポリマー (例えば、液状ポリエチレングリコール) である。注射溶液用液状担持物質は無菌でなくてはならず、アンプルの中に小出しすることが好ましい。固体状担体物質は、例えば、澱粉、ラクトース、マンニトール、メチルセルロース、タルク、高度に分散したケイ酸、高分子量脂肪酸 (例えば、ステアリン酸)、ゼラチン、寒天、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、動物および植物の脂肪、固体状高分子量ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール) である。経口的適用に適当な製剤は、必要に応じて、香味剤および甘味料をまた含有することができる。
【0095】
また、式Iまたは式Aの化合物またはそれらの薬学上許容される塩と治療的に不活性な担体とを含有する薬剤、ならびにそれらの製造する方法は本発明の目的である。前記方法は1種または2種以上の式Iまたは式Aの化合物および/またはそれらの薬学上許容される塩および、必要に応じて、1種または2種以上の他の治療的に有益な物質を、1種または2種以上の治療的に不活性な担体と一緒に、ガレン製剤的投与形態にすることを含んでなる。
【0096】
本発明によれば、式Iまたは式Aの化合物ならびにそれらの薬学上許容される塩は、それらのHDAC阻害に基づいて病気の抑制または予防において有効であり、したがって、抗増殖および分化誘導活性を有し、これにより腫瘍細胞の増殖を抑制し、アポトーシスを誘導し、そして浸潤を抑制し、これらの化合物は疾患、例えば、ヒトまたは動物における癌の治療および対応する薬剤の製造に有効である。
【0097】
投与量は種々の因子、例えば、投与方法、種、年齢および/または個々の健康状態に依存する。1日量は約5〜400 mg/kg、好ましくは10〜100 mg/kgであり、そして単一に投与するか、あるいは数回の投与に分配することができる。
【0098】
下記の実施例を参照して本発明をいっそう詳細に例示するが、特記しない限り、
(i) 蒸発は回転蒸発器により真空中で実施し、そして仕上げ手順は残留固体、例えば、乾燥剤の除去後、濾過により実施した;
(ii) 操作は周囲温度、すなわち、範囲18〜25℃においておよび不活性ガス、例えば、アルゴンまたは窒素の雰囲気下に実施した;
(iii) カラムクロマトグラフィー (フラッシュ手順による) および高圧液体クロマトグラフィー (HPLC) は、Merck Kieselgel シリカまたはMerck Lichroprep RP-18逆相シリカ (E. Merck、ドイツ国ダーマシュタットから入手可能である) 上で実施した;
(iv) 収量は例示を目的としてのみ記載し、そして必ずしも達成可能な最大ではない;
【0099】
(v) 融点はMettler SP62自動化融点装置、油浴装置またはKoflerホットプレート装置を使用して測定した;
(vi) 式Iまたは式Aの化合物の構造は、核 (一般にプロトン) 磁気共鳴 (NMR) および質量分析技術 (APCIを使用するMicromass Platform II機またはエレクトロスプレーを使用するMicromass Platform ZMD) により実施した;
(vii) 中間体は一般に完全に特性決定せず、そして純度は薄層クロマトグラフィーにより評価した;
【0100】
(viii) 下記の略号を使用した:
DMF N,N-ジメチルホルムアミド;
DMSO ジメチルスルホキシド;
THF テトラヒドロフラン;
MeOH メタノール;
HCl 塩酸;
NaH 水素化ナトリウム;
CH2Cl2 ジクロロメタン;
H2SO4 硫酸;
sat. 飽和;
sol. 溶液;
h 時間;
d 日;
rt 温室;
eq 当量。
【実施例】
【0101】
実施例1式I-Aの化合物の製造
工程1: 5-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル
アルゴン雰囲気下に、21.0 g (129 mmol) のカルボニルジイミダゾールを、600 mlのTHF中の24.1 g (129 mmol) のチオフェン-2,5-ジカルボン酸モノエステルの溶液に添加した。室温において2時間後、26.9 g (129 mmol) の (2-アミノ-フェニル)-カルバミン酸tert-ブチルエステルを添加し、この反応混合物を室温においてさらに4時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を500 mlの酢酸エチル中に溶解した。
【0102】
有機相を100 mlの飽和水性NaHCO3溶液で3回洗浄し、80 mlの水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムの上で乾燥した。溶媒を除去し80 mLにし、このとき結晶化が開始した。12時間後、結晶を濾過し、少量の氷冷t-ブチルメチルエーテルおよび冷ヘプタンで洗浄した。高真空下に乾燥すると、38.9 g (103.4 mmol) の5-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステルが得られた。1H-NMR (D6-DMSO) δ= 1.45 (s、9H)、3.87 (s、3H)、7.14 (m、1H)、7.22 (m、1H)、7.46 (m、1H)、7.59 (m、1H)、7.89 (m、1H)、7.96 (m、1H)、8.73 (br、1H)、10.02 (s、1H) 。
【0103】
工程2: 5-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-チオフェン-2-カルボン酸
500 mlのMeOH中の18.5 g (50 mmol) の5-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステルの懸濁液に、100 mlの水中の5.6 g (100 mmol) の溶液を20分以内に添加した。この反応混合物を室温において2日間攪拌した。MeOHを蒸発させ、残留する水溶液を酢酸エチルで3回抽出し、3 N水性HCl溶液で酸性化した。沈殿を濾過し、水で洗浄し、45℃において高真空中で乾燥すると、14.5 g (40 mmol) の5-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-チオフェン-2-カルボン酸が得られた。1H-NMR (D6-DMSO) δ= 1.45 (s、9H)、7.14 (m、1H)、7.22 (m、1H)、7.46 (m、1H)、7.59 (m、1H)、7.90 (m、2H)、8.72 (s、1H)、9.99 (s、1H)、13.54 (s、1H) 。
【0104】
工程3: (2-{[5-(1-メチル-ブチルカルバモイル)-チオフェン-2-カルボニル]-アミノ}-フェニル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
80 mlのTHF中の4.4 g (12.1 mmol) の5-(2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-フェニルカルバモイル)-チオフェン-2-カルボン酸の溶液に、2.2 g (13.6 mmol) のカルボニルジイミダゾールを添加した。この反応混合物を45℃において1時間攪拌し、次いで温室に冷却した。1.05 g (12 mmol) の2-ペンチルアミンを添加し、この反応混合物を温室に12時間保持した。溶媒を蒸発させ、残留物を150 mlのCH2Cl2中に溶解した。この溶液を各回150 mlの水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を蒸発させ、残留物をジエチルエーテルで2回洗浄すると、(2-{[5-(1-メチル-ブチルカルバモイル)-チオフェン-2-カルボニル]-アミノ}-フェニル)-カルバミン酸tert-ブチルエステルが白色固体、融点183℃、として得られた。
【0105】
工程4: チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-メチル-ブチル)-アミド] (化合物1-1)
80 mlのMeOH中の3.3 g (7.65 mmol) の(2-{[5-(1-メチル-ブチルカルバモイル)-チオフェン-2-カルボニル]-アミノ}-フェニル)-カルバミン酸tert-ブチルエステルの溶液に、16 mlのジオキサン中のHClの4 M溶液を氷冷に添加した。この溶液を室温において3時間攪拌した後、溶媒を蒸発させた。残留物に、50 mlのジクロロメタンおよび50 mlのNaHCO3の1M溶液を添加した。
【0106】
室温において30分間攪拌した後、沈殿を濾過し、水で洗浄し、乾燥すると、3.3 g (6.9 mmol) のチオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-メチル-ブチル)-アミド] が得られた。融点192℃、分子量: 計算値 (M+H) 332.14、実測値 (M+H) 332.2; 1H-NMR (400 MHz、(CH3)2SO); δ= 9.77 (s、1H)、8.33 (d、j = 8.6 Hz、1H)、7.92 (m、1H)、7.78 (m、1H)、7.13 (m、1H)、6.99 (m、1H)、6.78 (m、1H)、6.59 (m、1H)、4.96 (s、2H)、3.97 (m、1H)、1.57-1.39 (m、2H)、1.36-1.26 (m、2H)、1.14 (d、j = 6.6 Hz、3H)、0.88 (t、j = 7.1 Hz、3H) 。
【0107】
実施例1の工程1〜4と同様にして、適当な出発物質を使用して下記の化合物を製造する:
【0108】
【表2】

【0109】
【表3】

【0110】
【表4】

【0111】
【表5】

【0112】
実施例2式I-Bの化合物の製造
工程1: 6-(2-ジイソプロピルアミノ-エチルカルバモイル)-ニコチン酸メチルエステル
5 mlのジクロロエタン中の1.1 g (5 mmol) の5-メトキシカルボニル-ピリジン-2-カルボン酸カリウム、0.9 ml (12 mmol) の塩化チオニルおよび0.1 mlのDMFの懸濁液を2時間加熱還流させた。この反応混合物に、5 mlのCH2Cl2を添加し、溶媒を蒸発させた。この手順を3回反復した。
【0113】
残留物を5 mlのCH2Cl2中に懸濁させ、そして5 mlのCH2Cl2中の9.95 ml (5.5 mmol) の2-ジイソプロピルアミノエチルアミン、0.97 ml (7 mmol) のトリエチルアミン、0.1 mlのDMFの溶液を氷冷下に添加した。室温において12時間攪拌した後、有機相を水、5%のクエン酸および水性NaHCO3で抽出し、硫酸マグネシウムの上で乾燥した。溶媒を蒸発させた後、残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー (酢酸エチル中の20%のMeOHおよび1%のトリエチルアミン) にかけると、1.15 g (3.7 mmol) の6-(2-ジイソプロピルアミノ-エチルカルバモイル)-ニコチン酸メチルエステルが得られた; 正確な分子量 [M+H] 計算値: 308.20; 分子量 [M+H] 実測値: 308.20。
【0114】
工程2: 6-(2-ジイソプロピルアミノ-エチルカルバモイル)-ニコチン酸
10 mlのTHFおよび3.0 mlのMeOH中の1100 mg (3.6 mmol) の6-(2-ジイソプロピルアミノ-エチルカルバモイル)-ニコチン酸メチルエステルの溶液に、3.6 mlの2 N水性NaOH溶液を添加した。残留物を1 N HClで酸性化し、濾過し、水で洗浄すると、936 mg (3.2 mmol) の6-(2-ジイソプロピルアミノ-エチルカルバモイル)-ニコチン酸が得られた; 正確な分子量 [M+H] 計算値: 294.18; 分子量 [M+H] 実測値: 209.15。
【0115】
工程3: ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-アミド] (化合物2-1)
8 mlのTHF中の936 mg (3.2 mmol) の6-(2-ジイソプロピルアミノ-エチルカルバモイル)-ニコチン酸の溶液を45℃に1時間加熱し、次いで温室に冷却した。1.38 g (12.8 mmol) のフェニレンジアミンおよび0.5 ml (6.4 mmol) のトリフルオロ酢酸を添加し、室温において30時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、水性アンモニア溶液を残留物に添加した。水性相をCH2Cl2で抽出し、溶媒を一緒にした有機相から蒸発させた。残留物をシリカゲルのクロマトグラフィー (酢酸エチル、次いで酢酸エチル中の20%のMeOHおよび1%のトリエチルアミン) にかけると、404 mg (1.06 mmol) のピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-アミド] が得られた; 正確な分子量 [M+H] 計算値: 384.24; 分子量 [M+H] 実測値: 384.23。
実施例2工程1〜3に記載されている方法に従い、下に列挙する化合物を製造した。
【0116】
【表6】

【0117】
【表7】

【0118】
実施例3式I-Cの化合物の製造
実施例1に記載する方法に類似する方法において、文献 (例えば、標準的著書、例えば、Houben-Weyl、“Methoden der organishen Chemie, Georg Thieme Verlag”、Stuttgart; Organic Reactions、John Wiley & Sons, Inc.、New York) に記載されているような既知の方法を使用して、下記の化合物を製造する:
【0119】
【表8】

【0120】
【表9】

【0121】
【表10】

【0122】
実施例4式I-Dの化合物の製造
実施例1に記載されている方法に類似する方法において、式I-Dのテレフタルアミド誘導体を製造した。
【0123】
【表11】

【0124】
実施例5.実施例1の工程1〜4と同様にしてかつ対応する出発物質を使用して、下記の化合物を製造した:
【表12】

【0125】
実施例6
a) 錠剤処方物 (湿式粒状化):
【表13】

【0126】
製造手順
1. 項目1、2、3および4を混合し、精製した水を使用して粒状化する。
2. 粒体を50℃において乾燥させる。
3. 粒体を適当な微粉砕装置に通す。
4. 項目5を添加し、3分間混合する; 適当なプレスで圧縮する。
【0127】
b) カプセル剤処方物:
【表14】

【0128】
製造手順
1. 項目1、2および3を適当なミキサー中で30分間混合する。
2. 項目4および5を添加し、3分間混合する。
3. 適当なカプセル中に充填する。
【0129】
本発明による化合物の作用を下記の試験によりさらに評価することができる:
方法
雄のNMRI nu/nuマウス (n = 15/群)、週齢8〜10に、5×106 PC-3前立腺癌腫細胞を皮下注射した。第10日に、約150 mm3の腫瘍体積をもつ動物を治療群に無作為に割り当てた。被験化合物を7.5% ゼラチン-0.22% NaCl-懸濁液中の微小懸濁物として、実際の体重に基づいて10 ml/kgの適用体積で投与した。5〜7回/週の治療スケジュールでほぼ第10日から第27日に、毎日1回の経口的治療を実施した。
腫瘍体積は下記の方程式から決定する:
腫瘍体積 = 1/2ab2
ここで「a」および「b」は、それぞれ、腫瘍の長い直径および短い直径である。
【0130】
参考文献のリスト
DE-A 2 062 265。
EP-A 0 242 851。
EP-A 0 847 992。
EP 0 974 576。
FR 2 167 954。
Hassan H. 他、Indian J. Chem. 39B (2000) 764-768。
Holba V. 他、Z. Physiol. Chem. 262 (1981) 445-448。
Houben-Weyl、“Methoden der organishen Chemie”Band XV/1およびXV/2。
Koyama Y. 他、Blood 96 (2000) 1490-1495。
Moll R. 他、Z. Chem. 17 (1977) 133-134。
Rastogi R. およびSharma S.、Indian J. Chem.、Sect. B 、21B (5) (1982) 485-487。
米国特許第2,680,731号。
WO 93/21146。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式A:
【化1】

〔式中、
Arはチオフェン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、ピリジン-5,2-ジイル、ピリジン-2,6-ジイル、ピリジン-2,4-ジイルまたは1,4-フェニレンであり、
R1およびR2は互いに独立して水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C3-12シクロアルキルであり、前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル基はヒドロキシ、ハロゲン、C3-12シクロアルキル、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよいか、あるいは
R1は水素であり、そして
R2はヒドロキシル、アルコキシ、C2-12アルケニルオキシまたはフェノキシであり、前記フェノキシ基はメチル、メトキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、エテニルまたは-C(O)-O-CH3により置換されていてもよく、ただしR2がヒドロキシである場合、Arはチオフェン-2,5-ジイルではなく、そして
R3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルであるか、あるいは
R3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環はオキソで一置換されており、そして前記環はそれ以上の異種原子を含有することができる〕
により表わされる化合物およびそれらの薬学上許容される塩。
【請求項2】
下記一般式I:
【化2】

〔式中、
Arはチオフェン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、ピリジン-5,2-ジイルまたは1,4-フェニレンであり、
R1およびR2は互いに独立して水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C3-12シクロアルキルであり、前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル基はヒドロキシ、ハロゲン、C3-12シクロアルキル、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、
R3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルであるか、あるいは
R3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環はオキソで一置換されており、そして前記環はそれ以上の異種原子を含有することができる〕
により表わされる化合物およびそれらの薬学上許容される塩。
【請求項3】
R1が水素またはアルキルであり、そしてR2が水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-、または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、ここでR3およびR4は請求項2において定義した通りである、請求項2に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
R1が水素であり、そしてR2がアルケニルまたはアルキニルである、請求項2に記載の式Iの化合物。
【請求項5】
R1が水素であり、そしてR2が非置換の直鎖状または分枝鎖状のC1-12アルキルであるか、あるいはアルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、またはC1-6アルキル-C(O) NH-により1回〜多数回置換されているアルキルである、請求項2に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルである、請求項2に記載の式Iの化合物。
【請求項7】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよいアルキルであり、ここでR3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環はオキソで一置換されており、そして前記環がそれ以上の異種原子を含有することができる、請求項2に記載の式Iの化合物。
【請求項8】
R1が水素またはアルキルであり、そしてR2がシクロアルキルまたはシクロアルキル置換アルキルである、請求項2に記載の式Iの化合物。
【請求項9】
Arが下記式:
【化3】

(式中R1およびR2は請求項2において定義した通りである)
で表わされるチオフェン-2,5-ジイルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項10】
R1が水素またはC1-6アルキルであり、そしてR2が水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル基がヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-、または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、ここでR3およびR4は請求項2において定義した通りである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
化合物が下記の化合物である、請求項10に記載の化合物:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(ブチル-メチルアミド)、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ジエチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]5-(メチル-プロプ-2-イニル-アミド)、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-(アリル-メチル-アミド) 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジメチルアミノエチル)-エチル-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ジプロピルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(メチル-ペンチル-アミド)、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジエチルアミノエチル)-メチル-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[ビス-(2-メトキシエチル)-アミド、または
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-アミド5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]。
【請求項12】
R1が水素であり、そしてR2がアルケニルまたはアルキニルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項13】
化合物が下記の化合物である、請求項12に記載の化合物:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-プロプ-2-イニルアミド、または
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-アリルアミド5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]。
【請求項14】
R1が水素であり、そしてR2が非置換の直鎖状または分枝鎖状のC1-12アルキルであるか、あるいはアルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、またはC1-6アルキル-C(O) NH-により1回〜多数回置換されていてもよいアルキルである、請求項9に記載の式Iの化合物。
【請求項15】
化合物が下記の化合物である、請求項14に記載の化合物:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-メチル-ブチル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-メチル-ヘキシル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-メトキシ-プロピル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アセチルアミノエチル)-アミド] 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-エチル-ヘキシル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1,5-ジメチル-ヘキシル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-メトキシ-1-メチル-エチル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ペンチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ブチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-エトキシ-プロピル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-sec-ブチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ヘプチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ノニルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-オクチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-メチル-ヘプチル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(イソブチルアミド)、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-プロピルアミド、または
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-メチル-ブチル)-アミド]。
【請求項16】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項17】
このような化合物の例は次の通りである:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(4-ジエチルアミノ-1-メチル-ブチル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジエチルアミノ-プロピル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジブチルアミノ-プロピル) ]-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジメチルアミノ-プロピル) ]-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジイソプロピルアミノエチル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチルプロピル) ]-アミド]、または
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジメチルアミノエチル) ]-アミド]。
【請求項18】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環がオキソで一置換されており、そして前記環がそれ以上の異種原子を含有することができる、請求項9に記載の化合物。
【請求項19】
化合物が下記の化合物である、請求項18に記載の化合物:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-{[3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピル]-アミド}。
【請求項20】
R1が水素またはアルキルであり、そしてR2がシクロアルキルまたはシクロアルキル置換アルキルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項21】
化合物が下記の化合物である、請求項20に記載の化合物:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロヘプチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロオクチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロペンチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロブチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(シクロプロピルメチル-プロピル-アミド)、または
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロプロピルメチル-アミド。
【請求項22】
Arが下記式I-B:
【化4】

〔式中、
R1は水素またはアルキルであり、そして
R2は水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-、または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、ここでR3およびR4は上において定義した通りである〕
で表わされるピリジン-2,5-ジイルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項23】
化合物が下記の化合物である、請求項22に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-(ブチル-メチル-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-ジプロピルアミド、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-(メチル-ペンチル-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-(アリル-メチル-アミド) 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[ビス-(2-メトキシ-エチル)-アミド]、または
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2-ジエチルアミノエチル)-メチル-アミド]。
【請求項24】
R1が水素であり、そしてR2がアルケニルまたはアルキニルである、請求項22に記載の化合物。
【請求項25】
化合物が下記の化合物である、請求項24に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン2-アリルアミド5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]。
【請求項26】
R1が水素であり、そしてR2が非置換の直鎖状または分枝鎖状のC1-12アルキルであるか、あるいはヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、またはC1-6アルキル-C(O) NH-により1回〜多数回置換されているアルキルである、請求項22に記載の化合物。
【請求項27】
化合物が下記の化合物である、請求項26に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-ヘキシルアミド、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2-メトキシ-エチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(3-ブトキシ-プロピル)-アミド]、
{[5-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-2-カルボニル]-アミノ}-酢酸メチルエステル、
3-{[5-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-2-カルボニル]-アミノ}-プロピオン酸tert-ブチルエステル、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-プロピル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-ブチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(1,5-ジメチルヘキシル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(1-メチルヘキシル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アセチルアミノエチル)-アミド] 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]。
【請求項28】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルである、請求項22に記載の化合物。
【請求項29】
化合物が下記の化合物である、請求項28に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-アミド]、または
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(3-ジブチルアミノ-プロピル)-アミド]。
【請求項30】
R1が水素であり、そしてR2がシクロアルキルである、請求項22に記載の化合物。
【請求項31】
化合物が下記の化合物である、請求項30に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-シクロオクチルアミド。
【請求項32】
Arが下記式I-C:
【化5】

〔式中、
R1は水素またはアルキルであり、そして
R2は水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-、または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、ここでR3およびR4は上において定義した通りである〕
で表わされるピリジン-5,2-ジイルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項33】
化合物が下記の化合物である、請求項32に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(ブチル-メチル-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-(アリル-メチル-アミド) 2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(メチル-プロプ-2-イニル-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[ビス-(2-メトキシエチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(メチル-ペンチル-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ジプロピルアミド、または
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジエチルアミノエチル)-メチル-アミド]。
【請求項34】
R1が水素であり、そしてR2がアルケニルまたはアルキニルである、請求項32に記載の化合物。
【請求項35】
化合物が下記の化合物である、請求項34に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-アリルアミド2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]。
【請求項36】
R1が水素であり、そしてR2が非置換アルキルであるか、あるいはヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、またはC1-6アルキル-C(O) NH-により1回〜多数回置換されているアルキルである、請求項32に記載の化合物。
【請求項37】
化合物が下記の化合物である、請求項36に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ヘキシルアミド、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アセチルアミノ-エチル)-アミド] 2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-プロピル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-ブチル)-アミド]、
3-{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-酪酸エチルエステル、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ヒドロキシ-プロピル)-アミド]、
2-{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-3-メチル-酪酸メチルエステル、
3-{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-プロピオン酸エチルエステル、
{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸メチルエステル、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-メトキシ-エチル)-アミド]、
2-{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-4-メチルスルファニル-酪酸メチルエステル、
3-{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-プロピオン酸tert-ブチルエステル、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2,3-ジヒドロキシ-プロピル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ブトキシ-プロピル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-sec-ブチルアミド、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1,5-ジメチルヘキシル)-アミド]、または
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-メチルヘキシル)-アミド]。
【請求項38】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルである、請求項32に記載の化合物。
【請求項39】
化合物が下記の化合物である、請求項38に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(4-ジエチルアミノ-1-メチル-ブチル)-アミド]、または
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジブチルアミノ-プロピル)-アミド]。
【請求項40】
R1が水素またはアルキルであり、そしてR2がシクロアルキルである、請求項32に記載の化合物。
【請求項41】
化合物が下記の化合物である、請求項40に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロオクチルアミド、または
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(シクロプロピルメチル-プロピル-アミド) 。
【請求項42】
Arが下記式I-D:
【化6】

〔式中、
R1は水素またはアルキルであり、そして
R2は水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-、または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、ここでR3およびR4は上において定義した通りである〕
により表わされる1,4-フェニレンである、請求項2に記載の化合物。
【請求項43】
化合物が下記の化合物である、請求項42に記載の化合物:
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-ブチル-N’-メチル-テレフタルアミド。
【請求項44】
R1が水素であり、そしてR2がアルケニルまたはアルキニルである、請求項42に記載の化合物。
【請求項45】
化合物が下記の化合物である、請求項44に記載の化合物:
N-アリル-N’-(2-アミノ-フェニル)-テレフタルアミド。
【請求項46】
R1が水素であり、そしてR2が非置換の直鎖状または分枝鎖状のアルキルであるか、あるいはアルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、またはC1-6アルキル-C(O) NH-により1回〜多数回置換されているアルキルである、請求項42に記載の化合物。
【請求項47】
化合物が下記の化合物である、請求項46に記載の化合物:
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(2-メトキシ-1-メチル-エチル)-テレフタルアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(3-エトキシ-プロピル)-テレフタルアミド、または
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-ブチル-テレフタルアミド。
【請求項48】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルである、請求項42に記載の化合物。
【請求項49】
化合物が下記の化合物である、請求項48に記載の化合物:
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-テレフタルアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(3-ジブチルアミノ-プロピル)-テレフタルアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(4-ジエチルアミノ-1-メチル-ブチル)-テレフタルアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(3-ジエチルアミノ-プロピル)-テレフタルアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(2-ジメチルアミノ-エチル)-テレフタルアミド、または
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-テレフタルアミド。
【請求項50】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環はオキソで一置換されており、そして前記環がそれ以上の異種原子を含有することができる、請求項42に記載の化合物。
【請求項51】
化合物が下記の化合物である、請求項50に記載の化合物:
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-[3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピル]-テレフタルアミド。
【請求項52】
R1が水素、アルキルまたはアルケニルであり、そしてR2がシクロアルキルまたはシクロアルキル置換アルキルである、請求項42に記載の化合物。
【請求項53】
化合物が下記の化合物である、請求項52に記載の化合物:
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-シクロプロピルメチル-テレフタルアミド。
【請求項54】
下記式I-E:
【化7】

〔式中、
Arはチオフェン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、ピリジン-2,6-ジイル、ピリジン-2,4-ジイル、ピリジン-5,2-ジイルまたは1,4-フェニレンであり、そして
R2はヒドロキシル、アルコキシ、C2-12アルケニルオキシまたはフェノキシであり、ただしR2がヒドロキシである場合、Arはチオフェン-2,5-ジイルではない〕
により表わされる請求項1に記載の化合物。
【請求項55】
化合物が下記の化合物である、請求項54に記載の化合物:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(メトキシ-アミド)、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(エトキシ-アミド)、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-(アリルオキシ-アミド) 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(フェノキシ-アミド) 。
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ヒドロキシアミド、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-ヒドロキシアミド、
ピリジン-2,6-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 6-ヒドロキシアミド、または
ピリジン-2,4-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 4-ヒドロキシアミド。
【請求項56】
化合物が下記の化合物である、請求項1または2に記載の化合物:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(tert-ブトキシ-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-(アリル-シクロペンチル-アミド) 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-(シクロプロピルメチル-プロピル-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-sec-ブチルアミド、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ヒドロキシエチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-{[2-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-エチル]-アミド、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-シクロヘキシルメチル-2-ヒドロキシ-エチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(4-ヒドロキシ-ブチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-ヒドロキシメチル-2-メチル-ブチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(4-ヒドロキシ-シクロヘキシル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-({2-[ビス-(2-ヒドロキシ-エチル)-アミノ]-エチル}-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド]または
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジメチルアミノ-エチル)-エチル-アミド]。
【請求項57】
下記工程を含んでなる、請求項1〜56のいずれかに記載の化合物を製造する方法:
(1) 式II
【化8】

(式中Ar、R1およびR2は請求項1において定義した通りであり、そしてR2はR2がヒドロキシである化合物を製造するために保護基を有することができる)
の化合物を、式III
【化9】

(式中Yは水素または適当なアミノ保護基である)
の化合物と反応させ、ここでまず式IIの化合物を活性化剤の存在下に活性化させ、引き続いて式IIIの化合物を添加し、最後に必要に応じて保護基を切り離すか;あるいは
(2) 式IV
【化10】

(式中Arは請求項1において定義した通りであり、そしてYは (1) に記載するような適当な保護基である)
の化合物を、式
HNR1R2
(式中R1およびR2は請求項1において定義した通りであり、そしてR2はまたR2がヒドロキシである化合物を製造するために保護基を有することができる)
の化合物と反応させ、最後に必要に応じて保護基を切り離し、そして
(3) 必要に応じて、適当な酸または塩基の添加により生成物を薬学上許容される塩に変換する。
【請求項58】
請求項1〜56のいずれかに記載の1種または2種以上の化合物と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる薬剤。
【請求項59】
腫瘍の増殖を抑制するための請求項58に記載の薬剤。
【請求項60】
癌を治療するための請求項1〜56のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項61】
腫瘍の増殖を抑制する対応する薬物を製造するための請求項1〜56のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項62】
癌を治療するための請求項58に記載の薬剤。
【請求項63】
有効量の請求項1〜56のいずれかに記載の1種または2種以上の化合物と腫瘍を接触させることによって、腫瘍の増殖を抑制する方法。
【請求項64】
請求項57に記載の方法または同等の方法により製造された請求項1〜56のいずれかに記載の化合物。
【請求項65】
本明細書に記載する本発明。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式I:
【化1】

〔式中、
Arはチオフェン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、ピリジン-5,2-ジイルまたは1,4-フェニレンであり、
R1およびR2は互いに独立して水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C3-12シクロアルキルであり、前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル基はヒドロキシ、ハロゲン、C3-12シクロアルキル、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、
R3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルであるか、あるいは
R3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環はオキソで一置換されており、そして前記環はそれ以上の異種原子を含有することができる〕
により表わされる化合物およびそれらの薬学上許容される塩。
【請求項2】
R1が水素またはアルキルであり、そしてR2が水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-、または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、ここでR3およびR4は請求項1において定義した通りである、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項3】
R1が水素であり、そしてR2がアルケニルまたはアルキニルである、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
R1が水素であり、そしてR2が非置換の直鎖状または分枝鎖状のC1-12アルキルであるか、あるいはアルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、またはC1-6アルキル-C(O) NH-により1回〜多数回置換されているアルキルである、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項5】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルである、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよいアルキルであり、ここでR3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環はオキソで一置換されており、そして前記環がそれ以上の異種原子を含有することができる、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項7】
R1が水素またはアルキルであり、そしてR2がシクロアルキルまたはシクロアルキル置換アルキルである、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項8】
Arが下記式:
【化2】

(式中R1およびR2は請求項1において定義した通りである)
で表わされるチオフェン-2,5-ジイルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R1が水素またはC1-6アルキルであり、そしてR2が水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル基がヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-、または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、ここでR3およびR4は請求項1において定義した通りである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
化合物が下記の化合物である、請求項9に記載の化合物:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(ブチル-メチルアミド)、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ジエチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]5-(メチル-プロプ-2-イニル-アミド)、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-(アリル-メチル-アミド) 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジメチルアミノエチル)-エチル-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ジプロピルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(メチル-ペンチル-アミド)、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジエチルアミノエチル)-メチル-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[ビス-(2-メトキシエチル)-アミド、または
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-アミド5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]。
【請求項11】
R1が水素であり、そしてR2がアルケニルまたはアルキニルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
化合物が下記の化合物である、請求項11に記載の化合物:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-プロプ-2-イニルアミド、または
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-アリルアミド5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]。
【請求項13】
R1が水素であり、そしてR2が非置換の直鎖状または分枝鎖状のC1-12アルキルであるか、あるいはアルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、またはC1-6アルキル-C(O) NH-により1回〜多数回置換されていてもよいアルキルである、請求項8に記載の式Iの化合物。
【請求項14】
化合物が下記の化合物である、請求項13に記載の化合物:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-メチル-ブチル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-メチル-ヘキシル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-メトキシ-プロピル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アセチルアミノエチル)-アミド] 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-エチル-ヘキシル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1,5-ジメチル-ヘキシル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-メトキシ-1-メチル-エチル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ペンチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ブチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-エトキシ-プロピル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-sec-ブチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ヘプチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ノニルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-オクチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-メチル-ヘプチル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(イソブチルアミド)、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-プロピルアミド、または
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-メチル-ブチル)-アミド]。
【請求項15】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項16】
このような化合物の例は次の通りである:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(4-ジエチルアミノ-1-メチル-ブチル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジエチルアミノ-プロピル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジブチルアミノ-プロピル) ]-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジメチルアミノ-プロピル) ]-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジイソプロピルアミノエチル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチルプロピル) ]-アミド]、または
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジメチルアミノエチル) ]-アミド]。
【請求項17】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環がオキソで一置換されており、そして前記環がそれ以上の異種原子を含有することができる、請求項8に記載の化合物。
【請求項18】
化合物が下記の化合物である、請求項17に記載の化合物:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-{[3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピル]-アミド}。
【請求項19】
R1が水素またはアルキルであり、そしてR2がシクロアルキルまたはシクロアルキル置換アルキルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項20】
化合物が下記の化合物である、請求項19に記載の化合物:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロヘプチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロオクチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロペンチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロブチルアミド、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(シクロプロピルメチル-プロピル-アミド)、または
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロプロピルメチル-アミド。
【請求項21】
Arが下記式I-B:
【化3】

〔式中、
R1は水素またはアルキルであり、そして
R2は水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-、または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、ここでR3およびR4は上において定義した通りである〕
で表わされるピリジン-2,5-ジイルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
化合物が下記の化合物である、請求項21に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-(ブチル-メチル-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-ジプロピルアミド、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-(メチル-ペンチル-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-(アリル-メチル-アミド) 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[ビス-(2-メトキシ-エチル)-アミド]、または
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2-ジエチルアミノエチル)-メチル-アミド]。
【請求項23】
R1が水素であり、そしてR2がアルケニルまたはアルキニルである、請求項21に記載の化合物。
【請求項24】
化合物が下記の化合物である、請求項23に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン2-アリルアミド5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]。
【請求項25】
R1が水素であり、そしてR2が非置換の直鎖状または分枝鎖状のC1-12アルキルであるか、あるいはヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、またはC1-6アルキル-C(O) NH-により1回〜多数回置換されているアルキルである、請求項21に記載の化合物。
【請求項26】
化合物が下記の化合物である、請求項25に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-ヘキシルアミド、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2-メトキシ-エチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(3-ブトキシ-プロピル)-アミド]、
{[5-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-2-カルボニル]-アミノ}-酢酸メチルエステル、
3-{[5-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-2-カルボニル]-アミノ}-プロピオン酸tert-ブチルエステル、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-プロピル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-ブチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(1,5-ジメチルヘキシル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(1-メチルヘキシル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アセチルアミノエチル)-アミド] 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]。
【請求項27】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルである、請求項21に記載の化合物。
【請求項28】
化合物が下記の化合物である、請求項27に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-アミド]、または
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(3-ジブチルアミノ-プロピル)-アミド]。
【請求項29】
R1が水素であり、そしてR2がシクロアルキルである、請求項21に記載の化合物。
【請求項30】
化合物が下記の化合物である、請求項29に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-シクロオクチルアミド。
【請求項31】
Arが下記式I-C:
【化4】

〔式中、
R1は水素またはアルキルであり、そして
R2は水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-、または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、ここでR3およびR4は上において定義した通りである〕
で表わされるピリジン-5,2-ジイルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項32】
化合物が下記の化合物である、請求項31に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(ブチル-メチル-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-(アリル-メチル-アミド) 2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(メチル-プロプ-2-イニル-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[ビス-(2-メトキシエチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(メチル-ペンチル-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ジプロピルアミド、または
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジエチルアミノエチル)-メチル-アミド]。
【請求項33】
R1が水素であり、そしてR2がアルケニルまたはアルキニルである、請求項31に記載の化合物。
【請求項34】
化合物が下記の化合物である、請求項33に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-アリルアミド2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]。
【請求項35】
R1が水素であり、そしてR2が非置換アルキルであるか、あるいはヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、またはC1-6アルキル-C(O) NH-により1回〜多数回置換されているアルキルである、請求項31に記載の化合物。
【請求項36】
化合物が下記の化合物である、請求項35に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ヘキシルアミド、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アセチルアミノ-エチル)-アミド] 2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2,2,3,3,3-ペンタフルオロ-プロピル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-ブチル)-アミド]、
3-{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-酪酸エチルエステル、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ヒドロキシ-プロピル)-アミド]、
2-{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-3-メチル-酪酸メチルエステル、
3-{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-プロピオン酸エチルエステル、
{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-酢酸メチルエステル、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-メトキシ-エチル)-アミド]、
2-{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-4-メチルスルファニル-酪酸メチルエステル、
3-{[6-(2-アミノ-フェニルカルバモイル)-ピリジン-3-カルボニル]-アミノ}-プロピオン酸tert-ブチルエステル、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2,3-ジヒドロキシ-プロピル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ブトキシ-プロピル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-sec-ブチルアミド、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1,5-ジメチルヘキシル)-アミド]、または
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-メチルヘキシル)-アミド]。
【請求項37】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルである、請求項31に記載の化合物。
【請求項38】
化合物が下記の化合物である、請求項37に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(4-ジエチルアミノ-1-メチル-ブチル)-アミド]、または
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(3-ジブチルアミノ-プロピル)-アミド]。
【請求項39】
R1が水素またはアルキルであり、そしてR2がシクロアルキルである、請求項31に記載の化合物。
【請求項40】
化合物が下記の化合物である、請求項39に記載の化合物:
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-シクロオクチルアミド、または
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(シクロプロピルメチル-プロピル-アミド) 。
【請求項41】
Arが下記式I-D:
【化5】

〔式中、
R1は水素またはアルキルであり、そして
R2は水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニルであり、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、C1-6アルキル-C(O) NH-、または-NR3R4により1回〜多数回置換されていてもよく、ここでR3およびR4は上において定義した通りである〕
により表わされる1,4-フェニレンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項42】
化合物が下記の化合物である、請求項41に記載の化合物:
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-ブチル-N’-メチル-テレフタルアミド。
【請求項43】
R1が水素であり、そしてR2がアルケニルまたはアルキニルである、請求項41に記載の化合物。
【請求項44】
化合物が下記の化合物である、請求項43に記載の化合物:
N-アリル-N’-(2-アミノ-フェニル)-テレフタルアミド。
【請求項45】
R1が水素であり、そしてR2が非置換の直鎖状または分枝鎖状のアルキルであるか、あるいはアルコキシ、アルキルスルファニル、アシルオキシ、アルコキシカルボニル、アシル、C1-6アルキル-NH-C(O)-、またはC1-6アルキル-C(O) NH-により1回〜多数回置換されているアルキルである、請求項41に記載の化合物。
【請求項46】
化合物が下記の化合物である、請求項45に記載の化合物:
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(2-メトキシ-1-メチル-エチル)-テレフタルアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(3-エトキシ-プロピル)-テレフタルアミド、または
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-ブチル-テレフタルアミド。
【請求項47】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4は互いに独立して水素またはC1-6アルキルである、請求項41に記載の化合物。
【請求項48】
化合物が下記の化合物である、請求項47に記載の化合物:
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(2-ジイソプロピルアミノ-エチル)-テレフタルアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(3-ジブチルアミノ-プロピル)-テレフタルアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(4-ジエチルアミノ-1-メチル-ブチル)-テレフタルアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(3-ジエチルアミノ-プロピル)-テレフタルアミド、
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(2-ジメチルアミノ-エチル)-テレフタルアミド、または
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-(3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチル-プロピル)-テレフタルアミド。
【請求項49】
R1が水素であり、そしてR2が-NR3R4により1回〜多数回置換されているアルキルであり、ここでR3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成し、前記環はオキソで一置換されており、そして前記環がそれ以上の異種原子を含有することができる、請求項41に記載の化合物。
【請求項50】
化合物が下記の化合物である、請求項49に記載の化合物:
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-[3-(2-オキソ-ピロリジン-1-イル)-プロピル]-テレフタルアミド。
【請求項51】
R1が水素、アルキルまたはアルケニルであり、そしてR2がシクロアルキルまたはシクロアルキル置換アルキルである、請求項41に記載の化合物。
【請求項52】
化合物が下記の化合物である、請求項51に記載の化合物:
N-(2-アミノ-フェニル)-N’-シクロプロピルメチル-テレフタルアミド。
【請求項53】
下記式I-E:
【化6】

〔式中、
Arはチオフェン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、ピリジン-2,6-ジイル、ピリジン-2,4-ジイル、ピリジン-5,2-ジイルまたは1,4-フェニレンであり、そして
R2はヒドロキシル、アルコキシ、C2-12アルケニルオキシまたはフェノキシであり、ただしR2がヒドロキシである場合、Arはチオフェン-2,5-ジイルではない〕
により表わされる請求項1に記載の化合物。
【請求項54】
化合物が下記の化合物である、請求項53に記載の化合物:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(メトキシ-アミド)、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(エトキシ-アミド)、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-(アリルオキシ-アミド) 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(フェノキシ-アミド) 。
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-ヒドロキシアミド、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-ヒドロキシアミド、
ピリジン-2,6-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 6-ヒドロキシアミド、または
ピリジン-2,4-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 4-ヒドロキシアミド。
【請求項55】
化合物が下記の化合物である、請求項1に記載の化合物:
チオフェン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-(tert-ブトキシ-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-(アリル-シクロペンチル-アミド) 5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-(シクロプロピルメチル-プロピル-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-sec-ブチルアミド、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ヒドロキシエチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-{[2-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-エチル]-アミド、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-シクロヘキシルメチル-2-ヒドロキシ-エチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(4-ヒドロキシ-ブチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(1-ヒドロキシメチル-2-メチル-ブチル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(4-ヒドロキシ-シクロヘキシル)-アミド]、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-({2-[ビス-(2-ヒドロキシ-エチル)-アミノ]-エチル}-アミド)、
ピリジン-2,5-ジカルボン酸5-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 2-[(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミド]または
ピリジン-2,5-ジカルボン酸2-[(2-アミノ-フェニル)-アミド] 5-[(2-ジメチルアミノ-エチル)-エチル-アミド]。
【請求項56】
下記工程を含んでなる、請求項1〜55のいずれかに記載の化合物を製造する方法:
(1) 式II
【化7】

(式中Ar、R1およびR2は請求項1において定義した通りであり、そしてR2はR2がヒドロキシである化合物を製造するために保護基を有することができる)
の化合物を、式III
【化8】

(式中Yは水素または適当なアミノ保護基である)
の化合物と反応させ、ここでまず式IIの化合物を活性化剤の存在下に活性化させ、引き続いて式IIIの化合物を添加し、最後に必要に応じて保護基を切り離すか;あるいは
(2) 式IV
【化9】

(式中Arは請求項1において定義した通りであり、そしてYは (1) に記載するような適当な保護基である)
の化合物を、式
HNR1R2
(式中R1およびR2は請求項1において定義した通りであり、そしてR2はまたR2がヒドロキシである化合物を製造するために保護基を有することができる)
の化合物と反応させ、最後に必要に応じて保護基を切り離し、そして
(3) 必要に応じて、適当な酸または塩基の添加により生成物を薬学上許容される塩に変換する。
【請求項57】
請求項1〜55のいずれかに記載の1種または2種以上の化合物と、薬学上許容される賦形剤とを含んでなる薬剤。
【請求項58】
腫瘍の増殖を抑制するための請求項57に記載の薬剤。
【請求項59】
癌を治療するための請求項1〜55のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項60】
腫瘍の増殖を抑制する対応する薬物を製造するための請求項1〜55のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項61】
癌を治療するための請求項57に記載の薬剤。
【請求項62】
有効量の請求項1〜55のいずれかに記載の1種または2種以上の化合物と腫瘍を接触させることによって、腫瘍の増殖を抑制する方法。
【請求項63】
請求項56に記載の方法または同等の方法により製造された請求項1〜55のいずれかに記載の化合物。
【請求項64】
本明細書に記載する本発明。

【公表番号】特表2006−516553(P2006−516553A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518418(P2005−518418)
【出願日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【国際出願番号】PCT/EP2004/001044
【国際公開番号】WO2004/069803
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】