説明

検体分析用液体吸入装置および検体分析装置

【課題】吸入する液体に気泡が混入するのを防止しながら、従来に比して簡単な構造であり、数段階の液体の残量検出が可能な検体分析用液体吸入装置および検体分析装置を提供する。
【解決手段】この免疫分析装置1(検体分析装置)は、第1タンク50内の洗浄液を吸入する洗浄液吸入部21と、第1タンク50内に第1液量の洗浄液が残存しているか否かを検出する下部フロートセンサSE1と、第2液量の洗浄液が残存しているか否かを検出する上部フロートセンサSE2と、下部フロートセンサSE1および上部フロートセンサSE2による検出結果に基づいて、少なくとも第1タンク50内から洗浄液吸入部21により洗浄液を吸入する吸入動作を制御する制御部2aを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体分析用液体吸入装置および検体分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液分析装置や免疫分析装置などの検体分析装置は、検体や試薬を分注する分注部を備えている。分注部は、試薬汚染(コンタミネーション)を防ぐために、分注動作を行う度に洗浄される。また、洗浄に用いられる洗浄液および検体の分析に用いられる試薬は、液体収容タンクに貯留されている。
【0003】
また、従来、液体収容タンクから液体を吸引し、その液体を供給管を介して検体分析装置に供給するための検体分析用液体吸入装置が知られている(たとえば、特許文献1および2参照)。
【0004】
上記特許文献1には、容器に収容された検体分析用の試薬を吸引し、吸引した試薬を供給管を介して臨床検査装置に供給するための液体吸引装置が開示されている。この液体吸引装置には、容器内の液体の残存量が所定の液量に到達した場合に、試薬の流路を塞ぐフロート部材が設けられている。これにより、臨床検査装置に供給される試薬に、気泡が混入するのを防止することが可能である。
【0005】
また、特許文献2には、液状試薬が収容された液体容器内から試薬分注チューブを介して反応容器へ液状試薬を分注する自動化学分析装置が開示されている。この自動化学分析装置は、液体容器内に挿入されるセンサ部を備えており、このセンサ部により検出される液状試薬の液面高さに応じた静電容量変化に基づいて液状試薬の残量をモニタする。容器内に挿入されたセンサ部は、静電容量検出用の一対の電極を液体容器の深さ方向に内包して支持し、且つ液密構造に形成した電極支持体とを備えている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−241366号公報
【特許文献2】特開平8−146011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の液体吸引装置は、検体分析装置本体に供給される液体に気泡が混入するのを防止することが可能であるが、液体の残量を検出することができなかった。また、上記特許文献2の自動化学分析装置は、複数の液体容器について、溶液が容器中に満たされた状態から少しずつ減少していく状態をモニタするため、マルチプレクサ、試薬残量モニタ信号検知回路、残量モニタ信号制御演算部等が必要であり、その構成が複雑であった。また、液体の種類や容器の容量等によっては、液体が容器中に満たされた状態から少しずつ減少していく状態をモニタする必要はなく、残量が十分にある、残量が少ない、残量なしのように数段階の状態をモニタすれば十分な場合もある。また、上述した特許文献2の自動化学分析装置では、試薬の残量をモニタすることはできるが、試薬の残量がなくなったときには、ユーザが装置を停止する等して試薬の交換を行う必要がある。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、吸入する液体に気泡が混入するのを防止しながら、従来に比して簡単な構造であり、数段階の液体の残量検出が可能な検体分析用液体吸入装置および検体分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0009】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における検体分析用液体吸入装置は、検体の分析に用いられる液体を収容する液体容器内に配置され、液体容器内の液体を吸入する吸入部と、吸入部に設けられ、液体容器内に所定の第1液量の液体が残存しているか否かを検出する第1液量センサと、吸入部に設けられ、吸入部から吸入された液体容器内の液体の流路上に配置されたチャンバー部と、チャンバー部内に設けられ、第1液量センサにより検出される第1液量よりも少ない第2液量の液体が残存しているか否かを検出する第2液量センサとを備える。
【0010】
この発明の第1の局面による検体分析用液体吸入装置では、上記のように、吸入部に、第1液体容器内に所定の第1液量の液体が残存しているか否かを検出する第1液量センサと、吸入部から吸入された第1液体容器内の液体の流路上に配置されたチャンバー部とを設けるとともに、チャンバー部内に、第1液量センサにより検出される第1液量よりも少ない第2液量の液体が残存しているか否かを検出する第2液量センサを設けることによって、2つの液量センサにより第1液体容器内の異なる2つの液量を検出することができる。第1液量センサおよび第2液量センサは、それぞれ所定の液量の液体が残存しているか否かを検出するものであり、液体が容器中に満たされた状態から少しずつ減少していく状態をモニタする場合と比べて構造を簡単にすることができる。また、チャンバーを設けているため、吸入する液体に気泡が混入するのを防止することができる。
【0011】
上記目的を達成するために、この発明の第2の局面における検体分析装置は、検体を分析する分析部と、分析部による検体の分析に用いられる液体を収容する第1液体容器内に配置され、第1液体容器内の液体を吸入する第1吸入部と、第1吸入部に設けられ、第1液体容器内に所定の第1液量の液体が残存しているか否かを検出する第1液量センサと、第1吸入部に設けられ、第1吸入部から吸入された第1液体容器内の液体の流路上に配置された第1チャンバー部と、第1チャンバー部内に設けられ、第1液量センサにより検出される第1液量よりも少ない第2液量の液体が残存しているか否かを検出する第2液量センサと、第1液量センサおよび第2液量センサによる検出結果に基づいて、少なくとも第1液体容器内から第1吸入部により液体を吸入する吸入動作を制御する制御部とを備える。
【0012】
この発明の第2の局面による検体分析装置では、上記のように、第1吸入部に、第1液体容器内に所定の第1液量の液体が残存しているか否かを検出する第1液量センサと、第1吸入部から吸入された第1液体容器内の液体の流路上に配置された第1チャンバー部とを設け、第1チャンバー部内に、第1液量センサにより検出される第1液量よりも少ない第2液量の液体が残存しているか否かを検出する第2液量センサと、第1液量センサおよび第2液量センサによる検出結果に基づいて、少なくとも第1液体容器内から第1吸入部により液体を吸入する吸入動作を制御する制御部とを設けることによって、2つの液量センサにより第1液体容器内の異なる2つの液量を検出することができる。第1液量センサおよび第2液量センサは、それぞれ所定の液量の液体が残存しているか否かを検出するものであり、液体が容器中に満たされた状態から少しずつ減少していく状態をモニタする場合と比べて構造を簡単にすることができる。また、チャンバーを設けているため、吸入する液体に気泡が混入するのを防止することができる。
【0013】
上記第2の局面による検体分析装置において、好ましくは、第1液体容器に収容される液体と同一の液体を収容する第2液体容器内に配置され、第2液体容器内の液体を吸入する第2吸入部と、第2吸入部に設けられ、第2液体容器内に所定の液量の液体が残存しているか否かを検出する液量検出手段とをさらに備え、制御部は、第1液量センサ、第2液量センサおよび液量検出手段による検出結果に基づいて、第1液体容器内から第1吸入部により液体を吸入し、または、第2液体容器内から第2吸入部により液体を吸入するように吸入動作を制御する。このようにすることにより、同一の液体を収容する2つの液体容器(第1液体容器および第2液体容器)をセットすることができ、それぞれの液体の残量に基づいて、液体を吸入する吸入動作を制御することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、分析部は、複数の検体を順次分注し、分注された複数の検体の分析処理を同時に行うことが可能に構成されており、第1液量は、分析処理途中の全検体の分析を完了することが可能な液量であり、第2液量は、吸入する液体に気泡が実質的に混入しない液量である。このように構成すれば、容易に、第1液量センサにより、分析処理途中の検体の分析を行うことが可能な第1液量が残存しているか否かを検出することができるとともに、第2液量センサにより、吸入する液体に気泡が実質的に混入しない第2液量が残存しているか否かを検出することができる。
【0015】
上記第2吸入部を備えた構成において、好ましくは、液量検出手段が第2液体容器内に所定の液量の液体が残存していることを検出した場合において、制御部は、第2液量センサが、第1液体容器内に第2液量の液体が残存していないことを検出した場合には、第1液体容器内から第1吸入部により液体を吸入する動作を停止するとともに、第2液体容器内から第2吸入部により液体を吸入するように吸入動作を制御するように構成されている。このように構成すれば、第2液量センサにより、吸入する液体に気泡が混入しない第2液量の液体が残存しているか否かを検出することによって、第1液体容器内に、吸入する液体に気泡が混入しない量の液体が残存した状態で、液体の吸入先を第1液体容器から第2液体容器に切り替えることができる。
【0016】
上記第2吸入部を備えた構成において、好ましくは、分析部による検体の分析に用いられる液体を、第1液体容器内から第1吸入部により吸入するか、または、第2液体容器内から第2吸入部により吸入するかの吸入経路の切り替えを行う吸入経路切替部をさらに備え、制御部は、吸入経路切替部による吸入経路の切り替え動作を制御するように構成されている。このように構成すれば、容易に、液体の吸入先を第1液体容器と第2液体容器との間で切り替えることができる。
【0017】
上記第2吸入部を備えた構成において、好ましくは、第2吸入部に設けられ、第2吸入部から吸入された第2液体容器内の液体の流路上に配置された第2チャンバー部をさらに備え、第2吸入部の液量検出手段は、第2液体容器内に所定の第3液量の液体が残存しているか否かを検出する第3液量センサと、第2チャンバー部内に設けられ、第3液量センサにより検出される第3液量よりも少ない第4液量の液体が残存しているか否かを検出する第4液量センサとを含む。このように構成すれば、第3液量センサにより、第2液体容器内に所定の量の液体が残存していることを検出したことに基づいて、第1液体容器から第2液体容器に吸入先を切り替えることができるとともに、第2液体容器に吸入先を切り替えた後は、第4液量センサにより、たとえば、吸入する液体に気泡が混入しない第4液量の液体が残存しているか否かを検出することができる。
【0018】
この場合、好ましくは、制御部は、第1液量センサが、第1液体容器内に第1液量の液体が残存していることを検出している場合には、第1液体容器内の液体を第1吸入部により吸入するように吸入動作を制御し、少なくとも第3液量センサが、第2液体容器内に第3液量の液体が残存していないことを検出している場合に、第1液量センサが、第1液体容器内に第1液量の液体が残存していないことを検出したときには、分析部において、新たな検体の分析を開始しないように分析動作を制御するように構成されている。このように構成すれば、たとえば、第1液量センサおよび第3液量センサにより、分析処理途中の検体の分析を行うことが可能な第1液量および第3液量が共に残存していないことが検出された場合に、新たな検体の分析を開始しないように分析動作を制御することができる。
【0019】
上記新たな検体の分析を開始しないように分析動作を制御する構成において、好ましくは、制御部が、分析部において新たな検体の分析を開始しないように分析動作を制御した場合にも、分析部において既に分析が開始されている検体の分析については、制御部は、第1液体容器内の液体を第1吸入部により吸入するように吸入動作を制御するように構成されている。このように構成すれば、既に分析が開始されている検体については、分析を続行することができるので、分析部に、分析処理途中の検体が放置されるのを抑制することができる。
【0020】
上記第2吸入部の液量検出手段が第3液量センサと第4液量センサとを含む構成において、好ましくは、少なくとも第3液量センサが、第2液体容器内に第3液量の液体が残存していないことを検出している場合に、第2液量センサが、第1液体容器内に第2液量の液体が残存していないことを検出したときには、制御部は、第1液体容器内の液体の吸入動作を停止するように構成されている。このように構成すれば、たとえば、第2液量センサおよび第3液量センサにより、吸入する液体に気泡が混入しない第2液量、および、分析処理途中の検体の分析を行うことが可能な第3液量が共に残存していないことが検出された場合に、第1液体容器内の液体の吸入動作を停止することができる。
【0021】
上記第2吸入部の液量検出手段が第3液量センサと第4液量センサとを含む構成において、好ましくは、表示部をさらに備え、少なくとも第3液量センサが、第2液体容器内に第3液量の液体が残存していないことを検出している場合に、第1液量センサが、第1液体容器内に第1液量の液体が残存していないことを検出したときには、制御部は、液体の残存量が少ないことを警告する警告画面を表示するように表示部を制御するように構成されている。このように構成すれば、ユーザが、液体の残存量が少なくなっていることを容易に認識することができる。
【0022】
この場合、好ましくは、少なくとも第3液量センサが、第2液体容器内に第3液量の液体が残存していないことを検出している場合に、第2液量センサが、第1液体容器内に第2液量の液体が残存していないことを検出したときには、制御部は、液体の残存量がないことを警告する警告画面を表示するように表示部を制御するように構成されている。このように構成すれば、ユーザが、液体の残存量がなくなったことを容易に認識することができる。
【0023】
上記の構成において、少なくとも第3液量センサが、第2液体容器内に第3液量の液体が残存していないことを検出している場合は、第3液量センサが第2液体容器内に第3液量の液体が残存していないことを検出している場合に加えて、第4液量センサが第2液体容器内に第4液量の液体が残存していないことを検出している場合も含んでもよい。
【0024】
上記第2吸入部の液量検出手段が第3液量センサと第4液量センサとを含む構成において、好ましくは、第3液量センサが、第2液体容器内に第3液量の液体が残存していることを検出し、かつ、第4液量センサが、第2液体容器内に第4液量の液体が残存していないことを検出している場合に、第1液量センサが、第1液体容器内に第1液量の液体が残存していないことを検出したときには、制御部は、第2吸入部の第2チャンバー内に第2液体容器内の液体を入れることによって、液体容器セット動作を行うように構成されている。このように構成すれば、液体を吸入することが可能な状態に第2液体容器をセットすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態による免疫分析装置の全体構成を示した斜視図である。図2〜図14は、図1に示した一実施形態による免疫分析装置の各部の詳細を説明するための図である。まず、図1〜図14を参照して、本発明の一実施形態による免疫分析装置1の全体構成について説明する。なお、本実施形態では、検体分析装置の一例である免疫分析装置に本発明を適用した場合について説明する。
【0027】
本発明の一実施形態による免疫分析装置1は、血液などの検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモンなど種々の項目の検査を行うための装置である。この免疫分析装置1では、測定対象である血液などの検体に含まれる抗原に結合した捕捉抗体(R1試薬)に磁性粒子(R2試薬)を結合させた後に、結合(Bound)した抗原、捕捉抗体および磁性粒子をBF(Bound Free)分離部15(図1参照)の磁石(図示せず)に引き寄せることにより、未反応(Free)の捕捉抗体を含むR1試薬を除去する。そして、磁性粒子が結合した抗原と標識抗体(R3試薬)とを結合させた後に、結合(Bound)した磁性粒子、抗原および標識抗体をBF分離部15の磁石に引き寄せることにより、未反応(Free)の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、緩衝液(R4試薬)、および標識抗体との反応過程で発光する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原を定量的に測定している。
【0028】
この免疫分析装置1は、図1に示すように、測定機構部2と、測定機構部2の前面側に配置された検体搬送部(サンプラ)3と、測定機構部2に電気的に接続されたPC(パーソナルコンピュータ)からなる制御装置4とを備えている。また、測定機構部2は、ピペットチップ供給装置5、検体分注アーム6と、試薬設置部7および8と、試薬分注アーム9、10および11と、1次反応部12および2次反応部13と、キュベット供給部14と、BF分離部15と、検出部16と、検出部16の上面に配置されたキュベット搬送部17と、キュベット処理部18と、キュベット廃棄部19とを備えている。また、測定機構部2は、測定機構部2内の各部で用いられる洗浄液を収容する洗浄液の第1タンク50および第2タンク60(図7参照)から洗浄液を吸引する洗浄液吸引部20(図2参照)と、洗浄液吸引部20による吸引力によって第1タンク50および第2タンク60からそれぞれ洗浄液を洗浄液流路に吸入する洗浄液吸入部21および22(図6参照)と、洗浄液吸入部21および22内の空気を除去するための気泡吸引部23(図2参照)とをさらに備えている。
【0029】
また、図2に示すように、測定機構部2における各機構(各種分注アーム、キュベット処理部18、洗浄液吸引部20、洗浄液吸入部21、22および気泡吸引部23)は、測定機構部2に設けられた制御部2aにより制御されている。また、制御部2aは、洗浄液の流路上に設けられたソレノイドバルブV1〜4についても、動作制御を行うように構成されている。
【0030】
制御部2aは、図3に示すように、CPU2bと、ROM2cと、RAM2dと、通信インターフェース2eとから主として構成されている。なお、制御部2aの詳細な構成については、後述する。
【0031】
CPU2bは、ROM2cに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM2dに読み出されたコンピュータプログラムを実行することが可能である。ROM2cは、CPU2bに実行させるためのコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータなどを記憶している。RAM2dは、ROM2cに記憶しているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU2bの作業領域として利用される。
【0032】
通信インターフェース2eは、制御装置4に接続されており、検体の光学的な情報(標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量のデータ)を制御装置4に送信するとともに、制御装置4の制御部4aからの信号を受信するための機能を果たす。また、通信インターフェース2eは、検体搬送部3および測定機構部2の各部を駆動するためのCPU2bからの指令を送信するための機能を有する。
【0033】
検体搬送部3は、図1に示すように、検体を収容した複数の試験管100が載置されたラック101を、検体分注アーム6が検体を吸引する所定の吸引位置に対応する位置まで搬送するように構成されている。
【0034】
制御装置4(図1参照)は、パーソナルコンピュータ(PC)などからなり、CPU、ROM、RAMなどからなる制御部4aと、表示部4bと、キーボード4cとを含んでいる。また、表示部4bは、検出部16から送信されたデジタル信号のデータを分析して得られた分析結果などを表示するために設けられている。
【0035】
次に、制御装置4の構成について説明する。制御装置4は、図4に示すように、制御部4aと、表示部4bと、キーボード4cとから主として構成されたコンピュータ401によって構成されている。制御部4aは、CPU401aと、ROM401bと、RAM401cと、ハードディスク401dと、読出装置401eと、入出力インタフェース401fと、通信インタフェース401gと、画像出力インタフェース401hとから主として構成されている。CPU401a、ROM401b、RAM401c、ハードディスク401d、読出装置401e、入出力インタフェース401f、通信インタフェース401g、および画像出力インタフェース401hは、バス401iによって接続されている。
【0036】
CPU401aは、ROM401bに記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM401cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなアプリケーションプログラム404aをCPU401aが実行することにより、コンピュータ401が制御装置4として機能する。
【0037】
ROM401bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU401aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータなどが記録されている。
【0038】
RAM401cは、SRAMまたはDRAMなどによって構成されている。RAM401cは、ROM401bおよびハードディスク401dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU401aの作業領域として利用される。
【0039】
ハードディスク401dは、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU401aに実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。本実施形態に係る免疫分析用のアプリケーションプログラム404aも、このハードディスク401dにインストールされている。
【0040】
読出装置401eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブなどによって構成されており、可搬型記録媒体404に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体404には、免疫分析用のアプリケーションプログラム404aが格納されており、コンピュータ401がその可搬型記録媒体404からアプリケーションプログラム404aを読み出し、そのアプリケーションプログラム404aをハードディスク401dにインストールすることが可能である。
【0041】
なお、上記アプリケーションプログラム404aは、可搬型記録媒体404によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ401と通信可能に接続された外部の機器から上記電気通信回線を通じて提供することも可能である。たとえば、上記アプリケーションプログラム404aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ401がアクセスして、そのアプリケーションプログラム404aをダウンロードし、これをハードディスク401dにインストールすることも可能である。
【0042】
また、ハードディスク401dには、たとえば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、アプリケーションプログラム404aは上記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0043】
入出力インタフェース401fは、たとえば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェースなどから構成されている。入出力インタフェース401fには、キーボード4cが接続されており、ユーザがそのキーボード4cを使用することにより、コンピュータ401にデータを入力することが可能である。
【0044】
通信インタフェース401gは、たとえば、Ethernet(登録商標)インタフェースである。コンピュータ401は、その通信インタフェース401gにより、所定の通信プロトコルを使用して測定機構部2との間でデータの送受信が可能である。
【0045】
画像出力インタフェース401hは、LCDまたはCRTなどで構成された表示部4bに接続されており、CPU401aから与えられた画像データに応じた映像信号を表示部4bに出力するようになっている。表示部4bは、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。また、通信インタフェース401gを介して伝達される測定機構部2からの信号に基づいた画像データも、CPU401aから画像出力インタフェース401hに伝達されるように構成されている。
【0046】
また、制御部4aのハードディスク401dにインストールされた免疫分析用のアプリケーションプログラム404aは、測定機構部2の検出部16から送信された測定用試料の発光量(デジタル信号のデータ)を用いて、測定用試料の抗原の量を測定している。
【0047】
ピペットチップ供給装置5は、図1に示すように、ピペットチップ(図示せず)を1つずつ緊急検体・チップ搬送ラック200に載置する機能を有している。
【0048】
検体分注アーム6は、検体搬送部3により所定の吸引位置に搬送された試験管100内の検体を、後述する1次反応部12のキュベット300内に分注する機能を有している。
【0049】
試薬設置部7は、捕捉抗体を含むR1試薬が収容される試薬容器および標識抗体を含むR3試薬が収容される試薬容器を設置するために設けられている。
【0050】
試薬設置部8は、磁性粒子を含むR2試薬が収容される試薬容器を設置するために設けられている。
【0051】
試薬分注アーム9は、試薬設置部7に設置されるR1試薬を吸引するとともに、その吸引したR1試薬を1次反応部12の検体が分注されたキュベット300内に分注するための機能を有している。
【0052】
試薬分注アーム10は、試薬設置部8に設置されるR2試薬を1次反応部12の検体およびR1試薬が分注されたキュベット300内に分注するための機能を有している。
【0053】
試薬分注アーム11は、試薬設置部7に設置されるR3試薬を吸引するとともに、その吸引されたR3試薬を2次反応部13の検体、R1試薬およびR2試薬が分注されたキュベット300内に分注するための機能を有している。
【0054】
1次反応部12は、回転テーブル部12aのキュベット300を所定の期間(本実施形態では、18秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット300内の検体、R1試薬およびR2試薬を攪拌するために設けられている。つまり、1次反応部12は、キュベット300内で磁性粒子を有するR2試薬と検体中の抗原とを反応させるために設けられている。
【0055】
また、回転テーブル部12aは、キュベット300を18秒毎に所定の角度だけ回転移送するように構成されている。そのため、免疫分析装置1の各種装置(検体分注アーム6や試薬分注アーム9および10など)は、回転テーブル部12aによりキュベット300が所定の位置に移送されたタイミングで、移送された所定の位置のキュベット300に対して動作するように制御されている。
【0056】
2次反応部13は、1次反応部12と同様の構成を有しており、回転テーブル部13aのキュベット300を所定の期間(本実施形態では、18秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット300内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬、R4試薬およびR5試薬を攪拌するために設けられている。つまり、2次反応部13は、キュベット300内で標識抗体を有するR3試薬と検体中の抗原とを反応させるとともに、発光基質を有するR5試薬とR3試薬の標識抗体とを反応させるために設けられている。なお、R4試薬およびR5試薬は、2次反応部13の近傍に設けられたR4試薬分注アーム(図示せず)およびR5試薬分注アーム(図示せず)により、2次反応部13の検体、R1試薬、R2試薬およびR3試薬が収容されたキュベット300内に分注されるように構成されている。
【0057】
キュベット供給部14は、複数のキュベット300を1次反応部12の回転テーブル部12aに順次供給することが可能なように構成されている。
【0058】
BF分離部15は、1次反応部12から搬送されたキュベット300内の試料から未反応のR1試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離する機能と、2次反応部13から搬送されたキュベット300内の試料から未反応のR3試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離する機能とを有する。
【0059】
検出部16は、所定の処理が行なわれた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を光電子増倍管(Photo Multiplier Tube)で取得することにより、その検体に含まれる抗原の量を測定するために設けられている。この検出部16は、検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬、R4試薬およびR5試薬が収容されたキュベット300を設置するための設置部(図示せず)を内部に含んでいる。また、検出部16は、測定時に、内部に設けられた設置部に設置されるキュベット300に外部から光が入射しないように構成されている。
【0060】
キュベット搬送部17は、検出部16の上面に設けられ、測定が行われた後のキュベット300を検出部16からキュベット処理部18の所定の位置まで搬送するとともに、キュベット300をキュベット処理部18の所定の位置から、キュベット廃棄部19の所定の位置まで搬送するように構成されている。
【0061】
キュベット処理部18は、キュベット搬送部17によって所定の位置まで搬送された検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬、R4試薬およびR5試薬が収容されたキュベット300から、液体を吸引するように構成されている。
【0062】
また、キュベット処理部18は、図5に示すように、キュベット300内の液体を吸引するノズル181と、ノズル181を鉛直方向に移動するためのノズル駆動部182と、キュベット300内の液体を吸引する際にキュベット300を保持する保持部183と、洗浄液が注入される洗浄部184と、洗浄部184に洗浄液を注入する注入部185と、洗浄部184から余分な洗浄液を排出する排出部186とを含んでいる。
【0063】
ノズル181は、キュベット300内の液体を吸引した後、吸引した液体の流路を洗浄するために、洗浄部184に注入された洗浄液を吸引するように構成されている。これにより、液体の流路に異物が残存するのを抑制することができる。
【0064】
キュベット廃棄部19は、キュベット処理部18によって液体が吸引された後のキュベット300を廃棄するために設けられている。
【0065】
ここで、本実施形態では、洗浄液吸入部21は、図6に示すように、洗浄液の第1タンク50内の洗浄液を洗浄液吸入部21内に取り込む吸入ノズル211と、吸入ノズル211により取り込まれた洗浄液の流路上に設けられたチャンバー212と、洗浄液が用いられる測定機構部2内の各部に接続された洗浄液流路管24およびチャンバー212を接続する接続管213と、チャンバー212内の空気を除去するための気泡排出部214とを含んでいる。また、洗浄液吸入部21の下部付近には、洗浄液の液量を検出する下部フロートセンサSE1が設けられている。また、チャンバー212内には、チャンバー212内に貯留された洗浄液の液量を検出する上部フロートセンサSE2が設けられている。また、図6および図7に示すように、洗浄液吸入部21は、上端に設置されたLED215と、第1タンク50の上部に設けられた開口部(図示せず)を閉塞するように洗浄液吸入部21を第1タンク50に取り付けるためのキャップ部216とをさらに含んでいる。
【0066】
吸入ノズル211は、最下端が水平に対して傾斜するように形成されるとともに、洗浄液吸入部21が第1タンク50内に設置された状態で、第1タンク50の底部に当接される程度の長さを有している。これにより、第1タンク50内の洗浄液が極めて少なくなった場合にも、吸入ノズル211から洗浄液を吸入することが可能である。
【0067】
チャンバー212と接続管213とは、チャンバー212の底部で接続されている。これにより、チャンバー212内が洗浄液で満たされている場合には、接続管213には洗浄液のみが吸入可能となり、空気は吸入されないように構成されている。
【0068】
気泡排出部214は、チャンバー212の上面に配置されている。また気泡排出部214から排出されるチャンバー212内の空気は、気泡流路管25を介して、後述する排液チャンバー26(図14参照)に排出されるように空気の流路が構成されている。
【0069】
LED215は、測定機構部2の制御部2aからの信号に基づいて、赤色、緑色および橙色の3色の光を発光し、または、点滅させるように構成されている。また、LED215は、洗浄液吸入部21の上端に設置されており、洗浄液吸入部21が第1タンク50に取り付けられた状態において、LED215が第1タンク50の上方に配置されることとなる。これにより、ユーザが容易にLED215による表示を確認することが可能である。
【0070】
下部フロートセンサSE1は、図6および図8に示すように、円筒形状のフロート部SE1aと、フロート部SE1aの内周部の内側に配置された軸部SE1bと、フロート部SE1aに設けられた磁石SE1cと、軸部SE1bの内部に設けられたリードスイッチSE1dとを含んでいる。フロート部SE1aは、液体による浮力によって、軸部SE1bに沿って鉛直方向に移動するように構成されている。また、磁石SE1cは、フロート部SE1aの内周部の外側にリング形状に設けられている。また、リードスイッチSE1dは、磁石SE1cがフロート部SE1aとともにリードスイッチSE1dの外側を鉛直方向に移動することによって、ON状態とOFF状態とが切り替わるように構成されている。具体的には、磁石SE1cがリードスイッチSE1dに対して、所定の位置よりも上側にある場合には、リードスイッチSE1dはOFF状態となり、磁石SE1cが所定の位置よりも下側にある場合には、ON状態となるように構成されている。詳細には、第1タンク50内の洗浄液の残存量が、測定機構部2において、すでに分析が開始されている分析処理途中の複数の検体について、すべての分析を完了させることが可能な洗浄液の最少の液量(たとえば、2l)(以下、第1液量という)に到達した場合に、磁石SE1cが所定の位置に移動し、リードスイッチSE1dがOFF状態からON状態に切り替わるように、下部フロートセンサSE1が構成されている。また、下部フロートセンサSE1の状態を、制御部2aにより監視可能なように、リードスイッチSE1dと制御部2aとは電気的に接続されている。
【0071】
上部フロートセンサSE2は、下部フロートセンサSE1と同様に構成されている。具体的には、上部フロートセンサSE2のフロート部SE2a、軸部SE2b、磁石SE2cおよびリードスイッチSE2dは、それぞれ、下部フロートセンサSE1のフロート部SE1a、軸部SE1b、磁石SE1cおよびリードスイッチSE1dに対応している。しかし、上部フロートセンサSE2は下部フロートセンサSE1と以下の点で異なる。上部フロートセンサSE2のリードスイッチSE2dは、下部フロートセンサSE1のリードスイッチSE1dがOFF状態からON状態に切り替わる残存量よりも少ない所定の液量に洗浄液の残存量が到達した場合に、OFF状態からON状態に切り替わるように構成されている。具体的には、第1タンク50内の洗浄液の残存量が極めて少なくなり、吸入ノズル211によって空気も一緒に吸入されるようになった場合に、チャンバー212内に貯留された洗浄液の液量が、測定機構部2の各部への洗浄液の供給量に応じて徐々に減少する。そして、第1タンク50の残存量が、接続管213が吸入する液体に気泡が混入しない最少量(以下、第2液量という)に到達した場合に、磁石SE2cが所定の位置に移動され、リードスイッチSE2dがOFF状態からON状態に切り替わるように、上部フロートセンサSE2が構成されている。上部フロートセンサSE2の状態も、制御部2aにより監視可能なように、リードスイッチSE2dと制御部2aとは電気的に接続されている。
【0072】
洗浄液吸入部22の構成は、上記した洗浄液吸入部21と同様であるので、詳細な説明を省略する。なお、図6〜図8に示すように、洗浄液吸入部21の各部211〜216、下部フロートセンサSE1および上部フロートセンサSE2は、それぞれ、洗浄液吸入部22の各部221〜226、下部フロートセンサSE3および上部フロートセンサSE4に対応している。
【0073】
また、本実施形態では、洗浄液吸入部21の下部フロートセンサSE1および上部フロートセンサSE2それぞれのON状態およびOFF状態の2つの状態の組み合わせによる4つの態様に基づいて、制御部2aが、第1タンク50内に残存する洗浄液の液量を判断するように構成されている。具体的には、図9および図10に示すように、洗浄液吸入部21が第1タンク50内に挿入されると、下部フロートセンサSE1のフロート部SE1aは、洗浄液の浮力により移動可能な最上位置まで移動され、下部フロートセンサSE1がOFF状態となる。また、チャンバー212内にはまだ洗浄液が充満されていないので、上部フロートセンサSE2のフロート部SE2aは、移動可能な最下位置まで移動し、上部フロートセンサSE2がON状態となる。このように、分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の第1液量に到達したことを検出する下部フロートセンサSE1がOFF状態、かつ、液体に気泡が混入しない最少限である第2液量に到達したことを検出する上部フロートセンサSE2がON状態である場合には、制御部2aは、第1タンク50の状態を、洗浄液吸入部21のセット中(状態1)であると判断するように構成されている。
【0074】
次に、セット中(状態1)の洗浄液吸入部21において、制御部2aは、気泡吸引部23が駆動するように気泡除去動作を制御することによって、チャンバー212内の空気を気泡排出部214から排液チャンバー26(図14参照)に排出するように構成されている。これに伴って、図11に示すように、洗浄液が吸入ノズル211から吸入され、チャンバー212内に洗浄液が貯留される。この際、上部フロートセンサSE2のフロート部SE2aは、移動可能な最上位置に移動されるので、上部フロートセンサSE2の状態は、ON状態からOFF状態に切り替わる。このように、分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の第1液量に到達したことを検出する下部フロートセンサSE1がOFF状態、かつ、液体に気泡が混入しない最少限である第2液量に到達したことを検出する上部フロートセンサSE2がOFF状態である場合には、制御部2aは、第1タンク50の状態を、洗浄液の残存量が多い状態(状態2)であると判断するように構成されている。
【0075】
また、制御部2aが第1タンク50内の洗浄液の残存量が多い状態(状態2)であると判断している場合に、制御部2aが洗浄液吸引部20が駆動するように吸引動作を制御することによって、第1タンク50内の洗浄液の残存量が減少する。図12に示すように、第1タンク50内の洗浄液の残存量が、上記した第1液量に到達した場合には、下部フロートセンサSE1のフロート部SE1aが所定の位置まで移動され、下部フロートセンサSE1は、OFF状態からON状態に切り替わる。なお、チャンバー212内には、洗浄液が充満されたままであるので、上部フロートセンサSE2は、OFF状態を維持している。このように、分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の第1液量に到達したことを検出する下部フロートセンサSE1がON状態、かつ、液体に気泡が混入しない最少限である第2液量に到達したことを検出する上部フロートセンサSE2がOFF状態である場合には、制御部2aは、第1タンク50の状態を、洗浄液の残存量が少ない状態(状態3)であると判断するように構成されている。
【0076】
制御部2aが、洗浄液吸引部20が駆動するように吸引動作を制御し続けることによって、洗浄液の液面が第1タンク50の底部付近に近づくと、吸入ノズル211から空気がチャンバー212内に取り込まれるようになる。これに伴って、図13に示すように、チャンバー212内の洗浄液の液量が減少し、第1タンク50内の洗浄液の残存量が上記した第2液量に到達した場合には、上部フロートセンサSE2のフロート部SE2aが所定の位置まで移動され、上部フロートセンサSE2は、OFF状態からON状態に切り替わる。この際、チャンバー212内には、まだ少量の洗浄液が残存しているので、チャンバー212の底部に接続された接続管213には、空気が吸入されない状態である。このように、分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の第1液量に到達したことを検出する下部フロートセンサSE1がON状態、かつ、液体に気泡が混入しない最少限である第2液量に到達したことを検出する上部フロートセンサSE2がON状態である場合には、制御部2aは、第1タンク50の状態を、制御上、洗浄液の残存量がない状態(状態4)であると判断するように構成されている。
【0077】
なお、制御部2aは、第2タンク60の状態についても、洗浄液吸入部22の上記した4つの状態に基づいて、洗浄液の残存量を判断するように構成されている。
【0078】
また、制御部2aは、第1タンク50および第2タンク60それぞれの洗浄液の吸入動作および気泡除去動作を、第1タンク50および第2タンク60の上記した4つの状態の組み合わせに基づいて行うように構成されている。具体的には、後述する図15、図16および図23の動作フローに沿って説明する。
【0079】
また、本実施形態においては、測定機構部2の複数の各部で洗浄液が用いられるが、ここでは、一例として、第1タンク50および第2タンク60の2つのタンクに収容された洗浄液を、上記したキュベット処理部18において用いる場合について説明する。
【0080】
図14に示すように、洗浄液の第1タンク50は、ソレノイドバルブV1を介して洗浄液流路管24によりキュベット処理部18に接続されているとともに、ソレノイドバルブV2を介して気泡流路管25により排液チャンバー26に接続されている。同様に、第2タンク60も、ソレノイドバルブV3を介して洗浄液流路管24によりキュベット処理部18に接続されているとともに、ソレノイドバルブV4を介して気泡流路管25により排液チャンバー26に接続されている。これら4つのソレノイドバルブV1〜4は、制御部2aによって、それぞれの流路を開放し、または、閉塞するように切り替えられるように構成されている。これにより、第1タンク50および第2タンク60から洗浄液をキュベット処理部18に到達可能な状態にし、または、到達されない状態にすることが可能である。また、チャンバー212および222内の空気を排液チャンバー26に到達可能な状態にし、または、到達されない状態にすることも可能である。
【0081】
図15および図16は、本発明の一実施形態による免疫分析装置の起動開始時における洗浄液タンクの状態監視処理動作を説明するためのフロー図である。また、図17〜図22は、本発明の一実施形態による免疫分析装置の起動開始時における洗浄液タンクの状態監視処理動作を説明するための図である。次に、図9および図15〜図22を参照して、本実施形態による免疫分析装置1の起動開始時における洗浄液の第1タンク50および第2タンク60の状態監視処理動作を説明する。なお、以下の動作説明において、制御部2aによる各タンクの状態の判断は、図9に示した4つの態様に基づいて行われる。また、以下の動作説明では、洗浄液の第1タンク50が使用対象にある場合について説明する。第2タンク60が使用対象にある場合については、以下の説明において、第1タンク50と第2タンク60とを入れ替えたのと同様の動作となる。
【0082】
まず、ユーザによって免疫分析装置1の起動が開始されると、ステップS1において、第1タンク50の洗浄液の残存量が多いか否かが判断される。具体的には、下部フロートセンサSE1の状態、および、上部フロートセンサSE2の状態に基づいて、第1タンク50の状態が、図9に示す状態2であるか否かが制御部2aによって判断される。残存量が多い場合には、ステップS2において、第1タンク50と同様に、第2タンク60の洗浄液の残存量が多いか否かが判断される。
【0083】
第2タンク60の洗浄液の残存量も多い場合には、ステップS3において、制御装置4の表示部4bに表示される試薬管理画面SC1(図17参照)に所定の表示を行うように、制御部2aによって制御装置4に表示制御信号が送信される。具体的には、図17に示すように、キュベット処理部18に用いられる洗浄液の第1タンクマークSC1aが緑色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが緑色に表示されるように表示制御信号が制御部2aにより送信される。
【0084】
ここで、図17に示す試薬管理画面SC1は、測定機構部2の各部で用いられる試薬および洗浄液の状態を、ユーザが容易に認識することができるように、制御装置4の表示部4bに表示される。たとえば、キュベット処理部18で用いられる洗浄液の2つのタンク、第1タンク50および第2タンク60については、それぞれ第1タンクマークSC1aおよび第2タンクマークSC1bの表示態様によって、それぞれのタンクの状態がユーザに認識可能なように表示される。また、第1タンクマークSC1aおよび第2タンクマークSC1bには、各タンクのロット番号も表示される。
【0085】
また、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aおよび第2タンクマークSC1bに対応する表示態様で、それぞれのタンクに配置された洗浄液吸入部21および22のLED215および225にも、第1タンク50および第2タンク60の状態が表示される。具体的な対応関係は、図18に示すように、第1タンク50が使用中の場合については、残存量が多い場合には、試薬管理画面SC1上の第1タンクマークSC1aが緑色に表示され、使用中の表示がされるのに対し、LED215は橙色に点滅表示される。残存量が少ない場合には、第1タンクマークSC1aが黄色に表示され、使用中の表示がされるのに対し、LED215は橙色に点滅表示される。その他の状態の場合にも、それぞれ対応する表示態様でLED215が表示される。また、LED215および225が点滅している場合は、使用対象のタンクであることを意味する。また、LED215および225が赤色に発光している場合には、ユーザがタンクを交換すべき状態であることを表している。これにより、一般的に、測定機構部2の下方に配置されるタンクをユーザが交換する際に、複数のタンクがある場合でも、容易に交換すべきタンクを認識することが可能となる。なお、第2タンクマークSC1bと洗浄液吸入部22のLED225との関係も上記同様である。
【0086】
また、第1タンク50および第2タンク60のうちで、いずれのタンクを使用するのかは、後述するように、それぞれのタンクの状態に応じて制御部2aによって自動的に切り替えられる。また、ユーザが手動で切り替えを行うことも可能である。ユーザが試薬管理画面SC1の試薬切替ボタンSC1cを押下することによって、図19に示す試薬切替画面SC2が表示部4bに表示される。そして、ユーザが試薬切替画面SC2の切替ボタンSC2aを押下することによって、現在使用中のタンクから、他方のタンクに使用するタンクを切り替えることが可能である。これにより、ユーザによる手動によっても、洗浄液を吸入するタンクを切り替えることが可能である。なお、試薬切替画面SC2には、各タンクのロット番号、開封日、残量および使用中であるか否かの表示がされる。
【0087】
ステップS4では、図18に示す対応関係に基づいて、LED215が橙色に点滅表示されるとともに、ステップS5において、LED225が緑色に発光される。その後、動作が終了される。
【0088】
また、ステップS2で第2タンク60の残存量が多くない場合には、ステップS6において、第2タンク60の残存量が少ないか否かが判断される。残存量が少ない場合には、ステップS7において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが緑色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが黄色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS8において、LED215が橙色に点滅表示され、ステップS9において、LED225が緑色に発光される。その後、動作が終了される。
【0089】
また、ステップS6で第2タンク60の残存量が少なくない場合には、ステップS10において、第2タンク60の残存量がないか否かが判断される。残存量がない場合には、ステップS11において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが緑色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが赤色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS12において、LED215が橙色に点滅表示され、ステップS13において、LED225が赤色に発光される。その後、動作が終了される。
【0090】
また、ステップS10で第2タンク60の残存量がなくなっていない場合には、ステップS14において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが緑色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが黄色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。ここで、ステップS10で第2タンク60の残存量がなくなっていない場合とは、第2タンク60の状態が、洗浄液吸入部22のセット中(図9および図10参照)であると制御部2aにより判断された場合のことである。そして、ステップS15において、LED215が橙色に点滅表示され、ステップS16において、LED225が緑色に発光される。その後、ステップS17において、第2タンク60側の洗浄液吸入部22のチャンバー222内の空気が除去されるように制御部2aにより気泡吸引部23およびソレノイドバルブV1〜4が制御される。この気泡除去動作によってチャンバー222内が洗浄液で充満されると、ステップS18において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが緑色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが緑色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。その後、動作が終了される。
【0091】
また、ステップS1で第1タンク50の残存量が多くない場合には、ステップS19において、第1タンク50の残存量が少ないか否かが判断される。残存量が少ない場合には、ステップS20において、第2タンク60の残存量が多いか否かが判断される。残存量が多い場合には、ステップS21において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが黄色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが緑色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS22において、LED215が橙色に点滅表示され、ステップS23において、LED225が緑色に発光される。その後、動作が終了される。
【0092】
また、ステップS20で第2タンク60の残存量が多くない場合には、ステップS24において、第2タンク60の残存量が少ないか否かが判断される。残存量が少ない場合には、ステップS25において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが黄色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが黄色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。この際、図20に示すように、試薬管理画面SC1の表示領域SC1dに、キュベット処理部用の洗浄液が少なくなった旨の表示がされるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS26において、LED215が橙色に点滅表示され、ステップS27において、LED225が緑色に発光される。その後、動作が終了される。
【0093】
また、ステップS24で第2タンク60の残存量が少なくない場合には、ステップS28において、第2タンク60の残存量がないか否かが判断される。残存量がない場合には、ステップS29において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが黄色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが赤色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。この際、上記同様に、試薬管理画面SC1の表示領域SC1d(図20参照)に、キュベット処理部用の洗浄液が少なくなった旨の表示がされるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS30において、LED215が橙色に点滅表示され、ステップS31において、LED225が赤色に発光される。その後、動作が終了される。
【0094】
また、ステップS28で第2タンク60の残存量がなくなっていない場合には、ステップS32において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが緑色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが黄色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS33において、LED215が橙色に点滅表示され、ステップS34において、LED225が緑色に発光される。その後、ステップS35において、第2タンク60側の洗浄液吸入部22のチャンバー222内の空気が除去されるように制御部2aにより気泡吸引部23およびソレノイドバルブV1〜4が制御される。この気泡除去動作によってチャンバー222内が洗浄液で充満されると、ステップS36において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが黄色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが緑色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。その後、動作が終了される。
【0095】
また、ステップS19で第1タンク50の残存量が少なくない場合には、図16に示すステップS37において、第1タンク50の残存量がないか否かが判断される。残存量がない場合には、ステップS38において、第2タンク60の残存量が多いか否かが判断される。第2タンク60の残存量が多い場合には、ステップS39において、使用対象が第1タンク50から第2タンク60に制御部2aにより切り替えられる。すなわち、洗浄液吸入部21による第1タンク50の洗浄液の吸入動作が停止され、洗浄液吸入部22による第2タンク60の洗浄液の吸入動作が開始される。そして、ステップS40において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが赤色に表示されるとともに、第2タンクマークSC1bが緑色に表示され、使用中の表示がされるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。この際、図21に示すように、試薬管理画面SC1の表示領域SC1dに、キュベット処理部用の洗浄液のタンクを切り替えた旨の表示がされるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS41において、LED215が赤色に発光され、ステップS42において、LED225が橙色に点滅表示される。その後、動作が終了される。
【0096】
また、ステップS38で第2タンク60の残存量が多くない場合には、ステップS43において、第2タンク60の残存量が少ないか否かが判断される。少ない場合には、ステップS44において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが赤色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが黄色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。この際、図22に示すように、試薬管理画面SC1の表示領域SC1dに、キュベット処理部用の洗浄液がなくなった旨の表示がされるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS45において、LED215が赤色に発光され、ステップS46において、LED225が緑色に発光される。その後、動作が終了される。
【0097】
また、ステップS43で第2タンク60の残存量が少なくない場合には、ステップS47において、第2タンク60の残存量がないか否かが判断される。残存量がない場合には、ステップS48において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが赤色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが赤色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。この際、上記同様に、試薬管理画面SC1の表示領域SC1d(図22参照)に、キュベット処理部用の洗浄液がなくなった旨の表示がされるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS49において、LED215が赤色に発光され、ステップS50において、LED225が赤色に発光される。その後、動作が終了される。
【0098】
また、ステップS47で第2タンク60の残存量がなくなっていない場合には、ステップS51において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが赤色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが黄色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS52において、LED215が赤色に発光され、ステップS53において、LED225が緑色に発光される。その後、ステップS54において、第2タンク60側の気泡除去動作が行われる。そして、ステップS55において、使用対象が第1タンク50から第2タンク60に切り替えられる。そして、ステップS56において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが赤色に表示されるとともに、第2タンクマークSC1bが緑色に表示され、使用中の表示がされるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。この際、図21に示すように、試薬管理画面SC1の表示領域SC1dに、キュベット処理部用の洗浄液のタンクを切り替えた旨の表示がされるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。また、ステップS57において、第2タンク60側の洗浄液吸入部22のLED225が橙色に点滅表示され、動作が終了される。
【0099】
また、ステップS37で第1タンク50の残存量がなくなっていない場合には、ステップS58において、第2タンク60の残存量が多いか否かが判断される。第2タンク60の残存量が多い場合には、ステップS59において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが黄色に表示されるとともに、第2タンクマークSC1bが緑色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS60において、LED215が緑色に発光され、ステップS61において、LED225が緑色に発光される。その後、ステップS62において、第1タンク50側の気泡除去動作が行われる。そして、ステップS63において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが緑色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが緑色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。また、ステップS64において、第1タンク50側の洗浄液吸入部21のLED215が橙色に点滅表示され、動作が終了される。
【0100】
また、ステップS58で第2タンク60の残存量が多くない場合には、ステップS65において、第2タンク60の残存量が少ないか否かが判断される。第2タンク60の残存量が少ない場合には、ステップS66において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが黄色に表示されるとともに、第2タンクマークSC1bが黄色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS67において、LED215が緑色に発光され、ステップS68において、LED225が緑色に発光される。その後、ステップS69において、第1タンク50側の気泡除去動作が行われ、ステップS70において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが緑色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが黄色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。また、ステップS71において、第1タンク50側の洗浄液吸入部21のLED215が橙色に点滅表示され、動作が終了される。
【0101】
また、ステップS65で第2タンク60の残存量が少なくない場合には、ステップS72において、第2タンク60の残存量がないか否かが判断される。第2タンク60の残存量がない場合には、ステップS73において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが黄色に表示されるとともに、第2タンクマークSC1bが赤色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS74において、LED215が緑色に発光され、ステップS75において、LED225が赤色に発光される。その後、ステップS76において、第1タンク50側の気泡除去動作が行われ、ステップS77において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが緑色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが赤色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。また、ステップS78において、第1タンク50側の洗浄液吸入部21のLED215が橙色に点滅表示され、動作が終了される。
【0102】
また、ステップS72で第2タンク60の残存量がなくなっていない場合には、ステップS79において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが黄色に表示されるとともに、第2タンクマークSC1bが黄色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS80において、LED215が緑色に発光され、ステップS81において、LED225が緑色に発光される。その後、ステップS82において、第1タンク50および第2タンク60両方の気泡除去動作が行われ、ステップS83において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが緑色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが緑色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。また、ステップS84において、第1タンク50側の洗浄液吸入部21のLED215が橙色に点滅表示され、動作が終了される。
【0103】
図23は、本発明の一実施形態による免疫分析装置の分析処理中の洗浄液タンクの状態監視処理動作を説明するためのフロー図である。次に、図17および図20〜図23を参照して、本実施形態による免疫分析装置1の測定中における洗浄液の第1タンク50および第2タンク60の状態監視処理動作を説明する。なお、以下の動作説明では、洗浄液の第1タンク50が使用対象にある場合について説明する。第2タンク60が使用対象にある場合については、以下の説明において、第1タンク50と第2タンク60とを入れ替えたのと同様の動作となる。また、以下では、第1タンク50および第2タンク60の2つのタンクについての動作説明を行うが、実際の動作としては、順次新たなタンクがユーザにより供給されることによって、図23に示す動作が継続的に行われる。
【0104】
まず、ステップS101において、第1タンク50の洗浄液の残存量が少ないか否かが判断され、少なくなるまでこの判断が繰り返される。少なくなった場合には、ステップS102において、第2タンク60の洗浄液の残存量が多いか否かが判断される。第2タンク60の残存量が多い場合には、ステップS103で、試薬管理画面SC1(図17参照)の第1タンクマークSC1aが黄色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが緑色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS104において、第1タンク50の残存量がなくなったか否かが判断され、第1タンク50の残存量がなくなるまでこの判断が繰り返される。
【0105】
残存量がなくなった場合には、ステップS105において、使用対象が第1タンク50から第2タンク60に制御部2aによって切り替えられる。また、この際、図21に示すように、試薬管理画面SC1の表示領域SC1dに、キュベット処理部用の洗浄液のタンクを切り替えた旨の表示がされるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS106において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが赤色に表示されるとともに、第2タンクマークSC1bが緑色に表示され、使用中の表示がされるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。また、ステップS107において、LED215が赤色に発光され、ステップS108において、LED225が橙色に点滅表示される。その後、動作が終了される。
【0106】
ステップS102で、第2タンク60の残存量が多くない場合には、ステップS109において、第2タンク60の残存量が少ないか否かが判断される。少ない場合には、ステップS110において、分析が中断される。具体的には、測定機構部2において、新たな検体の分析を開始せず、現在分析処理途中の検体についてのみ分析処理動作を継続するように各部が制御部2aによって制御される。
【0107】
一方、ステップS109で、第2タンク60の残存量が少なくない場合には、ステップS116において、第2タンク60の残存量がないか否かが判断される。残存量がない場合には、ステップS110に移行される。
【0108】
そして、ステップS111において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが黄色に表示され、使用中の表示がされる。また、第2タンク60の残存量が少ない場合には、第2タンクマークSC1bが黄色に表示され、第2タンク60の残存量がない場合には、赤色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。ステップS112においては、第1タンク50の残存量がなくなったか否かが判断され、なくなった場合には、ステップS113において、測定機構部2におけるすべての分析処理動作が停止される。その後、ステップS114において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが赤色に表示されるとともに、第2タンク60の残存量が少ない場合には、第2タンクマークSC1bが黄色に表示され、第2タンク60の残存量がない場合には、第2タンクマークSC1bが赤色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。この際、図22に示すように、試薬管理画面SC1の表示領域SC1dに、キュベット処理部用の洗浄液がなくなった旨の表示がされるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。ステップS115では、LED215が赤色に発光される。
【0109】
また、ステップS112で第1タンク50の残存量がなくなっていない場合には、ステップS117において、ユーザによる測定再開の指示が受け付けられたか否かが判断される。測定再開の指示は、図20に示す試薬管理画面SC1において、ユーザが測定開始ボタンSC1eを押下することによって行われる。ユーザは、図20に示す試薬管理画面SC1の表示領域SC1dのエラー表示によって、第2タンク60を新たなタンクに交換することを促される。タンクの交換作業後に、ユーザによって測定再開の指示がされると、動作がステップS102に移行され、再度第2タンク60の残存量が多いか否かが判断される。測定再開の指示がない場合には、ステップS112に移行される。
【0110】
また、ステップS116において、第2タンク60の残存量がなくなっていない場合には、ステップS118において、第2タンク60の気泡除去動作が行われる。ステップS119では、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが黄色に表示され、使用中の表示がされるとともに、第2タンクマークSC1bが緑色に表示されるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS120において、第1タンク50の残存量がないか否かが判断され、なくなるまでこの判断が繰り返される。残存量がなくなった場合には、ステップS121において、使用対象が第1タンク50から第2タンク60に切り替えられる。また、この際、図21に示すように、試薬管理画面SC1の表示領域SC1dに、キュベット処理部用の洗浄液のタンクを切り替えた旨の表示がされるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。そして、ステップS122において、試薬管理画面SC1の第1タンクマークSC1aが赤色に表示されるとともに、第2タンクマークSC1bが緑色に表示され、使用中の表示がされるように制御部2aにより表示制御信号が送信される。また、ステップS123において、LED215が赤色に発光され、ステップS124において、LED225が橙色に点滅表示される。その後、動作が終了される。
【0111】
本実施形態では、上記のように、洗浄液吸入部21に、第1タンク50内に分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の第1液量の洗浄液が残存しているか否かを検出する下部フロートセンサSE1と、洗浄液吸入部21から吸入された第1タンク50内の洗浄液の流路上に配置されたチャンバー212とを設け、チャンバー212内に、吸入する洗浄液に気泡が混入しない最少限である第2液量の洗浄液が残存しているか否かを検出する上部フロートセンサSE2を設けるとともに、洗浄液吸入部22に、第2タンク60内に分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の液量の洗浄液が残存しているか否かを検出する下部フロートセンサSE3と、下部フロートセンサSE1、上部フロートセンサSE2および下部フロートセンサSE3による検出結果に基づいて、第1タンク50内から洗浄液吸入部21により洗浄液を吸入する吸入動作、または、第2タンク60内から洗浄液吸入部22により洗浄液を吸入する吸入動作を制御する制御部2aとを設けることによって、2つの液量センサにより第1タンク50内の異なる2つの液量を検出することができる。下部フロートセンサSE1(SE3)および上部フロートセンサSE2(SE4)は、それぞれ所定の液量の洗浄液が残存しているか否かを検出するものであり、液体が容器中に満たされた状態から少しずつ減少していく状態をモニタする場合と比べて構造を簡単にすることができる。また、チャンバー212を設けているため、吸入する洗浄液に気泡が混入するのを防止することができる。このため、吸入する洗浄液に気泡が混入するのを防止しながら、分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の液量の洗浄液を確保するとともに、無駄にする洗浄液の量を極力少なくすることができる。すなわち、上部フロートセンサSE2の検出に基づいて、第1タンク50内に常に、吸入する洗浄液に気泡が混入しない最少限の第2液量の洗浄液を残存させるように制御部2aにより吸入動作を制御すれば、吸入する洗浄液に気泡が混入するのを防止することができる。また、下部フロートセンサSE3が第2タンク60内に分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の液量の洗浄液が残存していると検出した場合には、上部フロートセンサSE2の検出に基づいて、第1タンク50内に、吸入する洗浄液に気泡が混入しない最少限の第2液量の洗浄液だけが残存するように制御部2aにより洗浄液吸入部21の吸入動作を制御すれば、無駄にする洗浄液の量を極力少なくすることができる。また、下部フロートセンサSE3が第2タンク60内に分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の液量の洗浄液が残存していないと検出した場合には、下部フロートセンサSE1の検出に基づいて、制御部2aにより洗浄液吸入部21の吸入動作を制御すれば、第1タンク50内に分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の液量の洗浄液を確保することができる。
【0112】
また、本実施形態では、下部フロートセンサSE1、上部フロートセンサSE2、下部フロートセンサSE3および上部フロートセンサSE4による検出結果に基づいて、第1タンク50内から洗浄液吸入部21により洗浄液を吸入し、または、第2タンク60内から洗浄液吸入部22により洗浄液を吸入するように吸入動作を制御する構成としたので、同一の洗浄液を収容する2つの液体容器(第1タンク50および第2タンク60)をセットすることができ、それぞれの洗浄液の残量に基づいて、装置を停止させなくても吸引先の液体容器を切り替える等、洗浄液を吸入する吸入動作を制御することができる。
【0113】
また、本実施形態では、制御部2aを、下部フロートセンサSE1が、第1タンク50内に分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の第1液量の洗浄液が残存していることを検出している場合には、第1タンク50内の洗浄液を洗浄液吸入部21により吸入するように吸入動作を制御し、少なくとも下部フロートセンサSE3が、第2タンク60内に分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の液量の洗浄液が残存していないことを検出している場合に、下部フロートセンサSE1が、第1タンク50内に分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の第1液量の洗浄液が残存していないことを検出したときには、測定機構部2において、新たな検体の分析を開始しないように分析動作を制御するように構成することによって、たとえば、下部フロートセンサSE1およびSE3により、分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の液量が共に残存していないことが検出された場合に、新たな検体の分析を開始しないように分析動作を制御することができる。
【0114】
また、本実施形態では、表示部4bを設け、少なくとも下部フロートセンサSE3が、第2タンク60内に分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の液量の洗浄液が残存していないことを検出している場合に、下部フロートセンサSE1が、第1タンク50内に分析途中の検体について分析を完了させることが可能な最少限の第1液量の洗浄液が残存していないことを検出したときには、制御部2aを、洗浄液の残存量が少ないことを警告する旨を試薬管理画面SC1に表示するための表示制御信号を制御装置4に送信する構成にすることによって、ユーザが、洗浄液の残存量が少なくなっていることを容易に認識することができる。
【0115】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0116】
たとえば、上記実施形態では、検体分析装置の一例として免疫分析装置1を示したが、本発明はこれに限らず、試薬や洗浄液を用いる検体分析装置であれば他の検体分析装置に用いてもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、吸入部の一例としてキュベット処理部用の洗浄液を吸入する洗浄液吸入部を示したが、本発明はこれに限らず、測定機構部の他の箇所で用いられる洗浄液や試薬を吸入する吸入部に適用してもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、液量センサの一例としてフロートセンサを示したが、本発明はこれに限らず、液体の量を検出することが可能なセンサであれば、他のセンサを用いてもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、測定機構部2の制御部2aが各タンクの状態監視処理動作を行う例を示したが、本発明はこれに限らず、制御装置4側の制御部4aが各タンクの状態監視処理動作を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の一実施形態による免疫分析装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による免疫分析装置の測定機構部の制御部を含むブロック図である。
【図3】図2に示した測定機構部の制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による免疫分析装置の制御装置を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態による免疫分析装置のキュベット処理部の断面図である。
【図6】本発明の一実施形態による免疫分析装置の洗浄液吸入部を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態による免疫分析装置の洗浄液吸入部および洗浄液タンクを示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態による免疫分析装置の洗浄液吸入部を示す断面図である。
【図9】本発明の一実施形態による免疫分析装置の詳細を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施形態による免疫分析装置の洗浄液吸入部を示す断面図である。
【図11】本発明の一実施形態による免疫分析装置の洗浄液吸入部を示す断面図である。
【図12】本発明の一実施形態による免疫分析装置の洗浄液吸入部を示す断面図である。
【図13】本発明の一実施形態による免疫分析装置の洗浄液吸入部を示す断面図である。
【図14】本発明の一実施形態による免疫分析装置のキュベット処理部用の洗浄液の流路図である。
【図15】本発明の一実施形態による免疫分析装置の起動開始時における洗浄液タンクの状態監視処理動作を説明するためのフロー図である。
【図16】本発明の一実施形態による免疫分析装置の起動開始時における洗浄液タンクの状態監視処理動作を説明するためのフロー図である。
【図17】本発明の一実施形態による免疫分析装置の試薬管理画面を示した図である。
【図18】本発明の一実施形態による免疫分析装置の詳細を説明するための図である。
【図19】本発明の一実施形態による免疫分析装置の試薬切替画面を示した図である。
【図20】本発明の一実施形態による免疫分析装置の試薬管理画面を示した図である。
【図21】本発明の一実施形態による免疫分析装置の試薬管理画面を示した図である。
【図22】本発明の一実施形態による免疫分析装置の試薬管理画面を示した図である。
【図23】本発明の一実施形態による免疫分析装置の分析処理中の洗浄液タンクの状態監視処理動作を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
【0121】
1 免疫分析装置(検体分析装置)
2a 制御部
4b 表示部
16 検出部(分析部)
21 洗浄液吸入部(第1吸入部)
22 洗浄液吸入部(第2吸入部)
50 第1タンク(第1液体容器)
60 第2タンク(第2液体容器)
212 チャンバー(第1チャンバー部)
222 チャンバー(第2チャンバー部)
SE1 下部フロートセンサ(第1液量センサ)
SE2 上部フロートセンサ(第2液量センサ)
SE3 下部フロートセンサ(第3液量センサ)
SE4 上部フロートセンサ(第4液量センサ)
V1〜4 ソレノイドバルブ(吸入経路切替部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体の分析に用いられる液体を収容する液体容器内に配置され、前記液体容器内の液体を吸入する吸入部と、
前記吸入部に設けられ、前記液体容器内に所定の第1液量の液体が残存しているか否かを検出する第1液量センサと、
前記吸入部に設けられ、前記吸入部から吸入された前記液体容器内の液体の流路上に配置されたチャンバー部と、
前記チャンバー部内に設けられ、前記第1液量センサにより検出される前記第1液量よりも少ない第2液量の液体が残存しているか否かを検出する第2液量センサとを備える、検体分析用液体吸入装置。
【請求項2】
検体を分析する分析部と、
前記分析部による検体の分析に用いられる液体を収容する第1液体容器内に配置され、前記第1液体容器内の液体を吸入する第1吸入部と、
前記第1吸入部に設けられ、前記第1液体容器内に所定の第1液量の液体が残存しているか否かを検出する第1液量センサと、
前記第1吸入部に設けられ、前記第1吸入部から吸入された前記第1液体容器内の液体の流路上に配置された第1チャンバー部と、
前記第1チャンバー部内に設けられ、前記第1液量センサにより検出される前記第1液量よりも少ない第2液量の液体が残存しているか否かを検出する第2液量センサと、
前記第1液量センサおよび前記第2液量センサによる検出結果に基づいて、少なくとも前記第1液体容器内から前記第1吸入部により液体を吸入する吸入動作を制御する制御部とを備える、検体分析装置。
【請求項3】
前記第1液体容器に収容される液体と同一の液体を収容する第2液体容器内に配置され、前記第2液体容器内の液体を吸入する第2吸入部と、
前記第2吸入部に設けられ、前記第2液体容器内に所定の液量の液体が残存しているか否かを検出する液量検出手段とをさらに備え、
前記制御部は、前記第1液量センサ、前記第2液量センサおよび前記液量検出手段による検出結果に基づいて、前記第1液体容器内から前記第1吸入部により液体を吸入し、または、前記第2液体容器内から前記第2吸入部により液体を吸入するように吸入動作を制御する、請求項2に記載の検体分析装置。
【請求項4】
前記分析部は、複数の検体を順次分注し、分注された複数の検体の分析処理を同時に行うことが可能に構成されており、
前記第1液量は、分析処理途中の全検体の分析を完了することが可能な液量であり、
前記第2液量は、吸入する液体に気泡が実質的に混入しない液量である、請求項3に記載の検体分析装置。
【請求項5】
前記液量検出手段が前記第2液体容器内に所定の液量の液体が残存していることを検出した場合において、前記制御部は、前記第2液量センサが、前記第1液体容器内に前記第2液量の液体が残存していないことを検出した場合には、前記第1液体容器内から前記第1吸入部により液体を吸入する動作を停止するとともに、前記第2液体容器内から前記第2吸入部により液体を吸入するように吸入動作を制御するように構成されている、請求項3または4に記載の検体分析装置。
【請求項6】
前記分析部による検体の分析に用いられる液体を、前記第1液体容器内から前記第1吸入部により吸入するか、または、前記第2液体容器内から前記第2吸入部により吸入するかの吸入経路の切り替えを行う吸入経路切替部をさらに備え、
前記制御部は、前記吸入経路切替部による吸入経路の切り替え動作を制御するように構成されている、請求項3〜5のいずれか1項に記載の検体分析装置。
【請求項7】
前記第2吸入部に設けられ、前記第2吸入部から吸入された前記第2液体容器内の液体の流路上に配置された第2チャンバー部をさらに備え、
前記第2吸入部の前記液量検出手段は、前記第2液体容器内に所定の第3液量の液体が残存しているか否かを検出する第3液量センサと、前記第2チャンバー部内に設けられ、前記第3液量センサにより検出される前記第3液量よりも少ない第4液量の液体が残存しているか否かを検出する第4液量センサとを含む、請求項3〜6のいずれか1項に記載の検体分析装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第1液量センサが、前記第1液体容器内に前記第1液量の液体が残存していることを検出している場合には、前記第1液体容器内の液体を前記第1吸入部により吸入するように吸入動作を制御し、
少なくとも前記第3液量センサが、前記第2液体容器内に前記第3液量の液体が残存していないことを検出している場合に、前記第1液量センサが、前記第1液体容器内に前記第1液量の液体が残存していないことを検出したときには、前記分析部において、新たな検体の分析を開始しないように分析動作を制御するように構成されている、請求項7に記載の検体分析装置。
【請求項9】
前記制御部が、前記分析部において新たな検体の分析を開始しないように分析動作を制御した場合にも、前記分析部において既に分析が開始されている検体の分析については、前記制御部は、前記第1液体容器内の液体を前記第1吸入部により吸入するように吸入動作を制御するように構成されている、請求項8に記載の検体分析装置。
【請求項10】
少なくとも前記第3液量センサが、前記第2液体容器内に前記第3液量の液体が残存していないことを検出している場合に、前記第2液量センサが、前記第1液体容器内に前記第2液量の液体が残存していないことを検出したときには、前記制御部は、前記第1液体容器内の液体の吸入動作を停止するように構成されている、請求項7〜9のいずれか1項に記載の検体分析装置。
【請求項11】
表示部をさらに備え、
少なくとも前記第3液量センサが、前記第2液体容器内に前記第3液量の液体が残存していないことを検出している場合に、前記第1液量センサが、前記第1液体容器内に前記第1液量の液体が残存していないことを検出したときには、前記制御部は、液体の残存量が少ないことを警告する警告画面を表示するように前記表示部を制御するように構成されている、請求項7〜10のいずれか1項に記載の検体分析装置。
【請求項12】
少なくとも前記第3液量センサが、前記第2液体容器内に前記第3液量の液体が残存していないことを検出している場合に、前記第2液量センサが、前記第1液体容器内に前記第2液量の液体が残存していないことを検出したときには、前記制御部は、液体の残存量がないことを警告する警告画面を表示するように前記表示部を制御するように構成されている、請求項11に記載の検体分析装置。
【請求項13】
前記少なくとも第3液量センサが第2液体容器内に第3液量の液体が残存していないことを検出している場合は、前記第3液量センサが前記第2液体容器内に前記第3液量の液体が残存していないことを検出している場合に加えて、前記第4液量センサが前記第2液体容器内に前記第4液量の液体が残存していないことを検出している場合も含む、請求項8および10〜12のいずれか1項に記載の検体分析装置。
【請求項14】
前記第3液量センサが、前記第2液体容器内に前記第3液量の液体が残存していることを検出し、かつ、前記第4液量センサが、前記第2液体容器内に前記第4液量の液体が残存していないことを検出している場合に、前記第1液量センサが、前記第1液体容器内に前記第1液量の液体が残存していないことを検出したときには、前記制御部は、前記第2吸入部の前記第2チャンバー内に前記第2液体容器内の液体を入れることによって、液体容器セット動作を行うように構成されている、請求項7〜13のいずれか1項に記載の検体分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−74870(P2009−74870A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243050(P2007−243050)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】