説明

液晶表示装置

【課題】段差部にて、絶縁膜の両側に形成される電極同士が短絡する恐れのない液晶表示装置を提供する。
【解決手段】第1の基板は、アクティブ素子と、前記アクティブ素子よりも上層に形成された第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜よりも上層に設けられた第1の電極と、前記第1の電極よりも上層に設けられた第2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜よりも上層に設けられた第2の電極とを有し、前記第1の絶縁膜は、第1のコンタクトホールを有し、前記第2の絶縁膜は、前記第1の電極と前記第2の電極との間と、前記第1のコンタクトホール内とに一体的に形成されており、前記第1のコンタクトホール内の前記第2の絶縁膜には、第2のコンタクトホールが形成されており、前記第2の絶縁膜は、第1の膜厚で形成した後、前記第2の電極を形成する前に前記第1の膜厚よりも薄い第2の膜厚まで薄膜化されて形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に係り、特に、液晶表示パネルのアクティブ素子(例えば、薄膜トランジスタ)が形成される基板に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
IPS方式(横電界方式ともいう)の液晶表示パネルは、画素電極と対向電極との間で、少なくとも一部において基板と平行な電界を発生させ、当該電界により液晶を駆動し、液晶層を透過する光を変調させて画像を表示するものである。
このIPS方式の液晶表示パネルにおいて、絶縁膜を挟んで、面状の対向電極と線状部分を有する画素電極とを形成し、この面状の対向電極と線状部分を有する画素電極との間で電界を発生させ、当該電界により液晶を駆動し、液晶層を透過する光を変調させて画像を表示する液晶表示パネルが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−242433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した面状の対向電極を使用するIPS方式の液晶表示パネルでは、面状の対向電極と線状部分を有する画素電極との間に形成される絶縁膜として、例えば100nm〜500nm程度の薄い膜厚の絶縁膜が要求される。さらに、後工程のラビング工程におけるラビング不足によるドメイン発生の問題を考慮すると平坦性も必要である。
そのため、面状の対向電極と線状部分を有する画素電極との間に形成される絶縁膜として、塗布型の絶縁膜を薄く塗布して形成する方法が考えられる。
しかし、この方法では、大きな(例えば1μm以上)の段差を有するスルーホール部において、塗布膜厚が極端に薄くなり、対向電極と画素電極とが短絡する恐れがあった。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、段差部にて、絶縁膜の両側に形成される電極同士が短絡する恐れのない液晶表示装置を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
(1)第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に狭持された液晶とを有する液晶表示装置であって、
前記第1の基板は、アクティブ素子と、前記アクティブ素子よりも上層に形成された第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜よりも上層に設けられた第1の電極と、前記第1の電極よりも上層に設けられた第2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜よりも上層に設けられた第2の電極とを有し、
前記第2の絶縁膜は塗布型絶縁膜であり、
前記第1の絶縁膜は、第1のコンタクトホールを有し、
前記第2の絶縁膜は、前記第1の電極と前記第2の電極との間と、前記第1のコンタクトホール内とに形成されており、
前記第1のコンタクトホール内の前記第2の絶縁膜には、第2のコンタクトホールが形成されており、
前記第2の電極は画素電極であり、
前記第2の電極は、前記第2のコンタクトホールを介して前記アクティブ素子に電気的に接続されており、
前記第1の電極と、前記第2の電極と、前記第2の絶縁膜とによって、保持容量が形成されている。
【0006】
(2)(1)において、前記第2の電極は、透明電極である。
(3)(1)または(2)において、前記第2の絶縁膜は、膜厚が100nm以上、500nm以下である。
(4)(1)から(3)の何れかにおいて、前記第1の電極は、透明電極である。
(5)(1)から(3)の何れかにおいて、前記第1の電極は、反射電極である。
(6)(5)において、前記反射電極は、凹凸を有する。
(7)(1)から(3)の何れかにおいて、前記第1の電極は、透明電極と反射電極である。
(8)(1)から(7)の何れかにおいて、前記第1の電極は対向電極であり、前記第1の電極と前記第2の電極とによって発生される電界により前記液晶が駆動される。
(9)(8)において、前記第1の電極は、スリットを有する。
(10)(1)から(7)の何れかにおいて、前記第2の基板は対向電極を有し、前記対向電極と前記第2の電極とによって発生される電界により前記液晶が駆動される。
(11)(1)から(10)の何れかにおいて、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第3の絶縁膜を有する。
(12)(1)から(11)の何れかにおいて、前記第2の絶縁膜は、表面が平坦である。
尚、(1)〜(12)に記載した構成は、あくまで一例であり、これに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0007】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
本発明の液晶表示装置によれば、段差部にて、絶縁膜の両側に形成される電極同士が短絡するのを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例の液晶表示パネルの1サブピクセルの構成を示す平面図である。
【図2】図1に示すA−A’切断線に沿った断面構造を示す断面図である。
【図3】図1の等価回路を示す図である。
【図4】図1に示すB−B’切断線に沿った、透明基板(100A)側の断面構造を示す断面図である。
【図5】図4に示す塗布型絶縁膜の形成方法の一例を説明するための図である。
【図6】図4に示す塗布型絶縁膜の形成方法の他の例を説明するための図である。
【図7】本発明の実施例の液晶表示パネルの変形例の透明基板(100A)側の断面構造を示す断面図である。
【図8】画素電極の変形例を示す図である。
【図9】本発明の実施例の液晶表示パネルの変形例の透明基板(100A)側の断面構造を示す断面図である。
【図10】本発明の実施例の液晶表示パネルの変形例の1サブピクセルの構成を示す平面図である。
【図11】図10に示すA−A’切断線に沿った断面構造を示す断面図である。
【図12】本発明の実施例の液晶表示パネルの変形例の断面構造を示す断面図である。
【図13】塗布型絶縁膜20の形成方法として、塗布型絶縁材料を薄く塗って形成した場合を示す図である。
【図14】対向電極として機能する透明電極(ITO2)と、反射電極1との上に、CVD法により形成された絶縁膜を形成し、対向電極と画素電極(ITO1)との間を絶縁するようにした場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施例は、本発明の特許請求の範囲の解釈を限定するためのものではない。
図1は、本発明の実施例の液晶表示パネルの1サブピクセルの構成を示す平面図である。
図2は、図1に示すA−A’切断線に沿った断面構造を示す断面図である。以下、図2を用いて、本実施例の液晶表示パネルの構造について説明する。
本実施例の液晶表示パネルは、面状の対向電極を使用するIPS方式の液晶表示パネルであり、図2に示すように、液晶層LCを介して互いに対向配置される透明基板(100B)と、透明基板(100A)とを有する。本実施例では、透明基板(100B)の主表面側が観察側となっている。
透明基板(100B)は、ガラス基板10Bを有し、ガラス基板10Bの液晶層LC側には、ガラス基板10Bから液晶層LCに向かって順に、遮光膜(BM)およびカラーフィルタ層(CF)、オーバーコート層13B、配向膜15Bが形成される。さらに、透明基板(100B)の外側には偏光板11Bが形成される。
また、透明基板(100A)は、ガラス基板10Aを有し、ガラス基板10Aの液晶層LC側には、ガラス基板10Aから液晶層LCに向かって順に、絶縁膜12、層間絶縁膜13A、対向電極として機能する透明電極(ITO2)、塗布型絶縁膜20、画素電極(ITO1)、配向膜15Aが形成される。さらに、透明基板(100A)の外側には偏光板11Aが形成される。
また、絶縁膜12は、下地膜12A、ゲート絶縁膜12B、層間絶縁膜12C、層間絶縁膜12Dで構成される。
【0010】
図1に戻って、Dは映像線(ドレイン線、ソース線ともいう)、Gは走査線(ゲート線ともいう)、SH1〜SH4はスルーホール(コンタクトホールともいう)、1は反射電極、2はゲート電極、3は半導体層、4はソース電極(映像線Dをソース線と呼ぶ場合はドレイン電極ともいう)である。
ここで、反射電極1は、例えば、下層のモリブデン(Mo)(1a)と、上層のアルミニウム(Al)(1b)の2層構造とされる。
図3は、図1の等価回路を示す図であり、図3の容量素子(CLC)は液晶容量、容量素子(Cst)は、塗布型絶縁膜20を挟んで形成される画素電極(ITO1)と、対向電極として機能する透明電極(ITO2)とで形成される保持容量(蓄積容量ともいう)である。
実際の液晶表示パネルでは、図1に示す等価回路が、例えば、携帯電話機に使用されるカラー表示の液晶表示パネルであれば、サブピクセル数が240×320×3のマトリクス状に配置されることになる。なお、本実施例の液晶表示装置の駆動方法は、IPS方式の液晶表示装置と同じであるので、駆動方法の説明は省略する。
本実施例の液晶表示パネルは、半透過型の液晶表示パネルであり、反射電極1が形成される領域が、反射型の液晶表示パネルを構成し、それ以外の部分が透過型の液晶表示パネルを構成する。
【0011】
以下、図1に示す薄膜トランジスタの部分の構成について説明する。
図4は、図1に示すB−B’切断線に沿った、透明基板(100A)側の断面構造を示す断面図である。なお、図4、および後述する図5、図6、図7、図9、図13、図14では、偏向板11Aの図示は省略している。
図4に示すように、ガラス基板10A上に形成された、例えば、SiNとSiOの積層膜等からなる下地膜12A上に、半導体層3が形成される。なお、半導体層3は、アモルファスシリコン膜、或いは、ポリシリコン膜で構成される。
この半導体層3上には、例えばSiOからなるゲート絶縁膜12Bが形成され、このゲート絶縁膜12B上にゲート電極2が形成される。
ゲート電極2上には、例えば、SiO、SiN等からなる層間絶縁膜12Cが形成され、この層間絶縁膜12C上に、映像線(D)と、ソース電極4が形成される。そして、半導体層3は、スルーホール(SH1)を介して映像線(D)に接続され、さらに、スルーホール(SH2)を介してソース電極4に接続される。
また、映像線(D)、およびソース電極4上には、SiO、SiN等からなる層間絶縁膜12Dが形成され、この層間絶縁膜12D上には、例えばアクリル樹脂などからなる層間絶縁膜13Aが形成される。
ここで、ソース電極4上で、層間絶縁膜12D、および層間絶縁膜13Aには、スルーホール(SH3)が形成される。
【0012】
本実施例では、このスルーホール(SH3)内にも、塗布型絶縁膜20が形成される。ここで、スルーホール(SH3)内に形成された塗布型絶縁膜20には、スルーホール(SH4)が形成され、このスルーホール(SH4)内に形成された透明導電膜(例えば、ITO;Indium-Tin-Oxide)により、画素電極(ITO1)が、ソース電極4に電気的に接続される。
このようにして、画素電極(ITO1)は、画素に形成されたアクティブ素子と電気的に接続されている。そして、画素電極(ITO1)には、走査線(G)で駆動されるアクティブ素子を介して、映像線(D)から映像信号が書き込まれる。
以下、図4に示す塗布型絶縁膜20の形成方法について説明する。
図5は、図4に示す塗布型絶縁膜20の形成方法の一例を説明するための図である。
初めに、図5(a)に示すように、通常の方法により、ガラス基板10A上に、下地膜12Aと、半導体層3と、ゲート絶縁膜12Bと、ゲート電極2と、層間絶縁膜12Cと、映像線(D)と、ソース電極4と、層間絶縁膜12Dと、層間絶縁膜13Aとを形成し、ソース電極4上で、層間絶縁膜12D、および層間絶縁膜13Aに、スルーホール(SH3)を形成する。そして、塗布型絶縁材料20aを、厚さが、例えば2〜5μmとなるように成膜する。なお、層間絶縁膜13Aは、膜厚が、例えば1.5〜3μmの厚さに形成する。
次に、図5(b)に示すように、塗布型絶縁材料20aを、例えば100〜500nmの厚さの膜厚になるように薄膜化する。
この薄膜化を行う方法としては、塗布型絶縁材料20aが感光性材料の場合は、未露光で現像するか、アッシングにより厚さを薄くすればよく、また、塗布型絶縁材料20aが非感光性材料の場合は、全面エッチングにより行えばよい。
次に、図5(c)に示すように、スルーホール(SH4)を形成して、塗布型絶縁膜20を形成する。
このスルーホール(SH4)は、塗布型絶縁材料20aが感光性材料の場合は、露光・現像により形成でき、また、塗布型絶縁材料20aが非感光性材料の場合は、ホト・エッチングで行えばよい。
【0013】
図6は、図4に示す塗布型絶縁膜20の形成方法の他の例を説明するための図である。
初めに、図6(a)に示すように、通常の方法により、ガラス基板10A上に、層間絶縁膜12Aと、半導体層3と、ゲート絶縁膜12Bと、ゲート電極2と、層間絶縁膜12Cと、映像線(D)と、ソース電極4と、層間絶縁膜12Dと、層間絶縁層13Aとを形成し、ソース電極4上で、層間絶縁膜12D、および層間絶縁層13Aに、スルーホール(SH3)を形成する。そして、感光性の塗布型絶縁材料20aを、厚さが2〜5μmの厚さに成膜する。
次に、図6(b)に示すように、ハーフ露光技術により、スルーホール(SH4)の部分(図6の矢印Aの部分)は充分に露光し、その他の部分(図6の矢印Bの部分)はハーフ露光する。その後、現像して、厚さが、例えば100〜500nmで、スルーホール(SH4)を有する塗布型絶縁膜20を形成する。
なお、感光性の塗布型絶縁材料20aとして、未露光で現像した時に、膜厚の膜減り量(膜厚が薄くなる量)が多いものを使用する場合には、図6(b)では、ハーフ露光技術の代わりに、通常の露光、現像でもよい。
図7は、本実施例の液晶表示パネルの変形例の透明基板(100A)側の断面構造を示す断面図である。この図7は、図1に示すB−B’切断線に相当する部分の断面構造を示す断面図である。
図7に示す構造は、対向電極として機能する透明電極(ITO2)と、反射電極1の上に、CVD法により、絶縁膜23を形成し、その上に、塗布型絶縁膜20を形成するようにしたものである。
尚、絶縁膜23を、塗布型絶縁膜20と画素電極(ITO1)との間に形成しても良い。
【0014】
図13は、塗布型絶縁膜20の形成方法として、塗布型絶縁材料を薄く塗って形成した場合を示す図である。塗布型絶縁膜20の形成方法として、塗布型絶縁材料を薄く塗って形成した場合には、図13のAに示すように、スルーホール(SH4)の領域において、塗布型絶縁膜20の膜厚が薄くなり、対向電極として機能する透明電極(ITO2)と、画素電極(ITO1)が短絡する恐れがある。このように、塗布型絶縁材料を薄く塗って形成した場合は、スルーホール(SH4)の周辺において、塗布型絶縁膜20の表面が十分に平坦化されていない状態となる恐れがある。尚、短絡の問題を避けるためには、スルーホール(SH4)の周辺において対向電極を形成しないようにすればよい。但し、その場合は表示に用いられる面積が減り、開口率が小さくなるという問題がある。また、保持容量が小さくなるという問題がある。
これに対して、本実施例では、図4のAに示すように、スルーホール(SH4)の領域において、塗布型絶縁膜20の膜厚が充分厚いので、表面が平坦でカバレッジが良好であり、対向電極として機能する透明電極(ITO2)と、画素電極(ITO1)が短絡する恐れがない。したがって、スルーホール(SH4)の近傍にも対向電極を形成することが可能となる。
尚、層間絶縁膜13A、塗布型絶縁材料20a、塗布型絶縁膜20の膜厚は、あくまで一例であるため、例示した範囲に限定されるものではない。尚、層間絶縁膜13Aの膜厚が塗布型絶縁膜20の膜厚の2倍以上あると、図13で説明したように塗布型絶縁材料20aを薄く塗っただけでは段差部の周辺で平坦化が不十分となる恐れがあるため、図5や図6で示したようなプロセスにより形成することが望ましい。
図14は、対向電極として機能する透明電極(ITO2)と、反射電極1との上に、CVD法により形成された絶縁膜23を形成し、対向電極と画素電極(ITO1)との間を絶縁するようにした場合を示す図である。
この場合には、図14のAに示すように、反射電極1による凹凸を平坦化できないため、ラビング不足が発生し、これによりドメインが発生するためコントラストが低下することになる。
しかしながら、本実施例では、図4のBに示すように、反射電極1の段差を吸収することができ、塗布型絶縁膜20の表面を平坦化することができる。これにより、ラビング不足によるドメインを防止でき、コントラストを向上させることが可能となる。
なお、前述の特許文献1には、平坦化膜(210)を有する液晶表示パネルが記載されている。しかしながら、この特許文献1には、塗布型絶縁膜20で保持容量を形成することは開示されていない。
【0015】
なお、本実施例において、画素電極(ITO1)は、図1に示すような、一部が開放した形状のスリットを有する櫛歯形状に代えて、図8に示すような、閉じた形状のスリット30を内部に有する矩形形状であってもよい。図1、図8の何れの場合も、画素電極は線状部分を有する構造となっている。
図9は、本実施例の液晶表示パネルの変形例の透明基板(100A)側の断面構造を示す断面図である。この図9は、図1に示すB−B’切断線に相当する部分の断面構造を示す断面図である。
図9に示す構造では、反射電極1に入射される光を、拡散・反射させるために、反射電極1に凹凸を形成したものである。このような構造でも、反射電極1の凹凸を吸収し、塗布型絶縁膜20の表面を平坦化することができる。
なお、図9に示す構造では、対向電極の図示は省略しているが、通常のIPS方式の液晶表示パネルの場合には、透明基板(100A)側に、また、縦電界方式(例えばTN方式やVA方式など)の液晶表示パネルの場合には、透明基板(100B)側に形成される。また、IPS方式の場合には、反射電極1が対向電極を兼ねても良い。
このように、本発明は、面状の対向電極を使用するIPS方式の液晶表示パネルに限定されるものではなく、通常のIPS方式の液晶表示パネル、あるいは、縦電界方式の液晶表示パネルにも適用可能である。
この場合に、透明電極(ITO2)または反射電極1は、画素電極(ITO1)との間で、保持容量(Cst)を形成するための電極として使用される。
尚、縦電界方式の液晶表示パネルの場合は、画素電極(ITO1)はスリットを有さない形状であっても良いし、マルチドメイン化するためにスリットを形成しても良い。
【0016】
図10は、本発明の実施例の液晶表示パネルの変形例の1サブピクセルの構成を示す平面図である。
図11は、図10に示すA−A’切断線に沿った断面構造を示す断面図である。
図10、図11に示す構造は、本発明を、通常のIPS方式の液晶表示パネルに適用した場合の構造を図示したものである。
なお、図10、図11において、ITO3は、対向電極を示す。なお、図11において、透明電極(ITO2)の下層側(ガラス基板10A側)は、層間絶縁膜13A以外の構造の図示は省略している。図10においても、透明電極(ITO2)は、対向電極の役割と、保持容量形成の役割を果たす。
図12は、本発明の実施例の液晶表示パネルの変形例の断面構造を示す断面図である。この図12は、図1に示すA−A’切断線に相当する部分の断面構造を示す断面図である。
図12に示す構造は、本発明を、縦電界方式の液晶表示パネルに適用した場合の構造を図示したものである。
縦電界方式の液晶表示パネルでは、対向電極(コモン電極ともいう)(ITO3)は、透明基板(100B)側に形成される。また、透明電極(ITO2)は、保持容量形成の役割を果たす。尚、図9の実施例と組み合わせて、反射電極1を形成してもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
例えば、半透過型ではなく、透過型、あるいは、反射型の液晶表示装置に適用しても良い。透過型の場合は、反射電極1を省略可能である。反射型の場合は、透明電極(ITO2)の代わりに、反射電極1を形成すればよい。
透過型、あるいは、半透過型の場合には、液晶表示パネルの背面に図示しないバックライトを配置しても良い。反射型の場合には、液晶表示パネルの前面(観察者側)に、図示しないフロントライトを配置しても良い。
また、本発明は、液晶表示装置に限定されず、アクティブ素子と保持容量とを有する表示装置に対しても適用可能である。
【符号の説明】
【0017】
1 反射電極
1a モリブデン(Mo)
1b アルミニウム(Al)
2 ゲート電極
3 半導体層
4 ソース電極
10A,10B ガラス基板
11A,11B 偏光板
12 絶縁膜
12A 下地膜
12B ゲート絶縁膜
12C,12D 層間絶縁膜
13A 層間絶縁膜
13B オーバーコート層
15A,15B 配向膜
20 塗布型絶縁膜
20a 塗布型絶縁材料
23 絶縁膜
30 スリット
100A,100B 透明基板
LC 液晶層
BM 遮光膜
CF カラーフィルタ層
ITO1 画素電極
ITO2 透明電極
ITO3 対向電極
D 映像線(ドレイン線、ソース線)
G 走査線(ゲート線)
SH1〜SH4 スルーホール
CLC 液晶容量
Cst 保持容量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持された液晶とを有する液晶表示装置であって、
前記第1の基板は、アクティブ素子と、前記アクティブ素子よりも上層に形成された第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜よりも上層に設けられた第1の電極と、前記第1の電極よりも上層に設けられた第2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜よりも上層に設けられた第2の電極とを有し、
前記第2の絶縁膜は塗布型絶縁膜であり、
前記第2の絶縁膜は、前記第1の電極と前記第2の電極との両方に接する単層の絶縁膜であり、
前記第1の絶縁膜は、第1のコンタクトホールを有し、
前記第2の絶縁膜は、前記第1の電極と前記第2の電極との間と、前記第1のコンタクトホール内とに一体的に形成されており、
前記第1のコンタクトホール内の前記第2の絶縁膜には、第2のコンタクトホールが形成されており、
前記第2の絶縁膜は、第1の膜厚で形成した後、前記第2の電極を形成する前に前記第1の膜厚よりも薄い第2の膜厚まで薄膜化されて形成されており、
前記第2の電極は画素電極であり、
前記第2の電極は、前記第2のコンタクトホールを介して前記アクティブ素子に電気的に接続されており、
前記第1の電極と、前記第2の電極と、前記第2の絶縁膜とによって、保持容量が形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第2の電極は、透明電極であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1の電極は、透明電極であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1の電極は、反射電極であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記反射電極は、凹凸を有することを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1の電極は、透明電極と反射電極であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第1の電極は対向電極であり、前記第1の電極と前記第2の電極とによって発生される電界により前記液晶が駆動されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記第2の電極は、スリットを有することを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記第2の基板は対向電極を有し、前記対向電極と前記第2の電極とによって発生される電界により前記液晶が駆動されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記第2の絶縁膜は、表面が平坦であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記第2の絶縁膜は、前記第1の領域と前記第2の領域とにおいて、最終的な膜厚が、100nm以上、500nm以下となるように、膜厚が前記最終的な膜厚より厚い状態から前記最終的な膜厚まで薄くなるように薄膜化されていることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記第2の絶縁膜は、前記第1の領域と前記第2の領域とにおいて、最終的な膜厚が、100nm以上、500nm以下となるように、膜厚が前記最終的な膜厚より厚い状態から前記最終的な膜厚まで薄くなるように未露光で現像することにより薄膜化されていることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記第2の絶縁膜は、前記第1の領域と前記第2の領域とにおいて、最終的な膜厚が、100nm以上、500nm以下となるように、膜厚が前記最終的な膜厚より厚い状態から前記最終的な膜厚まで薄くなるようにアッシングにより薄膜化されていることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記第2の絶縁膜は、前記第1の領域と前記第2の領域とにおいて、最終的な膜厚が、100nm以上、500nm以下となるように、膜厚が前記最終的な膜厚より厚い状態から前記最終的な膜厚まで薄くなるようにエッチングにより薄膜化されていることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記第2の絶縁膜は、前記第1の領域と前記第2の領域とにおいて、最終的な膜厚が、100nm以上、500nm以下となるように、膜厚が前記最終的な膜厚より厚い状態から前記最終的な膜厚まで薄くなるようにハーフ露光技術により薄膜化されていることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−252350(P2012−252350A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−170715(P2012−170715)
【出願日】平成24年8月1日(2012.8.1)
【分割の表示】特願2005−312165(P2005−312165)の分割
【原出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】