検査装置、検査方法
【課題】印刷物の欠陥検出を高精度で行うことが可能な検査装置等を提供する。
【解決手段】検査対象(印刷物等)に、複数の絵柄が配置されている。検査装置1は検査対象画像を小領域に分割し、1つの小領域画像を指定し、当該小領域画像と相関の高い類似小領域画像を抽出する。検査装置1は小領域画像と類似小領域画像を更に分割し、分割した領域についてサブピクセル単位で相関係数の高い領域画像を再抽出する。相関係数の高い分割小領域画像の補正量の平均値を用いて、相関係数の低い分割小領域画像の位置補正を行う。検査装置1は補正後の分割小領域画像について、基準となる領域との差異から、欠陥(汚れ、欠け)を抽出する。本検査装置1は、絵柄を有する検査対象の欠陥を、高精度で検査することが可能である。
【解決手段】検査対象(印刷物等)に、複数の絵柄が配置されている。検査装置1は検査対象画像を小領域に分割し、1つの小領域画像を指定し、当該小領域画像と相関の高い類似小領域画像を抽出する。検査装置1は小領域画像と類似小領域画像を更に分割し、分割した領域についてサブピクセル単位で相関係数の高い領域画像を再抽出する。相関係数の高い分割小領域画像の補正量の平均値を用いて、相関係数の低い分割小領域画像の位置補正を行う。検査装置1は補正後の分割小領域画像について、基準となる領域との差異から、欠陥(汚れ、欠け)を抽出する。本検査装置1は、絵柄を有する検査対象の欠陥を、高精度で検査することが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物等の不良(欠け欠陥、汚れ欠陥、カスレ、色調不良等)を検出する検査装置、検査方法等に関する。より詳細には、同一絵柄等が複数配置された印刷物等の不良を検出する検査装置、検査方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物の良否を判定する検査は、検査対象である同一の絵柄等が多面付けされた印刷物を撮像して得た検査対象画像を領域分割して複数の小領域画像を生成し、小領域画像の各々における最大相関係数を有する小領域を抽出し、これら小領域画像同士を差分してその演算結果から印刷物の欠陥を検出する印刷物の検査方法及び装置が知られている(例えば、[特許文献1]参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−123056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、印刷物の絵柄に特徴が少ない小領域画像に関しては、相関係数が低い小領域画像を探索してしまい、絵柄位置がずれた小領域画像が抽出される場合がある。この際、絵柄位置がずれた小領域画像同士で差分することになり、欠陥検出精度が悪化する要因となっている。また、欠陥の誤検出を招く虞もある。
【0005】
また、小領域画像同士の差分の絶対値に基づいて欠陥の有無を判定しているため、欠陥の種類(例えば印刷物の汚れ、印刷物の文字等の欠けなど)を判別することができないという問題点があった。
【0006】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、印刷物の欠陥検出を高精度で行うことが可能な検査装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために第1の発明は、同一の配置単位が複数配置される検査対象物を撮像して取得した検査画像に対して画像処理を行い良否を検査する検査装置であって、前記検査画像を複数の小領域画像に分割する分割手段と、前記検査画像において、前記小領域画像ごとに類似度が最も大きい類似小領域画像を抽出する抽出手段と、前記類似度が所定値より大きい前記類似小領域画像の位置に基づいて、前記類似度が前記所定値より小さい前記類似小領域画像の位置を補正する補正手段と、を具備することを特徴とする検査装置である。
【0008】
検査装置は、検査対象物に光を照射し、検査対象物からの反射光を撮像して検査画像を取得し、当該検査画像に対して画像処理を行い、検査対象物の良否を判定する。
検査対象物は、例えば、印刷物である。印刷用紙に貼付物(シール等)や塗布物(印字等)や蒸着物が付されたものも検査対象物とすることができる。
配置単位とは、図柄や文字列等の1単位を示す。検査対象物(印刷物等)に、同一の配置単位(図柄等)が所定の規則に従って配置されるものとする。
【0009】
小領域画像は、検査画像を所定の領域に分割した画像である。小領域画像は、例えば、検査画像を縦横それぞれ均等に分割して、複数の矩形領域画像として得られる。
類似度は、画像領域間の類似性を示す指標である。例えば相関係数等を類似度として利用する。
小領域画像の絵柄に特徴がある場合は、抽出される類似小領域画像との類似度は大きい傾向にある。即ち、絵柄に特徴のある領域画像は、類似度は所定値(例えば相関係数70%)より大きい傾向にある。
小領域画像の絵柄に特徴が少ない場合には、抽出される類似小領域画像との類似度は小さい傾向にある。
【0010】
第1の発明の検査装置は、検査画像を複数の小領域画像に分割し、小領域画像との類似度が最も大きい類似小領域画像を抽出する。類似度が所定値より大きい類似小領域画像の位置に基づいて、類似度が所定値より小さい類似小領域画像の位置を補正し、小領域画像と類似小領域画像とを比較して検査対象物の良否を判定する。
【0011】
また、補正手段は、類似度が所定値より大きい類似小領域画像の位置に関する平均値を用いて補正を行う。
即ち、小領域画像の位置ズレ(特に、類似度が所定値より小さい類似小領域画像は位置ズレの傾向が大きい。)を、例えば、類似度が所定値より大きい類似小領域画像の小領域画像に対する相対位置の平均値を用いて補正する。位置ズレを補正することにより、検査画像の欠陥検出精度を向上させることができる。
【0012】
また、分割手段は、さらに、少なくとも1回の再分割を行い、抽出手段及び補正手段及び判定手段は、再分割後の小領域画像及び類似小領域画像について処理を行うようにしてもよい。
検査対象物の検査画像を再分割することにより、検査画像の欠陥検出精度をさらに向上させることができる。
【0013】
また、類似度の算出は、サブピクセル精度で行うようにしても良い。
サブピクセル精度とは、例えば1/10ピクセルである。サブピクセル精度で類似度の算出を行うことにより、検査画像の欠陥検出精度をさらに向上させることができる。
【0014】
また、検査対象物の良否の判定に関しては、検査装置の判定手段は、小領域画像から類似小領域画像の差分処理を行い、所定の閾値で2値化して所定の画素数を超える領域を汚れ欠陥として判定するようにしても良い。
また、検査装置の判定手段は、類似小領域画像から小領域画像の差分処理を行い、所定の閾値で2値化して所定の画素数を超える領域を欠け欠陥として判定するようにしても良い。
【0015】
尚、抽出・補正手段等と判定手段とを1つの処理装置(コンピュータ)に設けても良いし、抽出・補正手段等と判定手段とをそれぞれ異なる処理装置(コンピュータ)に設けて、システム全体として上述の検査装置を構成するようにしても良い。
【0016】
画像領域間の差異は、画像領域間の対応する画素同士の画素値(濃度値)に基づいて、差分処理及び2値化処理等を経て算出される。尚、画素値(濃度値)とは、明るいほど値を大きく設定したものである。例えば、RGB表色系において、最も暗い所(黒等)の画素値を(0,0,0)、最も明るい所(白等)の画素値を(255,255,255)として設定する。
【0017】
検査装置は、例えば、対応する全画素について、それぞれ、R成分、G成分、B成分毎に差分演算を行い、差分画素値のR成分、G成分、B成分のうち最大値を各画素の差分値とし、この差分値に対して2値化処理を行い、差異としての2値化差分値を算出する。
尚、差分演算は飽和モードで行い、差分演算の結果が負(マイナス)になるときは、値を「0」(0クリップ)とする。
【0018】
即ち、検査装置は、類似小領域画像の画素を、対応する小領域画像の画素と比較し、小領域画像よりも濃度値(2値化差分値)が低い(暗い)画素を検査対象物の汚れ欠陥として判定し、小領域画像よりも濃度値(2値化差分値)が高い(明るい)画素を検査対象物の欠け欠陥として判定する。
尚、画素の差分を所定の閾値で2値化することで、余分な情報をフィルタリングして特徴を強調する。
また、検査装置は、検査画像の全ての小領域画像について類似小領域画像の抽出、補正、判定の処理を行い、検査対象物の良否を判定する。
【0019】
第1の発明の検査装置によれば、検査画像を小領域画像に分割、或いは再分割し、各小領域画像毎に相関係数が最大となる類似小領域画像を抽出し、相関係数が小さい類似小領域画像に関しては、相関係数が大きい類似小領域画像の座標位置の平均値に基づいて座標位置を補正し、当該補正後に各小領域画像と対応する類似小領域画像とを比較して欠陥検査を行うので、検査対象物の良否判定検査を高精度で行うことができる。
【0020】
第2の発明は、同一の配置単位が複数配置される検査対象物を撮像して取得した検査画像に対して画像処理を行い良否を検査する検査方法であって、前記検査画像を複数の小領域画像に分割する分割工程と、前記検査画像において、前記小領域画像ごとに類似度が最も大きい類似小領域画像を抽出する抽出工程と、前記類似度が所定値より大きい前記類似小領域画像の位置に基づいて、前記類似度が前記所定値より小さい前記類似小領域画像の位置を補正する補正工程と、を具備することを特徴とする検査方法である。
第2の発明は、第1の発明の検査装置が実行する検査方法に関する発明である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、印刷物の欠陥検出を高精度で行うことが可能な検査装置等を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る検査装置等の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0023】
(1.検査装置1の構成)
最初に、図1を参照しながら、本発明の実施の形態に係る検査装置1の構成について説明する。
図1は、検査装置1の概略構成図である。
【0024】
検査装置1は、ラインカメラ3、照明器5、画像処理部9、表示部11、画像記憶部13、操作部15等から構成される。ラインカメラ3、照明器5、画像処理部9、表示部11、画像記憶部13、操作部15等は、互いに、バスあるいはケーブル等の接続線を介して接続される。
【0025】
検査装置1は、小領域画像31及び類似小領域画像35(図2等参照。)に基づいて比較処理等の画像処理を行って検査対象の印刷物7の良否を判定し、検査結果を表示部11に表示する。
【0026】
小領域画像31は、検査対象の印刷物7を撮像して得られた画像データ(印刷物画像データ39:図4参照)を縦横それぞれ均等に分割して得られる領域画像である。小領域画像31は基準となる領域画像であり、順次、印刷物画像データ39全領域の検査基準画像として使用する。
【0027】
類似小領域画像35は、検査基準画像である小領域画像31との相関係数が最も大きい小領域画像である。尚、「相関が高い」とは、「画像の類似度が高い」と同義である。
【0028】
検査装置1は、ラインカメラ3による撮像により印刷物7の画像データを取得することができる。検査装置1は、印刷物7を移動方向17の方向に搬送させつつラインカメラ3により印刷物7の撮像を行う。
【0029】
ラインカメラ3は、印刷物7を撮像する装置である。ラインカメラ3は、例えば、受光素子(画素)を1次元に配列したCCD(Charge Coupled Device)等の光センサ、駆動回路、結像光学系等からなるカメラ(撮像装置)である。
【0030】
照明器5は、印刷物7に光を照射する光源である。照明器5は、例えば、複数のLEDが面状に配置された照明器である。また、照明器5として、蛍光灯等を用いることもできる。
【0031】
画像処理部9は、印刷物7の画像データに対して画像処理を施し、欠け、汚れ等の不良の検出を行う。画像処理部9は、例えば、コンピュータ及び当該コンピュータを検査装置1の画像処理部9として動作させるプログラム等により構成することができる。
尚、画像処理部9の構成及び動作については、後述する。
【0032】
表示部11は、画像処理部9における不良検出結果等を表示する。表示部11は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)である。
画像記憶部13は、画像データ等を記憶する装置である。画像記憶部13は、例えば、ハードディスク、記憶媒体ドライブである。
操作部15は、オペレータからの操作指示を受け付ける装置である。操作部15は、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイスである。
【0033】
(2.画像処理部9のハードウェア構成)
次に、図2を参照しながら、画像処理部9のハードウェア構成について説明する。
図2は、画像処理部9のハードウェア構成を示す図である。
【0034】
図2に示す画像処理部9は、CPU21、メモリ23等がシステムバス(図示しない。)を介して互いに接続されて構成される。
また、画像処理部9は、ネットワークインタフェース(図示しない。)等を介してラインカメラ3と接続され、ビデオアダプタ(図示しない。)等を介して表示部11と接続される。
尚、図2のハードウェア構成は一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
【0035】
CPU21(Central Processing Unit)は、記憶装置、ROM(Read Only Memory)、記録媒体等に格納される実行プログラム、OS(オペレーションシステム)のプログラム、アプリケーションプログラム等をRAM(Random Access Memory)上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、演算処理(四則演算や比較演算等)、ハードウェアやソフトウェアの動作制御等を行い、後述する各種機能(図3等参照。)を実現する。
【0036】
メモリ23は、RAM、ROM等の記憶装置である。RAMには、小領域画像メモリ25、類似小領域画像メモリ27、表示メモリ29、ラインカメラ3による印刷物7の撮像データを格納する印刷物撮像メモリ(図示しない。)、処理プログラム実行用のワークメモリ(図示しない。)等が割り当てられる。
小領域画像メモリ25は、小領域画像31、再分割小領域画像33等を保持する。類似小領域画像メモリ27は、類似小領域画像35、再分割類似小領域画像37等を保持する。
【0037】
尚、小領域画像メモリ25と類似小領域画像メモリ27とを合わせて印刷物撮像メモリと考え、検査装置1はまず当該印刷物撮像メモリの所定の領域にラインカメラ3による印刷物7の撮像データを格納するようにしても良い。検査装置1は本実施の形態の処理工程に従い、当該撮像データを分割して基準となる小領域画像31を小領域画像メモリ25に格納し、当該小領域画像31と相関の高い類似小領域画像35を類似小領域画像メモリ27に格納するようにしても良い。
【0038】
表示メモリ29は、表示部11に表示するための表示データを保持するメモリであり、例えば、検査結果や不良部分を示す画像データ等を保持する。
尚、小領域画像メモリ25、類似小領域画像メモリ27、表示メモリ29、印刷物撮像メモリ等は、画像処理部9に独立して設けるようにしてもよいし、RAM上に適宜領域を割り当てるようにしてもよい。
【0039】
ラインカメラ3が撮像により取得した印刷物7の撮像データを画像処理部9に入力すると、画像処理部9は、当該撮像データをメモリ23(印刷物撮像メモリ等)に格納する。
CPU21は、撮像データ(印刷物画像データ39:図4参照)を分割して基準となる小領域画像31及び類似小領域画像35を抽出し、更に夫々を再分割した再分割小領域画像33及び再分割類似小領域画像37に基づいて、検査対象の印刷物7全領域における良否を判定し、検査結果を表示メモリ29に出力する。
表示メモリ29の内容は、表示部11に入力されて表示される。
【0040】
(3.本実施の形態の検査装置1の処理工程)
次に、図3〜図12を参照しながら、本実施の形態の検査装置1の処理手順について説明する。
図3は、本実施の形態の検査装置1の検査処理手順を示すフローチャートである。
この検査処理は、画像処理部9のCPU21が、メモリ23のROM等に格納された所定のプログラム等をRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行する。CPU21は、この処理を実行することにより、本発明の(検査画像)分割手段、(類似小領域画像)抽出手段、補正手段、欠陥判定手段等としてそれぞれ機能する。
【0041】
(3−1.領域分割処理および補正処理)
図3(ステップ1001〜ステップ1008)及び図4〜図10を参照しながら、検査装置1が実行する領域分割処理および補正処理について説明する。
図4は、印刷物画像データ39の小領域分割と、小領域画像31を基にした仮類似小領域画像34の抽出を示す図である。
図5は、小領域画像31の再分割を示す図である。
図6は、仮類似小領域画像34の再分割を示す図である。
図7は、仮再分割類似小領域画像36の周辺領域40における、再分割小領域画像33の類似領域41の探索(相関係数の算出)を示す図である。
図8は、再分割類似小領域画像37−1〜37−6の補正を示す図である。
図9は、類似小領域画像35の生成を示す図である。
図10は、類似小領域画像35の生成過程を説明する図である。
【0042】
最初に、オペレータが印刷物7をラインカメラ3で撮像し、撮像データが本検査装置1の画像処理部9に送られてメモリ23に格納されるものとする。尚、印刷物7には、基本となる図柄が繰り返して配置されている。
【0043】
検査装置1は、検査対象画像である撮像データ(印刷物画像データ39)を縦横それぞれ均等に分割し、複数の小領域画像を生成する(ステップ1001)。図4は、小領域に分割された印刷物画像データ39を示す。図4では、印刷物画像データ39は縦に9分割、横に6分割され、計54個の小領域が生成される。尚、検査装置1は表示部11に図4に示す印刷物画像データ39を表示し、オペレータは、印刷物7の撮像データ、及び小領域分割を確認することができる。
【0044】
検査装置1は、まず領域画像として小領域画像31を指定する。また、小領域に分割された印刷物画像データ39の中から、当該小領域画像31との相関係数が最も高い領域を、仮類似小領域画像34として抽出する(ステップ1002)。尚、本実施の形態によれば、絵柄に合わせて印刷物画像データ39の領域を分割するわけではないので、基準となる小領域画像31と仮類似小領域画像34との相関が充分であるとはいえない。従って、この段階で両領域画像を比較して欠陥検査を行うとすると検査精度の低下或いは欠陥の検出誤を招く虞がある。
【0045】
次に、検査装置1は、小領域画像31と仮類似小領域画像34をそれぞれ所定の個数に分割し、再分割小領域画像33−1〜33−6と、仮再分割類似小領域画像36−1〜36−6を生成する(ステップ1003)。尚、本実施の形態では、小領域画像31と仮類似小領域画像34をそれぞれ6分割し、図5に再分割小領域画像33−1〜33−6、図6に仮再分割類似小領域画像36−1〜36−6を示す。
【0046】
検査装置1は、仮再分割類似小領域画像36−1の周辺領域40−1において、再分割小領域画像33−1と最も相関係数が高い領域41−1を抽出する(ステップ1004)。尚、領域41−1の抽出は、サブピクセル単位(例えば1/10ピクセル)で行い、高検出精度を実現する。
【0047】
図7は、一例として再分割小領域画像33−1に対応する領域41−1の抽出を示す。尚、検査装置1は全ての再分割小領域画像33について、仮再分割類似小領域画像36の周辺領域40に領域を拡大してそれぞれ最も相関係数が高い領域41を抽出する。
【0048】
尚、周辺領域40の拡大量は、所定量(例えば縦横方向とも仮再分割類似小領域画像36の領域に対して30%拡大する。)が事前にデフォルト値として設定、或いはオペレータにより事前に設定されているものとする。
【0049】
以下、検査装置1は、周辺領域40−1〜40−6において、それぞれ、再分割小領域画像33−1〜33−6との相関係数が最も高い領域41−1〜41−6を抽出し、再分割小領域画像33−1〜33−3と領域41−1〜41−3との相関係数は所定値(例えば、90%)より高く(絵柄に特徴が多い)、再分割小領域画像33−4〜33−6と領域41−4〜41−6との相関係数は所定値(例えば、90%)より低い(絵柄に特徴が少ない)ものとして説明する。
【0050】
検査装置1は、相関係数が高い領域41−1〜41−3に関しては、そのまま、再分割類似小領域画像37−1〜37−3として抽出する(ステップ1005)。検査装置1は、仮再分割類似小領域画像36−1〜36−3から再分割類似小領域画像37−1〜37−3への移動量を補正量38−1〜38−3として算出する(ステップ1006)。
【0051】
検査装置1は、相関係数が低い領域41−4〜41−6を用いず、相関係数が高い場合における補正量38−1〜38−3の平均値を補正量38−4〜38−6とする(ステップ1007)。検査装置1は、ステップ1007の処理で算出した仮再分割類似小領域画像36−4〜36−6に対する補正量38−4〜38−6に基づいて、再分割類似小領域画像37−4〜37−6を抽出する(ステップ1008)。
【0052】
ここで、ステップ1004〜ステップ1008の処理をまとめると以下のようになる(図10参照)。
検査装置1は、仮再分割類似小領域画像36−1〜36−6の周辺領域40−1〜40−6において、再分割小領域画像33−1〜33−6との相関係数が最も大きい領域41−1〜41−6を抽出する。
【0053】
検査装置1は、相関係数の大きい領域41−1〜41−3をそのまま再分割類似小領域画像37−1〜37−3として採用し、後に補正量38−1〜38−3を算出する。
尚、補正量38−1〜38−3の算出に関しては、以下の座標位置に関する算出式を用いることができる。
(補正量38−1)=(再分割類似小領域画像37−1)−(仮再分割類似小領域画像36−1)、
(補正量38−2)=(再分割類似小領域画像37−2)−(仮再分割類似小領域画像36−2)、
(補正量38−3)=(再分割類似小領域画像37−3)−(仮再分割類似小領域画像36−3)。
【0054】
検査装置1は、相関係数の小さい領域41−4〜41−6を採用せず、先に補正量38−4〜38−6を算出する。
尚、補正量38−4〜38−6の算出に関しては、以下の座標位置に関する算出式を用いることができる。
(補正量38−4)=(補正量38−5)=(補正量38−6)
=〔(補正量38−1)+(補正量38−2)+(補正量38−3)〕/3(平均)。
【0055】
検査装置1は、補正量38−4〜38−6に基づいて、再分割類似小領域画像37−4〜37−6を抽出する。
尚、再分割類似小領域画像37−4〜37−6の抽出に関しては、以下の座標位置に関する算出式を用いることができる。
(再分割類似小領域画像37−4)=(仮再分割類似小領域画像36−4)+(補正量38−4)、
(再分割類似小領域画像37−5)=(仮再分割類似小領域画像36−5)+(補正量38−5)、
(再分割類似小領域画像37−6)=(仮再分割類似小領域画像36−6)+(補正量38−6)。
【0056】
検査装置1は、上述のように、仮再分割類似小領域画像36−1〜36−6の位置補正を行い、再分割類似小領域画像37−1〜37−6を抽出する。図9は、再分割類似小領域画像37−1〜37−6から形成される類似小領域画像35を示す。検査装置1は、類似小領域画像35及び再分割類似小領域画像37−1〜37−6を類似小領域画像メモリ27に登録する。
【0057】
尚、上述の方法では、仮再分割類似小領域画像36−1〜36−6の座標位置を基点とした相対移動量を算出して補正を行ったが、再分割小領域画像33−1〜33−6の座標位置を基点とした相対移動量を補正量として算出し、再分割類似小領域画像37−1〜37−6を抽出するようにしても良い。
【0058】
(3−2.不良の検出処理及び判定処理)
次に、図3(ステップ1009〜ステップ1012)及び図11、図12を参照しながら、検査装置1が実行する欠陥の検出処理及び判定処理について説明する。
図11は、欠陥の検出処理及び判定処理における、検査装置1の動作の流れを示す図である。
尚、図11では、再分割類似領域画像37(検査画像)には、欠陥として、汚れ画像42と欠け画像43があるものとする。
【0059】
検査装置1は、再分割小領域画像33と、再分割類似小領域画像37それぞれの全画素について差分演算を行い、欠陥候補を抽出する(図3のステップ1009、図11のステップ2001及びステップ3001)。
【0060】
再分割小領域画像33(基準画像)から再分割類似小領域画像37(検査画像)を差分した差分結果で、汚れ候補を抽出する。再分割小領域画像33と再分割類似小領域画像37の対応する全画素について、再分割小領域画像33から再分割類似小領域画像37を差分処理し、RGB成分を合成してMAX処理を行い、汚れ候補画像45を抽出する(図11のステップ2001)。
【0061】
これとは逆に、再分割類似小領域画像37(検査画像)から再分割小領域画像33(基準画像)を差分した差分結果で欠け候補を抽出する。再分割小領域画像33と再分割類似小領域画像37の対応する全画素について、再分割類似小領域画像37から再分割小領域画像33を差分処理し、RGB成分を合成してMAX処理を行い、欠け候補画像47を抽出する(図11のステップ3001)。
【0062】
検査装置1は、汚れ候補画像45及び欠け候補画像47を所定の閾値で2値化して欠陥画素を抽出する(図3のステップ1010、図11のステップ2002及びステップ3002)。検査装置1は、汚れ候補画像45に対して所定の汚れ用閾値により2値化処理を行い、汚れ不良画素を抽出する(図11のステップ2002)。検査装置1は、欠け候補画像47に対して所定の欠け用閾値により2値化処理を行い、欠け不良画素を抽出する(図11のステップ3002)。
【0063】
尚、所定の閾値により2値化処理を行うことで、全ての画素値を、最大濃度(濃度値「255」:白)または、最小濃度(濃度値「0」:黒)の何れかにする。2値化処理により、余分な情報を除去するので差異の特徴(欠陥)を強調することができる。
【0064】
具体的には、再分割小領域画像33(基準画像)と再分割類似小領域画像37(検査画像)の対応する全画素について、それぞれ、R成分、G成分、B成分毎に上記差分演算を行い、差分画素値のR成分、G成分、B成分のうち最大値を各画素の差分値とし、2値化処理を経て各画素について2値化差分値を算出する。
尚、差分演算は飽和モードで行い、差分演算の結果が負(マイナス)になるときは、値を「0」(0クリップ)とする。
【0065】
例えば、再分割小領域画像33(基準画像)のある画素の画素値が(R成分、G成分、B成分)=(20、100、155)であり、これに対応する再分割類似小領域画像37(検査画像)の画素の画素値が(R成分、G成分、B成分)=(60、20、100)であるとする。当該画素における(再分割小領域画像33(基準画像))−(再分割類似小領域画像37(検査画像))の差分画素値は(−40、80、55)である。また、当該画素における差分値は、差分画素値の各成分における最大値であり「80」である。2値化処理の閾値が「50」であり「0」または「255」に2値化される場合、当該画素における2値化差分値は閾値「50」を超えるので「255」となる。
【0066】
図11の汚れ候補画像45、及び欠け候補画像47は、それぞれステップ2002及びステップ3002において閾値により2値化されると2値化差分値が「255」の領域(差異が大きい領域:欠陥候補部)は「白(空白部)」で示され、2値化差分値が「0」の領域(差異が小さい領域)は「黒(斜線部)」で示される。
【0067】
検査装置1は、所定の欠陥用画素数を超える差異を欠陥として検出する(図3のステップ1011、図11のステップ2003及びステップ3003)。
検査装置1は、ステップ2002の処理で抽出した汚れ不良画素数が所定の汚れ用画素数を超える領域を汚れ不良として検出する。検査装置1は、汚れ検出画像49を作成し、検出した汚れ不良を検出汚れ53として表示する(ステップ2003)。
検査装置1は、ステップ3002の処理で抽出した欠け不良画素数が所定の欠け用画素数を超える領域を欠け不良として検出する。検査装置1は、欠け検出画像51を作成し、検出した欠け不良を検出欠け55として表示する(ステップ3003)。
所定の画素数を超える領域を、汚れ不良又は欠け不良として検出するので、検出画素数を指定することで、欠陥の誤検出を除去し欠陥検出精度を調整することができる。
【0068】
検査装置1は、小領域画像31を構成する全ての再分割小領域画像33(基準画像)と、それぞれに対応する再分割類似小領域画像37(検査画像)との差分を行い欠陥を抽出する(図3のステップ1009〜ステップ1011)。
【0069】
検査装置1は、上記の図3のステップ1002に戻り、検査対象画像を構成する全ての小領域画像について、ステップ1002〜ステップ1011の欠陥抽出処理を繰り返す。
【0070】
図12は、欠陥判定表示を示す図である。
検査装置1は、検査対象画像の欠陥抽出結果を表示部11に表示させて処理を終了する(図3のステップ1012)。
検査装置1は、結果表示画像57に、例えば、汚れ不良として検出された検出汚れ53を「赤」で表示し、欠け不良として検出された検出欠け55を「青」で表示する。
【0071】
(3−3.検査装置1の動作概括)
以上の過程を経て、検査装置1は、繰り返し絵柄等を含む検査画像を小領域画像に分割し、小領域画像ごとに類似する類似領域画像を抽出し、更に小領域画像と類似小領域画像を再分割する。検査装置1は、再分割した小領域画像それぞれに対してサブピクセル単位で相関係数の最も高い再分割類似小領域画像を抽出し、そのうちの相関係数が所定値よりも高い再分割類似小領域画像の座標位置補正量の平均値を、相関係数が所定値よりも低い再分割類似小領域画像の座標位置補正量として算出する。検査装置1は、再分割小領域画像(基準画像)と座標位置補正後の再分割類似小領域画像(検査画像)との差分処理を行い、欠陥(汚れ、欠け)を抽出する。
【0072】
(4.効果)
以上説明したように、本発明の実施の形態では検査対象となる印刷物の、特に絵柄に特徴が少ない領域に関しても、印刷の不良を高精度で検出することが可能である。
【0073】
また、本発明によれば、検査対象となる画像を小領域画像に分割し、更に小領域画像を再分割した領域の基準画像と検査画像との相関係数をサブピクセル単位で算出するので、高精度での欠陥検出を可能とし、欠陥の誤検出を低減することができる。
また印刷物の不良を高精度に検出することが可能なので、歩留まり、印刷効率、印刷コスト等を向上させることができる。
【0074】
また、オペレータが基準領域となる画像を設定する必要がないので、オペレータの作業負担を軽減する効果がある。
また、本発明によれば印刷物の汚れ欠陥および欠け欠陥をそれぞれ検出することが可能となる。
【0075】
(5.その他)
尚、上述の実施の形態では、印刷物の検査対象画像取得に関しては、ラインカメラを用いるものとして説明したが、これに限られず、スキャナ装置等を用いてもよい。
また、カメラ等による撮像あるいはスキャン等により印刷物画像データ39を取得してもよいし、これに限らず、CTP(Computer To Plate)により印刷を行う場合、刷版等に出力するためのデジタルデータを印刷物画像データ39として用いるようにしてもよい。
【0076】
また、上述の実施の形態では、検査装置1は、領域分割を行って小領域画像及び類似小領域画像を取得し、再度分割を行って再分割小領域画像及び再分割類似小領域画像を取得し、相関係数が大きい再分割類似小領域画像の座標位置の平均に基づいて相関係数が小さい再分割類似小領域画像の座標位置を補正した上で、比較処理を行い欠陥を検出するものとして説明したが、分割回数に関してはこれに限られず、1段階の分割処理を行う場合であっても、複数段階の分割処理を行う場合であっても、本発明の位置補正処理を適用することができる。
【0077】
検査装置1は、領域分割を行って小領域画像及び類似小領域画像を取得し、この段階で、相関係数が大きい類似小領域画像の座標位置の平均に基づいて相関係数が小さい類似小領域画像の座標位置を補正した上で、比較処理を行い欠陥を検出するようにしてもよい。この場合、再分割処理を行わないので処理負担を軽減することができる。
検査装置1は、領域分割を行って小領域画像及び類似小領域画像を取得し、再度分割を行って再分割小領域画像及び再分割類似小領域画像を取得し、さらに、再々分割を行って再々分割小領域画像及び再々分割類似小領域画像を取得し、相関係数が大きい再々分割類似小領域画像の座標位置の平均に基づいて相関係数が小さい再々分割類似小領域画像の座標位置を補正した上で、比較処理を行い欠陥を検出するようにしてもよい。この場合、複数段階の分割処理を行うことにより、高精度での欠陥検出が実現できる。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら、本発明にかかる検査装置等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】検査装置1の概略構成図
【図2】画像処理部9のハードウェア構成を示す図
【図3】検査装置1の処理工程を示すフローチャート
【図4】小領域分割と仮類似小領域画像34の抽出を示す図
【図5】小領域画像31の再分割を示す図
【図6】仮類似小領域画像34の再分割を示す図
【図7】仮再分割類似小領域画像36の周辺領域40における、再分割小領域画像33の類似領域41の探索(相関係数の算出)を示す図
【図8】再分割類似小領域画像37−1〜37−6の補正を示す図
【図9】類似小領域画像35の生成を示す図
【図10】類似小領域画像35の生成過程を説明する図
【図11】欠陥の検出処理及び判定処理における、検査装置1の動作の流れを示す図
【図12】欠陥判定表示を示す図
【符号の説明】
【0080】
1………検査装置
3………ラインカメラ
5………照明器
7………印刷物
9………画像処理部
11………表示部
13………画像記憶部
15………操作部
17………移動方向
21………CPU
23………メモリ
25………小領域画像メモリ
27………類似小領域画像メモリ
29………表示メモリ
31………小領域画像
33、33−1〜33−6………再分割小領域画像
34………仮類似小領域画像
35………類似小領域画像
36−1〜36−6………仮再分割類似小領域画像
37、37−1〜37−6………再分割類似小領域画像
38−1〜38−6………補正量
39………印刷物画像データ
40………周辺領域
41………領域(周辺領域40において抽出された領域)
42………汚れ画像
43………欠け画像
45………汚れ候補画像
47………欠け候補画像
49………汚れ検出画像
51………欠け検出画像
53………検出汚れ
55………検出欠け
57………結果表示画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物等の不良(欠け欠陥、汚れ欠陥、カスレ、色調不良等)を検出する検査装置、検査方法等に関する。より詳細には、同一絵柄等が複数配置された印刷物等の不良を検出する検査装置、検査方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物の良否を判定する検査は、検査対象である同一の絵柄等が多面付けされた印刷物を撮像して得た検査対象画像を領域分割して複数の小領域画像を生成し、小領域画像の各々における最大相関係数を有する小領域を抽出し、これら小領域画像同士を差分してその演算結果から印刷物の欠陥を検出する印刷物の検査方法及び装置が知られている(例えば、[特許文献1]参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−123056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、印刷物の絵柄に特徴が少ない小領域画像に関しては、相関係数が低い小領域画像を探索してしまい、絵柄位置がずれた小領域画像が抽出される場合がある。この際、絵柄位置がずれた小領域画像同士で差分することになり、欠陥検出精度が悪化する要因となっている。また、欠陥の誤検出を招く虞もある。
【0005】
また、小領域画像同士の差分の絶対値に基づいて欠陥の有無を判定しているため、欠陥の種類(例えば印刷物の汚れ、印刷物の文字等の欠けなど)を判別することができないという問題点があった。
【0006】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、印刷物の欠陥検出を高精度で行うことが可能な検査装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために第1の発明は、同一の配置単位が複数配置される検査対象物を撮像して取得した検査画像に対して画像処理を行い良否を検査する検査装置であって、前記検査画像を複数の小領域画像に分割する分割手段と、前記検査画像において、前記小領域画像ごとに類似度が最も大きい類似小領域画像を抽出する抽出手段と、前記類似度が所定値より大きい前記類似小領域画像の位置に基づいて、前記類似度が前記所定値より小さい前記類似小領域画像の位置を補正する補正手段と、を具備することを特徴とする検査装置である。
【0008】
検査装置は、検査対象物に光を照射し、検査対象物からの反射光を撮像して検査画像を取得し、当該検査画像に対して画像処理を行い、検査対象物の良否を判定する。
検査対象物は、例えば、印刷物である。印刷用紙に貼付物(シール等)や塗布物(印字等)や蒸着物が付されたものも検査対象物とすることができる。
配置単位とは、図柄や文字列等の1単位を示す。検査対象物(印刷物等)に、同一の配置単位(図柄等)が所定の規則に従って配置されるものとする。
【0009】
小領域画像は、検査画像を所定の領域に分割した画像である。小領域画像は、例えば、検査画像を縦横それぞれ均等に分割して、複数の矩形領域画像として得られる。
類似度は、画像領域間の類似性を示す指標である。例えば相関係数等を類似度として利用する。
小領域画像の絵柄に特徴がある場合は、抽出される類似小領域画像との類似度は大きい傾向にある。即ち、絵柄に特徴のある領域画像は、類似度は所定値(例えば相関係数70%)より大きい傾向にある。
小領域画像の絵柄に特徴が少ない場合には、抽出される類似小領域画像との類似度は小さい傾向にある。
【0010】
第1の発明の検査装置は、検査画像を複数の小領域画像に分割し、小領域画像との類似度が最も大きい類似小領域画像を抽出する。類似度が所定値より大きい類似小領域画像の位置に基づいて、類似度が所定値より小さい類似小領域画像の位置を補正し、小領域画像と類似小領域画像とを比較して検査対象物の良否を判定する。
【0011】
また、補正手段は、類似度が所定値より大きい類似小領域画像の位置に関する平均値を用いて補正を行う。
即ち、小領域画像の位置ズレ(特に、類似度が所定値より小さい類似小領域画像は位置ズレの傾向が大きい。)を、例えば、類似度が所定値より大きい類似小領域画像の小領域画像に対する相対位置の平均値を用いて補正する。位置ズレを補正することにより、検査画像の欠陥検出精度を向上させることができる。
【0012】
また、分割手段は、さらに、少なくとも1回の再分割を行い、抽出手段及び補正手段及び判定手段は、再分割後の小領域画像及び類似小領域画像について処理を行うようにしてもよい。
検査対象物の検査画像を再分割することにより、検査画像の欠陥検出精度をさらに向上させることができる。
【0013】
また、類似度の算出は、サブピクセル精度で行うようにしても良い。
サブピクセル精度とは、例えば1/10ピクセルである。サブピクセル精度で類似度の算出を行うことにより、検査画像の欠陥検出精度をさらに向上させることができる。
【0014】
また、検査対象物の良否の判定に関しては、検査装置の判定手段は、小領域画像から類似小領域画像の差分処理を行い、所定の閾値で2値化して所定の画素数を超える領域を汚れ欠陥として判定するようにしても良い。
また、検査装置の判定手段は、類似小領域画像から小領域画像の差分処理を行い、所定の閾値で2値化して所定の画素数を超える領域を欠け欠陥として判定するようにしても良い。
【0015】
尚、抽出・補正手段等と判定手段とを1つの処理装置(コンピュータ)に設けても良いし、抽出・補正手段等と判定手段とをそれぞれ異なる処理装置(コンピュータ)に設けて、システム全体として上述の検査装置を構成するようにしても良い。
【0016】
画像領域間の差異は、画像領域間の対応する画素同士の画素値(濃度値)に基づいて、差分処理及び2値化処理等を経て算出される。尚、画素値(濃度値)とは、明るいほど値を大きく設定したものである。例えば、RGB表色系において、最も暗い所(黒等)の画素値を(0,0,0)、最も明るい所(白等)の画素値を(255,255,255)として設定する。
【0017】
検査装置は、例えば、対応する全画素について、それぞれ、R成分、G成分、B成分毎に差分演算を行い、差分画素値のR成分、G成分、B成分のうち最大値を各画素の差分値とし、この差分値に対して2値化処理を行い、差異としての2値化差分値を算出する。
尚、差分演算は飽和モードで行い、差分演算の結果が負(マイナス)になるときは、値を「0」(0クリップ)とする。
【0018】
即ち、検査装置は、類似小領域画像の画素を、対応する小領域画像の画素と比較し、小領域画像よりも濃度値(2値化差分値)が低い(暗い)画素を検査対象物の汚れ欠陥として判定し、小領域画像よりも濃度値(2値化差分値)が高い(明るい)画素を検査対象物の欠け欠陥として判定する。
尚、画素の差分を所定の閾値で2値化することで、余分な情報をフィルタリングして特徴を強調する。
また、検査装置は、検査画像の全ての小領域画像について類似小領域画像の抽出、補正、判定の処理を行い、検査対象物の良否を判定する。
【0019】
第1の発明の検査装置によれば、検査画像を小領域画像に分割、或いは再分割し、各小領域画像毎に相関係数が最大となる類似小領域画像を抽出し、相関係数が小さい類似小領域画像に関しては、相関係数が大きい類似小領域画像の座標位置の平均値に基づいて座標位置を補正し、当該補正後に各小領域画像と対応する類似小領域画像とを比較して欠陥検査を行うので、検査対象物の良否判定検査を高精度で行うことができる。
【0020】
第2の発明は、同一の配置単位が複数配置される検査対象物を撮像して取得した検査画像に対して画像処理を行い良否を検査する検査方法であって、前記検査画像を複数の小領域画像に分割する分割工程と、前記検査画像において、前記小領域画像ごとに類似度が最も大きい類似小領域画像を抽出する抽出工程と、前記類似度が所定値より大きい前記類似小領域画像の位置に基づいて、前記類似度が前記所定値より小さい前記類似小領域画像の位置を補正する補正工程と、を具備することを特徴とする検査方法である。
第2の発明は、第1の発明の検査装置が実行する検査方法に関する発明である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、印刷物の欠陥検出を高精度で行うことが可能な検査装置等を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る検査装置等の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0023】
(1.検査装置1の構成)
最初に、図1を参照しながら、本発明の実施の形態に係る検査装置1の構成について説明する。
図1は、検査装置1の概略構成図である。
【0024】
検査装置1は、ラインカメラ3、照明器5、画像処理部9、表示部11、画像記憶部13、操作部15等から構成される。ラインカメラ3、照明器5、画像処理部9、表示部11、画像記憶部13、操作部15等は、互いに、バスあるいはケーブル等の接続線を介して接続される。
【0025】
検査装置1は、小領域画像31及び類似小領域画像35(図2等参照。)に基づいて比較処理等の画像処理を行って検査対象の印刷物7の良否を判定し、検査結果を表示部11に表示する。
【0026】
小領域画像31は、検査対象の印刷物7を撮像して得られた画像データ(印刷物画像データ39:図4参照)を縦横それぞれ均等に分割して得られる領域画像である。小領域画像31は基準となる領域画像であり、順次、印刷物画像データ39全領域の検査基準画像として使用する。
【0027】
類似小領域画像35は、検査基準画像である小領域画像31との相関係数が最も大きい小領域画像である。尚、「相関が高い」とは、「画像の類似度が高い」と同義である。
【0028】
検査装置1は、ラインカメラ3による撮像により印刷物7の画像データを取得することができる。検査装置1は、印刷物7を移動方向17の方向に搬送させつつラインカメラ3により印刷物7の撮像を行う。
【0029】
ラインカメラ3は、印刷物7を撮像する装置である。ラインカメラ3は、例えば、受光素子(画素)を1次元に配列したCCD(Charge Coupled Device)等の光センサ、駆動回路、結像光学系等からなるカメラ(撮像装置)である。
【0030】
照明器5は、印刷物7に光を照射する光源である。照明器5は、例えば、複数のLEDが面状に配置された照明器である。また、照明器5として、蛍光灯等を用いることもできる。
【0031】
画像処理部9は、印刷物7の画像データに対して画像処理を施し、欠け、汚れ等の不良の検出を行う。画像処理部9は、例えば、コンピュータ及び当該コンピュータを検査装置1の画像処理部9として動作させるプログラム等により構成することができる。
尚、画像処理部9の構成及び動作については、後述する。
【0032】
表示部11は、画像処理部9における不良検出結果等を表示する。表示部11は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)である。
画像記憶部13は、画像データ等を記憶する装置である。画像記憶部13は、例えば、ハードディスク、記憶媒体ドライブである。
操作部15は、オペレータからの操作指示を受け付ける装置である。操作部15は、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイスである。
【0033】
(2.画像処理部9のハードウェア構成)
次に、図2を参照しながら、画像処理部9のハードウェア構成について説明する。
図2は、画像処理部9のハードウェア構成を示す図である。
【0034】
図2に示す画像処理部9は、CPU21、メモリ23等がシステムバス(図示しない。)を介して互いに接続されて構成される。
また、画像処理部9は、ネットワークインタフェース(図示しない。)等を介してラインカメラ3と接続され、ビデオアダプタ(図示しない。)等を介して表示部11と接続される。
尚、図2のハードウェア構成は一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
【0035】
CPU21(Central Processing Unit)は、記憶装置、ROM(Read Only Memory)、記録媒体等に格納される実行プログラム、OS(オペレーションシステム)のプログラム、アプリケーションプログラム等をRAM(Random Access Memory)上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、演算処理(四則演算や比較演算等)、ハードウェアやソフトウェアの動作制御等を行い、後述する各種機能(図3等参照。)を実現する。
【0036】
メモリ23は、RAM、ROM等の記憶装置である。RAMには、小領域画像メモリ25、類似小領域画像メモリ27、表示メモリ29、ラインカメラ3による印刷物7の撮像データを格納する印刷物撮像メモリ(図示しない。)、処理プログラム実行用のワークメモリ(図示しない。)等が割り当てられる。
小領域画像メモリ25は、小領域画像31、再分割小領域画像33等を保持する。類似小領域画像メモリ27は、類似小領域画像35、再分割類似小領域画像37等を保持する。
【0037】
尚、小領域画像メモリ25と類似小領域画像メモリ27とを合わせて印刷物撮像メモリと考え、検査装置1はまず当該印刷物撮像メモリの所定の領域にラインカメラ3による印刷物7の撮像データを格納するようにしても良い。検査装置1は本実施の形態の処理工程に従い、当該撮像データを分割して基準となる小領域画像31を小領域画像メモリ25に格納し、当該小領域画像31と相関の高い類似小領域画像35を類似小領域画像メモリ27に格納するようにしても良い。
【0038】
表示メモリ29は、表示部11に表示するための表示データを保持するメモリであり、例えば、検査結果や不良部分を示す画像データ等を保持する。
尚、小領域画像メモリ25、類似小領域画像メモリ27、表示メモリ29、印刷物撮像メモリ等は、画像処理部9に独立して設けるようにしてもよいし、RAM上に適宜領域を割り当てるようにしてもよい。
【0039】
ラインカメラ3が撮像により取得した印刷物7の撮像データを画像処理部9に入力すると、画像処理部9は、当該撮像データをメモリ23(印刷物撮像メモリ等)に格納する。
CPU21は、撮像データ(印刷物画像データ39:図4参照)を分割して基準となる小領域画像31及び類似小領域画像35を抽出し、更に夫々を再分割した再分割小領域画像33及び再分割類似小領域画像37に基づいて、検査対象の印刷物7全領域における良否を判定し、検査結果を表示メモリ29に出力する。
表示メモリ29の内容は、表示部11に入力されて表示される。
【0040】
(3.本実施の形態の検査装置1の処理工程)
次に、図3〜図12を参照しながら、本実施の形態の検査装置1の処理手順について説明する。
図3は、本実施の形態の検査装置1の検査処理手順を示すフローチャートである。
この検査処理は、画像処理部9のCPU21が、メモリ23のROM等に格納された所定のプログラム等をRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行する。CPU21は、この処理を実行することにより、本発明の(検査画像)分割手段、(類似小領域画像)抽出手段、補正手段、欠陥判定手段等としてそれぞれ機能する。
【0041】
(3−1.領域分割処理および補正処理)
図3(ステップ1001〜ステップ1008)及び図4〜図10を参照しながら、検査装置1が実行する領域分割処理および補正処理について説明する。
図4は、印刷物画像データ39の小領域分割と、小領域画像31を基にした仮類似小領域画像34の抽出を示す図である。
図5は、小領域画像31の再分割を示す図である。
図6は、仮類似小領域画像34の再分割を示す図である。
図7は、仮再分割類似小領域画像36の周辺領域40における、再分割小領域画像33の類似領域41の探索(相関係数の算出)を示す図である。
図8は、再分割類似小領域画像37−1〜37−6の補正を示す図である。
図9は、類似小領域画像35の生成を示す図である。
図10は、類似小領域画像35の生成過程を説明する図である。
【0042】
最初に、オペレータが印刷物7をラインカメラ3で撮像し、撮像データが本検査装置1の画像処理部9に送られてメモリ23に格納されるものとする。尚、印刷物7には、基本となる図柄が繰り返して配置されている。
【0043】
検査装置1は、検査対象画像である撮像データ(印刷物画像データ39)を縦横それぞれ均等に分割し、複数の小領域画像を生成する(ステップ1001)。図4は、小領域に分割された印刷物画像データ39を示す。図4では、印刷物画像データ39は縦に9分割、横に6分割され、計54個の小領域が生成される。尚、検査装置1は表示部11に図4に示す印刷物画像データ39を表示し、オペレータは、印刷物7の撮像データ、及び小領域分割を確認することができる。
【0044】
検査装置1は、まず領域画像として小領域画像31を指定する。また、小領域に分割された印刷物画像データ39の中から、当該小領域画像31との相関係数が最も高い領域を、仮類似小領域画像34として抽出する(ステップ1002)。尚、本実施の形態によれば、絵柄に合わせて印刷物画像データ39の領域を分割するわけではないので、基準となる小領域画像31と仮類似小領域画像34との相関が充分であるとはいえない。従って、この段階で両領域画像を比較して欠陥検査を行うとすると検査精度の低下或いは欠陥の検出誤を招く虞がある。
【0045】
次に、検査装置1は、小領域画像31と仮類似小領域画像34をそれぞれ所定の個数に分割し、再分割小領域画像33−1〜33−6と、仮再分割類似小領域画像36−1〜36−6を生成する(ステップ1003)。尚、本実施の形態では、小領域画像31と仮類似小領域画像34をそれぞれ6分割し、図5に再分割小領域画像33−1〜33−6、図6に仮再分割類似小領域画像36−1〜36−6を示す。
【0046】
検査装置1は、仮再分割類似小領域画像36−1の周辺領域40−1において、再分割小領域画像33−1と最も相関係数が高い領域41−1を抽出する(ステップ1004)。尚、領域41−1の抽出は、サブピクセル単位(例えば1/10ピクセル)で行い、高検出精度を実現する。
【0047】
図7は、一例として再分割小領域画像33−1に対応する領域41−1の抽出を示す。尚、検査装置1は全ての再分割小領域画像33について、仮再分割類似小領域画像36の周辺領域40に領域を拡大してそれぞれ最も相関係数が高い領域41を抽出する。
【0048】
尚、周辺領域40の拡大量は、所定量(例えば縦横方向とも仮再分割類似小領域画像36の領域に対して30%拡大する。)が事前にデフォルト値として設定、或いはオペレータにより事前に設定されているものとする。
【0049】
以下、検査装置1は、周辺領域40−1〜40−6において、それぞれ、再分割小領域画像33−1〜33−6との相関係数が最も高い領域41−1〜41−6を抽出し、再分割小領域画像33−1〜33−3と領域41−1〜41−3との相関係数は所定値(例えば、90%)より高く(絵柄に特徴が多い)、再分割小領域画像33−4〜33−6と領域41−4〜41−6との相関係数は所定値(例えば、90%)より低い(絵柄に特徴が少ない)ものとして説明する。
【0050】
検査装置1は、相関係数が高い領域41−1〜41−3に関しては、そのまま、再分割類似小領域画像37−1〜37−3として抽出する(ステップ1005)。検査装置1は、仮再分割類似小領域画像36−1〜36−3から再分割類似小領域画像37−1〜37−3への移動量を補正量38−1〜38−3として算出する(ステップ1006)。
【0051】
検査装置1は、相関係数が低い領域41−4〜41−6を用いず、相関係数が高い場合における補正量38−1〜38−3の平均値を補正量38−4〜38−6とする(ステップ1007)。検査装置1は、ステップ1007の処理で算出した仮再分割類似小領域画像36−4〜36−6に対する補正量38−4〜38−6に基づいて、再分割類似小領域画像37−4〜37−6を抽出する(ステップ1008)。
【0052】
ここで、ステップ1004〜ステップ1008の処理をまとめると以下のようになる(図10参照)。
検査装置1は、仮再分割類似小領域画像36−1〜36−6の周辺領域40−1〜40−6において、再分割小領域画像33−1〜33−6との相関係数が最も大きい領域41−1〜41−6を抽出する。
【0053】
検査装置1は、相関係数の大きい領域41−1〜41−3をそのまま再分割類似小領域画像37−1〜37−3として採用し、後に補正量38−1〜38−3を算出する。
尚、補正量38−1〜38−3の算出に関しては、以下の座標位置に関する算出式を用いることができる。
(補正量38−1)=(再分割類似小領域画像37−1)−(仮再分割類似小領域画像36−1)、
(補正量38−2)=(再分割類似小領域画像37−2)−(仮再分割類似小領域画像36−2)、
(補正量38−3)=(再分割類似小領域画像37−3)−(仮再分割類似小領域画像36−3)。
【0054】
検査装置1は、相関係数の小さい領域41−4〜41−6を採用せず、先に補正量38−4〜38−6を算出する。
尚、補正量38−4〜38−6の算出に関しては、以下の座標位置に関する算出式を用いることができる。
(補正量38−4)=(補正量38−5)=(補正量38−6)
=〔(補正量38−1)+(補正量38−2)+(補正量38−3)〕/3(平均)。
【0055】
検査装置1は、補正量38−4〜38−6に基づいて、再分割類似小領域画像37−4〜37−6を抽出する。
尚、再分割類似小領域画像37−4〜37−6の抽出に関しては、以下の座標位置に関する算出式を用いることができる。
(再分割類似小領域画像37−4)=(仮再分割類似小領域画像36−4)+(補正量38−4)、
(再分割類似小領域画像37−5)=(仮再分割類似小領域画像36−5)+(補正量38−5)、
(再分割類似小領域画像37−6)=(仮再分割類似小領域画像36−6)+(補正量38−6)。
【0056】
検査装置1は、上述のように、仮再分割類似小領域画像36−1〜36−6の位置補正を行い、再分割類似小領域画像37−1〜37−6を抽出する。図9は、再分割類似小領域画像37−1〜37−6から形成される類似小領域画像35を示す。検査装置1は、類似小領域画像35及び再分割類似小領域画像37−1〜37−6を類似小領域画像メモリ27に登録する。
【0057】
尚、上述の方法では、仮再分割類似小領域画像36−1〜36−6の座標位置を基点とした相対移動量を算出して補正を行ったが、再分割小領域画像33−1〜33−6の座標位置を基点とした相対移動量を補正量として算出し、再分割類似小領域画像37−1〜37−6を抽出するようにしても良い。
【0058】
(3−2.不良の検出処理及び判定処理)
次に、図3(ステップ1009〜ステップ1012)及び図11、図12を参照しながら、検査装置1が実行する欠陥の検出処理及び判定処理について説明する。
図11は、欠陥の検出処理及び判定処理における、検査装置1の動作の流れを示す図である。
尚、図11では、再分割類似領域画像37(検査画像)には、欠陥として、汚れ画像42と欠け画像43があるものとする。
【0059】
検査装置1は、再分割小領域画像33と、再分割類似小領域画像37それぞれの全画素について差分演算を行い、欠陥候補を抽出する(図3のステップ1009、図11のステップ2001及びステップ3001)。
【0060】
再分割小領域画像33(基準画像)から再分割類似小領域画像37(検査画像)を差分した差分結果で、汚れ候補を抽出する。再分割小領域画像33と再分割類似小領域画像37の対応する全画素について、再分割小領域画像33から再分割類似小領域画像37を差分処理し、RGB成分を合成してMAX処理を行い、汚れ候補画像45を抽出する(図11のステップ2001)。
【0061】
これとは逆に、再分割類似小領域画像37(検査画像)から再分割小領域画像33(基準画像)を差分した差分結果で欠け候補を抽出する。再分割小領域画像33と再分割類似小領域画像37の対応する全画素について、再分割類似小領域画像37から再分割小領域画像33を差分処理し、RGB成分を合成してMAX処理を行い、欠け候補画像47を抽出する(図11のステップ3001)。
【0062】
検査装置1は、汚れ候補画像45及び欠け候補画像47を所定の閾値で2値化して欠陥画素を抽出する(図3のステップ1010、図11のステップ2002及びステップ3002)。検査装置1は、汚れ候補画像45に対して所定の汚れ用閾値により2値化処理を行い、汚れ不良画素を抽出する(図11のステップ2002)。検査装置1は、欠け候補画像47に対して所定の欠け用閾値により2値化処理を行い、欠け不良画素を抽出する(図11のステップ3002)。
【0063】
尚、所定の閾値により2値化処理を行うことで、全ての画素値を、最大濃度(濃度値「255」:白)または、最小濃度(濃度値「0」:黒)の何れかにする。2値化処理により、余分な情報を除去するので差異の特徴(欠陥)を強調することができる。
【0064】
具体的には、再分割小領域画像33(基準画像)と再分割類似小領域画像37(検査画像)の対応する全画素について、それぞれ、R成分、G成分、B成分毎に上記差分演算を行い、差分画素値のR成分、G成分、B成分のうち最大値を各画素の差分値とし、2値化処理を経て各画素について2値化差分値を算出する。
尚、差分演算は飽和モードで行い、差分演算の結果が負(マイナス)になるときは、値を「0」(0クリップ)とする。
【0065】
例えば、再分割小領域画像33(基準画像)のある画素の画素値が(R成分、G成分、B成分)=(20、100、155)であり、これに対応する再分割類似小領域画像37(検査画像)の画素の画素値が(R成分、G成分、B成分)=(60、20、100)であるとする。当該画素における(再分割小領域画像33(基準画像))−(再分割類似小領域画像37(検査画像))の差分画素値は(−40、80、55)である。また、当該画素における差分値は、差分画素値の各成分における最大値であり「80」である。2値化処理の閾値が「50」であり「0」または「255」に2値化される場合、当該画素における2値化差分値は閾値「50」を超えるので「255」となる。
【0066】
図11の汚れ候補画像45、及び欠け候補画像47は、それぞれステップ2002及びステップ3002において閾値により2値化されると2値化差分値が「255」の領域(差異が大きい領域:欠陥候補部)は「白(空白部)」で示され、2値化差分値が「0」の領域(差異が小さい領域)は「黒(斜線部)」で示される。
【0067】
検査装置1は、所定の欠陥用画素数を超える差異を欠陥として検出する(図3のステップ1011、図11のステップ2003及びステップ3003)。
検査装置1は、ステップ2002の処理で抽出した汚れ不良画素数が所定の汚れ用画素数を超える領域を汚れ不良として検出する。検査装置1は、汚れ検出画像49を作成し、検出した汚れ不良を検出汚れ53として表示する(ステップ2003)。
検査装置1は、ステップ3002の処理で抽出した欠け不良画素数が所定の欠け用画素数を超える領域を欠け不良として検出する。検査装置1は、欠け検出画像51を作成し、検出した欠け不良を検出欠け55として表示する(ステップ3003)。
所定の画素数を超える領域を、汚れ不良又は欠け不良として検出するので、検出画素数を指定することで、欠陥の誤検出を除去し欠陥検出精度を調整することができる。
【0068】
検査装置1は、小領域画像31を構成する全ての再分割小領域画像33(基準画像)と、それぞれに対応する再分割類似小領域画像37(検査画像)との差分を行い欠陥を抽出する(図3のステップ1009〜ステップ1011)。
【0069】
検査装置1は、上記の図3のステップ1002に戻り、検査対象画像を構成する全ての小領域画像について、ステップ1002〜ステップ1011の欠陥抽出処理を繰り返す。
【0070】
図12は、欠陥判定表示を示す図である。
検査装置1は、検査対象画像の欠陥抽出結果を表示部11に表示させて処理を終了する(図3のステップ1012)。
検査装置1は、結果表示画像57に、例えば、汚れ不良として検出された検出汚れ53を「赤」で表示し、欠け不良として検出された検出欠け55を「青」で表示する。
【0071】
(3−3.検査装置1の動作概括)
以上の過程を経て、検査装置1は、繰り返し絵柄等を含む検査画像を小領域画像に分割し、小領域画像ごとに類似する類似領域画像を抽出し、更に小領域画像と類似小領域画像を再分割する。検査装置1は、再分割した小領域画像それぞれに対してサブピクセル単位で相関係数の最も高い再分割類似小領域画像を抽出し、そのうちの相関係数が所定値よりも高い再分割類似小領域画像の座標位置補正量の平均値を、相関係数が所定値よりも低い再分割類似小領域画像の座標位置補正量として算出する。検査装置1は、再分割小領域画像(基準画像)と座標位置補正後の再分割類似小領域画像(検査画像)との差分処理を行い、欠陥(汚れ、欠け)を抽出する。
【0072】
(4.効果)
以上説明したように、本発明の実施の形態では検査対象となる印刷物の、特に絵柄に特徴が少ない領域に関しても、印刷の不良を高精度で検出することが可能である。
【0073】
また、本発明によれば、検査対象となる画像を小領域画像に分割し、更に小領域画像を再分割した領域の基準画像と検査画像との相関係数をサブピクセル単位で算出するので、高精度での欠陥検出を可能とし、欠陥の誤検出を低減することができる。
また印刷物の不良を高精度に検出することが可能なので、歩留まり、印刷効率、印刷コスト等を向上させることができる。
【0074】
また、オペレータが基準領域となる画像を設定する必要がないので、オペレータの作業負担を軽減する効果がある。
また、本発明によれば印刷物の汚れ欠陥および欠け欠陥をそれぞれ検出することが可能となる。
【0075】
(5.その他)
尚、上述の実施の形態では、印刷物の検査対象画像取得に関しては、ラインカメラを用いるものとして説明したが、これに限られず、スキャナ装置等を用いてもよい。
また、カメラ等による撮像あるいはスキャン等により印刷物画像データ39を取得してもよいし、これに限らず、CTP(Computer To Plate)により印刷を行う場合、刷版等に出力するためのデジタルデータを印刷物画像データ39として用いるようにしてもよい。
【0076】
また、上述の実施の形態では、検査装置1は、領域分割を行って小領域画像及び類似小領域画像を取得し、再度分割を行って再分割小領域画像及び再分割類似小領域画像を取得し、相関係数が大きい再分割類似小領域画像の座標位置の平均に基づいて相関係数が小さい再分割類似小領域画像の座標位置を補正した上で、比較処理を行い欠陥を検出するものとして説明したが、分割回数に関してはこれに限られず、1段階の分割処理を行う場合であっても、複数段階の分割処理を行う場合であっても、本発明の位置補正処理を適用することができる。
【0077】
検査装置1は、領域分割を行って小領域画像及び類似小領域画像を取得し、この段階で、相関係数が大きい類似小領域画像の座標位置の平均に基づいて相関係数が小さい類似小領域画像の座標位置を補正した上で、比較処理を行い欠陥を検出するようにしてもよい。この場合、再分割処理を行わないので処理負担を軽減することができる。
検査装置1は、領域分割を行って小領域画像及び類似小領域画像を取得し、再度分割を行って再分割小領域画像及び再分割類似小領域画像を取得し、さらに、再々分割を行って再々分割小領域画像及び再々分割類似小領域画像を取得し、相関係数が大きい再々分割類似小領域画像の座標位置の平均に基づいて相関係数が小さい再々分割類似小領域画像の座標位置を補正した上で、比較処理を行い欠陥を検出するようにしてもよい。この場合、複数段階の分割処理を行うことにより、高精度での欠陥検出が実現できる。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら、本発明にかかる検査装置等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】検査装置1の概略構成図
【図2】画像処理部9のハードウェア構成を示す図
【図3】検査装置1の処理工程を示すフローチャート
【図4】小領域分割と仮類似小領域画像34の抽出を示す図
【図5】小領域画像31の再分割を示す図
【図6】仮類似小領域画像34の再分割を示す図
【図7】仮再分割類似小領域画像36の周辺領域40における、再分割小領域画像33の類似領域41の探索(相関係数の算出)を示す図
【図8】再分割類似小領域画像37−1〜37−6の補正を示す図
【図9】類似小領域画像35の生成を示す図
【図10】類似小領域画像35の生成過程を説明する図
【図11】欠陥の検出処理及び判定処理における、検査装置1の動作の流れを示す図
【図12】欠陥判定表示を示す図
【符号の説明】
【0080】
1………検査装置
3………ラインカメラ
5………照明器
7………印刷物
9………画像処理部
11………表示部
13………画像記憶部
15………操作部
17………移動方向
21………CPU
23………メモリ
25………小領域画像メモリ
27………類似小領域画像メモリ
29………表示メモリ
31………小領域画像
33、33−1〜33−6………再分割小領域画像
34………仮類似小領域画像
35………類似小領域画像
36−1〜36−6………仮再分割類似小領域画像
37、37−1〜37−6………再分割類似小領域画像
38−1〜38−6………補正量
39………印刷物画像データ
40………周辺領域
41………領域(周辺領域40において抽出された領域)
42………汚れ画像
43………欠け画像
45………汚れ候補画像
47………欠け候補画像
49………汚れ検出画像
51………欠け検出画像
53………検出汚れ
55………検出欠け
57………結果表示画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の配置単位が複数配置される検査対象物を撮像して取得した検査画像に対して画像処理を行い良否を検査する検査装置であって、
前記検査画像を複数の小領域画像に分割する分割手段と、
前記検査画像において、前記小領域画像ごとに類似度が最も大きい類似小領域画像を抽出する抽出手段と、
前記類似度が所定値より大きい前記類似小領域画像の位置に基づいて、前記類似度が前記所定値より小さい前記類似小領域画像の位置を補正する補正手段と、
を具備することを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記小領域画像と前記類似小領域画像とを比較して前記検査対象物の良否を判定する判定手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記類似度が前記所定値より大きい前記類似小領域画像の位置に関する平均値を用いて補正を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記分割手段は、さらに、少なくとも1回の再分割を行い、
前記抽出手段及び前記補正手段及び前記判定手段は、再分割後の小領域画像及び類似小領域画像について処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の検査装置。
【請求項5】
前記類似度の算出は、サブピクセル精度で行うことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の検査装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記小領域画像から前記類似小領域画像の差分処理を行い、所定の閾値で2値化して所定の画素数を超える領域を汚れ欠陥として判定することを特徴とする請求項2から請求項5までのいずれかに記載の検査装置。
【請求項7】
前記判定手段は、前記類似小領域画像から前記小領域画像の差分処理を行い、所定の閾値で2値化して所定の画素数を超える領域を欠け欠陥として判定することを特徴とする請求項2から請求項6までのいずれかに記載の検査装置。
【請求項8】
前記検査画像の全ての前記小領域画像について請求項1乃至請求項7の処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の検査装置。
【請求項9】
同一の配置単位が複数配置される検査対象物を撮像して取得した検査画像に対して画像処理を行い良否を検査する検査方法であって、
前記検査画像を複数の小領域画像に分割する分割工程と、
前記検査画像において、前記小領域画像ごとに類似度が最も大きい類似小領域画像を抽出する抽出工程と、
前記類似度が所定値より大きい前記類似小領域画像の位置に基づいて、前記類似度が前記所定値より小さい前記類似小領域画像の位置を補正する補正工程と、
を具備することを特徴とする検査方法。
【請求項10】
前記小領域画像と前記類似小領域画像とを比較して前記検査対象物の良否を判定する判定工程を具備することを特徴とする請求項9に記載の検査方法。
【請求項11】
前記補正工程は、前記類似度が前記所定値より大きい前記類似小領域画像の位置に関する平均値を用いて補正を行うことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の検査方法。
【請求項12】
前記分割工程は、さらに、少なくとも1回の再分割を行い、
前記抽出工程及び前記補正工程及び前記判定工程は、再分割後の小領域画像及び類似小領域画像について処理を行うことを特徴とする請求項9または請求項11に記載の検査方法。
【請求項13】
前記類似度の算出は、サブピクセル精度で行うことを特徴とする請求項9から請求項12までのいずれかに記載の検査方法。
【請求項14】
前記判定工程は、前記小領域画像から前記類似小領域画像の差分処理を行い、所定の閾値で2値化して所定の画素数を超える領域を汚れ欠陥として判定することを特徴とする請求項10から請求項13までのいずれかに記載の検査方法。
【請求項15】
前記判定工程は、前記類似小領域画像から前記小領域画像の差分処理を行い、所定の閾値で2値化して所定の画素数を超える領域を欠け欠陥として判定することを特徴とする請求項10から請求項14までのいずれかに記載の検査方法。
【請求項16】
前記検査画像の全ての前記小領域画像について請求項9乃至請求項15の処理を行うことを特徴とする請求項9から請求項15のいずれかに記載の検査方法。
【請求項1】
同一の配置単位が複数配置される検査対象物を撮像して取得した検査画像に対して画像処理を行い良否を検査する検査装置であって、
前記検査画像を複数の小領域画像に分割する分割手段と、
前記検査画像において、前記小領域画像ごとに類似度が最も大きい類似小領域画像を抽出する抽出手段と、
前記類似度が所定値より大きい前記類似小領域画像の位置に基づいて、前記類似度が前記所定値より小さい前記類似小領域画像の位置を補正する補正手段と、
を具備することを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記小領域画像と前記類似小領域画像とを比較して前記検査対象物の良否を判定する判定手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記類似度が前記所定値より大きい前記類似小領域画像の位置に関する平均値を用いて補正を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記分割手段は、さらに、少なくとも1回の再分割を行い、
前記抽出手段及び前記補正手段及び前記判定手段は、再分割後の小領域画像及び類似小領域画像について処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の検査装置。
【請求項5】
前記類似度の算出は、サブピクセル精度で行うことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の検査装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記小領域画像から前記類似小領域画像の差分処理を行い、所定の閾値で2値化して所定の画素数を超える領域を汚れ欠陥として判定することを特徴とする請求項2から請求項5までのいずれかに記載の検査装置。
【請求項7】
前記判定手段は、前記類似小領域画像から前記小領域画像の差分処理を行い、所定の閾値で2値化して所定の画素数を超える領域を欠け欠陥として判定することを特徴とする請求項2から請求項6までのいずれかに記載の検査装置。
【請求項8】
前記検査画像の全ての前記小領域画像について請求項1乃至請求項7の処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の検査装置。
【請求項9】
同一の配置単位が複数配置される検査対象物を撮像して取得した検査画像に対して画像処理を行い良否を検査する検査方法であって、
前記検査画像を複数の小領域画像に分割する分割工程と、
前記検査画像において、前記小領域画像ごとに類似度が最も大きい類似小領域画像を抽出する抽出工程と、
前記類似度が所定値より大きい前記類似小領域画像の位置に基づいて、前記類似度が前記所定値より小さい前記類似小領域画像の位置を補正する補正工程と、
を具備することを特徴とする検査方法。
【請求項10】
前記小領域画像と前記類似小領域画像とを比較して前記検査対象物の良否を判定する判定工程を具備することを特徴とする請求項9に記載の検査方法。
【請求項11】
前記補正工程は、前記類似度が前記所定値より大きい前記類似小領域画像の位置に関する平均値を用いて補正を行うことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の検査方法。
【請求項12】
前記分割工程は、さらに、少なくとも1回の再分割を行い、
前記抽出工程及び前記補正工程及び前記判定工程は、再分割後の小領域画像及び類似小領域画像について処理を行うことを特徴とする請求項9または請求項11に記載の検査方法。
【請求項13】
前記類似度の算出は、サブピクセル精度で行うことを特徴とする請求項9から請求項12までのいずれかに記載の検査方法。
【請求項14】
前記判定工程は、前記小領域画像から前記類似小領域画像の差分処理を行い、所定の閾値で2値化して所定の画素数を超える領域を汚れ欠陥として判定することを特徴とする請求項10から請求項13までのいずれかに記載の検査方法。
【請求項15】
前記判定工程は、前記類似小領域画像から前記小領域画像の差分処理を行い、所定の閾値で2値化して所定の画素数を超える領域を欠け欠陥として判定することを特徴とする請求項10から請求項14までのいずれかに記載の検査方法。
【請求項16】
前記検査画像の全ての前記小領域画像について請求項9乃至請求項15の処理を行うことを特徴とする請求項9から請求項15のいずれかに記載の検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−24669(P2007−24669A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−206727(P2005−206727)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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