説明

液位検出装置、ポンプ装置及び車両用ウォッシャ装置

【課題】コネクタの接続作業を容易に行うことができる液位検出装置を提供する。
【解決手段】ポンプ本体21は、給電端子48bが導出されたコネクタ部49を備える。液位検出アダプタ22は、コネクタ部49との接続により給電端子48bと接続される接続端子75bを有する第1コネクタ部79と、液位検出電極74a,74bを支持する側壁部71aと、接続端子75bに接続された電源端子及び液位検出電極74a,74bに接続された出力端子を有する第2コネクタ部80とを備える。第2コネクタ部80には、電源端子をバッテリに接続するとともに液位検出電極74a,74b間の導通状態に応じた液位検出信号を取り出すための外部コネクタ81が接続される。液位検出アダプタ22は、液位検出電極74a,74bが第2開口部11eからタンク3内に突出するように側壁11aに取り付けられて、液位検出信号を出力端子から出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク内の液体の液位を検出する液位検出装置、タンク内に貯留された液体を車両のフロントガラスやリヤガラスに吐出するためのポンプ装置、及び該ポンプ装置を備えた車両用ウォッシャ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、モータの駆動力によりインペラを回転させてウォッシャタンク内の洗浄液(液体)を車両のフロントガラスやリヤガラスに吐出する車両用ウォッシャ装置には、ウォッシャタンク内の洗浄液の液位(タンクの底部からの液面の高さ)を検出する液位検出装置を備えたものがある。例えば、特許文献1に記載された液位検出装置は、ウォッシャタンクの側壁における下方寄りの部位から同タンク内に突出するように配置された一対の液位検出電極を備えるとともに、これら一対の液位検出電極は鉛直方向に間隔を空けて配置されている。また、これら液位検出電極は、ウォッシャタンク内の洗浄液の液位が低位である場合に警告灯を点灯させるための警告ECUに電気的に接続されている。そして、ウォッシャタンク内の洗浄液の量が十分である場合には、一対の液位検出電極の両方ともが洗浄液に浸かっており、洗浄液を介して2つの液位検出電極が導通されるため警告灯は消灯されている。一方、ウォッシャタンク内の洗浄液が低位となり、一方の液位検出電極が洗浄液から露出して一対の液位検出電極間の導通が遮断されると、警告灯が点灯されて、洗浄液の液位が低位であることが車両の運転者等に警告される。
【特許文献1】特開2008−14866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1に記載の液位検出装置を備えた車両用ウォッシャ装置においては、液位検出装置と、モータの駆動力によりインペラを回転させて洗浄液を吐出するポンプとがそれぞれウォッシャタンクの側壁に取り付けられている。そのため、一対の液位検出電極の導通状態に応じた検出信号を取り出すための外部コネクタを液位検出装置のコネクタ部に接続し、更に、モータに電源を供給するための外部コネクタを同ポンプのコネクタ部に接続することになる。また、ポンプが、正逆回転されるモータの回転方向に応じて2つの吐出口の何れか一方から択一的に洗浄液を吐出するように構成されている場合には、液位検出装置及びポンプに加えて、モータに供給する電源電圧の極性を切り換える制御リレーが更にタンクに取り付けられる。この場合には、ポンプと制御リレーとを電気的に接続するとともに制御リレーを外部電源に電気的に接続することになるため、更に多くの外部コネクタを要することになる。従って、液位検出装置を備えた車両用ウォッシャ装置においては、外部コネクタに接続されたワイヤハーネスの取り回しが複雑となってしまい、コネクタの接続作業が繁雑になるという問題があった。
【0004】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、コネクタの接続作業を容易に行うことができる液位検出装置、ポンプ装置及び車両用ウォッシャ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、第1開口部が開口形成されるとともに前記第1開口部よりも上部に第2開口部が開口形成された側壁を有し内部に液体が貯留されたタンクに対して、前記液体の液位を検出するための少なくとも一対の液位検出電極が前記第2開口部から前記タンク内に突出するように取り付けられ、対をなす前記液位検出電極間の導通状態に応じた液位検出信号を出力する液位検出装置であって、前記第1開口部に吸入部が挿入され前記タンク内の前記液体を前記吸入部から吸入して吐出口から吐出するポンプ本体に一体に設けられた該ポンプ本体に給電するための給電端子が導出されたコネクタ部に接続されるとともに、前記コネクタ部との接続により前記給電端子と接続される接続端子を有する第1コネクタ部と、対をなす前記液位検出電極を支持する電極支持部と、前記接続端子に接続された電源端子、及び対をなす前記液位検出電極に接続されて前記液位検出信号を出力する出力端子を有し、前記電源端子を外部電源に接続するとともに前記液位検出信号を取り出すための外部コネクタが接続される第2コネクタ部と、を備えたことをその要旨としている。
【0006】
同構成によれば、外部コネクタを介して取り出された液位検出信号に基づいて、タンク内の液体の液位が、所定位置よりも高位であるか低位であるかを検出可能である。また、ポンプ本体のコネクタ部と、液位検出アダプタの第1コネクタ部とを接続することにより、ポンプ本体と液位検出装置とをアッセンブリ化することができる。更に、コネクタ部と第1コネクタ部とを接続すると、ポンプ本体の吸入部と、液位検出アダプタの対をなす液位検出電極との位置関係が決定される。従って、ポンプ本体と液位検出装置とをアッセンブリ化してなるポンプ装置を、吸入部を第1開口部に挿入するとともに液位検出電極を第2開口部に挿入してタンクに取り付けると、吸入部に対して所定の位置関係でタンク内の液体の液位を検出することができる。また、ポンプ本体に給電すべく外部電源に接続される電源端子と、液位検出信号を出力する出力端子とが液位検出アダプタの第2コネクタ部に集約されているため、第2コネクタ部に外部コネクタを接続することにより、ポンプ本体への給電及び液位検出信号の外部出力が可能となる。従って、ポンプ本体に給電するために同ポンプ本体に直接接続する外部コネクタが不要となるため、接続するコネクタの数が減少される。その結果、外部コネクタの接続作業を容易に行うことができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、タンク内の液体を吸入するための吸入部が、前記タンクの側壁に開口形成された第1開口部から前記タンク内に挿入された状態で前記タンクの側壁に取り付けられるポンプ装置であって、モータ室内に配置されたモータと、ポンプ室内に配置され前記モータにより回転されるインペラと、前記モータに給電するための給電端子を備えたコネクタ部とを有し、前記インペラの回転により前記吸入部から前記ポンプ室に吸入された液体を吐出口から吐出するポンプ本体と、前記コネクタ部との接続により前記給電端子と接続される接続端子を備えた第1コネクタ部と、前記タンクの側壁における前記第1開口部よりも上部に開口形成された第2開口部から前記タンク内に突出される少なくとも一対の液位検出電極を支持する電極支持部と、前記接続端子に接続された電源端子及び対をなす前記液位検出電極間の導通状態に応じた液位検出信号を出力する出力端子を備え前記電源端子を外部電源に接続するとともに前記液位検出信号を取り出すための外部コネクタが接続される第2コネクタ部とを有する液位検出アダプタと、を備えたことをその要旨としている。
【0008】
同構成によれば、ポンプ本体のコネクタ部と、液位検出アダプタの第1コネクタ部とを接続することにより、ポンプ本体と液位検出アダプタとをアッセンブリ化することができるとともに、ポンプ本体の吸入部と、液位検出アダプタの液位検出電極との位置関係が決定される。従って、ポンプ本体と液位検出アダプタとをアッセンブリ化してなるポンプ装置を、吸入部を第1開口部に挿入するとともに液位検出電極を第2開口部に挿入してタンクに取り付けると、吸入部に対して所定の位置関係でタンク内の液体の液位を検出することができる。また、ポンプ本体のモータに給電すべく外部電源に接続される電源端子と、液位検出信号を出力する出力端子とが液位検出アダプタの第2コネクタ部に集約されているため、第2コネクタ部に外部コネクタを接続することにより、ポンプ本体のモータへの給電及び液位検出信号の外部出力が可能となる。従って、モータに給電するためにポンプ本体に接続する外部コネクタが不要となるため、接続するコネクタの数が減少される。その結果、外部コネクタの接続作業を容易に行うことができる。また、外部コネクタを介して取り出された液位検出信号に基づいて、タンク内の液体の液位が、所定位置よりも高位であるか低位であるかを検出することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のポンプ装置において、前記液位検出アダプタは、前記接続端子を囲繞する第1コネクタハウジングと、前記出力端子及び前記電源端子を囲繞する第2コネクタハウジングと、前記電極支持部とが一体に形成されたアダプタハウジングを有し、前記電極支持部は、前記アダプタハウジングから外側に突出した形状をなし、対をなす前記液位検出電極は、各前記液位検出電極の先端部が前記電極支持部の先端部から露出した状態で前記電極支持部にて支持されたことをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、電極支持部は、アダプタハウジングから外側に突出した形状をなすとともに、対をなす液位検出電極は、各液位検出電極の先端部が電極支持部の先端部から露出した状態で該電極支持部によって支持されている。従って、液位検出電極を第2開口部に挿入する際にタンク側から作用する抗力を電極支持部にて受け止めることができる。その結果、各液位検出電極の電気接続部分に前記抗力が作用することが抑制される。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載のポンプ装置において、前記液位検出電極は、ゴム材よりなるグロメットに貫通形成された電極挿通孔に液密に挿通されるとともに、前記グロメットを介して前記第2開口部に挿入されることをその要旨としている。
【0012】
同構成によれば、液位検出電極は、ゴム製のグロメットに設けられた電極挿通孔に液密に挿入されているため、液位検出電極とグロメットとの間からの液漏れが防止される。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載のポンプ装置において、前記液位検出アダプタは、前記モータに供給される電源電圧の極性を切り換える極性切換回路を備えるとともに、前記極性切換回路を介して前記電源端子と接続される2つの前記接続端子を備え、前記ポンプ本体は、2つの前記吐出口と、供給される電源電圧の極性に応じて正回転及び逆回転される前記モータと、2つの前記給電端子とを備え、前記モータにて正回転及び逆回転される前記インペラの回転方向に応じて、前記ポンプ室に吸入された前記液体を2つの前記吐出口のうち何れか一方の吐出口から吐出することをその要旨としている。
【0013】
同構成によれば、ポンプ本体のモータに供給される電源電圧の極性を切り換える極性切換回路は、液位検出アダプタに備えられ、電源端子は、極性切換回路を介して接続端子と接続されている。従って、ポンプ本体が、モータの回転方向に応じて2つの吐出口のうち何れか一方の吐出口から液体を吐出するように構成されている場合であっても、ポンプ本体若しくは液位検出アダプタに別途コネクタ部を設けなくてもよいため、接続するコネクタの数の増加が防止される。従って、コネクタの接続作業を容易に行うことができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、車両に搭載されて洗浄液が貯留される前記タンクと、前記タンクの前記側壁に取り付けられた請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載のポンプ装置とを備え、前記車両の被洗浄面に前記洗浄液を噴射する車両用ウォッシャ装置としたことをその要旨としている。
【0015】
同構成によれば、タンクに取り付けられたポンプ装置の第2コネクタ部に、外部電源に接続されて給電するための且つ液位検出信号を取り出すための車両側の外部コネクタを接続することにより、ポンプ本体のモータに給電可能となるとともに液位検出信号を外部に取り出すことが可能となる。従って、車両用ウォッシャ装置において、コネクタの接続作業を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、コネクタの接続作業を容易に行うことが可能な液位検出装置、ポンプ装置及び車両用ウォッシャ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、車両用ウォッシャ装置1の全体構成図である。図1に示すように、車両用ウォッシャ装置1は、車両2のエンジンルーム内に設置されるウォッシャタンク3と、該ウォッシャタンク3に取り付けられたポンプ装置4と、車両2のフロントガラス2aに洗浄液5(図3参照)を噴射するフロントノズル6と、車両2のリヤガラス2bに洗浄液5を噴射するリヤノズル7と、車室内に配置された操作スイッチ8とを備えている。尚、フロントノズル6及びリヤノズル7は、それぞれ配管9,10によってポンプ装置4と接続されている。そして、本実施形態の車両用ウォッシャ装置1は、操作スイッチ8の操作に応じて、ポンプ装置4はフロントノズル6若しくはリヤノズル7から択一的に洗浄液5を噴射する。
【0018】
図2に示すように、合成樹脂製のウォッシャタンク3は、上側に開口した箱状をなすタンク本体11と、該タンク本体11の開口部を閉塞する蓋部12とから構成されている。エンジンルームにおいて下側に配置されるタンク本体11は、平板状の底部11aと、該底部11aの周縁部から上方に立設された側壁11bとが一体に形成されてなる。一方、前記蓋部12は、タンク本体11よりも浅い箱状をなし、その開口部がタンク本体11の開口部に応じた形状とされている。また、蓋部12の上底部12aには、ウォッシャタンク3内に洗浄液5(図3参照)を注入するための注入口(図示略)が設けられるとともに、該注入口は、着脱可能なキャップ13にて閉塞されている。そして、タンク本体11と蓋部12とは、互いの開口部を合わせた状態で熱溶着等により液密に固定され、タンク本体11と蓋部12とによって形成された空間内に洗浄液5が貯留される。
【0019】
また、図3に示すように、前記タンク本体11の側壁11bの一部には、ポンプ装置4を取り付けるための取り付け部11cが設けられており、該取り付け部11cは、底部11aと直交するように、即ち鉛直方向と平行をなすように形成されている。そして、取り付け部11cには、鉛直方向に間隔を空けて2つの開口部11d,11e(第1開口部11d、第2開口部11e)が該取り付け部11cを貫通するように開口形成されている。各開口部11d,11eは、円形状に開口するとともに、取り付け部11cにおいて第1開口部11dよりも上部に第2開口部11eが形成されている。
【0020】
図4に示すように、ポンプ装置4は、ポンプ本体21と液位検出アダプタ22とから構成されている。ポンプ本体21を構成するポンプハウジング31は、略円筒状をなしており、その下端には第1エンドフレーム32が固定され、上端には第2エンドフレーム33が固定されている。また、ポンプハウジング31の下端寄りの部位には、ポンプハウジング31内の空間を区画する隔壁31aが一体形成されている。そして、ポンプハウジング31における隔壁31aと第2エンドフレーム33との間の空間がモータ室34とされるとともに、ポンプハウジング31における隔壁31aと第1エンドフレーム32との間の空間がポンプ室35とされている。
【0021】
モータ室34内には、正逆回転可能なモータ41が配置されている。詳述すると、モータ41の円筒状をなすモータヨーク42は、ポンプハウジング31の内周面に固定されるとともに、該モータヨーク42の内周面には、永久磁石43が固着されている。更に、永久磁石43の内側には、電機子44が配設されている。電機子44は、その回転軸44aが、前記第2エンドフレーム33に設けられた軸受(図示略)と隔壁31aの径方向の中央部に配置された軸受45とによって軸支されることによりモータ室34内で回転可能であるとともに、回転軸44aの隔壁31a側の端部は、隔壁31aからポンプ室35内に突出している。また、前記第2エンドフレーム33は複数の給電ブラシ46(図4には1つのみ図示)を保持するとともに、該給電ブラシ46は、回転軸44aに固定されて電機子44を構成する円筒状の整流子44bに摺接される。
【0022】
また、第2エンドフレーム33の上面(ポンプハウジング31と反対側の面)には、コネクタハウジング33aが突出形成されている。コネクタハウジング33aは、略四角形の筒状をなすとともに、前記回転軸44aの回転軸線L1と平行に延びている。また、コネクタハウジング33aには、ゴム製のOリング47が外嵌されている。そして、コネクタハウジング33aの内側には、電機子44に給電をするための正負の給電端子48a,48bが導出されている。尚、図4には、2つの給電端子48a,48bのうち1つのみを図示しているが、2つの給電端子48a,48bは紙面垂直方向に間隔を空けて並設されている。2つの給電端子48a,48bは、対応する前記給電ブラシ46に電気的にそれぞれ接続されている。そして、各給電端子48a,48bは、第2エンドフレーム33の上面からコネクタハウジング33aの内部に突出することにより、コネクタハウジング33aによって囲繞されている。また、各給電端子48a,48bにおける第2エンドフレーム33の上面から突出した部位は、回転軸44aの回転軸線L1と平行に延びるとともに、各給電端子48a,48bの先端は、コネクタハウジング33aの先端よりも同コネクタハウジング33aの基端側に位置している。そして、コネクタハウジング33aと給電端子48a,48bとによってコネクタ部49が構成されている。尚、本実施形態の給電端子48a,48bはオス端子である。
【0023】
上記のように構成されたモータ41は、給電端子48a,48bを介して外部から供給される電源電圧の極性に応じて回転軸44aを正逆回転させる。即ち、給電端子48a,48bのうち一方の給電端子が他方の給電端子に対して正電位となるように外部電源電圧が印加されるとモータ41は正回転し、逆の極性で一方の給電端子が他方の給電端子に対して負電位となるように外部電源電圧が印加されるとモータ41は逆回転する。尚、本実施形態では、負電位側の給電端子は、ポンプ装置4の外部で車両2に設置される。
【0024】
前記ポンプ室35内には、インペラ51が収容されている。インペラ51は、回転軸44aにおけるポンプ室35内に突出した部位に一体回転可能に固定されている。また、ポンプ室35の側方には、円筒状のインレット31bがポンプハウジング31と一体に設けられるとともに、該インレット31bは、その中心軸線L2がモータ室34内の回転軸44aの回転軸線L1と直交するようにポンプハウジング31の外側に向かって延びている。そして、インレット31bの外側開口部がウォッシャタンク3内の洗浄液を吸入するための吸入口52となるとともに、吸入口52は、インレット31bの内部空間である吸入路53を介してポンプ室35と連通されている。
【0025】
また、ポンプハウジング31の下端部には、前記回転軸44aに対してインレット31bとは反対側に突出したハウジング側突出部31cが一体に設けられるとともに、第1エンドフレーム32には、該ハウジング側突出部31cと対応するようにフレーム側突出部32aが一体に形成されている。そして、回転軸44aの回転軸線L1方向に互いに対向して組み付けられたハウジング側突出部31c及びフレーム側突出部32aによって、バルブ室54が構成されるとともに、該バルブ室54は図示しない2つの流路によってポンプ室35と連通されている。また、ハウジング側突出部31cから第1吐出部31d(図2参照)が外側に向かって突出形成されており、第1吐出部31dの内部にバルブ室54と繋がる第1流路55が形成されるとともに、第1吐出部31dの先端開口部が第1吐出口56とされている。同様に、フレーム側突出部32aから第2吐出部32b(図2参照)が外側に向かって突出形成されており、第2吐出部32bの内部にバルブ室54と繋がる第2流路57が形成されるとともに第2吐出部32bの先端開口部が第2吐出口58とされている。そして、第1吐出部31dの先端部に前記フロントノズル6に繋がる配管9が接続されるとともに、第2吐出部32bの先端部に前記リヤノズル7に繋がる配管10が接続される(図1参照)。
【0026】
また、第2流路57におけるバルブ室54側の開口部には、環状の弁座61が設けられるとともに、バルブ室54内には、該弁座61に対して着離する略円板状のシール弁62が配置されている。シール弁62は、第1流路55のバルブ室54側の開口部の外周部と同シール弁62との間に配置された圧縮コイルばね63によって弁座61側に付勢されて弁座61に着座している。そして、モータ41の正回転によりインペラ51が正回転されると、シール弁62は弁座61に着座した状態を維持し、ポンプ室35と第1流路55とが連通され、モータ41の逆回転によりインペラ51が逆回転されると、水流(水圧)によって同シール弁62が圧縮コイルばね63の付勢力に抗して弁座61から離座(即ち弁座61から離間)し、ポンプ室35と第2流路57とが連通されるように構成されている。尚、モータ41の逆回転時には、第1流路55におけるバルブ室54側の開口部はシール弁62によって閉塞される。
【0027】
前記液位検出アダプタ22を構成する合成樹脂製のアダプタハウジング71は、中空の箱状をなしており、筒状の側壁部71aと、該側壁部71aの上端及び下端をそれぞれ閉塞する上壁部71b及び下壁部71cとが一体に形成されてなる。そして、アダプタハウジング71の内部には、上壁部71bと平行をなすように平板状の回路基板72が配設されるとともに、該回路基板72の下面には制御リレー73が固定されている。この制御リレー73は、リレーコイル73a及びスイッチ73b,73c等の電気部品から構成されている(図5(a)参照)。また、回路基板72には、一対の液位検出電極74a,74b、正負の接続端子75a,75b(図4には紙面垂直方向に並ぶ2つの接続端子のうち一方のみを図示)、電源端子76(図2参照)、2つの入力端子77a,77b、及び一対の出力端子78a,78b(図2参照)が配設されている。
【0028】
図3に示すように、2つの液位検出電極74a,74bは、ウォッシャタンク3の第2開口部11eからウォッシャタンク3内に挿入されて、ウォッシャタンク3内の洗浄液5の液位が低位となったことを検出するためのものである。2つの液位検出電極74a,74bは、図3における紙面垂直方向に並設されるとともに、その基端部が半田にて回路基板72にそれぞれ電気的に接続されている。各液位検出電極74a,74bは、回路基板72から該回路基板72と垂直に下方へ延びた後に直角に屈曲され、屈曲部から先端まで回路基板72及び上壁部71bと平行に延びている。そして、各液位検出電極74a,74bの先端部は、側壁部71aにおいて前記取り付け部11cと対向される取付面71dに開口形成された2つの突出孔71eからそれぞれアダプタハウジング71の外部に突出するとともに、取付面71dと垂直をなしている。尚、側壁部71aにおいて突出孔71eが開口形成された取付面71dは平坦であるとともに、突出孔71eの内周面がそれぞれ液位検出電極74a,74bの外周面に当接することにより、側壁部71aにて液位検出電極74a,74bが支持されている。これら液位検出電極74a,74bは、ウォッシャタンク3内の洗浄液5によって導通されている場合にはON信号(液位検出信号)を出力し、互いの導通が遮断された場合にはOFF信号(液位検出信号)を出力するように構成されている。
【0029】
2つの前記接続端子75a,75bは、前記コネクタ部49の給電端子48a,48bが接続されるものであり、回路基板72から下方に延びるように該回路基板72に対して配置されるとともに、回路基板72において制御リレー73と電気的に接続されている。そして、各接続端子75a,75bの先端部は、アダプタハウジング71の下壁部71cを貫通してアダプタハウジング71の外部に突出するとともに、下壁部71cに一体に形成された筒状の第1コネクタハウジング71fにて囲繞されている。この第1コネクタハウジング71fは、前記コネクタハウジング33aが内嵌されるべくコネクタハウジング33aの外形に応じた略四角筒状をなすとともに、回路基板72と垂直をなすように上下方向に延びている。また、第1コネクタハウジング71fの上端部には、内側に突出した当接部71gが一体に形成されるとともに、各接続端子75a,75bの先端は、第1コネクタハウジング71fの下端と略等しい位置に位置している。尚、第1コネクタハウジング71fと接続端子75a,75bとによって第1コネクタ部79が構成されている。
【0030】
図2及び図4に示すように、前記電源端子76、入力端子77a,77b及び出力端子78a,78bは、基端部が半田にて回路基板72にそれぞれ接続されている。そして、電源端子76及び入力端子77a,77bは、回路基板72において制御リレー73と電気的に接続されるとともに、出力端子78a,78bは、回路基板72においてそれぞれ液位検出電極74a,74bと電気的に接続されている。電源端子76、入力端子77a,77b及び出力端子78a,78bは、それぞれ、回路基板72から該回路基板72と垂直に下方へ延びた後に直角に屈曲され、屈曲部から先端まで回路基板72と平行に延びている。そして、電源端子76、入力端子77a,77b及び出力端子78a,78bの先端部は、側壁部71aにおいて取付面71dと反対側となる接続面71hと垂直をなすとともに、該接続面71hに設けられた5つの突出孔71kからそれぞれアダプタハウジング71の外部に突出している。尚、接続面71hは取付面71dと平行をなすとともに、各突出孔71kの内周面と、電源端子76、入力端子77a,77b及び出力端子78a,78bの外周面とがそれぞれ当接しており、これにより、側壁部71a(接続面71h)にて電源端子76、入力端子77a,77b及び出力端子78a,78bがそれぞれ支持されている。
【0031】
また、接続面71hには、電源端子76、入力端子77a,77b及び出力端子78a,78bの先端部を囲繞するように略四角筒状をなす第2コネクタハウジング71mが一体に形成されている。この第2コネクタハウジング71mと、電源端子76、入力端子77a,77b及び出力端子78a,78bとによって第2コネクタ部80が構成されている。そして、この第2コネクタ部80に外部コネクタ81が接続されると、外部コネクタ81を介して、電源端子76は車両2のバッテリBに電気的に接続されるとともに、入力端子77a,77bは操作スイッチ8に電気的に接続され、更に、出力端子78a,78bは、洗浄液5の液量に関する警告灯82の点灯・消灯を制御するための警告ECU83に電気的に接続される(図1参照)。
【0032】
図4に示すように、上記のように構成されたポンプ本体21と液位検出アダプタ22とは、ポンプ本体21のコネクタ部49と、液位検出アダプタ22の第1コネクタ部79とが接続されることにより一体化(アッセンブリ化)されてポンプ装置4となる。詳述すると、ポンプ本体21と液位検出アダプタ22とは、コネクタハウジング33aの上端開口部と、第1コネクタハウジング71fの下端開口部とが互いに対向した状態で、回転軸44aの回転軸線L1方向に沿って互いに近づくように相対移動されることにより、第1コネクタハウジング71f内にコネクタハウジング33aが嵌入されるとともに、コネクタハウジング33aに外嵌されたOリング47が当接部71gに当接される。同時に、接続端子75a,75bに給電端子48a,48bがそれぞれ接続されて、ポンプ本体21と液位検出アダプタ22とが一体化される。コネクタ部49と第1コネクタ部79との接続部位は、Oリング47によってシールされて機密性が確保される。そして、図3に示すように、一体化されたポンプ本体21及び液位検出アダプタ22においては、インレット31bの中心軸線L2と、液位検出電極74a,74bの先端部とが平行をなしている。
【0033】
ポンプ装置4は、インレット31bが第1開口部11dに挿入されるように、且つ液位検出電極74a,74bが第2開口部11eに挿入されるように、ウォッシャタンク3の取り付け部11cに対して取り付けられる。本実施形態では、第1開口部11dにはゴム材よりなる第1グロメット91が装着されるとともに、第2開口部11eにはゴム材よりなる第2グロメット92が装着されているため、ポンプ装置4は、第1グロメット91及び第2グロメット92を介してウォッシャタンク3に取り付けられる。
【0034】
円筒状の第1グロメット91は、径方向の中央部に軸方向に貫通した圧入孔91aが設けられるとともに、該第1グロメッと91の外径は、第1開口部11dの内径と等しいか若干大きく形成されている。また、第1グロメット91におけるウォッシャタンク3の外側に配置された軸方向の端部には、径方向外側に突出するように鍔部91bが延設されている。この鍔部91bは、取り付け部11cの外側面に当接している。また、ゴム製の第2グロメット92は、軸方向に貫通した2つの電極挿通孔92a(図3には紙面垂直方向に並ぶ2つの電極挿通孔のうち1つのみを図示)を有する略円柱状をなしている。各電極挿通孔92aの内径は、液位検出電極74a,74bの外形よりも若干小さく形成されている。また、第2グロメット92の両端部には、第2開口部11eの内径よりも大きな外径を有する抜け止め部92b,92cが一体に形成されるとともに、抜け止め部92b,92c間の間隔は、取り付け部11cの板厚と等しく設定されている。この抜け止め部92b,92cは、第2グロメット92の第2開口部11eからの脱落を防止している。
【0035】
そして、インレット31bが第1グロメット91の圧入孔91aに圧入されることにより、吸入口52がウォッシャタンク3内に配置される。同時に、第2グロメット92におけるウォッシャタンク3の外側の端面に取付面71dが当接されるまで、液位検出電極74a,74bがそれぞれ電極挿通孔92aに嵌入(液密に挿通)されることにより、各液位検出電極74a,74bの先端部がウォッシャタンク3内に露出される。尚、各電極挿通孔92aの内径は、液位検出電極74a,74bの外形よりも若干小さく形成されているため、各液位検出電極74a,74bの外周面に、電極挿通孔92aの内周面がそれぞれ密着されてウォッシャタンク3の液密性が確保されている。また、第1グロメット91によってインレット31bと第1開口部11dとの間がシールされるとともに、第2グロメット92によって液位検出電極74a,74bと第2開口部11eとの間がシールされている。そして、ポンプ装置4がウォッシャタンク3に取り付けられた後に、外部コネクタ81が第2コネクタ部80に接続される。
【0036】
尚、ウォッシャタンク3における液位検出電極74a,74bの突出位置は、ウォッシャタンク3内の洗浄液5の液位が低位になったとき(即ちウォッシャタンク3内の洗浄液5が少量となり補充すべき量となったとき)の洗浄液5の液面の位置となるように設定されている。従って、ウォッシャタンク3における第2開口部11eの形成位置(底部11aに対する高さ)は、液位検出電極74a,74bが上記の位置に配置されるように設定されている。
【0037】
次に、上記のように構成された車両用ウォッシャ装置1の動作を説明する。
本実施形態の制御リレー73は、入力端子77a,77bが接地されることによって、スイッチ73b,73cのコンタクトが切り換わるように構成されている。図5(a)に示すように、スイッチ73bは、接続端子75aを介して給電端子48aに電気的に接続された端子T1と、入力端子77bを介して操作スイッチ8のスイッチ8bに電気的に接続された切換端子T2、及び電源端子76を介してバッテリBに電気的に接続された切換端子T3の何れか一方の切換端子とを接続する。そして、スイッチ73cは、接続端子75bを介して給電端子48bに電気的に接続された端子T4と、入力端子77aを介して操作スイッチ8のスイッチ8aに電気的に接続された切換端子T5、及び電源端子76を介してバッテリBに電気的に接続された切換端子T6の何れか一方の切換端子とを接続する。尚、操作スイッチ8は、フロントガラス2aに洗浄液5を噴射するように操作されるとスイッチ8aが閉路し、リヤガラス2bに洗浄液5を噴射するように操作されるとスイッチ8bが閉路するように構成されている(図1参照)。そして、車両用ウォッシャ装置1が作動されていない通常の状態においては、スイッチ73bは、端子T1と切換端子T3とを接続するとともに、スイッチ73cは、端子T4と切換端子T5とを接続している。
【0038】
通常の状態から、フロントガラス2aに洗浄液5を噴射すべく操作スイッチ8が操作されてスイッチ8aが閉路すると、電源端子76、スイッチ73bの切換端子T3及び端子T1、接続端子75aを介して、電源電圧がモータ41の給電端子48aに印加される。一方、給電端子48bは、接続端子75b、スイッチ73cの端子T4及び切換端子T5、スイッチ8aを介して接地される。これにより、モータ41を正回転させるための閉回路が形成され、モータ41が正回転する。モータ41が正回転してインペラ51が正回転されると、インペラ51の正回転によって吸入口52から吸入路53を通ってポンプ室35内に洗浄液5が吸入される。そして、図1及び図3に示すように、インペラ51の正回転によって洗浄液5が吸入されると、シール弁62は着座した状態を維持し、ポンプ室35と第1流路55とがバルブ室54を介して連通され、ポンプ室35内の洗浄液5は、第1流路55、第1吐出口56、配管9を通ってフロントノズル6からフロントガラス2aに噴射される。
【0039】
一方、図5(b)に示すように、リヤガラス2bに洗浄液5を噴射すべく操作スイッチ8が操作されてスイッチ8bが閉路すると、バッテリBは、電源端子76、リレーコイル73a、入力端子77b、スイッチ8bを介して接地される。これにより、リレーコイル73aに電流が流れてスイッチ73b,73cのコンタクトが切り換わる。即ち、スイッチ73bは、端子T1と切換端子T2とを接続し、スイッチ73cは、端子T4と切換端子T6とを接続する。すると、電源端子76、切換端子T6、端子T4及び接続端子75bを介して、電源電圧が給電端子48bに印加される。一方、給電端子48aは、接続端子75a、端子T1、切換端子T2、入力端子77b及びスイッチ8bを介して接地される。これにより、モータ41を逆回転させるための閉回路が形成され、モータ41が逆回転する。モータ41が逆回転してインペラ51が逆回転されると、インペラ51の逆回転によって吸入口52から吸入路53を通ってポンプ室35内に洗浄液5が吸入される。そして、図1及び図3に示すように、インペラ51の逆回転によって洗浄液5が吸入されると、シール弁62が離座されてポンプ室35と第2流路57とがバルブ室54を介して連通され、ポンプ室35内の洗浄液5は、第2流路57、第2吐出口58、配管10を通ってリヤノズル7からリヤガラス2bに噴射される。
【0040】
また、ウォッシャタンク3内の洗浄液5の残量が十分であるとき、即ち、ウォッシャタンク3内の洗浄液5が補充すべき量よりも多いときには、洗浄液5の液面は、一対の液位検出電極74a,74bよりも上位にある。従って、洗浄液5によって2つの液位検出電極74a,74bが導通されるため、液位検出電極74a,74bは、出力端子78a,78bを介して洗浄液5の残量が十分である旨のON信号を警告ECU83に出力する。警告ECU83は、ON信号が入力されている場合には、警告灯82を消灯した状態とする。
【0041】
一方、車両用ウォッシャ装置1が使用されてウォッシャタンク3内の洗浄液5の液量が減少して洗浄液5の液面が低位(例えば図3において二点鎖線にて図示した状態)になると、洗浄液5から液位検出電極74a,74bが露出して2つの液位検出電極74a,74b間の導通が遮断される。液位検出電極74a,74bは、互いの導通が遮断されると、出力端子78a,78bを介して、洗浄液5を補充すべき旨のOFF信号を警告ECU83に出力する。警告ECU83は、OFF信号が入力されている場合には、警告灯82を点灯した状態に維持する。
【0042】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)ポンプ本体21のコネクタ部49と、液位検出アダプタ22の第1コネクタ部79とを接続することにより、ポンプ本体21と液位検出アダプタ22とをアッセンブリ化することができる。更に、コネクタ部49と第1コネクタ部79とを接続することにより、ポンプ本体21のインレット31bと、液位検出アダプタ22の対をなす液位検出電極74a,74bとの位置関係が決定される。従って、ポンプ本体21と液位検出アダプタ22とをアッセンブリ化してなるポンプ装置4を、インレット31bを第1開口部11dに挿入するとともに液位検出電極74a,74bを第2開口部11eに挿入してウォッシャタンク3の取り付け部11cに取り付けると、インレット31bに対して所定の位置関係でウォッシャタンク3内の洗浄液5の液位を検出することができる。また、モータ41に給電すべくバッテリBに接続される電源端子76と、液位検出電極74a,74bの導通状態に応じてON信号若しくはOFF信号を出力する出力端子78a,78bとが液位検出アダプタ22の第2コネクタ部80に集約されるとともに、操作スイッチ8に接続される入力端子77a,77bも第2コネクタ部80に集約されている。従って、第2コネクタ部80に外部コネクタ81を接続することにより、モータ41への給電、及び、ON信号並びにOFF信号の警告ECU83への出力が可能となるとともに、操作スイッチ8の操作に応じてポンプ本体21を作動させることができる。よって、モータ41に給電するためにポンプ本体21に接続する外部コネクタ等が不要となるため、接続するコネクタの数が減少される。その結果、外部コネクタ81の接続作業を容易に行うことができる。
【0043】
(2)2つの液位検出電極74a,74bは、ゴム製の第2グロメット92に設けられた2つの電極挿通孔92aにそれぞれ液密に挿入されている。従って、液位検出電極74a,74bと第2グロメット92との間からの洗浄液5の液漏れが防止される。また、第2グロメット92によって液位検出電極74a,74bと第2開口部11eとの間がシールされるため、液位検出電極74a,74bと第2開口部11eとの間からの洗浄液5の液漏れが防止される。
【0044】
(3)モータ41に供給される電源電圧の極性を切り換える制御リレー73は、液位検出アダプタ22のアダプタハウジング71内に配置され、電源端子76は、制御リレー73を介して接続端子75a,75bと接続されている。従って、モータ41の回転方向に応じて第1吐出口56及び第2吐出口58のうち何れか一方の吐出口から洗浄液5を吐出するように構成されたポンプ本体21を用いる場合であっても、ポンプ本体21若しくは液位検出アダプタ22に別途コネクタ部を設けなくてもよいため、接続するコネクタの数の増加が防止される。従って、外部コネクタ81の接続作業を容易に行うことができる。
【0045】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、ポンプ本体21は、モータ41の回転方向に応じて、2つの吐出口56,58の何れか一方の吐出口から択一的に洗浄液5を吐出するように構成されている。しかしながら、ポンプ本体21は、一方向にのみ回転されるモータを備えるとともに、1つの吐出口を供えた構成とされてもよい。この場合には、液位検出アダプタ22は、制御リレー73を備えない構成とされ、接続端子75aと電源端子76とが回路基板72において直接接続される。
【0046】
・上記実施形態では、モータ41に供給される電源電圧の極性の切換えを行う極性切換回路として、リレーコイル73a及びスイッチ73b、73cを備えた制御リレー73が用いられている。しかしながら、極性切換回路は、FET(Field-effect Transistor )を用いて構成されたものであってもよい。
【0047】
・上記実施形態では、対をなす液位検出電極74a,74bは、第2グロメット92を介して第2開口部11eに挿入されている。しかしながら、液位検出電極74a,74bと第2開口部11eとの間の液密性が確保されるのであれば、第2グロメット92は省略してもよい。
【0048】
・上記実施形態では、対をなす液位検出電極74a,74bは、側壁部71aに設けられた突出孔71eからアダプタハウジング71の外部にそれぞれ突出することにより、側壁部71aによって支持されている。即ち、側壁部71aが、液位検出電極74a,74bを支持する電極支持部となっている。しかしながら、電極支持部の構成は、これに限らない。例えば、図6に示す電極支持部101は、取付面71dからアダプタハウジング71の外側に突出した形状をなしている。詳述すると、電極支持部101は、その中心軸線L3が取付面71dと直交する円柱状をなしている。そして、一対の液位検出電極74a,74bは、各液位検出電極74a,74bの先端部が電極支持部101の先端面から露出した状態で、該電極支持部101にて支持されている。尚、液位検出電極74a,74bの先端側の部位は、電極支持部101の中心軸線L3と平行をなすように支持されている。また、液位検出電極74a,74bは、インサート成形により電極支持部101にて支持されるように構成されており、電極支持部101と液位検出電極74a,74bとの間の液密性が確保されている。そして、液位検出電極74a,74bが第2開口部11eに挿入された際には、第2開口部11eと電極支持部101との間に略円筒状の第2グロメット102が介在され、該第2グロメット102によって電極支持部101と第2開口部11eとの間がシールされる。このようにすると、液位検出電極74a,74bを第2開口部11eに挿入する際にウォッシャタンク3に装着された第2グロメット92から作用する抗力を電極支持部101にて受け止めることができる。その結果、各液位検出電極74a,74bの電気接続部分(即ち液位検出電極74a,74bの基端部と回路基板72とが半田にて接続された部分)に前記抗力が作用することが抑制される。また、電極支持部101は、アダプタハウジング71から外側に突出した形状をなすため、液位検出電極74a,74bの長手方向により広い範囲に亘ってこれら液位検出電極74a,74bを支持することができるため、各液位検出電極74a,74bをより強固に支持することができる。
【0049】
・図7に示すように、液位検出電極74a,74bにストッパ111を設けてもよい。詳述すると、取付面71dには、該取付面71dから外側に突出した電極支持部112が一体に設けられている。電極支持部112は、円柱状をなし、その中心軸線L4が取付面71dと直交している。液位検出電極74a,74bは、先端側の部分が中心軸線L4と平行をなすように電極支持部112を貫通し、その先端部が同電極支持部112の先端部から突出した状態で電極支持部112にて支持されている。そして、液位検出電極74a,74bに一体に設けられたストッパ111は、各液位検出電極74a,74bの外周面から鍔状に突出形成されており、電極支持部112の先端面に当接している。また、第2グロメット92には、電極支持部112及びストッパ111に応じた収容凹部92dが形成されており、電極挿通孔92aに液位検出電極74a,74bが液密に挿入されると、電極支持部112及びストッパ111は収容凹部92d内に収容される。このようにすると、液位検出電極74a,74bを第2グロメット92の電極挿通孔92aに挿通する際に、第2グロメット92側から液位検出電極74a,74bに作用する抗力の一部をストッパ111及び電極支持部112にて受け止めることができる。従って、液位検出電極74a,74bと回路基板72との電気接続部分(即ち液位検出電極74a,74bの基端部と回路基板72とが半田にて接続された部分)に前記抗力が作用することが抑制される。
【0050】
・上記実施形態では、対をなす液位検出電極74a,74bは、水平方向に並設されているが、互いに間隔を空けて配置されるのであれば、液位検出電極74a,74bの位置関係はこれに限らない。例えば、対をなす液位検出電極74a,74bは、鉛直方向に間隔を空けて配置されてもよい。一般的に、液面が液位検出電極の近傍にあるときには、振動等により液面が揺れると、対の液位検出電極間で導通状態と非導通状態とが繰り返される所謂チャタリングが生じることがある。しかしながら、このように対の液位検出電極74a,74bを鉛直方向に配置すると、このチャタリングを抑制することができる。
【0051】
・上記実施形態では、液位検出アダプタ22には、一対の液位検出電極74a,74bが備えられているが、複数対の液位検出電極が備えられてもよい。この場合、液位検出電極の数に応じて、第2コネクタ部80を構成する出力端子78a,78bも増加される。そして、例えば、対をなす全ての液位検出電極が出力端子を介してそれぞれOFF信号を出力した場合に、警告ECU83が警告灯82を点灯するように構成される。
【0052】
・回路基板72にコイル等の回路素子を追加することにより、容易にEMC(電磁環境適合性)機能を追加することができる。
・上記実施形態では、ポンプ装置4は、車両2に搭載されたウォッシャタンク3内の洗浄液5を吸入してフロントガラス2a若しくはリヤガラス2bに洗浄液5を噴射する車両用ウォッシャ装置1に備えられている。しかしながら、ポンプ装置4は、タンク内の液体を吸入して噴射する装置であれば、車両用ウォッシャ装置1以外の装置に備えられてもよい。
【0053】
上記各実施形態、及び上記各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)請求項3に記載のポンプ装置において、前記液位検出電極は、該液位検出電極の外周面から突出形成され前記電極支持部の先端面に当接するストッパを備えたことを特徴とするポンプ装置。同構成によれば、液位検出電極を第2開口部に挿入する際に、タンク側から液位検出電極に作用する抗力の一部をストッパ及び電極支持部にて受け止めることができる。従って、液位検出電極の電気接続部分に前記抗力が作用することが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】車両用ウォッシャ装置を備えた車両の概略図。
【図2】ポンプ装置が取り付けられたウォッシャタンクの正面図。
【図3】車両用ウォッシャ装置の部分断面図。
【図4】ポンプ装置の分解断面図。
【図5】(a)及び(b)は車両用ウォッシャ装置の電気的構成図。
【図6】別の形態の液位検出アダプタの部分断面図。
【図7】別の形態の液位検出アダプタの部分断面図。
【符号の説明】
【0055】
2…車両、3…タンクとしてのウォッシャタンク、4…ポンプ装置、2a…被洗浄面としてのフロントガラス、2b…被洗浄面としてのリヤガラス、5…液体としての洗浄液、11b…タンクの側壁、11d…第1開口部、11e…第2開口部、21…ポンプ本体、22…液位検出装置としての液位検出アダプタ、31b…吸入部としてのインレット、34…モータ室、35…ポンプ室、41…モータ、48a,48b…給電端子、49…コネクタ部、51…インペラ、56…吐出口としての第1吐出口、58…吐出口としての第2吐出口、71…アダプタハウジング、71a…電極支持部としての側壁部、71f…第1コネクタハウジング、71m…第2コネクタハウジング、73…極性切換回路としての制御リレー、74a,74b…液位検出電極、75a,75b…接続端子、76…電源端子、78a,78b…出力端子、79…第1コネクタ部、80…第2コネクタ部、81…外部コネクタ、92…グロメットとしての第2グロメット、92a…電極挿通孔、101,112…電極支持部、B…外部電源としてのバッテリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口部が開口形成されるとともに前記第1開口部よりも上部に第2開口部が開口形成された側壁を有し内部に液体が貯留されたタンクに対して、前記液体の液位を検出するための少なくとも一対の液位検出電極が前記第2開口部から前記タンク内に突出するように取り付けられ、対をなす前記液位検出電極間の導通状態に応じた液位検出信号を出力する液位検出装置であって、
前記第1開口部に吸入部が挿入され前記タンク内の前記液体を前記吸入部から吸入して吐出口から吐出するポンプ本体に一体に設けられた該ポンプ本体に給電するための給電端子が導出されたコネクタ部に接続されるとともに、前記コネクタ部との接続により前記給電端子と接続される接続端子を有する第1コネクタ部と、
対をなす前記液位検出電極を支持する電極支持部と、
前記接続端子に接続された電源端子、及び対をなす前記液位検出電極に接続されて前記液位検出信号を出力する出力端子を有し、前記電源端子を外部電源に接続するとともに前記液位検出信号を取り出すための外部コネクタが接続される第2コネクタ部と、
を備えたことを特徴とする液位検出装置。
【請求項2】
タンク内の液体を吸入するための吸入部が、前記タンクの側壁に開口形成された第1開口部から前記タンク内に挿入された状態で前記タンクの側壁に取り付けられるポンプ装置であって、
モータ室内に配置されたモータと、ポンプ室内に配置され前記モータにより回転されるインペラと、前記モータに給電するための給電端子を備えたコネクタ部とを有し、前記インペラの回転により前記吸入部から前記ポンプ室に吸入された液体を吐出口から吐出するポンプ本体と、
前記コネクタ部との接続により前記給電端子と接続される接続端子を備えた第1コネクタ部と、前記タンクの側壁における前記第1開口部よりも上部に開口形成された第2開口部から前記タンク内に突出される少なくとも一対の液位検出電極を支持する電極支持部と、前記接続端子に接続された電源端子及び対をなす前記液位検出電極間の導通状態に応じた液位検出信号を出力する出力端子を備え前記電源端子を外部電源に接続するとともに前記液位検出信号を取り出すための外部コネクタが接続される第2コネクタ部とを有する液位検出アダプタと、
を備えたことを特徴とするポンプ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のポンプ装置において、
前記液位検出アダプタは、前記接続端子を囲繞する第1コネクタハウジングと、前記出力端子及び前記電源端子を囲繞する第2コネクタハウジングと、前記電極支持部とが一体に形成されたアダプタハウジングを有し、
前記電極支持部は、前記アダプタハウジングから外側に突出した形状をなし、
対をなす前記液位検出電極は、各前記液位検出電極の先端部が前記電極支持部の先端部から露出した状態で前記電極支持部にて支持されたことを特徴とするポンプ装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載のポンプ装置において、
前記液位検出電極は、ゴム材よりなるグロメットに貫通形成された電極挿通孔に液密に挿通されるとともに、前記グロメットを介して前記第2開口部に挿入されることを特徴とするポンプ装置。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載のポンプ装置において、
前記液位検出アダプタは、前記モータに供給される電源電圧の極性を切り換える極性切換回路を備えるとともに、前記極性切換回路を介して前記電源端子と接続される2つの前記接続端子を備え、
前記ポンプ本体は、2つの前記吐出口と、供給される電源電圧の極性に応じて正回転及び逆回転される前記モータと、2つの前記給電端子とを備え、前記モータにて正回転及び逆回転される前記インペラの回転方向に応じて、前記ポンプ室に吸入された前記液体を2つの前記吐出口のうち何れか一方の吐出口から吐出することを特徴とするポンプ装置。
【請求項6】
車両に搭載されて洗浄液が貯留される前記タンクと、前記タンクの前記側壁に取り付けられた請求項2乃至請求項5の何れか1項に記載のポンプ装置とを備え、前記車両の被洗浄面に前記洗浄液を噴射することを特徴とする車両用ウォッシャ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−209892(P2009−209892A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56585(P2008−56585)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】