説明

液体サンプル採取プローブおよび清掃フルイディクスシステム

水平方向、垂直方向駆動部を使用して閉じた容器内へプローブを駆動し、プローブを受け器上方に位置決めし、プローブを浄化モジュール内へ下降させてサンプル流体のアリコート部分を閉じた容器から吸い込み、アリコート部分を受け器に分配するサンプル採取アリコータである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器(container)から液体サンプル、特に尿、血清、血漿、脳脊髄液などの生物学的流体を抽出するための自動装置に関する。特に、本発明は、臨床診断に備えて閉じた容器から所望量のサンプル流体を自動的に抽出する方法を提供する。本発明は、さらに、液体吸引プローブを清掃するための方法および装置に関係する。
【背景技術】
【0002】
患者の感染部、体液または膿瘍部のサンプルの分析測定によって患者の診断および治療に関連した種々タイプの検査を実施できる。このような患者サンプルは、代表的には、サンプル・バイアルに入れられ、バイアルから抽出され、特殊な反応キュベットまたは反応チューブ内で種々の試薬と混ぜ合わされ、インキュベートされ、分析され、患者の治療の助けとする。代表的な臨床化学分析では、1つまたは2つの分析評価試薬を別々の時間に液体サンプルに添加し、このサンプル−試薬の組み合わせを反応キュベット内で混合し、インキュベートする。周知の較正技術を使用して被検物質の量を決定するのに使用できるエンドポイント値または反応率値を確認するために、サンプル-試薬組み合わせと相互作用する検査用放射線ビームを使用して分析測定(たとえば、濁度吸収率読み取り等)が実行される。
【0003】
自動臨床アナライザでは、収集容器からサンプル流体のすべてまたは一部を取り出すことが日常的に必要であり、この作業を支援するために数多くのサンプル採取システムが生産されてきた。一般的に、これらのシステムは、サンプル流体容器を受け入れ、最初の位置で各容器から所定量のサンプル流体を吸引または取り出し、次の分析位置へ吸引したサンプル流体を移送する。これらのシステムと一緒に使用されるサンプル流体容器は、頂部の開いたバイアルまたはチューブであり、それがシステム内で回転コンベヤ、ラックまたはリニア移送手段上に移送され、次いで、ロボット機構によってこのような装置間で移送される。
【0004】
臨床検査室で開いたサンプル流体容器を用いることによって数多くの問題が生じる。まず、サンプル採取システムを通して容器を移動させる種々の装置が液体をこぼして汚染を引き起こすという問題である。次に、開いたサンプル流体容器のため、その中にあるなんらかの有害物質にオペレータがさらされるという問題がある。最後に、開いた容器には特別に注意を払う必要があるので、作業コストが増大するという問題がある。
【0005】
これらの問題を避けるために、自動化臨床分析システムで検査されるべきサンプルは、ゴム・ストッパなどのキャップで蓋をし、真空シールした真空ガラス管内に集められることが多い。サンプル流体は真空の一部にとって代わるが、或る程度の真空が残る可能性はある。蓋を取り除いたときに、エアゾール粒子が生じる可能性がある。その結果、オペレータが蓋を取り除いてから自動システム内に容器を置いたとき、エアゾール霧でオペレータがサンプル流体に入っているなんらかの有害物質にさらされる可能性がある。さらに、オペレータが手作業で蓋を取り除くのは作業コストを増大させ、自動システムの効率および信頼性を低下させる。
【0006】
これらの問題に対する普及している解決策は、自動分析システムで分析しようとしているサンプル流体を収容している閉じた容器を使用し、閉じたチューブまたはバイアルの蓋を通して既知量のサンプル流体を吸引するようになっている自動サンプル採取システムを使用することである。そのために、利用できるサンプル採取システムは、シールしたサンプル流体容器からサンプル流体を採取するための注射針、パージ機構、ガス加圧その他の複雑な技術の配置を含む。少なくとも所定量の液体を取り出すためにこれらのサンプル採取システムに課せられる要件に加えて、凝血塊または気泡のような破壊性非均質体がないかどうか抽出されたサンプル流体の品質に懸念が残る。
【0007】
米国特許第4,794,085号が、液体を吸引して分配するのに使用する孔付きの容器によって液体の侵入を検出できる装置および方法を記載している。この装置は、液体まで最大可能距離の増分だけ容器を進める制御手段と、容器孔が液体で閉じているかどうかを示す信号を発生するに充分な差圧を分配用容器内に発生させる手段と、この圧力差によって容器内に発生した圧力を検出して信号を送り、この信号の圧力を基準値と比較する装置とを含む。
【0008】
米国特許第4,926,701号が、リザーバ、反応受け器等に浸すためのプローブと、このプローブに接続した計量ポンプと、プローブとポンプの間に配置した遮断弁とを含むピペット操作装置を記載している。弁が開いてポンプが吸込み段階になると、最初に空気が、次いで所定量の液体が取り入れられる。給送段階のポンプのうち少なくとも一部では弁が閉じた状態にあり、ポンプ内で圧力が高まる。給送段階の終りで、弁が開き、それによって高圧のためいかなる付着している液体粒子も排出される。
【0009】
米国特許第4,951,512号が、密封容器への進入路を提供しており、この進入路が、一時的に容器の蓋にある開口部となり、内容物を取り出したり、内容物の性質を感知したり、容器に物質を分配したりする。リフト組立体が各サンプル流体容器を穿刺チューブに向かって上方に移動させ、容器の蓋に開口部を生成する。このシステムは、この開口部を通してサンプル流体を採取したり、この開口部を貫いてプローブを挿入したりしてサンプル流体の性質を測定する。
【0010】
米国特許第5,163,582号が、所定量の液体を閉じた液体収容用血液収集チューブから分配するための装置および方法を保護している。この装置は、血液収集チューブから分配されるべき液体のための通路を提供する二重コンジットと、血液収集チューブに導入されるべき気体のための通路を提供する気体コンジットとを含む。この装置では、血液収集チューブへの二重コンジットの挿入、垂直方向に直立した向きから離れるようにチューブを回転させること、気体通路を気体供給源に対して接続、分離すること、気体通路を通して或る量の気体を排出させること、装置の動作を制御することが行われる。閉じた血液収集チューブへの二重コンジットの挿入、二重コンジットの気体コンジットを気体供給源に接続すること、垂直方向に直立した向きから離れるようにチューブを回転させること、或る信号に対応する或る体積の気体を血液収集チューブに導入すること、血液収集チューブから所定体積の液体を受け入れること、気体供給源を気体通路から物理的に分離することを含む方法も開示されている。
【0011】
米国特許第5,413,246号が、閉じた血液収集チューブの内部にアクセスする蓋穿刺手段と、計量した気体を血液収集チューブに圧送できる気体通路手段と、チューブに圧送した気体量に比例してチューブから流体を分配できる液体通路手段とを使用して閉じた容器から或る量の液体を分配する使い捨て装置を開示している。また、使い捨て装置を使用して一連の閉じた血液収集チューブから自動的に液体を分配する機械も開示されている。血液収集チューブ内に収容された液体は、チューブ内の液体の量および分配しようとしている液体の量を示す信号に従って制御手段によってチューブから分配される。使い捨て装置を使用して閉じた血液収集チューブから液体のサンプルを分配する手動操作式の機械も記載されている。
【0012】
米国特許第5,499,545号が、吸収されるかまたは放出される液体の量への大気圧および内部圧力の変化の影響を排除することによって測定精度を向上させる方法を開示している。ピペット操作装置が、シリンダおよびピストンを含むシリンダ部分内の圧力を制御することによって先端部分に指定量の液体を入れ、この先端部分から指定量の液体を放出する。大気圧測定部分およびシリンダの内部圧力を検出する圧力センサからのコマンド部分および情報から吸収または放出されるべき液体の量についての制御目標値が補正計算部分に送られ、次いで、この補正計算部分が、大気圧、内部圧力についての測定データおよびシリンダおよび先端部分の形状についてのデータに基づいて補正計算を実施し、コマンド部分からの制御目標値が満たされるようにピストンによって移動させられるべき距離を得る。制御部分が、ピストンによって移動させられるべき距離についての補正計算部分からの情報に従ってピストンを駆動するモータを制御する。
【0013】
米国特許第5,517,867号が、開いた液体容器または閉じた液体容器のいずれかから液体を抽出するための装置を開示している。上方アームが、蓋侵入軸と整合した第1の側方端で依存する単一抽出針を支持している。下方アームに取り付けたフット部が、円錐形の表面を有し、そして、侵入軸と垂直方向に整合した中央軸孔を有する。これら上下のアームは、フット部の円錐形表面が容器の上端と当接するまで一体に移動する。下方アームの円錐形表面と容器とのこの当接作用が、容器の軸が侵入軸と一直線となる作動位置に容器を引込み、そこに固定する。アクチュエータによる下方アームに関する上方アームの引き続く変位によって、抽出針が孔から突出し、蓋を刺し貫く。一対の垂直方向に延びるプレートが下方アームに取り付けてある。プレートと下方アームの組み合わせが充分な重量となり、アクチュエータが上方アームを変位させて蓋を貫いている抽出針を容器から引き抜くときに容器を作動位置に保持する保持力を発生する。
【0014】
米国特許第5,525,298号が、血液収集チューブから抽出した血清サンプルを1つまたはそれ以上のサンプル受け器(vessel)または反応受け器に給送する装置であって、反対方向に動けるように配置した一対のアームと、アームを駆動して血液収集チューブを選択的に把持させるモータと、アームを取り付けたブロックと、ブロックを135度にわたって回転させるモータと、ブロックに固定した針状の吸引ノズルと、吸引ノズルと連結した本体およびこの本体内に可動状態で配置したピストンを有する注射器と、注射器のピストンを駆動するモータと、ブロックを回転可能に配置したスライド・ブロックと、スライド・ブロックを左右方向に移動させるモータと、上下に動けるように配置したベース部材と、ベース部材を上下に駆動するモータとを含む装置を開示している。血液収集チューブをアームによってラックから拾い上げた後、ベース部材が下方へ動かされてキャップを貫いて吸引ノズルを容器内に挿入し、次いで、ブロックが回転させられて血液収集チューブをひっくり返す。次いで、注射器を作動させることによって血清サンプルが吸引され、次いで、ブロックが初期位置に回転させられる。吸引ノズルがキャップから引き出された後、所定量の吸引された血清サンプルが1つまたはそれ以上のサンプル受け器または反応受け器内へ排出される。
【0015】
米国特許第5,413,067号が、閉ループ流体材料サンプルを採取するための隔壁閉鎖容器の内部スペースとボール弁を流体相互接続するサンプラー機構を開示している。サンプラー機構は、中空針およびボール弁のボールに隣接して位置させた針着座用カラーを有する注射針アセンブリと、注射針アセンブリをボール弁に取り付けて固定するためのねじ付きの注射器端金具と、ボール弁を容器に流体接続する注射器本体であって、容器とこの注射器本体の側面とを流体連絡する流路を提供する注射器本体とを含む。
【0016】
上記の米国特許に示されるような液体吸引システムにおける共通の問題は、液体「粘着」および/または「キャリオーバ」のリスクである。キャリオーバが発生するのは、先に分配されたサンプルまたは試薬の残留痕跡を有するプローブを異なった試薬またはサンプルの中に導入したときである。キャリオーバは、通常、所与の試薬供給源または所与のサンプルが、サンプル・プローブ上に残っているか、または、サンプル・プローブ内に残っているか、または、サンプル・プローブによって吸収された他の試薬またはサンプルの導入によって汚染されたときに明らかとなる。粘着が発生するのは、吸引された試薬またはサンプルの一部がサンプル・プローブの外面に粘着し、そこから適切に除かれないときに生じる。
【0017】
粘着および/またはキャリオーバを最小限に抑えるためには、一般的には、それ以降の作業に先立って洗浄することによってサンプル流体プローブを清掃する。洗浄は、代表的には、適切な清掃用溶液を収容している清掃リソース内へサンプル流体プローブを下降させることによって行われる。清掃用溶液がサンプル流体プローブの外面を洗う。サンプル流体プローブの内部は、清掃用溶液を吸引し、放出することによって清掃される。あるいは、サンプル流体プローブを通してパージ流体を排液部に排出させることによってサンプル流体プローブを清掃してもよい。圧力の下にサンプル流体プローブに通すか、または、その外面のところに圧送する加圧乾燥用空気の噴流を洗浄で使用してもよい。このようにして、サンプル流体プローブの外面または内部にある残留キャリオーバを最小限に抑える。実際に、サンプル流体プローブの清掃および清掃リソースでは適切な操作を守らなければならない。
【0018】
代表的なサンプル流体プローブ洗浄ステーションを有する分析機器が、米国特許第3,964,526号(Sindermann)米国特許第4,318,885号(Suzuki等)、米国特許第3,552,212(Ohlin)および米国特許第4,323,537号(Mody)に記載されている。しかしながら、サンプル流体プローブ洗浄に伴う共通の問題は、洗浄したにもかかわらずサンプル流体プローブに吸着される可能性のある残留液または汚染物質である。この残留物は、サンプル流体プローブに吸い込まれた以降のサンプル流体または試薬と混ざる可能性があり、汚染されたサンプル流体または試薬の導入となる可能性がある。さらに、サンプル流体プローブの外面または内部にあるサンプル流体または試薬の余分な残留液滴の存在によって望ましくない余分な液体を相手側の受け器(receptacle)に導入してしまう可能性がある。この望ましくない残留物は、それ以降にサンプル流体プローブに吸い込まれたサンプル流体または試薬と混合し、化学分析に支障を来す可能性がある。サンプル流体プローブ清掃は、サンプル流体量を少なくする傾向が激しくなったとき特に面倒な問題となる。微小量の清掃用溶液がサンプル流体プローブ内またはその外面に残り、後に反応受け器へ移送されるサンプル流体にそれ相当の容量不足を生じさせる可能性がある。このようなサンプル流体の容量不足は、特にカルシウム、マグネシウムおよびブドウ糖の自動評価分析において深刻な分析エラーを発生させる可能性がある。
【0019】
米国特許第8,827,744号が、プローブを洗浄本体内部にある洗浄チャンバ内に位置させ、パージ用溶液をチャンバ内へプローブを通して圧送することによって液体サンプル・プローブを清掃する方法を開示している。清掃用溶液は、また、プローブまわりを通るようにチャンバ内へ圧送してもよい。次いで、これらの液体のうちいずれかまたは両方を、プローブと洗浄本体の間の環状ギャップを通して空気を吸い込み、それによってプローブ外面と洗浄本体の間に清掃用空気流を発生させることでチャンバから真空吸引する。清掃用空気流は、プローブを洗浄本体から取り出すにつれて清掃用溶液および/またはパージ用溶液をすべて除去する。
【0020】
米国特許第5,297,794号が、試料プローブを浸す傾斜した水路と組み合わせて洗浄水を使用することによってこの問題に対処している。サンプル・プローブは、水路を横切るにつれて、引き抜かれ、水路と試料プローブ間の液体連絡が破断され、清掃が停止し、サンプル・プローブ上に液滴が残る。
【0021】
米国特許第5,408,891号も、この問題に対処しており、洗浄カラーを使用する。この洗浄カラーは、(1)流体サンプル・プローブの内部を洗浄するようにその内孔を通して供給される加圧水と、(2)洗浄カラー内の小さい中央チャンバに位置したサンプル・プローブおよびその外面を洗浄する水の別体の供給源と共に使用する。洗浄カラーは、サンプル・プローブが移動する中央孔を通る5つの異なった形状の部分を含む複雑な設計である。水は、サンプル・プローブから吸い出され、孔の下方部分に設けてあって真空源と連絡している真空ポートを通して洗浄カラーから排出される。残念なことには、サンプル・プローブ挿入方向からほんの少しの外部空気しか入ってこず、大部分の外部空気は洗浄カラー孔の拡大した最下方部分から入ってくる。これではサンプル・プローブの完全な清掃はできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
したがって、サンプル流体プローブを有する閉じた液体容器から液体を吸引するという必要性と自動臨床アナライザ内でのサンプル流体吸引毎にサンプル流体プローブを効果的に清掃するという必要性と結びつけたことによって生じた問題に対して従来技術で採られた種々のアプローチを研究したことから、サンプル流体プローブの全内面、全外面から異物を効果的に除去すると同時に洗浄リソースの複雑性を過度に増大させない清掃方法を提供すると有利であると考えられる。このようなサンプル採取システムが、複雑な制御機構なしにまたは必要とする吸引リソースに過度な追加を行うことなしに閉じた液体容器から液体を吸引するようになっていると非常に有利であると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0023】
これらの従来技術の欠陥の多くが、サンプル流体プローブで閉じたサンプル流体チューブから吸引する方法であって、サンプル流体プローブが内部の中空部分と外面を有し、中空部分が内部プローブ浄化システムのリソースと連絡している方法に関する本発明で減らすことができる。サンプル流体プローブは、マニホルドで支持されており、外部プローブ浄化システムと連絡する、洗浄本体内にある孔に出入りするように移動可能である。
【0024】
プローブを清掃するには、サンプル流体プローブを孔内に位置させ、中空部分に清掃用溶液およびすすぎ洗い用溶液を圧送してから加圧乾燥用空気を圧送する。その後、プローブの外部部分に清掃用溶液およびすすぎ洗い用溶液を流してから加圧乾燥用空気を流す。
【0025】
閉じたサンプル流体チューブからの液体の吸引では、蓋の上方にサンプル流体プローブを位置させ、サンプル・チューブ・リテーナにある開口部を通ってサンプル流体プローブを蓋に突き刺し、サンプル流体液面下方所定距離に達するようにサンプル流体プローブを下降させる。錠止機構がプローブまたはリテーナを交互に垂直方向に錠止する。吸引後、チューブ・リテーナが蓋に向って位置し、マニホルドが上昇してプローブをサンプル流体チューブから取り出す。この作業では、サンプル流体プローブは、それを洗浄本体内で清掃するのにも使用されるマニホルドによって動かされる。
【0026】
本発明は、本出願の一部をなす添付図面と関連して行った以下の詳細な説明からより完全に理解して貰えよう。
【0027】
図面において、
図1は、本発明が有効に使用され得る自動アナライザの概略平面図であり、
図2は、図1のアナライザの一部拡大概略平面図であり、
図3は、図1のアナライザで役に立つ反応容器の斜視図であり、
図4は、図1のアナライザで役に立つアリコート受け器アレイの斜視図であり、
図5は、図1のアナライザの自動アリコート受け器アレイ保管・取り扱いユニットの斜視図であり、
図6は、図4のアリコート受け器アレイを移送するための移送システムの斜視図であり、
図7、8、9、9A、10、11A、11B、11Cは、本発明のサンプル採取システムを使用するサンプル流体アリコート抽出プロセスを概略的に説明しており、
図12は、本発明のサンプル採取システムのためのフルイディクス・ダイヤグラムであり、
図13、14、14A、14Bは、本発明を例示するサンプル採取アリコータ(sampling aloquotter)を説明しており、
図15A〜15Hは、図13のサンプル採取アリコータの動作を説明している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、図2と共に、本発明を有利に実行できる自動化学アナライザ10の諸要素を概略的に示している。このアナライザ10は、キュベット・ポート20を形成した外側キュベット回転コンベヤ14と、受け器ポート22を形成した内側キュベット回転コンベヤ16とを支持している反応回転コンベヤ12を含む。外側キュベット回転コンベヤ14と内側キュベット回転コンベヤ16は開放溝18によって分離されている。キュベット・ポート20は、在来の臨床評価分析および免疫測定評価分析のための種々の試薬およびサンプル液を収容している複数の反応キュベット24を受け入れるようになっている。一方、受け器ポート22は、超高感度発光免疫測定専用の試薬を収容している複数の反応受け器25を受け入れるようになっている。反応回転コンベヤ12は、一定方向に段階的に移動するように回転可能であり、この段階的移動は一定の停止時間によって分けてあり、この停止時間中、回転コンベヤ12は静止状態に保たれ、センサ、試薬添加ステーション、混合ステーションなどのようなコンピュータ制御される評価分析操作装置13が、必要に応じて、キュベット24内に収容されている評価分析混合物に作用する。
【0029】
アナライザ10は、イリノイ州ディアフィールドのDade Behring Inc.の販売しているDimension(R)臨床化学アナライザで使用されており、コンピュータ・ベースの電気機械制御プログラミングの分野で当業者によって広く使用されているような機械語で書かれたコンピュータ・プログラムに基づいてコンピュータ15によって実行されるソフトウェアにより制御される。コンピュータ15は、アナライザ10内の種々の分析手段17ならびに作業可能装置13の作動によって行われる評価分析を実施するためのアプリケーション・ソフトウェア・プログラムも実行する。
【0030】
温度制御式の試薬保管領域26、27、28が、図3に示し、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号09/949,132に記載されているような複数の細長い多区画試薬カートリッジ30を格納しており、これらの多区画試薬カートリッジ30は、必要に応じて、所与の評価分析を実施するためにウェル32内に試薬を収容している。使用済みの試薬容器30を偶発的に再使用してしまうのを防ぐためにロックアウト装置31が設けてある。試薬保管領域26は、試薬調製および試薬吸引のような作業が行われる少なくとも1つの試薬作業回転コンベヤを含む。試薬容器30は、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号10/623,310に記載されているような往復動位置にこれらの容器30を自動的に移動させるようになっている容器装填トレイ29内へオペレータが置くことによって装填され得る。
【0031】
図4に示すように、本発明の譲受人に譲渡された審査継続中の米国特許出願番号09/949,132に記載されている双方向装入・送出サンプル流体チューブ移送システム34が、アナライザ10の作動頂面に沿って形成された入力レーン35および出力レーン36を含む。入力レーン35は、前記審査係属中の出願に記載されている磁気駆動システムと共に、サンプル流体チューブ40のような開いたまたは閉じたサンプル流体容器を収容しているサンプル流体チューブ・ラック38を、入力レーン35の第1端部のところで矢印35Aによって示すように入力レーン35の全長にわたって右から左へ移送する。本発明を例示しており、後に説明する液体サンプル採取アリコータ42が、入力レーン35の第1端部とは反対側の第2端部に接近して設置してある。ひとたびサンプル流体チューブ40を収容しているラック38がアリコータ42に接近したならば、ラック38を往復動機構39によって液体サンプル採取ゾーン43に保持することができる。一方、アリコータ42は、サンプル流体チューブ40からサンプル流体のアリコート部分を吸引し、評価分析を実施するのに必要なサンプル流体の量に応じて、サンプル流体のアリコート部分を、図5に示す、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号10/037512に記載されているアリコート受け器アレイ44内の複数の受け器44Vの1つまたはそれ以上に分配し、本発明の譲受人に譲渡された審査継続中の米国特許出願番号09/827,045に記載されている環境室48内にアナライザ10によって保持されることになっているサンプル流体アリコートを与えるように作動可能である。
【0032】
或る量のサンプル流体がラック38上のすべてのサンプル流体チューブ40から吸い出され、後述する本発明のサンプル採取アリコータ42によってアリコート受け器44Vに分配された後、ラック38は、首尾よく評価分析結果が得られるまでバッファ・ゾーン46に保持できる。サンプル流体ラック38がサンプル採取ゾーン43またはバッファ・ゾーン46のいずれに保持されているに関係なく、バッファ・ゾーン46と組み合った往復動機構39または往復動機構39Aがサンプル流体ラック38を出力レーン36上へ位置させる。出力レーン36は、磁気駆動システムと共に、サンプル流体チューブ40を収容しているラック38を、白矢印36Aで示すように入力レーン36の最右端部36Rに向かって、オペレータが容易にアクセスできるアナライザ10の前部領域まで移動させる。その結果、ラック38をアナライザ10から取り出すのが便利になる。
【0033】
サンプル流体チューブ40に収容された検体液は、その上に取り付けられたバーコード記号を在来のバーコードリーダを用いて読み取ることによって識別され、項目の中でも特に患者の身元、実施されるべき検査、サンプルをアナライザ10内に保持すべきであるかどうか、またその場合にどのくらいの期間保持するかという諸点を決定する。また、サンプル・チューブ・ラック38上にバーコード記号を設け、アナライザ10全体にわたって据え付けた多数の在来のバーコードリーダを使用してサンプル・チューブ40およびサンプル・チューブ・ラック38の位置を確認、制御、追跡することもよく行われている。
【0034】
図6に示すアリコート受け器アレイ移送システム50は、アリコート受け器アレイ保管・分配モジュール51と、図1に示すように、反応回転コンベヤ12に接近して設置したサンプル流体吸引・分配アーム54の下方に多数のアリコート受け器アレイ・トラック53内のアリコート受け器アレイ44を双方向移動させるようになっている多数のリニア駆動モータ52とを含む。サンプル吸引・分配アーム54は、コンピュータ15によって制御され、制御した量のサンプルを、在来の液体プローブ54Pを使用して、トラック53内のサンプル採取位置に位置した個々の受け器44Vから吸引し、次いで、液体プローブ54Pを分配位置に動かし、ここにおいて、適量の吸引サンプルがキュベット・ポート20にある1つまたはそれ以上のキュベット24に分配され、アナライザ10が検査を行う。サンプルが反応キュベット24に分配された後、在来の移送手段が、必要に応じて、アリコート受け器アレイ移送システム50、環境室48、廃棄領域(図示せず)間でアリコート受け器アレイ44を移動させる。
【0035】
それぞれ在来の液体試薬プローブ、60P、61P、62Pを含む多数の試薬吸引・分配アーム60、61、62が、独立して装着してあり、試薬保管領域26、27、28のそれぞれと外側キュベット回転コンベヤ14との間を移動できる。プローブ60P、61P、62Pは、試薬添加位置で適切な試薬カートリッジ30にあるウェル32から指定評価分析を行うのに必要な試薬を吸引する在来の機構を含む。次いで、プローブ60P、61P、62Pは、外側キュベット回転コンベヤ14の反応キュベット24に試薬を分配される試薬分配位置に移動する。所望に応じて、融通性を向上させるために付加的なプローブを設けてもよい。多数の試薬カートリッジ30は、制御された環境状態において試薬保管領域26、27、28内に格納されており、必要に応じて装填トレイ29から試薬保管領域26、27、28に移送できる。
【0036】
反応キュベット装填ステーション63および反応受け器装填ステーション65が、それぞれ、外側キュベット回転コンベヤ14および内側受け器回転コンベヤ16に接近して設置してあり、たとえば摺動シュート67を使用して反応キュベット24をキュベット・ポート20内へ、そして、反応受け器25を受け器ポート22内へ装填するようになっている。操作に当たって、評価分析を最終的に行った使用済みのキュベット24は、本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号10/623,360に開示されるように洗浄ステーション71で洗浄、乾燥させられる。本発明の譲受人に譲渡された審査係属中の米国特許出願番号10/318,804に開示されているような理由のために他の指示がない限り、以降の評価分析が清掃された使用済みのキュベット24で行われる。キュベット取り出しステーション59が、再び装填ステーション63、65に示すような移動可能なロボットアーム65を使用してキュベット・ポート20から使用不可の反応キュベット24を取り出すようになっている。
【0037】
サンプル採取アリコータ42は、本発明を例示するものであり、図7に示すように、水平方向駆動部42H、垂直方向駆動部42V、洗浄モジュール42W、ポンプ・モジュール42Pおよび表1に記載した主要な機能を有する浄化モジュール90を含む。図7に示していない洗浄モジュール42Wおよびポンプ・モジュール42Pの構成要素は以下に説明する。
【表1】

【0038】
図8は、従来通りに構成した内外面を有する在来の中空液体搬送プローブ66に接続してあって、洗浄マニホルド42Mによって支持されたポンプ・モジュール42Pを示している。この洗浄マニホルド42Mは中空空気チューブ70によって三方弁71に接続してある。好ましくは、プローブ66は、蓋69を貫いて挿入したときのコアリング作用を減らすように設計されたテーパの先端を有し、いくつかのスクリュウ状コネクタ(図示せず)のうちのいずれかを用いて洗浄マニホルド42Mに連結するか、あるいは、恒久的に溶接するかするとよい。弁71は、場合により空気チューブ70を、(1)大気通気チューブ74および空気供給源75に接続した通気弁73、または、(2)中空空気チューブ77によって、ピストン式シリンジ・ポンプ76に接続するように作動可能である。在来の空気圧力測定トランスデューサ78が、ポンプ76と弁71との間で中空空気チューブ79によって空気チューブ77に接続してある。
【0039】
図9は、それと図8に関連して説明するように、穿刺された蓋69を有するサンプル流体プローブ66を示しており、このサンプル流体プローブ66は、サンプル流体チューブ40内に収容されているサンプル流体68内に位置する。このような蓋穿刺プロセスは、本発明の鍵となる特徴であって、以下により詳細に説明する。サンプル・チューブ40を蓋で塞いでいない場合には、明らかに穿刺は不要である。たとえば周知の容量性信号を使用する液面検知手段を使用してプローブ66がサンプル流体68と確実に流体連絡するようにすると都合がよい。ピストン76が作動したとき、それが移動する距離は、コンピュータ15によって制御され、その結果、制御量のサンプル流体68がプローブ66に吸引される。このプロセス中、弁71は、通気チューブ72には閉じているが、空気チューブ77および空気チューブ70には開いている。サンプル流体チューブ40からのサンプル流体68の吸引が完了した後、洗浄マニホルドは42Mが後述するように垂直方向駆動部42Vによって上昇させられ、水平方向駆動部42Hによって位置決めされる。その結果、プローブ66は、図9Aに示すように、サンプル流体68をアリコート受け器アレイ44内の受け器44Vに分配できる。垂直方向駆動部42Vおよび水平方向駆動部42Hは、同じように作動して、浄化作業において以下に説明するようなプローブ66の動きを行わせる。図8は、洗浄マニホルド42Mに中空液体搬送チューブ81によって接続したフラッシュ弁82を含むものとして洗浄マニホルド42Wを示している。フラッシュ弁82は、中空液体チューブ83によって液体搬送チューブ81を加圧すすぎ水源84に接続するように作動可能である。
【0040】
図10は、本発明の好ましい実施形態に従って構成した浄化モジュール90を示しており、これは第1の開放形浄化本体91を含み、この浄化本体91の上方部分でその両側部には2対の配管93、94が接続してある。最上部の接続配管93は、エア・ナイフ弁96に接続しており、そこからエア・ナイフ供給源97に接続している。接続した配管94は、入口弁83に接続し、そこから加圧すすぎ水源84に接続している。配管93、94は、在来のねじ付き管継手を使用して第1の浄化本体91に接続または取り付けてもよいが、真空管路用の有刺開口・配管接続具を使用すると、配管が偶発的に外れる可能性を減らせるので有利である。浄化モジュール90は、さらに、底部を漂白剤様浄化溶液の源99に、頂部を負圧源86に接続した第2の開放形浄化本体80を含む。浄化溶液源99は、漂白剤様の浄化溶液を満たした第2の開放形浄化本体80の内部リザーバ80Rを維持するように作動し、過剰な漂白剤様の浄化溶液が真空源86で吸い出される。
【0041】
図10は、浄化本体91内に垂直方向に向いたほぼ円形の内部浄化チャンバ100が形成してあり、これにテーパの底部分101が設けてある状態を共に点線で示している。浄化チャンバ100は、真空チューブ103によって真空式廃棄物リザーバ102と真空連絡している。第2の開放形浄化本体80の内部リザーバ80Rも同様の形状となっている。
【0042】
プローブ66が受け器44Vにサンプル流体68を分配した後、プローブ66の内外面を洗ってから別のサンプル流体チューブ40について再使用すると良い。図11A〜11Cは、浄化モジュール90およびサンプル流体プローブ66の定期保守の縮小を同時に達成するようにサンプル流体プローブ66を浄化する本発明方法を示している。本明細書で使用するように「浄化」なる用語は、潜在的に、プローブ66の内部に浄化溶液を吸引すること、すすぎ洗い溶液をサンプル流体プローブ66の内部を通して圧送すること、サンプル流体プローブ66の内部を空気で乾燥させること、すすぎ洗い溶液をサンプル流体プローブ66の外面に対して圧送すること、サンプル流体プローブ66の外面を空気で乾燥させることを含むと考えるべきである。特に、浄化モジュール90を使用する好ましい方法は、サンプル流体プローブ66を第2の開放形浄化本体80の内部リザーバ80R内に完全に浸漬するように挿入すること、そして、シリンジ・ポンプ76を作動させて内部リザーバ80Rからプローブ66内へ漂白剤様の浄化溶液を吸い込むこと、浄化溶液を内部リザーバ80R内へ分配して戻すこと、プローブ66を第2の開放形浄化本体80から取り出し、プローブ66の外面を清掃しながら第1の浄化本体91のプローブ66を浄化チャンバ100に挿入すること、プローブ66が浄化本体91内で静止している間にプローブ66の内部を清掃し、すすぎ洗いし、乾燥させること、そして、最後に浄化本体91から引き抜くにつれてプローブ66の外面をすすぎ洗いし、乾燥させることを含む。
【0043】
浄化モジュール90の動作は、図11A〜11Cおよび図12に示すフルイディクス・ダイヤグラムを参照することで理解できる。図11Aに示す代表的な例においては、サンプル流体プローブ66は、第2の浄化本体80の中心と整合して軸線方向に位置しており、内部リザーバ80R内へ下降させられ、次いで、シリンジ・ポンプ76が作動して内部リザーバ80Rからプローブ66内へ漂白剤様の浄化溶液を吸い込み、ちょっとの間浄化溶液を維持する。その結果、プローブ66の内外の部分が浄化溶液と接触する。次いで、ポンプ76が作動して、浄化溶液を内部リザーバ80R内へ分配して戻す。あるいは、プローブ66が次に第1の浄化本体91に入るまでプローブ66内に浄化溶液を維持するようにポンプ76が作動してもよい。この場合、プローブ66の内面のすすぎ洗い中に浄化溶液が追い出される。この後者の浄化工程には、プローブ66を浄化するのに必要な時間を延ばすことなくより長い期間にわたって浄化溶液をプローブ66の内部と接触させ続けるという利点がある。
【0044】
次に、サンプル流体プローブ66は、第1の浄化本体91の中心と整合して軸線方向に位置させられ、入口弁89および加圧すすぎ水源84の作動開始と同時に浄化本体91(図11B)の頂部から浄化チャンバ100内へ下降させられ、それによって、図11Cに示すように、プローブ66の有効作動長が浄化チャンバ100内に入るまで(このときプローブ66の下方運動が停止する)プローブ66が引き続き浄化チャンバ100内へ下降するにつれてすすぎ洗い水流がプローブ66の外面に衝突する。清掃溶液とすすぎ水の混合物は、浄化チャンバ100から真空チューブ103を通して真空によって廃棄物リザーバ102に取り出される。好ましい清掃溶液は、洗剤水、CloroxTM、アルコールおよび水酸化ナトリウムを含み、浄化チャンバ100内へ1〜2ml/秒の範囲の流量で圧送される。
【0045】
図11Cに示すような静止期間中、プローブ66の内部は以下の通りに浄化される。入口弁89およびフラッシュ弁82が起動し、洗浄水溶液が加圧すすぎ水源84から配管83、81を通って流れ、サンプル流体プローブ66の中空部分を通って浄化チャンバ100内に流れる。それによって、水がサンプル流体プローブ66の内部をすすぎ洗いする。この水すすぎ洗いプロセス中、弁71が引き続き作動しており、加圧空気が、空気源75から配管72、70を通ってマニホルド42M内へ流れ、加圧すすぎ水源84からのすすぎ洗い水の流れと共にサンプル流体プローブ66の中空部分内へ流れる。すすぎ洗い溶液は、チャンバ102から真空チューブ103を通して真空によって廃棄物リザーバ102内へ取り出される。好ましいすすぎ洗い水溶液は脱イオン水を含み、1〜2ml/秒の範囲の流量でサンプル流体プローブ66を通して浄化チャンバ100内へ圧送される。本発明の重要な特徴は、浄化溶液をサンプル流体プローブ66の中空内面から取り出す際に優れているというこの加圧すすぎ洗い溶液の発見にある。
【0046】
最終工程として、弁80を停止させ、その結果、溶液がまったく配管81を流れなくなる。しかしながら、弁71はまだ作動しており、その結果、加圧空気が、空気源75からマニホルド42M内へ流れ、そこからサンプル流体プローブ66の中空部分内へ流れ、プローブ66の内面を乾燥させる。この最終的な乾燥用空気の流れは、従来技術のプローブ清掃システムの重要な改良であり、プローブ66の内側部分を効果的に清掃する際に重要である。3〜10リットル/分の空気の流量が、サンプル流体プローブ66の内部からサンプル流体を取り出す際に効果的である本発明の乾燥用空気流を創り出すのに充分であることがわかっている。本明細書で使用するように「効果的に清掃する」という用語は、サンプル流体プローブ66の内面から液体のすべて(約0.3マイクロリットル未満)を除去することと考えるべきである。
【0047】
プローブ66の中空内部を浄化、乾燥させるプロセス工程に続いて、プローブ66が浄化チャンバ100から取り出される。この取り出しプロセス中、図10に示すようにプローブ66が完全にチャンバ102を出てしまうまでプローブ66の外方部分が乾燥させられる。プローブ66がチャンバ102から引き抜かれるとき、配管93を通る加圧空気の最上部の流れが続き、その結果、外面乾燥用空気流は、別のサンプル流体チューブ40からサンプル流体を吸引する際に再使用する前にいかなる残留物もプローブ66に粘着するのを防ぐエア・ナイフとしても作用する。
【0048】
ポンプ・モジュール42P、洗浄モジュール42Wおよび浄化モジュール90の組み合わせ動作は、洗浄液のキャリオーバを全体的に減らす第1の驚くべき結果をもたらすように作動し、サンプル流体量高感度評価分析の精度が向上する。アナライザ10が本発明の洗浄リソースを備えている場合、引き抜かれるサンプル流体プローブ66まわりの清掃用空気流が、0.03マイクロリットル未満の液体がサンプル流体プローブ66の外面上の残る程度までほとんどの不必要な洗浄溶液を除去するのに効果的であることがわかった。本発明を本明細書に説明したように使用するとき、最も注目に値するカルシウム、マグネシウムおよびブドウ糖のためのサンプル流体量高感度評価分析における変動が、2〜5マイクロリットルの範囲のサンプル流体量が評価分析で必要となる例では、10〜50%の範囲で減る。
【0049】
ポンプ・モジュール42P、洗浄モジュール42Wおよび浄化モジュール90の動作は、保守清掃の回数を減らすという第2の驚くべき結果をもたらすように作動する。アナライザ10が本発明の洗浄リソース42Wを備えている場合、保守清掃が必要となる前に100,000回以上のサンプル流体吸引さえ行うことができるということがわかった。この特別な洗浄リソース42Wを使用する前には、市販の据え付けの際3,000回のサンプル流体吸引後に保守清掃を行うように型通りにスケジュールに組んでいた。この改良した性能についてのメカニズムは完全には理解されていないが、サンプル流体プローブ66の洗浄中に浄化チャンバ100内にサンプル流体プローブ66を完全に浸漬するという特徴が貢献要因であると考えられる。
【0050】
本発明の重要な特徴は、コスト効率の良いものである洗浄リソース42Wの一部としてマニホルド42Mをコスト効率良く使用し、図13に示す蓋貫通チューブ吸引・穿刺用垂直方向駆動部42Vでマニホルド42Mを使用するということである。垂直方向駆動部42Vは、サンプル流体チューブ・リテーナ106の平らな底部分112に設けた開口部111を貫いてプローブ66を垂直方向に駆動するようになっている自由な駆動ネジを有するリニア・アクチュエータ104を含む。リニア・アクチュエータ104は、好ましくは、その中心ロータ軸の代わりに硬質プラスチック製ナットを有するステッピング・モータである。親ねじ107がこのナットを貫通していて、プローブ66に取り付けてある(ネジに回転防止作用を与える)。モータ回転子が回転するにつれて、親ねじ107がリニア・アクチュエータ104を通して垂直方向に移動する。
【0051】
2つのリニア・スライドが垂直方向駆動部42Vの垂直方向運動を案内する。第1のリニア・スライド108は、2つのキャリッジを有し、サンプル流体チューブ・リテーナ106が水平方向駆動部42Hに相対的に垂直方向に移動するのを可能にしている。これら2つのキャリッジは、垂直方向駆動部42Vに付加的な安定性を与える。第2のリニア・スライド109により、プローブ66がチューブ・リテーナ106に相対的に垂直方向に移動できる。垂直方向駆動部42Vは、少なくとも2つの位置センサと、サンプル流体液面検出のための容量性センサとを有する。1つのセンサは「プローブ・ホーム」センサであって、プローブ66がチューブ・リテーナ106に完全に引っ込められたときにそれを検出する。第2のセンサは「チューブ・リテーナ位置」センサであり、チューブ・リテーナ106がその完全な上方(引っ込み)位置にあるかどうかを検出する。第3のセンサは液面検出センサであり、静電容量測定を利用して、プローブ66が導電性物体と接触してその静電容量を変えたときにそれを検知する。水平方向駆動部42Hは、代表的には、図13に示すような在来のモータ駆動式リニア・スライドからなり、垂直方向駆動部42Vを、図7に点線で示すように、ラック38上のサンプル流体チューブ40、アリコート受け器アレイ44の個々の受け器44Vおよび浄化モジュール90のうちの1つの上方に位置決めするようになっている。
【0052】
回転空気圧アクチュエータ110が、図14に示す錠止機構に駆動力を与える。電磁弁が、アクチュエータ110の片側に空気圧力を送り、その反対側は大気に通じている。これにより、アクチュエータ110が90度回転する。電磁弁が消勢されると、空気圧力が先に通気していた側に供給され、アクチュエータ110を逆方向へ回転させる。したがって、代表的な電気回転ソレノイドとは異なって、両移動方向がばね戻しではなくて動力の下にある。これが、空気エネルギの機械的な利点と相俟って、高レベルの制御トルクを与える。
【0053】
サンプル流体チューブ・リテーナ106は垂直方向駆動モータを支持すると共に、プローブ66が蓋69から引っ込められるにつれてチューブ・ラック38内にチューブ40を保持するという特徴を与える。チューブ・リテーナ106の下方部分112は、それを貫いて設けた孔111のところでサンプル流体チューブ40上に着座するように設計してあり、この孔を通ってプローブ66が移動する。孔111は、「SarstedtTM」サンプル流体チューブ40の「ノーズ」がその中に嵌合できるに充分に大きい直径を有し、その結果、チューブ・リテーナ106が、サンプル流体チューブ40の外側リム上に着座する。他のサンプル・チューブ40は、一般的に、垂直方向駆動部42Vが多種多様なサンプル・チューブ40と使用するのに適するように孔111より大きい平らな頂面の蓋69を有する。
【0054】
図14に示す錠止機構42Lが、垂直方向において、プローブ66またはチューブ・リテーナ106を交互に錠止し、ただ1つのリニア・アクチュエータ110で2つの機能を果すことができる。この機構は、錠止力を与える摩擦結合の原理を使用している。バック部分113Bに対してほぼ直角なL字の短いフット部分113Fを有するL字形結合クリップ113が、バック部分113Bに設けた穴113Hを有し、この穴を通って静止軸118が延びている。バック部分113Bの頂部は、部分的にカットしてあり、フット部分113Fから反対方向に折り曲げてあってカム面113Cを形成する。図14Aは、これらの特徴を示す結合クリップ113の拡大図である。L字形結合クリップ113のフット部分113Fは、錠止しようとしている構成要素、すなわち、プローブ66またはチューブ・リテーナ106のいずれかに載っている。ばね115が結合クリップ113を上向きに押して回転させ、L字のフット部分113Eを錠止しようとしている構成要素と結合接触させる。この回転により、クリップ113にある穴113Hが静止軸114に対して固着する。穴113Hとバック部分113Bの間のモーメントアームが穴の直径よりも充分に大きい(たとえば、2:1)限り、発生した摩擦は、常に、錠止された構成要素を動かすのに加えられる力よりも大きい(すなわち、構成要素を動かそうと加えられる力が大きければ大きいだけ、結合クリップ113の把持力が大きくなる)。この機構は、或る種のコーキングガンに使用される結合クリップと同じ原理を使用している。
【0055】
クリップ113Pを解錠するためには、カム116PをL字の反対側でクリップ113Pに回転させる。カムは、クリップ113Pを或るレベル位置まで押し、クリップ113Pと軸を解放し、錠止された構成要素に対して自由に移動させる。カム116Pは、角穴が貫いて形成してあるカラーに取り付けたボールベアリングである。角軸117がこの穴を貫通している。角軸117は、回転アクチュエータ110に取り付けてある。したがって、カム116Pは所定位置へ回転したり、所定位置から外れて回転したりすることができる。カム116Pは、ラジアルボールベアリングによって錠止された構成要素に取り付けられ、垂直方向でこの構成要素に載る。
【0056】
プローブ66およびチューブ・リテーナ106は、共通の丸軸118に載っている結合クリップ113P、113Rを有する。2つの機構のためのカム116P、116Rは互いから90度回転している。その結果、プローブ66またはチューブ・リテーナ106が係合したとき(この特定の結合クリップ113を解錠する)、他方が分離する(その結合クリップ113を錠止する)。角形シャフト117が回転すると、一方の結合クリップ113を解錠し、他方の結合クリップ113を錠止する。(錠止が解かれたとき、プローブ66が解錠され、チューブ・リテーナ106が錠止される)。移動中心のところでは、両方の構成要素が同時に解錠できないように両方のクリップが錠止位置にある。同時解錠すると、結合クリップ113が移動している機構全体を支持しているときに垂直方向駆動部42V全体が落下することになる。
【0057】
図14Bは、錠止機構42Lの構成要素の拡大図であり、一方のカム116Pおよび結合クリップ113Pが、他方のカム116Rおよび結合クリップ113Rを錠止している間に、後に説明するように、プローブ66およびチューブ・リテーナ106を垂直方向に錠止することを制御することとそれぞれどのように関連するかをより良く示している。
【0058】
この錠止機構42Lの独特の特徴は、錠止時に、錠止された構成要素、すなわち、プローブ66またはチューブ・リテーナ106のいずれかが下向きの移動を阻止されるが、上向きの移動は完全に自由であるということである。この特性は、チューブ蓋69からプローブ66を引き抜くときに巧みに利用される。プローブ66がサンプル流体チューブ40内にあるときに、錠止機構42Lが作動させられ、チューブ・リテーナ106を解錠し、プローブ66を錠止する。チューブ・リテーナ106は、チューブ40と接触するまで下向きに動かされる。ひとたびチューブ40がチューブ・リテーナの運動を止めると、プローブ66は自動的に上方に移動し始める。(リニア・アクチュエータ110は、アクチュエータ110とプローブ66の距離を縮める。それと関係のない構成要素は実際に移動し続ける)。したがって、ただ1回の連続運動を使用してリテーナ106を下降させ、プローブ66を引っ込めることができる。
【0059】
錠止機構42Lの別の実施形態では、個別の丸軸118および角軸117の代わりにただ1つの軸を使用している。この構成においては、角カム軸117が回転要素および結合軸として役立つ。結合クリップ113は、それを貫いて角穴を形成してあり、角軸117上のカラーに取り付けられる。このカラーは、錠止しようとしている構成要素(プローブ・マウントまたはチューブ・リテーナのいずれか)に連結してある。ここでは、「カム」は静止している。角軸117がアクチュエータ110によって回転するとき、カラーおよび結合クリップ113の両方が角軸と一緒に回転する。したがって、錠止を外すには、結合クリップ113は、結合クリップ内へ回転するカムの代わりに静止カム内へ回転する。この構成により、錠止機構42Lのサイズを縮小し、錠止機構42Lを、垂直方向駆動部42V全体の一体部分というよりもむしろ、プローブ66およびチューブ・リテーナ106に取り付けた別体の半組立体とすることができる。
【0060】
図15A〜Gは、チューブ蓋69を穿刺し、プローブ66で所望量のサンプル流体を吸引し、最後にプローブ66を蓋69から取り出すのに必要な動きを与える際の錠止機構42Lの動作を概略的に示している。これらの図において、プローブ66およびチューブ・リテーナ106のための結合クリップ113は、それぞれ、113P、113Rとして個別に示してある。
【0061】
図15A:回転アクチュエータ110がカム116Rを動かすように作動させられ、その結果、プローブ・ロック113Pがその「解錠」状態となり、プローブ66が垂直方向に自由に動けるが、プローブ・リテーナ・クリップ113Rを「錠止する」。垂直方向駆動部42Vの重量は、チューブ・リテーナ・クリップ113Rによって支持される。
【0062】
図15B:リニア・アクチュエータ104が第1の方向に作動し、親ねじ107(およびプローブ66)を下向きに移動させ、アクチュエータ110とプローブ66の距離を広げ、蓋69を穿刺させる。プローブ・ロック113P近くにある矢印は、その「下向きの」動きを示している。
【0063】
図15C:プローブ66はその下向き移動の限界に達し、チューブ40が通気し、サンプル流体液面が検出され、所望量のサンプル流体が吸い出される。
【0064】
図15D:回転アクチュエータ110が作動させられてカム116Pを回転させ、プローブ・ロック113Pを作動させ、それによって、プローブ66を錠止し、チューブ・リテーナ106を解錠する。垂直方向駆動部42Vの重量は、今や、プローブ・ロック113Pに加えられている。
【0065】
図15E:リニア・アクチュエータ104が第1方向と反対の第2方向に動き、プローブ66とアクチュエータ・モータ104との距離を縮める。垂直方向駆動部42Vの重量がプローブ・ロック113Pにより支持されており、チューブ・リテーナ106が自由に垂直方向に移動できるので、チューブ・リテーナ106は、ロック113R近くの矢印で示すように下方へ移動する(本質的には、リニア・アクチュエータ110は静止親ねじ107に沿って移動する)。
【0066】
図15F:ひとたびチューブ・リテーナ106がチューブ40の頂面と接触すると、その下方への運動は停止する。しかしながら、プローブ66は下方移動しないように錠止されているが、プローブ・ロック113Pがプローブ66の上方移動を阻止することはない。したがって、リニア・アクチュエータ110の作用で、プローブ66は、ロック113P近くの矢印で示すように直ちに上方へ移動し始め、蓋69およびチューブ40から引っ込む。チューブ・リテーナ106を下方へ移動させ、プローブ66を引っ込める親ねじ107の回転数は、プローブ66をサンプル流体に向かって下方へ移動させるのに最初に必要とする回転数と同じである。この設計の鍵となる特徴は、チューブ40が、プローブを蓋69から引き出すのに要する力の量でチューブ・リテーナ106によってのみ保持されるので、別個に作動するチューブ拘束器が不要となるということである。さらに、このような別個に作動する拘束器は、同じ最大力ですべてのチューブを保持しなければならず、より小さいチューブを不必要に危険にさらすことになろう。
【0067】
図15G:ひとたびプローブ66がチューブ40から引き抜かれ、リテーナ106に対するその「ホーム」位置になったならば、リニア・アクチュエータ110が第1方向に作動し、ロック113R近くの矢印で示すようにチューブ・リテーナ106を上昇させる(アクチュエータ・モータ110とプローブ66の距離を広げる)。プローブ66はなお下方へ移動しないように錠止されている。リテーナ106は、完全に引っ込むまで上方へ移動する。
【0068】
図15H:回転アクチュエータ110が回転して、プローブ・ロック113Pを解錠し、リテーナ・ロック113Rを作動させ、それによって、チューブ・リテーナ106を保持し、プローブ66を自由にする。ここで再び、リニア・アクチュエータ104が逆方向へ作動させられ(アクチュエータ104とプローブ66の距離を縮め)、ロック113Pの近くの矢印で示すようにプローブ66を引込めさせる。プローブ66がそのホーム位置に達するまでの親ねじ107の回転数は、チューブ・リテーナ106を完全に引っ込めるのに必要な回転数(工程7において)と同じである。
【0069】
上記の工程3において、サンプル流体液面が決定された後、サンプル流体吸引は以下の通りに始まる。ピストン式シリンジ・ポンプ76(図8)によって発生した真空がサンプル流体68をプローブ内へ吸い上げる。同時に、プローブ66が下降してチューブ40内のサンプルの液面に追従し、先端をサンプル流体68内に浸漬させ続ける。吸引が完了した後、この事象中に記録された圧力プロファイルが審査され、プローブ66がサンプル・チューブ40から引っ込められる。最後に、或る量の空気がポンプ76によってプローブ66内へ吸い込まれ、サンプル流体68をプローブ底から離れるように移動させ、潜在的な滴下を防ぐ。吸引速度(ポンプ76の速度)は、米国特許第6,370,942号に開示されているような、サイクル時間を最小限に抑えながらエラーなしで吸引を行うのに必要な特徴を圧力プロファイルに与えるように選ばれる。
【0070】
好ましくは、プローブ66は、316シリーズのステンレス鋼18ゲージ製の厚い壁を持ち、滑らかな孔を持つ配管から作り、4〜6インチのオーダーの自由長を有する。プローブ66の下端は、プローブ66を蓋69に通したときにコアリングを防ぐ偏向先端(図9に示す)を有する。上記のような寸法を有するプローブ66はエラストマー材料の穿刺時に座屈すると予想されるかもしれないが、垂直駆動部42Vは、蓋69、アクチュエータ104、プローブ66間で同一直線上の力を利用するのでこのようなことは起こらない。
【0071】
マニホルド42Mをチューブ・リテーナ106内へ下降させることによって閉じたサンプル・チューブ40からのサンプル流体の吸引中にマニホルド42Mを用いることと組み合わせて、プローブ66の内外の部分を清掃する際にマニホルド42Mを使用するということは重要なポイントで、本発明の液体サンプル採取アリコータ42の多重用途である。上記の本発明の教示の利益を得る当業者であれば、本発明に数多くの変更を行うことができる。これらおよび他の変更が添付の特許請求の範囲に記載したような本発明の範囲内にあることは了解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明が有効に使用され得る自動アナライザの概略平面図である。
【図2】図1のアナライザの一部拡大概略平面図である。
【図3】図1のアナライザで役に立つ反応容器の斜視図である。
【図4】図1のアナライザで役に立つアリコート受け器アレイの斜視図である。
【図5】図1のアナライザの自動アリコート受け器アレイ保管・取り扱いユニットの斜視図である。
【図6】図4のアリコート受け器アレイを移送するための移送システムの斜視図である。
【図7】本発明のサンプル採取システムを使用しているサンプル流体アリコート抽出プロセスを概略的に説明している。
【図8】本発明のサンプル採取システムを使用しているサンプル流体アリコート抽出プロセスを概略的に説明している。
【図9】本発明のサンプル採取システムを使用しているサンプル流体アリコート抽出プロセスを概略的に説明している。
【図9A】本発明のサンプル採取システムを使用しているサンプル流体アリコート抽出プロセスを概略的に説明している。
【図10】本発明のサンプル採取システムを使用しているサンプル流体アリコート抽出プロセスを概略的に説明している。
【図11A】本発明のサンプル採取システムを使用しているサンプル流体アリコート抽出プロセスを概略的に説明している。
【図11B】本発明のサンプル採取システムを使用しているサンプル流体アリコート抽出プロセスを概略的に説明している。
【図11C】本発明のサンプル採取システムを使用しているサンプル流体アリコート抽出プロセスを概略的に説明している。
【図12】本発明のサンプル採取システムのためのフルイディクス・ダイヤグラムである。
【図13】本発明を例示するサンプル採取アリコータ(sampling aliquotter)を説明している。
【図14】本発明を例示するサンプル採取アリコータを説明している。
【図14A】本発明を例示するサンプル採取アリコータを説明している。
【図14B】本発明を例示するサンプル採取アリコータを説明している。
【図15A】図13のサンプル採取アリコータの動作を説明している。
【図15B】図13のサンプル採取アリコータの動作を説明している。
【図15C】図13のサンプル採取アリコータの動作を説明している。
【図15D】図13のサンプル採取アリコータの動作を説明している。
【図15E】図13のサンプル採取アリコータの動作を説明している。
【図15F】図13のサンプル採取アリコータの動作を説明している。
【図15G】図13のサンプル採取アリコータの動作を説明している。
【図15H】図13のサンプル採取アリコータの動作を説明している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋で閉じたサンプル流体チューブ内のサンプル流体のアリコート部分を吸引し、このアリコート部分を受け器に分配するためのサンプル採取アリコータであって、水平方向駆動部と、垂直方向駆動部と、ポンプ・モジュールと、浄化モジュールとを含み、水平方向駆動部が、サンプル流体チューブ、受け器および浄化モジュール上方に垂直方向駆動部を位置決めするようになっており、垂直方向駆動部が、蓋を貫いてプローブを駆動するようになっており、ポンプ・モジュールが、プローブを通してサンプル流体を吸引し、分配するようになっており、浄化モジュールが、サンプル流体プローブを浄化するようになっているサンプル採取アリコータ。
【請求項2】
垂直方向駆動部が、リニア・アクチュエータとサンプル・チューブ・リテーナとを含み、リニア・アクチュエータが、蓋を貫いてプローブを駆動し、チューブ・リテーナを蓋と接触するように下降させ、蓋からプローブを引っ込め、蓋からチューブ・リテーナを上昇させるように作動可能である、請求項1に記載のサンプル採取アリコータ。
【請求項3】
垂直方向駆動部が、さらに、プローブまたはチューブ・リテーナを下向き垂直方向において錠止するようになっている錠止機構を含み、この錠止機構が、ただ1つの丸軸上に装着した第1、第2のクリップでプローブおよびリテーナを錠止または解錠し、これらのクリップが、回転アクチュエータによって結合位置と自由位置との間で回転可能であり、第1のクリップがプローブを結合したときには、第2のクリップがリテーナを解放し、第2のクリップがリテーナを結合したときには、第1のクリップがプローブを結合するようになっている、請求項2に記載のサンプル採取アリコータ。
【請求項4】
浄化モジュールが、浄化本体に浄化チャンバが形成してあってプローブを受け入れるようになっており、浄化本体には2対の配管が接続してあり、第1の対の配管がエア・ナイフ供給源に接続してあり、第2の対の配管が加圧すすぎ水源に接続してあり、プローブが垂直方向駆動部によって浄化チャンバ内へ下降させられたときにエア・ナイフ供給源が起動し、プローブが垂直方向駆動部によって浄化チャンバから取り出されたときに加圧すすぎ水源が起動する、請求項1に記載のサンプル採取アリコータ。
【請求項5】
さらに、ポンプ・モジュールからの加圧空気の流れと共にプローブを通して清掃溶液を圧送するようになっている洗浄モジュールを含む、請求項1に記載のサンプル採取アリコータ。
【請求項6】
浄化チャンバが廃棄物リザーバと真空連絡している、請求項1に記載のサンプル採取アリコータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図9A】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図15F】
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【図15G】
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【図15H】
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【公表番号】特表2007−531869(P2007−531869A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520339(P2006−520339)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/022791
【国際公開番号】WO2005/010488
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(500029718)デイド・ベーリング・インコーポレイテッド (20)
【氏名又は名称原語表記】DADE BEHRING INC.
【Fターム(参考)】