正確な寸法検査用の自動焦点ビデオツールおよび方法
【課題】寸法検査用の自動焦点ビデオツールおよび方法を提供する。
【解決手段】最良自動焦点Z高さの精度を確実に提供するために、反復する自動焦点動作間に最適化照明を提供する。この方法には、初期光制御パラメータを用いて取得された初期自動焦点画像からの初期焦点曲線データに基づいた、量的な初期焦点Z高さ決定が含まれる。カメラが、よく合焦された画像が提供されるように、その初期焦点Z高さで設定される。最適化された光制御パラメータが、Z高さにおいてそれぞれの光制御パラメータを用いて取得された少なくとも1つのそれぞれの画像に基づいて決定され、改良された光制御パラメータを用いて取得された画像が、Z高さにおけるコントラスト関連用のほぼ最適な値を提供するようにする。改良された自動焦点画像が、改良された光制御パラメータを用いて取得され、改良された正確なZ高さが、結果としての焦点曲線に基づいて量的に決定される。
【解決手段】最良自動焦点Z高さの精度を確実に提供するために、反復する自動焦点動作間に最適化照明を提供する。この方法には、初期光制御パラメータを用いて取得された初期自動焦点画像からの初期焦点曲線データに基づいた、量的な初期焦点Z高さ決定が含まれる。カメラが、よく合焦された画像が提供されるように、その初期焦点Z高さで設定される。最適化された光制御パラメータが、Z高さにおいてそれぞれの光制御パラメータを用いて取得された少なくとも1つのそれぞれの画像に基づいて決定され、改良された光制御パラメータを用いて取得された画像が、Z高さにおけるコントラスト関連用のほぼ最適な値を提供するようにする。改良された自動焦点画像が、改良された光制御パラメータを用いて取得され、改良された正確なZ高さが、結果としての焦点曲線に基づいて量的に決定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にマシンビジョン検査システム(画像測定装置)に関し、特に正確な寸法検査用のビデオツールおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
精密なマシンビジョン検査システム(画像測定装置または略して「ビジョンシステム」)を用いて、検査対象物の正確な寸法測定値を取得し、かつ様々な他の物性を検査することができる。かかるシステムには、コンピュータ、カメラおよび光学系、ならびにワークの検査を可能にするために多方向に移動可能な精密ステージを含んでいる。汎用「オフライン」精密ビジョンシステムの一例としてイリノイ州オーロラ(Aurora,IL)にあるMitutoyo America Corporation (MAC)から入手可能で、市販のPCベースビジョンシステムのQUICK VISION(登録商標)シリーズおよびQVPAK(登録商標)ソフトウェアが挙げられる。ビジョンシステムのQUICK VISION(登録商標)シリーズおよびQVPAK(登録商標)ソフトウェアの特徴および動作が、例えば、QVPAK 3D CNC Vision Measuring Machine User's Guide, published January 2003およびQVPAK 3D CNC Vision Measuring Machine Operation Guide, published September 1996に一般的に説明されている。このタイプのシステムは、顕微鏡タイプの光学系を用い、ステージを移動させて、小さいかまたは比較的大きなワークの検査画像を様々な倍率で提供することができる。
【0003】
また、QUICK VISIONTMシステムなどの汎用精密マシンビジョン検査システムは、一般に、自動ビデオ検査を提供するようにプログラム可能である。かかるシステムには、「非熟練」オペレータが操作およびプログラミングを実行できるように、典型的にはGUI機能および所定の画像解析「ビデオツール」が含まれる。例えば、米国特許第6,542,180号は、自動ビデオ検査を用いる、かかるビジョンシステムを教示している。ビデオツールは、略して単に「ツール」と呼んでもよい。例えば、エッジ検出ツールには、エッジ上のポイントを検出するためのポイントツール、ボックスツール、すなわちボックスツールによって画定された関心領域に位置するエッジの位置および方向を検出するためのボックスツール等を含んでいる。
【0004】
’180特許で教示されているように、自動ビデオ検査計測機器は、一般に、各特定のワーク構成に対して、ユーザが自動検査イベントシーケンスを定義できるようにするプログラミング能力を有する。かかるプログラミングは、テキストベースのプログラミングとして実行するか、または(例えば、様々な半自動もしくは自動ビデオツール動作の支援で)ユーザが定義および/または実行する検査動作シーケンスに対応するマシン制御命令および個別ビデオツールパラメータシーケンスを記憶することによって、検査イベントシーケンスを徐々に「学習」する記録モードを通して実行するか、または両方の方法の組み合わせを通して実行することができる。かかる記録モードは、「学習モード」または「訓練モード」と呼ばれることが多い。いずれの技術でも、マシン制御命令および個別ビデオツールパラメータは、一般に、特定のワーク構成に特有のパートプログラムとして記憶され、かつ動作の「実行モード」中に検査動作の所定のシーケンスを自動的に実行する。
【0005】
(カメラシステムの光軸および焦点軸に沿った)Z高さ測定値は、一般に、自動焦点ツールまたは方法によって決定された最良焦点位置などの「最良焦点」位置から導出される。一般に、先行技術の自動焦点方法および/またはツールによれば、カメラは、z軸(焦点軸)に沿い一連の位置を通って移動し、各位置で画像を捕捉する。各捕捉画像に対し、焦点メトリックが、画像に基づき、かつ画像が捕捉されたときのz軸に沿ったカメラの対応位置に関連して、計算される。これは、結果として焦点曲線データをもたらすが、この焦点曲線データは、単に「焦点曲線」または「自動焦点曲線」と呼んでもよい。焦点曲線のピークは、z軸に沿った最良焦点位置に対応するが、焦点曲線データに曲線をあてはめて、あてはめられた曲線のピークを推定することによって、見つけてもよい。上記で概説した方法と類似した周知の一自動合焦方法は、"Robust Autofocusing in Microscopy", by Jan-Mark Geusebroek and Arnold Smeulders in ISIS Technical Report Series, Vol. 17, November 2000において論じられている。この開示の方法は、ビデオハードウェアが固定レートでフレームを捕捉すること、および焦点曲線のサンプリング密度が、ステージ速度を調整することによって影響され得ることを教示する。別の周知の自動焦点方法および装置が、米国特許第5,790,710号に説明されている。この特許では、従来のモータ駆動運動制御システムと関連して圧電ポジショナを用いて、Z軸位置運動を制御する一方で、自動焦点画像を取得する。別の改善された自動焦点システムおよび方法が、米国特許第7,030,351号に説明されている。
【0006】
ミクロンまたはサブミクロン範囲の測定精度および再現性が、精密マシンビジョン検査システムによって用いられる検査画像の平面において、XおよびY軸に沿ってごく普通に得られる。しかしながら、自動焦点ツールまたは動作に基づいてZ高さ測定値用に達成される精度および再現性のレベルは、精密マシンビジョン検査システムにおいて他の測定軸に対して達成されるレベルよりも一般に低い。より正確かつ/または再現可能なZ高さ測定値を決定できるようにするために、自動焦点ツールが、改善された精度、再現性およびロバスト性で自動的に動作することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
この概要は、以下において、発明を実施するための形態でさらに説明する概念の抜粋を簡略化した形態で導入するために提供される。この概要は、特許請求される主題の主要な特徴を定義するようには意図されておらず、また特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として用いられるようにも意図されていない。
【0008】
画像焦点および照明最適化の相互作用の重要な性質は、特に自動焦点ビデオツール精度ならびに/または再現性およびロバスト性の最高の達成可能レベルに関して、かつ特にある表面仕上げおよび/またはパターンに関して、マシンビジョン検査システムにおいて完全には理解されることも取り組まれることもなかった。典型的な先行技術の自動焦点方法は、ユーザの質的な光設定によってか、またはユーザが選択する場合には、自動焦点ツールから独立して動作する照明調整ツールによって、画像取得のための光設定(照射光条件設定)を決定する。例えば、自動焦点ツールから独立して動作する照明調整ツールが、前に説明した’180特許、および米国特許第6,627,863号に開示されている。簡単に言うと、’180特許は、ユーザが、重要な特徴(例えば、2つの領域間のエッジ)のまわりの2つ以上の関心領域の位置、向きおよびサイズを指定できるようにする、かつその部分を照明するために用いられる光源、測定されるべき画質(例えば、エッジの両端にわたるコントラスト)、およびその画質用の一連の許容できる値を指定できるようにするマルチエリア画質ツールを教示する。次に、マルチエリア画質ツールは、光源輝度を自動的に調整して画質用の許容できる値を達成してもよい。’863特許は、いくつかの基礎画像および現在の照明ベクトルに基づいて画像をシミュレートすることを教示する。実際のワークは、ビジョンシステムの様々な照明光源の1つを用いて撮像される。次に、対象物の少なくとも2つの基礎画像が捕捉されるが、この場合に、各基礎画像は、異なる照明強度を用いて照明される。これが、ビジョンシステムに設けられた各異なる照明光源に対して繰り返される。次に、シミュレートされた画像が、現在の照明ベクトルにおいて規定された光源の光強度に基づいて、基礎画像の様々な画像を組み合わせることによって生成される。各シミュレートされた画像は、それが所望の画質(例えば、所望の輝度レベルおよび/またはコントラスト)を有するかどうかを決定するために評価することができる。現在の照明ベクトルは、所望の画質を有するシミュレートされた画像が取得されるまで、自動的に修正することができる。次に、その照明ベクトルを用いて、よく照明された実際の画像を取得することができる。
【0009】
しかしながら、画像焦点および照明最適化の相互作用の重要な性質が、完全には理解されることも取り組まれることもなかったので、上記で概説した光設定のツールは、自動焦点ツールに適切に統合されるともなく、または自動焦点再現性および精度の最高の達成可能レベルを確実に提供するような形で自動焦点ツールと共に動作するように構成されることもなかった。例えば、自動焦点再現性に関して、図3は、精密マシンビジョン検査システムにおけるワーク表面用に、光レベルに関しての代表的な自動焦点再現性を表すグラフ300を示す。図3に示すように、比較的広い照明範囲310があるが、この範囲では、優れた再現性レベルが、対応する再現性範囲320(例えば、0.3ミクロンよりよい)において取得可能である。典型的な先行技術の自動焦点方法は、ユーザの質的な光設定または自動焦点ツールから独立して動作する照明調整ツールによって、広範囲310内で照明を提供したが、しかし自動焦点ツールは、最良レベルの再現性340(例えば、約0.2ミクロン)に対応する最適化範囲330内の照明を確実には実現しなかった。様々な関連する考察を、図3に関連して以下でより詳細に論じる。再現性の問題に加えて、非最適化自動焦点照明は、特に照明が結果として飽和画素をもたらす場合には、Z高さ測定精度を低下させる可能性がある。さらに、最適化自動焦点照明は、よく合焦された画像以外では、確実に確立することができず、その結果、自動焦点結果を最適化するために、合焦および光設定の反復的な方法が必要とされる。かかる問題は、特に図5に関連して以下でより詳細に論じる。
【0010】
本発明は、先行技術では確実には取得されないレベル(例えば、最適化再現性範囲340内)において自動焦点精度および/または再現性および/またはロバスト性を確実に提供する自動焦点ビデオツールと共に使用可能な(例えば、最適化照明範囲330内の)最適化自動焦点照明方法を提供する。以下でより詳細に説明するように、完全に最適化された自動焦点照明の信頼できてロバストな決定のためのこの方法は、非常によく合焦された画像(例えば、画像は量的焦点解析を用いて合焦された画像)の提供および解析を実現する。
【0011】
前に概説したように、自動焦点方法は、焦点曲線を決定および解析してそのピークを発見することに基づくことが多い。焦点曲線の決定には、一般に、異なる合焦距離で取得された一連の画像に基づいて、カメラからワークまでの焦点距離の関数として、画像焦点メトリック(例えば、コントラストメトリック)値をプロットすることが含まれる。先行技術において、(例えば、自動焦点ビデオツールにおいて具体化されるような)自動焦点動作は、典型的には、自動焦点動作セット全体を通して同じ照明を利用して、自動焦点の位置に至る。
【0012】
対照的に、本明細書に開示する様々な実施形態において、自動焦点動作セットには、初期自動焦点画像の関連セット用の初期照明構成および/または光レベルを用いて実行される初期量的自動焦点が含まれ、これらの初期自動焦点画像は、初期焦点曲線用の基礎として用いられる。いくつかの実施形態において、初期照明構成は、それが最適化されないように決定されるが、しかし初期自動焦点画像において、飽和画像画素が回避されることは確かである。次に、初期焦点曲線のピークにほぼ対応する初期焦点距離にカメラが設定され、改良された照明構成(例えば、光制御パラメータおよび/または光レベルの改良されたセット)が、次のように決定および/または学習される。すなわち、結果としての画像が、その初期焦点距離において、焦点曲線において用いられる画像焦点メトリックまたはその画像焦点メトリックと関連する画像特性の改善されたレベル(例えば、望ましいかもしくはほぼ最適なレベル)を提供するように決定および/または学習される。次に、第2のまたは最終自動焦点が、最終自動焦点画像の関連セット用の改良された照明構成を用いて実行される。いくつかの実施形態において、以下でより詳細に説明するように、改良された照明構成を設定する場合には、飽和画素を回避するために特定の対策がとられる。画像焦点メトリック値が、最終自動焦点画像セットではより高いので、焦点曲線は、より高いピーク値およびよりよい信号対雑音比を有し、その結果、焦点曲線ピークおよび結果としての自動焦点位置は、より高いレベルの精度および/または再現性で決定することができる。
【0013】
本発明の一態様に従って、反復する自動焦点ピーク発見動作を用いる自動焦点方法が提供されるが、この場合には、照明改良は、初期の量的焦点ピーク発見プロセスの後、および最終の量的焦点ピーク発見プロセスの前に実行される。
【0014】
本発明のさらなる態様に従って、いくつかの実施形態において、改良された照明構成は、初期焦点距離における画像において比較的少数の画像画素しか飽和しないかまたは全く飽和しないように、決定される。
【0015】
一実施形態において、最終自動焦点曲線は、Z軸に沿った自動焦点画像の関連セット間の比較的微細な段階を用いて決定され、そのピーク位置の推定をさらに向上させる。一実施形態において、初期焦点曲線は、(Z軸に沿って)比較的「まばらにサンプリングされた」かまた広く分離された、取得および解析可能な画像に基づいて決定され、焦点ピーク位置を比較的迅速に決定する。
【0016】
一実施形態において、改良された光制御パラメータのセットは、マシンビジョン検査システムの学習動作モード中に、自動焦点関心領域(例えば、自動焦点ツールを用いて画定された関心領域)に対応して決定され、次に、システムは、実行モード中に、(対応するワーク上の対応する位置における)対応する自動焦点関心領域用の焦点曲線データを決定する場合に後で用いるために、改良された光制御パラメータのセットを(例えば、パートプログラムに)記憶する。学習モードのための実施方法では、改良された光制御パラメータの記憶されたセットは、実行モード中に、(対応するワーク上の対応する位置における)対応する自動焦点関心領域用の焦点曲線データの単一および最終セット、ならびに関連するZ高さおよび/または焦点位置を決定するために、変更せずに用いられる。本明細書において実行モード改良実施と呼ばれる一実施方法において、学習モード中に決定された、改良された光制御パラメータの記憶されたセットは、実行モード動作中に、対応する自動焦点関心領域用の焦点曲線データの初期セットを決定するための初期光設定として用いられる。次に、カメラは、初期焦点曲線のピークにほぼ対応する初期実行モード焦点距離に設定され、改良された照明構成は、結果としての画像が、その初期焦点距離における画像焦点メトリック用の改善されたレベルを提供するように、決定される(例えば、照明構成および/または個別光レベルが調整される)。次に、第2のまたは最終自動焦点が、最終自動焦点画像の関連セット用の改良された照明構成および結果としての焦点曲線を用いて、実行モード中に実行され、これが、可能な最良の実行モード自動焦点精度および/または再現性を結果としてもたらす。本明細書で条件付き実行モード改良実施と呼ばれるこの実施方法の変形において、焦点曲線データの初期セットが決定された後で、関連する画像焦点メトリック(例えば、ピーク焦点メトリック)または画像焦点メトリックと相関する画像メトリックの値が決定される。その関連する画像メトリックの値が、焦点曲線データの初期セットが十分に最適な照明に対応することを示すのに、十分である場合には(例えば、実行モード画像メトリックが、学習モード中に決定および記憶された同等のメトリック値に近い場合には)、ツールは、学習モードのための実施方法と同様に動作し、焦点曲線データのその初期セットは、その自動焦点ツールに関連するZ高さおよび/または焦点位置を決定するための焦点曲線データの単一および最終セットとして用いられる。しかしながら、その関連する画像メトリックの値が、焦点曲線データの初期セットが十分に最適な照明に対応することを示すには十分でない場合には、ツールは、実行モード改良実施と同様に動作する。すなわち、カメラは、初期焦点曲線のピークにほぼ対応する初期実行モード焦点距離に設定され、改良された照明構成が、結果としての画像がその初期焦点距離における画像焦点メトリック用の改善されたレベルを提供するように、決定される(例えば、照明構成および/または個別光レベルが調整される)。次に、第2のまたは最終自動焦点が、最終自動焦点画像の関連セット用の改良された照明構成および結果としての焦点曲線を用いて、実行モード中に実行される。この実施方法が、ワークとそれらの画像との間に変動がほとんどない場合には、高速なパートプログラムの実行を保証し、かつまたワーク変動または照明システム変動等の結果としてワーク画像間に著しい実行モード変動がある場合に、ロバストで高精度の自動焦点および/またはZ高さ決定のための最適な実行モード照明調整を条件付きで提供することが理解されよう。
【0017】
別の実施形態では、改良された光制御パラメータのセットが、学習モード中に決定されない。より正確に言えば、本明細書で実行モード起源実施と呼ばれる実施方法において、学習モード照明パラメータのセットが、以前に周知の方法に従って特定の自動焦点ツールおよび関心領域用に決定されて、(例えば、パートプログラムに)記憶される。しかしながら、学習モード中に設定される自動焦点ツールまたは自動焦点ツールモードは、前に概説した反復する焦点および照明ステップを、実行モード中にそのツール用に実行する。すなわち、実行モード中に、そのツールに対して、(例えば、パートプログラムにおいて定義されるような)最初に記憶された照明構成は、実行モード中に決定された初期焦点曲線の基礎である初期自動焦点画像の関連セット用に用いられる。次に、カメラは、その初期実行モード焦点曲線のピークにほぼ対応する初期焦点距離に設定され、改良された照明構成が、結果としての画像がその初期焦点距離における焦点曲線において用いられる画像焦点メトリック(またはその画像焦点メトリックと相関する画像特性)用の改善されたレベルを提供するように、決定される。次に、第2のまたは最終自動焦点および/またはZ高さ決定が、最終自動焦点画像の関連セット用の改良された照明構成を用いて、その自動焦点ツール用に実行される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、もしあれば、前述の精密自動焦点ツール実施のどれが、(例えば、手動モードもしくは学習モード中の、またはパートプログラムに記録されたような)自動焦点ツールと関連するかを決定する自動焦点ツールモード決定動作を提供してもよい。いくつかの実施形態において、自動焦点ツールモード決定動作には、ユーザが自動焦点ツールモードを決定することが含まれる。いくつかの実施形態において、自動焦点ツールモード決定動作には、図5に関連してより詳細に説明するように、照明感度曲線を決定および解析する学習モード動作が含まれる。
【0019】
自動焦点動作の精度の向上が、非常に正確なZ高さ値の決定に関して特に有用であるが、改善された自動焦点精度がまた、他の測定動作(例えば、エッジ位置決めツールの動作等)の精度の向上を支援し得ることが理解されよう。Z高さ値および/または自動焦点の精度および再現性の向上は、ある表面テクスチャおよび/またはテクスチャ変動にとっては比較的重要になり得る。さらに、精度およびロバスト性(外乱の影響の受けにくさ)の向上は、場合によっては比較的小さい(例えば、ある倍率ではサブミクロン)場合があるが、現行の従来技術では、かかる自動焦点動作の再現性、精度および/またはロバスト性における小さな改善でさえ、数多くの用途において取得するのが困難であり、依然として高く評価されることが理解されよう。さらに、全ての場合に、より高い精度は、一般に、精度測定動作を実行する場合にはより望ましい。
【0020】
本発明の前述の態様および付随する利点の多くは、それらが、添附の図面と共に読まれたときの下記の詳細な説明を参照してよりよく理解されるようになるにつれて、より容易に認識されるようになろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】汎用精密マシンビジョン検査システムの様々な典型的な構成要素を示す図である。
【図2】マシンビジョン検査システムの制御システム部およびビジョン構成要素部のブロック図である。
【図3】精密マシンビジョン検査システムにおけるワーク表面に対する、光レベルに関しての代表的な自動焦点再現性を示すグラフである。
【図4】代表的な初期照明焦点曲線および代表的な改良された照明の焦点曲線を示すグラフである。
【図5】画素輝度変動レベル、情報、および照明レベルに関する不飽和画素比など、焦点関連メトリック用の代表的な照明レベル感度データおよび/または曲線を示すグラフである。
【図6A】自動焦点ビデオツールユーザインタフェースの一実施形態の様々な特徴を示す図である。
【図6B】自動焦点ビデオツールユーザインタフェースの一実施形態の様々な特徴を示す図である。
【図7A】学習モードまたは実行モード中に、改良された照明の自動焦点動作を実行するための第1の例示的なルーチンを示す流れ図である。
【図7B】学習モードまたは実行モード中に、改良された照明の自動焦点動作を実行するための第1の例示的なルーチンを示す流れ図である。
【図8A】実行モード中に、改良された照明の自動焦点動作の様々な代替セットを実行するための第2の例示的なルーチンを示す流れ図である。
【図8B】実行モード中に、改良された照明の自動焦点動作の様々な代替セットを実行するための第2の例示的なルーチンを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明に従って使用可能な1つの例示的マシンビジョン検査システム10のブロック図である。マシンビジョン検査システム10には、データおよび制御信号を制御コンピュータシステム14と交換するように動作可能に接続されたビジョン測定機12が含まれる。制御コンピュータシステム14は、さらに、モニタまたはディスプレイ16、プリンタ18、ジョイスティック22、キーボード24およびマウス26とデータおよび制御信号を交換するように動作可能に接続される。モニタまたはディスプレイ16は、マシンビジョン検査システム10の動作を制御および/またはプログラムするのに適したユーザインタフェースを表示してもよい。
【0023】
ビジョン測定機12には、可動ワークステージ32、およびズームレンズまたは交換レンズを含み得る光学撮像系34が含まれる。ズームレンズまたは交換レンズは、一般に、光学撮像系34によって提供される画像用に様々な倍率を提供する。マシンビジョン検査システム10は、一般に、上記の、ビジョンシステムのQUICK VISION(登録商標)シリーズおよびQVPAK(登録商標)ソフトウェア、ならびに類似の従来技術で市販の精密マシンビジョン検査システムに匹敵する。マシンビジョン検査システム10はまた米国特許第7,454,053号、および米国特許出願第12/343,383号に説明されている。ビジョン測定機および制御システムの様々な態様がまた、米国特許出願第10/632,823号、および2004年3月25日出願の米国特許第7,324,682号により詳細に説明されている。本明細書に開示する改良された照明の自動焦点動作は、マシンビジョン検査システムのいくつかの用途に対して測定精度を向上させることができる。
【0024】
図2は、本発明によるマシンビジョン検査システム100の制御システム部120およびビジョン構成要素部200のブロック図である。以下でより詳細に説明するように、制御システム部120を用いて、ビジョン構成要素部200を制御する。ビジョン構成要素部200には、光学アセンブリ部205、光源220、230および240、ならびに中央透明部212を有するワークステージ210が含まれる。ワークステージ210は、ワーク20を配置可能なステージ表面と略平行な平面に位置するXおよびY軸に沿って制御可能に移動できる。光学アセンブリ部205には、カメラシステム260および交換可能な対物レンズ250が含まれ、かつレンズ286および288を有するタレットレンズアセンブリ280ならびに同軸光源230を含んでもよい。タレットレンズアセンブリの代替として、固定もしくは手動で交換可能な倍率変更レンズまたはズームレンズ構成等を含んでもよい。以下でさらに説明するように、光学アセンブリ部205は、制御可能モータ294を用いることによって、XおよびY軸に略垂直なZ軸に沿って制御可能に移動できる。
【0025】
マシンビジョン検査システム100を用いて撮像されることになるワーク20が、ワークステージ210上に配置される。ステージ光源220、同軸光源230および表面光源240の1つまたは複数が、ワーク20を照明するために光源光222、232または242をそれぞれ放射する。光源光は、ワーク光255として反射または透過されるが、このワーク光255は、交換可能な対物レンズ250およびタレットレンズアセンブリ280を通過し、カメラシステム260によって集光される。ワーク20の画像は、カメラシステム260によって捕捉されるが、信号線262で制御システム部120に出力される。光源220、230および240は、信号線またはバス221、231および241を介して制御システム部120にそれぞれ接続してもよい。画像倍率を変更するために、制御システム部120は、軸284に沿ってタレットレンズアセンブリ280を回転させ、信号線またはバス281を介してタレットレンズを選択してもよい。
【0026】
様々な例示的な実施形態において、光学アセンブリ部205は、制御可能モータ294を用い、ワークステージ210に対して垂直Z軸方向に可動であるが、この制御可能モータ294は、アクチュエータ、接続ケーブル等を駆動して光学アセンブリ部205をZ軸に沿って移動させ、カメラシステム260によって捕捉されるワーク20の画像の焦点を変更する。本明細書で用いるように、用語Z軸は、光学アセンブリ部205によって取得される画像を合焦するために用いられるように意図された軸を指す。制御可能モータ294は、用いられる場合には、信号線296を介して入力/出力インタフェース130に接続される。
【0027】
図2に示すように、様々な例示的な実施形態において、制御システム部120には、コントローラ125、入力/出力インタフェース130、メモリ140、ワークプログラムジェネレータおよび実行器170、ならびに電源部190が含まれる。これらの構成要素のそれぞれ、ならびに以下で説明する追加的な構成要素は、1つもしくは複数のデータ/制御バスおよび/またはアプリケーションプログラミングインタフェースによってか、または様々な要素間の直接接続によって、相互接続してもよい。
【0028】
入力/出力インタフェース130には、撮像制御インタフェース131、運動制御インタフェース132、照明制御インタフェース133、およびレンズ制御インタフェース134が含まれる。運動制御インタフェース132には、位置制御要素132aおよび速度/加速制御要素132bを含んでもよい。しかしながら、様々な例示的な実施形態において、かかる要素を統合するか、かつ/または区別できないようにしてもよいことを理解されたい。照明制御インタフェース133には、照明制御要素133a−133nが含まれるが、これらの要素は、マシンビジョン検査システム100の様々な対応する光源に対して、例えば、選択、電力、オン/オフスイッチ、およびストローブパルスタイミングを適宜制御する。
【0029】
メモリ140には、画像ファイルメモリ部141、1つまたは複数のパートプログラム等を含み得るワークプログラムメモリ部142、およびビデオツール部143が含まれる。ビデオツール部143には、ツール部143aおよび他の類似のツール部(図示せず)が含まれるが、これらが、対応するツールのそれぞれに対して、GUI、画像処理動作等を決定する。ビデオツール部143にはまた、関心領域ジェネレータ143xが含まれるが、このジェネレータ143xは、ビデオツール部143に含まれる様々なビデオツールにおいて動作可能な、様々なROIを画定する自動、半自動および/または手動動作を支援する。
【0030】
特に、本発明による様々な実施形態において、ビデオツール部143には、自動焦点ツール部143fが含まれるが、この自動焦点ツール部143fは、以下でより詳細に説明するように、自動焦点動作に関連する様々な動作および機能を提供する。一実施形態において、自動焦点ツール部143fには、自動焦点モード制御部143fa、標準自動焦点ツール143fb、および照明最適化自動焦点ツール143fcを含んでもよい。簡単に言えば、標準自動焦点ツール143fbは、例えば、様々なZ高さにおける現在の画像スタックの取得、焦点曲線の全てまたは一部の生成、および最良焦点位置として焦点曲線ピークを見つけることなどに対して選択された照明レベルを利用するなど、学習モードおよび実行モードにおける動作を実行する周知の自動焦点ツールと同様に動作してもよい。照明最適化自動焦点ツール143fcは、本発明の改良された照明方法に基づいて動作する。標準自動焦点ツール143fbとは対照的に、一実施形態において、照明最適化自動焦点ツール143fcは、初期照明構成および/またはレベルを用いて、初期自動焦点ピーク発見プロセスを実行し、次に、初期自動焦点ピーク位置における焦点へ移動した後で、改良された照明構成および/またはレベルが決定される(換言すれば、改良された光制御パラメータのセットが決定される)。一実施方法において、改良された光制御パラメータのセットが決定され、かつ照明がより最適なレベルに次に調整された後で、最終自動焦点ピーク発見プロセスが、改良された照明設定を用いて実行され、より正確および/またはロバストなZ高さ決定および/または自動焦点結果を達成する。本明細書で開示するように、どのツールまたはモードが作動されるかに依存して、自動焦点モード制御部143faは、自動焦点ツール(標準自動焦点ツール143fbもしくは照明最適化自動焦点ツール143fc)またはツールモードを構成する動作を実行してもよい。自動焦点ツール143fcの記述子「照明最適化」は、限定となるようには意図されていない。それは、本明細書で開示されるように、決定される改善または改良された光設定(例えば、初期自動焦点ピーク発見動作後に決定された改良された光設定)の決定を行う任意の自動焦点ツールを含むように意図され、かつ主に、標準自動焦点ツール143fbの照明に対して照明決定における差を強調するように選択されるが、この標準自動焦点ツール143fbは、改良された照明パラメータを決定するための反復する自動焦点ピーク発見ステップを実行しない。
【0031】
自動焦点ツール部143fの代替構成が可能である。例えば、標準自動焦点ツール143fbおよび照明最適化自動焦点ツール143fcには、別個のモード制御部143faを省略してもよいように区分モード制御機能を含んでもよい。代替として、自動焦点ツール部143fは、1つまたは複数の包括自動焦点ツール要素を提供してもよく、モード制御部143faは、標準自動焦点ツール動作または照明最適化自動焦点ツール動作が望ましいかどうかに依存する形で、ユーザインタフェース、および包括自動焦点ツール要素の相互関係を制御する動作を提供してもよい。かかる場合に、標準自動焦点ツール143fbおよび/または照明最適化自動焦点ツール143fcの動作を提供する回路、ルーチンまたはアプリケーションは、統合しても、かつ/または区別できないようにしてもよい。ある実施方法において、(別個のツールではなく)自動焦点モード制御部143faを用いて、照明最適化自動焦点モードを実行してもよい。より一般的には、本発明は、マシンビジョン検査システム100と共に動作可能な、任意で現在周知の形態または後で開発される形態で実施し、改良された照明の自動焦点動作に関連して本明細書で開示する機能を提供してもよい。
【0032】
一般に、メモリ部140は、ワーク20の取得画像が所望の画像特性を有するように、ビジョンシステム構成要素部200を動作させてワーク20の画像を捕捉または取得するように利用可能なデータを記憶する。メモリ部140はまた、検査結果データを記憶してもよく、さらに、手動または自動で、取得画像に様々な検査および測定動作を実行するようにマシンビジョン検査システム100を動作させるために(例えば、一部はビデオツールとして実行される)、および入力/出力インタフェース130を介して結果を出力するために利用可能なデータを記憶してもよい。メモリ部140にはまた、入力/出力インタフェース130を介して動作可能なグラフィカルユーザインタフェースを定義するデータを含んでもよい。
【0033】
ステージ光源220、同軸光源230および表面光源240の信号線またはバス221、231および241は、それぞれ全て、入力/出力インタフェース130に接続される。カメラシステム260からの信号線262および制御可能モータ294からの信号線296は、入力/出力インタフェース130に接続される。画像データを搬送することに加えて、信号線262は、画像取得を開始するコントローラ125からの信号を搬送してもよい。
【0034】
1つまたは複数の表示装置136および1つまたは複数の入力装置138もまた、入力/出力インタフェース130に接続することができる。表示装置136および入力装置138は、ユーザインタフェースを表示するために用いることができるが、このユーザインタフェースには、検査動作を実行するために、および/またはカメラシステム260によって捕捉された画像を見るためのパートプログラムを生成し、かつ/もしくは修正するために、および/またはビジョンシステム構成要素部200を直接制御するために利用可能な様々なグラフィカルユーザインタフェース(GUI)機能を含んでもよい。所定のパートプログラム(またはワークプログラム)を有する完全に自動化されたシステムにおいて、表示装置136および/または入力装置138は、省略してもよい。
【0035】
様々な例示的な実施形態において、ユーザが、マシンビジョン検査システム100を用いてワーク20用のパートプログラムを生成する場合には、ユーザは、ワークプログラミング言語を用いて、自動、半自動もしくは手動で命令を明示的に符号化することによってか、またはマシンビジョン検査システム100を学習モードで動作させて所望の画像取得訓練シーケンスを提供することにより命令を生成することによって、パートプログラム命令を生成する。例えば、訓練シーケンスには、視野(FOV)におけるワーク特徴の配置、照明レベルの設定、合焦または自動合焦、画像の取得、および(例えば、ビデオツールを用いた)画像に適用される検査訓練シーケンスの提供を含んでもよい。学習モードは、シーケンスを捕捉して、対応するパートプログラム命令に変換するように、動作する。これらの命令は、パートプログラムが実行された場合には、マシンビジョン検査システムに、訓練された画像取得および検査動作を再現させ、パートプログラムを生成する場合に用いられたワークと一致するワークを自動で検査する。
【0036】
ワーク画像における特徴を検査するために用いられるこれらの解析および検査方法は、典型的には、自動焦点ツール143fbおよび143fcを始めとして、メモリ140のビデオツール部143に含まれる様々なビデオツールにおいて具体化される。多くの周知のビデオツールまたは略して「ツール」が、上記したビジョンシステムのQUICK VISION(登録商標)シリーズおよび関連するQVPAK(登録商標)ソフトウェアなどの市販のマシンビジョン検査システムに含まれる。
【0037】
前に概説し、図4に関連して以下でより詳細に説明するように、ツール143fbおよび143fcなどの自動焦点ツールは、典型的には、「最良焦点」位置を決定するためのプロセスの一部として、一連の画像を取得し、焦点曲線を展開する。(例えば、照明最適化焦点ツール143fcによって利用されるような)改良された照明パラメータを決定する本発明の方法を利用することによって、より正確な「最良焦点」位置を決定するための、より高いピーク値およびより大きな可能性を備えた焦点曲線を提供する画像を生成することができる。
【0038】
図3は、精密マシンビジョン検査システムにおけるワーク表面用の、光レベルに関する代表的な自動焦点再現性を表すグラフ300を示す。特に、グラフ300に示すデータは、同軸光源を使用し、機械仕上げされた金属表面において2.5倍の倍率および2500画素の関心領域を用いて取得された。各「再現性」データポイントは、合理的によく合焦された画像において、2500画素の関心領域に対して表示の平均輝度を提供する光設定を用いて、自動焦点ツールを100回作動させることによって取得された100のZ高さサンプルの標準偏差である。図3に示すように、対応する再現性範囲320において優れたレベルの再現性(例えば、0.3ミクロンよりよい)を取得可能な比較的広い照明範囲310がある。典型的な先行技術の自動焦点方法は、ユーザの質的な光設定によってか、または他のビデオツールから独立して動作する照明調整ツールをユーザが実行することによって、合理的な範囲(例えば、広範囲310)内で照明を提供した。広範囲310は、一般に、典型的なユーザが、(例えばモニタ上で観察したときに)過度に暗くなくかつ/または過度に飽和していない(過度に露光されていない)と判断するであろう画像に対応する。広範囲310の外部では、画像は、ますます一様に暗くなるかまたは明るくなり、コントラストがより低くなり、再現性がさらに低下する。
【0039】
最良自動焦点精度を確実に取得するための必要条件が、最良自動焦点再現性を取得することであることが理解されよう。図3は、最適化照明範囲330があることを示すが、この範囲330では、最良レベルの再現性が、対応する最良再現性範囲340(例えば、約0.2ミクロンよりよい)において取得される。ユーザの質的な評価が、一般に、最適化照明範囲330における照明を、広範囲310に含まれ得る他の照明状態と区別できないことを理解されたい。さらに、以下でより詳細に説明するように、照明決定のために自身が使用する画像における少量の脱焦を均一にする独立した量的な光設定ツールの感度は、認識されなかった。したがって、先行技術の自動焦点ツールは、最良レベルの自動焦点再現性340に対応する最適化照明範囲330内で確実には照明を実現せず、最良レベルの自動焦点再現性および精度は、確実には取得されなかった。
【0040】
優れた再現性を提供する照明は、最良自動焦点精度を取得するための必要条件ではあるが十分条件ではない。照明がまた、自動焦点再現性に強く反映されない形で自動焦点精度に影響する可能性があることを理解されたい。例えば、本来的に非常に暗いかまたは非常に明るい(飽和した)表面部分に対応する画素の外観が、焦点に対して比較的無感応になるので、対応する表面部分は、コントラスト曲線において影響力を失う。したがって、焦点曲線および結果としての焦点ピークの精度は、関心領域内の様々な露光過度または露光不足の表面部分の影響の低減ゆえに、低下する可能性がある。しかしながら、この影響によるZ高誤差は、所与の光レベルに対して再現可能であり、その結果、再現性は、最良自動焦点精度を取得することに関して必要条件ではあるが十分条件ではない。この理由で、また、露光過度または露光不足の画素が、僅かなレベルまで最小限にされる(または除去される)ことをさらに保証する最適化照明範囲330内の照明レベルを見つけ、その結果として、関心領域内の全ての領域が、様々なZ高さにおいて焦点メトリックに対して、期待される様々な貢献をするのが望ましい。しかしながら、所与の照明レベルに対して、いくつかの画素は、よく合焦された画像において飽和する可能性があり、一方でこれらの画素は、僅かに脱焦された画像においては、それらの光が、ぼけのために隣接画素の光と平均されるので、飽和しない場合があることを理解されたい。したがって、可能な最良自動焦点精度を取得するために、本発明による自動焦点ツールは、初期光設定を用いて量的によく合焦された初期画像に基づいて、改良された光設定が量的に確立され、次に、この改良された光設定を用いて取得された画像に基づいて最良焦点Z高さを確立するために用いられる量的自動焦点動作のセットが続くようにする。いくつかの関連する考察を、図4および5に関連して以下でより詳細に説明する。
【0041】
図4は、焦点曲線データポイント414および424にそれぞれ基づいて、代表的な初期照明焦点曲線410および代表的な改良された照明の焦点曲線420を示すグラフ400である。前に概説したように、個々の焦点曲線は、周知の方法に従って確立してもよい。簡単に言うと、1つの例示的な方法において、カメラは、z軸(焦点軸)に沿った一連の位置またはZ高さを通って移動し、各位置で画像を捕捉する。各捕捉画像に対して、焦点メトリック値が、画像に基づいて計算され、その値が、画像が捕捉された時間における対応Z高さに関連するデータポイント(例えば、グラフ400におけるデータポイント414または424の1つ)になる。これは、結果として焦点曲線データをもたらすが、これらの焦点曲線データは、単に「焦点曲線」または「自動焦点曲線」と呼んでもよい。焦点曲線ピーク(例えば、焦点ピーク425または焦点ピーク415)は、z軸に沿った最良焦点位置(およびワークにおける関心領域のZ高さ)に対応するが、(少なくともピークの近辺で)焦点曲線データに曲線をあてはめること、およびあてはめられた曲線のピークを推定することによって、見つけてもよい。様々な周知の焦点メトリックを用いてもよい。一例において、焦点メトリック値は、
【数1】
として計算してもよく、式中、Ai、Bi、CiおよびDiは、自動焦点関心領域における4つの最も近い隣接画素の「i番目」のグループ用のグレーレベルまたは強度であり、i=1〜nの合計は、自動焦点関心領域における4つの最も近い隣接画素の全ての「n」グループに相当する。様々な実施形態において、焦点メトリック値または曲線は、必要に応じて正規化してもよい。一実施形態において、焦点メトリック値または曲線は、関心領域における画素の平均グレースケール値またはグレースケール値の二乗の平均によって正規化してもよい。しかしながら、前述のメトリックは、あくまでも例示であり、限定ではない。より一般的には、グローバルな関心領域の焦点またはコントラストを示す任意の適切な、現在周知かまたは後で開発されるメトリックを用いてもよい。
【0042】
前に概説したように、自動焦点再現性および精度は、画像用の適切な光レベルによって最適化してもよい。さらに、適切なレベル(例えば、飽和画素の数を僅かなレベルにまで低減する光レベル)は、よく合焦された画像において最もよく確立される。したがって、可能な最良自動焦点精度を取得するために、本発明による自動焦点ツールは、初期光設定を用いて量的によく合焦された初期画像に基づいて、改良された光設定が量的に確立され、次に、この改良された光設定を用いて取得された画像に基づいて最良焦点Z高さを確立するために用いられる量的自動焦点動作のセットが続くようにする。この方法に従って図4に示された例を解釈すると、初期光設定を用いて、初期焦点曲線410のデータポイント414に対応する画像を取得する。次に、Z高さZiに対応する、初期焦点曲線のピーク415が、(例えば、データポイント414に適した、焦点曲線410のピーク415を見つけることによって)量的に決定される。次に、改良された光設定が、量的に決定されたZ高さZiに対応して合焦された初期画像に基づいて、量的に確立される。いくつかの実施形態において、改良された光設定を量的に確立するために用いられる初期画像は、Z高さZiで取得される複数の異なって照明された画像のうちの1つである。別の実施形態において、改良された光設定は、Z高さZiで取得された単一の画像に基づいて、量的に確立される。改良された光設定を確立する様々な方法を、図5に関連して以下で説明する。いずれにせよ、ひとたび改良された光設定が確立されると、この改良された光設定を用いて取得された画像に基づいて、自動焦点動作のセットが、(例えば、前に概説したように)データポイント424を取得しかつ最良焦点Z高さZpを確立するために用いられる。一般に、図3に関連して前に論じた理由で、初期光設定は、最良自動焦点再現性および精度を提供するために最適ではない。したがって、図4に示すように、ZiおよびZpは、一般に同一ではない。しかしながら、(例えば、図3に示す範囲310内の)合理的な初期照明レベルが、先行技術の方法によって確立される場合には、初期焦点曲線データ414は、一般に、最適な改良された光設定を確立するために十分によく合焦された画像(例えば、潜在的な飽和画素が、画像ぼけによって不明瞭にされない)を提供する焦点高さZiをもたらすことになろう。
【0043】
初期光レベルが、最適でない(いくらか露光過度または露光不足であり、画像コントラストの低減につながる)と見なすことができるのに対して、改良された照明レベルは、以下でより詳細に説明するように、それが、画像コントラストおよび関連する焦点メトリックを最大限にすることにほぼ最適(例えば、図3に示す最適化照明範囲330内の最良レベルに対応する)であるように、特に決定される。したがって、図4に示すように、改良された光設定によって、初期照明焦点曲線410より高い焦点メトリック値およびより高いピーク425を有する改良された照明の焦点曲線420が提供される。これは、初期照明焦点曲線410より優れた信号対雑音比および優れたカーブフィッティングを提供するデータポイント424および改良された照明の焦点曲線420として解釈することができ、これが、自動焦点精度および再現性の改善につながる。特に、上記で概説した動作に基づいて、データポイント424および改良された照明の焦点曲線420の信号対雑音比は、確実にほぼ最適であり、可能な最良自動焦点再現性(例えば、図3に示す最良再現性レベル340の範囲に対応する)および最良自動焦点精度を確実に取得することにつながる。
【0044】
焦点曲線410および420用に示されたデータポイントの数が、あくまでも例示であり、限定ではないことを理解されたい。どちらの曲線も、より広くかまたはより密に離間された画像Z高さにそれぞれ対応して、より多数または少数のデータポイントから決定してもよい。一実施形態において、初期焦点曲線(例えば、焦点曲線410)が、第1の比較的広い間隔のデータポイントで決定されて、自動焦点の動作の関連サブセットを高速化するのに対して、ひとたび改良された照明レベルが決定されると、改良された照明の焦点曲線(例えば、焦点曲線420)は、第2の比較的密な間隔のデータポイントから決定されて、より正確なカーブフィッティングおよび最終自動焦点Z高さ(例えば、Zp)のより正確な決定を支援する。様々な実施方法または用途において、改良された光設定を用いて決定される自動焦点Z高さは、関心領域におけるワーク表面用のZ高さ検査寸法を決定するためか、特徴(例えば、エッジ検出前の画像平面におけるエッジ)の鮮明度を最大限にするようにZ軸に沿った最良焦点位置にカメラを配置するためか、または両方のために用いられる。改良された光設定を確立することに関する様々な考察が、図5に関連して以下で説明される。
【0045】
図5は、実験的に決定された代表的な照明レベル感度曲線510−540を示すグラフ500である。特に、照明レベル感度曲線510−540は、メトリック値を決定するために用いられるよく合焦された画像の取得中に、ワークにおける(例えば、自動焦点ツールによって画定された)関心領域を照明するために用いられる同軸(対物レンズを通した)照明チャネルの電力または輝度設定に対するコントラスト関連メトリックの正規化された値を示す。
【0046】
焦点メトリックが、一般にコントラストメトリックであることが理解されよう。照明レベル感度曲線520−540は、コントラストメトリックの選択用に光レベルに対する感度を示すが、これは、(例えば、図4に示す焦点曲線420を確立するのに適した)コントラスト関連メトリックおよび焦点メトリックの両方と考えてもよい。しかしながら、照明感度曲線510は、関心領域において飽和画素に対する不飽和画素の比率の、光レベルに対する感度を示す。この比率は、焦点曲線を確立する際の使用には適していない。しかしながら、それは、画像コントラストが、焦点と同様に照明によっても影響されるという点で、コントラスト関連メトリックと考えられる。例えば、飽和画素は、露光過度の画像の徴候となる傾向があり、露光過度の画像は、一般に、適切に露光された画像より劣ったコントラストを有する。したがって、いくつかの実施形態において、飽和画素の解析を利用して、改良された光設定を確立してもよい。照明感度曲線510および改良された光設定の確立に関連する考察は、さらに以下でより詳細に説明する。同様に、飽和未満のレベルでは、画素輝度メトリック(例えば、最も明るい画素の輝度か、またはいくつかの最も明るい画素における平均輝度か、または輝度閾値を超える画素の数等)もまた、コントラスト関連メトリックと考えてもよい。
【0047】
コントラストまたは焦点メトリック照明感度曲線520−540に関して、曲線上の全てのメトリック値が、(焦点ピークに対応する)よく合焦された画像に基づいて確立されるので、各光レベルにおけるこれらの曲線の高さは、その光レベルを用いて達成できる焦点曲線ピークの最大高さを示す。前に図4に関連して示したように、より高い焦点曲線ピークは、よりよい精度および再現性を備えたZ高さおよび/または最良焦点位置を決定することと関連付けてもよい。図5に示すように、曲線520−540に対応する焦点メトリックのそれぞれを最大限にする光レベルは、ほぼ38〜41の範囲にある。したがって、ほぼこの同じ範囲における改良された光設定は、ほぼ可能な最高の焦点曲線ピークひいては最良自動焦点再現性および精度を確実に提供することになろう。図5において、次のことを見て取ることができる。すなわち、この例に関して、光設定が少量(例えば、10%または100のうちの約4の設定増分)だけ変動する場合でも、(各光設定における照明感度曲線高さに対応する)可能な最大焦点曲線ピークは、著しく(例えば、40−60%だけ)低下する。本発明とは対照的に、以前の自動焦点ツールおよび方法は、この照明感度を確実に認識または克服して最も高い焦点曲線ピークならびに可能な最良自動焦点再現性および精度をもたらす、可能な最良照明を提供することがなかった。要約すると、いくつかの実施形態において、ほぼ最適な自動焦点精度を支援する改良された照明レベルを確実に提供するため、量的によく合焦された画像が、改良された照明レベルが、コントラストメトリックおよび/または焦点メトリックであるコントラスト関連メトリックをほぼ最大限にするように、改良された照明レベルを確立するために必要とされて用いられる。いくつかの実施形態において、改良された照明レベルを、それがまた、ワーク反射率および/または照明再現性等における予期される変動下で、画像画素を飽和させることを回避するように選択することが望ましい。関連する考察は、以下でさらに論じる。
【0048】
コントラストを数学的に定義する多くの方法があり得ることが理解されよう。例えば、図5に示す特定のコントラストメトリック曲線に関して、画素輝度情報データ曲線520は、
【数2】
に基づいている。
【0049】
画素輝度局所的変動データ曲線530は、
【数3】
に基づいており、式中、Xkは、自動焦点関心領域における9つの最も近い隣接画素の「i番目」のグループの「k番目」の画素用のグレーレベルまたは強度であり、Xavgは、そのグループの平均であり、i=1〜nの合計は、自動焦点関心領域における9つの最も近い隣接画素の全ての「n」グループに相当する。
【0050】
画素輝度グローバル変動データ曲線540は、
【数4】
に基づいており、式中、XPは、自動焦点関心領域における「p番目」の画素用のグレーレベルまたは強度であり、XavgROIは、自動焦点関心領域における画素の平均グレーレベルであり、p=1〜nの合計は、自動焦点関心領域における全ての「n」画素に相当する。
【0051】
前述のことに加えて、他の可能なコントラスト測定法には、画素輝度範囲(最大−最小)、局所的差異全体にわたる和の二乗、第1(もしくは第2)の空間導関数の二乗の和、およびその他(例えば、EP Krotkov, Focusing, Int. J. Comp. Vis., 1(3) 223-237, 1987を参照)が含まれる。ある実施方法において、コントラスト測定法は、関心領域全体にわたって適用するか、またはサブウィンドウに適用して、(共に平均され)結合できるコントラストの局所的測定値を生成し、関心領域全体のためのコントラスト測定法を形成することができる。特定の用途には、異なる測定法が、より望ましい可能性がある。一般に、ある実施方法において、局所的画像変動(例えば、図5の局所的変動データ曲線530)に基づいた測定法は、あるタスクにはより適していると考えられる。なぜなら、多くの画像特徴が、本来局所的であるからである。
【0052】
図5に示すように、不飽和画素比の照明感度曲線510に関して、この比率は、(約38の光レベルにおいて)光レベルLoptで転移点を示すが、この場合にそれは、(増加する飽和画素数に対応する)光レベルの増加と共に1.0の値から減少する。光レベルLoptが、曲線520−540に対応する、焦点メトリックのそれぞれを最大限にする光レベル範囲の下限とほぼ一致することが、図5で見て取ることができる。これは、不飽和画素にとって、光レベルを増加させることが、一般に、最も明るいおよび最も暗い画像画素の両方を比例して増加させ、それらの間の差が比例して増加するようにするという点で、驚くべきことではない。したがって、画素間の輝度差に反応するコントラストメトリックは、輝度と共に増加する傾向がある。しかしながら、光レベルが明るくなりすぎるとともに、ますます多くの画素が飽和する。ますます多くのより明るい画素間の差またはコントラストが、(固定飽和値ゆえに)減少するので、関心領域用のコントラストメトリックは、ますます多くの数の画素が飽和すると共に低下し始める。したがって、合理的によく合焦された画像において、最高の焦点メトリック値を提供する光設定は、典型的には、飽和が発生し始める光設定の近くである。(しかし、この線形モデルは、ワークを照明するために多数の照明チャネルが用いられる場合には、最適照明を達成するためには必ずしも十分ではないことは注目するに値する)。
【0053】
図5において、次のことを見て取ることができる。すなわち、この例に対して、光設定が、Error−Lとして示す少量だけ(例えば、ちょうど5%または100のうちの約2の設定増分だけ)、Loptから光レベルL0.4へ変動する場合でも、不飽和画素のパーセンテージは、約40%へ著しく低下し、関心領域における画素の60%が、飽和していることを示す。本発明とは対照的に、以前の自動焦点ツールおよび方法は、この照明感度を確実に認識または克服して可能な最良自動焦点再現性および精度をもたらすことがなかった。焦点曲線ピーク高さおよび自動焦点再現性を低減させることに加えて、前に示したように、飽和ゆえの、画像のどんな有意のパーセンテージの有効損失も、次の点で非常に著しい自動焦点誤差を引き起こす可能性がある。すなわち、残りの焦点感受性画素が、全体として関心領域の平均高さではないワーク表面部分を表す可能性があるという点である。前に示したように、いくつかの画素が、よく合焦された画像において飽和する可能性がある一方で、それらは、僅かに脱焦した画像では飽和しない可能性がある。なぜなら、それらの光が、ぼけのために隣接画素の光と平均されるからである。したがって、いくつかの実施形態において、ほぼ最適な自動焦点精度を支援する改良された照明レベルを確実に提供するため、量的によく合焦された画像が、改良された照明レベルを、それが、ほぼできるだけ明るくなる一方で、やはり、飽和画素を望ましいレベルへと最小限にするかまたは防ぐことを保証するように確立するために必要とされて用いられる。一実施形態において、かかる改良された照明レベルは、(例えば、合計画素に対する不飽和画素の比率が、増加する光レベルと共に減少し始める転移点に近い照明レベルとして決定された)量的によく合焦された画像の関心領域における画素輝度(画素輝度メトリック)および/または飽和画素の数もしくは割合(飽和画素メトリック)に反応するコントラスト関連メトリックに基づいて、決定してもよい。
【0054】
前に概説したように、いくつかの実施形態において、改良された照明レベルを次のように選択することが望ましい。すなわち、改良された照明レベルが、(例えば、パートプログラムを用いて、多数の類似のワークを検査する場合に)現在のワーク関心領域のよく合焦された画像に対してだけでなく、類似のワークにおける対応するワーク関心領域の将来のよく合焦された画像用のワーク反射率および/または照明再現性等における予想される変動下で、飽和画像画素を制限するかまたは防ぐように、選択することが望ましい。かかる場合に、量的によく合焦された画像においてコントラストメトリックもしくは焦点メトリックを最大限にする照明レベルの僅か下、かつ/または飽和画素が出現し始める照明レベル「転移点」より僅か下に設定される改良された照明レベルを選択することが望ましくなり得る。かかる実施形態は、例えば、パートプログラムにおいて将来使用するために改良された照明レベルを設定する場合には、特に有用になり得る。本発明の様々なパートプログラム実施は、以下でさらに説明する。例示的な一実施形態において、コントラストメトリックまたは焦点メトリックの可能な最大値を提供するレベル未満に、例えば、いくつかの実施形態において、その可能な最大値の多くても95%、または多くても90%、またはより少ない値に、改良された照明レベルを設定することが望ましくなり得る。しかしながら、様々な実施形態において、上記で概説した原理に従って、メトリックは、様々な用途において十分な精度および再現性を提供する光レベルの関数として、その可能な最大値の少なくとも60%を達成することが望ましい。しかしながら、これらの特定の値は、あくまでも例示であり、限定ではない。いくつかの実施形態において、上に概説するような改良された光レベルの決定が、それぞれの照明レベルにおいて複数の量的によく合焦された画像を取得するために光レベルを変更することと、コントラスト関連メトリック用に照明感度データ(例えば、図5に示しかつ上記で説明したように照明感度曲線に類似したデータまたはその一部)を決定することと、照明感度データに基づいて改良された照明レベルを決定することと、を含んでもよいことが、理解されよう。別の実施形態において、上記で概説した一般的な発明原理を満たす改良された光レベルは、周知の光レベルで取得された少なくとも1つの量的によく合焦された画像に基づいて決定してもよい。例えば、上記で概説した線形照明モデルが適用可能な場合には、量的によく合焦された画像は、比較的低い光レベルを用いて取得してもよい。次に、関心領域における最も明るい画素を、その画像において識別してもよい。次に、画像特性を外挿することによって、光レベル設定と画像画素輝度との間の線形関係を仮定すると、改良された光レベルは、いくつかの最も明るい画素(例えば、ROIにおいて、1、10もしくは50画素、または画素の1%もしくは2%等)が、飽和値または本明細書で概説する原理と一致する別のレベルの少なくとも90%か95%か100%に達することを、画素輝度メトリックまたは画素飽和メトリックが示す場合に、識別可能である。別の実施形態において、複数(例えば、2つ)の量的によく合焦された画像は、それぞれの光レベルを用いて取得してもよい。次に、関心領域における最も明るい画素の輝度の変動、またはコントラストもしくは焦点メトリックの変動は、画像間で決定してもよい。次に、光レベル設定と画像画素輝度との間の線形関係を仮定するか、またはコントラストもしくは焦点メトリックの照明感度曲線用の所定の形状を仮定すると、改良された光レベルは、次のように選択してもよい。すなわち、いくつかの最も明るい画素が、飽和値の少なくとも90%か95%か100%、もしくは本明細書で概説する原理と一致する別のレベルに達するか、またはコントラストもしくは焦点メトリックが、光レベルの関数として、その最大値の少なくとも望ましいパーセンテージ(例えば、様々な実施形態において60%か75%か80%もしくはそれ以上)もしくは本明細書で概説する原理と一致する別のレベルを達成したことを、画素輝度メトリックまたは画素飽和メトリックが示した場合の改良された光レベルに画像特性を外挿することによって、選択してもよい。限られた数の実際の画像に基づいた、望ましい光設定および/または光設定の組み合わせに対する外挿の様々な方法が、前に説明した’180および’863特許で教示されており、かかる方法は、本発明のために開示した原理と一致する形で適応してもよい。
【0055】
前述のメトリックおよび関連する制限または目標レベルは、様々な実施形態において十分に最適な照明を提供する改良された光制御パラメータに対応すると見なしてもよい。しかしながら、前述のメトリックおよび関連する制限または目標レベルが、あくまでも例示であり、限定ではないことが理解されよう。特定のメトリックおよび/または制限もしくは目標値は、特定の用途、ワークまたは関心領域用に充当してもよく、経験に基づいて決定してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、上記で概説したメトリックなどのメトリックの組み合わせを結合して用いてもよいことは明らかであろう。例えば、一実施形態において、実行モード中に、改良された光制御パラメータは、条件、すなわち、量的によく合焦された画像用のコントラストメトリックが、最大値(例えば、最大値は、学習モード中に取得された照明感度データに基づいて確立してもよい)の少なくとも60%に対応する最小値を達成すること、および画素輝度メトリック、または飽和画素メトリックが、画素が全く飽和していないことを示すこと、という条件を満たすことが、要求される可能性がある。
【0056】
いくつかの実施形態において、上記で概説した様々な動作は、(例えば、パートプログラムにおいて記録および使用される動作およびパラメータを決定する場合に)学習動作モードで実行してもよいことが理解されよう。他の実施形態において、上記で概説した様々な動作は、(例えば、パートプログラムを自動的に実行する場合に)実行動作モードで実行してもよい。様々な実施方法は、図7−11に関連して以下でさらに説明する。
【0057】
図6Aおよび6Bは、改良された照明の自動焦点ツールユーザインタフェース620(その外観はまた、改良された照明の自動焦点ツールユーザインタフェースウィジェット620と呼んでもよい)を含むユーザインタフェース600の一実施形態における様々な特徴を示す図である。図6Aは、2つのワーク表面610aおよび610bと、本発明に従って、自動焦点ツールユーザインタフェース620が改良された照明の自動焦点モードで動作することを示す照明シンボルモードインジケータ621を含む改良された照明の自動焦点ツールユーザインタフェース620と、改良された照明の自動焦点ツールモードがアクティブである間に定義される関心領域または関心領域インジケータ622と、含む視野605を示す。いくつかのビジョンシステムにおいて、本明細書に開示する改良された照明の自動焦点ツール、モードまたは方法は、周知または従来の自動焦点ツール、モードまたは方法と共に提供してもよいことが理解されよう。したがって、照明シンボルモードインジケータ621は、改良された照明の自動焦点動作モードを、他の自動焦点動作モードと区別する。本明細書で詳細には説明していない、改良された照明の自動焦点ツールおよびそのユーザインタフェース620の動作の様々な態様は、商用システムにおける周知の方法に従って、かつ/または本明細書で説明するように動作してもよい。図6Aに示す図において、ユーザインタフェース関心領域622は、編集のために選択された。関心領域622が、編集のために選択された場合には、サイズ/位置編集ハンドル625のセット(ドラッギングによって制御可能なハンドル627などの個別ハンドルを含む)は、図示のように、コーナーおよび側部に沿って表示してもよい。改良された照明の自動焦点ツールまたはモード(例えば、ユーザインタフェース620によって実行されるような)は、上記で概説した原理に従って、動作のある組み合わせを実行する。特に、改良された照明の自動焦点ツールまたはモードは、改良された光設定が、初期光設定を用いて量的によく合焦された初期画像に基づいて、量的に確立され、次に、その改良された光設定を用いて取得された画像に基づいて最良焦点Z高さを確立するために用いられる量的自動焦点動作のセットが続くようにする。
【0058】
図6Bは、改良された照明の自動焦点ツールタイプの作動ボタン640を含むツール選択バー607の一実施形態を示す。図6Bは、ユーザインタフェース構成を示すが、この構成では、ツール選択バー607は、改良された照明の自動焦点ツールまたはモードが、改良された照明の自動焦点ツールまたはモードボタン640のまわりの「アクティブ」ボックス645を介してアクティブになり、他の自動焦点ツール/モードボタンが、非アクティブ(他のツール/モードボタンのまわりに「アクティブ」ボックスはない)に設定されていることを示す。これは、現在の自動焦点ツールモードが、改良された照明の自動焦点ツールモードであることを示す。様々な実施形態において、ユーザが、仮に別のツール/モードボタンの1つ(例えば、改良されていない照明または従来の自動焦点ツールまたはモードボタン650)を「押した」場合には、押されたツールおよび/またはモードは、アクティブになり、次に、(図6Aに示す)個別関心領域(インジケータ)622の編集に関連する動作および表示要素ならびに改良された照明の自動焦点ツールまたはモードの動作は、完了および/またはディスエーブルされることになろう。いくつかの実施形態において、図6Bにおけるツール選択バー607の状態は、次の点において図6Aに表示したユーザインタフェースの状態に対応してもよい。すなわち、関心領域(インジケータ)622が、選択またはアクティブにされた場合には、改良された照明の自動焦点ツールまたはモードは、ツール620と関連してアクティブにされてもよく、他のツール/モードボタンは、それらの以前の状態にかかわらず、非アクティブにされてもよいという点である。これはまた、任意の他のツールの関心領域(インジケータ)が視野605において選択された場合には、そのツールと関連した動作であってもよい。
【0059】
一実施形態において、改良された照明の自動焦点ツール620の1つまたは複数のインスタンスが、学習モードのための実施方法、または実行モード改良実施、または条件付き実行モード改良実施、または実行モード起源実施(これらのそれぞれは、以下でより詳細に説明する)などの特定の実施方法に従って動作するように構成されているかどうかを決定するツールモード決定動作を提供してもよい。一実施形態において、改良された照明の自動焦点ツール620の特定の実施方法は、一般的には自動焦点ツールもしくはモード用の、および/または特に改良された照明の自動焦点ツールもしくはモード用の動作パラメータを設定する構成メニューウィンドウなどのユーザインタフェース機能を用いて、ユーザが設定してもよい。
【0060】
図7Aおよび7Bは、学習モードまたは実行モード中に改良された照明の自動焦点動作を実行するための第1の例示的なルーチン700を示す流れ図である。図7Aに示すように、ブロック710において、精密マシンビジョン検査システムおよび現在のワークが提供される。精密マシンビジョン検査システムには、例えば、ユーザインタフェース、撮像部、制御可能照明部、合焦部、および画像プロセッサを含む制御部を含んでもよい。
【0061】
ブロック720において、(例えば、ユーザによってか、または独立した光調整ツールによって設定されるような)光制御パラメータの初期セットによって制御される制御可能照明部を用いて、現在のワークにおける第1の焦点関心領域が照明される。ブロック730において、精密マシンビジョン検査システムは、複数のZ高さにおいて光制御パラメータのセットを用いて取得されたワーク画像の初期セットに基づいて、第1の焦点関心領域用の焦点曲線データの初期セットを提供するように操作される。ブロック760において、精密マシンビジョン検査システムは、第1の焦点関心領域用の初期焦点Z高さに設定されるが、この場合に、初期焦点Z高さは、焦点曲線データの初期セットに基づいて量的に推定され、かつ図3−5に関連して前に概説した原理に従って、改良された最適化照明を提供するための基礎として、よく合焦された画像を提供する、量的に推定された焦点ピーク位置である。ブロック770において、改良された光制御パラメータのセットは、初期焦点Z高さにおいてそれぞれの光制御パラメータを用いて取得された第1の焦点関心領域の少なくとも1つのそれぞれの画像に基づいて、自動的に決定および/または学習される。前に概説したようないくつかの状況では、単一の画像で十分であるが、それぞれの光制御パラメータを用いる複数の画像に基づいて改良された光制御パラメータのセットを決定することは、照明チャネルの組み合わせが、照明用に用いられる場合、またはワーク特性が予測不能ではない場合、または可能な最高の精度が要求される場合等において、よりロバストになり得る。いずれにせよ、改良された光制御パラメータのセットは、改良された光制御パラメータのセットが、焦点曲線データの初期セットのピーク値より高いピーク値を有する焦点曲線データのセットを提供することを示すコントラスト関連メトリック(例えば、飽和画素メトリックまたはコントラストメトリック)用の値を有する画像に対応する。コントラスト関連メトリック、および改良された光制御パラメータのセットの決定におけるそれらの利用に関連する様々な考察は、(例えば、特に図4および5に関連して)前に概説したが、ブロック770の動作は、それに応じて構成してもよい。次に、ルーチンは、ポイントAに進み、ポイントAは、図7Bの決定ブロック774で継続する。
【0062】
図7Bに示すように、決定ブロック774(図7AのポイントAから続く)において、改良された照明の自動焦点動作の現在のセットが、(例えば、学習モード中にツールを訓練する間に実行される改良された照明の自動焦点ツール動作の場合におけるように)パートプログラムを作成するために学習モード中に実行されている場合には、動作はブロック775に進み、そこにおいて、ブロック770で決定された、改良された光制御パラメータのセットは、(例えば、図8Aおよび8Bに関連して説明する学習モードに管理された、または無条件、または条件付き実行モード改良実施において)対応するワークにおける対応する第1の焦点関心領域を検査する場合に後で使用するために、パートプログラムに関連して記憶される。さもなければ、(例えば、手動検査用に、またはパートプログラム制御下の自動実行モード実施中に実行される改良された照明の自動焦点ツール動作の場合のように)改良された照明の自動焦点動作の現在のセットが、決定ブロック774でパートプログラムを作成するために学習モード中で実行されていない場合に、動作は、ブロック780に進む。ブロック780において、精密マシンビジョン検査システムは、ブロック770で決定された、改良された光制御パラメータのセットを用いて取得された改良されたワーク画像セットに基づいて、第1の焦点関心領域用の改良された焦点曲線データセットを提供するように操作される。次に、ブロック790において、第1の焦点関心領域用の改良された正確な焦点Z高さは、(例えば、前に概説した原理に従って)改良された焦点曲線データセットに基づいて、量的に推定される。いくつかの実施形態において、改良された正確な焦点Z高さは、検査寸法として記録される。他の実施形態において、マシンビジョン検査システムは、改良された正確な焦点Z高さに配置されて、第1の関心領域において可能な最良焦点を備えた画像を取得する。一実施形態において、動作がブロック780および790に進む実施方法は、改良された照明の自動焦点ツール動作をパートプログラムに含むこと、および(例えば、学習モード中に改良された照明パラメータのセットを決定することなしに)そのツールを実行モード中に開始することに対応可能である。かかる実施方法は、実行モード起源実施と呼んでもよい。かかる実施方法は、例えば、実行モードの実行時間が重要ではない場合、および/または照明チャネルが単純な構成に制限されている場合に、適している場合がある。
【0063】
図8Aおよび8Bは、(例えば、パートプログラムの制御下で)実行モード中に、改良された照明の自動焦点動作の様々な代替セットを実行するための第2の例示的なルーチン800を示す流れ図である。図8Aに示すように、ブロック810において、精密マシンビジョン検査システムが、検査される現在のワークと共に、実行モードにおけるパートプログラムの制御下で提供される。精密マシンビジョン検査システムには、例えば、撮像部、制御可能照明部、合焦部、および画像プロセッサを含む制御部を含んでもよい。
【0064】
ブロック820において、学習モードで改良された光制御パラメータの記憶されたセット(例えば、パートプログラムか、または精密マシンビジョン検査システムの制御部における関連メモリ位置に記録された)が、第1の焦点関心領域用に呼び出され、かつ現在のワークにおける対応する第1の焦点関心領域は、学習モードで改良された光制御パラメータ(例えば、図7Bのブロック775で決定および記憶されるような、学習モードで改良された光制御パラメータ)の呼び出されたセットを用いて制御可能照明部で照明される。ブロック830において、精密マシンビジョン検査システムは、複数のZ高さで、呼び出された、学習モードで改良された光制御パラメータを用いて取得されたワーク画像の初期セットに基づいて、第1の焦点関心領域用の焦点曲線データの初期の改良されたセットを提供するように操作される。次に、ブロック840において、初期の改良された焦点Z高さが、第1の焦点関心領域用に決定されるが、この場合に、初期の改良された焦点Z高さは、焦点曲線データの初期の改良されたセットに基づいて量的に推定され、かつ(例えば、前に概説した原理に従って)よく合焦された画像を提供する量的に推定された焦点ピーク位置である。
【0065】
次に、図8Aおよび8Bに示す実施形態において、次に、実行モードで改良される照明の自動焦点実施の現在のタイプが、決定ブロック852および854によって反映されるように決定される。特に、動作は、ブロック840から決定ブロック852へ進み、そこで、改良された照明の自動焦点動作の、学習モードに管理されたセットが実行されている場合には、ルーチンはポイントAに進み、ポイントAは、図8Bのブロック895に進み、そこで初期の改良された焦点Z高さは、第1の焦点関心領域用の改良された正確な焦点Z高さとして用いられる。換言すれば、学習モードのための実施方法において、学習モード動作中に第1の焦点関心領域用に決定された、改良された光制御パラメータのセットは、実行モード中に、対応するワークにおける対応する第1の焦点関心領域用の改良された正確な焦点Z高さを決定するための正確な自動焦点動作において用いるのに十分に最適であると見なされる。学習モードのための実施方法は、高速実行モードの実行が望ましく、ならびに表面(またはエッジ)反射特性がワーク間で一貫しており、および/または学習モードのための実施方法によって十分精度が提供されると決定された場合には、有用であり得ることが理解されよう。いくつかの実施形態において、かかる決定は、図5に関連して前に概説したように、学習モード動作中に取得および解析された照明感度データに基づいてもよい。改良された照明の自動焦点動作の学習モードに管理されたセットが、第1の焦点関心領域用に使用されていないと決定ブロック852で決定された場合には、動作は、決定ブロック854に進む。
【0066】
決定ブロック854において、条件付き実行モードの照明改良自動焦点動作が実行されているかどうかが決定される。実行されていなければ、無条件実行モードの照明改良自動焦点動作が実行されており、ルーチンはポイントCへ進み、ポイントCは、図8Bのブロック860に無条件で進み、そこで、以下でより詳細に説明するように、自動焦点照明パラメータのさらなる実行モード改良が開始される。条件付き実行モードの照明改良自動焦点動作が実行されていると決定ブロック854で決定された場合には、ルーチンはポイントBへ進み、ポイントBは、図8Bのブロック856および858へ進み、そこで、コントラスト関連メトリック値が、自動焦点照明パラメータのさらなる実行モード改良が必要とされる「条件」を示すかどうかが決定される。特に、ブロック856において、コントラスト関連メトリック(例えば、図5に関連して前に概説したような飽和またはコントラストメトリック)値が、(例えば、ブロック840で決定されるような)初期の改良された焦点Z高さに近いZ高さにおいて、呼び出された学習モードで改良された光制御パラメータを用いて取得された画像用に決定される。一実施形態において、(ブロック830で取得されような)ワーク画像の初期セットの1つが、(例えば、システムにおける対物レンズの被写界深度内で)初期の改良された焦点Z高さに十分に近いZ高さで取得された場合には、その画像を用いて、ブロック856でコントラスト関連メトリック値を決定してもよい。別の実施形態において、初期の改良された焦点Z高さに正確にシステムを配置してもよく、呼び出された学習モードで改良された光制御パラメータを用いて画像を取得してもよく、その画像を用いて、ブロック856でコントラスト関連メトリック値を決定してもよい。次に、いずれにせよ、動作は、ブロック856から決定ブロック858に進む。
【0067】
決定ブロック858において、学習モードで改良された光制御パラメータのセットが十分に最適な照明を提供することを、ブロック856で決定されたコントラスト関連メトリック値が示すかどうかが決定される。示す場合には、この条件下で、動作はブロック895に進み、そこで、初期の改良された焦点Z高さが、第1の焦点関心領域用の改良された正確な焦点Z高さとして用いられる(例えば、それは、第1の焦点関心領域用か、かつ/または追加的な検査動作用の「最良焦点画像」を提供するための「検査値」Z高さとして用いられる)。換言すれば、条件付き実行モード改良実施において、学習モード動作中に第1の焦点関心領域用に決定された、改良された光制御パラメータのセットが、実行モード中にブロック856の条件下で、コントラスト関連メトリック用の十分に優れた値を提供する場合には、これらの光制御パラメータは、実行モード中に、対応するワークにおける対応する第1の焦点関心領域用の正確な自動焦点動作で用いるために十分に最適であると見なされる。いくつかの実施形態において、決定ブロック858で「十分に優れた値」を構成するものの限界は、経験に基づいて、かつ/または例えば図5に関連して前に概説したように、学習モード動作中に取得および解析された照明感度データに基づいて決定してもよい。条件付き実行モードの照明改良実施が、呼び出された学習モードで改良された光制御パラメータ(それらが十分である場合に)に基づいて高速な実行モードの実行をもたらすだけでなく、光制御パラメータが自動焦点精度および再現性の最高レベルを保証するほど十分に最適でない場合には、これらの光制御パラメータの実行モード改良をさらに開始することが理解されよう。特に、決定ブロック858で決定されたコントラスト関連メトリック値が、学習モードで改良された光制御パラメータのセットが十分に最適な照明を提供しないことを示すかどうかが、ブロック856で決定された場合には、この条件下で、動作はブロック860に進む。
【0068】
図8Bに示し、かつ上記で説明したように、ブロック860、870、880および890の動作は、(例えば、上記で概説したように、ポイントCからのエントリによって)自動焦点照明パラメータの無条件実行モード改良を含む実施方法中、または(例えば、上記で概説したように、決定ブロック858の「no」条件からのエントリによって)自動焦点照明パラメータの条件付き実行モード改良を含む実施方法中に用いてもよい。いずれの場合も、ブロック860において、マシンビジョン検査システムは、図3−5に関連して前に概説した原理に従って、さらに改良された最適化照明用の基礎として、ブロック840で決定され量的に推定された初期の改良された焦点Z高さにおいて設定される。次に、動作は、ブロック870で継続する。
【0069】
ブロック870において、改良された光制御パラメータのセットが、ブロック860で設定された初期の改良された焦点Z高さでそれぞれの光制御パラメータを用いて取得された、第1の焦点関心領域の少なくとも1つのそれぞれの画像に基づいて、自動的に決定および/または学習される。前に概説したように、いくつかの状況に対しては単一の画像で十分であるが、それぞれの光制御パラメータを用いる複数の画像に基づいて、改良された光制御パラメータのセットを決定することは、照明用に照明チャネルの組み合わせが用いられる場合、またはワーク特性が予測不能でない場合、または可能な最高の精度が要求される場合等には、よりロバストになり得る。いずれにせよ、改良された光制御パラメータのセットは、焦点曲線データの初期セットのピーク値より高いピーク値を有する焦点曲線データセットを改良された光制御パラメータのセットが提供することを示すコントラスト関連メトリック(例えば、飽和画素メトリックまたはコントラストメトリック)用の値を有する画像に対応する。コントラスト関連メトリック、および改良された光制御パラメータのセットを決定する際におけるこれらのメトリックの使用に関連する様々な考察は、(例えば、特に図4および5に関連して)前に概説されており、ブロック870の動作は、それに応じて構成してもよい。
【0070】
次に、ブロック880において、精密マシンビジョン検査システムは、ブロック870で決定された改良された光制御パラメータのセットを用いて取得された、改良されたワーク画像のセットに基づいて、第1の焦点関心領域用の改良された焦点曲線データセットを提供するように操作される。次に、ブロック890において、第1の焦点関心領域用の改良された正確な焦点Z高さは、(例えば、前に概説した原理に従って)改良された焦点曲線データセットに基づいて量的に推定される。いくつかの実施形態において、改良された正確な焦点Z高さは、検査寸法として記録される。他の実施形態において、マシンビジョン検査システムは、改良された焦点Z高さに配置されて、第1の関心領域において可能な最良焦点を備えた画像を取得する。自動焦点照明パラメータの無条件または条件付き実行モード改良を含む実施方法中における、ブロック860、870、880および890の動作の実行が、前に概説した原理に従って、可能な最良の実行モード自動焦点精度および再現性を常に提供することが理解されよう。
【0071】
最初に学習モード中に改良された自動焦点照明パラメータの無条件および条件付き実行モード改良の1つの潜在的利点は、スループットが問題ではなく、かつ異なる照明チャネルおよび/またはそれらの組み合わせ(例えば、様々なリング照明クアドラント(quadrants)、同軸光源、ステージ光源、様々な色等)の影響を調査する十分な時間がある場合には、学習モード中に様々な照明構成を調査し得ることである。次に、実行モード中に、スループットがより重要な場合には、「改良」は、ある実施方法では、どの照明チャネルが用いられるかを変更せずに、前に「学習」または選択された照明チャネルの輝度を単に変更することに制限してもよい。しかしながら、かかる実施形態が、あくまでも例示であり、限定ではないことが理解されよう。いくつかの実施形態において、照明チャネル選択は、必要に応じて実行モード中に変更してもよい。
【0072】
一般に、本発明の改良された照明の自動焦点方法は、様々な用途に適用してもよい。例えば、一用途において、この方法は、多数の関心領域が所与の視野に存在する場合に適応させてもよい。かかる例において、各関心領域用に照明最適化を実行することが望ましい場合があるという点において、追加的な複雑さを伴う可能性がある。一実施形態において、最適照明パラメータの一セットを、ワーク自動焦点画像の第1の改良されたセットに基づいて、自動合焦される視野内の第1の関心領域と関連付けてもよく、次に、最適照明パラメータの別のセットを、ワーク自動焦点画像の別の改良されたセットに基づいて、自動合焦される視野内の別の関心領域と関連付けてもよい。一実施形態において、最適照明パラメータのより多くのセットの1つ(例えば、最適化照明パラメータの第1のセットまたは別のセット)を、視野における複数の関心領域の量的に十分によく合焦された画像に基づいて(例えば、各それぞれの関心領域においてコントラスト関連メトリック値の評価に基づいて)評価し、最適化照明パラメータの一セットが、複数の関心領域用の正確な自動合焦において用いるために十分に最適であるかどうかを決定してもよい。
【0073】
本発明による正確で改良された照明の自動焦点ツール、モードまたは方法が、任意の形状を備えた関心領域に適用可能であることが理解されよう。また、特定の動作(例えば、自動焦点、エッジ検出、3D再構成等)用の所望の照明レベルを得るために、コントラストを測定するためのこれらの方法を適用することによって、関心領域における表面自動焦点および/またはエッジ自動焦点、ならびに/または多数の「焦点から離れたポイント」の3D表面再構成等に関連する動作用に多数の利点を提供し得ることが理解されよう。前に概説したように、かかる利点には、オペレータのスキルまたは判断にかかわらず、かかる自動焦点関連動作のために可能な最高の精度および再現性を、迅速、自動的、かつロバストに提供することが含まれる。精度および再現性における関連する向上が、比較的小さい場合さえ(例えば、ある倍率に対してサブミクロンレベル)、かかる自動焦点動作の再現性、精度および/またはロバスト性における小さな改善さえも、数多くの用途において重要であること、特に、ある困難な表面(例えば、非常に変わりやすいテクスチャ表面)の測定に関して提供することがやはり困難であること、および全ての場合において、精密測定動作を実行するときに、より高い精度が一般により望ましいことが理解されよう。
【0074】
本発明の好ましい実施形態を図示し説明したが、動作の特徴およびシーケンスの図示し説明した配列の多数の変動が、本開示に基づいて当業者に明らかになろう。したがって、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、本発明において様々な変更をなし得ることが理解されよう。
【符号の説明】
【0075】
10・・・マシンビジョン検査システム、12・・・ビジョン測定機、14・・・制御コンピュータシステム、16・・・ディスプレイ、18・・・プリンタ、20・・・ワーク、22・・・ジョイスティック、24・・・キーボード、26・・・マウス、32・・・可動ワークステージ、34・・・光学撮像系、100・・・マシンビジョン検査システム、120・・・制御システム部、125・・・コントローラ、130・・・入力/出力インタフェース、131・・・撮像制御インタフェース、132・・・運動制御インタフェース、132a・・・位置制御要素、132b・・・速度/加速制御要素、133・・・照明制御インタフェース、133a・・・照明制御要素(光源1−選択、電力、オンオフスイッチ、パルスタイミング)、133n・・・照明制御要素(光源n−選択、電力、オンオフスイッチ、パルスタイミング)、134・・・レンズ制御インタフェース、136・・・表示装置、138・・・入力装置、140・・・メモリ、141・・・画像ファイルメモリ部、142・・・ワークプログラムメモリ部、143・・・ビデオツール部、143a・・・ツール部、143f・・・自動焦点ツール部、143fa・・・自動焦点モード制御部、143fb・・・標準自動焦点ツール、143fc・・・照明最適化自動焦点ツール、143x・・・関心領域ジェネレータ、170・・・ワークプログラムジェネレータおよび実行器、190・・・電源部、200・・・ビジョン構成要素部、205・・・光学アセンブリ部、210・・・ワークステージ、212・・・中央透明部、220・・・ステージ光源、221・・・信号線またはバス、222・・・光源光、230・・・同軸光源、231・・・信号線またはバス、232・・・光源光、240・・・表面光源、241・・・信号線またはバス、242・・・光源光、250・・・交換可能対物レンズ、255・・・ワーク光、260・・・カメラシステム、262・・・信号線、280・・・タレットレンズアセンブリ、281・・・信号線またはバス、284・・・軸、286・・・レンズ、288・・・レンズ、294・・・制御可能モータ、296・・・信号線、300・・・グラフ、310・・・比較的広い照明範囲、320・・・再現性範囲、330・・・最適化照明範囲、340・・・最良再現性範囲、400・・・グラフ、410・・・代表的な初期照明焦点曲線、414・・・焦点曲線データポイント、415・・・焦点ピーク、420・・・代表的な改良された照明の焦点曲線、424・・・焦点曲線データポイント、425・・・焦点ピーク、500・・・グラフ、510・・・照明レベル感度曲線、520・・・照明レベル感度曲線、530・・・照明レベル感度曲線、540・・・照明レベル感度曲線、600・・・ユーザインタフェース、605・・・視野、607・・・ツール選択バー、610a・・・ワーク表面、610b・・・ワーク表面、620・・・改良された照明の自動焦点ツールユーザインタフェース、621・・・照明シンボルモードインジケータ、622・・・関心領域インジケータ、625・・・サイズ/位置編集ハンドル、627・・・ハンドル、640・・・改良された照明の自動焦点ツールまたはモードボタン、645・・・アクティブボックス、650・・・改良されていない照明のまたは従来の自動焦点ツールまたはモードボタン、700・・・ルーチン、710、720、730、760、770、774、775、780、790・・・ブロック、800・・・ルーチン、810、820、830、840、852、854、856、858、860、870、880、890、895・・・ブロック
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にマシンビジョン検査システム(画像測定装置)に関し、特に正確な寸法検査用のビデオツールおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
精密なマシンビジョン検査システム(画像測定装置または略して「ビジョンシステム」)を用いて、検査対象物の正確な寸法測定値を取得し、かつ様々な他の物性を検査することができる。かかるシステムには、コンピュータ、カメラおよび光学系、ならびにワークの検査を可能にするために多方向に移動可能な精密ステージを含んでいる。汎用「オフライン」精密ビジョンシステムの一例としてイリノイ州オーロラ(Aurora,IL)にあるMitutoyo America Corporation (MAC)から入手可能で、市販のPCベースビジョンシステムのQUICK VISION(登録商標)シリーズおよびQVPAK(登録商標)ソフトウェアが挙げられる。ビジョンシステムのQUICK VISION(登録商標)シリーズおよびQVPAK(登録商標)ソフトウェアの特徴および動作が、例えば、QVPAK 3D CNC Vision Measuring Machine User's Guide, published January 2003およびQVPAK 3D CNC Vision Measuring Machine Operation Guide, published September 1996に一般的に説明されている。このタイプのシステムは、顕微鏡タイプの光学系を用い、ステージを移動させて、小さいかまたは比較的大きなワークの検査画像を様々な倍率で提供することができる。
【0003】
また、QUICK VISIONTMシステムなどの汎用精密マシンビジョン検査システムは、一般に、自動ビデオ検査を提供するようにプログラム可能である。かかるシステムには、「非熟練」オペレータが操作およびプログラミングを実行できるように、典型的にはGUI機能および所定の画像解析「ビデオツール」が含まれる。例えば、米国特許第6,542,180号は、自動ビデオ検査を用いる、かかるビジョンシステムを教示している。ビデオツールは、略して単に「ツール」と呼んでもよい。例えば、エッジ検出ツールには、エッジ上のポイントを検出するためのポイントツール、ボックスツール、すなわちボックスツールによって画定された関心領域に位置するエッジの位置および方向を検出するためのボックスツール等を含んでいる。
【0004】
’180特許で教示されているように、自動ビデオ検査計測機器は、一般に、各特定のワーク構成に対して、ユーザが自動検査イベントシーケンスを定義できるようにするプログラミング能力を有する。かかるプログラミングは、テキストベースのプログラミングとして実行するか、または(例えば、様々な半自動もしくは自動ビデオツール動作の支援で)ユーザが定義および/または実行する検査動作シーケンスに対応するマシン制御命令および個別ビデオツールパラメータシーケンスを記憶することによって、検査イベントシーケンスを徐々に「学習」する記録モードを通して実行するか、または両方の方法の組み合わせを通して実行することができる。かかる記録モードは、「学習モード」または「訓練モード」と呼ばれることが多い。いずれの技術でも、マシン制御命令および個別ビデオツールパラメータは、一般に、特定のワーク構成に特有のパートプログラムとして記憶され、かつ動作の「実行モード」中に検査動作の所定のシーケンスを自動的に実行する。
【0005】
(カメラシステムの光軸および焦点軸に沿った)Z高さ測定値は、一般に、自動焦点ツールまたは方法によって決定された最良焦点位置などの「最良焦点」位置から導出される。一般に、先行技術の自動焦点方法および/またはツールによれば、カメラは、z軸(焦点軸)に沿い一連の位置を通って移動し、各位置で画像を捕捉する。各捕捉画像に対し、焦点メトリックが、画像に基づき、かつ画像が捕捉されたときのz軸に沿ったカメラの対応位置に関連して、計算される。これは、結果として焦点曲線データをもたらすが、この焦点曲線データは、単に「焦点曲線」または「自動焦点曲線」と呼んでもよい。焦点曲線のピークは、z軸に沿った最良焦点位置に対応するが、焦点曲線データに曲線をあてはめて、あてはめられた曲線のピークを推定することによって、見つけてもよい。上記で概説した方法と類似した周知の一自動合焦方法は、"Robust Autofocusing in Microscopy", by Jan-Mark Geusebroek and Arnold Smeulders in ISIS Technical Report Series, Vol. 17, November 2000において論じられている。この開示の方法は、ビデオハードウェアが固定レートでフレームを捕捉すること、および焦点曲線のサンプリング密度が、ステージ速度を調整することによって影響され得ることを教示する。別の周知の自動焦点方法および装置が、米国特許第5,790,710号に説明されている。この特許では、従来のモータ駆動運動制御システムと関連して圧電ポジショナを用いて、Z軸位置運動を制御する一方で、自動焦点画像を取得する。別の改善された自動焦点システムおよび方法が、米国特許第7,030,351号に説明されている。
【0006】
ミクロンまたはサブミクロン範囲の測定精度および再現性が、精密マシンビジョン検査システムによって用いられる検査画像の平面において、XおよびY軸に沿ってごく普通に得られる。しかしながら、自動焦点ツールまたは動作に基づいてZ高さ測定値用に達成される精度および再現性のレベルは、精密マシンビジョン検査システムにおいて他の測定軸に対して達成されるレベルよりも一般に低い。より正確かつ/または再現可能なZ高さ測定値を決定できるようにするために、自動焦点ツールが、改善された精度、再現性およびロバスト性で自動的に動作することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
この概要は、以下において、発明を実施するための形態でさらに説明する概念の抜粋を簡略化した形態で導入するために提供される。この概要は、特許請求される主題の主要な特徴を定義するようには意図されておらず、また特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として用いられるようにも意図されていない。
【0008】
画像焦点および照明最適化の相互作用の重要な性質は、特に自動焦点ビデオツール精度ならびに/または再現性およびロバスト性の最高の達成可能レベルに関して、かつ特にある表面仕上げおよび/またはパターンに関して、マシンビジョン検査システムにおいて完全には理解されることも取り組まれることもなかった。典型的な先行技術の自動焦点方法は、ユーザの質的な光設定によってか、またはユーザが選択する場合には、自動焦点ツールから独立して動作する照明調整ツールによって、画像取得のための光設定(照射光条件設定)を決定する。例えば、自動焦点ツールから独立して動作する照明調整ツールが、前に説明した’180特許、および米国特許第6,627,863号に開示されている。簡単に言うと、’180特許は、ユーザが、重要な特徴(例えば、2つの領域間のエッジ)のまわりの2つ以上の関心領域の位置、向きおよびサイズを指定できるようにする、かつその部分を照明するために用いられる光源、測定されるべき画質(例えば、エッジの両端にわたるコントラスト)、およびその画質用の一連の許容できる値を指定できるようにするマルチエリア画質ツールを教示する。次に、マルチエリア画質ツールは、光源輝度を自動的に調整して画質用の許容できる値を達成してもよい。’863特許は、いくつかの基礎画像および現在の照明ベクトルに基づいて画像をシミュレートすることを教示する。実際のワークは、ビジョンシステムの様々な照明光源の1つを用いて撮像される。次に、対象物の少なくとも2つの基礎画像が捕捉されるが、この場合に、各基礎画像は、異なる照明強度を用いて照明される。これが、ビジョンシステムに設けられた各異なる照明光源に対して繰り返される。次に、シミュレートされた画像が、現在の照明ベクトルにおいて規定された光源の光強度に基づいて、基礎画像の様々な画像を組み合わせることによって生成される。各シミュレートされた画像は、それが所望の画質(例えば、所望の輝度レベルおよび/またはコントラスト)を有するかどうかを決定するために評価することができる。現在の照明ベクトルは、所望の画質を有するシミュレートされた画像が取得されるまで、自動的に修正することができる。次に、その照明ベクトルを用いて、よく照明された実際の画像を取得することができる。
【0009】
しかしながら、画像焦点および照明最適化の相互作用の重要な性質が、完全には理解されることも取り組まれることもなかったので、上記で概説した光設定のツールは、自動焦点ツールに適切に統合されるともなく、または自動焦点再現性および精度の最高の達成可能レベルを確実に提供するような形で自動焦点ツールと共に動作するように構成されることもなかった。例えば、自動焦点再現性に関して、図3は、精密マシンビジョン検査システムにおけるワーク表面用に、光レベルに関しての代表的な自動焦点再現性を表すグラフ300を示す。図3に示すように、比較的広い照明範囲310があるが、この範囲では、優れた再現性レベルが、対応する再現性範囲320(例えば、0.3ミクロンよりよい)において取得可能である。典型的な先行技術の自動焦点方法は、ユーザの質的な光設定または自動焦点ツールから独立して動作する照明調整ツールによって、広範囲310内で照明を提供したが、しかし自動焦点ツールは、最良レベルの再現性340(例えば、約0.2ミクロン)に対応する最適化範囲330内の照明を確実には実現しなかった。様々な関連する考察を、図3に関連して以下でより詳細に論じる。再現性の問題に加えて、非最適化自動焦点照明は、特に照明が結果として飽和画素をもたらす場合には、Z高さ測定精度を低下させる可能性がある。さらに、最適化自動焦点照明は、よく合焦された画像以外では、確実に確立することができず、その結果、自動焦点結果を最適化するために、合焦および光設定の反復的な方法が必要とされる。かかる問題は、特に図5に関連して以下でより詳細に論じる。
【0010】
本発明は、先行技術では確実には取得されないレベル(例えば、最適化再現性範囲340内)において自動焦点精度および/または再現性および/またはロバスト性を確実に提供する自動焦点ビデオツールと共に使用可能な(例えば、最適化照明範囲330内の)最適化自動焦点照明方法を提供する。以下でより詳細に説明するように、完全に最適化された自動焦点照明の信頼できてロバストな決定のためのこの方法は、非常によく合焦された画像(例えば、画像は量的焦点解析を用いて合焦された画像)の提供および解析を実現する。
【0011】
前に概説したように、自動焦点方法は、焦点曲線を決定および解析してそのピークを発見することに基づくことが多い。焦点曲線の決定には、一般に、異なる合焦距離で取得された一連の画像に基づいて、カメラからワークまでの焦点距離の関数として、画像焦点メトリック(例えば、コントラストメトリック)値をプロットすることが含まれる。先行技術において、(例えば、自動焦点ビデオツールにおいて具体化されるような)自動焦点動作は、典型的には、自動焦点動作セット全体を通して同じ照明を利用して、自動焦点の位置に至る。
【0012】
対照的に、本明細書に開示する様々な実施形態において、自動焦点動作セットには、初期自動焦点画像の関連セット用の初期照明構成および/または光レベルを用いて実行される初期量的自動焦点が含まれ、これらの初期自動焦点画像は、初期焦点曲線用の基礎として用いられる。いくつかの実施形態において、初期照明構成は、それが最適化されないように決定されるが、しかし初期自動焦点画像において、飽和画像画素が回避されることは確かである。次に、初期焦点曲線のピークにほぼ対応する初期焦点距離にカメラが設定され、改良された照明構成(例えば、光制御パラメータおよび/または光レベルの改良されたセット)が、次のように決定および/または学習される。すなわち、結果としての画像が、その初期焦点距離において、焦点曲線において用いられる画像焦点メトリックまたはその画像焦点メトリックと関連する画像特性の改善されたレベル(例えば、望ましいかもしくはほぼ最適なレベル)を提供するように決定および/または学習される。次に、第2のまたは最終自動焦点が、最終自動焦点画像の関連セット用の改良された照明構成を用いて実行される。いくつかの実施形態において、以下でより詳細に説明するように、改良された照明構成を設定する場合には、飽和画素を回避するために特定の対策がとられる。画像焦点メトリック値が、最終自動焦点画像セットではより高いので、焦点曲線は、より高いピーク値およびよりよい信号対雑音比を有し、その結果、焦点曲線ピークおよび結果としての自動焦点位置は、より高いレベルの精度および/または再現性で決定することができる。
【0013】
本発明の一態様に従って、反復する自動焦点ピーク発見動作を用いる自動焦点方法が提供されるが、この場合には、照明改良は、初期の量的焦点ピーク発見プロセスの後、および最終の量的焦点ピーク発見プロセスの前に実行される。
【0014】
本発明のさらなる態様に従って、いくつかの実施形態において、改良された照明構成は、初期焦点距離における画像において比較的少数の画像画素しか飽和しないかまたは全く飽和しないように、決定される。
【0015】
一実施形態において、最終自動焦点曲線は、Z軸に沿った自動焦点画像の関連セット間の比較的微細な段階を用いて決定され、そのピーク位置の推定をさらに向上させる。一実施形態において、初期焦点曲線は、(Z軸に沿って)比較的「まばらにサンプリングされた」かまた広く分離された、取得および解析可能な画像に基づいて決定され、焦点ピーク位置を比較的迅速に決定する。
【0016】
一実施形態において、改良された光制御パラメータのセットは、マシンビジョン検査システムの学習動作モード中に、自動焦点関心領域(例えば、自動焦点ツールを用いて画定された関心領域)に対応して決定され、次に、システムは、実行モード中に、(対応するワーク上の対応する位置における)対応する自動焦点関心領域用の焦点曲線データを決定する場合に後で用いるために、改良された光制御パラメータのセットを(例えば、パートプログラムに)記憶する。学習モードのための実施方法では、改良された光制御パラメータの記憶されたセットは、実行モード中に、(対応するワーク上の対応する位置における)対応する自動焦点関心領域用の焦点曲線データの単一および最終セット、ならびに関連するZ高さおよび/または焦点位置を決定するために、変更せずに用いられる。本明細書において実行モード改良実施と呼ばれる一実施方法において、学習モード中に決定された、改良された光制御パラメータの記憶されたセットは、実行モード動作中に、対応する自動焦点関心領域用の焦点曲線データの初期セットを決定するための初期光設定として用いられる。次に、カメラは、初期焦点曲線のピークにほぼ対応する初期実行モード焦点距離に設定され、改良された照明構成は、結果としての画像が、その初期焦点距離における画像焦点メトリック用の改善されたレベルを提供するように、決定される(例えば、照明構成および/または個別光レベルが調整される)。次に、第2のまたは最終自動焦点が、最終自動焦点画像の関連セット用の改良された照明構成および結果としての焦点曲線を用いて、実行モード中に実行され、これが、可能な最良の実行モード自動焦点精度および/または再現性を結果としてもたらす。本明細書で条件付き実行モード改良実施と呼ばれるこの実施方法の変形において、焦点曲線データの初期セットが決定された後で、関連する画像焦点メトリック(例えば、ピーク焦点メトリック)または画像焦点メトリックと相関する画像メトリックの値が決定される。その関連する画像メトリックの値が、焦点曲線データの初期セットが十分に最適な照明に対応することを示すのに、十分である場合には(例えば、実行モード画像メトリックが、学習モード中に決定および記憶された同等のメトリック値に近い場合には)、ツールは、学習モードのための実施方法と同様に動作し、焦点曲線データのその初期セットは、その自動焦点ツールに関連するZ高さおよび/または焦点位置を決定するための焦点曲線データの単一および最終セットとして用いられる。しかしながら、その関連する画像メトリックの値が、焦点曲線データの初期セットが十分に最適な照明に対応することを示すには十分でない場合には、ツールは、実行モード改良実施と同様に動作する。すなわち、カメラは、初期焦点曲線のピークにほぼ対応する初期実行モード焦点距離に設定され、改良された照明構成が、結果としての画像がその初期焦点距離における画像焦点メトリック用の改善されたレベルを提供するように、決定される(例えば、照明構成および/または個別光レベルが調整される)。次に、第2のまたは最終自動焦点が、最終自動焦点画像の関連セット用の改良された照明構成および結果としての焦点曲線を用いて、実行モード中に実行される。この実施方法が、ワークとそれらの画像との間に変動がほとんどない場合には、高速なパートプログラムの実行を保証し、かつまたワーク変動または照明システム変動等の結果としてワーク画像間に著しい実行モード変動がある場合に、ロバストで高精度の自動焦点および/またはZ高さ決定のための最適な実行モード照明調整を条件付きで提供することが理解されよう。
【0017】
別の実施形態では、改良された光制御パラメータのセットが、学習モード中に決定されない。より正確に言えば、本明細書で実行モード起源実施と呼ばれる実施方法において、学習モード照明パラメータのセットが、以前に周知の方法に従って特定の自動焦点ツールおよび関心領域用に決定されて、(例えば、パートプログラムに)記憶される。しかしながら、学習モード中に設定される自動焦点ツールまたは自動焦点ツールモードは、前に概説した反復する焦点および照明ステップを、実行モード中にそのツール用に実行する。すなわち、実行モード中に、そのツールに対して、(例えば、パートプログラムにおいて定義されるような)最初に記憶された照明構成は、実行モード中に決定された初期焦点曲線の基礎である初期自動焦点画像の関連セット用に用いられる。次に、カメラは、その初期実行モード焦点曲線のピークにほぼ対応する初期焦点距離に設定され、改良された照明構成が、結果としての画像がその初期焦点距離における焦点曲線において用いられる画像焦点メトリック(またはその画像焦点メトリックと相関する画像特性)用の改善されたレベルを提供するように、決定される。次に、第2のまたは最終自動焦点および/またはZ高さ決定が、最終自動焦点画像の関連セット用の改良された照明構成を用いて、その自動焦点ツール用に実行される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、もしあれば、前述の精密自動焦点ツール実施のどれが、(例えば、手動モードもしくは学習モード中の、またはパートプログラムに記録されたような)自動焦点ツールと関連するかを決定する自動焦点ツールモード決定動作を提供してもよい。いくつかの実施形態において、自動焦点ツールモード決定動作には、ユーザが自動焦点ツールモードを決定することが含まれる。いくつかの実施形態において、自動焦点ツールモード決定動作には、図5に関連してより詳細に説明するように、照明感度曲線を決定および解析する学習モード動作が含まれる。
【0019】
自動焦点動作の精度の向上が、非常に正確なZ高さ値の決定に関して特に有用であるが、改善された自動焦点精度がまた、他の測定動作(例えば、エッジ位置決めツールの動作等)の精度の向上を支援し得ることが理解されよう。Z高さ値および/または自動焦点の精度および再現性の向上は、ある表面テクスチャおよび/またはテクスチャ変動にとっては比較的重要になり得る。さらに、精度およびロバスト性(外乱の影響の受けにくさ)の向上は、場合によっては比較的小さい(例えば、ある倍率ではサブミクロン)場合があるが、現行の従来技術では、かかる自動焦点動作の再現性、精度および/またはロバスト性における小さな改善でさえ、数多くの用途において取得するのが困難であり、依然として高く評価されることが理解されよう。さらに、全ての場合に、より高い精度は、一般に、精度測定動作を実行する場合にはより望ましい。
【0020】
本発明の前述の態様および付随する利点の多くは、それらが、添附の図面と共に読まれたときの下記の詳細な説明を参照してよりよく理解されるようになるにつれて、より容易に認識されるようになろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】汎用精密マシンビジョン検査システムの様々な典型的な構成要素を示す図である。
【図2】マシンビジョン検査システムの制御システム部およびビジョン構成要素部のブロック図である。
【図3】精密マシンビジョン検査システムにおけるワーク表面に対する、光レベルに関しての代表的な自動焦点再現性を示すグラフである。
【図4】代表的な初期照明焦点曲線および代表的な改良された照明の焦点曲線を示すグラフである。
【図5】画素輝度変動レベル、情報、および照明レベルに関する不飽和画素比など、焦点関連メトリック用の代表的な照明レベル感度データおよび/または曲線を示すグラフである。
【図6A】自動焦点ビデオツールユーザインタフェースの一実施形態の様々な特徴を示す図である。
【図6B】自動焦点ビデオツールユーザインタフェースの一実施形態の様々な特徴を示す図である。
【図7A】学習モードまたは実行モード中に、改良された照明の自動焦点動作を実行するための第1の例示的なルーチンを示す流れ図である。
【図7B】学習モードまたは実行モード中に、改良された照明の自動焦点動作を実行するための第1の例示的なルーチンを示す流れ図である。
【図8A】実行モード中に、改良された照明の自動焦点動作の様々な代替セットを実行するための第2の例示的なルーチンを示す流れ図である。
【図8B】実行モード中に、改良された照明の自動焦点動作の様々な代替セットを実行するための第2の例示的なルーチンを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明に従って使用可能な1つの例示的マシンビジョン検査システム10のブロック図である。マシンビジョン検査システム10には、データおよび制御信号を制御コンピュータシステム14と交換するように動作可能に接続されたビジョン測定機12が含まれる。制御コンピュータシステム14は、さらに、モニタまたはディスプレイ16、プリンタ18、ジョイスティック22、キーボード24およびマウス26とデータおよび制御信号を交換するように動作可能に接続される。モニタまたはディスプレイ16は、マシンビジョン検査システム10の動作を制御および/またはプログラムするのに適したユーザインタフェースを表示してもよい。
【0023】
ビジョン測定機12には、可動ワークステージ32、およびズームレンズまたは交換レンズを含み得る光学撮像系34が含まれる。ズームレンズまたは交換レンズは、一般に、光学撮像系34によって提供される画像用に様々な倍率を提供する。マシンビジョン検査システム10は、一般に、上記の、ビジョンシステムのQUICK VISION(登録商標)シリーズおよびQVPAK(登録商標)ソフトウェア、ならびに類似の従来技術で市販の精密マシンビジョン検査システムに匹敵する。マシンビジョン検査システム10はまた米国特許第7,454,053号、および米国特許出願第12/343,383号に説明されている。ビジョン測定機および制御システムの様々な態様がまた、米国特許出願第10/632,823号、および2004年3月25日出願の米国特許第7,324,682号により詳細に説明されている。本明細書に開示する改良された照明の自動焦点動作は、マシンビジョン検査システムのいくつかの用途に対して測定精度を向上させることができる。
【0024】
図2は、本発明によるマシンビジョン検査システム100の制御システム部120およびビジョン構成要素部200のブロック図である。以下でより詳細に説明するように、制御システム部120を用いて、ビジョン構成要素部200を制御する。ビジョン構成要素部200には、光学アセンブリ部205、光源220、230および240、ならびに中央透明部212を有するワークステージ210が含まれる。ワークステージ210は、ワーク20を配置可能なステージ表面と略平行な平面に位置するXおよびY軸に沿って制御可能に移動できる。光学アセンブリ部205には、カメラシステム260および交換可能な対物レンズ250が含まれ、かつレンズ286および288を有するタレットレンズアセンブリ280ならびに同軸光源230を含んでもよい。タレットレンズアセンブリの代替として、固定もしくは手動で交換可能な倍率変更レンズまたはズームレンズ構成等を含んでもよい。以下でさらに説明するように、光学アセンブリ部205は、制御可能モータ294を用いることによって、XおよびY軸に略垂直なZ軸に沿って制御可能に移動できる。
【0025】
マシンビジョン検査システム100を用いて撮像されることになるワーク20が、ワークステージ210上に配置される。ステージ光源220、同軸光源230および表面光源240の1つまたは複数が、ワーク20を照明するために光源光222、232または242をそれぞれ放射する。光源光は、ワーク光255として反射または透過されるが、このワーク光255は、交換可能な対物レンズ250およびタレットレンズアセンブリ280を通過し、カメラシステム260によって集光される。ワーク20の画像は、カメラシステム260によって捕捉されるが、信号線262で制御システム部120に出力される。光源220、230および240は、信号線またはバス221、231および241を介して制御システム部120にそれぞれ接続してもよい。画像倍率を変更するために、制御システム部120は、軸284に沿ってタレットレンズアセンブリ280を回転させ、信号線またはバス281を介してタレットレンズを選択してもよい。
【0026】
様々な例示的な実施形態において、光学アセンブリ部205は、制御可能モータ294を用い、ワークステージ210に対して垂直Z軸方向に可動であるが、この制御可能モータ294は、アクチュエータ、接続ケーブル等を駆動して光学アセンブリ部205をZ軸に沿って移動させ、カメラシステム260によって捕捉されるワーク20の画像の焦点を変更する。本明細書で用いるように、用語Z軸は、光学アセンブリ部205によって取得される画像を合焦するために用いられるように意図された軸を指す。制御可能モータ294は、用いられる場合には、信号線296を介して入力/出力インタフェース130に接続される。
【0027】
図2に示すように、様々な例示的な実施形態において、制御システム部120には、コントローラ125、入力/出力インタフェース130、メモリ140、ワークプログラムジェネレータおよび実行器170、ならびに電源部190が含まれる。これらの構成要素のそれぞれ、ならびに以下で説明する追加的な構成要素は、1つもしくは複数のデータ/制御バスおよび/またはアプリケーションプログラミングインタフェースによってか、または様々な要素間の直接接続によって、相互接続してもよい。
【0028】
入力/出力インタフェース130には、撮像制御インタフェース131、運動制御インタフェース132、照明制御インタフェース133、およびレンズ制御インタフェース134が含まれる。運動制御インタフェース132には、位置制御要素132aおよび速度/加速制御要素132bを含んでもよい。しかしながら、様々な例示的な実施形態において、かかる要素を統合するか、かつ/または区別できないようにしてもよいことを理解されたい。照明制御インタフェース133には、照明制御要素133a−133nが含まれるが、これらの要素は、マシンビジョン検査システム100の様々な対応する光源に対して、例えば、選択、電力、オン/オフスイッチ、およびストローブパルスタイミングを適宜制御する。
【0029】
メモリ140には、画像ファイルメモリ部141、1つまたは複数のパートプログラム等を含み得るワークプログラムメモリ部142、およびビデオツール部143が含まれる。ビデオツール部143には、ツール部143aおよび他の類似のツール部(図示せず)が含まれるが、これらが、対応するツールのそれぞれに対して、GUI、画像処理動作等を決定する。ビデオツール部143にはまた、関心領域ジェネレータ143xが含まれるが、このジェネレータ143xは、ビデオツール部143に含まれる様々なビデオツールにおいて動作可能な、様々なROIを画定する自動、半自動および/または手動動作を支援する。
【0030】
特に、本発明による様々な実施形態において、ビデオツール部143には、自動焦点ツール部143fが含まれるが、この自動焦点ツール部143fは、以下でより詳細に説明するように、自動焦点動作に関連する様々な動作および機能を提供する。一実施形態において、自動焦点ツール部143fには、自動焦点モード制御部143fa、標準自動焦点ツール143fb、および照明最適化自動焦点ツール143fcを含んでもよい。簡単に言えば、標準自動焦点ツール143fbは、例えば、様々なZ高さにおける現在の画像スタックの取得、焦点曲線の全てまたは一部の生成、および最良焦点位置として焦点曲線ピークを見つけることなどに対して選択された照明レベルを利用するなど、学習モードおよび実行モードにおける動作を実行する周知の自動焦点ツールと同様に動作してもよい。照明最適化自動焦点ツール143fcは、本発明の改良された照明方法に基づいて動作する。標準自動焦点ツール143fbとは対照的に、一実施形態において、照明最適化自動焦点ツール143fcは、初期照明構成および/またはレベルを用いて、初期自動焦点ピーク発見プロセスを実行し、次に、初期自動焦点ピーク位置における焦点へ移動した後で、改良された照明構成および/またはレベルが決定される(換言すれば、改良された光制御パラメータのセットが決定される)。一実施方法において、改良された光制御パラメータのセットが決定され、かつ照明がより最適なレベルに次に調整された後で、最終自動焦点ピーク発見プロセスが、改良された照明設定を用いて実行され、より正確および/またはロバストなZ高さ決定および/または自動焦点結果を達成する。本明細書で開示するように、どのツールまたはモードが作動されるかに依存して、自動焦点モード制御部143faは、自動焦点ツール(標準自動焦点ツール143fbもしくは照明最適化自動焦点ツール143fc)またはツールモードを構成する動作を実行してもよい。自動焦点ツール143fcの記述子「照明最適化」は、限定となるようには意図されていない。それは、本明細書で開示されるように、決定される改善または改良された光設定(例えば、初期自動焦点ピーク発見動作後に決定された改良された光設定)の決定を行う任意の自動焦点ツールを含むように意図され、かつ主に、標準自動焦点ツール143fbの照明に対して照明決定における差を強調するように選択されるが、この標準自動焦点ツール143fbは、改良された照明パラメータを決定するための反復する自動焦点ピーク発見ステップを実行しない。
【0031】
自動焦点ツール部143fの代替構成が可能である。例えば、標準自動焦点ツール143fbおよび照明最適化自動焦点ツール143fcには、別個のモード制御部143faを省略してもよいように区分モード制御機能を含んでもよい。代替として、自動焦点ツール部143fは、1つまたは複数の包括自動焦点ツール要素を提供してもよく、モード制御部143faは、標準自動焦点ツール動作または照明最適化自動焦点ツール動作が望ましいかどうかに依存する形で、ユーザインタフェース、および包括自動焦点ツール要素の相互関係を制御する動作を提供してもよい。かかる場合に、標準自動焦点ツール143fbおよび/または照明最適化自動焦点ツール143fcの動作を提供する回路、ルーチンまたはアプリケーションは、統合しても、かつ/または区別できないようにしてもよい。ある実施方法において、(別個のツールではなく)自動焦点モード制御部143faを用いて、照明最適化自動焦点モードを実行してもよい。より一般的には、本発明は、マシンビジョン検査システム100と共に動作可能な、任意で現在周知の形態または後で開発される形態で実施し、改良された照明の自動焦点動作に関連して本明細書で開示する機能を提供してもよい。
【0032】
一般に、メモリ部140は、ワーク20の取得画像が所望の画像特性を有するように、ビジョンシステム構成要素部200を動作させてワーク20の画像を捕捉または取得するように利用可能なデータを記憶する。メモリ部140はまた、検査結果データを記憶してもよく、さらに、手動または自動で、取得画像に様々な検査および測定動作を実行するようにマシンビジョン検査システム100を動作させるために(例えば、一部はビデオツールとして実行される)、および入力/出力インタフェース130を介して結果を出力するために利用可能なデータを記憶してもよい。メモリ部140にはまた、入力/出力インタフェース130を介して動作可能なグラフィカルユーザインタフェースを定義するデータを含んでもよい。
【0033】
ステージ光源220、同軸光源230および表面光源240の信号線またはバス221、231および241は、それぞれ全て、入力/出力インタフェース130に接続される。カメラシステム260からの信号線262および制御可能モータ294からの信号線296は、入力/出力インタフェース130に接続される。画像データを搬送することに加えて、信号線262は、画像取得を開始するコントローラ125からの信号を搬送してもよい。
【0034】
1つまたは複数の表示装置136および1つまたは複数の入力装置138もまた、入力/出力インタフェース130に接続することができる。表示装置136および入力装置138は、ユーザインタフェースを表示するために用いることができるが、このユーザインタフェースには、検査動作を実行するために、および/またはカメラシステム260によって捕捉された画像を見るためのパートプログラムを生成し、かつ/もしくは修正するために、および/またはビジョンシステム構成要素部200を直接制御するために利用可能な様々なグラフィカルユーザインタフェース(GUI)機能を含んでもよい。所定のパートプログラム(またはワークプログラム)を有する完全に自動化されたシステムにおいて、表示装置136および/または入力装置138は、省略してもよい。
【0035】
様々な例示的な実施形態において、ユーザが、マシンビジョン検査システム100を用いてワーク20用のパートプログラムを生成する場合には、ユーザは、ワークプログラミング言語を用いて、自動、半自動もしくは手動で命令を明示的に符号化することによってか、またはマシンビジョン検査システム100を学習モードで動作させて所望の画像取得訓練シーケンスを提供することにより命令を生成することによって、パートプログラム命令を生成する。例えば、訓練シーケンスには、視野(FOV)におけるワーク特徴の配置、照明レベルの設定、合焦または自動合焦、画像の取得、および(例えば、ビデオツールを用いた)画像に適用される検査訓練シーケンスの提供を含んでもよい。学習モードは、シーケンスを捕捉して、対応するパートプログラム命令に変換するように、動作する。これらの命令は、パートプログラムが実行された場合には、マシンビジョン検査システムに、訓練された画像取得および検査動作を再現させ、パートプログラムを生成する場合に用いられたワークと一致するワークを自動で検査する。
【0036】
ワーク画像における特徴を検査するために用いられるこれらの解析および検査方法は、典型的には、自動焦点ツール143fbおよび143fcを始めとして、メモリ140のビデオツール部143に含まれる様々なビデオツールにおいて具体化される。多くの周知のビデオツールまたは略して「ツール」が、上記したビジョンシステムのQUICK VISION(登録商標)シリーズおよび関連するQVPAK(登録商標)ソフトウェアなどの市販のマシンビジョン検査システムに含まれる。
【0037】
前に概説し、図4に関連して以下でより詳細に説明するように、ツール143fbおよび143fcなどの自動焦点ツールは、典型的には、「最良焦点」位置を決定するためのプロセスの一部として、一連の画像を取得し、焦点曲線を展開する。(例えば、照明最適化焦点ツール143fcによって利用されるような)改良された照明パラメータを決定する本発明の方法を利用することによって、より正確な「最良焦点」位置を決定するための、より高いピーク値およびより大きな可能性を備えた焦点曲線を提供する画像を生成することができる。
【0038】
図3は、精密マシンビジョン検査システムにおけるワーク表面用の、光レベルに関する代表的な自動焦点再現性を表すグラフ300を示す。特に、グラフ300に示すデータは、同軸光源を使用し、機械仕上げされた金属表面において2.5倍の倍率および2500画素の関心領域を用いて取得された。各「再現性」データポイントは、合理的によく合焦された画像において、2500画素の関心領域に対して表示の平均輝度を提供する光設定を用いて、自動焦点ツールを100回作動させることによって取得された100のZ高さサンプルの標準偏差である。図3に示すように、対応する再現性範囲320において優れたレベルの再現性(例えば、0.3ミクロンよりよい)を取得可能な比較的広い照明範囲310がある。典型的な先行技術の自動焦点方法は、ユーザの質的な光設定によってか、または他のビデオツールから独立して動作する照明調整ツールをユーザが実行することによって、合理的な範囲(例えば、広範囲310)内で照明を提供した。広範囲310は、一般に、典型的なユーザが、(例えばモニタ上で観察したときに)過度に暗くなくかつ/または過度に飽和していない(過度に露光されていない)と判断するであろう画像に対応する。広範囲310の外部では、画像は、ますます一様に暗くなるかまたは明るくなり、コントラストがより低くなり、再現性がさらに低下する。
【0039】
最良自動焦点精度を確実に取得するための必要条件が、最良自動焦点再現性を取得することであることが理解されよう。図3は、最適化照明範囲330があることを示すが、この範囲330では、最良レベルの再現性が、対応する最良再現性範囲340(例えば、約0.2ミクロンよりよい)において取得される。ユーザの質的な評価が、一般に、最適化照明範囲330における照明を、広範囲310に含まれ得る他の照明状態と区別できないことを理解されたい。さらに、以下でより詳細に説明するように、照明決定のために自身が使用する画像における少量の脱焦を均一にする独立した量的な光設定ツールの感度は、認識されなかった。したがって、先行技術の自動焦点ツールは、最良レベルの自動焦点再現性340に対応する最適化照明範囲330内で確実には照明を実現せず、最良レベルの自動焦点再現性および精度は、確実には取得されなかった。
【0040】
優れた再現性を提供する照明は、最良自動焦点精度を取得するための必要条件ではあるが十分条件ではない。照明がまた、自動焦点再現性に強く反映されない形で自動焦点精度に影響する可能性があることを理解されたい。例えば、本来的に非常に暗いかまたは非常に明るい(飽和した)表面部分に対応する画素の外観が、焦点に対して比較的無感応になるので、対応する表面部分は、コントラスト曲線において影響力を失う。したがって、焦点曲線および結果としての焦点ピークの精度は、関心領域内の様々な露光過度または露光不足の表面部分の影響の低減ゆえに、低下する可能性がある。しかしながら、この影響によるZ高誤差は、所与の光レベルに対して再現可能であり、その結果、再現性は、最良自動焦点精度を取得することに関して必要条件ではあるが十分条件ではない。この理由で、また、露光過度または露光不足の画素が、僅かなレベルまで最小限にされる(または除去される)ことをさらに保証する最適化照明範囲330内の照明レベルを見つけ、その結果として、関心領域内の全ての領域が、様々なZ高さにおいて焦点メトリックに対して、期待される様々な貢献をするのが望ましい。しかしながら、所与の照明レベルに対して、いくつかの画素は、よく合焦された画像において飽和する可能性があり、一方でこれらの画素は、僅かに脱焦された画像においては、それらの光が、ぼけのために隣接画素の光と平均されるので、飽和しない場合があることを理解されたい。したがって、可能な最良自動焦点精度を取得するために、本発明による自動焦点ツールは、初期光設定を用いて量的によく合焦された初期画像に基づいて、改良された光設定が量的に確立され、次に、この改良された光設定を用いて取得された画像に基づいて最良焦点Z高さを確立するために用いられる量的自動焦点動作のセットが続くようにする。いくつかの関連する考察を、図4および5に関連して以下でより詳細に説明する。
【0041】
図4は、焦点曲線データポイント414および424にそれぞれ基づいて、代表的な初期照明焦点曲線410および代表的な改良された照明の焦点曲線420を示すグラフ400である。前に概説したように、個々の焦点曲線は、周知の方法に従って確立してもよい。簡単に言うと、1つの例示的な方法において、カメラは、z軸(焦点軸)に沿った一連の位置またはZ高さを通って移動し、各位置で画像を捕捉する。各捕捉画像に対して、焦点メトリック値が、画像に基づいて計算され、その値が、画像が捕捉された時間における対応Z高さに関連するデータポイント(例えば、グラフ400におけるデータポイント414または424の1つ)になる。これは、結果として焦点曲線データをもたらすが、これらの焦点曲線データは、単に「焦点曲線」または「自動焦点曲線」と呼んでもよい。焦点曲線ピーク(例えば、焦点ピーク425または焦点ピーク415)は、z軸に沿った最良焦点位置(およびワークにおける関心領域のZ高さ)に対応するが、(少なくともピークの近辺で)焦点曲線データに曲線をあてはめること、およびあてはめられた曲線のピークを推定することによって、見つけてもよい。様々な周知の焦点メトリックを用いてもよい。一例において、焦点メトリック値は、
【数1】
として計算してもよく、式中、Ai、Bi、CiおよびDiは、自動焦点関心領域における4つの最も近い隣接画素の「i番目」のグループ用のグレーレベルまたは強度であり、i=1〜nの合計は、自動焦点関心領域における4つの最も近い隣接画素の全ての「n」グループに相当する。様々な実施形態において、焦点メトリック値または曲線は、必要に応じて正規化してもよい。一実施形態において、焦点メトリック値または曲線は、関心領域における画素の平均グレースケール値またはグレースケール値の二乗の平均によって正規化してもよい。しかしながら、前述のメトリックは、あくまでも例示であり、限定ではない。より一般的には、グローバルな関心領域の焦点またはコントラストを示す任意の適切な、現在周知かまたは後で開発されるメトリックを用いてもよい。
【0042】
前に概説したように、自動焦点再現性および精度は、画像用の適切な光レベルによって最適化してもよい。さらに、適切なレベル(例えば、飽和画素の数を僅かなレベルにまで低減する光レベル)は、よく合焦された画像において最もよく確立される。したがって、可能な最良自動焦点精度を取得するために、本発明による自動焦点ツールは、初期光設定を用いて量的によく合焦された初期画像に基づいて、改良された光設定が量的に確立され、次に、この改良された光設定を用いて取得された画像に基づいて最良焦点Z高さを確立するために用いられる量的自動焦点動作のセットが続くようにする。この方法に従って図4に示された例を解釈すると、初期光設定を用いて、初期焦点曲線410のデータポイント414に対応する画像を取得する。次に、Z高さZiに対応する、初期焦点曲線のピーク415が、(例えば、データポイント414に適した、焦点曲線410のピーク415を見つけることによって)量的に決定される。次に、改良された光設定が、量的に決定されたZ高さZiに対応して合焦された初期画像に基づいて、量的に確立される。いくつかの実施形態において、改良された光設定を量的に確立するために用いられる初期画像は、Z高さZiで取得される複数の異なって照明された画像のうちの1つである。別の実施形態において、改良された光設定は、Z高さZiで取得された単一の画像に基づいて、量的に確立される。改良された光設定を確立する様々な方法を、図5に関連して以下で説明する。いずれにせよ、ひとたび改良された光設定が確立されると、この改良された光設定を用いて取得された画像に基づいて、自動焦点動作のセットが、(例えば、前に概説したように)データポイント424を取得しかつ最良焦点Z高さZpを確立するために用いられる。一般に、図3に関連して前に論じた理由で、初期光設定は、最良自動焦点再現性および精度を提供するために最適ではない。したがって、図4に示すように、ZiおよびZpは、一般に同一ではない。しかしながら、(例えば、図3に示す範囲310内の)合理的な初期照明レベルが、先行技術の方法によって確立される場合には、初期焦点曲線データ414は、一般に、最適な改良された光設定を確立するために十分によく合焦された画像(例えば、潜在的な飽和画素が、画像ぼけによって不明瞭にされない)を提供する焦点高さZiをもたらすことになろう。
【0043】
初期光レベルが、最適でない(いくらか露光過度または露光不足であり、画像コントラストの低減につながる)と見なすことができるのに対して、改良された照明レベルは、以下でより詳細に説明するように、それが、画像コントラストおよび関連する焦点メトリックを最大限にすることにほぼ最適(例えば、図3に示す最適化照明範囲330内の最良レベルに対応する)であるように、特に決定される。したがって、図4に示すように、改良された光設定によって、初期照明焦点曲線410より高い焦点メトリック値およびより高いピーク425を有する改良された照明の焦点曲線420が提供される。これは、初期照明焦点曲線410より優れた信号対雑音比および優れたカーブフィッティングを提供するデータポイント424および改良された照明の焦点曲線420として解釈することができ、これが、自動焦点精度および再現性の改善につながる。特に、上記で概説した動作に基づいて、データポイント424および改良された照明の焦点曲線420の信号対雑音比は、確実にほぼ最適であり、可能な最良自動焦点再現性(例えば、図3に示す最良再現性レベル340の範囲に対応する)および最良自動焦点精度を確実に取得することにつながる。
【0044】
焦点曲線410および420用に示されたデータポイントの数が、あくまでも例示であり、限定ではないことを理解されたい。どちらの曲線も、より広くかまたはより密に離間された画像Z高さにそれぞれ対応して、より多数または少数のデータポイントから決定してもよい。一実施形態において、初期焦点曲線(例えば、焦点曲線410)が、第1の比較的広い間隔のデータポイントで決定されて、自動焦点の動作の関連サブセットを高速化するのに対して、ひとたび改良された照明レベルが決定されると、改良された照明の焦点曲線(例えば、焦点曲線420)は、第2の比較的密な間隔のデータポイントから決定されて、より正確なカーブフィッティングおよび最終自動焦点Z高さ(例えば、Zp)のより正確な決定を支援する。様々な実施方法または用途において、改良された光設定を用いて決定される自動焦点Z高さは、関心領域におけるワーク表面用のZ高さ検査寸法を決定するためか、特徴(例えば、エッジ検出前の画像平面におけるエッジ)の鮮明度を最大限にするようにZ軸に沿った最良焦点位置にカメラを配置するためか、または両方のために用いられる。改良された光設定を確立することに関する様々な考察が、図5に関連して以下で説明される。
【0045】
図5は、実験的に決定された代表的な照明レベル感度曲線510−540を示すグラフ500である。特に、照明レベル感度曲線510−540は、メトリック値を決定するために用いられるよく合焦された画像の取得中に、ワークにおける(例えば、自動焦点ツールによって画定された)関心領域を照明するために用いられる同軸(対物レンズを通した)照明チャネルの電力または輝度設定に対するコントラスト関連メトリックの正規化された値を示す。
【0046】
焦点メトリックが、一般にコントラストメトリックであることが理解されよう。照明レベル感度曲線520−540は、コントラストメトリックの選択用に光レベルに対する感度を示すが、これは、(例えば、図4に示す焦点曲線420を確立するのに適した)コントラスト関連メトリックおよび焦点メトリックの両方と考えてもよい。しかしながら、照明感度曲線510は、関心領域において飽和画素に対する不飽和画素の比率の、光レベルに対する感度を示す。この比率は、焦点曲線を確立する際の使用には適していない。しかしながら、それは、画像コントラストが、焦点と同様に照明によっても影響されるという点で、コントラスト関連メトリックと考えられる。例えば、飽和画素は、露光過度の画像の徴候となる傾向があり、露光過度の画像は、一般に、適切に露光された画像より劣ったコントラストを有する。したがって、いくつかの実施形態において、飽和画素の解析を利用して、改良された光設定を確立してもよい。照明感度曲線510および改良された光設定の確立に関連する考察は、さらに以下でより詳細に説明する。同様に、飽和未満のレベルでは、画素輝度メトリック(例えば、最も明るい画素の輝度か、またはいくつかの最も明るい画素における平均輝度か、または輝度閾値を超える画素の数等)もまた、コントラスト関連メトリックと考えてもよい。
【0047】
コントラストまたは焦点メトリック照明感度曲線520−540に関して、曲線上の全てのメトリック値が、(焦点ピークに対応する)よく合焦された画像に基づいて確立されるので、各光レベルにおけるこれらの曲線の高さは、その光レベルを用いて達成できる焦点曲線ピークの最大高さを示す。前に図4に関連して示したように、より高い焦点曲線ピークは、よりよい精度および再現性を備えたZ高さおよび/または最良焦点位置を決定することと関連付けてもよい。図5に示すように、曲線520−540に対応する焦点メトリックのそれぞれを最大限にする光レベルは、ほぼ38〜41の範囲にある。したがって、ほぼこの同じ範囲における改良された光設定は、ほぼ可能な最高の焦点曲線ピークひいては最良自動焦点再現性および精度を確実に提供することになろう。図5において、次のことを見て取ることができる。すなわち、この例に関して、光設定が少量(例えば、10%または100のうちの約4の設定増分)だけ変動する場合でも、(各光設定における照明感度曲線高さに対応する)可能な最大焦点曲線ピークは、著しく(例えば、40−60%だけ)低下する。本発明とは対照的に、以前の自動焦点ツールおよび方法は、この照明感度を確実に認識または克服して最も高い焦点曲線ピークならびに可能な最良自動焦点再現性および精度をもたらす、可能な最良照明を提供することがなかった。要約すると、いくつかの実施形態において、ほぼ最適な自動焦点精度を支援する改良された照明レベルを確実に提供するため、量的によく合焦された画像が、改良された照明レベルが、コントラストメトリックおよび/または焦点メトリックであるコントラスト関連メトリックをほぼ最大限にするように、改良された照明レベルを確立するために必要とされて用いられる。いくつかの実施形態において、改良された照明レベルを、それがまた、ワーク反射率および/または照明再現性等における予期される変動下で、画像画素を飽和させることを回避するように選択することが望ましい。関連する考察は、以下でさらに論じる。
【0048】
コントラストを数学的に定義する多くの方法があり得ることが理解されよう。例えば、図5に示す特定のコントラストメトリック曲線に関して、画素輝度情報データ曲線520は、
【数2】
に基づいている。
【0049】
画素輝度局所的変動データ曲線530は、
【数3】
に基づいており、式中、Xkは、自動焦点関心領域における9つの最も近い隣接画素の「i番目」のグループの「k番目」の画素用のグレーレベルまたは強度であり、Xavgは、そのグループの平均であり、i=1〜nの合計は、自動焦点関心領域における9つの最も近い隣接画素の全ての「n」グループに相当する。
【0050】
画素輝度グローバル変動データ曲線540は、
【数4】
に基づいており、式中、XPは、自動焦点関心領域における「p番目」の画素用のグレーレベルまたは強度であり、XavgROIは、自動焦点関心領域における画素の平均グレーレベルであり、p=1〜nの合計は、自動焦点関心領域における全ての「n」画素に相当する。
【0051】
前述のことに加えて、他の可能なコントラスト測定法には、画素輝度範囲(最大−最小)、局所的差異全体にわたる和の二乗、第1(もしくは第2)の空間導関数の二乗の和、およびその他(例えば、EP Krotkov, Focusing, Int. J. Comp. Vis., 1(3) 223-237, 1987を参照)が含まれる。ある実施方法において、コントラスト測定法は、関心領域全体にわたって適用するか、またはサブウィンドウに適用して、(共に平均され)結合できるコントラストの局所的測定値を生成し、関心領域全体のためのコントラスト測定法を形成することができる。特定の用途には、異なる測定法が、より望ましい可能性がある。一般に、ある実施方法において、局所的画像変動(例えば、図5の局所的変動データ曲線530)に基づいた測定法は、あるタスクにはより適していると考えられる。なぜなら、多くの画像特徴が、本来局所的であるからである。
【0052】
図5に示すように、不飽和画素比の照明感度曲線510に関して、この比率は、(約38の光レベルにおいて)光レベルLoptで転移点を示すが、この場合にそれは、(増加する飽和画素数に対応する)光レベルの増加と共に1.0の値から減少する。光レベルLoptが、曲線520−540に対応する、焦点メトリックのそれぞれを最大限にする光レベル範囲の下限とほぼ一致することが、図5で見て取ることができる。これは、不飽和画素にとって、光レベルを増加させることが、一般に、最も明るいおよび最も暗い画像画素の両方を比例して増加させ、それらの間の差が比例して増加するようにするという点で、驚くべきことではない。したがって、画素間の輝度差に反応するコントラストメトリックは、輝度と共に増加する傾向がある。しかしながら、光レベルが明るくなりすぎるとともに、ますます多くの画素が飽和する。ますます多くのより明るい画素間の差またはコントラストが、(固定飽和値ゆえに)減少するので、関心領域用のコントラストメトリックは、ますます多くの数の画素が飽和すると共に低下し始める。したがって、合理的によく合焦された画像において、最高の焦点メトリック値を提供する光設定は、典型的には、飽和が発生し始める光設定の近くである。(しかし、この線形モデルは、ワークを照明するために多数の照明チャネルが用いられる場合には、最適照明を達成するためには必ずしも十分ではないことは注目するに値する)。
【0053】
図5において、次のことを見て取ることができる。すなわち、この例に対して、光設定が、Error−Lとして示す少量だけ(例えば、ちょうど5%または100のうちの約2の設定増分だけ)、Loptから光レベルL0.4へ変動する場合でも、不飽和画素のパーセンテージは、約40%へ著しく低下し、関心領域における画素の60%が、飽和していることを示す。本発明とは対照的に、以前の自動焦点ツールおよび方法は、この照明感度を確実に認識または克服して可能な最良自動焦点再現性および精度をもたらすことがなかった。焦点曲線ピーク高さおよび自動焦点再現性を低減させることに加えて、前に示したように、飽和ゆえの、画像のどんな有意のパーセンテージの有効損失も、次の点で非常に著しい自動焦点誤差を引き起こす可能性がある。すなわち、残りの焦点感受性画素が、全体として関心領域の平均高さではないワーク表面部分を表す可能性があるという点である。前に示したように、いくつかの画素が、よく合焦された画像において飽和する可能性がある一方で、それらは、僅かに脱焦した画像では飽和しない可能性がある。なぜなら、それらの光が、ぼけのために隣接画素の光と平均されるからである。したがって、いくつかの実施形態において、ほぼ最適な自動焦点精度を支援する改良された照明レベルを確実に提供するため、量的によく合焦された画像が、改良された照明レベルを、それが、ほぼできるだけ明るくなる一方で、やはり、飽和画素を望ましいレベルへと最小限にするかまたは防ぐことを保証するように確立するために必要とされて用いられる。一実施形態において、かかる改良された照明レベルは、(例えば、合計画素に対する不飽和画素の比率が、増加する光レベルと共に減少し始める転移点に近い照明レベルとして決定された)量的によく合焦された画像の関心領域における画素輝度(画素輝度メトリック)および/または飽和画素の数もしくは割合(飽和画素メトリック)に反応するコントラスト関連メトリックに基づいて、決定してもよい。
【0054】
前に概説したように、いくつかの実施形態において、改良された照明レベルを次のように選択することが望ましい。すなわち、改良された照明レベルが、(例えば、パートプログラムを用いて、多数の類似のワークを検査する場合に)現在のワーク関心領域のよく合焦された画像に対してだけでなく、類似のワークにおける対応するワーク関心領域の将来のよく合焦された画像用のワーク反射率および/または照明再現性等における予想される変動下で、飽和画像画素を制限するかまたは防ぐように、選択することが望ましい。かかる場合に、量的によく合焦された画像においてコントラストメトリックもしくは焦点メトリックを最大限にする照明レベルの僅か下、かつ/または飽和画素が出現し始める照明レベル「転移点」より僅か下に設定される改良された照明レベルを選択することが望ましくなり得る。かかる実施形態は、例えば、パートプログラムにおいて将来使用するために改良された照明レベルを設定する場合には、特に有用になり得る。本発明の様々なパートプログラム実施は、以下でさらに説明する。例示的な一実施形態において、コントラストメトリックまたは焦点メトリックの可能な最大値を提供するレベル未満に、例えば、いくつかの実施形態において、その可能な最大値の多くても95%、または多くても90%、またはより少ない値に、改良された照明レベルを設定することが望ましくなり得る。しかしながら、様々な実施形態において、上記で概説した原理に従って、メトリックは、様々な用途において十分な精度および再現性を提供する光レベルの関数として、その可能な最大値の少なくとも60%を達成することが望ましい。しかしながら、これらの特定の値は、あくまでも例示であり、限定ではない。いくつかの実施形態において、上に概説するような改良された光レベルの決定が、それぞれの照明レベルにおいて複数の量的によく合焦された画像を取得するために光レベルを変更することと、コントラスト関連メトリック用に照明感度データ(例えば、図5に示しかつ上記で説明したように照明感度曲線に類似したデータまたはその一部)を決定することと、照明感度データに基づいて改良された照明レベルを決定することと、を含んでもよいことが、理解されよう。別の実施形態において、上記で概説した一般的な発明原理を満たす改良された光レベルは、周知の光レベルで取得された少なくとも1つの量的によく合焦された画像に基づいて決定してもよい。例えば、上記で概説した線形照明モデルが適用可能な場合には、量的によく合焦された画像は、比較的低い光レベルを用いて取得してもよい。次に、関心領域における最も明るい画素を、その画像において識別してもよい。次に、画像特性を外挿することによって、光レベル設定と画像画素輝度との間の線形関係を仮定すると、改良された光レベルは、いくつかの最も明るい画素(例えば、ROIにおいて、1、10もしくは50画素、または画素の1%もしくは2%等)が、飽和値または本明細書で概説する原理と一致する別のレベルの少なくとも90%か95%か100%に達することを、画素輝度メトリックまたは画素飽和メトリックが示す場合に、識別可能である。別の実施形態において、複数(例えば、2つ)の量的によく合焦された画像は、それぞれの光レベルを用いて取得してもよい。次に、関心領域における最も明るい画素の輝度の変動、またはコントラストもしくは焦点メトリックの変動は、画像間で決定してもよい。次に、光レベル設定と画像画素輝度との間の線形関係を仮定するか、またはコントラストもしくは焦点メトリックの照明感度曲線用の所定の形状を仮定すると、改良された光レベルは、次のように選択してもよい。すなわち、いくつかの最も明るい画素が、飽和値の少なくとも90%か95%か100%、もしくは本明細書で概説する原理と一致する別のレベルに達するか、またはコントラストもしくは焦点メトリックが、光レベルの関数として、その最大値の少なくとも望ましいパーセンテージ(例えば、様々な実施形態において60%か75%か80%もしくはそれ以上)もしくは本明細書で概説する原理と一致する別のレベルを達成したことを、画素輝度メトリックまたは画素飽和メトリックが示した場合の改良された光レベルに画像特性を外挿することによって、選択してもよい。限られた数の実際の画像に基づいた、望ましい光設定および/または光設定の組み合わせに対する外挿の様々な方法が、前に説明した’180および’863特許で教示されており、かかる方法は、本発明のために開示した原理と一致する形で適応してもよい。
【0055】
前述のメトリックおよび関連する制限または目標レベルは、様々な実施形態において十分に最適な照明を提供する改良された光制御パラメータに対応すると見なしてもよい。しかしながら、前述のメトリックおよび関連する制限または目標レベルが、あくまでも例示であり、限定ではないことが理解されよう。特定のメトリックおよび/または制限もしくは目標値は、特定の用途、ワークまたは関心領域用に充当してもよく、経験に基づいて決定してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、上記で概説したメトリックなどのメトリックの組み合わせを結合して用いてもよいことは明らかであろう。例えば、一実施形態において、実行モード中に、改良された光制御パラメータは、条件、すなわち、量的によく合焦された画像用のコントラストメトリックが、最大値(例えば、最大値は、学習モード中に取得された照明感度データに基づいて確立してもよい)の少なくとも60%に対応する最小値を達成すること、および画素輝度メトリック、または飽和画素メトリックが、画素が全く飽和していないことを示すこと、という条件を満たすことが、要求される可能性がある。
【0056】
いくつかの実施形態において、上記で概説した様々な動作は、(例えば、パートプログラムにおいて記録および使用される動作およびパラメータを決定する場合に)学習動作モードで実行してもよいことが理解されよう。他の実施形態において、上記で概説した様々な動作は、(例えば、パートプログラムを自動的に実行する場合に)実行動作モードで実行してもよい。様々な実施方法は、図7−11に関連して以下でさらに説明する。
【0057】
図6Aおよび6Bは、改良された照明の自動焦点ツールユーザインタフェース620(その外観はまた、改良された照明の自動焦点ツールユーザインタフェースウィジェット620と呼んでもよい)を含むユーザインタフェース600の一実施形態における様々な特徴を示す図である。図6Aは、2つのワーク表面610aおよび610bと、本発明に従って、自動焦点ツールユーザインタフェース620が改良された照明の自動焦点モードで動作することを示す照明シンボルモードインジケータ621を含む改良された照明の自動焦点ツールユーザインタフェース620と、改良された照明の自動焦点ツールモードがアクティブである間に定義される関心領域または関心領域インジケータ622と、含む視野605を示す。いくつかのビジョンシステムにおいて、本明細書に開示する改良された照明の自動焦点ツール、モードまたは方法は、周知または従来の自動焦点ツール、モードまたは方法と共に提供してもよいことが理解されよう。したがって、照明シンボルモードインジケータ621は、改良された照明の自動焦点動作モードを、他の自動焦点動作モードと区別する。本明細書で詳細には説明していない、改良された照明の自動焦点ツールおよびそのユーザインタフェース620の動作の様々な態様は、商用システムにおける周知の方法に従って、かつ/または本明細書で説明するように動作してもよい。図6Aに示す図において、ユーザインタフェース関心領域622は、編集のために選択された。関心領域622が、編集のために選択された場合には、サイズ/位置編集ハンドル625のセット(ドラッギングによって制御可能なハンドル627などの個別ハンドルを含む)は、図示のように、コーナーおよび側部に沿って表示してもよい。改良された照明の自動焦点ツールまたはモード(例えば、ユーザインタフェース620によって実行されるような)は、上記で概説した原理に従って、動作のある組み合わせを実行する。特に、改良された照明の自動焦点ツールまたはモードは、改良された光設定が、初期光設定を用いて量的によく合焦された初期画像に基づいて、量的に確立され、次に、その改良された光設定を用いて取得された画像に基づいて最良焦点Z高さを確立するために用いられる量的自動焦点動作のセットが続くようにする。
【0058】
図6Bは、改良された照明の自動焦点ツールタイプの作動ボタン640を含むツール選択バー607の一実施形態を示す。図6Bは、ユーザインタフェース構成を示すが、この構成では、ツール選択バー607は、改良された照明の自動焦点ツールまたはモードが、改良された照明の自動焦点ツールまたはモードボタン640のまわりの「アクティブ」ボックス645を介してアクティブになり、他の自動焦点ツール/モードボタンが、非アクティブ(他のツール/モードボタンのまわりに「アクティブ」ボックスはない)に設定されていることを示す。これは、現在の自動焦点ツールモードが、改良された照明の自動焦点ツールモードであることを示す。様々な実施形態において、ユーザが、仮に別のツール/モードボタンの1つ(例えば、改良されていない照明または従来の自動焦点ツールまたはモードボタン650)を「押した」場合には、押されたツールおよび/またはモードは、アクティブになり、次に、(図6Aに示す)個別関心領域(インジケータ)622の編集に関連する動作および表示要素ならびに改良された照明の自動焦点ツールまたはモードの動作は、完了および/またはディスエーブルされることになろう。いくつかの実施形態において、図6Bにおけるツール選択バー607の状態は、次の点において図6Aに表示したユーザインタフェースの状態に対応してもよい。すなわち、関心領域(インジケータ)622が、選択またはアクティブにされた場合には、改良された照明の自動焦点ツールまたはモードは、ツール620と関連してアクティブにされてもよく、他のツール/モードボタンは、それらの以前の状態にかかわらず、非アクティブにされてもよいという点である。これはまた、任意の他のツールの関心領域(インジケータ)が視野605において選択された場合には、そのツールと関連した動作であってもよい。
【0059】
一実施形態において、改良された照明の自動焦点ツール620の1つまたは複数のインスタンスが、学習モードのための実施方法、または実行モード改良実施、または条件付き実行モード改良実施、または実行モード起源実施(これらのそれぞれは、以下でより詳細に説明する)などの特定の実施方法に従って動作するように構成されているかどうかを決定するツールモード決定動作を提供してもよい。一実施形態において、改良された照明の自動焦点ツール620の特定の実施方法は、一般的には自動焦点ツールもしくはモード用の、および/または特に改良された照明の自動焦点ツールもしくはモード用の動作パラメータを設定する構成メニューウィンドウなどのユーザインタフェース機能を用いて、ユーザが設定してもよい。
【0060】
図7Aおよび7Bは、学習モードまたは実行モード中に改良された照明の自動焦点動作を実行するための第1の例示的なルーチン700を示す流れ図である。図7Aに示すように、ブロック710において、精密マシンビジョン検査システムおよび現在のワークが提供される。精密マシンビジョン検査システムには、例えば、ユーザインタフェース、撮像部、制御可能照明部、合焦部、および画像プロセッサを含む制御部を含んでもよい。
【0061】
ブロック720において、(例えば、ユーザによってか、または独立した光調整ツールによって設定されるような)光制御パラメータの初期セットによって制御される制御可能照明部を用いて、現在のワークにおける第1の焦点関心領域が照明される。ブロック730において、精密マシンビジョン検査システムは、複数のZ高さにおいて光制御パラメータのセットを用いて取得されたワーク画像の初期セットに基づいて、第1の焦点関心領域用の焦点曲線データの初期セットを提供するように操作される。ブロック760において、精密マシンビジョン検査システムは、第1の焦点関心領域用の初期焦点Z高さに設定されるが、この場合に、初期焦点Z高さは、焦点曲線データの初期セットに基づいて量的に推定され、かつ図3−5に関連して前に概説した原理に従って、改良された最適化照明を提供するための基礎として、よく合焦された画像を提供する、量的に推定された焦点ピーク位置である。ブロック770において、改良された光制御パラメータのセットは、初期焦点Z高さにおいてそれぞれの光制御パラメータを用いて取得された第1の焦点関心領域の少なくとも1つのそれぞれの画像に基づいて、自動的に決定および/または学習される。前に概説したようないくつかの状況では、単一の画像で十分であるが、それぞれの光制御パラメータを用いる複数の画像に基づいて改良された光制御パラメータのセットを決定することは、照明チャネルの組み合わせが、照明用に用いられる場合、またはワーク特性が予測不能ではない場合、または可能な最高の精度が要求される場合等において、よりロバストになり得る。いずれにせよ、改良された光制御パラメータのセットは、改良された光制御パラメータのセットが、焦点曲線データの初期セットのピーク値より高いピーク値を有する焦点曲線データのセットを提供することを示すコントラスト関連メトリック(例えば、飽和画素メトリックまたはコントラストメトリック)用の値を有する画像に対応する。コントラスト関連メトリック、および改良された光制御パラメータのセットの決定におけるそれらの利用に関連する様々な考察は、(例えば、特に図4および5に関連して)前に概説したが、ブロック770の動作は、それに応じて構成してもよい。次に、ルーチンは、ポイントAに進み、ポイントAは、図7Bの決定ブロック774で継続する。
【0062】
図7Bに示すように、決定ブロック774(図7AのポイントAから続く)において、改良された照明の自動焦点動作の現在のセットが、(例えば、学習モード中にツールを訓練する間に実行される改良された照明の自動焦点ツール動作の場合におけるように)パートプログラムを作成するために学習モード中に実行されている場合には、動作はブロック775に進み、そこにおいて、ブロック770で決定された、改良された光制御パラメータのセットは、(例えば、図8Aおよび8Bに関連して説明する学習モードに管理された、または無条件、または条件付き実行モード改良実施において)対応するワークにおける対応する第1の焦点関心領域を検査する場合に後で使用するために、パートプログラムに関連して記憶される。さもなければ、(例えば、手動検査用に、またはパートプログラム制御下の自動実行モード実施中に実行される改良された照明の自動焦点ツール動作の場合のように)改良された照明の自動焦点動作の現在のセットが、決定ブロック774でパートプログラムを作成するために学習モード中で実行されていない場合に、動作は、ブロック780に進む。ブロック780において、精密マシンビジョン検査システムは、ブロック770で決定された、改良された光制御パラメータのセットを用いて取得された改良されたワーク画像セットに基づいて、第1の焦点関心領域用の改良された焦点曲線データセットを提供するように操作される。次に、ブロック790において、第1の焦点関心領域用の改良された正確な焦点Z高さは、(例えば、前に概説した原理に従って)改良された焦点曲線データセットに基づいて、量的に推定される。いくつかの実施形態において、改良された正確な焦点Z高さは、検査寸法として記録される。他の実施形態において、マシンビジョン検査システムは、改良された正確な焦点Z高さに配置されて、第1の関心領域において可能な最良焦点を備えた画像を取得する。一実施形態において、動作がブロック780および790に進む実施方法は、改良された照明の自動焦点ツール動作をパートプログラムに含むこと、および(例えば、学習モード中に改良された照明パラメータのセットを決定することなしに)そのツールを実行モード中に開始することに対応可能である。かかる実施方法は、実行モード起源実施と呼んでもよい。かかる実施方法は、例えば、実行モードの実行時間が重要ではない場合、および/または照明チャネルが単純な構成に制限されている場合に、適している場合がある。
【0063】
図8Aおよび8Bは、(例えば、パートプログラムの制御下で)実行モード中に、改良された照明の自動焦点動作の様々な代替セットを実行するための第2の例示的なルーチン800を示す流れ図である。図8Aに示すように、ブロック810において、精密マシンビジョン検査システムが、検査される現在のワークと共に、実行モードにおけるパートプログラムの制御下で提供される。精密マシンビジョン検査システムには、例えば、撮像部、制御可能照明部、合焦部、および画像プロセッサを含む制御部を含んでもよい。
【0064】
ブロック820において、学習モードで改良された光制御パラメータの記憶されたセット(例えば、パートプログラムか、または精密マシンビジョン検査システムの制御部における関連メモリ位置に記録された)が、第1の焦点関心領域用に呼び出され、かつ現在のワークにおける対応する第1の焦点関心領域は、学習モードで改良された光制御パラメータ(例えば、図7Bのブロック775で決定および記憶されるような、学習モードで改良された光制御パラメータ)の呼び出されたセットを用いて制御可能照明部で照明される。ブロック830において、精密マシンビジョン検査システムは、複数のZ高さで、呼び出された、学習モードで改良された光制御パラメータを用いて取得されたワーク画像の初期セットに基づいて、第1の焦点関心領域用の焦点曲線データの初期の改良されたセットを提供するように操作される。次に、ブロック840において、初期の改良された焦点Z高さが、第1の焦点関心領域用に決定されるが、この場合に、初期の改良された焦点Z高さは、焦点曲線データの初期の改良されたセットに基づいて量的に推定され、かつ(例えば、前に概説した原理に従って)よく合焦された画像を提供する量的に推定された焦点ピーク位置である。
【0065】
次に、図8Aおよび8Bに示す実施形態において、次に、実行モードで改良される照明の自動焦点実施の現在のタイプが、決定ブロック852および854によって反映されるように決定される。特に、動作は、ブロック840から決定ブロック852へ進み、そこで、改良された照明の自動焦点動作の、学習モードに管理されたセットが実行されている場合には、ルーチンはポイントAに進み、ポイントAは、図8Bのブロック895に進み、そこで初期の改良された焦点Z高さは、第1の焦点関心領域用の改良された正確な焦点Z高さとして用いられる。換言すれば、学習モードのための実施方法において、学習モード動作中に第1の焦点関心領域用に決定された、改良された光制御パラメータのセットは、実行モード中に、対応するワークにおける対応する第1の焦点関心領域用の改良された正確な焦点Z高さを決定するための正確な自動焦点動作において用いるのに十分に最適であると見なされる。学習モードのための実施方法は、高速実行モードの実行が望ましく、ならびに表面(またはエッジ)反射特性がワーク間で一貫しており、および/または学習モードのための実施方法によって十分精度が提供されると決定された場合には、有用であり得ることが理解されよう。いくつかの実施形態において、かかる決定は、図5に関連して前に概説したように、学習モード動作中に取得および解析された照明感度データに基づいてもよい。改良された照明の自動焦点動作の学習モードに管理されたセットが、第1の焦点関心領域用に使用されていないと決定ブロック852で決定された場合には、動作は、決定ブロック854に進む。
【0066】
決定ブロック854において、条件付き実行モードの照明改良自動焦点動作が実行されているかどうかが決定される。実行されていなければ、無条件実行モードの照明改良自動焦点動作が実行されており、ルーチンはポイントCへ進み、ポイントCは、図8Bのブロック860に無条件で進み、そこで、以下でより詳細に説明するように、自動焦点照明パラメータのさらなる実行モード改良が開始される。条件付き実行モードの照明改良自動焦点動作が実行されていると決定ブロック854で決定された場合には、ルーチンはポイントBへ進み、ポイントBは、図8Bのブロック856および858へ進み、そこで、コントラスト関連メトリック値が、自動焦点照明パラメータのさらなる実行モード改良が必要とされる「条件」を示すかどうかが決定される。特に、ブロック856において、コントラスト関連メトリック(例えば、図5に関連して前に概説したような飽和またはコントラストメトリック)値が、(例えば、ブロック840で決定されるような)初期の改良された焦点Z高さに近いZ高さにおいて、呼び出された学習モードで改良された光制御パラメータを用いて取得された画像用に決定される。一実施形態において、(ブロック830で取得されような)ワーク画像の初期セットの1つが、(例えば、システムにおける対物レンズの被写界深度内で)初期の改良された焦点Z高さに十分に近いZ高さで取得された場合には、その画像を用いて、ブロック856でコントラスト関連メトリック値を決定してもよい。別の実施形態において、初期の改良された焦点Z高さに正確にシステムを配置してもよく、呼び出された学習モードで改良された光制御パラメータを用いて画像を取得してもよく、その画像を用いて、ブロック856でコントラスト関連メトリック値を決定してもよい。次に、いずれにせよ、動作は、ブロック856から決定ブロック858に進む。
【0067】
決定ブロック858において、学習モードで改良された光制御パラメータのセットが十分に最適な照明を提供することを、ブロック856で決定されたコントラスト関連メトリック値が示すかどうかが決定される。示す場合には、この条件下で、動作はブロック895に進み、そこで、初期の改良された焦点Z高さが、第1の焦点関心領域用の改良された正確な焦点Z高さとして用いられる(例えば、それは、第1の焦点関心領域用か、かつ/または追加的な検査動作用の「最良焦点画像」を提供するための「検査値」Z高さとして用いられる)。換言すれば、条件付き実行モード改良実施において、学習モード動作中に第1の焦点関心領域用に決定された、改良された光制御パラメータのセットが、実行モード中にブロック856の条件下で、コントラスト関連メトリック用の十分に優れた値を提供する場合には、これらの光制御パラメータは、実行モード中に、対応するワークにおける対応する第1の焦点関心領域用の正確な自動焦点動作で用いるために十分に最適であると見なされる。いくつかの実施形態において、決定ブロック858で「十分に優れた値」を構成するものの限界は、経験に基づいて、かつ/または例えば図5に関連して前に概説したように、学習モード動作中に取得および解析された照明感度データに基づいて決定してもよい。条件付き実行モードの照明改良実施が、呼び出された学習モードで改良された光制御パラメータ(それらが十分である場合に)に基づいて高速な実行モードの実行をもたらすだけでなく、光制御パラメータが自動焦点精度および再現性の最高レベルを保証するほど十分に最適でない場合には、これらの光制御パラメータの実行モード改良をさらに開始することが理解されよう。特に、決定ブロック858で決定されたコントラスト関連メトリック値が、学習モードで改良された光制御パラメータのセットが十分に最適な照明を提供しないことを示すかどうかが、ブロック856で決定された場合には、この条件下で、動作はブロック860に進む。
【0068】
図8Bに示し、かつ上記で説明したように、ブロック860、870、880および890の動作は、(例えば、上記で概説したように、ポイントCからのエントリによって)自動焦点照明パラメータの無条件実行モード改良を含む実施方法中、または(例えば、上記で概説したように、決定ブロック858の「no」条件からのエントリによって)自動焦点照明パラメータの条件付き実行モード改良を含む実施方法中に用いてもよい。いずれの場合も、ブロック860において、マシンビジョン検査システムは、図3−5に関連して前に概説した原理に従って、さらに改良された最適化照明用の基礎として、ブロック840で決定され量的に推定された初期の改良された焦点Z高さにおいて設定される。次に、動作は、ブロック870で継続する。
【0069】
ブロック870において、改良された光制御パラメータのセットが、ブロック860で設定された初期の改良された焦点Z高さでそれぞれの光制御パラメータを用いて取得された、第1の焦点関心領域の少なくとも1つのそれぞれの画像に基づいて、自動的に決定および/または学習される。前に概説したように、いくつかの状況に対しては単一の画像で十分であるが、それぞれの光制御パラメータを用いる複数の画像に基づいて、改良された光制御パラメータのセットを決定することは、照明用に照明チャネルの組み合わせが用いられる場合、またはワーク特性が予測不能でない場合、または可能な最高の精度が要求される場合等には、よりロバストになり得る。いずれにせよ、改良された光制御パラメータのセットは、焦点曲線データの初期セットのピーク値より高いピーク値を有する焦点曲線データセットを改良された光制御パラメータのセットが提供することを示すコントラスト関連メトリック(例えば、飽和画素メトリックまたはコントラストメトリック)用の値を有する画像に対応する。コントラスト関連メトリック、および改良された光制御パラメータのセットを決定する際におけるこれらのメトリックの使用に関連する様々な考察は、(例えば、特に図4および5に関連して)前に概説されており、ブロック870の動作は、それに応じて構成してもよい。
【0070】
次に、ブロック880において、精密マシンビジョン検査システムは、ブロック870で決定された改良された光制御パラメータのセットを用いて取得された、改良されたワーク画像のセットに基づいて、第1の焦点関心領域用の改良された焦点曲線データセットを提供するように操作される。次に、ブロック890において、第1の焦点関心領域用の改良された正確な焦点Z高さは、(例えば、前に概説した原理に従って)改良された焦点曲線データセットに基づいて量的に推定される。いくつかの実施形態において、改良された正確な焦点Z高さは、検査寸法として記録される。他の実施形態において、マシンビジョン検査システムは、改良された焦点Z高さに配置されて、第1の関心領域において可能な最良焦点を備えた画像を取得する。自動焦点照明パラメータの無条件または条件付き実行モード改良を含む実施方法中における、ブロック860、870、880および890の動作の実行が、前に概説した原理に従って、可能な最良の実行モード自動焦点精度および再現性を常に提供することが理解されよう。
【0071】
最初に学習モード中に改良された自動焦点照明パラメータの無条件および条件付き実行モード改良の1つの潜在的利点は、スループットが問題ではなく、かつ異なる照明チャネルおよび/またはそれらの組み合わせ(例えば、様々なリング照明クアドラント(quadrants)、同軸光源、ステージ光源、様々な色等)の影響を調査する十分な時間がある場合には、学習モード中に様々な照明構成を調査し得ることである。次に、実行モード中に、スループットがより重要な場合には、「改良」は、ある実施方法では、どの照明チャネルが用いられるかを変更せずに、前に「学習」または選択された照明チャネルの輝度を単に変更することに制限してもよい。しかしながら、かかる実施形態が、あくまでも例示であり、限定ではないことが理解されよう。いくつかの実施形態において、照明チャネル選択は、必要に応じて実行モード中に変更してもよい。
【0072】
一般に、本発明の改良された照明の自動焦点方法は、様々な用途に適用してもよい。例えば、一用途において、この方法は、多数の関心領域が所与の視野に存在する場合に適応させてもよい。かかる例において、各関心領域用に照明最適化を実行することが望ましい場合があるという点において、追加的な複雑さを伴う可能性がある。一実施形態において、最適照明パラメータの一セットを、ワーク自動焦点画像の第1の改良されたセットに基づいて、自動合焦される視野内の第1の関心領域と関連付けてもよく、次に、最適照明パラメータの別のセットを、ワーク自動焦点画像の別の改良されたセットに基づいて、自動合焦される視野内の別の関心領域と関連付けてもよい。一実施形態において、最適照明パラメータのより多くのセットの1つ(例えば、最適化照明パラメータの第1のセットまたは別のセット)を、視野における複数の関心領域の量的に十分によく合焦された画像に基づいて(例えば、各それぞれの関心領域においてコントラスト関連メトリック値の評価に基づいて)評価し、最適化照明パラメータの一セットが、複数の関心領域用の正確な自動合焦において用いるために十分に最適であるかどうかを決定してもよい。
【0073】
本発明による正確で改良された照明の自動焦点ツール、モードまたは方法が、任意の形状を備えた関心領域に適用可能であることが理解されよう。また、特定の動作(例えば、自動焦点、エッジ検出、3D再構成等)用の所望の照明レベルを得るために、コントラストを測定するためのこれらの方法を適用することによって、関心領域における表面自動焦点および/またはエッジ自動焦点、ならびに/または多数の「焦点から離れたポイント」の3D表面再構成等に関連する動作用に多数の利点を提供し得ることが理解されよう。前に概説したように、かかる利点には、オペレータのスキルまたは判断にかかわらず、かかる自動焦点関連動作のために可能な最高の精度および再現性を、迅速、自動的、かつロバストに提供することが含まれる。精度および再現性における関連する向上が、比較的小さい場合さえ(例えば、ある倍率に対してサブミクロンレベル)、かかる自動焦点動作の再現性、精度および/またはロバスト性における小さな改善さえも、数多くの用途において重要であること、特に、ある困難な表面(例えば、非常に変わりやすいテクスチャ表面)の測定に関して提供することがやはり困難であること、および全ての場合において、精密測定動作を実行するときに、より高い精度が一般により望ましいことが理解されよう。
【0074】
本発明の好ましい実施形態を図示し説明したが、動作の特徴およびシーケンスの図示し説明した配列の多数の変動が、本開示に基づいて当業者に明らかになろう。したがって、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、本発明において様々な変更をなし得ることが理解されよう。
【符号の説明】
【0075】
10・・・マシンビジョン検査システム、12・・・ビジョン測定機、14・・・制御コンピュータシステム、16・・・ディスプレイ、18・・・プリンタ、20・・・ワーク、22・・・ジョイスティック、24・・・キーボード、26・・・マウス、32・・・可動ワークステージ、34・・・光学撮像系、100・・・マシンビジョン検査システム、120・・・制御システム部、125・・・コントローラ、130・・・入力/出力インタフェース、131・・・撮像制御インタフェース、132・・・運動制御インタフェース、132a・・・位置制御要素、132b・・・速度/加速制御要素、133・・・照明制御インタフェース、133a・・・照明制御要素(光源1−選択、電力、オンオフスイッチ、パルスタイミング)、133n・・・照明制御要素(光源n−選択、電力、オンオフスイッチ、パルスタイミング)、134・・・レンズ制御インタフェース、136・・・表示装置、138・・・入力装置、140・・・メモリ、141・・・画像ファイルメモリ部、142・・・ワークプログラムメモリ部、143・・・ビデオツール部、143a・・・ツール部、143f・・・自動焦点ツール部、143fa・・・自動焦点モード制御部、143fb・・・標準自動焦点ツール、143fc・・・照明最適化自動焦点ツール、143x・・・関心領域ジェネレータ、170・・・ワークプログラムジェネレータおよび実行器、190・・・電源部、200・・・ビジョン構成要素部、205・・・光学アセンブリ部、210・・・ワークステージ、212・・・中央透明部、220・・・ステージ光源、221・・・信号線またはバス、222・・・光源光、230・・・同軸光源、231・・・信号線またはバス、232・・・光源光、240・・・表面光源、241・・・信号線またはバス、242・・・光源光、250・・・交換可能対物レンズ、255・・・ワーク光、260・・・カメラシステム、262・・・信号線、280・・・タレットレンズアセンブリ、281・・・信号線またはバス、284・・・軸、286・・・レンズ、288・・・レンズ、294・・・制御可能モータ、296・・・信号線、300・・・グラフ、310・・・比較的広い照明範囲、320・・・再現性範囲、330・・・最適化照明範囲、340・・・最良再現性範囲、400・・・グラフ、410・・・代表的な初期照明焦点曲線、414・・・焦点曲線データポイント、415・・・焦点ピーク、420・・・代表的な改良された照明の焦点曲線、424・・・焦点曲線データポイント、425・・・焦点ピーク、500・・・グラフ、510・・・照明レベル感度曲線、520・・・照明レベル感度曲線、530・・・照明レベル感度曲線、540・・・照明レベル感度曲線、600・・・ユーザインタフェース、605・・・視野、607・・・ツール選択バー、610a・・・ワーク表面、610b・・・ワーク表面、620・・・改良された照明の自動焦点ツールユーザインタフェース、621・・・照明シンボルモードインジケータ、622・・・関心領域インジケータ、625・・・サイズ/位置編集ハンドル、627・・・ハンドル、640・・・改良された照明の自動焦点ツールまたはモードボタン、645・・・アクティブボックス、650・・・改良されていない照明のまたは従来の自動焦点ツールまたはモードボタン、700・・・ルーチン、710、720、730、760、770、774、775、780、790・・・ブロック、800・・・ルーチン、810、820、830、840、852、854、856、858、860、870、880、890、895・・・ブロック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精密マシンビジョン検査システムを操作して、ワークにおける第1の焦点関心領域用の正確な画像焦点に対応する照明パラメータおよび改良された正確な焦点Z高さを独立して決定するための方法であって、前記精密マシンビジョン検査システムが、撮像部、制御可能照明部、合焦部、および画像プロセッサを含む制御部を含み、前記方法が、
a) 光制御パラメータの初期セットによって制御される前記制御可能照明部を用いて前記ワークにおける前記第1の焦点関心領域を照明するステップと、
b) 複数のZ高さにおいて光制御パラメータの前記初期セットを用いて取得されたワーク画像の初期セットに基づいて、前記第1の焦点関心領域用の焦点曲線データの初期セットを提供するように、前記精密マシンビジョン検査システムを操作するステップと、
c) 前記第1の焦点関心領域用の焦点曲線データの前記初期セットに基づいて、初期焦点Z高さを量的に推定するステップと、
d) 前記第1の焦点関心領域用の前記初期焦点Z高さに、前記精密マシンビジョン検査システムを設定するステップと、
e) 前記初期焦点Z高さにおいてそれぞれの光制御パラメータを用いて取得された、前記第1の焦点関心領域の少なくとも1つのそれぞれの画像に基づいて、改良された光制御パラメータのセットを自動的に決定するステップであって、焦点曲線データの前記初期セットのピーク値より高いピーク値を有する焦点曲線データのセットを改良された光制御パラメータの前記セットが提供することを示す少なくとも1つのコントラスト関連メトリック用の値を有する画像に、改良された光制御パラメータの前記セットが対応するように、改良された光制御パラメータの前記セットが決定されるステップと、
f) 動作セットf1)およびf2)の少なくとも1つを実行するステップであって、f1)が、
f1) 対応するワークにおける対応する第1の焦点関心領域を検査するときに後で用いるために、パートプログラムに関連する改良された光制御パラメータの前記セットを記憶するステップを含み、
f2)が、
f2) 改良された光制御パラメータの前記セットを用いて取得された、改良されたワーク画像のセットに基づいて、前記第1の焦点関心領域用の焦点曲線データの改良されたセットを提供するように、前記精密マシンビジョン検査システムを操作するステップ、および前記第1の焦点関心領域用の前記改良された正確な焦点Z高さを推定するステップであって、前記改良された正確な焦点Z高さが、焦点曲線データの前記改良されたセットに基づいて量的に推定されるステップを含むステップと、
を含む方法。
【請求項2】
ステップf)が、前記動作セットfl)を実行するステップを含み、
前記方法が、前記精密マシンビジョン検査システムの学習動作モード中に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記精密マシンビジョン検査システムが、グラフィカルユーザインタフェースおよび自動焦点ビデオツールを含み、少なくともステップb、c、dおよびeが、前記自動焦点ビデオツールに関連する動作によって自動的に実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記精密マシンビジョンシステムのユーザが、前記ワークにおける前記第1の焦点関心領域に対応する改良された光制御パラメータの前記セットを決定および記憶するために、前記精密マシンビジョン検査システムの学習動作モードで前記自動焦点ビデオツールを選択および訓練するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップf)が、前記動作セットf2)を実行するステップを含み、
前記方法が、前記精密マシンビジョン検査システムの実行動作モード中に実行され、前記精密マシンビジョン検査システムが、パートプログラムによって制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、前記精密マシンビジョン検査システムの学習動作モード中に、ステップa)、b)、c)、d)、e)およびf1)を実行するステップを含み、前記学習動作モード中に、前記第1の焦点関心領域が、代表的なワークにおける代表的な第1の焦点関心領域であり、
ステップf2)の動作が、前記精密マシンビジョン検査システムの実行動作モード中に実行され、
前記実行動作モード中に、前記精密マシンビジョン検査システムが、ステップf1)の動作に関連する前記パートプログラムによって制御され、
前記実行動作モード中に、ステップf2)の動作が、ステップf1)の動作中に記憶された、改良された光制御パラメータの前記記憶されたセットを呼び出すステップ、およびステップf2)の動作中に、改良された光制御パラメータの当該セットを用いるステップを含み、
前記実行動作モード中に、前記ワークにおける前記第1の焦点関心領域が、前記学習動作モード中に用いられた前記代表的なワークにおける前記代表的な第1の焦点領域に対応する現在のワークにおける現在の第1の焦点領域である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、前記精密マシンビジョン検査システムの学習動作モード中に、ステップa)、b)、c)、d)、e)およびf1)を実行するステップを含み、前記学習動作モード中に、前記第1の焦点関心領域が、代表的なワークにおける代表的な第1の焦点関心領域であり、
前記方法が、前記精密マシンビジョン検査システムの実行動作モード中に、ステップa)、b)、c)、d)、e)を反復するステップ、およびステップf2)の動作を実行するステップを含み、
前記実行動作モード中に、前記精密マシンビジョン検査システムが、ステップf1)の動作に関連する前記パートプログラムによって制御され、
前記実行動作モード中に、ステップa)の動作が、ステップf1)の動作中に記憶された、改良された光制御パラメータの前記記憶されたセットを呼び出すステップ、および前記実行モード動作中に、光制御パラメータの前記初期セットとして、改良された光制御パラメータの当該セットを用いるステップを含み、
前記実行動作モード中に、前記ワークにおける前記第1の焦点関心領域が、前記学習動作モード中に用いられた前記代表的なワークにおける前記代表的な第1の焦点領域に対応する現在のワークにおける現在の第1の焦点領域である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、前記精密マシンビジョン検査システムの学習動作モード中に、ステップa)、b)、c)、d)、e)およびf1)を実行するステップを含み、前記学習動作モード中に、前記第1の焦点関心領域が、代表的なワークにおける代表的な第1の焦点関心領域であり、
前記方法が、前記精密マシンビジョン検査システムの実行動作モード中に、ステップa)、b)、c)を反復するステップ、および条件付き動作を実行するステップを含み、
前記実行動作モード中に、前記精密マシンビジョン検査システムが、ステップf1)の動作に関連する前記パートプログラムによって制御され、
前記実行動作モード中に、ステップa)の動作が、ステップf1)の動作中に記憶された、改良された光制御パラメータの前記記憶されたセットを呼び出すステップ、および実行モード動作中に光制御パラメータの前記初期セットとして、改良された光制御パラメータの当該セットを用いるステップを含み、
前記実行動作モード中に、前記ワークにおける前記第1の焦点関心領域が、前記学習動作モード中に用いられた前記代表的なワークにおける前記代表的な第1の焦点関心領域に対応する現在のワークにおける現在の第1の焦点関心領域であり、
前記条件付き動作が、
前記実行動作モード中にステップa、b)およびc)の動作を実行した後で、ステップa)およびb)の前記実行モード動作中に、かつステップc)の前記実行モード動作中に推定された前記初期焦点Z高さに近いZ高さで用いられた、光制御パラメータの前記セットを用いて取得された画像用のコントラスト関連メトリック値を決定するステップと、
前記コントラスト関連メトリック値が、ステップa)およびb)の前記実行モード動作中に用いられた前記光制御パラメータセットを示す場合には、ステップc)の前記実行モード動作中に推定された前記初期焦点Z高さを、前記第1の焦点関心領域用の前記改良された正確な焦点Z高さとして用いるステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記条件付き動作が、
ステップa)およびb)の前記実行モード動作中に用いられた前記光制御パラメータセットが、十分に最適な照明を提供しないことを、前記コントラスト関連メトリック値が示す場合には、前記精密マシンビジョン検査システムの前記実行動作モード中にステップd)、e)およびf2)の動作を実行するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ステップe)において、前記少なくとも1つのコントラスト関連メトリックが、画素輝度メトリック、飽和画素メトリック、およびコントラストメトリックの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ステップe)において、前記第1の焦点関心領域の前記少なくとも1つのそれぞれの画像が、前記初期焦点Z高さにおいてそれぞれの光制御パラメータを用いて取得された前記第1の焦点関心領域の複数のそれぞれの画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項1】
精密マシンビジョン検査システムを操作して、ワークにおける第1の焦点関心領域用の正確な画像焦点に対応する照明パラメータおよび改良された正確な焦点Z高さを独立して決定するための方法であって、前記精密マシンビジョン検査システムが、撮像部、制御可能照明部、合焦部、および画像プロセッサを含む制御部を含み、前記方法が、
a) 光制御パラメータの初期セットによって制御される前記制御可能照明部を用いて前記ワークにおける前記第1の焦点関心領域を照明するステップと、
b) 複数のZ高さにおいて光制御パラメータの前記初期セットを用いて取得されたワーク画像の初期セットに基づいて、前記第1の焦点関心領域用の焦点曲線データの初期セットを提供するように、前記精密マシンビジョン検査システムを操作するステップと、
c) 前記第1の焦点関心領域用の焦点曲線データの前記初期セットに基づいて、初期焦点Z高さを量的に推定するステップと、
d) 前記第1の焦点関心領域用の前記初期焦点Z高さに、前記精密マシンビジョン検査システムを設定するステップと、
e) 前記初期焦点Z高さにおいてそれぞれの光制御パラメータを用いて取得された、前記第1の焦点関心領域の少なくとも1つのそれぞれの画像に基づいて、改良された光制御パラメータのセットを自動的に決定するステップであって、焦点曲線データの前記初期セットのピーク値より高いピーク値を有する焦点曲線データのセットを改良された光制御パラメータの前記セットが提供することを示す少なくとも1つのコントラスト関連メトリック用の値を有する画像に、改良された光制御パラメータの前記セットが対応するように、改良された光制御パラメータの前記セットが決定されるステップと、
f) 動作セットf1)およびf2)の少なくとも1つを実行するステップであって、f1)が、
f1) 対応するワークにおける対応する第1の焦点関心領域を検査するときに後で用いるために、パートプログラムに関連する改良された光制御パラメータの前記セットを記憶するステップを含み、
f2)が、
f2) 改良された光制御パラメータの前記セットを用いて取得された、改良されたワーク画像のセットに基づいて、前記第1の焦点関心領域用の焦点曲線データの改良されたセットを提供するように、前記精密マシンビジョン検査システムを操作するステップ、および前記第1の焦点関心領域用の前記改良された正確な焦点Z高さを推定するステップであって、前記改良された正確な焦点Z高さが、焦点曲線データの前記改良されたセットに基づいて量的に推定されるステップを含むステップと、
を含む方法。
【請求項2】
ステップf)が、前記動作セットfl)を実行するステップを含み、
前記方法が、前記精密マシンビジョン検査システムの学習動作モード中に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記精密マシンビジョン検査システムが、グラフィカルユーザインタフェースおよび自動焦点ビデオツールを含み、少なくともステップb、c、dおよびeが、前記自動焦点ビデオツールに関連する動作によって自動的に実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記精密マシンビジョンシステムのユーザが、前記ワークにおける前記第1の焦点関心領域に対応する改良された光制御パラメータの前記セットを決定および記憶するために、前記精密マシンビジョン検査システムの学習動作モードで前記自動焦点ビデオツールを選択および訓練するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップf)が、前記動作セットf2)を実行するステップを含み、
前記方法が、前記精密マシンビジョン検査システムの実行動作モード中に実行され、前記精密マシンビジョン検査システムが、パートプログラムによって制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法が、前記精密マシンビジョン検査システムの学習動作モード中に、ステップa)、b)、c)、d)、e)およびf1)を実行するステップを含み、前記学習動作モード中に、前記第1の焦点関心領域が、代表的なワークにおける代表的な第1の焦点関心領域であり、
ステップf2)の動作が、前記精密マシンビジョン検査システムの実行動作モード中に実行され、
前記実行動作モード中に、前記精密マシンビジョン検査システムが、ステップf1)の動作に関連する前記パートプログラムによって制御され、
前記実行動作モード中に、ステップf2)の動作が、ステップf1)の動作中に記憶された、改良された光制御パラメータの前記記憶されたセットを呼び出すステップ、およびステップf2)の動作中に、改良された光制御パラメータの当該セットを用いるステップを含み、
前記実行動作モード中に、前記ワークにおける前記第1の焦点関心領域が、前記学習動作モード中に用いられた前記代表的なワークにおける前記代表的な第1の焦点領域に対応する現在のワークにおける現在の第1の焦点領域である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法が、前記精密マシンビジョン検査システムの学習動作モード中に、ステップa)、b)、c)、d)、e)およびf1)を実行するステップを含み、前記学習動作モード中に、前記第1の焦点関心領域が、代表的なワークにおける代表的な第1の焦点関心領域であり、
前記方法が、前記精密マシンビジョン検査システムの実行動作モード中に、ステップa)、b)、c)、d)、e)を反復するステップ、およびステップf2)の動作を実行するステップを含み、
前記実行動作モード中に、前記精密マシンビジョン検査システムが、ステップf1)の動作に関連する前記パートプログラムによって制御され、
前記実行動作モード中に、ステップa)の動作が、ステップf1)の動作中に記憶された、改良された光制御パラメータの前記記憶されたセットを呼び出すステップ、および前記実行モード動作中に、光制御パラメータの前記初期セットとして、改良された光制御パラメータの当該セットを用いるステップを含み、
前記実行動作モード中に、前記ワークにおける前記第1の焦点関心領域が、前記学習動作モード中に用いられた前記代表的なワークにおける前記代表的な第1の焦点領域に対応する現在のワークにおける現在の第1の焦点領域である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、前記精密マシンビジョン検査システムの学習動作モード中に、ステップa)、b)、c)、d)、e)およびf1)を実行するステップを含み、前記学習動作モード中に、前記第1の焦点関心領域が、代表的なワークにおける代表的な第1の焦点関心領域であり、
前記方法が、前記精密マシンビジョン検査システムの実行動作モード中に、ステップa)、b)、c)を反復するステップ、および条件付き動作を実行するステップを含み、
前記実行動作モード中に、前記精密マシンビジョン検査システムが、ステップf1)の動作に関連する前記パートプログラムによって制御され、
前記実行動作モード中に、ステップa)の動作が、ステップf1)の動作中に記憶された、改良された光制御パラメータの前記記憶されたセットを呼び出すステップ、および実行モード動作中に光制御パラメータの前記初期セットとして、改良された光制御パラメータの当該セットを用いるステップを含み、
前記実行動作モード中に、前記ワークにおける前記第1の焦点関心領域が、前記学習動作モード中に用いられた前記代表的なワークにおける前記代表的な第1の焦点関心領域に対応する現在のワークにおける現在の第1の焦点関心領域であり、
前記条件付き動作が、
前記実行動作モード中にステップa、b)およびc)の動作を実行した後で、ステップa)およびb)の前記実行モード動作中に、かつステップc)の前記実行モード動作中に推定された前記初期焦点Z高さに近いZ高さで用いられた、光制御パラメータの前記セットを用いて取得された画像用のコントラスト関連メトリック値を決定するステップと、
前記コントラスト関連メトリック値が、ステップa)およびb)の前記実行モード動作中に用いられた前記光制御パラメータセットを示す場合には、ステップc)の前記実行モード動作中に推定された前記初期焦点Z高さを、前記第1の焦点関心領域用の前記改良された正確な焦点Z高さとして用いるステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記条件付き動作が、
ステップa)およびb)の前記実行モード動作中に用いられた前記光制御パラメータセットが、十分に最適な照明を提供しないことを、前記コントラスト関連メトリック値が示す場合には、前記精密マシンビジョン検査システムの前記実行動作モード中にステップd)、e)およびf2)の動作を実行するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ステップe)において、前記少なくとも1つのコントラスト関連メトリックが、画素輝度メトリック、飽和画素メトリック、およびコントラストメトリックの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ステップe)において、前記第1の焦点関心領域の前記少なくとも1つのそれぞれの画像が、前記初期焦点Z高さにおいてそれぞれの光制御パラメータを用いて取得された前記第1の焦点関心領域の複数のそれぞれの画像を含む、請求項1に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【公開番号】特開2011−95263(P2011−95263A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243731(P2010−243731)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
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