説明

液晶表示装置

【課題】感知素子の信頼性を向上させ、液晶表示板組立体の空間使用効率を増加させことのできる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】第1表示板と、第1表示板と対向し離隔される第2表示板と、第1、第2表示板間に介在される液晶層と、第2表示板に形成される複数の感知データ線と、圧力によって静電容量が変化し感知データ線と第1電圧との間に接続される複数の可変キャパシタと、感知データ線と第2電圧との間に接続される複数の基準キャパシタと、感知データ線各々に接続され感知データ線を通って流れる感知データ信号に基づいて感知信号を生成する複数の出力部とを有し、第1電圧の大きさは相異なる第1レベルと第2レベルとを有し、第2電圧の大きさは一定であり、感知信号の読み取り区間で、第1電圧が第2レベルを維持する時間は少なくとも1水平周期(1H)であり、第1電圧が第2レベルを維持する間に出力部から感知信号が生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置に関し、感知素子の信頼性を向上させることのできる液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置の中で代表的な液晶表示装置(LCD)は画素電極及び共通電極が備えられた2枚の表示板と、その間に入っている誘電率異方性を有する液晶層を含む。画素電極は行列形態に配列され、薄膜トランジスタ(TFT)などのスイッチング素子に接続されて一行ずつ順次にデータ電圧の印加を受ける。共通電極は表示板の全面にわたって形成され、共通電圧の印加を受ける。画素電極と共通電極及びその間の液晶層は回路的に見る時に液晶キャパシタを構成し、液晶キャパシタはこれに接続されたスイッチング素子と共に画素を構成する基本単位となる。
【0003】
このような液晶表示装置では2つの電極に電圧を印加して液晶層に電界を生成し、この電界の強さを調節して液晶層を通過する光の透過率を調節することによって所望の画像を得る。この時、液晶層に一方向の電界が長時間印加されることによって発生する劣化現象を防止するために、フレーム別に、行別に或いは画素別に共通電圧に対するデータ電圧の極性を反転させる。
【0004】
タッチスクリーンパネルは画面上に指またはタッチペン(stylus pen)などで接触して文字を書くか絵を描いたり、アイコンを実行してコンピュータなどの機械に所望の命令を遂行させる装置のことを言う。タッチスクリーンパネルが付着された液晶表示装置は、使用者の指またはタッチペンなどが画面に接触したかどうかの有無及び接触位置情報を知ることができる。しかし、このような液晶表示装置はタッチスクリーンパネルによって原価上昇、タッチスクリーンパネルを液晶表示板上に接着する工程の追加による収率減少、液晶表示板の輝度低下、製品厚さの増加などの問題がある。
【0005】
したがって、このような問題を解決するために、タッチスクリーンパネルの代りに薄膜トランジスタまたは可変キャパシタからなる感知素子を液晶表示装置で画像を表示する表示領域に内蔵する技術が開発された。感知素子は使用者の指などが画面に加えた光または圧力の変化を感知することによって、液晶表示装置が使用者の指などが画面に接触したかどうかの有無及び接触位置情報を検知することができる。
【0006】
可変キャパシタからなる感知素子は、一定周期ごとに高レベルと低レベルでスイングする共通電圧と所定の大きさの直流(DC)電圧の印加を受け、外部からの圧力変化による可変キャパシタの静電容量変化に基づいた電圧変化に基づいて感知素子の動作有無を判断する。
しかし、共通電圧の状態を考慮して感知素子からの感知信号を読取らなければならないので、感知信号の読み取り時間に制限があり、そのために感知素子の信頼性が減少するという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は上記従来の液晶表示装置における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、感知素子の信頼性を向上させることにある。
また、本発明の他の目的は、液晶表示板組立体における空間使用効率を増加させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明による液晶表示装置は、第1表示板と、前記第1表示板と対向し、前記第1表示板と離隔される第2表示板と、前記第1表示板と前記第2表示板との間に介在される液晶層と、前記第2表示板に形成される複数の感知データ線と、圧力によって静電容量が変化し、前記感知データ線と第1電圧との間に接続される複数の可変キャパシタと、前記感知データ線と第2電圧との間に接続される複数の基準キャパシタと、前記感知データ線各々に接続され、感知データ線を通って流れる感知データ信号に基づいて感知信号を生成する複数の出力部とを有し、前記第1電圧の大きさは第1レベルと該第1レベルと異なる第2レベルとを有し、前記第2電圧の大きさは一定であり、前記感知信号の読み取り区間で、前記第1電圧が前記第2レベルを維持する時間は少なくとも1水平周期(1H)であり、前記第1電圧が前記第2レベルを維持する間に前記出力部から前記感知信号が生成されることを特徴とする。
【0009】
前記第2レベルは、前記第1レベルより高いことが好ましい。
前記第2レベルは、前記第1レベルより低いことが好ましい。
前記第1電圧は、共通電圧であることが好ましい。
前記読み取り区間は、ポーチ(porch)区間であることが好ましい。
前記感知データ線各々に接続され、リセット制御信号を受けて前記感知データ線にリセット電圧を供給する複数のリセット信号入力部をさらに有することが好ましい。
前記リセット信号入力部の各々は対応する感知データ線に接続され、第1リセット制御信号によって動作して入力される第1リセット電圧を接続された前記感知データ線に印加する第1リセットスイッチング素子を有することが好ましい。
前記リセット信号入力部の各々は対応する感知データ線に接続され、第2リセット制御信号によって動作して入力される第2リセット電圧を前記第1リセット電圧が印加される時間とは異なる時間に接続された前記感知データ線に印加する第2リセットスイッチング素子をさらに有することが好ましい。
前記感知データ線に接続され、感知データ線を通って流れる感知データ信号に基づいて生成された出力信号を前記出力部各々に伝達する複数の出力トランジスタをさらに有することが好ましい。
【0010】
また、上記目的を達成するためになされた本発明による液晶表示装置は、第1表示板と、前記第1表示板と対向し、前記第1表示板と離隔される第2表示板と、前記第1表示板と第2表示板との間に形成される複数の画素と、前記第1表示板と前記第2表示板との間に形成される複数の第1感知部と、前記第1表示板と前記第2表示板との間に形成される複数の第2感知部と、前記第1感知部に接続され、横方向に延長して前記第2表示板に形成される複数の第1感知データ線と、前記第2感知部に接続され、縦方向に延長して前記第2表示板に形成される複数の第2感知データ線と、前記第2表示板に形成され、前記第1感知データ線から入力される感知データ信号を感知信号に変換する第1感知信号出力部と、前記第2表示板に形成され、前記第2感知データ線から入力される感知データ信号を感知信号に変換する第2感知信号出力部とを有し、前記複数の第1感知信号出力部は、前記第2表示板の左側及び右側のうちの少なくとも一側に形成されることを特徴とする。
【0011】
前記複数の第1感知信号出力部に各々接続される複数の出力データ線をさらに有することが好ましい。
前記複数の第1感知信号出力部は同一線上で縦方向に平行に配置されることが好ましい。
前記複数の出力データ線は縦方向に延長されることが好ましい。
前記複数の出力データ線各々は、互いに異なる長さだけ隣接した画素の間を横方向に延長した後、縦方向に延長することが好ましい。
隣接した前記第1感知信号出力部は、所定距離だけ離隔して縦方向に配置されること。
前記複数の出力データ線は縦方向に延長されることが好ましい。
前記感知部各々は、圧力によって静電容量が変化し、前記感知データ線と第1電圧との間に接続される複数の可変キャパシタと、前記感知データ線と第2電圧との間に接続される複数の基準キャパシタとを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る液晶表示装置によれば、共通電圧を調整して感知信号の積分時間を増加させるので、ノイズなどによる感知信号の信頼度が増加し、その結果、感知部の感度が向上するという効果がある。
また、多様な方式で感知信号出力部と横出力データ線の配置が可能であるので、液晶表示板組立体の空間使用が効率的に行われ、設計の自由度が増加するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明に係る液晶表示装置を実施するための最良の形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0014】
図面において多様な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全体にわたって類似の部分については同一図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるとする時、これは他の部分の“直上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も有する。反対に、ある部分が他の部分の“直上”にあるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0015】
次に、本発明のよる液晶表示装置について図1〜図5を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態による液晶表示装置のブロック図であって、画素観点で示した液晶表示装置のブロック図であり、図2は本発明の一実施形態による液晶表示装置の1つの画素に対する等価回路図である。図3は本発明の一実施形態による液晶表示装置のブロック図で、感知部観点で示した液晶表示装置のブロック図であり、図4は本発明の一実施形態による液晶表示装置の1つの感知部に対する等価回路図である。図5は本発明の一実施形態による液晶表示装置の概略斜視図である。
【0016】
図1及び図3を参照すると、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、液晶表示板組立体300と、これに接続された画像走査部400と、画像データ駆動部500と、感知信号処理部800と、画像データ駆動部500に接続された階調電圧生成部550と、感知信号処理部800に接続された接触判断部700と、これらを制御する信号制御部600とを有する。
【0017】
図1〜図4を参照すると、液晶表示板組立体300は複数の表示信号線(G〜G、D〜D)と、これに接続されてほぼ行列形態で配列された複数の画素PX、そして複数の感知信号線(SY〜SY、SX〜SX、RL)と、これに接続されてほぼ行列形態で配列された複数の感知部SU、各感知信号線(SY〜SY、SX〜SX)の1つの端部に接続された複数の初期信号入力部INI、各感知信号線(SY〜SY、SX〜SX)の他の端部に接続された複数の感知信号出力部SOUT、そして各感知信号出力部SOUTに接続された複数の出力データ線(OY〜OY、OX〜OX)を有する。
【0018】
一方、図2及び図5を参照すると、液晶表示板組立体300は互いに対向する薄膜トランジスタ表示板100及び共通電極表示板200と、その間に入っている液晶層3、そして2つの表示板(100、200)の間に間隙を作って、ある程度圧縮変形する間隔材(図示せず)を有する。
【0019】
表示信号線(G〜G、D〜D)は画像走査信号を伝達する複数の画像走査線(G〜G)と画像データ信号を伝達する画像データ線(D〜D)を有し、感知信号線(SY〜SY、SX〜SX、RL)は感知データ信号を伝達する複数の横感知データ線(SY〜SY)及び複数の縦感知データ線(SX〜SX)、そして基準電圧を伝達する複数の基準電圧線RLを有する。基準電圧線RLは必要に応じて省略することができる。
画像走査線(G〜G)及び横感知データ線(SY〜SY)はほぼ行方向に伸びて互いにほぼ平行し、画像データ線(D〜D)及び縦感知データ線(SX〜SX)はほぼ列方向に伸びて互いにほぼ平行する。基準電圧線RLは行或いは列方向に伸びる。
【0020】
各画素PXは表示信号線(G〜G、D〜D)に接続されたスイッチング素子Qと、これに接続された液晶キャパシタClc及びストレージキャパシタCstを有する。ストレージキャパシタCstは必要に応じて省略することができる。
スイッチング素子Qは、薄膜トランジスタ表示板100に備えられる薄膜トランジスタなどの三端子素子で、その制御端子は画像走査線(G〜G)と接続され、入力端子は画像データ線(D〜D)と接続され、出力端子は液晶キャパシタClc及びストレージキャパシタCstと接続される。この時、薄膜トランジスタは非晶質シリコンまたは多結晶シリコンを含む。
【0021】
液晶キャパシタClcは薄膜トランジスタ表示板100の画素電極191と共通電極表示板200の共通電極270を2つの端子とし、2つの電極(191、270)の間の液晶層3は誘電体として機能する。画素電極191はスイッチング素子Qに接続され、共通電極270は共通電極表示板200の全面に形成されて共通電圧Vcomの印加を受ける。図2とは異なって、共通電極270が薄膜トランジスタ表示板100に備えられる場合もあり、この時には2つの電極(191、270)のうちの少なくとも1つを線状または棒状に形成することができる。
【0022】
液晶キャパシタClcの補助的な役割を果たすストレージキャパシタCstは、薄膜トランジスタ表示板100に備えられた別個の信号線(図示せず)と画素電極191が絶縁体を介して重なって構成され、この別個の信号線には共通電圧Vcomなどの決められた電圧が印加される。しかし、ストレージキャパシタCstは画素電極191が絶縁体を媒介として直上の前段画像走査線と重なって成ることもできる。
【0023】
一方、色表示を実現するためには、各画素PXが基本色のうちの1つを固有に表示したり(空間分割)、各画素PXが時間によって交互に基本色を表示したり(時間分割)して、これら基本色の空間的、時間的合計で所望する色相を認識させる。基本色の例としては、赤色、緑色、青色など三原色がある。図2は空間分割の一例で、各画素PXが画素電極191に対応する共通電極表示板200の領域に基本色のうちの1つを表示する色フィルタ230を備えることを示している。図2とは異なって、色フィルタ230は薄膜トランジスタ表示板100の画素電極191上または下に形成することもできる。
液晶表示板組立体300の外側には光を偏光させる少なくとも1つの偏光子(図示せず)が付着される。
【0024】
図4に示すように、感知部SUは、図面符号SLで示した横または縦感知データ線(以下、感知データ線と言う)に接続される可変キャパシタCvと、感知データ線SLと基準電圧線RLとの間に接続される基準キャパシタCpとを有する。
基準キャパシタCpは、薄膜トランジスタ表示板100の基準電圧線RLと感知データ線SLが絶縁体(図示せず)を介して重なって成る。
【0025】
可変キャパシタCvは、薄膜トランジスタ表示板100の感知データ線SLと共通電極表示板200の共通電極270を2つの端子とし、2つの端子の間の液晶層3は誘電体として機能する。
可変キャパシタCvの静電容量は液晶表示板組立体300に加えられる使用者の接触などの外部刺激によってその値が変化する。このような外部刺激としては圧力があり、共通電極表示板200に圧力が加えられると間隔材が圧縮変形し、2つの端子の間の距離が変化して可変キャパシタCvの静電容量が変わる。静電容量が変わると、静電容量の大きさに依存する基準キャパシタCpと可変キャパシタCvとの間の接点電圧Vnの大きさが変わる。
【0026】
接点電圧Vnは感知データ信号で、感知データ線SLを通って流れ、これに基づいて接触の有無を判断することができる。この時、基準キャパシタCpは固定された静電容量を有し、基準キャパシタCpに印加される基準電圧は一定の電圧値を有するので、接点電圧Vnは一定の範囲で変動する。したがって、感知データ信号が常に一定の範囲の電圧レベルを有することができ、その結果、接触の有無及び接触位置を容易に判断することができる。
【0027】
感知部SUは隣接した2つの画素PXの間に配置される。横及び縦感知データ線(SY〜SY、SX〜SX)に各々接続され、これらが交差する領域に隣接して配置される一対の感知部SUの密度は、例えば、ドット(dot)密度の約1/4であり得る。ここで、1つのドットは、例えば、平行に配列され、赤色、緑色、青色などの三原色を表示する3個の画素PXを有し、1つの色相を表示し、液晶表示装置の解像度を示す基本単位となる。しかし、1個のドットは4個以上の画素PXからなることができ、この場合、各画素PXは三原色と白色のうちの1つを表示することができる。
【0028】
一対の感知部SU密度がドット密度の1/4である例としては、一対の感知部SUの横及び縦解像度が各々液晶表示装置の横及び縦解像度の1/2である場合がある。この場合、感知部SUのない画素行及び画素列もある。
感知部SU密度とドット密度をこの程度に合せると、文字認識のように精密度の高い応用分野にもこのような液晶表示装置を適用することができる。もちろん、感知部SUの解像度は必要に応じてさらに高くても低くてもよい。
このように、本発明の実施形態による感知部SUによると、感知部SUと感知データ線SLが占める空間が相対的に小さいので、画素PXの開口率減少を最少化することができる。
【0029】
複数のリセット信号入力部INIは全て同一の構造からなり、複数の感知信号出力部SOUTもまた全て同一の構造からなる。これら(INI、SOUT)の構造と動作については以下でさらに詳細に説明する。
出力データ線(OY〜OY、OX〜OX)は該当感知信号出力部SOUTを通って横及び縦感知データ線(SY〜SY、SX〜SX)に各々接続される複数の横及び縦出力データ線(OY〜OY、OX〜OX)を有する。出力データ線(OY〜OY、OX〜OX)は感知信号処理部800に接続され、感知信号出力部SOUTからの出力信号を感知信号処理部800に伝達する。横及び縦出力データ線(OY〜OY、OX〜OX)はほぼ列方向に伸び、互いにほぼ平行する。
【0030】
再び図1及び図3を参照すると、階調電圧生成部550は画素の透過率と関する2対の階調電圧集合(或いは基準階調電圧集合)を生成する。2対のうちの1対は共通電圧Vcomに対して正の値を有し、他の1対は負の値を有する。
画像走査部400は、液晶表示板組立体300の画像走査線(G〜G)に接続されてスイッチング素子Qを導通させるゲートオン電圧Vonと、遮断させるゲートオフ電圧Voffの組み合わせからなる画像走査信号を画像走査線(G〜G)に印加する。
【0031】
画像データ駆動部500は、液晶表示板組立体300の画像データ線(D〜D)に接続され、階調電圧生成部550からの階調電圧を選択し、これを画像データ信号として画像データ線(D〜D)に印加する。しかし、階調電圧生成部550が全ての階調に対する電圧を全て提供するものでなく、決められた数の基準階調電圧のみを提供する場合に、画像データ駆動部500は基準階調電圧を分圧して全階調に対する階調電圧を生成し、この中で画像データ信号を選択する。
【0032】
感知信号処理部800は、液晶表示板組立体300の出力データ線(OY〜OY、OX〜OX)に接続される複数の増幅部810などを有し、各増幅部810を通って伝達される出力信号の入力を受けて、増幅などの信号処理を行ってアナログ感知信号Voを生成した後、アナログ−デジタル変換器(図示せず)などを利用してデジタル信号に変換し、デジタル感知信号DSNを生成する。
【0033】
接触判断部700は感知信号処理部800からデジタル感知信号DSNを受け、所定の演算処理を行って接触の有無及び接触位置を判断した後、接触情報INFを外部装置に出力する。接触判断部700はデジタル感知信号DSNに基づいて感知部SUの動作状態を監視し、これらに印加される信号を制御することができる。
信号制御部600は、画像走査部400、画像データ駆動部500、階調電圧生成部550、そして感知信号処理部800などの動作を制御する。
【0034】
このような駆動装置(400、500、550、600、700、800)の各々は、少なくとも1つの集積回路チップの形態で液晶表示板組立体300上に直接装着することができ、可撓性印刷回路フィルム(図示せず)上に装着されてTCP(tape carrier package)の形態で液晶表示板組立体300に付着することもでき、別途の印刷回路基板(図示せず)上に装着することもできる。これとは異なって、これら駆動装置(400、500、550、600、700、800)が信号線(G〜G、D〜D、SY〜SY、SX〜SX、OY〜OY、OX〜OX、RL)及び薄膜トランジスタQなどと共に液晶表示板組立体300に直接集積させることもできる。
【0035】
図5を参照すると、液晶表示板組立体300は表示領域P1、周縁領域P2及び露出領域P3に分けられる。表示領域P1には画素PX、感知部SU及び信号線(G〜G、D〜D、SY〜SY、SX〜SX、OY〜OY、OX〜OX、RL)の大部分が位置する。共通電極表示板200は黒色層のような遮光部材(図示せず)を有し、遮光部材は周縁領域P2の大部分を覆って外部からの光を遮断する。共通電極表示板200は薄膜トランジスタ表示板100より大きさが小さくて、薄膜トランジスタ表示板100の一部が露出して露出領域P3をなし、露出領域P3には単一チップ610が実装され、FPC基板620が付着される。
【0036】
単一チップ610は液晶表示装置を駆動するための複数の駆動装置、つまり、画像駆動部400、画像データ駆動部500、階調電圧生成部550、信号制御部600、接触判断部700、そして感知信号処理部800を有する。このような駆動装置(400、500、550、600、700、800)を単一チップ610内に集積することによって実装面積を減らすことができ、消費電力も下げることができる。もちろん、必要に応じてこれらのうちの少なくとも1つまたはこれらを構成する少なくとも1つの回路素子が単一チップ610外側にあってもよい。
【0037】
表示信号線(G〜G、D〜D)及び出力データ線(OY〜OY、OX〜OX)は露出領域P3にまで伸びて該当駆動装置(400、500、800)と接続される。
FPC基板620は外部装置から信号を受けて単一チップ610または液晶表示板組立体300に伝達し、外部装置との接続を容易にするために端部は通常コネクタ(図示せず)からなる。
【0038】
以下では、このような液晶表示装置の表示動作及び感知動作について更に詳細に説明する(図1〜図4参照)。
信号制御部600は、外部装置(図示せず)から入力画像信号(R、G、B)及びその表示を制御する入力制御信号を受信する。入力画像信号(R、G、B)は各画素PXの輝度情報を含み、輝度は決められた数、例えば、1024(=210)、256(=2)または64(=2)個の階調を有している。入力制御信号の例としては、垂直同期信号Vsyncと水平同期信号Hsync、メインクロックMCLK、データイネーブル信号DEなどがある。
【0039】
信号制御部600は、入力画像信号(R、G、B)と入力制御信号に基づいて入力画像信号(R、G、B)を液晶表示板組立体300及び画像データ駆動部500の動作条件に合わせて適切に処理し、画像走査制御信号CONT1、画像データ制御信号CONT2及び感知データ制御信号CONT3などを生成した後、画像走査制御信号CONT1を画像走査部400に出力し、画像データ制御信号CONT2と処理したデジタル画像信号DATを画像データ駆動部500に出力し、感知データ制御信号CONT3を感知信号処理部800に出力する。
【0040】
画像走査制御信号CONT1は、走査開始を指示する走査開始信号STVとゲートオン電圧Vonの出力を制御する少なくとも1つのクロック信号を有する。画像走査制御信号CONT1はまた、ゲートオン電圧Vonの持続時間を限定する出力イネーブル信号OEをさらに有することができる。
画像データ制御信号CONT2は、1つの画素行のデジタル画像信号DATの伝送開始を知らせる水平同期開始信号STHと画像データ線(D〜D)に画像データ信号を印加することを命令するロード信号LOAD及びデータクロック信号HCLKを有する。画像データ制御信号CONT2は、また共通電圧Vcomに対する画像データ信号の電圧極性(以下、共通電圧に対する画像データ信号の電圧極性を略して画像データ信号の極性と言う)を反転させる反転信号RVSをさらに有することができる。
【0041】
信号制御部600からの画像データ制御信号CONT2によって画像データ駆動部500は1つの画素行の画素PXに対するデジタル画像信号DATを受信し、各デジタル画像信号DATに対応する階調電圧を選択することによってデジタル画像信号DATをアナログ画像データ信号に変換した後、これを当該画像データ線(D〜D)に印加する。
画像走査部400は信号制御部600からの画像走査制御信号CONT1によってゲートオン電圧Vonを画像走査線(G〜G)に印加し、この画像走査線(G〜G)に接続されたスイッチング素子Qを導通させる。その結果、画像データ線(D〜D)に印加された画像データ信号が導通したスイッチング素子Qを通じて該当画素PXに印加される。
【0042】
画素PXに印加された画像データ信号の電圧と共通電圧Vcomの差は、液晶キャパシタClcの充電電圧、つまり、画素電圧として現れる。液晶分子は画素電圧の大きさに応じてその配列を異ならせ、そのために液晶層3を通過する光の偏光が変化する。このような偏光の変化は液晶表示板組立体300に付着された偏光子によって光の透過率変化で現れ、これによって所望の画像を表示することができる。
【0043】
1水平周期(“1H”とも言い、水平同期信号Hsync及びデータイネーブル信号DEの一周期と同一)を単位として、このような過程を繰り返すことによって全ての画像走査線(G〜G)に対して順次にゲートオン電圧Vonを印加し、全ての画素PXに画像データ信号を印加して1つのフレームの画像を表示する。
【0044】
1つのフレームが終わると次のフレームが始まり、各画素PXに印加される画像データ信号の極性が直前フレームにおける極性と反対になるように画像データ駆動部500に印加される反転信号RVSの状態が制御される(“フレーム反転”)。この時、1つのフレーム内でも反転信号RVSの特性によって1つの画像データ線を通って流れる画像データ信号の極性が変わったり(例:行反転、点反転)、1つの画素行に印加される画像データ信号の極性も互いに異なることがある(例:列反転、点反転)。
【0045】
感知信号処理部800は、感知データ制御信号CONT3によって毎フレームごとに1回ずつフレームとフレームとの間のポーチ(porch)区間で出力データ線(OY〜OY、OX〜OX)を通って印加される感知データ信号を読み取る。ポーチ区間では感知データ信号が画像走査部400及び画像データ駆動部500などからの駆動信号の影響をあまり受けないので、感知データ信号の信頼度が高まる。しかし、このような読み取り動作は毎フレームごとに必ず行う必要はなく、必要に応じて複数のフレームごとに1回ずつ行ってもよい。また、ポーチ区間内で2回以上読み取り動作が行うこともでき、フレーム内でも読み取り動作が少なくとも1回行うことができる。
【0046】
そして、感知信号処理部800は読取ったアナログ感知データ信号を各増幅部810などを利用して増幅などの信号処理を行った後、デジタル感知信号DSNに変換して接触判断部700に出力する。感知信号処理部800の増幅部810の動作については後述する。
接触判断部700はデジタル感知信号DSNを受けた後、適切な演算処理を行って接触の有無及び接触位置を確認し、これを外部装置に伝送し、外部装置はこれに基づいた画像信号(R、G、B)を液晶表示装置に伝送して使用者によって選択された画面などを表示する。
【0047】
次に、図6〜図9を参照して、本発明の一実施形態に係るリセット信号入力部INI、感知信号出力部SOUT及び増幅部810の構造と動作について説明する。
図6(a)は、本発明の一実施形態による液晶表示装置で1つの感知データ線に接続される複数の感知部の等価回路図であり、図6(b)は、図6(a)を簡略に示した等価回路図であり、図7は本発明の一実施形態による液晶表示装置の感知動作のためのタイミング図である。また、図8は本発明の他の実施形態によって接触感知部の感知信号を読み取るための多様な共通電圧とこれによる感知信号の波形図であり、図9は本発明の他の実施形態によって接触感知部の感知信号を読み取るための多様な共通電圧とそれによる感知信号の波形図である。
【0048】
図6(a)、(b)に示すように、本実施形態の液晶表示板組立体300は図3を参照して既に説明したように、複数の感知データ線SL(図3ではSY〜SY、SX〜SX)と各感知データ線SLに接続される複数の感知部SU、各感知データ線SLの一側に接続されたリセット信号入力部INI、各感知データ線SLの他側と各出力データ線OL(図3ではOY〜OY、OX〜OX)の間に接続された複数の感知信号出力部SOUTを有する。また、図3を参照して既に説明したように、感知信号処理部800は各出力データ線OLに接続される複数の増幅部810を有する。
【0049】
つまり、1つの感知データ線SLには可変キャパシタCvと基準キャパシタCpからなる複数の感知部SUが接続され、感知データ線SLの互いに異なる端部には各々リセット信号入力部INIと感知信号出力部SOUTが接続される。可変キャパシタCvは共通電圧Vcomに接続され、基準キャパシタCpは基準電圧Vpに接続される。
上述したように、複数の可変キャパシタCvは感知データ線SLと共通電極270を2つの端子として構成するので、複数の可変キャパシタCvは図6(b)に示す1つの可変キャパシタCv’で代表することができ、実際に可変キャパシタCv’の静電容量は1つの感知データ線SLに沿って実質的に均一に分布されている。また、図6(b)に示すように可変キャパシタCv’に対応して複数の基準キャパシタCpも1つの基準キャパシタCp’で代表することができる。
【0050】
各リセット信号入力部INIは、第1及び第2リセットトランジスタ(Qr1、Qr2)を有する。第1及び第2リセットトランジスタ(Qr1、Qr2)は薄膜トランジスタなどの三端子素子で、その制御端子は第1及び第2リセット制御信号(RST1、RST2)と各々接続され、その入力端子は第1及び第2リセット電圧Vr1、Vr2と各々接続され、出力端子は感知データ線SLと接続される。
第1及び第2リセットトランジスタ(Qr1、Qr2)は画素が配置されていない液晶表示板組立体300の周縁領域P2に位置し、第1及び第2リセット制御信号(RST1、RST2)によって第1及び第2リセット電圧Vr1、Vr2を感知データ線SLに供給する。
【0051】
各感知信号出力部SOUTは、出力トランジスタQsを有する。出力トランジスタQsも薄膜トランジスタなどの三端子素子で、その制御端子は感知データ線SLと接続され、その入力端子は入力電圧Vsと接続され、出力端子は出力データ線OLと接続される。出力トランジスタQsも液晶表示板組立体300の周縁領域P2に位置し、感知データ線SLを通って流れる感知データ信号に基づいて出力信号を生成する。出力信号としては出力電流がある。これとは異なって、出力トランジスタQsが出力信号として電圧を生成することもできる。
【0052】
各増幅部810は増幅器Ap、キャパシタCf及びスイッチSWを有する。
増幅器Apは反転端子(−)と非反転端子(+)及び出力端子を有し、反転端子(−)は出力データ線OLに接続され、反転端子(−)と出力端子との間にはキャパシタCf及びスイッチSWが接続され、非反転端子(+)は基準電圧Vaに接続される。増幅器Ap及びキャパシタCfは電流積分器で、出力トランジスタQsからの出力電流を所定時間積分して感知信号Voを生成する。
【0053】
図7を参照すると、本実施形態による液晶表示装置は上述したようにフレームとフレームの間のポーチ区間で感知動作を行い、特に垂直同期信号Vsyncより前のフロントポーチ(front porch)区間で感知動作を行うのが好ましい。
共通電圧Vcomはハイレベルとローレベルを有し、1Hごとにハイレベルとローレベルをスイングする。
図7に示すように、第1及び第2リセット制御信号(RST1、RST2)は第1及び第2リセットトランジスタ(Qr1、Qr2)を各々導通させる導通電圧Tonと遮断させる遮断電圧Toffを有する。導通電圧Tonはゲートオン電圧Vonを使用し、遮断電圧Toffはゲートオフ電圧Voffを使用するが、その他の電圧を使用してもよい。
【0054】
図7に示すように、本実施形態では共通電圧Vcomが低レベル状態を維持する時に感知信号Voの読み取り動作が行われる。
まず、第1リセット制御信号RST1の導通電圧Tonは共通電圧Vcomがハイレベルの時に印加される。
第1リセットトランジスタQr1に導通電圧Tonが印加されると、第1リセットトランジスタQr1が導通して入力端子に印加される第1リセット電圧Vr1を感知データ線SLに印加し、第1リセット電圧Vr1で感知データ線SLを初期化する。一方、動作が始まって増幅部810に基準電圧Vaが印加されると、増幅部810のキャパシタCfはこの基準電圧Vaで充電されるので、増幅器Apの出力電圧Voの大きさは基準電圧Vaと同一である。
【0055】
また、第1リセット制御信号RST1が遮断電圧Toffになると感知データ線SLはフローティング状態になり、感知部SUの接触の有無による可変キャパシタCv’の静電容量の変化及び共通電圧Vcomの変動に基づいて出力トランジスタQsの制御端子に印加される電圧が変わる。このような電圧変化によって、出力トランジスタQsを流れる感知データ信号の電流が変動する。
【0056】
この時、出力トランジスタQsの制御端子に印加される電圧Vgは次の数式1のように求められる。
【数1】

(ここで、VHは高レベルの共通電圧値であり、VLは低レベルの共通電圧値であり、Cp’は基準キャパシタの静電容量であり、Cv’との可変キャパシタの静電容量である。)
【0057】
数式1に示すように、出力トランジスタQsの制御端子に印加される電圧Vgはキャパシタ(Cp’、Cv’)の容量変化と共通電圧Vcomの変化量に基づく。したがって、使用者によって感知部SUが接触されると、2つの表示板(100、200)の間の距離が近くなって可変キャパシタCv’の静電容量が変わり、共通電圧Vcomのレベルが変わるので、相当する量の電流が出力トランジスタQsを通って出力データ線OLに流れる。
一方、第1リセット信号RST1がゲートオフ電圧Voffに変わった後、スイッチング信号VswがスイッチSWに印加されてキャパシタCfに充電されている電圧を放電させる。
【0058】
その後、所定時間が経過すると、感知信号処理部800は感知信号Voを読み取る。この時、感知信号Voを読み取る時間は第1リセット制御信号RST1が遮断電圧Voffになった後、1H時間以内に設定するのが好ましい。つまり、共通電圧Vcomが再びハイレベルに変わる前に感知信号Voを読み取るのが好ましい。これは共通電圧Vcomのレベル変化によって感知信号Voもまた変わるためである。
感知データ信号が第1リセット電圧Vr1を基準に変動するので、感知データ信号が常に一定範囲の電圧レベルを有することができ、そのために接触の有無及び接触位置を容易に判断することができる。
【0059】
感知信号処理部800が感知信号Voを読込んだ後、第2リセット制御信号RST2は導通電圧Tonになって第2リセットトランジスタQr2を導通させる。その後、第2リセット電圧Vr2が感知データ線SLに印加され、この時、第2リセット電圧Vr2は接地電圧であるので、感知データ線SLは接地電圧でリセットされる。第2リセット電圧Vr2は次の第1リセット電圧Vr2が感知データ線SLに印加されるまで維持される。これによって、次の第1リセット電圧Vr2が印加されるまで出力トランジスタQsは遮断状態が維持されて不要な動作による電力消費を減らす。
【0060】
また、第2リセット電圧Vr2と共通電圧Vcomは感知データ線SLと共通電極270との間の液晶層に電界を形成し、その間の液晶分子は生成された電界によって傾斜方向が決められる。液晶分子の傾斜方向によって感知データ信号の変化量が変わるが、第2リセット電圧Vr2を適切な値に設定することによって感知データ信号の変化量が大きくして、感知部SUの感度を向上させることができる。
第1リセット制御信号RST1の導通電圧Tonは共通電圧Vcomがローレベルである時に印加されてもよく、この時、共通電圧Vcomがハイレベルに変わった後、再びローレベルになる前に感知信号Voを読み取る。また、第1リセット制御信号RST1を最後の画像走査線Gに印加される画像走査信号に同期させることもできる。
【0061】
第2リセット制御信号RST2は感知信号Voを読取った直後の1H区間で導通電圧Tonになることができ、その後の1H区間で導通電圧Tonになることもできる。
この時、感知信号Voの読み取り動作は、ポーチ区間内で1Hだけでなく所定個数の水平周期の間に行うことができる。つまり、感知信号Voの読み取り時間は、ポーチ区間内で共通電圧Vcomの出力波形を変更して調整することができる。
【0062】
このために、共通電圧Vcomの低レベル状態で感知信号Voの読み取り動作が行われる場合、図8の(a)乃至(c)に示すように、ポーチ区間内の共通電圧Vcomが低レベル状態を維持する期間を1Hだけでなく2Hや3Hなどのように所望の数の水平周期の間を低レベル状態に維持させる。
これによって、共通電圧Vcomが低レベルを維持する間に増幅部810の積分動作が行われ、積分結果に対する電圧を感知信号Voとして出力する。このように、感知信号Voの読み取り時間が増えるほど積分時間が増加して接触感知部SUが作動する時の目標大きさに到達する時間が増加するので、ノイズによる感知信号Voの悪影響が減少し、感知部の感度が向上する。
【0063】
また、図9に示すように、共通電圧Vcomの高レベル状態で感知信号Voの読み取り動作が行われる場合、ポーチ区間において1Hだけでなく2Hや3Hなどのように所定個数の水平周期の間を共通電圧Vcomの高レベル状態に維持させて感知信号Voを読み取することもできる。したがって、図9のように、共通電圧Vcomが高レベルを維持する時間が増加するほど増幅部810の積分時間が増加して、ノイズによる感知信号Voの悪影響が減少し、感知部の感度が向上する。
【0064】
既に説明したように、任意の1つのフレームの全ての画素に対する正常の走査動作が完了した後、次のフレームにおける正常の走査動作が行われないポーチ区間において感知信号Voを読み取るための共通電圧Vcomの波形変化が行われるので、このような共通電圧Vcomの波形変化による画素の表示動作には影響を与えない。
【0065】
感知信号Voの読み取り動作は、共通電圧Vcomが所望する状態、つまり、低レベルや高レベル状態に変わった後、決められた所定の時間が経過した後に行われるのが好ましい。つまり、共通電圧Vcomの傾斜がブラック階調を表示する時とホワイト階調を表示する時のように表示される画像データの階調によって変わるので、所定周期ごとにスイングされる共通電圧Vcomが安定化状態を維持した後、感知信号Voの読み取り動作が行われるのが好ましい。
【0066】
次に、図10〜図12を参照して感知信号出力部SOUTと出力データ線(OY〜OY)の多様な配置例を説明する。
図3を再び参照すると、感知信号出力部SOUTと、これらに各々接続された横出力データ線(OY〜OY)は液晶表示板組立体300の一側、例えば右側で同一線上で縦方向に平行に配置されている。また、各感知信号出力部SOUTに接続された横出力データ線(OY〜OY)をほぼ垂直に配置して感知信号処理部800と接続させる配置構造を示している。
図3に示した配置構造とは異なって、液晶表示板組立体300の左側同一線上で縦方向に平行に感知信号出力部SOUTを配置した後、各感知信号出力部SOUTに接続された横出力データ線(OY〜OY)を配置できるのは当然のことである。
【0067】
図10において感知信号出力部SOUTは液晶表示板組立体300の一側、例えば右側に配置されており、これら感知信号出力部SOUTに各々接続された横出力データ線(OY〜OY)は各々所定の長さだけ表示領域の間を横切った後、縦方向に伸びる。これによって、縦出力データ線(OX〜OX)に接続された増幅部810と横出力データ線(OX〜OX)に接続された増幅部810が交互に配置される。
【0068】
図10において、横方向に伸びる第1横出力データ線(OY)の長さが最も短いが、最後の横出力データ線(OY)の長さが最も短いこともある。また、縦出力データ線(OX〜OX)に接続された増幅部810が横出力データ線(OY〜OY)に接続された増幅部810より先に配置されているが、横出力データ線(OY〜OY)に接続された増幅部810が縦出力データ線(OX〜OX)に接続された増幅部810より先に配置されてもよい。このような横出力データ線(OY〜OY)の配置は、各横出力データ線(OY〜OY)に接続された感知信号出力部SOUTが液晶表示板組立体300の左側に配置される場合にも全て適用される。
【0069】
図11には液晶表示板組立体300の左右両側に感知信号出力部SOUTとこれに接続された横出力データ線(OY〜OY)を配置した例を示している。一例として、奇数番目横出力データ線(OY、OY、…)と、これに接続された感知信号出力部SOUTは液晶表示板組立体300の右側に配置し、偶数番目横出力データ線(OY、OY、…)とこれに接続された感知信号出力部SOUTは液晶表示板組立体300の左側に配置されるが、これとは異なって反対の場合ももちろん可能である。
【0070】
図3、図10及び図11に示すように、感知信号出力部SOUTを同一線上に縦に平行に配列して横感知データ線(SY〜SY)の長さを同一に維持すると、各横感知データ線(SY〜SY)を通って出力される感知データ信号間の誤差が減少し、感知信号出力部SOUTを通って出力される感知信号Vo間の誤差もさらに減少する。つまり、横感知データ線(SY〜SY)と、この感知データ線(SY〜SY)下部に形成された他の金属層の間に発生する寄生静電容量などを含む全静電容量の合計が同一になって、各横感知データ線(SY〜SY)を通って出力される感知データ信号間の誤差が減少する。
【0071】
図12には図3と同様に、感知信号出力部SOUTと、これら感知信号出力部SOUTに各々接続された横出力データ線(OY〜OY)は液晶表示板組立体300と一側、例えば、右側に配置される。しかし、図3とは異なって、感知信号出力部SOUTは同一線上に位置せず、縦方向に隣接した感知信号出力部SOUTは横方向に所定間隔を維持している。これによって、各感知信号出力部SOUTに接続された横感知信号線(SY〜SY)の長さが相異なる。図12では第1横感知信号線(SY)の長さが最も短いが、これとは反対に、最後横感知信号線(SY)の長さが最も短いように、感知信号出力部と感知出力データ線(OY〜OY)が配置できる。
このように、液晶表示板組立体300上で感知信号出力部SOUTと横出力データ線(OY〜OY)を多様に配置することで、液晶表示板組立体300の空間を効率的に利用することができ、また、設計の自由度が増加する。
【0072】
本発明の実施形態において、感知部として可変キャパシタ及び基準キャパシタを利用した感知部を例に挙げたが、これに限定されず、これと異なる形態の感知素子を適用することもできる。つまり、共通電極表示板の共通電極と薄膜トランジスタ表示板の感知データ線を2つの端子とし、2つの端子のうちの少なくとも1つは突出していて使用者の接触によって2つの端子が物理的且つ電気的に接続されることで共通電圧が感知データ信号として出力される圧力感知部や光の強さによって出力信号が変わる光センサーなどを利用することもできる。また、本発明の表示装置は二種類以上の感知部を含んで接触判断の正確度を向上させることができる。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求範囲で定義する本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の実施形態では表示装置として液晶表示装置を対象として説明したが、これに限定されず、プラズマ表示装置、有機発光表示装置などのような平板表示装置でも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の一実施形態による液晶表示装置のブロック図で、画素観点で示した液晶表示装置のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による液晶表示装置の1つの画素に対する等価回路図である。
【図3】本発明の一実施形態による液晶表示装置のブロック図で、感知部観点で示した液晶表示装置のブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態による液晶表示装置の1つの感知部に対する等価回路図である。
【図5】本発明の一実施形態による液晶表示装置の概略斜視図である。
【図6】(a)は、本発明の一実施形態による液晶表示装置において、1つの感知データ線に接続される複数の感知部の等価回路図であり、(b)は、(a)を簡略に示した等価回路図である。
【図7】本発明の一実施形態による液晶表示装置の感知動作のためのタイミング図である。
【図8】本発明の他の実施形態による接触感知部の感知信号を読み取るための多様な共通電圧と、それによる感知信号の波形図である。
【図9】本発明の他の実施形態による接触感知部の感知信号を読み取るための多様な共通電圧と、それによる感知信号の波形図である。
【図10】本発明の実施形態による感知信号出力部と、これら感知信号出力部に各々接続された横出力データ線(OY〜OY)の多様な配置例を示した図面である。
【図11】本発明の実施形態による感知信号出力部と、これら感知信号出力部に各々接続された横出力データ線(OY〜OY)の多様な配置例を示した図面である。
【図12】本発明の実施形態による感知信号出力部と、これら感知信号出力部に各々接続された横出力データ線(OY〜OY)の多様な配置例を示した図面である。
【符号の説明】
【0076】
3 液晶層
100 薄膜トランジスタ表示板
191 画素電極
200 共通電極表示板
230 色フィルタ
270 共通電極
300 液晶表示板組立体
400 画像走査部
500 画像データ駆動部
550 階調電圧生成部
600 信号制御部
610 単一チップ
620 FPC基板
700 接触判断部
800 感知信号処理部
810 増幅部
AP 増幅器
Cf キャパシタ Clc 液晶キャパシタ
Cst ストレージキャパシタ
Cp、Cp’ 基準キャパシタ
Cv、Cv’ 可変キャパシタ
CONT1 画像走査制御信号
CONT2 画像データ制御信号
DAT デジタル画像信号
DSN デジタル感知信号
〜G、D〜D 表示信号線(画像走査線、画像データ線)
HCLK データクロック信号
INI リセット信号入力部
LOAD ロード信号
OL 出力データ線
OY〜OY、OX〜OX (横及び縦)出力データ線
P1 表示領域
P2 周縁領域
P3 露出領域
PX 画素
Q スイッチング素子
Qr1、Qr2 (第1及び第2)リセットトランジスタ
Qs 出力トランジスタ
RL 基準電圧線
RST1 第1リセット制御信号
RST2 第2リセット制御信号
SOUT 感知信号出力部
STH 水平同期開始信号
SU 感知部
SW スイッチ
SY〜SY、SX〜SX (横及び縦)感知データ線(感知信号線)
Vcom 共通電圧
Vr1 第1リセット電圧
Vr2 第2リセット電圧
Vsw スイッチング信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示板と、
前記第1表示板と対向し、前記第1表示板と離隔される第2表示板と、
前記第1表示板と前記第2表示板との間に介在される液晶層と、
前記第2表示板に形成される複数の感知データ線と、
圧力によって静電容量が変化し、前記感知データ線と第1電圧との間に接続される複数の可変キャパシタと、
前記感知データ線と第2電圧との間に接続される複数の基準キャパシタと、
前記感知データ線各々に接続され、感知データ線を通って流れる感知データ信号に基づいて感知信号を生成する複数の出力部とを有し、
前記第1電圧の大きさは第1レベルと該第1レベルと異なる第2レベルとを有し、前記第2電圧の大きさは一定であり、
前記感知信号の読み取り区間で、前記第1電圧が前記第2レベルを維持する時間は少なくとも1水平周期(1H)であり、前記第1電圧が前記第2レベルを維持する間に前記出力部から前記感知信号が生成されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第2レベルは、前記第1レベルより高いことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第2レベルは、前記第1レベルより低いことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1電圧は、共通電圧であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記読み取り区間は、ポーチ(porch)区間であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記感知データ線各々に接続され、リセット制御信号を受けて前記感知データ線にリセット電圧を供給する複数のリセット信号入力部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記リセット信号入力部の各々は対応する感知データ線に接続され、第1リセット制御信号によって動作して入力される第1リセット電圧を接続された前記感知データ線に印加する第1リセットスイッチング素子を有することを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記リセット信号入力部の各々は対応する感知データ線に接続され、第2リセット制御信号によって動作して入力される第2リセット電圧を前記第1リセット電圧が印加される時間とは異なる時間に接続された前記感知データ線に印加する第2リセットスイッチング素子をさらに有することを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記感知データ線に接続され、感知データ線を通って流れる感知データ信号に基づいて生成された出力信号を前記出力部各々に伝達する複数の出力トランジスタをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
第1表示板と、
前記第1表示板と対向し、前記第1表示板と離隔される第2表示板と、
前記第1表示板と第2表示板との間に形成される複数の画素と、
前記第1表示板と前記第2表示板との間に形成される複数の第1感知部と、
前記第1表示板と前記第2表示板との間に形成される複数の第2感知部と、
前記第1感知部に接続され、横方向に延長して前記第2表示板に形成される複数の第1感知データ線と、
前記第2感知部に接続され、縦方向に延長して前記第2表示板に形成される複数の第2感知データ線と、
前記第2表示板に形成され、前記第1感知データ線から入力される感知データ信号を感知信号に変換する第1感知信号出力部と、
前記第2表示板に形成され、前記第2感知データ線から入力される感知データ信号を感知信号に変換する第2感知信号出力部とを有し、
前記複数の第1感知信号出力部は、前記第2表示板の左側及び右側のうちの少なくとも一側に形成されることを特徴とする液晶表示装置
【請求項11】
前記複数の第1感知信号出力部に各々接続される複数の出力データ線をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記複数の第1感知信号出力部は同一線上で縦方向に平行に配置されることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記複数の出力データ線は縦方向に延長されることを特徴とする請求項12に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記複数の出力データ線各々は、互いに異なる長さだけ隣接した画素の間を横方向に延長した後、縦方向に延長することを特徴とする請求項12に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
隣接した前記第1感知信号出力部は、所定距離だけ離隔して縦方向に配置されることを特徴とする請求項12に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記複数の出力データ線は縦方向に延長されることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示装置。
【請求項17】
前記感知部各々は、圧力によって静電容量が変化し、前記感知データ線と第1電圧との間に接続される複数の可変キャパシタと、前記感知データ線と第2電圧との間に接続される複数の基準キャパシタとを含むことを特徴とする請求項10乃至16のいずれか一項に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−219523(P2007−219523A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36212(P2007−36212)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】