説明

液晶パネルのセル厚測定方法及びセル厚測定装置

【課題】 液晶パネルのセル厚分布を全体的に把握できるとともに、セル厚の基準値に対するずれ量(差異)を容易に把握できる測定方法及び測定装置を提供する。
【解決手段】 CCDカメラ24は偏光板23から射出される透過光を受けて所定のカラー画像を取得し、このカラー画像データをコンピュータ装置26に送出する。コンピュータ装置26は、あらかじめROMやハードディスク等に格納されたデータ処理プログラムを実行することにより、CCDカメラ24から出力されたカラー画像データに演算処理を加えて後述するセル厚相関データに変換し、このセル厚相関データを用いて変換画像をモニタ27に出力する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶パネルのセル厚測定方法及びセル厚測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、従来の液晶装置の製造工程においては、2枚の透明基板の表面上にそれぞれ透明電極を形成し、その上に配向膜を形成して所定のラビング処理を施し、シール材を介して2枚の透明基板を貼り合わせ、その間に液晶を注入してシール材を封止することにより液晶パネルを形成する。また、例えばTN型やSTN型の液晶パネルにおいては、2枚の透明基板の表面上にそれぞれ偏光子及び検光子となる偏光板を貼着する。
【0003】上記の製造工程においては、形成された液晶パネルのセル厚(2枚の基板間の間隙、或いは、この間隙に注入された液晶層の厚さ)を測定することによって製造工程の条件設定を適宜修正する場合がある。液晶パネルのセル厚のばらつきは液晶装置の表示性能に直接に影響するため、きわめて厳重に管理されなければならないが、製造工程中のギャップ材散布密度等の管理困難なパラメータによって微妙に狂いが出る場合があるからである。
【0004】図5には、従来の液晶パネルのセル厚を測定する場合の測定装置の概略構成を示す。この装置においては、液晶パネル10の表裏両側に偏光子となる偏光板22と検光子となる偏光板23とをそれぞれ配置する。偏光板22の手前には光源21が配置され、また、偏光板23の先には色度計25が配置される。液晶パネル10においては、透明基板11及び12の表面上に透明電極11a,12aがそれぞれ形成され、これらの上にさらに配向膜11b,12bが形成される。配向膜11b,12bにはそれぞれ所定方向にラビング処理が施されている。透明基板11と12はシール材13を介して貼り付けられ、シール材13の内側に液晶14が封入されている。
【0005】上記測定装置においては、偏光板22,23の偏光透過軸が、液晶パネル10の配向膜11b,12bのラビング方向を基準とする所定方位に向くように設定する。この状態で、光源21から発せられた光は偏光板22を通過して直線偏光となり、液晶パネル10を透過した後にさらに偏光板23を通過してから色度計25にて色調が検出される。
【0006】このとき、液晶パネル10に入射した直線偏光は液晶14によって変調される。液晶14の直線偏光に対する変調度合は、液晶14の屈折率異方性をΔn(=ne−no)とし、液晶層の厚さdとすると、Δn・dで表されるリタデーションの値に比例する。上記直線偏光に対する液晶層による変調度合は波長に依存するので色度計25によって検出される光は所定の色調に着色される。したがって、液晶層の厚さ、すなわち液晶パネルのセル厚が変化すると、リタデーションが変化して色度計25によって検出される色調もまた変化する。
【0007】従来は、上記のような光学特性を利用して、あらかじめ基準のセル厚に対する基準の色調を求めておき、色度計25によって検出された色調が基準の色調からずれている程度によってセル厚の基準値からのずれの度合を判定するようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のセル厚測定方法においては、前後に偏光子22及び検光子23を配置した液晶パネル10に光を透過させ、その透過光を色度計25によって検出しているので、透過光をスポット的に或いは平均的に検出することができるだけであり、液晶パネル10のパネル面に沿ったセル厚に関する分布情報を得ることができないという問題点がある。
【0009】また、色度計25によって検出される色調は少なくとも3つの独立した変数によって決定される量であって複雑であり、しかも液晶パネル10のセル厚に対して1対1の相関を持っているとは限らないため、色調の変化だけではセル厚が基準値からずれているか否かしかわからず、セル厚の基準値に対するずれの程度を正確に把握することができないという問題点もある。
【0010】そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、液晶パネルのセル厚分布を全体的に把握できるとともに、セル厚の基準値に対するずれ量(差異)を容易に把握できる測定方法及び測定装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明の液晶パネルのセル厚測定方法は、液晶パネルの表裏両側にそれぞれ偏光子及び検光子を配置し、前記偏光子及び前記検光子の偏光透過軸を前記液晶パネルにおける液晶配向状態に応じた所定方位に設定した状態で、前記偏光子、前記液晶パネル及び前記検光子を順次通過した光を採りこみ、前記液晶パネルのパネル面に沿った色調データの分布を含むカラー画像を取得し、前記色調データを、前記液晶パネルにおけるセル厚を含む所定のセル厚範囲内においてセル厚に対する線形性を有するセル厚相関データに変換して、該セル厚相関データの前記パネル面に沿った分布を得ることを特徴とする。
【0012】この発明によれば、偏光子、液晶パネル及び検光子を順次通過した光を採りこんでカラー画像を取得し、このカラー画像の色調データをセル厚相関データに変換して、このセル厚相関データのパネル面に沿った分布を得ることにより、セル厚のパネル面に沿った分布を正確に把握し、且つ、セル厚の基準値に対する実際のセル厚の差異の大小関係も容易に把握することが可能になる。
【0013】本発明において、前記液晶パネルはSTN型液晶パネルであり、前記偏光子及び前記検光子の前記透過偏光軸の方位を、前記液晶パネルとの組み合わせによってブルーネガモードになるように設定し、前記色調データから色度座標のx値を前記セル厚相関データとして求めることが好ましい。
【0014】この発明によれば、STN型液晶パネルにおいてブルーネガモードとなるように偏光子及び検光子の方位を設定すると、所定のセル厚範囲に相当する領域(例えば5〜6μm前後の領域)においてセル厚に対する色度座標xの線形性(色度座標xがセル厚の一次式で表される性質)が得られる。
【0015】なお、上記の線形性は厳密な意味での線形性に限られるものではなく、セル厚測定において許容し得る測定誤差の範囲内でほぼ満たされていれば足りる。
【0016】また、本発明の液晶パネルのセル厚測定装置は、液晶パネル配置部の表裏両側に配置された偏光子及び検光子と、前記偏光子の手前に配置された光源と、前記検光子の先に配置され、前記光源から発せられた透過光に対する前記液晶パネルのパネル面に沿った色調データの分布を含むカラー画像を出力する撮像手段と、前記色調データを、前記液晶パネルにおけるセル厚を含む所定のセル厚範囲内においてセル厚に対する線形性を有するセル厚相関データに変換するデータ処理手段とを備えていることを特徴とする。
【0017】本発明において、前記液晶パネルはSTN型液晶パネルであり、前記偏光子及び前記検光子の前記透過偏光軸の方位を、前記液晶パネルとの組み合わせによってブルーネガモードになるように設定し、前記データ処理手段は、前記色調データから色座標のx値を前記セル厚相関データとして求めることが好ましい。
【0018】本発明において、前記セル厚相関データの前記パネル面に沿った分布を出力する出力手段を備えていることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明に係る液晶パネルのセル厚測定方法及びセル厚測定装置の実施形態について詳細に説明する。図1は本実施形態におけるセル厚測定の様子を示す概略構成図である。液晶パネル10は従来例において説明したものと同じものであり、透明基板11の表面上には配向膜11bが形成され、一方、透明基板12の表面上には配向膜12bが形成されている。液晶パネル10の表裏両側には上記と同様に偏光子である偏光板22及び検光子である偏光板23が配置され、偏光板22の外側に光源21が配置される。また、偏光板23の外側には撮像手段であるCCDカメラ24が配置される。CCDカメラ24の出力は所定の入出力回路を介してコンピュータ装置26に入力され、コンピュータ装置26にはモニタ27が接続される。このコンピュータ装置26は、良く知られているように、CPU(中央演算ユニット)、ROM、RAM、ハードディスクなどの情報記憶手段(メモリ)、信号及びデータバス、入出力回路等を備えたマイクロプロセッサユニットである。
【0020】CCDカメラ24は偏光板23から射出される透過光を採りこんで所定のカラー画像を取得し、このカラー画像データをコンピュータ装置26に送出する。コンピュータ装置26は、あらかじめROMやハードディスク等に格納されたデータ処理プログラムを実行することにより、CCDカメラ24から出力されたカラー画像データに演算処理を加えて後述するセル厚相関データに変換し、このセル厚相関データを用いて形成された再構成画像をモニタ27に出力することができるように構成されている。また、CCDカメラ24から出力される上記カラー画像データを直接にモニタ27に出力することも可能である。
【0021】上記偏光板22,23は図示しない枠体等の支持部材に対してそれぞれ光軸周りに回転可能に取り付けられており、液晶パネル10における液晶配向状態に応じて所定の方位に偏光透過軸が向くように調整される。
【0022】図2は本実施形態における液晶パネル10の液晶配向状態と、偏光板22,23の偏光透過軸の方位との関係を示す説明図である。本実施形態の液晶パネルはSTN(超捩れネマチック)型液晶パネルであり、上記配向膜11bにはラビング方向11Aに沿ってラビング処理が施され、また、配向膜12bにはラビング方向12Aに沿ってラビング処理が施されている。上記のラビング方向11A及び12Aによって、液晶14によって構成される液晶層は約240〜270度のツイスト角を備えるように配向されている。すなわち、液晶分子の長軸は透明基板11の近傍ではラビング方向11Aにほぼ等しい方位に配向され、透明基板12の近傍ではラビング方向12Aにほぼ等しい方位に配向されている。
【0023】本実施形態では、上記の液晶パネル10に対して、所謂ブルーネガモードと呼ばれる液晶表示態様となるように、偏光板22,23の偏光透過軸22S,23Sの方位を設定する。ブルーネガモードとは、表裏に偏光板を備えたSTN型液晶装置において、電圧無印加時には青色に着色し、電圧印加時に無色になる表示態様(青色背景に白地の表示)が得られる構成態様をいう。具体的には、偏光板22の偏光透過軸22Sを、透明基板11の近傍における液晶分子の長軸の向く方位(すなわちラビング方向11A)に対して時計回りに35〜55度程度回転させた方位に設定し、偏光板23の偏光透過軸23Sを、透明基板12の近傍における液晶分子の長軸の向く方位(すなわちラビング方向12A)に対して反時計回りに35〜55度程度回転させた方位に設定する。
【0024】上述した状態で、光源21から発せられた光が上記偏光板22、液晶パネル10及び偏光板23を通過して形成された透過光をCCDカメラ24によって撮影し、所定のカラー画像を形成する。このときのカラー画像は、CCDの画素毎に検出された所定の色調を有する色調データを備え、当該色調データの液晶パネル10のパネル面に沿った分布情報を含む色調分布情報である。このカラー画像における各画素の色調は、例えばCIE(国際照明委員会)のXYZ表色系にて表すことができる。ここで、X,Y,Zは色の三刺激値である。このXYZ表色系において色を表示するには、色度座標x、y及び色刺激値Yを用いる。ここで、x=X/(X+Y+Z)、y=Y/(X+Y+Z)である。
【0025】図3は本実施形態の液晶パネル10における色度座標xとセル厚との関係を示すグラフである。本実施形態における基準セル厚(当該製造工程において中心となるセル厚、或いは、予め設計された所望のセル厚)は5.6μm、リタデーションの基準値は0.78である。色度を表す座標値x、yのうち一般に色度座標xのみを取り出して見ると、図3に示すように、色度座標xは液晶パネル10の5.4〜5.8μmの範囲(すなわち、基準セル厚に対して約プラスマイナス5%の範囲)のセル厚に対してはほぼ線形性を有していることがわかる。すなわち、色度座標xは、液晶パネル10のセル厚に対して上記範囲内では1対1に対応し、セル厚の変化に対して一定の傾きで変化する。上記のセル厚範囲の絶対値は液晶14の組成によっても若干異なるが、一般にSTN型液晶パネルでは上記数値の近傍に色度座標xにおけるセル厚dに対する線形性を有する領域が存在する。
【0026】一般に、測定対象である液晶パネル10に適したセル厚dに対する線形性を有する領域を備えたセル厚相関データ(本実施形態の場合には上記の色度座標x)は、当該線形性を有する領域の範囲を勘案して適宜に設定される。このように適したセル厚相関データ及びその線形性を有する領域の範囲は、液晶パネル10の液晶14の液晶組成や液晶パネル10の基準となるセル厚、或いは、設計されたセル厚によって異なるものである。
【0027】上記CCDカメラ24によって撮影されたカラー画像の色調データ(例えばRGB表色系によるRGB値)は、図4に示すように通常のカラー画像30Aとしてモニタ27によって観察することができる。本実施形態では、コンピュータ装置26のプログラムによってXYZ表色系に変換され、これから上記の色度座標xが求められる。良く知られているように、XYZ表色系はRGB表色系のRGBの三つの色刺激値の線形変換によって表されるので、簡単な演算によって色度座標xを得るための変換処理を行うことができる。
【0028】このようにして得られた色度座標xを用いて、図4に示すように、色度座標xのみのデータ分布を示す再構成画像30Bが形成され、これがモニタ27によって表示される。再構成画像30Bは、本実施形態においてセル厚に対する線形性を有する色度座標xのみによって構成されているので、液晶パネル10のセル厚をより正確に示し、且つ、セル厚の大小を正確に反映した表示として形成することができる。再構成画像30Bの画像表示は、通常、色度座標xを所定間隔で量子化し、同階調に属する領域を同じ表示態様で示し、異なる階調に属する領域を相互に異なる表示態様にて示すようにして構成される。これらの表示態様としては、複数の色相、濃淡(明度)、模様など、相互に視覚的に区別し得る態様が考えられる。そして、各表示態様で示された領域がどのセル厚に対応するかを示すために、各階調とこれに対応する表示態様との組合わせを示す表示説明部30C(例えば色相によって階調表示を行う場合にはカラーチャート或いはカラーバーなど)がモニタ27の画面内に表示されることが好ましい。この場合に、液晶パネル10の基準セル厚を表示説明部30C内に明示することが望ましい。
【0029】製造工程における基準セル厚は、当該液晶パネル10に共通に用いる液晶14の屈折率異方性Δnをも含むリタデーションΔn・dの基準値に対応する色度座標xの基準値として設定されることが好ましい。実際に液晶パネルを製造する場合には、好ましい表示性能を示す液晶パネルの色度座標xを基準とし、この色度座標xの基準値に対応するリタデーションの値を把握すれば足りる。液晶パネルの光学特性(表示態様)はリタデーションの値によって決定されるからである。液晶14は共通であるから、リタデーションの値を管理できればセル厚が管理できたことになる。これに対して、セル厚の直接的な計測や屈折率異方性の直接的な計測には、大きな測定誤差が避けられず、本実施形態のような、きわめて精度の高いセル厚測定の基準値を得る手法としては不適切且つ無意味である。
【0030】なお、上記実施形態では、再構成画像30Bにおいて、セル厚の大小を表現する色度座標xを量子化して表示しているが、色度座標xそのものをそのまま連続的に(アナログ的に)色相、濃淡などの種々の表示態様に変換して表示しても構わない。この場合にも、表示された色度座標xによって色度座標xの値をある程度知ることができるように、適宜の表示説明部30Cを設けることが好ましい。いずれにしても、表示された色度座標xは液晶パネル10のセル厚に対応しているので、セル厚の大小や基準セル厚に対する差異の大小を容易に知ることができる。
【0031】以上のように、本実施形態では、液晶パネル10のセル厚に対して線形性を有するセル厚相関データをパネル面に沿った分布として出力するようにしていることによって、液晶パネル10の全体のセル厚分布を容易に知ることができ、しかも、セル厚の大小、或いは、セル厚の基準値に対する差異の大小を正確に知ることができる。
【0032】尚、本発明のセル厚測定方法及び装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0033】例えば、上記実施形態では、セル厚相関データとして色度座標xを用いているが、セル厚相関データは必ずしも色度座標xに限定されるものではない。セル厚に対して1対1の相関を有し十分な線形性を有するセル厚相関データは、液晶パネル10に用いられる液晶のタイプ(例えば液晶の組成、ツイスト角、屈折率異方性の値など)、基準セル厚の値、偏光子や検光子の偏光透過軸の方位、セル厚測定において必要な測定値の範囲などによって異なるものであるため、測定対象である液晶パネルに応じて適宜に設定されるべきものである。
【0034】また、上記実施形態では、セル厚相関データを画像として表示しているが、このように表示する場合に限らず、セル厚相関データをデータ表、各種統計値などにまとめた状態で出力するように構成しても構わない。
【0035】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、偏光子、液晶パネル及び検光子を順次通過した光を採りこんでカラー画像を取得し、このカラー画像の色調データをセル厚相関データに変換して、このセル厚相関データのパネル面に沿った分布を得ることにより、セル厚のパネル面に沿った分布を正確に把握し、且つ、セル厚の基準値に対する実際のセル厚の差異の大小関係も容易に把握することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶パネルのセル厚測定方法及び装置の実施形態における測定の様子を示す概略構成図である。
【図2】同実施形態における偏光板の透過変更軸の方位を示す方位説明図である。
【図3】同実施形態における色度座標xとセル厚との関係(線形性)を示すグラフである。
【図4】同実施形態における撮像手段の出力するカラー画像(RGB画像)と、色度座標xによって構成された再構成画像とを示す説明図である。
【図5】従来の液晶パネルのセル厚測定の様子を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 液晶パネル
11,12 透明基板
11b,12b 配向膜
13 シール材
14 液晶
21 光源
22 偏光板(偏光子)
23 偏光板(検光子)
24 CCDカメラ(撮像手段)
26 コンピュータ装置(データ処理手段)
27 モニタ(出力手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 液晶パネルの表裏両側にそれぞれ偏光子及び検光子を配置し、前記偏光子及び前記検光子の偏光透過軸を前記液晶パネルにおける液晶配向状態に応じた所定方位に設定した状態で、前記偏光子、前記液晶パネル及び前記検光子を順次通過した光を採りこみ、前記液晶パネルのパネル面に沿った色調データの分布を含むカラー画像を取得し、前記色調データを、前記液晶パネルにおけるセル厚を含む所定のセル厚範囲内においてセル厚に対する線形性を有するセル厚相関データに変換して、該セル厚相関データの前記パネル面に沿った分布を得ることを特徴とする液晶パネルのセル厚測定方法。
【請求項2】 請求項1において、前記液晶パネルはSTN型液晶パネルであり、前記偏光子及び前記検光子の前記透過偏光軸の方位を、前記液晶パネルとの組み合わせによってブルーネガモードになるように設定し、前記色調データから色座標のx値を前記セル厚相関データとして求めることを特徴とする液晶パネルのセル厚測定方法。
【請求項3】 液晶パネル配置部の表裏両側に配置された偏光子及び検光子と、前記偏光子の手前に配置された光源と、前記検光子の先に配置され、前記光源から発せられた透過光に対する前記液晶パネルのパネル面に沿った色調データの分布を含むカラー画像を出力する撮像手段と、前記色調データを、前記液晶パネルにおけるセル厚を含む所定のセル厚範囲内においてセル厚に対する線形性を有するセル厚相関データに変換するデータ処理手段とを備えていることを特徴とする液晶パネルのセル厚測定装置。
【請求項4】 請求項3において、前記液晶パネルはSTN型液晶パネルであり、前記偏光子及び前記検光子の前記透過偏光軸の方位を、前記液晶パネルとの組み合わせによってブルーネガモードになるように設定し、前記データ処理手段は、前記色調データから色座標のx値を前記セル厚相関データとして求めることを特徴とする液晶パネルのセル厚測定装置。
【請求項5】 請求項3又は請求項4において、前記セル厚相関データの前記パネル面に沿った分布を出力する出力手段を備えていることを特徴とする液晶パネルのセル厚測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2001−124525(P2001−124525A)
【公開日】平成13年5月11日(2001.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−302796
【出願日】平成11年10月25日(1999.10.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】