説明

映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する方法及び装置

【課題】映像変化に基づいて、自動的に監視フレームを調整する方法及び装置を提供する。
【解決手段】変化ブロック判定器及び領域内映像出力器を映像取得器に付加する。映像が、移動又は変化するとき、対応する変化ブロックを、自動的に切分けして、注目ブロックを決定する。その後、注目ブロックの解像度を調整した後に、注目ブロック内の映像を映像受信器に出力する。従って、自動的に監視フレームを調整する目的を達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像変化に基づいて、自動的に監視フレームを調整する方法及び装置、特に、映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整することができる映像監視システムに適した方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットネットワークの広範囲化と共に、ネットワークに適した様々な技法が、急速に発展している。最近では、ブラウジングウェブページ、受信/送信メールなどの基本機能の他に、写真、音楽及びビデオなどのマルチメディアファイルを伝送する機能が、更に開発されており、ネットワーク帯域幅(回線容量)の拡大のために、ネットワーク伝送速度も著しく高速化している。それ故、最近ではリアルタイムでビデオ映像を伝送する監視システムが開発されている。映像取得器及び映像受信器のみで、ユーザーは、遠隔映像取得器を用いて監視映像を取得することができ、ネットワークを通じて監視映像をユーザーに送り戻すことができ、ユーザーが点検するための映像受信器に監視映像を表示できる。これにより、コストが低減され、更に、極めて便利な監視チャンネルが提供されている。
【0003】
中華民国特許第442768号明細書には、映像変化に基づく作動及び非作動に関する監視システムが開示されている。図1に、その動作フローを示す。図1を参照して、A0は、システムが監視を始めるときの、映像取得器により取得した映像フレームを表しており、Aiは、時刻iで取得した映像フレームを表している。システムの処理ステップを以下に説明する。
【0004】
まず最初に、ステップS110で、映像取得器が作動し、静止映像フレームを取得し、フレームA0として番号付けする。次に、ステップS120で、フレームA0は、2*2(又は、他の構成数)画素の単位によって複数の画素単位に分割する。画素単位の画素値は、画素単位を構成する4画素の画素値の平均値である。
【0005】
ステップS130で、次の映像フレームのビットマップは、同じく静止映像フレームであり、映像フレームを取得し、フレームA1として番号付けする。ステップS140で、フレームA1は、ステップS120と同様に分割する。
【0006】
ステップS150で、フレームA0の画素単位の画素値をフレームA1の対応する画素単位の画素値で差分し、その差分値の絶対値を得て、フレームA0及びフレームA1の全ての画素単位の間の最大画素値差を見つける。Pが、フレームA0とフレームA1との間での対応する画素単位の画素値の差分の絶対値を表すとすれば、R色の最大差分値は、P1、P2、…、Pnの間の最大差分値(フレームA0及びフレームA1の第1の画素から第nの画素の差分の絶対値)となり、G色及びB色の間の最大差分値を計算する方法は、R色の最大差分値を計算する方法と同様である。このようにして、フレームA0及びフレームA1の間の最大画素値差が得られ、MAXi(R,G,B)として保持される。ここに、MAXi(R,G,B)は、フレームAi-1とフレームAiとの間における、画素値差の間の最大値を表す。
【0007】
ステップS160で、映像フレームA1に含まれる画素単位は、更に次に取得した映像フレームA2の画素単位と比較され、ステップS140〜S160が、映像フレームの複数フレーム(例えば10グループ)の間の比較が完了するまで繰り返される。ステップS170で、R色、G色及びB色の最大値が、10グループのMAXi(R,G,B)データから得られ、映像取得器の誤差範囲となる校正誤差(R、G、B)値として組み合わされる。一方では、映像フレームAiは、主要フレームとして設定される。
【0008】
上述の処理ステップで、監視システムは、映像取得器によって生じた誤差によってビデオ記録プログラムの誤動作を避けるため、取得した連続するデジタル映像のビットマップを比較することにより、映像取得器のデジタル映像信号を調整及び訂正することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の技術は、映像変化を検出し、映像変化の程度に基づいて、いつビデオ記録プログラムを作動するか、いつビデオ記録プログラムを停止するかを決定できるが、従来の技術には少なくとも以下の欠点がある。
【0010】
従来の映像監視装置は、監視表示画面において、自動的に映像変化を追跡したり、リアルタイムで映像変化を表示することができない。
【0011】
従来の映像監視装置は、レンズの向きを変えるための回転構造を必要とし、それでも依然として死角が生じており、製造コスト及び安全上の非信頼性を増大させている。
【0012】
回転構造を従来の映像監視装置に付加すると、電力消費が大幅に増大し、監視ネットワークを構成させた場合には、その電力消費は膨大なものとなる。
【0013】
回転構造は、機械的に動作するので、機械的な摩擦による不調も生じうる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
従って、本発明は、映像変化に基づいて監視フレームを自動的に調整する方法を提供することに注目している。本発明の方法は、移動フレームを監視する目的を達成するために、映像を複数の単位ブロックに分割することにより、各単位ブロックの映像変化に基づいて、複数の変化ブロックを切分けすることができる。
【0015】
本発明の別の態様によれば、自動的に映像変化に基づいて監視フレームを調整する装置が提供され、自動的に監視フレームを調整する目的を達成するために、変化ブロック判定器で映像の変化ブロックを切分けすることができる。
【0016】
本発明により、自動的に映像変化に基づいて監視フレームを調整する方法が提供され、映像取得器で映像を取得し、所定の解像度で映像を映像受信器に伝送する。本発明による方法は、以下のステップを含む。最初に、映像を映像取得器により複数の単位ブロックに分割するステップ。次に、各単位ブロックの映像変化をそれぞれ計算し、映像取得器により複数の変化ブロックをマークするステップ。次に、上述の複数の変化ブロックを扱うための注目ブロックを映像取得器により選択するステップ。最後に、注目ブロックの解像度を、映像取得器により所定の解像度に調整し、その注目ブロックを映像受信器に出力するステップ。
【0017】
本発明の実施例における、映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する方法及び装置によれば、それぞれ上述した、各単位ブロックの映像変化について計算するステップと複数の変化ブロックをマークするステップは、以下のステップを含む。最初に、各単位ブロックの平均した各RGB値を計算するステップ。 次に、所定の時間間隔で、2つの連続した取得映像の単位ブロックの平均した各RGB値を比較し、R差分値、G差分値及びB差分値のそれぞれを得て、R差分値、G差分値及びB差分値と、所定のR許容値、G許容値及びB許容値とを比較し、R差分値、G差分値及びB差分値のいずれかが、R許容値、G許容値及びB許容値より大きくなったときには、上述のように、単位ブロックを変化ブロックとしてマークするステップ。
【0018】
本発明の実施例における、映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する方法によれば、所定の解像度は、映像受信器への伝送用ネットワーク帯域幅により決定される。
【0019】
本発明の実施例における、映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する方法によれば、上述の映像受信器は表示器である。
【0020】
本発明の実施例における、映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する方法によれば、所定の解像度は表示器の解像度である。
【0021】
本発明の実施例における、映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する方法によれば、映像受信器は記録器である。
【0022】
本発明の実施例における、映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する方法によれば、注目ブロックにおける変化しない行を、注目ブロックを選択するときに更に除去する。変化しない行は、注目ブロックにおける行に構成されている複数の単位ブロックを含んでおり、前述の変化ブロックのいずれも含んでいない。
【0023】
本発明の実施例における、映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する方法によれば、注目ブロックにおける変化しない列を、注目ブロックを選択するときに更に除去する。変化しない列は、注目ブロックにおける列に構成されている複数の単位ブロックを含んでおり、前述の変化ブロックのいずれも含んでいない。
【0024】
本発明の実施例における、映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する方法によれば、注目ブロックにおける変化しない行及び変化しない列を、注目ブロックを選択するときに更に除去する。変化しない行及び変化しない列は、それぞれ注目ブロックにおける行及び列に構成されている複数の単位ブロックを含んでおり、前述の変化ブロックのいずれも含んでいない。
【0025】
本発明は、映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する装置を提供し、その装置は、映像取得器と、映像受信器と、変化ブロック判定器と、領域内映像出力器とを備える。その装置において、映像取得器は、映像を取得するために用いられ、映像受信器は、映像取得器によって取得した映像を受信するために用いられる。更に、変化ブロック判定器は、映像取得器内に構成され、映像を複数の単位ブロックに分割し、それぞれ各単位ブロックの映像変化を計算し、複数の変化ブロックをマークするように用いられる。領域内映像出力器は、映像取得器内に構成されており、前述の複数の変化ブロックを扱うために、前述の複数の変化ブロックに基づいて注目ブロックを決定し、注目ブロックを所定の解像度で映像受信器に伝送するように用いられる。
【0026】
本発明の実施例における、映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する装置によれば、変化ブロック判定器は、各単位ブロックの平均した各RGB値を計算し、所定の時間間隔で、2つの連続する取得映像における単位ブロックの平均した各RGB値の差分を比較し、それぞれR差分値、G差分値及びB差分値を得る。また、変化ブロック判定器は、R差分値、G差分値及びB差分値と、所定のR許容値、G許容値及びB許容値とを比較し、R差分値、G差分値及びB差分値のいずれかが、R許容値、G許容値及びB許容値より大きくなるときに、上述のように、それぞれR差分値、G差分値及びB差分値を変化ブロックとしてマークする。
【0027】
本発明の実施例における、映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する装置によれば、領域内映像出力器は、注目ブロックを決定するときに、注目ブロックにおける変化しない行を更に除去する。変化しない行は、注目ブロックにおける行で構成されている複数の単位ブロックを含んでおり、前述の変化ブロックのいずれも含んでいない。
【0028】
本発明の実施例における、映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する装置によれば、前述の注目ブロックマーク器は、注目ブロックにおける変化しない列を更に除去する。変化しない列は、注目ブロックにおける列で構成されている複数の単位ブロックを含んでおり、前述の変化ブロックのいずれも含んでいない。
【0029】
本発明の実施例における、映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する装置によれば、前述の注目ブロックマーク器は、注目ブロックにおける変化しない行及び変化しない列を更に除去する。変化しない行及び変化しない列は、注目ブロックにおける行及び列で構成されている複数の単位ブロックを含んでおり、変化しない行及び変化しない列は、前述の変化ブロックのいずれも含んでいない。
【0030】
本発明において、変化ブロック判定器、即ち、注目ブロックマーク器は、映像取得器内に構成され、映像が移動したり変化したときは、対応する単位ブロックを自動的に切分けすることができ、自動的に監視フレームを調整する目的を達成するために、注目ブロックの映像を決定し、調整できる。
【0031】
前述の主題及び他の主題、特徴、及び本発明の利点を理解するために、以下、添付図を参照しながら、好適な実施例について詳細に説明する。
【0032】
また、以上の概説と以下の詳細な説明の双方は代表的な例であり、特許請求の範囲に記載の本発明について、更なる説明を以下に述べる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図2は、本発明の実施例による映像変化に基づいて監視フレームを自動的に調整する装置を示すブロック図である。図2を参照すると、本実施例では、映像取得器210内に変化ブロック判定器211及び領域内映像出力器212を構成させることにより、映像取得器210の解像度が映像受信器220の解像度と異なるという前提に従って、取得映像の変化に基づいて出力映像の領域及び解像度を調整することができる。
【0034】
図2に示すように、本実施例では、映像取得器210は、変化ブロック判定器211と領域内映像出力器212とを備え、映像取得器210は、ネットワーク230を介して映像受信器220に接続される。
【0035】
ユーザは、映像受信器220がネットワーク230を介して映像取得器210に接続されているときに、映像受信器220において映像取得器210によって取得した元の映像を観ることができる。変化ブロック判定器211は、取得映像を複数の単位ブロックに分割し、映像受信器220が映像を取得し始めるときに、同時にそれぞれ各単位ブロックの平均した各RGB値を計算し、記録する。
【0036】
例えば、メガピクセルカメラの解像度が、1280*l024dpi(ドット/インチ)である場合に、分割する単位ブロックのサイズが32*32dpiであれば、40*32=1280の単位ブロックで構成されることになり、これらの単位ブロックの平均した各RGB値は、以下の計算式により計算する。
【0037】


【0038】


【0039】


【0040】
次に、変化ブロック判定器211は、所定時間(例えば、0.2秒)の間隔で映像を得て、同様に各単位ブロックの平均した各RGB値を計算し、前の取得映像の対応する単位ブロックの平均した各RGB値から、後の取得映像の各単位ブロックの平均した各RGB値を差分して、R差分値、G差分値及びB差分値を得る。
【0041】
ここで、変化ブロック判定器211は、R差分値、G差分値及びB差分値と、所定のR許容値、G許容値及びB許容値とをそれぞれ比較し、R差分値、G差分値及びB差分値のいずれかが、R許容値、G許容値及びB許容値より大きければ、単位ブロックを決定し、変化ブロックとしてマークする。
【0042】
同様に、変化ブロック判定器211は、所定の時間後に、映像が前の映像と異なっているかどうか決定できる。仮に、決定した差分値があって、変化ブロックとしてマークした取得映像のn個の単位ブロック(nは、1以上の正の整数)があれば、全ての変化ブロックを扱う領域内映像出力器212は、ネットワーク230を介して所定の解像度で、注目ブロック内の映像を映像受信器220に伝送する。上述の所定の解像度は、映像受信器220の表示画面の解像度、或いは、ネットワーク230の伝送帯域がサポートできる解像度を合わせる。
【0043】
図3は、本発明の実施例による映像変化に基づいて監視フレームを自動的に調整する方法を示すフローチャートである。図3を参照すると、本実施例では、映像取得器で映像を取得し、監視フレームを自動的に調整するように所定の解像度で映像を映像受信器に伝送する。ここで、前述の映像受信器は、表示器及び記録器を備えることができ、前述の所定の解像度は、表示器の解像度を設定でき、或いは、映像受信器への伝送用ネットワーク帯域幅によってサポートされている解像度に従って決定することができる。所定の解像度は、ユーザの実際の要求に従って所定の解像度を調整できるなど、限定するものではない。
【0044】
まず最初に、映像取得器は、取得映像を複数の単位ブロックに分割し(ステップS310)、各単位ブロックの映像変化をそれぞれ計算し、複数の変化ブロックをマークする(ステップS320)。ここで、変化ブロックをマークするステップは、次のステップからなる。最初に、各単位ブロックの平均したRGB値を計算するステップ。次に、所定の時間間隔で、2つの連続する取得映像における単位ブロックの平均した各RGB値の差分値とを比較し、R差分値、G差分値及びB差分値を得るステップ。次に、R差分値、G差分値及びB差分値と、所定のR許容値、G許容値及びB許容値とを比較し、R差分値、G差分値及びB差分値のいずれかが、R許容値、G許容値及びB許容値より大きくなるときに、変化ブロックとして単位ブロックをマークするステップ。
【0045】
全ての単位ブロックを比較し、マークした後、映像取得器は、全てのマークした変化ブロックを扱うための注目ブロックを選択する(ステップS330)。本発明をより理解するために、様々な種々の実施例として、注目ブロックを決定する方法を以下に説明する。
【0046】
第1の実施例によれば、注目ブロックの変化しない行は、注目ブロックを選択するときに除去され、変化しない行は、注目ブロックの行に構成されている複数の単位ブロックを含むが、マークした変化ブロックのいずれも含まない。
【0047】
第2の実施例によれば、注目ブロックの変化しない列は、注目ブロックを選択するときに除去され、変化しない列は、注目ブロックの行に構成されている複数の単位ブロックを含むが、マークした変化ブロックのいずれも含まない。
【0048】
第3の実施例によれば、注目ブロックの変化しない行及び変化しない列は、注目ブロックを選択するときに共に除去され、変化しない行及び変化しない列は、注目ブロックの行及び列のそれぞれに構成されている複数の単位ブロックを含むが、マークした変化ブロックのいずれも含まない。
【0049】
最後に、注目ブロックを選択した後、映像取得器は、注目ブロックの解像度を所定の解像度に調整し、注目ブロックを映像受信器に出力する(ステップS340)。
【0050】
図4を参照すると、本実施例では、416*384dpiの解像度を有する取得映像400を、32*32dpiの13*12=156の単位ブロックに分割する。ここで、斜線の単位ブロックは、マークした変化ブロックを表し、濃い境界線で囲まれた領域は、選択した注目ブロックを表す。
【0051】
本発明の注目ブロックの計算方法は、最初に、取得映像の全フレームに対応する相対的位置により、全ての変化ブロックのx及びy軸の座標を規定する。その後に、全ての変化ブロックのうち最大及び最小となるx値を、それぞれ注目ブロックの最大及び最小のx値として規定し、全ての変化ブロックのうち最大及び最小となるy値を、それぞれ注目ブロックの最大及び最小のy値として規定する。計算は以下の式によって表される。
注目ブロック最小X = Min( 全ての変化ブロックX )
注目ブロック最小Y = Min( 全ての変化ブロックY )
注目ブロック最大X = Max( 全ての変化ブロックX )
注目ブロック最大Y = Max( 全ての変化ブロックY )
【0052】
次に、注目ブロックで扱うブロックを、実映像座標に変換し、注目範囲と、注目ブロックのズーム比は、所定の解像度の組み合わせによって得ることができる(ブロックサイズを、ブロック幅*ブロック高さとして規定し、左上角の座標を(0、0)に設定して、所定の解像度を、目標幅*目標高さに設定する)。その計算式は、以下のようになる。
注目範囲最小X = (注目ブロック最小X −1 ) *ブロック幅
注目範囲最小Y = (注目ブロック最小Y −1 ) *ブロック幅
注目範囲最大X = 注目ブロック最大X *ブロック幅−1
注目範囲最大Y = 注目ブロック最大Y *ブロック幅−1
ズーム比X = (注目ブロック最大X −注目ブロック最小X)
*ブロック幅/目標幅
ズーム比Y = (注目ブロック最大Y −注目ブロック最小Y)
*ブロック幅/目標幅
図4に示すように、本実施例は6つの変化ブロックを有しており、それらの座標は、それぞれ( 4, 2 ) 、( 7, 4 ) 、( 3, 5 ) 、( 8, 6 ) 、( 11, 8 )、及び( 5, 10 )であり、変化ブロックを扱う注目ブロックのサイズは、以下の式で計算することができる。
最小X = 最小 ( 4, 7, 3, 8, 11, 5 ) = 3
最小Y = 最小 ( 2, 4, 5, 6, 8, 10 ) = 2
最大X = 最大 ( 4, 7, 3, 8, 11, 5 ) = 11
最大Y = 最大 ( 2, 4, 5, 6, 8, 10 ) = 10
【0053】
従って、注目ブロックによって扱う領域は、( 3, 2 )から ( 11, 10 )までとして計算により得ることができ、実画素座標に変換された後には、[( 3−1 )*32, ( 2−1 )*32 ] = ( 64, 32 )から[ 11*32−1, 10*32−1] = ( 351, 319 )になる。伝送がテレビ電話を通じて176*144 dpiの解像度で実行される場合には、映像のズーム比は、横に( 351−64)/176= 1.6倍、縦に約( 319−32 )/144 = 2倍となる。次に、テレビ電話が等倍比ズームをサポートするのみであれば、注目ブロックの映像は、より大きい比率でズームされる。
【0054】
図5は、本発明の実施例による複数の区分的注目ブロックの計算方法を示す図である。 図5を参照すると、本実施例では、取得映像500の注目ブロックにおいて、変化ブロックを全く含まないブロック(例えば、図5のドット状の単位ブロック)の“全行”又は“全列”は、注目ブロックから除去され、残りの単位ブロックは、“分割フレーム”に組み合わせられ、区分ラインが除去部分に代えて加えられている。
【0055】
次に、ビデオ記録又は伝送は、実座標及び組み合わせた注目ブロックサイズを用いて実行する。本実施例の方法は、好適に移動領域のズーム比を増大させることができ、これにより、記録又は伝送において、より良いビデオ画質を得ることができる。 図5に示す場合では、列6及び7と行8、9、10及び11が全て除去され、区分ラインが加えられている。注目ブロックを組み合わせた後、移動領域のズーム比は、好適に約40%まで増大できている。
【0056】
図6は、本発明の実施例による映像変化に基づいて監視フレームを自動的に調整する装置の動作例を示す。 図6を参照すると、本実施例は、4つのフェーズに分けることができる。4つのフェーズとは、取得映像、注目ブロックの計算、注目ブロックの出力、及び、動作ステップに基づいて映像受信器への表示などである。図6では、この4つのフェーズの状況に基づいて、4つの映像a、b、c及びdを示す。動作フローは以下に説明する。
【0057】
元のビデオフレームは“家”である。移動フレームが無い故に、注目ブロックは全フレームとなり、フレームの出力及び表示も、全フレームとなる。
【0058】
フレーム中、歩いている“人”があるとき、本発明の装置は、自動的にフレームaとフレームbとを比較し、注目ブロックを“人”周辺の映像区画に移し、映像受信器に“人”のクローズアップ・フレームを表示するように注目ブロックの解像度を調整した後、注目ブロックを出力する。
【0059】
次に、「猫」がフレーム中に駆け込んだ場合、本発明における装置は、自動的にフレームcとフレームbとを比較し、注目ブロックを“人”及び“猫”周辺の映像区画に移す。映像受信器に“人”及び“猫”のクローズアップ・フレームを表示するように注目ブロックの解像度を調整した後、注目ブロックを出力する。
【0060】
その後、“人”は過ぎ去り、“猫”は残っている状況を考える。本発明における装置は、自動的にフレームdとフレームcとを比較し、注目ブロックを “猫”周辺の映像区画に移す。映像受信器に “猫”のクローズアップ・フレームを表示するように注目ブロックの解像度を調整した後、注目ブロックを出力する。
【0061】
尚、観る者に不満を生じさせる、非常に高速な映像受信器のフレームの切り替えを防止するために、滑らかにフレームを切り換えるように遅延時間を設定できる。
【0062】
概要として、本発明における映像変化に基づいて監視フレームを自動的に調整する装置及び方法によれば、映像が移動又は変化、及び注目ブロックを決定するときに、変化ブロック判定器及び領域内映像出力器は、対応する変化ブロックを自動的に切分けする映像取得器に付加される。注目ブロックの映像は、注目ブロックの解像度を調整した後に映像受信器に出力される。これにより、監視フレームを自動的に調整する目的を達成する。
【0063】
本発明の特許請求の範囲又は趣旨から逸脱することなく、様々な変更及び応用が本発明の構成として実現できることは、当業者に明らかである。上述の観点から、特許請求の範囲の請求項及びその等価の範囲内である限りは、本発明は、そのような本発明の変更及び応用をも含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】映像変化に基づいて作動及び非作動の従来の監視システムの動作フローチャートである。
【図2】本発明の実施例による、映像変化に基づいて監視フレームを自動的に調整する装置を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例による、映像変化に基づいて監視フレームを自動的に調整する方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例による、単一の注目ブロックについての計算方法を示す図である。
【図5】本発明の実施例による、複数の区分的注目ブロックの計算方法を示す図である。
【図6】本発明の実施例による、映像変化に基づいて監視フレームを自動的に調整する装置の動作例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像取得器によって映像を取得し、所定の解像度で前記映像を映像受信器に伝送する、映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する方法であって、
前記映像取得器が、前記映像を複数の単位ブロックに分割するステップと、
前記映像取得器が、各単位ブロックの前記映像変化をそれぞれ計算し、複数の変化ブロックをマークするステップと、
前記映像取得器が、前記複数の変化ブロックを扱うための注目ブロックを選択するステップと、
前記映像取得器が、前記注目ブロックの前記解像度を前記所定の解像度に調整し、前記注目ブロックを前記映像受信器に出力するステップとを含む方法。
【請求項2】
各単位ブロックの前記映像変化をそれぞれ計算し、複数の変化ブロックをマークする前記ステップが、
各単位ブロックの平均した各RGB値をそれぞれ計算するステップと、
所定の時間間隔で、2つの連続する取得映像の前記平均した各RGB値の差分を比較し、R差分値、G差分値及びB差分値を得て、前記R差分値、G差分値及びB差分値とR許容値、G許容値及びB許容値とをそれぞれ比較するステップと、
前記R差分値、G差分値及びB差分値のうちのいずれかが、前記R許容値、G許容値及びB許容値より大きくなるときに、前記単位ブロックを変化ブロックとしてマークするステップとを含む、請求項1に記載の自動的に監視フレームを調整する方法。
【請求項3】
前記所定の解像度が、前記映像受信器への伝送用ネットワーク帯域幅に従って決定されている、請求項1に記載の自動的に監視フレームを調整する方法。
【請求項4】
前記映像受信器が、表示器である、請求項1に記載の自動的に監視フレームを調整する方法。
【請求項5】
前記所定の解像度が、前記表示器の解像度である、請求項4に記載の自動的に監視フレームを調整する方法。
【請求項6】
前記映像受信器が、記録器である、請求項1に記載の自動的に監視フレームを調整する方法。
【請求項7】
前記注目ブロックの変化しない行が、前記注目ブロックを選択するときに、更に除去され、前記変化しない行が、前記注目ブロックの行に構成されている複数の単位ブロックを含み、前記変化ブロックのいずれも含まない、請求項1に記載の自動的に監視フレームを調整する方法。
【請求項8】
前記注目ブロックの変化しない列が、前記注目ブロックを選択するときに、更に除去され、前記変化しない列が、前記注目ブロックの列に構成されている複数の単位ブロックを含み、前記変化ブロックのいずれも含まない、請求項1に記載の自動的に監視フレームを調整する方法。
【請求項9】
前記注目ブロックの変化しない行及び変化しない列が、前記注目ブロックを選択するときに、更に除去され、前記変化しない行及び前記変化しない列が、前記注目ブロックの行及び列にそれぞれ構成されている複数の単位ブロックを含み、前記変化ブロックのいずれも含まない、請求項1に記載の自動的に監視フレームを調整する方法。
【請求項10】
映像変化に基づいて自動的に監視フレームを調整する装置であって、
映像を取得するように用いられる映像取得器と、
前記映像取得器によって取得した前記映像を受信するように用いられる映像受信器と、
前記映像取得器に構成され、前記映像を複数の単位ブロックに分割するように用いられ、各単位ブロックの前記映像変化をそれぞれ計算し、複数の変化ブロックをマークする変化ブロック判定器と、
前記映像取得器に構成され、前記複数の変化ブロックを扱うための前記複数の変化ブロックに基づいて注目ブロックを決定するように用いられ、所定の解像度で前記注目ブロックを前記映像受信器に伝送する領域内映像出力器とを備える装置。
【請求項11】
前記変化ブロック判定器が、各単位ブロックの平均した各RGB値をそれぞれ計算し、所定の時間間隔で、2つの連続する取得映像の前記単位ブロックの前記平均した各RGB値の差分を比較し、R差分値、G差分値及びB差分値を得て、前記R差分値、G差分値及びB差分値と、所定のR許容値、G許容値及びB許容値とを比較し、前記R差分値、G差分値及びB差分値のうちのいずれかが、前記R許容値、G許容値及びB許容値より大きくなるときに、前記単位ブロックを変化ブロックとしてマークする、請求項10に記載の自動的に監視フレームを調整する装置。
【請求項12】
前記領域内映像出力器が、前記注目ブロックを決定しているときに、前記領域内映像出力器が、前記注目ブロックの変化しない行を更に除去し、前記変化しない行が、前記注目ブロックの行に構成されている複数の単位ブロックを含み、前記変化ブロックのいずれも含まない、請求項10に記載の自動的に監視フレームを調整する装置。
【請求項13】
前記注目ブロックマーク器が、前記注目ブロックを選択しているときに、前記注目ブロックマーク器が、前記注目ブロックの変化しない列を更に除去し、前記変化しない列が、前記注目ブロックの列に構成されている複数の単位ブロックを含み、前記変化ブロックのいずれも含まない、請求項8に記載の自動的に監視フレームを調整する装置。
【請求項14】
前記注目ブロックマーク器が、前記注目ブロックを選択しているときに、前記注目ブロックマーク器が、前記注目ブロックの変化しない行及び変化しない列を更に除去し、前記変化しない行及び前記変化しない列が、前記注目ブロックの行及び列に構成されている複数の単位ブロックを含み、前記変化ブロックのいずれも含まない、請求項8に記載の自動的に監視フレームを調整する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−89115(P2007−89115A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−62975(P2006−62975)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(504253706)仁寶▼電▲腦工業股▼分▲有限公司 (15)
【Fターム(参考)】