説明

活性成分の固体分散体を生産するための改良プロセス

押出機に活性成分およびマトリックス形成剤を供給すること、および均一な押出物を作ることを含む活性成分の固体分散体を生産するためのプロセスであって、そこにおいて、該押出機は、少なくとも2本のシャフト(2)を含み、該シャフト(2)の各々は、軸上で1本を他方の後ろに配置された複数の処理エレメントをもち、該処理エレメントは(i)供給−搬送セクション(R、A)、(ii)少なくとも1個の逆フライトセクション(D)、および(iii)排出セクション(E)であると定義され、そこにおいて、該逆フライトセクション(R、D)であると定義される処理エレメントは、押出機の全体的な搬送方向に逆向きである搬送方向をもつスクリュー式エレメントに基づいている少なくとも1個の逆フライトエレメント(14)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性成分およびマトリックス形成剤を押出機に供給することおよび均一な押出物を作ることを含む活性成分の固体分散体を生産するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
固溶体を含む固体の薬剤形体を生産するための連続法は、少し前から知られていて、活性成分を含む高分子バインダーの溶融物を射出成形または押出成形およびそれに続く成形によって、求められる薬剤の形体に変換することを伴う(たとえば、欧州特許第A−240904号明細書、欧州特許第A−240906号明細書および欧州特許第A−337256号明細書参照)。活性成分が融解した高分子バインダー中で低い融点および/または高い溶解度を持つとき、本プロセスにおいて満足な結果が得られる。低い融点を持つ活性成分は、高分子バインダー溶融物との接触で液化され、その液化活性成分は高分子バインダー溶融物の中に容易に分散させることができる。一方、融解高分子バインダーへの高いい溶解度を持つ活性成分は、高分子バインダー溶融物に容易に溶解する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
活性成分が溶融高分子バインダー中で高い融点および/または限られた溶解度を持つとき、問題が起こる。活性成分と高分子バインダー溶融物との十分な混合をもたらすために、活性成分の十分な分散は、押出機バレルの高い温度、比較的長い混合時間および/または高い剪断力を必要とするであろう。これは、特に剪断および温度に影響されやすい活性成分が使用されるとき、生成物に局部的な過熱および損傷をもたらすであろう。押出機バレルの高い温度の必要性のさらなる不利益は、高いエネルギーコストである。
【0004】
さらに、欧州特許第0580860(B2)号明細書は、パドル装置すなわち混練ブロックを備えた二軸スクリュー押出機が使用される、ポリマーに溶解した薬剤の固体分散体を生成するプロセスを記載している。そのような混練ブロックは、たとえば、回り階段風に相殺されるように配置される円板カムからなる。材料は、円板カムと押出機ハウジング間の狭い先細のギャップを押し通される。こうして、押出機を通リ抜ける間に、材料は高い局部剪断力にさらされ、それは活性成分および/またはポリマーの過度の分解に導くであろう。剪断はまた、押出成形装置の過度の摩耗を引き起こすであろう。
【0005】
マトリックス形成剤中で、特にポリマー中で、改良された混合および均一化機能を用いて、活性成分の固体分散体を生成させることが本発明の目的である。その上、高い温度または高い局部剪断力は避けられねばならない。
【0006】
活性成分および/またはマトリックス形成剤および/または補助物質の分解が最小限に抑えられる、マトリックス形成剤中で、特にポリマー中で、活性成分の固体分散体を生成させるプロセスを提供することが本発明のもう1つの目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、活性成分とマトリックス形成剤を押出機に供給することおよび均一な押出物を生成させることを含む、活性成分の固体分散体を生成させるプロセスを提供する。該押出機は、少なくとも2本の回転シャフトを含み、そのシャフトの各々は、軸方向に一個を他方の後ろに配置させた複数の処理エレメントを持つ。該処理エレメントは、(i)供給−搬送セクション、(ii)少なくとも1個の逆フライトセクション、および(iii)排出セクションであると定義される。供給−搬送セクションは、一番離れた上流に、押出機のホッパーの近くに置かれ、少なくとも1個の逆向きフライトセクションは供給−搬送セクションの下流に置かれ、そして排出セクションは一番離れた下流に、押出機の排出口の近くに置かれる。ここで用いられる「下流に」という用語は、材料が押出機の中で搬送されていく方向を指す。
【0008】
処理エレメントは別々に作られるであろう。それらは、押出機のシャフトに沿って、1つが他の後ろに繋がれるであろう。しかし、処理エレメントが一体的に作られることもありうる。この場合、該エレメントの表面構造が、前記処理エレメントを形成する。
【0009】
本発明によれば、逆フライトセクションと定義される処理エレメントは、押出機の全体的な搬送方向とは逆の搬送方向を持つスクリュー式エレメントに基づく少なくとも1つの逆フライトエレメントを含む。「スクリュー式エレメントに基づく逆フライトエレメント」は、その基本的な形がスクリューエレメントのそれであるエレメントを意味することが意図されている。そのようなエレメントは、従来知られている混練エレメントまたは改良混練エレメントとは異なる。特に、混練エレメントは、その周辺部の隆起(すなわち、その外縁)および押出機のバレルすなわち内腔との間で押出物の強められた流れを可能にする。本発明によるスクリュー式エレメントに基づく逆フライトエレメントは、少量の押出物がスクリューの端と押出機のバレルすなわち内腔の間に流れることを可能にするだけである。従来の混練エレメントの例では、内腔の表面に最も近いエレメントの端部の間の空間は、内腔の表面に最も近い、本発明による逆フライトエレメントの端部の間のクリアランスより大きい。
【0010】
少なくとも1個の逆フライトエレメントは、供給−搬送セクションの中に配置されるであろうスクリュー式エレメントに関して逆フライトをもつスクリューを持つ。それは押出機の全体的な搬送方向を定義する。
【0011】
その上、該逆フライトエレメントは、好ましくは、全体的な搬送方向と平行で逆向きの法線をもつ平坦な表面を持たないであろう。特に、逆フライトエレメントは、全体的な搬送方向に垂直である面を持たないであろう。したがって、それは、表面の配向に関しても混練エレメントとは異なる。さらに、逆フライトエレメントは、全体的な搬送方向に垂直である突合せ面を持たない。
【0012】
逆フライトエレメントは、望ましい混合度および/または均質化を可能にするために十分な逆圧を創りだすのに役立つ。それは、搬送された材料を押出機内に詰め込むように設計される。したがって、それは逆圧エレメントとも呼ばれるであろう。逆フライトエレメントは、それらが材料を押出機の全体的な搬送方向に関して逆方向に搬送するような、逆フライトスクリューから誘導されるであろう。逆フライトエレメントは、他の処理エレメントとは別個に、または他の処理エレメントと一体的に作られる。
【0013】
驚くべきことに、少なくとも1個の逆フライトエレメントが十分な度合いの混合または均質化を可能にすることが判明した。その上、押出機のバレルの比較的低い温度が選択され、押出物の品質を低下させることがない。
【0014】
1つの態様によれば、逆フライトセクションとして定義される処理エレメントは、少なくとも2個の逆フライトエレメントと前記の2個の逆フライトエレメントの間に配置される少なくとも1個の順フライトスクリュー式エレメントを含む。特に、逆フライトエレメントのスクリューピッチは、供給−搬送セクションのスクリュー式エレメントおよび/または2個の逆フライトエレメントの間に配置されたスクリュー式エレメントのスクリューピッチの−0.5倍〜−1.5倍、好ましくは−0.8倍〜−1.2倍の範囲にある。好ましくは、逆フライトエレメントのスクリューピッチは、供給−搬送セクションのスクリュー式エレメントの、および/または2個の逆フライトエレメントの間に配置されたスクリュー式エレメント(単・複数)のスクリューピッチと同じである。したがって、スクリュー式エレメントと逆フライトエレメントの間の違いは、スクリューの回転方向だけであろう。
【0015】
2個の逆フライトエレメントと供給−搬送セクションのスクリュー式エレメントの間に配置されたスクリュー式エレメント(単・複数)は、異なることもある。しかし、好ましくは、それらは同一である。逆フライトエレメントは、スクリューピッチの絶対値に関してだけでなく、押出物と接触する表面の幾何学的特徴に関してもスクリュー式エレメントと同一であろう。
【0016】
1つの態様によれば、逆フライトセクションと定義される処理エレメントは、少なくとも1個の正のフライトスクリュー式エレメントがそれぞれの連続した逆フライトエレメントの間に配置された、少なくとも3個の逆フライトエレメントを含む。したがって、逆フライトセクションにおいては、逆フライトエレメントに少なくとも1個の順フライトスクリュー式エレメントが続き、次に、逆フライトエレメントが続き、再び少なくとも1個の順フライトスクリュー式エレメントが続き、そして第三の逆フライトエレメントが続く。第二と第三の逆フライトエレメントの間に配置された順フライトスクリュー式エレメント(単・複数)の長さは、第一と第二の逆フライトエレメントの間に配置された順フライトスクリュー式エレメントの長さの1〜15倍、好ましくは1.5倍〜5倍の範囲にある。好ましくは、第二と第三の逆フライトエレメントの間に配置された順フライトスクリュー式エレメント(単・複数)の長さは、第二と第三の逆フライトエレメントの間に配置された順フライトスクリュー式エレメント(単・複数)のそれの2倍である。
【0017】
もう1つの態様によれば、逆フライトセクションと定義される処理エレメントは、少なくとも4個の逆フライトエレメントを含み、そこでは少なくとも1個の順フライトスクリュー式エレメントがそれぞれの連続する逆フライトエレメントの間に配置され、そして、そこにおいて、連続した逆フライトエレメントの間に配置される順フライトエレメント(単・複数)の長さは同じである。
【0018】
好ましい態様においては、処理エレメントは、さらにスクリュー式エレメントに由来する少なくとも1個の混合エレメントを含む。この少なくとも1個の混合エレメントは、逆フライトセクションの中に配置される。そのような混合エレメントを含む逆フライトセクションは、したがって、混合セクションとも呼ばれるであろう。混合エレメント(単・複数)は、好ましくは、スクリュー式エレメントのスクリューフライトの中に作られたくぼみを持つ。
【0019】
「スクリュー式エレメントに由来する」混合エレメントとは、エレメントの基本的な形がスクリューエレメントのそれであるエレメントを意味することを意図されているが、それは、搬送効果に加えてコンパウンディングすなわち混合効果を示すように、改良されてきた。ベースにあるスクリュー式エレメントは、順フライト(順供給の、「右回りの」)スクリューエレメントを持つこともあり、逆フライト(逆供給の、「左回りの」)スクリューエレメントまたはそれらの組合せを持つこともある。混合エレメントによって遂行される混合の方法は、分散性であるというよりはむしろ、優れて分配性の混合であると考えられる。
【0020】
今まで、パドル装置すなわち混練ブロックは、従来、製薬混合物を混練することおよび可塑化することに使用されてきた。これらの混練ブロックは、周辺方向の角度で相互に相殺されるカム盤から成る。該カム盤は、押出機の全体的な搬送方向に対して垂直である突合せ面を持つ。これらの混練ブロックは効果的な混練および均質化を提供する一方、高い局所剪断がカム盤の末端で発生する。この局所剪断は、活性成分または他の成分に対して損傷的であると考えられる。
【0021】
本発明に従って使用される混合エレメントは、全体的な搬送方向に対して垂直である突合せ面を持たない。
【0022】
好ましい混合エレメントは、全体的な搬送方向に平行でかつ逆向きの法線をもつ平坦な表面を持たない。特に、混合エレメントは、全体的な搬送方向に垂直である表面を持たないであろう。したがって、それらは、表面の配向に関して、混練エレメントとは異なる。しかしながら、混合エレメントは、それらの周辺部隆起(すなわち、それらの外縁)および/または前記のくぼみ、および押出機のバレルすなわち内腔の間に押出物の高められた流れを可能にすることがある。
【0023】
本発明に従って使用される混合エレメントは、通常、スクリュー式エレメントのスクリューフライトの中に作られるくぼみを持つ。このタイプの混合エレメントは、そのようなものとして知られていて、たとえば、国際公開第2004/009326(Al)号パンフレット、米国特許第5318358号明細書および米国特許第6106142号明細書に記載されている。
【0024】
好ましい混合エレメントは、スクリュー式エレメントの中へ旋削された溝(turned grooves)によって作られた複数の同心性リング部分を持つ。したがって、混合エレメントは連続のスクリューフライトを持っており、それは、リング部分をもつ旋削された溝によってだけ遮られる。
【0025】
驚くべきことに、これらの混合エレメントは、パドル装置すなわち混練ブロックを使用する従来のプロセスと比較して、活性成分のより少ない分解または他の成分のより少ない生成をともなって十分な度合いの混合または均質化を可能にすることが判明した。その上、同じ品質の押出物を得ながらも、押出機のバレルのより低い温度を選択することが可能である。さらに、驚くべきことに、本発明の混合エレメントはより良好な自己洗浄性効果を提供することが判明した。この自己洗浄性効果は、押し出された材料の残渣が長期間にわたって押出機の中に残ることを防ぐ。
【0026】
該押出機は、少なくとも2本の軸平行シャフトを含み、好ましい態様においては、二軸スクリュー押出機である。該シャフトは共回転するか、または逆回転するかであるが、好ましくは共回転である。該押出機は、2本以上の、たとえば、最高6本までのシャフトを含むことができる。隣接したシャフトに配置される処理エレメントは、密接に噛み合う。
【0027】
供給−搬送セクションならびに排出セクションは、供給される材料の、押出機の供給端から排出端までの円滑な通過を可能にする。供給−搬送セクションまたは排出セクションで使用される処理エレメントは、通常、エンドレススクリューエレメントの形、すなわち、基本的に連続的スクリューフライトによって特徴づけられるエレメントの形をしている。
【0028】
本発明の利点のある態様によれば、処理エレメントは、
(i)供給−搬送セクション、
(ii)供給−搬送セクションの下流に置かれる第一混合セクション、および
(iii)第一混合セクションの下流に置かれる中間搬送セクション、
(iv)中間搬送セクションの下流に置かれる逆フライトセクション(第二混合セクション)、および
(v)排出セクション、
であると定義され、そこにおいて、第一混合セクションとして定義される処理エレメントは少なくとも1個の混合エレメントを含み、逆フライトセクションと定義される処理エレメントは少なくとも1個の混合エレメントおよびそれの下流に少なくとも1個の逆フライトエレメントを含む。
【0029】
混合セクションが逆フライトセクションの上流に配置されていない場合、材料が第一混合セクションまたは逆フライトセクションに入る時、押出機に供給される材料がかなりの軟化を受けているか、またはほとんど溶融しているように、供給−搬送セクションの長さが適切に選択される。好ましくは、供給−搬送セクションは、シャフトの全長の約20〜約40%に相当する。好ましくは、排出セクションは、シャフトの全長の約15〜約30%に相当する。
【0030】
本発明の利点のある態様によれば、二軸スクリュー押出機が使用される。それは、少なくとも2本の平行した共回転シャフトを持つ。混合セクション(単数)または混合セクション(複数)において、シャフトは、噛み合う混合エレメントを具備する。混合エレメントの表面は、スクリューの外径、スクリューコアの直径および、精々、混合エレメントの中心距離に相当する円弧によって限定される。該シャフトは、シャフトに平行である押出機ハウジングの円形セグメントの上に誘導される。
【0031】
都合よくは、混合エレメントは、押出機ハウジングと、剪断作用および伸長化をもつリング部分との間の環状ギャップに材料を押し通させる圧力増大を最初に惹き起こすスクリュー部分を含み、ついで、圧力は、再び下げられる。混合エレメントの上での、剪断ギャップ通過、圧力増大、剪断ギャップ通過などの反復連鎖が、材料に明確なストレスを、したがって一様なストレスを引き起こすが、特に活性成分に過度に圧力付加することはない。
【0032】
混合エレメントのリング部分の間にあるスクリュー部分は、同一のピッチフライトを持つであろう。しかし、これらのスクリュー部分のピッチフライトは異なることもある。本発明の利点のある態様によれば、各シャフトの上の少なくとも1個の混合エレメントのスクリュー部分は、一部は順スクリューフライトを、そして一部は逆スクリューフライトを持つ。
【0033】
リング部分間の環形および/または剪断ギャップならびに押出機ハウジングの凹んだ円形セグメントは、マトリックス形成剤中での活性成分に対する十分な混合効果をもたらすために、異なる高さを持つことができる。この目的のために、リング部分は、スクリューシャフトのコア径にだけ対応してもよい。環形ギャップはまた、スクリューのフライト高さの10%〜90%の高さを持つであろう。その上、リング部分の直径は、ほぼ2本の隣接シャフトの中心距離に相当するであろう。
【0034】
物質が環形または剪断ギャップを通るその通過の間に応力を加えられる前に、それは、必要な圧力を作り出すためにスクリュー部分によって特定の搬送距離を輸送されなければならない。この目的のために、2個の隣接したリング部分の間に位置するスクリュー部分は、一般的に、スクリュー直径の少なくとも1/10の長さを、好ましくは少なくとも1/5の長さを持つ。リング部分への旋削された溝は、好ましくはフライトの高さの1/2またはそれ以下の深さを持つ。旋削された溝の側面の角度は、たとえば、30〜90度であることができる。好ましくは、斜めの溝は、特に約60度の角度で、シャフト軸へと旋削される。
【0035】
スクリューの頂部と側面での原料除去によって、混合エレメントには、さらなる部分が具備されることができる。すなわち、特に、実質的に中立的な搬送アクションをもつ混合セクションが原料除去によって具備されることができる。
【0036】
環形ギャップの後ろに、スクリューのフライトが同一ピッチ角で続くことができる。すなわち、混合エレメントのスクリュー部分は、リング部分の領域における旋削された障害物(turned interruptions)から離れて連続的スクリューフライトを作ることができる。
【0037】
リング部分は、さらなる分散表面が得られること可能にする。リング部分間のスクリュー部分が同じ回転方向で互いから漸進的な角度の偏りで、たとえば、フライト角度の半分だけの角度の偏りで配置されるならば、さらに分散表面のかなりの増大を得ることができる。角度の偏ったスクリュー部分は、さらなる分散表面として階段状のスタイルで角度的に偏った表面を形成する。
【0038】
本発明の1つの態様によれば、二軸スクリュー押出機のシャフト上で使用される混合エレメント(単数)または混合エレメント(複数)は、国際公開第2004/009326(Al)号パンフレットに記載されてあり、参照によって本明細書に取り入れられている。国際公開第2004/009326(Al)号パンフレットの図2および5は、本発明に従って使用される好ましい混合エレメントを示す。さらなる例は、以下に、添付された図面を参照しつつ記述される。
【0039】
本発明のプロセスによって生産される固体分散体は、一種以上の活性成分および、任意に、添加物を含む。添加物は、固体分散体に望ましい性質を与えるために、または、その製造を容易にするために使用することがある。活性体および添加物がプロセスのあらゆる適当なステージに押し出される混合物に取り込まれることがあるが、それは、マトリックス形成剤および/または他の成分とは別に、活性成分または添加物の一部または全体を押出機に導入することが好まれるであろう。
【0040】
したがって、本発明のプロセスの態様において、マトリックス形成剤の少なくとも一部は、押出機のホッパーに供給され、
(i)マトリックス形成剤の残留物、
(ii)活性成分、
(iii)添加物、および
(iv)それらの組合せたもの、
から選択される少なくとも1成分が、混合セクションあるいは逆フライトセクションの位置、またはそれらよりも上流の位置で押出機バレルの開口部を通して、押出機に導入される。
【0041】
好ましくは、少なくとも1種の成分は、供給−搬送セクションと混合セクションすなわち逆フライトセクションの連結点の、またはそれに近い、位置で押出機に導入される。成分は、固体である、たとえば粉末化される、こともあるが、好ましくは液体であるか、または液化される。
【0042】
最も好ましくは、少なくとも1つの成分は、薬学的に許容される界面活性剤を含む。
【0043】
押出機に供給される物質は、溶融物を均質にすること、および活性成分をポリマー中に効果的に分散させる、または溶解させるために溶融される。
【0044】
「溶融」は、液体またはゴム様状態への転移を意味し、その状態では、1つの成分が他の中に均一に埋め込まれることが可能である。溶融は、通常ポリマーの軟化点以上に加熱することを意味する。通常、最高融解温度は、70〜250℃、好ましくは80〜180℃、最も好ましくは100〜140℃の範囲にある。
【0045】
押出機ハウジングは、押出機に供給された物質から溶融物を作るために加熱される。作業温度はまた、押出機の種類または使用される押出機の内部の構成の種類によって決定されることはいうまでもない。押出機の中で成分を溶融し、混合し、そして溶解するために必要なエネルギーの一部は、加熱用エレメントによって供給することができるが、一方、押出機の中での材料の摩擦および剪断もまた、混合物に相当なエネルギー量を提供し、成分の均一な溶融物の生成を助けることができる。
【0046】
活性成分の均一な分配および十分な分散度を得るために、活性成分含有溶融物は、十分な長さの時間、溶融押出機の加熱されたバレルの中に保持される。
【0047】
本発明のさらなる態様によれば、該押出機バレルは数個の加熱ゾーンを含む。好ましくは、第一混合エレメントまたは第一逆フライトエレメントの上流のバレルの部分は、第一混合エレメントまたは第一逆フライトエレメントの下流にあるバレルの部分より低い温度に保たれる。この温度分布は、特に、活性成分にとって高すぎる温度によって損傷を受けてなかった、均一で、平滑で、透明な押出物に導くことが判明した。
【0048】
本発明によって生産される押出物の中には、1種以上の活性成分がポリマー全体に均一に分散する。これは、高分子相中に通常直径1μm未満の小さな粒子の活性成分を持つシステムを含む。これらのシステムは、熱分析(DSC)またはX線回折解析(WAXS)によって立証されるように、相当量の結晶性または微結晶性状態の活性成分を含んでいない。通常、活性成分の総量の少なくとも98重量%は、無定形状態で存在する。
【0049】
押出物がずっと化学的かつ物理的に一様であるか均質である、あるいは(熱力学によって定義されるような)1つの相から成るとき、その分散体は「固溶体」と呼ばれる。活性成分の固溶体は、好ましい物理システムである。
【0050】
ポリマーは、相当量の揮発性溶剤を含んでいない。用語「揮発性溶剤」は、水および周辺温度で液体であり、水より高い揮発性を持つあらゆる化合物を包含することが意図される。通常、該マトリックスは、重量で、25%未満、好ましくは6%未満、そして最も好ましくは3重量%未満の揮発性溶剤を含む。
【0051】
本発明によるプロセスによって作られる好ましい押出物は以下を含む:
約8〜99.9重量%(好ましくは40〜85重量%、最も好ましくは50〜70重量%)のマトリックス形成剤(またはそのようなマトリックス形成剤のあらゆる組合せ)、
約0.1〜49重量%(好ましくは1〜30重量%)の活性成分または活性成分の組合せ、
0〜25重量%(好ましくは2〜15重量%)の少なくとも1種の薬学的に許容される界面活性剤、および、
0〜25重量%(好ましくは0〜15重量%)の添加剤。
【0052】
マトリックス形成剤は、液化された状態(たとえば溶融状態)から固化し、またはゲル化して連続的マトリックスを形成するであろう。もちろん、マトリックス形成剤の混合物を使用することができる。
【0053】
有用なマトリックス形成剤は、ポリオール(すなわち糖アルコール、糖アルコール誘導体またはマルトデキストリン)、ワックスおよび脂質から選択される。
【0054】
適当な糖アルコールは、マンニトール、ソルビトール、キシリトール;糖アルコール誘導体はイソマルト、または(ドイツ国公開第(A)10262005号明細書に記載されているような)水素添加された濃縮パラチノースを含む;さらなるマトリックス形成剤はマルトデキストリン類である。
【0055】
好ましくは、マトリックス形成剤は、薬学的に許容されるポリマーまたは薬学的に許容されるポリマーの混合物を含む。通常、薬学的に許容されるポリマーは水溶性であるか、または少なくとも水分散性である。
【0056】
概して、本発明で使用される薬学的に許容されるポリマーは、少なくとも約+10℃の、好ましくは約+25℃の、最も好ましくは、40℃〜180℃のTgを持つ。「Tg」は、ガラス転移温度を意味する。有機ポリマーのTg値を測定する方法は、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)(1992年)によって出版された、L.H.スパーリング(L. H. Sperling)著「物理的高分子科学への入門(Introduction to Physical Polymer Science)」第2版に記載されている。Tg値は、個々のモノマーiの各々から誘導されるホモポリマーに対するTg値の加重総和、すなわちTg=ΣW(ここでWは有機ポリマー中のモノマーiの重量パーセントであり、Xはモノマーiから誘導されるホモポリマーに対するTg値である)である。ホモポリマーに対するTg値は、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)(1975年)によって出版された、J.ブランドラプ(J. Brandrup)およびE.H.インマーガット(E. H. Immergut)編「ポリマー・ハンドブック(Polymer Handbook)」第2版に示されている。
【0057】
上に定義したTgを持つ薬学的に許容されるポリマーは、前記固体分散体がさらなる処理なしで剤型として使用することができるか、または、少量の錠剤化助剤で圧縮して錠剤にすることができるように、機械的に安定であり、常温域内で十分熱安定である、固体分散体の調製を可能にする。剤型は、たとえば、錠剤、カプセル、移植片、薄膜、フォーム、坐薬である。
【0058】
組成物に含まれる薬学的に許容されるポリマーは、20℃で2%(w/v)の水溶液の形で溶解されるとき、好ましくは1〜50000mPa.s、より好ましくは1〜10000mPa.s、そして、最も好ましくは5〜100mPa.s、の見掛け粘度を持つポリマーである。たとえば、好ましい薬学的に許容されるポリマーは、以下を含む:
N−ビニルラクタム(特にポリビニルピロリドン(PVP))のホモポリマー、
N−ビニルラクタムのコポリマーおよびその中で共重合可能な1種以上のコモノマー(該コモノマーは窒素含有モノマーおよび酸素含有モノマーから選択される);特にN−ビニルピロリドンのコポリマーおよびカルボン酸ビニルのコポリマーである(好ましい例はN−ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルのコポリマー、またはN−ビニルピロリドンとビニルプロピオネートのコポリマーである);
セルロースエステルおよびセルロースエーテル、特にメチルセルロースおよびエチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、特にヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロースフタレートおよびサクシネート、特にセルロースセルロースフタレートおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースサクシネートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースセルロースサクシネート;
ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー(BASF社、ルートヴィッヒスハーフェン、ドイツ国、からKollicoat(登録商標)IRとして入手できる);
ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドのような高分子ポリアルキレンオキシドおよびエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマー;
メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマーのようなポリアクリレートおよびポリメタクリレート、メタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー、ブチルメタクリレート/2−ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、ポリ(ヒドロキシアルキルアクリレート)およびポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート、ポリ(エチルアクリレート−メチルメタクリレート−トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド);
ポリアクリルアミド;
ビニルセルロースとクロトン酸のコポリマーのようなビニルセルロースポリマー、特に部分的に加水分解されたポリビニルセルロース(部分的に鹸化された「ポリビニルアルコール」とも呼ばれる);
ポリビニルアルコール;
ポリ(乳酸)のようなポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリラクチド−co−グリコリド、およびポリ(3−ヒドロキシブチレ−ト)およびポリ(3−ヒドロキシブチレ−ト−co−3−ヒドロキシバレレ−ト)、あるいは、それらの1種以上の混合物。
【0059】
これらの中で、N−ビニルピロリドンのホモポリマーまたはコポリマー、特にN−ビニルピロリドンとビニルセルロースのコポリマーが好ましい。特に好ましいポリマーは、コポリマー・N−ビニルピロリドン60重量%およびコポリマー・ビニルセルロース40重量%のコポリマーである。
【0060】
ヒドロキシプロピルセルロースは、特に好ましいポリマーのもう1つの例である。
【0061】
本発明によるプロセスに使用される活性成分は、生理活性物質であり、経口投与の後、局所生理作用を及ぼすそれら、ならびに全身作用を及ぼすそれらを含む。本発明は、特に水不溶性であるか、または僅水溶性の(すなわち「親油性の」)化合物に対して有用である。25℃でのそれらの水溶解度が1g/100ml未満であるとき、化合物は水不溶性であるか、または僅水溶性であると思われる。
【0062】
適当な活性物質の例は、以下を含むが、それらに限られない:
フェンタニル、インドメタシン、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、フェノプロフェン、アセチルサリチル酸、ケトプロフェン、ナブメトン、パラセタモール、ピロキシカム、メロキシカム、トラマドールのような鎮痛および抗炎症性薬剤およびセレコキシブおよびロフェコキシブのようなCOX−2阻害剤;
プロカインアミド、キニジンおよびベラパミルのような抗不整脈薬;
アモキシシリン、アンピシリン、ベンザチン・ペニシリン、ベンジルペニシリン、セファクロル、セファドロキシル、セフプロジル、セフロキシムアクセチル、セファレキシン、クロラムフェニコール、クロロキン、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クラブラン酸、クリンダマイシン、ドキシキシクリン、エリスロマイシン、フルクロキサシリンナトリウム、ハロファントリン、イソニアジド、カナマイシン硫酸エステル、リンコマイシン、メフロキン、ミノサイクリン、ナフシリンナトリウム、ナリジキシン酸、ネオマイシン、ノルトロキサシン、オフロキサシン、オキサシリン、フェノキシメチル−ペニシリンカリウム、ピリメタミン−スルファドキシムおよびストレプトマイシンのような抗菌性および抗原生性薬剤;
ワルファリンのような抗凝血物質;
アミトリプチリン、アモキサピン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、ドチエピン、ドキセピン、フルオキセチン、レボキセチン、アミネプチン、セレジリン、ゲピロン、イミプラミン、炭酸リチウム、ミアンセリン、ミルナシプラン、ノルトリプチリン、パロキセチン、セルトラリンおよび3−[2−[3,4−ジヒドロベンゾフロ[3,2−c]ピリジン−2(1H)−イル]エチル]−2−メチル−4H−ピリド[l,2−a]ピリミジン−4−オンのような抗欝剤;
グリベンクラミドおよびメトホルミンのような抗糖尿病薬;
カルバマゼピン、クロナゼパム、エトサクシミド、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、フェノバルビトン、フェニトイン、プリミドン、チアガビン、トピラメート、バルプロミドおよびビガバトリンのような抗癲癇性薬剤;
アンホテリシン、クロトリマゾール、エコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硝酸ミコナゾール、ナイスタチン、テルビナフィンおよびボリコナゾールのような抗カビ剤;
アステミゾール、シンナリジン、シプロヘプタジン、デカルボエトキシロラタジン、フェキソフェナジン、フルナリジン、レボカバスチン、ロラタジン、ノラステミゾール、オキサトミド、プロメタジンおよびテルフェナジンのような抗ヒスタミン薬;
カプトプリル、エナラプリル、ケタンセリン、リシノプリル、ミノキシジル、プラゾシン、ラミプリル、レセルピン、テラゾシンおよびテルミサルタンのような降圧剤;
アトロピン硫酸塩およびヒヨスチンのような抗ムスカリン剤;
シスプラチンおよびカルボプラチンのような白金化合物;パクリタキセルおよびドセタキセルのようなタキサン類;カンプトセシン、イリノテカンおよびトポテカンのようなテカン類;ビンブラスチン、ビンデシン、ビンクリスチンおよびビノレルビンのようなビンカアルカロイド;5−フルオロウラシル、カペシタビン、ゲムシタビン、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビンおよびメトトレキセートのようなヌクレオシド誘導体および葉酸代謝拮抗薬;ナイトロジェンマスタード、たとえばシクロホスファミド、クロランブシル、クロルメチン、イホスファミド、メルファラン、またはニトロソ尿素、たとえばカルムスチン、ロムスチンのようなアルキル化剤、あるいは他のアルキル化剤、たとえばブスルファン、ダカルバジン、プロカルバジン、チオテパ;ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシンおよびマイトマイシンのような抗生物質;トラスツズマブのようなHER2抗体;エトポシドおよびテニポシドのようなポドフィロトキシン誘導体;ファメシル(トランスフェラーゼ阻害剤;ミトキサトロンのようなアンスラキノン誘導体、のような抗新生物薬剤および抗代謝剤
アルニジタン、ナラトリプタンおよびスマトリプタンのような抗片頭痛薬;
ブロモクリプチンメシレート、レボドパおよびセレジリンのような抗パーキンソン病薬;
アルプラゾラム、ブスピロン、クロルジアゼポキシド、クロルプロマジン、クロザピン、ジアゼパム、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルラゼパム、9−ヒドロキシリスペリドン、ロラゼパム、マザペルチン、オランザピン、オキサゼパム、ピモジド、ピパンペロン、ピラセタム、プロマジン、リスペリドン、セルフォテル、セロクエル、セルチンドール、スルピリド、テマゼパム、チオチキセン、トリアゾラム、トリフルペリドール、ジプラシドンおよびゾルピデムのような抗精神病性、催眠性および鎮静性薬剤;
ルベルゾール、ルベルゾールオキシド、リルゾール、アプチガネル、エリプロジルおよびレマセミドのような抗卒中剤;
デキストロメトルファンおよびレボドロプロピジンのような鎮咳薬;
アシクロビル、ガンシクロビル、ロビリド、チビラピン、ジドブジン、ラミブジン、ジドブジン/ラミブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、アバカビル、ロピナビル、アンプレナビル、ネビラピン、エファビレンツ、デラビルジン、インジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、アデフォビルおよびヒドロキシ尿素のような抗ウイルス薬;
アテノロール、カルベジロール、メトプロロール、ネビボロールおよびプロパノロールのようなβーアドレナリン受容体遮断剤;
アムリノン、ジギトキシン、ジゴキシンおよびミルリノンのような強心薬;
ベクロメタゾンジプロピオネート、ベタメタゾン、ブデソニド、デキサメサゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニソロン、プレドニゾンおよびトリアムシノロンのようなコルチコステロイド類;
クロルヘキシジンのような殺菌剤;
アセタゾラミド、フロセミド、ヒドロクロロチアジドおよびイソソルビドのような利尿薬;
酵素;
アネトール、アニス油、キャラウェー、カルダモン、カッシア油、シネオール、ケイ皮油、丁字油、コリアンダー油、脱メントール化ミント油、ジラ油、ユーカリ油、オイゲノール、ショウガ、レモン油、カラシ油、ネロリ油、ニクズク油、オレンジ油、ハッカ、セージ、スペアミント、テルピネオールおよびタイムのような精油類;
シメチジン、シサプリド、クレボプリド、ジフェノキシレート、ドンペリドン、ファモチジン、ランソプラゾール、ロペラミド、ロペラミドオキシド、メサラジン、メトクロプラミド、モサプリド、ニザチジン、ノルシサプリド、オルサラジン、オメプラゾール、パントプラゾール、ペルプラゾール、プルカロピド、ラベプラゾール、ラニチジン、リドグレルおよびスルファサラジンのような胃腸薬;
アミノカプロン酸のような止血剤;
アトルバスタチン、フェノフィブレート、フェノフィブリン酸、ロバスタチン、プラバスタチン、プロブコールおよびシンバスタチンのような脂質抑制剤;
ベンゾカインおよびリグノカインのような局部麻酔薬;
ブプレノルフィン、コデイン、デクストロモラミド、ジヒドロコデイン、ヒドロコドン、オキシコドンおよびモルヒネのようなオピオイド鎮痛薬;
AIT−082、エプタスチグミン、ガランタミン、メトリホナート、ミラメリン、ネオスチグミン、フィゾスチグミン、タクリン、ドネペジル、リバスティグミン、サブコメリン、タルサクリジン、キサノメリン、メマンチンおよびラザベミドのような副交感神経作動薬および抗認知症薬;
抗体、ベカプレルミン、サイクロスポリン、タクロリムス、エリスロポイエチン、イムノグロブリンおよびインシュリンのようなペプチド類およびタンパク質;
エストロゲン類:複合エストロゲン、エチニルエストラジオール、メストラノール、エストラジオール、エストリオール、エストロン;プロゲストゲン;クロルマジノンセルロース、シプロテロンセルロース、17−デアセチルノルゲスチメート、デソゲストレル、ジエノゲスト、ジドロゲステロン、エチノジオールジセルロース、ゲストデン、3−ケトデソゲストレル、レボノルゲストレル、リネストレノール、メドロキシプロゲステロンセルロース、メゲストロール、ノルエチンドロン、ノルエチンドロンセルロース、ノルエチステロン、ノルエチステロンセルロース、ノルエチノドレル、ノルゲスチメート、ノルゲストレル、ノルゲストリエノン、プロゲステロンおよびキンゲスタノールセルロースのような性ホルモン;
シルデナフィル、バルデナフィルのような刺激剤;
アムロジピン、ブフロメジル、アミルナイトライト、ジルチアゼム、ジピリダモール、ニトログリセリン、イソソルビドジナイトレート、リドフラジン、モルシドミン、ニカルジピン、ニフェジピン、オキシペンチフィリンおよびペンタエリスリトールテトラナイトレートのような血管拡張剤;
それらのN−オキシド、それらの薬学的に許容される酸または塩基付加塩およびそれらの立体化学的異性形体。
【0063】
薬学的に許容される酸付加塩類は、活性成分の塩基形体を適当な有機および無機の酸で処理することによって都合よく得ることができる酸付加塩形体を含む。
【0064】
酸性のプロトンを含む活性成分は、適当な有機および無機塩基で処理することによってそれらの無毒性金属またはアミン付加塩形体に変わることがある。
【0065】
付加塩という用語はまた、活性成分が形成することができる水和物および溶剤付加形体を含む。そのような形体物の例は、水和物、アルコラートなどである。
【0066】
活性成分のN−オキシド形体物は、その中に1個あるいは数個の窒素原子がいわゆるNーオキシドに酸化されるような活性成分を含む。
【0067】
用語「立体化学的異性形体」は、活性成分が持つことのできるすべての可能な立体異性体の形体と定義される。特に、立体中心はR−またはS−配置を持つことができ、1個以上の二重結合を含む活性成分はE−またはZ−配置を持つことができる。
ここで用いられる用語「薬学的に許容される界面活性剤」は、薬学的に許容されるイオン性または非イオン性活性剤を指す。界面活性剤の取り入れは、僅水溶性活性成分を含むマトリックスにとって特に好ましい。界面活性剤は剤型から排出される活性成分の瞬間的乳化を達成する可能性があり、および/または消化管の水性液体中での、活性成分の沈降を防止する可能性がある。
【0068】
好ましい界面活性剤は、以下から選択される:
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、たとえばポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、たとえばポリオキシエチレン(2)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(3)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ノニルフェニルエーテルまたはポリオキシエチレン(3)オクチルフェニルエーテル;
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、たとえばPEG−200モノラウレート、PEG−200ジラウレート、PEG−300ジラウレート、PEG−400ジラウレート、PEG−300ジステアレートまたはPEG−300ジオレエート);
アルキレングリコール脂肪酸モノエステル、たとえばプロピレングリコールモノラウレート(Lauroglycol(登録商標));
ショ糖脂肪酸エステル類、たとえば蔗糖モノステアレート、蔗糖ジステアレート、蔗糖モノラウレートまたは蔗糖ジラウレート;
ソルビタンモノラルラウレート(Span(登録商標))20、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート(Span(登録商標)40)、またはソルビタンステアレートのようなソルビタン脂肪酸モノエステル,
ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、たとえばポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor(登録商標)EL、BASF社)またはポリエチレングリコール40水素添加ヒマシ油(Cremophor(登録商標)RH40、BASF社)またはポリエチレングリコール60水素添加ヒマシ油(Cremophor(登録商標)RH60、BASF社)、または
エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー(別名ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーまたはポリオキシエチレンポリプロピレングリコール、例:Poloxamer(登録商標)124、Poloxamer(登録商標)188、Poloxamer(登録商標)237、Poloxamer(登録商標)388またはPoloxamer(登録商標)407(BASF社))、または、
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのモノ脂肪酸エステル、たとえばポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標)80)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(Tween(登録商標)60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート(Tween(登録商標)40)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)20)、またはそれらの1種以上の混合物。
【0069】
種々の添加物、たとえばコロイダルシリカ、潤滑剤、充填剤、崩壊剤または可塑剤、安定剤または防腐剤のような流量調整剤、が溶融物の中に含まれるであろう。
【0070】
種々の他の添加物、たとえばアゾ染料のような染料、酸化鉄または酸化チタン、あるいは天然起源の染料のような有機または無機の色素;抗酸化剤、光安定剤、ラジカル捕捉剤および細菌攻撃に対する安定剤のような安定剤、が使用されるであろう。
【0071】
これらの添加物は、プロセスのあらゆる適当な段階で活性成分とポリマーの混合物中に取り込まれるであろう。しかしながら、取扱いの容易さのために、そのような添加物を、マトリックス形成剤と押出機に供給される予定の活性成分の粉末混合物の中に含めることが好都合である。
【0072】
押出機から出る押出物は、ペースト状から粘稠性までの範囲にある。押出物が固化するにまかされる前に、該押出物は実質的になんらかの望ましい形体に直接形作られるであろう。押出物の成形は、表面に相互に対応する凹みをもつ2個の対向回転ローラーの付いたカレンダー機によって都合よく遂行される。錠剤の形体の幅広い範囲は、くぼみの異なる形体をもつローラーを使用することによって達成することができる。ローラーがその表面にくぼみを持たないならば、フィルムを得ることができる。あるいは、押出物は射出成形によって望ましい形に成形される。あるいは、押出物は、固化の前(ホットカット)でも後(コールドカット)でも、異形押出にかけて、細片にカットされる。
【0073】
その上、押出物が、ガス、たとえば二酸化炭素、または揮発性化合物、たとえば低分子量炭化水素、あるいは気体に熱分解しうる化合物のような推進剤(propellant)を含むならば、フォームが形成されうる。推進剤は、押出機中の比較的高い圧力条件下で押出物中に溶解され、そして、押出物が押出機ダイから出てくると、圧力は突然開放される。こうして、推進剤の分解性が減少し、および/または、推進剤が気化して、フォームが形成される。
【0074】
得られた固体分散体は、任意に、顆粒に粉砕されるか、または磨砕される。ついで、該顆粒は圧縮成形されるであろう。圧縮成形(compacting)は、顆粒を含む粉末体(powder mass)が低い多孔性の圧縮成形体(compact)、たとえば錠剤、を得るために、高圧下で圧縮されるプロセスを意味する。粉末体の圧縮は、普通、錠剤プレスで、より具体的には2個の可動する穿孔機の間の鋼鉄の型でなされる。
【0075】
好ましくは、流量調整剤、崩壊剤、増量剤(充填剤)および潤滑剤から選択される少なくとも1種の添加物が、顆粒を固める際に使用される。崩壊剤は、胃における成形物の急速な崩壊を促進し、開放される顆粒をお互いに分離したままに保つ。適当な崩壊剤は、架橋ポリビニルピロリドンおよび架橋カルボキシメチルセルロースのような架橋ポリマーである。適当な増量剤(「充填剤」とも呼ばれる)は、ラクトース、リン酸水素カルシウム、微結晶性セルロース(Avicel(登録商標))、ケイ酸塩、特に二酸化ケイ素、タルク、ジャガイモまたはコーンの澱粉、およびイソマルトから選択される。
【0076】
適当な流量調整剤は、高度に分散した二酸化ケイ素(Aerosil(登録商標))、ならびに動物性または植物性の脂肪またはワックスから選択される。
【0077】
潤滑剤は、顆粒を成形するのに好ましく使用される。適当な潤滑剤は、ポリエチレングリコール(たとえば、1000〜6000のMwを持つ)、マグネシウムおよびカルシウムステアレート、ナトリウムステアリルフマレートなどから選択される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0078】
以下の例は、本発明を制限することなく、それをさらに例証するのに役立つであろう。
【0079】
図1および4に示される押出機は概して類似しているので、押出機の一般的配置図は、図1を参照して記述される。
【0080】
押出機は、それ自体既知である。それは、マトリックス形成剤の中で活性成分の固体分散体を生成させるために使用されてきた。押出機は、縦方向に数個のセクションに分割されるハウジングすなわちバレル1を含む。押出機の上流側には、開口部8が活性成分の粉体Pおよびマトリックス形成剤を供給するために備えられている。普通、粉体Pが押出機のバレル1に容易に供給することができるように、この開口部の上にホッパーが置かれる。押出機の搬送方向Xにおいて、すなわち開口部8から下流に、界面活性剤のような、さらなる成分Lを投入するためのさらなる開口部9が備えられている。ここで、界面活性剤は、バレル1の内部に、液体または液化形体でポンプ注入されるか、または固体状態で投入される。さらにもっと下流に、もう1つの開口部10が、気体Gをバレル1の内部からバレル1の外側へ吸い出すために備えられている。バレル1は、搬送方向Xにある金型内で終わっており、そこへ分散体が排出される。
【0081】
その上、押出機のバレル1は、3個の加熱ゾーンH1、H2およびH3に分けられる。
これらの加熱ゾーンH1、H2およびH3におけるバレル1の温度は、活性成分とマトリックス形成剤の分散体の溶融を調節するために、調節することができる。
【0082】
押出機のバレル1の中には、2本の平行したシャフト2が配置され、その1つは図1〜4の断面図の中に示されている。好ましくは、シャフト(複数)2は共回転する。シャフト(複数)2は、軸方向に1個を他方の後ろに配置された処理エレメントを具備する。処理エレメントは押出機バレル1の中に配置されて、処理エレメントの放射状の最外部がバレル1の内壁に隣接する。非常に小さなギャップだけが、処理エレメントの最外部とバレル1の内壁の間に作られる。図1〜4は、縦方向における押出機の異なるゾーンを示すための略図に過ぎないので、処理エレメントおよび押出機バレル1をもつシャフト(複数)2は互いに離れて示されている。
【0083】
処理エレメントの付いたシャフト2は、数個のセクションに分けられる。以下において、これらのセクションは図1〜4に関して記述される。
【0084】
図1は、本発明によるプロセスの第一態様に対する処理エレメントの配置を示す。最も離れた上流にあるセクションは、供給−搬送セクションAである。このセクションAの上流側は、粉体Pをバレル1に供給するために開口部8に隣接する。セクションAの下流側に、バレル1の開口部9がバレル1の内部に界面活性剤を供給するために備えられている。供給−搬送セクションAの処理エレメントは、スクリュー式エレメント3によって作られ、それは、供給方向Xおよび均一ピッチフライトを持つエンドレススクリューを形成する。したがって、セクションAにおいて、粉体Pは押出機1に供給され、下流方向Xに搬送される。押出機1の加熱ゾーンH1およびH2は、バレル1の中の物質が供給−搬送セクションAの端部で溶融し始めるように、調節される。
【0085】
セクションAの下流には、逆フライトセクションRが配置される。逆フライトセクションRは、逆フライトエレメント14−1、14−2および14−3を含む。逆フライトエレメント14−1と逆フライトエレメント14−2の間に、スクリュー式エレメント3が、供給−搬送セクションAのスクリュー式エレメント3と同じ配列をもって配置される。逆フライトエレメント14−2と14−3の間に、2個のスクリュー式エレメント3が配置され、それもまた供給−搬送セクションAのスクリュー式エレメント3と同一である。逆フライトエレメント14−2と14−3の間のスクリュー式エレメント3の長さは、逆フライトエレメント14−1と14−2の間のスクリュー式エレメント3のそれの2倍である。逆フライトエレメント14−1〜14−3の形状は、スクリューピッチが反対の代数符号を持つという違いをもって、スクリュー式エレメント3の形状と同じである。しかしながら、逆フライトエレメント14−1〜14−3のスクリューピッチはまた、供給−搬送セクションのスクリュー式エレメント3および/または2つの逆フライトエレメント14−1〜14−3の間に配置されるスクリュー式エレメント(単・複数)のスクリューピッチの、−0.5倍〜−1.5倍の、好ましくは−0.8倍〜−1.2倍の範囲にある。
【0086】
逆フライトセクションRの下流に、排出セクションEが配置される。排出セクションEの中の押出機のシャフト2は、スクリュー式エレメント3を具備しており、それはセクションAで使用されるエレメントと同一である。排出セクションEにおいて、溶融物は押出機の金型に供給されるだけである。
【0087】
実際には、ポリマーおよびマトリックス形成剤は、開口部8を通して押出機のバレル1の内部に供給される。マトリックス形成剤および活性成分は、スクリューエレメント3によって逆フライトエレメント14−1に搬送される。加熱ゾーンH1およびH2は、ポリマーおよびマトリックス形成剤が混合エレメント11の直前で溶融し始めるように、ある温度まで加熱される。ここで同様に、界面活性剤が開口部9を通してバレル1の内部に供給される。ついで、溶融物は、逆フライトエレメント14−1を通過し、逆フライトエレメント14−1と14−2の間のスクリュー式エレメントによって第二逆フライトエレメント14−2に搬送される。ついで、溶融物は、逆フライトエレメント14−2を通過し、逆フライトエレメント14−2と14−3の間のスクリュー式エレメントによって第三逆フライトエレメント14−3に搬送される。逆フライトセクションRにおいて、主要な混合および溶融効果が遂行される。その後、均一な押出物は、排出セクションEのスクリューエレメント3によって押出機の金型に搬送される。
【0088】
図2は、本発明によるプロセスの第二態様のための、処理エレメントのもう1つの配列を示す。
【0089】
セクションAおよびEの処理エレメントは、図1に示される処理エレメントの配置におけるのと同じである。しかしながら、図2に示される配置の逆フライトセクションRが図1に示される配置の逆フライトセクションRより長いので、セクションAは図1に示されるセクションAより短くなるであろう。
【0090】
セクションAの下流に、逆フライトセクションRが配置される。この態様の逆フライトセクションRは、逆フライトエレメント14−1を含み、スクリュー式エレメント3が続き、そしてそれは、図1に示される逆フライトエレメント14−1および14−2の間に配置されるスクリュー式エレメント3と同一である。逆フライトエレメント14−2が後に続き、それは逆フライトエレメント14−1と同一である。それに続いて、スクリュー式エレメント3が配置され、それは、形ならびに長さに関してスクリュー式エレメント3(逆フライトエレメント14−1と14−2の間に配置される)と同一である。ついで、もう1つの逆フライトエレメント14−3が配置され、それは最初の2個の逆フライトエレメント14−1および14−2と同一である。それに続いて、さらなるスクリュー式エレメント3が配置され、それは、形および長さにおいて、逆フライトエレメント14−1と14−2の間、ならびに14−2と14−3の間に配置されるスクリュー式エレメント3と同一である。最後に、逆フライトエレメント14−4は、逆フライトセクションRの端に配置され、それは前述の逆フライトエレメント14−1〜14−3と同一である。
【0091】
図1および2に示される装置で使用される逆フライトエレメントは、基本的な形がスクリューエレメントのそれであるエレメントである。そのようなエレメントは、従来知られている混練エレメントまたは改良混練エレメントとは異なる。特に、混練エレメントは、その周辺の隆起(すなわち、その外縁)と押出機のバレルすなわち内腔の間で押出物の増大された流れを可能にする。本発明によるスクリュー式エレメントに基づく逆フライトエレメントは、少量の押出物がスクリューの端と押出機のバレルすなわち内腔の間を流れるのを許すだけである。
【0092】
その上、逆フライトエレメントは、全体的な搬送方向に平行で逆向きの法線(a normal)をもつ平坦な表面を持たない。さらに、逆フライトエレメントは、全体的な搬送方向に対して垂直である突合せ面(abutting faces)を持たない。
【0093】
図3に関して、本発明の第三態様に対する処理エレメントのさらなる配置が記述される。
【0094】
セクションAおよびEの処理エレメントは、図1に示される処理エレメントの配置におけるのと同じである。しかしながら、セクションAは、図1で示されるセクションAより短いであろう。
【0095】
セクションAの下流に、混合セクションBが配置される。混合セクションBにある処理エレメントは、いわゆるパドル装置すなわち混練ブロック4を含み、それは円板カムから成る。
【0096】
混合セクションBの下流側に、中間の搬送セクションCが作られる。中間セクションCの処理エレメントは、供給−搬送セクションAで使用されるのと同様のスクリュー式エレメント3である。したがって、中間の搬送セクションCは、混合セクションBから次のセクションへ溶融物を搬送するだけである。
【0097】
中間の搬送セクションCの下流に、逆フライトすなわち第二の混合セクションDが配置される。セクションDにおいて、処理エレメントはパドル装置すなわち混練ブロック5および6である。混練ブロック6の下流側に、逆フライトエレメント7が置かれる。逆フライトエレメント7は、望ましい度合いの混合および/または均質化を可能にするために十分な逆圧を作り出すのに役立つ。それは、混合セクションBおよびDに材料を蓄積する。逆フライトエレメント7は逆ピッチフライトを持つスクリュー式エレメントに由来し、それは、押出機の搬送方向Xに関して逆方向に溶融物を搬送する。逆フライトエレメント7は、図1および2に示される逆フライトエレメント14と同一である。
【0098】
パドル装置すなわち混練ブロック5および6の使用はそれ自体知られていると言わなければならない。しかしながら、図3に示される押出機の配置に関連しての逆フライトエレメント7の使用は、それ自体知られていない。
【0099】
第二混合セクションDの下流に、排出セクションEが配置される。押出機2のシャフト2はスクリュー式エレメント3を備えていて、それはセクションAおよびCで使用されるエレメントと同一である。排出セクションEにおいて、溶融物は押出機の金型に供給されるだけである。
【0100】
図4に関して、本発明によるプロセスの第四態様のための処理エレメントの更なる配置が記述される。
【0101】
セクションA、CおよびEの処理エレメントは、図3に示される処理エレメントの配置におけるのと同様である。図4の配置は、セクションBとDの処理エレメントにおける図3の配置とは異なる。セクションBにおいて第四態様に使用される押出機のシャフト2が、第三様態のセクションBのパドル装置すなわち混練ブロック4の代わりに特別の混合エレメント11を具備する。混合エレメントは、図5〜7を参照して下にさらに詳しく記述される。その上、第四態様の押出機の第二混合セクションDにおいて、シャフトは、第三態様のセクションDのパドル装置すなわち混練ブロック5および6の代わりに特別な混合エレメント12、13を具備する。混合エレメント12、13は、再度、図5〜7を参照して下にさらに詳しく記述される。混合エレメント12、13は、第一混合セクションBの混合エレメント11と同一であってよい。しかしながら、図5に示される態様においては、該混合エレメントは、部分12および13に分けられ、部分12は順供給方向を持ち、部分13は逆供給方向すなわち逆フライトを持つ。
【0102】
混合エレメント12、13の下流に、逆フライトエレメント14が配置され、それは、上述の逆フライトエレメント14−1〜14−3および7に対応する。
【0103】
混練ブロック4の長さは、混合エレメント11の長さに対応し、そして、混練ブロック5、6の長さは、混合エレメント12、13の長さに対応することは留意されるべきである。
【0104】
第二混合セクションDの下流に、排出セクションEが配置される。押出機のシャフト2は、スクリュー式エレメント3を備え、それはセクションAおよびCで使用されるエレメントと同一である。排出セクションEにおいては、溶融物は押出機の金型に供給されるだけである。
【0105】
実際には、ポリマーおよびマトリックス形成剤は、開口部8を通して押出機のバレル1の内部に供給される。マトリックス形成剤および活性成分は、スクリューエレメント3によって混合エレメント11に搬送される。加熱ゾーンH1およびH2は、ポリマーおよびマトリックス形成剤が混合エレメント11の直前で溶融し始めるように、ある温度まで加熱される。ここで、界面活性剤は、開口部9を通してバレル1の内部に供給される。ついで、該溶融物は、混合エレメント11を通過し、中間の搬送セクションCのスクリューエレメント3によって混合エレメント12、13、そしてその後に逆フライトエレメント14を含む第二混合セクションDに搬送される。ここで、主要な混合および溶融効果が遂行される。その後、均一な押出物は、排出セクションEのスクリューエレメント3によって押出機の金型に搬送される。
【0106】
以下において、混合セクションBおよびDで使用されるであろう混合エレメントの実例が図5〜7に関して記述される。
【0107】
一般に、図5〜7に示され、そして2本のシャフト2の混合エレメント11〜13として使用される、混合エレメント15、20および24は、3個の円弧から成る横断プロファイル23を持つ。1つの円弧は、外側のスクリューの直径に相当する直径を持ち、もう1つの円弧はスクリュー核の直径に相当する直径を持ち、さらなる円弧は、その半径が混合エレメントの2個のエレメントの中心距離に相当する直径を持つ(欧州特許(B)第0002131号明細書参照)。
【0108】
さらに、混合エレメント15、20および24は、混合エレメント15、20および24がシャフト2と共に回転することができるように、シャフト2の溝との噛み合わせのための突起を持つ内腔22を含む。
【0109】
図5Aおよび5Bから見られるように、混合エレメント15は、軸中心線と同心であって、他からはある距離離れて配置される5個のリング部分16を持つ。リング部分16は、混合エレメント15に向けて旋削された溝によって得られる。軸中心線と溝のフランク18との角度は、約60度である。リング部分16と押出機バレル1の内壁の間の環形ギャップ19の高さは、ほぼフライトの高さ、すなわちコア径とスクリューの外径の差、である。こうして、リング部分8の直径はスクリューのコア径に相当する。
【0110】
混合エレメント15において、リング部分16をもつ旋削された溝によってだけ遮断される連続スクリューのフライトが作られるであろう。対照的に、リング部分16の間の混合エレメント15のスクリュー部分はまた、同じ回転方向で互いから漸進的な角度の偏りで配置されるであろう。
【0111】
図5Aおよび5Bに示される態様における混合エレメント15のリング部分16の間のスクリューセクション17a、17b、17c、17dは、同じスクリューピッチを持つ。図5Aおよび5Bで示される混合エレメント15は、特に、図5で示されるように混合セクションBの混合エレメント11として使用されることがある。
【0112】
混合エレメント20のさらなる実例が図6Aおよび6Bに示される。混合エレメント20は、リング部分16の間のスクリューセクション21a、21b、21c、21dにあるエレメント15とは異なる。スクリューセクション21aおよび21bは、混合エレメント15の17aおよびI7bに相当するであろう。しかしながら、混合エレメント20のスクリューセクション21cおよび21dは、混合エレメント15のスクリューセクション17cおよび17dとは異なる。すなわち、スクリューセクション21cおよび21dは、これらのセクション21cおよび21dが押出機の全体的な方向Xおよびスクリューセクション21aおよび21bの搬送方向とは逆の方向に溶融物を搬送するように、逆フライトスクリューを持つ。
【0113】
スクリューセクション21aおよび21bは、図6Aおよび6Bに示されるようにスクリューセクション21cおよび21dと一体的に作られるであろう。しかしながら、2個の混合エレメントもまた備えられ、1つはスクリューセクション21aおよび21bを含み、もう1つはスクリューセクション21cおよび21dを含む。混合エレメント20は、図5に示される第二混合セクションDの混合エレメント12、13に相当するであろう。
【0114】
混合エレメント24のさらなる実例が図7Aおよび7Bに示される。スクリューセクション26a、26b、26cおよび26dに関して、混合エレメント24は、図6Aおよび6Bに示される混合エレメント20に類似する。スクリューセクション26aおよび26bは、正の(positive)スクリューフライトを持ち、スクリューセクション26cおよび26dは負の(negative)スクリューフライトすなわち逆フライトスクリューを持つ。
【0115】
その上、混合エレメント24は、リング部分25と押出機バレル1の間の環形ギャップ27において混合エレメント20および15とは異なる。混合エレメント24の実例において、環形ギャップ27の高さは、フライトの高さの約半分、すなわちコア径とスクリュー外径の差の半分である。こうして、リング部分8の直径は、2本のシャフトの互いからの中心距離にほぼ相当する。混合エレメント20および15のリング部分16の直径と比較してリング部分25のより大きな直径は、溶融物に対する障壁を提供する。そのような障壁は、混合エレメント24が図5に示されるように第二混合セクションDにおける混合エレメント12、13として使用されるならば、利点があることが判明した。該障壁は、押出物の圧力が材料供給側で高められる押出機の中で圧縮成形ゾーンを提供する。
【0116】
以下は、ポリマー中の活性成分の同じ固体分散体が、まず、比較例として図3に示されるスクリュー配置をもつ押出機および、次に、図5に示されるスクリュー配置をもつ押出機によって生産された実施例を提供する。
【実施例1】
【0117】
押出物は、表1に示された成分から調製した。
【0118】
【表1】

【0119】
活性成分、ポリマーおよび滑走剤を十分に混合し、得られた粉体を二軸スクリュー押出機(ウェルナー・アンド・プファイデラー(Werner & Pfleiderer)社、ドイツ国、によって製造されたZSK−40)に供給した。スクリュー形状は、搬送エレメントに加えて逆フライトエレメントを含み、図1に示す。押出成形プロセスの間に、粉体混合物を溶融させた。押出機の最後の3分の1において、混合物を真空にかけた。プロセスパラメーターは、表2に列挙する。押出成形工程に続いて、材料をカレンダー機で成形し、冷却すると、帯状の(a band of)レンズ豆形押出物が現われた。
【0120】
【表2】

【0121】
押出物の性質は良好である。そして、そのことは、カレンダー加工によって押出物を成形することができることを意味する。
【実施例2】
【0122】
押出物は、表3に示す成分から調製した。
【0123】
【表3】

【0124】
活性成分、ポリマーおよび滑走剤を十分に混合し、得られた粉体は二軸スクリュー押出機(ウェルナー・アンド・プファイデラー社、ドイツ国、によって製造されたZSK−40)に供給した。スクリュー構成は、搬送エレメントに加えて混練ブロックを含んでいて、図3に示されている。乳化剤を液体投入ポンプによって押出機に供給した。乳化剤は、押出機中の材料を第一混練ブロックセクションに到達する直前の位置で添加した。押出成形プロセスの間に、液体乳化剤は粉体と混練し、その混合物を溶かした。押出機の最後の3分の1で、混合物を真空にかけた。プロセスパラメーターは、表4に列挙されている。押出成形工程に続いて、材料をカレンダー機で成形し、冷却すると、帯状のレンズ豆形押出物が現出した。
【0125】
【表4】

【0126】
押出物に対する分析試験結果を表5に示す。ロピナビル/リトナビル含量および主要なリトナビル分解体の含量はHPLCによって測定した。水分含量はカールフィッシャー滴定法によって測定し、結晶化度に対する試験はDSCによって行った。
【0127】
【表5】

【実施例3】
【0128】
実施例2を繰り返した。しかしながら、スクリューは異なったふうに設計された:混練ブロックの代わりに、それは混合エレメントを含んだ。このスクリューの構成は図4に示されている。スクリューZSK40−54(図3)の中の混練ブロックは、両混合領域が長さにおいて等しい混合エレメントによって置換される。混合セクションBは、図5の通りに混合エレメント15を含み、混合セクションDは、図6の通りに混合エレメント20を含む。プロセスパラメーターを表6に示し、分析結果を表7に示す。
【0129】
【表6】

【0130】
【表7】

【0131】
表5および表7にある結果から、明らかに、混合エレメントを含むスクリューでの進行の間よりも混練ブロックをもつスクリューでの押出成形の間で、分解が顕著である。
【0132】
処方1と比較して処方2で観測されるより高い分解は、プロセスパラメーターに起因させることができる。より高い乳化剤量を粉体混合物に均一に混入するために、スクリュー速度および押出温度を上げねばならなかった(表4および表6)。より高いエネルギー入力は、望ましい均一な押出物へだけでなく、また分解の増大へと導いた。スクリュー回転数の増加は普通押出物中への空気の取り込みを伴うので、処方2に対しては真空度を上げた。高くなった真空度は、順にエネルギー入力を増し、それによって強化された混合に寄与する。もう1つの結果は、製品のより低い水分含量である。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明によるプロセスに従った実例のために使用した押出機の断面の概略図である。
【図2】本発明によるプロセスの態様のための、押出機の実例の断面の概略図である。
【図3】本発明によるプロセスに従った実例のために使用したパドル装置すなわち混練ブロックを含むスクリューを含む押出機の断面の概略図である。
【図4】本発明によるプロセスに従った実例のために使用した押出機の断面の概略図である。
【図5A】本発明に従った混合エレメントの1つの好ましい態様を示す図である。
【図5B】本発明に従った混合エレメントの1つの好ましい態様を示す図である。
【図6A】本発明に従った混合エレメントのもう1つの好ましい態様を示す図である。
【図6B】本発明に従った混合エレメントのもう1つの好ましい態様を示す図である。
【図7A】本発明に従った混合エレメントのもう1つの好ましい態様を示す図である。
【図7B】本発明に従った混合エレメントのもう1つの好ましい態様を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分とマトリックス形成剤を押出機に供給することおよび均一な押出物を作ることを含む、活性成分の固体分散体を生産するためのプロセスであって、前記押出機が少なくとも2個の回転シャフト(2)を含み、該シャフト(2)の各々は軸線上で1個を他方の後ろに配置された複数の処理エレメントを持ち、該処理エレメントは、
(i)供給−搬送セクション(A)、
(ii)少なくとも1個の逆フライトセクション(R、D)、および、
(iii)排出セクション(E)、
と定義され、逆フライトセクション(R、D)と定義される処理エレメントが、前記押出機の全体的な搬送方向とは逆向きの搬送方向を持つスクリュー式エレメントに基づく少なくとも1個の逆フライトエレメント(14)を含むことを特徴とするプロセス。
【請求項2】
逆フライトセクション(R、D)と定義される処理エレメントは、少なくとも2個の逆フライトエレメント(14)、および、2個の逆フライトエレメントの間に配置される、少なくとも1個の順フライトスクリュー式エレメント(3)を含む請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
供給−移送セクション(A)と定義される処理エレメントが順フライトスクリュー式エレメント(3)を含み、そして前記の少なくとも1個の逆フライトエレメント(14)のスクリューピッチが、供給−搬送セクション(A)のスクリュー式エレメント(3)および/または2個の逆フライトエレメント(14)の間に配置される順フライトスクリュー式エレメント(3)のスクリューピッチの(−0.5)倍〜(−1.5)倍の範囲にある請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
逆フライトセクション(R、D)と定義される処理エレメントが少なくとも3個の逆フライトエレメント(14−1〜14−3)を含み、少なくとも1個の順フライトスクリュー式エレメント(3)がそれぞれの連続する逆フライトエレメント(14)の間に配置される請求項1〜3のいずれかに記載のプロセス。
【請求項5】
第二と第三の逆フライトエレメント(14−2、14−3)の間に配置される順フライトスクリュー式エレメント(3)の長さが第一と第二の逆フライトエレメント(14−1、14−2)の間に配置される順フライトスクリュー式エレメント(3)の長さの1〜15倍の範囲にある請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
逆フライトセクション(R、D)と定義される処理エレメントが少なくとも4個の逆フライトエレメント(14−1〜14−4)を含み、少なくとも1個の順フライトスクリュー式エレメントがそれぞれの連続する逆フライトエレメントの間に配置され、ならびに連続する逆フライトエレメントの間に配置される順フライトスクリュー式エレメント(3)が同じ長さを持つ、請求項1〜3のいずれかに記載のプロセス。
【請求項7】
前記処理エレメントが、さらにスクリュー式エレメントに由来する少なくとも1つの混合エレメント(11、12、13)を含み、前記混合エレメント(単・複数)(11、12、13)がスクリュー式エレメントのスクリューフライトの中に作られたくぼみを有することを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項8】
少なくとも1個の逆フライトエレメント(14)が前記混合エレメント(単・複数)(11、12、13)の下流に置かれる、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
少なくとも1つの前記混合エレメント(11、12、13)がスクリュー式エレメントの中へと旋削された溝によって作られた複数の同心性リング部分(16、25)を持つ、請求項7または8に記載のプロセス。
【請求項10】
少なくとも1つの前記混合エレメント(11、12、13)が全体的な搬送方向に平行で逆向きの法線をもつ平坦な表面を持たない、請求項7〜9のいずれかに記載のプロセス。
【請求項11】
少なくとも1つの前記混合エレメント(11、12、13)が全体的な搬送方向に対して垂直である面を持たない、請求項7〜10のいずれかに記載のプロセス。
【請求項12】
少なくとも1つの前記混合エレメント(11、12、13)が全体的な搬送方向に対して垂直である突合せ面を持たない、請求項7〜11のいずれかに記載のプロセス。
【請求項13】
前記処理エレメントは、
(i)供給−搬送セクション(A)、
(ii)第一混合セクション(B)、
(iii)中間搬送セクション(C)、
(iv)逆フライトセクション(D)、および、
(v)排出セクション(E)、
と定義され、第一混合セクション(B)と定義される処理エレメントは、少なくとも1個の混合エレメント(11、12、13)を含み、逆フライトセクション(D)と定義される処理エレメントは、少なくとも1個の混合エレメント(11、12、13)およびその下流に少なくとも1個の逆フライトエレメント(14)を含むことを特徴とする、請求項7〜12のいずれかに記載のプロセス。
【請求項14】
前記マトリックス形成剤の少なくとも一部が前記押出機のホッパーに供給され、
(i)マトリックス形成剤の残り、
(ii)活性成分、
(iii)添加物、および、
(iv)それらの組合せ
から選択される少なくとも1つの成分が、押出機バレル(1)にある開口部(8)を通して混合セクション(B)または逆フライトセクション(R、D)の位置、またはそれらよりも上流の位置で前記押出機に導入される、先行する請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項15】
少なくとも1つの成分が供給−搬送セクションと混合セクション(B)または逆フライトセクション(R、D)の接合点の、またはその近くの、位置で前記押出機に導入される、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
少なくとも1つの成分が液体であるか、または液化性である、請求項14または15に記載のプロセス。
【請求項17】
少なくとも1つの成分が薬学的に許容される界面活性剤を含む、請求項14〜16のいずれかに記載のプロセス。
【請求項18】
活性成分が固溶体の状態でポリマー中に分散する、先行する請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項19】
マトリックス形成剤が薬学的に許容されるポリマーを含む、先行する請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項20】
前記の薬学的に許容されるポリマーが、
N−ビニルラクタムのホモポリマー、
N−ビニルラクタムと窒素含有モノマーまたは酸素含有モノマーから選択される1つ以上のコモノマーのコポリマー、
セルロースエステルおよびセルロースエーテル、
高分子量ポリアルキレンオキシド、
ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、
オリゴ−およびポリ−サッカライド、
ポリ(ヒドロキシ酸)、またはそれらの混合物
からなる群から選択される、請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
前記マトリックス形成剤がポリオール、ワックスおよび脂質のいずれかから選択される部材を含む、先行する請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項22】
さらに、流量調整剤類−潤滑油、充填剤、崩壊剤、可塑剤、スタビライザーまたは防腐剤、からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を押出機中に供給することを含む、先行する請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項23】
押出物が1つの剤型に直接成形される、先行する請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項24】
成形がカレンダー加工、射出成形または異形押出成形によって遂行される、請求項23に記載のプロセス。
【請求項25】
さらに、固化した押出物を磨砕することを含む、先行する請求項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項26】
さらに、前記の固体分散体を錠剤に成形することまたは前記固体分散体をカプセル殻に詰めることを含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項27】
さらに、前記錠剤にフィルムコートを塗布することを含む、請求項26に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2009−533320(P2009−533320A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557771(P2008−557771)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052315
【国際公開番号】WO2007/104748
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(506382275)アボット ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー (11)
【Fターム(参考)】