説明

樹脂製キャップ内部品の検査装置および樹脂製キャップ内部品の検査方法

【課題】 樹脂製キャップに収容された部品の位置や形状を明確に把握することができるような樹脂製キャップ内部品の検査装置および樹脂製キャップ内部品の検査方法を提供する。
【解決手段】 照明手段32がカメラ31の撮像方向とは異なる方向から樹脂製キャップ20の外面に光を照射し、カメラ31が樹脂製キャップ20の開口部201側から樹脂製キャップ20内部の画像をカラーで取り込むので、アルミシール22からの反射光をカメラ31が取り込むのを回避でき、明確な画像を得ることができる。そして、画像処理手段33が、カメラ31により明確に取り込まれたカラー画像を2値化して内蓋21の外形および注ぎ穴211の形状を検出するので、樹脂製キャップ20に収容された部品の位置や形状を明確に把握することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトル容器の注ぎ口先端面に溶着する内蓋等の部品を、ボトル容器の注ぎ口に脱着可能に取り付けられる樹脂製キャップの内部に収容し、樹脂製キャップをボトル容器に装着することにより部品をボトル容器の注ぎ口に位置決めするに際し、樹脂製キャップ内部に収容されている部品を検査する樹脂製キャップ内部品の検査装置および樹脂製キャップ内部品の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、樹脂製キャップ内部に収容されているキャップ内部品を非接触検査する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
図6に示すように、特許文献1に記載の検査方法では、樹脂製容器100に収容物を充填し、アルミシール101の中蓋を入れた外蓋102を装着し、高周波シーラー下を通過させる。このとき、アルミシール101を非接触加熱して、容器開口部上縁103に融着させた際の、アルミシール101の融着状態の良否を検査する。
【0003】
すなわち、高周波誘導加熱処理に引き続いて外蓋102上面104を赤外線熱画像カメラで撮影し、得られた赤外線画像の形状または熱画像を処理して得られたヒストグラムに基づいてアルミシール101の融着状態の良否を判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−318955号公報(第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図7に示すように、所定形状の注ぎ穴が切り抜き形成された内蓋21とアルミシール22を重ねて樹脂製キャップ20内部に収容し、内蓋21を樹脂製容器の注ぎ口に溶着する際の、樹脂製キャップ20内における内蓋21の収容状態を検査する際には、前述した特許文献1に記載の検査方法のように、アルミシール側からでは検査できない。
このため、図7に示すように、樹脂製キャップ20の開口201側からリングライトのような照明装置112で照明し、カメラ31で樹脂製キャップ20内部を撮像して、画像処理により内蓋21の形状を判断しているのが一般的である。
【0006】
しかしながら、樹脂製キャップ20の開口201側から照明して、開口201側からカメラ31で撮像すると、図8に示すように、内蓋21の注ぎ穴211を通った光や、内蓋21を透過する光がアルミシール22で反射する。従来、アルミシール22はハレーションを起こさないように調整されているが、この場合においても、ハレーションを起こしてポリとアルミとの判別ができない角度が存在する。この角度でポリが取れた場合、アルミが反射して,白い面積が大きくなり,ポリがないのにポリがある面積と区別できなくなる。
このため、図8に示すように、内蓋21の注ぎ穴211の形状や注ぎ口の位置或いは欠落を検査するのが困難であるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みなされたものであって、内蓋の注ぎ穴の形状や注ぎ口の位置或いは欠落を検査できる樹脂製キャップ内部品の検査装置および樹脂製キャップ内部品の検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の樹脂製キャップ内部品の検査装置は、所定形状の注ぎ穴が切り抜き形成されボトル容器の注ぎ口先端面に溶着される内蓋と、前記内蓋を覆うアルミシールとを樹脂製キャップ内部に積層収容し、前記樹脂製キャップを前記ボトル容器の注ぎ口に装着して前記内蓋を前記注ぎ口先端面に圧接し、非接触溶着手段により前記内蓋を前記注ぎ口先端面に溶着する工程において、装着前の前記樹脂製キャップ内部における前記内蓋の形状を検査する樹脂製キャップ内部品の検査装置であって、前記樹脂製キャップの開口部側から樹脂製キャップ内部の画像を取り込むカメラと、前記カメラの撮像方向とは異なる方向から前記キャップの外面に光を照射する照明手段と、前記カメラにより取り込まれた画像を2値化して前記内蓋の外形および前記注ぎ穴の形状を検出する画像処理手段と、を備え、前記画像をカラーで取り込むとともに、カラー画像を2値化処理する構成を有している。
【0009】
この構成により、本発明の樹脂製キャップ内部品の検査装置は、所定形状の注ぎ穴が切り抜き形成されボトル容器の注ぎ口先端面に溶着される内蓋と、内蓋を覆うアルミシールとを樹脂製キャップ内部に積層収容し、樹脂製キャップをボトル容器の注ぎ口に装着する前の樹脂製キャップ内部における内蓋の形状を検査する。この際、照明手段は、カメラの撮像方向とは異なる方向からキャップの外面に光を照射し、カメラが樹脂製キャップの開口部側から樹脂製キャップ内部の画像をカラーで取り込むので、アルミシールからの反射光をカメラが取り込むのを回避でき、明確な画像を得ることができる。そして、画像処理手段が、カメラにより明確に取り込まれたカラー画像を2値化して内蓋の外形および注ぎ穴の形状を検出するので、樹脂製キャップに収容された部品の位置や形状を明確に把握することができる。
なお、カラー画像の2値化には、特定の色を抽出して、その画像を2値化するものを含む。
【0010】
また、本発明の樹脂製キャップ内部品の検査装置は、前記照明手段が前記樹脂製キャップの側方から投光し、前記カメラが前記樹脂製キャップを透過する光によって間接照明された画像を取り込む構成を有している。
【0011】
この構成により、照明手段が樹脂製キャップの側方から投光し、カメラが樹脂製キャップを透過する光によって間接照明された樹脂製キャップ内部の画像を取り込むので、アルミシールに直接投光した場合に生じる反射ムラ(ハレーション)を防止して、正確な画像を読み込むことができる。
【0012】
また、本発明の樹脂製キャップ内部品の検査方法は、所定形状の注ぎ穴が切り抜き形成されボトル容器の注ぎ口先端面に溶着される内蓋と、前記内蓋を覆うアルミシールとを樹脂製キャップ内部に積層収容し、前記樹脂製キャップを前記ボトル容器の注ぎ口に装着して前記内蓋を前記注ぎ口先端面に圧接し、非接触溶着手段により前記内蓋を前記注ぎ口先端面に溶着する工程において、装着前の前記樹脂製キャップ内部における前記内蓋の形状を検査する樹脂製キャップ内部品の検査方法であって、カメラにより前記樹脂製キャップの開口部側から樹脂製キャップ内部の画像を取り込む画像取り込み工程と、前記画像取り込み工程において、前記カメラの撮像方向とは異なる方向から前記キャップの外面に光を照射する照明工程と、前記カメラにより取り込まれた画像を2値化して前記内蓋の外形および前記注ぎ穴の形状を検出する画像処理工程と、を有し、前記画像をカラーで取り込むとともに、取り込まれたカラー画像を2値化処理する構成を有している。
【0013】
この構成により、本発明の樹脂製キャップ内部品の検査方法では、所定形状の注ぎ穴が切り抜き形成されボトル容器の注ぎ口先端面に溶着される内蓋と、内蓋を覆うアルミシールとを樹脂製キャップ内部に積層収容し、樹脂製キャップをボトル容器の注ぎ口に装着する前の樹脂製キャップ内部における内蓋の形状を検査する。この際、照明工程では、カメラの撮像方向とは異なる方向からキャップの外面に光を照射し、画像取り込み工程においてカメラが樹脂製キャップの開口部側から樹脂製キャップ内部の画像をカラーで取り込むので、アルミシールからの反射光をカメラが取り込むのを回避でき、明確な画像を得ることができる。そして、画像処理工程では、カメラにより明確に取り込まれたカラー画像を2値化して内蓋の外形および注ぎ穴の形状を検出するので、樹脂製キャップに収容された部品の位置や形状を明確に把握することができる。
なお、カラー画像の2値化には、特定の色を抽出して、その画像を2値化するものを含む。
【0014】
さらに、本発明の樹脂製キャップ内部品の検査方法は、前記照明工程において前記樹脂製キャップの側方から投光し、前記画像取り込み工程において前記カメラが前記樹脂製キャップを透過する光によって間接照明された画像を取り込む構成を有している。
【0015】
この構成により、照明工程において、樹脂製キャップの側方から投光して樹脂製キャップを透過する光によって樹脂製キャップ内部を間接照明し、画像取り込み工程において、カメラが間接照明された樹脂製キャップ内部の画像を取り込むので、アルミシールに直接投光した場合に生じる反射ムラ(ハレーション)を防止して、正確な画像を読み込むことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、照明手段がカメラの撮像方向とは異なる方向からキャップの外面に光を照射し、カメラが樹脂製キャップの開口部側から樹脂製キャップ内部の画像をカラーで取り込むので、アルミシールからの反射光をカメラが取り込むのを回避でき、明確な画像を得ることができる。そして、画像処理手段が、カメラにより明確に取り込まれたカラー画像を2値化して内蓋の外形および注ぎ穴の形状を検出するので、樹脂製キャップに収容された部品の位置や形状を明確に把握することができるという効果を有する樹脂製キャップ内部品の検査装置および樹脂製キャップ内部品の検査方法を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ボトル容器および樹脂製キャップに収容する内蓋およびアルミシールを示す斜視図である。
【図2】樹脂製キャップに収容される内蓋およびアルミシールの断面図である。
【図3】樹脂製キャップ内部品の検査装置の構成図である。
【図4】樹脂製キャップ内部品の検査装置の機能を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る樹脂製キャップ内部品の検査装置により取り込まれた樹脂製キャップ内部品のカラー画像である。
【図6】(A)は従来の高周波アルミシールの非接触検査法によるアルミシール加熱時のキャップの平面図、(B)は(A)中B−B位置の断面図である。
【図7】従来の樹脂製キャップ内部品の検査装置の構成図である。
【図8】従来の樹脂製キャップ内部品の検査装置によって取り込まれた樹脂製キャップ内部品の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0019】
図1および図2に示すように、本発明に係る実施形態の樹脂製キャップ内部品の検査装置(以後、「本検査装置」という。)および樹脂製キャップ内部品の検査方法(以後、「本検査方法」という。)による検査の対象は、樹脂製のボトル容器10の注ぎ口11に着脱可能に装着される樹脂製キャップ20の、内部最上部の収容空間203に収容されている樹脂製キャップ内部品である内蓋21およびアルミシール22である。
【0020】
樹脂製キャップ20は、内部に設けられているネジ部202を、ボトル容器10の注ぎ口11の外周面に設けられているネジ部12に螺合させて着脱可能に装着される。内蓋21は樹脂製で、例えば星形状の注ぎ穴211が切り抜き形成されており、ボトル容器10の注ぎ口11の先端面13に溶着される。アルミシール22は、内蓋21を覆うシート状のアルミである。
【0021】
すなわち、ボトル容器10内部に例えば調味料等の流動体を収容し、樹脂製キャップ20をボトル容器10の注ぎ口11に装着することにより、樹脂製キャップ20の収容空間203に収容されている内蓋21を注ぎ口11先端面13に圧接するとともに内蓋21の上をアルミ−シール22で覆う。そして、非接触溶着手段である高周波誘導加熱装置(図示省略)を通過させることによりアルミシール22を非接触加熱して、その熱で内蓋21を注ぎ口11先端面13に溶着する。
【0022】
この際に、内蓋21およびアルミシール22が注ぎ口11の先端面13における適正な位置に位置決めされていない場合には、内蓋21が正常に取り付けられないため、内蓋21およびアルミシール22の位置や形状を検査する。
従って、検査は、内蓋21等が収容された樹脂製キャップ20を、ボトル容器10の注ぎ口11に装着する直前の、短時間で行われる。
【0023】
図3に示すように、本検査装置30は、樹脂製キャップ20の開口部201側から樹脂製キャップ20内部の画像を取り込むカメラであるCCDカメラ(Charge-Coupled Device)31と、CCDカメラ31の撮像方向とは異なる方向例えば側方から樹脂製キャップ20の外面に光を照射する照明手段32と、CCDカメラ31により取り込まれた画像を2値化して内蓋21の外形および注ぎ穴の形状等を検出する画像処理手段としてのパソコン33とを有する。
【0024】
CCDカメラ31は、ボトル容器10の注ぎ口11に装着する直前でボトル容器10の真上にある樹脂製キャップ20の内部を撮像するため、ボトル容器10を避けた位置に設置される。CCDカメラ31は、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の3原色を受光可能な一般的なカラーCCDを使用したカメラである。また、CCDカメラ31は、撮影した画像の信号を、内部に搭載している波長分離部42を介して画像処理系41(図4参照)であるパソコン33に出力するように接続されている。
なお、CCDカメラ31のRGBの各受光素子の感度は、Rは550〜700nm、Gは460〜630nm、Bは400〜520nmとなっている。また、波長分離部42は、CCDカメラ31とは別体に設けられる場合もある。
【0025】
波長分離部42は、CCDカメラ31から出力された信号が入力され、内蓋21の例えば星形の注ぎ穴211の波長成分を出力する回路である。この回路は、公知の波長分離回路を使用することができる。なお、本検査装置30では、内蓋21の打ち抜かれた星型により、撮影した画像が星型として受像されるので、CCDカメラ31内のRGBの各CCDが検出した信号の内、電気的に分離して出力する。
【0026】
画像処理系41は、記憶手段、演算手段等からなるコンピュータ33であり、入力された画像を2値化して、内蓋21の注ぎ穴211の星形を認識する公知のシステムである。
【0027】
次に、図4に示す機能ブロックを参照して、各構成の機能について説明する。
光学系43は、照明手段32およびCCDカメラ31のレンズ等の光学系に相当する。例えば、照明手段32は、ハロゲンや高輝度のLEDを並べて配置してもよい。
受光素子44は、光学系43から取り込まれた光を受光する素子であり、CCDカメラ31のCCD素子に相当する。CCDカメラ31から出力された信号は波長分離部42に伝達される。
【0028】
波長分離部42は、アンプ45および波長分離回路46を有する。
アンプ45は、受光素子44から入力された信号を増幅して、波長分離回路46へ出力する電気回路である。
波長分離回路46は、アンプ45から入力された信号を、RGBの各色の波長に分離して、画像処理系41に出力する電気回路である。ここでは、各RGBのCCD素子が、増幅された信号をそのままRGBの各色の強度として出力している。R出力47R、G出力47G、B出力47Bは、それぞれ波長分離回路46から出力された分離後の信号の出力部である。
【0029】
なお、波長の分離は、必ずしも原色のRGBに分離する必要はなく、適宜の波長に分離してもよい。例えば、デジタル化した画像信号をコンピュータ33に入力して、回路的なバンドパスフィルタを用いることで選択波長領域を抽出してもよい。
【0030】
次に、前述した本検査装置30を用いた本検査方法について説明する。
本検査方法は、CCDカメラ31により樹脂製キャップ20の開口部201側から樹脂製キャップ20内部の画像を取り込む画像取り込み工程と、画像取り込み工程において、CCDカメラ31の撮像方向とは異なる方向から樹脂製キャップ20の外面に光を照射する照明工程と、CCDカメラ31により取り込まれた画像を2値化して内蓋21の外形および注ぎ穴211の形状を検出する画像処理工程と、を有する。画像処理工程では、画像をカラーで取り込むとともに、取り込まれたカラー画像を2値化処理する。
【0031】
以下に、さらに詳述する。
照明工程において大事なことは、光量になる。現状の光量は、ハロゲンの光量がLEDの光量よりも大きく、光量が多い方が望ましいので、ハロゲンを用いるのが望ましい。ただし、LEDの光量でコントラストが認識できれば,LEDを用いても良い。照明手段32により樹脂製キャップ20の側面に光を当てると、内蓋21の樹脂が光を受けて乱反射して、比較的明るく反射する。これにより、打ち抜かれた星型の注ぎ穴211は、その周辺と明度差が付いて高いコントラストの画像が得られる(図5参照)。
その結果、画像処理系41で2値化後、ハレーションによる影響(図8参照)を除くことができるので、読取エラーの発生する可能性が低下する。
【0032】
次に、内蓋21の位置ずれの検出方法について説明する。
検査領域を限定することにより、内蓋21に形成された注ぎ穴211の位置ずれを検出する。すなわち、閾値決定処理、2値化処理、ラベリング処理、特徴抽出処理および欠陥識別処理により行う。
【0033】
閾値決定処理では、例えば、画像全体の輝度ヒストグラムの相似性に基づく判別分析法や、画像全体に示すオブジェクトの面積率に基づくp−タイル法を用いて2値化処理の閾値を決定する。この閾値は、フレーム毎に計算することが好ましい。
これにより、照明の照度変化等の外乱に対して頑健性が向上する。なお、室内等の安定環境下では固定の閾値でもよい。
【0034】
2値化処理では、閾値決定処理で決定した閾値に基づいて、2次元画像を2値化する。2値化画像は、輝度ヒストグラムを閾値決定処理で決定した閾値で分離することにより得ることができる。
【0035】
ラベリング処理では、2値化画像の黒背景中の白領域をラベリングする。また、2値化画像の白背景中の黒領域をラベリングする。
【0036】
特徴抽出処理では、白領域および/または黒領域の面積、フェレ径等を算出する。また、算出した面積、フェレ径が微小なものは、ノイズと見なして除外する。
【0037】
欠陥識別処理では、特徴抽出処理にて算出された面積やフェレ径に基づいて、点状欠陥や、いわゆるクニック、原反スジ等の欠陥を識別する。例えば、面積が指定値よりも大きい白領域を照明像として除外し、また、面積が指定地よりも大きな黒領域を背景であるとして除外し、残った領域を欠陥領域として識別する。
このように2次元画像を2値化することにより、欠陥領域を高精度で検出することができる。
【0038】
以上、説明した実施形態の樹脂製キャップ内部品の検査装置30では、所定形状の注ぎ穴211が切り抜き形成されボトル容器10の注ぎ口11先端面13に溶着される内蓋21と、内蓋21を覆うアルミシール22とを樹脂製キャップ20内部に積層収容し、樹脂製キャップ20をボトル容器10の注ぎ口11に装着する前の樹脂製キャップ20内部における内蓋21の形状を検査する。
この際、照明手段32は、CCDカメラ31の撮像方向とは異なる方向から樹脂製キャップ20の外面に光を照射し、CCDカメラ31が樹脂製キャップ20の開口部201側から樹脂製キャップ20内部の画像をカラーで取り込むので、アルミシール22からの反射光をCCDカメラ31が取り込むのを回避でき、明確な画像を得ることができる。
そして、画像処理手段であるパソコン33が、CCDカメラ31により明確に取り込まれたカラー画像を2値化して内蓋21の外形および注ぎ穴211の形状を検出するので、樹脂製キャップ20に収容された部品の位置や形状を明確に把握することができる。
【0039】
また、照明手段32が樹脂製キャップ20の側方から投光し、CCDカメラ31が樹脂製キャップ20を透過する光によって間接照明された画像(図5参照)を取り込むので、アルミシール22に直接投光した場合に生じる反射ムラ(ハレーション)を防止して、正確な画像を読み込むことができる。
【0040】
また、樹脂製キャップ内部品の検査方法では、所定形状の注ぎ穴211が切り抜き形成されボトル容器10の注ぎ口11先端面13に溶着される内蓋21と、内蓋21を覆うアルミシール22とを樹脂製キャップ20内部に積層収容し、樹脂製キャップ20をボトル容器10の注ぎ口11に装着する前の樹脂製キャップ20内部における内蓋21の形状を検査する。
この際、照明工程では、CCDカメラ31の撮像方向とは異なる方向から樹脂製キャップ20の外面に光を照射し、画像取り込み工程においてCCDカメラ31が樹脂製キャップ20の開口部201側から樹脂製キャップ20内部の画像をカラーで取り込むので、アルミシール22からの反射光をCCDカメラ31が取り込むのを回避でき、明確な画像を得ることができる。
そして、画像処理工程では、CCDカメラ31により明確に取り込まれたカラー画像を2値化して内蓋21の外形および注ぎ穴211の形状を検出するので、樹脂製キャップ20に収容された部品の位置や形状を明確に把握することができる。
【0041】
また、照明工程において、樹脂製キャップ20の側方から投光して樹脂製キャップ20を透過する光によって樹脂製キャップ20内部を間接照明し、画像取り込み工程において、CCDカメラ31が間接照明された樹脂製キャップ20内部の画像を取り込むので、アルミシール22に直接投光した場合に生じる反射ムラ(ハレーション)を防止して、正確な画像を読み込むことができる。
【0042】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0043】
10 ボトル容器
11 注ぎ口
13 先端面
20 樹脂製キャップ
21 内蓋
211 注ぎ穴
22 アルミシール
30 樹脂製キャップ内部品の検査装置
31 CCDカメラ(カメラ)
32 照明手段
33 パソコン(画像処理手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定形状の注ぎ穴が切り抜き形成されボトル容器の注ぎ口先端面に溶着される内蓋と、前記内蓋を覆うアルミシールとを樹脂製キャップ内部に積層収容し、
前記樹脂製キャップを前記ボトル容器の注ぎ口に装着して前記内蓋を前記注ぎ口先端面に圧接し、非接触溶着手段により前記内蓋を前記注ぎ口先端面に溶着する工程において、装着前の前記樹脂製キャップ内部における前記内蓋の形状を検査する樹脂製キャップ内部品の検査装置であって、
前記樹脂製キャップの開口部側から樹脂製キャップ内部の画像を取り込むカメラと、
前記カメラの撮像方向とは異なる方向から前記樹脂製キャップの外面に光を照射する照明手段と、
前記カメラにより取り込まれた画像を2値化して前記内蓋の外形および前記注ぎ穴の形状を検出する画像処理手段と、を備え、
前記画像をカラーで取り込むとともに、カラー画像を2値化処理することを特徴とする樹脂製キャップ内部品の検査装置。
【請求項2】
前記照明手段が前記樹脂製キャップの側方から投光し、
前記カメラが前記樹脂製キャップを透過する光によって間接照明された画像を取り込むことを特徴とする請求項1記載の樹脂製キャップ内部品の検査装置。
【請求項3】
所定形状の注ぎ穴が切り抜き形成されボトル容器の注ぎ口先端面に溶着される内蓋と、前記内蓋を覆うアルミシールとを樹脂製キャップ内部に積層収容し、
前記樹脂製キャップを前記ボトル容器の注ぎ口に装着して前記内蓋を前記注ぎ口先端面に圧接し、非接触溶着手段により前記内蓋を前記注ぎ口先端面に溶着する工程において、装着前の前記樹脂製キャップ内部における前記内蓋の形状を検査する樹脂製キャップ内部品の検査方法であって、
カメラにより前記樹脂製キャップの開口部側から樹脂製キャップ内部の画像を取り込む画像取り込み工程と、
前記画像取り込み工程において、前記カメラの撮像方向とは異なる方向から前記樹脂製キャップの外面に光を照射する照明工程と、
前記カメラにより取り込まれた画像を2値化して前記内蓋の外形および前記注ぎ穴の形状を検出する画像処理工程と、を有し、
前記画像をカラーで取り込むとともに、取り込まれたカラー画像を2値化処理することを特徴とする樹脂製キャップ内部品の検査方法。
【請求項4】
前記照明工程において前記樹脂製キャップの側方から投光し、
前記画像取り込み工程において前記カメラが前記樹脂製キャップを透過する光によって間接照明された画像を取り込むことを特徴とする請求項3記載の樹脂製キャップ内部品の検査方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図5】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−52907(P2012−52907A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195551(P2010−195551)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000001421)キユーピー株式会社 (657)
【Fターム(参考)】