説明

検査方法

【課題】本発明は検査方法に関し、より詳細には基板の検査方法を提供する。
【解決手段】基板を検査するために、まず、基板上に測定領域を設定し、続いて、測定領域に対する基準データ及び測定データを取得する。次に、測定領域内の所定の形状を含むようにブロック単位の複数の特徴ブロックを設定し、特徴ブロックのうちオーバーラップされる特徴ブロックをマージして統合ブロックを設定する。続いて、統合ブロック以外の特徴ブロック及び/または統合ブロックに対応する基準データと測定データとを比較して歪曲量を取得し、歪曲量を補償してターゲット測定領域内の検査領域を設定する。これにより、歪曲を補償した正確な検査領域を設定することができる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検査方法に関し、より詳細には基板の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電子装置内には少なくとも一つの印刷回路基板(Printed circuit board;PCB)が設けられており、このような印刷回路基板上には回路パターン、接続パッド部、前記接続パッド部と電気的に接続された駆動チップ等多様な回路素子が実装されている。
【0003】
一般的に、前記のような多様な回路素子が前記印刷回路基板に適切に形成または配置されているかを確かめるために形状測定装置が使用される。
【0004】
従来の形状測定装置は、所定の検査領域を設定して、前記検査領域内において所定の回路素子が適切に形成されているかを検査する。従来の検査領域設定方法では、理論的に回路素子が存在すべき領域が単純に検査領域として設定される。
【0005】
検査領域が測定を所望する位置に正確に設定できれば測定を所望する回路素子の測定が適切に遂行される。しかしながら、印刷回路基板のような測定対象物はベース基板の撓み(warpage)、捩れ(contortion)などの歪曲(distortion)が発生し得るので、従来の検査領域の設定方法では測定領域を所望する位置に正確に設定できず、撮影部のカメラから取得されるイメージに対応する位置は実際の回路素子が存在する位置から若干の差異が発生するという問題点がある。
【0006】
従って、前記のような測定対象物の歪曲を適切に補償する検査領域を設定する必要性が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明が解決しようとする課題は、測定対象物の歪曲量が補償される検査領域を設定し、誤認される可能性が除去された特徴客体をより正確に選別することのできる検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の例示的な一実施形態に係る検査方法は、基板上に測定領域を設定し、前記測定領域の基準データ及び測定データを取得するし、前記測定領域内の所定の形状を含むようにブロック(block)単位の複数の特徴ブロックを設定し、前記特徴ブロックのうちオーバーラップ(overlap)される特徴ブロックをマージ(merge)して統合ブロックを設定し、前記統合ブロック以外の特徴ブロック及び/または前記統合ブロックに対応する基準データと測定データとを比較して歪曲量(distortion degree)を取得し、前記歪曲量を補償して前記ターゲット測定領域内の検査領域を設定すること、を含む。
【0009】
一実施形態として、前記測定領域内の所定の形状は、曲がったパターン及びホール(hole)パターンのうち少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0010】
前記測定領域内の所定の形状を含むようにブロックを単位として複数の特徴ブロックを設定することは、前記所定の形状に対応する曲がった回路パターンの角部(corner)の位置を探し、前記曲がった回路パターンの角部のマージン(margin)領域を設定して前記マージン領域によって定義される特徴ブロックを設定すること、を含んでいてもよい。この際、前記特徴ブロックのうちオーバーラップされる特徴ブロックをマージして統合ブロックを設定することは、前記オーバーラップされる特徴ブロックのマージン領域をマージし、及び前記マージされたマージン領域の最小四角形を抽出して前記統合ブロックを設定することを含んでいてもよい。
【0011】
前記統合ブロック以外の特徴ブロック及び/または前記統合ブロックに対応する基準データと測定データとを比較して歪曲量を取得することは、前記統合ブロック以外の特徴ブロック及び/または前記統合ブロックのうち比較用ブロックを抽出し、前記抽出された比較用ブロックに対応する基準データと測定データとを比較して歪曲量を取得すること、を含んでいてもよい。
【0012】
一実施形態として、前記比較用ブロックは複数で抽出され、前記比較用ブロックは前記測定領域内に均等に分布するように抽出されてよい。
【0013】
他の実施形態として、前記比較用ブロックは複数で抽出され、前記統合ブロック以外の特徴ブロック及び/または前記統合ブロックのうち、前記基準データと前記測定データとを比較して形状の違いが小さい程、特徴ブロック及び/または前記統合ブロックに高いスコアが付与され、前記比較用ブロックは前記スコアに基づいて抽出されてよい。
【0014】
一方、前記歪曲量は前記比較用ブロックに対応する前記基準データと前記測定データとの間の定量化された変換公式で取得され、前記定量化された変換公式は、前記比較用ブロックに対する前記基準データと前記測定データとを比較して取得された位置変化、傾き変化、大きさ変化及び変形度のうち少なくとも一つ以上を利用して定義されてよい。
【0015】
前記マージされる特徴ブロックの個数が予め設定された基準個数以上である場合、前記マージされる特徴ブロックによる統合ブロックは前記比較用ブロックの抽出から除外されてよい。
【0016】
それぞれの特徴ブロックの前記所定の形状は、周辺の形状による誤認の可能性が除去されるように2次元区分子を有しても良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、基板上に設定された測定領域内の所定の形状を含むようにブロック単位の特徴ブロックを設定し、前記特徴ブロックのうちオーバーラップされる特徴ブロックをマージすることによって統合ブックを設定し、基準データRIと測定データPIとを比較して歪曲量を取得し補償する。従って、本発明によれば、より正確に検査領域を設定することができる。
【0018】
また、オーバーラップされる特徴ブロックがマージされて、類似する形状の間で誤認される可能性を除去する。このように、本発明によれば、より正確に特徴客体を選別することができる。
【0019】
また、特徴ブロックを基板上に均等に分布した後、歪曲量を取得し補償することによって、より正確に検査領域を設定することができる。
【0020】
また、前記のように設定された測定領域に基づいて部品の不良検査などの作業を遂行することができるので、より正確に前記基板の良否を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態による検査方法を示すフローチャートである。
【図2】図1の検査方法における基準データの一例を示す平面図である。
【図3】図1の検査方法における測定データの一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することできる。ここでは、特定の実施形態を図面に例示し本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むこととして理解されるべきである。
【0023】
第1、第2などの用語は多用な構成要素を説明するのに使用されることがあるが、前記構成要素は前記用語によって限定解釈されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみとして使用される。例えば、本発明の権利範囲を外れることなく第1構成要素を第2構成要素ということができ、同様に第2構成要素も第1構成要素ということができる。
【0024】
本出願において使用した用語は単なる特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に示さない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書に記載された特徴、数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを意味し、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないこととして理解されるべきである。
【0025】
特別に定義しない限り、技術的、科学的用語を含んでここで使用される全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。
【0026】
一般的に使用される辞書に定義されている用語と同じ用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的またも過度に形式的な意味に解釈されない。
【0027】
以下、図面を参照して本発明の好適な一実施形態をより詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の一実施形態による検査方法を示すフローチャートであり、図2は図1の検査方法における基準データの一例を示す平面図であり、図3は図1の検査方法における測定データの一例を示す平面図である。
【0029】
図1乃至図3を参照すると、本発明の一実施形態により歪曲が補償された検査領域を設定するために、まず、基板上に測定領域FOVを設定する(S110)。
【0030】
前記測定領域FOVは前記基板の良否を検査するために前記基板上に設定された所定の領域を意味し、例えば、3次元形状測定装置のような検査装置に装着されたカメラの撮影範囲(field of view)を基準として設定されてよい。
【0031】
続いて、前記測定領域FOVに対する基準データRI及び測定データPIを取得する(S120)。
【0032】
前記基準データRIは、例えば、図2に示すように、前記基板の仮想的な平面図(theoretical plan view)でもよい。一実施形態として、前記基準データRIは前記基板の形状を記録したキャド(CAD)情報やガーバ形式のデータ等のガーバ情報(gerber information)から取得される。前記キャド情報やガーバ情報は前記基板の設計基準情報を含み、一般的にパッド10、回路パターン30、ホールパターン40等などに関する配置情報を含む。
【0033】
他の実施形態として、前記基準データRIは、学習モードによって得られた学習情報から取得してもよい。前記学習モードは、例えば、データベースから基板情報を検索して前記データベース検索結果、基板情報がなければベア基板の学習を実施し、前記ベア基板の学習によってベア基板のパッド及び配線情報等のような基板情報が算出されると前記基板情報を前記データベースに保存する方式等の方法によって具現できる。即ち、前記学習モードで印刷回路基板のベア基板を学習して印刷回路基板の設計基準情報が取得され、前記学習モードを通じて学習情報を取得することで前記基準データRIを取得することができる。
【0034】
前記測定データPIは、例えば、図3に示すように、基板上に実装された部品20、ターミナル22、部品20に形成された極性表示24、回路パターン30、ホール42等が示されている実際印刷回路基板の撮影イメージであってよい。図3に示された前記測定データPIは、前記部品20等の追加的な構成が示される点を除いて図2に示された前記基準データRIと同一のイメージを有する。しかしながら、実際には基板の撓みや捩れ等によって前記基準データRIに比べて歪曲されている。
【0035】
一実施形態として、前記測定データPIは、前記検査装置の照明部を用いて前記測定領域FOVに光を照射し、前記照射された光の反射イメージを前記検査装置に装着されたカメラを用いて撮影することで取得することが可能である。他の実施形態として、前記測定データPIは前記検査装置の格子パターン照明部を用いて前記測定領域FOVに格子パターン光を照射し、前記照射された格子パターン光の反射イメージを撮影して3次元形状に関するデータを取得した後、前記3次元形状に関するデータを平均化することによって取得することもできる。
【0036】
続いて、前記測定領域FOV内の所定の形状を含むようにブロック単位で複数の特徴ブロック(feature block)を設定する(S130)。
【0037】
後述される前記基準データRIと前記測定データPIとを比較して歪曲量を取得するためには比較対象が必要で、前記比較対象は特徴客体で定義される。処理S130において、前記特徴客体はブロック単位の特徴ブロックとして設定される
【0038】
それぞれの特徴ブロックの前記所定の形状は、周辺の形状による誤認の可能性が除去されるように2次元平面を定義できる2次元区分子を有してよい。例えば、前記2次元区分子は折線、四角形、円形及びこれらの組合せ等を種々含んでもよい。但し、直線は2次元平面を定義できないので、前記2次元区分子にすることができない。
【0039】
前記基準データRIと前記測定データPIとを比較する時、従来、特徴客体として使われていた曲がったパターンの角部(corner)、円形(circle)、ホール(hole)等は、隣接する曲がったパターンの角部、円形、ホール等によって誤認される可能性がある。
【0040】
このように、単純に曲がったパターンの角部、円形40及びホール42等を単に特徴客体とする代わりに前記特徴ブロックを特徴客体にする場合には、前記特徴客体は前記所定の形状を有しており、前記形状は非常に多様なので、誤認の可能性ははるかに減少するであろう。
【0041】
例えば、前記所定の形状は、曲がったパターン及びホールパターンのうち少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0042】
前記複数の特徴ブロックは次のように設定されてよい。
【0043】
前記所定の形状に対応する曲がった回路パターンの角部の位置を見い出した後、前記曲がった回路パターンの角部のマージン(margin)領域を設定して前記マージン領域によって定義される特徴ブロックを設定する。
【0044】
一実施形態として、図3に示すように、第1乃至第8特徴ブロックFB1、FB2、FB3、FB4、FB5、FB6、FB7、FB8を設定してよい。
【0045】
続いて、前記特徴ブロックのうちオーバーラップされる特徴ブロックをマージ(merge)して統合ブロックを設定する(S140)。
【0046】
統合ブロックを設定するために、まず、前記オーバーラップされる特徴ブロックのマージン領域をマージした後、前記マージされたマージン領域の最小四角形を抽出して統合ブロックを設定する。
【0047】
一実施例として、図3に示すように、オーバーラップされる第1 特徴ブロックFB1及び第2特徴ブロックFB2をマージして第1統合ブロックMB1が設定でき、オーバーラップされる第3特徴ブロックFB3及び第4特徴ブロックFB4をマージして第2統合ブロックMB2を設定することができる
【0048】
図2及び図3に示されたように、前記特徴ブロックは前記基準データRIで設定し、前記特徴ブロックに関する統合ブロックは前記測定データPIで設定することもできる。即ち、前記特徴ブロックを前記基準データRIで設定し、前記特徴ブロック内の形状とマッチングされる形状を前記測定データPIにおいて探すことができる。これ以外に、前記特徴ブロックを前記測定データPIにおいて設定し、前記特徴ブロックに関する統合ブロックは前記基準データRIで設定することもできる
【0049】
前記測定データPIにおいて表現される前記特徴ブロック内の形状は前記基板の撓み、捩れ等に起因して、前記基準データRIに比べて多少離隔した位置に存在する。しかし、前記のように統合ブロックを設定して、前記測定データPI及び前記基準データRIが前記統合ブロック単位で比較される場合、類似した周辺形状による誤認の可能性を大きく減少させることができる
【0050】
具体的に、同一の形状が周辺に繰り返し存在する特徴ブロックを設定する場合に、前記基準データRI及び前記測定データPIに対応する特徴ブロック内の形状を相互に比較する際、比較対象に成り得る客体を間違って特定するというエラーが発生する可能性がある。しかし、前記のように統合ブロックを設定して、前記基準データRI及び前記測定データPIを前記統合ブロック単位で相互に比較する場合、周辺の類似した形状によって生じる誤認の可能性を大きく減少させることができる
【0051】
例えば、第1特徴ブロックFB1と第2特徴ブロックFB2は互いに類似の形状を持っていて、前記測定データPIの特徴ブロック内の形状が前記基板の撓み、捩れ等に起因して前記基準データRIの特徴ブロック内の形状から少しだけ離隔されて位置する場合、互いに誤認される可能性が高い。しかし、第1統合ブロックMB1を用いて比較する場合、誤認される可能性は大きく減少する
【0052】
次に、前記統合ブロック以外の特徴ブロック及び/または前記統合ブロックに対応する基準データと測定データとを比較して歪曲量を取得する(S150)。
【0053】
図3において、前記統合ブロックMB1、MB2以外の特徴ブロックFB5、FB6、FB7、FB8及び/または前記統合ブロックMB1、MB2に対応する基準データRIと測定データPIとを比較して歪曲量を取得することができる
【0054】
この際、まず、前記ブロックうち前記基準データRIと前記測定データPIとを比較する対象ブロック(以下、「比較用ブロック」という。)を抽出して、抽出された比較用ブロックを用いて歪曲量を取得することができる。
【0055】
図3において、前記統合ブロックMB1、MB2以外の特徴ブロックFB5、FB6、FB7、FB8及び/または前記統合ブロックMB1、MB2から比較用ブロックを抽出した後、前記抽出された比較用ブロックに対応する基準データRIと測定データPIとを比較して歪曲量を取得することができる。
【0056】
一実施形態として、前記比較用ブロックは複数で抽出されてよく、前記比較用ブロックは前記測定領域FOV内に均等に分布するように抽出することもできる。前記測定領域FOV内の均等な分布は、多様な幾何学的基準によるイメージプロセシング等の処理によって定義される。例えば、前記基準個数が4個で前記測定領域FOVが長方形状の場合には、前記測定領域FOVの各コーナーに最も近く位置した特徴ブロックを比較用ブロックとして抽出し、残りは抽出から除外することができる。
【0057】
図3で、例えば、前記比較用ブロックは第1統合ブロックMB1、第5特徴ブロックFB5及び第7特徴ブロックFB7として抽出されてよい。
【0058】
より具体的に、前記測定領域FOVが長方形状の場合、前記長方形状の測定領域FOVを3×3マトリックス形の9個の下位の長方形(sub−rectangle)に分割した後、各コーナーに対応する前記下位の長方形に位置する特徴ブロックを比較用ブロックとして選択的に抽出することができる。従って、前記比較用ブロックは、前記測定領域FOV内に均等に分布するように抽出されることもできる。
【0059】
他の実施例として、前記比較用ブロックは複数で抽出され、前記基準データRIと前記測定データPIとを比較してスコアを付与した後、前記付与されたスコアに基づいて抽出することもできる。
【0060】
図3において、前記統合ブロックMB1、MB2以外の特徴ブロックFB5、FB6、FB7、FB8及び/または前記統合ブロックMB1、MB2のうち、前記基準データRIと前記測定データPIとを比較して、形状の違いが小さい程、前記統合ブロック又は特徴ブロックに高いスコア(score)を付与する。即ち、前記スコアは前記基準データRIと前記測定データPIとの比較において形状が一致する程度を表すことができる。
【0061】
例えば、ピクセル単位として形状を定義することにおいて一致するピクセルの個数、前記基準データRIと前記測定データPIとを比較する際の明度、彩度及び色相のうち少なくとも一つにおける合致の程度、変形量及び角度に基づいてスコアを設定することができる。特に、ホールの場合、ホールの形がx、y方向に変形される程度に基づいてスコアを設定することもできる。この時、前記スコアが高く設定されたブロックを比較用ブロックとして設定することもできる。
【0062】
一方、前記マージされる特徴ブロックの個数が予め設定された基準個数以上である場合、前記マージされる特徴ブロックによって取得された統合ブロックは前記比較用ブロックの抽出から除外されてもよい。前記マージされる特徴ブロックの個数が増加すれば、前記統合ブロックの大きさも増加する。これにより、前記統合ブロックに対応する基準データRIと測定データPIとを互いに比較する時間は非常に増大する。従って、前記基準個数以上の特徴ブロックによって形成された統合ブロックは、前記比較用ブロックの抽出から除外することもできる。例えば、前記基準個数は3個または4個とすることができる。
【0063】
これと同様の理由で、前記特徴ブロックの大きさが同じ場合、マージされていない特徴ブロックを優先的に抽出し、前記統合ブロックのマージされた個数が小さい順で統合ブロックを抽出することができる。また、前記特徴ブロックの大きさが相異する場合、大きさが小さい順で特徴ブロックが優先的に抽出されるようにすることもできる。
【0064】
前記比較用ブロックを抽出するために、前記測定領域FOV内に均等に分布するように抽出する第1基準、前記スコアを利用する第2基準及び前記特徴ブロックの大きさを考慮する第3基準が選択的にまたは全部適用されてよい。また、前記の第1乃至第3基準も組み合わせて考慮されても、優先順位により順次に考慮されてもよい。
【0065】
一実施例として、前記比較用ブロックを抽出するために、前記測定領域FOVの角部領域に位置するか否か、前記スコア、特徴ブロックの大きさが順次に考慮され、これにより、特徴ブロックを選択して抽出することができる。
【0066】
前記歪曲量は前記比較用ブロックに対応する前記基準データRIと前記測定データPIとの間の変換関係で表し、前記変換関係は前記基準データRIと前記測定データPIとの間の定量化された変換公式を含んでいてもよい。
【0067】
前記測定データPIは、前記基板の撓み、捩れなどに起因して、理論的な基準情報に該当する前記基準データRIに比べて歪曲されている。前記変換公式は前記歪曲された程度、即ち、前記歪曲量を表すように前記基準データRIと前記測定データPIとを互いに変換する公式と同等である。前記定量化された変換公式は、前記比較ブロックに対応する前記基準データRIと前記測定データPIとを相互に比較して取得された位置変化、傾き変化、大きさ変化及び変形度のうち少なくとも一つを用いて規定してよい。
【0068】
一方、一例として、前記変換公式は数式1を用いて取得できる。

<数式1>

【0069】
前記数式1で、PCADはCAD情報やガーバ情報によるターゲット(target)座標、即ち、前記基準データRIでの座標であり、f(tm)は変換行列(transfer matrix)として前記変換公式に該当し、Prealはカメラによって取得された前記測定データPIでの前記ターゲットの座標である。前記基準データRIでの理論座標PCADと前記測定データPIでの実際座標Prealを求めると、前記変換行列を知ることができる。
【0070】
例えば、前記変換行列は、n次元空間上の点対応関係が1次式によって表現されるアフィン(affine)変換またはパースペクティブ(perspective)変換による座標変換行列を含んでいてもよい。前記座標変換行列を定義するために、前記比較用ブロックの個数を適切に設定することも可能であって、一例で、アフィン変換の場合3個以上の比較用ブロックを、パースペクティブ変換の場合4個以上の比較用ブロックを設定することができる。
【0071】
続いて、歪曲量を補償して前記ターゲット測定領域内の検査領域を設定する(S160)。
【0072】
前記歪曲量は前記基準データRIと比較して前記測定データPIで発生された歪曲の程度を表すので、この歪曲量を補償することによって、前記検査領域は実際の基板に関する形状により近接することが可能になる。前記検査領域の設定は、前記測定領域FOVの全部または一部に関して行われてもよい。
【0073】
前記歪曲量を補償して前記測定データPI内での検査領域を設定すると、前記検査領域内の部品の可否等をより正確に検査することができる。前記の検査時に、前記測定領域FOVに関する測定データPIを取得する処理(S130)で既に取得された前記測定データPIを用いることもできる。
【0074】
次に、選択的に前記設定された検査領域が有効かどうかを検証することもできる。この際、前記比較用ブロックとして活用されない特徴ブロックまたは統合ブロックを検証のために活用することができる。
【0075】
前記のような本発明によると、基板上に設定された測定領域FOV内の所定の形状を含むようにブロック単位で特徴ブロックを設定し、前記特徴ブロックのうちオーバーラップされる特徴ブロックをマージして統合ブロックを設定する。それによって、基準データRIと測定データPIとを比較して歪曲量を取得し補償することにより、更に正確に検査領域を設定することが可能になる。
【0076】
また、オーバーラップされる特徴ブロックがマージされて類似する形状の間における誤認のおそれを除去することによって、特徴客体を更に正確に選別することができる
【0077】
また、前記のように設定された測定領域FOVに基づいて部品の不良検査などの作業を遂行できるので、より正確に前記基板の良否等を判断することができる。
【0078】
以上、本発明の実施例によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できる。
【符号の説明】
【0079】
10 パッド
20 部品
22 ターミナル
30 回路パターン
40 サークル
42 ホール
FBI 第1特徴ブロック
FB2 第2特徴ブロック
MB1 第1統合ブロック
MB2 第2統合ブロック
PI 測定データ
RI 基準データ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に測定領域を設定し、
前記測定領域に関する基準データ及び測定データを取得し、
前記測定領域内の所定の形状を含むようにブロック単位で複数の特徴ブロックを設定し、
前記特徴ブロックのうちオーバーラップされる特徴ブロックをマージして統合ブロックを設定し、
前記統合ブロック以外の特徴ブロック及び/または前記統合ブロックに対応する基準データと測定データとを比較して歪曲量を取得し、
前記歪曲量を補償して前記ターゲット測定領域内の検査領域を設定すること、
を含むことを特徴とする検査方法。
【請求項2】
前記測定領域内の所定の形状は、曲がったパターン及びホールパターンのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1記載の検査方法。
【請求項3】
前記測定領域内の所定の形状を含むようにブロックを単位として複数の特徴ブロックを設定することは、
前記所定の形状に対応する曲がった回路パターンの角部の位置を探し、
前記曲がった回路パターンの角部のマージン領域を設定して前記マージン領域によって定義される特徴ブロックを設定すること、を含むことを特徴とする請求項1記載の検査方法。
【請求項4】
前記特徴ブロックのうちオーバーラップされる特徴ブロックをマージして統合ブロックを設定することは、
前記オーバーラップされる特徴ブロックのマージン領域をマージし、
前記マージされたマージン領域の最小四角形を抽出して前記統合ブロックを設定すること、を含むことを特徴とする請求項3記載の検査方法。
【請求項5】
前記統合ブロック以外の特徴ブロック及び/または前記統合ブロックに対応する基準データと測定データとを比較して歪曲量を取得することは、
前記統合ブロック以外の特徴ブロック及び/または前記統合ブロックのうち比較用ブロックを抽出し、
前記抽出された比較用ブロックに対応する基準データと測定データとを比較して歪曲量を取得すること、を含むことを特徴とする請求項1記載の検査方法
【請求項6】
前記比較用ブロックは複数で抽出され、
前記比較用ブロックは前記測定領域内に均等に分布するように抽出されることを特徴とする請求項5記載の検査方法。
【請求項7】
前記比較用ブロックは複数で抽出され、
前記統合ブロック以外の特徴ブロック及び/または前記統合ブロックのうち、前記基準データと前記測定データとを比較して形状の違いが小さい程、特徴ブロックまたは前記統合ブロックに高いスコアが付与され、
前記比較用ブロックは前記スコアに基づいて抽出されることを特徴とする請求項5記載の検査方法
【請求項8】
前記歪曲量は前記比較用ブロックに対応する前記基準データと前記測定データとの間の定量化された変換公式で取得され、
前記定量化された変換公式は、前記比較用ブロックに対する前記基準データと前記測定データとを比較して取得された位置変化、傾き変化、大きさ変化及び変形度のうち少なくとも一つ以上を利用して定義されることを特徴とする請求項5記載の検査方法。
【請求項9】
前記マージされる特徴ブロックの個数が予め設定された基準個数以上である場合、前記マージされる特徴ブロックによる統合ブロックは前記比較用ブロックの抽出から除外されることを特徴とする請求項5記載の検査方法。
【請求項10】
前記ブロック単位の複数の特徴ブロックの前記所定の形状は、周辺の形状による誤認の可能性が除去されるように2次元区分子を有することを特徴とする請求項1記載の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−112951(P2012−112951A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253582(P2011−253582)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(506414749)コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド (37)
【Fターム(参考)】