説明

柔軟な負荷のもとでタービンシステムの運転を最適化する方法および装置

【課題】柔軟な負荷のもとでタービンシステムの運転を最適化する装置および方法を提供する。
【解決手段】ガスタービンシステム1は、圧縮機保護サブシステム5と、休止モードサブシステム7と、圧縮機保護サブシステム5および休止モードサブシステム7を制御する制御サブシステム11とを含む。タービンシステムの部分負荷において、圧縮機保護サブシステム5は、空気力学的応力が圧縮機13に発生する最小流量係数を超える、部分負荷の空気流量係数で、圧縮機13を通る空気流量を維持する。部分負荷で運転している間、燃焼器15の中の空気燃料比が維持され、タービン17からの排気ガス排出コンポーネント9、27、28が、所定のコンポーネント排出レベルよりも小さく維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンシステムに関し、より具体的には、柔軟な負荷のもとでタービンシステムの運転を最適化する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
世界人口の増加および所得の伸びが継続している結果として、電力需要は、世界的に増加し続けている。電力供給網は、需要の多少予測のできない大きな振幅、ならびに、生成能力の計画された変化および計画されていない変化を調節することが要求される。さらに、風力発電および太陽光発電などのような別の電源の重要性が増しており、これらの電源は、需要を満たすように発電するという点で影響を与える。
【0003】
電力需要は無秩序である。需要は、一日のサイクル、一月のサイクル、季節のサイクル、および一年のサイクルによって変化し得る。例えば、暑い日の典型的な住宅地の毎日の需要プロファイルは、朝早い時間に最小値を示し、夕方の時間に最大値を示し得る。同じ日の商業的な需要は、夕方の時間に最小値を示し、昼頃に最大値を示し得る。また、一年の天候および季節も需要に影響を与える。いくつかのケースでは、ピーク需要は、最小需要の2倍となる可能性がある。
【0004】
電力会社によって発電される電力は、効率的に貯蔵できないので、従来より、電力ユーティリティは、異なる生成アプローチを組み合わせて発電している。例えば、大型原子力プラントまたは大型石炭火力発電所は、最低限の電力(ベース負荷)を発電するために使用されることが可能である。ベース負荷発電プラントは、典型的に、最大出力で連続的に運転される。
【0005】
ピーク需要(ピーク負荷)の時間の間、電力会社は、発電するために単純サイクルガスタービンを使用することが可能である。ガスタービンは、迅速に起動して10〜30分で電力を生成する能力があるので、ピーク負荷の間に要求される追加的な容量を供給するのに望ましい。ピーク負荷の期間中に発電するために使用されるガスタービンは、電力に対する需要が低いときは、一日の一部分の間、停止されることが可能である。ガスタービンの運転期間は、需要にしたがって変化することが可能である。
【0006】
また、いくつかのユーティリティは、中間需要の期間中に電力を供給するために日中に稼働する負荷追従プラントを運転している。コンバインドサイクルガスタービンシステムは、負荷追従プラントとして使用されることがある。コンバインドサイクルガスタービンシステムは、典型的に、ガスタービンの排気に連結された熱回収蒸気発生器を含んでいる。需要が一日中変動するので、コンバインドサイクルガスタービンシステムは、その発電出力を調節することが可能である。コンバインドサイクルガスタービンシステムは、典型的に、効率、起動停止の速度、および容量について、ベース負荷発電プラントとピークプラント(例えば、ピーク電力を供給するために使用されるガスタービン)との間にある。
【0007】
増加する需要に応え、環境問題に対処するために、多くのユーティリティは、風力発電および太陽光発電などの再生可能エネルギーの電源を使用し、中間負荷およびピーク負荷に対応している。これらの電源は、それらの間欠的な発電容量に起因して、電力需要に対して追加的な変動性を加える。例えば、太陽光発電プラントの発電出力は、雲の量にしたがって変化し、同様に、風力発電出力は、風速にしたがって変化するであろう。
【0008】
ガスタービンは、ピーク負荷のための電力源として多くの利点を有している。ガスタービンは、効率が良く、据え付けコストが比較的低く、起動停止が比較的速く、排出量が低い。ガスタービンの起動順序は、スターターを通電することから始まる。タービンの回転数が点火回転数に到達すると、点火システムが通電され、燃料が燃焼器に供給される。燃焼状態で、確立された温度限界よりも温度が低く維持されながら、燃料流量が増加される。次いで、アイドリング速度に到達するまで、滑らかな加速を実現するために燃料流量が制御される。
【0009】
ガスタービンは、ベース負荷、ピーク負荷、およびベース負荷よりも低い負荷で運転されることが可能である。ガスタービンのベース負荷は、発電機出力および高温ガス進路部品寿命を最適化する負荷である。ANSI B133.6 Ratings and Performanceは、ベース負荷を、1回の起動当たり800時間で年間8,000時間の運転として規定している。また、それは、ピーク負荷を、1回の起動当たり5時間で年間1250時間の運転として規定している。ガスタービンのピーク負荷は、効率、部品寿命、および検査間隔をしばしば犠牲にしながら、発電出力を最大化する負荷である。ガスタービンは、電力の需要が増加するときに、より高い出力へ迅速に負荷上昇できるように、部分負荷または低負荷で運転されることが可能である。ガスタービンを部分負荷で運転することには、利点と不利な点がある。1つの利点は、起動停止時に発生するプラントメンテナンスコストが低減されることである。しかし、低負荷での運転は、より低い運転効率およびより高い運転コストを結果として生じる。
【0010】
ガスタービンからの仕事は、質量流量、燃焼ガスの中の熱エネルギー、および、タービンにわたる温度差の関数として変化する。これらの要因は、大気条件、燃料、入口および出口損失、燃料加熱、希釈剤注入、空気抽気、入口冷却、ならびに、蒸気および水注入によって影響されることが可能である。例えば、大気条件(圧力、温度、および湿度)の変化は、圧縮機への空気取り入れ口の密度および/または質量流量に影響し、結果的に、ガスタービン性能に影響する。そして、その質量流量は、圧縮機空気流量および燃料流量の関数である。
【0011】
また、排出基準を順守することが、ガスタービンの運転において、主要な制約である。大部分のガスタービンは、低硫黄および低灰分燃料を燃焼する。結果的に、ガスタービンから排出される主要な汚染物質は、窒素酸化物(NOおよびNO2、集合的にNOxと称される)、一酸化炭素(CO)、および揮発性有機化合物(VOC)である。天然ガスをガスタービンの中で燃焼するとき、NOxおよびCOが、重要な主要排出物であると考えられる。ガスタービンからの排出物は、大気温度、負荷、および汚染物質濃度の関数として著しく変化する。50%負荷より低いと、排出物濃度は増加する可能性がある。これは、特に、一酸化炭素(CO)に当てはまる。結果的に、依然として排出基準を順守しながら、従来のガスタービンシステムを運転することが可能な負荷レベルに対して限界がある。
【0012】
ガスタービン運転に適用できる排出基準は、国ごとに変化する可能性があり、米国では、連邦基準に加えて、基準が州ごとに変化する可能性がある。規制当局は、排出物を規制するための様々な制度を課す可能性がある。例えば、NOx排出限界は、単位出力当たり、または単位入熱(瞬時限界)当たりのNOxポンドとして示される可能性がある。いくつかの場合、基準は、濃度ベースまたは出力ベースの排出基準として策定されることが可能である。濃度ベースの限界は、体積比百万分の1の単位(ppmv)として示されることが可能である。出力ベースの排出限界は、有効に回収された単位エネルギー当たりの排出物質量、または、メガワット時当たりのポンドの単位で示されることが可能である。いくつかのプラントは、年間当たりまたは他の期間(期間限界)当たりに排出されるNOxのトン数に基づいて制限されることが可能である。
【0013】
いくつかの発電プラントは、起動モードにあるとき排出限界および他の制限を有する。起動限界のタイプには、(a)単位時間当たりのポンド、(b)lb/回/CTG、および(c)lb/回/パワーブロックが含まれる。最大許容可能なlb/hour限界は、空気品質影響評価において使用するには最も単純な値であるので、規制庁によって要求される可能性がある。
【0014】
広い出力範囲にわたるガスタービン運転の問題の1つは、効率、燃料消費、および排出、具体的には、NOxおよびCO排出が、悪い影響を受ける可能性があるということである。例えば、プラント運転員が、従来のガスタービンを低負荷で運転するとき、著しい効率の減少がある。別の問題は、ガスを燃料とするタービンが、低い大気温度条件において低負荷で運転されるとき、圧縮機が、後方段において、空気力学的な応力にさらされる可能性があるということである。段落負荷パラメータの増加によって駆動される空気力学的モードの励起に起因して、これらの応力は、空気力学的モードの空力安定性限界よりも下で発生する。これらの応力がはっきり表れる流量係数値は、ターンダウン制限区域と称される。より低い温度でガスタービンを運転するときのさらなる別の問題は、CO順守のために要求される最小負荷が、とりわけ大気温度の関数であるということである。例えば、いくつかのガスタービンにおいて、温度が35°F(1.7℃)よりも低くなると、CO順守のために要求される最小負荷が急に上昇する。さらなる別の問題は、コンバインドサイクルガスタービンシステムにおいて熱回収蒸気発生器を使用することが、ベース負荷、部分負荷、および負荷上昇運転モードにおける最適なガスタービン運転に追加的な制約を課す可能性があるということである。さらなる別の問題は、ガスタービンが、およそ10%負荷の極端に低い休止モードで運転されるとき、燃焼器希薄吹消(すなわち、火炎の喪失)の可能性があるということである。
【発明の概要】
【0015】
本発明の1つの観点によれば、ガスタービンシステムの発電出力を変化させる方法が提供される。この観点の本方法は、現在の発電出力および目標の発電出力を決定するステップを含む。本方法は、現在の圧縮機パラメータおよび燃焼器パラメータを測定するステップと、目標発電出力に対する圧縮機流量係数を計算するステップと、目標発電出力に対する排出率を計算するステップとを含む。目標発電出力に対する流量係数が所定のターンダウン限界よりも小さい場合には、本方法は、所定のターンダウン限界を超える流量係数に結果的になる新しい圧縮機パラメータを計算するステップを含む。計算された排出率が所定の排出限界よりも大きい場合には、本方法は、所定の排出限界より小さい排出率に結果的になる新しい燃焼器パラメータを計算するステップを含む。また、本方法は、発電出力を目標発電出力へ変化させるステップと、圧縮機パラメータを新しい圧縮機パラメータへ変化させるステップと、燃焼器パラメータを新しい燃焼器パラメータへ変化させるステップとを含む。
【0016】
本発明の別の観点によれば、ガスタービンシステムが提供される。この観点のガスタービンシステムは、圧縮機と、燃焼器と、タービンと、圧縮機保護サブシステムと、休止モードサブシステムと、圧縮機保護サブシステムおよび休止モードサブシステムを制御する制御サブシステムとを含む。
【0017】
本発明の別の観点によれば、ガスタービンシステムのターンダウン範囲を拡張する方法が提供される。本方法は、圧縮機を通って流れる空気について最小空気流量パラメータを確立するステップと、タービンから混合アセンブリへ、第1の流量でタービン排気を運搬するステップと、圧縮機から混合アセンブリへ、第2の流量で圧縮空気を運搬するステップと、圧縮機の空気流量が最小空気流量パラメータを超えるように維持するために、第1の流量および第2の流量を制御するステップとを含む。
【0018】
本発明の別の観点によれば、部分負荷でのコンバインドサイクルガスタービンの効率を改善する方法が提供される。本方法は、空気力学的応力が圧縮機に発生する最小流量係数を超える、部分負荷の空気流量係数で、圧縮機を通る空気流量を維持するステップと、タービンからの排気ガス排出コンポーネントが、所定のコンポーネント排出レベルよりも小さく維持される燃焼器の中の空気燃料比を維持するステップと、熱再循環蒸気発生器の入口の排気ガス温度を所定の最大入口温度よりも小さく維持するステップとを含む。
【0019】
本発明の別の観点によれば、部分負荷でのコンバインドサイクルガスタービンの効率を改善するシステムが提供される。本システムは、ターンダウンサブシステムと、休止サブシステムと、コンバインドサイクル等温式サブシステムと、ターンダウンサブシステムに指令を提供し、圧縮機を通る空気流量において、部分負荷に対する内部流量係数が、空気力学的応力が圧縮機に発生する最小流量係数よりも大きく維持する、制御サブシステムとを含む。
【0020】
本発明のこれらおよび他の特徴、観点、および利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読めば、より良く理解されるであろう。添付の図面において、同様の文字は、全図面にわたり同様の部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態によるガスタービンシステムの実施形態のブロック線図である。
【図2】本発明の一実施形態によるターンダウンサブシステムを示すブロック線図である。
【図3】本発明の別の実施形態によるターンダウンサブシステムを示すブロック線図である。
【図4】本発明の一実施形態による休止モードサブシステムを示すブロック線図である。
【図5】本発明の一実施形態によるコンバインドサイクル等温式サブシステムを示すブロック線図である。
【図6】本発明の一実施形態によるコンバインドサイクル等温式サブシステムの噴霧器コンポーネントの横断面図である。
【図7】本発明の一実施形態によるコンバインドサイクル等温式サブシステムの噴霧器コンポーネントの縦断面図である。
【図8】本発明の一実施形態による制御サブシステムを示すブロック線図である。
【図9】本発明の一実施形態による制御サブシステムの入出力を示すブロック線図である。
【図10】本発明の一実施形態によるガスタービンシステムにおいて発電出力をターンダウンする方法のフロー図である。
【図11】本発明の一実施形態によるガスタービンシステムにおいて発電出力をターンダウンする方法のフロー図である。
【図12】本発明の一実施形態によるガスタービンシステムのターンダウン範囲を拡張する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、ガスタービンシステム1の実施形態の高水準の概略図を示している。ガスタービンシステム1は、従来のガスタービン3、ターンダウンサブシステム4、および制御サブシステム11を含んでいる。ターンダウンサブシステム4は、圧縮機保護サブシステム5、休止モードサブシステム7、およびコンバインドサイクル等温式サブシステム9を含むことが可能である。
【0023】
ガスタービン3は、圧縮機13、燃焼器15、タービン17、発電機18、入口ガイドベーン(IGV)サブシステム19、および熱回収蒸気発生器サブシステム21を含むことが可能である。運転時、大気20が、IGVサブシステム19を通して吸い込まれ、圧縮機13へ進入する。大気20の温度、圧力、および相対湿度は、明らかに変化するであろう。比較の目的のために、タービン業界は、大気の標準条件を確立している。標準条件は、59°F/15℃、14.696psia/1.013bar、および相対湿度60%である。IGVサブシステム19は、圧縮機13の中への体積流量を変化させる働きをする。圧縮機13からの圧縮空気は、燃焼器15に進入し、燃焼器15において、圧縮空気は、燃料入力16からの燃料と混合され、燃焼させられる。燃焼器15からの排気は、タービン17を駆動し、そして、タービン17は、発電機18に接続されたシャフトを駆動する。いくつかのシステムでは、排気ガスは、熱回収蒸気発生器サブシステム21の中に流入させられ、熱回収蒸気発生器サブシステム21は、排気ガスから熱を回収し、蒸気タービン(図示せず)を駆動し、追加の電力を発電し、および/または、地域暖房などのようなプロセスへ蒸気を供給する。また、ガスタービンシステム1は、ガスタービン3をターンダウンサブシステム4に連結する圧縮機ブリードライン25および排気ガス抽気ライン27も含んでいる。別の実施形態では、排気ガス抽気ライン28が、ターンダウンサブシステム4をバイパスするために備えられることが可能であり、排気ガスを直接ガスタービン3へ供給する。また、圧縮機ブリードライン25および排気ガス抽気ライン27は、コンバインドサイクル等温式サブシステム9に連結されることも可能であり、コンバインドサイクル等温式サブシステム9において、ガスは、コンバインドサイクル入力22において、温度調節流体とブレンドされることが可能である。温度調節流体は、大気、水、蒸気、それらの任意の組み合わせ、または、コンバインドサイクル等温式サブシステム9の中のガスの温度を調整する機能を提供することが可能な任意の他の流体であることが可能である。
【0024】
図2に示されているのは、圧縮機保護サブシステム5の一実施形態である(二重点線で示されている)。圧縮機保護サブシステム5を表すコンポーネントが、実線で示されている。ガスタービンシステム1の他のコンポーネントが、点線で示されている。この実施形態では、圧縮機ブリードライン25は、外部ダクトアセンブリに連結されており、外部ダクトアセンブリは、上流側圧縮機ブリード制御弁29、下流側圧縮機ブリード制御弁31、および圧縮機ブリード流量センサ33を含んでいる。制御サブシステム11は、制御弁31を制御し、そして、制御弁31は、圧縮空気(Q1)の流量を制御する。圧縮空気は、マニホールドまたはエダクタなどのようなブレンドアセンブリ35へ輸送され、ブレンドアセンブリ35において、圧縮空気は、排気ガスとブレンドされ、IGVサブシステム19へ運搬される。排気は、排気抽気ライン27に連結された外部ダクトアセンブリによって供給される。排気ガス抽気ライン27には、排気ガス抽気(EGE)流量センサ39、EGE制御弁41、およびEGE遮断弁43が備えられている。EGEセンサ39は、排気ガス(Q2)の流量のデータを制御サブシステム11へ提供する。制御サブシステム11は、制御信号を、上流側圧縮機ブリード制御弁29、下流側圧縮機ブリード制御弁31、EGE流量センサ39、EGE制御弁41、およびEGE遮断弁43へ提供する。排気は、ガスタービン入口システム37において大気とブレンドされることが可能である。
【0025】
図3に示されているのは、圧縮機保護サブシステム5の別の実施形態であり、そこでは、中間段圧縮機ブリードライン45が、圧縮機13の中間段に接続されている。圧縮機ブリードライン25および中間段圧縮機ブリードライン45からの圧縮空気は、第1のブレンドを作り出すために、マニホールドまたはエダクタなどのようなブレンドコンポーネント46を通して混合される。ブレンドされた圧縮機空気は、ブレンドアセンブリ35において、排気ガス抽気ライン27からの排気とブレンドされる。次いで、第2のブレンドは、ガスタービン入口システム37において大気20とブレンドされることが可能であり、ブレンドされたガスは、IGV19を通して圧縮機13へ供給される。
【0026】
圧縮機保護サブシステム5は、段落負荷パラメータ、および圧縮機を通過する空気の流量係数などの圧縮機パラメータの連続的制御を通して、システムの性能を制御する能力を、ガスタービン3の運転員に提供する。段落負荷パラメータは、段落毎の仕事の取り出しの無次元量であり、高い段落負荷が望ましい。何故なら、高い段落負荷は、必要な仕事を生成するために、少ない段落しか必要としないということを意味するからである。高い段落負荷が効率に影響を与えるという事実によって、段落負荷は限定される。段落負荷パラメータは、最小相対Cm/U(流量係数)に基づいて特徴付けられることが可能である。流量係数は、平均ロータ速度に対する軸方向進入速度の比率である。無次元軸方向速度(流量係数と称されることが多い)が制限された範囲にあれば、圧縮機およびタービンが最も十分に動作するということが分かっている。所与の段落の流量係数は、その段落を通る質量流量の作用の特徴を示す。所与の流量係数について、軸方向からの圧縮機ブレードのブレード角度の増加に伴って、段落負荷は増加する。
【0027】
寒い気温などのように大気条件が変化する中で、従来のガスタービンがより低い温度でさらされる空気力学的な応力を回避しながら、プラント運転員がガスタービンをより低い負荷で稼働することを、圧縮機パラメータの制御が可能にする。これは、圧縮機に進入する空気の入口温度、およびIGVサブシステム19の中のベーンのベーン角度を制御することによって達成される。圧縮機入口温度は、抽気された排気ガスを使用して制御される。IGV19を通して圧縮機13へ供給されたブレンドされたガスの温度を制御することによって、ガスタービン3は、低い大気温度におけるターンダウン制限区域を超えて(公称Cm/Uのレベルを超えて)運転されることが可能であり、それによって、ガスタービン3が低負荷で運転されるときに圧縮機13を保護する。さらに、休止モードサブシステム7は、同様に、ガスタービン3の運転員が公称CO排出限界を超えて負荷を低下させることを可能にする。
【0028】
拡張されたターンダウンによる顧客の利益は、年間生成時間(稼働率、設備利用率)の増加、起動停止周期の低減(メンテナンスコストの低減)、および、低い大気温度における公称値よりも低いこのターンダウンにおける運転効率の著しい改善である。
【0029】
本明細書で説明されている圧縮機保護サブシステム5の利点は、圧縮機13へ供給される空気を加熱するために使用されるシステムの全体的な複雑さが低減されることによって、資本コストおよびメンテナンスコストが低減されることが可能であるということである。本明細書で説明されている圧縮機保護サブシステム5の別の利点は、それによって、ガス化複合発電(IGCC)運転などのように低カロリー燃料ガスを使用するときに、ガスタービン3の運転員が、運転効率を改善することが可能になるということである。
【0030】
図4に示しているのは、休止モードサブシステム7の実施形態である。休止モードサブシステム7は、二重点線の中に示されており、休止モードサブシステム7のコンポーネントは、実線で示されている。ガスタービンシステム1の他のコンポーネントは、点線で示されている。この実施形態では、圧縮機13からの圧縮空気は、スプリッター48において分割され、上流側圧縮機ブリード制御弁29、下流側圧縮機ブリード制御弁31、および圧縮機ブリード流量センサ33を通して圧縮機13の中に流れることになる部分になる。圧縮機の中に流れることになる部分は、IGVサブシステム19へ運搬される。また、圧縮機13からの圧縮空気は、圧縮機空気機外排出ライン47を通して排気ガスへ機外排出されることになる第2の部分にも分割される。排気ガスへ機外排出されることになる空気の流れは、機外排出遮断弁49、機外排出制御弁51、および機外排出流量センサ53によって制御される。機外排出流量センサ53は、流量データを制御サブシステム11へ提供する。制御サブシステム11は、機外排出遮断弁49および機外排出制御弁51へ制御信号を提供する。
【0031】
休止モードサブシステム7は、圧縮機吐出空気を圧縮機入口およびタービン排気へ機外排出することによって休止モードを可能にし、それによって、排出を支持する所望の燃料空気比(FAR)を最大限界よりも低いレベルに維持する。休止モードサブシステム7は、前述の圧縮機保護サブシステム5と一体化されることが可能である。また、この発明は、非常に低い運転時間/起動回数の比率における運転に関係する顧客の運転コストおよびメンテナンスコストを低減する。
【0032】
休止モードサブシステム7は、必要なスピニング容量を提供するために、急速なベース負荷レベルへの負荷上昇の能力を備えた状態で、およそ10%負荷の極端に低い「休止モード」レベルで、ガスタービン3の運転員が運転することを可能にする。また、休止モードサブシステム7は、非常に低い運転時間/起動回数の比率におけるガスタービン3の運転に関係する運転コストおよびメンテナンスコストを低減することも可能である。また休止モードサブシステム7は、ガスタービン3の運転員が、依然として排出規制を順守しながら、極端に低い休止モードで運転することも可能にする。この実施形態で示されている休止モードサブシステム7は、ガスタービン3の中心線または燃焼システムに対する設計変更を必要としないであろうし、主要なコンポーネントの最小限の追加によって達成されることが可能である。休止モードサブシステム7は、COおよびNOxの公称排出限界を超えて選択可能なガスタービン3のターンダウンを可能にする。さらに、休止モードサブシステム7は、空気燃料比の調節および燃焼器希薄吹消の軽減のための計画を確立している。
【0033】
図5に示されているのは、コンバインドサイクルの実施形態の中のターンダウンサブシステム4の一部分として実施されることが可能なコンバインドサイクル等温式サブシステム9である。コンバインドサイクルの実施形態では、ガスタービン3からの高温排気ガスが、熱回収蒸気発生器21を通過し、蒸気タービンを駆動する蒸気を生成する。ガスタービン3を負荷上昇し、出力を増加させ、熱消費率を低減することが望ましいことが多いが、熱回収蒸気発生器21の設計限界が、ベース負荷、部分負荷、および負荷運転モードの最適なガスタービン運転に追加の制約を課す可能性がある。
【0034】
コンバインドサイクル等温式サブシステム9は、二重点線の中に示されており、コンバインドサイクル等温式サブシステム9のコンポーネントは、実線で示されている。ガスタービンシステム1の他のコンポーネントは、点線で示されている。この実施形態では、圧縮機13からの圧縮空気は、圧縮機ブリードライン25を通して流れる。前述のように、上流側圧縮機ブリード制御弁29が、圧縮機ブリードライン25上に配置されることが可能である。さらに、機外排出遮断弁49、機外排出制御弁51、および機外排出流量センサ53が、圧縮機空気機外排出ライン47上に配置されることが可能である。さらに、安全弁54が、圧縮機空気機外排出ライン47上に配置されることが可能である。圧縮空気は、タービン17からの排気およびコンバインドサイクル入力22における温度調節流体とブレンドされることが可能である。複合された圧縮機空気、排気、および温度調節流体は、温度調節サブシステム55を通って流れることが可能であり、温度調節サブシステム55において、複合ガスの温度は制御されることが可能である。複合温度調節ガスは、熱回収蒸気発生器サブシステム21の中へ流され、そこで追加の仕事が取り出されることが可能である。
【0035】
コンバインドサイクル運転は、ガスタービンエンジンから離れる排気ガスが、特定の温度範囲の中にあることが要求される。これは、ガスタービン排気ダクトおよび熱回収蒸気発生器21のハードウェアを劣化させることを回避するために、排気温度が高過ぎてはいけないということである。さらに、蒸気タービンのロータおよびケーシングの中の熱的非定常状態がタービンロータを劣化させる可能性があるとき、強制冷却と称される状態を回避するために、温度は特定の温度値よりも低くなるべきではない。上述された2つの温度限界は、それぞれ、上側閾値等温線および下側閾値等温線と称される。
【0036】
温度調節サブシステム55は、温度調節のための水噴霧器によってアフタークーリングを提供するアセンブリである。温度調節サブシステム55は、ガスタービン3の排気ダクトの中に最適化された噴霧器構成を提供し、1つまたは複数の噴霧器注入ノズル57がダクトの中に配置されている。それぞれの噴霧器注入ノズル57は、作動流体入力58からの復水または他の作動流体を供給され、成形されたバッフルアセンブリ59によって上流を遮蔽されている。
【0037】
図6および図7に示されているのは、成形されたバッフルアセンブリ59である。バッフル61は、重なり合うスプレーパターン62を最適化し、ガス温度の均一性を実現するために戦略的に配置されている。温度調節サブシステム55は、熱回収蒸気発生器サブシステム21の中の任意の圧力区域から復水を受け入れ、または、外部から脱塩水が作動流体として供給される。噴霧器流量および復水源は、制御サブシステム11によって制御されることが可能である。
【0038】
コンバインドサイクル等温式サブシステム9は、熱回収蒸気発生器21に進入する排気ガス温度を、温度調節する水噴霧器によるアフタークーリングによって、外部から管理および最適化する能力を提供する。
【0039】
コンバインドサイクル等温式サブシステム9は、部分負荷で運転する効率および能力に対する制約のうちのいくつかを部分的に克服し、それは、入口ガス温度限界によって課される。これらの制約は、全ての負荷点においてガスタービン3の出力およびプラント全体効率を限定する可能性がある。結果的に、ガスタービン3は、全ての運転モードの間、排気ガス温度がHRSG21の入口温度限界を超えた状態で運転されることが可能であり、負荷率、および熱回収蒸気発生器サブシステム21への排気ガスの熱伝達を改善する。コンバインドサイクル等温式サブシステム9は、ガスタービン3から熱回収蒸気発生器21に進入する排気ガス温度を、温度調節のための水/蒸気噴霧器によるアフタークーリングによって、外部から管理および最適化する方法を提供する。さらに、コンバインドサイクル等温式サブシステム9は、下流の温度の均一性のための噴霧器ノズルおよびバッフル構成を提供し、ガスタービンの顧客が、任意の運転モードの間、排気ガス温度が熱回収蒸気発生器サブシステム21の入口温度限界を超えた状態でガスタービン3を運転することを可能にする。また、コンバインドサイクル等温式サブシステム9の使用は、コンバインドサイクルガスタービンプラントの負荷率を改善し、ガスタービン3が負荷上昇されるときにガスタービン3と熱回収蒸気発生器サブシステム21との間のミスマッチを防止する。コンバインドサイクル等温式サブシステム9の別の利点は、それが、発電出力が要求されないときに最大蒸気生成量で、ガスタービン3とコンバインドサイクルプラントの間の負荷バランスを調節する手段を提供するということである。そして、これは、地域暖房、および精製所などのような設備における現地での熱電併給などのように、追加の蒸気が望まれるいくつかの用途において、発電プラント運転員に柔軟性を提供する。他の利点は、熱回収蒸気発生器サブシステム21への排気ガス熱伝達の改善、および、ガスタービン3が等温式に制約される部分負荷条件下のコンバインドサイクルガスタービン熱消費率の改善である。最後に、コンバインドサイクル等温式サブシステム9は、拡張されたターンダウンでの排出プロファイルを改善し、かつ、古い発電プラントを改良する能力を改善する。追加の利益には、年間生成時間(稼働率、設備利用率)が増加されることが含まれ、コンバインドサイクルガスタービンの起動停止周期が負荷バランスの柔軟性を伴って低減され(メンテナンスコストが低減され)、部分負荷の運転効率が改善され、コンバインドサイクルガスタービンを改良することが含まれる。
【0040】
図8に示されているのは、タービンシステム1の様々なコンポーネントおよびプロセスを制御するために使用される制御サブシステム100である。制御サブシステム100は、制御モジュール103を含むことが可能であり、制御モジュール103は、典型的に、タービンシステム1のコンポーネントの制御などのような電気機械的プロセスを自動化するデジタルコンピュータである。これらのコンポーネントは、入口ガイドベーンサブシステム19、圧縮機13、および燃焼器15を含むことが可能である。例えば、GE Industrial & Power Systems of Schenectady, N.Y.によって発行された、Rowen,W.I.による「SPEEDTRONICTM Mark V Gas Turbine Control subsystem」(GE−3658D)に記載されているように、制御モジュール103は、General Electric SPEEDTRONIC(登録商標)ガスタービン制御サブシステムであることが可能である。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Rex Allen Morganらによる「Method and System for Controlling Gas Turbine by Adjusting Target Exhaust Temperature」という名称の米国特許第6,912,856号に記載されているような制御サブシステムである。
【0041】
制御モジュール103は、中央処理装置105を含んでいる。メモリコンポーネント107、入力コンポーネント109、および出力コンポーネント111が、中央処理装置105に関係することが可能である。メモリコンポーネント107は、フラッシュディスクカード、ランダムアクセスメモリカード(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、非同期性ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、または任意の他の所望のタイプのメモリデバイスを含むことが可能であり、制御モジュール103の一部であるか、または制御モジュール103から分離されていることが可能である。入力コンポーネント109および出力コンポーネント111は、制御モジュール103に関係する単一の入出力カードとして組み合わせられることが可能である。入力コンポーネント109および出力コンポーネント111は、制御モジュール103の中に組み込まれて示されているが、それらは、制御モジュール103に接続するコンピュータネットワークに取り付けられた外部入出力モジュールとして提供されることが可能である。
【0042】
さらに、制御モジュール103は、通信コンポーネント113および電源115を含んでいる。制御モジュール103は、複数の入力117を処理し、複数の出力119を提供する。また、制御モジュール103は、デジタルコンピュータなどのヒューマンマシンインターフェース(HMI)121にも連結されている。HMIは、マンマシンインターフェース(MMI)およびグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)とも称され、ユーザーと相互作用するための使用ボタンおよび光、テキストディスプレイ、ならびにグラフィカルタッチスクリーンを含むことが可能である。プログラミングソフトウェアおよび監視ソフトウェアが、通信インターフェースを介して制御モジュール103に接続されたコンピュータにインストールされることが可能である。様々なプロセスを制御するプログラム実行アルゴリズムが、典型的にメモリコンポーネント107の中に格納されるであろう。
【0043】
データベースが、メモリコンポーネント107の中に格納されることが可能である。メモリコンポーネント107の中に格納されたデータベースは、圧縮機負荷限界データベースを含むことが可能であり、圧縮機負荷限界データベースは、異なる圧縮機入口における温度Ti、燃焼器における燃料空気比(FAR)、およびガイドベーン角度θに対するそれぞれのガスタービン3の圧縮機負荷限界に関係する。
【0044】
メモリコンポーネント107の中に格納されたデータベースは、排出限界データベースを含むことが可能であり、排出限界データベースは、それぞれのガスタービン3についての異なるTi、θ、およびFARに対する排出限界に関係する。メモリコンポーネント107の中に格納されたデータベースは、流量データベースを含むことが可能であり、流量データベースは、異なるTa、Ti、FAR、およびθに対するそれぞれのガスタービン3の様々な流量(Q1、Q2、Q3など)に関係する。データベースの中の他の情報は、圧縮機流量対排出量スケジュール、圧縮機排出モジュール、および、異なる大気温度および変化するIGV角度の特定のガスタービン3に対して、空気力学的応力が、圧縮機の後方段において発生するときの流量係数を示すデータを含むことが可能である。
【0045】
図9を参照すると、制御モジュール103は、タービンシステムから様々な入力を受け取ることが可能であり、その入力は、タービンの制御に関連する入力123(タービン入力)、および、システムの残りの部分の制御に関連する入力125(システム入力)が含まれる。さらに、制御モジュール103は、HMI121からの入力(HMI入力127)を受け取ることが可能である。制御モジュール103は、プログラムロジック129に基づいてプログラムを実行し、タービンを制御するための出力(タービン出力133)、およびシステムの残りの部分を制御するための出力(システム出力135)を提供することになる。
【0046】
タービン入力123は、タービン入口温度、タービン排気温度、およびユニットの特定の入口温度スケジュールを含むことが可能である。システム入力125は、とりわけ、拡張されたターンダウンのユニットの特定の圧縮機入口温度スケジュール、抽気流量、抽気温度、入口温度スケジュール、制御弁開度、安全/遮断弁開度を含むことが可能である。HMI入力127は、「通常」モード(出力−制御弁閉、安全弁閉)または「ターンダウン」モード(出力−制御弁開許容、遮断弁開許容)の選択を含むことが可能である。
【0047】
高いレベルで、プログラムロジック129は、以下のように表されることが可能である。
【0048】
【表1】

システム出力135は、排気ガス抽気遮断弁43、機外排出遮断弁49、および安全遮断弁54を開閉するための指令を含むことが可能である。さらに、システム出力135は、上流側圧縮機ブリード制御弁29、下流側圧縮機ブリード制御弁31、排気ガス抽気(EGE)制御弁41、および機外排出制御弁51の開度を設定するための指令を含むことが可能である。
【0049】
図10は、開始負荷(Lstart)からターンダウンレベル負荷(Lend)へガスタービン3の負荷を低減するために圧縮機保護サブシステム5によって実施されることが可能な例示的方法のフローチャートである。運転員は、現在の負荷Lstart(方法要素151)および目標負荷Lend(方法要素153)を決定する。制御サブシステム11は、大気温度(Ta)、圧縮機入口温度(Ti)、IGVベーン角度(θ)、圧縮機ブリード流量Q1、および排気ガス抽気流量Q2を含むデータをセンサから受け取る(方法要素155)。運転員は、負荷をLstartからLendへ持っていくために負荷減少速度ΔL/tを決定することが可能である。漸進的な負荷の減少ΔLが、決定されることが可能であり(方法要素157)、最適なCm/U、Ti、およびθが、特定のガスタービンに対するCm/U制限および排出限界に基づいて計算または決定されることが可能である(方法要素159)。それらの値に基づいて、制御サブシステムは、それらの条件を実現するために必要な流量Q1、Q2、Q5、およびQ6、ならびに、温度調節サブシステム55のための入力パラメータを決定することが可能である(方法要素161)。制御サブシステム11は、低減された負荷のための目標条件を実現するために、EGE制御弁41および下流側圧縮機ブリード制御弁31へ指令を提供する(方法要素163)。次いで、負荷は、ΔLだけ低減される(方法要素165)。もし、Lendへ到達しなければ、次いで、負荷がLendに到達するまでプロセスが繰り返される(方法要素167)。
【0050】
図11は、開始負荷(Lstart)から負荷上昇レベル負荷(Lend)へガスタービン3の負荷を増加させる(負荷上昇)ために圧縮機保護サブシステム5によって実施されることが可能な例示的方法のフローチャートである。運転員は、現在の負荷Lstart(方法要素251)および目標負荷Lend(方法要素253)を決定する。制御サブシステム11は、大気温度(Ta)、圧縮機入口温度(Ti)、IGVベーン角度(θ)、圧縮機ブリード流量Q1、および排気ガス抽気流量Q2を含むデータをセンサから受け取る(方法要素255)。運転員は、負荷をLstartからLendへ持っていくために負荷増加速度ΔL/tを決定することが可能である。漸進的な負荷の増加ΔLが、決定されることが可能であり(方法要素257)、最適なCm/U、Ti、およびθが、特定のガスタービンに対するCm/U制限および排出限界に基づいて計算または決定されることが可能である(方法要素259)。それらの値に基づいて、制御サブシステムは、それらの条件を実現するために必要な流量Q1、Q2、Q5、およびQ6、ならびに、温度調節サブシステム55のための入力パラメータを決定することが可能である(方法要素261)。制御サブシステム11は、増加された負荷のための目標条件を実現するために、EGE制御弁41および下流側圧縮機ブリード制御弁31へ指令を提供する(方法要素263)。もし、Lendへ到達しなければ、次いで、負荷がLendに到達するまでプロセスが繰り返される。図10および図11に示されている方法を利用することは、圧縮機13にかかる空気力学的な応力を回避しながら、開始負荷および最終負荷を制御するだけでなく、負荷が変化する速度も制御する柔軟性を運転員に提供する。
【0051】
図12は、依然として排出基準を順守しながら、ターンダウン負荷へガスタービン3をターンダウンする方法の実施形態を示しており、それは、休止モードサブシステム7によって実施されることが可能である。運転員は、現在の負荷(L)(方法要素271)および目標最終負荷(Lend)(方法要素273)を決定する。次いで、運転員は、漸進的な負荷の変化ΔLを決定することが可能である(方法要素275)。制御サブシステム11は、新しい負荷レベルにおける流量係数(Cm/UL+ΔL)が、制限された範囲における流量係数(Cm/UR)よりも低いかどうかを決定することが可能である(方法要素277)。もし、新しい負荷レベルにおける流量係数が、制限された範囲の流量係数よりも小さければ、制御サブシステム11は、流量係数を制限された範囲の流量係数よりも高いレベルに維持するために要求される圧縮機入口温度ΔTの変化およびIGVベーン角度θの任意の変化を計算する(方法要素279)。次いで、制御サブシステム11は、新しい負荷レベルにおけるNOxが、適用可能な最大NOx排出許容値よりも大きいかどうかを決定する。さらに、また、制御サブシステム11は、新しい負荷レベルにおけるCOが、適用可能な最大CO排出許容値よりも大きいかどうかを決定することが可能である(方法要素281)。もし、新しい負荷について計算された排出レベルが、許容レベルを超えれば、制御サブシステムは、燃焼器が許容レベル内の排出レベルで運転されるために必要な燃料空気比の変化を計算することになる(方法要素283)。次いで、制御サブシステム11は、新しいレベルへ負荷を変化させることが可能である(方法要素285)。制御サブシステム11は、新しい負荷レベルにおける流量係数が、制限されたレベルにおける流量係数よりも小さいかどうかを決定することが可能である(方法要素287)。もし、新しい負荷レベルにおける流量係数が、制限されたレベルにおける流量係数よりも小さければ、制御サブシステム11は、それにしたがって入口温度を調節するように休止モードサブシステム7に指示することになる(方法要素289)。制御サブシステム11は、NOx排出レベルが、システムに課されるNOx排出限界を超えるかどうかを決定することが可能である。また、制御サブシステム11は、CO排出レベルが、システムに課されるCO排出限界を超えるかどうかも決定することが可能である(方法要素291)。もし、新しい負荷レベルにおける排出値が、適用可能な排出レベルを超えるならば、制御サブシステム11は、排出値が許容レベル内になるように、燃焼器15における空気に対する燃料の比率を調節するよう休止モードサブシステム7に命じることになる(方法要素293)。コンバインドサイクルガスタービンシステムにおいて、方法は、新しい負荷に対する熱回収蒸気発生器サブシステム21への入口温度を決定する方法要素をさらに含むことが可能であり、もし、それが、許容温度限界を超えるならば、制御サブシステム11は、熱回収蒸気発生器サブシステム21に進入するガスの温度を温度調節し、その温度が許容可能限界内となるようにするようコンバインドサイクル等温式サブシステム9に命じることが可能である。図12に示されている方法を利用することは、排出基準によって課される限界を破ることを回避しながら、開始負荷および最終負荷を制御するだけでなく、負荷が変化する速度も制御する柔軟性を運転員に提供する。
【0052】
圧縮機保護サブシステム5と、休止モードサブシステム7と、コンバインドサイクルガスタービンシステムの場合にはコンバインドサイクル等温式サブシステム9との組み合わせは、非常に低い負荷レベルにおいて、従来システムよりも高い効率でガスタービンを運転する柔軟性をプラント運転員に提供する。さらに、サブシステムの組み合わせは、ガスタービンシステム1の発電出力を変化させる複数の進路を運転員に提供する。圧縮機入口温度と、燃焼器15における空気に対する燃料の比率と、および熱回収蒸気発生器サブシステム21の入口のガス温度との組み合わせを制御することによって、運転員は、所与の部分負荷および所与の大気温度におけるガスタービン3および/またはコンバインドサイクルの効率を改善することが可能である。
【0053】
ガスタービンシステム1の様々な実施形態は、かなりの運転上の利点をガスタービン3にもたらす。例えば、代表的なガスタービン3について計算すると、依然としてNOxおよびCOの順守を維持しながら、ターンダウン限界は、およそ45%と60%負荷との間の範囲から、およそ10%と36%との間の範囲へ減少させられることが可能であることが示される。これらの負荷レベルは、特定の負荷レベルで運転するために要求されるBTU/KWhに対してある程度の影響を伴いながら維持されることが可能である。
【0054】
この明細書は、本発明を開示するために、また、任意の当業者が本発明を実施(任意のデバイスまたはシステムを製造および使用すること、ならびに任意の組み込まれた方法を実行することを含む)することができるように、例(最良の形態を含む)を使用している。本発明の特許の範囲は、特許請求の範囲によって画定され、当業者が考え付く他の例を含むことが可能である。そのような他の例が、特許請求の範囲の文言と異ならない構造的要素を含んでいる場合には、または、特許請求の範囲の文言とわずかに異なる、均等な構造的要素を含んでいる場合には、そのような他の例は、特許請求の範囲内に含まれるということが意図されている。
【符号の説明】
【0055】
1 ガスタービンシステム
3 ガスタービン
4 ターンダウンサブシステム
5 圧縮機保護サブシステム
7 休止モードサブシステム
9 コンバインドサイクル等温式サブシステム
11 制御サブシステム
13 圧縮機
15 燃焼器
16 燃料入力
17 タービン
18 発電機
19 入口ガイドベーン(IGV)サブシステム
20 大気取り入れ口
21 熱回収蒸気発生器サブシステム
22 コンバインドサイクル入力
25 圧縮機ブリードライン
27 排気ガス抽気ライン
28 別のEGEライン
29 上流側圧縮機ブリード制御弁
31 下流側圧縮機ブリード制御弁
33 圧縮機ブリード流量センサ
35 ブレンドアセンブリまたはエダクタ
37 ガスタービン入口システム
39 排気ガス抽気(EGE)流量センサ
41 排気ガス抽気(EGE)制御弁
43 排気ガス抽気遮断弁
45 中間段圧縮機ブリードライン
46 ブレンドコンポーネント(マニホールド、エダクタ)
47 圧縮機空気機外排出ライン
48 スプリッター
49 機外排出遮断弁
51 機外排出制御弁
53 機外排出流量センサ
54 安全遮断弁
55 温度調節サブシステム
57 噴霧器注入ノズル
58 作動流体入力
59 成形されたバッフルアセンブリ
61 バッフル
62 重なり合うスプレーパターン
63 入力
103 制御モジュール
105 中央処理装置
107 メモリコンポーネント(フラッシュディスクカード)
109 入力コンポーネント(i/oカード)
111 出力コンポーネント
113 通信コンポーネント(通信カード)
115 電源
117 入力
119 出力
121 ヒューマンマシンインターフェース(HMI)PC
123 タービン入力
125 システム入力
127 HMI入力
129 プログラムロジック
133 タービン出力
135 システム出力
151 運転員が現在の負荷Lstartを決定する
153 運転員がターンダウンレベル負荷(Lend)を決定する
155 制御システムがデータをセンサから受け取る
157 漸進的な負荷の減少を決定する
159 最適なCm/U、Ti、およびθが、計算されることが可能である
161 それらの条件を実現するために必要な流量Q1、Q2、Q5、およびQ6、ならびに、温度調節サブシステム55のための入力パラメータを決定する
163 EGE制御弁41および下流側圧縮機ブリード制御弁31への指令
165 次いで、負荷はΔLだけ低減される
167 もし、Lendへ到達しなければ、次いで、負荷がLendに到達するまでプロセスが繰り返される
251 運転員が現在の負荷Lstartを決定する
253 運転員が負荷上昇レベル負荷(Lend)を決定する
255 制御システムがデータをセンサから受け取る
257 漸進的な負荷の増加を決定する
259 最適なCm/U、Ti、およびθが、計算されることが可能である
261 それらの条件を実現するために必要な流量Q1、Q2、Q5、およびQ6、ならびに、温度調節サブシステム55のための入力パラメータを決定する
263 EGE制御弁41および下流側圧縮機ブリード制御弁31への指令
265 次いで、負荷はΔLだけ増加される
267 もし、Lendへ到達しなければ、次いで、負荷がLendに到達するまでプロセスが繰り返される
271 現在の負荷を決定する
273 目標最終負荷(Lend)
275 漸進的な負荷の変化ΔLを決定する
277 新しい負荷レベルにおける流量係数(Cm/UL+ΔL)が、制限された範囲における流量係数よりも低いかどうかを決定する
279 流量係数を制限された範囲の流量係数よりも高いレベルに維持するために要求される圧縮機入口温度ΔTの変化およびIGVベーン角度θの任意の変化を計算する
281 新しい負荷レベルにおけるNOxが、適用可能な最大NOx排出許容値よりも大きいかどうかを決定する
283 燃焼器が許容レベル内の排出レベルで運転されるために必要な燃料空気比の変化を計算する
285 新しいレベルへ負荷を変化させる
287 新しい負荷レベルにおける流量係数が、制限されたレベルにおける流量係数よりも小さいかどうかを決定する
289 それにしたがって入口温度を調整する
291 NOx排出レベルがNOx排出限界を超えるかどうかを決定する
293 燃焼器における空気に対する燃料の比率を調整する

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、燃焼器、およびタービンを有するガスタービンシステムの発電出力を変化させる方法であって、前記方法は、
現在の発電出力を決定するステップと、
目標の発電出力を決定するステップと、
現在の圧縮機パラメータおよび燃焼器パラメータを測定するステップと、
前記目標発電出力に対する圧縮機流量係数を計算するステップと、
前記目標発電出力に対する排出率を計算するステップと、
前記目標発電出力に対する前記流量係数が所定のターンダウン限界よりも小さい場合には、前記所定のターンダウン限界を超える流量係数に結果的になる新しい圧縮機パラメータを計算するステップと、
計算された前記排出率が所定の排出限界よりも大きい場合には、前記所定の排出限界より小さい排出率に結果的になる新しい燃焼器パラメータを計算するステップと、
前記発電出力を前記目標発電へ変化させるステップと、
前記圧縮機パラメータを前記新しい圧縮機パラメータへ変化させるステップと、
前記燃焼器パラメータを前記新しい燃焼器パラメータへ変化させるステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記圧縮機パラメータは、流量係数を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮機パラメータは、入口空気温度を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記圧縮機パラメータは、ガイドベーン角度を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記燃焼器パラメータは、燃料空気比を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記所定のターンダウン限界は、空気力学的応力が前記圧縮機に発生する前記流量係数の最小値を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記所定の排出限界は、瞬時排出限界を含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記所定の排出限界は、周期的な排出限界を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記圧縮機パラメータを前記新しい圧縮機パラメータへ変化させる前記ステップは、前記圧縮機へ排気を機外排出するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記圧縮機は、入口および出口を有し、前記燃焼器パラメータを変化させる前記ステップは、圧縮空気を前記圧縮機出口から前記圧縮機入口へ流すことによって、空気燃料比を変化させることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記ガスタービンシステムは、熱回収蒸気発生器をさらに含み、前記方法は、前記燃焼器からの排気ガスを温度調節するステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記排気ガスを温度調節する前記ステップは、排気ガスを噴霧器に通すステップを含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
ガスタービンシステムであって、
圧縮機と、
燃焼器と、
タービンと、
圧縮機保護サブシステムと、
休止モードサブシステムと、
前記圧縮機保護サブシステムおよび前記休止モードサブシステムを制御する制御サブシステムとを含む、ガスタービンシステム。
【請求項14】
前記圧縮機保護サブシステムが、
圧縮機ブリードラインと、
排気ガス抽気ラインと、
前記圧縮機ブリードラインおよび前記排気ガス抽気ラインに連結されたブレンドアセンブリとを含む、請求項13記載のガスタービンシステム。
【請求項15】
前記ガスタービンシステムが、
前記圧縮機ブリードライン上に配置されたブリード制御弁と、
前記排気ガス抽気ライン上に配置された再循環制御弁とをさらに含む、請求項14記載のガスタービンシステム。
【請求項16】
前記ガスタービンシステムが、
前記圧縮機ブリードライン上に配置されたブリード流量センサと、
前記排気ガス抽気ライン上に配置された再循環流量センサとをさらに含む、請求項14記載のガスタービンシステム。
【請求項17】
前記ブレンドアセンブリが、エダクタを含む、請求項14記載のガスタービンシステム。
【請求項18】
前記ガスタービンシステムが、
前記燃焼器に連結された温度調節サブシステムと、
前記温度調節サブシステムに連結された熱回収蒸気発生器サブシステムとをさらに含む、請求項13記載のガスタービンシステム。
【請求項19】
前記温度調節サブシステムが、
作動流体源と、
成形されたバッフルアセンブリと、
前記作動流体源に連結され、前記成形されたバッフルアセンブリの中に配置された複数の噴霧器注入ノズルとを含む、請求項18記載のガスタービンシステム。
【請求項20】
前記成形されたバッフルアセンブリが、前記噴霧器注入ノズルから下流に配置された複数のバッフルを含む、請求項19記載のガスタービンシステム。
【請求項21】
圧縮機および燃焼器を有するガスタービンシステムのターンダウン範囲を拡張する方法であって、前記方法は、
前記圧縮機を通って流れる空気について最小空気流量パラメータを確立するステップと、
前記タービンから混合アセンブリへ、第1の流量でタービン排気を運搬するステップと、
前記圧縮機から混合アセンブリへ、第2の流量で圧縮空気を運搬するステップと、
前記圧縮機の空気流量が最小空気流量パラメータを超えるように維持するために、前記第1の流量および前記第2の流量を制御するステップとを含む、方法。
【請求項22】
タービン排気を運搬する前記ステップは、排気ガス抽気ラインを通してタービン排気を流すステップを含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
圧縮空気を運搬する前記ステップは、前記圧縮機から圧縮機ブリードラインを通して圧縮空気を流すステップを含む、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記第1の流量を制御する前記ステップは、
前記排気ガス抽気ラインを通る前記第1の流量を検知するステップと、
前記排気ガス抽気ライン上の制御弁を制御するステップとを含む、請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記第2の流量を制御する前記ステップは、
前記圧縮機ブリードラインを通る前記第2の流量を検知するステップと、
前記圧縮機ブリードライン上の制御弁を制御するステップとを含む、請求項23記載の方法。
【請求項26】
関係する最小空気流量パラメータのセットが、空気流量係数、ベーン角度、および、空気力学的応力が前記圧縮機に発生する大気温度のセットを含む、請求項21記載の方法。
【請求項27】
前記方法が、
最大排出パラメータのセットを確立するステップと、
タービン排気排出値が最大排出パラメータより小さくなるように維持するために、前記第1の流量を制御するステップとをさらに含む、請求項21記載の方法。
【請求項28】
前記最大排出パラメータが、空気燃料比に基づいている、請求項27記載の方法。
【請求項29】
部分負荷でのコンバインドサイクルガスタービンの効率を改善する方法であって、前記方法は、
空気力学的応力が前記圧縮機に発生する最小流量係数を超える、部分負荷の空気流量係数で圧縮機を通る空気流量を維持するステップと、
前記タービンからの排気ガス排出コンポーネントが、所定のコンポーネント排出レベルよりも小さく維持される燃焼器の中の空気燃料比を維持するステップと、
熱再循環蒸気発生器の入口の排気ガス温度を所定の最大入口温度よりも小さく維持するステップとを含む、方法。
【請求項30】
前記圧縮機を通る空気流量を維持する前記ステップが、前記圧縮機からの圧縮空気と前記タービンからの排気ガスとのブレンドを提供するステップを含む、請求項29記載の方法。
【請求項31】
燃焼器の中の空気燃料比を維持する前記ステップが、前記圧縮機から前記圧縮機の空気入口へ圧縮空気を流すステップを含む、請求項29記載の方法。
【請求項32】
排気ガス温度を維持する前記ステップが、前記排気ガスを温度調節するために、噴霧器を通して排気ガスを流すステップを含む、請求項29記載の方法。
【請求項33】
前記圧縮機を通る空気流量を維持する前記ステップが、前記圧縮機からの圧縮空気と前記タービンからの排気ガスとのブレンド比を、圧縮機ブリードラインの第1の制御弁および排気抽気ラインの第2の制御弁を使用して制御するステップを含む、請求項29記載の方法。
【請求項34】
前記方法は、前記圧縮機を通る前記空気流量と、前記燃焼器の中の前記空気燃料比と、前記熱回収蒸気発生器の前記入口の排気ガス温度とを同時に制御するステップをさらに含む、請求項29記載の方法。
【請求項35】
部分負荷でのコンバインドサイクルガスタービンの効率を改善するシステムであって、前記システムは、
ターンダウンサブシステムと、
休止サブシステムと、
コンバインドサイクル等温式サブシステムと、
前記ターンダウンサブシステムに指令を提供し、圧縮機を通る空気流量について、部分負荷に対する内部流量係数を、空気力学的応力が前記圧縮機に発生する最小流量係数よりも大きく維持する、制御サブシステムとを含む、システム。
【請求項36】
前記制御サブシステムは、前記休止サブシステムに指令を提供し、前記タービンからの排気ガス排出成分が所定の成分排出レベルよりも小さく維持されるように、燃焼器の中の空気燃料比を維持する、請求項35記載のシステム。
【請求項37】
前記制御サブシステムは、前記コンバインドサイクル等温式サブシステムに指令を提供し、前記熱回収蒸気発生器の入口の排気ガス温度を、所定の最大入口温度よりも小さく維持する、請求項35記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−108493(P2013−108493A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−248899(P2012−248899)
【出願日】平成24年11月13日(2012.11.13)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】