説明

新規オルガノポリシロキサン化合物およびそれを含む化粧料

【課題】 乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、且つ、皮膚親和性、化粧持続性に優れた化粧料を与えることができるオルガノポリシロキサン及びそれを含む化粧料を提供することを目的とする。
【解決手段】 下記一般式(1)で示されるものであることを特徴とするオルガノポリシロキサン。
【化1】


(式中、Rは、互いに独立に、C1−30アルキル基、C1−30フッ素置換アルキル基、C6−30アリール基、及びC6−30アラルキル基から選ばれる基であり、Yは、多価アルコール化合物残基、Mは水素、アルカリ金属原子、アンモニウムイオン及びアルキルアンモニムイオンのいずれかであり、mは0〜300の整数を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親水性基を有する特定の構造のオルガノポリシロキサン及びそれを含む化粧料に関し、乳化安定性、粉体分散性に優れるオルガノポリシロキサン及びそれを含む化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーンオイルは、その安全性等のために諸分野において油剤として用いられている。化粧品においても、多用されており、スキンケア、メイキャップ化粧品等の用途においては、特に100mm/s以下の低粘度シリコーンオイルが、その優れた伸展性、さっぱり感及び安全性により広く使用されている。
【0003】
シリコーンオイルは、化粧品等の用途で乳化物として使用されることが多く、その場合シリコーン系界面活性剤が使用されることが多い。シリコーン系界面活性剤としては、シロキサンの末端や側鎖にポリオキシアルキレン基を有するポリエーテル変性シリコーン(例えば、特許文献1〜5等)が知られている。さらに主鎖のシロキサン部が分岐したポリエーテル変性シリコーンとして特許文献6や、下記式(5)のようなABA型共重合体として特許文献7も知られている。
【化1】

(ここで、式中、Rは炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキレン基、もしくはフェニル基であり、lは1〜5、mは40〜90、nは10〜40である。Xは任意の結合基であり、ウレタン、尿素、アミド、エステル、アルキルエーテルが例示されている。)
【0004】
その他の親水基として、(ポリ)グリセリン基を有するシリコーンとして特許文献8、シロキサン部分が分岐した特許文献9、下記式(6)に示したABA型共重合体として特許文献10など、(ポリ)グリセリン変性シリコーンが知られている。また、これらは粉体を含有する化粧料の粉体分散安定化剤としても知られている。
【化2】

(ここで、式中、R1bは炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基であり、m’は10〜120、n’は1〜11である。R2bは炭素数2〜11のアルキレンと例示されている。)
【0005】
シリコーン系界面活性剤は、親水性基の種類、結合部位、親水基/親油基(シリコーン)バランスなど、それぞれ目的応じて使用されているが、特にABA(シリコーン−親水基−シリコーン)型共重合体は乳化系化粧料や粉体含有化粧料で安定性に優れている。
【0006】
しかし、上記の乳化剤や粉体分散安定化剤として用いられているシリコーンにおいては、皮膚親和性や化粧持続性を十分達成することができず、乳化安定性、粉体分散安定性に加えて皮膚親和性及び化粧持続性を達成することができるシリコーンが求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公平04−15762号公報
【特許文献2】特公平04−20407号公報
【特許文献3】特公平05−13126号公報
【特許文献4】特公平06−62385号公報
【特許文献5】特公平05−12979号公報
【特許文献6】特許3724988号
【特許文献7】特開2005−154736号公報
【特許文献8】特公昭62−34039号公報
【特許文献9】特許3976226号
【特許文献10】特開2006−218472号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ノニオン性親水性基とアニオン性親水基であるカルボン酸構造を有する新規な特定の構造のオルガノポリシロキサンにより、乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、且つ、皮膚親和性、化粧持続性に優れた化粧料を与えることができるオルガノポリシロキサン及びそれを含む化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明によれば、下記一般式(1)で示されるものであることを特徴とするオルガノポリシロキサンを提供する。
【化3】

(式中、Rは、互いに独立に、C1−30アルキル基、C1−30フッ素置換アルキル基、C6−30アリール基、及びC6−30アラルキル基から選ばれる基であり、Yは、多価アルコール化合物残基、Mは水素、アルカリ金属原子、アンモニウムイオン及びアルキルアンモニムイオンのいずれかであり、mは0〜300の整数を示す。)
【0010】
上記(1)で示されるカルボン酸を有する新規な特定の構造のオルガノポリシロキサン、およびこれを含有する化粧料は、乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、且つ、皮膚親和性、化粧持続性に優れた化粧料を与えることができる。
【0011】
またこのとき、前記Yで示される多価アルコール化合物残基は、(ポリ)オキシアルキレン残基、(ポリ)グリセリン残基、及びポリグリセリンアルキルエステル残基のいずれかであることが好ましい。
【0012】
上記(1)式中のYで示される多価アルコール化合物残基は、分子中に2つ以上の水酸基を有する多価アルコール化合物における2つの水酸基が除かれた形として示されるが、中でも、(ポリ)オキシアルキレン残基、(ポリ)グリセリン残基、及びポリグリセリンアルキルエステル残基のいずれかであることが好ましい。
【0013】
またこのとき、前記オルガノポリシロキサンは、下記一般式(2)で示されるものとすることができる。
【化4】

(式中、R、M、mは上記と同様であり、nは2〜6の整数、aは1〜50の整数を示す。)
【0014】
このように、上記(1)中のYが(ポリ)オキシアルキレン残基である場合、前記オルガノポリシロキサンは上記一般式(2)で示される。
【0015】
またこのとき、前記オルガノポリシロキサンは、下記一般式(3)で示されるものとすることができる。
【化5】

(式中、R、M、mは上記と同様であり、Rは水素であり、Rの一部が下記一般式(4)であっても良い。bは1〜10の整数である。)
【化6】

(式中、R、M、mは上記と同様である。)
【0016】
このように、上記(1)中のYが(ポリ)グリセリン残基である場合、前記オルガノポリシロキサンは上記一般式(3)で示される。
【0017】
また、本発明では、前記オルガノポリシロキサンを、総質量の0.1〜40質量%含有するものであることを特徴とする化粧料を提供する。
【0018】
上述のカルボン酸を有する新規な特定の構造のオルガノポリシロキサンを含有する化粧料は、乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、且つ、皮膚親和性、化粧持続性に優れた化粧料を与えることができる。
【0019】
またこのとき、前記化粧料は、水をさらに含むものであり、エマルションの形態とすることができる。
【0020】
本発明の化粧料の形態は特に限定されないが、水を含み、エマルションの形態とすることができる。
【0021】
またこのとき、前記化粧料は、シリコーンオイル、エステル油、グリセライド油のうち少なくとも1以上をさらに含むものであり、非水エマルションの形態とすることができる。
【0022】
このように、本発明のオルガノポリシロキサンは、化粧料に慣用されているシリコーンオイル、エステル油、グリセライド油等の極性溶媒を含む非水エマルションの化粧料の乳化剤として特に有効である。
【0023】
またこのとき、前記化粧料は、粉体をさらに含むものであり、該粉体が分散された、液状、ペースト状又は固体状の形態とすることができる。
【0024】
本発明の化粧料の形態は特に限定されず、液状、ペースト状又は固体状とすることができる。そして、本発明のオルガノポリシロキサンが粉体分散性にも優れるため、化粧料が粉体を含むものであれば、本発明のオルガノポリシロキサンを有効に用いることができる。即ち、粉体を含有する化粧料において本発明のオルガノポリシロキサンを配合すると、粉体処理効果(耐水性、耐皮脂性、油剤への分散安定性)により、粉体が高度に分散された化粧料を得ることができる。
【発明の効果】
【0025】
上記本発明のオルガノポリシロキサンは、乳化性、粉体分散性に優れ、経時安定性及び皮膚密着性、化粧持続性に優れた化粧料を形成することができる。さらに、粉体を含有する化粧料において前記オルガノポリシロキサンを配合すると、粉体処理効果(耐水性、耐皮脂性、油剤への分散安定性)により、粉体が高度に分散された化粧料を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明をより詳細に説明する。
上記のように、乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、且つ、皮膚親和性、化粧持続性に優れた化粧料を与えることができるオルガノポリシロキサンが望まれていた。
【0027】
本発明者は、鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサンであれば、乳化安定性が良好で、さらには粉体を含む場合は粉体の分散安定性が良好であり、これを配合した化粧料は、皮膚親和性、化粧持続性に優れることを見出した。
【化7】

(式中、Rは、互いに独立に、C1−30アルキル基、C1−30フッ素置換アルキル基、C6−30アリール基、及びC6−30アラルキル基から選ばれる基であり、Yは、多価アルコール化合物残基、Mは水素、アルカリ金属原子、アンモニウムイオン及びアルキルアンモニムイオンのいずれかであり、mは0〜300の整数を示す。)
【0028】
以下に、本発明の上記(1)で示される新規なオルガノポリシロキサンについて詳述する。
上記式(1)中のRに関し、C1−30アルキル基としては、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。C1−30フッ素置換アルキル基としては、上記アルキル基の少なくとも一部の水素がフッ素置換したものであり、例えば、トリフロロプロピル基、ヘプタデカフロロデシル基等が挙げられる。C6−30アリール基としては、フェニル基及びトリル基が、C6−30のアラルキル基としては、ベンジル基、及びフェネチル基等が挙げられる。
【0029】
好ましくは、RはC1−15アルキル基、又はフェニル基であり、より好ましくはC1−6アルキル基、又はフェニル基であり、特に好ましくはメチル基及びブチル基から選ばれる。さらに、Rの50%以上がメチル基であることが好ましく、最も好ましくはRの70%以上がメチル基である。とりわけ、分子鎖末端のRは、メチル基、ブチル基が好ましく、それ以外のRは、メチル基であることが好ましい。
【0030】
上記式(1)中のYは、多価アルコール化合物残基であり、分子中に少なくとも2つ以上の水酸基を有する多価アルコール化合物における2つの水酸基が除かれた形として示される基であれば特に限定されない。例えば、多価アルコールとして、ジエチレングリコールを用いた場合、Yは、−CH−CH−O−CH−CH−を示す。
Yで示される多価アルコール化合物残基として、具体的には、ポリオキシエチレン残基、ポリオキシプロピレン残基、ポリオキシブチレン残基、ポリオキペンチル残基、またはこれらのブロック共重合体あるいはランダム共重合体などの(ポリ)オキシアルキレン残基、グリセリン残基、ジグリセリン残基、トリグリセリン残基、テトラグリセリン残基などの(ポリ)グリセリン残基、ジグリセリンモノアルキルエステル残基、トリグリセリンモノアルキルエステル残基、トリグリセリンジアルキルエステル残基などのポリグリセリンアルキルエステル残基、ペンタエリスリトール残基であり、好ましくはポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリンである。
【0031】
上記一般式(1)中のMは、水素、アルカリ金属原子、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオンであり、好ましくは水素、アルカリ金属原子である。mは0〜300であり、好ましくは0〜150であり、より好ましくは5〜100である。
【0032】
上記(1)中のYが(ポリ)オキシアルキレン残基である場合、本発明のオルガノポリシロキサンは下記一般式(2)で示すことができる。
【化8】

(式中、R、M、mは上記と同様であり、nは2〜6の整数、aは1〜50の整数を示す。)
【0033】
上記(1)中のYが(ポリ)グリセリン残基である場合、本発明のオルガノポリシロキサンは下記一般式(3)で示すことができる。
【化9】

(式中、R、M、mは上記と同様であり、Rは水素であり、Rの一部が下記一般式(4)であっても良い。bは1〜10の整数である。)
【化10】

(式中、R、M、mは上記と同様である。)
【0034】
尚、本発明においては、上記のように、多価アルコール残基は、分子中に少なくとも2つ以上の水酸基を有する多価アルコール化合物における2つの水酸基が除かれた形として示される基であれば良く、他の一部の水酸基の水素が上記(4)式で置換されている形、即ち多価アルコール残基として上記一般式(3)中のRの一部が上記一般式(4)であるものも本発明の範疇に入る。
【0035】
上記(1)で示されるオルガノポリシロキサンは、皮膚密着性に優れ、親水性であるカルボキシル基を有し、また、ポリシロキサンと(ポリ)オキシアルキレン残基等の多価アルコール残基からなるABA型ブロック共重合体であるため、乳化安定性及び粉体の分散安定性が良好であるのみならず、皮膚親和性、化粧持続性に優れた化粧料を与えることができるオルガノポリシロキサンとなる。
【0036】
本発明のオルガノポリシロキサンは、以下の方法で合成することができる。
(工程1)
片末端ハイドロジェンポリシロキサンと、下記式(7)で示されるアリルコハク酸無水物を白金触媒又はロジウム触媒の存在下に付加反応させ、酸無水物基含有オルガノポリシロキサンを合成する。
【化11】

【0037】
(工程2)
(工程1)で合成された片末端酸無水物基含有オルガノポリシロキサンと多価アルコール化合物のアルコール性水酸基とを開環反応させることにより、本発明のオルガノポリシロキサンを得ることができる。ただし、酸無水物基開環反応時の副生成物として、結合の異なった異性体を含んでいたり、多価アルコールのひとつのアルコール性水酸基とだけ反応したものも含まれることもある。
【0038】
(工程2)で得られたカルボン酸を水酸化ナトリウム、アンモニア水等と反応させることによって、Mがアルカリ金属原子、アンモニウムイオンであるものを得ることができる。
【0039】
(工程1)において、片末端ハイドロジェンポリシロキサンと、上記式(7)のアリルコハク酸無水物で示される不飽和基含有化合物の合計の反応割合は、片末端のSiH基と不飽和基のモル比で0.5〜2.0、好ましくは0.8〜1.2である。
【0040】
また、上記(工程1)の付加反応は、白金触媒又はロジウム触媒の存在下で行うことが望ましく、例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体等が好適に使用される。なお、触媒の使用量は、触媒として有効な量であってよいが、例えば白金又はロジウム量で50ppm以下、好ましくは20ppm以下である。
【0041】
上記付加反応は、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトンが挙げられる。好ましくは、無溶剤か、炭化水素溶剤又はエーテル系溶剤を使用する。
【0042】
付加反応条件は特に限定されないが、溶剤を用いた場合にはその還流下で、1〜10時間反応させることが好適である。
【0043】
(工程2)において、片末端酸無水物基含有オルガノポリシロキサンと多価アルコール化合物との反応割合は、アルコール性水酸基と酸無水物基のモル比で0.5から1.1、好ましくは0.7〜1.0である。
【0044】
(工程2)で使用される多価アルコール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜2000)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(分子量200〜3000)、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール(分子量200〜4000)、ポリエチレンプロピレングリコール(分子量100〜3000)のランダム、ブロック共重合体、ポリエチレンブチレングリコール(分子量100〜4000)のランダム、ブロック共重合体などの(ポリ)オキシアルキレン化合物、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、分子量1000以下のポリグリセリンなどの異性体混合物である(ポリ)グリセリン化合物、ジグリセリンモノオレイルエステル、ジグリセリンモノステアリルエステル、トリグリセリンモノオレイルエステル、トリグリセリンジステアリルエステルなどのポリグリセリンアルキルエステル化合物、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
【0045】
上記開環反応は無触媒でも容易に進行するが、酢酸カリウム、酢酸ナトリムなどの無機塩を触媒としても用いても良い。また、必要に応じて溶媒中で行っても良く、有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトンが挙げられるが、好ましく無溶剤か、炭化水素溶剤又はエーテル系溶剤を使用する。
【0046】
本発明のオルガノポリシロキサンは、皮膚や毛髪に外用される化粧料に好適に使用される。特に、化粧料に慣用されているシリコーンと、水、グリコール、エステル油、グリセライド油等の極性溶剤とを含む化粧料の乳化剤として、また、粉体を含む化粧料の分散剤として好適である。該オルガノポリシロキサンの配合量は、好ましくは化粧品総質量の0.1〜40質量%、より好ましくは0.5〜20質量%の範囲である。粉体を含む化粧料の場合には、粉体100質量部に対して1〜40質量部、特には1〜20質量部用いることが好ましい。
【0047】
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上の油剤を配合することができる。通常の化粧料に使用されるものであれば、固体、半固体、液状、いずれの油剤も使用することができ、例えば、天然動植物油脂類及び半合成油脂、炭化水素油、高級アルコール、エステル油、慣用のシリコーン油、フッ素系油剤を用いることができる。
【0048】
天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、精製キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、スクワラン、スクワレン、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、メドウフォーム油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。但し、POEはポリオキシエチレンを意味する。
【0049】
炭化水素油としては、直鎖状、分岐状、さらに揮発性の炭化水素油等が挙げられ、具体的には、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリプロピレンワックス、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、(ブチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、流動パラフィン、流動イソパラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、水添ポリイソブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0050】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
【0051】
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。
グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等が挙げられる。
【0052】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、カプリリルメチコン、フェニルトリメチコン、テトラキストリメチルシロキシシラン、メチルフェニルポリシロキサン,メチルヘキシルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度の直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン,テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ピロリドン変性オルガノポリシロキサン、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状アミノ変性オルガノポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンガムやゴムの環状オルガノポリシロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状シロキサン溶液、ステアロキシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、長鎖アルキル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。
フッ素系油剤としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。これら油剤の配合量は、剤系によっても異なるが、化粧料全体の1〜98重量%の範囲が好適である。
【0053】
本発明の化粧料には、その目的に応じて水を配合することも出来る。その配合量は、剤系によっても異なるが、化粧料全体の1〜95重量%の範囲が好適である。
【0054】
本発明の化粧料には、その目的に応じて、C2−5低級アルコール、C2−10多価アルコールを1種又は2種以上用いることもできる。該アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、ソルビトール、マルトース等の糖アルコール等があり、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等のステロール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール、ペンチレングリコール等の多価アルコール等がある。配合量としては、化粧料全体の0.1〜98重量%の範囲が好適である。
【0055】
本発明の化粧料には、その目的に応じて水溶性或いは水膨潤性高分子を用いることができる。なかでも、植物系高分子、微生物系高分子、動物系高分子、デンプン系高分子、セルロース系高分子、アルギン酸系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、アクリル系高分子、及び無機系水溶性高分子から選ばれる1種又は2種以上の水溶性増粘剤が好ましく使用される。例えば、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリロイルジメチルタウリン塩コポリマー等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなど他の合成水溶性高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子などがある。配合量としては、化粧料総質量の0.1〜25質量%の範囲が好適である。
【0056】
本発明の化粧料には、その目的に応じて、粉体を1種又は2種以上用いることもできる。粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、タール色素、天然色素等があげられ、具体的には、無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、シリコーンパウダー、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体である。
【0057】
これらの粉体は本発明の効果を妨げない範囲で、粉体を複合化したものや、一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができ、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有するアルキル基で処理したもの、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有する直鎖状及び/又は分岐状のオルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有し長鎖アルキルで共変性された直鎖状及び/又は分岐状オルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有しポリオキシアルキレンで共変性された直鎖状及び/又は分岐状オルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有するアクリル−シリコーン系共重合体等も必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
【0058】
また、粉体の配合量としては、化粧料全体の0.1〜99重量%の範囲が好適である。特に、粉末固形化粧料の場合の配合量としては、化粧料全体の80〜99重量%の範囲が好適である。
【0059】
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上の界面活性剤を用いることもできる。このような界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤があるが、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。
【0060】
アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物塩、アルカンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、ホルマリン縮合系スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等が挙げられる。
【0061】
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0062】
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、直鎖或いは分岐状ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖或いは分岐状ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖状或いは分岐状のポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖状或いは分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。
【0063】
両性界面活性剤としては、ベタイン、ホスファチジルコリン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体、アミドアミン型等が挙げられる。これらの界面活性剤の中でも、分子中にポリオキシアルキレン鎖、または、ポリグリセリン鎖を有する直鎖又は分岐状オルガノポリシロキサン、或いはさらに炭素数6〜20の長鎖アルキル基を有する直鎖又は分岐状オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0064】
また、これらの界面活性剤において、親水性のポリオキシアルキレン基、またはポリグリセリン残基の含有量が、分子中の10〜70質量%を占めることが好ましく、配合量としては、化粧料総質量の0.1〜20質量%、特に好ましくは、0.2〜10質量%の範囲が好適である。
【0065】
本発明の化粧料には、アクリルシリコーン樹脂及び網状シリコーン樹脂から選ばれるシリコーン樹脂を含んでよい。アクリルシリコーン樹脂はアクリル/シリコーングラフト又はブロック共重合体である。また、ピロリジニル基、長鎖アルキル基、ポリオキシアルキレン基分及びフルオロアルキル基、カルボキシル基などのアニオン性の基の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有するアクリルシリコーン樹脂を使用することもできる。
【0066】
網状シリコーン樹脂はR1sSiO0.5単位とSiO単位から構成される樹脂、R1sSiO0.5単位とR1sSiO単位及びSiO単位から構成される樹脂、R1sSiO0.5単位とR1sSiO1.5単位から構成される樹脂、R1sSiO0.5単位とR1sSiO単位及びR1sSiO1.5単位から構成される樹脂、R1sSiO0.5単位、R1sSiO単位、R1sSiO1.5単位及びSiO単位から構成される樹脂から選ばれる。尚、R1sは炭化水素基を示す。また、ピロリジニル基、長鎖アルキル基、ポリオキシアルキレン基及びフルオロアルキル基、アミノ基の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有する網状シリコーンを使用することもできる。シリコーン樹脂を用いる場合の配合量としては、化粧料総質量に対して0.1〜20質量%が好ましく、更に好ましくは1〜10質量%である。
【0067】
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上の架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物を用いることもできる。この架橋型オルガノポリシロキサンは、液状油に対し、自重以上の該液状油を含んで膨潤することが好ましい。液状油としては、上記液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、たとえば、0.65mm/秒(25℃)〜100.0mm/秒(25℃)の低粘度シリコーン油、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N−アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアナッツ油などの天然動植物油が挙げられる。また、この架橋型オルガノポリシロキサンの架橋剤は、分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持ち、かつ、ケイ素原子に直接結合した水素原子との間で反応することにより、架橋構造を形成するものであることが好ましい。分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持つものとしては、分子中に二つ以上のビニル基を有するオルガノポリシロキサン、分子中に二つ以上のアリル基を有するポリオキシアルキレン、分子中に二つ以上のアリル基を有するポリグリセリン、α、ω−アルケニルジエンなどが挙げられる。また、ポリオキシアルキレン基、ポリグリセリン残基、長鎖アルキル基、アルケニル基、アリール基、及びフルオロアルキル基からなる群から選択される少なくとも1種を有する架橋剤を使用することもできる。架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物を用いる場合の配合量としては、化粧料の総質量に対して0.1〜80質量%が好ましく、更に好ましくは1〜50質量%である。
【0068】
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上のα−オレフィンとジエンを反応させて得られる不飽和基を有するオレフィンワックスと1分子1個以上のSiH結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させることによって得られるシリコーン変性オレフィンワックスを含むことができる。α−オレフィンとしてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル1−ペンテンなどの炭素原子数2〜12のものが好ましく、ジエンとしてはブタジエン、イソプレン、1.4ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどが好ましい。SiH結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは直鎖状やシロキサン分岐型等の構造のものが使用できる。
【0069】
更に本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料に使用される成分、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、制汗剤、紫外線吸収剤、紫外線吸収散乱剤、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物、毛髪用固形化剤等を添加することができる。
【0070】
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2−エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等から選ばれるゲル化剤が挙げられる。
【0071】
制汗剤としては、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ジルコニルヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等から選ばれる制汗剤が挙げられる。
【0072】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸メチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリメチルシクロヘキシル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、フェニルベンズイミダゾールスルフォン酸、トリアジン誘導体等が挙げられ、紫外線吸収散乱剤としては微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等、紫外線を吸収散乱する粉体が挙げられ、これらの紫外線を吸収散乱する粉体をあらかじめ油剤に分散させた分散物を用いることもできる。
【0073】
保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファジチルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質等がある。
【0074】
防菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等がある。
【0075】
塩類としては無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、たとえば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等;有機酸塩としては、例えば酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩;アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等がある。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等や、更には、化粧品処方の中で使用される酸−アルカリの中和塩等も使用することができる。
酸化防止剤としては、トコフェロール、p−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等、pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等、抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0076】
美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0077】
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、 L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンH、ビタミンP、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等がある。
【0078】
アミノ酸類としては、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等、核酸としては、デオキシリボ核酸等、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
【0079】
毛髪固定用高分子化合物としては、両性、アニオン性、カチオン性、非イオン性の各高分子化合物が挙げられ、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等のポリビニルピロリドン系高分子化合物、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体等の酸性ビニルエーテル系高分子化合物、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体等の酸性ポリ酢酸ビニル系高分子、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート/アルキルアクリルアミド共重合体等の酸性アクリル系高分子化合物、N−メタクリロイルエチル−N、N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート/アクリル酸オクチルアミド共重合体等の両性アクリル系高分子化合物が挙げられる。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチンおよびコラーゲンまたはその誘導体等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
【0080】
本発明において、化粧料の剤形もしくは形態は特に限定されず、水性、油性、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、非水エマルジョン、W/O/WやO/W/Oなどのマルチエマルジョン、サスペンジョン、ペースト状、固体状であってよい。
【0081】
化粧料の用途も任意のものであってよい。例えば、化粧水、乳液、クリーム、クレンジング、パック、オイルリキッド、マッサージ料、美容液、美容オイル、ハンドクリーム、リップクリーム、しわ隠し等のスキンケア化粧料;メークアップ下地、コンシーラー、白粉、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、油性ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等のメークアップ化粧料;シャンプー、リンス、トリートメント、セット剤等の毛髪化粧料;日焼け止めオイルや日焼け止め乳液、日焼け止めクリームなどの紫外線防御化粧料;その他、洗浄剤、脱臭剤、制汗剤等が挙げられる。
【実施例】
【0082】
以下に、本発明に関して実施例を挙げて説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0083】
(実施例1)
反応器に下記式(8)で表される片末端ハイドロジェンポリシロキサン241質量部と無水アリルコハク酸14.7質量部と、トルエン100質量部を仕込み、塩化白金酸0.5重量%のトルエン溶液0.1質量部を加えた後、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を溜去し、下記式(9)で表される酸無水物基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化12】

【化13】

【0084】
上記酸無水物基含有オルガノポリシロキサン255質量部に、HO(CO)Hのポリエチレングリコール20.7質量部、酢酸ナトリウム0.01質量部を添加し、80℃で5時間反応させた。反応物を減圧蒸留に付して、下記式(10)で表されるカルボキシル基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化14】

【0085】
(実施例2)
反応器に下記式(11)で表される片末端ハイドロジェンポリシロキサン463質量部と無水アリルコハク酸14.7質量部と、トルエン200質量部を仕込み、塩化白金酸0.5重量%のトルエン溶液0.1質量部を加えた後、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を溜去し、下記式(12)で表される酸無水物基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化15】

【化16】

【0086】
上記酸無水物基含有オルガノポリシロキサン464質量部にジグリセリン7.6質量部、酢酸ナトリウム0.01質量部を添加し、80℃で5時間反応させた。反応物を減圧蒸留に付して、下記式(13)で表されるカルボキシル基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化17】

【0087】
(実施例3)
実施例2で得られた酸無水物基含有変性オルガノポリシロキサン(12)232質量部とHO(CO)15(CO)15H 38.7質量部、酢酸ナトリウム0.01質量部を添加し、80℃で5時間反応させた。反応物を減圧蒸留に付して、下記式(14)で表されるカルボキシル基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化18】

【0088】
(実施例4)
実施例1で得られた酸無水物基含有変性オルガノポリシロキサン(9)255質量部と
モノステアリン酸ジグリセリン21.6質量部、酢酸ナトリウム0.01質量部を添加し、80℃で8時間反応させた。反応物を減圧蒸留に付して、下記式(15)で表されるカルボキシル基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化19】

【0089】
(実施例5)
反応器に下記式(16)で表される片末端ハイドロジェンポリシロキサン229質量部と無水アリルコハク酸1.5質量部と、トルエン100質量部を仕込み、塩化白金酸0.5重量%のトルエン溶液0.1質量部を加えた後、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を溜去し、下記式(17)で表される酸無水物基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化20】

【化21】

【0090】
上記酸無水物基含有オルガノポリシロキサン230質量部にトリグリセリン1.2質量部、酢酸ナトリウム0.01質量部を添加し、80℃で5時間反応させた。反応物を減圧蒸留に付して、下記式(18)で表されるカルボキシル基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化22】

【0091】
(実施例6)
反応器に下記式(19)で表される片末端ハイドロジェンポリシロキサン583質量部と無水アリルコハク酸14.7質量部と、トルエン200質量部を仕込み、塩化白金酸0.5重量%のトルエン溶液0.1質量部を加えた後、還流下で2時間反応させた。反応物を減圧下で加熱して溶剤を溜去し、下記式(20)で表される酸無水物基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化23】

【化24】

【0092】
上記酸無水物基含有オルガノポリシロキサン179質量部にトリグリセリン2.2質量部、酢酸ナトリウム0.01質量部を添加し、80℃で5時間反応させた。反応物を減圧蒸留に付して、下記式(21)で表されるカルボキシル基含有オルガノポリシロキサンを得た。
【化25】

【0093】
(実施例7〜8、比較例1〜2)
下記表1に示す組成のw/o乳化物(配合量は質量%を示す)を下記方法で調製した。
(製造方法)
成分1〜5をデイスパーミキサーを用いて1500rpmで攪拌混合した後、成分6,7をゆっくり添加し、乳化した。
得られた乳化物の100gを密閉容易に入れて、50℃で1週間静置後、その乳化状態を目視にて観察し、下記基準で評価した。
(評価基準) ○:分離なし、△:わずかに分離、×:二層分離
【0094】
【表1】

・成分2:実施例1のオルガノポリシロキサンのNa塩
実施例1のオルガノポリシロキサンのカルボキシル基を当量の水酸化ナトリウムで中和
・成分3:実施例2のオルガノポリシロキサンのNa塩
実施例2のオルガノポリシロキサンのカルボキシル基を当量の水酸化ナトリウムで中和
・(注1)下記式で示されるオルガノポリシロキサン
【化26】

・(注2)下記式で示されるオルガノポリシロキサン
【化27】

【0095】
表1に示すように、カルボキシル基を有する実施例1、2のオルガノポリシロキサンのNa塩を使用した乳化物(実施例7、8)は、50℃1週間経過後も初期乳化状態を維持していたが、カルボキシル基を有しないオルガノポリシロキサンを用いた比較例1、2は油相が十分に均一ではなく乳化系の安定性を欠いた。
【0096】
(実施例9、10、比較例3、4)
実施例1、2で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表2の組成でW/O型ファンデーションを下記方法で作成し評価を行った。
【表2】

(注1)、(注2)は前記と同じ
(注3)疎水化処理;粉体に対して2%のメチルハイドロジェンポリシロキサン添加後、加熱処理したもの
【0097】
(製造方法)
A:成分1〜7を加熱混合し、成分8〜13を添加して均一にする。
B:成分14、15及び17を加熱溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分16を添加しファンデーションを得た。
【0098】
実施例9、10、比較例3、4で得られたファンデーションについて、女性50名の専門パネルにより使用テストを行ない、使用性の良さ、色調の均一性の良さ、化粧持ちの良さ、について評価した。
(評価基準)
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
各評価項目毎に、全パネルの評価点の平均を取った。表3における、各符号の意味は以下のとおりである。
得られた平均点が4.5点以上 ◎
得られた平均点が3.5点以上4.5点未満 ○
得られた平均点が2.5点以上3.5点未満 △
得られた平均点が1.5点以上2.5点未満 ×
得られた平均点が1.5点未満 ××
【0099】
【表3】

【0100】
表3に示すように、比較例3、4のファンデーションは、塗付時の色調は良好であったが、皮膚への親和性が弱く、化粧持ちが悪かった。これに対して、実施例9、10のファンデーションは使用性が良く、顔料分散性が良いため、きめが細かく、色調も均一で、皮膚との親和性に優れ、化粧持ちも良かった。
【0101】
以下の実施例において、経時安定性は化粧料を密閉容器内に入れて50℃で1ヶ月放置した後の外観の変化が無いことによって確認した。
【0102】
(実施例11)アイライナー
実施例1で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表4の組成でアイライナーを下記方法で作成し評価を行った。
【表4】

(注4)シリコーン樹脂:[MeSiO1/2]/[SiO]比が0.8のシリコーン網状化合物の50%−D5溶液
(注5)シリコーン処理黒酸化鉄;黒酸化鉄の質量に対し、2質量%のメチルハイドロジェンポリシロキサン添加後、150℃で加熱処理したもの
【0103】
(製造方法)
A:成分1〜3を混合し、成分4を加えて均一に混合分散した。
B:成分5〜7及び9を混合した。
C:Bで得られた混合物をAで得られた分散物に徐添して乳化した後、成分8を加えてアイライナーを得た。
【0104】
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて描きやすく、べたつきがなく、温度や経時による変化もなく、化粧持ちも非常に良かった。
【0105】
(実施例12)サンタンクリーム
実施例4で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表5の組成でサンタンクリームを下記方法で作成し評価を行った。
【表5】

【0106】
(製造方法)
A:成分1〜7及び16〜17を加熱溶解した。
B:成分15及び19の一部を加熱攪拌後、成分8〜12を添加し分散処理した。
C:成分13〜14及び19の残部を溶解し、Bで得られた分散物と混合した。
D:攪拌下、Aで得られた混合物にCで得られた分散物を徐添して乳化し、冷却して成分18を添加しサンタンクリームを得た。
【0107】
以上のようにして得られたサンタンクリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきがなく、みずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、経時変化も無かった。さらに化粧持ちも良かった。
【0108】
(実施例13)クリーム
実施例2で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表6の組成でクリームを下記方法で作成し評価を行った。
【表6】

(製造方法)
A:成分1〜4及び8を加熱混合した。
B:成分5〜7及び10を加熱溶解した。
C:攪拌下、Aで得られた混合物にBで得られた溶液を徐添して乳化し、冷却して成分9を添加し、クリームを得た。
【0109】
以上のようにして得られたクリームは、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、みずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、経時変化も無かった。
【0110】
(実施例14)日焼け止めクリーム
実施例1で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表7の組成で日焼け止めクリームを下記方法で作成し評価を行った。
【表7】

(製造方法)
A:成分1〜6及び9を加熱混合した。
B:成分7〜8及び11を加熱し均一になるよう分散混合した。
C:攪拌下、Aで得られた混合物にBで得られた分散物を徐添して乳化し、冷却して成分10を添加し日焼け止めクリームを得た。
【0111】
以上のようにして得られた日焼け止めクリームは、キメが細かく、のび広がりが軽く、経時変化も無かった。また、べたつきがないため、砂が全くつかず、使用性が非常に良かった。さらに、化粧持ちも良いため、紫外線防止効果が持続した。
【0112】
(実施例15)アイシャドウ
実施例3で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表8の組成でアイシャドウを下記方法で作成し評価を行った。
【表8】

(注6)シリコーン処理;粉体質量に対して3質量%のメチルハイドロジェンポリシロキサン添加後、150℃で加熱処理したもの
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5〜7を添加して均一になるよう分散した。
B:成分8〜10及び12を均一溶解した。
C:攪拌下、Aで得られた分散物にBで得られた溶液を徐添して乳化し、成分11を添加してアイシャドウを得た。
【0113】
以上のようにして得られたアイシャドウは、のび広がりが軽くて油っぽさや粉っぽさがなく、みずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくく、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
【0114】
(実施例16)リップクリーム
実施例4で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表9の組成でリップクリームを下記方法で作成し評価を行った。
【表9】

(製造方法)
A:成分1〜8を加熱混合した。
B:成分9〜16及び18を加熱溶解した。
C:攪拌下、Aで得られた混合物にBで得られた溶液を徐添して乳化し、成分17を添加してカプセルに充填し、リップクリームを得た。
【0115】
以上のようにして得られた固形状の油中水型リップクリームは、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に経時変化も無く、施与されたリップクリームは持ちがよかった。
【0116】
(実施例17)液状乳化ファンデーション
実施例1で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表10の組成で液状乳化ファンデーションを下記方法で作成し評価を行った。
【表10】

(注7)疎水化処理粉体;粉体質量に対し、2質量%のステアリン酸で処理したもの
(製造方法)
A:成分1〜8を加熱混合し、成分9〜14を添加して均一にした。
B:成分15〜17及び19を加熱溶解した。
C:攪拌下、Aで得られた混合物にBで得られた溶液を徐添して乳化し、冷却して成分18を添加し液状乳化ファンデーションを得た。
【0117】
以上のようにして得られた液状乳化ファンデーションは、粘度が低くキメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に経時変化も無かった。皮膚上での化粧持ちも良かった。
【0118】
(実施例18)透明ゲル化粧料
実施例1で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表11の組成で透明ゲル化粧料を下記方法で作成し評価を行った。
【表11】

(製造方法)
A:成分3〜11を均一溶解した。
B:成分1〜2を混合し、均一にした。
C:攪拌下、Aで得られた溶液をBで得られた混合物に徐添、乳化して透明ゲル化粧料を得た。
【0119】
以上のようにして得られた透明ゲル化粧料は、のび広がりが軽く、べたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、皮膚になじみやすく、経時変化も無かった。
【0120】
(実施例19)日焼け止め化粧水
実施例2で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表12の組成で日焼け止め化粧水を下記方法で作成し評価を行った。
【表12】

(注8)疎水化処理超微粒子酸化チタン;チタンTTO−V−4(石原産業社製)
(製造方法)
A:成分6〜14を均一になるよう溶解した。
B:成分1〜4を混合し、成分5を加えて均一にした。
C:攪拌下、AにBを徐添、乳化して日焼け止め化粧水を得た。
【0121】
以上のようにして得られた日焼け止め化粧水は、のび広がりが軽く、べたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、皮膚になじみやすく、経時変化も無かった。また、日焼け止め効果にも優れていた。
【0122】
(実施例20)乳液
実施例1で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表13の組成で乳液を下記方法で作成し評価を行った。
【表13】

(製造方法)
A:成分1〜7を加熱混合した。
B:成分8〜10及び12を加熱溶解した。
C:攪拌下、Aで得られた混合物にBで得られた溶液を徐添して乳化し、冷却して成分11を添加し乳液を得た。
【0123】
以上のようにして得られた乳液は、低粘度でキメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に経時変化も無かった。さらに皮膚上での化粧持ちも良かった。
【0124】
(実施例21)日焼け止めクリーム
実施例3で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表14の組成で日焼け止めクリームを下記方法で作成し評価を行った。
【表14】

(製造方法)
A:成分1〜5を加熱混合した。
B:成分6〜8及び10を加熱溶解した。
C:攪拌下、Aで得られた混合物にBで得られた溶液を徐添して乳化し、冷却して成分9を添加し日焼け止めクリームを得た。
【0125】
以上のようにして得られた日焼け止めクリームは、キメが細かく、のび広がりが軽く、しっとりとしてみずみずしく、油っぽさやべたつきがなく、経時変化も無かった。また、施与された日焼け止めクリームは、耐水性、耐汗性に優れて化粧持ちも良く、紫外線防止効果も持続した。
【0126】
(実施例22)液状ファンデーション
実施例1で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表15の組成で液状ファンデーションを下記方法で作成し評価を行った。
【表15】

(注9)フッ素変性シリコーン;FL−100(信越化学工業社製)
(注10)球状シリコーン樹脂粉体;KMP590(信越化学工業(株)製)
(注11)フッ素化合物処理;パーフルオロアルキルエチルリン酸ジエタノールアミン塩にて5%被覆したもの
(製造方法)
A:成分7〜13を均一に混合した。
B:成分1〜6を70℃に加熱混合し、Aで得られた混合物を加えて均一になるよう分散及び混合した。
C:成分14〜17及び19を40℃に加温して溶液を得、これをBで得られた分散物に徐添して乳化し、冷却して成分18を加え、液状ファンデーションを得た。
【0127】
以上のようにして得られた液状ファンデーションは、べたつきがなく、のび広がりも軽く、しかも、さっぱり感を与えた。また、経時変化も無かった。
【0128】
(実施例23)乳液
実施例1で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表16の組成で乳液を下記方法で作成し評価を行った。
【表16】

(注12)オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体;KMP594(信越化学工業(株)製)
(注13)疎水化シリカ;アエロジルR972(日本アエロジル社製)
(製造方法)
A:成分1〜5を均一に混合し、成分6〜7を加えて均一になるよう分散した。
B:成分14に成分8〜10を加えて溶解し、更に成分11、12を混合したものを、添加した。
C:Bで得られた混合物をAで得られた分散物に徐添して乳化した後冷却し、成分13を加えて乳液を得た。
【0129】
以上のようにして得られた乳液は、のび広がりも軽く、さらっとしてべたつきがなく、経時変化も無かった。
【0130】
(実施例24)保湿クリーム
実施例1で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表17の組成で保湿クリームを下記方法で作成し評価を行った。
【表17】

(注14)オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体;KMP594(信越化学工業(株)製)
(注15)疎水化シリカ;アエロジルR972(日本アエロジル社製)
(製造方法)
A:成分1〜6及び9〜10を均一に混合し、成分7〜8を加えて均一になるよう分散した。
B:成分11〜14及び16を加えて溶解した。
C:Bで得られた溶液をAで得られた混合物に徐添して乳化した後冷却し、成分15を加えて保湿クリームを得た。
【0131】
以上のようにして得られた保湿クリームは、のび広がりも軽く、べたつきがなく、経時変化も無かった。
【0132】
(実施例25)アイライナー
実施例2で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表18の組成でアイライナー
を下記方法で作成し評価を行った。
【表18】

(製造方法)
A:成分1〜2、4〜7を混合し、成分3を加えて均一に混合分散した。
B:成分8〜10及び12を混合した。
C:Bで得られた混合物をAで得られた分散物に徐添して乳化した後冷却し、成分11を加えてアイライナーを得た。
【0133】
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて描きやすく、経時変化も無かった。また、皮膚上での、耐水性、耐汗性に優れ、化粧持ちも非常に良かった。
【0134】
(実施例26)サンカットクリーム
実施例1で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表19の組成でサンカットクリームを下記方法で作成し評価を行った。
【表19】

(注16)KP545;アクリルシリコーン(信越化学工業(株)製)
(注17)KSG210;シリコーンゲル(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1の一部に成分2を加えて均一にし、成分7を添加してビーズミルにて分散した。
B:成分1の残部と及び3〜6を混合し、均一に混合した。
C:成分8〜10及び12を混合、溶解した。
D:Bで得られた混合物にCで得られた溶液を加えて乳化し、A及び成分11を加添加してサンカットクリームを得た。
【0135】
以上のようにして得られたサンカットクリームは、べたつきがなく、のび広がりも軽く、密着感を与えた。経時変化も無く、皮膚上での紫外線効果も持続した。
【0136】
(実施例27)O/Wハンドクリーム
実施例4で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表20の組成でO/Wハンドクリームを下記方法で作成し評価を行った。
【表20】

(注18)KP545;アクリルシリコーン(信越化学工業(株)製)
(注19)KSG16;シリコーンゲル(信越化学工業(株)製)
(注20)セピゲル305;(SEPPIC社製)
(製造方法)
A:成分1〜7を均一に混合した。
B:成分8〜11及び13を均一に混合した。
C:Aで得られた混合物にBで得られた溶液を加えて乳化し、成分12を添加してO/Wハンドクリームを得た。
【0137】
以上のようにして得られたハンドクリームはのび広がりも軽く、優れた密着感を与え、水仕事から皮膚を効果的に保護した。さらに、経時変化も無かった。
【0138】
(実施例28)O/Wハンドクリーム
実施例1で得られたオルガノポリシロキサンを使用して、表21の組成でO/Wハンドクリームを下記方法で作成し評価を行った。
【表21】

(注21)KP545;アクリルシリコーン(信越化学工業(株)製)
(注22)KP561P;ステアリル変性アクリルシリコーン(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜9を混合、加熱溶解した。
B:成分10〜12及び14を加熱混合した。
C:Aで得られた溶液にBで得られた混合物を加えて乳化し、冷却して成分13を添加し、O/Wハンドクリームを得た。
【0139】
以上のようにして得られたハンドクリームは、べたつきがなく、のび広がりも軽く、優れた密着感を与え、水仕事から皮膚を効果的に保護した。さらに、経時変化も無かった。
【0140】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に含有される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示されるものであることを特徴とするオルガノポリシロキサン。
【化1】

(式中、Rは、互いに独立に、C1−30アルキル基、C1−30フッ素置換アルキル基、C6−30アリール基、及びC6−30アラルキル基から選ばれる基であり、Yは、多価アルコール化合物残基、Mは水素、アルカリ金属原子、アンモニウムイオン及びアルキルアンモニムイオンのいずれかであり、mは0〜300の整数を示す。)
【請求項2】
前記Yで示される多価アルコール化合物残基は、(ポリ)オキシアルキレン残基、(ポリ)グリセリン残基、及びポリグリセリンアルキルエステル残基のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のオルガノポリシロキサン。
【請求項3】
前記オルガノポリシロキサンは、下記一般式(2)で示されるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオルガノポリシロキサン。
【化2】

(式中、R、M、mは上記と同様であり、nは2〜6の整数、aは1〜50の整数を示す。)
【請求項4】
前記オルガノポリシロキサンは、下記一般式(3)で示されるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオルガノポリシロキサン。
【化3】

(式中、R、M、mは上記と同様であり、Rは水素であり、Rの一部が下記一般式(4)であっても良い。bは1〜10の整数である。)
【化4】

(式中、R、M、mは上記と同様である。)
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンを、総質量の0.1〜40質量%含有するものであることを特徴とする化粧料。
【請求項6】
前記化粧料は、水をさらに含むものであり、エマルションの形態であることを特徴とする請求項5に記載の化粧料。
【請求項7】
前記化粧料は、シリコーンオイル、エステル油、グリセライド油のうち少なくとも1以上をさらに含むものであり、非水エマルションの形態であることを特徴とする請求項5に記載の化粧料。
【請求項8】
前記化粧料は、粉体をさらに含むものであり、該粉体が分散された、液状、ペースト状又は固体状の形態であることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の化粧料。

【公開番号】特開2012−36348(P2012−36348A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180421(P2010−180421)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】