説明

新規のビナフタレン誘導体、その製造方法およびそれを用いた有機電子素子

本発明は新規のビナフタレン誘導体、その製造方法およびそれを用いた有機電子素子に関するものである。本発明に係るビナフタレン誘導体は、有機発光素子を初めとする有機電子素子において、正孔注入、正孔輸送、電子注入および輸送、または発光の役割をすることができ、本発明に係る素子は、効率、駆動電圧、安定性の面に優れた特性を示し、特に低電圧および高寿命の効果に優れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のビナフタレン誘導体、その製造方法およびそれを用いた有機電子素子(装置:device)に関するものである。本出願は2005年10月21日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2005−0099873号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
有機電子素子とは正孔および/または電子を用いた電極と有機物との間における電荷交流を必要とする素子を意味する。有機電子素子は動作原理に応じて下記のように大きく2つに分けることができる。第1は、外部の光源から素子に流入された光子によって有機物層からエキシトン(exiton)が形成され、このエキシトンが電子と正孔に分離され、この電子と正孔が各々他の電極に伝達されて電流源(電圧源)として用いられる形態の電気素子である。第2は、2つ以上の電極に電圧または電流を加えて電極と界面をなす有機物半導体に正孔および/または電子を注入し、注入された電子と正孔によって動作する形態の電気素子である。
【0003】
有機電子素子の例としては有機発光素子、有機太陽電池、有機感光体(OPC)ドラム、有機トランジスタなどが挙げられ、これらは皆素子駆動のために正孔の注入または輸送物質、電子の注入または輸送物質、または発光物質を必要とする。以下では主に有機発光素子について具体的に説明するが、前記有機電子素子では正孔の注入または輸送物質、電子の注入または輸送物質、または発光物質が類似する原理によって作用する。
【0004】
一般的に有機発光現象とは有機物質を用いて電気エネルギを光エネルギに転換させる現象をいう。有機発光現象を用いる有機発光素子は通常陽極と陰極およびこの間に有機物層を含む構造を有する。ここで、有機物層は有機発光素子の効率と安全性を高めるためにそれぞれ異なる物質からなる多層構造で構成される場合が多く、例えば正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などからなり得る。このような有機発光素子の構造において、2つの電極の間に電圧をかけると、陽極からは正孔が、陰極からは電子が有機物層に注入されるようになり、注入された正孔と電子が接した時にエキシトン(exciton)が形成され、このエキシトンが再び基底状態に落ちる時に光が発されるようになる。このような有機発光素子は自発光、高輝度、高効率、低駆動電圧、広視野角、高コントラスト、高速応答性などの特性を有するものとして知られている。
【0005】
有機発光素子において、有機物層に用いられる材料は、機能により、発光材料と電荷輸送材料、例えば正孔注入材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、電子注入材料などに分類され得る。また、発光材料は発光色によって青色、緑色、赤色の発光材料と、より良い天然色を具現するために必要な黄色および橙色の発光材料とがある。一方、発光材料として1つの物質だけを用いる場合、分子間の相互作用によって最大発光波長が長波長に移動して色純度が落ちたり発光減衰効果で素子の効率が減少したりする問題が発生するため、色純度の増加とエネルギ転移を通じた発光効率を増加させるために発光材料としてホスト/ドーパント系を用いることができる。
【0006】
有機発光素子が前述したような優れた特徴を十分に発揮するためには、素子内有機物層をなす物質、例えば正孔注入物質、正孔輸送物質、発光物質、電子輸送物質、電子注入物質などが安定で且つ効率的な材料からなることが先行されなければならないが、未だに安定で且つ効率的な有機発光素子用の有機物層材料の開発が十分になされていない現状である。
【0007】
したがって、新たな材料の開発が求め続けられており、このような材料開発の必要性は前述した他の有機電子素子においても同様である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは新規の構造を有するビナフタレン誘導体を合成し、このような化合物が有機発光素子にて電子輸送および電子注入層として作用する時に低電圧および高寿命の効果があることを確認して本発明を完成した。また、このような化合物が有機発光素子にて発光層として用いたときに青色、緑色、赤色の発光に効果があることを確認して本発明を完成するに至った。
【0009】
そこで、本発明は新規のビナフタレン誘導体およびその製造方法を提供しようとするものである。また、本発明は前記ビナフタレン誘導体を用いた有機電子素子を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は下記化学式1で示されるビナフタレン誘導体を提供する。
【化1】

前記化学式1において、
R1およびR2は同時にまたは各々独立して置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたヘテロ芳香族基、置換または非置換されたアリールアミノ基からなる群から選択され、R1およびR2のうちの1つは水素であり得る。
【0011】
前記置換または非置換されたアルケニル基としては、置換または非置換されたC〜C30のアリール基または置換または非置換されたC〜C30のヘテロアリール基で置換または非置換されたアルケニル基が好ましい。
【0012】
前記置換または非置換されたアリール基としては、ハロゲン、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、アルキルボロネート基、C〜C30のアルキル基、C〜C40のアルケニル基、C〜C40のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、C〜C30のヘテロアリール基、およびC〜C30のアリールアミノ基からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC〜C30のアリール基が好ましい。
【0013】
前記置換または非置換されたヘテロ芳香族基としては、ハロゲン、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、アルキルボロネート基、C〜C30のアルキル基、C〜C40のアルケニル基、C〜C40のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、C〜C30のヘテロアリール基、およびC〜C30のアリールアミノ基からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC〜C30のヘテロ芳香族基が好ましい。
【0014】
前記置換または非置換されたアリールアミノ基としては、ハロゲン、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、アルキルボロネート基、C〜C30のアルキル基、C〜C40のアルケニル基、C〜C40のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、C〜C30のヘテロアリール基、およびC〜C30のアリールアミノ基からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC〜C30のアリールアミノ基が好ましく、前記置換または非置換されたアリールアミノ基はカルバゾール基であることが好ましい。
【0015】
また、好ましくは、前記化学式1におけるR1とR2は下記構造式からなる群から選択され得るが、これらだけに限定されるものではない。
【化2】


前記構造式において、X、X、X、およびXは各々独立して同一であるか異なり得、水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換された脂環式基、置換または非置換されたシリコン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換されたアミノ基、ニトリル基、ニトロ基、ハロゲン基、置換または非置換されたアミド基、および置換または非置換されたエステル基からなる群から選択され、ここで、これらは互いに隣接する基と脂肪族、芳香族または複素環を形成することができる。
【0016】
前記アルキル基は炭素数1〜30の立体的妨害を与えないことが好ましい。具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、およびヘプチル基などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0017】
前記アルコキシ基は炭素数1〜30のアルコキシ基を含む。
【0018】
前記アルケニル基はスチルベニル基(stylbenyl)、スチレニル基(styrenyl)などのアリール基が連結されたアルケニル基を含む。
【0019】
前記アリール基は、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基、ピレニル基、およびペリレン基からなる群から選択されたものを含む。
【0020】
前記アリールアミン基は、ジフェニルアミン基、フェニルナフチルアミン基、ジトリルアミン基、フェニルトリルアミン基、カルバゾール、およびトリフェニルアミン基からなる群から選択されたものを含む。
【0021】
前記複素環基は、ピリジル基、ビピリジル基、アクリジル基、チオフェン基、イミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、およびキノリニル基からなる群から選択されたものを含む。
【0022】
前記脂環式基は炭素数3〜30の立体的妨害を与えないシクロアルキル基が好ましく、具体的な例としては、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基がより好ましい。
【0023】
前記ハロゲン基はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を含む。
【0024】
本明細書の置換基に関する説明中「非置換された」とは置換基の位置に水素が結合されていることを意味する。
【0025】
前記化学式1の化合物の具体的な例は下記表1および表2に表したが、本発明の範囲がこれらの例だけに限定されるものではない。表1には、R1が水素原子であり、R2が水素ではない前記定義された置換基である化合物の具体的な例が記載されており、表2には、R1およびR2が水素ではない前記定義された置換基である化合物の具体的な例が記載されている。
【0026】
本発明の製造例および実施例に記載したように、Pd触媒下で表1および表2に記載された化合物の多様な誘導体を合成することができ、製造例に記載したように簡単な中間体を合成することができる。このような方法によって前記化学式1のビナフチル基が分子内に導入された化合物を製造することができる。
【0027】
【表1】








【0028】
【表2】




【0029】
また、本発明は、前記化学式1で示されるビナフタレン誘導体の代表的な製造方法を提供し、反応式1で示される。
【化3】

前記反応式1において、R1およびR2は前記化学式1で定義した通りである。
【0030】
前記反応式1のように、トリエチルアミンやピリジンのような塩基下で、出発物質であるナフトール誘導体化合物(A)にトリフルオロ酢酸無水物(trifluoroacetic anhydride)を反応させて化合物(B)を容易に製造することができる。化合物(C)は、パラジウム[II](palladium)触媒および塩基(例えば、カリウムアセテートなどの無機塩基)の存在下で、化合物(B)とビスピナコラトジボロン((bis(pinacolato)diboron)試薬を反応させて製造することができる。
【0031】
前記化学式1の化合物は、化合物(B)とナフタレンボロンエステル化合物またはナフタレンボロン酸化合物を、パラジウム[II](palladium)触媒および塩基(例えば、カリウムカーボネートなどの無機塩基)の存在下で、鈴木カップリング反応させて製造することができる。
【0032】
また、前記化学式1の化合物は、ナフチルボロンエステル化合物(C)とブロモナフタレン誘導体またはトリフルオロアセトキシナフタレン誘導体と、パラジウム[II](palladium)触媒および塩基(例えば、カリウムカーボネートなどの無機塩基)の存在下で、鈴木カップリング反応させて製造することができる。
【0033】
また、本発明は、前記化学式1のビナフタレン誘導体を用いた有機電子素子を提供する。
【0034】
本発明の有機電子素子は、前述した化合物を用いて一層以上の有機物層を形成することを除いては、通常の有機電子素子の製造方法および材料によって製造され得る。
【0035】
以下では有機発光素子について例示する。
【0036】
前記化学式1の化合物は構造的特異性により、有機発光素子において有機物層として用いることができる。
【0037】
本発明の一実施状態において、有機発光素子は第1電極と第2電極およびこの間に配置された有機物層を含む構造からなり得、前述した本発明に係る化合物を有機発光素子の有機物層のうちの1層以上に用いることを除いては、通常の有機発光素子の製造方法および材料を用いて製造することができる。本発明の有機発光素子のうちの有機物層は1層からなる単層構造であり得るが、発光層を含む2層以上の多層構造であり得る。本発明の有機発光素子のうちの有機物層が多層構造である場合、これは、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層などが積層された構造であり得る。しかし、有機発光素子の構造は、これに限定されず、さらに少ない数の有機物層を含むことができる。このような多層構造の有機物層において、前記化学式1の化合物は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔注入/正孔輸送と発光を同時に行う層、正孔輸送と発光を同時に行う層、または電子輸送と発光を同時に行う層、電子輸送層、電子注入および輸送層などに含まれ得る。
【0038】
例えば、本発明の有機発光素子の構造は図1〜図4に示すような構造を有することができるが、これらだけに限定されるものではない。
【0039】
図1には、基板101上に陽極102、発光層105、および陰極107が順次積層された有機発光素子の構造が例示されている。このような構造において、前記化学式1の化合物は前記発光層105に含まれ得る。
【0040】
図2には、基板101の上に陽極102、正孔注入/正孔輸送および発光層105、電子輸送層106、および陰極107が順次積層された有機発光素子の構造が例示されている。このような構造において、前記化学式1の化合物は正孔注入/正孔輸送および発光層105または電子輸送層106に含まれ得る。
【0041】
図3には、基板101、陽極102、正孔注入層103、正孔輸送および発光層105、電子輸送層106、および陰極107が順次積層された有機発光素子の構造が例示されている。このような構造において、前記化学式1の化合物は正孔注入層103、正孔輸送および発光層105または電子輸送層106に含まれ得る。
【0042】
図4には、基板101、陽極102、正孔注入層103、正孔輸送層104、電子輸送および発光層105、および陰極107が順次積層された有機発光素子の構造が例示されている。このような構造において、前記化学式1の化合物は正孔注入層103、正孔輸送層104または電子輸送および発光層105に含まれ得る。
【0043】
例えば、本発明に係る有機発光素子は、スパッタリング(sputtering)や電子ビーム蒸発(e−beam evaporation)のようなPVD(physical vapor deposition)方法を用いて、基板上に金属または伝導性を有する金属酸化物またはこれらの合金を蒸着させて陽極を形成し、その上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、および電子輸送層を含む有機物層を形成した後、その上に陰極として使用できる物質を蒸着させることによって製造することができる。このような方法の他にも、基板上に陰極物質から有機物層、陽極物質を順に蒸着させて有機発光素子を作ることもできる。
【0044】
前記有機物層は正孔注入層、正孔輸送層、発光層、および電子輸送層などを含む多層構造であり得るが、これに限定されず、単層構造であり得る。また、前記有機物層は多様な高分子素材を用いて蒸着法ではない溶媒工程(solvent process)、例えばスピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレード、スクリーン印刷、インクジェット印刷または熱転写法などの方法によってさらに少ない数の層に製造することができる。
【0045】
前記陽極物質としては通常有機物層に正孔注入が円滑になるように仕事関数の大きい物質が好ましい。本発明に用いられ得る陽極物質の具体的な例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSnO:Sbのような金属と酸化物の組み合わせ;ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ[3,4−(エチレン−1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDT)、ポリピロール、およびポリアニリンのような伝導性高分子などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0046】
前記陰極物質としては通常有機物層に電子注入が容易になるように仕事関数の小さい物質であることが好ましい。陰極物質の具体的な例としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ、および鉛のような金属またはこれらの合金;LiF/AlまたはLiO/Alのような多層構造物質などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0047】
正孔注入物質としては、低い電圧で陽極から正孔がよく注入される物質であって、正孔注入物質のHOMO(highest occupied molecular orbital)が陽極物質の仕事関数と周辺有機物層のHOMOとの間であることが好ましい。正孔注入物質の具体的な例としては、金属ポルフィリン(porphyrine)、オリゴチオフェン、アリールアミン系の有機物、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン系の有機物、キナクリドン(quinacridone)系の有機物、ペリレン(perylene)系の有機物、アントラキノンおよびポリアニリンとポリチオフェン系の伝導性高分子などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0048】
正孔輸送物質としては、陽極や正孔注入層からの正孔輸送を受けて発光層に移せる物質であって、正孔に対する移動性の大きい物質が適している。具体的な例としては、アリールアミン系の有機物、伝導性高分子、および共役部分と非共役部分が共にあるブロック共重合体などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0049】
発光物質としては、正孔輸送層と電子輸送層から正孔と電子の輸送を各々受けて結合させることによって可視光線領域の光を発する物質であって、蛍光や燐光に対する量子効率の良い物質が好ましい。具体的な例としては、8−ヒドロキシ−キノリンアルミニウム錯体(Alq);カルバゾール系化合物;二量体化スチリル(dimerized styryl)化合物;BAlq;10−ヒドロキシベンゾキノリン−金属化合物;ベンゾオキサゾール、ベンズチアゾール、およびベンズイミダゾール系の化合物;ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)系の高分子;スピロ(spiro)化合物;ポリフルオレン、ルブレンなどがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0050】
電子輸送物質としては、陰極からよく電子の注入を受けて発光層に移せる物質であって、電子に対する移動性の大きい物質が適している。具体的な例としては、8−ヒドロキシキノリンのAl錯体;Alqを含む錯体;有機ラジカル化合物;ヒドロキシフラボン−金属錯体などがあるが、これらだけに限定されるものではない。
【0051】
本発明に係る有機発光素子は用いられる材料に応じて前面発光型、後面発光型または両面発光型であり得る。
【0052】
本発明に係る化合物は、有機太陽電池、有機感光体、有機トランジスタなどを初めとする有機電子素子においても有機発光素子に適用されるのと類似する原理で作用することができる。
【発明の効果】
【0053】
本発明に係るビナフタレン誘導体は、有機発光素子を初めとする有機電子素子において、正孔注入、正孔輸送、電子注入および輸送、または発光物質の役割をすることができ、本発明に係る素子は効率、駆動電圧、安定性の面に優れた特性を示し、特に低電圧および高寿命の効果に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかし、下記実施例は本発明をより容易に理解するために提供されるだけのものであって、これらによって本発明の内容が限定されるものではない。
【0055】
製造例I−1:化合物A−1の製造
【化4】

ナフチル−2−ボロン酸(17.2g、100mmol)、6−ブロモ−2−ナフトール(22.3g、100mmol)、および炭酸ナトリウム(27.6g、200mmol)をテトラヒドロフラン(500mL)、および水(100mL)の混合物内で懸濁させた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[II](4.6g、4mmol)を前記懸濁液に加えた。混合物を還流で約24時間撹拌した後に室温に冷却した。有機層を分離し、水層をテトラヒドロフランで抽出した。結合された有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空濃縮した。THF/EtOHで精製して化合物A−1を製造した。(23.5g、収率87%):
MS[M+H]=271
【0056】
製造例I−2:化合物A−2の製造
【化5】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに前記反応式のブロモスピロ化合物(26.5g、67mmol)を、ナフチル2−ボロン酸の代わりに6−ヒドロキシナフチル−2−ボロネート(18.0g、67mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物A−2を製造した。(27.5g、収率90%):
MS[M+H]=459
【0057】
製造例I−3:化合物A−3の製造
【化6】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに9−ブロモ−10−ナフチルアントラセン化合物(19.1g、50mmol)を、ナフチル−2−ボロン酸の代わりに6−ヒドロキシナフチル−2−ボロネート(13.5g、50mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物A−3を製造した。(20.5g、収率92%):
MS[M+H]=447
【0058】
製造例I−4:化合物A−4の製造
【化7】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、6−ブロモ−2−ナフトール(4.5g、20mmol)を用い、ナフチル−2−ボロン酸の代わりに9,10−ジナフチルアントラセニル−2−ボロネート化合物(11.1g、20mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物A−4を製造した。(10g、収率87%):
MS[M+H]=573
【0059】
製造例I−5:化合物A−5の製造
【化8】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに1−ブロモピレン化合物(10g、35.6mmol)を、ナフチル−2−ボロン酸の代わりに6−ヒドロキシナフチル−2−ボロネート(9.6g、35.6mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物A−5を製造した。(9.3g、収率76%):
MS[M+H]=345
【0060】
製造例I−6:化合物A−6の製造
【化9】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに前記反応式の化合物A−6−1(10.5g、20mmol)を、ナフチル−2−ボロン酸の代わりに6−ヒドロキシナフチル−2−ボロネート(5.4g、20mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物A−6を製造した。(8.0g、収率68%):
MS[M+H]=589
【0061】
製造例I−7:化合物A−7の製造
【化10】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、6−ブロモ−2−ナフトール(11.2g、50mmol)を用い、ナフチル−2−ボロン酸の代わりに6−ヒドロキシナフチル−2−ボロネート(13.5g、50mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物A−7を製造した。(11.2g、収率78%):
MS[M+H]=287
【0062】
製造例II−1:化合物B−1の製造
【化11】

前記製造例I−1で製造した化合物A−1(23.5g、87mmol)にCHCl 100mLを入れて撹拌させながら、トリエチルアミン(13.3g、130.5mmol)、トリフルオロ酢酸無水物(25.8g、130.5mmol)を徐々に滴加した。混合物を常温で2時間攪拌し、水とCHClを加えて有機層を分離し、有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空濃縮した。CHCl/EtOHで精製して化合物B−1を製造した(28.7g、収率90%):
MS[M+H]=403
【0063】
製造例II−2:化合物B−2の製造
【化12】

前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法において、化合物A−1の代わりに前記製造例I−2で製造した化合物A−2(27.5g、60mmol)を用いたことを除いては、前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物B−2を製造した(29.6g、収率89%):
MS[M+H]=555
【0064】
製造例II−3:化合物B−3の製造
【化13】

前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法において、化合物A−1の代わりに前記製造例I−3で製造した化合物A−3(20.5g、45.9mmol)を用いたことを除いては、前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物B−3を製造した(19.7g、収率79%):
MS[M+H]=543
【0065】
製造例II−4:化合物B−4の製造
【化14】

前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法において、化合物A−1の代わりに前記製造例I−4で製造した化合物A−4(10g、17.5mmol)を用いたことを除いては、前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物B−4を製造した(7.83g、収率67%):
MS[M+H]=669
【0066】
製造例II−5:化合物B−5の製造
【化15】

前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法において、化合物A−1の代わりに前記製造例I−5で製造した化合物A−5(12g、34.8mmol)を用いたことを除いては、前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物B−5を製造した(12.1g、収率79%):
MS[M+H]=441
【0067】
製造例II−6:化合物B−6の製造
【化16】

前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法において、化合物A−1の代わりに前記製造例I−6で製造した化合物A−6(12g、20.4mmol)を用いたことを除いては、前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物B−6を製造した(7.5g、収率54%):
MS[M+H]=685
【0068】
製造例II−7:化合物B−7の製造
【化17】

前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法において、化合物A−1の代わりに前記製造例I−7で製造した化合物A−7(10g、35mmol)、トリエチルアミン(8.6g、84mmol)、トリフルオロ酢酸無水物(4.5g、84mmol)を用いたことを除いては、前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物B−7を製造した(2.2g、収率45%):
MS[M+H]=479
【0069】
製造例II−8:化合物B−8の製造
【化18】

ジフェニルエチレン(7.8g、43.3mmol)とCCl 100mL溶液を−15℃に維持した後、臭素(Br、2.45mL、47.6mmol)をゆっくり加えた。よく乾燥されたシリカゲル10gを反応物に添加した後、80℃で1時間撹拌させた。反応物の温度を常温に冷ました後、カラムクロマトグラフィーで精製して、ブロモ基が導入された化合物B−8(10.7g、収率95%)を製造した。
MS[M]=259
【0070】
製造例II−9:化合物B−9の製造
【化19】

6−ブロモ−2−ナフトエ酸(5.0g、20mmol)にチオニルクロライド(SOCl)20mL、ジメチルホルムアルデヒド(DMF、1mL)を入れて4時間加熱攪拌した。過量のチオニルクロライド(SOCl)を真空蒸留で除去した後、反応混合物にN−メチルピロリジン(NMP)20mLおよびN−フェニル−1,2−ジアミノベンゼン(3.7g、20mmol)を入れて160℃で12時間攪拌した。常温に冷ました後、過量の水を加えて固体を形成させた。濾過して水およびエタノールで順次洗浄した後に乾燥させて、化合物B−9(6.2g、収率78%)を製造した。
MS[M]=399
【0071】
製造例II−10:化合物B−10の製造
【化20】

ブロモベンゼン(4.24g、27mmol)を無水テトラヒドロフラン100mLで薄めた後、−78℃に維持した。前記混合物にノルマルブチルリチウム(2.5M in Hex、13.0mL、32.4mmol)を滴加した後、40分間攪拌した。2,7−ジブロモフルオレン(7.6g、22.5mmol)を添加した。反応溶液を4時間−78℃で攪拌した。常温に反応温度を上げた後、反応溶液に2N HCl水溶液を添加して6時間攪拌した。エチルエーテルで層を分離して無水マグネシウムで乾燥させた。分離した有機溶媒層を真空減圧した後、カラム精製(SiO、EtOAc/Hexane=1/10)方法を用いて前記化学式B−10−1の化合物(6.6g、収率70%)を製造した。
MS:[M−HO]=398
前記化学式B−10−1の化合物(6.6g、15.9mmol)とベンゼン(100mL)を混ぜ、CFSOH(1.6mL、18.4mmol)を添加して、80℃で6時間還流(reflux)した。Ice−bathを用いて0℃に冷却した後、反応溶液に飽和NaHCO水溶液を添加した。水とエチルアセテートで層を分離した後、有機層を分離して無水マグネシウムで乾燥させた。次に、前記有機層を真空減圧した後、THF/Hexaneで再結晶して化合物B−10(7.0g、収率93%)の化合物を製造した。
MS:[M]=476
【0072】
製造例II−11:化合物B−11の製造
【化21】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造例において、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに前記製造例II−10で製造した化合物B−10(9.5g、20mmol)を用い、ナフチル2−ボロン酸化合物(3.4g、20mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物B−11−1を製造した(4.5g、収率43%):
MS[M]=523
【化22】

6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに前記化合物B−11−1(4.5g、8.6mmol)を、ナフチル2−ボロン酸の代わりに6−ヒドロキシナフチル−2−ボロネート(2.3g、8.6mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物B−11−2を製造した(4.84g、収率96%):
MS[M+H]=587
【化23】

前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法において、化合物A−1の代わりに前記化合物B−11−2(4.8g、8.2mmol)を用いたことを除いては、前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物B−11を製造した(4.3g、収率76%):
MS[M+H]=683
【0073】
製造例II−12:化合物B−12の製造
【化24】

6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに6−ブロモ−2−ナフトアルデヒド(5.1g、21.5mmol)を、ナフチル2−ボロン酸の代わりに6−ヒドロキシナフチル−2−ボロネート(5.8g、21.5mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物B−12−1を製造した(5.3g、収率82%):
MS[M+H]=299
【化25】

前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法において、化合物A−1の代わりに前記化合物B−12−1(5.3g、17.8mmol)を用いたことを除いては、前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物B−12を製造した(3.9g、収率56%):
MS[M+H]=395
【0074】
製造例II−13:化合物B−13の製造
【化26】

前記製造例II−12の化合物B−12−1(6.0g、20mmol)にN−フェニル−1,2−ジアミノベンゼン(3.7g、20mmol)、トルエン30mL、および酢酸10mLを入れて150℃で12時間攪拌した。常温に冷ました後、過量の水を加えて固体を形成させた。濾過して水およびエタノールで順次洗浄した後に乾燥させて、化合物B−13−1(7.2g、収率78%)を製造した。
MS[M+H]=463
【化27】

前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法において、化合物A−1の代わりに前記化合物B−13−1(6.2g、13.4mmol)を用いたことを除いては、前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物B−13を製造した(5.8g、収率77%):
MS[M+H]=559
【0075】
製造例II−14:化合物B−14の製造
【化28】

5,5’−ジブロモ−2,2’−ジチオフェン(5.00g、15.4mmol)、フェニルボロン酸(2.07g、17.0mmol)、および炭酸ナトリウム(4.90g、46.3mmol)をトルエン(30mL)と水(15mL)の混合物内で懸濁させた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.50g、0.46mmol)を前記懸濁液に加えた。結果混合物を還流で約24時間攪拌した。還流された混合物を室温に冷却してクロロホルムで抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空内で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン)によって精製してフェニルチオフェン化合物B−14−1(2.80g、収率75%)を製造した。
MS[M+H]=243
【化29】

クロロホルム(40mL)と酢酸(40mL)の混合物に前記で製造した化合物B−14−1(2.80g、11.6mmol)を溶解させた溶液に、N−ブロモスクシンイミド(5.60g、2.1mmol)を0℃で加えた。前記混合物を60℃に加熱して同一温度で約1時間攪拌した。次に、前記混合物を室温に冷却して約24時間攪拌した。その後、前記混合物を水酸化カリウム水溶液に加えてクロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空内で濃縮させた。エタノールから再結晶化し精製して化合物B−14(1.83g、収率49%)を得た:
MS[M]=321
【0076】
製造例III−1:化合物C−1の製造
【化30】

前記製造例II−1で製造した化合物B−1(28.7g、78mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(23.4g、92mmol)、および酢酸カリウム(23g、234mmol)をジオキサン(400mL)に懸濁させた。前記懸濁液にパラジウム(ジフェニルホスフィノフェロセン)クロライド(1.7g、2.34mmol)を加えた。混合物を約6時間120℃で攪拌し、室温に冷却した。前記混合物を水(50mL)で薄めてジクロロメタン(3x50mL)で抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空内で濃縮した。生成物をエタノールで洗浄し、真空内で乾燥して化合物C−1を製造した(27.3g、収率92%):
MS[M+H]=381
【0077】
製造例III−2:化合物C−2の製造
【化31】

前記製造例III−1の化合物C−1の製造方法において、化合物B−1の代わりに前記製造例II−2で製造した化合物B−2(12g、21.6mmol)を用いたことを除いては、前記製造例III−1の化合物C−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物C−2を製造した(11.3g、収率92%):
MS[M+H]=569
【0078】
製造例III−3:化合物C−3の製造
【化32】

前記製造例III−1の化合物C−1の製造方法において、化合物B−1の代わりに前記製造例II−3で製造した化合物B−3(10g、18.4mmol)を用いたことを除いては、前記製造例III−1の化合物C−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物C−3を製造した(6.86g、収率67%):
MS[M+H]=557
【0079】
製造例III−4:化合物C−4の製造
【化33】

前記製造例III−1の化合物C−1の製造例において、化合物B−1の代わりに前記製造例II−4で製造した化合物B−4(5g、7.5mmol)を用いたことを除いては、前記製造例III−1の化合物C−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物C−4を製造した(4.5g、収率87%):
MS[M+H]=683
【0080】
製造例III−5:化合物C−5の製造
【化34】

前記製造例III−1の化合物C−1の製造例において、化合物B−1の代わりに前記製造例II−5で製造した化合物B−5(20g、45.4mmol)を用いたことを除いては、前記製造例III−1の化合物C−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物C−5を製造した(11.6g、収率56%):
MS[M+H]=455
【0081】
製造例III−6:化合物C−6の製造
【化35】

前記製造例III−1の化合物C−1の製造例において、化合物B−1の代わりに前記製造例II−6で製造した化合物B−6(20.5g、30mmol)を用いたことを除いては、前記製造例III−1の化合物C−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物C−6を製造した(15.1g、収率72%):
MS[M+H]=699
【0082】
製造例III−7:化合物C−7の製造
【化36】

前記製造例III−1の化合物C−1の製造例において、化合物B−1の代わりに前記製造例II−11で製造した化合物B−11(31g、45.4mmol)を用いたことを除いては、前記製造例III−1の化合物C−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物C−7を製造した(28.8g、収率91%):
MS[M]=697
【0083】
製造例III−8:化合物C−8の製造
【化37】

6−ブロモ−2−ナフトアルデヒド(4.7g、20mmol)をトルエン100mL、エチレングリコール20mL、およびパラ−トルエンスルホン酸[(p−toluene sulfonic acid)0.2g、1.2mmol]と混合した後、48時間加熱攪拌した。反応混合物を常温に冷ました後、真空減圧下でトルエン溶媒を蒸留した。エタノールと少量の水を加えて形成された固体を濾過乾燥してC−8−1化合物を製造した。(5.14g、収率92%):
MS[M]=279
前記で製造した化合物C−8−1である2−(6−ブロモナフタレン)−1,3−ジオキソラン(5g、17.9mmol)を乾燥THF(60mL)を加えて溶かした後、窒素の雰囲気下、−78℃でn−BuLi(26.9mmol、2.5Mヘキサン溶液内10.7mL)を滴加した。混合物を約1時間攪拌した後、トリメチルボレート(6.2mL、53.7mmol)を−78℃で滴加した。約30分後、冷却容器を除去し、混合物を室温で約3時間攪拌した。前記混合物に1N HCl(80mL)を加えてエチルアセテートで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空濃縮させた。粗生成物を石油エーテル内でスラリー化して吸引濾過し、乾燥して、2−(6−ホルミルナフタレン)ボロン酸化合物C−8を製造した(2.07g、収率57.8%)
【0084】
製造例III−9:化合物C−9の製造
【化38】

前記製造例III−8の化合物C−8の製造方法において、化合物C−8−1の代わりに前記製造例II−8で製造した化合物B−8(10.7g、41.3mmol)を用いたことを除いては、前記製造例III−8の化合物C−8の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物C−9を製造した(4.44g、収率48%):
【0085】
製造例III−10:化合物C−10の製造
【化39】

前記製造例III−8の化合物C−8の製造方法において、化合物C−8−1の代わりに前記製造例II−14で製造した化合物B−14(18.3g、56.8mmol)を用いたことを除いては、前記製造例III−8の化合物C−8の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物C−10を製造した(7.1g、収率48.8%)。
【0086】
製造例III−11:化合物C−11の製造
【化40】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、6−ブロモ−2−ナフトール(4.4g、20mmol)を用い、ナフチル−2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−1の化合物C−1(7.6g、20mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物C−11−1を製造した。(6.1g、収率77%):
MS[M+H]=397
【化41】

前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法において、化合物A−1の代わりに前記化合物C−11−1(6.1g、15.4mmol)を用いたことを除いては、前記製造例II−1の化合物B−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物C−11−2を製造した(6.9g、収率91%):
MS[M+H]=699
【化42】

前記製造例III−1の化合物C−1の製造例において、化合物B−1の代わりに前記化合物C−11−2(6.0g、12.2mmol)を用いたことを除いては、前記製造例III−1の化合物C−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物C−11を製造した(3.5g、収率56%):
MS[M+H]=507
【0087】
実施例1−1:化合物1−17の製造
【化43】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−1の化合物C−1(1.9g、5mmol)を、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに前記製造例II−3の化合物B−2(2.8g、5mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物1−17を製造した。(3.0g、収率86%):
MS[M+H]=695
【0088】
実施例1−2:化合物2−41の製造
【化44】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−2の化合物C−2(2.8g、5mmol)を、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに化合物B−9(2.0g、5mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物2−41を製造した。(2.9g、収率77%):
MS[M+H]=761
化合物2−41の合成資料は図5に示す。
【0089】
実施例1−3:化合物2−43の製造
【化45】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−2の化合物C−2(2.8g、5mmol)を、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに製造例II−6のB−6(3.4g、5mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物2−43を製造した。(3.4g、収率67%):
MS[M+H]=1013
【0090】
実施例1−4:化合物1−157の製造
【化46】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−1の化合物C−1(3.8g、10mmol)と6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに製造例II−9の化合物B−9(4.0g、10mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物1−157を製造した。(4.0g、収率70%):
MS[M+H]=573
化合物1−157の合成資料は図6に示す。
【0091】
実施例1−5:化合物1−173の製造
【化47】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−11の化合物C−11(5.1g、10mmol)と6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに製造例II−9の化合物B−9(4.0g、10mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物1−173を製造した。(3.4g、収率49%):
MS[M+H]=699
化合物1−173の合成資料は図7に示す。
【0092】
実施例1−6:化合物1−166の製造
【化48】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸(1.7g、10mmol)を用い、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに製造例II−6のB−6(6.5g、9.5mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物1−166を製造した。(6.0g、収率90%):
MS[M+H]=699
化合物1−166の合成資料は図8に示す。
【0093】
実施例1−7:化合物2−44の製造
【化49】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−5の化合物C−5(4.5g、10mmol)を、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに製造例II−9の化合物B−9(4.0g、10mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物2−44を製造した。(3.6g、収率56%):
MS[M+H]=647
化合物2−44の合成資料は図9に示す。
【0094】
実施例1−8:化合物1−70の製造
【化50】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−1の化合物C−1(3.8g、10mmol)を、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに前記反応式の化合物1−70−2(4.9g、10mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物1−70を製造した。(4.6g、収率72%):
MS[M+H]=633
化合物1−70の合成資料は図10に示す。
【0095】
実施例1−9:化合物1−71の製造
【化51】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−1の化合物C−1(3.8g、10mmol)を、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに前記反応式の化合物1−71−2(4.9g、10mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物1−71を製造した。(4.2g、収率66%):
MS[M+H]=633
化合物1−71の合成資料は図11に示す。
【0096】
実施例1−10:化合物1−72の製造
【化52】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−1の化合物C−1(3.8g、10mmol)を、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに前記製造例II−3の化合物B−3(5.4g、10mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物1−72を製造した。(5.0g、収率73%):
MS[M+H]=683
化合物1−72の合成資料は図12に示す。
【0097】
実施例1−11:化合物1−201の製造
【化53】

前記製造例III−11で製造した化合物C−11−2(2.5g、5.1mmol)にキシレン80mLを加え、N−フェニル−3−ペリレノアミン(1.7g、5.0mmol)、Na(OBu)(0.97g、10mmol)、Pd(OAc)[0.01g、0.048mmol]、P(t−Bu)(0.01g、0.072mmol)を加えて140℃で3時間加熱攪拌した。反応温度を常温に下げた後、エタノールを加えて沈殿物を形成させた。生成された固体を濾過した後に乾燥させ、過量のTHFに溶かした後、シリカゲル層を通過させて精製した。THFを真空減圧下で除去した後、エチルアセテートとエタノールで精製して化合物1−201(2.3g、収率64%)を製造した。
MS[M+H]=722
【0098】
実施例2−1:化合物1−18の製造
【化54】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−1の化合物C−1(3.8g、10mmol)を、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに前記製造例II−10の化合物B−10(2.1g、4.4mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物1−18を製造した。(3.5g、収率97%):
MS[M+H]=823
化合物1−18の合成資料は図13に示す。
【0099】
実施例2−2:化合物2−45の製造
【化55】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−7の化合物C−7(3.5g、5mmol)を、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに前記製造例II−9の化合物B−9(1.9g、5mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物2−45を製造した。(2.5g、収率56%):
MS[M+H]=889
【0100】
実施例2−3:化合物2−47の製造
【化56】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−3の化合物C−3(5.6g、10mmol)を、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに前記反応式の化合物2−47−2(3.2g、10mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物2−47を製造した。(3.5g、収率56%):
MS[M+H]=633
【0101】
実施例2−4:化合物2−8の製造
【化57】

前記製造例III−1の化合物C−1(5g、12.6mmol)、Pd(OAc)[0.14g、0.63mmol]、n−BuNBr(2.03g、6.3mmol)、KCO(1.74g、12.6mmol)、ジメチルホルムアルデヒド(DMF、40mL)、および蒸溜水(HO、10mL)を混ぜて12時間加熱攪拌した。常温に反応温度を下げた後、カラムクロマトグラフィー(THF/n−Hex=1/4)で分離して化合物2−8(0.6g、収率7.4%)を製造した。
MS[M+H]=639
Tm;306.5度
Tg;130.9度
化合物2−8の合成資料は図14に示す。
【0102】
実施例2−5:化合物2−50の製造
【化58】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−4の化合物C−4(3.4g、5mmol)を、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに前記製造例II−9の化合物B−9(1.9g、5mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物2−50を製造した。(2.5g、収率56%):
MS[M+H]=875
【0103】
実施例2−6:化合物2−51の製造
【化59】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−4の化合物C−4(3.4g、5mmol)を、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに前記反応式の化合物2−51−2(2.0g、5mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物2−51を製造した。(2.8g、収率67%):
MS[M+H]=848
【0104】
実施例2−7:化合物2−9の製造
【化60】

前記製造例II−7で製造した化合物B−7(1.2g、2.5mmol)と9,10−ジナフチルアントラセニル−2−ボロネート化合物(4.1g、7.4mmol)、および炭酸ナトリウム(1.34g、9.72mmol)をテトラヒドロフラン(60mL)、および水(10mL)の混合物内で懸濁させた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.06g、0.05mmol)を前記懸濁液に加えた。混合物を還流で約24時間撹拌した後、室温に冷却した。有機層を分離し、水層をテトラヒドロフランで抽出した。結合された有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空濃縮した。THF/EtOHで精製して化合物2−9を製造した(1.81g、収率65%):
MS[M+H]=1111
【0105】
実施例2−8:化合物2−12の製造
【化61】

前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法において、ナフチル2−ボロン酸の代わりに前記製造例III−3の化合物C−3(5.6g、10mmol)を、6−ブロモ−2−ナフトールの代わりに前記製造例II−3の化合物B−3(5.4g、10mmol)を用いたことを除いては、前記製造例I−1の化合物A−1の製造方法と同一の製造方法によって反応させて化合物2−12を製造した。(4.6g、収率54%):
MS[M+H]=859
【0106】
実施例2−9:化合物2−38の製造
【化62】

前記製造例II−7で製造した化合物B−7(1.1g、2.30mmol)、前記製造例III−10で製造した化合物C−10(1.86g、7.29mmol)、および炭酸ナトリウム(1.34g、9.72mmol)をテトラヒドロフラン(60mL)、および水(10mL)の混合物内で懸濁させた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.06g、0.05mmol)を前記懸濁液に加えた。混合物を還流で約24時間撹拌した後、室温に冷却した。有機層を分離し、水層をテトラヒドロフランで抽出した。結合された有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空濃縮した。THF/EtOHで精製して化合物2−38を製造した。(0.78g、収率44%)
MS[M+H]=735
【0107】
実施例2−10:化合物2−49の製造
【化63】

前記製造例II−7で製造した化合物B−7(1.16g、2.43mmol)、前記製造例III−9で製造した化合物C−9(1.3g、5.83mmol)、および炭酸ナトリウム(1.34g、9.72mmol)をテトラヒドロフラン(60mL)、および水(10mL)の混合物内で懸濁させた。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.06g、0.05mmol)を前記懸濁液に加えた。混合物を還流で約24時間撹拌した後、室温に冷却した。有機層を分離し、水層をテトラヒドロフランで抽出した。結合された有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥して真空濃縮した。THF/EtOHで精製して化合物2−49を製造した(0.9g、収率61%):
MS[M+H]=611
【0108】
実施例2−11:化合物2−53の製造
【化64】

前記製造例II−1で製造したB−1化合物(3.7g、10mmol)にキシレン100mLを加え、N−フェニルベンジジン(1.4g、4.2mmol)、Na(OBu)(0.97g、10mmol)、Pd(OAc)[0.02g、0.096mmol]、P(t−Bu)(0.02g、0.144mmol)を加えて140℃で3時間加熱攪拌した。反応温度を常温に下げた後、エタノールを加えて沈殿物を形成させた。生成された固体を濾過した後に乾燥させ、過量のTHFに溶かした後、シリカゲル層を通過させて精製した。THFを真空減圧下で除去した後、エチルアセテートとエタノールで精製して化合物2−53(5.2g、収率62%)を製造した。
MS[M+H]=841
前記製造例に記載したように、色々な中間体を合成することができ、前記実施例に記載したように、上記のように合成された中間体の多様な組み合わせを通じて、Pd触媒下で、表1および表2に記載された多様な誘導体を製造することができる。
【0109】
実験例1:
ITO(indium tin oxde)が1500Å厚さで薄膜コーティングされたガラス基板を洗剤を溶かした蒸溜水に入れて超音波で洗浄した。この時、洗剤としてはフィッシャー(Fischer Co.)社の製品を用い、蒸溜水としてはミリポア(Millipore Co.)社製のフィルタで2次濾過した蒸留水を用いた。ITOを30分間洗浄した後、蒸溜水で2回繰り返して超音波洗浄を10分間進行した。蒸溜水の洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールの溶剤で超音波洗浄を行って乾燥させた後、プラズマ洗浄機に輸送させた。酸素プラズマを用いて前記基板を5分間洗浄した後、真空蒸着機に基板を輸送させた。
【0110】
このように準備したITO透明電極上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(hexanitrile hexaazatriphenylene)を500Å厚さで熱真空蒸着して正孔注入層を形成した。その上に正孔を輸送する物質であるNPB(400Å)を真空蒸着した後、発光層としてAlq化合物を300Å厚さで真空蒸着した。
【化65】

【0111】
前記発光層上に前記実施例1−2で製造した化合物2−41を200Å厚さで真空蒸着して電子注入および輸送層を形成した。前記電子注入および輸送層上に12Å厚さのフッ化リチウム(LiF)と2000Å厚さのアルミニウムを順次蒸着して陰極を形成した。
【0112】
前記過程で有機物の蒸着速度は1Å/secを維持し、フッ化リチウムは0.2Å/sec、アルミニウムは3〜7Å/secの蒸着速度を維持した。
【0113】
前記で製造された有機発光素子に7.2Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinateを基準にx=0.33、y=0.55に該当する緑色光が観察された。また、7.9Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で3.1cd/Aの緑色光が観察された。
【0114】
実験例2:
実験例1のように準備したITO電極上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(500Å)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)400Å、Alq(300Å)、および実施例1−4で製造した化合物1−157(300Å)、フッ化リチウム(LiF)12Åを順次熱真空蒸着して、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順に形成させた。その上に2000Å厚さのアルミニウムを蒸着して陰極を形成し、有機発光素子を製造した。
【0115】
前記で製造された有機発光素子に6.12Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinateを基準にx=0.32、y=0.58に該当する緑色光が観察された。また、7.4Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で2.9cd/Aの緑色光が観察された。
【0116】
実験例3:
実験例1のように準備したITO電極上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(500Å)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)400Å、Alq(300Å)、および実施例1−6で製造した化合物1−166(300Å)、フッ化リチウム(LiF)12Åを順次熱真空蒸着して、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順に形成させた。その上に2000Å厚さのアルミニウムを蒸着して陰極を形成し、有機発光素子を製造した。
【0117】
前記で製造された有機発光素子に7.3Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinateを基準にx=0.33、y=0.56に該当する緑色光が観察された。また、8.9Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で3.3cd/Aの緑色光が観察された。
【0118】
実験例4:
実験例1のように準備したITO電極上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(500Å)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)400Å、Alq(300Å)、および実施例2−4で製造した化合物2−8(300Å)、フッ化リチウム(LiF)12Åを順次熱真空蒸着して、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順に形成させた。その上に2000Å厚さのアルミニウムを蒸着して陰極を形成し、有機発光素子を製造した。
【0119】
前記で製造された有機発光素子に8.9Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinateを基準にx=0.33、y=0.54に該当する緑色光が観察された。また、10.7Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で3.7cd/Aの緑色光が観察された。
【0120】
実験例5:
実験例1のように準備したITO電極上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(500Å)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)400Å、Alq(300Å)、および実施例1−7で製造した化合物2−44(300Å)、フッ化リチウム(LiF)12Åを順次熱真空蒸着して、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順に形成させた。その上に2000Å厚さのアルミニウムを蒸着して陰極を形成し、有機発光素子を製造した。
【0121】
前記で製造された有機発光素子に7.1Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinateを基準にx=0.31、y=0.54に該当する緑色光が観察された。また、8.6Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で3.5cd/Aの緑色光が観察された。
【0122】
実験例6:
実験例1のように準備したITO電極上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(500Å)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)400Å、実施例1−9で製造した化合物1−71(300Å)、Alq(300Å)、およびフッ化リチウム(LiF)12Åを順次熱真空蒸着して、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順に形成させた。その上に2000Å厚さのアルミニウムを蒸着して陰極を形成し、有機発光素子を製造した。
【0123】
前記で製造された有機発光素子に7.9Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinateを基準にx=0.137、y=0.281に該当する青色光が観察された。また、9.6Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で2.6cd/Aの青色光が観察された。
【0124】
実験例7:
実験例1のように準備したITO電極上にヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(500Å)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)400Å、実施例1−10で製造した化合物1−72(300Å)、Alq(300Å)、およびフッ化リチウム(LiF)12Åを順次熱真空蒸着して、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層を順に形成させた。その上に2000Å厚さのアルミニウムを蒸着して陰極を形成し、有機発光素子を製造した。
【0125】
前記で製造された有機発光素子に6.7Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cmの電流密度で1931 CIE color coordinateを基準にx=0.136、y=0.154に該当する青色光が観察された。また、7.9Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度で2.9cd/Aの青色光が観察された。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明に適用できる有機発光素子の構造を例示する図である。
【図2】本発明に適用できる有機発光素子の構造を例示する図である。
【図3】本発明に適用できる有機発光素子の構造を例示する図である。
【図4】本発明に適用できる有機発光素子の構造を例示する図である。
【図5】実施例1−2で製造された化合物の合成確認資料を示すものである。
【図6】実施例1−4で製造された化合物の合成確認資料を示すものである。
【図7】実施例1−5で製造された化合物の合成確認資料を示すものである。
【図8】実施例1−6で製造された化合物の合成確認資料を示すものである。
【図9】実施例1−7で製造された化合物の合成確認資料を示すものである。
【図10】実施例1−8で製造された化合物の合成確認資料を示すものである。
【図11】実施例1−9で製造された化合物の合成確認資料を示すものである。
【図12】実施例1−10で製造された化合物の合成確認資料を示すものである。
【図13】実施例2−1で製造された化合物の合成確認資料を示すものである。
【図14】実施例2−4で製造された化合物の合成確認資料を示すものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で示される、ビナフタレン誘導体。
【化1】

[上記化学式1において、
R1およびR2は同時にまたは各々独立して置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたヘテロ芳香族基、置換または非置換されたアリールアミノ基からなる群から選択されるものであり、R1およびR2のうちの1つは水素であり得る。]
【請求項2】
前記置換または非置換されたアルケニル基が、置換または非置換されたC〜C30のアリール基または置換または非置換されたC〜C30のヘテロアリール基で置換または非置換されたアルケニル基である、請求項1に記載のビナフタレン誘導体。
【請求項3】
前記置換または非置換されたアリール基が、ハロゲン、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、アルキルボロネート基、C〜C30のアルキル基、C〜C40のアルケニル基、C〜C40のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、C〜C30のヘテロアリール基、およびC〜C30のアリールアミノ基からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC〜C30のアリール基である、請求項1に記載のビナフタレン誘導体。
【請求項4】
前記置換または非置換されたヘテロ芳香族基が、ハロゲン、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、アルキルボロネート基、C〜C30のアルキル基、C〜C40のアルケニル基、C〜C40のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、C〜C30のヘテロアリール基、およびC〜C30のアリールアミノ基からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC〜C30のヘテロ芳香族基である、請求項1に記載のビナフタレン誘導体。
【請求項5】
前記置換または非置換されたアリールアミノ基が、ハロゲン、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基、アルキルボロネート基、C〜C30のアルキル基、C〜C40のアルケニル基、C〜C40のアルコキシ基、C〜C30のシクロアルキル基、C〜C30のヘテロシクロアルキル基、C〜C30のアリール基、C〜C30のヘテロアリール基、およびC〜C30のアリールアミノ基からなる群から選択された1つ以上の基で置換または非置換されたC〜C30のアリールアミノ基である、請求項1に記載のビナフタレン誘導体。
【請求項6】
前記置換または非置換されたアリールアミノ基が、置換または非置換されたカルバゾール基である、請求項5に記載のビナフタレン誘導体。
【請求項7】
前記化学式1のうちのR1またはR2が下記構造式から選択される、請求項1に記載のビナフタレン誘導体。
【化2】


[上記構造式において、
X、X、X、およびXは各々独立して同一であるか異なり、水素、置換または非置換されたアルキル基、置換または非置換されたアルコキシ基、置換または非置換されたアルケニル基、置換または非置換されたアリール基、置換または非置換されたアリールアミン基、置換または非置換された複素環基、置換または非置換された脂環式基、置換または非置換されたシリコン基、置換または非置換されたホウ素基、置換または非置換されたアミノ基、ニトリル基、ニトロ基、ハロゲン基、置換または非置換されたアミド基、および置換または非置換されたエステル基からなる群から選択され、ここで、これらは互いに隣接する基と脂肪族、芳香族または複素環を形成することができる。]
【請求項8】
前記化学式1のうちのR1は水素であり、R2は下記表に記載された置換基から選択される、請求項1に記載のビナフタレン誘導体。
【表1】








【請求項9】
前記化学式1のうちのR1およびR2は下記表に記載された置換基から選択される、請求項1に記載のビナフタレン誘導体。
【表2】




【請求項10】
請求項1のビナフタレン誘導体の製造方法であって、
(a)塩基下でナフトール誘導体化合物にトリフルオロ酢酸無水物を反応させるステップと、
(b)前記(a)ステップで得られた化合物とナフタレンボロンエステル化合物またはナフタレンボロン酸化合物をパラジウム[II]触媒および塩基の存在下で鈴木カップリング反応させるステップとを含んでなる、製造方法。
【請求項11】
請求項1のビナフタレン誘導体の製造方法であって、
(a)塩基下でナフトール誘導体化合物にトリフルオロ酢酸無水物を反応させるステップと、
(b)前記(a)ステップで得られた化合物とビスピナコラトジボラン試薬をパラジウム[II]触媒および塩基の存在下で反応させるステップと、
(c)前記(b)ステップで得られた化合物とブロモナフタレン誘導体またはトリフルオロアセトキシナフタレン誘導体をパラジウム[II]触媒および塩基の存在下で鈴木カップリング反応させるステップとを含んでなる、製造方法。
【請求項12】
第1電極と、第2電極と、および第1電極と第2電極との間に配置された1層以上の有機物層とを備えてなる有機電子素子であって、
前記有機物層のうちの1層以上が請求項1に記載された化合物を含んでなる有機電子素子。
【請求項13】
前記有機物層が正孔注入層および正孔輸送層を備えてなり、
前記正孔注入層および正孔輸送層が請求項1の化合物を含んでなる、請求項12に記載の有機電子素子。
【請求項14】
前記有機物層が発光層を備えてなり、
前記発光層が請求項1の化合物を含んでなる、請求項12に記載の有機電子素子。
【請求項15】
前記有機物層が電子輸送層をそなえてなり、
前記電子輸送層が請求項1の化合物を含んでなる、請求項12に記載の有機電子素子。
【請求項16】
前記有機電子素子が、有機発光素子、有機太陽電池、有機感光体(OPC)、および有機トランジスタからなる群から選択されるものである、請求項12に記載の有機電子素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−514812(P2009−514812A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536502(P2008−536502)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【国際出願番号】PCT/KR2006/004282
【国際公開番号】WO2007/046658
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】