説明

無線端末

【課題】 入居者が転倒したことをできる限り正確に判定して管理人へ知らせる。
【解決手段】 加速度センサ12から出力された加速度情報が記憶部14に予め記憶しておいた基準加速度情報の値以上であると判断した場合には、脈拍判定部16は、脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報と記憶部14に予め記憶しておいた基準脈拍情報とを比較する。脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報が記憶部14に予め記憶しておいた基準脈拍情報の値よりも大きい場合には、入居者が走っており転倒していないと判断して、脈拍判定部16による判定処理を終了する。一方、脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報が記憶部14に予め記憶しておいた基準脈拍情報の値以下である場合には、入居者が転倒していると判断して、監視装置30へ呼出信号を送信している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者用住宅などに居住する入居者の行動を検出する無線端末に関し、特に入居者が転倒したことを知らせる無線端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、核家族化などの進行により、高齢者のみが居住する住宅が増えている。また、このような高齢者が居住する住宅を集めて、管理人室などにより管理する集合住宅が知られている。
【0003】
ところで、高齢者用住宅では、入居者が高齢であるため、立ち上がったり歩いたりした場合に、入居者が足を踏み外して転倒してしまうことがあった。このように、入居者が転倒すると、転倒の勢いで入居者の体が床や壁、家具などに打ち付けられてしまうことがあった。また、打ち付けられた体の部位によっては、入居者が負傷してしまい、管理人や他の入居者が転倒に気づくまで放置され続けてしまうことがあった。
【0004】
そこで、入居者の動きを検出して、入居者が転倒した場合にその旨を知らせる技術が知られている(例えば、特許文献1など)。特許文献1に記載の患者異常通知システムでは、患者に作用する加速度を検出する加速度センサを備えた携帯型発信機を患者に装着し、所定のしきい値を超える加速度を加速度センサが検出した場合に、携帯型発信機は、患者に異常が生じていることを知らせるための異常検出信号を無線で送信する。そして、受信機を介して異常検出信号を受信した集中監視装置は、患者に異常が生じた旨を異常通知画面に表示する。これにより、加速度センサが検出した加速度が所定のしきい値を超えれば、患者が転倒したり、患者がベッドから転落したり、患者の身体が急激に移動したり、患者の身体に過度の衝撃が加わったりするなどといった異常が患者に生じたことを、集中監視装置は、看護師や医師などに迅速に通知することができる。
【特許文献1】特開2008−047097号公報
【0005】
ところで、特許文献1に記載の患者異常通知システムを高齢者が居住する住宅にて適用すると、入居者に作用する加速度(換言すると、入居者の動きの度合いを示す加速度)を加速度センサにて検出し、加速度センサにて検出した加速度が所定のしきい値を超えた場合に、入居者に異常が生じたと携帯型発信機にて判断して異常検出信号を無線で送信する。そして、異常検出信号を受信した集中監視装置は、入居者に異常が生じたことを管理人などに知らせることができる。しかしながら、このような場合において、入居者が転倒したときだけではなく、入居者が激しい運動(例えば、走るなどの運動)を行っているときでも、加速度が所定のしきい値を超えてしまえば、携帯型発信機は、入居者に異常が生じたと判断して異常検出信号を無線で送信してしまっていた。このことから、特許文献1に記載の患者異常通知システムでは、入居者が正常であっても、入居者に異常が生じたという誤報が行われてしまうことがあるという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、入居者が転倒したことをできる限り正確に判定して管理人へ知らせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の無線端末では、入居者の動きの度合いを示す加速度を測定して加速度情報として出力する加速度センサと入居者の単位時間あたりの脈拍数を測定して脈拍情報として出力する脈拍センサとを備え、加速度センサから出力された加速度情報が所定の値を超えた場合に、その時点の脈拍情報と常態における単位時間あたりの脈拍数を示す値とを比較する。比較した結果、単位時間あたりの脈拍数が上昇していない場合に、入居者が転倒したことを知らせるための呼出信号を外部へ送信するようにしている。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した本発明によれば、入居者が走ると、その入居者の脈拍数が上昇することに基づき、加速度センサが出力した加速度情報が所定の値以上であっても、入居者の脈拍数が上昇した場合には、入居者が走っており、転倒していないと判断されて呼出信号の送信が行われない。一方、入居者の脈拍数が上昇していない場合には、入居者が転倒していると判断されて呼出信号の送信が行われる。これにより、入居者が転倒したことをできる限り正確に判定して管理人へ知らせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態による無線端末を含む監視システムの構成例を示すブロック図を図1に示す。同図に示すように、監視システムは、無線端末10、受信機20、監視装置30を備えて構成されている。
【0010】
また、無線端末10は、制御部11、加速度センサ12、脈拍センサ13、記憶部14、加速度判定部15、脈拍判定部16、インターフェース(以下、I/Fとする)部(特許請求の範囲の送信部に該当する)17を備えて構成されている。また、監視装置30は、監視装置用制御部31、監視装置用インターフェース(以下、I/Fとする)部32、報知部33を備えて構成されている。
【0011】
図1において、無線端末10は、高齢者用住宅などに居住する入居者によって常に携行されるものであり、後述の処理にて入居者が転倒したと判断した場合に、入居者が転倒したことを知らせるための呼出信号を出力する。ここで、各入居者が無線端末10を携行しているので、高齢者用住宅などでは、複数の無線端末10が使用されている。また、複数の無線端末10は、受信機20と無線通信可能である。また、無線端末10のそれぞれには、自装置を識別するための端末識別情報(例えば、端末番号など)が割り振られている。受信機20は、無線端末10から送信された呼出信号を受信するためのものである。無線端末10から呼出信号が送信された場合に、受信機20は、その呼出信号を受信して監視装置30へ出力する。ここで、受信機20は、所定の範囲の呼出信号を受信するため、高齢者用住宅内のどの場所からでも無線端末10からの呼出信号を受信することができるような間隔で複数設置されている。また、受信機20のそれぞれには、自装置を識別するための受信機識別情報(例えば、受信機番号など)が割り振られている。また、受信機20は、監視装置30へ呼出信号を出力する。この際に、受信機20は、受信した呼出信号に自装置の受信機識別情報を含ませる。監視装置30は、管理人が居る部屋(例えば、管理人室など)に設置されており、入居者の動きを監視するためのものである。監視装置30は、無線端末10からの呼出信号を受信機20を介して入力した場合に、入居者が転倒したことを後述の報知部33にて報知させる。ここで、監視装置30には、複数の受信機20が接続されている。
【0012】
制御部11は、無線端末10の各構成要素を後述するように制御する。加速度センサ12は、入居者の動きの度合いを示す加速度を測定して加速度情報として制御部11へ出力するものであり、無線端末10を携行する入居者に装着される。ここで、加速度センサ12の構造や加速度センサ12による加速度の測定処理は、周知の技術を用いる。脈拍センサ13は、入居者の単位時間あたりの脈拍数を測定して脈拍情報として制御部11へ出力するものであり、無線端末10を携行する入居者に装着される。ここで、脈拍センサ13の構造や脈拍センサ13による脈拍数の測定処理は、周知の技術を用いる。また、単位時間あたりの脈拍数とは、予め設定しておいた間(例えば、1分間など)に測定した脈拍数を示すものである。
【0013】
記憶部14は、後述の加速度判定部15にて実行する判定処理で使用される加速度情報のしきい値(特許請求の範囲の所定の値に該当する)を示す基準加速度情報と後述の脈拍判定部16にて実行する判定処理で使用される常態における入居者の単位時間あたりの脈拍数を示す基準脈拍情報と端末識別情報とを予め記憶しておくものである。ここで、加速度情報のしきい値とは、入居者が転倒したことを判定するために必要とする最低限の加速度情報の値を示すものである。また、常態における単位時間あたりの脈拍数とは、通常の状態での単位時間あたりの脈拍数を示すものである。また、基準加速度情報および基準脈拍情報は、管理人により記憶部14に予め記憶されている。なお、基準脈拍情報を記憶させる際に、管理人は、図示しない入力部を使用して通常の状態での入居者の単位時間あたりの脈拍数を直接入力して記憶部14に記憶させるようにしても良いし、通常の状態で脈拍センサ13にて測定した入居者の単位時間あたりの脈拍数を基準脈拍情報として記憶部14に記憶させるようにしても良い。
【0014】
加速度判定部15は、加速度センサ12から出力された加速度情報がしきい値以上であるか否かを判定する。ここで、自装置の電源が入れられると、制御部11が加速度センサ12から出力された加速度情報を随時取得するため、加速度判定部15による判定処理は、制御部11が加速度センサ12から出力された加速度情報を取得する度に実行される。また、自装置の電源が入れられた際に、制御部11は、記憶部14に予め記憶しておいた基準加速度情報を取得する。また、加速度判定部15は、制御部11にて取得した各情報から、加速度センサ12から出力された加速度情報が記憶部14に予め記憶しておいた基準加速度情報の値以上であるか否かを判定する。
【0015】
加速度センサ12から出力された加速度情報が記憶部14に予め記憶しておいた基準加速度情報の値以上ではないと加速度判定部15にて判断した場合に、加速度判定部15は、入居者が転倒したことを判定するために必要とされる最低限の加速度情報に加速度センサ12から出力された加速度情報が達していないと判断する。そして、制御部11は、加速度判定部15に対してこの判定処理を繰り返し実行させる。
【0016】
一方、加速度センサ12から出力された加速度情報が記憶部14に予め記憶しておいた基準加速度情報の値以上であると加速度判定部15にて判断した場合に、加速度判定部15は、入居者が転倒したことを判定するために必要とされる最低限の加速度情報に加速度センサ12から出力された加速度情報が達したと判断する。
【0017】
脈拍判定部16は、加速度センサ12から出力された加速度情報が記憶部14に予め記憶しておいた基準加速度情報の値以上であると加速度判定部15にて判断した場合に動作する。また、脈拍判定部16が動作を開始することに併せて、制御部11は、脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報を取得し、記憶部14に予め記憶しておいた基準脈拍情報を取得する。そして、脈拍判定部16は、脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報と記憶部14に予め記憶しておいた基準脈拍情報とを比較する。
【0018】
比較した結果、脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報が記憶部14に予め記憶しておいた基準脈拍情報の値よりも大きいと脈拍判定部16にて判断した場合に、制御部11は、脈拍判定部16による判定処理を終了させる。一方、脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報が記憶部14に予め記憶しておいた基準脈拍情報の値以下であると脈拍判定部16にて判断した場合に、制御部11は、呼出信号を生成する。ここで、呼出信号は、転倒した入居者を特定するための端末識別情報を含む。
【0019】
本発明では、入居者が走るとその入居者の脈拍数が時間の経過に応じて上昇することに基づいて、入居者が転倒したか否かを判定している。これにより、脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報が記憶部14に予め記憶しておいた基準脈拍情報の値以下であれば、制御部11は、転倒を知らせるための動作を行っている。
【0020】
I/F部17は、無線端末10が受信機20との間で無線通信するために図示しない受信機用インターフェース(以下、I/Fとする)部に接続されている。ここで、I/F部17は、制御部11にて生成された呼出信号を受信機20へ送信する。
【0021】
また、無線端末10は、呼出信号を送信すると転倒を検出するための処理(換言すると、加速度判定部15の判定処理および脈拍判定部16の判定処理)を実行しない状態となる。そのため、無線端末10は、図示しないリセット操作部(例えば、リセットボタンなど)を備えている。呼出信号を送信した後、制御部11は、入居者の状態を確認した管理人などによりリセット操作部が操作されたか否かを判定する。リセット操作部が操作されたと制御部11にて判断した場合に、制御部11は、自装置の動作をリセットして、転倒を検出するための処理を実行する状態に戻す。
【0022】
監視装置用制御部31は、監視装置30の各構成要素を後述するように制御する。監視装置用I/F部32は、監視装置30が受信機20との間で通信するために図示しない受信機用I/F部に接続されている。また、監視装置用I/F部32は、受信機20から出力された呼出信号を入力する。
【0023】
報知部33は、スピーカや表示ディスプレイ、表示灯などにより構成されており、入居者が転倒している場合には、スピーカから音を出力させたり、表示ディスプレイに表示を行わせたり、表示灯を点灯または点滅させたりして、入居者が転倒していることを報知する。ここで、報知部33は、呼出信号に含まれている端末識別情報および受信機識別情報により呼出信号を送信した無線端末10を携行する入居者の氏名やその無線端末10からの呼出信号を受信した受信機20が設置されている場所を表示させながら、入居者が転倒していることを報知する。
【0024】
監視装置用制御部31は、監視装置用I/F部32が受信機20から出力された呼出信号を入力したか否かを判定する。監視装置用I/F部32が受信機20から出力された呼出信号を入力したと監視装置用制御部31にて判断した場合に、監視装置用制御部31は、入力した呼出信号に含まれる端末識別情報および受信機識別情報を取得する。ここで、監視装置30は、入居者が携行する無線端末10の端末識別情報と入居者を識別するための入居者情報(例えば、入居者氏名など)とを対応付けて記憶するとともに、高齢者用住宅内に設置されている受信機20の受信機識別情報と受信機20が設置されている場所を示す場所情報(例えば、二階廊下など)とを対応付けて記憶する監視装置用記憶部(図示せず)を備えている。監視装置用制御部31は、監視装置用記憶部を参照し、取得した端末識別情報に対応付けて記憶されている入居者情報を取得して呼出信号を送信した無線端末10を携行する入居者を特定する。また、監視装置用制御部31は、監視装置用記憶部を参照し、取得した受信機識別情報に対応付けて記憶されている場所情報を取得して呼出信号を受信した受信機20が設置されている場所を特定する。
【0025】
そして、監視装置用制御部31は、報知部33を動作させて、入居者が転倒していることを報知するとともに、転倒した入居者の氏名や呼出信号を受信した受信機20が設置されている場所を報知部33の表示ディスプレイなどに表示させる。
【0026】
また、監視装置30には、報知を停止させるための図示しない監視装置用リセット操作部(例えば、監視装置用リセットボタン)が設けられている。監視装置30が報知を行っている場合、監視装置用制御部31は、監視装置用リセット操作部が操作されたか否かを判定する。監視装置用リセット操作部が操作されたと監視装置用制御部31にて判断した場合に、監視装置用制御部31は、報知部33の動作を停止させる。
【0027】
次に、本実施形態による無線端末10を含む監視システムの動作を説明する。図2は、本実施形態による無線端末を含む監視システムの動作を示すフローチャートである。ここで、無線端末10が入居者により携行される際に、制御部11は、監視システムの動作を実現するために、基準加速度情報および基準脈拍情報を記憶部14に記憶させる。まず、制御部11は、加速度センサ12を動作させて、入居者の動きの度合いを示す加速度を測定するとともに、脈拍センサ13を動作させて、入居者の単位時間あたりの脈拍数を測定する(ステップS1)。
【0028】
加速度センサ12は、測定した加速度を加速度情報として出力し、制御部11は、加速度センサ12から出力された加速度情報を取得する。また、制御部11は、基準加速度情報を記憶部14から取得し(ステップS2)、加速度判定部15を動作させる。加速度判定部15は、加速度センサ12から出力された入居者の加速度情報が基準加速度情報の値以上であるか否かを判定する(ステップS3)。加速度センサ12から出力された入居者の加速度情報が基準加速度情報の値以上ではないと加速度判定部15にて判断した場合には(ステップS3にてNO)、ステップS1の処理に戻る。一方、加速度センサ12から出力された入居者の加速度情報が基準加速度情報の値以上であると加速度判定部15にて判断した場合には(ステップS3にてYES)、制御部11は、脈拍判定部16を動作させるとともに、脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報を取得し、基準脈拍情報を記憶部14から取得する(ステップS4)。
【0029】
脈拍判定部16は、脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報が基準脈拍情報の値よりも大きいか否かを判定する(ステップS5)。脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報が基準脈拍情報の値よりも大きいと脈拍判定部16にて判断した場合には(ステップS5にてYES)、ステップS1の処理に戻る。一方、脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報が基準脈拍情報の値以下であると脈拍判定部16にて判断した場合には(ステップS5にてNO)、制御部11は、呼出信号を生成し、I/F部17は、受信機20を介して監視装置30へ制御部11にて生成された呼出信号を送信し(ステップS6)、ステップS12の処理に移行する。
【0030】
また、監視装置30では、監視装置用制御部31は、監視装置用I/F部32が受信機20を介して無線端末10から送信された呼出信号を受信したか否かを判定する(ステップS7)。呼出信号を受信していないと監視装置用制御部31にて判断した場合には(ステップS7にてNO)、ステップS7の処理を繰り返す。一方、呼出信号を受信したと監視装置用制御部31にて判断した場合には(ステップS7にてYES)、監視装置用制御部31は、受信した呼出信号に含まれる端末識別情報および受信機識別情報を取得し、取得した端末識別情報に対応付けて図示しない監視装置用記憶部に記憶されている入居者情報を取得して呼出信号を送信した無線端末10を携行する入居者を特定するとともに、取得した受信機識別情報に対応付けて図示しない監視装置用記憶部に記憶されている場所情報を取得して呼出信号を受信した受信機20が設置されている場所を特定する(ステップS8)。
【0031】
呼出信号を送信した無線端末10を携行する入居者および信号を受信した受信機20が設置されている場所を特定すると、監視装置用制御部11は、報知部33を動作させて、特定した無線端末10を携行する入居者および信号を受信した受信機20が設置されている場所を表示させて、入居者が転倒したことを報知する(ステップS9)。
【0032】
監視装置用制御部31は、監視装置用リセット操作部の操作によりリセット操作が行われたか否かを判定する(ステップS10)。監視装置用リセット操作部の操作によりリセット操作が行われていないと監視装置用制御部31にて判断した場合には(ステップS10にてNO)、ステップS10の処理を繰り返す。一方、監視装置用リセット操作部の操作によりリセット操作が行われたと監視装置用制御部31にて判断した場合には(ステップS10にてYES)、監視装置用制御部31は、報知部33の動作を停止させて報知を停止し(ステップS11)、ステップS7の処理に戻る。
【0033】
ステップS12では、無線端末10の制御部11は、リセット操作部の操作によりリセット操作が行われたか否かを判定する。リセット操作部の操作によりリセット操作が行われていないと制御部11にて判断した場合には(ステップS12にてNO)、ステップS12の処理を繰り返す。一方、リセット操作部の操作によりリセット操作が行われたと制御部11にて判断した場合には(ステップS12にてYES)、制御部31は、自装置の動作をリセットして(ステップS13)、ステップS1の処理に戻る。
【0034】
以上、詳しく説明したように、本実施形態の無線端末10では、加速度センサ12から出力された加速度情報が記憶部14に予め記憶しておいた基準加速度情報の値以上であると加速度判定部15にて判断した場合には、制御部11は、脈拍判定部16を動作させるとともに、脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報を取得し、記憶部14に予め記憶しておいた基準脈拍情報を取得する。脈拍判定部16は、脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報と記憶部14に予め記憶しておいた基準脈拍情報とを比較する。比較した結果、脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報が記憶部14に予め記憶しておいた基準脈拍情報の値よりも大きいと脈拍判定部16にて判断した場合に、制御部11は、脈拍判定部16による判定処理を終了させる。一方、脈拍センサ13から出力された入居者の単位時間あたりの脈拍情報が記憶部14に予め記憶しておいた基準脈拍情報の値以下であると脈拍判定部16にて判断した場合に、制御部11は、呼出信号を生成して、I/F部17は、受信機20を介して監視装置30へ制御部11にて生成された呼出信号を送信している。これにより、入居者が転倒したことをできる限り正確に判定して管理人へ知らせることができる。
【0035】
なお、前述した実施形態では、記憶部14、加速度判定部15、脈拍判定部16は、無線端末10に備えられているが、これに限定されない。例えば、記憶部14、加速度判定部15、脈拍判定部16は、受信機20または監視装置30に備えられていても良い。要は、加速度センサ12および脈拍センサ13が入居者に装着されていれば、その他の各構成要素は、無線端末10に備えられていなくても良い。
【0036】
また、前述した実施形態では、監視装置30が入居者の転倒を報知しているが、これに限定されない。例えば、入居者の転倒を無線端末10で報知するようにしても良い。
【0037】
また、前述した実施形態では、監視システムは、高齢者用住宅などで使用されているが、これに限定されない。例えば、監視システムは、病院やその他の施設などで使用されるようにしても良い。
【0038】
その他、無線端末の構成、処理手順、内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の組み合わせにより種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除するようにしても良い。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態による無線端末を含む監視システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による無線端末を含む監視システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
10 無線端末
11 制御部
12 加速度センサ
13 脈拍センサ
14 記憶部
15 加速度判定部
16 脈拍判定部
17 インターフェース(I/F)部
20 受信機
30 監視装置
31 監視装置用制御部
32 監視装置用インターフェース(I/F)部
33 報知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入居者に装着され、前記入居者の動きの度合いを示す加速度を測定して加速度情報として出力する加速度センサと、
前記入居者に装着され、前記入居者の単位時間あたりの脈拍数を測定して脈拍情報として出力する脈拍センサと、
前記入居者が転倒したことを知らせるための呼出信号を外部へ送信する送信部と、
前記加速度センサから出力された前記加速度情報が所定の値以上であるか否かを判定する加速度判定部と、
前記加速度センサから出力された前記加速度情報が所定の値以上であると前記加速度判定部にて判断した場合に、前記加速度情報が所定の値以上になった時点で前記脈拍センサから出力された前記脈拍情報と常態における前記入居者の前記単位時間あたりの脈拍数を示す値とを比較して、前記入居者の前記単位時間あたりの脈拍数が上昇しているか否かを判定する脈拍判定部と、
前記入居者の前記単位時間あたりの前記脈拍数が上昇していないと前記脈拍判定部にて判断した場合に、前記呼出信号を生成して、生成した前記呼出信号を前記送信部により送信させる制御部と、
を備えたことを特徴とする無線端末。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−108368(P2010−108368A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−281648(P2008−281648)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(591253593)株式会社ケアコム (493)
【Fターム(参考)】