説明

水中軸受

【課題】ポンプの主軸との間の隙間に圧縮空気を供給することで摩耗や破損を高精度で診断可能な水中軸受を提供する。
【解決手段】ポンプのケーシング内に配置されてポンプの主軸を支持する水中軸受であって、主軸8を貫通する軸受孔44を備える軸受体41Aと、軸受体41Aをケーシングに保持すると共に、軸受孔44の孔周壁と主軸8との間の隙間に診断用の空気を供給するための供給ポート31bが形成された保持体と、軸受体41Aの上方で主軸8に固定され、隙間と連通する空気溜まり室52と、空気溜まり室52とケーシング内を連通させる上側連通路53と、上側連通路53に形成されて通過する流体に対して抵抗を付与する抵抗付与部とを有するカバー51とを備える。軸受体41Aの周囲を空気のみが存在する状態とすることで、圧縮空気の供給により軸受体41Aの摩耗等を高精度で診断できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプの主軸を支持するための水中軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
水中軸受とポンプの主軸との間の隙間に圧縮空気を供給してポンプケーシング内に流出させることで、水中軸受の摩耗や破損を診断することが知られている。例えば、特許文献1には、供給される空気流量と、空気供給圧とポンプの吐出圧との差圧に基づいて水中軸受の摩耗等を診断することが開示されている。また、特許文献2には、圧力タンク内の空気を水中軸受と主軸の隙間に供給し、圧力タンク内の圧力低下に要する時間から水中軸受の摩耗等を診断することが開示されている。さらに、非特許文献1には、空気が供給される水中軸受と主軸の隙間の上流にオリフィスを設け、空気マイクロメータの原理を利用して水中軸受の摩耗等を診断することが開示されている。
【0003】
これらの方法で水中軸受の摩耗等を高精度で診断するには、主軸との隙間に診断用の圧縮空気を供給した際に水中軸受の周囲を可能な限り空気のみが存在して水が存在しない状態とすることが好ましい。逆に、隙間から流出した空気が水中軸受の周囲で水と混合して二相流の状態であると、高精度で摩耗等を診断できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3933586号明細書
【特許文献2】特開2009−074530号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】兼森、外1名、「ポンプ水中軸受外部診断装置の開発」、とりしまレビュー、株式会社酉島製作所、平成21年3月10日、通巻第22号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ポンプの主軸との間の隙間に圧縮空気を供給することで摩耗や破損を高精度で診断可能な水中軸受を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ポンプのケーシング内に配置されてポンプの主軸を支持する水中軸受であって、前記主軸を貫通する軸受孔を備える軸受体と、前記軸受体を前記ケーシングに保持すると共に、前記軸受体の前記軸受孔の孔周壁と前記主軸との間の隙間に診断用の空気を供給するための供給ポートが形成された保持体と、前記軸受体の上方で前記主軸に固定され、前記隙間と連通する空気溜まり室と、前記空気溜まり室と前記ケーシング内を連通させる連通路と、前記連通路に形成されて通過する流体に対して対して抵抗を付与する抵抗付与部とを有するカバーとを備える、水中軸受を提供する。
【0008】
カバー内の空気溜まり室は連通路を介してポンプのケーシング内と連通している。通常のポンプ運転中、ポンプのケーシング内と同様に、軸受体と主軸の隙間及びカバー内の空気溜まり室に水が充満している。保持体に形成された供給ポートから診断用の圧縮空気が供給されると、この圧縮空気は軸受体と主軸の隙間から空気溜まり室へ流入する。空気溜まり室は連通路を介してポンプのケーシング内と連通しているが、この連通路には抵抗付与部が設けられている。そのため、空気溜まり室内の圧力がある程度上昇するまで、空気溜まり室内に流入した空気は連通路から流出することなく空気溜まり室に留まる。そして、圧縮空気の流入により空気溜まり室の圧力が抵抗付与部による抵抗を上回る圧力まで上昇した時点で、軸受体と主軸の隙間及び空気溜まり室に存在している空気と水が連通路を通ってポンプのケーシング内に噴出される。この空気と水の噴出の結果、軸受体と主軸の隙間及び空気溜まり室は水が存在せず空気のみが存在する状態となる。この噴出以降も供給ポートからの圧縮空気の供給を継続すれば、軸受体と主軸の隙間及び空気溜まり室、つまり水中軸受の周囲は空気のみが存在して水が存在しない状態を維持するので、水中軸受の軸受体の摩耗や破損を高精度で診断できる。カバーは軸受体と主軸の隙間に塵等が進入するのを防止する防塵機能も果たす。
【0009】
具体的には、前記カバーは前記主軸に固定されて前記主軸の軸線方向と交差する方向に拡がる本体部と、この本体部から前記軸受体に向けて前記主軸の前記軸線方向に延びて前記保持体との間に前記連通路を形成する裾部とを備え、前記抵抗付与部は前記裾部の内周面に形成されたラビリンス構造である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の水中軸受は、空気溜まり室と、空気溜まり室とポンプのケーシング内との連通路と、この連通路に形成された抵抗付与部とを設けたカバーを軸受体の上方に備えるので、供給ポートから診断用の圧縮空気を供給することで、軸受体と主軸の隙間及び空気溜まり室に存在している空気と水を連通路を通ってポンプのケーシング内に噴出させることができる。この噴出により軸受体と主軸の隙間及び空気溜まり室、つまり水中軸受の周囲は空気のみが存在して水が存在しない状態となり、水中軸受の軸受体の摩耗や破損を高精度で診断できる。カバーは軸受体と主軸の隙間に塵等が進入するの防止する防塵機能も果たす。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態である水中軸受を備える先行待機型立軸ポンプを示す縦断面図。
【図2】図1の部分IIの模式的な部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態にかかる無注水水中軸受(以下、単に水中軸受という)を備える先行待機型立軸ポンプ(以下、単に立軸ポンプという)2を示す。
【0014】
立軸ポンプ2は、図示しない流入側管路から排水ポンプ場の吸水槽3内に流入する雨水等の水を下流側に排水するためのものであり、鉛直方向に延びるケーシング4を備えている。ケーシング4は、直管状の揚水管4a,4b、揚水管4bの下端に連結されたインペラケーシング4c,4d、インペラケーシング4dの下端に連結された吸込ベル4e、揚水管4aの上端に連結されて鉛直方向から水平方向に湾曲した吐出ケーシング4fを備える。吐出ケーシング4fには、仕切弁5を設けた吐出管6が連結されている。インペラケーシング4d内にインペラ7が配設されている。
【0015】
インペラ7が下端に固定されている主軸8は、鉛直方向に延びてケーシング4の外部に突出している。9は主軸8のスラスト軸受、10は軸封装置である。主軸8の上端側はモータ又は内燃機関、減速機構等からなるポンプ駆動機構(図示せず)に連結されている。
【0016】
図1において、13A,13B,13Cはポンプ2のケーシング4内に配置されて主軸8のラジアル軸受として機能する水中軸受である。個々の水中軸受13A〜13Cには診断装置101の空気注入配管102A,102B,102Cの一端が接続されている。診断装置101は、コンプレッサ103から、エアタンク104、レギュレータ105、圧縮空気の供給圧力を測定する圧力計106、オリフィス107、及び流量計108等を介して空気注入配管102A,102B,102Cの他端に接続された供給配管109を備える。供給配管109から分岐した分岐管路110は吐出ケーシング4f内に接続されている。この分岐管路110には差圧計111が設けられている。
【0017】
診断装置101が備える制御装置112は、コンプレッサ103で生成してエアタンク104に貯めた圧縮空気を供給配管109から空気注入配管102A〜102Cを介して水中軸受13A〜13C(より詳しくは後述する軸受体41A,41B)と主軸8の我執面との隙間に供給することで、水中軸受13A〜13C(軸受体41A,41B)の摩耗や破損を診断する。例えば、制御装置111は以下の方法で水中軸受13A〜13Cの摩耗等を診断できる。まず、特許文献1に記載されているように、水中軸受13A〜13Cと主軸8の隙間に供給される圧縮空気の流量(流量計108で測定される)と、圧縮空気の供給圧とポンプ2の吐出圧との差圧(差圧計111で測定される)に基づいて水中軸受13A〜13Cの摩耗等を診断できる。また、特許文献2に記載されているように、エアタンク104内の圧縮空気を水中軸受13A〜13Cと主軸8の隙間に供給し、エアタンク104内の圧力低下に要する時間から水中軸受13A〜13Cの摩耗等を診断できる。さらに、非特許文献1に記載されているように、エアタンク104内の圧縮空気を水中軸受13A〜13Cと主軸8の隙間に供給し、オリフィス107の前後の圧縮空気の圧力を測定することで、空気マイクロメータの原理を利用して水中軸受13A〜13Cの摩耗等を診断できる。
【0018】
3個の水中軸受13A〜13Cのうち水中軸受13Aに本発明を適用している。残りの水中軸受13B,13Cに本発明を適用してもよい。
【0019】
図2を参照すると、水中軸受13Aは両端開口の筒状の軸受ホルダ31を備える。この軸受ホルダ31の上端には外向きに突出するフランジ部31aが設けられている。このフランジ部31aがケーシング4(揚水管4b)の内面から突出するリブ32に固定されている。具体的には、リブ32の先端に両端開口の軸受ケーシング55が設けられており、この軸受ケーシング55に軸受ホルダ31のフランジ部31aがボルト33で固定されている。軸受ケーシング55の上端開口は軸受ケーシング55のフランジ部31aにより封鎖されている。軸受ケーシング55内に形成された収容室56内には軸受ケーシング55のフランジ部31a以外の部分が収容されている。収容室56は軸受ケーシング55の下端と主軸8の外周との隙間である下側連通路57を介してポンプ2のケーシング4内に連通している。
【0020】
軸受ホルダ31の上端には両端開口の押さえ部材34がボルト(図示せず)により固定されている。軸受ホルダ31内には両端開口のシェル36が収容されている。シェル36はボルト(図示せず)により軸受ホルダ31内に対して固定されている。シェル36の外面には上下一対の段部36a,36bが形成されている。これらの段部36a,36に配置されたクッションリング38とパッキン39が、シェル36と軸受ホルダ31及び押さえ部材34との間にそれぞれ介在している。軸受ホルダ31とシェル36には、それぞれ貫通孔からなる供給ポート31b,36cが設けられている。これらの供給ポート31b,36cは対向して設けられており、互いに連通している。空気供給配管102Aの一端が軸受ホルダ31の供給ポート31bに接続されている。軸受ホルダ31、蓋部材34、及びシェル36は本発明における保持体を構成する。
【0021】
シェル36内には上下方向に配置された2個の軸受体41A,41Bが収容されている。シェル36内に2個の軸受体41A,41Bの間には、空気供給空間42が設けられている。この空気供給空間42は供給ポート36cと連通している。個々の軸受体41A,41Bには貫通孔である軸受孔44が形成されている。軸受体41A,41Bの材質は、PBI(ポリベンゾイミダゾール)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂が好ましいが、必要な摺動性や耐摩耗性が確保できる限り、ゴム等の他の材料であってもよい。
【0022】
図2に示すように、主軸8はシェル36内の軸受体41A,41Bの軸受孔44を貫通しており、主軸8のスリーブ47を取り付けた部分が軸受体41A,41Bの軸受孔44の孔周壁と隙間30を隔てて対向している。
【0023】
軸受体41A,41Bを収容したシェル36の上方には防塵カバー51が配置されている。防塵カバー51は主軸8に固定されて主軸8の軸線L方向に対して直交する方向に拡がる円板状の本体部51aを備える。この本体部51aの外周縁から主軸8の軸線L方向に軸受体41A,41Bを収容したシェル36に向けて延びる円筒状の裾部51bが設けられている。言い換えれば、防塵カバー51は図において上方が閉鎖端(本体部51a)で下方が開口端の筒体状である。この防塵カバー51は本体部51aが主軸8に固定されているので、主軸8と共に回転する。
【0024】
防塵カバー51の本体部51aと裾部51bの内面で囲まれた空間(空気溜まり室52)内には、スリーブ47の上端付近と押さえ部材34の上端付近が収容されている。この空気溜まり室52は上側の軸受体41Aと主軸8との間の隙間30と連通している。また、空気溜まり室52は、鉛直方向に延びる裾部51bの内面と押さえ部材34の外周面との間の隙間(第1部分53a)と、この第1部分53aの下端から水平方向に延びる裾部51bの下端面と押さえ部材34との間の隙間(第2部分53b)からなる上側連通路53を介してケーシング4(揚水管4b)内と連通している。このように、防塵カバー51内の空気溜まり室52は、鉛直方向に延びる第1部分53aと水平方向延びる第2部分53bとからなる上側連通路53を介してポンプ2のケーシング4内に連通しているので、防塵カバー51は軸受体41A,41Bと主軸8の隙間30に塵等が進入するのを防止する防塵機能を果たす。
【0025】
上側連通路53の第1部分53aを形成している防塵カバー51の裾部51bの内面には、抵抗付与部の一例であるラビリンス構造54が形成されている。具体的には、ラビリンス構造54は裾部51bから主軸8に向けて突出する複数のフィン54aを備える。これらのフィン54aは主軸8の軸線L方向に間隔をあけて配置されている。個々のフィン54aの先端は押さえ部材34の外周に微小な隙間を隔てて対向している。
【0026】
ポンプ2が通常の揚水運転中又はポンプ2は停止しているが水中軸受13Aが水没しているとき、ケーシング4内、水中軸受13Aの軸受体41A,41Bの軸受孔44の孔周壁と主軸8との隙間30、防塵カバー47の内部の空気溜まり室52、軸受ケーシング55内の収容室56内はいずれも水が充満している。これらの状態とのときに、診断装置101により空気供給配管102Aから圧縮空気が供給される。空気供給配管102Aからの圧縮空気は、供給ポート31b,36cを介して介してシェル36内の空気供給空間42に進入し、この空気供給空間42から上下の軸受体41A,41Bの軸受孔44の孔周壁と主軸8との隙間30に進入する。
【0027】
上側の軸受体41Aの軸受孔44の孔周壁と主軸8との隙間30に進入した圧縮空気は、この隙間30の上端から空気溜まり室52へ流入する(図2の矢印A)。また、下側の軸受体41Bの軸受孔44の孔周壁と主軸8との隙間30に進入した圧縮空気は、この隙間の下端から収容室56に流入し、さらに下側連通路57からケーシング4内に流出する(図2の矢印B)。
【0028】
空気溜まり室52は連通路53を介してポンプ2のケーシング4内と連通しているが、この連通路53の第1部分53aにはラビリンス構造54が設けられている。ラビリンス構造54、具体的にはフィン54aの個数とフィン54aの先端と押さえ部材54との間の隙間の面積fは、空気溜まり室52内の圧力が以下の式で表される圧力Pに達するまで連通路53から圧縮空気がケーシング4内に流出せず空気溜まり室52内に留まるように設定されている。
【0029】
【数1】

【0030】
式(1)において、Hは軸受ケーシング55の高さ(上側連通路53の第2部分53から下側連通路57の下端までの距離:m)であり、γは水の比重(kgf/m3)である。
【0031】
そして、圧縮空気がさらに流入して空気溜まり室52の圧力が圧力P以上(ラビリンス構造54による抵抗を上回る圧力)まで上昇した時点で、軸受体41Aと主軸8の隙間30及び空気溜まり室52に存在している空気と水が上側連通路53を通ってポンプ2のケーシング4内に噴出される(図2の矢印C)。この空気と水の噴出の結果、軸受体41Aと主軸8の隙間30及び空気溜まり室52は水が存在せず空気のみが存在する状態となる。上側連通路53からの空気と水の噴出が生じた時点では、軸受ケーシング55内の収容室56も空気のみが存在する状態となっている。
【0032】
上側連通路53からの空気と水の噴出後もさらに供給ポート31b,36cからの圧縮空気の供給を継続すれば、上側連通路53及び下側連通路57を通ってポンプ2のケーシング4内に安定して空気が噴出され、軸受体41A,41Bと主軸8の隙間30、空気溜まり室52、及び収容室56、つまり軸受体41A,41Bの周囲は空気のみが存在して水が存在しない状態を維持する。その結果、軸受体41A,41Bの軸受孔44の孔周壁と主軸8との隙間30に供給された圧縮空気は水の影響を受けることなくケーシング4内へ流出するので、軸受体41A,41Bの摩耗や破損を高精度で診断できる。
【0033】
上側連通路53からの空気と水の噴出後も供給ポート31b,36cからの圧縮空気の供給を継続した場合、上側連通路53からケーシング4内へ流入する空気の流量は以下の式(2)で表される。
【0034】
【数2】

【0035】
式(2)において、Gは上側連通路53の空気流量(kgf/s)、fはラビリンス構造54のフィン54aの先端と押さえ部材34の外周面との間に形成される隙間、つまり上側連通路53の第1部分53aの面積(m2)、gは上側連通路53の第1部分53aの外径(m)、μは0.85〜0.65の流量係数、Zはラビリンス構造54のフィン54aの個数、P(=Hγ)は空気溜まり室52内の圧力(kgf/cm2 ads)、vは空気溜まり室52内の空気の比容積(m3/kgf)である。
【0036】
以上のように、本実施形態の水中軸受13Aでは、防塵カバー51にラビリンス構造54を設けているので、供給ポート31b,36cから診断用の圧縮空気を供給することで、上側の軸受体41Aと主軸8の隙間30及び空気溜まり室52に存在している空気と水を上側連通路53を通ってポンプ2のケーシング4内に噴出させることができる。この噴出により両方の軸受体41A,41Bと主軸8の隙間30、空気溜まり室52、及び軸受ケーシング55の収容室56内、つまり軸受体41A,41Bの周囲は空気のみが存在して水が存在しない状態となり、軸受体41A,41Bの摩耗や破損を高精度で診断できる。また、防塵カバー51は軸受体41A,41Bと主軸8の隙間30に塵等が進入するの防止する防塵機能も果たす。
【0037】
先行待機型立軸ポンプの水中軸受を例に本発明を説明したが、本発明は他の形式のポンプの水中軸受にも適用できる。
【符号の説明】
【0038】
2 先行待機型立軸ポンプ
3 吸水槽
4 ケーシング
4a,4b 揚水管
4c,4d インペラケーシング
4e 吸込ベル
4f 吐出ケーシング
5 仕切弁
6 吐出管
7 インペラ
8 主軸
9 スラスト軸受
10 軸封装置
13A,13B,13C 水中軸受
30 隙間
31 軸受ホルダ
31a フランジ部
31b 供給ポート
32 リブ
33 ボルト
34 押さえ部材
36 シェル
36a,36b 段部
36c 供給ポート
38 クッションリング
39 パッキン
41A,41B 軸受体
42 空気供給空間
44 軸受孔
47 スリーブ
51 防塵カバー
51a 本体部
51b 裾部
52 空気溜まり室
53 上側連通路
53a 第1部分
53b 第2部分
54 ラビリンス構造
54a フィン
55 軸受ケーシング
56 収容室
57 下側連通路
101 診断装置
102A,102B,102C 空気供給配管
103 コンプレッサ
104 エアタンク
105 レギュレータ
106 圧力計
107 オリフィス
108 流量計
109 供給配管
110 分岐管路
111 差圧計
112 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプのケーシング内に配置されてポンプの主軸を支持する水中軸受であって、
前記主軸を貫通する軸受孔を備える軸受体と、
前記軸受体を前記ケーシングに保持すると共に、前記軸受体の前記軸受孔の孔周壁と前記主軸との間の隙間に診断用の空気を供給するための供給ポートが形成された保持体と、
前記軸受体の上方で前記主軸に固定され、前記隙間と連通する空気溜まり室と、前記空気溜まり室と前記ケーシング内を連通させる連通路と、前記連通路に形成されて通過する流体に対して対して抵抗を付与する抵抗付与部とを有するカバーと
を備える、水中軸受。
【請求項2】
前記カバーは前記主軸に固定されて前記主軸の軸線方向と交差する方向に拡がる本体部と、この本体部から前記軸受体に向けて前記主軸の前記軸線方向に延びて前記保持体との間に前記連通路を形成する裾部とを備え、
前記抵抗付与部は前記裾部の内周面に形成されたラビリンス構造である、請求項1に記載の水中軸受。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−285885(P2010−285885A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138379(P2009−138379)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(000152170)株式会社酉島製作所 (89)
【Fターム(参考)】