説明

樹脂成形方法及び成形装置

【課題】義手や義足などの一部として、また、皮膚や筋肉の代用品として、各個人に必要な最適形状の樹脂成形品を、安価で短時間に提供可能で、なおかつ、不具合が有った場合は、すぐに修正や作り直しが可能な、樹脂成形技術と、その装置が求められている。
また、成形する製品の大きさに応じて製造工程を変更しても、そのまま使用できる装置が求められている。
【解決手段】パイプに石膏を塗り付けて型を形成し、その表面に溶けた樹脂を塗布し、ビニール袋で全体を覆った後、袋内の空気をパイプから吸引し、石膏型に一致した樹脂成形品を得る。
また、ビニール袋の替わりに熱して柔らかくした樹脂シートを用い、シート内部の空気を抜く事で、同様の成形品を得る。
2種類の工程に対応できる様に、吸引ホースの通路断面積を、2種類の切り替え式とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として少量生産向けの樹脂成形方法及び成形装置に関する。特に、義手や義足など、各人に固有の形状を必要とする、いわゆる一品物の樹脂成形品を、精度良く、低価格で製造する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
義手や義足などの一部として、人間の皮膚や筋肉の代用・補佐などとして使用する樹脂製品を作る為には、高価な金型を使用してインジェクション成形を行う必要が有り、時間とコストがかかる上、一度作って問題が有った場合、型の修正にも時間やコストがかかっている。
また、木や石膏などで型を作っても、その型に完全に形状が一致した樹脂成形品を作る事ができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
義手や義足などの一部として、また、皮膚や筋肉の代用品として、各個人に必要な最適形状の樹脂成形品を、安価で短時間に提供可能で、なおかつ、不具合が有った場合は、すぐに修正や作り直しが可能な、樹脂成形技術と、その装置が求められている。
また、成形する製品の大きさに応じて製造工程を変更しても、そのまま使用できる装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
パイプに石膏を塗り付けて型を形成し、その表面に溶けた樹脂を塗布し、ビニール袋で全体を覆った後、袋内の空気をパイプから吸引し、石膏型に一致した樹脂成形品を得る。
また、ビニール袋の替わりに熱して柔らかくした樹脂シートを用い、シート内部の空気を抜く事で、同様の成形品を得る。
2種類の工程に対応できる様に、吸引ホースの通路断面積を、2種類の切り替え式とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、安価な石膏型を用いて、要求通りの形状の樹脂成形品を得る事ができる。
また、個人の要求に合せて微修正する際も、型の修正が簡単で、多種多様な要求に答える事が可能となる。
さらに、大きさや使用する部位に応じて、溶けた樹脂を使用する場合と、熱して柔らかくした樹脂シートを使用する場合とがあるが、高真空でゆっくり吸引する前者と、高速で減圧する後者と、どちらの製造工程にも対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下の様に構成する。
A,金属製のパイプの端部を、花びら状に開き、この上に石膏を塗り付けて、所定の形状を作り、原型とする。
B,金属パイプの他端には、空気ホースを着脱自在に取付ける接続金具を取り付け、その近傍には、1個以上の貫通孔を設け、樹脂の張り付きを防止するカバーを取り付ける。
C,パイプと減圧装置、又は真空装置とを空気ホースで連結し、その中間部には、2種類の空気通路を設け、通路切り替え弁を設ける。
D,石膏型全体をビニール袋や樹脂シートで覆い、パイプの側面には、袋の口を絞った時の気密性を高める為、複数の環状溝を設ける。
【実施例】
【0007】
鉄又は鋼又はアルミ又は樹脂性のパイプに、石膏を塗り付け、その石膏で所定の型を形成する。尚、石膏はパイプの一端側から塗り付け、他端は所定の長さだけ露出させ、露出部分には、1個又は複数の貫通孔を設ける。
石膏製の型を、塩化ビニール、又はポリエチレン、又はゴム、又は薄い樹脂性のシートで覆う。尚、シート又は袋は、石膏型の形状に影響を及ぼさない程度に薄い物とする。
シートで包まれた石膏型の上にグラスファイバー又はカーボンファイバー又は布又は化学繊維の積層材を所定の厚さに被せ、全体を覆う。その外側に、溶けた樹脂を塗布する。
上記の通り溶けた樹脂を塗布した物を、ビニール、又はポリエチレン、又はゴム、又は薄い樹脂性のシート、又は同材料の袋で覆う。その一端は、石膏型の端部から露出したパイプに巻き付け、その上から、ゴムバンド、又はビニールテープ、又は粘着テープをきつく巻き付け、パイプに密着させる。シートの場合は他端を、接着、粘着、粘着テープ巻き付け、溶着、ゴムの巻き付けにより、密閉する事で、袋と同等の気密状態を形成する。
尚、パイプにシート又は袋を密着させる場所は、パイプに設けた貫通孔よりもパイプの端部側とする。即ち貫通孔は、シート又は袋で密閉された内部となる様に装置する。
パイプに、空気吸引装置、又は減圧装置、又は真空装置を取り付け、貫通孔を通して気密状態となっているシート又は袋の内部の空気をゆっくり吸引して減圧する事で、溶けた樹脂を積層材に浸み込ませ、その後、所定時間保持する事で、樹脂を硬化させる。
シートや袋を取り去り、石膏を破壊し、完成した樹脂成形品を取り出す。尚、完成した樹脂成形品の一部を刃物で切る事で、石膏型を破壊せずに樹脂成形品を取り出し、石膏型は再利用する方法も含む。
以上が、請求項1に記載された、本発明の樹脂成形方法であり、主として小さな樹脂成形品を作るのに最適な方法である。
【0008】
次に、請求項2に記載の樹脂成形方法を説明する。これは、義手や義足用の部品の中で、大きな樹脂成形品を作る際に用いる方法であり、請求項1の構成に対する相違点は、次の通りである。
先ず最初に、合成樹脂製の板又はシートを熱して、柔らかくする。貫通孔を設けたパイプに取り付けられた石膏型に、柔らかくした板又はシートを被せ、石膏型を完全に包んで巾着袋状にし、その巾着袋状の口をパイプに合わせて絞り、手で押さえて隙間を無くす。
シートなどを巻き付けた場合は、開放した一端を絞り、紐・針金・粘着テープで縛り、他端が開口した巾着状の袋を形成すれば良い。
巾着袋状となった合成樹脂の内部を、気密状態とする為、粘着テープなどで口元を巻き付け、又は紐や針金で縛り、パイプに密着させる。
パイプに吸引装置を取り付け、貫通孔から密閉空間内の空気を抜く事で、柔らかくなった樹脂を石膏型に密着させる。
空冷又は液冷又は自然冷却により樹脂を硬化させ、硬化後、成形品を刃物で切る事で内部の石膏型を取り外し、所定の樹脂成形品を得る。尚、石膏型は、再利用する場合もある。
以上が、請求項2に記載された、本発明の樹脂成形方法であり、主として大きな樹脂成形品を作るのに最適な方法である。
【0009】
請求項3に記載された装置は、本発明の樹脂成形方法に最適なパイプであり、その一つの実施例を説明する。
所定の重量の石膏を塗り付けても容易に変形しない、鉄やアルミなどの材料で作られたパイプの一端を潰し、その部分に貫通孔を開け、孔にピンを圧入する。この構成により、この部分に石膏を塗り重ねていっても、石膏がパイプから抜け落ちる事が無くなる。
パイプの、石膏型から露出している部分には、空気吸引用の貫通孔を設ける。その際、単純な孔では、吸引時にパイプに被せた樹脂製シートやビニール袋が張り付いてしまい、吸引できなくなる為、その対策の一例として、パイプの表面に、長さ方向に沿って、凹状の溝を設ける。この凹部に貫通孔を設ければ、孔の表面が樹脂で覆われても、凹状の溝から空気を吸引する事ができる。
また、石膏型から露出したパイプの端部近傍には、環状の浅い溝を複数設ける。この部分にビニール袋などを巻き付け、上からゴムバンドなどで縛ると、万が一、1つの溝部で空気が漏れても、独立した次の溝で気密性が保たれる。環状の溝は、旋盤で簡単に加工できる為、コストが上がる事も無く、確実に気密性を保つ事ができる。
この構成により、請求項1及び2に記載の樹脂成形品製造方法を、容易に実施できる。
以上が、請求項3に記載の本発明の実施例であるが、同じ機能を得る為には、他の構成でも良いのであり、それらの構成は、請求項3に記載の通りである。
【0010】
請求項4に記載された装置は、本発明の樹脂成形方法に最適な吸引器具であり、その一つの実施例を説明する。
請求項3に記載されたパイプの、石膏型から露出している側の端部に、真空ホース用のワンタッチジョイントを、ねじ込みによって取付ける。
空気吸引装置と、パイプとを真空用ホースで連結し、その中間部分は二又に分岐し、2本の空気通路を設ける。それぞれの空気通路は、断面積を異なる大きさにするとともに、通路の開閉用のバルブを設ける。
請求項1に記載の成形方法に使用する際は、溶けた樹脂を積層材に均等に浸透させる為、空気流量は少なく、高真空の状態で吸引を行う為、バルブを調節し、小さな断面積の空気通路だけを使用すれば良い。
請求項2に記載の成形方法に使用する際は、熱して柔らかくした樹脂シートが、冷えて硬化する前に、一気に減圧して石膏型に張り付かせる必要が有る為、空気通路のバルブを開放とし、大きな空気流量で使用すれば良い。
以上が、請求項4に記載の本発明の実施例であるが、同じ機能を得る為には、他の構成でも良いのであり、それらの構成は、請求項4に記載の通りである。
【0011】
請求項1及び2に記載の製造方法は、真空装置などによる負圧を利用し、樹脂を石膏型に密着させる方法であるが、石膏型全体が入る容器を用意すれば、正圧を利用して、同様の工程を行う事ができる。
請求項1及び請求項2の工法による石膏型を設けたパイプを、全体が収まるサイズの容器内に挿入し、容器の1か所に設けた貫通孔からパイプを突き出し、容器及び容器とパイプの外周部を密閉し、気密状態とする。容器に空気ホースを取り付けるジョイントを設け、容器内を正圧の空気で加圧する。この結果、石膏型が圧縮され、内部の空気はパイプに設けた貫通孔を通ってパイプの端部から外へ逃げる為、請求項1及び請求項2と同等の効果を得ることができる。
この方法であれば、コンプレッサーによって簡単に作る事が可能な、高圧空気を利用できる為、真空装置よりも設備投資が少なくて済む。また、一般的な工場であれば、エアーツール用に高圧空気が常時容易されているので、低コストで樹脂成形を行う事ができる。
さらに正圧を利用する方法であれば、空気の替わりに、水やオイルを使用して加圧する事も可能で、既存の設備に応じて使い分ける事ができる。
以上が、請求項5に記載された本発明の実施例である。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明によれば、義手や義足など、各個人の要求にピッタリと合った形状の樹脂成形品を、安価に短時間で得る事が可能で、特に、身体障害者の方々には、極めて有意義な発明である。
義手や義足の製造メーカーにとっても、要求通りの製品を安価で提供できる上、万が一、不具合が発生しても、すぐに修正できる為、製造業にとって極めて有効な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】 請求項1に記載の樹脂成形方法を表す。
【図2】 請求項2に記載の樹脂成形方法を表す。
【図3】 請求項3に記載のパイプを表す。
【図4】 請求項4に記載の吸引器具を表す。
【図5】 請求項5に記載の樹脂成形方法を表す。
【符号の説明】
【0014】
1、パイプ
2、石膏製の型
3、ビニール袋
4、繊維などの積層材
5、溶けた樹脂
6、ビニール袋
7、貫通孔
8、粘着テープ
9、熱して柔らかくした樹脂製シート
10、パイプ
11、パイプの先端を潰した部分
12、パイプに圧入したピン
13、貫通孔
14、凹部
15、環状の溝
16、ホース着脱金具
17、空気通路
18、バルブ
19、真空ホース
20、真空装置又は減圧装置
21、密閉容器
22、ホース着脱金具
23、高圧ホース
24、コンプレッサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主として義手や義足など、欠損した身体の一部分を補う用途として、多種多用な、中空形状の、繊維強化樹脂成形品を得る為、以下の工程によって製造する樹脂成形方法。
1,鉄、又は鋼、又はアルミ、又は樹脂性のパイプに、石膏を塗り付け、その石膏で所定の型を形成する。尚、石膏はパイプの一端側から塗り付け、他端は所定の長さだけ露出させ、露出部分には、1個又は複数の貫通孔を設ける。
2,石膏製の型を、塩化ビニール、又はポリエチレン、又はゴム、又は薄い樹脂性のシートで覆う。尚、シート又は袋は、石膏型の形状に影響を及ぼさない程度に薄い物とする。
3,シートで包まれた石膏型の上に、グラスファイバー、又はカーボンファイバー、又は布、又は化学繊維の積層材を所定の厚さに被せ、又は巻き付け、型全体を覆う。その外側に、熱して溶かした樹脂を、略均等厚に塗布する。
4,溶けた樹脂を塗布した物を、ビニール、又はポリエチレン、又はゴム、又は薄い樹脂性のシート、又は同材料の袋で覆う。その一端は、石膏型の端部から露出したパイプに密着させ、密着部の上から、ゴムバンド、又はビニールテープ、又は粘着テープ、又は針金、又は樹脂製結束バンド、又は布製包帯をきつく巻き付け、袋内部を気密状態にする。シートで覆う場合は、シートの合わせ目部分を接着、または粘着、又は粘着テープで止める事により、袋と同等の気密状態を形成する。
尚、パイプにシート又は袋を密着させる場所は、パイプに設けた貫通孔よりもパイプの端部側とする。即ち貫通孔は、シート又は袋で密閉された内部側となる様に装置する。
5,パイプに、空気吸引装置、又は減圧装置、又は真空装置を連結し、貫通孔を通して気密状態となっているシート、又は袋の内部の空気を、ゆっくり吸引して減圧する事で、溶けた樹脂を積層材に浸み込ませ、その後、冷却する事で、樹脂を硬化させる。
6,シートや袋を取り去り、石膏を破壊し、完成した樹脂成形品を取り出す。尚、完成した樹脂成形品の一部を刃物で切る事で、石膏型を破壊せずに樹脂成形品を取り出し、石膏型は再利用する方法も含む。
【請求項2】
主として義手や義足など、欠損した身体の一部分を補う用途として、多種多用な形状の中空樹脂製品を得る為、以下の工程によって製造する樹脂成形方法。
脂成形方法。
1,合成樹脂製の板、又はシートを熱して、柔らかくする。
2,貫通孔を設けたパイプに取り付けられた石膏型に、柔らかくした板、又はシートを被せ、石膏型を完全に包んで巾着袋状にし、その巾着袋状の樹脂の口を、パイプに密着する様に押さえて隙間を無くす。尚、シートなどを巻き付けた場合は、開放した一端を絞り、紐・針金・粘着テープで縛り、他端が開口した巾着状の袋を形成する。また、パイプは、請求項1に記載のパイプを使用する。
3,巾着袋状となった合成樹脂の内部を、気密状態とする為、請求項1に記載の方法でパイプに密着させて固定する。
4,パイプに吸引装置を連結し、貫通孔から気密状態の空間内の空気を抜く事で、柔らかくなった樹脂を石膏型に密着させ、所定の形状の樹脂成形品を得る。
5,空冷、又は液冷、又は自然冷却により樹脂を硬化させ、硬化後、成形品を刃物で切る事で内部の石膏型を取り外し、所定の樹脂成形品を得る。尚、石膏型は、再利用する場合もある。
【請求項3】
以下の様に装置された事を特徴とする、請求項1、又は請求項2に記載の樹脂成形方法に用いる、パイプ。尚、同様に装置されたパイプを、複数本、並列に連結し、大きな石膏型を保持可能とした構成も含む。
1,パイプの材質は、鉄、又は鋼、又はアルミ、又はジュラルミン、又はチタン、又は合成樹脂とし、その断面形状は、円形、又は長円形、又は楕円形、又は略長方形とする。また、パイプの長さは、石膏型が完成状態で、型の表面から、パイプが30mmから2000mm露出する長さとする。
2,所定の形状の型を形成する為、石膏を塗り付ける側の端部は、スリットを入れて花びら状に開く、又は別の部材を取り付ける、又は一部を潰して変形させる、又は先端部近傍を曲げる、又は先端部近傍の表面を粗面とする、又は1個以上の凹部を設ける、又は1個以上の貫通孔を設ける事で、石膏とパイプの密着性を高め、石膏がパイプから抜け落ちるのを防ぐ構成とする。尚、別の部品を取り付ける構成は、パイプに貫通孔を設け、棒を差し込む方法の他、板・棒・パイプ・アングル材・網を、接着、又は溶接、又は粘着、又はゴムバンドや粘着テープ、又は針金・紐による縛り付けを指し、表面を粗面とする構成は、パイプ表面に細かい凹凸を付ける構成の他、パイプに針金や紐や布や網を巻き付ける構成も含む。
3,パイプに設ける貫通孔の数は1個以上とし、各貫通孔は、吸引時に合成樹脂やビニール袋が張り付き、孔を塞いでしまうのを防ぐ為、以下のいずれかの構成とする。
A,パイプの一部を凹ませ、その凹状部分に貫通孔を設ける。
B,孔の表面から1mm以上の隙間を開け、孔の面積の半分以上を覆うカバーを取り付ける。
C,パイプの表面に、パイプの軸方向に1本以上の溝を設け、その溝にかかる様に貫通孔設ける。
D,貫通孔の表面に網を取り付ける、又は貫通孔の周囲に網を巻き付ける。
E,貫通孔の略反対側のパイプの内壁からピンを立て、ピンの先端を貫通孔の表面から1mm以上突出させる。
F,貫通孔の周囲にリブ、又は突起を立て、その側面に、1個以上の貫通孔を開ける。尚、リブや突起は、貫通孔の近傍に1本又は複数のリブや突起を設ける構成の他、貫通孔の周囲を円筒上のリブで囲む構成も含む。
4,合成樹脂製のシートやビニール袋などを被せ、パイプに密着させる部分は、気密性を高める為、パイプの表面を滑らかに仕上げる、又は1本以上の環状の溝を設ける、又は1本以上の環状のリブを設ける、又は環状のゴムを取り付ける、又は軟質樹脂を塗布する、又は粘着材を塗布する、又は両面テープを貼り付ける。
【請求項4】
以下の様に装置された事を特徴とする、請求項1、又は請求項2に記載の工法に用いる、吸引装置。
1,パイプの、石膏型から露出している側の端部に、真空用ホースをワンタッチで取り付け可能な着脱金具を、圧入、又はねじ込み、又は溶接で取り付ける。尚、パイプは、請求項3に記載されたパイプとする。
2,空気吸引装置、又は減圧装置、又は真空装置と、石膏型を保持するパイプとをホースで連結し、そのホースの略中間部に、2本の空気通路と、空気通路切り替え装置を設ける。
切替え装置とは、ホースの途中にY字状の分岐ジョイントを設けてホースを2本の通路に分け、その先で逆Y字のジョイントにより、ホースを1本に集合し、2本の通路上に、それぞれ通路の開閉を行うバルブを設けた構成を指す。また、2本の空気通路の断面積の合計は、ホースの断面積と同等以上とし、2本の空気通路の断面積は、大きさが異なる構成も含む。また、ホースは、真空に耐えられる減圧用ホースとする。
尚、2本の空気通路の断面積を略同等とし、1本だけに開閉バルブを設けた構成や、空気通路を3本とし、その内の2本に開閉バルブを設けた構成や、空気通路を4本とし、その内の3本に開閉バルブを設けた構成も含む。
【請求項5】
請求項1、又は請求項2の工法による石膏型を装置した、請求項3に記載のパイプを、型及び袋などの全体が収まるサイズの容器内に挿入し、容器の1か所に設けた貫通孔からパイプを突き出し、容器及び容器とパイプの外周部を密閉し、気密状態とする。容器に空気ホースを取り付けるジョイントを設け、ホースで加圧装置と連結し、容器内を正圧空気で加圧する。
この結果、石膏型が圧縮され、内部の空気はパイプに設けた貫通孔を通ってパイプの端部から外へ逃げる為、請求項1及び請求項2と同等の効果を得ることができる樹脂成形方法。
尚、加圧には、空気以外に、水及びオイルなどの液体を用いる場合も含み、使用するホースはそれぞれ、高圧空気用ホース、高圧水用ホース、高圧オイル用ホースとする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−20566(P2012−20566A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174864(P2010−174864)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(595002937)株式会社双輝 (5)
【出願人】(510180175)株式会社L.S.PO.Labratorium (3)
【Fターム(参考)】