説明

新規化合物、抗酸化剤及び化粧料、飲食品

【課題】活性酸素を消去する優れた抗酸化能を有する天然物由来の新規抗酸化剤を提供すること。
【解決手段】一般式(1)で表される化合物。また該化合物を有効成分とする抗酸化剤、活性酸素消去剤またはそれらが配合された香料組成物、皮膚老化防止用化粧料などの化粧品、飲食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた活性酸素消去能を有する天然物由来の新規化合物、抗酸化剤、活性酸素消去剤およびそれらが配合された香料組成物、皮膚老化防止用化粧料などの化粧品、飲食品に関する。
【背景技術】
【0002】
老化した皮膚では過酸化脂質が増大し、柔軟性、弾力性を失い、皮膚のしわが増大し、乾燥して滑らかさのない荒れ肌症状が認められている。これらの皮膚症状が現れる原因物質の一つとして、大気中の酸素が紫外線や酵素等の影響を受けて生成するいわゆる活性酸素が考えられている。この活性酸素は、呼吸によって体内に入る酸素によっても、さらには喫煙、ストレス、怒り、不安、恐怖などの激しい感情、暴飲・暴食などでも発生すると言われている。
【0003】
活性酸素には、フリーラジカルであるスーパーオキシドやヒドロキシラジカルといったものと、非ラジカルである一重項酸素や過酸化水素といったものがある。この活性酸素は必要以上に体内外に存在すると、正常な細胞、細胞膜そしてDNAにも作用し、破壊する。また脂質をも酸化するため、過酸化脂質を生成する。これにより、アトピー症状の悪化、白内障、中風、心筋梗塞、発ガンなど様々な疾病をも誘発する。生体に対しては、コラーゲン線維の架橋、ヒアルロン酸の断片化、DNA螺旋の部分開裂、連鎖的ラジカルの発生による組織の損傷等の悪影響を及ぼし、その結果として、皮膚のしわや弾力消失、脱毛といった生体の老化を促進するといわれている。
【0004】
したがって、活性酸素の生成を抑制することは、皮膚の老化を改善あるいは予防する点で皮膚にとって、あるいは生体内の組織等を正常に保つためにも、非常に重要なことである。これは、老化防止皮膚化粧料や健康食品等の飲食品に求められる重要な要素である。
そのため、従来、生体内に発生した活性酸素を消去する作用のある物質の探索が広く行われてきた。
【0005】
この様な作用を有する物質として、従来用いられてきたものとしては、天然由来のものでは、脂溶性のトコフェロール(ビタミンE)、水溶性のアスコルビン酸(ビタミンC)、合成化合物では、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)等が挙げられる。また、植物抽出物の中にも抗酸化効果を有するものがあり、化粧料や飲食品に配合して、皮膚の老化を防止しようとする試みがなされてきた。(例えば、特許文献1〜4参照。)
【特許文献1】特開2003−128569号公報
【特許文献2】特開2002−97151号公報
【特許文献3】特開2002−205933号公報
【特許文献4】特開2003−321337号公報
【特許文献5】ドイツ特開1989−3907543号公報
【非特許文献1】Fitoterapia,62(6),521(1991)
【非特許文献2】Phytochemistry, 29(4),1093(1990)
【非特許文献3】Phytochemistry, 28(6),1613(1989)
【0006】
しかしながら、各種の植物抽出物は安全性の面において懸念されるものもあり、また活性酸素消去能が十分ではなかったり、化粧品等の皮膚外用剤の基剤中に配合した場合、有
効な効果を得るにはかなりの高濃度を配合しなければならず、製剤に好ましくない臭いを付与してしまったりする場合があるなど、作用効果や安定性の面ですべてを満足できるものが少ないのが現状であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記事情において、安全性が高く、生体内に発生する活性酸素を消去する作用を十分に有し、皮膚等へあるいは飲食品等への適用性の良好な新規抗酸化剤、活性酸素消去剤が求められていた。
【0008】
そこで、本発明の目的とするところは、抗酸化効果または活性酸素消去効果に優れた新規抗酸化剤または新規活性酸素消去剤、あるいはそれらが配合された香料組成物、皮膚老化防止用化粧料などの化粧品、飲食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明者等は上記事情に鑑み鋭意研究した結果、下記一般式(1)または下記一般式(2)で表される新規Phloroglucinol誘導体および該化合物が優れた抗酸化効果を有することを見出し、本発明を完成したものである。
【0010】
即ち、本発明は、下記一般式(1)
【化1】


(式中、Rはメチル基またはエチル基であることを示す)で表される新規Phloroglucino誘導体である。
【0011】
また、本発明は、下記一般式(2)
【化2】


(式中、Rはメチル基またはエチル基であることを示す)で表される新規Phloroglucinol誘導体である。
【0012】
また本発明は、前記のPhloroglucinol誘導体、即ち一般式(1)で表される化合物または一般式(2)で表される化合物より選ばれる1種以上の化合物を有効成分とする抗酸化剤または活性酸素消去剤である。
また本発明は、前記の抗酸化剤または活性酸素消去剤が配合された香料組成物である。
また本発明は、前記の抗酸化剤、活性酸素消去剤または香料組成物が配合された皮膚老化防止用化粧料などの化粧品、飲食品である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の化合物は新規な化合物であり、優れた抗酸化効果、活性酸素消去効果を有する。本発明の抗酸化剤または活性酸素消去剤は、植物抽出物であり安全性が高く、非常に優れた抗酸化効果、活性酸素消去効果を発揮する。従って、酸化や活性酸素が関与する生体の各種問題を予防または低減するのに有用である。また、前記抗酸化剤または活性酸素消去剤を配合した本発明の香料組成物は、安全性や抗酸化効果、活性酸素消去効果などに加え、バラエティの広い魅力的な香りを発現できる優れたものである。
更に、前記抗酸化剤、活性酸素消去剤または香料組成物を配合した本発明の皮膚老化防止用化粧料などの化粧品は、従来の抗酸化剤の使用量を大幅に削減できる。また各種原料の酸化を防止して品質の劣化を抑制すると共に、優れた活性酸素消去効果を有し、かつ過酸化脂質生成を抑制する。従って、肌に適用した場合には、肌荒れを防止し、肌のつや、はり、明るさを保ち、しわを改善する等、皮膚老化防止効果に優れている。また、同様に本発明の飲食品においても、抗酸化剤の使用量の削減、品質劣化の抑制と共に、生体内における活性酸素の消去効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の化合物は、ヘリクリサム(Helichrysum)属植物のH.stoechas抽出物から分離・精製することにより単離することができる。
一般式(1)で表される化合物、および一般式(2)で表される化合物は新規である。一般式(1)で表される化合物の幾何異性体、即ち鎖状側鎖がゲラニル基(二重結合がトランス体(E))の化合物は公知であり、抗菌活性を有することが報告されている(特許文献5および非特許文献1〜3)。
【0015】
本発明の化合物の抽出方法は、例えばH.stoechasを各種の溶媒、即ち液化ガス(液体炭酸、液化プロパン、液化ブタン等)、水、炭素数1〜5の低級アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等)、含水低級アルコール類、炭素数1〜5の低級アルコールと炭素数1〜5の脂肪酸とのエステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、前記エステル類およびケトン類の含水物、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン等)、エーテル類(メチルエーテル、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、炭化水素類(石油エーテル、ヘキサン等)あるいは前記溶媒の混合物で抽出して得た抽出液を、酸、アルカリ処理、カラムクロマトグラフィー、蒸留、濃縮等により得ることができる。
【0016】
本発明の化合物は、不純物を全く含まない純品では香りを有しない優れた特徴を有する。本発明の化合物を含有するH.stoechasは、カレープラントと俗称されるように、その抽出物は独特の強いカレー様臭気を有する。そのため、H.stoechas抽出物等の使用に際しては、そのカレー臭が原因となり、最終製品に好ましくない臭気特徴を与え、本発明の化合物の有効濃度を最終製品に配合する事は困難であった。それに対し、本発明の化合物は香りを有しないため、上記問題を全く生じない。
【0017】
本発明の化合物を産業上利用するためには、必ずしも不純物が全く含まれない状態に精製する必要はなく、本発明の抗酸化剤中または活性酸素消去剤中において本発明の化合物を0.00000001質量%(以下、%ともいう)以上含有されていればよい。
また、本発明の化合物を得るには上記ヘリクリサム属植物にこだわらず、当該化合物が0.00000001%以上含有されるものが得られる植物を原料としてもよいし、合成で得てもよい。
【0018】
本発明の香料組成物中への抗酸化剤または活性酸素消去剤の配合量は、香料組成物の使用目的、種類などにより異なるが、本発明の化合物の含有量として香料組成物中に0.00000001〜20%が好ましく、更には0.0000001〜5%が、特には0.001〜2%が好ましい。また有効な抗酸化効果を得るのに高濃度を配合しても好ましくない臭いを付与してしまうことはない優れたものである。
【0019】
本発明のPhloroglucinol誘導体としては、一般式(1)でRがメチル基である化合物と一般式(1)でRがエチル基である化合物との任意の割合の混合物でもよく、また、一般式(2)でRがメチル基である化合物と一般式(2)でRがエチル基である化合物との任意の割合の混合物でもよい。
また、上記4種類の化合物(即ち、一般式(1)でRがメチル基である化合物、一般式(1)でRがエチル基である化合物、一般式(2)でRがメチル基である化合物、一般式(2)でRがエチル基である化合物)の任意の割合の混合物でもよい。
【0020】
本発明の香料組成物中へは、本発明の抗酸化剤、活性酸素消去剤以外に、公知の香料素材や溶剤が用いられる。例えばリモネン、カリオフィレン、ピネンなどの各種炭化水素類;アセトアルデヒド、α−シンナミックアルデヒド、シトラールなどの各種アルデヒド類;マルトール、ベンジルアセトン、ダマセノンなどの各種ケトン類;ブタノール、ベンジルアルコール、リナロールなどの各種アルコール類;ゲラニル エチル エーテル、ローズオキサイド、フルフラールなどの各種エーテル・オキサイド類;エチル アセテート、ベンジル アセテート、リナリル アセテートなどの各種エステル類;γ−デカラクトン、クマリン、スクラレオライドなどの各種ラクトン類;インドール、2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、フェニルアセトニトリルなどの各種ヘテロ化合物類;ジャスミンアブソリュート、シダーウッドオイル、オリスコンクリートなどの各種天然素材類が挙げられる。使用する溶剤としては、例えばエタノール、ジプロピレングリコール(DPGともいう)、ベンジル ベンゾエート、水、トリアセチン、トリエチル シトレートなどが挙げられる。
本発明の香料組成物は、有効な抗酸化効果を有すると共に、バラエティの広い魅力的な香りを発現することが可能である。
【0021】
また、本発明の抗酸化剤、活性酸素消去剤または香料組成物の化粧品への配合量は、化粧品の使用目的、種類などにより異なるが、本発明の化合物の含有量として0.00000001〜20%が好ましく、更には0.0000001〜5%が、特には0.001〜2%が好ましい。
【0022】
本発明の化粧品には、油脂、ロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、その他の油性原料、グリセリン等の多価アルコール、界面活性剤、増粘剤等の通常用いられている成分が使用され、これら公知の化粧品用素材と本発明の抗酸化剤、活性酸素消去剤または香料組成物を用いて通常の製造法で得ることが出来る。また、必要に応じて公知の酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE等)、活性酸素消去剤等を併用してもよい。また化粧品の剤型も任意であり、例えば溶液系、可溶化系、乳化系、エアゾール等がある。更に、化粧品の用途も任意であり、例えば化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェイシャル化粧料やファンデーション、口紅、アイシャドウ等のメイクアップ化粧料、芳香化粧料、シャンプー等の洗髪用化粧料、毛髪仕上げ用化粧料、ボディー化粧料、口腔用化粧料、入浴化粧料等がある。本発明の化粧品は抗酸化性が高いので、従来の化粧品に添加されていた抗酸化剤の添加を大幅に削減することが出来る。従って、敏感肌の一部の化粧品使用者における合成抗酸化剤の配合に起因する刺激感の低減も可能である。また、本発明のスキンローションや入浴剤は、肌荒れを防止し、肌のつや、はり、明るさを保ち、しわを改善する効果に優れるので、皮膚老化防止用の化粧料や入浴剤として有用である。
【0023】
また、本発明の抗酸化剤、活性酸素消去剤または香料組成物の飲食品への配合量は、飲食品の使用目的、種類などにより異なるが、本発明の化合物の含有量として0.00000001〜1%が好ましく、更には0.0000001〜0.1%が、特には0.0001〜0.01%が好ましい。本発明の飲食品には、例えば、瓶類、缶類、紙カートン容器、PETボトル、レトルト用ラミネート袋、プラスチックカップ等に充填される無果汁飲料、果汁入り飲料、炭酸飲料、乳酸菌飲料、茶類飲料、コーヒー飲料、豆乳飲料、アルコール飲料、スープ類等の飲料類;アイスクリーム、シャーベット、みぞれ等の冷菓類;プリン、ババロア、ゼリー、ヨーグルト等の如きデザート食品類;チョコレート、キャンデイー、チューインガム等の菓子類;カレー、ハヤシライス、シチュー等のレトルト食品;乳製品;調味料;水畜産加工品;スナック食品及びその他のインスタント食品などを挙げることができる。
【0024】
本発明の飲食品は、公知の飲食品用素材と本発明の抗酸化剤、活性酸素消去剤または香料組成物を用いて通常の製造法で得ることが出来る。また、必要に応じて公知の酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE等)、活性酸素消去剤等を併用してもよい。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を試験例および実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
実施例1A (ヘリクリサム属植物からの抽出)
H.stoechasの乾燥した花1キログラムをヘキサン10リットルに室温で浸漬して花香成分および抗酸化成分を移行させた後、花を除いた。次に、溶媒を留去してコンクリート250グラムを得た。次にコンクリート250グラムをエチルアルコール2.5リットルに加温溶解して再抽出し、溶液を−15℃〜−25℃に冷却してワックスなどの不溶解物を除いた後、減圧下でエチルアルコールを留去し赤褐色、粘着状のアブソリュート190グラムを得た。強いカレー臭を有していた。これをヘキサンに一定量を溶解させた。次に、1mol/L塩酸を加え良く攪拌した後、静止させ2層に分離させた後水層部分を除き、この操作を5回以上行った。この操作の最後に、水を加え、同じ操作を行い、有機層を残した。次に、有機層に1mol/L水酸化ナトリウムを加え良く攪拌した後、静止させ2層に分離させた後、水層部分を除き、この操作を5回以上行った。この操作の最後に、水を加え、同じ操作を行い、有機層を残した。pH試験紙でpH7になっていることを確認した後、乾燥硫酸マグネシウム又は乾燥塩化カルシウムを加え、数時間攪拌、放置した。その後、濾紙等を用いて有機層を濾過し、溶媒を除去して、ヘリクリサム属植物の抽出物の中性画分を得た。
【0027】
次に上記中性画分80グラムを、n−ヘキサン/酢酸エチル=1:1(v/v)〜酢酸エチル/メタノール=1:1(v/v)の移動相を用いて常法に従いシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、当該Phloroglucinol誘導体群のうち、Rがメチル基およびエチル基である化合物を主成分とする2つの画分を、それぞれ4.9グラム(Rがメチル基である化合物の純度72%、以下Rがメチル基である粗精製品−1ともいう)、3.2グラム(Rがエチル基である化合物の純度70%、以下Rがエチル基である粗精製品−2ともいう)得た。これら粗精製品の臭いは無かった。尚、後記の実施例では上記粗精製品−1および粗精製品−2以外に、同様な方法でスケールを上げた方法で得た粗精製品−1および粗精製品−2も用いた。
【0028】
さらに、それぞれの画分について、前記した溶剤でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返し、一般式(1)で表される化合物のRがメチル基およびエチル基である化合物を、それぞれ0.8グラムおよび0.5グラム得た(これらをそれぞれ、精製品−1および精製品−2ともいう)。
【0029】
各精製品のIR、UV、EI−MSならびにプロトンおよびカーボンNMRスペクトルデータを以下に示した。
【0030】
(精製品−1)
【0031】
IR(KBr)(cm−1):982,1074, 1128, 1171, 1267, 1366, 1437, 1568, 1618, 1664, 2926
【0032】
UV(λmax, MeOH)(nm):206, 232(sh), 292, 352(sh)
【0033】
EI-MS(m/z):456(M+), 368, 333, 304, 292, 247, 235, 219, 181, 163, 109, 69
【0034】
H-NMR (400MHz,CDOD;ppm) δ:1.62(3H,s), 1.64(3H,s), 1.67(3H,s), 1.92(3H,s), 2.09(2H), 2.21(3H,s), 2.21(2H), 2.66(3H,s), 3.27(2H,d), 3.54(2H,s), 5.15(2H,dd)
【0035】
13C-NMR (100MHz,CDOD;ppm) δ:10.1, 17.2, 17.8, 18.9, 22.4, 23.7, 26.0, 27.6, 32.9, 33.1, 102.7, 106.9, 107.1, 109.6, 111.1, 124.4, 125.7, 132.1, 136.2, 158.0, 159.5, 161.4, 161.6, 170.6, 171.6, 205.5
【0036】
精製品−1のHMBCスペクトルなどの2次元NMRスペクトルデータを解析した結果、以下のカーボンNMRスペクトル測定値群が側鎖のネリル基に基づくものであると考えられた。
【0037】
13C-NMR(100MHz、CDOD;ppm) δ:17.8, 22.3, 23.7, 26.0, 27.6, 32.9, 124.4, 125.7, 132.1, 136.2
【0038】
そして, 市販のネロールの重メタノールにおけるカーボンNMRスペクトルを測定し、得られたデータを以下に示す。アルコール部分を示す59.2ppm以外は先のデータとよく一致した。
【0039】
13C-NMR(100MHz、CDOD;ppm) δ:17.7, 23.7, 25.9, 27.8, 33.0, 59.2, 125.0, 125.7, 132.7, 139.6
【0040】
プロトンNMRスペクトルデータのうち、オレフィン水素である5.14ppmに対しNOE実験を行うと、オレフィンメチルの1.64ppmおよび1.67ppmにNOEによるシグナルの増加が認められた。また、芳香族環と側鎖二重結合に挟まれたメチレン水素シグナルである3.27ppmに対して同様の実験を行うと、オレフィンの隣であるメチレン水素の2.21ppmにNOEが認められた。これらの結果から、二重結合に隣接する2つのメチレンおよびオレフィン水素とオレフィンメチル基とが、二重結合に対してそれぞれ同じ側にあることがわかり、本発明の化合物における鎖状側鎖がネリル基(二重結合がシス体(Z))であることが判明した。
【0041】
(精製品−2)
【0042】
IR(KBr)(cm−1): 982, 1074, 1128, 1171, 1267, 1366, 1437, 1568, 1618, 1664, 2926
【0043】
UV(λmax,MeOH)(nm): 206, 232(sh), 292, 352(sh)
【0044】
EI-MS(m/z):470(M+), 401, 385, 347, 334, 304, 303, 235, 219, 181, 155, 69
【0045】
H-NMR (400MHz,CDOD;ppm) δ:1.19(3H,t), 1.62(3H,s), 1.65(3H,s), 1.66(3H,s), 1.97(3H,s), 2.10(2H), 2.21(2H), 2.59(2H,q), 2.66(3H,s), 3.30(2H,d), 3.59(2H,s), 5.14(2H,dd)
【0046】
13C-NMR(100MHz,CDOD;ppm) δ:9.6, 11.8, 17.8, 18.6, 22.4, 23.7, 25.1, 26.0, 27.6, 32.9, 33.1, 103.2, 106.5, 107.0, 109.5, 109.9, 124.0, 125.6, 132.2, 136.8, 159.4, 160.9, 161.3, 162.9, 168.9, 170.7, 205.7
【0047】
精製品−2も、精製品−1と同様にして、NMRスペクトルデータから鎖状側鎖がネリル基(二重結合がシス体(Z))であることが判明した。
【0048】
実施例1B
H.stoechasの乾燥した花1kgを、ヘキサン10Lに浸漬させ、室温で1週間静置後、花を除いた。次に、溶媒を留去してコンクリート250gを得た。次にコンクリート250gをエチルアルコール2.5Lに加温溶解して再抽出し、溶液を−15℃〜−25℃に冷却してワックスなどの不溶解物を除いた後、減圧下でエチルアルコールを留去し赤褐色、粘稠なアブソリュート190gを得た。
【0049】
上記アブソリュート100gを、酢酸エチル0.5Lに溶解させた。次に、1mol/L塩酸を150ml加え良く攪拌した後、静止させ2層に分離したら水層部分を除いた。この操作を5回行った。水を加え同様の操作を行い、有機層を残した。
次に、有機層に1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え良く攪拌した後、静止させ2層に分離したら、水層部分を除き、この操作を5回行った。水を加え同様の操作を行い、有機層を残した。
pH試験紙でpHが7になっていることを確認した後、無水硫酸マグネシウムを加えた。濾紙等を用いて有機層を濾過し、溶媒を除去して、ヘリクリサム属植物の抽出物の中性画分を80g得た。
【0050】
上記中性画分80gを、n−ヘキサン/酢酸エチル=1:1(v/v)、酢酸エチル、酢酸エチル/メタノール=1:1(v/v)の移動相を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行った。
【0051】
酢酸エチル/メタノール=1:1(v/v)留出画分27gを、60%メタノール水溶液、70%メタノール水溶液、およびメタノールによる逆相ODSカラムクロマトグラフィーを行った。60%メタノール水溶液画分21gを、酢酸エチルおよび酢酸エチル/メタノール=9:1(v/v)を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返し、一般式(1)(Rはメチル基)で表される化合物(純度98%)を0.5gを得て、IR、UV、EI−MSならびにプロトンおよびカーボンNMRスペクトルデータが、実施例1Aに記載の精製品―1のデータと一致することを確認した。また、同時に一般式(2)(Rはメチル基)で表される化合物(純度97%)を3.8g(以下、実施例1Bの化合物1ともいう)得た。
【0052】
さらに、酢酸エチル留出画分22gを、60%メタノール水溶液、70%メタノール水溶液、およびメタノールによる逆相ODSカラムクロマトグラフィーを行った。60%メタノール水溶液留出画分より、一般式(2)で表される化合物(Rがエチル基で表される化合物を51%、Rがメチル基で表される化合物を45%含有する混合物)を12g得た。このものを、酢酸エチルを移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰返して精製し、一般式(2)(Rはエチル基)で表される化合物(純度90%)を0.3g得た(以下、実施例1Bの化合物2ともいう)。
また、70%メタノール水溶液留出画分3.5gを、酢酸エチルおよび酢酸エチル/メタノール=9:1(v/v)を移動相とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返し、一般式(1)(Rはエチル基)で表される化合物(純度87%)を0.4g得て、IR、UV、EI−MSならびにプロトンおよびカーボンNMRスペクトルデータが、実施例1Aに記載の精製品−2のデータと一致することを確認した。
【0053】
上記で単離した化合物のプロトンおよびカーボン13−NMRスペクトル、ならびにEI−MSスペクトルを測定して、それぞれの構造を確認した。
【0054】
一般式(2)(Rはメチル基)で表される化合物(純度97%)、即ち実施例1Bの化合物1のスペクトルデータを以下に示す。
【0055】
IR(KBr)(cm−1):802, 985, 1080, 1118, 1134, 1176, 1267, 1290, 1363, 1376, 1429, 1500, 1618, 1660, 2929
【0056】
H-NMR(400MHz, CDOD; ppm) δ:1.62(6H,s), 1.67(3H,s), 1.87(3H,s), 2.08(2H), 2.18(3H,s), 2.20(2H), 2.66(3H,s), 3.22(2H,d), 3.51(2H,br), 5.17(1H,dd), 5.22(1H,dd)
【0057】
13C-NMR (100MHz, CDOD; ppm) δ: 10.5, 17.3, 17.7, 20.0, 22.4, 23.7, 25.9, 27.8, 32.9, 33.2, 101.3, 106.5, 108.8, 109.4, 114.4, 125.6, 125.9, 131.8, 134.7, 156.0, 159.7, 162.6, 163.0, 170.9, 180.2, 205.1
【0058】
一般式(2)(Rがエチル基)で表される化合物(純度90%)、即ち実施例1Bの化合物2のスペクトルデータを以下に示す。
【0059】
IR(KBr)(cm−1):802, 988, 1084, 1117, 1173, 1267, 1290, 1367, 1431, 1501, 1616, 1655, 2876
【0060】
H-NMR (400MHz, CDOD; ppm) δ: 1.17(3H, t), 1.63(6H, s), 1.67(3H, s), 1.88(3H, s), 2.09(2H, dd), 2.20(2H, dd), 2.52(2H, dd), 2.66(3H, s), 3.21(2H, d), 3.51(2H), 5.17(1H, dd), 5.22(1H, dd)
【0061】
13C-NMR (100MHz, CDOD; ppm) δ: 10.1, 12.2, 17.8, 20.0, 22.4, 23.7, 25.3, 26.0, 27.8, 32.9, 33.2, 101.3, 106.5, 108.8, 109.3, 113.6, 125.6, 125.9, 131.9, 134.7, 160.6, 162.7, 171.0, 180.4, 205.2
【0062】
上記Phloroglucinol誘導体の純度を測定した高速液体クロマトグラフィーの分析した、ピーク面積比から算出した結果である。
カラム:ODS−5−A(250mm×4.6mm)(YMC社製)
検出器:205nm(UV)
移動相:アセトニトリル:30m mol/Lギ酸アンモニウム水溶液=62.5:37.5
【0063】
実施例1C
実施例1Bで製造したアブソリュート90gを、酢酸エチル0.5Lに溶解させた。有機層に1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え良く攪拌した後、水層部分を除いた。この操作を5回行った。水を加え、同様の操作を行い有機層を残した。
次に、1mol/L塩酸を加え良く攪拌した後、静止させ2層に分離したら水層部分を除いた。この操作を5回行った。水を加え同様の操作を行い有機層を残した。
pH試験紙でpHが7になっていることを確認した後、無水硫酸マグネシウムを加え、放置した。その後、濾紙等を用いて有機層を濾過し、溶媒を除去して、ヘリクリサム属植物の抽出物の中性画分(以下、実施例1C中性画分という)を72g得た。
【0064】
実施例1C中性画分のプロトンおよびカーボンNMRスペクトルを重メタノールにて測定した。
主に観測されたスペクトルデータは、一般式(1)(Rがメチル基およびエチル基)で表される化合物に基づくプロトンおよびカーボンNMRスペクトルデータであった。従って、実施例1C中性画分に含まれる主なPhloroglucinol誘導体は、一般式(1)(Rはメチル基またはエチル基)で表される構造と確認した。
【0065】
試験例1 活性酸素消去効果試験(NBT法)
活性酸素を消去する効果を測定する方法は各種あるが、今回は活性酸素の一つであるスーパーオキシド(O)の消去効果を測定した。方法は以下に示す通りである。すなわち、キサンチン−キサンチンオキシダーゼ系により活性酸素の一つであるスーパーオキシド(O)を発生させ、試料溶液による消去率を求めた。スーパーオキシド(O)はニトロブルーテトラゾリウムと反応させて、ジホルマゾンとし、560nmの吸光度により測定した(NBT法)。
【0066】
0.05mol/L炭酸ナトリウム緩衝液(pH10.2)2.4ml、3.0m mol/Lキサンチン0.1ml、3.0m mol/Lエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.1ml、0.15%牛血清アルブミン0.1ml、及び0.75m mol/Lニトロブルーテトラゾリウム0.1mlを含む発色試液2.9mlに対し、試料溶液0.1mlを加え、25℃、10分加温する。そこにバターミルク由来の250倍希釈キサンチンオキシダーゼ0.1mlを加えて攪拌した後、25℃にて20分間放置した。6.0m mol/L塩化第二銅を含む反応停止液0.1mlを加えて分光光度計にて560nmの吸光度を測定し、その値をSとした。試薬ブランクは酵素液の代わりにリン酸緩衝液0.1mlを加え、コントロールは試料溶液の代わりに希釈溶液0.1mlを加え、コントロールの試薬ブランクは試料溶液の代わりに希釈溶液0.1mlを用い、酵素液の代わりに炭酸ナトリウム緩衝液0.1mlを加えて同様に測定した。尚、これらの値をそれぞれS’、C、C’とした。各試料溶液濃度におけるスーパーオキシド消去率を下記式により計算して求めた。尚、各試料溶液はエタノールで希釈した。
【0067】
[式]
スーパーオキシド消去率(%)=100×[1−(S−S’)/(C−C’)]
【0068】
得られた結果を下記に示す。
【表1】

【0069】
上記の結果から、本発明の抗酸化剤、活性酸素消去剤は、汎用されている天然系抗酸化剤であるα−トコフェロールや合成抗酸化剤であるBHTよりも高い活性酸素消去能を有し、また香料の中でも高い抗酸化性を有すると言われているローズマリーオイルやオイゲノールよりも、はるかに優れた抗酸化能を有することがわかる。
【0070】
試験例2 活性酸素消去効果試験(DPPH法)
一般式(2)で表される化合物の抗酸化活性を試験するために、有機ラジカルである1、1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル(DPPH)消去活性を調べた。以下に試験方法を示す。
即ち、96ウェルマイクロプレートに100m mol/Lトリス緩衝液(pH7.5、和光純薬)を80μl、99.5%エタノール(純正化学)にて濃度調製した各試料溶液を20μl、99.5%エタノール(純正化学)にて濃度調製した0.5m mol/L DPPH(1,1−Diphenyl−2−picrylhydrazyl、和光純薬)を100μl加えた後攪拌し、遮光の状態で室温で20分間インキュベートした。その後、分光光度計(Multi−Spectrophtometer Vient XS / 大日本住友ファーマ)にて517nmの吸光度Aを測定した。
一方、DPPHを加えないもの(ブランク)とサンプルを加えないもの(コントロール)で同様の操作を行い、得られた吸光度(それぞれBとC)を測定し、活性酸素消去率(%)を得た。
【0071】
(IC50計算式)
活性酸素消去率(%)={1−(A−B)/C}×100
(但し、A:サンプルの吸光度、B:ブランクの吸光度、C:コントロールの吸光度)
同様に表1に示す各試料を用い試験を行った。横軸に濃度、縦軸に活性酸素消去率をプロットしたグラフを作成し、このグラフから活性酸素を50%抑制する濃度(以後、IC50と表す。)を求めた。
【0072】
結果を表1に示す。
【0073】
活性酸素消去効果試験(DPPH法)とIC50の結果
【表2】

上記の結果から、実施例1Bの化合物1及び2はDPPHラジカル消去能が極めて高いことが判明した。
【0074】
実施例2(香料処方例1、香料比較例1)
本発明の抗酸化剤(活性酸素消去剤でもある)を配合して、下記処方のハーブ系調合香料を作製した。
【0075】
【表3】

【0076】
得られた香料組成物である香料処方例1は、本発明の抗酸化剤を添加しても香りのバラ
ンスを崩すことなく、従来のハーブ系調合香料組成物である香料比較例1と同様に優れた
匂い特性を有している。
【0077】
実施例3(香料処方例2、香料比較例2)
本発明の抗酸化剤(活性酸素消去剤でもある)を配合して、下記処方のフローラル系調合香料を作製した。
【0078】
【表4】

【0079】
得られた香料組成物である香料処方例2は、抗酸化剤を添加しても香りのバランスを崩
すことなく、従来のフローラル系調合香料組成物である香料比較例2と同様に優れた匂い特性を有している。
【0080】
実施例4〜7及び比較例1〜3 (スキンローション)
表4記載の組成のスキンローションを、下記方法に従い調製した。
【0081】
【表5】

【0082】
スキンローションの調製法
水相、アルコール相を各々均一に溶解し、そして水相とアルコール相とを混合攪拌分散し可溶化を行い、次いで容器に充填する。使用時には内容物を均一に振盪分散して使用す
る。
【0083】
上記で調製したスキンローションを用いて使用試験を行い、皮膚老化防止効果を調べた。試験方法は下記に示す通りである。
【0084】
試験方法
80名の女性被験者の顔面を左右に分け、一方に上記の実施例4〜7、他方に実施例4〜5に対しては比較例1のスキンローション、実施例6に対しては比較例2のスキンローション、そして実施例7に対しては比較例3のスキンローションを毎日2回以上塗布してもらい、2ヵ月後それぞれの比較例を基準として下記の判定基準により各評価項目について評点を出してもらい、評点の合計値により評価した。
被験者を1群20名にわけて4群とし、実施例4〜7の各スキンローション4種について試験を行った。その結果を表6に示す。
【0085】
(判定基準)
+3:比較例1〜3よりも非常によい
+2:比較例1〜3よりもかなりよい
+1:比較例1〜3よりもややよい
0:差がない
−1:比較例1〜3の方がややよい
−2:比較例1〜3の方がかなりよい
−3:比較例1〜3の方が非常によい
【0086】
【表6】

【0087】
表6より明らかなように、本発明の抗酸化剤、活性酸素消去剤または香料組成物を有効成分として含有するスキンローションは、肌荒れを防止し、肌のつや、はり、明るさを保ち、しわを改善する効果に優れ、皮膚老化防止用化粧料として用いることができる。
【0088】
実施例8〜11及び比較例4 (入浴剤)
下記組成の入浴剤を、常法に従い調製した。尚、この入浴剤は使用時に約3000倍に希釈される。
【0089】
【表7】

【0090】
上記入浴剤を80名の被験者を1群20名にわけて4群とし、三週間毎日の入浴時に比較例4の入浴剤を使用させた。その後、続けて実施例8〜11の各入浴剤を使用させた。そして、比較例4を基準として下記の判定基準により各評価項目について評点を出してもらい、評点の合計値により評価した。
【0091】
(判定基準)
+3:比較例4よりも改善され非常によい
+2:比較例4よりもかなり改善された
+1:比較例4よりもやや改善された
0:差がない
−1:比較例4の方がややよい
−2:比較例4の方がかなりよい
−3:比較例4の方が非常によい
【0092】
【表8】

【0093】
表8より明らかなように、本発明の抗酸化剤、活性酸素消去剤または香料組成物を有効成分として含有する入浴剤は、肌荒れを防止し、肌のつや、はり、明るさを保ち、しわを改善する効果に優れ、皮膚老化防止用入浴剤として用いることができる。
【0094】
尚、前記実施例に係るスキンローション及び入浴剤による発赤や乾燥等の異常は認めら
れなかった。
【0095】
実施例12 (無果汁レモン炭酸健康飲料)
下記表9に示す処方に従って無果汁レモン炭酸健康飲料(Brix 7.4、pH 3.2)を調製した。尚、Rがメチル基である粗精製品−1は、その10(W/W)%アルコール溶液を30ppmの濃度になるように添加・配合した。
【0096】
【表9】

【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明の化合物は抗酸化剤、活性酸素消去剤の有効成分として有用である。また本発明の抗酸化剤、活性酸素消去剤は、植物抽出物であり安全性が高く、非常に優れた抗酸化効果、活性酸素消去効果を発揮する。従って、酸化や活性酸素が関与するあらゆる分野、例えば皮膚老化防止用化粧料などの化粧品、飲食品、健康食品に好適に用いることが出来る。また、本発明の香料組成物は、安全性や抗酸化効果、活性酸素消去効果などに加え、バラエティの広い魅力的な香りを発現するような優れたものであるので、化粧品、飲食品、健康食品に好適に用いることが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1):
【化1】


(式中、Rはメチル基またはエチル基であることを示す)で表される新規Phloroglucinol誘導体。
【請求項2】
下記一般式(2):
【化2】

(式中、Rはメチル基またはエチル基であることを示す)で表される新規Phloroglucinol誘導体。
【請求項3】
請求項1記載のPhloroglucinol誘導体より選ばれる1種以上の化合物を有効成分とする抗酸化剤。
【請求項4】
請求項2記載のPhloroglucinol誘導体より選ばれる1種以上の化合物を有効成分とする抗酸化剤。
【請求項5】
請求項3または請求項4記載の抗酸化剤が配合された香料組成物。
【請求項6】
請求項3または請求項4記載の抗酸化剤が配合された化粧料。
【請求項7】
請求項5記載の香料組成物が配合された化粧料。
【請求項8】
請求項3または請求項4記載の抗酸化剤が配合された飲食品。
【請求項9】
請求項5記載の香料組成物が配合された飲食品。

【公開番号】特開2007−284435(P2007−284435A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−73958(P2007−73958)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 研究集会名 創立50周年記念 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会 主催者名 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会主催 日本化学会・日本薬学会・日本農芸化学会・横浜国立大学共催 開催日 平成18年11月12日開催
【出願人】(000121512)塩野香料株式会社 (23)
【出願人】(504180206)株式会社カネボウ化粧品 (125)
【Fターム(参考)】