説明

治療薬剤

本発明は、式(I)の化合物のS-エナンチオマー(式中、R1は、クロロ、トリフルオロメチルもしくはトリフルオロメトキシを表し、R2は、Hもしくはフルオロを表し、R3は、C2-4アルキル基を表す)ならびにそれの製剤学的に許容される塩類、溶媒和物類およびプロドラッグ類、そのような化合物を調製するための方法、インスリン耐性に関連もしくは関連しないリピド疾患(異常脂質血症)などの臨床状態の治療におけるそれらの使用効果、それらの治療的使用法、およびそれらを含む医薬組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、一定の新規な(2S)-3-(4-{2-[アミノ]-2-オキソエトキシ}フェニル)-2-エトキシプロパン酸誘導体、そのような化合物を調製するための方法、インスリン耐性および代謝症候群の他の症状に関連もしくは関連しない脂質疾患(異常脂質血症)などの臨床状態の治療におけるそれらの有用性、それらの治療的使用法、およびそれらを含有する医薬組成物に関する。
【0002】
発明の背景
2型真性糖尿病を含めた代謝症候群とは、VLDL(超低密度リポタンパク質)の増大、密度の小さいLDL粒子、およびHDL(高密度リポタンパク質)濃度の減少を一般的な特徴とするリポタンパク質レベルの乱れとして、並びにフィブリン溶解の減少として観察されるインスリン過剰血症、2型真性糖尿病様疾病、動脈性高血圧、中心性(内臓)肥満、または異常脂質血症を伴うインスリン抵抗性を含めた一群の徴候を表わしている。
【0003】
最近の疫学的研究によれば、インスリン抵抗性に罹っている人は、心臓血管の疾病や死亡に至る(特に、心筋梗塞や脳卒中を患って)極めて高い危険性を有している、ということが明らかになっている。2型真性糖尿病においては、アテローム性動脈硬化症に関連した疾病が全死亡のうちの最大80%に対する死亡原因となっている。
【0004】
臨床医学においては、代謝症候群に罹患している患者に対してインスリン感受性を増大させる必要性があることが、したがってアテローム性動脈硬化症の進行加速化を引き起こすと考えられている異常脂質血症を治癒する必要性があることが認識されている。しかしながら、現時点においてはこのことは、明確な薬物療法学的指摘を伴った広く一般に通用するような考え方とはなっていない。
【0005】
下記式C
【0006】
【化1】

【0007】
の化合物(2-エトキシ-3-[4-(2-[4-メタンスルホニルオキシフェニル]エトキシ)フェニル]プロパン酸)のS-エナンチオマーがPCT公開番号WO99/62872に開示されている。この化合物は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR、PPARに関する総説については“T.M.Willson et al,J Med Chem 2000,Vol43,527”を参照)の調節剤として報告されており、PPARα/PPARγの組み合わさったアゴニスト活性を有する(Structure,2001,Vol9,699,P.Cronet et al)。この化合物は、インスリン抵抗性に関連した疾病を治療する上で効果的である。
【0008】
驚くべきことには、今や選択的なPPARα調節剤である一連の化合物が、発見された。
発明の記述
本発明は、式I:
【0009】
【化2】

【0010】
(式中、R1はクロロ、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシを表し、R2はHまたはフルオロを表し、R3は、C2-4アルキル基を表す。)の化合物のSエナンチオマー;ならびにその製剤学的に許容される塩類、溶媒和物およびプロドラッグ類を提供する。
【0011】
本明細書で使用されている“プロドラッグ”は、哺乳類(特にヒト)の体内において、カルボン酸基またはその塩もしくは共役化合物に転化されるカルボン酸基の誘導体を含む。
ここで理解しておかなければならないのは、特定の理論で拘束されるつもりはないが、プロドラッグに関連した活性のほとんどが、プロドラッグが転化される式Iの化合物の活性から生じると考えられる、という点である。プロドラッグは、当業者の能力の充分に範囲内にて、通常の方法に従って製造することができる。当業界には、カルボキシの種々のプロドラッグが知られている。このようなプロドラッグ誘導体の例については、
a) H.Bundgaar編集による「Design of Prodrugs」(Elsevier,1985)、及びK.Widder,et al.編集による「Methods in Enzymology.42:309-396」(Academic Press,1985);
b) Krogsgaard-LarsenとH.Bundgaardの編集による「A Textbook of Drug Design and Development」、第5章“Design and Application of Prodrugs”H.Bundgaardによる、p.113-191(1991);
c) H.Bundgaard,Advanced Drug Delivery Reviews,8:1-38(1992);
d) H.Bundgaard,et al.,Journal of Pharmaceutical Science,77:285(1988);および
e) N.Kakeya,et al.,Chem Pharm Bull,32:692(1984);
を参照のこと。
【0012】
上記の文献a〜eを参照により本明細書に含める。
インビボにて開裂可能なエステルは、親分子のプロドラッグの1つのタイプに過ぎない。カルボキシ基を含有する式(I)の化合物の、インビボにて加水分解可能な(すなわち開裂可能な)エステルは、例えば、人体もしくは動物体中にて加水分解されてもとの酸を生成するような、医薬として許容されうるエステルである。カルボキシに対する、医薬として許容されうる適切なエステルとしては、C1-6アルコキシメチルエステル(例えばメトキシメチル);C1-6アルカノイルオキシメチルエステル(例えばピバロイルオキシメチル);フタリジルエステル;C3-8シクロアルコキシカルボニルオキシC1-6アルキルエステル(例えば1-シクロヘキシルカルボニルオキシエチル);1,3-ジオキソレン-2-オンイルメチルエステル(例えば5-メチル-1,3-ジオキソレン-2-オンイルメチル);およびC1-6アルコキシカル
ボニルオキシエチルエステル(例えば1-メトキシカルボニルオキシエチル);などがあり、本発明の化合物におけるいかなるカルボキシ基にても形成することができる。
【0013】
本発明の具体的な化合物は、下記のものである:すなわち、
(2S)-3-[4-(2-{ブチル[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸;(2S)-3-(4-{2-[4-クロロベンジル)(エチル)アミノ]-2-オキソエトキシ}フェニル)-2-エトキシプロパン酸;(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸;(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸;および(2S)-3-[4-(2-{ブチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸;ならびにそれらの製剤学的に許容される塩類および溶媒和物である。
【0014】
前記化合物のそれぞれは、個々に、およびこれらの化合物の組合せ、例えば、前記化合物の2つ、3つ、4つまたは全部も、本発明の一部を形成することを理解すべきである。
本発明には5つの実施態様が含まれ、ここで、前記5つの化合物のそれぞれが、前述した式Iの化合物にに対する一般的な請求範囲からその化合物に関する但し書きの形で、順番に排除されることも理解すべきである。本発明には、前記5つの化合物のいずれの組合せも、化合物のその組合せに関する但し書きの形で、前述したように、式Iの化合物に対する一般的な請求範囲から排除排他されるような実施態様も含まれる。
【0015】
本明細書において、「製剤学的に許容される塩類」という表現は、限定はされないが、アルカリ金属塩類、アルカリ土類金属塩類、アンモニウム塩類、塩基性アミノ酸類との塩類、および有機アミン類、特にtert-ブチルアミンとの塩類などの塩基性塩類を定義することが意図される。
【0016】
別の態様において、本発明は、下記化合物の1つ以上を提供する:すなわち、
(2S)-3-[4-(2-{ブチル[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸tert-ブチルアンモニウム塩;(2S)-3-(4-{2-[(4-クロロベンジル)(エチル)アミノ]-2-オキソエトキシ}フェニル)-2-エトキシプロパン酸tert-ブチルアンモニウム塩;(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸tert-ブチルアンモニウム塩;(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸tert-ブチルアンモニウム塩;および(2S)-3-[4-(2-{ブチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸tert-ブチルアンモニウム塩の1つ以上を提供する。
【0017】
これらの塩類は、酸とtert-ブチルアミン(例えば、酸に関しておよそ1モル当量)とを、溶媒、例えば、エーテル(例、ジイソプロピルエーテルもしくはtert-ブチルメチルエーテル)またはエステル(例、tert-酢酸ブチル)あるいはこれらの混合物もしくはこれらの溶媒のうちの1つおよび抗溶媒、例えば、炭化水素(例、イソオクタン)の混合物中で、反応させ、ついで当業者には公知の方法、例えば、ろ過により塩を単離させることにより調製できる。
【0018】
本発明のいくつかの化合物は溶媒和、例えば、水和の形、ならびに未溶媒和の形で存在し得ることも理解されよう。本発明がそのような溶媒和の形を全て包含することを理解すべきである。本発明のいくつかの化合物は、互変異性体として存在できる。本発明がそのような互変異性体を全て包含することを理解すべきである。
【0019】
調製方法
本発明の化合物を、以下に概要する方法で調製することができる。しかし、本発明は、これらの方法に限定されない。化合物は、従来技術で構造的に関連した化合物について記載される方法で調製することもできる。反応は、標準的手順もしくは実験の項に記載する方法により実施できる。
【0020】
式Iの化合物を、式II:
【0021】
【化3】

【0022】
(式中、R1、R2およびR3は、先に定義した通りであり、R4はカルボキシルヒドロキシ基のための保護基(標準的なテキストであるGreeneおよびWuts著の"Protective Groups in Organic Synthesis", 3rd Edition (1999)に記載されている)を表す。)の化合物のS-エナンチオマーを脱保護剤と反応させることにより調製できる。保護基は、またWang樹脂または2-塩化クロロトリチル樹脂などの樹脂であることもできる。保護基を、当業者に周知の技術により除去できる。1つのそのような保護基は、R4がC1-6アルコキシ基、例えば、メトキシもしくはエトキシ、あるいはアリールアルコキシ、例、ベンジルオキシを表す場合、その結果、COR4がエステルを表すようなものである。そのようなエステルは、脱保護剤、例、加水分解剤、例えば、THFと水との混合物中の水酸化リチウムなどと0〜100℃の範囲の温度で反応させて式Iの化合物を得ることができる。
【0023】
式IIの化合物は、式III:
【0024】
【化4】

【0025】
(式中、R4は、先に定義した通りである。)の化合物のS-エナンチオマーを式IV:
【0026】
【化5】

【0027】
(式中、R1、R2およびR3は先に定義した通りである。)の化合物と、不活性溶媒中、例えば、ジクロロメタン中、カップリング剤、例えば、カルボジイミド、例、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド、の存在下で、場合により触媒、例えば、塩基性触媒、例、4-ジメチルアミノピリジン、の存在下、−25℃〜150℃の範囲の温度で反応させることにより調製できる。
【0028】
式IIIおよびIVの化合物は、実施例に記載する方法により、または当業者に公知の類似の方法により調製できる。
式IIおよびIIIの化合物は、式Iの化合物の調製において有用な中間体であり、新規である。式IIおよびIIIの化合物は、本明細書において本発明のさらなる態様として特許請求している。式IIおよび式IIIの化合物のS-エナンチオマーが好ましい。
【0029】
式Iの化合物は、式V:
【0030】
【化6】

【0031】
(式中、R1およびR2は、先に定義した通りであり、RはHであるか、またはORはカルボキシルヒドロキシ基のための保護基を表す。)の化合物を式VI:
【0032】
【化7】

【0033】
(式中、R3は、先に定義した通りであり、Xは脱離基である。)の化合物と、不活性溶媒の存在下、塩基の存在下、−25℃〜150℃の範囲の温度で、反応させ、場合によっては、ORが保護基を表すとき、保護基を除去することにより調製できる。
【0034】
特に、式Iの化合物は、式VII:
【0035】
【化8】

【0036】
(式中、R1およびR2は先に定義した通りである。)の化合物を、式VI:
【0037】
【化9】

【0038】
(式中、R3は先に定義した通りであり、Xは脱離基である。)の化合物と、不活性溶媒の存在下、塩基の存在下で、−25℃〜150℃の範囲の温度で、反応させることにより調製できる。
【0039】
保護基ORおよび脱保護剤は、標準的なテキストであるGreeneおよびWuts著の"Protective Groups in Organic Synthesis", 3rd Edition (1999)に記載されているが、その内容は参照により本明細書に取り込まれる。好適な保護基には、ORがC1-6アルコキシ基、例、メトキシもしくはエトキシ基、あるいはアリールアルコキシ基、例、ベンジルオキシを表すもの等がある。特に、ORがC1-6アルコキシ基、例、エトキシ基、あるいはアリールアルコキシ基、例、ベンジルオキシを表すとき、その結果、COORがエステルを表し、。そのようなエステルは、脱保護剤、例、加水分解剤、例えば、水酸化リチウムをTHFと水との混合物中で、0〜100℃の範囲の温度で反応させることができる。
【0040】
好適な塩基類には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水素化ナトリウム、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、炭酸カリウムもしくは炭酸ナトリウム、特に、水酸化カリウム等がある。
【0041】
好適な不活性溶媒には、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンもしくはトルエン、またはそれらの混合物等があり、特に、ジメチルスルホキシドがある。
【0042】
好適には、Xは、ブロモ、クロロ、OSO2CH3、Oトシル、OSO2CF3、OC(O)OR、OP(O)(OR)2またはOSO2ORを表す。特に、Xは、クロロもしくはブロモである。
場合によっては、相間移動触媒、例えば、アルキルアンモニウム塩、例えば、テトラアルキルアンモニウムハライド塩、例、テトラブチルアンモニウムブロマイドを用いることができる。
【0043】
RがHである式Vの化合物(すなわち化合物VII)は、式V:
【0044】
【化10】

【0045】
(式中、R1およびR2は先に定義した通りであり、ORはカルボキシルヒドロキシ基のための保護基を表す。)の化合物を脱保護剤と反応させることにより調製できる。特に、ORはC1-6アルコキシ基、例、エトキシ基、またはアリールアルコキシ基、例、ベンジルオキシを表し、その結果、COORがエステルを表す。そのようなエステル類を、脱保護剤、例、加水分解剤、例えば、水酸化リチウムをTHFと水との混合物中で、0〜100℃の範囲の温度で反応させることができる。
【0046】
ORがカルボキシルヒドロキシ基のための保護基を表す式Vの化合物は、式VIII:
【0047】
【化11】

【0048】
(式中、ORは先に定義した通りである。)、の化合物を式IX:
【0049】
【化12】

【0050】
(式中、R1およびR2は先に定義した通りであり、Yは脱離基、例えば、ハロ、特に、クロロを表す。)の化合物を、不活性溶媒、例えば、アセトニトリルもしくはメチルイソブチルケトン中、塩基、例えば、炭酸カリウムの存在下、0〜100℃の範囲の温度で、反応させることにより調製できる。
【0051】
RがHである式Vの化合物(化合物VII)、例えば、(2S)-3-[4-(2-{[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸;(2S)-3-(4-{2-[4-クロロベンジルアミノ]-2-オキソエトキシ}フェニル)-2-エトキシプロパン酸;(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{4-(トリフルオロメトキシ)ベンジルアミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸;および(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{4-(トリフルオロメチル)ベンジルアミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸は新規であり、本明細書で本発明のさらなる一部として特許請求している。これらの化合物は、固体である利点を有し、したがって、所望なら、反応継続の間に精製および単離のための機会を与える。これらの化合物は、PPARαおよび/またはPPARγの調節剤でもあり、本明細書に記載される適応症を治療するのに有用であると思われる。
【0052】
本明細書でさらに特許請求しているものは、式Vの化合物であり、ここで、ORはカルボキシルヒドロキシ基のための保護基を表し、特に、ORは、例えば、C1-6アルコキシ基、例、メトキシ、エトキシもしくはプロポキシ、あるいはアリールアルコキシ基(アリールは、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ基もしくはハロ、例、ベンジルオキシ、により場合によって置換されていてもよいフェニルである)を表し、例えば、式X:
【0053】
【化13】

【0054】
(式中、R1およびR2は先に定義した通りである。)の化合物である。
別の態様では、本発明は式Iの化合物の製剤学的に許容される塩を調製するための方法を提供し、本発明の方法の1つにより得られる酸を塩基と、場合によっては溶媒の存在下で反応させ、塩を単離することを含む。
【0055】
好ましくは、本方法により調製される式Iの化合物は、(2S)-エナンチオマーである。同様に、式VおよびXの好ましい化合物は、(2S)-エナンチオマーである。本発明の化合物を、慣用技術を用いて反応混合物から単離できる。
【0056】
当業者は、本発明の化合物を代替的な、かつある場合には、もっと便利な方法で得るために、前記の個々の処理工程を異なる順序で実施してもよいし、かつ/または個々の反応を全手順において異なる段階で実施してもよい(すなわち、ある特定の反応と前述のように関連した中間体とは異なった中間体に対して化学変換を施すことができる)ことがわかる。
【0057】
「不活性溶媒」という表現は、所望の生成物の生成に悪影響を及ぼすような方法で出発物質、試薬、中間体もしくは生成物とは反応しない溶媒を言う。
製剤
本発明の化合物は通常、経口投与、非経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、もしくは皮下投与により、または他の注射可能な方法で;頬側(buccal)経路、直腸経路、膣経路、経皮経路、および/または鼻腔経路を介して;および/または吸入によって、活性成分を遊離酸として又は医薬として許容されうる有機もしくは無機塩基付加塩として含んだ医薬製剤の形態で、医薬として許容されうる剤形にて投与される。障害の種類、処置しようとする患者の状態、および投与経路に応じて、医薬製剤は種々の用量にて投与することができる。
【0058】
ヒトの治療処置における本発明の化合物の適切な日用量は体重1kg当たり約0.0001〜100mgであり、好ましくは体重1kg当たり0.001〜10mgである。
経口製剤は、当業者に公知の方法に従って調剤して、0.5mg〜500mg(例えば、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、および250mg)の範囲の活性化合物の用量をもたらすことのできる錠剤またはカプセルであるのが特に好ましい。
【0059】
本発明のさらなる態様によれば、本発明の化合物もしくはその医薬として許容されうる誘導体のいずれかを、医薬として許容されうる佐剤、希釈剤、および/またはキャリヤーとの混合物として含む医薬製剤が提供される。
【0060】
薬理学的特性
本発明の式(I)の化合物は、インスリン感受性における特有の低下または誘発された低下に関連した臨床症状(インスリン抵抗性)、および関連した代謝障害(代謝症候群としても知られている)の予防および/または治療に対して有用である。これらの臨床症状としては、一般的な肥満症、腹部肥満症、動脈性高血圧症、インスリン過剰血症、2型糖尿病、および異常脂質血症(インスリン抵抗性を伴うのが特徴)などがあるが、これらに限定されない。この異常脂質血症〔アテローム発生のリポタンパク質プロフィール(atherogenic lipoprotein profile)としても知られている〕は、非エステル化脂肪酸の適度な増大、超低密度リポタンパク質(VLDL)トリグリセリド高含量粒子の増大、高いApoBレベル、低いap
oAI粒子レベルに関連した高密度リポタンパク質(HDL)レベルの低下、および小さくて緻密な低密度リポタンパク質(LDL)粒子(表現型B)の存在下における高いApoBレベル、を特徴とする。
【0061】
本発明の化合物は、複合型もしくは混合型の高脂質血症、または種々の程度のトリグリセリド過剰血症と食後異常脂質血症(代謝症候群の他の発現がある場合とない場合)に罹患した患者を処置する際に有用であると思われる。
【0062】
本発明の化合物による処置を施すと、これらの化合物が抗炎症特性だけでなく抗異常脂質血症特性を示すことから、アテローム性動脈硬化症に関連した心臓血管の罹患や致死を少なくするものと期待される。心疾患の症状としては、心筋梗塞を引き起こす種々の臓器のマクロアンギオパシー、鬱血性心不全、脳血管疾患、および下肢の末梢動脈機能不全などがある。インスリン感受性増大効果を有することから、式Iの化合物はさらに、代謝症候群や妊娠糖尿病からの2型糖尿病の発症を予防するか又は遅延させるものと期待される。したがって、真性糖尿病での慢性高血糖症に付随する長期合併症(例えば、腎疾患を引き起こすミクロアンギオパシー、網膜損傷、および下肢の末梢血管疾患など)の発症が遅延されるものと考えられる。本発明の化合物はさらに、インスリン抵抗性との関連性の有無にかかわらず、心臓血管系の疾患以外の種々の疾病(例えば、多嚢胞性卵巣症候群、肥
満症、癌、並びに、軽度認識障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、および多発性硬化症等の神経変性障害を含めた炎症性疾患状態)を治療する際にも有用であり得る。化合物は、乾癬の治療にも有用であり得る。
【0063】
本発明の化合物は、2型糖尿病に罹患している患者においてグルコースレベルを抑えるのに有用であると考えられる。
本発明は、異常脂質血症、インスリン抵抗性症候群、および/または前述のような代謝障害を治療もしくは予防する必要のある哺乳類(特にヒト)に式Iの化合物を投与することを含む、異常脂質血症、インスリン抵抗性症候群、および/または代謝障害を治療もしくは予防する方法を提供する。
【0064】
本発明は、2型糖尿病の治療もしくは予防を必要とする哺乳類(特にヒト)に式Iの化合物の有効量を投与することを含む、2型糖尿病を治療もしくは予防する方法を提供する。
本発明は、式Iの化合物を有効量を、アテローム性動脈硬化症を治療もしくは予防を必要とする哺乳動物(特にヒト)に投与することを含む、アテローム性動脈硬化症を治療もしくは予防する方法を提供する。
【0065】
さらに他の態様においては、本発明は、式Iの化合物を医薬として使用することを提供する。
さらに他の態様においては、本発明は、インスリン抵抗性および/または代謝障害を治療するための医薬の製造において式Iの化合物を使用することを提供する。
【0066】
組合せ治療
本発明の化合物は、アテローム性動脈硬化症の発症もしくは進行に付随した障害(例えば、高血圧症、高脂質血症、異常脂質血症、糖尿病、および肥満症)の治療に対して有用な別の治療剤と組み合わせることができる。本発明の化合物は、LDL:HDLの比を減少させる別の治療剤と、あるいはLDL-コレステロールの循環レベルの減少を引き起こす薬剤と組み合わせることができる。真性糖尿病に罹患している患者に対しては、本発明の化合物をさらに、ミクロアンギオパシーに関連した合併症を処置するのに使用される治療剤と組み合わせることもできる。
【0067】
本発明の化合物は、代謝症候群または2型糖尿病とそれに付随した合併症を治療するための他の治療剤と併用することができる。これらの治療剤としては、ビグアニド薬物(例えば、メトフォルミン、フェンフォルミン、およびブフォルミン)、インスリン(合成インスリン類縁体、アミリン)、および経口抗高血糖薬〔これらは、食事グルコース調節剤(prandial glucose regulators)とα-グルコシダーゼ阻害剤とに分けられる〕などがある。
α-グルコシダーゼ阻害剤の例としては、アカルボース、ボグリボース、またはミグリトールが挙げられる。食事グルコース調節剤の例としては、レパグリニドやナテグリニドが挙げられる。
【0068】
本発明の他の態様においては、式Iの化合物、またはその医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物を、他のPPAR調節剤と併用して投与することができる。PPAR調節剤としては、PPARαおよび/またはγアゴニスト、あるいは前記アゴニストの医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物などがある。適切なPPARαおよび/またはγアゴニスト、前記アゴニストの医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物は当業界によく知られている。これらは、WO01/12187、WO01/12612、WO99/62870、WO99/62872、WO99/62871、WO/98/57941、WO01/40170、「J Med Chem,1996,39,665,Expert Opinion on Therapeutic Patents,10(5),623-634」(特に、634ページにリストアップされている特許出願中に記載の化合物)、および「J Med Chem,2000,43,527」(これら全ての文献を参照により本明細書に含める)に記載の化合物を含む。PPARαおよび/またはγアゴニストとは特に、NN622/ラガグリタザール、BMS298585、WY-14643、クロフィブレート、フェノフィブレート、ベザフィブレート、ジェムフィブロジル、およびシプロフィブレート、GW9578、シグリタゾン、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、エグリタゾン(eglitazone)、プログリタゾン(proglitazone)、BRL-49634、KRP-297、JTT-501、SB213068、GW1929、GW7845、GW0207、L-796449、L-165041、およびGW2433を表わしている。PPARαおよび/またはγアゴニストとは特に、(S)-2-エトキシ-3-[4-(2-[4-メタンスルホニルオキシフェニル]エトキシ)-フェニル]プロパン酸およびその医薬として許容されうる塩を表わしている。
【0069】
本発明の組み合わせ物はさらに、スルホニルウレア〔例えば、グリメピリド、グリベンクラミド(グリブリド)、グリクラジド、グリピジド、グリキドン、クロロプロパミド、トルブタミド、アセトヘキサミド、グリコピラミド(glycopyramide)、カルブタミド、グリボヌリド(glibonuride)、グリソキセピド(glisoxepid)、グリブチアゾール(glybuthiazole)、グリブゾール、グリヘキサミド(glyhexamide)、グリミジン、グリピナミド(glypinamide)、フェンブタミド(phenbutamide)、トルシラミド(tolcylamide)、およびトラザミド〕と併用することができる。スルホニルウレアは、グリメピリドまたはグリベンクラミド(グリブリド)であるのが好ましい。スルホニルウレアはグリメピリドであるのがさらに好ましい。したがって本発明は、本発明の化合物を、1種、2種、もしくはそれ以上の、本パラグラフに記載の従来の治療剤と併せて投与することを含む。2型糖尿病とそれに付随した合併症を治療するための他の従来治療剤の用量は、当業界に公知の、規制機関(regulatory bodies)によって使用が承認されている用量であり、米食品医薬品局から発行のオレンジブックで調べることができる。これとは別に、組み合わせを行うことで得られる利点の結果、より少ない用量を適用することもできる。本発明はさらに、本発明の化合物とコレステロール降下剤との組み合わせ物も含む。本出願において挙げられているコレステロール降下剤は、HMG-CoAレダクターゼ(3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル補酵素Aレダクターゼ)の阻害剤であるが、これに限定されない。HMG-CoAレダクターゼ阻害剤は、アトルバスタチン、ベルバスタチン(bervastatin)、セリバスタチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、フルバスタチン、イタバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ニコスタチン(nicostatin)、ニバスタチン(nivastatin)、プラバスタチン、シムバスタチン、これら物質の医薬として許容されうる塩(特に、ナトリウム塩やカリウム塩)もしくは溶媒和物、またはこのような塩の溶媒和物からなる群から選択されるスタチンであるのが適切である。
特定のスタチンは、アトルバスタチン、またはアトルバスタチンの医薬として許容されうる塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、またはこのような塩の溶媒和物である。さらに特定のスタチンはアトルバスタチンのカルシウム塩である。しかしながら、特に好ましいスタチンは、(E)-7-[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)-アミノ]-ピリミジン-5-イル](3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-6-ヘプテン酸〔(E)-7-[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[N-メチル-N-(メチルスルホニル)-アミノ]-ピリミジン-5-イル](3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-6-ヘプテン酸としても知られている〕の化学名の化合物、その医薬として許容されうる塩もしくは溶媒和物、またはこのような塩の溶媒和物である。化合物(E)-7-[4-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2-[メチル(メチルスルホニル)-アミノ]-ピリミジン-5-イル](3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-6-ヘプテン酸、並びにそのカルシウム塩とナトリウム塩が、ヨーロッパ特許出願公開番号EP-A-0521471と「Bioorganic and Medicinal Chemistry,(1997),5(2),437-444」に開示されている。この後者のスタチンは現在、ロスバスタチンの一般名で知られている。
【0070】
本出願においては、“コレステロール降下剤”はさらに、活性であるか又は不活性であるかに関わりなく、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤の化学修飾物質(例えば、エステル、プロドラッグ、および代謝産物)も含む。
【0071】
本発明には、胆汁酸分離剤、例えば、コレスチポールもしくはコレスチラミンあるいはコレスタゲル、と組み合わせた本発明の化合物も含まれる。
本発明はさらに、本発明の化合物と、回腸の胆汁酸輸送システムの阻害剤(IBAT阻害剤)との組み合わせ物も含む。
【0072】
IBAT阻害活性を有する適切な化合物が、例えば、WO93/16055、WO94/18183、WO94/18184、WO96/05188、WO96/08484、WO96/16051、WO97/33882、WO98/07449、WO98/03818、WO98/38182、WO99/32478、WO99/35135、WO98/40375、WO99/35153、WO99/64409、WO99/64410、WO00/01687、WO00/47568、WO00/61568、WO00/62810、WO01/68906、DE19825804、WO00/38725、WO00/38726、WO00/38727、WO00/38728、WO00/38729、WO01/68906、WO01/66533、WO02/32428、WO02/50051、EP864582、EP489423、EP549967、EP573848、EP624593、EP624594、EP624595、およびEP624596(これら特許出願の開示内容を参照により本明細書に含める)中に記載されている。
【0073】
本発明での使用に適した特定のクラスのIBAT阻害剤はベンゾチエピンであり、WO00/01687、WO96/08484、およびWO97/33882のクレーム(特に請求項1)に記載の化合物を参照により本明細書に含める。他の適切なクラスのIBAT阻害剤は、1,2-ベンゾチアゼピン、1,4-ベンゾチアゼピン、および1,5-ベンゾチアゼピンである。適切なクラスのさらなるIBAT阻害剤は1,2,5-ベンゾチアジアゼピンである。
【0074】
IBAT阻害活性を有する1つの特定の好適な化合物は、(3R,5R)-3-ブチル-3-エチル-1,1-ジオキシド-5-フェニル-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,4-ベンゾチアゼピン-8-イルβ-D-グルコピラノシドゥロニック酸(EP 864582)である。他の好適なIBAT阻害剤には、以下の化合物のうちの1つが含まれる:すなわち、1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-1'-フェニル-1'-[N'-(カルボキシメチル)カルバモイル]メチル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(カルボキシメチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-1'-フェニル-1'-[N'-(2-スルホエチル)カルバモイル]メチル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-1'-フェニル-1'-[N'-(2-スルホエチル)カルバモイル]メチル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(2-スルホエチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(2-スルホエチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(2-カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(2-カルボキシエチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(5-カルボキシペンチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(2-カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{α-[N'-(2-スルホエチル)カルバモイル]-2-フルオロベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(R)-(2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(R)-(2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-{N-[(R)-α-(N'-{(R)-1-[N''-(R)-(2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル)カルバモイル]-2-ヒドロキシエチル}カルバモイル)ベンジル]カルバモイルメトキシ}-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{α-[N'-(カルボキシメチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{α-[N'-((エトキシ)(メチル)ホスホリルメチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-{N-[(R)-α-(N'-{2-[(ヒドロキシ)(メチル)ホスホリル]エチル}カルバモイル)ベンジル]カルバモイルメトキシ}-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-(N'-(2-メチルチオ-1-カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-{N-[(R)-α-(N'-{2-[(メチル)(エチル)ホスホリル]エチル}カルバモイル)-4-ヒドロキシベンジル]カルバモイルメトキシ}-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-{N-[(R)-α-(N'-{2-[(メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]エチル}カルバモイル)-4-ヒドロキシベンジル]カルバモイルメトキシ}-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[(R)-N'-(2-メチルスルフィニル-1-カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メトキシ-8-[N-{(R)-α-[N'-(2-スルホエチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((R)-1-カルボキシ-2-メチルチオエチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシ-2-(R)-ヒドロキシプロピル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシ-2-メチルプロピル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシブチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシプロピル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシ-2-(R)-ヒドロキシプロピル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-(2-スルホエチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシエチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((R)-1-カルボキシ-2-メチルチオエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-{(S)-1-[N-((S)-2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル)カルバモイル]プロピル}カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシ-2-メチルプロピル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシプロピル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-[N-((R/S)-α-{N-[1-(R)-2-(S)-1-ヒドロキシ-1-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロプ-2-イル]カルバモイル}-4-ヒドロキシベンジル)カルバモイルメトキシ]-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-(2-(S)-3-(R)-4-(R)-5-(R)-2,3,4,5-ペンタヒドロキシヘキシル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;および1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-(2-(S)-3-(R)-4-(R)-5-(R)-2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシヘキシル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;またはそれらの製剤学的に許容される塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグである。
【0075】
本発明のさらに他の態様によれば、式Iの化合物、またはその医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物の有効量を、必要に応じて、医薬として許容されうる希釈剤もしくはキャリヤーと共に、下記薬剤から選択される1種以上の薬剤の同時投与、逐次投与、もしくは個別投与と組み合わせて、治療処置を必要とする温血動物(例えばヒト)に投与することを含む組み合わせ療法が提供される:
CETP(コレステリルエステル転送タンパク質)阻害剤、例えば、WO00/38725(該特許出願を参照により本明細書に含める)の7ページ22行〜10ページ17行に記載の阻害剤;
コレステロール吸収アンタゴニスト、例えば、SCH58235や米国特許第5,767,115号(該特許を参照により本明細書に含める)に記載の物質等のアゼチジノン;
MTP(ミクロソーム転送タンパク質)阻害剤、例えば、「Science,282,751〜54,1998」(該文献を参照により本明細書に含める)に記載の阻害剤;
徐放性物質や組み合わせ物質を含めたニコチン酸誘導体、例えば、ニコチン酸(ナイアシン)、アシピモックス、およびニセリトール;
フィトステロール化合物、例えばスタノール;
プロブコール;
Ω-3脂肪酸、例えば、Omacor(登録商標);
抗肥満症化合物、例えば、オルリスタット(EP 129,748)およびシブトラミン(GB 2,184,122およびUS 4,929,629);
抗高血圧症化合物、例えば、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシンIIレセプトター拮抗薬、アンドレナージック(andrenergic)ブロッカー、αアンドレナージックブロッカー、βアンドレナージックブロッカー、例えば、メトプロロール、混合α/βアンドレナージックブロッカー、アンドレナージック刺激薬、カルシウムチャンネルブロッカー、AT-1ブロッカー、塩排泄薬、利尿薬もしくは血管拡張薬;
CB1拮抗薬もしくは逆の作動薬、例えば、WO 01/70700およびEP 65635に記載されるもの;
アスピリン;
メラニン凝集ホルモン(MCH)アンタゴニスト;
PDK阻害剤;または
核内受容体の調節剤、例えば、LXRα、FXRα、RXRα、およびRORα;
あるいは上記物質の医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物(必要に応じて、医薬として許容されうる希釈剤もしくはキャリヤーと一緒にする)。
【0076】
式Iの化合物と組み合わせて使用することのできる、特定のACE阻害剤、または前記ACE阻害剤の医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物(活性代謝産物を含む)としては、アラセプリル、アラトリオプリル(alatriopril)、アルチオプリルカルシウム(altiopril calcium)、アンコベニン(ancovenin)、ベナゼプリル、塩酸ベナゼプリル、ベナゼプリラート、ベンゾイルカプトプリル、カプトプリル、カプトプリル-システイン、カプトプリル-グルタチオン、セラナプリル(ceranapril)、セラノプリル(ceranopril)、セロナプリル、シラザプリル、シラザプリラート、デラプリ
ル、デラプリル-二酸、エナラプリル、エナラプリラート、エナプリル、エピカプトプリル(epicaptopril)、フォルオキシミチン(foroxymithine)、フォスフェノプリル(fosfenopril)、フォスエノプリル(fosenopril)、フォスエノプリル・ナトリウム(fosenopril sodium)、フォシリプリル、フォシリプリルナトリウム、フォシノプリラート、フォシリプリル酸(fosinoprilic acid)、グリコプリル(glycopril)、ヘモルフィン-4、イドラプリル(idrapril)、イミダプリル、インドラプリル(indolapril)、インドラプリラート(indolapri
lat)、リベンザプリル(libenzapril)、リシノプリル、リシウミンlyciumin)A、リシウミンB、ミキサンプリル(mixanpril)、モエクシプリル(moexipril)、モエクシプリラート(moexiprilat)、モベルチプリル、ムラセイン(muracein)A、ムラセインB、ムラセインC、ペントプリル(pentopril)、ペリンドプリル、ペリンドプリラート、ピバロプリル(pivalopril)、ピボプリル(pivopril)、キナプリル、塩酸キナプリル、キナプリラート、ラミプリル、ラミプリラート、スピラプリル、塩酸スピラプリル、スピラプリラート、スピロプリル(spiropril)、塩酸スピロプリル、テモカプリル、塩酸テモカプリル、テプロチド、トランドラプリル、トランドラプリラート、ウチバプリル(utibapril)、ザビシプリル(zabicipril)、ザビシプリラート(zabiciprilat)、ゾフェノプリル、およびゾフェノプリラート等の化合物があるが、これらに限定されない。本発明において使用するための好ましいACE阻害剤は、ラミプリル、ラミプリラート、リシノプリル、エナラプリル、およびエナラプリラートである。本発明において使用するためのより好ましいACE阻害剤は、ラミプリルとラミプリラートである。
【0077】
式Iの化合物と組み合わせて使用するための、好ましいアンギオテンシンIIアンタゴニストまたは前記アンタゴニストの医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物としては、カンデサルタン、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタン、バルサルタン、イルベサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、およびエプロサルタン等の化合物があるが、これらに限定されない。本発明において使用するための、特に好ましいアンギオテンシンIIアンタゴニストまたは前記アンタゴニストの医薬として許容されうる誘導体は、カンデサルタンとカンデサルタンシレキセチルである。
【0078】
したがって本発明のさらなる特徴においては、式Iの化合物、またはその医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物の有効量を、この組み合わせセクションに記載の他の化合物、またはそれらの医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物のうちの1つの有効量と組み合わせて、同時投与、逐次投与、または個別投与にて、2型糖尿病とそれに関連した合併症の治療を必要とする温血動物(例えばヒト)に投与することを含む、前記動物における2型糖尿病とそれに関連した合併症を治療するための方法が提供される。
【0079】
したがって本発明のさらなる特徴においては、式Iの化合物、またはその医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物の有効量を、この組み合わせセクションに記載の他の化合物、またはそれらの医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物のうちの1つの有効量と組み合わせて、同時投与、逐次投与、または個別投与にて、高脂質血症の治療を必要とする温血動物(例えばヒト)に投与することを含む、前記動物における高脂質血症の治療法が提供される。
【0080】
本発明のさらに他の態様によれば、式Iの化合物、またはその医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物と、この組み合わせセクションに記載の他の化合物、またはそれらの医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物のうちの1つとを、医薬として許容されうる希釈剤もしくはキャリヤーと関連させて含む医薬組成物が提供される。
【0081】
本発明のさらに他の態様によれば、式Iの化合物、または前記化合物の医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物と、この組み合わせセクションに記載の他の化合物、または前記化合物の医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物のうちの1つとを含むキットが提供される。
【0082】
本発明のさらに他の態様によれば、
a) 式Iの化合物、またはその医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物を含んだ第1の単位剤形;
b) この組み合わせセクションに記載の他の化合物、またはそれらの医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物のうちの1つを含んだ第2の単位剤形;および
c) 前記第1と第2の剤形を収容するための容器手段;
を含むキットが提供される。
【0083】
本発明のさらに他の態様によれば、
a) 式Iの化合物、またはその医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物と、医薬として許容されうる希釈剤もしくはキャリヤーとを一緒に含んだ第1の単位剤形;
b) この組み合わせセクションに記載の他の化合物、またはそれらの医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物のうちの1つを含んだ第2の単位剤形;および
c) 前記第1と第2の剤形を収容するための容器手段;
を含むキットが提供される。
【0084】
本発明のさらに他の態様によれば、式Iの化合物、またはその医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物と、この組み合わせセクションに記載の他の化合物、またはそれらの医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物のうちの1つとを、温血動物(例えばヒト)における代謝症候群もしくは2型糖尿病およびそれに関連した合併症の治療に使用するための医薬の製造において使用することが提供される。
【0085】
本発明の他の特徴によれば、式Iの化合物、またはその医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物と、この組み合わせセクションに記載の他の化合物、またはそれらの医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物のうちの1つとを、温血動物(例えばヒト)における高脂質血症の治療に使用するための医薬の製造において使用することが提供される。
【0086】
本発明のさらに他の態様によれば、式Iの化合物、またはその医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物の有効量を、必要に応じて医薬として許容されうる希釈剤もしくはキャリヤーと共に投与することと、この組み合わせセクションに記載の他の化合物、またはそれらの医薬として許容されうる塩、溶媒和物、プロドラッグ、もしくはこのような塩の溶媒和物のうちの1つの有効量を、必要に応じて医薬として許容されうる希釈剤もしくはキャリヤーと共に同時投与、逐次投与、または個別投与することとを組み合わせて、治療処置を必要とする温血動物(例えばヒト)に投与することを含む組み合わせ療法が提供される。
【0087】
(実施例)
1H-NMRと13C-NMRの測定は、それぞれ300、400、500、および600MHzの1H周波数にて、並びにそれぞれ75、100、125、および150MHzの13C周波数にて作動するバリアン・マーキュリー(Varian Mercury)300またはバリアン・ユニティ(Varian UNITY)プラス400、500、または600スペクトロメーターを使用して行った。測定は、デルタスケール(δ)に基づいて行った。
【0088】
特に明記しない限り、化学シフトは、溶媒を内部標準としてppmで表示してある。
略語
DMSO ジメチルスルホキシド
THF テトラヒドロフラン
Pd/C 活性炭担持パラジウム
DMAP ジメチルアミノピリジン
t 三重線
s 一重線
d 二重線
q 四重線
m 多重線
bs ブロードな一重線
dm 多重線の二重線
bt ブロードな三重線
dd 二重線の二重線
実施例1
(2S)-3-[4-(2-{ブチル[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸
(i)エチル(2S)-3-{4-[2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエトキシ]フェニル}-2-エトキシプロパン酸
エチル(2S)-2-エトキシ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸(23.8g、100mmol、WO 99/62872に記載の方法で調製)のアセトニトリル(200mL)溶液に、無水炭酸カリウム(31.9g、231mmol)を加え、ついでベンジルブロモアセテート(17.4mL、110mmol)を添加し、反応混合物を一晩中還流した。反応混合物を室温まで冷却させ、不溶性塩類をろ過し、溶液を真空下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(300mL)に溶解し、有機相をNaHCO3水溶液(3x100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。溶離剤として塩化エチレンを用いたシリカゲル上での精製および純粋な留分を収集して、22.4g(58%)の黄色油状物を得た。
【0089】
1H NMR(400 MHz, CDCl3):δ1.16(t, 3H)、1.22(t, 3H)、2.93-2.97(m, 2H)、3.35(m, 1H)、3.60(m, 1H)、3.97(m, 1H)、4.16(q, 2H)、4.64(s, 2H)、5.23(s, 2H)、6.82(d, 2H)、7.15(d, 2H)、7.32-7.39(m, 5H)。
【0090】
13C NMR(100 MHz, CDCl3):δ14.3、15.2、38.6、60.9、65.6、66.3、67.0、80.4、114.6、128.5、128.6、128.7、130.6、135.3、156.7、169.0、172.6。
【0091】
(ii){4-[(2S)-2,3-ジエトキシ-3-オキソプロピル]フェノキシ}酢酸
エチル(2S)-3-{4-[2-(ベンジルオキシ)-2-オキソエトキシ]フェニル}-2-エトキシプロパン酸(22.33g、57.8mmol)の新たに蒸留したTHF(290mL)溶液に、Pd/C(10%、3.1g)を添加し、反応混合物を大気圧下室温で一晩中水素化した。混合物をCeliteのプラグを通してろ過し、ろ過物を真空下で濃縮して16.6g(97%)の淡黄色油状物を得た。
【0092】
1H NMR(400 MHz, CDCl3):δ1.15(t, 3H)、1.21(t, 3H)、2.93-2.98(m, 2H)、3.35(m, 1H)、3.60(m, 1H)、3.97(m, 1H)、4.16(q, 2H)、4.65(s, 2H)、6.84(d, 2H)、7.17(d, 2H)、8.48(bs, 1H)。
【0093】
13C NMR(100 MHz, CDCl3):δ14.3、15.1、38.5、61.0、65.1、66.4、80.3、114.6、130.7、130.9、156.4、172.7、173.7。
【0094】
(iii)N-ブチル-N-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミン
2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(3.84g、20.0mmol)およびn-ブチルアミン(1.46g、20.0mmol)のメタノール(100mL)溶液に、酢酸(4.6mL、80mmol)およびナトリウムシアノボロハイドライド(1.51g、24.0mmol)を添加し、溶液を室温で3日間攪拌した。水(10mL)を添加し、混合物を真空下で濃縮した。残留物を水性1 M KOH(125mL)および酢酸エチル(100mL)に溶解させ、相を分離した。水性相を酢酸エチル(2x100mL)で抽出し、合わせた有機相をNa2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。溶離剤としてヘプタン中の酢酸エチル(33〜100%グラジエント)を用いたシリカゲルのプレパックドカラム(Isolute(登録商標)SPE Column、70g/150mL)上での精製および純粋な留分を収集して、1.28g(26%)の低粘度の無色油状物を得た。
【0095】
1H NMR(400 MHz, CDCl3):δ0.91(t, 3H)、1.28-1.41(m, 2H)、1.44-1.55(m, 2H)、2.62(t, 2H)、3.88(s, 2H)、7.29(m, 1H)、7.38(m, 1H)、7.51(m, 1H)。
【0096】
13C NMR(100 MHz, CDCl3):δ14.1、20.6、32.4、47.0、49.3、112.8(m)、121.1(m)、123.5(q)、130.5-131.6(m)、130.8(m)、132.0(d)、160.8(d)。
【0097】
(iv)エチル(2S)-3-[4-(2-{ブチル[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸
N-ブチル-N-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミン(0.598g、2.40mmol)および{4-[(2S)-2,3-ジエトキシ-3-オキソプロピル]フェノキシ}酢酸(0.593g、2.00mmol)の塩化メチレン(20mmol)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.80mL、4.6mmol)およびO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(0.674g、2.10mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩中攪拌した。得られた溶液を塩化メチレン(100mL)で希釈し、有機相を2 M HCl(3x75mL)、飽和NaHCO3水溶液(2x75mL)およびブライン(75mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。溶離剤として塩化メチレン中のメタノール(0〜2%グラジエント)を用いたシリカゲルのプレパックドカラム(Isolute(登録商標)SPE Column、20g/70mL)上で精製して、0.785g(74%)の薄黄色がかった白色油状物を得た。
【0098】
1H NMR(400 MHz, CDCl3):δ0.84-0.97(m, 3H)、1.11-1.19(m, 3H)、1.19-1.40(m, 5H)、1.45-1.65(m, 2H)、2.90-2.99(m, 2H)、3.29-3.40(m, 3H)、3.60(m, 1H)、3.96(m, 1H)、4.16(q, 2H)、4.68(s, 2H)、4.72および4.74(2s, 2H, 回転異性体)、6.70および6.86(2d, 2H, 回転異性体)、7.10および7.17(2d, 2H, 回転異性体)、7.21-7.40(m, 3H)。
【0099】
13C NMR(100 MHz, CDCl3):δ13.8、14.3、15.2、20.2、29.2、30.9、38.5、42.1(d)、44.6(d)、46.2、47.5、60.9、66.3、67.6、68.3、80.4、113.0(m)、114.3、114.6、121.4(m)、123.3(q)、128.5(m)、129.1(d)、130.6、130.6、130.7、131.0(d)、131.0-132.2(m)、156.6、156.8、160.3(d)、160.5(d)、168.5、168.6、172.6。(ピーク数は、回転異性体ゆえに炭素原子数よりも大きい。)
(v)(2S)-3-[4-(2-{ブチル[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸
エチル(2S)-3-[4-(2-{ブチル[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸(0.748g、1.42mmol)のアセトニトリル(70mL)溶液に、0.10 M LiOH水溶液(35mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩中攪拌した。5%HClによる中和後、溶媒容量を真空下で減少させ、残りの水性相を5%HClで酸性化し、酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮して0.688g(97%)の薄黄色油状物を得た。
【0100】
1H NMR(400 MHz, CDCl3):δ0.84-0.96(m, 3H)、1.16(t, 3H)、1.21-1.40(m, 2H)、1.45-1.66(m, 2H)、2.88-3.11(m, 2H)、3.29-3.46(m, 3H)、3.61(m, 1H)、4.02(m, 1H)、4.69(s, 2H)、4.73および4.75(2s, 2H, 回転異性体)、6.70および6.86(2d, 2H, 回転異性体)、7.12および7.18(2d, 2H, 回転異性体)、7.22-7.41(m, 3H)、8.66(bs, 1H)。
【0101】
13C NMR(100 MHz, CDCl3):δ13.8、15.1、20.1、29.2、30.8、38.0、42.2(d)、44.6(d)、46.3、47.5、66.8、67.4、68.1、79.8、113.0(m)、114.4、114,6、121.4(m)、123.3(q)、128.3(m)、129.1(d)、130.2、130.7、130.8、131.0(d)、131.0-132.2(m)、156.7、156.9、160.3(d)、160.5(d)、168.8、168.9、175.6。(ピーク数は、回転異性体ゆえに炭素原子数よりも大きい。)
実施例2
(2S)-3-(4-{2-[(4-クロロベンジル)(エチル)アミノ]-2-オキソエトキシ}フェニル)-2-エトキシプロパン酸
(i)エチル(2S)-3-(4-{2-[(4-クロロベンジル)(エチル)アミノ]-2-オキソエトキシ}フェニル)-2-エトキシプロパン酸
N-(4-クロロベンジル)-N-エチルアミン(0.150g、0.88mmol)および{4-[(2S)-2,3-ジエトキシ-3-オキソプロピル]フェノキシ}酢酸(0.270g、0.91mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.34mL、1.9mmol)およびO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(0.320g、1.00mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩中攪拌した。結果として得られた溶液を塩化メチレン(40mL)で希釈し、有機相を5%HCl(50mL)、飽和NaHCO3水溶液(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。溶離剤として塩化メチレン/酢酸エチル10:1を用いたシリカゲルのプレパックドカラム(Isolute(登録商標)SPE Column、50g/150mL)上で精製して、0.24g(61%)の無色油状物を得た。
【0102】
1H NMR(500 MHz, CDCl3):δ1.05-1.24(m, 9H)、2.88-3.00(m, 2H)、3.28-3.42(m, 3H)、3.60(m, 1H)、3.96(m, 1H)、4.12-4.20(m, 2H)、4.56および4.58(2s, 2H, 回転異性体)、4.64および4.73(2s, 2H, 回転異性体)、6.75および6.88(2d, 2H, 回転異性体)、7.09-7.20(m, 4H)、7.24および7.30(2d, 2H, 回転異性体)。
【0103】
(ii)(2S)-3-(4-{2-[(4-クロロベンジル)(エチル)アミノ]-2-オキソエトキシ}フェニル)-2-エトキシプロパン酸
エチル(2S)-3-(4-{2-[(4-クロロベンジル)(エチル)アミノ]-2-オキソエトキシ}フェニル)-2-エトキシプロパン酸(0.240g、0.54mmol)のTHF(30mL)溶液に、水性0.10 M LiOH水溶液(15mL)を添加し、溶液を室温で一晩中攪拌した。5%HClによる中和後、溶媒容量を真空下で減少させ、残りの水性相を5%HClで酸性化し、塩化メチレン(2x50mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。溶離剤として酢酸エチルを用いたシリカゲルのプレパックドカラム(Isolute(登録商標)SPE Column、2g/15mL)上で精製して、0.138g(61%)の薄黄色油状物を得た。
【0104】
1H NMR(500 MHz, CDCl3):δ1.05-1.21(m, 6H)、2.94(m, 1H)、3.04(m, 1H)、3.30-3.45(m, 3H)、3.61(m, 1H)、4.01(m, 1H)、4.57および4.58(2s, 2H, 回転異性体)、4.66および4.73(2s, 2H, 回転異性体)、6.74および6.87(2d, 2H, 回転異性体)、7.10-7.20(m, 4H)、7.24および7.30(d, 2H)、7.98(bs, 1H)。
【0105】
13C NMR(100 MHz, CDCl3):δ12.3、13.9、15.1、38.0、41.2、41.5、47.6、49.8、66.7、67.4、68.0、79,8、114.5、114.6、128.3、128.8、129.1、129.5、130.2、130.7、133.3、133.6、135.0、135.7、156.7、156.9、168.4、168.4、175.5。(ピーク数は、回転異性体ゆえに炭素原子数よりも大きい。)
実施例3
(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸
(i)N-[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アセトアミド
−10℃における4-(トリフルオロメトキシ)ベンジルアミン(3.46g、57.6mmol)のDMF(75mL)および酢酸(10.0g、52.3mmol)溶液に、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(20.2g、62.8mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(20.0mL、115mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩中攪拌した。酢酸エチル(200mL)を添加し、有機相を水(100mL)、0.25 M NaOH(100mL)、飽和NaHCO3水溶液(100mL)、水(100mL)、0.5 M HCl(100mL)および水(100mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空下で濃縮して11.2g(92%)の無色の油状物を得た。
【0106】
1H NMR(600 MHz, CDCl3):δ2.03(s, 3H)、4.43(d, 2H)、5.83(bs, 1H)、7.17(d, 2H)、7.31(d, 2H)。
13C NMR(125 MHz, CDCl3):δ22.9、42.8、120.5(q)、121.1、129.0、137.3、148.4、170.6。
【0107】
(ii)N-エチル-N-[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アミン
N-[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アセトアミド(10.4g、44.6mmol)をTHF(100mL)に溶解し、−10℃に冷却した。ボラン(ジメチルスルフィドコンプレックスのジエチルエーテル2 M溶液56mL)を添加し、反応混合物を−10℃で15分間攪拌し、ついで室温まで温めた。反応混合物を一晩中還流し、室温まで冷却させた。反応物を0℃での10%HCl(30mL)の慎重な添加により急冷し、混合物を室温で一晩中攪拌し、ついで真空下で濃縮した。残留物を水(200mL)およびジエチルエーテル(200mL)に溶解させ、相を分離した。ジエチルエーテル相を真空下で濃縮して、1.9g(21%)の表題化合物を無色の油状物として得た。
【0108】
1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ1.28(t, 3H)、2.72(q, 2H)、3.83(s, 2H)、3.86(bs, 1H)、7.18(d, 2H)、7.40(d, 2H)。
(iii)エチル(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸
N-エチル-N-[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アミン(0.438g、2.00mmol)および{4-[(2S)-2,3-ジエトキシ-3-オキソプロピル]フェノキシ}酢酸(0.593g、2.00mmol)の塩化メチレン(20mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.80mL、4.6mmol)およびO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(0.674g、2.10mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩中攪拌した。得られた溶液を塩化メチレン(40mL)で希釈し、有機相を5%HCl(50mL)、飽和NaHCO3水溶液(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。溶離剤として塩化メチレン/酢酸10:1を用いたシリカゲルのプレパックドカラム(Isolute(登録商標)SPE Column、50g/150mL)で精製して、0.57g(58%)の無色の油状物を得た。
【0109】
1H NMR(500 MHz, CDCl3):δ1.08-1.28(m, 9H)、2.88-3.00(m, 2H)、3.28-3.44(m, 3H)、3.60(m, 1H)、3.96(m, 1H)、4.12-4.20(m, 2H)、4.60および4.62(2s, 2H, 回転異性体)、4.66および4.74(2s, 2H, 回転異性体)、6.74および6.89(2d, 2H, 回転異性体)、7.08-7.27(m, 6H)。
【0110】
13C NMR(100 MHz, CDCl3):δ12.4、14.0、14.4、15.2、38.6、41.1、41.5、47.5、49.7、61.0、66.3、67.7、68.3、80.4、114.5、114.6、121.2、121.5、128.3、129.5、130.6、130.7、130.7、135.6、136.1、148.6、156.9、168.1、168.2、172.6。(ピーク数は、回転異性体ゆえに炭素原子数よりも大きい。三弗素化炭素は報告されていない。)
(iv)(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸
エチル(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸(0.560g、1.13mmol)のTHF(50mL)溶液に、0.10 M LiOH水溶液(25mL)を添加し、溶液を室温で一晩中攪拌した。5%HClによる中和後、溶媒容量を真空下で減少させ、残りの水相を5%HClで酸性化し、酢酸エチル(2x50mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。溶離剤として酢酸エチルを用いたシリカゲルのプレパックドカラム(Isolute(登録商標)SPE Column、10g/70mL)上で精製して、0.457g(87%)の無色の油状物を得た。
【0111】
1H NMR(500 MHz, CDCl3):δ1.08-1.23(m, 6H)、2.96(m, 1H)、3.08(m, 1H)、3.33-3.43(m, 2H)、3.48(m, 1H)、3.59(m, 1H)、4.05(m, 1H)、4.60および4.62(2s, 2H, 回転異性体)、4.67および4.75(2s, 2H, 回転異性体)、6.75および6.89(2d, 2H, 回転異性体)、7.09-7.27(m, 6H)。
【0112】
13C NMR(100 MHz, CDCl3):δ12.4、14.0、15.2、37.8、41.2、41.6、47.5、49.7、67.0、67.6、68.2、79.8、114.6、114.8、121.2、121.5、128.3、129.5、129.9、130.8、130.8、135.4、136.0、148.7、148.8、156.9、157.0、168.3、168.3、174.2。(ピーク数は、回転異性体ゆえに炭素原子数よりも大きい。三弗素化炭素は報告されていない。)
実施例4
(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸
(i)エチル(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸
N-エチル-N-[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミン(0.213g、1.05mmol)および{4-[(2S)-2,3-ジエトキシ-3-オキソプロピル]フェノキシ}酢酸(0.296g、1.00mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.40mL、2.3mmol)およびO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(0.337g、1.05mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩中攪拌した。得られた溶液を塩化メチレン(90mL)で希釈し、有機相を5%HCl(2x50mL)、飽和NaHCO3水溶液(2x50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。溶離剤として塩化メチレン中のメタノール(0〜1%グラジエント)を用いたシリカゲルのプレパックドカラム(Isolute(登録商標)SPE Column、50g/150mL)で精製して、0.339g(70%)の無色の油状物を得た。
【0113】
1H NMR(400 MHz, CDCl3):δ1.06-1.24(m, 9H)、2.88-3.00(m, 2H)、3.28-3.44(m, 3H)、3.59(m, 1H)、3.96(m, 1H)、4.10-4.19(m, 2H)、4.64、4.67および4.74(3s, 4H, 回転異性体)、6.71および6.88(2d, 2H, 回転異性体)、7.10および7.17(2d, 2H, 回転異性体)、7.30(d, 2H)、7.52および7.57(2d, 2H, 回転異性体)。
【0114】
13C NMR(100 MHz, CDCl3):δ12.3、13.9、14.3、15.1、38.5、41.2、41.7、47.8、49.9、60.8、66.2、67.6、68.2、80.3、114.4、114.5、125.5(m)、125.8(m)、127.1、128.2、129.2-130.6(m)、130.5、130.6、130.6、141.0、141.5、156.6、156.8、168.1、168.2、172.5。(ピーク数は、回転異性体ゆえに炭素原子数よりも大きい。三弗素化炭素は報告されていない。)
(ii)(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸
エチル(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸(0.308g、0.64mmol)のアセトニトリル(32mL)溶液に、水性0.10 M LiOH水溶液(16mL)を添加し、溶液を室温で一晩中攪拌した。5%HClによる中和後、溶媒容量を真空下で減少させ、残りの水相を水および0.10 M LiOH水溶液(全容量100mLに対して、pH〜10)で希釈し、ジエチルエーテル(2x100mL)で洗浄した。水相を5%HClで酸性化し、酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。合わせた有機相を5%HCl(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮して0.279g(96%)の無色の油状物を得た。
【0115】
1H NMR(400 MHz, CDCl3):δ1.08-1.24(m, 6H)、2.88-3.12(m, 2H)、3.34-3.47(m, 3H)、3.61(m, 1H)、4.02(m, 1H)、4.66、4.67、4.69および4.76(4s, 4H, 回転異性体)、6.72および6.89(2d, 2H, 回転異性体)、7.12および7.19(2d, 2H, 回転異性体)、7.32(d, 2H)、7.53および7.58(2d, 2H, 回転異性体)、8.08(bs, 1H)。
【0116】
13C NMR(100 MHz, CDCl3):δ12.3、13.9、15.1、38.0、41.4、41.9、48.0、50.1、66.8、67.5、68.1、79.8、114.5、114.7、125.6(m)、125.9(m)、127.2、128.2、129.2-130.6(m)、130.2、130.7、130.8、140.8、141.3、156.7、156.9、168.6、168.6、175,5。(ピーク数は、回転異性体ゆえに炭素原子数よりも大きい。三弗素化炭素は報告されていない。)
実施例5
(2S)-3-[4-(2-{ブチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸
(i)エチル(2S)-3-[4-(2-{ブチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸
N-ブチル-N-[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミン(0.486g、2.10mmol)および{4-[(2S)-2,3-ジエトキシ-3-オキソプロピル]フェノキシ}酢酸(0.593g、2.00mmol)の塩化メチレン(20mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.80mL、4.6mmol)およびO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(0.674g、2.10mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩中攪拌した。得られた溶液を塩化メチレン(80mL)で希釈し、有機相を5%HCl(3x50mL)、飽和NaHCO3水溶液(2x50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。溶離剤として塩化メチレン中のメタノール(0〜2%グラジエント)を用いたシリカゲルのプレパックドカラム(Isolute(登録商標)SPE Column、70g/150mL)で精製し、純粋な留分を収集して、0.355g(35%)の無色の油状物を得た。
【0117】
1H NMR(400 MHz, CDCl3):δ0.82-0.93(m, 3H)、1.09-1.17(m, 3H)、1.20(t, 3H)、1.22-1.38(m, 2H)、1.44-1.61(m, 2H)、2.87-3.00(m, 2H)、3.25-3.39(m, 3H)、3.59(m, 1H)、3.96(m, 1H)、4.08-4.18(m, 2H)、4.64、4.68および4.75(3s, 4H, 回転異性体)、6.72および6.87(2d, 2H, 回転異性体)、7.10および7.17(2d, 2H, 回転異性体)、7.29(d, 2H)、7.51および7.56(2d, 2H, 回転異性体)。
【0118】
13C NMR(100 MHz, CDCl3):δ13.5、14.0、14.9、19.9、29.0、30.5、38.3、45.9、46.7、48.1、50.1、60.6、66.0、67.3、67.9、80.1、114.2、114.3、125.3(m)、125.6(m)、126.9、127.9、128.8-130.5(m)、130.2、130.3、130.4、141.0、141.4、156.5、156.7、168.1、172.2。(ピーク数は、回転異性体ゆえに炭素原子数よりも大きい。三弗素化炭素は報告されていない。)
(ii)(2S)-3-[4-(2-{ブチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸
エチル(2S)-3-[4-(2-{ブチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸(0.311g、0.61mmol)のアセトニトリル(30mL)溶液に、0.10 M LiOH水溶液(15mL)を添加し、溶液を室温で一晩中攪拌した。5%HClによる酸性化後、混合物を酢酸エチル(3x100mL)で抽出し、合わせた有機相を5%HCl(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮して0.232g(79%)の無色の油状物を得た。
【0119】
1H NMR(400 MHz, CDCl3):δ0.84-0.94(m, 3H)、1.10-1.19(m, 3H)、1.20-1.36(m, 2H)、1.46-1.62(m, 2H)、2.87-3.10(m, 2H)、3.25-3.45(m, 2H)、3.61(m, 1H)、4.01(m, 1H)、4.66、4.69および4.76(3s, 4H, 回転異性体)、6.72および6.88(2d, 2H, 回転異性体)、7.12および7.19(2d, 2H, 回転異性体)、7.30(d, 2H)、7.53および7.59(2d, 2H, 回転異性体)、8.27(bs, 1H)。
【0120】
13C NMR(100 MHz, CDCl3):δ13.8、15.1、20.1、29.2、30.7、38.0、46.3、47.0、48.4、50.4、66.7、67.4、68.1、79.8、114.5、114.6、125.6(m)、125.9(m)、127.1、128.2、129.2-130.5(m)、130.2、130.7、130.8、140.8、141.2、156.7、156.9、168.8、175.6。(ピーク数は、回転異性体ゆえに炭素原子数よりも大きい。三弗素化炭素は報告されていない。)
生物学的活性
本発明の化合物を、WO 03/051821に記載した効力検定法で試験した。式Iの化合物は、PPARαについて0.1μmol/l未満のEC50を有し、特定の化合物は、0.01μmol/l未満のEC50を有する。さらに特定の化合物において、EC50 (PPARγ):EC50 (PPARα)比は、150:1よりも大きい。この比は、化合物の薬理学的活性およびその治療プロフィールの点で重要である。
【0121】
さらに、本発明の化合物は、改善したDMPK(Drug Metabolism and Pharmacokinetics、薬剤代謝および薬物動力学)特性を示す;例えば、それらは、インビトロで改善した代謝安定性を示す。化合物は、また有望な毒物学的プロフィールも有する。
【0122】
ヒトのPPARαについて実施例のEC50 は、以下の通りである:
実施例1:0.001μmol/l;
実施例2:0.003μmol/l;
実施例3:0.003μmol/l;
実施例4:0.005μmol/l;および
実施例5:0.003μmol/l。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、R1はクロロ、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシを表し、R2はHまたはフルオロを表し、R3はC2-4アルキル基を表す)の化合物のS-エナンチオマー
ならびにそれの製剤学的に許容される塩類、溶媒和物類およびプロドラッグ類。
【請求項2】
(2S)-3-[4-(2-{ブチル[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸;(2S)-3-(4-{2-[(4-クロロベンジル)(エチル)アミノ]-2-オキソエトキシ}フェニル)-2-エトキシプロパン酸;(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸;(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸;および(2S)-3-[4-(2-{ブチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸;ならびにそれらの製剤学的に許容される塩類および溶媒和物類から選ばれる化合物。
【請求項3】
(2S)-3-[4-(2-{ブチル[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸、およびそれの製剤学的に許容される塩類。
【請求項4】
(2S)-3-(4-{2-[(4-クロロベンジル)(エチル)アミノ]-2-オキソエトキシ}フェニル)-2-エトキシプロパン酸、およびそれの製剤学的に許容される塩類。
【請求項5】
(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸、およびそれの製剤学的に許容される塩類。
【請求項6】
(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸、およびそれの製剤学的に許容される塩類。
【請求項7】
(2S)-3-[4-(2-{ブチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸、およびそれの製剤学的に許容される塩類。
【請求項8】
製剤学的に許容される佐剤、希釈剤および/またはキャリヤーと混合状態で請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物を含んでなる医薬製剤。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物を脂質疾患(異常脂質血症)の治療または予防を必要とする哺乳動物への投与を含むインスリン耐性に関連もしくは関連しない、脂質疾患(異常脂質血症)を治療もしくは予防する方法。
【請求項10】
インスリン耐性に関連または関連しない、脂質疾患(異常脂質血症)治療のための薬剤の製造における請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の式Iの化合物の有効量を2型糖尿病の治療または予防を必要とする哺乳動物への投与を含む、2型糖尿病を治療または予防する方法。
【請求項12】
式II:
【化2】

(式中、R1、R2およびR3は、先に定義された通りであり、R4はカルボキシルヒドロキシ基のための保護基を表す。)の化合物のS-エナンチオマーを脱保護剤と反応させることを含む、式Iの化合物の製造方法。
【請求項13】
式II:
【化3】

(式中、R1、R2およびR3は、先に定義された通りであり、R4は、カルボキシルヒドロキシ基のための保護基を表す。)の化合物。
【請求項14】
式III:
【化4】

(式中、R4は、カルボキシルヒドロキシ基のための保護基を表す。)の化合物。
【請求項15】
式Iの化合物の製造方法であって、式V:
【化5】

(式中、R1およびR2は、先に定義された通りであり、Rは、Hであるか、またはORは、カルボキシルヒドロキシ基のための保護基を表す。)の化合物を式VI:
【化6】

(式中、R3は、先に定義された通りであり、Xは脱離基である。)の化合物と、−25℃〜150℃の範囲の温度で不活性溶媒の存在下塩基の存在下で反応させ、場合によって、ORが保護基を表すとき、保護基を除去する、上記製造方法。
【請求項16】
(2S)-3-[4-(2-{[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸;(2S)-3-(4-{2-[4-クロロベンジルアミノ]-2-オキソエトキシ}フェニル)-2-エトキシプロパン酸;(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{4-(トリフルオロメトキシ)ベンジルアミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸;および(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{4-(トリフルオロメチル)ベンジルアミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸から選ばれる、式Vの化合物。
【請求項17】
高血圧症、高脂肪血症、異常脂質血症、糖尿病および肥満症などのアテローム性動脈硬化症の発生および進行に関連する疾患の治療に有用な別の治療薬剤と組み合わせた請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項18】
別のPPAR調節剤と組み合わせた請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項19】
コレステロール降下剤と組み合わせた請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項20】
HMG-CoAレダクターゼ阻害剤と組み合わせた請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項21】
アトルバスタチンまたはその製剤学的に許容される塩、溶媒和物、結晶形またはプロドラッグと組み合わせた請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項22】
ロスバスタチンまたはそれの製剤学的に許容される塩と組み合わせた請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項23】
IBAT阻害剤と組み合わせた請求項1〜7のいずれか1つに記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項24】
IBAT阻害剤が下記化合物の1つから選ばれる、請求項23に記載の医薬組成物:
1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-1'-フェニル-1'-[N'-(カルボキシメチル)カルバモイル]メチル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(カルボキシメチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-1'-フェニル-1'-[N'-(2-スルホエチル)カルバモイル]メチル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-1'-フェニル-1'-[N'-(2-スルホエチル)カルバモイル]メチル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(2-スルホエチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(2-スルホエチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(2-カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(2-カルボキシエチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(5-カルボキシペンチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(2-カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{α-[N'-(2-スルホエチル)カルバモイル]-2-フルオロベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(R)-(2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N'-(R)-(2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-{N-[(R)-α-(N'-{(R)-1-[N''-(R)-(2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル)カルバモイル]-2-ヒドロキシエチル}カルバモイル)ベンジル]カルバモイルメトキシ}-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{α-[N'-(カルボキシメチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{α-[N'-((エトキシ)(メチル)ホスホリルメチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3-ブチル-3-エチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-{N-[(R)-α-(N'-{2-[(ヒドロキシ)(メチル)ホスホリル]エチル}カルバモイル)ベンジル]カルバモイルメトキシ}-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-(N'-(2-メチルチオ-1-カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-{N-[(R)-α-(N'-{2-[(メチル)(エチル)ホスホリル]エチル}カルバモイル)-4-ヒドロキシベンジル]カルバモイルメトキシ}-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-{N-[(R)-α-(N'-{2-[(メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル]エチル}カルバモイル)-4-ヒドロキシベンジル]カルバモイルメトキシ}-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[(R)-N'-(2-メチルスルフィニル-1-カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メトキシ-8-[N-{(R)-α-[N'-(2-スルホエチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((R)-1-カルボキシ-2-メチルチオエチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシ-2-(R)-ヒドロキシプロピル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシ-2-メチルプロピル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシブチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシプロピル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシ-2-(R)-ヒドロキシプロピル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-(2-スルホエチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシエチル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((R)-1-カルボキシ-2-メチルチオエチル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-{(S)-1-[N-((S)-2-ヒドロキシ-1-カルボキシエチル)カルバモイル]プロピル}カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシ-2-メチルプロピル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-((S)-1-カルボキシプロピル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-[N-((R/S)-α-{N-[1-(R)-2-(S)-1-ヒドロキシ-1-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロプ-2-イル]カルバモイル}-4-ヒドロキシベンジル)カルバモイルメトキシ]-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-(2-(S)-3-(R)-4-(R)-5-(R)-2,3,4,5-ペンタヒドロキシヘキシル)カルバモイル]-4-ヒドロキシベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;および1,1-ジオキソ-3,3-ジブチル-5-フェニル-7-メチルチオ-8-(N-{(R)-α-[N-(2-(S)-3-(R)-4-(R)-5-(R)-2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシヘキシル)カルバモイル]ベンジル}カルバモイルメトキシ)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,5-ベンゾチアジアゼピン;
またはそれらの製剤学的に許容される塩、溶媒和物、そのような塩の溶媒和物もしくはプロドラッグ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、R1は、クロロ、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシを表し、R2は、Hまたはフルオロを表し、R3は、C2-4アルキル基を表す)の化合物のS-エナンチオマー;
ならびにそれの製剤学的に許容される塩類、溶媒和物類およびプロドラッグ類。
【請求項2】
(2S)-3-[4-(2-{ブチル[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸、およびそれの製剤学的に許容される塩類。
【請求項3】
(2S)-3-(4-{2-[(4-クロロベンジル)(エチル)アミノ]-2-オキソエトキシ}フェニル)-2-エトキシプロパン酸、およびそれの製剤学的に許容される塩類。
【請求項4】
(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸、およびそれの製剤学的に許容される塩類。
【請求項5】
(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸、およびそれの製剤学的に許容される塩類。
【請求項6】
(2S)-3-[4-(2-{ブチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸、およびそれの製剤学的に許容される塩類。
【請求項7】
製剤学的に許容される佐剤、希釈剤および/またはキャリヤーと混合状態で請求項1〜6のいずれか1つに記載の化合物を含んでなる医薬製剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、R1は、クロロ、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシを表し、R2は、Hまたはフルオロを表し、R3は、C2-4アルキル基を表す)の化合物のS-エナンチオマー;
またはそれの製剤学的に許容される塩類、溶媒和物類もしくはプロドラッグ類。
【請求項2】
(2S)-3-[4-(2-{ブチル[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸、またはそれの製剤学的に許容される塩類。
【請求項3】
(2S)-3-(4-{2-[(4-クロロベンジル)(エチル)アミノ]-2-オキソエトキシ}フェニル)-2-エトキシプロパン酸、またはそれの製剤学的に許容される塩類。
【請求項4】
(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸、またはそれの製剤学的に許容される塩類。
【請求項5】
(2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{エチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]プロパン酸、またはそれの製剤学的に許容される塩類。
【請求項6】
(2S)-3-[4-(2-{ブチル[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}-2-オキソエトキシ)フェニル]-2-エトキシプロパン酸、またはそれの製剤学的に許容される塩類。
【請求項7】
製剤学的に許容される佐剤、希釈剤および/またはキャリヤーと混合状態で請求項1〜6のいずれか1つに記載の化合物を含んでなる医薬製剤。

【公表番号】特表2006−511572(P2006−511572A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561668(P2004−561668)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/GB2003/005602
【国際公開番号】WO2004/056748
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】