説明

治療剤

ヒトのような温血動物におけるTie2受容体チロシンキナーゼ阻害剤として使用するための式:(I)
【化1】


の化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗血管新生活性を保有し、そして従って動物又はヒトの身体の血管新生に伴う疾病状態の治療の方法において有用である化合物、又は医薬的に受容可能なその塩に関する。本発明は、更に化合物の調製のための方法、化合物を活性成分として含有する医薬組成物、及びヒトのような温血動物における抗血管新生効果の発現における使用のための医薬の製造における化合物の使用のための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
Tie2受容体チロシンキナーゼ(TEKとしても知られる)は、主に内皮及び造血細胞に発現し、そして血管の形成及び維持に必須である(Jones,N.et al.Nature Reviews Molecular Cell Biology.2001:2,257−67)。
【0003】
血管新生は、既存の脈管構造からの新しい血管の発生と定義される、基本的な過程である。これは、実質的に全ての器官の形成及び生理学的機能のために必要な重要であるが複雑な生物学的過程である。通常これは、本来は過渡的であり、そして内皮細胞による血管の発芽、分枝及び細管の形成を含む多段階過程(内皮細胞(EC)の活性化、血管の不安定化、分解性酵素の合成及び放出、ECの遊走、ECの増殖、ECの組織化及び分化並びに血管の成熟のような過程を含む)中の、血管新生及び血管新生阻害因子の局所的均衡によって制御されている。
【0004】
正常な血管新生は、各種の過程において重要な役割を演じ、そして厳しい制御下にある。成人において、生理学的血管新生は、主として創傷の治癒並びにメスの生殖性の機能及び胚芽の発生のいくつかの因子に限定される。好ましくない又は病理学的な血管新生において、血管新生及び血管新生阻害因子間の局所的均衡は制御されず、不適当な及び/又は構造的に異常な血管の形成に導く。病理学的血管新生は、糖尿病性網膜症、乾癬、癌、慢性関節リウマチ、アテローム、カポジ肉腫及び血管腫を含む疾病状態に伴う(Fan et al,1995,Trends Pharmacology.Science.16:57−66;Folkman,1995,Nature Medicine 1:27−31)。癌において、1−2mmを超える原発性及び転移性腫瘍の増殖は、血管新生を必要とする(Folkman,J.New England Journal of Medicine 1995;33,1757−1763)。
【0005】
進行が異常な血管新生に依存する癌のような疾病において、過程の遮断は、疾病の前進の予防に導くことができる(Folkman,J.1995,Nature Medicine.1:27−31)。多くの因子が、血管新生の制御における重要な決定的な役割を演じると信じられることが科学的文献に記載されている。血管新生因子の二つの主要な群は、血管内皮増殖因子(VEGF)及びアンギオポエチンである。これらのポリペプチド分子は、これらの対応する受容体(主として内皮細胞特異的である膜貫通チロシンキナーゼ)と相互作用し、そしてリガンドが仲介するシグナル伝達によって細胞の反応を誘発する。VEGF及びアンギオポエチンが、正常な及び病理学的な血管新生の両方中に、これらのそれぞれの受容体を経由するシグナル伝達によって血管新生過程の各種の側面を制御するために協力していることが推測されている。
【0006】
受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、細胞の形質膜を通る生化学的シグナルの伝達において重要である。これらの膜貫通分子は、特徴的に、形質膜のセグメントを経由して細胞内のチロシンキナーゼ領域に接続した細胞外のリガンド結合領域からなる。リガンドの受容体への結合は、受容体に伴われたチロシンキナーゼ活性の刺激となり、これは、受容体及び他の細胞内分子の両方のチロシン残基のリン酸化に導く。これらのチロシンのリン酸化の変化は、シグナル伝達カスケードを開始し、各種の細胞の反応に導く。今日まで、アミノ酸配列の相同性によって定義された、少なくとも19の個別のRTKサブファミリーが同定されている。これらのサブファミリーの一つは、現在fms様チロシンキナーゼ受容体、Flt又はFlt1、キナーゼ挿入領域を含有する受容体、KDR(Flk−1とも呼ばれる)、及びもう一つのfms様チロシンキナーゼ受容体、Flt4によって構成されている。これらの二つの関連するRKT、Flt及びKDRは、VEGFと高い親和性で結合することが示されている(De Vries et al,1992,Science 255:989−991;Terman et al,1992,Biochem.Biophys.Res.Comm.1992,187:1579−1586)。非相同的細胞で発現したVEGFのこれらの受容体への結合は、細胞のタンパク質のチロシンのリン酸化状態及びカルシウムフラックスにおける変化を伴っている。
【0007】
最近、血管の不安定性及び成熟を制御する、主として内皮細胞に特異的な受容体の第2のファミリーが同定されている。Tie受容体及びそのリガンド、アンギオポエチンは、VEGFと、正常な及び病理学的血管新生の両方中に密接に協力する。内皮細胞特異的チロシンキナーゼ受容体の膜貫通受容体のファミリーを構成するTie1及びTie2は、血管の統合性の維持に関係し、そしてこれは、血管新生性の成長及び血管の再構築に関係する。構造的には、Tie1及びTie2は、多くの特徴(例えば両方のこれらの受容体の細胞内領域は、それぞれキナーゼ挿入領域によって中断されたチロシンキナーゼ領域を含有する)を共有し、そして従って個別のRTKサブファミリーを構成する。アミノ酸レベルのTie1及びTie2受容体間の全体的な配列の同一性は44%であり、一方これらの細胞内領域は、76%の相同性を示す。標的とされたTie1遺伝子の破壊は、広範な出血及び不良な微小血管の統合性によって特徴付けられる致死的な表現型となる(Puri,M.et al.1995 EMBO Journal:14:5884−5891)。Tie2を欠損する遺伝子組換えマウスは、血管の発芽及び再構築の欠陥を示し、そして胚芽の脈管構造の重度な欠陥によって起こされる妊娠中期(E9.5−10.5)の致死的な表現型を示す(Sato,T.et al.1995 Nature 370:70−74)。
【0008】
今日まで、Tie1に対するリガンドは同定されておらず、そしてそのシグナル伝達の能力に関してわずかしか知られていない。然しながら、Tie1は、Tie2受容体とのヘテロ二量体化によって、Tie2のシグナル伝達に影響すると信じられている(従って自己リン酸化するTie2の能力を潜在的に調節し(Marron,M.et al.2000 Journal of Biological Chemistry:275,39741−39746)、そして最近のキメラのTie1受容体の研究は、Tie−1が、PI3キナーゼ/Aktのシグナル伝達経路によってアポトーシスを阻害することができることを示している(Kontos,C.D.,et al.,2002 Molecular and Cellular Biology:22,1704−1713))。対照的に、アンギオポエチンを規定する多くのリガンドがTie2に対して同定され、この中でアンギオポエチン1(Ang1)は、最も良く特徴付けされている。Ang1の結合は、Tie2受容体のチロシンのリン酸化を、自己リン酸化及びその後のシグナル伝達によるそのシグナル伝達経路の活性化によって誘発する。Ang2が内皮細胞中のこれらの効果に拮抗することが報告されている(Maisonpierre,P.et al.1997 Science:277,55−60)。Tie2及びそのリガンドのノックアウト及び遺伝子組換え調節は、Tie2シグナル伝達の厳しい空間的及び時間的制御が、新しい血管構造の正しい発生のために不可避であることを示唆している。更に少なくとももう二つのリガンド(Ang3及びAng4)、並びにこれらの活性(作用性/拮抗性)を受容体との関連で変更する潜在性を有する、アンギオポエチンリガンド間のヘテロ二量体化の可能性の報告も存在する。Ang1によるTie2受容体の活性化は、アポトーシスを阻害し(Papapetropoulos,A.,et al.,2000 Journal of Biological Chemistry:275 9102−9105)、血管内皮細胞中の発芽を促進し(Witzenbicher,B.et al.,1998 Journal of Biological Chemistry:273,18514−18521)、そしてin vivoにおいて血管新生中の血管の成熟を促進し、そして浸透性及びその後の成熟した微小血管からの漏洩を減少する(Thurston,G.et al.,2000 Nature Medicine:6,460−463)。従って活性化されたTie2受容体は、新しい血管の分枝、発芽、及び発芽後成長、並びに微小血管の安定性の向上に一致する血管の統合性及び全体的外観を維持するために重要な内皮周囲の支持細胞の補充及び相互作用に関係することが報告されている。Tie2活性化の非存在又はTie2の自己リン酸化の阻害は、血管構造及びマトリックス/細胞の接触の喪失に導くことができ(Brindle,N.in press,2002)、そして次に内皮細胞の死を、特に生存又は増殖刺激の非存在において誘発する。Tie2キナーゼ活性による上記に報告された効果に基づき、Tie2キナーゼを阻害することは、抗血管新生効果を与え、そして従って病理学的血管新生に伴う疾病状態の治療における適用を有することができる。Tie2の発現は、各種の腫瘍の新生血管構築において上方制御されることを示し(例えば、Peters,K.G.et al,(British Journal of Cancer 1998;77,51−56)、Tie2キナーゼ活性を阻害することは、抗血管新生活性となるものであることを示唆する。この仮説を支持するものとして、可溶性Tie2受容体(細胞外領域)による研究(Pengnian,L.et al.,1997,Journal of Clinical Investigation 1997:100,2072−2078及びPengnian,L.et al.,1998,Proceedings of the National Academy of Sciences 1998:95,8829−8834)は、in vivoの腫瘍モデルにおける抗腫瘍活性を示している。更にこれらの実験は、これらの研究において不都合な毒性が観察されていないことから、正常な健康な個体のTie2シグナル伝達経路の破壊が十分に許容することができることも更に示している。
【0009】
ヒトの原発性乳癌試料並びにヒト及びマウスの乳癌細胞系の試験(Stratmann,A.et al.,2001,International Journal of Cancer:91,273−282)は、腫瘍の血管新生のTie2依存経路が、KDR依存経路に沿って存在することができ、そして事実、両方が独立に(Siemeister G.,et al.,1999 Cancer Research:59,3185−3191)、並びに互いに調和して(例えばVEGF A及びAng1は協力して、血管新生を誘発し、そして非漏洩性成熟血管を生成することがThurston,G.et al.,1999 Science:286,2511−2514で報告されている)機能することができることを示している。このような血管新生過程の混在が、単一の腫瘍中にさえ存在することは完全に可能なことである。
【0010】
Tie2は、更に静脈形成異常(VM)と呼ばれる血管の異常において役割を演じることも示されている(Mulliken,J.B.& Young,A.E.1998,Vascular Birthmarks:W.B.Saunders,Philadelphia)。このような欠陥は、遺伝することができるか、又は孤発性に起こるかのいずれかである。VMは、皮膚又は粘膜の膜で普通に見出されるが、しかしいずれもの器官に影響することができる。典型的には病変は、内皮細胞によって裏張りされた多くの拡張した血管のチャネルから構成されたスポンジ状の青ないし紫色の血管の集団として現れる。この疾病の遺伝型の中で、最も普通の欠陥は、Tie2コード配列中のTie2キナーゼの変異C2545Tであるように見受けられ(Calvert,J.T.,et al.,1999 Human Molecular genetics:8,1279−1289)、これは、キナーゼ領域中のR849Wアミノ酸の置換を生じる。このTie2変異体の分析は、これが、リガンドの非存在中でさえ恒常的に活性化されることを示している(Vikkula,M.,et al.,1996 Cell:87,1181−1190)。
【0011】
Tie2発現の上方制御は、更にヒトの関節炎の関節の血管滑膜のパンヌス中にも見出されており、これは、不適当な新生血管構築の役割と一致する。
【発明の開示】
【0012】
このような例は、Tie2リン酸化及びその後のシグナル伝達の阻害が、不適当な新生血管構築の疾患及び他の出来事を治療することにおいて有用であるものであることの更なる指標を与える。今日まで、わずかなTie2の阻害剤のみが当技術において知られている。従って、Tie2シグナル伝達経路を阻害/調節する十分な治療的潜在性を開発することができる更なるTie2阻害剤を同定する必要性が存在する。
【0013】
本出願人は、ある種の化合物が、Tie2受容体チロシンキナーゼに対する阻害活性を保有し、そして従って癌、慢性関節リウマチ、及び活性な血管新生が好ましくない他の疾病のような、病理学的血管新生に伴う疾病状態の治療において価値を有することを見出した。
【0014】
本発明の第1の側面によれば、以下の式I:
【0015】
【化1】

【0016】
[式中:
−L−は、二重結合を表し、そしてr及びsが、それぞれ1を表すか、又は−L−は三重結合を表し、そしてr及びsが、それぞれ0を表し;
Gは、O、S及びNRから選択され;
Yは、N及びCRから選択され;
は、アリール及びヘテロアリールから選択され、
そしてここにおいて、Qは、ハロゲノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフスルフィニル、(1−6C)アルキルスルフスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、(3−6C)アルケノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルケノイルアミノ、(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルフスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルフスルファモイル、(1−6C)アルカンスルフスルホニルアミノ、−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルフスルホニルアミノ、以下の式:
−X−R
[式中、Xは、直接結合であるか、又はO及びN(R)から選択され、ここにおいてRは、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてRは、ハロゲノ−(1−6C)アルキル、ヒドロキシ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキル、シアノ−(1−6C)アルキル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル又はジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキルである]
の一つの基及び以下の式:
−X−Q
[式中、Xは、直接結合であるか、又はO、S、SO、SO、N(R)、CO、CH(OR)、CON(R)、N(R)CO、N(R)CON(R)、SON(R)、N(R)SO、C(RO、C(RS及びN(R)C(Rから選択され、ここにおいてRは、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてQは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−(1−6C)アルキルであり、これらは、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから選択される同一又は別個であることができる1,2若しくは3個の置換基を所望により保有し、又は保有していない]
の一つの基、或いは以下の式:
−X−R10
[式中、Xは、直接結合であるか、又はO及びN(R11)から選択され、ここにおいてR11は、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてR10は、ハロゲノ−(1−6C)アルキル、ヒドロキシ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキル、シアノ−(1−6C)アルキル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル又はジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキルである]
の一つの基から選択される同一又は別個であることができる一つ若しくはそれより多い置換基によって所望により置換され、又は置換されていなく、
そしてQ内のいずれものヘテロシクリル基は、1若しくは2個のオキソ又はチオキソ置換基を所望により保有し、或いは保有していなく;
Rは、水素、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲノ、(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、カルボキシ、(1−6C)アルコキシカルボニル及びN−(ヘテロシクリル(3−8C)シクロアルキル)カルバモイルから選択され;
は、水素、ハロゲノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、(3−6C)アルケノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルケノイルアミノ、(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから選択され;
は、水素、ハロゲノ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲノ、(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、アリール(1−6C)アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロシクリル及び(2−6C)アルカノイルアミノから選択され;
は、水素、(1−6C)アルキル、ヒドロキシ(1−6C)アルキル、カルボキシ、(1−6C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル及びN−(ヘテロシクリル(3−8C)シクロアルキル)カルバモイルから選択され;
は、独立にR及びRに対して定義するとおりであり、但し、Rはハロゲノではないことを条件とし;
同一又は別個であることができるR及びRは、水素、ハロゲノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、イソシアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、スルファモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、(3−6C)アルケノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルケノイルアミノ、(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、又は以下の式:
−X
[式中、Xは、直接結合であるか、又はO、S、SO、SO、N(R12)、CO、CH(OR12)、CON(R12)、N(R12)CO、SON(R12)、N(R12)SO、OC(R12、SC(R12及びN(R12)C(R12から選択され、ここにおいてR12は、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてQは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−(1−6C)アルキルである]
の一つの基から選択され;
そしてここにおいて、R、R又はR置換基内のいずれもの(2−6C)アルキレン鎖中の隣接する炭素原子は、O、S、SO、SO、N(R13)、CO、CH(OR13)、CON(R13)、N(R13)CO、SON(R13)、N(R13)SO、CH=CH及びC≡Cから選択される基の鎖中への挿入によって所望により分離され、又は分離されていなく、ここにおいてR13は、水素又は(1−6C)アルキルであり、
そしてここにおいて、R、R又はR置換基内のいずれものCH=CH−若しくはHC≡C−基は、末端のCH=又はHC≡位においてハロゲノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル及びジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキル、或いは以下の式:
−X
[式中、Xは、直接結合であるか、又はCO及びN(R14)COから選択され、ここにおいてR14は、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてQは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−(1−6C)アルキルである]
の一つの基から選択される置換基を所望により保有し、又は保有せず、
そしてここにおいてR、R又はR置換基内のいずれものCH若しくはCH基は、それぞれの前記CH又はCH基において、一つ若しくはそれより多いハロゲノ又は(1−6C)アルキル置換基、或いはヒドロキシ、シアノ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、或いは以下の式:
−X−Q
[式中、Xは、直接結合であるか、又はO、S、SO、SO、N(R15)、CO、CH(OR15)、CON(R15)、N(R15)CO、SON(R15)、N(R15)SO、C(R15O、C(R15S及びN(R15)C(R15から選択され、ここにおいてR15は、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてQは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−(1−6C)アルキルである]
の一つの基から選択される一つの置換基を所望により保有し、又は保有せず、
そしてここにおいて、R、R又はR上の置換基内のいずれものアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル又はシクロアルケニル基は、ハロゲノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、以下の式:
−X−R16
[ここにおいてXは、直接結合であるか、又はO及びN(R17)から選択され、ここにおいてR17は、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてR16は、ハロゲノ−(1−6C)アルキル、ヒドロキシ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキル、シアノ−(1−6C)アルキル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキル、(2−6C)アルカノイルアミノ−(1−6C)アルキル又は(1−6C)アルコキシカルボニルアミノ−(1−6C)アルキルである]
の一つの基、及び以下の式:
−X−Q
[式中、Xは、直接結合であるか、又はO、S、SO、SO、N(R18)、CO、CH(OR18)、CON(R18)、N(R18)CO、SON(R18)、N(R18)SO、C(R18O、C(R18S及びN(R18)C(R18から選択され、ここにおいてR18は、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてQは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−(1−6C)アルキルであり、これらは、ハロゲノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから選択される同一又は別個であることができる1若しくは2個の置換基を所望により保有し、又は保有していない]
の一つの基から選択される同一又は別個であることができる一つ若しくはそれより多い置換基を所望により保有し、或いは保有せず、
或いはGがNRである場合、R及びRは、これらが接続している原子といっしょに、縮合した5−又は6−員のヘテロアリール又はヘテロシクリル環を形成し、そしてここにおいて、前記縮合した5−又は6−員の環は、一つ又はそれより多いRに対して定義したとおりの置換基を所望により保有し、或いは保有せず、
そしてこのようにして形成されたいずれもの縮合した5−又は6−員のヘテロシクリル環は、1若しくは2個のオキソ又はチオキソ置換基を、所望により保有し、或いは保有せず、
そしてここにおいて、いずれものR、R又はR置換基内のいずれものヘテロシクリル基は、1若しくは2個のオキソ又はチオキソ置換基を、所望により保有し、或いは保有していない;]
の化合物、又は医薬的に受容可能なその塩が提供される。
【0017】
本明細書中において、総括的な用語“アルキル”は、プロピル、イソプロピル及びtert−ブチルのような直鎖及び分枝鎖のアルキル基の両方を含む。然しながら“プロピル”のような個別のアルキル基に対する言及は、直鎖の変種のみに対して特定的であり、“イソプロピル”のような個別の分枝鎖アルキル基に対する言及は、分枝鎖の変種のみに対して特定的である。類似の慣例は他の総括的用語に適用され、例えば(1−6C)アルコキシは、メトキシ、エトキシを含み、(1−6C)アルキルアミノは、メチルアミノ及びエチルアミノを含み、そしてジ−[(1−6Cアルキル]アミノは、ジメチルアミノ及びジエチルアミノを含む。
【0018】
上記で定義された式Iの化合物のあるものが、一つ又はそれより多い不斉炭素原子の力によって光学的に活性な又はラセミ体の形態で存在することができる限り、本発明は、その定義中に、前述の活性を保有するいずれものこのような光学的に活性な又はラセミ体の形態を含むことは理解されることである。光学的に活性な形態の合成は、当技術において公知の有機化学の標準的な技術によって、例えば光学的に活性な出発物質からの合成、又はラセミ体の形態の分割によって行うことができる。同様に、上述した活性は、本明細書中で以下に言及される標準的な研究室の技術を使用して評価することができる。
【0019】
上記で定義された式Iの化合物のあるものが、一つ又はそれより多い不斉炭素原子の力によって幾何異性体の形態で存在することができる限り、本発明は、その定義中に、前述の活性を保有するいずれかの、そして全てのこのような幾何異性体の形態、例えばE及びZの形態を含むことは理解されることである。
【0020】
上記で言及した総括的なラジカルに対する適した意義は、以下に記載されるものを含む。
‘Q’基(QないしQ)のいずれもの一つに対する適した意義は、これがアリール、又は‘Q’基内のアリール基である場合、例えば、フェニル又はナフチル、好ましくはフェニルである。
【0021】
‘Q’基(Q、Q又はQ)のいずれもの一つに対する適した意義は、これが(3−7C)シクロアルキル、又は‘Q’基内の(3−7C)シクロアルキル基である場合、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はビシクロ[2.2.1]ヘプチルであり、そして‘Q’基(Q、Q又はQ)のいずれもの一つに対する適した意義は、これが(3−7C)シクロアルケニル、又は‘Q’基内の(3−7C)シクロアルケニル基である場合、例えば、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル又はシクロヘプテニルである。
【0022】
‘Q’基(Q、Q、QないしQ)のいずれもの一つに対する適した意義は、これがヘテロアリール、又は‘Q’基内のヘテロアリール基である場合、例えば、他に規定しない限り炭素又は窒素連結することができる、酸素、窒素及び硫黄から選択される5個までの環の異種原子を持つ、芳香族の5又は6員の単環式環であるか、或いは他に規定しない限り9又は10員の二環式環である。好ましくはヘテロアリールは、他に規定しない限り炭素又は窒素連結することができる、酸素、窒素及び硫黄から選択される5個までの環の異種原子を持つ、芳香族の5又は6員の単環式環である。適したヘテロアリール環は、例えばフリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5−トリアゼニル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、ベンゾフラザニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリル又はナフチリジニルを含む。好ましくはフリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル又は1,3,5−トリアゼニル。
【0023】
用語“ヘテロシクリル”は、例えばこれがヘテロシクリルである場合、‘Q’基(QないしQ)のいずれもの一つ又は‘Q’基内のヘテロシクリルに対して本明細書中で使用される場合、他に規定しない限り炭素又は窒素連結であることができる、酸素、窒素及び硫黄から選択される5個までの異種原子を持つ、架橋及び/又はスピロであることができる非芳香族の飽和又は部分的に飽和された3ないし10員の単環式又は二環式環を意味し、ここにおいて環の硫黄原子は、酸化されて、S−オキシド(類)を形成することができる。好ましくはヘテロシクリルは、他に規定しない限り炭素又は窒素連結であることができる、酸素、窒素及び硫黄から選択される1、2、3又は4個の異種原子を持つ、非芳香族の飽和又は部分的に飽和された5又は6員の単環式環であり、ここにおいて環の硫黄原子は、酸化されて、S−オキシド(類)を形成することができる。適したヘテロシクリルは、例えばオキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾリル、1,3−チアゾリジニル、オキセパニル、ピロリニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロ−1,4−チアジニル、1−オキソテトラヒドロチエニル、1,1−ジオキソテトラヒドロ−1,4−チアジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル又はテトラヒドロピリミジニル、好ましくはテトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、モルホリニル、1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジニル、ピペリジニル又はピペラジニル、更に好ましくはテトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、ピロリジン−3−イル、モルホリノ、1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル、ピペリジノ、ピペリジン−4−イル又はピペラジン−1−イルを含む。1若しくは2個のオキソ又はチオキソ置換基を保有するこのような基に対する適した意義は、例えば2−オキソピロリジニル、2−チオキソピロリジニル、2−オキソイミダゾリジニル、2−チオキソイミダゾリジニル、2−オキソピペリジニル、2,5−ジオキソピロリジニル、2,5−ジオキソイミダゾリジニル又は2,6−ジオキソピペリジニルである。
【0024】
‘Q’基に対する適した意義は、これがヘテロアリール−(1−6C)アルキルである場合、例えばヘテロアリールメチル、2−ヘテロアリールエチル及び3−ヘテロアリールプロピルである。本発明は、例えばヘテロアリール−(1−6C)アルキル基ではなく、アリール−(1−6C)アルキル(フェニル−(1−6C)アルキル、例えばベンジル又はフェニルエチルのような)、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル又はヘテロシクリル−(1−6C)アルキル基が存在する場合の‘Q’基に対する対応する適した意義を含んでなる。
【0025】
GがNRであり、そしてR及びRが、これらが接続している原子といっしょに、縮合した5又は6員のヘテロアリール又はヘテロシクリル環を形成する場合の適した意義は、例えば、少なくとも1個の窒素原子を含有する“Q”基のために本明細書中で先に記述した、5及び6員のヘテロアリール及びヘテロシクリル環の二価の誘導体、例えばチアゾロ、イソチアゾロ、1,3−チアゾリジノ、ピロリジノ、ピロリノ、オキサゾロ、イソオキサゾロ、ピラゾリノ、ピリジノ、ピリミジノ又はピリダジノを含む。理解されるものであるように、R及びRによって形成された環は、式IのGを含有する環に縮合して、5,5員又は5,6員の二環式環構造を形成し、例として、R及びRは、これらが接続している原子といっしょに、例えばイミダゾロ[2,1−b][1,3]チアゾリル、2,3−ジヒドロイミダゾロ[2,1−b][1,3]チアゾリル縮合二環式環又はイミダゾロ[1,2−a]ピリジニル縮合二環式環を形成することができる。
【0026】
いかなる疑義をも回避するために、本明細書中に含まれるX又はQと標識された置換基は存在しない。
‘R’基(RないしR18)、又はRないしR置換基内の各種の基、或いはQ内の各種の基のいずれにもに対する適した意義:
ハロゲノに対して フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨード;
(1−6C)アルキルに対して:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びtert−ブチル;
(2−8C)アルケニルに対して:ビニル、イソプロペニル、アリル及びブタ−2−エニル;
(2−8C)アルキニルに対して:エチニル、2−プロピニル及びブタ−2−イニル;
(1−6C)アルコキシに対して:メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ及びブトキシ;
(2−6C)アルケニルオキシに対して:ビニルオキシ及びアリルオキシ;
(2−6C)アルキニルオキシに対して:エチニルオキシ及び2−プロピニルオキシ;
(1−6C)アルキルチオに対して:メチルチオ、エチルチオ及びプロピルチオ;
(1−6C)アルキルスルフィニルに対して:メチルスルフィニル及びエチルスルフィニル;
(1−6C)アルキルスルホニルに対して:メチルスルホニル及びエチルスルホニル;
(1−6C)アルキルアミノに対して:メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ及びブチルアミノ;
ジ−[(1−6C)アルキル]アミノに対して:ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、−エチル−−メチルアミノ及びジイソプロピルアミノ;
(1−6C)アルコキシカルボニルに対して:メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル及びtert−ブトキシカルボニル;
−(1−6C)アルキルカルバモイルに対して:−メチルカルバモイル、−エチルカルバモイル及び−プロピルカルバモイル;
−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイルに対して:−ジメチルカルバモイル、−エチル−−メチルカルバモイル及び−ジエチルカルバモイル;
(2−6C)アルカノイルに対して:アセチル及びプロピオニル;
(2−6C)アルカノイルオキシに対して:アセトキシ及びプロピオニルオキシ;
(2−6C)アルカノイルアミノに対して:アセトアミド及びプロピオンアミド;
−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノに対して:−メチルアセトアミド及び−メチルプロピオンアミド;
−(1−6C)アルキルスルファモイルに対して:−メチルスルファモイル及び−エチルスルファモイル;
−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイルに対して:−ジメチルスルファモイル;
(1−6C)アルカンスルホニルアミノに対して:メタンスルホニルアミノ及びエタンスルホニルアミノ;
−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノに対して:−エチルメタンスルホニルアミノ及び−メチルエタンスルホニルアミノ;
(3−6C)アルケノイルアミノに対して:アクリルアミド、メタクリルアミド及びクロトンアミド;
−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルケノイルアミノに対して:−メチルアクリルアミド及び−メチルクロトンアミド;
(3−6C)アルキノイルアミドに対して:プロピオルアミド;
−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルキノイルアミノに対して:−メチルプロピオルアミド;
アミノ−(1−6C)アルキルに対して:アミノメチル、2−アミノエチル、1−アミノエチル及び3−アミノプロピル;
(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキルに対して:メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、1−メチルアミノエチル、2−メチルアミノエチル、2−エチルアミノエチル及び3−エチルアミノプロピル;
ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキルに対して:ジメチルアミノメチル、ジエチルアミノメチル、1−ジメチルアミノエチル、2−ジメチルアミノエチル及び3−ジメチルアミノプロピル;
ハロゲノ−(1−6C)アルキルに対して:クロロメチル、2−クロロエチル、1−クロロエチル及び3−クロロプロピル;
ヒドロキシ−(1−6C)アルキルに対して:ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル及び3−ヒドロキシプロピル;
(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキルに対して:メトキシメチル、エトキシメチル、1−メトキシエチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル及び3−メトキシプロピル;
シアノ−(1−6C)アルキルに対して:シアノメチル、2−シアノエチル、1−シアノエチル及び3−シアノプロピル;
(1−6C)アルキルチオ−(1−6C)アルキルに対して:メチルチオメチル、エチルチオメチル、2−メチルチオエチル、1−メチルチオエチル及び3−メチルチオプロピル;
(1−6C)アルキルスルフィニル−(1−6C)アルキルに対して:メチルスルフィニルメチル、エチルスルフィニルメチル、2−メチルスルフィニルエチル、1−メチルスルフィニルエチル及び3−メチルスルフィニルプロピル;
(1−6C)アルキルスルホニル−(1−6C)アルキルに対して:メチルスルホニルメチル、エチルスルホニルメチル、2−メチルスルホニルエチル、1−メチルスルホニルエチル及び3−メチルスルホニルプロピル;
(2−6C)アルカノイルアミノ−(1−6C)アルキルに対して:アセトアミドメチル、プロピオンアミドメチル及び2−アセトアミドエチル;並びに
(1−6C)アルコキシカルボニルアミノ−(1−6C)アルキルに対して:メトキシカルボニルアミノメチル、エトキシカルボニルアミノメチル、tert−ブトキシカルボニルアミノメチル及び2−メトキシカルボニルアミノエチル。
【0027】
本明細書中で先に定義したように、R基が式Q−X−の基を形成し、そして例えば、XがOC(R12連結基である場合、ピリジン環に接続するのは、OC(R12連結基の酸素原子ではなく炭素原子であり、そして酸素原子はQ基に接続する。同様に、例えばR、R又はR置換基内のCH基が式−X−Qの基を保有し、そして、例えばXがC(R15O連結基である場合、CH基に接続するのは、C(R15O連結基の酸素原子ではなく炭素原子であり、そして酸素原子はQ基に連結する。
【0028】
本明細書中で先に定義したように、R、R又はR置換基内のいずれもの(2−6C)アルキレン鎖中の隣接する炭素原子は、鎖中へのO、CON(R13)又はC≡Cのような基の挿入によって所望により分離することができる。例えば、2−モルホリノエトキシ基内のエチレン鎖へのC≡C基の挿入は、4−モルホリノブタ−2−イニルオキシ基を生じ、そして、例えば3−メトキシプロポキシ基内のエチレン鎖へのCONH基の挿入は、例えば2−(2−メトキシアセトアミド)エトキシ基を生じる。
【0029】
本明細書中で先に定義したように、R又はR置換基内のいずれものCH=CH−又はHC≡C−基が、式Q−X−の基のような置換基を末端のCH=又はCH≡位において所望により保有し、ここにおいてXが、例えばNHCOであり、そしてQが、ヘテロシクリル−(1−6C)アルキル基である場合、このようにして形成された適したR、R又はR置換基は、例えば、−(2−ピロリジン−1−イルエチル)カルバモイルビニルのような−[ヘテロシクリル−(1−6C)アルキル]カルバモイルビニル基、又は−(2−ピロリジン−1−イルエチル)カルバモイルエチニルのような−[ヘテロシクリル−(1−6C)アルキル]カルバモイルエチニル基を含む。
【0030】
本明細書中で先に定義したように、R、R又はR置換基内のいずれものCH又はCH基が、一つ又はそれより多いハロゲノ又は(1−6C)アルキル置換基をそれぞれの前記のCH又はCH基上に所望により保有する場合、適当にはそれぞれの前記のCH基上に存在する1若しくは2個のハロゲン又は(1−6C)アルキル置換基があり、そして適当にはそれぞれの前記のCH基上に存在する1、2又は3個のこのような置換基がある。
【0031】
本明細書中で先に定義したように、R、R又はR置換基内のいずれものCH又はCH基が、本明細書中で先に定義したような置換基をそれぞれの前記のCH又はCH基上に所望により保有する場合、このようにして形成された適した置換基は、例えば、2−ヒドロキシ−3−ピペリジノプロポキシ及び2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロポキシのようなヒドロキシ置換ヘテロシクリル−(1−6C)アルコキシ基、3−アミノ−2−ヒドロキシプロポキシのようなヒドロキシ置換アミノ−(2−6C)アルコキシ基、2−ヒドロキシ−3−メチルアミノプロポキシのようなヒドロキシ置換(1−6C)アルキルアミノ−(2−6C)アルコキシ基、3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシのようなヒドロキシ置換ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(2−6C)アルコキシ基、2−ヒドロキシ−3−ピペリジノプロピルアミノ及び2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロピルアミノのようなヒドロキシ置換ヘテロシクリル−(1−6C)アルキルアミノ基、3−アミノ−2−ヒドロキシプロピルアミノのようなヒドロキシ置換アミノ−(2−6C)アルキルアミノ基、2−ヒドロキシ−3−メチルアミノプロピルアミノのようなヒドロキシ置換(1−6C)アルキルアミノ−(2−6C)アルキルアミノ基、3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピルアミノのようなヒドロキシ置換ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(2−6C)アルキルアミノ基、2−ヒドロキシエトキシのようなヒドロキシ置換(1−6C)アルコキシ基、2−メトキシエトキシ及び3−エトキシプロポキシのような(1−6C)アルコキシ置換(1−6C)アルコキシ基、2−メチルスルホニルエトキシのような(1−6C)アルキルスルホニル置換(1−6C)アルコキシ基、並びに2−モルホリノエチルアミノメチル、2−ピペラジン−1−イルエチルアミノメチル及び3−モルホリノプロピルアミノメチルのようなヘテロシクリル置換(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル基を含む。
【0032】
本明細書中で先に定義したように、R、R又はR置換基内のいずれものシクロアルキル又はシクロアルケニル基が、一つ又はそれより多い本明細書中で先に定義されたような置換基(類)を所望により保有する場合、置換基はシクロアルキル又はシクロアルケニル基内のいずれものCH又はCH基上に存在することができる。このようにして形成された適した置換基は、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキサ−1−イル又は1−ヒドロキシシクロプロパ−1−イルのようなヒドロキシ置換(3−7C)シクロアルキル基、2−(1−ヒドロキシシクロヘキサ−1−イル)エチル、2−(1−ヒドロキシシクロヘキサ−4−イル)エチル 3−(1−ヒドロキシシクロヘキサ−1−イル)プロピル又は3−(1−ヒドロキシシクロペンタ−1−イル)プロピルのような(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル基、或いは2−(1−ヒドロキシシクロヘキサ−1−イル)エトキシ又は3−(1−ヒドロキシシクロヘキサ−1−イル)プロポキシのような(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルコキシ基を含む。
【0033】
式Iの化合物の特別な群は、以下の式II:
【0034】
【化2】

【0035】
によって表され、式中、R、R、R、R、Y、及びQは、先に定義したとおりである。
式Iの化合物の更なる特別な群は、以下の式III:
【0036】
【化3】

【0037】
によって表され、式中、R、R、R、R、R、R、r、s、L、Y、及びQは、先に定義したとおりである。
本発明の特別な新規の化合物は、例えば、式I、II又はIIIの化合物、又は医薬的に受容可能なこれらの塩を含み、ここにおいて他に記述しない限り、R、R、R、R、R、R、R、r、s、L、Y、G、及びQのそれぞれは、本明細書中で先に定義した、或いは段落(a)ないし(s)の意味のいずれかを有する:
(a)Rは、水素、ハロゲノ、カルボキシ、(1−6C)アルコキシカルボニル及びN−(ヘテロシクリル(3−8C)シクロアルキル)カルバモイルから選択される;
(b)Rは、水素、ブロモ、カルボキシ、エトキシカルボニル、N−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)シクロヘキシル]カルバモイルから選択される、
(c)Rは、水素、アミノ及び(1−6C)アルキルから選択される;
(d)Rは、水素、アミノ及びメチルから選択される;
(e)Rは、水素、ハロゲノ、ヒドロキシ、アミノ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、アリール(1−6C)アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロシクリル、(2−6C)アルカノイルアミノから選択される;
(f)Rは、水素、クロロ、ヒドロキシ、アミノ、メチルチオ、メチルアミノ、ベンジルアミノ、フェネチルアミノ、アニリノ、モルホリノ、アセチルアミノ、及び2,2,ジメチルプロパノイル−アミノから選択される;
(g)Rは、水素、カルボキシ、(1−6C)アルコキシカルボニル、ヒドロキシ(1−6C)アルキル、−(1−6C)アルキルカルバモイル及び−(ヘテロシクリル(3−8C)シクロアルキル)カルバモイルから選択される;
(g)Rは、水素、カルボキシ、メトキシカルボニル、ヒドロキシメチル、N−メチルカルバモイル及びN−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)シクロヘキシル]カルバモイルから選択される;
(h)Rは、水素である;
(i)Rは、水素、(1−6C)アルキル、アリール(1−6C)アルキル、カルボキシ(1−6C)アルキル、ヘテロシクリル(1−6C)アルキル及びアミノ(1−6C)アルキルから選択され、ここにおいてアミノ基は、一つ又はそれより多い(1−6C)アルキルによって所望により置換されているか又は置換されていない;
(j)Rは、水素、メチル、ベンジル、カルボキシメチル及び2−ピロリジノエチルから選択される;
(k)R及びRは、いっしょにS−CH=CH、S−CH−CH、又はCH=CH−CH=CHを表し、ここにおいてSは、環中にRを保有する炭素に接続している;
(l)Rは、水素及び(1−6C)アルキルから選択される;
(m)Gは、NRである;
(n)Yは、Nである;そして
(o)Qは、ハロゲノ又はトリフルオロメチルによって所望により置換された、或いは置換されていないフェニルから選択される。
【0038】
式Iの化合物の更に特別な群は、式IIIによって表され、ここにおいてR R、R、R、R、R、r及びsは、先に定義したとおりであり、そして
は、水素であり、
は、水素、(1−6C)アルキル、アリール(1−6C)アルキル、カルボキシ(1−6C)アルキル及びヘテロシクリル(1−6C)アルキルから選択され、そして
Qは、ハロゲノ又はトリフルオロメチルによって所望により置換された、或いは置換されていないフェニルから選択される。
【0039】
本発明の具体的な化合物は、以下の化合物のうちの一つ以上を含む:
4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
2,2−ジメチル−N−{4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−イル}プロパンアミド
N−{4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−イル}アセトアミド
5−[(E)−2−(2−クロロピリミジン−4−イル)ビニル]−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール
5−[(E)−2−(2−モルホリン−4−イルピリミジン−4−イル)ビニル]−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール
4−{(E)−2−[6−(4−フルオロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−オール
4−{(E)−2−[6−(4−フルオロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−アミン
4−{(E)−2−[6−(4−クロロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−オール
4−{(E)−2−[6−(4−クロロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−アミン
4−{(E)−2−[6−(4−ブロモフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−オール
4−{(E)−2−[6−(4−ブロモフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−アミン
4−((E)−2−{6−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル}ビニル)ピリミジン−2−アミン
5−ブロモ−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
N−{4−[(E)−2−(6−フェニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−イル}アセトアミド
4−[(E)−2−(6−フェニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
4−[(E)−2−(2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
4−[(E)−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
2−アミノ−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−5−カルボン酸エチル
2−アミノ−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−5−カルボン酸
2−アミノ−N−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)シクロヘキシル]−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−5−カルボキシアミド
4−[(E)−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
4−[(E)−2−(1−ベンジル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
{5−[(E)−2−(2−アミノピリミジン−4−イル)ビニル]−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル}酢酸
4−{(E)−2−[4−フェニル−1−(2−ピロリジン−1−イルエチル)−1H−イミダゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−アミン
N−ベンジル−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
N−メチル−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
N−(1−フェニルエチル)−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
N−フェニル−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−オール
4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン
4−メチル−6−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
6−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−4−アミン
(2Z)−2−(2−アミノピリミジン−4−イル)−3−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)プロパ−2−エン酸メチル
(2Z)−2−(2−アミノピリミジン−4−イル)−3−(6フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)プロパ−2−エン酸
(2Z)−2−(2−アミノピリミジン−4−イル)−N−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)シクロヘキシル]−3−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)プロパ−2−エンアミド
2−(2−アミノピリミジン−4−イル)−N−メチル−3−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)アクリルアミド
2−(2−アミノピリミジン−4−イル)−3−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)プロパ−2−エン−1−オール
4−[(E)−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エテニル]ピリジン
4−[(E)−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エテニル]ピリミジン。
【0040】
4−[(E)−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エテニル]ピリミジン
4−[(Z)−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)ビニル]ピリジン
4−[(E)−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エテニル]ピリミジン−2−オール
N−メチル−4−[(E)−2−(1−メチル−4−フェニル−1−H−イミダゾール−5−イル)エテニル]ピリミジン−2−アミン
4−[(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル]−2−(メチルチオ)ピリミジン
4−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル)ピリミジン−2−アミン
N−メチル−4−[(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル]ピリミジン−2−アミン又は
4−[(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル]ピリミジン;
及び医薬的に受容可能なこれらの塩。
【0041】
式Iの化合物の適した医薬的に受容可能な塩は、例えば、式Iの化合物の酸付加塩、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸又はマレイン酸のような無機又は有機酸との酸付加塩;或いは例えば、十分に酸性である式Iの化合物の塩、例えばカルシウム又はマグネシウム塩のようなアルカリ又はアルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩、或いはメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリン又はトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンのような有機塩基との塩である。
【0042】
本発明による特別な化合物は、実施例中に記載された化合物のいずれか一つ又は医薬的に受容可能なその塩である。
式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩は、化学的に関連する化合物の調製に適用可能であることが知られているいずれもの方法によって調製することができる。このような方法は、式Iの化合物を調製するために使用される場合、本発明の更なる特徴として提供され、そして以下の代表的な方法の変形によって例示される。必要な出発物質は、有機化学の標準的な手順によって得ることができる。このような出発物質の調製は、以下の代表的な方法の変形及び付属する実施例に関連して記載される。別の方法として、必要な出発物質は、有機化学者の通常の技術であるこれらの例示された類似の手順によって得ることが可能である。
【0043】
本発明の更なる側面によれば、式Iの化合物又は医薬的に受容可能なその塩(ここにおいてR、R、R、R、R、R、A、Q、G、Y、r及びsは、他に規定しない限り、式Iにおいて定義したとおりである)を調製するための方法が提供され、この方法は以下を含んでなる:
(a)Lが二重結合であり、そしてrが1である式Iの化合物の調製のために、R、R、R、R、Y及びrが式Iにおいて定義されたとおりである以下の式IV:
【0044】
【化4】

【0045】
の化合物を、A、G、Q、R及びRが式Iにおいて定義したとおりである以下の式V:
【0046】
【化5】

【0047】
の化合物と、塩基、例えばリチウムジイソプロピルアミド、n−ブチルリチウム又はナトリウムエトキシドの存在中で、エーテル、例えばテトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン、或いはエタノールのようなアルコールのような適した不活性溶媒の存在中で、0−150℃の温度、好ましくは60−110℃の温度で反応させるか、
或いは別の方法として、
(b)式IVの化合物を、式Vの化合物と、酸、例えば塩酸、酢酸又は硫酸の存在中で、無水酢酸の存在を伴って、或いは伴わずに反応させ、或いは
(c)Lが三重結合であり、そしてr及びsが0である式Iの化合物の調製のために、R、R、R及びYが先に定義したとおりであり、そしてXが脱離基、例えばハロゲノ、例えばヨード又はブロモを表す以下の式VI:
【0048】
【化6】

【0049】
の化合物を、G、Q及びRが先に定義したとおりである以下の式VII:
【0050】
【化7】

【0051】
の化合物と、カップリング系、例えば銅I/パラジウムII系、例えばヨウ化銅I及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)の存在中で、所望により塩基、例えばトリエチルアミンの存在中で又は非存在中で、そして不活性溶媒、例えばエーテル、例えばTHFの存在中で、0−150℃の温度、好ましくは10−60℃の温度で反応させる。
【0052】
上記(A)に記載した方法において、以下の式:
【0053】
【化8】

【0054】
の中間体を単離し、そして次いで例えば強酸、例えばトリフルオロ酢酸又は塩酸と反応させることによって脱水して、式Iの化合物を得ることができる。
がアミノである式Iの化合物の調製のために、式Iの化合物は、Rを、アミノ又はアミノ保護基、例えばt−ブチルアミドとして有することができる。保護基は、脱水過程において除去される。この過程は、都合よくは20ないし120℃、好ましくは100℃で行われる。Rがヒドロキシである式Iの化合物も更にこの過程において形成される。式Iの化合物は、HPLC又は再結晶化のような慣用的な技術を使用して精製することができる。
【0055】
式Iのある種の化合物は、有機化学の当業者にとって既知の標準的な化学反応によって他の式Iの化合物に転換することができ、例えば:
(i)エステルは、酸に加水分解することができ;
(ii)酸は、アミンと反応させて、アミドを得ることができ;
(iii)活性化されたハロゲンは、アミンと置換することができ;
(iv)酸は、エステル化することができ;
(v)エステルは、アルコールに還元することができ;そして
(vi)複素環式スルホキシド及びスルホンは、アミンで置換することができる。
【0056】
式Iのある種の化合物は、立体異性体の形態で存在することが可能である。本発明が、式Iの化合物の全ての幾何及び光学異性体並びにラセミ体を含むこれらの混合物を包含することは理解されるものである。互変異性体及びこれらの混合物も更に本発明の一つの側面を形成する。
【0057】
異性体は、慣用的な技術、例えばクロマトグラフィー又は分別結晶化によって分割或いは分離することができる。鏡像異性体は、慣用的な技術(例えばキラル高性能液体クロマトグラフィー(HPLC))を使用する化合物のラセミ体又は他の混合物の分離によって単離することができる。別の方法として、所望する光学異性体は、適当な光学的に活性な出発物質の、ラセミ化を起こさない条件下の反応、又は例えばホモキラル酸との誘導、それに続く慣用的な手段(例えばHPLC、シリカのクロマトグラフィー)によるジアステレオ異性体の分離によって製造することができ、或いはアキラルな出発物質及びキラル試薬により製造することができる。全ての立体異性体は、本発明の範囲内に含まれる。
【0058】
本発明の化合物は、その反応混合物から、慣用的な技術を使用して単離することができる。
本明細書中で記述した反応のいくつかにおいて、化合物中のいずれもの敏感な基を保護することが必要/好ましいことであることができることは認識されるものである。保護が必要又は好ましい事例、及び保護に対する適した方法は、当業者にとって既知である。慣用的な保護基を、標準的な慣例によって使用することができる(例示として、T.W.Green,Protective Groups in Organic Synthsis,John Wiley and Sons,1991を参照されたい)。従って、反応物がアミノ、カルボキシ又はヒドロキシのような基を含む場合、これらの基を、本明細書中で記述した反応のいくつかにおいて保護することが好ましい。保護基は、文献中に記載されているいずれもの都合のよい方法、又は当該保護基の除去のために適当であるとして当業者に知られた方法によって除去することができ、このような方法は、分子中の他の場所の基の最小な妨害で保護基の除去を行うように選択される。
【0059】
保護基の具体的例が便宜のために以下に与えられ、これらにおいて、例えば低級アルキルにおけるような“低級”は、これが適用された基が、好ましくは1−4個の炭素原子を有することを意味する。これらの例が網羅的ではないことは理解されるものである。保護基の除去のための方法の具体的な例が以下に与えられた場合、これらも同様に網羅的ではない。具体的に記述されていない保護基の使用及び脱保護の方法は、もちろん本発明の範囲内である。
【0060】
カルボキシ保護基は、エステルを形成する脂肪族又はアリール脂肪族アルコール或いはエステルを形成するシラノールの残基であることができる(前記のアルコール又はシラノールは、好ましくは1−20個の炭素原子を含有する)。カルボキシ保護基の例は、直鎖又は分枝鎖(1−12C)アルキル基(例えばイソプロピル、及びtert−ブチル);低級アルコキシ−低級アルキル基(例えばメトキシメチル、エトキシメチル及びイソブトキシメチル);低級アシルオキシ−低級アルキル基(例えばアセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル及びピバロイルオキシメチル);低級アルコキシカルボニルオキシ−低級アルキル基(例えば−メトキシカルボニルオキシエチル及び1−エトキシカルボニルオキシエチル);アリール低級アルキル基(例えばベンジル、4−メトキシベンジル、2−ニトロベンジル、4−ニトロベンジル、ベンズヒドリル及びフタリジル);トリ(低級アルキル)シリル基(例えばトリメチルシリル及びtert−ブチルジメチルシリル);トリ(低級アルキル)シリル−低級アルキル基(例えばトリメチルシリルエチル);及び(2−6C)アルケニル基(例えばアリル)を含む。カルボキシ保護基の除去のために特別に適当な方法は、例えば酸、塩基、金属、又は酵素的に触媒された開裂を含む。
【0061】
ヒドロキシ保護基の例は、低級アルキル基(例えばtert−ブチル)、低級アルケニル基(例えばアリル);低級アルカノイル基(例えばアセチル);低級アルコキシカルボニル基(例えばtert−ブトキシカルボニル);低級アルケニルオキシカルボニル基(例えばアリルオキシカルボニル);アリール−低級アルコキシカルボニル基(例えばベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル及び4−ニトロベンジルオキシカルボニル);トリ(低級アルキル)シリル(例えばトリメチルシリル及びtert−ブチルジメチルシリル)並びにアリール−低級アルキル(例えばベンジル)基を含む。
【0062】
アミノ保護基の例は、ホルミル、アリール−低級アルキル基(例えばベンジル及び置換されたベンジル、4−メトキシベンジル、2−ニトロベンジル及び2,4−ジメトキシベンジル、並びにトリフェニルメチル);ジ−アニシルメチル及びフリルメチル基;低級アルコキシカルボニル(例えばtert−ブトキシカルボニル);低級アルケニルオキシカルボニル(例えばアリルオキシカルボニル);アリール−低級アルコキシカルボニル基(例えばベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル及び4−ニトロベンジルオキシカルボニル);トリアルキルシリル(例えばトリメチルシリル及びtert−ブチルジメチルシリル);アルキリデン(例えばメチリデン)並びにベンジリデン及び置換されたベンジリデン基を含む。
【0063】
ヒドロキシ及びアミノ保護基の除去のために適当な方法は、例えば、2−ニトロベンジルオキシカルボニルのような基に対する、酸、塩基、金属又は酵素的に触媒された加水分解、ベンジルのような基に対する水素化、及び2−ニトロベンジルオキシカルボニルのような基に対する光分解を含む。
【0064】
本発明の化合物中の各種の環の置換基のあるものが、標準的な芳香族置換反応によって導入されるか、或いは先に記述した方法の前又は直後のいずれかの慣用的な官能基の改変によって生成することができ、そしてこのようなことは、本発明の方法の側面に含まれることも更に認識されるものである。このような反応及び改変は、例えば、芳香族置換反応による置換基の導入、置換基の還元、置換基のアルキル化及び置換基の酸化を含む。このような手順に対する試薬及び反応条件は、化学技術において公知である。芳香族置換反応の特別な例は、濃硝酸を使用するニトロ基の導入、例えばフリーデルクラフツ条件下のアシルハロゲン化物及びルイス酸(三塩化アルミニウムのような)を使用するアシル基の導入;フリーデルクラフツ条件下のアルキルハロゲン化物及びルイス酸(三塩化アルミニウムのような)を使用するアルキル基の導入;並びにハロゲノ基の導入を含む。改変の特別な例は、例えば、ニッケル触媒による接触式水素化、又は塩酸の存在中の加熱を伴う鉄による処理によるニトロ基のアミノ基への還元;アルキルチオのアルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルへの酸化を含む。
【0065】
生物学的アッセイ
以下のアッセイは、in vitroにおけるTie2阻害剤としての、及び全体の細胞のTie2の自己リン酸化の阻害剤としての本発明の化合物の効果を測定するために使用することができる。
【0066】
a. In vitroの受容体チロシンキナーゼ阻害アッセイ
Tie2受容体チロシンキナーゼの阻害を試験するために、化合物を、非細胞基剤のタンパク質キナーゼアッセイで、ELISAに基づいたマイクロタイタープレートアッセイ中のチロシンを含有するポリペプチド基質のタンパク質キナーゼ酵素リン酸化を阻害するその能力によって評価する。この特別な事例において、アッセイは、三つの異なった組換えヒトチロシンキナーゼTie2、KDR及びFltに対するIC50を決定することにあった。
【0067】
チロシンキナーゼの生産を容易にするために、組換え受容体遺伝子を、標準的な分子生物学のクローニング及び変異誘発技術を使用して生産した。これらの遺伝子内でコードされたこれらの組換えタンパク質断片は、それぞれの受容体の細胞内部分のC末端部分のみからなり、これら内にキナーゼ領域が見出される。キナーゼ領域を含有する断片をコードする組換え遺伝子をクローニングし、そして標準的なバキュロウイルス/Sf21系(又は別の同等物)中に発現させた。
【0068】
タンパク質の発現に続いて、溶菌液を宿主の昆虫細胞から、氷冷溶菌緩衝液(pH7.5の20mMのN−2−ヒドロキシエチルピペリジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)、150mMのNaCl、10%のグリセリン、1%のTriton X−100、1.5mMのMgCl、1mMのエチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)N’,N’,N’,N’−四酢酸(EGTA)、及びプロテアーゼ阻害剤による処理、そして次いで遠心によって清澄にすることによって調製した。Tie2、KDR及びFlt1溶菌液をアリコートで−80℃で保存した。
【0069】
これらの組換えタンパク質の恒常的キナーゼ活性を、合成ペプチド(グルタミン酸、アラニン及びチロシンの6:3:1の比のランダムコポリマーから構成)をリン酸化するこれらの能力によって決定した。具体的には、Nunc MaxisorbTM96ウェル免疫プレートを、100マイクロリットルの合成ペプチドSigma P3899(PBS中の1mg/mlの原液を、プレートにコートする前にPBSで1:500に希釈した)でコートし、そして4℃で一晩インキュベートした。プレートを、pH7.4の50mMのHEPESで室温で洗浄して、いずれもの過剰な未結合の合成ペプチドを除去した。
【0070】
Tie2、KDR又はFlt1の活性を、適当な新しく希釈された溶菌液(それぞれ1:200、1:400及び1:1000)の、ペプチドをコートしたプレート中の、60分間(Tie2)又は20分間(KDR、Flt)の、室温における、pH7.4の100mMのHEPES、5マイクロモルのアデノシン三リン酸(ATP)(又はそれぞれの酵素に対するKm濃度、10mMのMnCl、0.1mMのNaVO、0.2mMのDL−ジチオトレイトール(DTT)、0.1%のTriton X−100中の、DMSO中に溶解された試験化合物(最終濃度2.5%)といっしょの、0.05マイクロモル−100マイクロモルの範囲の最終化合物濃度でのインキュベーションによって評価した。反応を、アッセイの液体成分の除去によって終結し、続いてプレートをPBS−T(0.5%のTween 20を含むリン酸緩衝生理食塩水)又は別の同等な洗浄緩衝液で洗浄した。
【0071】
反応の不動化されたホスホ−ペプチド産物を、免疫学的方法によって検出した。まず、プレートを、マウスの単クローンの抗ホスホチロシン−HRP(西洋わさびペルオキシダーゼ)複合抗体(4G10、Upstate Biotechnologyから入手、UBI 16−105)と、4時間室温でインキュベートした。PBS−Tによる大量の洗浄に続いて、プレートのそれぞれのウェルのHRP活性を、22’−アジノ−ジ−[3−エチルベンゾチアゾリンスルホナート(6)]ジアンモニウム塩結晶ABTS(Sigma P−4922−製造業者の説明どうり調製)を基質として使用し、30−45分間インキュベートして、色を顕色させてから、100ulの1MのH2SO4を加えて、反応を停止し、比色的に測定した。
【0072】
色の顕色の定量、そして従って酵素活性を、Molecular Devices ThermoMaxマイクロプレートリーダーの405nmにおける吸光度の測定によって達成した。与えられた化合物に対するキナーゼ阻害は、IC50値として表示された。これは、このアッセイのリン酸化の50%阻害を与えるために必要な化合物の濃度の計算によって決定された。リン酸化の範囲は、正(ベヒクル足すATP)及び負(ベヒクル引くATP)の対照値から計算された。
【0073】
b. 細胞のTie2自己リン酸化アッセイ
このアッセイは、正常には“活性化された”受容体の生産に導き、次に受容体の機能に伴う特別なシグナル伝達経路を開始する、Tie2受容体の自己リン酸化を阻害する化合物の能力を測定することに基づいている。
【0074】
自己リン酸化は、多くの手段によって達成することができる。バキュロウイルス系中の組換えキナーゼ領域の発現が、リン酸化されそして活性化された受容体の生産に導くことは既知である。組換え細胞系中の受容体の過剰発現が、それ自体がリガンドの非存在における受容体の自己リン酸化に導くことができることも更に報告されている(Heldin C−H.1995 Cell:80,213−223;Blume−J.P,Hunter T.2001 Nature:411,355−65)。更に、キメラな受容体が構築された多くの文献例が存在する。これらの事例において、受容体の天然の外部細胞表面領域が、適当なリガンド(例えばTrkA−Tie2/NGFリガンド(Marron,M.B.et al.,2000 Journal of Biological Chemistry:275:39741−39746)又はC−fms−Tie−1/CSF−1リガンド(Kontos, C.D.,et al.,2002 Molecular and Cellular Biology:22,1704−1713))の付加によって容易に二量体化されることが知られている領域のそれで置換されている。従ってキメラな受容体が宿主細胞系に発現し、そして対応するリガンドが付加された場合、これは、キメラな受容体のキナーゼ領域の自己リン酸化を誘発する。この方法は、しばしば既知の(及びしばしば容易に得られる)リガンドを、関心のあるそれぞれの受容体に対する天然のリガンドを同定し、そして単離する代わりに使用することを可能にする利益を有する。
【0075】
当然なことに、リガンドが利用可能である場合、選択された受容体を発現することが知られた天然の細胞系又は初代細胞を使用し、そして単純にリガンドで刺激して、リガンドで誘発されたリン酸化を達成することができる。例えばEA.hy926/B3細胞(J.McLean/B.Tuchi,Univ.of Carolina at Chapel Hill,CB−4100,300 Bynum Hall,Chapel Hill,N.C.27599−41000,USAから供給)又は初代HUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞−各種の商業的供給源から入手可能)中で発現した、Tie2受容体の自己リン酸化を阻害する化合物の能力は、このアッセイによって測定することができる。
【0076】
天然のAng1リガンドは、いずれかの腫瘍細胞上清から標準的な精製技術を使用して単離することができるか、又は別の方法として、Ang1遺伝子は、標準的な分子生物学技術及び発現系を使用してクローン化し、そして組換え的に発現することができる。この場合、その天然の状態、又は例えば方法を容易にするための付加的な精製標識(例えばポリヒスチジンペプチド、抗体Fc領域)を含有するように遺伝子的に設計することができる組換えタンパク質のいずれかのリガンドを製造するためにいずれかを試みることができる。
【0077】
例として、EA.hy926/B3又はHUVECのいずれかの細胞のTie2受容体のリガンドの刺激を使用して、この過程を阻害する化合物の可能性を決定するための分析に使用することができる、Ang1リガンドで刺激された細胞受容体のリン酸化アッセイを構築することができる。例えば、EA.hy926/B3細胞を、適当な組織培養培地及び10%の胎児ウシ血清(FCS)中で二日間、6ウェルプレート中で、5×10細胞/ウェルの初期接種密度で出発して増殖した。三日目に、細胞を、前の培地を1%のみのFCSを含有する倍地と置換えることによって合計2時間血清不足にした。1時間40分の血清不足後、培地を除去し、そして1mlの試験化合物希釈物(化合物の希釈物は、血清不足培地中でDMSO濃度を0.8%より低く保ちながら製造)で置換えた。1.5時間の血清不足後、オルトバナジン酸塩を、0.1mMの最終濃度で、血清不足の最後の10分間に加えた。
【0078】
合計2時間の血清不足に続いて、リガンド及びオルトバナジン酸塩を加えて、細胞のTie2受容体の自己リン酸化を刺激した(リガンドは、血清不足培地中で希釈された精製された物質又は例えば組換え的に発現された哺乳動物細胞の場合のリガンドを含有する非精製細胞上清のいずれかとして加えることができる)。
【0079】
リガンドとの37℃における10分間のインキュベーション後、細胞を氷上で冷却し、1mMのオルトバナジン酸塩を含有する概略5mlの冷PBSで洗浄し、その後、1mlの氷冷溶菌緩衝液((20mMのpH7.6のTris、150mMのNaCl、50mMのNaF、0.1%のSDS、1%のNP40、0.5%のDOC、1mMのオルトバナジン酸塩、1mMのEDTA、1mMのPMSF、30μl/mlのアプロチニン、10μg/mlのペプスタチン、10μl/mlのロイペプチン)を細胞に加え、そして氷上に10−20分間放置した。溶菌液を除去し、そして1.5mlのエッペンドルフ試験管に移し、そして3分間13000rpmで4℃で遠心した。800μlのそれぞれの溶菌液を、新しい2mlのエッペンドルフ試験管に免疫沈降のために移した。3mg=15μlの抗ホスホ−チロシン抗体(Santa Cruz PY99−sc−7020)を溶菌液に加え、そして2時間4℃でインキュベーションしたままにした。600μlの洗浄したMagnaBindビーズ(ヤギ−抗マウスIgG、Pierce 21354)を溶菌液に加え、そして試験管を一晩4℃で遠心したままにした。
【0080】
試料を1分間磁石中で処理してから、溶菌上清を注意深く除去した。次いで1mlの溶菌緩衝液をビーズに加え、そしてこの工程を更に二回繰り返した。ビーズを25μlの94℃の熱2×Laemmli付加緩衝液及びベータ−メルカプトエタノール中に懸濁し、そして15分間室温で静置したままにした。
【0081】
ビーズを、試験管を1分間磁石に暴露することによって除去し、そして全体の液体を、ビーズからそれぞれの免疫沈降から分離し、ポリアクリルアミド/SDSタンパク質ゲル(プレキャストされた4−12%のBisTris NuPAGE/MOPS 12ウェルゲル、Novaxから入手)上に付加した。タンパク質ゲルを、200Vで実行し、そして次いでNC膜上に1時間30分、50V/250mAでブロットした。全てのブロットを、PBS−Tween中の5%のMarvelで、1時間室温で処理して、検出抗体の非特異的結合を減少した。ウサギ抗−Tie2(Santa Cruz sc−324)を、0.5%のMarvel/PBS−Tween中の1:500の希釈で加え、そして一晩4℃でインキュベートしたままにした。ブロットを、PBS−Tweenで激しく洗浄してから、ヤギ抗ウサギ−POD複合体(Dako P0448)を0.5%のMarvel/PBS−Tween中の1:5000希釈で加えた。抗体を、1時間室温で放置してから、その後ブロットをPBS−Tweenで洗浄した。各種の免疫沈降した試料のウェスタンブロットを、LumiGLO(NEB 7003)でブロットを発生した。そしてX線カセットに移し、そしてフィルムを15秒/30秒及び60秒暴露した。リン酸化されたTie2受容体に関係するタンパク質バンドの相対強度を、FluorS BioRad映像分析器装置を使用して評価した。それぞれの試験化合物の希釈系列に対するリン酸化のパーセントを決定し、これらからIC50値を、適当な対照試料を参照として使用する標準的な方法によって計算した。
【0082】
式Iの化合物の薬理学的特性は、予測されるように構造的変化により変化するが、一般的に、式Iの化合物によって保有される活性は、上記の試験(a)及び(b)の一つ又はそれより多くにおける、以下の濃度又は投与量によって証明することができる:−
試験(a):− 例えば、<500μMの範囲のIC50
試験(b):− 例えば、<50μMの範囲のIC50
【0083】
本発明の更なる側面によれば、本明細書中で先に定義したとおりの式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩を、医薬的に受容可能な希釈剤又は担体と共に含んでなる医薬組成物が提供される。
【0084】
本発明の組成物は、経口使用(例えば錠剤、ロゼンジ、硬質又は軟質カプセル、水性又は油性懸濁液、乳液、分散可能な散薬又は顆粒、シロップ又はエリキシルとして)、局所使用(例えばクリーム、軟膏、ゲル、或いは水性若しくは油性溶液又は懸濁液として)、吸入による投与(例えば微細に分割された散薬又は液体エアゾールとして)、通気法による投与(例えば微細に分割された散薬として)又は非経口投与(例えば静脈、皮下、筋肉内又は筋肉内投与のための滅菌水性又は油性溶液として、或いは直腸投与のための座薬として)のために適した形態であることができる。
【0085】
本発明の組成物は、当技術において公知である慣用的な医薬的賦形剤を使用して慣用的な手順によって得ることができる。従って、経口使用を意図する組成物は、例えば一つ又はそれより多い着色剤、甘味剤、芳香剤及び/又は保存剤を含有することができる。
【0086】
単一剤形を製造するために一つ又はそれより多い賦形剤と組合される活性成分の量は、治療される宿主及び投与の特定の経路によって必然的に変化するものである。例えば、ヒトへの経口投与を意図する製剤は、一般的に、例えば0.5mgないし0.5gの活性剤(更に適当には0.5ないし100mg、例えば1ないし30mg)を、全組成物の約5ないし約98重量パーセントで変化することができる適当な、そして都合のよい量の賦形剤と調合されて含有するものである。
【0087】
式Iの化合物の治療又は予防的な目的のための投与量の大きさは、症状の特質及び重度、動物又は患者の年齢及び性別、並びに投与の経路によって、医学の公知の原理によって当然変化するものである。
【0088】
式Iの化合物を、治療又は予防の目的で使用することにおいて、これは、一般的に、例えば0.1mg/kgないし75mg/kg体重の範囲の日量が投与されるように、必要な場合分割投与で投与されるものである。一般的に、非経口経路が使用される場合、より低い投与量が投与されるものである。従って、例えば静脈内投与に対して、例えば0.1mg/kgないし30mg/kg体重の範囲の投与量が一般的に使用されるものである。同様に、吸入による投与に対して、例えば0.05mg/kgないし25mg/kg体重の範囲の投与量が使用されるものである。然しながら、特に錠剤の形態の経口投与が好ましい。典型的には、単位剤形は、約0.5mgないし0.5gの本発明の化合物を含有するものである。
【0089】
本明細書中で定義されたとおりの本発明による化合物は、他の事柄中でも、その抗血管新生効果に対して関心がある。本発明の化合物は、癌、糖尿病、乾癬、慢性関節リウマチ、カポジ肉腫、血管腫、リンパ浮腫、急性及び慢性腎障害、アテローム、動脈性再狭窄、自己免疫性疾病、急性炎症、過剰な瘢痕形成及び癒着、子宮内膜症、機能障害性子宮出血並びに網膜血管増殖を伴う眼球疾病を含む広い範囲の好ましくない又は病理学的な血管新生に伴う疾病状態の治療及び予防において有用であることが予測される。癌は、いずれもの組織に影響することができ、そして白血病、多発性骨髄腫及びリンパ腫を含む。特に、本発明のこのような化合物は、原発性及び再発性の固形腫瘍、例えば大腸、乳房、前立腺、肺及び皮膚の成長を都合よく遅延することが予測される。
【0090】
本出願人は、本発明による化合物の抗血管新生特性が、そのTie2受容体チロシンキナーゼ阻害特性から起こるものと信じる。従って、本発明の化合物は、このような治療を必要とする温血動物においてTie2阻害効果を生じるために有用であると予測される。従って、本発明の化合物は、Tie2受容体チロシンキナーゼの阻害によって単独で又は部分的に仲介される抗血管新生効果の発現のために使用することができる。
【0091】
更に特定的には、本発明の化合物は、Tie2に伴う癌のいずれもの形態を阻害することが予測される。例えば、Tie2に伴う原発性及び再発性固形腫瘍の成長、特にその成長及び伝播のためにTie2受容体チロシンキナーゼに有意に依存する腫瘍。
【0092】
本発明の更なる側面によれば、医薬として使用するための、本明細書中で先に定義したとおりの式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩が提供される。
本発明のもう一つの側面によれば、ヒトのような温血動物におけるTie2受容体チロシンキナーゼ阻害剤として使用するための医薬の製造における、本明細書中で先に定義したとおりの式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩の使用が提供される。
【0093】
本発明のもう一つの側面によれば、ヒトのような温血動物における抗血管新生効果の発現に使用するための医薬の製造における、本明細書中で先に定義したとおりの式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩の使用が提供される。
【0094】
本発明のもう一つの側面によれば、ヒトのような温血動物における癌の治療に使用するための医薬の製造における、本明細書中で先に定義したとおりの式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩の使用が提供される。
【0095】
本発明のもう一つの側面によれば、ヒトのような温血動物における白血病、乳房、肺、大腸、直腸、胃、前立腺、膀胱、膵臓、卵巣、リンパ腫、精巣、神経芽細胞腫、肝臓、胆管、腎細胞、子宮、甲状腺及び皮膚癌から選択される癌の治療に使用するための医薬の製造における、本明細書中で先に定義したとおりの式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩の使用が提供される。
【0096】
本発明のもう一つの側面によれば、このような治療を必要とする、ヒトのような温血動物におけるTie2受容体チロシンキナーゼを阻害する方法が提供され、これは、前記動物に有効な量の本明細書中で先に定義したとおりの式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩を投与することを含んでなる。
【0097】
本発明のもう一つの側面によれば、このような治療を必要とする、ヒトのような温血動物における抗血管新生効果を発現する方法が提供され、これは、前記動物に有効な量の本明細書中で先に定義したとおりの式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩を投与することを含んでなる。
【0098】
本発明のもう一つの側面によれば、このような治療を必要とする、ヒトのような温血動物における癌を治療する方法が提供され、これは、前記動物に有効な量の本明細書中で先に定義したとおりの式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩を投与することを含んでなる。
【0099】
本発明のもう一つの側面によれば、このような治療を必要とする、ヒトのような温血動物における白血病、乳房、肺、大腸、直腸、胃、前立腺、膀胱、膵臓、卵巣、リンパ腫、精巣、神経芽細胞腫、肝臓、胆管、腎細胞、子宮、甲状腺及び皮膚癌から選択される癌を治療する方法が提供され、これは、前記動物に有効な量の本明細書中で先に定義したとおりの式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩を投与することを含んでなる。
【0100】
本発明のもう一つの側面によれば、ヒトのような温血動物におけるTie2受容体チロシンキナーゼを阻害することに使用するための、本明細書中で先に定義したとおりの式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩が提供される。
【0101】
本発明のもう一つの側面によれば、ヒトのような温血動物における抗血管新生効果の発現のために使用するための、本明細書中で先に定義したとおりの式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩が提供される。
【0102】
本発明のもう一つの側面によれば、癌の治療に使用するための、本明細書中で先に定義したとおりの式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩が提供される。
本発明のもう一つの側面によれば、白血病、乳房、肺、大腸、直腸、胃、前立腺、膀胱、膵臓、卵巣、リンパ腫、精巣、神経芽細胞腫、肝臓、胆管、腎細胞、子宮、甲状腺及び皮膚癌から選択される癌の治療に使用するための、本明細書中で先に定義したとおりの式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩が提供される。
【0103】
本明細書中で先に記述したように、本発明の化合物が、乾癬、慢性関節リウマチ、カポジ肉腫、血管腫、リンパ浮腫、急性及び慢性腎障害、アテローム、動脈性再狭窄、自己免疫性疾病、急性炎症、過剰な瘢痕形成及び癒着、子宮内膜症、機能障害性子宮出血並びに網膜血管増殖を伴う眼球疾病を含む、好ましくない又は病理学的な血管新生によって仲介される他の疾病に対する活性を保有するものであることが更に予測される。
【0104】
本明細書中で定義した抗血管新生活性は、単一の療法として適用することができ、又は本発明の化合物に加えて、一つ又はそれより多い他の物質及び/又は治療を含むことができる。このような共同(conjoint)治療は、治療の個別の成分の同時、連続又は別個投与によって達成することができる。医学的腫瘍学の分野において、癌を持つそれぞれの患者を治療する異なった形態の治療の組合せを使用することは、通常の慣例である。医学的腫瘍学において、本明細書中で先に定義した細胞サイクルの阻害治療に加えて、このような共同治療の他の成分(類)は:手術、放射線療法又は化学療法であることができる。このような化学療法は、一つ又はそれより多い以下の抗腫瘍剤の分類を含むことができる:
(i)抗侵入剤(例えばマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤及びウロキナーゼプラスミノーゲン活性化剤受容体機能の阻害剤);
(ii)アルキル化剤(例えばシスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロランブシル、ブスルファン及びニトロソ尿素);代謝拮抗剤(例えば5−フルオロウラシル及びテガフールのようなフルオロピリミジンのような葉酸代謝拮抗剤、ラルチトレキセド、メトトレキセート、シトシンアラビノシド及びヒドロキシ尿素、或いは、例えば、(2S)−2−{−フルオロ−−[−{2,7−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−イルメチル)−−(プロパ−2−イニル)アミノ]ベンズアミド}−4−(テトラゾール−5−イル)酪酸のような欧州特許出願番号562734中に開示されている好ましい代謝拮抗薬の一つ);抗腫瘍抗生物質(例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン及びミトラマイシンのようなアントラサイクリン);有糸分裂阻害剤(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン及びビノレルビンのようなビンカアルカロイド並びにタキソール及びタキソテールのようなタキソイド(taxoids));並びにトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエトポシド及びテニポシド(teniposide)のようなエピポドフィルロトキシン(epidophyllotoxins)、アムサクリン、トポテカン並びにカンプトテシン)のような医学的腫瘍学において使用されるような、抗増殖性/抗悪性腫瘍薬物及びこれらの組合わせ;
(iii)抗エストロゲン剤(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン(droloxifene)及びヨードキシフェン(iodoxyfene))、抗アンドロゲン剤(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミド及び酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニスト又はLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、リュープロレリン及びブセレリン)、プロゲストーゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトラゾール(letrazole)、ボラゾール(vorazole)及びエキセメスタン)及びフィナステリドのような5α−レダクターゼの阻害剤のような細胞分裂停止剤;
(iv)成長因子機能の阻害剤、例えばこのような阻害剤は、成長因子抗体、成長因子受容体抗体、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤及びセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤、例えば上皮細胞成長因子のファミリーの阻害剤(例えばEGFRチロシンキナーゼ阻害剤−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ZD1839)、−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(CP358774)及び6−アクリルアミド−−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI1033))、例えば血小板由来成長因子のファミリーの阻害剤並びに例えば肝細胞増殖因子のファミリーの阻害剤を含む;
(v)国際特許出願WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856及びWO98/13354中に開示されている化合物のような、血管内皮細胞増殖因子を阻害するもののような、本明細書中で先に定義したものと異なった機構で作用する抗血管新生剤、並びに他の機構によって作用するもの(例えばリノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能の阻害剤及びアンジオスタチン);
(vi)アンチセンス療法、例えば抗rasアンチセンスであるISIS 2503のような先に列挙した標的を指向するもの;
(vii)例えば、異常p53或いは異常BRCA1又はBRCA2のような異常遺伝子を置換える方法、シトシンデアミラーゼ、チミジンキナーゼ又は細菌性ニトロレダクターゼ酵素を使用するもの、及び多剤耐性遺伝子療法のような化学療法又は放射線療法に対する患者の許容度を増加する方法のようなGDEPT(遺伝子特異的酵素プロドラッグ療法)法を含む遺伝子療法;並びに
(viii)例えば、インターロイキン2、インターロイキン4又は顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子のようなサイトカインによる形質移入のような患者の腫瘍細胞の免疫原生を増加するex−vivo及びin−vivoの方法、T細胞のアネルギーを減少する方法、サイトカインで形質移入された樹状細胞のような形質移入された免疫細胞を使用する方法、サイトカインで形質移入された腫瘍細胞系を使用する方法、並びに抗イディオタイプ抗体を使用する方法を含む免疫療法。
【0105】
このような共同治療は、治療の個別の成分の同時、連続又は別個投与によって達成することができる。このような組合わせの産物は、本明細書中に先に記載した投与量の範囲内の本発明の化合物及びその認可された投与量の範囲内の他の医薬的に活性な薬剤を使用する。
【0106】
本発明のこの側面によれば、癌の共同治療のために、本明細書中で先に定義された式Iの化合物及び本明細書中で先に定義されたような更なる抗腫瘍性物質を含んでなる医薬産物が提供される。
【0107】
治療的医薬におけるその使用に加えて、式Iの化合物及びその医薬的に受容可能な塩は、更に新しい治療剤の研究の一部として、ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラット及びマウスのような研究室動物における細胞サイクルの活性の阻害剤の効果の評価のための、in vitro及びin vivoの試験系の開発及び標準化における薬理学的道具としても有用である。
【0108】
本発明は、以下の非制約的実施例によってここに例示されるものであり、これらにおいて、他に記述しない限り:
(i)温度は、摂氏の度(℃)によって与えられ;操作は、室温又は周囲温度、即ち18−25℃の範囲の温度で行われた;
(ii)有機溶液は、無水の硫酸マグネシウムで乾燥された;溶媒の蒸発は、回転蒸発機を使用して、減圧下(600−4000パスカル;4.5−30mmHg)で60℃までの浴温で行った;
(iii)クロマトグラフィーは、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを意味する;薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲルのプレートで行った;
(iv)一般的に、反応の経過は、TLC及び/又は分析用LC−MSで追跡され、そして反応時間は、例示のみのために与えられる;
(v)最終生成物は、満足なプロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトル及び/又は質量スペクトルデータを有していた;
(vi)収率は、例示のみのために与えられ、そして必然的に入念な過程の開発によって得ることができるものではない;更なる物質が必要な場合、調製を繰返した;
(vii)与えられた場合、NMRデータは、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対するパーツパーミリオン(ppm)で与えられ、他に示さない限り、溶媒としてペルジューテリオジメチルスルホキシド(DMSO−d)を使用して300MHzで決定された主要な診断的プロトンに対するデルタ値の形態である;次の略語を使用している:s、単一線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線;b、幅広線;
(viii)化学記号は、その通常の意味を有する;SI単位及び記号が使用される;
(ix)溶媒比は、体積:体積(v/v)項で与えられる;そして
(x)質量スペクトル(MS)は、70電子ボルトの電子エネルギーで、化学イオン化(CI)モードで直接露出プローブを使用して行った;示された場合、イオン化は、電子衝撃(EI)、高速原子衝撃(FAB)又はエレクトロスプレー(ESP)によって行った;m/zに対する値が与えられる;一般的に、母体質量を示すイオンのみが報告されている;そして他に記述しない限り、引用された質量イオンはMHである;
(xi)他に記述しない限り、不斉的に置換された炭素及び/又は硫黄原子を含有する化合物は、分割されていない;
(xii)合成が、先の実施例に記載されたものと類似であると記載された場合、使用される量は、先の実施例において使用されたものとミリモル比的に当量である;
(xvi)以下の略語が使用されている:
THF テトラヒドロフラン;
DMF N,N−ジメチルホルムアミド;
NMP 1−メチル−2−ピロリジノン;
DCM ジクロロメタン;
DMSO ジメチルスルホキシド;
TFA トリフルオロ酢酸
EtOAc 酢酸エチル
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
LDA リチウムジイソプロピルアミド
MeOH メタノール
RPHPLC 逆相高性能液体クロマトグラフィー
HATU ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾリル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム
EtN トリエチルアミン
TEA トリエチルアミン
MeCN アセトニトリル
DMA ヂメチルアミン;
(xvii)合成が、酸付加塩(例えばHCl塩)へ導くと記載された場合、この塩の化学量論へのコメントは行わない。他に記述しない限り、全てのNMRデータは、遊離塩基の物質について報告され、単離された塩は、特徴付けの前に遊離塩基の形態に転換された。化合物が、TFAを移動相の成分として使用した逆相HPLCによって単離された場合、得られた生成物はトリフルオロ酢酸塩である可能性があるものである。
【0109】
実施例1
4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン(M368100)
一般的方法A(塩基法)
LDA(ヘプタン/THF/エチルベンゼン中の2Mとして、0.55ml、1.1mmol)を、2,2−ジメチル−N−(4−メチルピリミジン−2−イル)プロパンアミド(中間体1)(100mg、0.52mmol)のTHF(2.5ml)中の溶液に室温で加えた。得られた溶液を25分間撹拌し、その後、6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(114mg、0.5mmol)のTHF(2.5ml)中の溶液を加えた。更に4時間撹拌した後、混合物を水中に注ぎ、そして2MのHClの添加によって酸性化した。混合物をEtOAcで洗浄し、2MのHClで逆抽出し、そして混合した水層を2MのNaOHに添加によって塩基性化し、EtOAcで抽出し、水で洗浄し、乾燥し、そして溶媒を蒸発して、黄色の固体を得た。98:2のジクロロメタン:メタノールで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、2,2−ジメチル−N−{4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−イル}プロパンアミド(実施例2)を、黄色の固体(168mg、80%)として得た。
MS m/e MH 404。
これを、4MのHCl(5ml)中に溶解し、そして100℃で70分間加熱した。冷却後、混合物を1MのNaOH中に注ぎ、そしてEtOAc中に抽出した。有機相を水で洗浄し、乾燥し、そして溶媒を除去して、黄褐色の固体を得た。EtOAc、エーテル及びイソ−ヘキサンで摩砕して、表題化合物を黄色の固体として得た。(56mg、34%)。
H NMR(DMSO−d):δ 4.96(bs,2H),7.09(d,1H),7.18(d,1H),7.45−7.58(m,3H),7.64−7.68(m,3H),8.12(d,1H),8.30(d,1H),8.63(d,1H)。
MS m/e MH 320。
【0110】
出発物質を、以下のように調製した:
中間体1
2,2−ジメチル−N−(4−メチルピリミジン−2−イル)プロパンアミド
塩化ピバロイル(8.6ml、69.8mmol)を、2−アミノ−4−メチルピリミジン(7.53g、68.7mol)のジクロロメタン(70ml)及びトリエチルアミン(9.8ml、70.3mmol)中の懸濁液に氷浴で冷却しながら滴下により加えた。混合物を16時間撹拌し、濾過し、水、飽和NaHCOで洗浄し、乾燥し、そして溶媒を蒸発して、蒼白色の固体を得た。ジクロロメタン/イソ−ヘキサンから再結晶して、表題化合物を無色の針状物(7.12g)として得た。部分的な蒸発により、1.8g(合計67%)を第2の収穫として得た。
H NMR(DMSO−d):δ 1.19(s,9H),2.39(s,3H),7.05(d,1H),8.48(d,1H),9.83(bs,1H)。
MS m/e(M−1)192。
【0111】
一般的方法B(酸法)
濃硫酸(5ml)を、6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(1.0g、4.39mmol)及び2−アミノ−4−メチルピリミジン(480mg、4.4mmol)の酢酸中の溶液に加えた。溶液を70℃で2日間加熱し、冷却し、飽和NaHCO中に注意深く注ぎ、EtOAcで抽出し、乾燥し、そして溶媒を蒸発した。EtOAc:MeOH:EtNの混合物で溶出するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を黄色の固体として得た。(450mg、32%)。
【0112】
一般的方法C(酸/酸無水物法)
無水酢酸(0.3ml)及び濃硫酸(5ml)を、6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(1342mg、1.5mol)及び2−アミノ−4−メチルピリミジン(164mg、1.5mmol)の酢酸(3.75ml)中の溶液に加えた。溶液を70℃で2日間加熱し、冷却し、飽和NaHCO中に注意深く注ぎ、EtOAcで抽出し、乾燥し、そして溶媒を蒸発した。EtOAc:MeOH:EtNの混合物で溶出するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を黄色の固体(221mg、46%)として、そしてN−{4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−イル}アセトアミド(実施例3)を、黄色の固体(4mg、0.7%)として得た。
H NMR(DMSO−d):δ 2.23(s,3H),7.13−7.19(m,2H),7.42(t,1H),7.48(t,2H),7.56(d,1H),7.68(d,2H),8.15(d,1H),8.53−8.56(m,2H),10.29(bs,1H)。(32%のcis異性体を含有)。
MS m/e MH 362。
【0113】
実施例4
5−[(E)−2−(2−クロロピリミジン−4−イル)ビニル]−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール
リチウムヘキサメチルジシラザン(THF中の1.0Mとして、15.75ml、15.75mmol)を、2−クロロ−4−メチルピリジン(1.93g、15mmol)のTHF(75ml)中の溶液に−70℃で加えた。THF(75ml)中の懸濁液としての6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(3.42g、15mmol)を、得られた溶液に加えた。混合物を室温まで温まらせ、そしてトリフルオロ酢酸(15ml)及び水(0.75ml)を加えた。混合物を50℃で24時間温め、室温まで冷却し、そして水中に注いだ。濾過により、表題化合物を黄色の固体(2.14g、42%)として得た。
H NMR(CDCl):δ 6.75(d,1H),7.06(d,1H),7.16(d,1H),7.41−7.54(m,3H),7.70−7.73(m,2H),7.89(d,1H),8.06(d,1H),8.48(d,1H)。
MS m/e MH 337、339。
【0114】
一般的方法D−(塩化物置換)
実施例5
5−[(E)−2−(2−モルホリン−4−イルピリミジン−4−イル)ビニル]−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール
モルホリン(40μl、0.45mmol)及び一滴のエーテル中のHClを、5−[(E)−2−(2−クロロピリミジン−4−イル)ビニル]−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール(実施例4)(68mg、0.2mmol)のDMA(1ml)中の溶液に加えた。溶液を16時間加熱し、2MのHCl及びEtOAc間に分配した。水溶液を1MのNaOHの添加によって塩基性化し、そしてEtOAc中に抽出し、水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、溶媒を蒸発して、表題化合物を黄色の固体として得た。(74mg、95%)。
H NMR(CDCl):δ 3.77−3.84(m,8H),6.51(d,1H),6.66(d,1H),7.00(d,1H),7.39−7.50(m,3H),7.74−7.87(m,3H),8.11(d,1H),8.28(d,1H)。
MS m/e MH 391。
【0115】
実施例6及び7
4−{(E)−2−[6−(4−フルオロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−オール及び4−{(E)−2−[6−(4−フルオロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−アミン
一般的方法Aによって、6−(4−フルオロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(185mg、0.75mmol)及び2,2−ジメチル−N−(4−メチルピリミジン−2−イル)プロパンアミド(中間体1)(145mg、0.75mmol)から調製して、実施例6及び7の混合物を得て、これを分離用逆相HPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)によって精製して、4−{(E)−2−[6−(4−フルオロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−オール(実施例6)を、黄色の固体として得た。(10.3mg、4%)
H NMR(DMSO−d):δ 4.95(bs,2H),6.92(d,1H),7.09(d,1H),7.36(t,2H),7.60(d,1H),7.69(dd,2H),8.00(d,1H),8.24(d,1H),8.54(d,1H)。
MS m/e MH 339。
そして4−{(E)−2−[6−(4−フルオロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−アミン(実施例7)を、黄色の固体(7.8mg、3%)として得た
H NMR(DMSO−d):δ 4.30(bs,2H),6.90(d,1H),6.93(d,1H),7.37(t,2H),7.67(d,1H),7.74(dd,2H),8.09(d,1H),8.21(d,1H),8.47(d,1H)。
MS m/e MH 338。
【0116】
実施例8及び9
4−{(E)−2−[6−(4−クロロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−オール及び4−{(E)−2−[6−(4−クロロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−アミン
一般的方法Aによって、6−(4−クロロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(200mg、0.76mmol)及び2,2−ジメチル−N−(4−メチルピリミジン−2−イル)プロパンアミド(中間体1)(145mg、0.75mmol)から調製して、実施例8及び9の混合物を得た。分離用逆相HPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)によって精製して、4−{(E)−2−[6−(4−クロロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−オール(実施例8)を、黄色の固体として得た。(6.7mg、2.5%)
H NMR(DMSO−d):δ 3.95(bs,2H),6.91(d,1H),6.95(d,1H),7.59(d,2H),7.66−7.73(m,3H),8.10(d,1H),8.22(d,1H),8.47(d,1H)。
MS m/e MH 355,357。
そして4−{(E)−2−[6−(4−クロロフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−アミン(実施例9)を、黄色の固体として得た。(18.7mg、7%)。
H NMR(DMSO−d):δ 5.10(bs,4H),6.95(d,1H),7.11(d,1H),7.57−7.69(m,5H),8.03(d,1H),8.25(d,1H),8.55(d,1H)。
MS m/e MH 354、356。
【0117】
実施例10及び11
4−{(E)−2−[6−(4−ブロモフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−オール及び4−{(E)−2−[6−(4−ブロモフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−アミン
一般的方法Aによって、6−(4−ブロモフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(230mg、0.75mmol)及び2,2−ジメチル−N−(4−メチルピリミジン−2−イル)プロパンアミド(中間体1)(145mg、0.75mmol)から調製して、実施例10及び11の混合物を得た。分離用逆相HPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)による精製により、4−{(E)−2−[6−(4−ブロモフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−オール(実施例10)を、黄色の固体として得た。(3.5mg、1.2%)。
H NMR(DMSO−d):δ 4.30(bs,1H),6.90(d,1H),6.95(d,1H),7.63−7.74(m,5H),8.08(d,1H),8.21(d,1H),8.47(d,1H)。
MS m/e MH 399、401。
そして4−{(E)−2−[6−(4−ブロモフェニル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−アミン(実施例11)を、黄色の固体として得た。(10.6mg、3.6%)。
H NMR(DMSO−d):δ 5.00(bs,2H),6.95(d,1H),7.12(d,1H),7.59−7.62(m,3H),7.72(d,2H),8.03(d,1H),8.25(d,1H),8.55(d,1H)。
MS m/e MH 398、400。
【0118】
実施例12
4−((E)−2−{6−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル}ビニル)ピリミジン−2−アミン
一般的方法Aによって、6−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(148mg、0.5mmol)及び2,2−ジメチル−N−(4−メチルピリミジン−2−イル)プロパンアミド(中間体1)(145mg、0.75mmol)から調製した。分離用逆相HPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)による精製により、表題化合物を黄色の固体として得た。(16mg、5.4%)
H NMR(DMSO−d):δ 4.44(bs,2H),6.97(d,1H),7.14(d,1H),7.63(d,2H),7.74−7.82(m,2H),7.93(d,1H),8.03(d,1H),8.27(d,1H),8.55(d,1H)。
MS m/e MH 388。
【0119】
実施例13
5−ブロモ−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
一般的方法Bによって、6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(228mg、1mmol)及び5−ブロモ−4−ピリミジン−2−アミン(188mg、1mmol)から調製した。1:1のEtOAc:イソ−ヘキサンで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を黄色の固体として得た。(56mg、14%)。
H NMR(CDCl):δ 4.94(bs,2H),7.05(d,1H),7.10(d,1H),7.42(t,1H),7.50(t,2H),7.75(d,2H),7.89(d,1H),8.21(d,1H),8.30(s,1H)(16%のcis異性体を含有)。
MS m/e MH 398、400。
【0120】
実施例14及び15
N−{4−[(E)−2−(6−フェニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−イル}アセトアミド及び4−[(E)−2−(6−フェニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
一般的方法Cによって、6−フェニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(230mg、1mmol)及び4−メチルピリミジン−2−アミン(109mg、1mmol)から調製して、実施例14及び15の混合物を得て、これを、シリカのフラッシュクロマトグラフィーによって、98:2のジクロロメタン:メタノールで溶出して精製して、N−{4−[(E)−2−(6−フェニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−イル}アセトアミド(実施例14)を、黄色の固体として得た。(25mg、7%)。
H NMR(CDCl):δ 2.50(s,3H),3.97(t,2H),4.52(t,2H),6.58(d,1H),6.82(d,1H),7.37(t,1H),7.44(t,2H),7.63(d,2H),7.93(d,1H),8.31(bs,1H),8.45(d,1H)。
MS m/e MH 364。
そして4−[(E)−2−(6−フェニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン(実施例15)を、黄色の固体として得た。(123mg、38%)
H NMR(CDCl):δ 3.93(t,2H),4.48(t,2H),4.94(bs,2H),6.51(d,1H),6.56(d,1H),7.35(t,1H),7.43(t,2H),7.64(d,2H),7.77(d,1H),8.21(d,1H)。
MS m/e MH 322。
【0121】
実施例16
4−[(E)−2−(2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
一般的方法Cによって、2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルバルデヒド(92mg、0.41mmol)及び4−メチルピリミジン−2−アミン(60mg、0.55mmol)から調製した。98:2のジクロロメタン:メタノールで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を黄色の固体の泡状物として得た。(67mg、52%)
H NMR(CDCl):δ 4.98(bs,2H),6.57(d,1H),6.85(d,1H),6.97(dt,1H),7.26−7.35(m,1H),7.43−7.53(m,3H),7.72(d,1H),7.78−7.84(dd,2H),8.11(d,1H),8.24(d,1H),8.53(d,1H)。
MS m/e MH 314。
【0122】
実施例17
4−[(E)−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
一般的方法Bによって、4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(86mg、0.5mmol)及び4−メチルピリミジン−2−アミン(60mg、0.55mmol)から調製した。98:2のジクロロメタン:メタノールで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を黄色の固体として得た。(57mg、44%)。
H NMR(DMSO−d):δ 4.20(bs,2H),7.01(d,1H),7.53(d,1H),7.55−7.68(m,5H),7.79(d,1H),8.37(d,1H),9.20(bs,1H)。
MS m/e MH 264。
【0123】
実施例18
2−アミノ−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−5−カルボン酸エチル
一般的方法Cによって、フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(228mg、1mmol)及び2−アミノ−4−メチルピリミジン−5−カルボン酸エチル(181mg、1mmol)から調製した。98:2のジクロロメタン:メタノールで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を黄色の固体として得た。(65mg、16.6%)。
H NMR(CDCl):δ 1.42(t,3H),4.38(q,2H),5.27(bs,2H),7.04(d,1H),7.41(t,1H),7.50(t,2H),7.77(d,2H),8.11(d,1H),8.16(d,1H),8.34(d,1H),8.92(s,1H)。
MS m/e MH 392。
【0124】
実施例19
2−アミノ−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−5−カルボン酸
2−アミノ−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−5−カルボン酸エチル(実施例18)、(2.37g、6.06mmol)のメタノール(100ml)及び2MのNaOH(20ml)中の溶液を、60℃で16時間加熱した。メタノールを蒸発によって除去し、そして水性残留物を1MのHClの添加によって酸性化した。得られた固体を濾過によって収集し、水で洗浄し、そして乾燥して、表題化合物を、黄色の固体として得た。(1.93g、88%)。
H NMR(DMSO−d):δ 7.30(bs,3H),7.43(t,1H),7.51(t,2H),7.59(d,1H),7.67(d,2H),8.09−8.14(m,3H),8.74(s,1H)。
MS m/e MH 364。
【0125】
実施例20
2−アミノ−N−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)シクロヘキシル]−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−5−カルボキシアミド
HATU(85mg、0.22mmol)及びDIPEA(140μl、0.8mmol)を、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)シクロヘキサンアミン(中間体2)(39mg、0.2mmol)及び2−アミノ−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−5−カルボン酸(実施例19)(73mg、0.2mmol)のDMF(1ml)中の溶液に加えた。得られた溶液を4時間撹拌し、水中に注ぎ、そして生成物を濾過によって収集して、表題化合物を、黄色の固体として得た。(30mg、28%)
H NMR(DMSO−d):δ 1.18−1.38(m,2H),1.80−1.96(m,2H),2.10−2.40(m,4H),2.50(s,3H),3.20−3.50.(m,9H),3.60−3.75(m,1H),6.86(bs,2H),7.36−7.67(m,7H),7.98−8.03(m,2H),8.15(d,1H),8.35(d,1H)。
【0126】
中間体2
4−(4−メチルピペラジン−1−イル)シクロヘキサンアミン
水素化トリスアセトキシホウ素ナトリウム(5.1g、24ミリモル)を、(4−オキソシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(5g、24ミリモル)及びメチルピペラジン(2.66ml、24ミリモル)のMeCN(500ml)中の溶液に30分かけて分割して加えた。周囲温度で16時間後、混合物を濾過し、そして固体をMeCN(3×50ml)で洗浄した。混合した濾液及び洗液を蒸発して、油状物を得た。95:5のジクロロメタン:メタノールで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、生成物を油状物(6.28g、87%)として得た。これを、ジオキサン中の4MのHCl(20ml、4当量)で周囲温度で2時間脱保護した。白色の沈殿物及び溶媒のスラリーを注意深く蒸発して、HClを除去し、そして固体を真空中でNaOHのペレット上で乾燥した(6.04g、82%)。
この塩の半分を水(100ml)中に溶解し、そしてイオン交換樹脂(AG1X2、水酸化第四アンモニウム、OH型)のカラムを通過させた。カラムを水で洗浄し、そして溶液を蒸発して、無色の泡状物を得て、これを真空中で五酸化リン上で乾燥して、遊離塩基を無色の固体(1.97g、100%)として得た。
MS m/e MH 198。
【0127】
実施例21
4−[(E)−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
一般的方法Bによって、1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(中間体3)(51.6mg、0.28mmol)及び4−メチルピリミジン−2−アミン(31mg、0.28mmol)を反応させることによって調製した。EtOAcで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を、黄色の固体として得た。(20mg、23%)。
H NMR(DMSO−d):δ 3.82(s,3H),6.48(bs,2H),6.65(d,1H),6.80(d,1H),7.34(t,1H),7.46(t,2H),7.58(d,2H),7.77(d,1H),7.83(s,1H),8.20(d,1H)。
【0128】
一般的方法E(アルキル化)
中間体3
1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド
炭酸セシウム(21.2g、65.1mmol)を、4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(10.38g、60mmol)のDMF(240ml)中の懸濁液に加え、続いて10分後、ヨードメタン(3.9ml、61.8mmol)を加えた。反応混合物を16時間撹拌した。水(400ml)を加え、そして1時間撹拌した。得られた沈殿物の濾過により、表題化合物を、黄色の固体(5.8g)として得た。濾液の抽出及び1:1のEtOAc:イソ−ヘキサンで抽出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、更に2.24g(66%)を得た。
H NMR(DMSO−d):δ 3.89(s,3H),7.41−7.46(m,3H),7.72(d,2H),8.02(s,1H),9.82(s,1H)。
MS m/e MH 187。
【0129】
実施例22
4−[(E)−2−(1−ベンジル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
一般的方法Bによって、1−ベンジル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(中間体4)(262mg、1mmol)及び4−メチルピリミジン−2−アミン(109mg、1mmol)から調製した。分離用HPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)による精製により、表題化合物を、黄色の固体(40mg、12%)として得た。
H NMR(DMSO−d):δ 5.58(bs,2H),6.66(d,1H),6.76(d,1H),7.22−7.52(m,8H),7.59(d,2H),7.73(d,1H),8.20(d,1H),8.54(s,1H)。
MS m/e MH 354。
【0130】
中間体4
1−ベンジル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド
一般的方法Eによって、4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(380mg、2.2mmol)及び臭化ベンジル(0,265ml、2.23mmol)から調製した。1:1のEtOAc:イソ−ヘキサンで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を、淡黄色の固体(427mg、74%)として得た。
H NMR(DMSO−d):δ 5.23(s,2H),6.89−6.92(m,2H),7.23−7.27(m,3H),7.39−7.50(m,5H),8.12(s,1H),9.58(s,1H)。
MS m/e MH 263。
【0131】
実施例23
{5−[(E)−2−(2−アミノピリミジン−4−イル)ビニル]−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル}酢酸
一般的方法Bによって、(5−ホルミル−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)酢酸tert−ブチル(中間体5)(285mg、1mmol)及び4−メチルピリミジン−2−アミン(109mg、1mmol)から調製した。分離用HPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)による精製により、表題化合物を、黄色の固体(24mg、7%)として得た。
H NMR(DMSO−d):δ 4.60(bs,3H),5.18(s,2H),6.68(d,1H),6.87(d,1H),7.41(t,1H),7.48(t,2H),7.59(d,2H),7.74(d,1H),8.23(d,1H),8.25(s,1H)。(10%のcis異性体を含有)。
MS m/e MH 322。
【0132】
中間体5
(5−ホルミル−4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)酢酸tert−ブチル
一般的方法Eによって、4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(516mg、3mmol)及びクロロ酢酸tert−ブチル(0.43ml、3.01mmol)から調製した。1:1のEtOAc:イソ−ヘキサンで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を黄色の油状物(597mg、70%)として得た。
H NMR(DMSO−d):δ 1.42(s,9H),5.05(s,2H),7.42−7.55(m,3H),7.73(d,2H),8.05(s,1H),9.81(s,1H)。
MS m/e MH 287。
【0133】
実施例24
4−{(E)−2−[4−フェニル−1−(2−ピロリジン−1−イルエチル)−1H−イミダゾール−5−イル]ビニル}ピリミジン−2−アミン
一般的方法Bによって、4−フェニル−1−(2−ピロリジン−1−イルエチル)−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(中間体6)(269mg、1mmol)及び4−メチルピリミジン−2−アミン(109mg、1mmol)から調製した。有機的後処理、それに続く未反応のアルデヒドをスルホニルヒドラジン樹脂で除去することによる精製により、表題化合物を、黄色の固体(37mg、10%)として得た。
H NMR(DMSO−d):δ 1.70−2.10(m,4H),2.95−3.13(m,2H),3.55−3.64(m,4H),4.60(bs,5H),4.86(t,3H),7.00(d,1H),7.42−7.63(m,6H),7.95(d,1H),8.37(d,1H),8.86(bs,1H)。(30%のcis異性体、10%のN−3位置異性体を含有)。
MS m/e MH 361。
【0134】
中間体6
4−フェニル−1−(2−ピロリジン−1−イルエチル)−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド
一般的方法Eによって、1−(2−クロロエチル)ピロリジン塩酸塩(510mg、3mmol)及び4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(516mg、3mmol)から調製した。1:1のEtOAc:イソ−ヘキサンで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を黄色の油状物として、10:1の位置異性体の混合物として得た。(270mg、34%)。
H NMR(DMSO−d):δ 1.61−1.68(m,4H),〜2.5(m,DMSOのピークによって不明確,4H),2.74(t,2H),4.40(t,2H),7.41−7.47(m,3H),7.71(d,2H),8.08(s,1H),9.80(s,1H)。(10%のN3位置異性体を含有)。
MS m/e MH 270。
【0135】
実施例25
N−ベンジル−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
一般的方法Dによって、5−[(E)−2−(2−クロロピリミジン−4−イル)ビニル]−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール(実施例4)(50mg、0.148mmol)及びベンジルアミン(0.05ml、0.46mmol)から、NMPを溶媒として調製した。シクロヘキサンによる摩砕により、表題化合物を、黄色の固体として得た。(20mg、33%)。
H NMR(DMSO−d):δ 4.45(d,2H),6.65(d,1H),7.00(d,1H),7.10−7.25,(m,6H),7.38−7.55(m,3H),7.65(d,2H),8.04(d,1H),8.22(d,1H),8.48(d,1H)。
MS m/e MH 410。
【0136】
実施例26
N−メチル−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
一般的方法Dによって、5−[(E)−2−(2−クロロピリミジン−4−イル)ビニル]−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール(実施例4)(50mg、0.148mmol)及びメチルアミン(THF中の2Mとして)(0.75ml、1.5mmol)から、NMPを溶媒として調製した。1:1のEtOAc:イソ−ヘキサンで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を黄色の固体として得た。(15mg、30%)
H NMR(CDCl):δ 3.02(d,3H),5.02(bq,1H),6.52(d,1H),6.66(d,1H),6.99(d,1H),7.41(t,1H),7.48(t,2H),7.75(d,2H),7.87(d,1H),8.08(d,1H),8.24(d,1H)。(12%のcis異性体を含有)。
MS m/e MH 334。
【0137】
実施例27
N−(1−フェニルエチル)−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
一般的方法Dによって、5−[(E)−2−(2−クロロピリミジン−4−イル)ビニル]−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール(実施例4)(50mg、0.148mmol)及び(1−フェニルエチル)アミン(0.5ml、3.9mmol)から、NMPを溶媒として調製した。1:1のEtOAc:イソ−ヘキサンで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を黄色の固体として得た。(18mg、29%)。
H NMR(CDCl):δ 1.55(d,3H),5.15−5.27(m,1H),5.40(bq,1H),6.47(d,1H),6.61(d,1H),6.98(d,1H),7.17−7.55(m,8H),7.72(d,2H),7.82(d,1H),8.03(d,1H),8.20(d,1H)。(40%の出発物質のアミンを含有)。
MS m/e MH 424。
【0138】
実施例28
N−フェニル−4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン
一般的方法Dによって、5−[(E)−2−(2−クロロピリミジン−4−イル)ビニル]−6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール(実施例4)(50mg、0.148mmol)及びアニリン(0.04ml、0.45mmol)から、NMPを溶媒として調製した。1:1のEtOAc:イソ−ヘキサンで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を黄色の固体として得た。(40mg、67%)。
H NMR(DMSO−d):δ 6.86−6.92(m,2H),7.10−7.15(m,3H),7.46−7.56(m,4H),7.68−7.75(m,4H),8.11(d,1H),8.42(d,1H),8.54(d,1H),9.46(s,1H)。
MS m/e MH 396。
【0139】
実施例29
4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−オール
濃塩酸(0.5ml)を、6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(1.14g、5mmol)及び4−メチルピリミジン−2−オール塩酸塩(732mg、5mmol)のアセトニトリル(10.0ml)及び水(2.0ml)中の懸濁液に加えた。得られた混合物を95℃で18時間加熱し、冷却し、そして水中に注ぎ、超音波処理して、溶解し、そして2MのNaOHの添加により塩基性化した。水溶液をEtOAcで洗浄し、飽和NaHCO溶液の添加によって酸性化し、そしてpH8にした。EtOAc中に抽出し、乾燥し、そして溶媒を蒸発して、表題化合物を、黄色の固体として得た。(315mg、20%)。
H NMR(CDCl):δ 1.65(bs,1H),6.40(d,1H),6.71(d,1H),6.99(d,1H),7.35−7.53(m,3H),7.67−7.72(m,2H),7.88−8.07(m,3H)。
MS m/e MH 321。
【0140】
実施例30
4−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン
一般的方法Aによって、6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(46mg、0.2mmol)及び4−メチルピリミジン(19mg、0.2mmol)から調製した。分離用逆相HPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)による精製により、表題化合物を、オレンジ色の固体として得た。(35mg、57%)。
MS m/e MH 305。
【0141】
実施例31
4−メチル−6−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−2−アミン。
【0142】
一般的方法Aによって、6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(46mg、0.2mmol)及び4,6−ジメチルピリミジン−2−アミン(24.6mg、0.2mmol)から、しかしエタノール中のナトリウムエトキシドをLDA/THFの代わりに使用して調製した。分離用逆相HPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)による精製により、表題化合物を、黄色の固体として得た。(6.4mg、10%)。
MS m/e MH 334。
【0143】
実施例32
6−[(E)−2−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)ビニル]ピリミジン−4−アミン
一般的方法Aによって、6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(52.4mg、0.23mmol)及び6−メチルピリミジン−4−アミン(25mg、0.23mmol)から、しかしブチルリチウムをLDAの代わりに使用して調製した。分離用逆相HPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)による精製により、表題化合物を、黄色の固体として得た。(15.7mg、21%)。
MS m/e MH 320。
【0144】
実施例33
(2Z)−2−(2−アミノピリミジン−4−イル)−3−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)プロパ−2−エン酸メチル
一般的方法Cによって、6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−カルバルデヒド(123mg、0.54mmol)及び(2−アミノピリミジン−4−イル)酢酸メチル(90mg、0.54mmol)から調製した。2:98のメタノール:クロロホルムで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を、黄色の粉末として得た。(223mg、100%)。
MS m/e MH 378。
【0145】
実施例34
(2Z)−2−(2−アミノピリミジン−4−イル)−3−(6フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)プロパ−2−エン酸
1NのNaOH水溶液(0.3ml)を、MeOH(20ml)中の(2Z)−2−(2−アミノピリミジン−4−イル)−3−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)プロパ−2−エン酸メチル(実施例33)(105mg、0.28mmol)に加えた。周囲温度で24時間後、分析用RPHPLCにより反応が完結していないことを確認したが、しかし分離用RPHPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)により後処理して、表題化合物を、黄色の固体として得た。(28mg、29%。)
MS m/e(M−1)362。
【0146】
実施例35
(2Z)−2−(2−アミノピリミジン−4−イル)−N−[4−(4−メチルピペラジン−1−イル)シクロヘキシル]−3−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)プロパ−2−エンアミド
HATU(7.6mg、40μmol)及びTEA(14μリットル、100μmol)を、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)シクロヘキサンアミン(中間体2)(7.9mg、40μモル)及び(2Z)−2−(アミノピリミジン−4−イル)−3−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)プロパ−2−エン酸(実施例35)(14mg、39μモル)のDMA(2ml)中の溶液に加えた。周囲温度で16時間後、分離用RPHPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)による単離により、表題化合物を、黄色の粉末として得た。(24.6mg、99%)。
MS m/e MH 543。
【0147】
実施例36
2−(2−アミノピリミジン−4−イル)−N−メチル−3−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)アクリルアミド
HATU(7.6mg、40μmol)及びTEA(14μリットル、100μmol)を、メチルアミン(THF中の2Mとして)(20μリットル、100μmol)及び(2Z)−2−(アミノピリミジン−4−イル)−3−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)プロパ−2−エン酸(実施例34)(14mg、39μmol)のDMA(2ml)中の溶液に加えた。周囲温度で16時間後、分離用RPHPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)による単離により、表題化合物を、黄色の粉末として得た。(13.5mg、92%)。
MS m/e MH 377。
【0148】
実施例37
2−(2−アミノピリミジン−4−イル)−3−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)プロパ−2−エン−1−オール。
【0149】
DCM中のDIBAL(1M、0.87ml、0.87mmol)を、(2Z)−2−(2−アミノピリミジン−4−イル)−3−(6−フェニルイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−イル)プロパ−2−エン酸メチル(実施例33)(164mg、0.465mmol)のDCM(5ml)中の溶液に−70°で加えた。−70°で2時間後、反応をHCl水溶液(1M、10ml)の添加によってクエンチし、そして次いで蒸発した。分離用RPHPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)により、表題化合物を、黄色の固体として、E及びZ異性体の混合物として得た。(29.8mg、20%。)
MS m/e MH 350。
反応生成物中に飽和されたエステルも更に存在し、そして収量34mg、21%で単離した。
MS m/e MH 380。
【0150】
実施例38
4−[(E)−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エテニル]ピリジン。
【0151】
一般的方法Bによって、4−ピリジル酢酸エチル(66mg、0.4mmol)及び5−フェニルイミダゾ−4−カルボキシアルデヒド(69mg、0.4mmol)から調製した。分離用RPHPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)により、表題化合物を、無色のゴム状物として得た。(30mg、30%)。
MS m/e MH 248。
【0152】
実施例39
4−[(E)−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エテニル]ピリミジン。
【0153】
一般的方法Bによって、4−メチルピリミジン(38mg、0.4mmol)及び4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(69mg、0.4mmol)から調製した。後処理の結晶化により、表題化合物を、無色の固体として得た。(90mg、90%)。
MS m/e MH 249。
【0154】
実施例40
4−[(E)−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エテニル]ピリミジン。
【0155】
一般的方法Bによって、4−メチルピリミジン(31mg、0.33mmol)及び1−メチル−4−フェニル−1−H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(中間体3)(61mg、0.33mmol)から調製した。分離用RPHPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)により、表題化合物を、吸湿性の黄色の固体として得た。(50mg、57%。)
MS m/e MH 263。
【0156】
実施例41
4−[(Z)−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)ビニル]ピリジン
一般的方法Bによって、ピリジン−4−イル酢酸エチル(31mg、0.33mmol)及び1−メチル−4−フェニル−1−H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(中間体3)(61mg、0.33mmol)から調製した。分離用RPHPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)により、表題化合物を、黄色の固体として得た。(69mg、80%。)
MS m/e MH 262。
【0157】
実施例42
4−[(E)−2−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エテニル]ピリミジン−2−オール。
【0158】
一般的方法Bによって、4−メチル−2−ヒドロキシピリミジン(55mg、0.5mmol)及び1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(中間体3)(93mg、0.5mmol)から調製した。分離用RPHPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)により、表題化合物を、黄色の固体として得た。(140mg、100%)。
MS m/e(M−1)277。
【0159】
実施例43
N−メチル−4−[(E)−2−(1−メチル−4−フェニル−1−H−イミダゾール−5−イル)エテニル]ピリミジン−2−アミン。
【0160】
一般的方法Bによって、N−4−ジメチルピリミジン−2−アミン(62mg、0.5mmol)及び1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(93mg、0.5mmol)から調製した。分離用RPHPLC(アセトニトリル:水:TFA、90:10;0.1)により、表題化合物を、黄色の固体として得た。(126mg、86%)。
MS m/e MH 292。
【0161】
実施例44
4−[(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル]−2−(メチルチオ)ピリミジン
4−ヨード−2−(メチルチオ)ピリミジン(WO99/31061.p151)(0.94g、3.74mmol)、ヨウ化銅(I)(0.026g、0.136mmol)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.065g、0.093mmol)のトリエチルアミン(6.3ml)及びTHF(15ml)中の溶液を、脱ガスし、次いで室温の窒素下で1時間撹拌した。5−エチニル−1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール(中間体8)(0.68g、3.74mmol)を45分かけて加え、そして撹拌を90分間継続した。酢酸エチル(50ml)で希釈し、濾過し、そして濾液を蒸発して、褐色の油状物を得た。99:1のジクロロメタン:メタノールで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を無色の油状物として得た。(1.05g、92%)。
H NMR(CDCl):δ 2.60(s,3H),3.82(s,3H),7.05(d,1H),7.34(t,1H),7.44(t,2H),7.59(s,1H),8.13(d,2H),8.50(d,1H)。
MS m/e MH 307。
【0162】
中間体7
5−エチニル−1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール
ブチルリチウム(ヘキサン中の1.6M)(7.93ml、12.6mmol)を、トリメチルシリルジアゾメタン(ヘキサン中の2M)(7.26ml、14.5mmol)の撹拌された溶液に−78℃の窒素下で加えた。−78℃で30分間撹拌し、次いでTHF(10ml)中の1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−カルバルデヒド(中間体3)(1.8g、9.68mmol)を5分かけて加えた。−78℃で1時間、そして0℃で1時間撹拌した。NHCl(aq)(30ml)を加え、そしてジエチルエーテル(100ml)中に抽出し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発して、褐色の油状物を得た。99:1のジクロロメタン:メタノールで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を無色の固体として得た。(0.856g、49%)。
H NMR(CDCl):δ 3.72(s,3H),3.75(s,1H),7.30(t,1H),7.40(t,2H),7.47(s,1H),8.10(d,2H)
MS m/e MH 183。
【0163】
実施例45
4−(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル)ピリミジン−2−アミン
4−[(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル]−2−(メチルスルホニル)ピリミジン(中間体9)(0.5g、1.48mmol)の1,4−ジオキサン(15ml)及び880アンモニア溶液(10ml)中の溶液を、電子レンジ中で150℃で30分間加熱した。溶媒を蒸発し、そして酢酸エチル(50ml)を加え、食塩水(50ml)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発して、黄色の油状物を得た。ジクロロメタンによる摩砕により、表題化合物を、黄色の固体として得た。(0.19g、47%)。
H NMR(CDCl):δ 3.80(s,3H),5.12(s,2H),6.78(d,1H),7.33(t,1H),7.43(t,2H),7.57(s,1H),8.12(d,2H),8.31(d,1H)。
MS m/e MH 276。
【0164】
中間体8
4−[(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル]−2−(メチルスルホニル)ピリミジン
水(42ml)中のオキソン(6.33g、10.29mmol)を、4−[(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル]−2−(メチルチオ)ピリミジン(実施例44)(1.05g、3.43mmol)のメタノール(42ml)中の溶液に加え、そして室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発し、そして重炭酸ナトリウム水溶液(20ml)を加えた。酢酸エチル(50ml)中に抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして蒸発して、表題化合物を、黄色の固体として得た。(0.5g、43%。)
H NMR(CDCl):δ 3.40(s,3H),3.84(s,3H),7.39(t,1H),7.48(t,2H),7.57(d,1H),7.62(s,1H),8.11(d,2H),8.88(d,1H)。
MS m/e MH339。
【0165】
実施例46
N−メチル−4−[(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル]ピリミジン−2−アミン
過酢酸(酢酸中の39%)(0.025ml、0.14mmol)を、DMF(0.3ml)中の4−[(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル]−2−(メチルチオ)ピリミジン(実施例44)(0.043g、0.14mmol)に加え、そして室温で30分間撹拌した。溶媒を蒸発して、褐色の油状物を得た。0.045g。LCMS:4−[(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル]−2−(メチルスルフィニル)ピリミジン(65%)MH323及び4−[(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル]−2−(メチルスルホニル)ピリミジン(35%)MH339の混合物。粗製の混合物として直接使用した。
メチルアミン(THF中の2M)(0.5ml、0.25mmol)を、上記で得たスルホン及びスルホキシドの混合物(0.045g、0.14mmol)の粗製の混合物に撹拌しながら加えた。還流で90分間加熱し、そして溶媒を蒸発した。99:1のジクロロメタン:メタノールで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を黄色の固体として得た。(16mg、40%)。
H NMR(CDCl):δ 3.04(d,3H),3.79(s,3H),5.30(bs,1H),6.69(d,1H),7.34(t,1H),7.44(t,2H),7.57(s,1H),8.17(d,2H),8.31(d,1H)。
MS m/e MH 290。
【0166】
実施例47
4−[(1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル]ピリミジン
4−ブロモピリミジン(中間体10)(0.043g、0.22mmol)、ヨウ化銅(I)(1.53mg、0.008mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.004g、0.0057mmol)のトリエチルアミン(0.38ml)及びTHF(1ml)中の溶液を、脱ガスし、次いで室温の窒素下で5分間撹拌した。5−エチニル−1−メチル−4−フェニル−1H−イミダゾール(中間体8)(0.04g、0.22mmol)を加え、そして撹拌を30分間継続した。酢酸エチル(50ml)で希釈し、濾過し、そして濾液を蒸発して、黄色の油状物を得た。24:1のジクロロメタン:メタノールで溶出するシリカのフラッシュクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物を黄色の固体として得た。(0.05mg、87%。)
H NMR(CDCl):δ 3.61(s,3H),7.33(t,1H),7.45(m,3H),7.57(s,1H),8.09(d,2H),8.72(d,1H),9.22(s,1H)。
MS m/e MH 261。
【0167】
中間体9
4−ブロモピリミジン
オキシ臭化リン(15.7g、54.8mmol)を、撹拌し、そして溶融するまで80℃で加熱した。4(3H)−ピリミドン(4.8g、50mmol)を加え、そして115℃で4時間加熱した。室温まで冷却し、50%飽和の重炭酸ナトリウム水溶液(500ml)を加え、そしてジクロロメタン(4×250ml)中に抽出した。混合した有機物を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を蒸発して、表題化合物を褐色の固体として得た。3.37g、42%。
H NMR(CDCl):δ 7.55(d,1H),8.51(d,1H),8.95(s,1H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式I:
【化1】

[式中:
−L−は、二重結合を表し、そしてr及びsは、それぞれ1を表すか、又は−L−は三重結合を表し、そしてr及びsは、それぞれ0を表し;
Gは、O、S及びNRから選択され;
Yは、N及びCRから選択され;
は、アリール及びヘテロアリールから選択され、
そしてここにおいてQは、ハロゲノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフスルフィニル、(1−6C)アルキルスルフスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、(3−6C)アルケノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルケノイルアミノ、(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルフスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルフスルファモイル、(1−6C)アルカンスルフスルホニルアミノ、−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルフスルホニルアミノ、以下の式:
−X−R
[式中、Xは、直接結合であるか、又はO及びN(R)から選択され、ここにおいてRは、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてRは、ハロゲノ−(1−6C)アルキル、ヒドロキシ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキル、シアノ−(1−6C)アルキル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル又はジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキルである]
の一つの基及び以下の式:
−X−Q
[式中、Xは、直接結合であるか、又はO、S、SO、SO、N(R)、CO、CH(OR)、CON(R)、N(R)CO、N(R)CON(R)、SON(R)、N(R)SO、C(RO、C(RS及びN(R)C(Rから選択され、ここにおいてRは、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてQは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−(1−6C)アルキルであり、これらは、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから選択される同一又は別個であることができる1,2若しくは3個の置換基を所望により保有し、又は保有していない]
の一つの基、
、或いは以下の式:
−X−R10
[式中、Xは、直接結合であるか、又はO及びN(R11)から選択され、ここにおいてR11は、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてR10は、ハロゲノ−(1−6C)アルキル、ヒドロキシ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキル、シアノ−(1−6C)アルキル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル又はジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキルである]
の一つの基から選択される同一又は別個であることができる一つ若しくはそれより多い置換基によって所望により置換され、又は置換されていなく、
そしてQ内のいずれものヘテロシクリル基は、1若しくは2個のオキソ又はチオキソ置換基を所望により保有し、或いは保有していなく;
Rは、水素、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲノ、(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、カルボキシ、(1−6C)アルコキシカルボニル及びN−(ヘテロシクリル(3−8C)シクロアルキル)カルバモイルから選択され;
は、水素、ハロゲノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、(3−6C)アルケノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルケノイルアミノ、(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから選択され;
は、水素、ハロゲノ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲノ、(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、アリール(1−6C)アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロシクリル及び(2−6C)アルカノイルアミノから選択され;
は、水素、(1−6C)アルキル、ヒドロキシ(1−6C)アルキル、カルボキシ、(1−6C)アルコキシカルボニル、カルバモイル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル及びN−(ヘテロシクリル(3−8C)シクロアルキル)カルバモイルから選択され;
は、独立にR及びRに対して定義するとおりであり、但し、Rはハロゲノではないことを条件とし;
同一又は別個であることができるR及びRは、水素、ハロゲノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、イソシアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、スルファモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、(3−6C)アルケノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルケノイルアミノ、(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、又は以下の式:
−X
[式中、Xは、直接結合であるか、又はO、S、SO、SO、N(R12)、CO、CH(OR12)、CON(R12)、N(R12)CO、SON(R12)、N(R12)SO、OC(R12、SC(R12及びN(R12)C(R12から選択され;ここにおいてR12は、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてQは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−(1−6C)アルキルである]
の一つの基から選択され;
そしてここにおいて、R、R又はR置換基内のいずれもの(2−6C)アルキレン鎖中の隣接する炭素原子は、O、S、SO、SO、N(R13)、CO、CH(OR13)、CON(R13)、N(R13)CO、SON(R13)、N(R13)SO、CH=CH及びC≡Cから選択される基の鎖中への挿入によって所望により分離され、又は分離されていなく、ここにおいてR13は、水素又は(1−6C)アルキルであり、
そしてここにおいて、R、R又はR置換基内のいずれものCH=CH−若しくはHC≡C−基は、末端のCH=又はHC≡位においてハロゲノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル及びジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキル、或いは以下の式:
−X
[式中、Xは、直接結合であるか、又はCO及びN(R14)COから選択され、ここにおいてR14は、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてQは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−(1−6C)アルキルである]
の一つの基から選択される置換基を所望により保有し、又は保有せず、
そしてここにおいてR、R又はR置換基内のいずれものCH若しくはCH基は、それぞれの前記CH又はCH基において、一つ若しくはそれより多いハロゲノ又は(1−6C)アルキル置換基、或いはヒドロキシ、シアノ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、或いは以下の式:
−X−Q
[式中、Xは、直接結合であるか、又はO、S、SO、SO、N(R15)、CO、CH(OR15)、CON(R15)、N(R15)CO、SON(R15)、N(R15)SO、C(R15O、C(R15S及びN(R15)C(R15から選択され、ここにおいてR15は、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてQは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−(1−6C)アルキルである]
の一つの基から選択される一つの置換基を所望により保有し、又は保有せず、
そしてここにおいて、R、R又はR上の置換基内のいずれものアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル又はシクロアルケニル基は、ハロゲノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、以下の式:
−X−R16
[式中、Xは、直接結合であるか、又はO及びN(R17)から選択され、ここにおいてR17は、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてR16は、ハロゲノ−(1−6C)アルキル、ヒドロキシ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキル、シアノ−(1−6C)アルキル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキル、(2−6C)アルカノイルアミノ−(1−6C)アルキル又は(1−6C)アルコキシカルボニルアミノ−(1−6C)アルキルである]
の一つの基、及び以下の式:
−X−Q
[式中、Xは、直接結合であるか、又はO、S、SO、SO、N(R18)、CO、CH(OR18)、CON(R18)、N(R18)CO、SON(R18)、N(R18)SO、C(R18O、C(R18S及びN(R18)C(R18から選択され、ここにおいてR18は、水素又は(1−6C)アルキルであり、そしてQは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−(1−6C)アルキルであり、これらは、ハロゲノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ及び−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから選択される同一又は別個であることができる1若しくは2個の置換基を所望により保有し、又は保有していない]
の一つの基から選択される同一又は別個であることができる一つ若しくはそれより多い置換基を所望により保有し、或いは保有せず、
或いはGがNRである場合、R及びRは、これらが接続している原子といっしょに、縮合した5−又は6−員のヘテロアリール又はヘテロシクリル環を形成し、そしてここにおいて、前記縮合した5−又は6−員の環は、一つ又はそれより多いRに対して定義したとおりの置換基を所望により保有し、或いは保有せず、
そしてこのようにして形成されたいずれもの縮合した5−又は6−員のヘテロシクリル環は、1若しくは2個のオキソ又はチオキソ置換基を、所望により保有し、或いは保有せず、
そしてここにおいて、いずれものR、R又はR置換基内のいずれものヘテロシクリル基は、1若しくは2個のオキソ又はチオキソ置換基を、所望により保有し、或いは保有していない;]
の化合物、又は医薬的に受容可能なその塩。
【請求項2】
請求項1に記載の式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩を、医薬的に受容可能な希釈剤又は担体と共に含んでなる医薬組成物。
【請求項3】
医薬として使用するための、請求項1に記載の式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩。
【請求項4】
ヒトのような温血動物においてTie2受容体チロシンキナーゼ阻害剤として使用するための医薬の製造における、請求項1に記載の式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩の使用。
【請求項5】
ヒトのような温血動物における抗血管新生効果の発現において使用するための医薬の製造における、請求項1に記載の式Iの化合物、又は医薬的に受容可能なその塩の使用。

【公表番号】特表2006−515593(P2006−515593A)
【公表日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−563345(P2004−563345)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/GB2003/005568
【国際公開番号】WO2004/058776
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】