説明

歪み検査方法および検査装置

【課題】本発明は、例えば平面鏡と曲面鏡をミラー等の反射面の歪みを、従来よりも高精度に検査する方法及び歪み検査装置に関するものであり、歪み量の検査とともに、歪みの方向も検査することができ、又、周辺部においても細かい検査を行うことができる歪み検査方法およびゆがみ検査装置を提供することにある。
【解決手段】前記検査対象に対して複数の平行線パターンを投射する投射手段と、前記投射手段により投射された平行線パターンによって検査対象から反射された反射平行線パターンを読み取る読取手段と、前記読取手段による反射平行線パターンに基づいて作成した測定パターンデータと予め定めた基準パターンデータとを比較演算するデータ処理手段と、前記データ処理手段の結果に基づいて前記検査対象の状態を判定するようにした判定手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミラー等の反射面の歪みを検査する方法及び歪み検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、反射鏡における光学的歪(反射像の歪み)の測定方法としては、鏡材の反射像の歪み試験(JIS R3220)、自動車用ミラーの歪率試験(JIS D5705)に規定されている。
【0003】
反射像の歪み試験は、投影機からの光線を供試体面に対し45度の方向から照射し、反射光路状に設けた映写面上に、投影機内の種板に画かれた平行直線の白黒縞を投射し、映写像の縞間隔を測定する方法である。そのため、この方法では、鏡材としての平面板に対してしか試験を行うことができず、曲面鏡の歪みを検出することができない。
【0004】
一方、歪み率試験では、鏡面に所定間隔の同心円メモリとその中心を通る8等分の像を投影させ、カメラなどによって鏡面の同心円メモリの像を写す。そして、同心円の反射像の平均半径と、最大または最小の反射像の半径とに基づいて歪率を算出するものである。この方法によれば、同心円メモリを用いるので、平面鏡と曲面鏡を検査することができる。
【0005】
歪み率試験では、同心円の反射像の平均半径、及び最大または、最小の反射像の半径を、同心円と8等分との交点の間隔を測定することにより求めている。したがって、放射線方向の変位のみを検出するため、歪みの方向に対して、検出精度が異なる場合が出てくる。また、中心部に比べて周辺部においては、8等分の間隔(周方向の間隔)が広くなるので、検査密度が粗くなり、8等分線間にある歪みを検出することができない場合がある。
【0006】
また、特開平9−175457によれば、格子パターンの2つの対角線の長さの差と格子パターンの格子の各辺と格子パターンの軸との角度歪み量により、歪みを定義している。
【0007】
この方法でも対角線の差が出るような歪みの場合や、格子の各辺が格子パターンに対して角度が出るように歪んでいる場合は計測可能であるが、歪みが、格子に対して垂直に出ている場合は計測することができない。また、これらによる計測の場合、歪みの向きを計測することができない。また、歪みの計算を全て計測データで行うため、オフセット歪みのような相対的なずれを計測することができない。さらに、格子点であるため、検査解像度が格子点間の距離以下の検出精度を棄てているといった解像度の制約がでてくる。
【特許文献1】特開平9−175457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、例えば平面鏡と曲面鏡をミラー等の反射面の歪みを、従来よりも高精度に検査する方法及び歪み検査装置に関するものであり、歪み量の検査とともに、歪みの方向も検査することができ、又、周辺部においても細かい検査を行うことができる歪み検査方法およびゆがみ検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するため、本発明の歪み検査方法および検査装置は、
前記検査対象に対して複数の平行線パターンを投射する投射手段と、前記投射手段により投射された平行線パターンによって検査対象から反射された反射平行線パターンを読み取る読取手段と、前記読取手段による反射平行線パターンに基づいて作成した測定パターンデータと予め定めた基準パターンデータとを比較演算するデータ処理手段と、前記データ処理手段の結果に基づいて前記検査対象の状態を判定するようにした判定手段を有する事を特徴とする。
【0010】
また、本発明に記載の検査方法および検査装置は、前記平行線パターンが、異なる方向の少なくとも、2種類の平行線パターンからなり、前記基準パターンデータが、少なくとも前記の異なる種類の平行線パターンに対応した、複数の基準パターンデータからなり、更に前記平行線パターンにおいて、夫々異なる種類の平行線パターンを識別する識別手段を有する事を特徴とする。
【0011】
また、本発明に記載の検査方法および検査装置は、前記平行線パターンが、同一方向の少なくとも2種類の平行線パターンからなり、前記基準パターンデータが、少なくとも前記の異なる種類の平行線パターンに対応した、複数の基準パターンデータからなり、更に前記平行線パターンにおいて、夫々異なる種類の平行線パターンを識別する識別手段を有する事を特徴とする。
【0012】
また、本発明に記載の検査方法および検査装置は、前記識別手段が、異なる種類の平行線パターンを別々のタイミングで投射する投射手段と、前記投射手段により投射された平行線パターンによって検査対象から反射された、異なる種類の平行線パターンを順次読み取る読取手段よりなり、前記読取手段による異なる種類の平行線パターンの反射平行線パターンに基づいて作成した測定パターンデータと、予め定めた前記異なる種類の平行線パターンの基準パターンデータとを比較演算するデータ処理手段と、前記データ処理手段の結果に基づいて前記検査対象の状態を判定するようにした判定手段を有する事を特徴とする。
【0013】
また、本発明に記載の検査方法および検査装置は、前記識別手段が、異なる種類の平行線パターンを異なる色調(可視光領域外の波長域を含む)で投射する投射手段と、前記投射手段により投射された平行線パターンによって検査対象から反射された、異なる種類の平行線パターンを識別して読み取る読取手段よりなり、前記読取手段による異なる種類の平行線パターンに基づいて作成した測定パターンデータと、予め定めた前記異なる種類の平行線パターンの基準パターンデータとを比較演算するデータ処理手段と、前記データ処理手段の結果に基づいて前記検査対象の状態を判定するようにした判定手段を有する事を特徴とする。
【0014】
また、本発明に記載の検査方法および検査装置は、前記識別手段が、異なる種類の平行線パターンと平行線以外の部分を夫々異なる輝度で投射する投射手段と、前記投射手段により投射された平行線パターンによって検査対象から反射された、異なる種類の平行線パターンを識別して読み取る読取手段よりなり、前記読取手段による異なる種類の平行線パターンに基づいて作成した測定パターンデータと、予め定めた前記異なる種類の平行線パターンの基準パターンデータとを比較演算するデータ処理手段と、前記データ処理手段の結果に基づいて前記検査対象の状態を判定するようにした判定手段を有する事を特徴とする。
【0015】
また、本発明に記載の検査方法および検査装置は、請求項2〜6記載の検査装置において、前記投射手段が、少なくとも1つの種類の投射する平行線パターンを微細に平行移動する事を特徴とする。
【0016】
また、本発明に記載の検査方法および検査装置は、請求項2〜6記載の検査装置において、前記読取手段が、少なくとも1つの種類の検査対象から反射された平行線パターンを微細に平行移動しながら読み取る事を特徴とする。
【0017】
また、本発明に記載の検査方法および検査装置は、前記読取手段による夫々の種類の反射平行線パターンに基づいて作成した測定パターンデータと、予め定めた夫々の種類の基準パターンデータの位置のずれ量を比較演算することにより、歪みベクトルを作成し、さらに、夫々の種類の歪みベクトルを合成することによりた合成ベクトルを作成するためのデータ処理手段と、前記比較演算結果である歪みベクトル若しくは、合成歪みベクトルに基づいて前記検査対象の状態を判定するようにした判定手段を有する事を特徴とする。
【0018】
また、本発明に記載の検査方法および検査装置は、請求項1または請求項4〜6記載の歪み検査方法において、前記判定手段が、歪みベクトル若しくは、合成歪みベクトルの最大値、平均値、標準偏差の少なくとも何れか1つの統計的数値を演算する事を特徴とする。
【0019】
また、本発明に記載の検査方法および検査装置は、請求項1または請求項4〜6記載の歪み検査方法において、前記判定手段により演算した近接する複数の歪みベクトル、若しくは合成歪みベクトルを特定の長さによるしきい値でクラスタリング(距離が近いデータとしてグループ化)処理することにより、特定の歪み強度以上がある部分の集合クラスタ(塊)として歪みクラスター(歪み領域の塊)を分類し、分類した歪みクラスター夫々が基準面に対して凸面か凹面かの判定を行う事を特徴とする。
【0020】
また、本発明に記載の検査方法および検査装置は、請求項1または請求項4〜6記載の歪み検査方法において、前記判定手段が、前記歪みベクトル量の前記統的計値を演算し、前記歪みクラスターから、凹凸領域の判定と凹凸の強度の演算を行い、少なくともひとつが夫々に対応してあらかじめ設定された閾値よりも大きいか小さいかの判定を行い、合否判定する事を特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の効果は、例えば平面や曲面の鏡面体よりなる検査対象の歪み検査に定量検査が適用できる点である。本発明により、これまで官能的にしか判断できなかった平面や曲面の鏡面体の歪み量および方向を高精度に定量的に検出することが可能となる。また、本発明で導入している歪みベクトルを利用すると歪みの大きさや種類を視覚的に分かりやすく知ることができ、製品検査のみならず、製品の開発にも有効に利用可能である。また、検査データの解析により、傾向を把握し、対策を講じることにより、不良の発生を事前に防止して品質向上や歩留まりの向上が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態について、図を踏まえて具体的に説明する。
【0023】
歪み検査装置10は、図1のように,平行線パターンの投射機としてディスプレイ15を用いているが、特に周辺部の歪みが少ない液晶ディスプレイが望ましい。更に、ハーフミラー14、および、検査対象物のミラーを所定の姿勢で設置できるための検査対象物台17、平行線パターンからハーフミラー14に反射し、検査対象物13に反射し、ハーフミラー14を透過し、その映像を撮像するカメラ11により構成される。カメラ11は、CMOSでもCCDカメラでも可能である。また、カメラは2次元のイメージエリアセンサでも可能であるし、1次元のラインセンサでも可能である。ラインセンサの場合は更に、ラインセンサの走査線と垂直方向向きに直動可能なカメラ移動装置12が必要となる。ラインセンサの場合は、1ライン5000画素のように高解像が取得可能な反面、2次元の画像データにするためには、カメラ移動装置12が必要になるため、走査のための時間が必要となる。これは、使用用途により、いずれかを選定すればよい。検査装置のハーフミラー14に対してカメラ11側は、遮蔽して外光が入らないようにする。
【0024】
ハーフミラー14は所定の角度で設置されている。この実施例では、ディスプレイ15に対して、45度の姿勢で設置してある。また、カメラ11の光軸と、ハーフミラー14
の法線ベクトルとが一致するように設置してある。
【0025】
処理の流れは、図2に示すように、画像処理装置20がディスプレイ15に平行発光パターンを投射させ、ハーフミラー14で光が半分反射し、検査対象物13で反射し、再び、ハーフミラー14にて、反射光が透過し、反射光はそのまま直進し、カメラの光軸に入射する。カメラで取得した画像は、画像処理装置のメモリ上に一次保存され、所定の演算処理を行った後に、演算結果を結果出力モニタ22に表示する。
【0026】
ここで、本実施例においてディスプレイ15の設置位置は、その機器の輝度むらに注意する必要がある。輝度は通常中心が一番明るいため、ディスプレイ15の平行線パターン16をハーフミラー14を介して検査対象物13に映したとき、検査対象物13の中心位置とディスプレイ15の中心位置が合うように設置する。また、輝度中心がずれている場合は、輝度中心が合うように設置するのがよい。輝度ムラは、画像処理で光学系が決まった時点で、全体が均一になるように変換しておくのがよい。検査対象物13を検査する精度で平行線パターン16の線の細さを決定すればよい。また、ディスプレイ15への検査パターンの表示方法は、画像処理装置用パソコン20のグラフィックボードがディユアルチャンネルのものだとそのまま表示可能である。簡易的に表示するには、プレゼンテーション用のソフトを使うことも可能である。ディスプレイ15は、検査対象物13の歪みを細かく見る場合は、ドットピッチの細かいディスプレイ15を使用する。1600×1200のディスプレイの場合、およそ0.25ドッチピッチの出力が可能であり、検出パターンを約10ドット刻みで出力すると、2.5mmの線幅になる。
【0027】
例えば、検査対象は、平面ミラーである場合、上述のようにして検査対象物13に平行線パターン16を照射して取り込んだ画像は、図3のようになる。この例では、カメラ11の撮像素子面およびディスプレイ表示面に対して、ハーフミラー面を45度に設定してある。
図3では、平行線パターン16が、歪みのない理想的な検査対称面であると仮定した場合には、基準パターンデータ30は、水平に等間隔でせ設定される。(図3では等間隔に設けられた6本の平行な直線ある。)基準パターンデータ30に対して、実際検出される測定パターンデータ31は、歪みがなければ、限りなく基準パターンデータ30に近づいていく。この基準パターンデータ30と測定データーパターン31のズレを歪みベクトル32で表していく。歪みベクトル32は、この場合(上下に対する)方向と長さを持つ。この歪みベクトル32を、基準パターンデータ30上の全画素(荒っぽく検査を行う場合は、画素とばしを行う)を始点とし、その直線に直交する検出ライン上の点を終点ベクトルとして、記録する。このベクトルをVとすると、その絶対値|V|は、歪み長さとなる。
総歪み量DSは、下記の数式で表される。
【0028】
【数1】

【0029】
曲面の場合は、図3の基準パターンデータ30が直線ではなく曲線になる。この曲線は、曲面鏡のRや、カメラ、照射パターン、ハーフミラー、検査対称の位置によりその曲線の度合いは、変化するため、歪みの少ないミラーのサンプルで、計測して、あらかじめ、製品ごとに基準パターンデータ30を求めておく必要がある。この関係をシミュレーションで出せるようにしておいてもよい。
【0030】
歪みベクトルは、水平方向の平行線パターン16についてだけの処理でもある程度の歪み位置を特定できるが、より詳細に検査する場合は、この平行線パターン16に対して垂直方向の平行線パターン16を取り込む必要がある。
これらの垂直方向および水平方向(あるいは第1方向、第2方向という具合に、必ずしも、水平垂直の関係の必要はない)の平行線パターン16は、ディスプレイを含む投射機で一定間隔のタイミングで切り替えてもよいし、水平、垂直同時に出力してもよい。
同時に出力する場合は、同じ色調、輝度の場合、格子パターンになって縦横線の識別の必要がでてくるため、画像処理の場合、その位置を特定するには、他の位置とは異なる処理をする必要がある。同時に検出する場合は、平行線検出に加えて十字点検出等を行えばよい。尚、処理が煩雑になるため、カラー画像の場合、異なる色(波長)を同時に照射するか、モノクロの場合、相反する輝度、例えば、水平方向は最低輝度、垂直方向は最高輝度、背景輝度は、中間輝度といった具合にすると処理の上で簡易的になる。
【0031】
これら2つの測定パターンデータ31を合成することにより、2次元ベクトルが完成する。歪みベクトルは、大きさに応じてクラスタリングする。ベクトル群が、図5のように外側に向かっている領域を凸面領域として検出し、逆に内側に向かっている領域を凹面領域として検出する。検査対象物13は、水平、垂直方向の合成基準パターンデータ30を計算しておくと、平面でも曲面でも同様の処理ができる。これにより、検査対象物13がどの部分がどれくらい基準面(理想的な検査対象物13の面)に対しての凹凸面を持っているか判定することが可能である。これにより、検査対象物13を製品に組み込んだときに組み込んだ土台の凹凸の判定などに利用することが可能となる。
【0032】
歪みベクトルは、検査対象物13の全面において演算される。このときの演算の統計量、平均歪みベクトル量や、歪みベクトル標準偏差量や、最大歪みベクトルを取得し、あらかじめ設定しておいた閾値と比較して合否判定する。
【0033】
凹凸判定に関しては、図6のように歪みベクトルが、同じ方向に群でつながっているときは、緩やかに傾いている場合であると判断される。また、内側に向いている場合には、凹部、外側に向いている場合は、凸部の領域として判定される。このような判断をするためには、あらかじめ、歪み強度によるクラスタリングを行った後、各クラスターのベクトルの向きの判定を行わねばならない。また、クラスタベクトルが広い範囲にわたる場合は、歪みが緩やかな場合、狭い範囲の場合は、歪みが急な場合となる。判定の時の基準に入れる。
【0034】
凹凸判定もあらかじめ基準となる閾値を設定しておき、製品ごとに閾値と比較して、合否判定を行うようにする。
【産業上の利用可能性】
【0035】
実施例においては、平面や曲面の鏡面体よりなる検査対象の歪み検査について説明したが、検査対象は鏡面体に限らず、平行照射パターンをカメラで検出可能な程度の反射率を持つ物体で有れば平面や曲面の歪みの計測が可能であり、特に検査対象の反射率の低い場合は、照射パターン光の光量を上げるなど、検出の能力を向上させる事により様々検査対象に対して、産業上、広く利用する事ができる。また、検査対象の表面形状は平面若しくは単一の曲面である必要は無く、曲面と平面、若しくは曲率が変化する面や曲面の異なる面の複合体などであっても本発明の歪み検査方法および検査装置を産業上、利用する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】一実施の形態の歪み検査装置の概略図
【図2】一実施の形態の歪み検査装置の処理の流れ図
【図3】一実施の形態の歪み水平方向検出図
【図4】一実施の形態の歪み水平方向垂直方向検出図
【図5】一実施の形態の歪みの凹凸表示概念図
【図6】一実施の形態の歪みの凹凸領域表示概念図
【符号の説明】
【0037】
10 歪み検査装置
11 カメラ
12 カメラ移動装置
13 検査対象物
14 ハーフミラー
15 ディスプレイ
16 平行照射線
17 検査対象物台
20 画像処理装置
22 結果出力モニタ
30 基準パターンデータ
31 測定パターンデータ
32 歪みベクトル



【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象に対して複数の平行線パターンを投射する投射手段と、前記投射手段により投射された平行線パターンによって検査対象から反射された反射平行線パターンを読み取る読取手段と、前記読取手段による反射平行線パターンに基づいて作成した測定パターンデータと予め定めた基準パターンデータとを比較演算するデータ処理手段と、前記データ処理手段の結果に基づいて前記検査対象の状態を判定するようにした判定手段を有する事を特徴とする歪み検査方法若しくは歪み検査装置。
【請求項2】
前記平行線パターンが、異なる方向の少なくとも、2種類の平行線パターンからなり、前記基準パターンデータが、少なくとも前記の異なる種類の平行線パターンに対応した、複数の基準パターンデータからなり、更に前記平行線パターンにおいて、夫々異なる種類の平行線パターンを識別する識別手段を有する事を特徴とする請求項1記載の歪み検査方法若しくは歪み検査装置。
【請求項3】
前記平行線パターンが、同一方向の少なくとも2種類の平行線パターンからなり、前記基準パターンデータが、少なくとも前記の異なる種類の平行線パターンに対応した、複数の基準パターンデータからなり、更に前記平行線パターンにおいて、夫々異なる種類の平行線パターンを識別する識別手段を有する事を特徴とする請求項1記載の歪み検査方法若しくは歪み検査装置。
【請求項4】
前記識別手段が、異なる種類の平行線パターンを別々のタイミングで投射する投射手段と、前記投射手段により投射された平行線パターンによって検査対象から反射された、異なる種類の平行線パターンを順次読み取る読取手段よりなり、前記読取手段による異なる種類の平行線パターンの反射平行線パターンに基づいて作成した測定パターンデータと、予め定めた前記異なる種類の平行線パターンの基準パターンデータとを比較演算するデータ処理手段と、前記データ処理手段の結果に基づいて前記検査対象の状態を判定するようにした判定手段を有する事を特徴とする請求項2または3記載の歪み検査方法若しくは歪み検査装置。
【請求項5】
前記識別手段が、異なる種類の平行線パターンを異なる色調(可視光領域外の波長域を含む)で投射する投射手段と、前記投射手段により投射された平行線パターンによって検査対象から反射された、異なる種類の平行線パターンを識別して読み取る読取手段よりなり、前記読取手段による異なる種類の平行線パターンに基づいて作成した測定パターンデータと、予め定めた前記異なる種類の平行線パターンの基準パターンデータとを比較演算するデータ処理手段と、前記データ処理手段の結果に基づいて前記検査対象の状態を判定するようにした判定手段を有する事を特徴とする請求項2または3記載の歪み検査方法若しくは歪み検査装置。
【請求項6】
前記識別手段が、異なる種類の平行線パターンと平行線以外の部分を夫々異なる輝度で投射する投射手段と、前記投射手段により投射された平行線パターンによって検査対象から反射された、異なる種類の平行線パターンを識別して読み取る読取手段よりなり、前記読取手段による異なる種類の平行線パターンに基づいて作成した測定パターンデータと、予め定めた前記異なる種類の平行線パターンの基準パターンデータとを比較演算するデータ処理手段と、前記データ処理手段の結果に基づいて前記検査対象の状態を判定するようにした判定手段を有する事を特徴とする請求項2または3記載の歪み検査方法若しくは歪み検査装置。
【請求項7】
前記投射手段が、少なくとも1つの種類の投射する平行線パターンを微細に平行移動する事を特徴とする請求項2〜6記載の歪み検査方法若しくは歪み検査装置。
【請求項8】
前記読取手段が、少なくとも1つの種類の検査対象から反射された平行線パターンを微細に平行移動しながら読み取る事を特徴とする請求項2〜6記載の歪み検査方法若しくは歪み検査装置。
【請求項9】
前記読取手段による夫々の種類の反射平行線パターンに基づいて作成した測定パターンデータと、予め定めた夫々の種類の基準パターンデータの位置のずれ量を比較演算することにより、歪みベクトルを作成し、さらに、夫々の種類の歪みベクトルを合成することによりた合成ベクトルを作成するためのデータ処理手段と、前記比較演算結果である歪みベクトル若しくは、合成歪みベクトルに基づいて前記検査対象の状態を判定するようにした判定手段を有する事を特徴とする請求項2記載の歪み検査方法若しくは歪み検査装置。
【請求項10】
前記判定手段が、歪みベクトル若しくは、合成歪みベクトルの最大値、平均値、標準偏差の少なくとも何れか1つの統計的数値を演算する事を特徴とする請求項1または請求項4〜6記載の歪み検査方法若しくは歪み検査装置。
【請求項11】
前記判定手段により演算した近接する複数の歪みベクトル、若しくは合成歪みベクトルを特定の長さによるしきい値でクラスタリング(距離が近いデータとしてグループ化)処理することにより、特定の歪み強度以上がある部分の集合クラスタ(塊)として歪みクラスター(歪み領域の塊)を分類し、分類した歪みクラスター夫々が基準面に対して凸面か凹面かの判定を行う事を特徴とする請求項1または請求項4〜6記載の歪み検査方法若しくは歪み検査装置。
【請求項12】
前記判定手段が、前記歪みベクトル量の前記統的計値を演算し、前記歪みクラスターから、凹凸領域の判定と凹凸の強度の演算を行い、少なくともひとつがそれぞれに対応してあらかじめ設定された閾値よりも大きいか小さいかの判定を行い、合否判定する事を特徴とする請求項1または請求項4〜6記載の歪み検査方法若しくは歪み検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−224540(P2008−224540A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65595(P2007−65595)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(391021226)株式会社カーメイト (100)
【Fターム(参考)】