説明

溶接、切断または加熱用電源とその制御方法

【課題】手動または自動でリンクを設けずに、大容量の変圧器を必要とせずに、所定範囲内の入力電圧を受け、インバータを用いた溶接用電源を提供する。
【解決手段】広範囲の入力電圧を受け、AC入力をDC信号に整流する入力整流器101を有する電源であり、DC電圧ステージ102はDC信号を所望のDC電圧に変換し、インバータ103はDC信号を第二AC信号に変換する。出力変圧器T3は第二AC信号を受け溶接用に適した大きさの電流を有する第三AC信号を供給する。溶接用電流は出力インダクタL4および出力整流器D12、D13により整流され平滑され得る。コントローラ104は制御信号をインバータと補助電源コントローラ105に供給する。補助電源コントローラ105は所定範囲の入力電圧を受け制御電力信号をコントローラ104に供給できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は溶接用電源に関し、特に溶接、切断および加熱に適用されるインバータ電源およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電源は典型的には入力された電力を特別な応用に合わせて作られた必要なまたは望ましい出力電力に変換する。溶接の応用において、電源は典型的に高い電圧の交流電流(VAC)信号を受け、高い電流出力の溶接信号を供給する。全世界で実用上使用されている電源電圧(正弦波線間電圧)は、200/208V、230/248V、380/415V、460/480V、500Vおよび575Vである。これらの電源は何れも単相または三相であり50Hzまたは60Hzの周波数を有する。溶接用電源はこのような電源の電力供給を受け、溶接用として約10〜40ボルトの直流の大電流を出力する。
【0003】
溶接は多量の電力が熱を発生し金属を溶かし溶接をなす溶接アークに電流出力する技術である。溶接用に適切な電力を供給するために多くの形式の溶接用電源がある。従来技術の溶接用電源には、正弦波出力を電送する共振コンバータ電源がある。また方形波出力を供給するものもある。さらにはインバータ形式の溶接用電源もある。
【0004】
インバータ形式の電源(以下単にインバータ電源と記す)は特に溶接用に適している。インバータ電源は、ACの方形波またはDCの出力を供給することができる。インバータ電源はまた比較的高い周波数段階用に設けられ、制御信号の変化に対し高速に応答して溶接出力を発生する。
【0005】
一般的に、インバータ電源は正弦波の電源ライン入力を受け、DCバスを供給するため正弦波の電源入力を整流し、DCバスを変換し、DC溶接出力を供給するためその変換された信号を整流する。一般的に、出力波形が平らな、すなわちリップルの非常に少ないDCバスを供給することが望ましい。従って、単に正弦波入力を整流するだけでは不十分であり、さらに平滑化することが必要であり、多くの場合入力電力の電圧を変えている。このことを入力電源の前処理と呼んでいる。
【0006】
溶接に適したインバータ電源にはいくつかの形式がある。これらはブースト電源、バック電源、およびBoost-buck(ブーストバック)電源であり、当該技術分野において公知のものである。
【0007】
一般的に、溶接用電源は特別な電源入力に対応するよう設けられる。換言すれば、溶接用電源は種々の入力電圧に対し本質的に同一出力を供給できない。さらに特別な入力電源レベルで安全に動作するコンポーネントは、ある交流入力電源レベルで動作するとき破壊する。それゆえ、従来技術による電源は種々の入力に適応するよう手動調整可能な回路を用いることによりこれらの種々の入力に対応するよう設けられた。これらの回路は通常、変圧器の巻数比を変えることにより、その電源における特別な回路のインピーダンスを変えることにより、またはタンク回路が直列または並列となるよう配置することにより調整できる。これら従来技術による装置において、オペレータは入力電圧を識別することを要求され、特別な入力に対応して回路を手動で調整することが要求される。
【0008】
一般的に、従来技術において種々の電圧入力に適合するため、電源が開放され、ケーブルが特別な電圧入力に適応するよう調整される。従って、オペレータは適切な出力電圧が発生されるように手動で電源をリンクすることが要求される。誤って不適切に電源をリンクすると、身体への危害を与えるか、電源不良となるかまたは不十分な電源が供給される。
【0009】
従来技術による装置は2つの異なる交流入力電圧レベルで動作する電源を構成することによりこの問題に対処している。例えば、1989年7月4日にNakao 等に発行された米国特許第4,845,607号は、次のような電源を開示している。すなわちこの電源は、入力電源が交流115Vのとき自動的に作動し、入力電源が交流230Vのときには作動しない電圧増倍回路を装備したものである。このような電源は入力電圧が低いレベルのとき要求される電圧を供給するため電圧増倍回路により、高い方の電圧レベルで動作するよう設計されている。電圧増倍回路を用いるこの形式の電源は、電圧増倍回路を実行するため実際的でない高い電源レベルに耐えることのできるトランジスタまたはスイッチ装置および他のコンポーネントを用いなければならない。さらに、電圧増倍回路に伴われる回路は、元来熱消失の問題を有する。また、電圧増倍回路形式の電源は、溶接の応用に十分に有効ではない。それゆえ、種々の交流入力電圧レベルに対応して自動的に適合されるよう構成される溶接用電源が長い間望まれていた。
【0010】
溶接用電源は、通常高い交流電圧信号を受け大電流の直流信号を発生することが知られている。電圧増倍回路形式の電源の欠陥を避ける特に溶接用に有効な形式の電源は通常周波数電源インバータに依存している。インバータ電源は高い電圧の直流電源を高い電圧の交流電源に変換する。この交流電源は高い交流出力を発生する変圧器に供給される。
【0011】
入力電圧レンジを越えて使用される電源インバータは従来技術において広く知られている。例えば、2つの入力電圧レベルを使用できる電源インバータは、1974年6月4日にBergerに発行された米国特許第3,815,009号に開示されている。この特許発明の電源インバータは、2つのスイッチ回路を使用するものである。この2つのスイッチ回路は、高いほうの入力電圧に接続されるときは直列に接続されるが、低い方の入力電圧に接続されるときは並列に接続される。このスイッチ回路は互いにリード線で結合されている。このインバータは適切な電圧レベルに対してスイッチ回路を構成するときのオペレータの誤りを認めており、このことは電源異常を来たし、あるいは人体に危害を与える。
【0012】
手動リンクを改善した他の従来技術による溶接用電源は自動リンクを設けている。例えば、Miller Electric AutoLinkはこのような電源であり、引用により合併された米国特許第5,319,533号に記載されている。このような電源は、電源が最初に接続され、検知された入力電圧に対して適切なリンクに自動的に設定されたとき入力電圧をテストする。このような溶接用電源は、携帯用であれば、通常インバータ形式の電源であり、そしてリンクを達成する方法は2つのインバータとして溶接用電源を動作することによる。このインバータは(例えば230Vに対して)並列に接続でき、(例えば460Vに対して)直列に接続できる。このような装置は通常2つの電圧接続の可能性を認める。しかしながら、高い方の電圧は低い方の電圧の2倍でなければならない。従って、このような電源は230V〜460Vから380V〜415Vあるいは575Vのレンジの供給に対しては接続することはできない。
【0013】
50/60Hzの変圧器は、種々の入力電圧に対して多くのタップを設けて使用できる。しかしながら、同一容量のインバータ形式の溶接用電源と比して重量が大であり巨大な大きさとなる点で欠陥を有する。加えて、上記Miller Electric AutoLinkの例におけるように自動的にリンクされたとき、各電圧に対してリンク装置をもたなければならない。このような自動リンクは、本発明により予期される電圧レンジに対し複雑であり、恐らく非経済的である。このように、2つの入力電圧設定を適切に自動的に選択する従来技術による電源が、世界中の入力電源の全レンジに適合することはとても有りそうもない。このことは、世界中の各地域へ輸送可能な溶接用電源として重大な欠陥である。従って、多くの入力電圧の電源に自動的に適合可能なことは有利なことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
それゆえ、本発明の目的は、手動でも自動でも如何なるリンクを必要とせずに、上述した何れの入力電圧あるいは他の入力電圧を受ける溶接用電源を提供することにある。また、50/60Hzの大容量の変圧器を必要とせず、インバータ技術を駆使した溶接用電源を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は広いレンジに渡る入力電圧を受けることのできる電源を提供する。本発明の電源は、AC入力をDC信号に整流する入力整流器を含む。DC電圧段階はDC信号を所望のDC電圧に変換し、インバータはこのDC信号を第2AC信号に変換する。出力変圧器は第2AC信号を受け所望の電流の大きさを有する第3AC信号を供給する。必要ではないが、出力電流は整流でき、出力インダクタと出力整流器により平滑される。コントローラは制御信号をインバータに供給し、補助電源コントローラは所定のレンジの入力電圧を受けることができ制御電力信号をコントローラに供給する。
【0016】
溶接用電流を供給する方法は、AC入力を整流し、第1DC信号を供給する。第1DC信号は、次に第2AC信号に変換される。次に第2AC信号は溶接に適した大きさの電流を有する第3AC信号に変換される。この溶接用電流はDC溶接用電流を供給するため次ぎに整流され、平滑される。補助電源信号は、AC入力信号の大きさに無関係に予め選択された制御電源信号電圧で供給される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、手動または自動でリンクを設けず、大容量の変圧器を必要とせず、所定範囲内の入力電圧を受け、インバータを用いた溶接用電源を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の好適実施例のブロック図である。溶接用電源100は入力整流器101、ブースト回路102、パルス巾変調器(PWM)103、コントローラ104、補助電源コントローラ105、一対の蓄電コンデンサC3とC7、およびこれらコンデンサの保護抵抗器R4とR10、出力変圧器T3、出力インダクタL4、フィードバック変流器T4とT6、フィードバックコンデンサC13、C14と抵抗器R12とR13、溶接出力端子T108で溶接用出力電流を供給する出力ダイオードD12とD13を含む。冷却ファン110、フロントパネル111およびリモートコネクタ112もまた概略示されている。
【0019】
動作において、電源100は、入力ライン107から三相線電圧を受ける。三相入力は入力整流器101に供給される。入力整流器101は三相入力を整流し通常DC信号を供給する。10μFのコンデンサC4はブースト回路の高周波数デカップリング用に設けられる。DC信号は三相入力の大きさの約1.35倍の大きさを有する。デカップルされたDCバスはブースト回路102用に設けられる。以下に詳述するように、ブースト回路102は制御可能な大きさを有するDC出力電圧を供給するため入力整流器101により設けられたDCバスを処理する。好適実施例において、ブースト回路102の出力は、入力電圧に係わらず約800Vである。
【0020】
ブースト回路102はパルス巾変調器103に対して設けられ、パルス巾変調器103では溶接用出力に変換するために適切な制御可能な信号を供給するためDCバスが変換されパルス巾が変調される。コントローラ104は多くの溶接用電源で見られる主制御ボードである。この主制御ボードはパルス巾変調器103の周波数とパルス巾を制御するためパルス巾変調器103に対し制御信号を供給する。入力整流器101、パルス巾変調器103、コントローラ104および出力変圧器T3は当該技術分野で公知のものである。
【0021】
パルス巾変調器103の出力は出力変圧器T3に対し設けられ、出力変圧器T3は溶接に適した電圧と電流を供給するためPWM103の出力を変換する。変圧器T3は2次側にセンタタップを有し、1次側が32回の巻数に対し2次側がセンタタップ両側各半分が5回の巻数の巻数比を有する。変圧器T3は他の変圧器を使用してもよい。変圧器T3の交流出力は出力インダクタL4、出力ダイオードD12およびD13により整流され平滑される。インダクタL4は、所望の溶接特性を提供するために十分な例えば50〜150μH(マイクロヘンリ)のレンジのインダクタンスを有する。
【0022】
補助電源コントローラ105は入力ライン電圧を受け、この電圧をDC制御信号に変換する。18ボルトの制御信号が入力電圧に無関係に発生され、ブースト回路102に供給される。ブースト回路102は18ボルト制御信号を使用し、そのスイッチング周波数とその出力の大きさを制御する。補助電源コントローラ105はまた48ボルトセンタタップのAC電源信号をコントローラ104へ供給する。
【0023】
フロントパネル104が概略示されるが、これは運転パラメータに関する入力を受けるとともにユーザに運転状態を伝えるために使用される。同様にリモートコネクタ112が概略示されるが、運転パラメータに関する入力を受けるために使用される。
【0024】
概して言えば、三相電源が入力ライン107に供給される。複数の最初開のコンタクタ115は入力整流器101から入力電源を絶縁する。しかしながら、入力電源は補助電源コントローラ105に供給される。以下に詳述するように、補助電源コントローラ105は入力電源の大きさを測定し、入力に無関係にコントローラ104へ48VセンタタップのAC出力を供給するため多数の接点を開閉する。これらの接点は入力電圧の大きさの過少評価に対する保護手段を提供するように開閉し、従って回路コンポーネントを保護する。また補助電源コントローラ105は入力の大きさに無関係に18ボルトDC制御信号をブースト回路102に供給する。
【0025】
電圧レベルが接点を適切に閉じることにより適切に測定された後、コントローラ104は接点115を閉じ、従って電源が入力整流器101に供給される。入力整流器101は共振過充電によってコンデンサC3とC7が破壊されることを防止し、入力電源の過多な負荷を避けるためにプリチャージ回路を有する。変圧器T3のタップから入力整流器101が受ける信号はSCR(詳細は後で記す)をターンオンする。SCRを導通することによりプリチャージ抵抗器を回る入力電流はバイパスされる。
【0026】
入力整流器101の出力はブースト回路102に供給される。ブースト回路102は当該技術分野で知られており、ブースト回路用集積回路のコントローラは市販されている。動作において、ブースト回路102はその入力と出力の電圧を検出する。後で詳細に説明するように、IGBT(または他のスイッチング素子)は所望の出力電圧を得るため所定の周波数とデューティサイクル(またはパルス巾)でオンオフを切り換えられる。好適実施例において、所望の出力電圧は約800ボルトである。
【0027】
ブースト回路102はそれゆえ800μF(マイクロファラド)の電解コンデンサC3とC7に約800ボルトの出力を供給する。電解コンデンサC3とC7には45KΩ(キロオーム)のブリーダおよび平衡用の抵抗器R3とR7が結合される。コンデンサC3とC7は従ってPWM103に対しDCリンクとして作用する。
【0028】
PWM103は通常一定した800ボルトのDC信号を受け、ユーザが選択した大きさにおける溶接用出力を供給するため、そのDC信号を変換し整流し平滑した後に変調する。PWM103はコントローラ104から受けた制御信号に従ってその入力を変調する。PWM103はまたコントローラ104から25ボルトDC電源信号を受ける。このようなPWMは公知であり、PWM103は単相モジュールとして市販されている。
【0029】
PWM103の出力は出力変圧器T3へ供給され、比較的高い電圧の低い電流信号を溶接用に適切な電圧に変換する。変圧器T3の出力はダイオードD12とD13により整流され、出力インダクタL14により平滑される。従って、通常一定の大きさのDC溶接出力が溶接出力108に供給される。
【0030】
変流器T4とT5はフィードバック信号をコントローラ104、スナッバコンデンサC13(0.1μF)とC14(0.022μF)、およびスナッバ抵抗器R12(12Ω)とR13(47Ω)に供給し、D12とD13の回復に伴う過渡電圧を抑制する。コントローラ104は所望の溶接用電流に対するフィードバック信号を比較し、必要であればスイッチングパルス巾を調整するためにPWM103を制御する。
【0031】
図2は図1に示す入力整流器101の詳細電気回路図であり、入力整流器101の好適実施例を示す図である。入力整流器101はダイオードD4、D5、D6、D9、D10およびD11からなる全波ブリッジ回路を含む。このブリッジは三相入力を整流し、入力電圧の約1.35倍の大きさを有する信号を供給する。一対の50Ωの抵抗器R1とR2がスタートアップ時の図1に示されるコンデンサC4、C3およびC7をプリチャージするために設けられる。これは突然のサージ電流がコンデンサC4、C3およびC7に急激に流れることを防止するためのものである。
【0032】
プリチャージが完了した後、Q1で示すSCR(以下SCRQ1と記す)は図1に示される出力変圧器T3のタップからの信号を介してターンオンされる。変圧器T3からの信号は電流制限抵抗器R6とコンデンサC6を介してSCRQ1のゲートに供給される。回復ダイオードD7とスナッバ抵抗器R5はSCRQ1のゲートを横断して設けられる。SCRQ1は抵抗器と分路してブースト回路102のインダクタL2に最大電流を流すことを可能とする。
【0033】
複数のバリスタRV1〜RV3がライン上のスパイクを抑制するために設けられる。他のスパイクを防止するために図示しない他のバリスタをD9〜D11およびグラウンドとの間に設けてもよい。
【0034】
当業者に容易にわかるように、他の回路や他の素子を使用しても入力整流器101の機能は達成できる。
【0035】
図3は図1のブースト回路102の詳細電気回路図であり、当該技術分野において公知なように動作するブースト回路102の好適実施例を示す図である。概して言えば、ブースト回路102は入力電圧を1で割った値からブースト回路102におけるスイッチIGBT1のデューティサイクルを引いた値に等しい出力電圧を供給する。
【0036】
従って、スイッチIGBT1がオフのとき、100%の時間、出力電圧(DCリンク電圧)は入力電圧(コンデンサC4と入力整流器101から)に等しい。一実施例において、最も低い入力電圧は200ボルトであり、所望の出力(DCリンク電圧)は800ボルトであり、それゆえ「ブースト」用の上限は約400%であり、約75%のデューティサイクルを要求する。
【0037】
ブースト回路の動作は当該技術分野においてよく知られているので以下に簡単に説明する。スイッチIGBT1がターンオンされたとき、電流はインダクタL2を介して負電圧バスに流れ、従ってインダクタL2にエネルギが蓄えられる。スイッチIGBT1が次にターンオフしたとき、電源はインダクタL2からDCリンクへのダイオードD1および14μHの可飽和リアクタL1を介して戻される。戻されたエネルギ量と対して蓄積されたエネルギ量は上述した式に従ってデューティサイクルを制御することにより制御される。ブースト回路102を適切に操作するためにインダクタL2は一定電流をもたねばならず、それゆえインダクタL2はデューティサイクルのレンジに渡って一定電流をもつために十分大きなインダクタをもつよう選択されるべきである。一実施例において、インダクタL2は3mHのインダクタを使用している。ブースト回路102の残りの素子は0.0033μFのコンデンサC1、ダイオードD3、1Ωの抵抗器R3、50Ωの抵抗器R6、ダイオードD8、50Ωの抵抗器R7および0.1μFのコンデンサC8を含む。これらは主としてスナッバであり、スイッチIGBT1がターンオンしたときダイオードの回復を補助するものである。
【0038】
ブースト回路102はスイッチIGBT1のデューティサイクルを制御するIGBTドライバ301を有する。IGBTドライバ301は出力電圧と入力電流を示すフィードバック信号を受け、この情報を用いて所望の出力電圧を発生するために十分なデューティサイクルでスイッチIGBT1を駆動する。
【0039】
一実施例において、ブースト回路102は図1に示すシャントS1を有する。シャントS1はフィードバック信号、すなわち正と負のバスに流れる電流を供給する。好適実施例において1つのユニトロード(Unitrode)力率修正チップがブースト回路102を実行するために使用され、1入力として平均電流の流れを要求する。この情報とDCリンク電圧に応答して、IGBTドライバ301はスイッチIGBT1をターンオンターンオフする。当業者なら容易に認識するように、他の回路や回路素子によってもブースト回路102の機能を実行できる。
【0040】
上述したように、ブースト回路102の出力は、コンデンサC3とC7(図1参照)に供給され、DCリンク電圧を供給する。一実施例において、スイッチIGBT1のスイッチングにより測定されるように、DCリンク電圧は800ボルトである。好適実施例において、ここに記したコンポーネントの値を用いると、DCリンクの電圧の動的調節は全負荷から無負荷まで80ボルトである。静的調節は約+/−20ボルトのリップルに対し約+/−2ボルトである。
【0041】
図4は図1のパルス巾変調器の詳細電気回路図である。DCリンク電圧はパルス巾変調器(PWM)103に供給される。PWM103は変調器で標準パルスを発生し、他のPWMのように入力の大きさに等しい大きさを有する略方形波の出力を供給する。それゆえPWM103の出力は0を中心としてピークトゥピークが800ボルトの約+400ボルトから−400ボルトの範囲にある。
【0042】
PWM103は一対のスイッチQ3とQ4(好ましくはIGBT)およびパルス巾ドライバ401を含む。パルス巾ドライバ401は変流器T1およびT2からフィードバックを受け、コントローラ104から制御入力を受ける。これらの入力に応答して、パルス巾ドライバ401はスイッチQ3とQ4にゲート信号を供給し、それにより入力信号を変調する。コンデンサC2(4μF)とコンデンサC9(4μF)がDCリンクと出力変圧器T3との間に供給される。コンデンサC5(0.0022μF)、抵抗器R11(50KΩ)および抵抗器R9(50KΩ)はスナッバ回路である。当業者なら容易に認識するように、他の回路や回路素子によってもPWM103の機能を実行できる。
【0043】
PWM103の出力は変圧器T3に供給され、変圧器T3の電流はPWM103のパルス巾変調器により測定される。上述したように、変圧器T3の出力はダイオードD12とD13により整流され、インダクタL4により平滑される。DC出力電流はかなり平らであり、全負荷(300アンペア)時のリップルはピークトゥピークで約12アンペアである。全負荷時においてPWM103の各スイッチQ3とQ4のデューティサイクルは約20〜35%(全デューティサイクルは40〜70%)である。
【0044】
他の実施例において、PWM103の出力はPWM103の出力の周波数以下の周波数でAC出力信号を供給する同期整流器(サイクロ(登録商標)コンバータ)のような他の出力整流器により整流できる。溶接用電流を供給するインバータを含む他の出力回路もまた使用できる。
【0045】
再び図1を参照する。コントローラ104は変流器T4とT5に接続され、フィードバック情報を供給する。コントローラ104は補助電源コントローラ105から電力を受け、その出力の1つとしてPWMドライバ用のドライバ制御信号を供給する。コントローラ104はまた入力整流器101からの出力電圧をモニタする過電圧保護検出器手段を有する。入力整流器101からの出力電圧が危険な程高いとき、コントローラ104はコンタクタ115を開き、回路コンポーネントを保護する。一実施例において、DC930ボルトが危険な高電圧と見なすカットオフ点である。
【0046】
上述したことから判るように、溶接用電源100は入力電圧を受け、溶接用出力を供給する。入力電圧の大きさに無関係に、ブースト回路102は入力電圧を所望の電圧レベル(例えば800ボルト)にブーストする。次にPWM103はその信号を変調し、800ボルトにおける電源の適切なレベルを変圧器T3に供給する。
【0047】
上記装置は如何なる入力電圧に対しても満足されるものであるが、適切なレベルで制御電圧を供給する何らかの機構がなければならない。後述するように、補助電源コントローラ105はこの機能を遂行し、その実施例を図5に概略的に示す。
【0048】
図5は本発明の補助電源コントローラの電気回路図の一方の半分を示す図であり、図6は他方の半分を示す図である。以下図5と図6を相互に参照して本発明の補助電源コントローラを説明する。図6を参照すると、複数のコネクタJ1、J2、J3およびJ4が示されている。DC18V制御電圧の出力がブースト回路102(図1に示す)に対してコネクタJ1に供給される。以下に詳述するように、DC18Vの制御信号は入力電圧の大きさに無関係に供給される。コネクタJ2は内部で使用するため補助電源コントローラ105に電力をフィードバックする。コネクタJ3は入力AC電圧を変圧器T7(図1参照)の適切なタップに接続し、リモートコネクタ112(図1参照)に30ボルトのAC信号を供給する。同様に、48ボルトセンタタップのAC信号がコントローラ104に供給される。コントローラ104はDC制御信号を発生しファン110に電力供給するため48ボルトセンタタップAC信号を使用する。補助電源コントローラ105のコネクタJ4はユーザにより制御されるオンオフスイッチS4を介して入力電源ライン(図1参照)に接続される。
【0049】
補助電源コントローラ105は補助電源変圧器T7の一次側タップへの接続を制御する。変圧器T7は200VAの変圧器であり、コネクタJ2とJ3を参照して上述したように補助電源コントローラ105に接続される。変圧器T7の2次側の数個のタップはコントローラ104に接続され、残りの2次側のタップはリモートコネクタ112に接続される。
【0050】
再び図6を参照して、コネクタJ3におけるタップは、最大電圧から図6の上から順に575V、460V、380V、230Vに対応する。以下に記すように、補助電源コントローラ105が与えられた入力電圧に対して適切なタップを選択したとき、変圧器T7はコントローラ104により使用される変圧器T7の2次側で48ボルトセンタタップのAC信号を供給する。
【0051】
図6から判るように、AC入力はコネクタJ4で受け取られ、(フューズF1および一対の4.7Ωの抵抗器R18とR19を介して)、出力に対し選択されたコネクタJ3のタップを決定する直列リレーK2B、K1B、K3CおよびK3Bに供給される。575ボルトが存在するとき、入力リレーK2BとK3Cの接点は図の右側に閉じるべきである。それから、入力はコネクタJ3の大部分のタップを横断して最上部および最下部のタップに接続される。これらのタップは、575ボルトが変圧器T7の1次側に供給されたとき、コントローラ104に対し設けられた変圧器T7の出力が約48ボルトセンタタップとなるように、変圧器T7の適切なタップに接続される。
【0052】
460ボルトが存在するとき、入力リレーK2Bの接点は図の左側に閉じ、K1Bの接点は図の右側に閉じるべきである。これによりAC入力をコネクタJ3の最上部から2番目のタップと最下部のタップに接続する。残りの電圧は同様に適合される。一対の0.15μFのコンデンサC13とC14はスナッバ用および変圧器T7の一次側が切り替えられるときのスパイクを抑制するために設けられる。
【0053】
図5の回路の動作において、入力電圧を測定し、その電圧に対してリレーを設定する。スタートアップ時に、リレーは図6に示すようであり、575ボルトの入力電圧に適合する。575ボルトが予測される最大入力電圧なので、全てのコンポーネントは保護される。すなわち電圧が適切に選択されるかまたは入力電圧はコンポーネントの設計能力以下である。しかしながら、補助電源コントローラ105が575ボルト以下の電圧が存在すると決定したとき、リレーK2Bの状態は(図の左側に)変化し、それゆえ出力は460ボルト入力に対して適合される。
【0054】
この処理は繰り返され、適切な入力電圧が検出されるまで次に高い電圧へ絶えずステップダウンされる。このように、コントローラ104におけるコンポーネントはコントローラ104に印加される危険な高い電圧から保護される。
【0055】
検出用電圧は、変圧器T7の2次側タップに接続されるコネクタJ2を介して補助電源コントローラ105に供給される。従って、J3で選択されたタップが正しくないとき、コネクタJ2の電圧はあまりに低く、補助電源コントローラ105は次の電圧レベルにステップダウンして適切なリレーの設定を選択する。上述したようにステップダウンは適切な電圧がコネクタJ2で検出されるまで続けられる。
【0056】
コネクタJ2からの入力は、ダイオードCR1、CR2、CR3およびCR4からなる整流器に供給される。これらのダイオードはAC信号を整流し、その整流信号は一対の220μFの平滑コンデンサC1とC2に供給される。整流器の電圧はコネクタJ3の適切なタップが選択されたとき+/−18Vである。間違ったタップが選択されたときは+/−18V未満となるが、名目上+/−18Vとして参照される。名目上+/−18Vの供給が、コネクタJ3の適切なタップが選択されたか否かを決定するために使用される30ボルトの定電圧ダイオードCR7を含む補助電源コントローラ105の回路中の他の位置で行われる。
【0057】
補助電源コントローラ105は575ボルトが次のコンポーネント、すなわち定電圧ダイオードCR7、10μFのコンデンサC9、リレーK2の巻線K2A用のダーリントンドライバとして構成される一対のゲートU2BとU2C、10KΩの抵抗器RN2B、820Ωの抵抗器R9およびダイオードU3Bを用いた入力に存在するか否かを決定する。ゲートU2BとU2Cはまた検出デバイスとして使用され、ゲートU2Bのピン1の入力(ピン1)で約4ボルト(基準電圧に対する)の閾値をもつ。
【0058】
最初、ゲートU2Bは低い出力を有し、名目上の−18Vと参照される。ゲートU2Bは入力が基準電圧(グラウンドに対して名目上−18V)より少なくとも4V大である限り状態を切り替えない。動作上、名目上の+18VはダイオードCR7に印加され、−18V信号は10μFのコンデンサC9に印加される。30Vのツェナードロップの結果として、ゲートU2Bへの入力は適切なタップが選択されたとき−12V(グラウンドに対して)である。入力に575Vが存在するとき、演算増幅器(以下OPアンプと呼ぶ)U2Bへの入力で基準電圧(−18V)に対して6Vあり、ゲートU2Bの出力状態は低いままとなる。U2Bの出力電圧が低い限り、電流はリレーK2の巻線に流れず、リレーK2Bは図6に示す状態のままとなる。
【0059】
しかしながら、入力に460Vのみが存在し、かつリレーが(スタートアップ時同様に)図6に示されるような状態のとき、そのとき名目上+/−18Vの電圧は実際上+/−14.4Vである。従って、28.8Vが定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)CR7およびコンデンサC9に横断して印加される。30Vのツェナー電圧降下が与えられると、−14.4VがゲートU2Bの入力に加えられる。何故ならば、これはゲートU2B用の基準電圧であり、その閾値が横断され、ゲートU2Bの出力が状態を変化させる。電流は次にリレーK2の巻線に流れリレーK2Bは状態を変え、460V用のJ3のタップを構成する。入力に460Vより低い電圧が存在するとき、同様な結果が生じる。
【0060】
380Vまであるいは230Vまで検出しステップダウンすることが、類似のコンポーネントを用いて同様に発生する。図5と図6を参照すると、380Vを検出しステップダウンする回路は、100Ωの抵抗器R17、一対の10KΩ抵抗器RN2C、RN2Dおよび820Ω抵抗器R8、ダイオードU3C、10μFのコンデンサC6、一対のゲートU2DとU2E、およびリレーK1の巻線K1Aを有する。リレーK2Cは460Vへのステップダウンが発生する前にリレーK1が状態を変化することを防止するために設けられる。460Vへのステップダウンについて上記したように、460V未満の電圧が入力に印加されたとき、電流はリレーK1の巻線K1Aに供給される。これはリレーK1Bの接点を図6の左側の位置に閉じるように移動させ、380V入力に対応するJ3のタップを接続する。
【0061】
230Vへステップダウンするに伴われる回路は、100Ωの抵抗器R16、一対の10KΩ抵抗器RN1A、RN1Bおよび820Ω抵抗器R11、ダイオードU3E、一対のゲートU2FとU2G、およびリレーK3の巻線K3A、リレーK1C、ダイオードCR5および定電圧ダイオードCR4を有する。リレーK1Cは380Vへのステップダウンが発生する前に、リレーK3が状態を変化することを防止するために設けられる。230Vへのステップダウンは、前述した380Vや460Vへのステップダウンと同様に動作する。380VがコネクタJ4の入力に印加されたとき、ゲートU2FとU2Gは電流をリレーK3の巻線3Aを介して流す。これはリレーK3Bの接点を図6の左側に閉じるように移動させ、230V用のJ3のタップをAC入力に接続する。
【0062】
従って、上記から判るように、補助電源コントローラ105の回路はAC入力電圧を検出し、補助電源変圧器T7の適切なタップをAC入力電圧に接続する。上記説明から判るように、これはスタートアップ時に最も高くなると予測される電圧を仮定することによりコンポーネントを保護する方法で達成される。電圧が最も高いと予測した電圧より低いとき、次に高い電圧が仮定される。この処理は実際の電圧が得られるまで繰り返される。
【0063】
AC入力が230Vであるとき、スタートアップ時は名目+/−18Vの信号からリレーをドライブするために十分な電力はない。何故ならば、コネクタJ3の575Vに対応するタップはスタートアップ時に選択されるからである。これを補償するため、コネクタJ2に供給される電圧をブーストする回路が設けられる。この回路は1mHのインダクタL1、スイッチQ4、タイマU1、スイッチQ2、スイッチQ1およびスイッチTRIP120を含む。さらに、22Ωシャント抵抗器R13、1KΩ抵抗器R5、10KΩ抵抗器R12、10KΩ抵抗器R14、2.2KΩ抵抗器R4、1KΩ抵抗器R6、1KΩ抵抗器R2、20KΩ抵抗器R3、220Ω抵抗器R7、10KΩ抵抗器RN1D、4.7KΩ抵抗器R10、470pFコンデンサC4、0.01μFコンデンサC3、0.1μFコンデンサC5、220μFコンデンサC11、220μFコンデンサC12、ダイオードCR12、ダイオードCR8、、定電圧ダイオードCR10、ダイオードCR5および定電圧ダイオードCR11を有する。
【0064】
ブースト電源回路は典型的なブースト回路として動作する。ブーストはインダクタL1とスイッチQ4により提供される。スイッチQ4がオンである間、電流はインダクタL1、シャント抵抗器R13およびスイッチQ4を介して負の電圧供給へ流れる。この間、エネルギはインダクタL1に蓄えられる。スイッチQ4がオフの時、インダクタL1に蓄えられたエネルギはダイオードCR12を介して正の電圧供給(+B)へ戻される。スイッチQ4のターンオンターンオフのタイミングを適切にとることにより、所望の電圧が得られる。タイマチップU1はオンオフゲート信号をスイッチQ4に供給するために使用され、LM555タイマも同様な目的のために使用される。抵抗器R13の電圧が十分に高いとき、それはU1の入力をトリップし、逆にタイマU1の出力によりスイッチQ4をターンオフさせる。
【0065】
最初にスイッチQ4はオンの位置に在り、電流は増大し、抵抗器R12を介してタイマU1の閾値をトリップするため、抵抗器R13の電圧は最後に十分に高い点に到達する。それゆえ、スイッチQ4は十分なエネルギを蓄えるために十分な時間ONのままとなり、それがターンオフされるとき、名目上+/−18Vをリレーをドライブするのに十分なレベルに上げる。
【0066】
コネクタJ3のタップが、名目上の電圧+/−18V信号は実際+/−18Vであるとされるようなとき、スイッチQ2とQ1はタイマU1を作動可能または不可能にする。スイッチQ2がターンオフしたとき、タイマU1はVCC入力を介して作動不能にされる。また、スイッチTIP120は線型のレギュレータである。名目上の+18Vの電圧供給がリレーをドライブするために不十分のとき、スイッチTIP120はリレーをドライブするためブースト電源を供給する。名目上の+18Vがリレーをドライブするのに十分なとき、スイッチQ2、タイマU1およびスイッチQ4はターンオフされる。+18Vの電圧供給はL1およびCR12を介してレギュレータであるスイッチTIP120に結合され、+Bブースト供給は次に十分高い+18Vの供給により直接送られる。レギュレータTIP120はリレー供給を−18V供給に対して24Vで調節する。
【0067】
上記回路に加えて、過電圧の場合に保護するために設けられた回路がある。この回路はスイッチQ5、ゲートU2A、100Ω抵抗器R15、10KΩ抵抗器RN3A、10KΩ抵抗器RN3B、10KΩ抵抗器RN3C、10μFコンデンサC10、ダイオードCR14とU3H、および10V定電圧ダイオードCR13を有する。過電圧はコネクタJ3で選択されたタップがAC入力電圧より低い電圧に相当するとき発生する。これは誤ったタップが選択されたときまたは一時的に高い電圧がAC入力に印加されたときに発生する。
【0068】
過電圧が発生した場合、ダイオードCR13とCR7に共通なノードにおける電圧が名目上の−18V信号に対し14Vより大きい値まで上昇したときに発生する。これはダイオードCR13の低い側の電圧を名目上の−18Vの電圧信号に対して4Vより高くし、U2Aの入力が入力の低い状態から入力の高い状態に変化する。U2Aの入力がローレベルからハイレベルに変化するとき、出力は出力の高い状態から出力の低い状態に変化する。U2Aの低い状態の出力はリレー供給電圧をダイオードU3HとCR14を介して実際上0にする。これは予期される最も高い電圧(575V)に適応する図2で示した状態にリレーを戻させる。このとき、コネクタJ4で受けた入力電圧に一致するように正しいタップが選択されるまで前述した575Vのタップから、460V、380Vそして230Vのタップへステップダウンするタップ選択処理が再び始まる。従って、コントローラ104のコンポーネントは保護される。
【0069】
以上説明してきた教えに鑑みて本発明の修正や変形は可能である。それゆえ、本発明の請求項に記載した範囲内で以上説明してきた実施例以外の他の実施を行うことが可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の好適実施例のブロック図である。
【図2】図1の入力整流器の詳細電気回路図である。
【図3】図1のブースト回路の詳細電気回路図である。
【図4】図1のパルス巾変調器の詳細電気回路図である。
【図5】本発明の補助電源コントローラの電気回路図の一方の半分を示す図である。
【図6】本発明の補助電源コントローラの電気回路図の他方の半分を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
100 溶接用電源
101 入力整流器
102 ブースト回路
103 パルス巾変調器
104 コントローラ
105 補助電源コントローラ
107 入力ライン
108 出力端子
110 冷却ファン
111 フロントパネル
112 リモートコネクタ
115 コンタクタ
301 IGBTドライバ
401 パルス巾ドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定範囲内の入力電圧を受ける溶接、切断または加熱用の電源であって、
少なくとも2つの実用電圧を含む入力の所定範囲内の大きさの電圧を有するAC入力を受け、第1DC信号を供給する入力整流器と、
前記第1DC信号を受けるよう接続されたブーストインダクタを含み、DCバス出力を有するブーストコンバータと、
パルス巾変調器を含み、少なくとも1つの制御入力を受け、前記DCバスを受け、パルス巾変調信号を供給するインバータと、
前記AC入力を受け、前記AC入力信号の大きさに無関係に予め選択された制御信号電圧で制御電力信号をコントローラに供給する補助電源と、
を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
出力電流のフィードバック信号を受け、前記フィードバック信号に応答して前記インバータに制御信号を供給するコントローラを備える、請求項1に記載の電源。
【請求項3】
前記所定範囲は230ボルト〜575ボルトである、請求項1に記載の電源。
【請求項4】
前記補助電源は、複数の一次タップを有する補助変圧器を含む、請求項1に記載の電源。
【請求項5】
前記パルス巾変調信号を受けるよう接続された整流器を備える、請求項1に記載の電源。
【請求項6】
溶接、切断または加熱用の電流を供給する方法であって、
少なくとも2つの実用電圧を含む入力の所定範囲内の大きさの電圧を有するAC入力信号をDCバスにブースト変換するステップと、
パルス巾変調を含み、前記DCバスを溶接、切断または加熱に適した電流を有する出力信号に変換するステップと、
前記AC入力電圧信号の受領に応答して、補助電源が前記AC入力信号の大きさに無関係に予め選択された制御信号電圧で前記コントローラに制御電力を供給するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項7】
出力フィードバック信号を受け、前記出力フィードバック信号に応答して前記DCバスの変換を制御するステップを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記範囲が230〜575ボルトである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記制御電力を供給するステップは前記AC入力信号を変換するステップを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記出力信号を整流するステップを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
AC入力を受け第一DC信号を供給するよう構成される入力整流器と、
前記第一DC信号を受け、前記AC入力信号の大きさに無関係な所定電圧を有する第二DC信号を供給するよう構成されるDC電圧ステージと、
前記第二DC信号を受け第二AC信号を供給するよう構成され、かつ少なくとも1つの制御入力を受けるよう構成され、かつパルス幅変調器を有するインバータと、
前記第二AC信号を受け、溶接、切断または加熱用に適した電流を有する第三AC信号を供給するよう構成される出力変圧器と、
前記第三AC信号を受け、溶接、切断または加熱用信号を供給するよう構成される出力回路と、
電力力率修正回路を含み、少なくとも1つの制御信号を前記インバータに供給するよう構成され、前記溶接、切断または加熱電流のフィードバック信号を受け、前記第二AC信号のパルス幅を変調するために前記インバータに信号を送るコントローラと、
少なくとも2つの実用電圧に及ぶ所定範囲内の入力電圧を受け前記コントローラに制御電力信号を供給するよう構成され、前記AC入力信号の大きさに無関係に予め選択した前記コントローラを制御するための電圧を有する制御電力信号を供給することの可能な補助電源と、
を備えたことを特徴とする、所定範囲内の入力電圧を受ける溶接、切断または加熱用の電源。
【請求項12】
前記補助電源コントローラは、複数の一次側タップと電気的に通信可能である、複数の一次側タップを有する補助変圧器を含む請求項11に記載の電源。
【請求項13】
前記DC電圧ステージは、ブースト回路を含む請求項11に記載の電源。
【請求項14】
前記入力電圧の範囲は、230Vから575Vに渡る範囲である請求項11に記載の電源。
【請求項15】
前記出力回路は、整流器を含む請求項11に記載の電源。
【請求項16】
前記出力回路は、サイクロ(登録商標)コンバータを含む請求項11に記載の電源。
【請求項17】
AC入力信号を受け第一DC信号を供給するよう構成された入力整流器と、
前記第一DC信号を受け、前記AC入力信号の大きさに無関係な所定電圧を有するコンバータ出力を供給し、かつ少なくとも一つの制御入力信号を受けるよう構成されたコンバータと、
前記コンバータ出力を受け、溶接、切断または加熱用信号を供給する出力回路と、
電力力率修正回路を含み、前記コンバータに少なくとも一つの制御信号を供給するよう構成されたコントローラと、
を備えたことを特徴とする溶接、切断または加熱用の電源。
【請求項18】
前記AC入力信号の大きさに無関係に予め選択した前記コントローラを制御するための電圧を有する制御信号を供給することの可能な補助電源を含む請求項17に記載の電源。
【請求項19】
前記入力整流器は、入力の範囲を越える大きさを有するAC入力を受けるよう構成され、かつ該範囲において最大AC入力が少なくとも最小AC入力の2倍である請求項17に記載の電源。
【請求項20】
前記コンバータはブースト回路を含む請求項17に記載の電源。
【請求項21】
前記出力回路はパルス幅変調器を含む請求項17に記載の電源。
【請求項22】
前記出力回路はインバータを含む請求項17に記載の電源。
【請求項23】
前記出力回路は整流器を含む請求項17に記載の電源。
【請求項24】
最大AC入力が少なくとも最小AC入力の2倍である入力の範囲を越える大きさのAC入力信号を受け第一DC信号を供給するよう構成された入力整流器と、
前記第一DC信号を受けるよう接続されたブーストインダクタを含み、前記AC入力信号の大きさに無関係な所定電圧を有するDCバス出力を備えたブーストコンバータと、
前記DCバス出力を受け、溶接、切断または加熱用信号を供給する出力回路と、
電力力率修正回路を含み、前記ブーストコンバータに少なくとも一つの制御信号を供給するよう構成されたコントローラと、
を備えたことを特徴とする溶接、切断または加熱用の電源。
【請求項25】
前記AC入力信号に関する複数の大きさに対し予め選択した前記コントローラを制御するための電圧を有する制御信号電圧における制御電力信号を供給することの可能な補助電源を含む請求項24に記載の電源。
【請求項26】
前記補助電源が、複数の一次タップを有する補助変圧器を含む請求項25に記載の電源。
【請求項27】
前記出力回路が、DCバスを渡って接続された切替回路と該切替回路に一次側が接続された変圧器とを含む請求項24に記載の電源。
【請求項28】
前記切替回路がパルス幅変調器である請求項27に記載の電源。
【請求項29】
前記出力回路が前記変圧器の二次側に接続された出力整流器を含む請求項27に記載の電源。
【請求項30】
前記切替回路がインバータを含む請求項29に記載の電源。
【請求項31】
前記出力回路が前記出力整流器に接続されたインダクタを含む請求項30に記載の電源。
【請求項32】
AC入力信号から第二AC信号への変換を開始し、かつ電力力率を修正するステップと、
前記第二AC信号を溶接、切断または加熱を行うのに適した電流を有する第三信号に変更するステップと、
を備えたことを特徴とする溶接、切断または加熱用電流を供給する方法。
【請求項33】
コンバータに制御信号を供給するステップを含む請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記AC入力信号を変形することにより補助電力信号を供給するステップを含む請求項32に記載の方法。
【請求項35】
パルス幅変調するステップを含む請求項32に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定範囲内の入力電圧を受ける溶接、切断または加熱用の電源であって、
少なくとも2つの実用電圧を含む入力の所定範囲内の大きさの電圧を有するAC入力を受け、第1DC信号を供給する入力整流器と、
前記第1DC信号を受けるよう接続されたブーストインダクタを含み、DCバス出力を有するブーストコンバータと、
パルス巾変調器を含み、少なくとも1つの制御入力を受け、前記DCバスを受け、パルス巾変調信号を供給するインバータと、
前記AC入力を受け、該AC入力信号の電圧の大きさに無関係に予め選択された制御信号電圧で制御電力信号をコントローラに供給する補助電源と、
を備えることを特徴とする電源。
【請求項2】
出力電流のフィードバック信号を受け、前記フィードバック信号に応答して前記インバータに制御信号を供給するコントローラを備える、請求項1に記載の電源。
【請求項3】
前記所定範囲は230ボルト〜575ボルトである、請求項1に記載の電源。
【請求項4】
前記補助電源は、複数の一次タップを有する補助変圧器を含む、請求項1に記載の電源。
【請求項5】
前記パルス巾変調信号を受けるよう接続された整流器を備える、請求項1に記載の電源。
【請求項6】
溶接、切断または加熱用の電流を供給する方法であって、
少なくとも2つの実用電圧を含む入力の所定範囲内の大きさの電圧を有するAC入力信号をDCバスにブースト変換するステップと、
パルス巾変調を含み、前記DCバスを溶接、切断または加熱に適した電流を有する出力信号に変換するステップと、
前記AC入力信号の受領に応答して、補助電源が前記AC入力信号の電圧の大きさに無関係に予め選択された制御信号電圧で前記コントローラに制御電力を供給するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項7】
出力フィードバック信号を受け、前記出力フィードバック信号に応答して前記DCバスの変換を制御するステップを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記範囲が230〜575ボルトである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記制御電力を供給するステップは前記AC入力信号を変換するステップを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記出力信号を整流するステップを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
AC入力信号から第二AC信号への変換を開始し、かつ電力力率を修正するステップと、
前記第二AC信号を溶接、切断または加熱を行うのに適した電流を有する第三信号に変更するステップと、
を備えたことを特徴とする溶接、切断または加熱用電流を供給する方法。
【請求項12】
コンバータに制御信号を供給するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記AC入力信号を変形することにより補助電力信号を供給するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項14】
パルス幅変調するステップを含む請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−109698(P2006−109698A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−347098(P2005−347098)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【分割の表示】特願平7−294448の分割
【原出願日】平成7年11月13日(1995.11.13)
【出願人】(595071911)ザ ミラー グループ,リミティド (1)
【Fターム(参考)】